(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147362
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20241008BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20241008BHJP
F04D 29/54 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B60H1/00 102F
F24F13/02 H
F04D29/54 D
F04D29/54 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060325
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 文庸
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 聖
(72)【発明者】
【氏名】石井 文也
【テーマコード(参考)】
3H130
3L080
3L211
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC11
3H130BA07A
3H130BA14A
3H130CA06
3H130EA07A
3H130EA07C
3L080AE02
3L211BA14
3L211DA03
(57)【要約】
【課題】複数の旋回流抑制部26bによって生じる騒音を低減する。
【解決手段】複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、送風ファン201の回転によって生じる空気の旋回流の旋回を抑えてファン軸線方向DRaの他方側に流れるように旋回流を案内する。複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かう後傾形状に形成されている。このため、径方向Kc1の外側の旋回流は、径方向Kc1の内側の旋回流に比べて複数の旋回流抑制部26bに衝突する際の風速が遅くなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
【請求項2】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記軸線方向の端部(270)のうち、最も前記径方向の内側に位置する端部を径方向内側端部(272)とし、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記軸線方向の端部のうち、最も前記径方向の外側に位置する端部を径方向外側端部(271)とし、
前記径方向内側端部および前記径方向外側端部の間の前記軸線方向の距離を軸線方向距離(dDR)としたとき、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、それぞれ前記軸線方向距離が異なる2つ以上の旋回流抑制部を含む複数の旋回流抑制部である請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項4】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
【請求項5】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記回転方向の端部(270A)のうち、最も前記径方向の内側に位置する端部を径方向内側端部(274)とし、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記回転方向の端部のうち、最も前記径方向の外側に位置する端部を径方向外側端部(273)とし、
前記径方向内側端部および前記径方向外側端部の間の前記回転方向の距離を回転方向距離(dDk)としたとき、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記回転方向距離が異なる2つ以上の旋回流抑制部を含む複数の旋回流抑制部である請求項4または5に記載の送風装置。
【請求項7】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に向かうほど、前記送風ファンの回転方向(Ka1)の寸法(dDa)が大きくなる送風装置。
【請求項8】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に向かうほど、前記送風ファンの回転方向(Ka1)の寸法(dDa)が小さくなる送風装置。
【請求項9】
前記軸線方向に交差して、かつ前記送風ファンの回転方向(Ka1)に交差し、前記軸線方向の他方側から一方側に向かうほど前記回転方向の他方側から一方側に向かう方向を交差方向(Kd1)としたとき、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記交差方向のうち前記回転方向の一方側端面(290)が前記交差方向のうち前記回転方向の一方側に凸となる湾曲状に形成され、
さらに前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記交差方向のうち前記回転方向の他方側端面(291)が前記交差方向のうち前記回転方向の一方側に凸となる湾曲状に形成されている請求項1、2、4、5、7、8のいずれか1つに記載の送風装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向には、前記送風ファンの回転方向(Ka1)に亘って形成されている端面(27a、27b)が設けられており、
前記回転方向に平行で、かつ前記軸線方向に直交する仮想面(Sa)と前記端面との間で形成される狭角(θ2、θ3)が前記径方向の内側から外側に向かうほど小さくなるように前記端面が形成されている請求項1、2、4、5、7、8のいずれか1つに記載の送風装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記軸線を中心とする周方向に間隔(Kn)を空けて並べられている複数の旋回流抑制部である請求項1、2、4、5、7、8のいずれか1つに記載の送風装置。
【請求項12】
前記複数の旋回流抑制部は、少なくとも2つの異なる前記間隔を形成するように前記周方向に並べられている請求項11に記載の送風装置。
【請求項13】
前記複数の旋回流抑制部を前記軸線方向の一方側から投影した際に生じる前記複数の旋回流抑制部のそれぞれの影が重なることを避けるように前記複数の旋回流抑制部が設けられている請求項11に記載の送風装置。
【請求項14】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の他方側に向かうように形成されており、
さらに前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
【請求項15】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の一方側に向かうように形成されており、
さらに前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
【請求項16】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の他方側に向かうように形成されており、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
【請求項17】
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の一方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の一方側に向かうように形成されており、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、送風装置において、空調ケース内の空気通路に配置されている送風ファンと、空気通路のうち送風ファンから吹き出される空気流を通過させる旋回流抑制部とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
送風ファンは、軸線を中心とする回転することにより軸線方向一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向外側に吹き出す。
【0004】
旋回流抑制部は、送風ファンに対して軸線方向他方側に配置されて、送風ファンから吹き出される空気を軸線方向他方側に通過させる空気通路を構成する。旋回流抑制部は、送風ファンの回転によって生じる旋回流が流れることを抑える。
【0005】
このため、送風ファンの回転による旋回流を原因とした吹出し風量の偏りを回避することができる。よって、吹出し風量の偏りの回避のために、吹出口の配置を過剰に制限する必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の送風装置の旋回流抑制部は、送風ファンから吹き出される空気流の旋回流が流れることを抑制する。しかし、旋回流抑制部には、送風ファンから吹き出される高速な旋回流が衝突するために、この衝突に伴って騒音が生じる。
【0008】
また、旋回流抑制部のうち送風ファンに対して軸線方向他方側に送風ファンを軸線方向他方側から塞ぐカバー部が設けられている場合には、空気通路がカバー部に対して径方向外側に設けられることになる。
【0009】
この場合、空気流路の流路断面の面積は、空調ケース内のうち旋回流抑制部に対して下流側流路の空気流路の断面の面積に比べて、小さくなる。
【0010】
ここで、空気流路のうち空気流の主流が流れる方向を主流方向としたとき、空気流路の流路断面とは、空気流路を主流方向に直交する仮想面で切断した断面である。
【0011】
したがって、旋回流抑制部の小さな断面積の空気通路から空気が軸線方向他方側に高速で流れるため、大きな圧力損失が生じ、騒音が生じる。
【0012】
本発明は上記点に鑑みて、騒音を低減するようにした送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れるように空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち軸線方向の一方側端部(270)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の他方側に向かうように形成されている。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、旋回流抑制部が径方向内側から径方向外側に延びるように形成されている場合に比べて、旋回流が旋回流抑制部に衝突する際の風速が遅くなる。これにより、旋回流が旋回流抑制部に衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち軸線方向の一方側端部(270)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の一方側に向かうように形成されている。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、旋回流抑制部は、径方向内側から外側に向かうほど、高速に流れる空気流を生じさせる。
【0017】
さらに、請求項2に記載の発明よれば、旋回流抑制部が径方向内側から外側に延びるように形成されている場合に比べて、旋回流抑制部を通過した空気流の風速分布において、径方向内側の空気の風速と径方向外側の空気の風速との間の差分を大きくすることができる。
【0018】
このため、旋回流抑制部の空気流れ下流側において、通過通路内の径方向外側から軸線を中心とする径方向中心側に向けて流れる空気流を生じさせることができる。これにより、通過通路から軸線方向の他方側に流れる風量を減らすことができる。
【0019】
したがって、空気が通過通路を流れる際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち回転方向の他方側端部(270A)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、送風ファンの回転方向(Ka1)の一方側に向かうように形成されている。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、旋回流抑制部が径方向内側から径方向外側に延びるように形成されている場合に比べて、旋回流が旋回流抑制部に衝突する際の風速が遅くなる。これにより、旋回流が旋回流抑制部に衝突する際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち回転方向の他方側端部(270A)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、回転方向の他方側に向かうように形成されている。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、旋回流抑制部は、径方向内側から外側に向かうほど、高速に流れる空気流を生じさせる。さらに、請求項5に記載の発明によれば、旋回流抑制部が径方向内側から外側に延びるように形成されている場合に比べて、旋回流抑制部を通過した空気流の風速分布において、径方向内側の空気の風速と径方向外側の空気の風速との間の差分を大きくすることができる。
【0024】
このため、旋回流抑制部の空気流れ下流側において通過通路内の径方向外側から軸線を中心とする径方向中心側に向けて流れる空気流を生じさせることができる。これにより、通過通路から軸線方向の他方側に流れる風量を減らすことができる。
【0025】
したがって、通過通路を空気が流れる際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れるように空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向内側から径方向外側に向かうほど、送風ファンの回転方向(Ka1)の寸法(dDa)が大きくなる。
【0027】
したがって、請求項7に記載の発明によれば、旋回流抑制部が径方向に亘って回転方向の寸法が一定になっている場合に比べて、通過通路のうち径方向外側を通過する空気の風量が減る。
【0028】
このため、空気が旋回流抑制部のうち径方向外側に衝突する際に生じる騒音を低減することができる。したがって、空気が通過通路を流れる際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向内側から径方向外側に向かうほど、送風ファンの回転方向(Ka1)の寸法(dDa)が小さくなる。
【0030】
請求項8に記載の発明によれば、旋回流抑制部は、径方向内側から外側に向かうほど、高速に流れる空気流を生じさせる。さらに、請求項8に記載の発明によれば、通過通路を通過する空気の圧力損失が、径方向内側から径方向外側向かうほど小さくなる。
【0031】
これにより、旋回流抑制部が径方向内側から外側に延びるように形成されている場合に比べて、旋回流抑制部を通過した空気流の風速分布において、径方向内側の空気の風速と径方向外側の空気の風速との間の差分を大きくすることができる。
【0032】
このため、旋回流抑制部の空気流れ下流側において通過通路内の径方向外側から軸線を中心とする径方向中心側に向けて流れる空気流を生じさせることができる。これにより、通過通路から軸線方向の他方側に流れる風量を減らすことができる。
【0033】
したがって、通過通路を空気が流れる際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0034】
請求項14に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち回転方向の他方側端部(270A)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、回転方向の他方側に向かうように形成されており、
さらに少なくとも1つの旋回流抑制部のうち軸線方向の一方側端部(270)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の一方側に向かうように形成されている。
【0035】
したがって、請求項14に記載の発明によれば、少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、回転方向の他方側に向かうように形成されている。このため、したがって、請求項5に記載の発明と同様に、旋回流抑制部は、通過通路を空気が流れる際に生じる騒音を低減することができる。
【0036】
さらに、請求項14に記載の発明によれば、さらに少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の一方側に向かうように形成されている。このため、請求項2に記載の発明と同様に、通過通路を空気が流れる際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0037】
請求項15に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち回転方向の他方側端部(270A)は、径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、回転方向の一方側に向かうように形成されており、
さらに少なくとも1つの旋回流抑制部のうち軸線方向の一方側端部(270)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の一方側に向かうように形成されている。
【0038】
したがって、請求項15に記載の発明によれば、少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、回転方向の一方側に向かうように形成されている。このため、請求項5に記載の発明と同様に、送風ファンから吹き出される旋回流が旋回流抑制部に衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
【0039】
さらに、請求項15に記載の発明によれば、少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の一方側に向かうように形成されている。このため、請求項2に記載の発明と同様に、通過通路を空気が流れる際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0040】
請求項16に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち回転方向の他方側端部(270A)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、回転方向の他方側に向かうように形成されており、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち軸線方向の一方側端部(270)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の他方側に向かうように形成されている。
【0041】
したがって、請求項16に記載の発明によれば、少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、回転方向の他方側に向かうように形成されている。このため、請求項5に記載の発明と同様に、通過通路を空気が流れる際に生じる騒音を低減することができる。
【0042】
請求項16に記載の発明によれば、少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の他方側に向かうように形成されている。このため、請求項1に記載の発明と同様に、送風ファンから吹き出される旋回流が旋回流抑制部に衝突する際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0043】
請求項17に記載の発明では、送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、空気通路内に配置され、かつ軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して軸線方向の一方側から空気を吸い込んで軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
空気通路のうち送風ファンに対して軸線方向の他方側に配置されて送風ファンの軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ内壁との間に送風ファンから吹き出される空気を軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
通過通路内に配置され、かつ径方向に亘って形成されて送風ファンの回転によって生じる空気の旋回流を抑制して軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち回転方向の他方側端部(270A)は、径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、回転方向の一方側に向かうように形成されており、
少なくとも1つの旋回流抑制部のうち軸線方向の一方側端部(270)は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の他方側に向かうように形成されている。
【0044】
したがって、請求項17に記載の発明によれば、少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、回転方向の一方側に向かうように形成されている。このため、請求項4に記載の発明と同様に、送風ファンから吹き出される旋回流が旋回流抑制部に衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
【0045】
さらに、請求項17に記載の発明によれば、少なくとも1つの旋回流抑制部は、径方向の内側から径方向の外側に進むほど、軸線方向の他方側に向かうように形成されている。
【0046】
このため、請求項1に記載の発明と同様に、送風ファンから吹き出される旋回流が旋回流抑制部に衝突する際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置を提供することができる。
【0047】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】第1実施形態における車両用空調ユニットを車両上下方向に平行で、かつファン軸線を含む仮想面で切断した断面構成を示す図であり、空調ケース、送風機、および整流機構の配置関係の説明を補助するための図である。
【
図2】
図1のII-II断面図であり、第1実施形態における整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図3】
図1の第1実施形態における送風ファンおよび整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図4】
図1の第1実施形態における整流機構を構成する複数の旋回流抑制部の説明を補助するための図であり、整流機構をその軸線方向の一方側から光源によって投影している状態を示す図である。
【
図5】第2実施形態における送風ファンおよび整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図6】第3実施形態における整流機構を、ファン軸線に直交する仮想面で切断した断面図であり、複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図であり、
図2に相当する図である。
【
図7】
図6中VII-VII断面図であり、旋回流抑制部を構成する前側案内部、および後側案内部の説明を補助するための図である。
【
図8】
図6中VIII-VIII断面図であり、旋回流抑制部を構成する前側案内部、および後側案内部の説明を補助するための図である。
【
図9】
図6中IX-IX断面図であり、旋回流抑制部を構成する前側案内部、および後側案内部の説明を補助するための図である。
【
図10】
図7中の端面と仮想面との間に形成される狭角の説明を補助するための図である。
【
図11】
図8中の端面と仮想面との間に形成される狭角の説明を補助するための図である。
【
図12】
図9中の端面と仮想面との間に形成される狭角の説明を補助するための図である。
【
図13】第4実施形態における整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図14】
図13中XIV-XIV断面図であり、旋回流抑制部のうち回転方向の寸法の説明を補助するための図である。
【
図15】
図13中XV-XV断面図であり、旋回流抑制部のうち回転方向の寸法の説明を補助するための図である。
【
図16】
図13中XVI-XVI断面図であり、旋回流抑制部のうち回転方向の寸法の説明を補助するための図である。
【
図17】第5実施形態における整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図18】第6実施形態における整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、補強リング、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図19】第7実施形態における整流機構を構成する1つの旋回流抑制部を回転方向に平行で、かつ径方向に平行である仮想面で切断した断面図であり、旋回流抑制部の形状の説明を補助するための図である。
【
図20】第8実施形態における整流機構を、ファン軸線方向に平行で、かつ径方向に平行である仮想面で切断した断面図であり、旋回流抑制部の形状の説明を補助するための図である。
【
図21】第8実施形態における整流機構の一部をファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、旋回流抑制部を通過した空気流の風速、および径方向外側から径方向内側に流れる空気流の説明を補助するための図である。
【
図22】第8実施形態の対比例における整流機構の一部をファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、旋回流抑制部を通過した空気流の風速、および径方向外側から径方向内側に流れる空気流の説明を補助するための図である。
【
図23】第9実施形態における整流機構を、ファン軸線方向に平行で、かつ径方向に平行である仮想面で切断した断面図であり、旋回流抑制部の形状の説明を補助するための図である。
【
図24】第10実施形態における整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図25】第11実施形態における整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図26】第12実施形態における整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、整流機構を構成する複数の旋回流抑制部、およびカバー部の説明を補助するための図である。
【
図27】第12実施形態における
図26中XXVIIーXXVII断面図であり、旋回流抑制部の回転方向の寸法の説明を補助するための図である。
【
図28】第12実施形態における
図26中XXVIIIーXXVIII断面図であり、旋回流抑制部の回転方向の寸法の説明を補助するための図である。
【
図29】第12実施形態における
図26中XXIXーXXIX断面図であり、旋回流抑制部の回転方向の寸法の説明を補助するための図である。
【
図30】第13実施形態における旋回流抑制部単体を回転方向の他方側から視た斜視図であり、前進形状で、かつ前傾形状である旋回流抑制部の説明を補助するための図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【
図31】第13実施形態の旋回流抑制部の説明を補助するための斜視図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【
図32】第14実施形態における旋回流抑制部単体を回転方向の他方側から視た斜視図であり、後退形状で、かつ前傾形状である旋回流抑制部の説明を補助するための図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【
図33】第14実施形態の旋回流抑制部の説明を補助するための斜視図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【
図34】第15実施形態における旋回流抑制部単体を回転方向の他方側から視た斜視図であり、後退形状で、かつ前傾形状である旋回流抑制部の説明を補助するための図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【
図35】第15実施形態の旋回流抑制部の説明を補助するための斜視図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【
図36】第16実施形態における旋回流抑制部単体を回転方向の他方側から視た斜視図であり、後退形状で、かつ前傾形状である旋回流抑制部の説明を補助するための図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【
図37】第16実施形態の旋回流抑制部の説明を補助するための斜視図であり、鎖線は、旋回流抑制部の対比例を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0050】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の車両用空調ユニット10は、空調ケース12、蒸発器16、ヒータコア18、電動送風機20、複数のドア21、22、23、24a、24b、25、および整流機構26を備えている。
【0051】
この車両用空調ユニット10は、例えば、車室内の最前部に設けられたインストルメントパネルの内側に配置されている。なお、
図1の各矢印DR1、DR2は、車両用空調ユニット10が搭載される車両の向きを示す。
【0052】
すなわち、
図1の矢印DR1は車両前後方向DR1を示し、矢印DR2は車両上下方向DR2を示している。これらの方向DR1、DR2は互いに交差する方向、厳密に言えば互いに直交する方向である。
【0053】
空調ケース12は、車両用空調ユニット10の外殻を成す樹脂製の部材である。空調ケース12には、外気導入口121と、内気導入口122と、空調ケース12内から空気を吹き出す吹出口126、127、128とが形成されている。
【0054】
空調ケース12の内部には、外気導入口121と内気導入口122との一方または両方から各吹出口126、127、128へ空気が流れるケース内空気通路123が形成されている。このケース内空気通路123は車両前後方向DR1へ延びるように形成されている。
【0055】
外気導入口121は、車室外の空気である外気をケース内空気通路123へ導入するための導入口である。内気導入口122は、車室内の空気である内気をケース内空気通路123へ導入するための導入口である。空調ケース12内へは、電動送風機20によって、外気または内気が導入される。
【0056】
外気導入口121および内気導入口122は、内外気切替ドア25によって開閉される。そして、その外気導入口121と内気導入口122との一方または両方から導入された空気は蒸発器16へ流入する。
【0057】
蒸発器16は、その蒸発器16を通過する空気を冷却する冷却用熱交換器である。要するに、蒸発器16は冷却器である。
【0058】
蒸発器16は、空調ケース12内に収容されている。すなわち、蒸発器16は、ケース内空気通路123に配置されており、ケース内空気通路123に導入された外気または内気が流入するように配置されている。
【0059】
蒸発器16は、不図示のコンプレッサ、コンデンサ、および膨張弁とともに、冷媒を循環させる周知の冷凍サイクル装置を構成している。蒸発器16は、蒸発器16を通過する空気と冷媒とを熱交換させ、その熱交換により冷媒を蒸発させると共に空気を冷却する。
【0060】
電動送風機20は、ケース内空気通路123に配置されてファン軸線CL1を中心として回転する送風ファン201と、その送風ファン201を回転駆動する不図示の電動モータとを有している。その送風ファン201は本実施形態では遠心ファンである。
【0061】
つまり、電動送風機20は、送風ファン201の回転によりファン軸線CL1のファン軸線方向DRaの一方側から空気を吸い込み、その吸い込んだ空気を送風ファン201の径方向Kc1の外側へ吹き出す遠心送風機である。
【0062】
ここで、電動送風機20によって径方向Kc1の外側へ吹き出された空気は、矢印FLfのように、ケース内空気通路123の空気流れ下流側(例えば
図1では車両後方側)へと空調ケース12によって導かれる。ファン軸線方向DRaは、ファン軸線CL1が延びる方向である。
【0063】
詳細に言うと、電動送風機20は、ファン空気入口201aと、ファン空気出口201bとを有している。ファン空気入口201aは、送風ファン201に対してファン軸線CL1のファン軸線方向DRaの一方側に設けられて空気を吸い込む入口である。ファン空気出口201bは、送風ファン201に対してファン軸線CL1を中心とする外周部分の全周に亘って形成されて空気を吹き出す出口である。
【0064】
送風ファン201は、ファン軸線CL1を中心とする回転により、ファン軸線方向DRaの一方側からファン空気入口201aを介して空気を吸い込む。それと共に、送風ファン201は、その吸い込んだ空気をファン空気出口201bからファン軸線CL1を中心とする送風ファン201の径方向Kc1の外側へ吹き出す。
【0065】
空調ケース12のケース内空気通路123のうち送風ファン201に対してファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の外側には、送風ファン201から空気が流入するファン周囲空間123bが形成されている。
【0066】
ファン周囲空間123bは、空調ケース12のうちケース内空気通路123を形成する内壁12aと送風ファン201との間に設けられている。
【0067】
本実施形態の空調ケース12は、送風ファン201からファン周囲空間123bへ流入した空気をファン軸線方向DRaの一方側とは反対側である他方側へ導くように構成されている。
【0068】
例えば、ファン周囲空間123bに対するファン軸線方向DRaの一方側に配置された不図示の導風壁が空調ケース12内に設けられている。そして、空調ケース12は、ファン周囲空間123bの空気がファン軸線方向DRaの一方側へ流れることをその導風壁によって阻止しつつ他方側へ流れるように案内する。
【0069】
これにより、送風ファン201からその径方向Kc1の外側へ吹き出された空気は、矢印FLfのように、ファン周囲空間123bへ入る。そして、その空気は、ファン周囲空間123bから送風ファン201に対するファン軸線方向DRaの他方側へと空調ケース12によって導かれる。
【0070】
なお、ファン軸線CL1のファン軸線方向DRaは本実施形態では車両前後方向DR1に一致している。また、ファン軸線CL1のファン軸線方向DRaをファン軸線方向DRaとも呼ぶものとする。送風ファン201の径方向Kc1は、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1である。
【0071】
電動送風機20は、送風ファン201が蒸発器16に対して空気流れ下流側に配置された所謂吸込式レイアウトとなっている。電動送風機20は、送風ファン201の空気吸込み側であるファン軸線方向DRaの一方側が蒸発器16の空気流出面16bと対向するように配置されている。
【0072】
従って、送風ファン201は、ファン軸線方向DRaの一方側とは反対側であるファン軸線CL1の他方側がケース内空気通路123の空気流れ下流側へ延びる向きに配置されている。
【0073】
ヒータコア18は、ケース内空気通路123のうち送風ファン201に対し空気流れ下流側に配置されている。ヒータコア18は、そのケース内空気通路123のうちで、車両上下方向DR2の中央部に配置されている。ヒータコア18は、ケース内空気通路123を流れる空気のうちヒータコア18を通過する空気を加熱する加熱器である。
【0074】
空調ケース12内において、ヒータコア18の上側には、上側バイパス通路125aが形成され、ヒータコア18の下側には、下側バイパス通路125bが形成されている。この上側バイパス通路125aと下側バイパス通路125bは、それぞれ、ケース内空気通路123に含まれ、ヒータコア18に対して並列に空気を流す。
【0075】
すなわち、上側バイパス通路125aと下側バイパス通路125bは何れも、ヒータコア18を迂回して空気を流す迂回通路である。
【0076】
ケース内空気通路123のうち、ヒータコア18に対する空気流れ上流側には、エアミックスドア24aとエアミックスドア24bとが設けられている。これらエアミックスドア24aとエアミックスドア24bは、整流機構26に対して空気流れ下流側に設けられている。
【0077】
換言すれば、エアミックスドア24a、24bは整流機構26に対してファン軸線方向DRaの他方側に設けられている。ヒータコア18およびバイパス通路125a、125bは、エアミックスドア24a、24bに対してファン軸線方向DRaの他方側に設けられている。
【0078】
エアミックスドア24aは、上側バイパス通路125aに配設されており、その上側バイパス通路125aを開閉する。エアミックスドア24aはスライド式のドア機構であり、不図示の電動アクチュエータによってスライドさせられる。
【0079】
そして、エアミックスドア24aはそのスライド位置に応じて、ヒータコア18を通過する風量と、上側バイパス通路125aを通過する風量との風量割合を調節する。
【0080】
エアミックスドア24bは、下側バイパス通路125bに配設されており、その下側バイパス通路125bを開閉する。エアミックスドア24bはスライド式のドア機構であり、不図示の電動アクチュエータによってスライドさせられる。
【0081】
そして、エアミックスドア24bはそのスライド位置に応じて、ヒータコア18を通過する風量と、下側バイパス通路125bを通過する風量との風量割合を調節する。
【0082】
空調ケース12には、その空調ケース12外へ空気を吹き出すフェイス吹出口126、デフロスタ吹出口127、およびフット吹出口128が形成されている。
【0083】
フェイス吹出口126、デフロスタ吹出口127、およびフット吹出口128はそれぞれ、ヒータコア18および各バイパス通路125a、125bに対する空気流れ下流側にてケース内空気通路123に連結している。
【0084】
フェイス吹出口126から流出する空気は、不図示のダクトを介して導かれ、車室内の前席に着座する乗員の顔または胸部へ向けて吹き出される。デフロスタ吹出口127から流出する空気は、不図示のダクトを介して導かれ、車室内にて車両前面の窓ガラスに向けて吹き出される。フット吹出口128から流出する空気は、不図示のダクトを介して導かれ、車室内の前席に着座する乗員の足下へ向けて吹き出される。
【0085】
また、フェイス吹出口126にはフェイスドア21が設けられており、フェイスドア21はフェイス吹出口126を開閉する。デフロスタ吹出口127にはデフロスタドア22が設けられており、デフロスタドア22はデフロスタ吹出口127を開閉する。フット吹出口128にはフットドア23が設けられており、フットドア23はフット吹出口128を開閉する。
【0086】
ケース内空気通路123においてヒータコア18の空気流れ下流側では、ヒータコア18を通った暖風と上側バイパス通路125aを通った冷風とが混合される。そして、その混合された空気は、主としてフェイス吹出口126とデフロスタ吹出口127とのうちの開いている吹出口から車室内へ吹き出される。
【0087】
また、ヒータコア18の空気流れ下流側では、ヒータコア18から吹き出される暖風と下側バイパス通路125bを通った冷風とが混合される。そして、その混合された空気は、フット吹出口128が開いている場合には、主としてそのフット吹出口128から車室内へ吹き出される。
【0088】
図1に示すように、整流機構26は、ケース内空気通路123のうち、送風ファン201に対し空気流れ下流側に配置され、且つ、ヒータコア18およびエアミックスドア24a、24bに対し空気流れ上流側に配置されている。
【0089】
そのため、整流機構26には、送風ファン201から吹き出された空気が流入し、その吹き出された空気は整流機構26を通過してから、バイパス通路125a、125bまたはヒータコア18へと流れる。
【0090】
ここで、ファン軸線方向DRaの他方側がケース内空気通路123の空気流れ下流側を向くように送風ファン201が配置されている。
【0091】
本実施形態の整流機構26は、送風ファン201の回転によって生じる旋回流を抑制してファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気流を生じさせる。旋回流は、ファン軸線CL1を中心として旋回する空気流である。具体的には、
図2に示すように、整流機構26は、カバー部26a、および複数の旋回流抑制部26bを備える。
【0092】
カバー部26aは、送風ファン201をファン軸線方向DRaの他方側から覆う円板状に形成されている。カバー部26aと空調ケース12の内壁12aとの間には、通過通路130が設けられている。そして、通過通路130は、ケース内空気通路123の一部を構成している。
【0093】
図2に示すように、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、カバー部26aおよび内壁12aの間に配置されている。複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、ファン軸線CL1を中心として周方向に間隔を開けて並べられている。
【0094】
複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、径方向Kc1の外側が内壁12aに接続されている。複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの径方向Kc1の内側が、カバー部26aに接続されている。複数の旋回流抑制部26bは、通過通路130を複数の分割通路130aに分割することになる。
【0095】
本実施形態の整流機構26では、8つの旋回流抑制部26bが8つの分割通路130aを構成している。
【0096】
複数の分割通路130aは、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど周方向距離が拡がるように形成されている。複数の旋回流抑制部26bは、複数の分割通路130aに流れる旋回流を抑制して、ファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気流を生じさせる。
【0097】
ここで、以下、説明の便宜上、
図2に示すように、複数の旋回流抑制部26bのうち隣り合う2つの旋回流抑制部26bの間隔を間隔Knとする。本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ異なる2つ以上の間隔Knを形成するように周方向に並べられている。例えば、整流機構26は、8つの分割通路130aの間隔Knがそれぞれ異なるように構成されている。
【0098】
このことにより、複数の旋回流抑制部26bによって旋回流が案内される際に生じる騒音の周波数を分散化することになる。
図3に示すように、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、ファン軸線方向DRaの他方側に進む後傾形状に形成されている。
【0099】
複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、ファン軸線方向DRaの一方側には、径方向Kc1に亘って形成される一方側端部としての端面270が設けられている。複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの端面270が、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、ファン軸線方向DRaの他方側に進むように形成されている。
【0100】
複数の端面270のそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の外側に位置する端部を、径方向外側端部271とする。複数の端面270のそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の内側に位置する端部を、径方向内側端部272とする。
【0101】
ここで、径方向外側端部271と径方向内側端部272との間のファン軸線方向DRaの距離を軸線方向距離dDRとする。
【0102】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、互いに異なる軸線方向距離dDRを形成する少なくとも2つ以上の旋回流抑制部26bを含む。例えば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、軸線方向距離dDRが相違するように構成されている。
【0103】
このことにより、複数の旋回流抑制部26bによって旋回流が案内される際に生じる騒音の周波数を分散化することになる。
【0104】
図4に示すように、光源300をファン軸線方向DRaの一方側から整流機構26を壁301に投影した際に、複数の旋回流抑制部26bによって得られる影がずれるように整流機構26が形成されている。
【0105】
すなわち、整流機構26は、そのファン軸線方向DRaの一方側から光源300によって投影された際に、複数の旋回流抑制部26bによって得られる影が重なることを避けるように形成されている。
【0106】
これは、整流機構26を樹脂材料や金属材料によって射出成形する際に、金型をファン軸線方向DRaの一方側、或いは他方側に移動させて金型から成形品である整流機構26を容易に外すことを可能にしている。
【0107】
図4は、光源300が整流機構26に対してファン軸線方向DRaの一方側に配置され、かつ壁301が整流機構26に対してファン軸線方向DRaの他方側に配置されている例を示している。
【0108】
本実施形態では、整流機構26、送風ファン201、および空調ケース12が送風装置100を構成している。
【0109】
次に、車両用空調ユニット10の作動について説明する。
【0110】
まず、電動送風機20が作動を開始すると、
図1に示すように、外気導入口121または内気導入口122を介して、空調ケース12内に形成されたケース内空気通路123へ空気が導入される。このケース内空気通路123へ導入された空気は、蒸発器16で冷却されると共にその蒸発器16を通過する。
【0111】
この蒸発器16で冷却された空気は、電動送風機20の送風ファン201に吸い込まれて、送風ファン201の径方向Kc1の外側へ吹き出されてファン周囲空間123bに流入される。
【0112】
このため、このファン周囲空間123bに流入された空気は、空調ケース12によって整流機構26に導かれる。
【0113】
ファン周囲空間123bから整流機構26に導かれる空気には、送風ファン201の回転によって生じる旋回流が含まれている。旋回流は、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から外側に向かうほど、風速が速くなる。
【0114】
このファン周囲空間123bからの旋回流は、整流機構26の複数の旋回流抑制部26bのそれぞれに衝突する。この際に、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、旋回流を抑制してファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気流を生じさせる。
【0115】
ここで、複数の旋回流抑制部26bは、上述の如く、それぞれの端面270が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、ファン軸線方向DRaの他方側に進む後傾形状に形成されている。
【0116】
このため、本実施形態では、複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1に延びるように形成されている対比例に比べて、複数の旋回流抑制部26baに衝突する旋回流の風速を下げることができる。
【0117】
したがって、上述の対比例の複数の旋回流抑制部26bに比べて、旋回流が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
【0118】
また、複数の旋回流抑制部26bが等間隔で周方向に並べられている対比例の場合には、旋回流が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音の周波数が狭い周波数帯域に制限される。
【0119】
これに対して、本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ異なる間隔Knを形成するように周方向に並べられている。このため、複数の旋回流抑制部26bが等間隔で周方向に並べられている対比例に比べて、旋回流が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音の周波数帯域を広げることができる。
【0120】
これに加えて、本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、軸線方向距離dDRが相違するように構成されている。このため、複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1に延びるように形成されている対比例に比べて、旋回流が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音の周波数帯域を広げることができる。
【0121】
このように旋回流が複数の旋回流抑制部26bによって案内されてファン軸線方向DRaの他方側に流れる。このファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気は、ヒータコア18を通れば暖風となってヒータコア18の空気流れ下流側へ流れ、バイパス通路125a、125bを通れば冷風のままヒータコア18の空気流れ下流側へ流れる。
【0122】
そして、その暖風と冷風はヒータコア18の空気流れ下流側で混合され、その混合された空気は、フェイス吹出口126、デフロスタ吹出口127、フット吹出口128のうちの開放されている吹出口から、車室内の所定箇所へ吹き出される。
【0123】
以上説明した本実施形態によれば、車両用空調ユニット10は、空気を通過させるケース内空気通路123を形成する内壁12aを有する空調ケース12を備える。
【0124】
車両用空調ユニット10は、ケース内空気通路123内に配置され、かつファン軸線CL1を中心として回転してファン軸線方向DRaの一方側から空気を吸い込んでファン軸線CL1を中心として径方向Kc1の外側に吹き出す送風ファン201とを備える。
【0125】
車両用空調ユニット10は、ケース内空気通路123のうち送風ファン201に対してファン軸線方向DRaの他方側に配置されて送風ファン201のファン軸線方向DRaの他方側を覆うように形成されているカバー部26aを備える。
【0126】
カバー部26aは、空調ケース12の内壁12aとの間に送風ファン201から吹き出される空気をファン軸線方向DRaの他方側に流通させる通過通路130を形成する。
【0127】
車両用空調ユニット10は、通過通路130内に配置されて、かつファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1に亘って形成されている複数の旋回流抑制部26bを備える。複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、送風ファン201の回転によって生じる空気の旋回流を抑制してファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気流を生じさせる。
【0128】
複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270が、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かうように形成されている。
【0129】
したがって、本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に延びるように形成されている場合に比べて、複数の旋回流抑制部26bに衝突する旋回流の風速を下げることができる。
【0130】
これにより、送風ファン201から吹き出される空気が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0131】
このように構成される本実施形態の車両用空調ユニット10では、次の(a)(b)(c)の作用効果が得られる。
【0132】
(a)本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、異なる間隔Knを形成するようにファン軸線CL1を中心とする周方向に並べられている。したがって、複数の旋回流抑制部26bによって旋回流が案内される際に生じる騒音の周波数を分散化することができる。このため、騒音が使用者への与える違和感を減らすことができる
【0133】
(b)複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、軸線方向距離dDRが相違するように構成されている。軸線方向距離dDRは、径方向外側端部271と径方向内側端部272との間のファン軸線方向DRaの距離である。
【0134】
したがって、複数の旋回流抑制部26bに空気に衝突する生じる周波数を分散化させることができる。このため、騒音が使用者へ与えるの違和感を減らすことができる。
【0135】
(c)複数の旋回流抑制部26bをファン軸線方向DRaの一方側から投影した際に生じる複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの影が重なることを避けるように複数の旋回流抑制部26bが設けられている。
【0136】
これにより、整流機構26を射出成形する際に、金型をファン軸線方向DRaの一方側、或いは他方側に移動させて成形品である整流機構26を金型から容易に外すことが可能にすることができる。
【0137】
(第2実施形態)
本第2実施形態の整流機構26では、上記第1実施形態の整流機構26において、複数の旋回流抑制部26bがファン軸線方向DRaの一方側に凸となるように湾曲するように形成されている例について
図5を参照して説明する。
【0138】
図5は、本実施形態における送風ファンおよび整流機構を、ファン軸線を含む仮想面で切断した断面図である。
【0139】
以上説明した実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bがファン軸線方向DRaの一方側に凸となるように湾曲するように形成されている。以上により、騒音をより一層低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0140】
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上記第1実施形態において、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの軸線方向の端面27a、27bの傾斜角度が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど小さくなる例について
図6~
図10を参照して説明する。
【0141】
本実施形態と上記第1実施形態とでは、複数の旋回流抑制部26bの構成が相違するだけであるため、以下、主に複数の旋回流抑制部26bの構成について説明する。
【0142】
図6は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図であり、
図7は、
図6中VII-VII断面図である。
図8は、
図6中VIII-VIII断面図であり、
図9は、
図6中IX-IX断面図である。
図7、
図8、
図9は、1つの旋回流抑制部26bの断面図である。
【0143】
図7は、
図8に比べて1つの旋回流抑制部26bのうち径方向Kc1の外側の部位の断面図である。
図8は、
図9に比べて1つの旋回流抑制部26bのうち径方向Kc1の外側の部位の断面図である。
【0144】
複数の旋回流抑制部26bは、
図7、
図8、および
図9に示すように、それぞれ、前側案内部280、および後側案内部281を備える。
【0145】
前側案内部280は、送風ファン201の回転方向Ka1に亘って形成されている。後側案内部281は、前側案内部280のうち回転方向Ka1の一方側端部からファン軸線方向DRaの他方側に延びるように形成されている。
【0146】
本実施形態の前側案内部280は、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、軸線方向の他方側に向かうように形成されている。このことにより、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かう後傾形状に形成されている。
【0147】
前側案内部280は、その軸線AZ1が基準線KJ1と交差するように形成されている。軸線AZ1は、前側案内部280の軸を示す仮想線である。基準線KJ1は、ファン軸線方向DRaに直交して、かつ回転方向Ka1に平行であり、さらに径方向Kc1に直交する仮想線である。
【0148】
前側案内部280は、
図7、
図8、および
図9に示すように、軸線AZ1および基準線KJ1の間に形成される狭角θ1が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなるように形成されている。狭角とは、零度よりも大きく、かつ180度未満である角度である。
【0149】
複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの軸線方向の一方側には、端面27a、28aが設けられている。複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの軸線方向の他方側には、端面27b、28bが設けられている。
【0150】
端面27aは、端面28aに対して回転方向Ka1の一方側に配置されている。端面27aは、端面28aのうち回転方向Ka1の一方側端部から回転方向Ka1の一方側に延びるように形成されている。
【0151】
端面27bは、端面28bに対して回転方向Ka1の一方側に配置されている。端面27bは、端面28bのうち回転方向Ka1の一方側端部から回転方向Ka1の一方側に延びるように形成されている。複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面27aがファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かうように形成されている。
【0152】
図10、
図11、
図12は、それぞれ、仮想面Saと端面27aとの間に形成される狭角θ2と、仮想面Saと端面27bとの間に形成される狭角θ3を示す。
図10は、
図7中の端面27aと仮想面Saとの間に形成される狭角θ2と、
図7中の端面27bと仮想面Saとの間に形成される狭角θ3とを示す。
【0153】
図11は、
図8中の端面27aと仮想面Saとの間に形成される狭角θ2と、
図8中の端面27bと仮想面Saとの間に形成される狭角θ3とを示す。
図12は、
図9中の端面27aと仮想面Saとの間に形成される狭角θ3と、
図9中の端面27bと仮想面Saとの間に形成される狭角θ3とを示す。
【0154】
このように構成される本実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの前側案内部280は、狭角θ2、θ3(すなわち、傾斜角)がそれぞれ径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど小さくなるように端面27a、27bが形成されている。
【0155】
以上説明した本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かう後傾形状に形成されている。
【0156】
したがって、上記第1実施形態と同様に、送風ファン201から吹き出される空気が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0157】
本実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、仮想面Saおよび端面27a、27bの間に形成される狭角θ2、θ3が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなる。このため、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、端面27a、27bによる旋回流の圧力損失が小さくなる。
【0158】
ここで、旋回流は、径方向Kc1の外側の方が径方向Kc1の内側に比べて風速が速くなる。このため、径方向Kc1の外側を流れる旋回流による圧力損失を下げることにより、効率的に圧力損失を下げることができる。
【0159】
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法が径方向Kc1に亘って同一になっている例について説明した。
【0160】
これに代えて、本第4実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、大きくなる例について
図13、
図14、
図15、
図16を参照して説明する。
【0161】
図13は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図であり、
図14は、
図13中XIV-XIV断面図である。
図15は、
図13中XV-XV断面図であり、
図16は、
図13中XVI-XVI断面図である。
【0162】
図14、
図15、
図16は、1つの旋回流抑制部26bの断面図であり、
図14は、
図15に比べて1つの旋回流抑制部26bのうち径方向Kc1の外側の部位の断面図である。
図15は、
図16に比べて1つの旋回流抑制部26bのうち径方向Kc1の外側の部位の断面図である。
【0163】
以上説明した本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、徐々に大きくなる。寸法dDaは、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの端面275A、275Bの間の寸法である。
【0164】
端面275Aは、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、回転方向Ka1の他方側の端面である。端面275Bは、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、回転方向Ka1の一方側の端面である。
【0165】
したがって、上記第1実施形態に比べて、空気流が複数の分割通路130aを通過する際に生じる圧力損失が、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、大きくなる。
【0166】
このため、上記第1実施形態に比べて、複数の分割通路130aのうち径方向Kc1の外側に流れる風量を減らすことができる。
【0167】
これにより、径方向Kc1の外側を流れる旋回流が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を減らすことができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0168】
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、複数の旋回流抑制部26bがそれぞれ径方向Kc1に延びるように形成されている例について説明した。
【0169】
しかし、これに代えて、本第5実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の一方側に進むように形成されている例について
図17を参照して説明する。
【0170】
図17は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図である。
図17中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に延びるように形成されている複数の旋回流抑制部26bを示している。
【0171】
本施形態では、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の一方側に進む後退形状に形成されている。本実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、送風ファン201の回転方向Ka1の他方側には、径方向Kc1に亘って形成される他方側端部としての端面270Aが設けられている。
【0172】
複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270Aが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の一方側に進むように形成されている。したがって、複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に延びるように形成されている対比例に比べて、旋回流が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際の風速を下げることができる。
【0173】
これにより、送風ファン201から吹き出される空気が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0174】
複数の端面270Aのそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の外側に位置する端部を、径方向外側端部273とする。複数の端面270Aのそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の内側に位置する端部を、径方向内側端部274とする。
【0175】
ここで、以下、径方向外側端部273と径方向内側端部274との間の回転方向Ka1の距離を回転方向距離dDkとする。
【0176】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、互いに異なる回転方向距離dDkを形成する少なくとも2つ以上の旋回流抑制部26bを含むように構成されている。例えば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、回転方向距離dDkが相違するように構成されている。
【0177】
このことにより、複数の旋回流抑制部26bに旋回流が衝突する際に生じる騒音の周波数を分散化することになる。このため、騒音が使用者に与える違和感を減らすことができる。
【0178】
(第6実施形態)
本第6実施形態では、上記第5実施形態の整流機構26において、補強リング29を追加した例について
図18を参照して説明する。
図18は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図である。
【0179】
本実施形態の整流機構26では、複数の旋回流抑制部26bが補強リング29によって連結されている。補強リング29は、ファン軸線CL1を中心とするリング状に形成されている。これにより、複数の旋回流抑制部26bの強度を向上することができる。
【0180】
(第7実施形態)
本第7実施形態では、上記第1実施形態の整流機構26において、複数の旋回流抑制部26bが湾曲状に形成されている例について
図19を参照して説明する。
【0181】
複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、
図19に示すように、傾斜方向Kd1のうち回転方向Ka1の一方側に凸となるように湾曲状に形成されている。傾斜方向Kd1は、回転方向Ka1に交差し、かつファン軸線方向DRaに対して交差する交差方向である。具体的には、傾斜方向Kd1は、回転方向Ka1に直交し、かつファン軸線方向DRaに対して直交する交差方向である。
【0182】
傾斜方向Kd1は、ファン軸線方向DRaの他方側からファン軸線方向DRaの一方側に向かうほど、回転方向Ka1の他方側から回転方向Ka1の一方側に向かうように形成されている。
【0183】
複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、傾斜方向Kd1において回転方向Ka1の一方側には、端面270Bが設けられている。複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、傾斜方向Kd1において回転方向Ka1の他方側には、端面270Aが設けられている。
【0184】
端面270B、および端面270Aは、それぞれ、傾斜方向Kd1において回転方向Ka1の一方側に凸となる湾曲状に形成されている。
【0185】
以上説明した本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270が、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かうように形成されている。複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの端面270Aが、傾斜方向Kd1において回転方向Ka1の一方側に凸となる湾曲状に形成されている。
【0186】
複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの端面270Bが、傾斜方向Kd1において回転方向Ka1の一方側に凸となる湾曲状に形成されている。このため、整流機構26を空気流が通過する際の圧力損失を下げることができる。以上により、騒音をより一層低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0187】
(第8実施形態)
上記第1実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほどファン軸線方向DRaの他方側に進むように形成されている例について説明した。
【0188】
しかし、これに代えて、本第8実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほどファン軸線方向DRaの一方側に進むように形成されている例について
図20、
図21、
図22を参照して説明する。
【0189】
図20は、本実施形態の整流機構26を、ファン軸線CL1を含んでいる仮想面で切断した断面図である。
図20中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に延びるように形成されている複数の旋回流抑制部26bを示している。
【0190】
図21は、本実施形態の整流機構26において、カバー部26a、および1つの旋回流抑制部26bを示す図において、分割通路130aからファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気の風速Zaを示す図である。
【0191】
図22は、複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に延びるように形成されている対比例において、分割通路130aからファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気の風速Zaを示す図である。
【0192】
複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、旋回流を抑制してファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気流を生じさせることができる。
【0193】
ここで、旋回流は、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、風速が速くなる。このため、本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、高速に流れる空気流を生じさせることができる。
【0194】
さらに、本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、ファン軸線方向DRaの一方側に進む前傾形状に形成されている。複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270が、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、ファン軸線方向DRaの一方側に進むように形成されている。
【0195】
このため、複数の旋回流抑制部26bの空気流れ下流側の通過通路130内にて、径方向外側を流れる空気の風速と、径方向内側を流れる空気の風速との差分を、上述の対比例に比べて、大きくすることができる。
【0196】
したがって、通過通路130のそれぞれにおいて、径方向外側から、矢印Qzのように、ファン軸線CL1を中心とする径方向中心側に流れる空気の流れを発生させる。このため、通過通路130(すなわち、複数の分割通路130a)からファン軸線方向DRaの他方側に流れる風量を下げることができる。
【0197】
これに伴い、通過通路130からファン軸線方向DRaの他方側に空気が流れる際に生じる騒音を下げることができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0198】
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、
図20に示すように、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、ファン軸線方向DRaの一方側には、径方向Kc1に亘って形成される端面270が設けられている。
【0199】
複数の端面270のそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の外側に位置する端部を、径方向外側端部271とする。
【0200】
複数の端面270のそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の内側に位置する端部を、径方向内側端部272とする。
ここで、径方向外側端部271と径方向内側端部272との間のファン軸線方向DRaの距離を軸線方向距離dDRとする。
【0201】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、互いに異なる軸線方向距離dDRを形成する少なくとも2つ以上の旋回流抑制部26bを含む。例えば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、軸線方向距離dDRが相違するように構成されている。
【0202】
このことにより、複数の旋回流抑制部26bによって旋回流が案内される際に生じる騒音の周波数を分散化することになる。このため、騒音が使用者に与える違和感を減らすことができる。
【0203】
(第9実施形態)
本第9実施形態では、上記第8実施形態において、複数の旋回流抑制部26bがファン軸線方向DRaの他方側に凸となるように湾曲状に形成されている例について
図23を参照して説明する。
【0204】
図23は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図である。
【0205】
以上説明した本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bがファン軸線方向DRaの他方側に凸となるように湾曲状に形成されている。このため、送風ファン201から送風される空気が整流機構26を通過する際に生じる圧力損失を下げることができる。以上により、騒音をより一層低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0206】
(第10実施形態)
上記第5実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの端面270Aが、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の一方側に進むように形成されている例について説明した。
【0207】
しかし、これに代えて、本第10実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれ端面270Aが、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の他方側に進むように形成されている例について
図24を参照して説明する。
【0208】
図24は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図である。
図22中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に延びるように形成されている複数の旋回流抑制部26bを示している。
【0209】
複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、旋回流を抑制してファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気流を生じさせることができる。
【0210】
ここで、旋回流は、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、風速が速くなる。このため、本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、高速に流れる空気流を生じさせることができる。
【0211】
本実施形態では、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270Aが、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の他方側に進むように形成されている。
【0212】
このため、複数の旋回流抑制部26bの空気流れ下流側の通過通路130内にて、径方向外側を流れる空気の風速と、径方向内側を流れる空気の風速との差分を、上述の対比例に比べて、大きくすることができる。
【0213】
したがって、上記第8実施形態と同様に、複数の分割通路130aのそれぞれにおいて、径方向外側から、ファン軸線CL1を中心とする径方向中心側に流れる空気の流れを発生させる。このため、通過通路130(すなわち、複数の分割通路130a)からファン軸線方向DRaの他方側に流れる風量を下げることができる。
【0214】
これに伴い、通過通路130からファン軸線方向DRaの他方側に空気が流れる際に生じる騒音を下げることができる。以上により、騒音を低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0215】
本実施形態では、上記第5実施形態と同様に、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、送風ファン201の回転方向Ka1の他方側には、径方向Kc1に亘って形成される他方側端部としての端面270Aが設けられている。
【0216】
複数の端面270Aのそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の外側に位置する端部を、径方向外側端部273とする。複数の端面270Aのそれぞれにおいて、最も径方向Kc1の内側に位置する端部を、径方向内側端部274とする。
【0217】
ここで、以下、径方向外側端部273と径方向内側端部274との間の回転方向Ka1の距離を回転方向距離dDkとする。
【0218】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、互いに異なる回転方向距離dDkを形成する少なくとも2つ以上の旋回流抑制部26bを含むように構成されている。例えば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、回転方向距離dDkが相違するように構成されている。
【0219】
このことにより、上記第5実施形態と同様に、複数の旋回流抑制部26bに旋回流が衝突する際に生じる騒音の周波数を分散化することになる。このため、騒音が使用者に与える違和感を減らすことができる。
【0220】
(第11実施形態)
本第11実施形態では、上記第10実施形態の整流機構26において、複数の旋回流抑制部26bが回転方向Ka1の一方側に凸となる湾曲状に形成されている例について
図25を参照して説明する。
【0221】
図25は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図である。
【0222】
以上説明した本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bが回転方向Ka1の一方側に凸となる湾曲状に形成されている。このため、整流機構26を空気流が通過する際に生じる圧力損失を下げることができる。
【0223】
以上により、騒音をより一層低減するようにした送風装置100を提供することができる。
【0224】
(第12実施形態)
上記第4実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、大きくなる例について説明した。
【0225】
しかし、これに代えて、本第12実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなる例について
図26、
図27、
図28、
図29を参照して説明する。
【0226】
図26は、本実施形態の整流機構26をファン軸線CL1に直交する仮想面で切断した断面図であり、
図27は、
図26中XXVII-XXVII断面図である。
図28は、
図26中XXVIII-XXVIII断面図であり、
図29は、
図26中XXIX-XXIX断面図である。
図26において、
図13と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0227】
図27、
図28、
図29は、1つの旋回流抑制部26bの断面図であり、
図27は、
図28に比べて1つの旋回流抑制部26bのうち径方向Kc1の外側の部位の断面図である。
図28は、
図29に比べて1つの旋回流抑制部26bのうち径方向Kc1の外側の部位の断面図である。
【0228】
以上説明した本実施形態によれば、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、旋回流を抑制してファン軸線方向DRaの他方側に流れる空気流を生じさせることができる。
【0229】
ここで、旋回流は、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、風速が速くなる。このため、本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、高速に流れる空気流を生じさせることができる。
【0230】
複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなる。寸法dDaは、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの端面275A、275Bの間の寸法である。このため、複数の分割通路130aのそれぞれの回転方向Ka1の寸法が、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、大きくなる。
【0231】
したがって、複数の分割通路130aを空気流が通過する際に生じる圧力損失が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなる。
【0232】
このため、複数の旋回流抑制部26bの空気流れ下流側の通過通路130内にて、径方向外側を流れる空気の風速と径方向内側を流れる空気の風速との差分を、下記の対比例に比べて、大きくすることができる。対比例とは、径方向Kc1に延びるように形成されている複数の旋回流抑制部26bのことである。
【0233】
これにより、上記第8実施形態、上記第10の実施形態と同様に、複数の旋回流抑制部26bの空気流れ下流側において、複数の分割通路130a内の径方向kc1の外側から径方向kc1中心側に向けて流れる空気流を生じさせることができる。
【0234】
このため、複数の分割通路130aから軸線方向の他方側に流れる風量を減らすことができる。したがって、複数の分割通路130aを空気が流れる際に生じる騒音を低減することができる。
【0235】
(第13実施形態)
本第13実施形態の整流機構26では、上記第10実施形態における複数の前進形状の旋回流抑制部26bと上記第8実施形態における複数の前傾形状の旋回流抑制部26bとを組み合わせた機構を用いる例について
図30、
図31を参照して説明する。
【0236】
図30、
図31は、整流機構26の複数の旋回流抑制部26bのうち、1つの旋回流抑制部26b単体を回転方向Ka1の他方側から視た斜視図である。
図30中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に延びるように形成されている1つの旋回流抑制部26bを示している。
図31中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に亘ってファン軸線方向DRaの位置が一定になっている1つの旋回流抑制部26bを示している。
【0237】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270Aが、上記第10実施形態と同様に、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の他方側に進むように形成されている。
【0238】
したがって、上記第10実施形態と同様に、複数の分割通路130aからファン軸線方向DRaの他方側に空気が流れる際に生じる騒音を下げることができる。
【0239】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270が、上記第8実施形態と同様に、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほどファン軸線方向DRaの一方側に進むように形成されている。したがって、上記第8実施形態と同様に、複数の分割通路130aからファン軸線方向DRaの他方側に空気が流れる際に生じる騒音を下げることができる。
【0240】
以上説明した本実施形態によれば、上記第10実施形態および上記第8実施形態を組み合わせることにより、より一層、騒音を低減することができる。
【0241】
(第14実施形態)
本第14実施形態の整流機構26では、上記第5実施形態における複数の後退形状の旋回流抑制部26bと、上記第8実施形態における複数の前傾形状の旋回流抑制部26bとを組み合わせた機構を用いる例について
図32、
図33を参照して説明する。
【0242】
図32、
図33は、整流機構26の複数の旋回流抑制部26bのうち、1つの旋回流抑制部26b単体を回転方向Ka1の他方側から視た斜視図である。
図33中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に延びるように形成されている1つの旋回流抑制部26bを示している。
図32中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に亘ってファン軸線方向DRaの位置が一定になっている1つの旋回流抑制部26bを示している。
【0243】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270が、上記第8実施形態と同様に、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほどファン軸線方向DRaの一方側に進むように形成されている。
【0244】
したがって、上記第8実施形態と同様に、複数の分割通路130aからファン軸線方向DRaの他方側に空気が流れる際に生じる騒音を下げることができる。
【0245】
さらに、本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270Aが、上記第5実施形態と同様に、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の一方側に進むように形成されている。
【0246】
このため、上記第5実施形態と同様に、送風ファン201から吹き出される空気が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
【0247】
以上説明した本実施形態によれば、上記第5実施形態および上記第8実施形態を組み合わせることにより、より一層、騒音を低減することができる。
【0248】
(第15実施形態)
本実施形態の整流機構26では、上記第1実施形態における複数の後傾形状の旋回流抑制部26bと、上記第10実施形態における複数の前進形状の旋回流抑制部26bとを組み合わせた機構を用いる例について
図34、
図35を参照して説明する。
【0249】
図34、
図35は、整流機構26の複数の旋回流抑制部26bのうち、1つの旋回流抑制部26b単体を回転方向Ka1の他方側から視た斜視図である。
図34中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に延びるように形成されている1つの旋回流抑制部26bを示している。
図35中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に亘ってファン軸線方向DRaの位置が一定になっている1つの旋回流抑制部26bを示している。
【0250】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270が、上記第1実施形態と同様に、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かうように形成されている。したがって、上記第1実施形態と同様に、送風ファン201から吹き出される空気が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
【0251】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270Aが、上記第10実施形態と同様に、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の他方側に進むように形成されている。したがって、上記第10実施形態と同様に、複数の分割通路130aからファン軸線方向DRaの他方側に空気が流れる際に生じる騒音を下げることができる。
【0252】
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態および上記第10実施形態を組み合わせることにより、より一層、騒音を低減することができる。
【0253】
(第16実施形態)
本実施形態の整流機構26では、上記第1実施形態における複数の後傾形状の旋回流抑制部26bと、上記第5実施形態における複数の後退形状の旋回流抑制部26bとを組み合わせた機構を用いる例について
図36、
図37を参照して説明する。
【0254】
図36、
図37は、整流機構26の複数の旋回流抑制部26bのうち、1つの旋回流抑制部26b単体を回転方向Ka1の他方側から視た斜視図である。
図36中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に延びるように形成されている1つの旋回流抑制部26bを示している。
図37中の鎖線は、対比例として、径方向Kc1に亘ってファン軸線方向DRaの位置が一定になっている1つの旋回流抑制部26bを示している。
【0255】
本施形態では、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270Aが、上記第5実施形態と同様に、径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど回転方向Ka1の一方側に進む後退形状に形成されている。したがって、上記第5実施形態と同様に、送風ファン201から吹き出される空気が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
【0256】
本実施形態の複数の旋回流抑制部26bは、それぞれの端面270が、上記第1実施形態と同様に、ファン軸線CL1を中心とする径方向Kc1の内側から外側に進むほど、ファン軸線方向DRaの他方側に向かうように形成されている。
【0257】
したがって、上記第1実施形態と同様に、送風ファン201から吹き出される空気が複数の旋回流抑制部26bに衝突する際に生じる騒音を低減することができる。
【0258】
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態および上記第5実施形態を組み合わせることにより、より一層、騒音を低減することができる。
【0259】
(他の実施形態)
【0260】
(1)上記第1~第16実施形態では、本発明の送風装置100が車両用空調ユニット10に適用された例について説明した。
【0261】
しかし、これに代えて、車両用空調ユニット10以外の設置型の空調ユニット等の各種機器に本発明の送風装置100を適用してもよい。
【0262】
(2)上記第4実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど大きくなる例について説明した。
【0263】
しかし、これに代えて、上記第1~第3実施形態および上記第4~第16実施形態において、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど大きくなるようにしてもよい。
【0264】
(3)上記第12実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなる例について説明した。
【0265】
しかし、これに代えて、上記第1~第11実施形態および上記第12~第16実施形態において、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど小さくなるようにしてもよい。
【0266】
(4)上記第3実施形態では、上記第1実施形態の複数の旋回流抑制部26bにおいて、端面27aおよび仮想面Saの間に形成される狭角θ2が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなる例について説明した。
【0267】
しかし、これに代えて、上記第2実施形態および上記第4~第16実施形態の複数の旋回流抑制部26bにおいて、端面27aおよび仮想面Saの間に形成される狭角θ2が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなるようにしてもよい。
【0268】
上記第2実施形態および第4~第16実施形態の複数の旋回流抑制部26bにおいて、端面27bおよび仮想面Saの間に形成される狭角θ3が径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなるようにしてもよい。
【0269】
(5)上記第7実施形態では、上記第1実施形態における複数の旋回流抑制部26bが傾斜方向Kd1のうち回転方向Ka1の一方側に凸となる湾曲状に形成されている例について説明した。
【0270】
しかし、これに代えて、上記第2~第6実施形態および上記第8~第16実施形態において、複数の旋回流抑制部26bが傾斜方向Kd1のうち回転方向Ka1の一方側に凸となる湾曲状に形成されてもよい。
【0271】
(6)上記第1実施形態および上記第8実施形態において、複数の旋回流抑制部26bは、互いに異なる軸線方向距離dDRを形成する少なくとも2つ以上の旋回流抑制部26bを含むように構成した例について説明した。
【0272】
しかし、これに代えて、上記第2~第7実施形態および上記第9~第16実施形態において、複数の旋回流抑制部26bは、互いに異なる軸線方向距離dDRを形成する少なくとも2つ以上の旋回流抑制部26bを含むように構成してもよい。
【0273】
例えば、上記第2~第7実施形態および上記第9~第16実施形態において、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、異なる軸線方向距離dDRを形成するように構成してもよい。
【0274】
(7)上記第1実施形態において、複数の旋回流抑制部26bがそれぞれ異なる2つ以上の間隔Knを形成するように周方向に並べられている例について説明した。
【0275】
しかし、これに代えて、上記第2~第16実施形態において、整流機構26が、それぞれ異なる2つ以上の間隔Knを形成するように周方向に並べられるようにしてもよい。例えば、整流機構26が、8つの分割通路130aの間隔Knがそれぞれ異なるように構成されるようにしてもよい。
【0276】
(8)上記第1実施形態において、複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1の外側が内壁12aに接続され、かつ複数の旋回流抑制部26bのそれぞれ径方向Kc1の内側が、カバー部26aに接続されている例について説明した。しかし、これに代えて、次の(a)(b)のようにしてもよい。
【0277】
(a)複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1の外側が内壁12aに接続され、かつ複数の旋回流抑制部26bのそれぞれ径方向Kc1の内側が、カバー部26aに対して未接続になるように構成してもよい。
【0278】
(b)複数の旋回流抑制部26bが径方向Kc1の外側が内壁12aに対して未接続になり、かつ複数の旋回流抑制部26bのそれぞれ径方向Kc1の内側が、カバー部26aに対して接続されるように構成してもよい。
【0279】
(9)上記第1、第8実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの端面270において、径方向外側端部271と径方向内側端部272との間のファン軸線方向DRaの距離を軸線方向距離dDRとした例について説明した。
【0280】
しかし、これに代えて、次のようにしてもよい。すなわち、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、ファン軸線方向DRaの他方側に径方向Kc1に亘って形成される端部を、他方側端面とする。
【0281】
複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの他方側端面のうち、最も前記径方向の内側に位置する端部を径方向内側端部とする。複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの他方側端面のうち、最も前記径方向の外側に位置する端部を径方向外側端部とする。
ここで、径方向内側端部および径方向外側端部の間の軸線方向の距離を軸線方向距離dDRとする。
【0282】
(10)上記第5、第10実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの複数の端面270Aにおいて、径方向外側端部273と径方向内側端部274との間の回転方向Ka1の距離を回転方向距離dDkとした例について説明した。
【0283】
しかし、これに代えて、次のようにしてもよい。すなわち、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれにおいて、送風ファン201の回転方向Ka1の一方側に径方向Kc1に亘って形成される端部を、一方側端面とする。
【0284】
複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの一方側端面において、最も径方向Kc1の外側に位置する端部を、径方向外側端部とする。複数の端面270Aのそれぞれの一方側端面において、最も径方向Kc1の内側に位置する端部を、径方向内側端部とする。
【0285】
ここで、径方向外側端部と径方向内側端部との間の回転方向Ka1の距離を回転方向距離dDkとする。
【0286】
(11)上記第1実施形態では、光源300をファン軸線方向DRaの一方側から整流機構26を壁301に投影した際に、複数の旋回流抑制部26bによって得られる影がずれるように整流機構26が形成されている例について説明した。
【0287】
同様に、上記第2~上記第16実施形態では、整流機構26は、光源300をファン軸線方向DRaの一方側から整流機構26を壁301に投影した際に、複数の旋回流抑制部26bによって得られる影がずれるように整流機構26を形成してもよい。
【0288】
(12)上記第4実施形態では、複数の旋回流抑制部26bは、端面275A、275Bの間の寸法(すなわち、回転方向Ka1の寸法dDa)が径方向Kc1の内側から外側に向かうほど大きくなる例について説明した。
【0289】
しかし、これに限らず、複数の旋回流抑制部26bは、それぞれ、回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から外側に向かうほど大きくなるのであれば、端面275A、275Bの間の寸法を回転方向Ka1の寸法dDaとする場合に限らない。上記第12実施形態も同様である。
【0290】
(12)上記第4実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、大きくなる例について説明した。
これに加えて、上記第4実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの形状が同一となるように構成してもよい。或いは、複数の旋回流抑制部26bのうち2つ以上の旋回流抑制部26bが互いに異なる形状を有するようにしてもよい。
(13)上記第12実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの回転方向Ka1の寸法dDaが径方向Kc1の内側から径方向Kc1の外側に向かうほど、小さくなる例について説明した。
これに加えて、上記第12実施形態では、複数の旋回流抑制部26bのそれぞれの形状が同一となるように構成してもよい。或いは、複数の旋回流抑制部26bのうち2つ以上の旋回流抑制部26bが互いに異なる形状を有するようにしてもよい。
(14)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない
【0291】
(本発明の特徴)
【0292】
[請求項1]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
[請求項2]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
[請求項3]
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記軸線方向の端部(270)のうち、最も前記径方向の内側に位置する端部を径方向内側端部(272)とし、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記軸線方向の端部のうち、最も前記径方向の外側に位置する端部を径方向外側端部(271)とし、
前記径方向内側端部および前記径方向外側端部の間の前記軸線方向の距離を軸線方向距離(dDR)としたとき、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、それぞれ前記軸線方向距離が異なる2つ以上の旋回流抑制部を含む複数の旋回流抑制部である請求項1または2に記載の送風装置。
[請求項4]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
[請求項5]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
[請求項6]
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記回転方向の端部(270A)のうち、最も前記径方向の内側に位置する端部を径方向内側端部(274)とし、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部において前記回転方向の端部のうち、最も前記径方向の外側に位置する端部を径方向外側端部(273)とし、
前記径方向内側端部および前記径方向外側端部の間の前記回転方向の距離を回転方向距離(dDk)としたとき、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記回転方向距離が異なる2つ以上の旋回流抑制部を含む複数の旋回流抑制部である請求項4または5に記載の送風装置。
[請求項7]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に向かうほど、前記送風ファンの回転方向(Ka1)の寸法(dDa)が大きくなる送風装置。
[請求項8]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に向かうほど、前記送風ファンの回転方向(Ka1)の寸法(dDa)が小さくなる送風装置。
[請求項9]
前記軸線方向に交差して、かつ前記送風ファンの回転方向(Ka1)に交差し、前記軸線方向の他方側から一方側に向かうほど前記回転方向の他方側から一方側に向かう方向を交差方向(Kd1)としたとき、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記交差方向のうち前記回転方向の一方側端面(290)が前記交差方向のうち前記回転方向の一方側に凸となる湾曲状に形成され、
さらに前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記交差方向のうち前記回転方向の他方側端面(291)が前記交差方向のうち前記回転方向の一方側に凸となる湾曲状に形成されている請求項1ないし8のいずれか1つに記載の送風装置。
[請求項10]
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向には、前記送風ファンの回転方向(Ka1)に亘って形成されている端面(27a、27b)が設けられており、
前記回転方向に平行で、かつ前記軸線方向に直交する仮想面(Sa)と前記端面との間で形成される狭角(θ2、θ3)が前記径方向の内側から外側に向かうほど小さくなるように前記端面が形成されている請求項1ないし9のいずれか1つに記載の送風装置。
[請求項11]
前記少なくとも1つの旋回流抑制部は、前記軸線を中心とする周方向に間隔(Kn)を空けて並べられている複数の旋回流抑制部である請求項1ないし10のいずれか1つに記載の送風装置。
[請求項12]
前記複数の旋回流抑制部は、少なくとも2つの異なる前記間隔を形成するように前記周方向に並べられている請求項11に記載の送風装置。
[請求項13]
前記複数の旋回流抑制部を前記軸線方向の一方側から投影した際に生じる前記複数の旋回流抑制部のそれぞれの影が重なることを避けるように前記複数の旋回流抑制部が設けられている請求項11に記載の送風装置。
[請求項14]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の他方側に向かうように形成されており、
さらに前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
[請求項15]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の一方側に向かうように形成されており、
さらに前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の一方側に向かうように形成されている送風装置。
[請求項16]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転方向(Ka1)の一方側に回転して前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の他方側に向かうように形成されており、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
[請求項17]
送風装置であって、
空気を通過させる空気通路(123)を形成する内壁(12a)を有する空調ケース(12)と、
軸線(CL1)が延びる方向を軸線方向(DRa)としたとき、前記空気通路内に配置され、かつ前記軸線を中心として回転して回転方向(Ka1)の一方側に前記軸線方向の一方側から前記空気を吸い込んで前記軸線を中心とする径方向の外側に吹き出す送風ファン(201)と、
前記空気通路のうち前記送風ファンに対して前記軸線方向の他方側に配置されて前記送風ファンの前記軸線方向の他方側を覆うように形成され、かつ前記内壁との間に前記送風ファンから吹き出される前記空気を前記軸線方向の他方側に流通させる通過通路(130)を形成するカバー部(26a)と、
前記通過通路内に配置され、かつ前記径方向に亘って形成されて前記送風ファンの回転によって生じる前記空気の旋回流を抑制して前記軸線方向の他方側に流れる空気流を生じさせる少なくとも1つの旋回流抑制部(26b)と、を備え、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記回転方向の他方側端部(270A)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記回転方向の一方側に向かうように形成されており、
前記少なくとも1つの旋回流抑制部のうち前記軸線方向の一方側端部(270)は、前記径方向の内側から前記径方向の外側に進むほど、前記軸線方向の他方側に向かうように形成されている送風装置。
【符号の説明】
【0293】
10 車両用空調ユニット
12 空調ケース
12a 内壁
26 整流機構
26a カバー部
26b 旋回流抑制部
100 送風装置
123 空気通路
130 通過通路
201 送風ファン