(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147378
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】プロセスユニット
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G03G21/18 167
G03G21/18 153
G03G21/18 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060344
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 道雄
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA05
2H171FA28
2H171GA03
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA40
2H171JA51
2H171KA13
2H171MA02
2H171MA07
2H171MA20
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB17
2H171QB32
2H171QB51
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171WA13
(57)【要約】
【課題】中継電極と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となるプロセスユニットを提供する。
【解決手段】第1クリーニングローラ(32)および第2クリーニングローラ(32)を支持する支持板(23)と、第1方向における支持板の外側に位置する側板(22)と、を有するフレーム(21)と、第1クリーニングローラの一端と電気的に接続され、第1方向における側板の内側に位置する第1クリーニングローラ電極(33)と、第2クリーニングローラの一端と電気的に接続され、第1方向における側板の内側に位置する第2クリーニングローラ電極(33)と、側板に取り付けられ、第1クリーニングローラ電極と電気的に接続される入力電極(43)と、入力電極に第2方向の一端が電気的に接続され、側板の外側にて第2方向に延びて、入力電極と第2クリーニングローラ電極とを電気的に接続する中継電極(45)と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1回転軸について回転可能な第1感光ドラムと、
前記第1感光ドラムと第2方向に並ぶ第2感光ドラムであって、前記第1方向に延びる第2回転軸について回転可能な第2感光ドラムと、
前記第1感光ドラムの表面と接触する第1クリーニングローラと、
前記第2感光ドラムの表面と接触する第2クリーニングローラと、
前記第1方向における前記第1感光ドラムおよび前記第2感光ドラムの端部に位置し、前記第1クリーニングローラおよび前記第2クリーニングローラを支持する支持板と、
前記第1方向における前記支持板の外側に位置する側板と、
を有するフレームと、
前記第1クリーニングローラの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記第1クリーニングローラの一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置する第1クリーニングローラ電極と、
前記第2クリーニングローラの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記第2クリーニングローラの一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置する第2クリーニングローラ電極と、
前記側板に取り付けられ、前記第1クリーニングローラ電極と電気的に接続される入力電極と、
前記入力電極に前記第2方向の一端が電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の外側にて前記第2方向に延びる中継電極であって、前記入力電極と前記第2クリーニングローラ電極とを電気的に接続する中継電極と、
を備えた、プロセスユニット。
【請求項2】
前記側板は、
前記第2クリーニングローラ電極に向き合う位置に開口を有し、
前記中継電極は、
前記側板の外側から内側へ突出して前記開口へ挿通され、前記第2クリーニングローラ電極に接触する凸部を有する、
請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項3】
前記側板は、
前記開口の上辺から下方に延びる支持片を有し、
前記凸部は、
前記側板の外側へ開放された平面視U字状に突出して、突出する先端側の内側に前記支持片が接触する、
請求項2に記載のプロセスユニット。
【請求項4】
前記入力電極は、
前記第1方向における前記側板の内側に位置し、前記第1クリーニングローラ電極へ電力を給電する給電部と、
前記給電部の端縁から前記第1方向における前記側板の外側へ延出される延出部と、
前記延出部の前記第1方向における外側の端縁から前記側板の外側面に沿って延出され、前記プロセスユニットが装着される画像形成装置の装置本体からの電力を受電する受電部と、
を有し、
前記側板は、
前記延出部および前記受電部を挿通可能なスリットをさらに有する、
請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項5】
前記受電部は、
前記装置本体に設けられた本体側電極と前記第1方向に接触する、
請求項4に記載のプロセスユニット。
【請求項6】
前記側板は、
貫通孔を有し、
前記中継電極は、
前記第2方向の前記一端が、前記貫通孔に挿通され、前記第2方向の前記一端が、前記側板の内側で前記入力電極に接触する、
請求項2に記載のプロセスユニット。
【請求項7】
前記側板は、
前記第1方向における外側面にて、前記貫通孔と前記開口とを繋ぎ、前記中継電極を嵌め込み可能な溝部を有し、
前記中継電極は、
前記溝部内に嵌め込まれて配置される、
請求項6に記載のプロセスユニット。
【請求項8】
前記側板の前記第1方向における外側面に配置されて、前記中継電極を覆う絶縁性の樹脂で形成されたフィルムをさらに備え、
前記フィルムは、
前記受電部を前記フィルムの外に露出する開口部を有し、
前記受電部と前記本体側電極とが前記開口部を介して電気的に接続可能である、
請求項5に記載のプロセスユニット。
【請求項9】
前記第1クリーニングローラは、
前記プロセスユニットが取り付けられる画像形成装置の装置本体への前記プロセスユニットの取付け方向にて、最も後方に配置され、
前記入力電極は、
前記第1クリーニングローラの前記第1方向における前記一端と電気的に接続される前記第1クリーニングローラ電極に向き合う位置に配置されている、
請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項10】
前記側板は、絶縁性の樹脂である、請求項1に記載のプロセスユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式の画像形成装置に装着されるプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタなどの画像形成装置では、4つの感光ドラムを備えたプロセスユニットが設けられている。特許文献1に記載のプロセスユニットは、枠体と、側板とを備えている。そして、枠体は、4つの感光ドラムと、各感光ドラムに接触するクリーニングローラと、クリーニングローラと電気的に接続されるユニット側電極と、ユニット側電極と電気的に接続される本体側電極と、帯電器と、を支持する。
【0003】
また、ユニット側電極は、側板の内側面に配置された中継電極と接触する。複数のユニット側電極のうち最も後方のユニット側電極に本体側電極から電力が入力されると、最も後方のユニット側電極に接触する中継電極に電力が配電される。中継電極に配電された電力は、中継電極と接触する他の3つのユニット側電極に配電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のプロセスユニットは、側板の内側に、中継電極の他、感光ドラムのアース軸、帯電器の電極など複数の電子部品が配置されている。画像形成装置を小型化するためには、中継電極と複数の電子部品とをできる限り小さなスペース内に配置することが望ましいが、放電を避けるために複数の電子部品と中継電極とを一定の間隔を空けて配置する必要がある。したがって、側板の内側に中継電極を配置する特許文献1の構成では、中継電極と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが難しかった。
【0006】
本開示は、上述の問題点を鑑みたものであり、中継電極と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となるプロセスユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様のプロセスユニットは、第1方向に延びる第1回転軸について回転可能な第1感光ドラムと、前記第1感光ドラムと第2方向に並ぶ第2感光ドラムであって、前記第1方向に延びる第2回転軸について回転可能な第2感光ドラムと、前記第1感光ドラムの表面と接触する第1クリーニングローラと、前記第2感光ドラムの表面と接触する第2クリーニングローラと、前記第1方向における前記第1感光ドラムおよび前記第2感光ドラムの端部に位置し、前記第1クリーニングローラおよび前記第2クリーニングローラを支持する支持板と、前記第1方向における前記支持板の外側に位置する側板と、を有するフレームと、前記第1クリーニングローラの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記第1クリーニングローラの一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置する第1クリーニングローラ電極と、前記第2クリーニングローラの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記第2クリーニングローラの一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置する第2クリーニングローラ電極と、前記側板に取り付けられ、前記第1クリーニングローラ電極と電気的に接続される入力電極と、前記入力電極に前記第2方向の一端が電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の外側にて前記第2方向に延びる中継電極であって、前記入力電極と前記第2クリーニングローラ電極とを電気的に接続する中継電極と、を備えるものである。
【0008】
第2の態様は、第1の態様のプロセスユニットであって、前記側板は、前記第2クリーニングローラ電極に向き合う位置に開口を有し、前記中継電極は、前記側板の外側から内側へ突出して前記開口へ挿通され、前記第2クリーニングローラ電極に接触する凸部を有するようにしてもよい。
【0009】
第3の態様は、第2の態様のプロセスユニットであって、前記側板は、前記開口の上辺から下方に延びる支持片を有し、前記凸部は、前記側板の外側へ開放された平面視U字状に突出して、突出する先端側の内側に前記支持片が接触するようにしてもよい。
【0010】
第4の態様は、第1の態様のプロセスユニットであって、前記入力電極は、前記第1方向における前記側板の内側に位置し、前記第1クリーニングローラ電極へ電力を給電する給電部と、前記給電部の端縁から前記第1方向における前記側板の外側へ延出される延出部と、前記延出部の前記第1方向における外側の端縁から前記側板の外側面に沿って延出され、前記プロセスユニットが装着される画像形成装置の装置本体からの電力を受電する受電部と、を有し、前記側板は、前記延出部および前記受電部を挿通可能なスリットをさらに有するようにしてもよい。
【0011】
第5の態様は、第4の態様のプロセスユニットであって、前記受電部は、前記装置本体に設けられた本体側電極と前記第1方向に接触するようにしてもよい。
【0012】
第6の態様は、第2の態様のプロセスユニットであって、前記側板は、貫通孔を有し、前記中継電極は、前記第2方向の前記一端が、前記貫通孔に挿通され、前記第2方向の前記一端が、前記側板の内側で前記入力電極に接触するようにしてもよい。
【0013】
第7の態様は、第6の態様のプロセスユニットであって、前記側板は、前記第1方向における外側面にて、前記貫通孔と前記開口とを繋ぎ、前記中継電極を嵌め込み可能な溝部を有し、前記中継電極は、前記溝部内に嵌め込まれて配置されるようにしてもよい。
【0014】
第8の態様は、第5の態様のプロセスユニットであって、前記側板の前記第1方向における外側面に配置されて、前記中継電極を覆う絶縁性の樹脂で形成されたフィルムをさらに備え、前記フィルムは、前記受電部を前記フィルムの外に露出する開口部を有し、前記受電部と前記本体側電極とが前記開口部を介して電気的に接続可能であるようにしてもよい。
【0015】
第9の態様は、第1の態様のプロセスユニットであって、前記第1クリーニングローラは、前記プロセスユニットが取り付けられる画像形成装置の装置本体への前記プロセスユニットの取付け方向にて、最も後方に配置され、前記入力電極は、前記第1クリーニングローラの前記第1方向における前記一端と電気的に接続される前記第1クリーニングローラ電極に向き合う位置に配置されているようにしてもよい。
【0016】
第10の態様は、第1の態様のプロセスユニットであって、前記側板は、絶縁性の樹脂であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
第1の態様のプロセスユニットによれば、第1クリーニングローラ電極と、第2クリーニングローラ電極と、入力電極とは、側板の内側に位置する。そして、入力電極は、第1クリーニングローラ電極と電気的に接続される。中継電極は、入力電極に第2方向の一端が電気的に接続されて、第1方向における側板の外側において第2方向に延びて、第2クリーニングローラ電極と電気的に接続される。これにより、中継電極を側板の外側に配置することができる。その結果、中継電極を側板の外側に配置させたことにより、中継電極と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となる。
【0018】
第2の態様のプロセスユニットによれば、中継電極は、側板に形成された開口に、外側から内側へ挿通された凸部が、第2クリーニングローラ電極に接触する。従って、中継電極は、側板の内側における、第2クリーニングローラ電極以外の電子部品との放電を確実に避けることができる。その結果、中継電極と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となる。
【0019】
第3の態様のプロセスユニットによれば、中継電極の凸部の先端側は、開口の上辺から下方に延びた支持片により支持されるため、中継電極の凸部を第2クリーニングローラ電極に確実に接触させることができる。
【0020】
第4の態様のプロセスユニットによれば、入力電極は、延出部および受電部を側板のスリットに挿通して取り付けることができ、取付け作業の効率化を図ることができる。
【0021】
第5の態様のプロセスユニットによれば、入力電極は、側板の外側面に配置された受電部にて、本体側電極と第1方向に接触する。これにより、プロセスユニットを装置本体に装着することによって、入力電極の受電部と本体側電極とを電気的に接続することができる。
【0022】
第6の態様のプロセスユニットによれば、中継電極の一端を側板の貫通孔に挿入して、側板の内側で入力電極に電気的に接続することができ、プロセスユニットの装置本体への装着時に、中継電極の一端側が入力電極から外れることを防止することができる。
【0023】
第7の態様のプロセスユニットによれば、中継電極は、貫通孔から開口を繋ぐ溝部内に嵌め込まれて、側板の外側面に配置されるため、プロセスユニットの装着時に、中継電極が側板から外れることを防止できる。また、中継電極が装置本体に設けられた本体側電極と接触することを防止できる。
【0024】
第8の態様のプロセスユニットによれば、中継電極は、絶縁性のフィルムで覆われるため、プロセスユニットの装置本体への装着時に、中継電極等が短絡することを防止することができる。
【0025】
第9の態様のプロセスユニットによれば、入力電極は、プロセスユニットの装置本体への装着が完了する時に、本体側電極と接触する。その結果、プロセスユニットの装着時に、本体側電極がプロセスユニットの入力電極以外の部分と接触することを防止することができる。
【0026】
第10の態様のプロセスユニットによれば、側板は、絶縁性の樹脂で構成されるため、中継電極と複数の電子部品との間の放電を避けることができる。その結果、中継電極と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となるプロセスユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の一例を示す側断面図である。
【
図2】
図1に示されるプロセスユニットの斜視図である。
【
図3】
図2に示されるプロセスユニットの側面図である。
【
図4】
図3に対応する側面図であって、フィルムを取り除いた状態を示す。
【
図5】
図3に対応する側面図であって、側板を取り除いた状態を示す。
【
図6】
図4に示す側板を内側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔実施形態〕
[画像形成装置1の概略構成]
以下、本開示の実施形態について
図1~
図12を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の画像形成装置1の一例を示す側断面図である。なお、方向について言及する場合には、
図1~
図12に図示した方向矢印を参照する。ここで、左右方向と幅方向とは同じであり、上下方向と垂直方向とは同じである。そして、水平方向は、幅方向および前後方向を含んでいる。
【0029】
図1に示すように、画像形成装置1は、一例としてカラーレーザープリンタである。画像形成装置1は、前後方向に延びる略ボックス形状の本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内には、プロセスユニット16が、前後方向に沿って移動可能に設けられている。プロセスユニット16は、前後方向に移動することによって本体ケーシング2に対して着脱可能である。
【0030】
本体ケーシング2は、開閉可能なフロントカバー2Aを備えている。フロントカバー2Aは、本体ケーシング2の前側の側壁を構成する。ユーザは、フロントカバー2Aを開けて、プロセスユニット16を本体ケーシング2の外部へ取り出すことができる。また、ユーザは、フロントカバー2Aを開けて、プロセスユニット16を、前側から後側へ向かう挿入方向に沿って挿入することによって、本体ケーシング2内に装着することができる。挿入方向は、
図1および
図2において矢印19によって示される。
【0031】
また、本体ケーシング2は、本体側電極48、49を備えている。本体側電極48は、プロセスユニット16のローラ入力電極43に電力を供給するための電極である。本体側電極49は、プロセスユニット16のシャフト入力電極46に電力を供給するための電極である。
【0032】
プロセスユニット16は、4つの感光ドラム3を備えている。4つの感光ドラム3は、回転可能にプロセスユニット16に設けられている。4つの感光ドラム3は、イエローのトナーに対応する感光ドラム3、マゼンタのトナーに対応する感光ドラム3、シアンのトナーに対応する感光ドラム3およびブラックのトナーに対応する感光ドラム3の順に前後方向に配置される。
【0033】
感光ドラム3は、
図5に示されるように、アース軸17と、アース軸17の両端部を支持する軸受部材18とを備えている。また、プロセスユニット16には、4つのスコロトロン型の帯電器4が、各感光ドラム3と向かい合って配置されている。アース軸17は、第1回転軸と第2回転軸の一例である。また、アース軸17の軸方向が第1方向の一例である。また、アース軸17の軸方向に対して直交する方向が第2方向の一例である。
【0034】
また、プロセスユニット16は、イエローのトナーを収容する現像カートリッジ6、マゼンタのトナーを収容する現像カートリッジ6、シアンのトナーを収容する現像カートリッジ6およびブラックのトナーを収容する現像カートリッジ6を備えている。現像カートリッジ6は、感光ドラム3と向かい合って配置される現像ローラ5を備えている。現像ローラ5の表面には、各色に対応したトナーが担持される。
【0035】
各感光ドラム3は、その表面が帯電器4によって一様に帯電された後、本体ケーシング2の上部に設けられた露光ユニット7から出射されたレーザビームによって露光される。これにより、各感光ドラム3の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。なお、露光ユニット7から出射されたレーザビームは、
図1において一点鎖線で示される。各感光ドラム3の静電潜像は、各感光ドラム3に対応する各現像ローラ5の表面に担持されるトナーによって可視像化され、各感光ドラム3の表面上には、各色のトナー像が形成される。
【0036】
また、4つのクリーニングローラ32が、各感光ドラム3に後方から接触するように配置されている。クリーニングローラ32は、金属製の回転軸34と、回転軸34を覆う弾性ローラ35と、回転軸34の両端部を支持する軸受を備えている。クリーニングローラ32は、用紙Sに画像形成した感光ドラム3の表面に残っているトナーを除去する。感光ドラム3に残ったトナーは、クリーニングローラ32と感光ドラム3との電位差によって、感光ドラム3からクリーニングローラ32に回収される。なお、用紙Sは、紙媒体に限らず、他にも、例えばOHPシート等のプラスチックからなる樹脂媒体であってもよい。
【0037】
また、金属製のクリーニングシャフト36が、前後方向において最も前側に配置されているクリーニングローラ32に後方から接触するように配置されている。クリーニングシャフト36は、両端部を支持する軸受を備えている。クリーニングシャフト36は、クリーニングローラ32の弾性ローラ35の表面に付着したトナーや紙粉などを除去する。
【0038】
用紙Sは、本体ケーシング2の底部に配置された給紙カセット8に、上下方向に積層された状態で、収容されている。給紙カセット8に収容された用紙Sのうち、最上位の用紙Sは、給紙カセット8の前端部の上方に設けられた給紙ローラ9によって給紙される。その後、用紙Sは、前側から後側へターンして、1対のレジストローラ10の間に進入する。1対のレジストローラ10は、用紙Sを、所定のタイミングで、前側の搬送ベルト11へ向けて搬送する。
【0039】
搬送ベルト11は、無端状であり、その内側領域には、4つの転写ローラ12が配置されている。各転写ローラ12は、各感光ドラム3に対して、搬送ベルト11を挟んで配置されている。
【0040】
その後、用紙Sは、搬送ベルト11により搬送される。搬送ベルト11は、感光ドラム3の回転方向とは反対の方向へ周ることによって、用紙Sを前側から後側へ搬送する。各感光ドラム3の表面上のトナー像は、転写ローラ12に印加された転写バイアスによって、搬送ベルト11によって搬送される用紙S上に重ね合わされるように転写される。こうして、用紙Sには、カラー画像が形成される。
【0041】
その後、用紙Sは、搬送ベルト11によって、後側の定着部13に搬送される。用紙S上に転写されたカラー画像は、定着部13で熱定着される。その後、用紙Sは、搬送ローラ14によって搬送されることによって、後側から前側へターンして、本体ケーシング2上部の排紙トレイ15に排紙される。
【0042】
[プロセスユニット16の概略構成]
プロセスユニット16の概略構成について
図2~
図12に基づいて説明する。
図2は、
図1に示されるプロセスユニット16の斜視図である。なお、
図2において、説明の便宜上、現像カートリッジ6は省略している。
図3は、
図2に示されるプロセスユニット16の右側面図である。
図4は、
図3に対応する右側面図であって、フィルム47を取り除いた状態を示す。
図5は、
図3に対応する側面図であって、側板22を取り除いた状態を示す。
図6は、
図4に示す側板22を内側から見た正面図である。
【0043】
プロセスユニット16は、
図2および
図3に示すように、枠体21と、枠体21の外側に配置される1対の側板22とを備えている。枠体21は、枠体21と側板22との間に配置される支持板23を備えている。支持板23は、枠体21の左側と右側とのそれぞれに設けられている。両支持板23は、両支持板23の前端部の間に架設されるフロントビーム24と、両支持板23の後端部の間に架設されるリヤビーム25とを備えている。また、枠体21は、フロントビーム24とリヤビーム25との間において、間隔を隔てて配置される4つのドラムユニット26を備えている。枠体21は、フレームの一例である。
【0044】
なお、本実施形態では、クリーニングローラ電極、ローラ入力電極および中継電極などの電極に関する構成は、全てプロセスユニット16の右側に設けられており、左側には設けられていない。そこで、以下の説明において、側板22および支持板23については、右側の側板22および右側の支持板23を詳細に説明する。そして、右側の側板22および右側の支持板23を、それぞれ単に側板22および支持板23と記載する。なお、クリーニングローラ電極、ローラ入力電極および中継電極などの電極に関する構成は、全てプロセスユニット16の右側に設けられる構成に限定されるものではなく、左側に設けられる構成でもよい。
【0045】
[支持板23の構成]
支持板23は、
図5に示すように、前後方向に延びる平板であり、ステンレスなどの金属から形成されている。また、支持板23は、感光ドラム3を支持するドラム支持穴27と、ドラム支持穴27の後方に配置される挿通穴28と、支持板23の前端部および後端部に1つずつ配置される位置決め穴130とを備えている。
【0046】
ドラム支持穴27は、円形状であり、感光ドラム3の軸受部材18が挿通され、軸受部材18を支持する。これにより、支持板23は、感光ドラム3の左右方向両端部を支持する。また、各ドラム支持穴27の後側に配置される4つの挿通穴28には、各クリーニングローラ電極33が挿通される。
【0047】
各位置決め穴130は、
図6に示される側板22の位置決めボス129と重なる位置に配置され、位置決めボス129が挿通される。前側の位置決め穴130は、左右方向に延びる長穴であり、後側の位置決め穴130は、円形状である。
【0048】
フロントビーム24およびリヤビーム25は、硬質の樹脂などから形成され、それらの両端部は、ネジなどにより支持板23に固定されている。
【0049】
前後方向において最も前側に配置されるドラムユニット26は、
図1および
図2に示すように、感光ドラム3と、帯電器4と、クリーニングローラ32と、クリーニングシャフト36と、を備えている。また、後方側に配置される3つのドラムユニット26は、感光ドラム3と、帯電器4と、クリーニングローラ32と、を備えている。
【0050】
[クリーニングローラ電極33の構成]
ここで、各クリーニングローラ電極33の構成について
図11に基づいて説明する。
図11は、
図7に示すX1-X1矢視断面図である。クリーニングローラ電極33は、クリーニングローラ32に電圧を印加するための電極である。クリーニングローラ電極33は、導電樹脂製の当接電極38と、金属製の圧縮コイルバネ39とから構成されている。
【0051】
当接電極38は、略円柱状で、頭部38Aと、頭部38Aよりも直径が短い軸部38Bとからなり、軸方向断面が略T字状である。当接電極38は、頭部38Aがクリーニングローラ32の回転軸34の右端面に当接するように、左右方向に沿って配置されている。また、当接電極38は、頭部38Aが支持板23の挿通穴28に挿通された支持部材41によって左右方向に摺動可能に支持されている。当接電極38の頭部38Aの先端は球面状である。
【0052】
また、前後方向において最も前側のクリーニングローラ32(第1クリーニングローラ)と、後側の3つのクリーニングローラ32(第2クリーニングローラ)との各回転軸34の両端部は、支持部材41を介して支持板23によって回転可能に支持されている。
【0053】
圧縮コイルバネ39は、当接電極38の軸部38Bの直径よりも長い直径となるように形成され、当接電極38の軸部38Bに伸縮可能に挿入される。そして、前後方向において最も前側のクリーニングローラ32に向かい合って配置されるクリーニングローラ電極33の軸部38Bに挿入された圧縮コイルバネ39は、側板22の内側面に配置されたローラ入力電極43によって、クリーニングローラ32側へ押圧される。
【0054】
また、後側3つの各クリーニングローラ32に向かい合って配置されるクリーニングローラ電極33の軸部38Bに挿入された圧縮コイルバネ39は、
図12に示されるように、側板22の内側面に配置された中継電極45によって、クリーニングローラ32側へ押圧される。その結果、当接電極38の頭部38Aがクリーニングローラ32の回転軸34の右端面に当接されて、各クリーニングローラ32と、ローラ入力電極43または中継電極45とが、電気的に接続される。
【0055】
[側板22の構成]
側板22は、
図2、
図3および
図6に示すように、前後方向および上下方向に拡がる矩形状に形成されている。側板22は、絶縁性の樹脂により形成されている。側板22は、
図6に示すように、左右方向内側の面に、側板22を枠体21に対して位置決めするための位置決めボス129を備えている。側板22は、
図4および
図6に示すように、ローラ入力電極43と、シャフト入力電極46と、中継電極45と、を備えている。
【0056】
また、
図2および
図3に示すように、側板22は、左右方向外側の面に、前後方向および上下方向に拡がる略矩形状の絶縁樹脂のフィルム47が貼り付けられている。フィルム47は、側板22の前後方向において、前後方向において最も前側に配置される帯電器4に向き合う位置から、側板22の後端までのほぼ全面を覆っている。その結果、
図3および
図4に示すように、フィルム47は、側板22の左右方向外側の面に、前後方向に沿って配置された中継電極45をほぼ全長にわたって覆っている。
【0057】
また、
図3に示すように、フィルム47は、左下角部に位置する開口部47Aを備えている。開口部47Aは、ローラ入力電極43のローラ受電部43Aと、クリーニングシャフト36の右端に電気的に接続されるシャフト入力電極46のシャフト受電部46Aと、が開口部47Aを介して外側に露出するように形成されている。これにより、
図2に示すように、プロセスユニット16を本体ケーシング2内に装着した際に、ローラ受電部43Aと本体側電極48、および、シャフト受電部46Aと本体側電極49は、開口部47Aを介して左右方向に沿って電気的に接続される。
【0058】
次に、ローラ入力電極43と中継電極45との構成について
図4、
図6~
図12に基づいて説明する。
図7は、
図4に示すXA部の拡大図である。
図8は、
図6に示すXB部の拡大図である。
図9は、ローラ入力電極43の斜視図である。
図10は、シャフト入力電極46の斜視図である。
図11は、
図7に示すX1-X1矢視断面図である。
図12は、
図7に示すX2-X2矢視断面図である。
【0059】
[ローラ入力電極43の構成]
ローラ入力電極43は、本体側電極48から供給された電力をクリーニングローラ電極33に入力するための電極である。
図6および
図8に示すように、ローラ入力電極43は、側板22の左右方向における内側面に配置された略矩形状のローラ給電部43Bを有している。
図11に示されるように、ローラ給電部43Bは、前後方向において最も前側のクリーニングローラ32の回転軸34の右端に電気的に接続されるクリーニングローラ電極33(第1クリーニングローラ電極)の圧縮コイルバネ39に向き合って配置される。ローラ給電部43Bは、圧縮コイルバネ39の右端と接触し、圧縮コイルバネ39を介してクリーニングローラ電極33に電力を供給する。
【0060】
図6~
図9に示すように、ローラ入力電極43は、ローラ給電部43Bの後側の端縁から左右方向における側板22の外側へ直角に延出されたローラ延出部43Cを有している。ローラ受電部43Aは、ローラ延出部43Cの左右方向における外側の端縁から側板22の外側面に沿って延出され、本体側電極48から電力を受電する。プロセスユニット16を本体ケーシング2に装着した状態で、ローラ受電部43Aは、本体側電極48と接触する。
【0061】
また、側板22は、ローラ給電部43Bの下方側の端縁に向き合った位置に、ローラ延出部43Cとローラ受電部43Aとを挿通可能なスリット51が形成されている。ローラ入力電極43は、ローラ延出部43Cとローラ受電部43Aとが、スリット51に挿通されて、側板22に取り付けられている。ローラ入力電極43は、側板22の内側から側板22のスリット51に沿って折れ曲がり、スリット51から側板22の外側に配置されるローラ受電部43Aを側板22の外側面に沿ってさらに折り曲げた形状に構成されている。
【0062】
シャフト入力電極46は、本体側電極49から供給された電力をクリーニングシャフト36に入力するための電極である。
図6および
図8に示すように、シャフト入力電極46は、ローラ給電部43Bの下方側、且つ、後側において、側板22の左右方向における内側面に配置されたシャフト給電部46Bを有している。シャフト給電部46Bは、前後方向および上下方向に拡がる矩形状である。シャフト給電部46Bは、クリーニングシャフト36の右端に電気的に接続され、クリーニングシャフト36に電力を供給する。
【0063】
[シャフト入力電極46の構成]
図6~
図8、および
図10に示すように、シャフト入力電極46は、シャフト給電部46Bの後側の端縁から左右方向における側板22の外側へ直角に延出されたシャフト延出部46Cを有している。シャフト受電部46Aは、シャフト延出部46Cの左右方向における外側の端縁から側板22の外側面に沿って延出され、本体側電極49から電力を受電する。プロセスユニット16を本体ケーシング2に装着した状態で、シャフト受電部46Aは、本体側電極49と接触する。
【0064】
また、側板22は、シャフト給電部46Bの下方側の端縁に向き合った位置に、シャフト延出部46Cとシャフト受電部46Aとを挿通可能な挿通孔53が形成されている。シャフト入力電極46は、シャフト延出部46Cとシャフト受電部46Aとが、挿通孔53に挿通されて、側板22に取り付けられている。シャフト入力電極46は、側板22の内側から側板22の挿通孔53に沿って折れ曲がり、挿通孔53から側板22の外側に配置されるシャフト受電部46Aを側板22の外側面に沿ってさらに折り曲げた形状に構成されている。
【0065】
[中継電極45の構成]
中継電極45は、本体側電極48からローラ入力電極43に供給された電力を、後側の3つのクリーニング電極33に配電するための電極である。中継電極45は、金属製の導線である。
図7および
図8に示すように、中継電極45は、前側方向の端部が、側板22に形成された矩形状の貫通孔55に挿通されて、側板22の内側面に沿って、前側斜め下方向へ直角に折り曲げられている。そして、
図8および
図11に示すように、中継電極45の前側の端部は、ローラ給電部43Bと側板22の内側面との間に挟み込まれて、ローラ給電部43Bに電気的に接続されている。
【0066】
具体的には、ローラ給電部43Bは、中央部に位置するスリットと、スリットに囲まれる押圧部57とを備えている。スリットは、正面視U字状に貫通している。押圧部57は、左右方向における外側へ、小さな曲げ角度、例えば約15度~30度の曲げ角度で折り曲げられている。そして、中継電極45の前側の端部は、ローラ給電部43Bの押圧部57によって側板22の内側面に押圧されている。中継電極45は、前側の端部がローラ給電部43Bの押圧部57と接触することにより、ローラ給電部43Bに電気的に接続される。
【0067】
また、
図4、
図6~
図8、および
図12に示すように、側板22は、4つのクリーニングローラ32のうち、後側の3つのクリーニングローラ32の回転軸34の右端に電気的に接続される各クリーニングローラ電極33に向き合う位置に、略矩形状の3つの開口58を備えている。開口58は、側板22を左右方向に貫通している。また、
図7および
図8に示すように、側板22は、各開口58の上辺から開口58の上下方向における略中央位置まで下方に延びる支持片59を有している。また、
図7、
図8および
図12に示すように、支持片59の前後方向両端と開口58との間には、中継電極45を挿通可能な隙間が形成されている。
【0068】
また、
図4および
図7に示すように、側板22の左右方向における外側面には、溝部61が形成されている。溝部61は、貫通孔55から後側斜め下方向へローラ受電部43Aに対して平行に延びた後、各開口58の上辺を繋ぐように前後方向に沿って後側へ延びる。溝部61は、最後端の開口58よりも少し後ろ側の位置まで延びている。また、
図7および
図12に示すように、溝部61は、側板22の左右方向の外側面から左右方向内側へ窪む断面略U字状に形成されている。中継電極45は、溝部61内に嵌め込まれている。これにより、中継電極45は、溝部61内に嵌め込まれて収容された状態で、側板22の左右方向の外側面に配置されている。
【0069】
また、
図8および
図12に示すように、中継電極45は、各開口58に向き合う位置に3つの凸部63を有している。凸部63は、側板22の左右方向における外側から内側へ平面視U字状に突出する。そして、各凸部63は、各開口58へ挿通されて、各開口58の支持片59が、各凸部63の左右方向における先端側の内側に接触している。その結果、
図12に示すように、中継電極45の各凸部63は、各開口58の支持片59に支持されて、クリーニングローラ電極33の圧縮コイルバネ39を左側へ圧縮するように接触する。これにより、中継電極45は、各凸部63および各クリーニングローラ電極33を介して、後側の3つのクリーニングローラ32の回転軸34の右端に電気的に接続される。
【0070】
[側板22の枠体21への組み付け]
枠体21に側板22を組み付けるには、先ず、
図6に示すように、作業者は、中継電極45の前側の端部を側板22の貫通孔55に挿通した後、側板22の左右方向外側面に形成された溝部61に嵌め込む。また、作業者は、中継電極45の各凸部63を側板22の各開口58に挿入して、支持片59を各凸部63の左右方向における先端側の内側に接触させる。続いて、作業者は、ローラ入力電極43のローラ延出部43Cとローラ受電部43Aを側板22のスリット51に挿通して、ローラ給電部43Bが中継電極45の前側の端部を側板22の内側面に押圧するように取り付ける。
【0071】
また、作業者は、シャフト入力電極46のシャフト延出部46Cとシャフト受電部46Aとを挿通孔53に挿通して、シャフト給電部46Bがローラ給電部43Bの後側斜め下側に位置するように取り付ける。これにより、ローラ入力電極43と、シャフト入力電極46と、中継電極45と、が側板22に取り付けられる。
【0072】
続いて、作業者は、側板22の各位置決めボス129を支持板23の各位置決め穴130にそれぞれ挿通して、側板22を枠体21に対して位置決めするように、側板22を右側から枠体21に組み付ける。側板22は、ネジなどにより、枠体21に固定される。その後、作業者は、側板22の外側面にフィルム47を貼り付け、開口部47Aからローラ入力電極43のローラ受電部43Aと、シャフト入力電極46のシャフト受電部46Aとを露出させる。
【0073】
枠体21に側板22を組み付けると、シャフト入力電極46のシャフト給電部46Bが、クリーニングシャフト36の右端に電気的に接続される。また、ローラ入力電極43のローラ受電部43Aと、前後方向において最も前側のクリーニングローラ電極33(第1クリーニングローラ電極)の圧縮コイルバネ39とが、左右方向において接触する。また、ローラ入力電極43の押圧部57と、中継電極45の前側方向の端部とが、左右方向において接触する。
【0074】
また、側板22の左右方向の外側面に配置された中継電極45の各凸部63と、後側3つのクリーニングローラ電極33(第2クリーニングローラ電極)の圧縮コイルバネ39とが、左右方向において接触する。これにより、ローラ入力電極43と中継電極45とによって、4つのクリーニングローラ32の右端に各クリーニングローラ電極33が電気的に接続される。
【0075】
[プロセスユニット16への電力の供給]
プロセスユニット16への電力の供給は、先ず、本体ケーシング2のフロントカバー2Aを開けて、プロセスユニット16を前方から後方に移動させて本体ケーシング2に装着する。その結果、
図2に示すように、ローラ入力電極43のローラ受電部43Aが本体側電極48と接触し、シャフト入力電極46のシャフト受電部46Aが本体側電極49と接触する。すると、本体ケーシング2の図示しない電源から各本体側電極48、49を介してローラ受電部43Aとシャフト受電部46Aへ電力が入力される。
【0076】
これにより、最も後方に配置されたクリーニングローラ32の回転軸34の右端に、クリーニングローラ電極33を介してローラ入力電極43のローラ給電部43Bから電力が入力される。また、クリーニングシャフト36の右端に、シャフト入力電極46のシャフト給電部46Bを介して電力が入力される。
【0077】
また、ローラ入力電極43のローラ受電部43Aに入力された電力は、ローラ給電部43Bを介して中継電極45に配電される。中継電極45に配電された電力は、中継電極45の各凸部63と接触する後方側の3つのクリーニングローラ電極33に配電される。後方側の3つのクリーニングローラ電極33に配電された電力は、各クリーニングローラ電極33に対応するクリーニングローラ32の回転軸34に配電される。
【0078】
これにより、本体ケーシング2の本体側電極48からローラ入力電極43に入力された電力は、ローラ入力電極43および中継電極45を介して各クリーニングローラ32の回転軸34に配電される。
【0079】
以上詳細に説明した通り、本実施形態1に係るプロセスユニット16では、中継電極45を側板22の左右方向外側に配置することができる。側板22の内側には帯電器4の電極や感光ドラム3のアース軸17の電極など複数の電子部品が配置される。このため、中継電極45を側板22の内側に配置する場合、中継電極45と複数の電子部品との放電を避けるため、中継電極45と複数の電子部品とを間隔を空けて配置する必要がある。そのため、側板22の内側において、中継電極45や複数の電子部品を配置するスペースが大きくなってしまう。
【0080】
本実施形態では、中継電極45を複数の電子部品が配置される側板22の内側ではなく、側板22の外側に配置させたことにより、側板22の内側において、中継電極45と複数の電子部品を配置するスペースを小さくすることが可能となる。
【0081】
また、中継電極45の各凸部63は、側板22の各開口58に外側から内側へ挿通されて、各クリーニングローラ電極33に接触する。従って、中継電極45は、側板22の内側における、クリーニングローラ電極33以外の電極などとの放電を確実に避けることができる。その結果、中継電極45と帯電器4の電極や感光ドラム3のアース軸17の電極など複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となる。
【0082】
また、中継電極45の各凸部63の先端側は、開口58の上辺から下方に延びた支持片59により支持されるため、中継電極45の各凸部63をクリーニングローラ電極33に確実に接触させることができる。
【0083】
また、ローラ入力電極43は、ローラ延出部43Cおよびローラ受電部43Aを側板22のスリット51に挿通して取り付けることができ、ローラ入力電極43の取付け作業の効率化を図ることができる。
【0084】
また、中継電極45の前側の一端を側板22の貫通孔55に挿入して、側板22の内側でローラ入力電極43のローラ給電部43Bに電気的に接続する。これにより、プロセスユニット16の本体ケーシング2への装着時に、中継電極45の前側の一端がローラ入力電極43のローラ給電部43Bから外れることを防止することができる。
【0085】
また、中継電極45は、貫通孔55から各開口58を繋ぐ溝部61内に嵌め込まれて、側板22の外側面に配置されるため、プロセスユニット16の装着時に、中継電極45が側板22から外れることを防止できる。また、中継電極45が本体ケーシング2に設けられた各本体側電極48、49と接触することを防止できる。さらに、中継電極45は、絶縁性のフィルム47で覆われるため、プロセスユニット16の本体ケーシング2への装着時に、中継電極45等が短絡することを防止することができる。
【0086】
また、ローラ入力電極43は、プロセスユニット16の本体ケーシング2への装着が完了する時に、本体側電極48と接触する。その結果、プロセスユニット16の装着時に、本体側電極48がプロセスユニット16のローラ入力電極43以外の部分と接触することを防止することができる。また、側板22は、絶縁性の樹脂で構成されるため、中継電極45と帯電器4の電極や感光ドラム3のアース軸17の電極など複数の電子部品との間の放電を避けることができる。その結果、中継電極45と帯電器4の電極や感光ドラム3のアース軸17の電極など複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となる。
【0087】
[変形例1]
前記実施形態においては、4色のトナーを用いてカラー画像を印刷する画像形成装置1を例示したが、画像形成装置1は、3色や5色以上のトナーを用いてカラー画像を印刷する装置であってもよい。
【0088】
[変形例2]
画像形成装置1は、複合機やコピー機であってもよい。
【0089】
[変形例3]
中継電極45は、ワイヤ状の導線に限らず、細長い板状の導線であってもよい。
【0090】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1 画像形成装置、2 本体ケーシング、3 感光ドラム、16 プロセスユニット、17 アース軸、21 枠体、22 側板、23 支持板、32 クリーニングローラ、33 クリーニングローラ電極、43 ローラ入力電極、43A ローラ受電部、43B ローラ給電部、43C 延出部、45 中継電極、47 フィルム、47A 開口部、48、49 本体側電極、51 スリット、55 貫通孔、58 開口、59 支持片、61 溝部、63 凸部