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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147379
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】プロセスユニット
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G03G21/18 167
G03G21/18 107
G03G21/18 153
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060345
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 道雄
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA05
2H171FA28
2H171GA03
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA40
2H171JA51
2H171KA13
2H171MA02
2H171MA07
2H171MA20
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB17
2H171QB32
2H171QB51
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171WA13
(57)【要約】
【課題】クリーニングローラおよびクリーニングシャフトを備える画像形成装置の小型化を実現する。
【解決手段】感光ドラム(3)と、クリーニングローラ(32)と、クリーニングシャフト(36)と、支持板(23)および側板(22)を有するフレーム(21)と、クリーニングローラ電極(33)と、クリーニングシャフト電極(361)と、第1入力電極(43)と、第2入力電極(46)と、を備え、第1方向における側板(22)の外側からみて、第1入力電極(43)と第2入力電極(46)とが側板(22)を挟んで少なくとも一部が重なる位置に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1回転軸について回転可能な感光ドラムと、
前記感光ドラムの表面と接触するクリーニングローラと、
前記クリーニングローラの表面と接触するクリーニングシャフトと、
前記第1方向における前記感光ドラムの端部に位置し、前記クリーニングローラを支持する支持板および前記第1方向における前記支持板の外側に位置する側板を有するフレームと、
前記クリーニングローラの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記クリーニングローラの前記一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置するクリーニングローラ電極と、
前記クリーニングシャフトの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記クリーニングシャフトの前記一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置するクリーニングシャフト電極と、
前記側板に取付けられ、前記第1方向における前記側板の外側に位置するローラ受電部と、前記第1方向における前記側板の内側に位置し、前記クリーニングローラ電極へ電力を給電するローラ給電部と、を有する第1入力電極と、
前記側板に取付けられ、前記第1方向における前記側板の外側に位置するシャフト受電部と、前記第1方向における前記側板の内側に位置し、前記クリーニングシャフト電極へ電力を給電するシャフト給電部と、を有する第2入力電極と、
を備え、
前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記第1入力電極と前記第2入力電極とが前記側板を挟んで少なくとも一部が重なる位置に配置されている、ことを特徴とするプロセスユニット。
【請求項2】
前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記第1入力電極と前記シャフト給電部とが前記側板を挟んで重なる位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項3】
前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記ローラ受電部と前記シャフト給電部とが前記側板を挟んで重なる位置に前記第1入力電極と前記第2入力電極とが配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項4】
前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記ローラ受電部と前記シャフト受電部とは第2方向に離れている、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項5】
前記ローラ受電部および前記シャフト受電部は、前記プロセスユニットが装着される画像形成装置に前記プロセスユニットが装着された状態において、前記画像形成装置の装置本体に設けられた本体側電極と前記第1方向に接触する、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項6】
前記ローラ受電部には、前記感光ドラムに残存する現像剤の第1帯電極性と反対極性の第1電圧が前記本体側電極から印加され、
前記シャフト受電部には、前記第1帯電極性とは反対極性である第2帯電極性の第2電圧が前記本体側電極から印加され、
前記側板の一部の耐電圧が、前記第1電圧と前記第2電圧との差を越える、ことを特徴とする請求項5に記載のプロセスユニット。
【請求項7】
前記第1入力電極は、
前記ローラ給電部の端縁から前記第1方向における前記側板の外側へ延出される第1延出部、をさらに有し、
前記第2入力電極は、
前記シャフト給電部の端縁から前記第1方向における前記側板の外側へ延出される第2延出部、をさらに有し、
前記側板は、
前記第1延出部および前記ローラ受電部を挿通可能な第1スリットと、
前記第2延出部および前記シャフト受電部を挿通可能な第2スリットと、をさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項8】
前記側板は、絶縁性の樹脂である、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式の画像形成装置に装着されるプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタなどの画像形成装置では、4つの感光ドラムを備えたプロセスユニットが設けられている。特許文献1に記載のプロセスユニットは、枠体と、枠体の外側に位置する側板とを備えている。
【0003】
そして、枠体は、4つの感光ドラムと、各感光ドラムに接触するクリーニングローラと、クリーニングローラと電気的に接続されるユニット側電極と、ユニット側電極と電気的に接続される本体側電極と、帯電器とを支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-128337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、クリーニングローラ上の紙粉等の異物を除去するため、画像形成装置にクリーニングシャフトが設けられることがある。クリーニングシャフトには電極から電圧が印加され、クリーニングローラとの間の電位差によってクリーニングローラ上の異物がクリーニングシャフトに回収される。特許文献1に記載の画像形成装置にクリーニングシャフトを設ける場合、画像形成装置を小型化するためにはクリーニングシャフトの電極とクリーニングローラの電極を出来る限り近づけて配置することが望ましい。しかし、クリーニングシャフトの電極とクリーニングローラの電極との間の放電を防ぐため、2つの電極を離して配置する必要があり、2つの電極を近づけて配置することが難しい。
【0006】
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クリーニングローラおよびクリーニングシャフトを備える画像形成装置の小型化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示に係る第1態様のプロセスユニットは、第1方向に延びる第1回転軸について回転可能な感光ドラムと、前記感光ドラムの表面と接触するクリーニングローラと、前記クリーニングローラの表面と接触するクリーニングシャフトと、前記第1方向における前記感光ドラムの端部に位置し、前記クリーニングローラを支持する支持板および前記第1方向における前記支持板の外側に位置する側板を有するフレームと、前記クリーニングローラの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記クリーニングローラの前記一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置するクリーニングローラ電極と、前記クリーニングシャフトの前記第1方向における一端に設けられ、前記第1方向における前記クリーニングシャフトの前記一端と電気的に接続され、前記第1方向における前記側板の内側に位置するクリーニングシャフト電極と、前記側板に取付けられ、前記第1方向における前記側板の外側に位置するローラ受電部と、前記第1方向における前記側板の内側に位置し、前記クリーニングローラ電極へ電力を給電するローラ給電部と、を有する第1入力電極と、前記側板に取付けられ、前記第1方向における前記側板の外側に位置するシャフト受電部と、前記第1方向における前記側板の内側に位置し、前記クリーニングシャフト電極へ電力を給電するシャフト給電部と、を有する第2入力電極と、を備え、前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記第1入力電極と前記第2入力電極とが前記側板を挟んで少なくとも一部が重なる位置に配置されている、構成である。
【0008】
第2態様は、第1態様のプロセスユニットであって、前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記第1入力電極と前記シャフト給電部とが前記側板を挟んで重なる位置に配置されている、構成である。
【0009】
第3態様は、第1態様のプロセスユニットであって、前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記ローラ受電部と前記シャフト給電部とが前記側板を挟んで重なる位置に前記第1入力電極と前記第2入力電極とが配置されている、構成である。
【0010】
第4態様は、第1態様のプロセスユニットであって、前記第1方向における前記側板の外側からみて、前記ローラ受電部と前記シャフト受電部とは第2方向に離れている、構成である。
【0011】
第5態様は、第1態様のプロセスユニットであって、前記ローラ受電部および前記シャフト受電部は、前記プロセスユニットが装着される画像形成装置に前記プロセスユニットが装着された状態において、前記画像形成装置の装置本体に設けられた本体側電極と前記第1方向に接触する、構成である。
【0012】
第6態様は、第5態様のプロセスユニットであって、前記ローラ受電部には、前記感光ドラムに残存する現像剤の第1帯電極性と反対極性の第1電圧が前記本体側電極から印加され、前記シャフト受電部には、前記第1帯電極性とは反対極性である第2帯電極性の第2電圧が前記本体側電極から印加され、前記側板の一部の耐電圧が、前記第1電圧と前記第2電圧との差を越える、構成である。
【0013】
第7態様は、第1態様のプロセスユニットであって、前記第1入力電極は、前記ローラ給電部の端縁から前記第1方向における前記側板の外側へ延出される第1延出部、をさらに有し、前記第2入力電極は、前記シャフト給電部の端縁から前記第1方向における前記側板の外側へ延出される第2延出部、をさらに有し、前記側板は、前記第1延出部および前記ローラ受電部を挿通可能な第1スリットと、前記第2延出部および前記シャフト受電部を挿通可能な第2スリットと、をさらに有する、構成である。
【0014】
第8態様は、第1態様のプロセスユニットであって、前記側板は、絶縁性の樹脂である、構成である。
【発明の効果】
【0015】
第1態様のプロセスユニットによれば、第1入力電極と第2入力電極との間に側板が挟まれる。さらに、第1入力電極と第2入力電極とが側板を挟んで少なくとも一部が重なる位置に配置される。これにより、従来よりも、クリーニングシャフト電極およびクリーニングローラ電極が配置される間隔を縮めることができ、クリーニングローラおよびクリーニングシャフトを備える画像形成装置の小型化を実現することができる。
【0016】
第2態様のプロセスユニットによれば、第1入力電極とシャフト給電部とが側板を挟んで重なる位置に配置される。これにより、従来よりも、クリーニングシャフト電極およびクリーニングローラ電極が配置される間隔をさらに縮めることができ、画像形成装置を小型化することができる。
【0017】
第3態様のプロセスユニットによれば、ローラ受電部とシャフト受電部とが側板を挟んで重なる位置に配置される。これにより、従来よりも、クリーニングシャフト電極およびクリーニングローラ電極が配置される間隔をさらに縮めることができ、画像形成装置を小型化することができる。
【0018】
第4態様のプロセスユニットによれば、側板の外側に位置するローラ受電部とシャフト受電部との間で放電が発生することを抑えることができる。
【0019】
第5態様のプロセスユニットによれば、第1入力電極および第2入力電極は、側板の外側面に配置されたローラ受電部およびシャフト受電部にて、本体側電極と第1方向に接触する。これにより、プロセスユニットを装置本体に装着することによって、第1入力電極および第2入力電極と本体側電極とを電気的に接続することができる。
【0020】
第6態様のプロセスユニットによれば、感光ドラムに残存する現像剤の第1帯電極性と反対極性の第1電圧が本体側電極から印加される。また、シャフト受電部には、第1帯電極性とは反対極性である第2帯電極性の第2電圧が本体側電極から印加される。さらに、側板の一部の耐電圧が、第1電圧と第2電圧との差を越える、ように構成される。これにより側板を外面側から見て第1入力電極と第2入力電極とが重なる側板の部位は、2つの電極に印加される電圧の電圧差を越える耐電圧を有する。そのため、第1入力電極と第2入力電極との間の放電を防ぐことができる。
【0021】
第7態様のプロセスユニットによれば、第1入力電極および第2入力電極を側板のスリットに挿通して取り付けることができ、取付け作業の効率化を図ることができる。
【0022】
第8態様のプロセスユニットによれば側板は、絶縁性の樹脂で構成されるため、中継電極と複数の電子部品との間の放電を避けることができる。その結果、中継電極と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となるプロセスユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の画像形成装置の一例を示す側断面図である。
図2図1に示されるプロセスユニットの斜視図である。
図3図2に示されるプロセスユニットの右側面図であって、フィルムを取り除いた状態を示す図である。
図4図3に対応する側面図であって、側板を取り除いた状態を示す図である。
図5図3に示すXA部の拡大図である。
図6図5に対応する部分を内側からみた図である。
図7図5に示すX1-X1矢視断面図である。
図8図5に示すX2-X2矢視断面図である。
図9】(A)が図6に対応する部分を斜め前方からみた斜視図であり、(B)が(A)の図から側板を取り除いた状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[画像形成装置1の概略構成]
以下、本開示の実施形態1について図1図9を参照しつつ説明する。図1は、本発明の画像形成装置1の一例を示す側断面図である。なお、方向について言及する場合には、図1図9に図示した方向矢印を参照する。ここで、左右方向と幅方向とは同じであり、上下方向と垂直方向とは同じである。そして、水平方向は、幅方向および前後方向を含んでいる。
【0025】
図1に示すように、画像形成装置1は、一例としてカラーレーザープリンタである。画像形成装置1は、前後方向に延びる略ボックス形状の本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内には、プロセスユニット16が、前後方向に沿って移動可能に設けられ、プロセスユニット16は、前後方向に移動することによって本体ケーシング2に対して着脱可能である。挿入方向は、図1および図2において矢印19によって示される。
【0026】
本体ケーシング2は、開閉可能なフロントカバー2Aを備えている。フロントカバー2Aは、本体ケーシング2の前側の側壁を構成する。ユーザは、フロントカバー2Aを開けて、プロセスユニット16を本体ケーシング2の外部へ取り出すことができる。また、ユーザは、フロントカバー2Aを開けて、プロセスユニット16を、前側から後側へ向かう挿入方向に沿って挿入することによって、本体ケーシング2内に装着することができる。挿入方向は、図1および図2において矢印19によって示される。
【0027】
また、本体ケーシング2は、本体側電極48,49を備えている。本体側電極48は、プロセスユニット16のローラ入力電極43に電力を供給するための電極である。本体側電極49は、プロセスユニット16のシャフト入力電極46に電力を供給するための電極である。
【0028】
プロセスユニット16は、4つの感光ドラム3を備えている。4つの感光ドラム3は回転可能にプロセスユニット16に設けられている。4つの感光ドラム3は、イエローのトナーに対応する感光ドラム3、マゼンタのトナーに対応する感光ドラム3、シアンのトナーに対応する感光ドラム3およびブラックのトナーに対応する感光ドラム3の順に前後方向に配置されている。感光ドラム3は、図4に示すように、アース軸17と、アース軸17の両端部を支持する軸受部材18とを備えている。また、プロセスユニット16には、4つのスコロトロン型の帯電器4が、4つの感光ドラム3と向かい合って配置されている。アース軸17は、第1方向に延びる第1回転軸と第2回転軸の一例である。すなわち、第1方向はアース軸17の軸方向である。軸方向は左右方向と同じ方向である。なお、第1方向とは異なる方向である第2方向は、軸方向に直交する方向であり、前後方向と同じ方向である。
【0029】
また、プロセスユニット16は、イエローのトナーを収容する現像カートリッジ6、マゼンタのトナーを収容する現像カートリッジ6、シアンのトナーを収容する現像カートリッジ6およびブラックのトナーを収容する現像カートリッジ6を備えている。トナーは、現像剤の一例である。現像カートリッジ6は、感光ドラム3に対して隣接配置され、感光ドラム3と向かい合って配置される現像ローラ5を備えている。現像ローラ5の表面には、各色に対応したトナーが担持される。
【0030】
4つの感光ドラム3は、その表面が帯電器4によって一様に帯電された後、本体ケーシング2の上部に設けられた露光ユニット7から出射されたレーザビームによって露光される。これにより、4つの感光ドラム3の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。なお、露光ユニット7から出射されたレーザビームは、図1において一点鎖線で示される。4つの感光ドラム3の静電潜像は、4つの感光ドラム3に対応する4つの現像ローラ5の表面に担持される各色のトナーによって可視像化され、4つの感光ドラム3の表面上には、各色のトナー像が形成される。
【0031】
また、4つのクリーニングローラ32が、4つの感光ドラム3に後方から接触するように配置されている。クリーニングローラ32は、金属製の回転軸34と、回転軸34を覆う弾性ローラ35と、回転軸34の両端部を支持する図示しない軸受を備えている。クリーニングローラ32は、用紙Sに画像形成した感光ドラム3の表面に残っているトナーを除去する。感光ドラム3に残ったトナーは、クリーニングローラ32と感光ドラム3との電位差によって、感光ドラム3からクリーニングローラ32に回収される。なお、用紙Sは、紙媒体に限らず、他にも、例えばOHPシート等のプラスチックからなる樹脂媒体であってもよい。
【0032】
また、金属製のクリーニングシャフト36が、前後方向において最も前側に配置されているクリーニングローラ32に後方から接触するように配置されている。クリーニングシャフト36は、両端部を支持する図示しない軸受を備えている。クリーニングシャフト36は、クリーニングローラ32の弾性ローラ35の表面に付着したトナーや紙粉などを除去する。なお、図1に示すとおり、クリーニングシャフト36は、最前端に配置されているクリーニングローラ32に対してのみ配置されており、前後方向における後側の3つのクリーニングローラ32に対しては配置されていない。
【0033】
用紙Sは、本体ケーシング2の底部に配置された給紙カセット8に、上下方向に積層された状態で、収容されている。給紙カセット8に収容された用紙Sのうち、最上位の用紙Sは、給紙カセット8の前端部の上方に設けられた給紙ローラ9によって給紙される。その後、用紙Sは、前側から後側へターンして、1対のレジストローラ10の間に進入する。1対のレジストローラ10は、用紙Sを、所定のタイミングで、前側の搬送ベルト11へ向けて搬送する。
【0034】
搬送ベルト11は、無端状であり、その内側領域には、4つの転写ローラ12が配置されている。4つの転写ローラ12は、4つの感光ドラム3に対して、搬送ベルト11を挟んで対向
配置されている。
【0035】
その後、用紙Sは、搬送ベルト11により搬送される。搬送ベルト11は、感光ドラム3の回転方向とは反対の方向へ周ることによって、用紙Sを前側から後側へ搬送する。4つの感光ドラム3の表面上のトナー像は、転写ローラ12に印加された転写バイアスによって、搬送ベルト11によって搬送される用紙S上に重ね合わされるように転写される。このようにして、用紙Sには、カラー画像が形成される。
【0036】
その後、用紙Sは、搬送ベルト11によって、後側の定着部13に搬送される。用紙S上に転写されたカラー画像は、定着部13で熱定着される。その後、用紙Sは、搬送ローラ14によって搬送されることによって、後側から前側へターンして、本体ケーシング2上部の排紙トレイ15に排紙される。
【0037】
[プロセスユニット16の概略構成]
プロセスユニット16の概略構成について図2図4に基づいて説明する。図2は、図1に示されるプロセスユニット16の斜視図である。なお、図2において、説明の便宜上、現像カートリッジ6は省略している。図3は、図2に示されるプロセスユニット16の右側面図であって、フィルム47を取り除いた状態を示す。図4は、図3に対応する側面図であって、側板22を取り除いた状態を示す。
【0038】
プロセスユニット16は、図2図3および図4に示すように、枠体21と、枠体21の外側に配置される1対の側板22とを備えている。枠体21は、枠体21と側板22との間に配置される支持板23を備えている、支持板23は、枠体21の左側と右側とのそれぞれに設けられている。両支持板23は、両支持板23の前端部の間に架設されるフロントビーム24と、両支持板23の後端部の間に架設されるリヤビーム25とを備えている。また、枠体21は、フロントビーム24とリヤビーム25との間において、間隔を隔てて並列配置される4つのドラムユニット26を備えている。枠体21は、フレームの一例である。
【0039】
なお、本実施形態1では、クリーニングローラ電極33、ローラ入力電極43および中継電極45などの電極に関する構成は、全てプロセスユニット16の右側に設けられており、左側には設けられていない。そこで、以下の説明において、側板22および支持板23については、右側の側板22および右側の支持板23を詳細に説明する。そして、右側の側板22および右側の支持板23を、それぞれ単に側板22および支持板23と記載する。なお、クリーニングローラ電極33、ローラ入力電極43および中継電極45などの電極に関する構成は、全てプロセスユニット16の右側に設けられる構成に限定されるものではなく、左側に設けられる構成でもよい。
【0040】
[側板22の構成]
側板22の詳細について図2図3に基づいて説明する。側板22は、図2および図3に示すように、前後方向および上下方向に拡がる略矩形形状に形成されている。側板22は、絶縁性の樹脂により形成されてよい。側板22は、左右方向における内側の面に、側板22を枠体21に対して位置決めするための図示しない位置決めボスを備えている。位置決めボスは、側板22の形状に応じて適宜に設計される。位置決めボスは、位置決め穴130に対応する位置に設けられる。
【0041】
側板22の左右方向における外側面には、溝部61が形成されている。溝部61は、貫通孔55から後側斜め下方向へローラ受電部43Aに対して平行に延びた後、各開口58の上辺を繋ぐように前後方向に沿って後側へ延びるように形成されている。溝部61は、最後端の開口58よりも少し後ろ側の位置まで延びている。溝部61は、側板22の左右方向の外側面から左右方向内側へ窪む断面略U字状に形成されている。
【0042】
側板22は、ローラ入力電極43と、シャフト入力電極46と、が取付けられている。また、中継電極45は、溝部61に沿って取付けられている。
【0043】
また、側板22は、左右方向における外側の面に、前後方向および上下方向に拡がる略矩形状の絶縁樹脂のフィルム47が貼り付けられている。フィルム47は、側板22の前後方向において、最も前側に配置される帯電器4に向き合う位置から、側板22の後端までのほぼ全面を覆っている。その結果、フィルム47は、側板22の左右方向における外側の面に、前後方向に沿って配置された中継電極45をほぼ全長にわたって覆っている。
【0044】
また、図2に示すように、フィルム47には、フィルム47を側面視した場合の前側下方に開口部47Aが形成されている。開口部47Aは、ローラ入力電極43のローラ受電部43Aと、クリーニングシャフト36の右端に電気的に接続されるシャフト入力電極46のシャフト受電部46Aと、が開口部47Aを介して外側に露出するように形成されている。これにより、図2に示すように、プロセスユニット16を本体ケーシング2内に装着した際に、ローラ受電部43Aと本体側電極48、および、シャフト受電部46Aと本体側電極49は、開口部47Aを介して左右方向に沿って電気的に接続される。
【0045】
[支持板23の構成]
支持板23は、図4に示すように、前後方向に延びる平板であり、ステンレスなどの金属から形成されている。また、支持板23は、感光ドラム3を支持するドラム支持穴27と、ドラム支持穴27の後方に配置される挿通穴28と、支持板23の前端部および後端部に1つずつ配置される位置決め穴130とを備えている。
【0046】
ドラム支持穴27は、側面視円形状であり、感光ドラム3の軸受部材18が挿通され、軸受部材18を支持する。これにより、支持板23は、感光ドラム3の左右方向両端部を支持する。また、各ドラム支持穴27の後側に配置される4つの挿通穴28には、各クリーニングローラ電極33が挿通可能である。
【0047】
各位置決め穴130は、側板22の位置決めボスと重なる位置に配置され、位置決めボスが挿通される。前側の位置決め穴130は、左右方向に延びる長穴であり、後側の位置決め穴130は、側面視略円形状である。
【0048】
フロントビーム24およびリヤビーム25は、硬質の樹脂などから形成され、それらの両端部は、ネジなどにより支持板23に固定されている。
【0049】
前後方向において最も前側に配置されるドラムユニット26は、図1および図2に示すように、感光ドラム3と、帯電器4と、クリーニングローラ32と、クリーニングシャフト36と、を備えている。また、後方側に配置される3つのドラムユニット26は、感光ドラム3と、帯電器4と、クリーニングローラ32と、を備えている。
【0050】
[ローラ入力電極43の構成]
ローラ入力電極43の構成について図2図3図5図6および図9に基づいて詳細に説明する。図5は、図3に示すXA部の拡大図である。図6は、図5に対応する部分を内側からみた図である。図9は、(A)が図6に対応する部分を斜め前方からみた斜視図であり、(B)が(A)の図から側板22を取り除いた状態を示す模式図である。
【0051】
ローラ入力電極43は、本体側電極48から供給された電力をクリーニングローラ電極33に入力するための電極である。図2図3図5図6および図9に示すように、ローラ入力電極43は、側板22の左右方向における内側面に配置された略矩形状のローラ給電部43Bを有している。ローラ入力電極43は、第1入力電極の一例である。ローラ給電部43Bは、前後方向において最も前側のクリーニングローラ32の回転軸34の右端に電気的に接続されるクリーニングローラ電極33の圧縮コイルバネ39に向き合って配置される。ローラ給電部43Bは、圧縮コイルバネ39の右端と接触し、圧縮コイルバネ39を介してクリーニングローラ電極33に電力を供給する。なお、回転軸34、クリーニングローラ電極33、および圧縮コイルバネ39についての詳細は後述する。
【0052】
図9の(B)に示されるように、ローラ入力電極43は、ローラ給電部43Bの後側の端縁から左右方向における側板22の外側へ略直角に延出されたローラ延出部43Cを有している。ローラ延出部43Cは、第1延出部の一例である。ローラ受電部43Aは、ローラ延出部43Cの左右方向における外側の端縁から側板22の外側面に沿って延出され、図2に示される本体側電極48から電力を受電する。プロセスユニット16を本体ケーシング2に装着した状態で、ローラ受電部43Aは、本体側電極48と接触する。
【0053】
また、側板22は、ローラ給電部43Bの後側の端縁に向き合った位置に、ローラ延出部43Cとローラ受電部43Aとを挿通可能なスリット51が形成されている。スリット51は、第1スリットの一例である。ローラ入力電極43は、ローラ延出部43Cとローラ受電部43Aとが、スリット51に挿通されて、側板22に取り付けられている。ローラ入力電極43は、側板22の内側から側板22のスリット51に沿って折れ曲がり、スリット51から側板22の外側に配置されるローラ受電部43Aを側板22の外側面に沿ってさらに折り曲げた形状に構成されている。
【0054】
[シャフト入力電極46の構成]
シャフト入力電極46の構成について図2図3図5図6および図9に基づいて詳細に説明する。シャフト入力電極46は、本体側電極49から供給された電力をクリーニングシャフト36に入力するための電極である。図2図3図5図6および図9に示すように、シャフト入力電極46は、ローラ給電部43Bの下方側、且つ、後側において、側板22の左右方向における内側面に配置されたシャフト給電部46Bを有している。シャフト給電部46Bは、前後方向および上下方向に拡がる略矩形上である。シャフト入力電極46は、第2入力電極の一例である。シャフト給電部46Bは、クリーニングシャフト36の回転軸364の右端に電気的に接続されるクリーニングシャフト電極361の圧縮コイルバネ363に向き合って配置され、クリーニングシャフト電極361に電力を供給する。なお、回転軸364、クリーニングシャフト電極361、および圧縮コイルバネ363についての詳細は後述する。
【0055】
図9の(B)に示されるように、シャフト入力電極46は、シャフト給電部46Bの後側の端縁から左右方向における側板22の外側へ略直角に延出されたシャフト延出部46Cを有している。シャフト延出部46Cは、第2延出部の一例である。シャフト受電部46Aは、シャフト延出部46Cの左右方向における外側の端縁から側板22の外側面に沿って延出され、本体側電極49から電力を受電する。プロセスユニット16を本体ケーシング2に装着した状態で、シャフト受電部46Aは、本体側電極49と接触する。
【0056】
また、側板22は、シャフト給電部46Bの下方側の端縁に向き合った位置に、シャフト延出部46Cとシャフト受電部46Aとを挿通可能なスリット53が形成されている。スリット53は、第2スリットの一例である。シャフト入力電極46は、シャフト延出部46Cとシャフト受電部46Aとが、スリット53に挿通されて、側板22に取り付けられている。シャフト入力電極46は、側板22の内側から側板22のスリット53に沿って折れ曲がり、スリット53から側板22の外側に配置されるシャフト受電部46Aを側板22の外側面に沿ってさらに折り曲げた形状に構成されている。
【0057】
[中継電極45の構成]
中継電極45の構成について、図3図5および図6に基づいて詳細に説明する。中継電極45は、本体側電極48からローラ入力電極43に供給された電力を、後側の3つのクリーニングローラ電極33に配電するための電極である。中継電極45は、金属製の導線である。図3図5および図6に示すように、中継電極45は、前側の端部が、側板22に形成された矩形状の貫通孔55に挿通されて、側板22の内側面に沿って、前側斜め下方向へ直角に折り曲げられている。そして、中継電極45の前側の端部は、ローラ給電部43Bと側板22の内側面との間に挟み込まれて、ローラ給電部43Bに電気的に接続されている。
【0058】
具体的には、ローラ給電部43Bは、中央部に位置するスリットと、スリットに囲まれる押圧部57とを備えている。図6に示すように、スリットは、正面視U字状にローラ給電部43Bを貫通している。押圧部57は、左右方向における外側へ、小さな曲げ角度、例えば約15度~30度の曲げ角度で折り曲げられている。そして、中継電極45の前側の端部は、ローラ給電部43Bの押圧部57によって側板22の内側面に押圧されている。中継電極45は、前側の端部がローラ給電部43Bの押圧部57と接触することにより、ローラ給電部43Bに電気的に接続される。
【0059】
また、中継電極45は、溝部61内に嵌め込まれている。これにより、中継電極45は、溝部61内に嵌め込まれて収容された状態で、側板22の左右方向の外側面に配置されている。このように中継電極45が溝部61に配置されることで、クリーニングローラ電極33の圧縮コイルバネ39を左側へ圧縮するように接触する。これにより、中継電極45は、各クリーニングローラ電極33を介して、後側の3つのクリーニングローラ32の回転軸34の右端に電気的に接続される。
【0060】
[クリーニングローラ電極33の構成]
各クリーニングローラ電極33の構成について図7に基づいて詳細に説明する。図7は、図5に示すX1-X1矢視断面図である。クリーニングローラ電極33は、クリーニングローラ32に電圧を印加するための電極である。クリーニングローラ電極33は、導電樹脂製の当接電極38と、金属製の圧縮コイルバネ39とから構成されている。
【0061】
当接電極38は、略円柱状で、頭部38Aと、頭部38Aよりも直径が短い軸部38Bとからなり、軸方向断面が略T字状に形成されている。当接電極38は、頭部38Aがクリーニングローラ32の回転軸34の右端面に当接するように、左右方向に沿って配置されている。また、当接電極38は、頭部38Aが支持板23の挿通穴28に挿通された支持部材41によって左右方向に摺動可能に支持されている。当接電極38の頭部38Aの先端は球面状に形成されている。
【0062】
圧縮コイルバネ39は、当接電極38の軸部38Bの直径よりも長い直径となるように形成され、当接電極38の軸部38Bに伸縮可能に挿入される。そして、軸部38Bに挿入された圧縮コイルバネ39は、側板22の内側面に配置されたローラ入力電極43によって、クリーニングローラ32側へ押圧される。より詳細には、ローラ給電部43Bによって、クリーニングローラ32側へ押圧される。その結果、当接電極38の頭部38Aがクリーニングローラ32の回転軸34の右端面に当接されて、前後方向において最も前側のクリーニングローラ32と、ローラ入力電極43とが電気的に接続可能となる。または中継電極45は、ローラ入力電極43と側板22の内面側で当接しており、電気的に接続可能となる位置に配置されている。これにより、中継電極45は、各クリーニングローラ電極33を介して、後側の3つのクリーニングローラ32の回転軸34の右端に電気的に接続可能となる。
【0063】
[クリーニングシャフト電極361の構成]
クリーニングシャフト電極361の構成について、図8に基づいて詳細に説明する。図8は、図5に示すX2-X2矢視断面図である。クリーニングシャフト電極361は、クリーニングシャフト36に電圧を印加するための電極である。クリーニングシャフト電極361は、導電樹脂製の当接電極362と、金属製の圧縮コイルバネ363とから構成されている。
【0064】
当接電極362は、略円柱状で、頭部362Aと、頭部362Aよりも直径が短い軸部362Bとからなり、軸方向断面が略T字状に形成されている。当接電極362は、頭部362Aがクリーニングシャフト36の回転軸364の右端面に当接するように、左右方向に沿って配置されている。また、当接電極362は、頭部362Aが支持板23の挿通穴231に挿通された支持部材365によって左右方向に摺動可能に支持されている。当接電極362の頭部362Aの先端は球面状に形成されている。
【0065】
圧縮コイルバネ363は、当接電極362の軸部362Bの直径よりも長い直径となるように形成され、当接電極362の軸部362Bに伸縮可能に挿入される。そして、軸部362Bに挿入された圧縮コイルバネ363は、側板22の内側面に配置されたシャフト入力電極46によって、クリーニングシャフト36側へ押圧される。より詳細には、シャフト給電部46Bによって、クリーニングシャフト36側へ押圧される。その結果、当接電極362の頭部362Aがクリーニングシャフト36の回転軸364の右端面に当接されて、クリーニングシャフト36と、シャフト入力電極46とが電気的に接続可能となる。
【0066】
[ローラ入力電極43とシャフト入力電極46の配置について]
ローラ入力電極43とシャフト入力電極46の配置について、図5図6、および図9に基づいて詳細に説明する。
【0067】
ローラ入力電極43およびシャフト入力電極46は図5に示すように、側板22をクリーニングシャフト36の軸方向の外面側からみた場合、側板22を挟んで一部が重なる位置に配置されている。図5においては、ローラ入力電極43のうち、側板22の外面側に露出して配置されているローラ受電部43Aを実線で示している。また、ローラ入力電極43のうち、側板22の内面側に配置されているローラ給電部43Bを破線で示している。
【0068】
また、シャフト入力電極46のうち、側板22の外面側に露出して配置されているシャフト受電部46Aを実線で示している。また、シャフト入力電極46のうち、側板22の内面側に配置されているシャフト受電部46A以外の部分は破線で示している。なお、破線で示すシャフト受電部46A以外の部分には、シャフト給電部46Bが含まれている。つまり、側板22を外面側からみて、シャフト給電部46Bは、ローラ入力電極43と側板22を挟んで重なる位置に配置されている。より詳細には、図5および図9の(A)に示すとおり、側板22をクリーニングシャフト36の軸方向の外面側からみた場合、ローラ受電部43Aとシャフト給電部46Bとが側板22を挟んで重なる位置に配置されている。
【0069】
また、ローラ受電部43Aとシャフト受電部46Aとが、側板22を軸方向の外側からみた場合、前後方向に所定の間隔離れた位置に配置されている。所定の間隔は、側板22、ローラ受電部43Aおよびシャフト受電部46Aのサイズ等により適宜に設定されてよいが、ローラ受電部43Aおよびシャフト受電部46Aとの間で近接放電しない距離に設定されることが好ましい。
【0070】
なお、図9の(A)に示すローラ受電部43Aとシャフト給電部46Bとの間に挟まれている部分の側板22の厚みは、約1.7mm~2mmであることが好ましい。ローラ受電部43Aとシャフト給電部46Bとの間に挟まれている部分の側板22の厚みを1.7mm~2mmの厚みとすることで、ローラ受電部43Aとシャフト給電部46Bとの間で放電が発生することを抑えることができる。なお、ローラ受電部43Aとシャフト給電部46Bとの間に挟まれている部分の側板22の厚みはローラ入力電極43およびシャフト入力電極46に対して印加される電圧値によって適宜に設計される。
【0071】
[トナーの回収と紙粉等の回収について]
ここで、トナーの回収と紙粉等の回収について説明する。トナーと紙粉等とは帯電極性が異なることが知られている。例えば、用紙Sに付着した紙粉等の付着物は、転写ローラ12にトナーの帯電極性と反対の極性の転写バイアスを与えるための電圧が印加されていることから、例えば、トナーが正極性の場合、紙粉等は負極性に帯電する傾向にある。そのため、帯電極性の相違を利用して、トナーおよび紙粉が感光ドラム3の表面から除去されるように、ローラ入力電極43と、シャフト入力電極46と、のそれぞれに対して、帯電極性の異なる電圧を印加する。以下、それぞれについて説明する。
【0072】
トナーの回収時は、例えば、トナーの極性が正極性である場合、印刷中にトナーの極性とは反対極性である負極性の電圧が本体側電極48を介してローラ入力電極43に印加される。負極性の電圧は第1電圧の一例であり、例えば-400Vである。印刷中に負極性の電圧が本体側電極48を介してローラ入力電極43に印加されることで、正極性のトナーを感光ドラム3の表面からクリーニングローラ32上に回収する。「トナーの極性」とは第1帯電極性の一例である。また、「トナーの極性とは反対極性の負極性の電圧」とは第1電圧の一例である。
【0073】
紙粉の回収時は、クリーニングローラ32、およびクリーニングシャフト36に正極性の電圧を印加してクリーニングローラ32と紙粉等との間に発生する静電吸引力により用紙Sの表面に付着した紙粉等をクリーニングローラ32に静電吸着する。これにより、紙粉等はクリーニングローラ32を介してクリーニングシャフト36に回収される。
【0074】
このとき、本体側電極49を介してシャフト入力電極46へ印加される正極性の電圧の絶対値が本体側電極48を介してローラ入力電極43へ印加される正極性の電圧の絶対値より大きくなるように制御される。例えば、本体側電極48を介してローラ入力電極43へ印加される正極性の電圧は+600Vである。また、本体側電極49を介してシャフト入力電極46へ印加される正極性の電圧は第2電圧の一例であり、例えば+700Vである。これにより、クリーニングローラ32に静電吸着されている紙粉等は、静電吸引力によりクリーニングシャフト36に移動してクリーニングローラ32から回収される。
【0075】
以上のように、トナー回収時、および紙粉等の回収時にそれぞれ適宜に設定された電圧が印加される。なお、ローラ受電部43Aとシャフト給電部46Bとの間に挟まれている部分の側板22の耐電圧が、第1電圧と第2電圧との差を越えるように設計されることが好ましい。つまり、本開示の一例では、-400Vと+700Vとの差を越えるように設計されることが好ましい。
【0076】
[側板22の枠体21への組み付け]
側板22の枠体21への組み付けについて、図2図5を参照しつつ説明する。枠体21に側板22を組み付けるには、作業者は、図3および図5に示す中継電極45の前側の端部を側板22の貫通孔55に挿通した後、側板22の左右方向外側面に形成された溝部61に嵌め込む。続いて、作業者は、ローラ入力電極43のローラ延出部43Cとローラ受電部43Aを側板22のスリット51に挿通して、ローラ給電部43Bが中継電極45の前側方向の端部を側板22の内側面に押圧するように取り付ける。
【0077】
また、作業者は、シャフト入力電極46のシャフト延出部46Cとシャフト受電部46Aとをスリット53に挿通して、シャフト給電部46Bがローラ給電部43Bの後側斜め下側に位置するように取り付ける。これにより、ローラ入力電極43と、シャフト入力電極46と、中継電極45と、が側板22に取り付けられる。
【0078】
続いて、作業者は、図4に示す支持板23の位置決め穴130に対して、側板22に設けられた位置決めボスをそれぞれ挿通して、側板22を枠体21に対して位置決めするように、側板22を右側から枠体21に組み付ける。なお、位置決めボスは位置決め穴130に対応する位置に形成されていればよく、側板22の設計により最適な場所に形成されていればよい。側板22は、ネジなどにより、枠体21に固定される。その後、作業者は、側板22の外側面に図2に示すフィルム47を貼り付け、開口部47Aからローラ入力電極43のローラ受電部43Aと、シャフト入力電極46のシャフト受電部46Aとを露出させる。
【0079】
以上のとおり、側板22が枠体21に組付けられると、ローラ入力電極43のローラ給電部43Bが、前後方向において最も前側のクリーニングローラ32のクリーニングローラ電極33と電気的に接続可能となる位置に配置される。また、シャフト入力電極46のシャフト給電部46Bが、クリーニングシャフト36のクリーニングシャフト電極361と電気的に接続可能となる位置に配置される。
【0080】
また、側板22の左右方向の外側面に配置された中継電極45と、後側の3つのクリーニングローラ電極33の圧縮コイルバネ39とが、左右方向において接触する。これにより、ローラ入力電極43と中継電極45とによって、4つのクリーニングローラ32の右端に各クリーニングローラ電極33が電気的に接続可能となる位置に配置される。
【0081】
[プロセスユニット16への電力の供給]
プロセスユニット16への電力の供給は、先ず、本体ケーシング2のフロントカバー2Aを開けて、プロセスユニット16を前方から後方に移動させて本体ケーシング2に装着する。その結果、図2に示されるように、ローラ入力電極43のローラ受電部43Aが本体側電極48と接触し、シャフト入力電極46のシャフト受電部46Aが本体側電極49と接触する。ローラ受電部43Aおよびシャフト受電部46Aと各本体側電極48、49とがそれぞれ接触した状態で画像形成装置1の電源が入力されると、各本体側電極48、49を介してローラ受電部43Aとシャフト受電部46Aとへ電力が入力される。
【0082】
これにより、最も後方に配置されたクリーニングローラ32の回転軸34の右端に、クリーニングローラ電極33を介してローラ入力電極43のローラ給電部43Bから電力が入力される。また、クリーニングシャフト36の右端に、シャフト入力電極46のシャフト給電部46Bを介して電力が入力される。
【0083】
また、ローラ入力電極43のローラ受電部43Aに入力された電力は、ローラ給電部43Bを介して中継電極45に配電される。中継電極45に配電された電力は、中継電極45と接触する後方側の3つのクリーニングローラ電極33に配電される。後方側の3つのクリーニングローラ電極33に配電された電力は、各クリーニングローラ電極33に対応するクリーニングローラ32の回転軸34に配電される。
【0084】
これにより、本体ケーシング2の本体側電極48からローラ入力電極43に入力された電力は、ローラ入力電極43および中継電極45を介して各クリーニングローラ32の回転軸34に配電される。
【0085】
[作用効果]
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るプロセスユニット16によれば、ローラ入力電極43とシャフト入力電極46との間に側板22が挟まれる。さらに、ローラ入力電極43とシャフト入力電極46とが側板22を挟んで少なくとも一部が重なる位置に配置される。
【0086】
また、上記の構成によれば、ローラ入力電極43とシャフト給電部46Bとが側板22を挟んで重なる位置に配置される。
【0087】
また、上記の構成によれば、ローラ受電部43Aとシャフト給電部46Bとが側板22を挟んで重なる位置に配置される。
【0088】
これにより、従来よりも、ローラ入力電極43およびシャフト入力電極46が配置される間隔を縮めることができ、クリーニングローラおよびクリーニングシャフトを備える画像形成装置の小型化を実現することができる。
【0089】
また、上記の構成によれば、ローラ受電部43Aとシャフト受電部46Aとが、側板22を軸方向の外側からみた場合、前後方向に所定の間隔離れた位置に配置される。これにより、側板22の外側に位置するローラ受電部43Aとシャフト受電部46Aとの間で放電が発生することを抑えることができる。
【0090】
また、上記の構成によれば、ローラ入力電極43およびシャフト入力電極46は、側板22の外側面に配置されたローラ受電部43Aと本体側電極48が第1方向に接触する。また、側板22の外面に配置されたシャフト受電部46Aと本体側電極49が第1方向に接触する。これにより、プロセスユニット16を本体ケーシング2に装着することによって、ローラ受電部43Aおよびシャフト受電部46Aと各本体側電極48、49とを電気的に接続することができる。
【0091】
また、上記の構成によれば、感光ドラム3に残存するトナーと反対極性の電圧、例えば負極性の電圧が本体側電極48を介してローラ受電部43Aに印加される。また、シャフト受電部46Aには、正極性の電圧が本体側電極49を介して印加される。さらに、側板22の一部の耐電圧が、ローラ受電部43Aに印加される電圧とシャフト受電部46Aに印加される電圧との差を越える、ように構成される。これにより側板22を外面側から見てローラ入力電極43とシャフト入力電極46とが重なる側板22の部位は、ローラ入力電極43とシャフト入力電極46とにそれぞれ印加される電圧の電圧差を越える耐電圧を有する。そのため、ローラ入力電極43とシャフト入力電極46との間の放電を防ぐことができる。
【0092】
また、上記の構成によれば、ローラ入力電極43を側板22のスリット51に挿通して取付けることができる。また、シャフト入力電極46を側板22のスリット53に挿通して取り付けることができ、取付け作業の効率化を図ることができる。
【0093】
また、上記の構成によれば、側板22は、絶縁性の樹脂で構成されるため、中継電極45と側板22を挟んで軸方向の内側に配置されるプロセスユニットを動作させるための複数の電子部品との間の放電を避けることができる。その結果、中継電極45と複数の電子部品を小さなスペース内に配置することが可能となる。
【符号の説明】
【0094】
1 画像形成装置、2 本体ケーシング、3 感光ドラム、16 プロセスユニット、17 アース軸、21 枠体(フレーム)、22 側板、23 支持板、32 クリーニングローラ、33 クリーニングローラ電極、43 ローラ入力電極(第1入力電極)、43A ローラ受電部、43B ローラ給電部、43C ローラ延出部、45 中継電極、46 シャフト入力電極(第2入力電極)、46A シャフト受電部、46B シャフト給電部、46C シャフト延出部、47 フィルム、47A 開口部、48、49 本体側電極、51、53 スリット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9