(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147381
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 11/70 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060347
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】篠矢 翔太
(72)【発明者】
【氏名】城 秀典
【テーマコード(参考)】
2C058
【Fターム(参考)】
2C058AB06
2C058AC08
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA06
2C058LA24
2C058LB07
(57)【要約】
【課題】カッター機構によるシートの切断品質が低下することを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置(1)は、本体筐体(20)と、シートにトナー像を形成する感光ドラムと、シートに形成されたトナー像を定着する定着器と、定着器によってトナー像が定着されたシートを切断する刃であって、交換可能な刃を有するカッター機構と、を有する。本体筐体(20)は、開口(K)と、開口(K)を開閉するカバー(KC)と、を有する。カッター機構の刃は、開口(K)を介して交換可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
シートにトナー像を形成する感光ドラムと、
シートに形成されたトナー像を定着する定着器と、
前記定着器によってトナー像が定着されたシートを切断する刃であって、交換可能な刃を有するカッター機構と、を有し、
前記筐体は、
開口と、
前記開口を開閉するカバーと、を有し、
前記カッター機構の前記刃は、前記開口を介して交換可能である、画像形成装置。
【請求項2】
前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、
前記開口は、前記給送トレイの着脱方向と直交する直交方向を向く前記筐体の面に配置される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記開口は、前記筐体の外側表面に配置される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記開口を備える第1筐体と、前記第1筐体に対して、上方に回動可能な第2筐体と、を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記筐体は、
前記感光ドラムと前記定着器とを収容した第1筐体と、
シートの画像を読み取る画像読取センサを収容した第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体との間に位置し、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結するジョイントカバーと、を有し、
前記開口は、少なくとも前記ジョイントカバーに形成されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開口は、前記ジョイントカバーと、前記第1筐体または前記第2筐体の少なくとも一方とに亘って形成されている、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記感光ドラムは、回転軸方向を中心に回転可能であり、
前記カッター機構は、
前記回転軸方向に延びた固定刃と、
前記交換可能な刃であって、前記回転軸方向に移動して前記固定刃と共にシートを切断する移動刃と、
前記移動刃を支持するカッターキャリッジと、を有し、
前記カッターキャリッジは、前記開口を介して操作可能である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記開口は、前記カッターキャリッジの前記回転軸方向側に位置する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カッターキャリッジは、前記移動刃を支持する支持部材と、前記支持部材よりも前記開口に向かって突出するように前記支持部材に連結されて、前記開口を介して把持可能な把持部材とを、有する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カッター機構においては、
前記カッターキャリッジは、シートを切断する切断領域と、前記切断領域の前記開口側に設けられて、少なくとも前記移動刃を交換可能な交換位置とに移動する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、
前記開口は、前記給送トレイの引き出し方向に設けられた前記筐体の前面に配置される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、
前記開口は、前記給送トレイの押し込み方向に設けられた前記筐体の後面に配置される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、
前記筐体の内部には、前記給送トレイの着脱方向に沿ってシートを排出する排出ローラが配置され、
前記感光ドラムは、回転軸方向を中心に回転可能であって、前記回転軸方向と直交する直交方向で、前記筐体に対して着脱可能である、請求項1から12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プリンタなどの画像形成装置としては、画像形成対象のシートを加熱して現像剤像を定着させる定着器を備えたものが知られている。また、従来の画像形成装置として、例えば、下記特許文献1には、定着部の上方に設けられ、用紙が排出される排出部、及び定着部と排出部との間に設けられ、用紙を切断するカッターを設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来技術では、カッター機構において、その使用頻度などに応じた経年劣化等の刃の劣化については考慮されていなかった。このため、従来技術では、刃の劣化に伴って、シートの切断面が荒くなったり、所望の位置でシートを正確に切断することができなくなったりして、シートの切断品質が低下するという問題点を生じることがあった。
【0005】
本開示は、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の画像形成装置は、筐体と、シートにトナー像を形成する感光ドラムと、シートに形成されたトナー像を定着する定着器と、前記定着器によってトナー像が定着されたシートを切断する刃であって、交換可能な刃を有するカッター機構と、を有し、前記筐体は、開口と、前記開口を開閉するカバーと、を有し、前記カッター機構の前記刃は、前記開口を介して交換可能である。
【0007】
上記構成によれば、カバーを開いた状態とすることにより、開口を介してカッター機構の刃を交換することができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを抑制することができる。
【0008】
本開示の画像形成装置では、前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、前記開口は、前記給送トレイの着脱方向と直交する直交方向を向く前記筐体の面に配置されてもよい。
【0009】
上記構成によれば、給送トレイの着脱方向と直交する直交方向を向く筐体の面に配置された開口を介してカッター機構の刃を確実に交換することができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0010】
本開示の画像形成装置では、前記開口は、前記筐体の外側表面に配置されてもよい。
【0011】
上記構成によれば、画像形成装置の外側表面に配置された開口を介してカッター機構の刃を確実に交換することができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0012】
本開示の画像形成装置では、前記筐体は、前記開口を備える第1筐体と、前記第1筐体に対して、上方に回動可能な第2筐体と、を有してもよい。
【0013】
上記構成によれば、第1筐体に形成された開口を介してカッター機構の刃を確実に交換することができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0014】
本開示の画像形成装置では、前記筐体は、前記感光ドラムと前記定着器とを収容した第1筐体と、シートの画像を読み取る画像読取センサを収容した第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体との間に位置し、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結するジョイントカバーと、を有し、前記開口は、少なくとも前記ジョイントカバーに形成されてもよい。
【0015】
上記構成によれば、少なくともジョイントカバーに形成された開口を介してカッター機構の刃を確実に交換することができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0016】
本開示の画像形成装置では、前記開口は、前記ジョイントカバーと、前記第1筐体または前記第2筐体の少なくとも一方とに亘って形成されてもよい。
【0017】
上記構成によれば、開口での開口面積を大きくすることができ、刃を交換する場合でもより大きな作業空間が確保されることから、刃の交換作業を容易に行うことができる。
【0018】
本開示の画像形成装置では、前記感光ドラムは、回転軸方向を中心に回転可能であり、前記カッター機構は、前記回転軸方向に延びた固定刃と、前記交換可能な刃であって、前記回転軸方向に移動して前記固定刃と共にシートを切断する移動刃と、前記移動刃を支持するカッターキャリッジと、を有し、前記カッターキャリッジは、前記開口を介して操作可能であってもよい。
【0019】
上記構成によれば、カバーを開いた状態とすることにより、開口を介して移動刃を少なくとも交換することができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを容易に抑制することができる。
【0020】
本開示の画像形成装置では、前記開口は、前記カッターキャリッジの前記回転軸方向側に位置してもよい。
【0021】
上記構成によれば、ユーザは開口を介してカッターキャリッジを確実に視認することができる。これにより、カッターキャリッジに支持された移動刃の交換作業を容易に行うことができる。
【0022】
本開示の画像形成装置では、前記カッターキャリッジは、前記移動刃を支持する支持部材と、前記支持部材よりも前記開口に向かって突出するように前記支持部材に連結されて、前記開口を介して把持可能な把持部材とを、有してもよい。
【0023】
上記構成によれば、ユーザは把持部材を把持することによって移動刃及びカッターキャリッジを筐体の外部に引き出すことができ、少なくとも移動刃の交換作業を容易に行うことができる。
【0024】
本開示の画像形成装置では、前記カッター機構においては、前記カッターキャリッジは、シートを切断する切断領域と、前記切断領域の前記開口側に設けられて、少なくとも前記移動刃を交換可能な交換位置とに移動してもよい。
【0025】
上記構成によれば、少なくとも移動刃は開口に近い交換位置で交換可能となり、移動刃の交換作業を容易に行うことができる。
【0026】
本開示の画像形成装置では、前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、前記開口は、前記給送トレイの引き出し方向に設けられた前記筐体の前面に配置されてもよい。
【0027】
上記構成によれば、筐体の前面に配置された開口を介してカッター機構の刃の確実な交換を容易に行うことができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0028】
本開示の画像形成装置では、前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、前記開口は、前記給送トレイの押し込み方向に設けられた前記筐体の後面に配置されてもよい。
【0029】
上記構成によれば、筐体の後面に配置された開口を介してカッター機構の刃を確実に交換することができる。これにより、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0030】
本開示の画像形成装置では、前記筐体は、着脱可能な給送トレイを、さらに有し、前記筐体の内部には、前記給送トレイの着脱方向に沿ってシートを排出する排出ローラが配置され、前記感光ドラムは、回転軸方向を中心に回転可能であって、前記回転軸方向と直交する直交方向で、前記筐体に対して着脱可能であってもよい。
【0031】
上記構成によれば、給送トレイ及び感光ドラムの着脱方向にシートを排出する画像形成装置において、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0032】
本開示の一態様によれば、カッター機構によるシートの切断品質が低下することを抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本開示の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を説明する斜視図である。
【
図2】
図1に示した画像形成装置の要部構成例を示す前後方向の断面図である。
【
図3】
図1に示した画像形成装置の後方側からカッター機構を見た場合の左右方向の断面図である。
【
図5】
図3に示したカッター機構の構成例を説明する図である。
【
図6】
図5に示したカッターキャリッジの構成例を説明する図である。
【
図7】本開示の変形例1に係る画像形成装置での開口の位置を説明する図である。
【
図8】本開示の変形例2に係る画像形成装置での開口の位置を説明する図である。
【
図9】本開示の変形例3に係る画像形成装置での開口の位置を説明する図である。
【
図10】本開示の変形例4に係る画像形成装置での開口の位置を説明する図である。
【
図11】本開示の変形例5に係る画像形成装置でのカバーを開いた状態のカッター機構と開口の位置とを説明する図である。
【
図12】
図11に示したカバーを閉じた状態の画像形成装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔一実施形態〕
以下、本開示の一実施形態について
図1乃至
図6を参照しつつ説明する。本実施形態では、画像形成装置1の一例として、トナーを用いてシートSに画像を形成するレーザプリンタについて説明する。
【0035】
〔画像形成装置1の構成〕
図1は、本開示の一実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を説明する斜視図である。
図2は、
図1に示した画像形成装置1の要部構成例を示す前後方向の断面図である。
図3は、
図1に示した画像形成装置1の後方側からカッター機構100を見た場合の左右方向の断面図である。
図4は、
図1に示したIV部の拡大平面図である。以下の説明では、
図1の両矢印で示されるように、画像形成装置1の上下方向、前後方向、及び左右方向を定義する。また、
図3では、図面の簡略化のために、画像形成装置1の右側面に設けられたジョイントカバーJCの図示、開口Kの図示及び開口Kを開閉するカバーKCの図示と、カッター機構100に設けられた第1駆動モータM1(
図5)の図示は省略する。
【0036】
尚、以下の説明では、画像形成装置1として、電子写真方式を用いて、モノクロ画像の画像形成処理を行うモノクロプリンタを例示する。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、フルカラー画像の画像形成処理を行うカラープリンタであってもよい。また、以下の説明では、例えば、本開示を複合機に適用した場合を例示して説明する。換言すれば、以下の説明では、画像形成機能、すなわちプリント機能以外の機能、例えば、スキャナ機能、コピー機能、及びファクシミリ機能などの他の機能を併せて備えるMFP(Multi-Function Printer)に本開示を適用した場合について説明する。但し、本開示はこれに限定されるものではなく、電子写真方式以外の、例えば、インクジェット方式を使用したプリント機能のみを有する画像形成装置(プリンター)に適用してもよい。
【0037】
また、以下の説明では、カッター機構100により、シートSを搬送方向で前後する2つの第1シートと第2シートとに完全に分けて切断する場合を例示して説明する。しかしながら、本開示は、シートSを切断するための刃を有するためのものであれば何等限定されない。具体的には、本開示は、シートSを切断するために、カッター機構100の刃を当てた切断加工をしてもよい。また、本開示は、シートSを切断するために、折り目を付ける折目加工をしてもよい。また、本開示は、シートSを切断するために、ミシン目を付けるミシン目加工をしてもよい。
【0038】
図1乃至
図3に示すように、画像形成装置1は、プリンタ部2と、スキャナ部3とを備えている。プリンタ部2は、シートSに画像を形成する電子写真方式のプリント機能を有する。スキャナ部3は、図示しない原稿としてのシートの画像を読み取って、読み取った画像であるスキャン画像のスキャンデータを生成する機能であるスキャン機能を有する。スキャナ部3は、画像読取部の一例として機能する。
【0039】
また、画像形成装置1は、筐体1Kを備えている。筐体1Kは、感光ドラム61と定着器5とを収容した第1筐体としての本体筐体20と、シートSの画像を読み取る画像読取センサ87を収容した第2筐体としてのケーシング81と、本体筐体20とケーシング81との間に位置し、本体筐体20とケーシング81とを連結するジョイントカバーJCと、を有している。ジョイントカバーJCは、ケーシング81の下方であって、本体筐体20の上方に位置する。
【0040】
図1及び
図4に示すように、ジョイントカバーJCには、開口Kを開閉するカバーKCが設けられており、カバーKCの開閉状態に応じて、開口Kを介して画像形成装置1の内部を視認可能または画像形成装置1の内部を密閉可能とされている。具体的にいえば、開口Kは、例えば、矩形状にジョイントカバーJCの右側面を切り欠くことにより、形成された開口部である。また、カバーKCは、矩形状の開口Kを閉塞するように矩形状に構成されるとともに、例えば、後側に設けられた2つの回動部材KC1を介して回動可能に本体筐体20に取り付けられている。また、カバーKCには、例えば、凹み形状を有する取手部KC2が前側に設けられており、画像形成装置1の所有者や使用者等のユーザによるカバーKCの開閉動作を容易に行えるようになっている。
【0041】
また、カバーKCが、開口Kを開いた状態においては、ジョイントカバーJCでは、開口Kを介してカッター機構100に設けられたカッターキャリッジ76を視認可能に、かつ、開口Kを介してカッターキャリッジ76を着脱可能に構成されている。換言すれば、開口Kは、ジョイントカバーJCの外側表面に配置されており、開口Kを介してカッターキャリッジ76を交換可能になっている。
【0042】
また、画像形成装置1は、
図1に示すように、前側に操作パネル110を備えている。操作パネル110は、表示部121と、操作部122とを有している。表示部121は、例えば、液晶ディスプレイを含んでいる。操作部122は、図示しない操作ボタンや表示部121に一体的に設けられたタッチパネルなどからなり、ユーザからの操作指示を受け付ける操作受付部の一例として機能する。
【0043】
〔プリンタ部2の構成〕
図1乃至
図3に示すように、プリンタ部2は、本体筐体20を備えている。本体筐体20の底部には、給送トレイ21が前後方向に移動可能であって、本体筐体20に対して、着脱可能に設けられている。換言すれば、筐体1Kは、着脱可能な給送トレイ21を有している。より詳細にいえば、給送トレイ21は、本体筐体20からの脱離時に、装置前方の手掛けから前方に向かう引き出し方向に沿って引き出される。また、給送トレイ21は、本体筐体20への装着時に、上記引き出し方向とは反対方向である押し込み方向に沿って押し込まれる。
【0044】
給送トレイ21は、複数枚のシートSを支持可能に構成されている。本体筐体20の上部と、ジョイントカバーJCの下部とによって、排出トレイ22が形成されている。排出トレイ22は、画像が形成されたシートSを支持する。なお、シートSは、例えば、A4サイズの普通紙である。本実施形態の場合、A4サイズのシートSの長辺が前後方向、すなわちシートSの搬送方向に沿う方向になるよう、給送トレイ21に支持される。なお、シートSのサイズはA4サイズに限定されない。また、給送トレイ21の数は、適宜変更可能である。さらに、排出トレイ22は、本体筐体20のみで形成されてもよいし、ジョイントカバーJCのみによって形成されてもよい。
【0045】
図2に示すように、本体筐体20は、その内部に、画像形成部4と、定着器5と、カッター機構100と、を有している。また、本体筐体20の内部には、各々一点鎖線にて示す搬送経路201と、分岐経路200とが設けられている。搬送経路201は、給送トレイ21に載置されたシートSを、画像形成部4を経由してカッター機構100へ搬送し、カッター機構100により切断された第1シート及び第2シートを排出トレイ22へ向けて搬送するための経路である。分岐経路200は、搬送経路201とは別に、カッター機構100により切断されていないシートSを排出トレイ22へ向けて搬送するための経路である。カッター機構100は、後に詳述するように、定着器5によってトナー像が定着されたシートSを切断する刃であって、交換可能な刃を有しており、当該刃は、後に詳述するように、ユーザにより、開口Kを介して交換され得る。
【0046】
分岐経路200のシートSの搬送開始地点は、搬送経路201との合流位置Cである。合流位置Cは、第1排出ローラ36及び第3排出ローラ40よりも搬送方向の上流に設けられている。また、分岐経路200は、搬送経路201の下方に配置されている。また、合流位置Cの近傍には、シートSを搬送経路201または分岐経路200に振り分けるためのフラッパ8が設けられている。フラッパ8は、実線で示す第1位置に位置する場合は、シートSを分岐経路200に振り分ける。また、フラッパ8は、破線で示す第2位置に位置する場合は、シートSを搬送経路201に振り分ける。フラッパ8は、例えば、図示しない駆動モータからの駆動力により、動作するように構成されている。
【0047】
また、本体筐体20の内部には、ピックアップローラ31、分離ローラ32、紙粉取りローラ33、レジストレーションローラ34、ローラ35、第1排出ローラ36、第2排出ローラ37、及び第3排出ローラ40を有している。
【0048】
ピックアップローラ31は、給送トレイ21内のシートSをピックアップして、搬送経路201に向けてシートSを搬送する。分離ローラ32は、ピックアップローラ31がピックアップしたシートSを1枚ずつ分離する。紙粉取りローラ33は、シートSの表面上の紙粉等を除去する。
【0049】
搬送経路201において、画像形成部4よりも上流側には、感光ドラム61に最も近い搬送ローラであるレジストレーションローラ34が配置されている。レジストレーションローラ34は、シートSの先端の方向を揃えた後、画像形成部4へ向けてシートSを搬送する。ローラ35は、定着器5を通過した後のシートSを、第1排出ローラ36側へ搬送する。
【0050】
搬送経路201において、合流位置Cよりも下流側には、第1排出ローラ36及び第2排出ローラ37が配置されている。カッター機構100を挟んだ上流位置及び下流位置に、第1排出ローラ36及び第2排出ローラ37がそれぞれ配置されている。
【0051】
分岐経路200において、合流位置Cよりも下流側には、第3排出ローラ40が配置されている。第1排出ローラ36、第2排出ローラ37、及び第3排出ローラ40は、回転することにより、シートSを前方に向かって搬送して排出トレイ22に排出する。換言すれば、排出ローラとしての第1排出ローラ36、第2排出ローラ37、及び第3排出ローラ40は、給送トレイ21の着脱方向に沿ってシートSを排出する。
【0052】
画像形成部4は、感光ドラム61と、トナー収容部62と、供給ローラ63と、現像ローラ64と、図示しない帯電器と、転写ローラTRと、レーザユニット7と、を有している。感光ドラム61は、図示しないメインモータから伝達される駆動力により回転することにより、シートSを搬送方向に搬送する。換言すれば、感光ドラム61は、左右方向である回転軸方向を中心に回転可能であり、シートSと接することにより、前後方向と同じ搬送方向にシートSを搬送する。トナー収容部62には、図示しないトナーが収容されている。供給ローラ63は、トナー収容部62の内部からのトナーを現像ローラ64に供給する。
【0053】
感光ドラム61に対向する位置には、転写ローラTRが配置されている。転写ローラTRは、転写回転体の一例であり、搬送経路201における感光ドラム61との間に転写ニップを形成する。なお、転写ローラTRの代わりに、転写ベルトを用いてもよい。
【0054】
本体筐体20は、その内部における上部に、レーザユニット7を有している。レーザユニット7は、周知のように、ポリゴンミラー、レーザ発光部、レンズ及び反射鏡等を有している。レーザユニット7は、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光が、帯電器によって表面を一様に帯電された感光ドラム61の表面で高速走査されることにより、感光ドラム61の表面を露光する。
【0055】
感光ドラム61の表面は、レーザユニット7により露光されることにより、画像データに基づく静電潜像が形成される。現像ローラ64は、感光ドラム61の表面に形成された静電潜像にトナーを供給することで、感光ドラム61の表面にトナー像を形成する。
【0056】
転写ローラTRには、図示しない電圧印加部により転写電圧が印加される。転写ローラTRは、感光ドラム61との間でシートSを搬送することで、感光ドラム61の表面に形成されたトナー像を、転写ニップを通過するシートSに転写する。このようにして、感光ドラム61は、シートSにトナー像を形成することにより、画像形成部4では、シートSへの画像形成が行われる。
【0057】
搬送経路201において、画像形成部4よりも下流側には、定着器5が配置されている。定着器5は、例えば、ヒータ53を含む加熱ローラ51と、加圧ローラ52と、を有している。加熱ローラ51は、シートSを加熱する。加圧ローラ52は、加熱ローラ51との間でニップを形成し、シートSを加圧する。加熱ローラ51は、加圧ローラ52に従動して回転する。ヒータ53は、例えば、ハロゲンヒータを含んでおり、加熱ローラ51を加熱する。
【0058】
図2及び
図3に示すように、定着器5は、加熱ローラ51によりシートSを加熱して、加圧ローラ52を回転させることにより、加熱ローラ51及び加圧ローラ52によりシートSを加圧しながら搬送して、画像形成部4によりシートSに形成されたトナー像をシートSに定着させる。
【0059】
搬送経路201において、定着器5及び合流位置Cよりも下流側にある第1排出ローラの下流側に、シートSを切断可能なカッター機構100が配置されている。具体的にいえば、カッター機構100は、ケーシング81の下方で本体筐体20とジョイントカバーJCとにまたがって、本体筐体20とジョイントカバーJCで覆われるよう収容されている。また、本体筐体20は、定着器5を収容するとともに、感光ドラム61と帯電器とを一体化したドラムカートリッジ及びトナー収容部62と現像ローラ64とを一体化した現像カートリッジを含んだプロセスカートリッジを交換可能に収容している。具体的にいえば、プロセスカートリッジは、前後方向に沿って移動可能に本体筐体20に収容されている。換言すれば、感光ドラム61は、回転軸方向と直交する直交方向で、筐体1Kに対して着脱可能に構成されている。
【0060】
〔スキャナ部3の構成〕
図1乃至
図3に示すように、スキャナ部3は、ケーシング81と、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)82と、原稿カバー83とを有している。なお、スキャナ部3は、カラー画像及びモノクロ画像の読み取りが可能であってもよいし、モノクロ画像のみの読み取りが可能であってもよい。
【0061】
ケーシング81の上面には、自動原稿送り装置82と原稿カバー83との間に、図示しないコンタクトガラスが設けられており、原稿としての図示しないシートと接してシートを支持するよう構成されている。ケーシング81は、コンタクトガラスに支持された原稿としての図示しないシートの画像を読み取る画像読取センサ87を収容している。
【0062】
具体的にいえば、ケーシング81の内部には、底板81Aの上方に、例えば、コンタクトイメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)を用いた画像読取センサ87が配置されている。画像読取センサ87では、シートSの搬送方向と同じ方向である主走査方向に複数の読取素子が一列に並んで配置され、コンタクトガラスに支持された原稿からの反射光を電気信号に変換して出力する。なお、本実施形態においては、主走査方向は、前後方向と一致する。また、画像読取センサ87は、電荷結合素子(CCD:Charged Coupled Device)などの他の撮像素子を使用し得る。
【0063】
また、
図3に示すように、画像読取センサ87は、センサキャリッジ88に保持されている。センサキャリッジ88は、両端を一対のガイドレール89(
図3では、後側のガイドレール89を示している。)に対してスライド可能に支持されている。ガイドレール89は、主走査方向と直交する副走査方向に延び、両端部がケーシング81に固定されている。また、センサキャリッジ88の下側には、センサキャリッジ88を移動させる第2モータM2が配置されている。
【0064】
第2モータM2の駆動力は、センサキャリッジ88と第2モータM2との間に配置された駆動プーリ91に伝達される。従って、駆動プーリ91は、第2モータM2の駆動力を受けて、正転及び逆転に回転可能である。
【0065】
従動プーリ92は、ガイドレール89の副走査方向の右端側に設けられている。駆動プーリ91と従動プーリ92との間にはタイミングベルト93が巻きかけられている。また、タイミングベルト93には、センサキャリッジ88が固定されている。これにより、タイミングベルト93の回転に対応してセンサキャリッジ88が副走査方向にスライド移動するようになっている。
【0066】
詳しくは、第2モータM2を正転させると、センサキャリッジ88が副走査方向の左方側から右方側に向けてスライド移動し、第2モータM2を逆転させると、センサキャリッジ88が副走査方向の右方側から左方側に向けてスライド移動するようになっている。そして、センサキャリッジ88がコンタクトガラスに対向して副走査方向に移動することによって、コンタクトガラス上に載置された原稿の一方の面が画像読取センサ87によって読み取られる。
【0067】
また、自動原稿送り装置82と原稿カバー83とは、互いに一体的に設けられており、上述したように、第2筐体を構成している。また、自動原稿送り装置82と原稿カバー83とは、図示しない回動機構によって第1筐体としてのケーシング81に対して、上方に回動可能に設けられて、ケーシング81の上面を開閉する。また、自動原稿送り装置82は、原稿トレイ82Aと、第3モータM3と、を有している。自動原稿送り装置82では、第3モータM3の駆動力を用いて、原稿トレイ82Aにセットされた原稿を原稿カバー83とケーシング81の上面のコンタクトガラスとの間に送出する。
【0068】
〔カッター機構100の構成〕
次に、
図5及び
図6も参照して、カッター機構100について具体的に説明する。
図5は、
図3に示したカッター機構100の構成例を説明する図である。
図6は、
図5に示したカッターキャリッジ76の構成例を説明する図である。なお、
図5は、
図3と反対側の前側からカッター機構100を見た場合でのカッター機構100の要部構成例を示している。
【0069】
図5及び
図6に示すように、カッター機構100は、支持ガイド71と、スライドレール72と、固定刃100Aと、移動刃100Bと、カッターキャリッジ76と、第1モータM1と、駆動プーリ77と、従動プーリ78と、プーリベルト79と、を有している。
【0070】
支持ガイド71は、シートSの搬送方向と直交する方向である副走査方向に延びている。本実施形態の場合、副走査方向は、左右方向であり、感光ドラム61の回転軸方向である。また、回転軸方向は、シートSの幅方向にも相当する。スライドレール72は、支持ガイド71に形成された回転軸方向に延びるレールである。支持ガイド71には、固定刃100Aの上方に、空間74が形成されている。支持ガイド71では、空間74をシートSが通過するようになっている。
【0071】
また、
図3に示すように、カッター機構100においては、支持ガイド71を上方から保護するカッターカバー73が、支持ガイド71のシートSの搬送方向における上流側に取り付けられている。カッターカバー73は、シートSが通過する空間74に対向する位置に、副走査方向に延びるスリット75が形成され、シートSが空間74に進入可能に構成されている。カッターカバー73は、スキャナ部3の下面を構成するケーシング81の底板81Aにボルト等によって取り付けられている。
【0072】
固定刃100Aは、例えば、平板状に構成されるとともに、支持ガイド71に固定されて回転軸方向に延びた刃である。移動刃100Bは、円板状の刃であり、空間74を超えて固定刃100A側に突出するようにカッターキャリッジ76に回転自在に設けられている。具体的にいえば、移動刃100Bは、交換可能な刃であって、回転軸方向、つまり左右方向であって、シートSの搬送方向と直交する方向に移動して、空間74を通過したシートSを固定刃100Aと共に切断する。
【0073】
本実施形態においては、例えば、A4サイズのシートSが搬送された場合、シートSの搬送方向における中央位置がカッター機構100の固定刃100A及び移動刃100Bの位置に搬送されて停止することで、A4サイズ(210mm×297mm)から二等分されたA5サイズ(210mm×148mm)の第1シートと第2シートとに切断される。本実施形態では、レターサイズ(216mm×279mm)のシートSも切断可能であり、切断後の第1シート及び第2シートとは、(216mm×139mm)となる。
【0074】
カッターキャリッジ76は、スライドレール72と係合し、スライドレール72に沿って、スライド移動可能に支持ガイド71に取り付けられている。具体的にいえば、
図6に示すように、カッターキャリッジ76は、移動刃100Bを回転自在に支持する支持部材76Aと、支持部材76Aよりも開口Kに向かって突出するように支持部材76Aに連結されて、開口Kを介してユーザが把持可能な把持部材76Bと、を有している。また、カッターキャリッジ76は、支持部材76A及び把持部材76Bがそれぞれ上部側及び下部側に設けられるとともに、プーリベルト79に連結された状態で、スライド移動可能に支持ガイド71に取り付けられたキャリッジ本体76Hを有している。また、カッターキャリッジ76は、支持部材76Aと把持部材76Bとの間のキャリッジ本体76Hの中央部に設けられるとともに、スライドレール72に沿って移動自在に係合された係合部76Cを有している。
【0075】
カッターキャリッジ76は、
図5に示すように、シートSを切断する切断領域CAと、切断領域CAの開口K側に設けられて、少なくとも移動刃100Bを交換可能な交換位置KPとに移動可能になっている。カッターキャリッジ76がスライドレール72に沿って切断領域CAを移動することにより、1枚のシートSが固定刃100Aと移動刃100Bとに挟まれて第1シートと第2シートとに切断される。
【0076】
また、カッターキャリッジ76は、交換位置KPに位置したときに、開口Kを介して操作可能に構成されている。具体的にいえば、交換位置KPは、筐体1Kの右側面に設けられた開口Kの近傍に設置されており、
図1に示したように、カバーKCが開口Kを開いた状態では、カッターキャリッジ76は筐体1Kに対し開口Kを介して着脱可能となっている。より具体的にいえば、ユーザは、交換位置KPに位置するカッターキャリッジ76の把持部材76Bを把持することにより、カッターキャリッジ76を支持ガイド71及びプーリベルト79から取り外して、開口Kを介して筐体1Kの外部に引き出すことができるようになっている。
【0077】
さらに、カッターキャリッジ76では、筐体1Kの外部において、ユーザが移動刃100Bを支持部材76Aから取り外して、新たな移動刃100Bを支持部材76Aに取り付けることにより、移動刃100Bの交換作業を実施することができるよう構成されている。換言すれば、カッター機構100の移動刃100Bは、開口Kを介して交換可能である。なお、開口Kが配置された筐体1Kの右側面は、給送トレイ21の着脱方向と直交する直交方向を向く筐体1Kの面の一例である。
【0078】
また、開口Kは、左右方向である、カッターキャリッジ76の回転軸方向側に位置している。これにより、ユーザは、開口Kを介してカッターキャリッジ76を確実に視認することができ、カッターキャリッジ76に支持された移動刃100Bの交換作業を容易に行うことができる。
【0079】
なお、上記の説明以外に、新たな移動刃100Bに交換する際に、新たな移動刃100Bを備えるカッターキャリッジ76単位に交換してもよい。
【0080】
また、カッター機構100では、例えば、図示しない制御部が、カッター機構100の動作回数、すなわちシートSの切断回数をカウントしており、制御部がそのカウント値が予め設定された閾値に達したことを判別すると、カッター機構100では、制御部からの指示に従って、カッターキャリッジ76を交換位置KPに移動させる。さらに、本実施形態では、制御部は、画像形成装置1を停止状態とすることにより、移動刃100Bの交換を促したり、あるいは表示部121に移動刃100Bの交換を促す表示を行わせたりするようになっており、移動刃100Bを適切なタイミングで交換可能になっている。なお、この説明以外に、例えば、ユーザが、操作部122を操作することにより、カッターキャリッジ76を交換位置KPに移動させてもよい。
【0081】
駆動プーリ77は、左右方向における左側に設けられている。駆動プーリ77は、第1モータM1の駆動力を受けて、正転及び逆転に回転可能である。従動プーリ78は、支持ガイド71の副走査方向の一方側に設けられている。プーリベルト79は、駆動プーリ77及び従動プーリ78に巻き掛けられている。これにより、プーリベルト79の回転に対応してカッターキャリッジ76が副走査方向にスライド移動するようになっている。詳しくは、第1モータM1を正転させると、カッターキャリッジ76が副査方向の一方側から他方側に向けてスライド移動し、第1モータM1を逆転させると、カッターキャリッジ76が副走査方向の他方側から一方側に向けてスライド移動するようになっている。
【0082】
以上のように構成された本実施形態の画像形成装置1では、右側面に配置された開口Kに対して、カバーKCを開いた状態とすることにより、開口Kを介してカッター機構100の移動刃100Bを交換することができる。これにより、本実施形態の画像形成装置1では、上記従来例と異なり、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを抑制することができる。また、本実施形態の画像形成装置1では、第1シート及び第2シートは、各々優れた切断品質を有するので、これらの第1シート及び第2シートの印刷品質の低下も抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態の画像形成装置1では、開口Kは、筐体1KのジョイントカバーJCの外側表面であって、給送トレイ21の着脱方向と直交する直交方向を向く筐体1Kの右側面に配置されている。これにより、本実施形態の画像形成装置1では、開口Kを介してカッター機構100の移動刃100Bを確実に交換することができ、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。また、本実施形態の画像形成装置1では、開口Kが、前面と後面とをつなぐ面を右側面に配置されているので、移動刃100Bの交換時以外は、カッターキャリッジ76を視認する必要がなく、不要なカバーKCの開放動作が行われるのを抑えることができる。
【0084】
また、本実施形態の画像形成装置1では、カッターキャリッジ76は、移動刃100Bを支持する支持部材76Aと、開口Kを介して把持可能な把持部材76Bとを有しており、開口Kを介して操作可能に構成されている。これにより、本実施形態の画像形成装置1では、ユーザは、カバーKCを開いた状態として、把持部材76Bを把持することによって移動刃100B及びカッターキャリッジ76を筐体1Kの外部に引き出すことができ、少なくとも移動刃100Bの交換作業を容易に行うことができる。したがって、本実施形態の画像形成装置1では、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを容易に抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態の画像形成装置1では、交換位置KPが、切断領域CAの開口K側に設定されている。これにより、本実施形態の画像形成装置1では、少なくとも移動刃100Bは開口Kに近い交換位置KPで交換可能となって、移動刃100Bの交換作業を容易に行うことができる。
【0086】
また、本実施形態の画像形成装置1では、筐体1Kの内部には、給送トレイ21の着脱方向に沿ってシートSを排出する第1排出ローラ36、第2排出ローラ37、及び第3排出ローラ40が配置されている。また、感光ドラム61は、回転軸方向を中心に回転可能であって、回転軸方向と直交する直交方向で、筐体1Kに対して着脱可能に構成されている。これにより、本実施形態では、給送トレイ21及び感光ドラム61の着脱方向にシートSを排出する画像形成装置1において、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを抑制することができる。
【0087】
なお、上記の説明以外に、カッターキャリッジ76のうち、少なくとも移動刃100Bを、開口Kを介して視認可能に構成して、ユーザがその視認結果を基に移動刃100Bの劣化の程度を判別する。そして、ユーザが、判別結果に基づいて、少なくとも移動刃100Bの交換作業を行う構成でもよい。
【0088】
〔変形例1〕
本開示の変形例1について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。なお、変形例1では、図面の簡略化のために、カバーKCの図示及び画像形成装置1の内部構成の図示は省略している(後掲の変形例2乃至4においても同様。)。
【0089】
図7は、本開示の変形例1に係る画像形成装置1での開口Kの位置を説明する図である。
図7において、本変形例1と実施形態との主な相違点は、画像形成装置1の左側面側のジョイントカバーJCに開口Kを形成した点である。
【0090】
図7において、本変形例1では、筐体1Kは、感光ドラム61と定着器5とを収容した第1筐体としての本体筐体20と、シートSの画像を読み取る画像読取センサ87を収容した第2筐体としてのケーシング81と、本体筐体20とケーシング81との間に位置し、本体筐体20とケーシング81とを連結するジョイントカバーJCと、を有している。また、本変形例1では、
図7に示すように、開口Kは、少なくともジョイントカバーJCに形成されている。具体的にいえば、開口Kは、画像形成装置1の左側面において、ジョイントカバーJCとケーシング81とに亘って形成されている。
【0091】
以上の構成により、本変形例1では、実施形態と同様な効果を奏する。また、本変形例1では、少なくともジョイントカバーJCに形成された開口Kを介してカッター機構100の移動刃100Bを確実に交換することができ、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。また、本変形例1では、開口Kが、前面と後面とをつなぐ面を左側面に配置されているので、移動刃100Bの交換時以外は、カッターキャリッジ76を視認する必要がなく、不要なカバーKCの開放動作が行われるのを抑えることができる。
【0092】
また、本変形例1では、開口Kが、ジョイントカバーJCとケーシング81とに亘って形成されているので、開口Kでの開口面積を大きくすることができる。したがって、本変形例1では、移動刃100Bを交換する場合でも、より大きな作業空間を確保することができ、移動刃100Bの交換作業を容易に行うことができる。
【0093】
なお、上記の説明以外に、ジョイントカバーJCと、第1筐体または第2筐体の少なくとも一方とに亘って開口Kを形成する構成でもよい。
【0094】
〔変形例2〕
本開示の変形例2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態及び変形例1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0095】
図8は、本開示の変形例2に係る画像形成装置1での開口Kの位置を説明する図である。
図8において、本変形例2と変形例1との主な相違点は、ジョイントカバーJC(筐体1K)の前面に開口Kを配置した点である。
【0096】
図8に示すように、本変形例2では、開口Kは、少なくともジョイントカバーJCに形成されている。具体的にいえば、開口Kは、給送トレイ21の引き出し方向に設けられた面であって、画像形成装置1の前面において、ジョイントカバーJCとケーシング81とに亘って形成されている。
【0097】
以上の構成により、本変形例2では、変形例1と同様な効果を奏する。また、本変形例2では、開口Kが筐体1Kの前面に配置されているので、カッター機構100の移動刃100Bの確実な交換を容易に行うことができる。これにより、本変形例2では、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0098】
なお、上記の説明では、給送トレイ21の引き出し方向に位置する面を画像形成装置1の前面としており、かつ、シートSが排出される下流側に位置する面、操作パネル110の設置位置、またはプロセスカートリッジを交換するための交換口が位置する面を、画像形成装置1の前面としていたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、操作パネル110が位置する面に対して、シートSは、この面と直交する面に向かって排出される画像形成装置1においては、操作パネル110が位置する面を前面として、本開示を適用してもよい。
【0099】
〔変形例3〕
本開示の変形例3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態及び変形例1及び2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0100】
図9は、本開示の変形例3に係る画像形成装置1での開口Kの位置を説明する図である。
図9において、本変形例3と変形例1との主な相違点は、ジョイントカバーJC(筐体1K)の後面に開口Kを配置した点である。
【0101】
図9に示すように、本変形例3では、開口Kは、少なくともジョイントカバーJCに形成されている。具体的にいえば、開口Kは、給送トレイ21の押し込み方向に設けられた面であって、画像形成装置1の後面において、ジョイントカバーJCとケーシング81とに亘って形成されている。
【0102】
以上の構成により、本変形例3では、変形例1と同様な効果を奏する。また、本変形例3では、開口Kが筐体1Kの後面に配置されているので、カッター機構100の移動刃100Bを確実に交換することができる。これにより、本変形例3では、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。また、本変形例3では、開口Kが、後面に配置されているので、移動刃100Bの交換時以外は、カッターキャリッジ76を視認する必要がなく、不要なカバーKCの開放動作が行われるのを抑えることができる。
【0103】
〔変形例4〕
本開示の変形例4について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態及び変形例1乃至変形例3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0104】
図10は、本開示の変形例4に係る画像形成装置1での開口Kの位置を説明する図である。
図10において、本変形例4と変形例1との主な相違点は、ジョイントカバーJCがなく、第1筐体としての本体筐体20が、第2筐体としてのケーシング81を支持する構成であって、本体筐体20の上面20Aに開口Kを配置した点である。
【0105】
図10に示すように、本変形例4では、開口Kが、本体筐体20の上面20Aに配置されている。この上面20Aは、本体筐体20のケーシング81側の表面であり、
図10に示すように、ケーシング81が、本体筐体20に対して回動されて、本体筐体20の排出トレイ22等の上部構造を露出している場合には、ユーザに視認可能となる面である。また、ケーシング81が、本体筐体20に対して回動されずに、本体筐体20の上部構造を覆っている場合には、上面20Aもまた、ケーシング81の下面に覆われる。
【0106】
以上の構成により、本変形例4では、変形例1と同様な効果を奏する。また、本変形例4では、開口Kが本体筐体20の上面20Aに配置されているので、カッター機構100の移動刃100Bを確実に交換することができる。これにより、本変形例4では、カッター機構100によるシートSの切断品質が低下することを確実に抑制することができる。
【0107】
〔変形例5〕
本開示の変形例5について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態及び変形例1乃至変形例4にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0108】
図11は、本開示の変形例5に係る画像形成装置1でのカバーKCを開いた状態のカッター機構100と開口Kの位置とを説明する図である。
図12は、
図11に示したカバーKCを閉じた状態の画像形成装置1を示す側面図である。
図11において、本変形例5とそれ以外の実施例との主な相違点は、スキャナ部3がなくプリンタ部2のみであり、筐体1Kとしての本体筐体20の上面に、開口Kが配置されることである。
【0109】
図11に示すように、本変形例5では、本体筐体20の上面に開口Kが形成されており、カッター機構100の上部が開口Kを介して、本体筐体20の上面から突出した配置となっている。さらに、
図12に示すように、開口Kを含めてカッター機構100を上方から覆うように配置されたカバーKCを本体筐体20が有している。なお、
図11では、図面の簡略化のために、カッター機構100において、切断後の第1シート及び第2シートを排出トレイ22に送出するための開口の図示は省略している。
【0110】
以上の構成により、本変形例5でも、実施形態と同様な効果を奏する。
【0111】
本開示は上述した実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態及び各変形例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 画像形成装置
1K 筐体
5 定着器
20 本体筐体(第1筐体)
21 給送トレイ
36 第1排出ローラ(排出ローラ)
37 第2排出ローラ(排出ローラ)
40 第3排出ローラ(排出ローラ)
61 感光ドラム
76 カッターキャリッジ
76A 支持部材
76B 把持部材
81 ケーシング(第1筐体、第2筐体)
82 原稿自動送り装置(第2筐体)
83 原稿カバー(第2筐体)
100 カッター機構
100A 固定刃
100B 移動刃(刃)
K 開口
KC カバー
JC ジョイントカバー
S シート