(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147373
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 11/70 20060101AFI20241008BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241008BHJP
B65H 37/00 20060101ALI20241008BHJP
B65H 35/04 20060101ALI20241008BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241008BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241008BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20241008BHJP
【FI】
B41J11/70
H04N1/00 567C
B65H37/00
B65H35/04
B41J29/42 F
G03G21/00 380
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060339
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐野 利幸
【テーマコード(参考)】
2C058
2C061
2H270
3F108
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C058AB12
2C058AB23
2C058AC08
2C058AD01
2C058AE02
2C058AF04
2C058AF51
2C058AF61
2C058LA03
2C058LA23
2C058LA30
2C058LB06
2C058LC02
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB10
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ36
2H270KA57
2H270LC06
2H270LC07
2H270PA08
2H270PA29
2H270PA42
2H270PA71
2H270PA72
2H270QA13
2H270QA44
2H270QA48
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2H270QA55
2H270QA62
2H270QB17
2H270QB18
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
3F108GB06
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB09
5C062AB20
5C062AB25
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5C062AB38
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5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC17
5C062AE04
5C062AE15
5C062AF07
5C062AF10
5E555AA01
5E555BA09
5E555BB09
5E555BC01
5E555BC11
5E555CA11
5E555CB12
5E555DA01
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが切断後のシートのサイズを設定可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、印刷エンジンと、カッターと、ユーザインタフェースと、コントローラと、を備えている。ユーザインタフェースを介して、切断前のシートのサイズである第1サイズと、切断した後のシートのサイズであって、第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から指定されたサイズである第2サイズと、を指定可能である。コントローラは、第2サイズとして指定されたサイズのシートが生成されるように、第1サイズのシートを切断する第1切断処理を実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷エンジンと、
カッターと、
ユーザインタフェースと、
コントローラと、
を備え、
前記ユーザインタフェースを介して、前記カッターによる切断前のシートのサイズである第1サイズと、前記第1サイズのシートを前記カッターにより切断した後のシートのサイズであって、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から指定されたサイズである第2サイズと、を指定可能であり、
前記コントローラは、
前記印刷エンジンによる印刷に用いるシートが前記第1サイズであり、且つ、前記第2サイズが指定されている場合、前記第2サイズとして指定されたサイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第1サイズのシートを切断する第1切断処理を実行することが可能である印刷装置。
【請求項2】
メモリを更に備え、
前記コントローラは、
前記ユーザインタフェースを介して指定された前記第1サイズを示す情報及び前記第2サイズを示す情報を、前記メモリに記憶する記憶処理を実行し、
前記記憶処理の後に受け付けた印刷指示に基づく印刷において、印刷に用いるシートが、前記メモリに記憶された情報が示す前記第1サイズのシートである場合は、前記メモリに記憶された前記第2サイズを示す情報に基づいて前記第2サイズのシートが生成されるように、前記第1サイズのシートを切断することが可能である請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ユーザインタフェースは、操作パネルを含み、
前記操作パネルには、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から前記第2サイズを指定させるための指定画面が表示可能であり、
前記コントローラは、
前記指定画面を介して、前記第2サイズを指定する操作を受け付けた場合、前記記憶処理にて前記第2サイズを示す情報を記憶することが可能である請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記指定画面を介して、前記第2サイズを示す数値を指定する操作を受け付けた場合、前記記憶処理にて前記第2サイズを示す情報を記憶することが可能であり、
前記指定画面では、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値を前記第2サイズとして指定できないように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記カッターよりもシート搬送方向の下流に配置された下流ローラと、
前記カッターよりもシート搬送方向の上流に配置された上流ローラと、
前記上流ローラよりも上流に配置された定着ローラと、
を更に備え、
前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲の数値として、
前記第1切断処理にて、前記カッターによりシートを切断することにより、先行する第1シートと、前記第1シートに後続する第2シートとを生成する場合、
(i)前記第1シートのシート搬送方向のサイズが、前記カッターと前記下流ローラとの間のシート搬送方向の距離以上であり、且つ、
(ii)前記第2シートのシート搬送方向のサイズが、前記上流ローラと前記下流ローラとの間の距離以上であり、且つ、
(iii)前記第2シートのシート搬送方向のサイズが、前記定着ローラと前記上流ローラとの間の距離未満である、
という条件を満たす数値が設定可能であることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲である、複数の第2サイズそれぞれに対応する複数の選択肢を含む前記指定画面を前記操作パネルに表示することが可能であり、前記指定画面を介して、前記複数の選択肢のいずれかを指定する操作を受け付けた場合、前記記憶処理にて前記第2サイズを示す情報を記憶することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
複数の第1サイズそれぞれに対応する複数の選択肢を含む前記指定画面を前記操作パネルに表示することが可能であり、
前記指定画面を介して、複数の前記第1サイズそれぞれに対応する前記第2サイズを指定可能であり、
前記指定画面では、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値を前記第2サイズとして指定できないように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記ユーザインタフェースは、操作パネルを含み、
前記操作パネルには、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から前記第2サイズを指定させるための指定画面が表示可能であり、
前記指定画面を介して、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から前記第2サイズを示す数値を指定することが可能であるが、
前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値の指定には制限があるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記指定画面では、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値を前記第2サイズとして指定できないように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記カッターよりもシート搬送方向の下流に配置された下流ローラと、
前記カッターよりもシート搬送方向の上流に配置された上流ローラと、
前記上流ローラよりも上流に配置された定着ローラと、
を更に備え、
前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲の数値として、
前記第1切断処理にて、前記カッターによりシートを切断することにより、先行する第1シートと、前記第1シートに後続する第2シートとを生成する場合、
(i)前記第1シートのシート搬送方向のサイズが、前記カッターと前記下流ローラとの間のシート搬送方向の距離以上であり、且つ、
(ii)前記第2シートのシート搬送方向のサイズが、前記上流ローラと前記下流ローラとの間の距離以上であり、且つ、
(iii)前記第2シートのシート搬送方向のサイズが、前記定着ローラと前記上流ローラとの間の距離未満である、
という条件を満たす数値が設定可能であることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
メモリと、
外部装置と通信する通信インタフェースと、
を更に備え、
前記ユーザインタフェースを介して指定された前記第1サイズを示す情報及び前記第2サイズを示す情報を、前記メモリに記憶することが可能であり、
複数の前記第1サイズそれぞれに対して、前記第2サイズを指定可能であり、
前記コントローラは、
前記通信インタフェースを介して印刷指示を受信したときに、前記印刷指示または前記印刷装置の設定に基づいて、前記印刷指示に基づく印刷において印刷に用いるシートのサイズを特定し、
前記メモリに記憶された前記第1サイズのいずれかが、印刷に用いるサイズである場合、印刷に用いる前記第1サイズに対応して前記メモリに記憶された前記第2サイズのシートが生成されるように、前記第1切断処理を実行することが可能である請求項1に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第2サイズは、任意に指定できる範囲の数値から指定可能であり、
前記コントローラは、
前記ユーザインタフェースにより入力された前記数値に設定された前記第2サイズが指定されており、且つ、前記第1サイズのシートに対して複数の前記第2サイズのシートが生成できる場合、
前記第1切断処理にて、複数枚の前記第2サイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第1サイズのシートを複数回切断することが可能である請求項1に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記第1切断処理の後、前記第1サイズから前記第2サイズを差し引いたサイズである第3サイズが、前記第2サイズよりも大きい場合、2枚目の前記第2サイズのシートが生成されるように、前記第3サイズのシートを切断する第2切断処理を実行することが可能である請求項1に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記カッターよりもシート搬送方向の下流に配置された下流ローラと、
前記カッターよりもシート搬送方向の上流に配置された上流ローラと、
前記上流ローラよりも上流に配置された定着ローラと、
を更に備え、
前記コントローラは、
前記第1切断処理の後、前記第3サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から指定される前記第2サイズのシートが生成されるように、前記第2切断処理を実行し、
前記第3サイズのシートに対して任意に指定できる範囲として、
(i)前記第3サイズが、前記カッターと前記下流ローラとの間のシート搬送方向の距離以上であり、且つ、
(ii)前記第3サイズから前記第2サイズを差し引いたサイズである第4サイズが、前記上流ローラと前記下流ローラとの間の距離以上であり、且つ、
(iii)前記第4サイズが、前記定着ローラと前記上流ローラとの間の距離未満である、
という条件を満たす数値が設定可能であることを特徴とする請求項13に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記コントローラは、
前記第2切断処理の後、前記第3サイズから前記第2サイズを差し引いたサイズである第4サイズが、前記第2サイズよりも大きい場合、3枚目の前記第2サイズのシートが生成されるように、前記第4サイズのシートを切断する第3切断処理を実行することが可能である請求項13に記載の印刷装置。
【請求項16】
外部装置と通信する通信インタフェースを更に備え、
前記コントローラは、
前記通信インタフェースを介して、前記外部装置から印刷指示を受け付けたとき、前記印刷指示において前記第1サイズに対応した前記第2サイズが指定されている場合、前記第1切断処理にて、指定された前記第2サイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第1サイズのシートを切断する一方、
前記印刷指示において前記第1サイズに対応した前記第2サイズが指定されていない場合、前記第1切断処理にて、前記印刷装置により指定される前記第2サイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第1サイズのシートを切断することが可能である請求項1に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記外部装置は、プリンタドライバを搭載しており、
前記コントローラは、
前記印刷指示において、前記プリンタドライバにより前記第1サイズに対応した前記第2サイズに指定されている場合、前記プリンタドライバにより指定された前記第2サイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第1サイズのシートを切断することが可能である請求項16に記載の印刷装置。
【請求項18】
メモリを更に備え、
前記外部装置は、プリンタドライバを搭載しており、
前記コントローラは、
前記ユーザインタフェースを介して、前記印刷装置の設定を優先するという指示を受け付けた場合、前記印刷装置の設定を優先する情報を前記メモリに記憶し、
前記メモリに前記印刷装置の設定を優先する情報が記憶されている場合、前記プリンタドライバの設定よりも前記印刷装置の設定を優先することが可能である請求項16に記載の印刷装置。
【請求項19】
印刷エンジンと、
カッターと、
コントローラと、
を備え、
前記カッターによる切断前のシートのサイズである第1サイズと、前記第1サイズのシートを前記カッターにより切断した後のシートのサイズであって、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から指定されたサイズである第2サイズと、を指定可能であり、
前記コントローラは、
前記印刷エンジンにより印刷に用いるシートが前記第1サイズであり、且つ、前記第2サイズが指定されている場合、前記第2サイズとして指定されたサイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第1サイズのシートを切断する第1切断処理と、
前記第1切断処理の後、前記第1サイズから前記第2サイズを差し引いたサイズである第3サイズを算出する算出処理と、
前記算出処理にて算出された前記第3サイズが、前記第2サイズよりも大きいか否かを判定する判定処理と、
を実行し、
前記判定処理にて前記第3サイズが前記第2サイズよりも大きいと判定した場合に、2枚目の前記第2サイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第3サイズのシートを切断する第2切断処理を実行することが可能である印刷装置。
【請求項20】
前記カッターよりもシート搬送方向の下流に配置された下流ローラと、
前記カッターよりもシート搬送方向の上流に配置された上流ローラと、
前記上流ローラよりも上流に配置された定着ローラと、
を更に備え、
前記コントローラは、
前記第1切断処理の後、前記第3サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から指定される前記第2サイズのシートが生成されるように、前記第2切断処理を実行し、
前記第3サイズのシートに対して任意に指定できる範囲の数値として、
(i)前記第3サイズが、前記カッターと前記下流ローラとの間のシート搬送方向の距離以上であり、且つ、
(ii)前記第3サイズから前記第2サイズを差し引いたサイズである第4サイズが、前記上流ローラと前記下流ローラとの間の距離以上であり、且つ、
(iii)前記第4サイズが、前記定着ローラと前記上流ローラとの間の距離未満である、
という条件を満たす数値が設定可能であることを特徴とする請求項19に記載の印刷装置。
【請求項21】
前記コントローラは、
前記第2切断処理の後、前記第3サイズから前記第2サイズを差し引いたサイズである第4サイズが、前記第2サイズよりも大きい場合、3枚目の前記第2サイズのシートが生成されるように、前記第4サイズのシートを切断する第3切断処理を実行することが可能である請求項19に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カッターを備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プリンタなどの印刷装置には、シートを切断するカッターを実装したものがある。特許文献1には、シートに画像形成処理を実行した後、裁断部にて裁断することにより、各々画像形成処理された、2つのシートを生成して、排出する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置では、裁断後のシートのサイズをユーザが任意に設定することができないという課題がある。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザが切断後のシートのサイズを設定可能な印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
印刷エンジンによる印刷に用いるシートが第1サイズであり、且つ、ユーザインタフェースを介して第2サイズが指定されている場合、前記第2サイズとして指定されたサイズのシートが生成されるように、カッターにより前記第1サイズのシートを切断する第1切断処理を実行することが可能な印刷装置を開示する。
【0007】
印刷エンジンにより印刷に用いるシートが前記第1サイズであり、且つ、前記第2サイズが指定されている場合、前記第2サイズとして指定されたサイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第1サイズのシートを切断する第1切断処理と、前記第1切断処理の後、前記第1サイズから前記第2サイズを差し引いたサイズである第3サイズを算出する算出処理と、前記算出処理にて算出された前記第3サイズが、前記第2サイズよりも大きいか否かを判定する判定処理と、を実行し、前記判定処理にて前記第3サイズが前記第2サイズよりも大きいと判定した場合に、2枚目の前記第2サイズのシートが生成されるように、前記カッターにより前記第3サイズのシートを切断する第2切断処理を実行する印刷装置を開示する。
【発明の効果】
【0008】
開示する印刷装置によれば、第1サイズのシートを切断することで、指定された任意のサイズのシートを、印刷に用いるために生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の印刷装置の概略構成を示す図である。
【
図2】印刷装置とPCのシステム構成を示す図である。
【
図3】印刷装置における印刷設定を説明するための図である。
【
図4】切断前のシートと、切断後に生成される第1シート及び第2シートを示す図である。
【
図5】印刷装置の操作パネルに表示される指定画面の一例を示す図である。
【
図6】印刷装置の操作パネルに表示される指定画面の別例を示す図である。
【
図7】
図6の指定画面から遷移する指定画面の一例を示す図である。
【
図8】
図6の指定画面から遷移する指定画面の別例を示す図である。
【
図9】第1サイズのシートに対して任意に指定できる第2サイズの範囲を説明するための模式図である。
【
図10】印刷装置のコントローラによる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図10の切断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】第1サイズがA4であり、第2サイズがA5サイズである場合における印刷装置1の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】切断前のシートと、切断後に生成される第1シート乃至第3シートを示す図である。
【
図14】第2サイズが小切手サイズである場合における印刷装置のコントローラによる第2切断処理を実行する場合における印刷装置の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】切断前のシートと、切断後に生成される第1シート乃至第4シートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の印刷装置1について、
図1~
図15を参照して説明する。
【0011】
[印刷装置の構成]
図1は、印刷装置1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、印刷装置1は、モノクロレーザプリンタであり、筐体10と、搬送部3と、印刷エンジン4と、カッター100と、排出トレイTRと、メインモータM1と、サブモータM2と、コントローラCと、操作パネル120と、通信インタフェース(I/F)130(
図2参照)とを備えている。以下、説明の便宜上、
図1の矢印で示されるように、印刷装置1の上下方向、及び前後方向を定義する。
【0012】
筐体10は、搬送部3及び印刷エンジン4等を収容している。筐体10には、収容カバー10Aが開閉可能に取り付けられている。収容カバー10Aは、カッター100を収容している。収容カバー10Aには、収容カバー10Aの開閉状態を検知するカバーセンサ115が設けられている。カバーセンサ115は、収容カバー10Aの開閉状態の検知結果を、コントローラCへ出力する。
【0013】
筐体10の前面には、開口10Bを開閉可能なフロントカバー11が設けられている。フロントカバー11には、フロントカバー11の開閉状態を検知するカバーセンサ113が設けられている。カバーセンサ113は、フロントカバー11の開閉状態の検知結果を、コントローラCへ出力する。
【0014】
筐体10の上面には、操作パネル120が設けられている。操作パネル120は、ユーザインタフェースの一例である。操作パネル120は、各種設定を行うための操作部と、表示部とを有している。
【0015】
筐体10の後面には、開口10Cを開閉可能なリアカバー12が設けられている。リアカバー12は、開口10Cを閉塞する閉塞部材として機能する。リアカバー12には、リアカバー12の開閉状態を検知するカバーセンサ114が設けられている。カバーセンサ114は、リアカバー12の開閉状態の検知結果を、コントローラCへ出力する。
【0016】
排出トレイTRは、筐体10の上面に設けられ、印刷エンジン4により画像が形成されたシートP、切断されたシート、例えば、第1シートP1、第2シートP2、第3シートP3(
図4及び
図13参照)等を載置する。シートPは、例えばA4サイズの普通紙であり、切断された第1シートP1及び第2シートP2は、A4サイズの普通紙をカッター100で切断することで生成された、例えばA5サイズの普通紙、小切手サイズの普通紙等である。
【0017】
印刷装置1には、第1搬送路R1と、第2搬送路R2と、第3搬送路R3とが設けられている。第1搬送路R1は、給送トレイ31から、印刷エンジン4を通って、排出トレイTRに向けてシートPを搬送するための経路である。
【0018】
第2搬送路R2は、第1搬送路R1の上方に配置されている。第2搬送路R2は、印刷エンジン4を通った後のシートPを、カッター100に向けて搬送するための経路である。第2搬送路R2は、第1搬送路R1との合流箇所G2から、排出トレイTRに接続された接続箇所G4へ至る経路である。
【0019】
第3搬送路R3は、第1搬送路R1の下方に配置されている。第3搬送路R3は、第1搬送路R1との合流箇所G1から、第1搬送路R1との合流箇所G3へ至る経路である。第3搬送路R3は、印刷エンジン4により一方の面に画像が形成されたシートPを、感光体ドラム46に向けて再搬送するための経路である。
【0020】
第3搬送路R3では、排出ローラ39により合流箇所G1からスイッチバックされてきたシートPを、反転搬送ローラ38A及び反転搬送ローラ38Bにより、合流箇所G3に向けて搬送する。これにより、印刷エンジン4により、シートPに両面印刷を行うことが可能となっている。
【0021】
搬送部3は、シートPを給送トレイ31から排出トレイTRへ向けて搬送する。搬送部3は、給送クラッチ30と、給送トレイ31と、押圧板32と、給送ローラ33と、分離ローラ34と、搬送ローラ35と、レジストローラ36と、中間排出ローラ37と、反転搬送ローラ38Aと、反転搬送ローラ38Bと、排出ローラ39と、上流ローラ40Aと、下流ローラ40Bとを有している。
【0022】
給送クラッチ30は、メインモータM1の駆動力が給送ローラ33に伝達される状態と、伝達されない状態とを切り替える。給送トレイ31は、上面が開放した箱状の部材であり、シートPを所定量収容する。
【0023】
給送ローラ33は、押圧板32により押し上げられた給送トレイ31内のシートPを、分離ローラ34側へ給送する。分離ローラ34は、給送ローラ33が給送したシートPを1枚ずつ分離して、搬送ローラ35側へ搬送する。
【0024】
搬送ローラ35は、シートPをレジストローラ36に向けて搬送する。レジストローラ36は、シートPの先端の位置を揃えた後、印刷エンジン4に向けてシートPを搬送する。
【0025】
第1搬送路R1における定着部45よりも下流には、中間排出ローラ37が配置されている。第1搬送路R1における中間排出ローラ37よりも下流には、排出ローラ39が設置されている。第3搬送路R3には、反転搬送ローラ38A及び反転搬送ローラ38Bが配置されている。
【0026】
第2搬送路R2には、カッター100を挟むように、上流ローラ40A及び下流ローラ40Bが配置されている。上流ローラ40A及び下流ローラ40Bは、カッター100によりシートPを切断することで生成される第1シートP1及び第2シートP2等を、排出トレイTRへ搬送する。
【0027】
上述した給送ローラ33、分離ローラ34、搬送ローラ35、レジストローラ36、中間排出ローラ37、排出ローラ39、反転搬送ローラ38A、及び反転搬送ローラ38Bは、メインモータM1からの駆動力により回転する。また、上流ローラ40A及び下流ローラ40Bは、サブモータM2の駆動力により回転する。なお、印刷装置1は、サブモータM2を備えていない構成でもよい。この構成の場合、上流ローラ40A及び下流ローラ40Bは、メインモータM1からの駆動力により回転する。
【0028】
印刷エンジン4は、搬送部3により搬送されたシートPに画像を形成する。印刷エンジン4は、露光部41と、転写ローラ42と、帯電器43と、定着部45と、感光体ドラム46と、現像ローラ47とを有している。
【0029】
帯電器43は、例えば、図示しない帯電ワイヤ及びグリッド部を有するスコロトロン型の帯電器である。帯電器43では、感光体ドラム46の表面を一様に帯電させる。
【0030】
露光部41は、レーザ光源(図示省略)と、ポリゴンミラー41Aと、走査レンズ41Bと、反射鏡41Cと、ポリゴンモータ41Mとを有している。露光部41は、レーザ光源が出射したレーザ光Lを、ポリゴンミラー41Aにより偏向して、走査レンズ41B及び反射鏡41Cを介して、感光体ドラム46の表面にレーザ光Lを出射する。
【0031】
ポリゴンモータ41Mは、コントローラCからの指示に基づいて、ポリゴンミラー41Aを回転駆動させる。ポリゴンモータ41Mは、例えば、ブラシレスDCモータである。露光部41は、感光体ドラム46の表面をレーザ光Lにより走査することで、感光体ドラム46を露光する。これにより、感光体ドラム46の表面に印刷データに基づいた静電潜像が形成される。
【0032】
現像ローラ47は、感光体ドラム46上にトナーを供給する。これにより、感光体ドラム46の表面にトナー像が形成される。トナーは、トナー収容部44Aに収容されている。現像ローラ47とトナー収容部44Aは、トナーカートリッジ44を構成する。トナーカートリッジ44は、筐体10に対して、筐体10の前面側に設けられた開口10Bから着脱可能になっている。
【0033】
転写ローラ42は、感光体ドラム46との間でシートPを挟むことで、感光体ドラム46上に形成されたトナー像をシートPに転写する。定着部45は、シートPに転写されたトナー像をシートP上に定着する。
【0034】
定着部45は、定着ローラ45Rと、加圧ローラ45PRと、ヒータ45Hとを有している。定着ローラ45Rは、トナー像が形成されたシートPを加熱する。加圧ローラ45PRは、定着ローラ45Rとの間でニップを形成して、シートPを加圧する。ヒータ45Hは、例えばハロゲンヒータであり、定着ローラ45Rを加熱する。
【0035】
コントローラCは、ヒータ45Hへの供給電流を制御することにより、ヒータ45Hによる定着ローラ45Rの加熱を制御する。また、コントローラCは、メインモータM1を制御することにより、加圧ローラ45PRの回転駆動を制御する。定着部45は、トナー像が転写されたシートPを、定着ローラ45Rと加圧ローラ45PRとの間で挟持しながら搬送することで、シートP上にトナー像を熱定着する。
【0036】
第1搬送路R1と第2搬送路R2との合流箇所G2の付近には、フラップFが配置されている。フラップFは、シートPを第1搬送路R1、又は第2搬送路R2に振り分けるための部材である。コントローラCは、サブモータM2の駆動を制御することにより、フラップFの動作を制御する。印刷装置1がサブモータM2を備えていない構成の場合、コントローラCは、メインモータM1の駆動を制御することにより、フラップFの動作を制御する。
【0037】
第2搬送路R2には、カッター100が設けられている。カッター100は、印刷エンジン4よりもシート搬送方向の下流に配置されている。カッター100は、
図4に示すように、シートPを切断することにより、先行する第1シートP1と、第1シートP1に後続する第2シートP2とを生成する。また、カッター100は、第3シートP3を生成することも、第4シートP4(
図15参照)以降を生成することもある。
【0038】
第1搬送路R1におけるレジストローラ36の上流には、レジ前センサ110が配置されている。レジ前センサ110としては、シートPが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いることができる。レジ前センサ110は、シートPの前端がレジ前センサ110の位置に到達したタイミングから、シートPの後端がレジ前センサ110の位置を通過するまでの間、コントローラCへON信号を出力し、それ以外の間、コントローラCへOFF信号を出力する。
【0039】
第1搬送路R1におけるレジストローラ36の下流には、レジ後センサ111が配置されている。レジ後センサ111は、レジ前センサ110と同様の構成である。レジ後センサ111は、シートPの前端がレジ後センサ111の位置に到達したタイミングから、シートPの後端がレジ後センサ111の位置を通過するまでの間、コントローラCへON信号を出力し、それ以外の間、コントローラCへOFF信号を出力する。
【0040】
第2搬送路R2における定着部45と中間排出ローラ37との間には、排出センサ112が配置されている。排出センサ112は、レジ前センサ110と同様の構成である。排出センサ112は、シートPが定着部45を通過したことを検知し、その検知結果をコントローラCへ出力する。
【0041】
コントローラCは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びメモリ140等を有している。コントローラCは、ROMから読み出した制御プログラムや、各種センサから出力される信号に従って、印刷装置1の各部を制御する。
【0042】
コントローラCは、メインモータM1を制御することにより、感光体ドラム46、現像ローラ47、転写ローラ42、及び加圧ローラ45PR等の駆動を制御する。また、コントローラCは、レジ前センサ110、レジ後センサ111、レジ前センサ110、レジ後センサ111、排出センサ112、カバーセンサ113,114,115等から取得した情報に基づいて、画像形成処理等を実行する。
【0043】
メモリ140は、例えば、NVRAM(Non Volatile Random Access Memory)である。メモリ140には、印刷装置1を制御するための各種制御プログラムや各種設定等が記憶されている。NVRAMは、各種制御プログラムが読み出される作業領域、及び印刷データ等を一時的に記憶する記憶領域として利用される。
【0044】
図2に示す通信I/F130は、PC2と通信する。通信I/F130は、LAN等のネットワークに接続されている。印刷装置1は、通信I/F130を介して、印刷指示を受信可能である。なお、外部装置としては、PC2の代わりに、例えばスマートフォン等であってもよい。
【0045】
[PCの構成]
図2は、印刷装置1とPC2のシステム構成を示す図である。
図2に示すように、PC(Personal Computer)2は、コントローラ20と、ユーザインタフェース(I/F)23と、通信インタフェース(I/F)24とを備えている。ユーザI/F23及び通信I/F24は、コントローラ20に電気的に接続されている。また、通信I/F24は、印刷装置1の通信I/F130と通信を行う。
【0046】
コントローラ20は、CPU21と、メモリ22とを有している。CPU21は、メモリ22から読み出したプログラムやユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ22は、ROM、RAM、及びHDD等を含み、各種のプログラム、印刷データ、各種設定情報等を記憶する領域として利用される。
【0047】
PC2のメモリ22には、アプリ221、及びプリンタドライバ222が搭載されている。なお、外部サーバからアプリ221、及びプリンタドライバ222をインストールする構成でもよい。アプリ221は、印刷に関するユーザの指示を受け付けるプログラムである。アプリ221は、ユーザの操作によって、例えば、印刷を行わせる装置の指定、印刷対象の画像の指定、印刷実行の指示、印刷対象のシートPのサイズの指定、印刷対象のシートPの種類の指定、印刷設定の編集指示、カッター100によるシートPの切断に関する設定等を受け付ける。
【0048】
プリンタドライバ222は、印刷装置1の動作を制御する機能を有するプログラムである。プリンタドライバ222は、アプリ221から指示を受け付けると、印刷装置1に印刷指示を送信する。
【0049】
プリンタドライバ222は、後述する「外部設定」の入力にも用いられる。入力された「外部設定」の設定値は、メモリ22に記憶される。PC2が印刷装置1に印刷指示を送信する際に、メモリ22に記憶された「外部設定」の設定値が、印刷装置1に送信される。
【0050】
[印刷設定]
次に、印刷設定について、
図3を参照して説明する。
図3は、印刷装置1における印刷設定を説明するための図である。印刷設定の設定値は、印刷装置1による印刷時に用いられる設定値である。
図3に示すように、切断に関する設定方法には、「外部設定」と「印刷装置設定」とがある。
【0051】
「外部設定」とは、外部装置であるPC2等によって設定された、印刷設定の設定値を表している。「印刷装置設定」とは、ユーザが印刷装置1の操作パネル120を操作することによって設定された、印刷設定の設定値を表している。
【0052】
<外部設定>
PC2にプリンタドライバ222がインストールされている場合、ユーザは、ユーザI/F23を用いて、プリンタドライバ222を実行しているCPU21(以降、単にプリンタドライバ222とも記載する)がユーザI/F23に表示させた画面を介して、シートサイズを示す設定値と、切断設定を示す設定値と、を入力できる。
【0053】
<印刷装置設定>
ユーザは、印刷装置1の操作パネル120を介して、シートサイズを示す設定値と、切断設定を示す設定値と、を入力できる。印刷装置1は、外部設定の設定値を、
図10のS1で外部装置から印刷指示を受信する際に、外部装置から受信する。印刷装置設定の設定値は、印刷装置1のメモリ140に記憶されている。
図10のS5において、「外部設定」及び「印刷装置設定」に基づいて、「最終切断設定」の設定値を、「A4-AUTO」、「A4-MANUAL」、「LTR-AUTO」、「LTR-MANUAL」、「OFF」のいずれかに決定する。
【0054】
外部設定と、印刷装置設定との優先順位を示す情報が、メモリ140に予め記憶されていてもよい。
図10のS5では、メモリ140に記憶されている、優先順位を示す情報に従って、「最終切断設定」の設定値を決定する。
【0055】
コントローラCは、操作パネル120を介して、印刷装置設定を優先するという指示を受け付けた場合、印刷装置設定を優先する情報をメモリ140に記憶してもよい。つまり、操作パネル120を介して、印刷装設定を優先させるように指示することが可能となっている。外部設定を優先するという指示を受け付けた場合、外部設定を優先することを示す情報を、優先順位を示す情報としてメモリ140に記憶してもよい。
【0056】
シートサイズの設定値は、印刷にどのシートPを用いるのかを示している。シートサイズを「A4」又は「LTR」のいずれかに指定する場合は、切断設定の設定値を「AUTO」、「MANUAL」、「OFF」のいずれかに指定することが可能である。シートサイズを「A4」又は「LTR」のいずれかに指定する場合は、切断設定の設定値を「AUTO」、「MANUAL」に指定することはできない。「A4」は、A4サイズを示している。「LTR」は、レターサイズを示している。
【0057】
切断設定の設定値「AUTO」は、シートサイズの設定値が示すシートを、自動的に2分の1のサイズに切断することを示す。例えば、シートサイズの設定値が示すサイズがA4サイズであれば、自動的に、A5サイズのシートに切断することを示す。
【0058】
切断設定の設定値「MANUAL」は、シートサイズの設定値が示すシートを、どのサイズに切断するのか、明確にサイズを指定する設定値(以降、切断サイズとも記載する)があることを示す。
図3には明記していないが、切断設定及び最終切断設定には、切断サイズが含まれる。外部設定に含まれる切断サイズは、プリンタドライバ222がユーザI/F23に表示させた画面を介して入力される。印刷装置設定に含まれる切断サイズは、操作パネル120を介して入力される切断設定の設定値「OFF」は、シートサイズの設定値が示すシートを、切断することなく印刷することを示す。
【0059】
このように、印刷装置1及びプリンタドライバ222がインストールされた外部装置は、印刷設定の設定値として、切断設定の設定値を設定することができる。また、プリンタドライバ222は、切断設定の設定値を設定する機能を備えることが、従来のプリンタドライバに対し進歩している点ともいえる。プリンタドライバ222がインストールされたPC2が印刷装置1に印刷指示を送信する際に印刷装置1に送信される印刷設定の設定値には、切断設定の設定値が含まれるが、切断設定の設定値を設定する機能を備えない外部装置が印刷装置1に印刷指示を送信する際に印刷装置1に送信される印刷設定の設定値には、切断設定の設定値が含まれない。切断設定の設定値を設定する機能を備えない外部装置とは、例えば、従来のプリンタドライバがインストールされた外部装置である。例えば、プリンタドライバがインストールされていない外部装置である。
【0060】
以下、印刷装置設定における切断設定について詳しく説明する。ユーザは、操作パネル120を介して、カッター100による切断前のシートPのサイズである第1サイズと、カッター100によりシートPを切断した後の第1シートP1のサイズである第2サイズを指定する。第2サイズとしては、第1サイズのシートに対して、任意に指定できる範囲から指定することが可能である。なお、
図4に示すように、第1サイズは、シートPのシート搬送方向における前端から後端までの長さである。また、第2サイズは、第1シートP1のシート搬送方向の前端から後端までの長さである。
【0061】
操作パネル120には、第1サイズのシートに対して、任意に指定できる範囲から第2サイズを指定させるための指定画面が表示される。ここで、
図5は、操作パネル120に表示される指定画面120Aの一例を示す図である。
図5に示すように、操作パネル120には、切断設定に関する複数の選択肢を含む指定画面120Aが表示される。
【0062】
指定画面120Aには、AUTO121、MANUAL122、OFF123が表示される。ユーザは、タッチパネルからなる操作パネル120を介して、AUTO121、MANUAL122、OFF123のいずれかを指定可能である。AUTO121を選択する入力がされると、コントローラ20は、切断設定の設定値「AUTO」をメモリ140に記憶させる。このように、ユーザは、AUTO121を指定することにより、第2サイズとして、予め定められたサイズ、即ち第1サイズの2分の1のサイズを選択することができる。
【0063】
ユーザが、指定画面120AにてMANUAL122を選択すると、コントローラ20は、画面を
図6に示す指定画面120Bに切り替える。
図6に示す指定画面120Bには、第1サイズの選択肢として、A4サイズを示す「A4」、及びレターサイズを示す「LETTER」が表示される。
【0064】
ユーザが、指定画面120Bにおいて「A4」124を選択すると、コントローラ20は、画面を
図7に示す指定画面120Cに切り替える。一方、ユーザが、指定画面120Bにおいて、「LETTER」125を選択すると、コントローラ20は、画面を、
図8に示す指定画面120Dに切り替える。
図7の指定画面120C、及び
図7の指定画面120Dにおいて、ユーザが入力キー126を操作し、第2サイズを示す数値を入力してOK128を押すと、コントローラ20は、切断設定の設定値である、切断サイズとして、第2サイズを示す数値をメモリ140に記憶させる。ユーザは、このようにして第2サイズを任意に指定することができる。
【0065】
ただし、第1サイズがA4サイズである場合、第2サイズとして任意に指定できる範囲は、画面127に示されるように、94.6mm~219.3mmの範囲に限られている。
【0066】
また、第1サイズがレターサイズである場合、第2サイズとして任意に指定できる範囲は、画面129に示されるように、77.0mm~201.7mmの範囲に限られている。つまり、第1サイズのシートに対して第2サイズとして任意に指定できる範囲から外れる数値は、指定画面120C、及び指定画面120Dで第2サイズとして指定できないように構成されている。
【0067】
具体的には、ユーザが、第1サイズのシートに対して第2サイズとして任意に指定できる範囲から外れる数値を入力しようとしても、コントローラ20は、入力を受け付けないという構成でもよい。あるいは、ユーザが、第1サイズのシートに対して第2サイズとして任意に指定できる範囲から外れる数値を入力すると、コントローラCは、エラー表示をし、入力された数値をメモリ140に記憶させない、という構成でもよい。これにより、コントローラCは、後述の印刷処理(S3)及び切断処理(S26)を良好に実行して、所望のサイズのシートを得ることができる。
【0068】
なお、指定画面120C及び指定画面120Dには、第2サイズとして適切なサイズのみを表示することで、第2サイズとして適切でないサイズが選択されることを防止するようにもしている。
【0069】
ユーザが、
図7の指定画面120Cにて、第2サイズを示す数値を決定すると、
図6に示す指定画面120Bに戻る。画面124には、第1サイズがA4サイズである場合の第2サイズの数値、即ち指定画面120Cで入力された数値と、第1サイズがレターサイズである場合の第2サイズの数値、即ち指定画面120Cで入力された数と、が表示される。画面124には、155mmと、100mmとが指定された例が示されている。
【0070】
上記したように、コントローラCは、指定画面120Cを介して、第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲の数値から、第2サイズを指定する操作を受け付けた場合、第1サイズを示す情報及び第2サイズを示す情報をメモリ140に記憶する。
【0071】
このように、指定画面を介して、前記第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から、第2サイズを示す数値を指定することが可能であるが、第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値の指定には制限があるように構成される。これにより、第2サイズとして、適切でないサイズの指定に制限がかかるようにしている。
【0072】
なお、指定画面120A、指定画面120B、指定画面120C、及び指定画面120Dの表示の順番は、上述の順番に限るものではない。例えば、指定画面120Bにて第1サイズを選択した後、指定画面120Aにて切断設定を選択してもよい。
【0073】
ここで、
図7の画面127及び
図8の画面129に示される任意に指定できる第2サイズの数値の範囲について、
図9を参照して説明する。
図9は、第1サイズのシートPに対して任意に指定できる第2サイズの範囲を説明するための模式図である。任意に指定できる第2サイズの数値の範囲は、以下の(ii)~(iii)の3つの条件を満たす範囲である。
【0074】
(i)第1シートP1のシート搬送方向のサイズが、カッター100と下流ローラ40Bとの間のシート搬送方向の距離B以上である。これは、第1シートP1を、下流ローラ40Bにより搬送可能な条件を考慮している。
【0075】
(ii)第2シートP2のシート搬送方向のサイズが、上流ローラ40Aと下流ローラ40Bとの間の距離以上である。これは、第2シートP2を、上流ローラ40A及び下流ローラ40Bにより搬送可能な条件を考慮している。
【0076】
(iii)第2シートP2のシート搬送方向のサイズが、定着ローラ45Rと上流ローラ40Aとの間の距離未満である。これは、シートPの後端が定着ローラ45Rを通過した後にシートPに切断して、第2シートP2を搬送可能な条件を考慮している。
【0077】
このように、第1サイズのシートPに対して任意に指定できる第2サイズの範囲を設定することによって、第1シートP1及び第2シートP2の搬送が適切に行われなかったり、プロセス不良や定着ムラ等が発生したりすることを避けることができる。
【0078】
なお、
図5に示す指定画面120Aにおいて、OFF123を選択する入力がされると、コントローラ20は、切断設定の設定値「OFF」をメモリ140に記憶させる。
【0079】
[コントローラによる制御の流れ]
次に、印刷装置1のコントローラCによる制御の流れについて、
図10~
図15を参照して説明する。
図10は、コントローラCによる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図11は、
図10の切断処理S7の流れの一例を示すフローチャートである。
図12は、第1サイズがA4であり、第2サイズがA5サイズである場合における印刷装置1の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図14は、第1サイズがA4であり、第2サイズが小切手サイズである場合における印刷装置1の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0080】
図10に示すフローチャートにおいて、コントローラCは、通信I/F130を介して、外部装置から送信された印刷指示、例えば、PC2から送信された印刷指示を受信したか否かを判定する(S1)。コントローラCは、印刷指示を受信していない場合(S1:NO)、S1を繰り返す。コントローラCは、印刷指示を受信した場合(S1:YES)、メインモータM1の駆動を開始する(S2)。このタイミングは、
図12、
図14のT1である。また、コントローラCは、「外部設定」の設定値を印刷指示の送信元の外部装置から受信する。「外部設定」の設定値は、印刷指示に含まれていてもよいし、印刷指示とは別に、印刷指示の送信元の外部装置から受信してもよい。
【0081】
S2の後、コントローラCは、
図12及び
図14の時間T2にて、給送クラッチ30をオンにして、給送ローラ33を回転させることで、例えばA4サイズのシートPを、第1搬送路R1に搬送する。
【0082】
コントローラCは、シートPが印刷エンジン4まで搬送されると、シートPに対して、印刷エンジン4により、
図12の期間Wの間に印刷処理を行う(S3)。S3の後、コントローラCは、排出センサ112がオンしたか否かを判定する(S4)。
【0083】
コントローラCは、排出センサ112がオンするまで(S4:NO)、S4を繰り返し、
図12及び
図14のT4にて、排出センサ112がオンした場合(S4:YES)、メモリ140に記憶されている「印刷装置設定」を取得し、外部装置から受信した「外部設定」および、取得した「印刷装置設定」に基づいて、「最終切断設定」の設定値を、「A4-AUTO」、「A4-MANUAL」、「LTR-AUTO」、「LTR-MANUAL」、「OFF」のいずれかに決定する(S5)。具体的には、メモリ140に記憶されている、優先順位を示す情報が、「外部設定」優先を示す場合は、下記の通りである。
【0084】
外部設定の切断設定の設定値が「AUTO」であれば、外部設定のシートサイズの設定値が「A4」ならば、「最終切断設定」の設定値を「A4-AUTO」に決定し、「LTR」ならば、「最終切断設定」の設定値を「LTR-AUTO」に決定する。外部設定のシートサイズの設定値が「A4」でも「LTR」でもないならば、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に設定する。
【0085】
外部設定の切断設定の設定値が「MANUAL」であれば、外部設定のシートサイズの設定値が「A4」ならば、「最終切断設定」の設定値を「A4-MANUAL」に決定し、「LTR」ならば、「最終切断設定」の設定値を「LTR-MANUAL」に決定する。外部設定のシートサイズの設定値が「A4」でも「LTR」でもないならば、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に設定する。外部設定の切断設定の設定値が「OFF」であれば、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に決定する。
【0086】
外部設定に切断設定の設定値が含まれていない場合、印刷装置設定に切断設定の設定値が含まれていれば、下記する、優先順位を示す情報が、「印刷装置設定」優先を示す場合と同様、印刷装置設定に従って、「最終切断設定」の設定値を決定する。印刷装置設定にも切断設定の設定値が含まれていなければ、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に決定する。
【0087】
メモリ140に記憶されている、優先順位を示す情報が、「印刷装置設定」優先を示す場合は、下記の通りである。印刷装置設定の切断設定の設定値が「AUTO」であれば、印刷装置設定のシートサイズの設定値が「A4」ならば、「最終切断設定」の設定値を「A4-AUTO」に決定し、「LTR」ならば、「最終切断設定」の設定値を「LTR-AUTO」に決定する。印刷装置設定のシートサイズの設定値が「A4」でも「LTR」でもないならば、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に設定する。
【0088】
印刷装置設定の切断設定の設定値が「MANUAL」であれば、印刷装置設定のシートサイズの設定値が「A4」ならば、「最終切断設定」の設定値を「A4-MANUAL」に決定し、「LTR」ならば、「最終切断設定」の設定値を「LTR-MANUAL」に決定する。印刷装置設定のシートサイズの設定値が「A4」でも「LTR」でもないならば、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に設定する。印刷装置設定の切断設定の設定値が「OFF」であれば、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に決定する。
【0089】
印刷装置設定に切断設定の設定値が含まれていない場合、外部設定に切断設定の設定値が含まれていれば、優先順位を示す情報が、「外部設定」優先を示す場合と同様、外部設定に従って、「最終切断設定」の設定値を決定する。外部設定にも切断設定の設定値が含まれていなければ、「最終切断設定」の設定値を「OFF」に決定する。
【0090】
S5の後、コントローラCは、切断設定ありか否かを判定する(S6)。具体的には、S5で決定された「最終切断設定」の設定値が「OFF」でなければ、切断設定ありと判定する。コントローラCは、切断設定ありである場合(S6:YES)、
図11に示す切断処理を実行する(S7)。
【0091】
一方、コントローラCは、切断設定なしである場合(S6:NO)、即ち「最終切断設定」の設定値が「OFF」である場合、シートPが第1搬送路R1に案内されるように、フラッパFの位置を切り替える(S8)。
【0092】
S7の後、又はS8の後、コントローラCは、排出センサ112がオフしたか否かに基づいて、シートPの排出が完了したか否かを判定する(S9)。コントローラCは、シートPの排出が完了するまで(S9:NO)、S9を繰り返し、シートPの排出が完了した場合(S9:YES)、
図12及び
図14のT11にて、メインモータM1の駆動を停止させる(S10)。以上により、
図9に示すフローを終了する。
【0093】
<切断処理>
次に、
図10の切断処理S7について、
図11を参照して詳しく説明する。
図11は、切断処理S7の流れの一例を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートにおいて、コントローラCは、シートPが第2搬送路R2へ案内されるように、フラッパFの位置を切り替え(S21)、搬送部3により、第2搬送路R2にシートPを搬送する。
【0094】
S21の後、コントローラCは、シートPの変数SIZEの初期値、具体的には、「最終切断設定」の設定値が「A4-AUTO」又は「A4-MANUAL」の場合A4サイズの長辺の長さを示す値を、「最終切断設定」の設定値が「LTR-AUTO」「LTR-MANUAL」の場合レターサイズの長辺の長さを示す値を、メモリ140に記憶する(S22)。
【0095】
S22の後、コントローラCは、メインモータM1の駆動を停止させるまでの時間W1を、変数SIZEの値に基づいて取得する(S23)。時間W1は、シートPの切断位置CL(
図4参照)がカッター100のある位置まで搬送される時間に相当する。S23では、コントローラCは、変数SIZEの値に対して予め定められた時間に基づいて時間Wを取得してもよいし、変数SIZEの値に基づいて時間W1を算出することにより時間Wを取得してもよい。
【0096】
S23の後、コントローラCは、取得した時間W1が経過したか否かを判定する(S24)。コントローラCは、取得した時間W1が経過するまで(S24:NO)、S24を繰り返す。コントローラCは、取得した時間W1が経過した場合(S24:YES)、第1サイズがA4であり、第2サイズがA5サイズである場合、例えば、「最終切断設定」の設定値が「A4-AUTO」である場合、
図12のT7にて、メインモータM1の駆動を停止させる(S25)。第1サイズがA4であり、第2サイズがA5サイズよりも小さいサイズである場合、例えば、「最終切断設定」の設定値が「A4-MANUAL」であり、切断サイズが小切手サイズの短辺の長さである場合、コントローラCは、
図14のT7’にて、メインモータM1の駆動を停止させる(S25)。
【0097】
S25の後、コントローラCは、
図12のT8にて、カッター100により切断処理を開始する(S26)。S26において、コントローラCは、S5にて取得した切断設定により指定された第2サイズの第1シートP1が生成されるように、カッター100により、印刷エンジン4により印刷がされた第1サイズのシートPを切断する第1切断処理を実行する。なお、第2サイズが小切手サイズの短辺の長さである場合の第1切断処理の実行タイミングは、
図14のT8’であり、第2サイズがA5サイズの短辺の長さである場合の第1切断処理の実行タイミングである
図12のT8よりも早いタイミングである。
【0098】
S26において、コントローラCは、印刷に用いられたシートPが、S5にてメモリ140に記憶された第1サイズである場合に、メモリ140に記憶された第2サイズの第1シートP1が生成されるように、カッター100により第1サイズのシートPを切断するとも言える。
【0099】
S26の後、コントローラCは、第1切断処理が終了したか否かを判定する(S27)。コントローラCは、第1切断処理が終了するまで(S27:NO)、S27を繰り返す。コントローラCは、
図12のT9にて、第1切断処理が終了した場合(S27:YES)、変数SIZEを更新する(S28:算出処理)。
【0100】
S28において、コントローラCは、変数SIZEの値が示す、切断前のシートPのサイズである第1サイズから、第2サイズを差し引いたサイズである第3サイズを算出し、第3サイズを変数SIZEの値とする。第1サイズがA4サイズの長辺の長さであり、第2サイズがA5の短辺の長さである場合、S28で算出される第3サイズは、第1サイズの2分の1である。即ち、第3サイズは第2サイズと同じである。第1サイズがA4サイズの長辺の長さであり、第2サイズが小切手サイズの短辺の長さである場合、第3サイズは、
図13に示されるように、第2サイズより大きなサイズになる。
【0101】
S28の後、コントローラCは、
図12のT10、又は
図14のT10’にて、メインモータM1の駆動を再開する(S29)。S29の後、コントローラCは、継続して切断が可能か否かを判定する(S30:判定処理)。
【0102】
具体的には、変数SIZEの値が示すサイズ、即ち、S28で算出した第3サイズが第2サイズよりも大きいか否かを判定し、変数SIZEの値が示すサイズが第2サイズよりも大きく、かつ、以下の3つの条件を満たす場合に、継続して切断が可能であると判定する。以下、3つの条件を示す。
【0103】
(1)第3サイズが、カッター100と下流ローラ40Bとの間のシート搬送方向の距離B(
図9参照)以上である。これは、第2サイズのシートを、下流ローラ40Bにより搬送可能な条件を考慮している。
【0104】
(2)第3サイズから第2サイズを差し引いたサイズである第4サイズが、上流ローラ40Aと下流ローラ40Bとの間の距離C(
図9参照)以上である。これは、第4サイズのシートを、上流ローラ40A及び下流ローラ40Bにより搬送可能な条件を考慮している。
【0105】
(3)第4サイズが、定着ローラ45Rと上流ローラ40Aとの間の距離D(
図9参照)未満である。これは、シートPの後端が定着ローラ45Rを通過した後にシートPに切断して、第2シートP2を搬送可能な条件を考慮している。
【0106】
上記した条件(1)~(3)を満たす範囲の中から、第2サイズを指定することにより、切断後のシートの搬送が適切に行われなかったり、プロセス不良や定着ムラ等が発生したりすることを避けながら、
図13に示すように、第2サイズのシートP1,P2を複数枚生成することができる。
【0107】
第1サイズがA4サイズ(シート搬送方向である、長辺の長さが297mm)に指定されており、第2サイズが小切手サイズ(シート搬送方向である、短辺のサイズが100mm)に指定されている場合、第3サイズは、197mmとなる。この場合、コントローラCは、継続して切断が可能であると判定する。
【0108】
コントローラCは、継続して切断が可能であると判定した場合(S30:YES)、メインモータM1の駆動を停止させるまでの時間W2を取得する(S31)。時間W2は、1回目の切断時の切断位置から2回目の切断時の切断位置まで、シートPが搬送されるのに要する時間に相当する。
【0109】
S31の後、コントローラCは、S24に戻り、S31にて取得した時間W2が経過したか否かを判定する。取得した時間W2が経過した場合(S24:YES)、メインモータM1の駆動を停止させ(S25)、2回目の切断処理である第2切断処理を開始する(S26)。
【0110】
このように、コントローラCは、第1切断処理の後、第1サイズから第2サイズを差し引いたサイズである第3サイズが、第2サイズよりも大きい場合、2枚目の第2サイズのシートが生成されるように、第3サイズのシートを切断する第2切断処理を実行する。第2切断処理により、
図13に示すように、第2シートP2と第3シートP3とが生成される。S26の後、コントローラCは、S27~S30を同様に実行する。
【0111】
一方、コントローラCは、継続して切断が不可能であると判定した場合(S30:NO)、
図10に示すフローを終了する。
【0112】
なお、コントローラCは、2回目の切断処理を実行した後のS28では、変数SIZEの値が示す第3サイズから、第2サイズを差し引いたサイズである第4サイズを算出し、第4サイズを変数SIZEの値とする。S30において、変数SIZEの値が示すサイズ、即ち、S28で算出した第4サイズが第2サイズよりも大きいか否かを判定し、第3サイズが第2サイズよりも大きく、且つ、上記3つの条件を満たす場合に、継続して切断が可能であると判定する。継続して切断が可能であると判定した場合、コントローラCは3回目の切断処理である第3切断処理を開始する(S26)。
図15は、切断前のシートPと、3回の切断処理を経て生成された第1シートP1乃至第4シートP4を示す図である。
【0113】
このように、コントローラCは、第2切断処理の後、
図15に示すように、第3サイズから第2サイズを差し引いたサイズである第4サイズが、第2サイズよりも大きい場合、3枚目の第2サイズの第3シートP3が生成されるように、第4サイズのシートを切断する第3切断処理を実行する。これにより、第2サイズのシートP1,P2,P3を3枚生成することができる。
【0114】
なお、コントローラCが、3回目の切断処理を実行した後のS28で、変数SIZEの値が示す第4サイズから、第2サイズを差し引いたサイズである、図示しない第5サイズを算出し、第5サイズを変数SIZEの値とし、継続して4回目以降の切断が可能であると判定すれば、4回目以降の切断処理に進んでよい。
【0115】
なお、印刷装置1の構成は、第1サイズとして、A4サイズ、及びレターサイズ以外のサイズを指定できる構成であってもよい。
【0116】
以上説明した印刷装置1によれば、コントローラCは、操作パネル120を介して指定された第2サイズのシートが生成されるように、第1切断処理(S26)にて第1サイズのシートPを切断する。これにより、ユーザは任意のサイズの第1シートP1を得ることができる。
【0117】
また、コントローラCは、操作パネル120を介して指定された第1サイズを示す情報及び第2サイズを示す情報をメモリ140に記憶させておくことで、第1サイズのシートPへの印刷指示があったときに、予め記憶させてある第2サイズのシートを生成するように、切断処理(S26)を行うことができる。
【0118】
また、操作パネル120には、第1サイズのシートPに対して任意に指定できる範囲から第2サイズを指定させるための指定画面120Aが表示されるので、ユーザは操作パネル120に表示された指定画面120Aを確認することで、複数の第2サイズの中から所望するサイズを容易に選択することができる。
【0119】
また、指定画面120C,120Dを介して、任意に指定できる範囲内の数値を第2サイズとして受け付けることで、所望のサイズのシートを得ることができる。このとき、第2サイズとして任意に指定できる範囲外の数値を指定不可とすることで、シートPに良好に印刷して、切断後のシートを確実に排出することができる。即ち、プロセス不良や定着ムラ等の発生を防止して、切断後のシートを確実に搬送することができる。
【0120】
また、コントローラCは、通信I/F130を介して印刷指示を受信したとき(S:YES)、印刷指示または印刷装置1の設定に基づいて、印刷指示に基づく印刷において印刷に用いるシートPのサイズを特定し、印刷に用いる第1サイズに対応してメモリ140に記憶された第2サイズの第1シートP1が生成されるように第1切断処理(S26)を実行する。これにより、ユーザは、所望の第1サイズを特定して、特定した第1サイズに対応した第2サイズの第1シートP1を得ることができる。
【0121】
また、コントローラCは、通信I/F130を介して、PC2から印刷指示を受け付けたとき(S1:YES)、印刷指示において第1サイズに対応した第2サイズが指定されている場合、第1切断処理(S26)にて、指定された第2サイズのシートが生成されるように、カッター100により第1サイズのシートPを切断する。これにより、印刷指示により指定された第2サイズが、優先して使用されるようにすることができる。
【0122】
また、コントローラCは、第1切断処理(S26)の後、第1サイズから第2サイズを差し引いたサイズである第3サイズが第2サイズよりも大きい場合、継続して切断が可能であると判定し(S30:YES)、2枚目の第2サイズのシートが生成されるように、第3サイズのシートを切断する第2切断処理を実行する。これにより、ユーザは、第2サイズのシートを2枚得ることができる。
【0123】
〔その他の実施形態〕
上記した印刷装置1は、モノクロレーザプリンタであるとしたが、これに限らず、他にもカラーレーザプリンタや、プリンタ機能及びスキャナ機能等を備えたMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。また、印刷装置1は、インクをシートPに吐出することにより印刷を行うインクジェットプリンタであってもよい。
【0124】
また、上記した印刷装置1では、
図5に示すように、操作パネル120の指定画面120Aに、AUTO121、MANUAL122、及びOFF123の3つの選択肢が表示されるものとしたが、これに限定されない。指定画面120Aに、「100mm」及び「150mm」等の具体的な数値が示された選択肢が表示されてもよい。具体的な数値が示された選択肢が表示された場合、コンピュータCは、メモリ140に、切断設定の値として、「MANUAL」を、切断サイズの値として、選択された選択肢に対応する数値を記憶させる。
【0125】
また、上記した印刷装置1では、プリンタドライバ222が表示させた画面を介してシートサイズを示す設定値と、切断設定を示す設定値と、をユーザが入力できる例を示したが、外部装置にインストールされた、プリンタドライバ222以外のプログラムが表示させた画面を介してシートサイズを示す設定値と、切断設定を示す設定値とをユーザが入力できてもよい。この場合、プリンタドライバ222以外のプログラムがインストールされた外部装置が印刷装置1に印刷指示を送信する際に印刷装置1に送信される印刷設定の設定値に、切断設定の設定値が含まれないも含まれることになる。
【0126】
また、上記した印刷装置1では、コントローラCは、通信I/F130を介して印刷指示を受信するより前に、印刷設定の設定値をメモリ140に記憶させていたが、これに限らない。コントローラCは、印刷指示を受信したときに、操作パネル120に表示された画面を介して、第2サイズを指定する操作を含む、印刷設定の設定値を指定する操作を受け付け、印刷設定の設定値をメモリ140に記憶させてもよい。
図10のS5等では、このときメモリ140に記憶された設定値が「印刷装置設定」として用いられる。
【0127】
また、上記した印刷装置1では、コントローラCは、S5において、メモリ140に記憶されている優先順位を示す情報に従って、「外部設定」「印刷装置設定」のどちらを優先的に用いるか決めて、「最終切断設定」の設定値を決定していたが、必ず「外部設定」を優先して「最終切断設定」の設定値を決定してもよい。
【0128】
また、上記した印刷装置1では、コントローラCは、切断処理を行った後に、
図11のS28において算出した変数SIZEが示すサイズが条件を満たす場合に、次の切断処理を行っていたが、切断処理の回数を、ユーザが操作パネル120を介して、任意に設定するようにしてもよい。この場合、コントローラCが、操作パネル120に表示された画面を介して、切断処理の回数を指定する操作を受け付け、切断設定の設定値として、切断処理の回数を示す情報をメモリ140に記憶させてもよい。この場合、コントローラCは、メモリ140に記憶された情報が示す回数だけ、S30を肯定判断してもよい。
【0129】
また、上記した印刷装置1では、操作パネル120に指定画面120A等を表示するものとしたが、PC2から切断設定を行う外部設定を適用する場合には、操作パネル120に指定画面120A等を表示しなくてもよい。
【0130】
また、上記した印刷装置1では、第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値を第2サイズとして指定することに制限をかけたが、第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値を指定することには制限を書けない者の、第1サイズのシートに対して任意に指定できる範囲から外れる数値が第2サイズの設定値として設定されていた場合に、印刷時、例えば
図10の実行時に、印刷に制限を書けてもよい。例えば、印刷時に、エラーを示す表示をしてもよい。
【0131】
また、コントローラCは、
図11のS22において、
図12のT3にてレジ後センサ111がオンしてから、
図12のT5にてレジ後センサ111がオフするまでの時間と、シートPの搬送速度とに基づいて、シートPの搬送方向の長さ、即ちシートPの切断前のサイズである第1サイズを算出し、算出した第1サイズをメモリ140に記憶してもよい。
【0132】
本開示は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1 印刷装置
3 搬送部
4 印刷エンジン
20 コントローラ
45 定着部
46 感光体ドラム
47 現像ローラ
40A 上流ローラ
40B 下流ローラ
45R 定着ローラ
100 カッター
120 操作パネル(ユーザインタフェース)
120A,120B,120C,120D 指定画面
130 通信I/F
140 メモリ
222 プリンタドライバ
C コントローラ
M1 メインモータ
P1 第1シート
P2 第2シート