(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147383
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G03G21/00 388
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060349
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森 凜太朗
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA61
2H270LA60
2H270LA87
2H270LA90
2H270LA97
2H270NA14
2H270NA15
2H270NB01
2H270NB02
2H270NB06
2H270NB09
2H270NC07
2H270NC14
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】専用のトナーパウチに収容された専用トナーの消費量に応じた課金を行う。
【解決手段】画像形成装置(1)のコントローラ(61)は、印刷指示により消費される消費量情報(624)と第1残量情報(621A)と第2残量情報(621B)とに基づき、専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定処理を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
トナーを収容するトナーパウチを外側から装着可能な本体と、
本体メモリと、
コントローラと、を備え、
前記トナーパウチは、
前記画像形成装置を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用のトナーパウチであるか、又は、前記契約の締結に関わらず使用可能な通常のトナーパウチであるか、を示す種別情報を記憶するトナーメモリを備え、
前記本体メモリには、
前記専用のトナーパウチから前記本体に補給された専用トナーであって、前記本体における専用トナーの残量を示す第1残量情報と、
前記通常のトナーパウチから前記本体に補給された通常トナーであって、前記本体における通常トナーの残量を示す第2残量情報と、が記憶され、
前記コントローラは、印刷指示により消費されるトナーの消費量と前記第1残量情報と前記第2残量情報とに基づき、前記専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定処理、を実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記本体メモリには、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を示す消費量情報が記憶されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記本体メモリに前記第1残量情報及び前記第2残量情報を記憶する順に、前記第1残量情報又は前記第2残量情報から前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算する減算処理を実行し、
前記決定処理において、前記減算処理の結果に基づき、前記課金額を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体メモリには、
前記第1残量情報及び前記第2残量情報と対応付けて、前記トナーパウチからトナーが補給された日時を示す日時情報が記憶され、
前記コントローラは、前記減算処理において、
前記第1残量情報及び前記第2残量情報のうち、日時が最も古い前記第1残量情報又は前記第2残量情報から順に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記印刷指示により消費されるトナーの消費量と、第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報とを比較する比較処理を実行し、
前記比較処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報が、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量以上であると判定した場合、前記減算処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報から、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算し、
前記比較処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報が、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量未満であると判定した場合、前記減算処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報から、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算した後、減算できなかった未減算のトナーの消費量を、前記第1日時の次に古い第2日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報から減算する、請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を、前記第1残量情報と前記第2残量情報との割合に応じて分ける案分処理と、
前記第1残量情報及び前記第2残量情報のそれぞれから、前記案分処理後のトナーの消費量を減算する案分後減算処理を実行し、
前記決定処理において、前記案分後減算処理の結果に基づき、前記課金額を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記案分後減算処理において、
前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する前記第1残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、前記第1残量情報から減算し、
前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する前記第2残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、前記第2残量情報から減算する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
本体メモリには、
前記第1残量情報及び前記第2残量情報と対応付けて、前記トナーパウチからトナーが補給された日時を示す日時情報が記憶され、
前記コントローラは、前記案分後減算処理において、
全ての前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する、各日時に対応する前記第1残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、各日時に対応する前記第1残量情報から減算し、
全ての前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する、各日時に対応する前記第2残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、各日時に対応する前記第2残量情報から減算する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記本体メモリには、
前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記最大量情報に対する、前記減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記本体メモリには、
前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記最大量情報に対する前記減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗じた値を、前記課金額として決定する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記減算処理において前記第1残量情報から減算した値を、単位枚数あたりの消費量で除算し、除算した値に単位枚数あたりの料金を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記案分後減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記本体メモリには、
前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記最大量情報に対する、前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記案分後減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記本体メモリには、
前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、
前記コントローラは、前記決定処理において、
前記最大量情報に対する前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項18】
画像形成装置の制御方法であって、
トナーを収容するトナーパウチは、
前記画像形成装置の本体の外側から装着可能であり、
前記画像形成装置を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用のトナーパウチであるか、又は、前記契約の締結に関わらず使用可能な通常のトナーパウチであり、
印刷指示により消費されるトナーの消費量と、前記専用のトナーパウチから前記本体に補給された専用トナーであって、前記本体における専用トナーの残量を示す第1残量情報と、前記通常のトナーパウチから前記本体に補給された通常トナーであって、前記本体における通常トナーの残量を示す第2残量情報と、に基づき、前記専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定ステップ、を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが事業者と契約することで、画像形成装置において契約専用の消耗品又は交換品を使用することができるサービスが存在する。このようなサービスは「サブスクリプションサービス」と呼ばれる。
【0003】
特許文献1には、識別用のコードを記憶するメモリチップを備える補給パックから貯蔵部内へトナーを補給可能な画像形成装置であって、貯蔵部内のトナー残量の低下等をトリガとして補給パックを発注する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置において、契約専用の補給パックと、契約専用ではない市販の補給パックとの使用が可能である場合、契約専用の補給パックから補給されたトナーと、市販の補給パックから補給されたトナーとが混在することがある。そのため、特許文献1の画像形成装置では、課金の管理が煩雑になる可能性がある。
【0006】
本開示は、専用のトナーパウチに収容された専用トナーの消費量に応じた課金を行うことが可能な画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様に係る画像形成装置は、トナーを収容するトナーパウチを外側から装着可能な本体と、本体メモリと、コントローラと、を備え、前記トナーパウチは、前記画像形成装置を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用のトナーパウチであるか、又は、前記契約の締結に関わらず使用可能な通常のトナーパウチであるか、を示す種別情報を記憶するトナーメモリを備え、前記本体メモリには、前記専用のトナーパウチから前記本体に補給された専用トナーであって、前記本体における専用トナーの残量を示す第1残量情報と、前記通常のトナーパウチから前記本体に補給された通常トナーであって、前記本体における通常トナーの残量を示す第2残量情報と、が記憶され、前記コントローラは、印刷指示により消費されるトナーの消費量と前記第1残量情報と前記第2残量情報とに基づき、前記専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定処理、を実行する。
【0008】
本開示の第2態様に係る画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記本体メモリには、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を示す消費量情報が記憶されている。
【0009】
本開示の第3態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記本体メモリに前記第1残量情報及び前記第2残量情報を記憶する順に、前記第1残量情報又は前記第2残量情報から前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算する減算処理を実行し、前記決定処理において、前記減算処理の結果に基づき、前記課金額を決定する。
【0010】
本開示の第4態様に係る画像形成装置は、第3態様の画像形成装置であって、前記本体メモリには、前記第1残量情報及び前記第2残量情報と対応付けて、前記トナーパウチからトナーが補給された日時を示す日時情報が記憶され、前記コントローラは、前記減算処理において、前記第1残量情報及び前記第2残量情報のうち、日時が最も古い前記第1残量情報又は前記第2残量情報から順に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算する。
【0011】
本開示の第5態様に係る画像形成装置は、第3態様又は第4態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量と、第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報とを比較する比較処理を実行し、前記比較処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報が、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量以上であると判定した場合、前記減算処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報から、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算し、前記比較処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報が、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量未満であると判定した場合、前記減算処理において、前記第1日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報から、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算した後、減算できなかった未減算のトナーの消費量を、前記第1日時の次に古い第2日時に対応する前記第1残量情報又は前記第2残量情報から減算する。
【0012】
本開示の第6態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を、前記第1残量情報と前記第2残量情報との割合に応じて分ける案分処理と、前記第1残量情報及び前記第2残量情報のそれぞれから、前記案分処理後のトナーの消費量を減算する案分後減算処理を実行し、前記決定処理において、前記案分後減算処理の結果に基づき、前記課金額を決定する。
【0013】
本開示の第7態様に係る画像形成装置は、第6態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記案分後減算処理において、前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する前記第1残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、前記第1残量情報から減算し、前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する前記第2残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、前記第2残量情報から減算する。
【0014】
本開示の第8態様に係る画像形成装置は、第6態様の画像形成装置であって、本体メモリには、前記第1残量情報及び前記第2残量情報と対応付けて、前記トナーパウチからトナーが補給された日時を示す日時情報が記憶され、前記コントローラは、前記案分後減算処理において、全ての前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する、各日時に対応する前記第1残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、各日時に対応する前記第1残量情報から減算し、全ての前記第1残量情報及び前記第2残量情報の合計に対する、各日時に対応する前記第2残量情報の割合に、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量を乗算した値を、各日時に対応する前記第2残量情報から減算する。
【0015】
本開示の第9態様に係る画像形成装置は、第3態様から第5態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記決定処理において、前記減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0016】
本開示の第10態様に係る画像形成装置は、第3態様から第5態様の何れかの画像形成装置であって、前記本体メモリには、前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、前記コントローラは、前記決定処理において、前記最大量情報に対する、前記減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0017】
本開示の第11態様に係る画像形成装置は、第3態様から第5態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記決定処理において、前記減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0018】
本開示の第12態様に係る画像形成装置は、第3態様から第5態様の何れかの画像形成装置であって、前記本体メモリには、前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、前記コントローラは、前記決定処理において、前記最大量情報に対する前記減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0019】
本開示の第13態様に係る画像形成装置は、第3態様から第5態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記決定処理において、前記減算処理において前記第1残量情報から減算した値を、単位枚数あたりの消費量で除算し、除算した値に単位枚数あたりの料金を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0020】
本開示の第14態様に係る画像形成装置は、第6態様から第8態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記決定処理において、前記案分後減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0021】
本開示の第15態様に係る画像形成装置は、第6態様から第8態様の何れかの画像形成装置であって、前記本体メモリには、前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、前記コントローラは、前記決定処理において、前記最大量情報に対する、前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合が、閾値以上である場合、単位枚数あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0022】
本開示の第16態様に係る画像形成装置は、第6態様から第8態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記決定処理において、前記案分後減算処理後の第1残量情報及び第2残量情報の合計に対する、前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0023】
本開示の第17態様に係る画像形成装置は、第6態様から第8態様の何れかの画像形成装置であって、前記本体メモリには、前記本体におけるトナーの最大収容量を示す最大量情報が記憶され、前記コントローラは、前記決定処理において、前記最大量情報に対する前記案分後減算処理後の第1残量情報の割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、前記課金額として決定する。
【0024】
本開示の第18態様に係る画像形成装置の制御方法は、画像形成装置の制御方法であって、トナーを収容するトナーパウチは、前記画像形成装置の本体の外側から装着可能であり、前記画像形成装置を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用のトナーパウチであるか、又は、前記契約の締結に関わらず使用可能な通常のトナーパウチであり、前記印刷指示により消費されるトナーの消費量と、前記専用のトナーパウチから前記本体に補給された専用トナーであって、前記本体における専用トナーの残量を示す第1残量情報と、前記通常のトナーパウチから前記本体に補給された通常トナーであって、前記本体における通常トナーの残量を示す第2残量情報と、に基づき、前記専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定ステップ、を含む。
【0025】
また、本開示の各態様に係る画像形成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記画像形成装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記画像形成装置をコンピュータにて実現させる画像形成装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【発明の効果】
【0026】
第1態様の画像形成装置によれば、コントローラは、ユーザに対して専用トナーの消費量に応じた課金を行うことを可能とする。
【0027】
第2態様の画像形成装置によれば、コントローラは、印刷指示により消費されるトナーの消費量として、本体メモリに記憶されている消費量情報を用いて、課金額を決定できる。
【0028】
第3態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナー及び通常トナーが本体に補給された順に対応するように、印刷指示により消費されるトナーの消費量から第1残量情報又は第2残量情報を減算できる。従って、コントローラは、専用トナーが補給された時期及び量に対応する残量情報の管理を行うことが可能となる。そのため、コントローラは、専用トナーが補給された時期及び量に対応する課金を行うことを可能とする。
【0029】
第4態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナー及び通常トナーが本体に補給された日時の古い順に対応するように、印刷指示により消費されるトナーの消費量から第1残量情報又は第2残量情報を減算できる。
【0030】
第5態様の画像形成装置によれば、コントローラは、印刷指示により消費されるトナーの消費量から減算する対象となる第1残量情報又は第2残量情報を、古い順に特定できる。
【0031】
第6態様の画像形成装置によれば、コントローラは、印刷指示により消費されるトナーの消費量を、第1残量情報及び第2残量情報の割合に応じて分ける。コントローラは、当該割合に応じて分けたトナーの消費量のそれぞれを、第1残量情報及び第2残量情報のそれぞれから減算する。従って、コントローラは、専用トナーが補給された時期及び量に対応する残量情報の管理を行うことが可能となる。そのため、コントローラは、専用トナーが補給された時期及び量に対応する課金を行うことを可能とする。
【0032】
第7態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナーの残量と通常トナーの残量との割合に応じて、印刷指示により消費されるトナーの消費量を案分できる。
【0033】
第8態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナーの残量と通常トナーの残量との割合に応じて、印刷指示により消費されるトナーの消費量を案分できる。
【0034】
第9態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナーの残量と通常トナーの残量との合計に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0035】
第10態様の画像形成装置によれば、コントローラは、トナーの最大収容量に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0036】
第11態様の画像形成装置によれば、画像形成装置は、専用トナーの残量と通常トナーの残量との合計に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0037】
第12態様の画像形成装置によれば、コントローラは、トナーの最大収容量に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0038】
第13態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナーの消費量に応じて、課金額を決定できる。
【0039】
第14態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナーの残量及び通常トナーの残量の合計に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0040】
第15態様の画像形成装置によれば、コントローラは、トナーの最大収容量に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0041】
第16態様の画像形成装置によれば、コントローラは、専用トナーの残量及び通常トナーの残量の合計に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0042】
第17態様の画像形成装置によれば、コントローラは、トナーの最大収容量に対する専用トナーの残量の割合に応じて、課金額を決定できる。
【0043】
第18態様の画像形成装置の制御方法は、ユーザに対して専用トナーの消費量に応じた課金を行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本開示の実施形態1における補給管理システムの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態1における補給管理システムに含まれる画像形成装置の概略図である。
【
図3】本開示の実施形態1における補給管理システムに含まれる、画像形成装置、トナーパウチ及びサーバそれぞれの内部構造を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態1における画像形成装置のコントローラによるトナーの残量の管理例を示す概略図である。
【
図5】本開示の実施形態1におけるコントローラによる、トナー補給時及びトナー消費時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の実施形態1におけるコントローラによる課金額の決定処理例を説明するための説明図である。
【
図7】本開示の実施形態2における補給管理システムに含まれる画像形成装置のコントローラによるトナーの残量の管理例を示す概略図である。
【
図8】本開示の実施形態2におけるコントローラによる、トナー補給時及びトナー消費時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の実施形態2におけるコントローラによるトナー消費時の処理の流れの別例を示すフローチャートである。
【
図10】本開示の実施形態2におけるコントローラによる課金額の決定処理例を説明するための説明図である。
【
図11】本開示の実施形態3における補給管理システムに含まれる画像形成装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
〔実施形態1〕
〔補給管理システムの概要〕
図1は、本開示の実施形態1の補給管理システムの概要を示す図である。
図1に示すように、補給管理システム100は、画像形成装置1と、サーバ8とを備えている。画像形成装置1は、画像形成装置1に対する契約の締結により提供されるサービスを実現するための装置である。「契約」とは、画像形成装置1のユーザUと事業者SPとの間で締結される契約である。
【0046】
画像形成装置1は、レーザプリンタであり、トナーを消費して印刷媒体に画像を形成することができる。印刷媒体とは、例えば、普通紙、厚紙、光沢紙、ラベル紙である。以下では、トナーを消費して印刷媒体に画像を形成することを、印刷と記載する。画像形成装置1は、トナーパウチ3からトナーを補給することができる。
【0047】
サーバ8は、画像形成装置1とネットワークNWを介して通信可能な外部の装置であって、事業者SPが管理している。サーバ8は、ネットワークNWを介して、契約の対象となる画像形成装置1からトナーパウチ3の配送要求を受け付け可能である。事業者SPは、サーバ8がトナーパウチ3の配送要求を受信すると、トナーパウチ3を画像形成装置1のユーザUへ配送する。
【0048】
〔画像形成装置の概要〕
図2は、本開示の実施形態1における補給管理システムに含まれる画像形成装置の概略図である。
図2に示すように、実施形態1に関する画像形成装置1は、モノクロレーザプリンタである。
【0049】
画像形成装置1は、本体10を備えている。本体10は、補給部12、タンク13、給紙トレイ20、ピックアップローラ21、分離ローラ22、搬送ローラ23、現像ローラ41、帯電ローラ42、転写ローラ43、感光体ドラム44、クリーニングユニット45、及び光源ユニット50を有している。また、本体10は、コントローラ61、本体メモリ62、ディスプレイ65、入力部66、定着器70、排出ローラ74、及び排出トレイ75を有している。なお、帯電ローラ42に代えて、スコロトロン型の帯電器を有する構成でもよい。
【0050】
給紙トレイ20には、印刷媒体Sが収容されている。ピックアップローラ21は、給紙トレイ20に収容されている印刷媒体Sをピックアップする。分離ローラ22は、1枚の印刷媒体Sを分離する。分離ローラ22及び搬送ローラ23は、記録媒体Sを、転写ローラ43及び感光体ドラム44の間の転写ニップに向けて搬送する。
【0051】
帯電ローラ42は、感光体ドラム44に圧接されており、感光体ドラム44の表面を均一に帯電させている。光源ユニット50は、感光体ドラム44の表面と向かい合って配置されている。光源ユニット50は、コントローラ61と電気的に接続されている。コントローラ61は、入力された画像データに応じて、感光体ドラム44の外周面に配置された感光材料を露光させる。タンク13には、トナーが収容されている。現像ローラ41は、タンク13に収容されているトナーを感光体ドラム44の外周面に供給する。トナーが供給された感光体ドラム44の外周面には、トナー像が形成される。転写ローラ43は、感光体ドラム44の外周面に形成されたトナー像を、転写ニップに搬送されてきた記録媒体Sへ転写する。クリーニングユニット45は、感光体ドラム44の表面に残存したトナーを除去する。
【0052】
定着器70は、加圧ローラ71及び加熱ローラ72を有している。加圧ローラ71は、加熱ローラ72との間でニップを形成する。加圧ローラ71は、加熱ローラ72との間のニップに記録媒体Sを搬送する。加熱ローラ72は、ヒータ73を有しており、記録媒体Sを加熱する。加圧ローラ71と加熱ローラ72との間のニップを通過した記録媒体Sには、トナー像が定着する。トナー像が定着した印刷媒体Sは、排出ローラ74により排出トレイ75に排出される。
【0053】
トナーパウチ3は、トナーを収容する収容部材である。トナーパウチ3は、ノズル30と、収容部31とを有している。収容部31は、画像形成装置1のタンク13に収容可能なトナーの量よりも多くトナーを収容することができる。収容部31に収容されているトナーは、ノズル30からタンク13へ供給可能である。
【0054】
本体10の補給部12には、本体10の外部からトナーパウチ3を装着することができる。すなわち、本体10は、トナーパウチ3を外側から装着可能な部材である。補給部12は、装着されたトナーパウチ3のノズル30から本体10のタンク13へトナーを補給する。補給部12は、例えば、タンク13へのトナーの補給経路、補給経路を開閉するバルブ、トナーをタンク13へ吸引するポンプ等を有している。
【0055】
コントローラ61は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。コントローラ61は、種々のプログラムを実行することによって、画像形成装置1の各部を制御し、画像形成装置1の各部に印刷処理及びそれに付随する処理を行わせる。本体メモリ62は、例えばフラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)(登録商標)である。
【0056】
ディスプレイ65は、例えば、本体10の外表面に配置されている。ディスプレイ65には、コントローラ61の制御のもと、画像形成装置1の操作画面等が表示される。入力部66は、ユーザUが操作入力を行うための入力部材である。入力部66は、例えば、本体10の外表面に設けられた操作ボタンである。ディスプレイ65は、タッチパネルであってもよい。ディスプレイ65がタッチパネルである場合、入力部66には、ユーザUがタッチパネルに触れた位置を検出するタッチセンサが含まれる。
【0057】
〔画像形成装置の内部構造〕
図3は、画像形成装置1、トナーパウチ3及びサーバ8それぞれの内部構造を示すブロック図である。
【0058】
図3に示すように、トナーパウチ3は、トナーメモリ32及び第3通信部33を更に有している。トナーメモリ32は、例えば、ICタグである。トナーメモリ32は、残量情報91及び種別情報92を記憶している。残量情報91は、トナーパウチ3の収容部31に収容されているトナーの残量を示す情報である。
【0059】
種別情報92は、トナーパウチ3が専用のトナーパウチであるか、又は、通常のトナーパウチであるかを示す情報である。専用のトナーパウチは、画像形成装置1を対象とする契約が締結されている場合に使用可能なトナーパウチである。通常のトナーパウチは、画像形成装置1を対象とする契約が締結されているかに関わらず使用可能なトナーパウチである。
【0060】
画像形成装置1は、上記契約が締結されている場合、専用のトナーパウチも通常のトナーパウチも使用できる。画像形成装置1は、上記契約の締結前及び上記契約の解除後には、通常のトナーパウチのみ使用できる。但し、画像形成装置1は、上記契約の解除後であっても、タンク13に残っている専用トナーについては使用できる。本明細書では、専用のトナーパウチに収容されているトナーを「専用トナー」と称する場合もある。また、通常のトナーパウチに収容されているトナーを「通常トナー」と称する場合もある。
【0061】
画像形成装置1は、本体メモリ62、第1通信部63、及び第2通信部64を更に有している。
【0062】
本体メモリ62には、残量情報621と、種別情報622と、日時情報623と、消費量情報624と、モード情報625と、最大量情報626とが記憶されている。最大量情報626は、タンク13におけるトナーの最大収容量を示す情報である。
【0063】
残量情報621は、タンク13に収容されているトナーの残量を示す情報である。残量情報は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成されている。残量情報は、例えば「100%」~「0%」等の数値であってもよい。
【0064】
残量情報621は、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを含む。第1残量情報621Aは、専用のトナーパウチからタンク13に補給された専用トナーであって、タンク13における専用トナーの残量を示す残量情報である。第2残量情報621Bは、通常のトナーパウチからタンク13に補給された通常トナーであって、タンク13における通常トナーの残量を示す残量情報である。
【0065】
種別情報622は、補給部12に装着されたトナーパウチ3が、専用のトナーパウチであるか、又は、通常のトナーパウチであるかを示す情報である。コントローラ61は、補給部12に装着されたトナーパウチ3のトナーメモリ32から読み出した種別情報92を、種別情報622として本体メモリ62に記憶する。
【0066】
日時情報623は、トナーパウチ3からトナーが補給された日時を示す情報である。日時情報623は、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bと対応付けて、本体メモリ62に記憶される。コントローラ61は、時計機能を有する。コントローラ61は、例えば、第2通信部64と第3通信部33とが通信を開始したとき、バルブを開いてポンプを駆動したとき、又は、バルブを閉じてポンプの駆動を停止したときの日時を、トナーが補給された日時として特定してもよい。コントローラ61は、例えば、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを本体メモリ62に記憶する日時を、トナーが補給された日時として特定してもよい。
【0067】
消費量情報624は、印刷指示により消費されるトナーの消費量を示す情報である。本体メモリ62には、単位枚数あたりのトナーの消費量を示す情報が予め設定されている。従って、コントローラ61は、入力部66を介して入力された印刷指示に含まれる印刷枚数を特定することにより、1回の印刷処理により消費されるトナーの消費量を算出できる。
【0068】
モード情報625は、画像形成装置1の動作モードを示す情報である。本実施形態では、モード情報625は、画像形成装置1が契約されたことを意味する「契約モード」と、画像形成装置1が契約されていないか、契約が解除済であることを意味する「通常モード」との2種類のモードのいずれかであることを示す。
【0069】
第1通信部63は、サーバ8のサーバ通信部83との間で情報の送受信を行う通信インタフェースである。第1通信部63は、
図1に示したネットワークNWを介して、サーバ8のサーバ通信部83との間で情報の送受信を行う。
【0070】
画像形成装置1の第2通信部64及びトナーパウチ3の第3通信部33は、例えば、電気接点を有している。第2通信部64は、例えば、補給部12に設けられている。第3通信部33は、例えば、トナーパウチ3のノズル30に設けられている。トナーパウチ3が補給部12に装着されると、第3通信部33が第2通信部64に接触し、電気的に接続される。コントローラ61は、第2通信部64を介して、補給部12に装着されたトナーパウチ3のトナーメモリ32に対して情報の書き込み、及び情報の読み出しを実行することができる。
【0071】
サーバ8は、サーバ制御部81と、サーバメモリ82と、サーバ通信部83とを有している。サーバ制御部81は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えている。サーバメモリ82は、サーバ制御部81が実行するプログラムを記憶している。サーバ通信部83は、画像形成装置1の第1通信部63との間で情報の送受信を行う通信インタフェースである。サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶されたプログラムを実行することにより、サーバ通信部83を介して受信したトナーパウチ3の配送要求を処理する。
【0072】
〔トナー残量の管理例〕
図4は、コントローラ61によるトナーの残量の管理例を示す概略図である。
図4(A)は、タンク13が満杯となるまで、トナーパウチ3からタンク13にトナーを補給する場合の、トナーの残量の管理例を示す。
図4(B)は、タンク13が満杯となる前に、トナーパウチ3からタンク13へのトナーの補給を停止する場合の、トナーの残量の管理例を示す。
【0073】
以下の管理例の説明において、日時D1,D2,D3,D4は、日時情報623が示す日時であり、日時D1,D2,D3,D4において、日時D1が最も古い日時であり、日時D4が最も新しい日時であるものとする。また、管理例の説明において、トナーパウチ3は専用のトナーパウチである。実施形態2で説明する
図7についても同じである。
【0074】
本実施形態では、以下の管理例1-1,1-2に示すように、コントローラ61は、日時が最も古い第1残量情報621A又は第2残量情報621Bから順に、印刷指示により消費されるトナーの消費量を減算する減算処理を実行する。
【0075】
〔管理例1-1:タンクが満杯となるまでトナーを補給する場合〕
図4(A)では、画像形成装置1に対する契約の開始前の日時D1において、通常トナーの残量情報を示す第2残量情報621Bが100%を示すものとする。すなわち、符号1001に示すように、画像形成装置1に対する契約の開始時において、本体メモリ62には、日時D1に対応付けて、100%を示す第2残量情報621Bが記憶されている。また、上記契約の開始時において、第1残量情報621Aは本体メモリ62に記憶されていない。
【0076】
次に、コントローラ61が印刷処理により50%分のトナーを消費する場合、符号1002に示すように、コントローラ61は、日時情報623が示す日時のうち最も古い日時D1に対応づけられた第2残量情報621Bを100%から50%に書き換える。
【0077】
次に、タンク13が満杯になるまで、タンク13に専用トナーが補給される。本管理例では、画像形成装置1は、タンク13が満杯になったことを検出する満杯センサを備えている。満杯センサは、例えば、タンク13内に設けられている。満杯センサによりタンク13が満杯になったことを検出されたとき、コントローラ61は、バルブ及びポンプを制御して、トナーパウチ3からタンク13へのトナーの供給を停止する。
【0078】
符号1002の時点では、コントローラ61は、タンク13に50%分のトナーを補給できる。そのため、符号1003では、コントローラ61は、新たに日時D2に対応付けて、50%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶する。
【0079】
次に、コントローラ61が、印刷処理により50%分のトナーを消費する場合、符号1004において、コントローラ61は、日時情報623が示す日時のうち最も古い日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bを50%から0%に書き換える。
【0080】
次に、タンク13が満杯になるまで、タンク13に専用トナーが補給される。符号1004の時点では、コントローラ61は、タンク13に50%分のトナーを補給できる。そのため、符号1005では、コントローラ61は、新たに日時D3に対応付けて、50%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶する。
【0081】
この時点において、日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bは0%、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aは50%、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aは50%である。
【0082】
次に、画像形成装置1に対する契約が解除されたものとする。契約解除後に、コントローラ61が、印刷処理により50%分のトナーを消費する場合を考える。符号1006において、日時情報623が示す日時のうち最も古い日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bが0%を示すため、コントローラ61は、第2残量情報621Bから50%の消費分を減算できない。そのため、コントローラ61は、日時D1の次に古い日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aを50%から0%に書き換える。
【0083】
次に、符号1007において、コントローラ61は、タンク13にトナーを補給する。画像形成装置1に対する契約が解除されているため、タンク13に専用トナーを補給できない。そのため、タンク13には、タンク13が満杯になるまで、通常トナーが補給される。符号1006の時点では、コントローラ61は、タンク13に50%分のトナーを補給できる。そのため、符号1007では、コントローラ61は、新たに日時D4に対応付けて、50%を示す第2残量情報621Bを、本体メモリ62に記憶する。
【0084】
〔管理例1-2:タンクが満杯となる前にトナーの補給を停止する場合〕
図4(B)の符号1011では、画像形成装置1に対する契約の開始時において、本体メモリ62には、日時D1に対応付けて、100%を示す第2残量情報621Bが記憶されている。また、上記契約の開始時において、第1残量情報621Aは本体メモリ62に記憶されていない。次に、コントローラ61が、印刷処理により50%分のトナーを消費する場合、符号1012に示すように、コントローラ61は、日時情報623が示す日時のうち最も古い日時D1に対応づけられた第2残量情報621Bを100%から50%に書き換える。
【0085】
本管理例では、タンク13にトナーを補給するときに、コントローラ61は、タンク13が満杯となるまでタンク13にトナーを補給しないことを許容している。本管理例では、コントローラ61は、例えば、ポンプがトナーパウチ3からトナーの吸引を開始してから停止するまでのポンプの駆動時間を測定してもよい。コントローラ61は、測定した駆動時間に基づき、タンク13に補給されたトナーの補給量を算出してもよい。単位時間あたりのトナーの吸引量を示す情報が、本体メモリ62に記憶されていてもよい。
【0086】
また例えば、画像形成装置1は、タンク13へのトナーの補給経路を通過するトナーの流量を検出する流量センサを備えていてもよい。流量センサは、例えば、補給経路の途中であって、バルブとタンク13との間に設けられていてもよい。コントローラ61は、ポンプの駆動中に流量センサが検出した流量を、タンク13に補給されたトナーの補給量として特定してもよい。
【0087】
コントローラ61は、タンク13が満杯であるときを100%とした場合に、トナーの補給量がタンク13においてどの程度の割合に相当するかを算出する。これにより、コントローラ61は、トナーの補給量を用いて、本体メモリ62の残量情報621を更新できる。また、コントローラ61は、トナーパウチ3が満杯であるときを100%とした場合に、トナーの補給量がトナーパウチ3においてどの程度の割合に相当するかを算出する。これにより、コントローラ61は、トナーの補給量を用いて、トナーメモリ32の残量情報91を更新できる。コントローラ61は、上記管理例1-1においても、トナーの補給量がトナーパウチ3においてどの程度の割合に相当するかを算出して、残量情報91を更新してもよい。
【0088】
本管理例では、コントローラ61は、例えば、ディスプレイ65に、本体メモリ62の残量情報を表示してもよい。コントローラ61は、入力部66を介してトナーの供給を停止する操作を受け付けた場合、コントローラ61は、バルブ及びポンプを制御して、タンク13へのトナーの供給を停止してもよい。これにより、ユーザは、所望する量のトナーをタンク13に補給できる。
【0089】
符号1012の時点では、コントローラ61は、タンク13に50%分のトナーを補給できる。符号1013では、25%分の専用トナーが、タンク13に補給されるものとする。コントローラ61は、新たに日時D2に対応付けて、25%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶する。
【0090】
次に、コントローラ61が、印刷処理により37%分のトナーを消費する場合、符号1014において、コントローラ61は、日時情報623が示す日時のうち最も古い日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bを50%から13%に書き換える。
【0091】
符号1014の時点では、第1残量情報621Aは25%、第2残量情報621Bは13%を示す。そのため、コントローラ61は、タンク13に62%分のトナーを補給できる。符号1015では、50%分の専用トナーが、タンク13に補給されるものとする。コントローラ61は、新たに日時D3に対応付けて、50%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶する。
【0092】
この時点において、日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bは13%、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aは25%、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aは50%である。
【0093】
次に、画像形成装置1に対する契約が解除されたものとする。契約解除後に、コントローラ61が、印刷処理により63%分のトナーを消費する場合を考える。符号1016において、コントローラ61は、日時情報623が示す日時のうち最も古い日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bを13%から0%に書き換える。
【0094】
コントローラ61は、63%のトナーの消費量のうちの50%分、日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bから減算できない。そのため、コントローラ61は、日時D1の次に古い日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aを25%から0%に書き換える。
【0095】
コントローラ61は、50%のトナーの消費量のうちの25%分、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aから減算できない。そのため、コントローラ61は、日時D2の次に古い日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aを50%から25%に書き換える。
【0096】
画像形成装置1に対する契約が解除されているため、タンク13に専用トナーを補給できない。そのため、タンク13には通常トナーが補給される。符号1016の時点では、コントローラ61は、タンク13に75%分のトナーを補給できる。符号1017では、50%分の通常トナーが、タンク13に補給されるものとする。コントローラ61は、新たに日時D4に対応付けて、50%を示す第2残量情報621Bを、本体メモリ62に記憶する。
【0097】
以下に、管理例1-1,1-2に示すような、タンク13におけるトナーの残量の管理を実現するためのコントローラ61の具体的な処理例について説明する。
【0098】
〔トナー補給時の処理例〕
図5(A)は、トナーパウチ3からタンク13にトナーが補給されるときの、コントローラ61による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0099】
図5(A)に示すように、S1において、コントローラ61は、補給部12に装着されたトナーパウチ3のトナーメモリ32から種別情報92を読み出すことにより、当該トナーパウチ3の種別を特定する。コントローラ61は、例えば、当該トナーパウチ3の第3通信部33と、画像形成装置1の第2通信部64とが通信を開始したときに、トナーメモリ32から種別情報92を読み出す。また、コントローラ61は、例えば上記通信を開始したとき、トナーが補給された日時を特定する。更に、コントローラ61は、例えば、満杯センサが満杯を検出したとき、又は、ポンプの駆動が停止したときに、トナーの補給量を特定する。
【0100】
S2において、コントローラ61は、本体メモリ62から残量情報621を読み出す。本体メモリ62には、例えば、日時情報623に対応付けてN個の残量情報621を記憶できる。コントローラ61は、本体メモリ62に記憶されている全ての残量情報621を読み出す。S3において、コントローラ61は、本体メモリ62に記憶されている最大N個の残量情報621をシフトする。
【0101】
コントローラ61は、本体メモリ62に残量情報621を記憶するたびに、番号1を付与する。例えば、本体メモリ62において番号1~Nに対応付けて残量情報621が記憶されている場合を考える。コントローラ61は、本体メモリ62に新たな残量情報621を記憶する前に、番号1~N-1に対応付けられた残量情報621を、それぞれ番号2~Nに対応付けた残量情報621として更新する。
【0102】
S3の処理後、S4において、コントローラ61は、S1において特定したトナーの補給量、トナーパウチ3の種別、及び、トナーが補給された日時を示す情報を、本体メモリ62に記憶する。
【0103】
コントローラ61は、S1において特定したトナーが補給された日時を日時情報623として本体メモリ62に記憶する。コントローラ61は、S1において特定したトナーの補給量を、上記日時に対応付けて、残量情報621として本体メモリ62に記憶する。コントローラ61は、S1において特定したトナーパウチの種別を、上記日時に対応付けて、種別情報622として本体メモリ62に記憶する。
【0104】
これにより、コントローラ61は、S1において特定した日時に対応付けて第1残量情報621A又は第2残量情報621Bを、本体メモリ62に記憶できる。従って、コントローラ61は、タンク13にトナーが補給された日時順に、第1残量情報621A又は第2残量情報621Bを、本体メモリ62に記憶できる。
【0105】
〔トナー消費時の処理例〕
図5(B)は、コントローラ61が印刷処理においてトナーを消費するときの、コントローラ61による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0106】
図5(B)に示すように、S11において、コントローラ61は、印刷指示に基づき印刷処理を実行するときに消費されるトナーの消費量を特定する。コントローラ61は、例えば、入力部66を介して印刷指示を受け付けたとき、又は、当該印刷指示に従って印刷処理を実行した後、上記トナーの消費量を特定する。コントローラ61は、特定したトナーの消費量を、消費量情報624として本体メモリ62に記憶する。
【0107】
S12において、コントローラ61は、本体メモリ62から残量情報621及び消費量情報624を読み出す。コントローラ61は、残量情報621として、各日時に対応付けられた全ての残量情報621を読み出す。本処理例では、コントローラ61は、S11において消費量情報624を本体メモリ62に記憶し、S12において本体メモリ62から読み出すものとして説明する。但し、コントローラ61は、S11において特定したトナーの消費量を、消費量情報624として本体メモリ62に記憶しなくてもよい。
【0108】
S13において、コントローラ61は、読み出した残量情報621がトナーの消費量以上であるかを判定する。具体的には、コントローラ61は、読み出した第1残量情報621A及び第2残量情報621Bのうち、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bと、消費量情報624とを比較する。これにより、コントローラ61は、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bが示す残量が、消費量情報624が示す消費量以上であるかを判定する。S13の処理は、比較処理の一例である。
【0109】
コントローラ61は、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bが示す残量がトナーの消費量以上であると判定した場合、すなわちS13でYESの場合、コントローラ61は、S14の処理を実行する。S14において、コントローラ61は、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bが示す残量から、消費量情報624が示す消費量を減算する。S14の処理は、減算処理の一例である。S15において、コントローラ61は、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bを、減算後の残量に書き換える。
【0110】
一方、コントローラ61が、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bが示す残量がトナーの消費量未満であると判定した場合、すなわちS13でNOの場合、コントローラ61は、S21の処理を実行する。S21において、コントローラ61は、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bが示す残量から、消費量情報624が示す消費量を減算する。S21の処理は、減算処理の一例である。
【0111】
最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bが示す残量が消費量未満であるため、S21の処理において、減算できなかった未減算のトナーの消費量が生じる。S22において、コントローラ61は、S12において読み出した消費量情報624を、S21において生じた未減算のトナーの消費量に書き換える。また、S23において、コントローラ61は、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bを、最も古い日時の次に古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bに置換する。
【0112】
S23の処理後、コントローラ61は、S13の処理を実行する。S13において、コントローラ61が、最も古い日時の次に古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bが消費量未満であると判定した場合、コントローラ61は、再度S21~S23の処理を実行する。
【0113】
つまり、コントローラ61は、最も古い日時の次に古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bからトナーの消費量を減算する。コントローラ61は、消費量情報624を、S21において減算できなかった未減算のトナーの消費量に置き換える。また、コントローラ61は、S21において用いた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bを、当該第1残量情報621A又は第2残量情報621Bの日時の次に古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bに置換する。コントローラ61は、S13でYESと判定してS14の処理を実行するまで、S21~S23の処理を繰り返す。
【0114】
以上のように、コントローラ61は、トナーの消費量が0になるまで、最も古い日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bから順に、トナーの消費量を減算する減算処理を実行する。具体的には、日時情報623が、第1日時と、第1日時の次に古い第2日時と、を有するものとした場合、コントローラ61は、以下の処理を実行する。
【0115】
コントローラ61は、トナーの消費量と、第1日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bとを比較する比較処理を実行する。
【0116】
コントローラ61は、比較処理において、第1日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bがトナーの消費量以上であると判定した場合を考える。この場合、コントローラ61は、第1日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bからトナーの消費量を減算する。
【0117】
コントローラ61は、比較処理において、第1日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bがトナーの消費量未満と判定した場合を考える。この場合、コントローラ61は、第1日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bからトナーの消費量を減算する。次に、コントローラ61は、減算できなかった未減算のトナーの消費量を、第2日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bから減算する。
【0118】
本実施形態では、本体メモリ62には、日時情報623と対応付けて第1残量情報621A及び第2残量情報621Bが記憶される。しかし、本体メモリ62に、日時情報623と対応付けて第1残量情報621A及び第2残量情報621Bが記憶されなくてもよい。例えば、コントローラ61は、記憶した順に並べて、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを本体メモリ62に記憶してもよい。また例えば、コントローラ61は、記憶する順番に対応付けて、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを本体メモリ62に記憶してもよい。
【0119】
つまり、コントローラ61は、減算処理として、本体メモリ62に第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを記憶する順に、第1残量情報621A又は第2残量情報621Bからトナーの消費量を減算してもよい。
【0120】
上述した、日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bは、日時情報623に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bであることを意味する。日時情報623が本体メモリ62に記憶されていない場合、日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bは、日時に対応する第1残量情報621A又は第2残量情報621Bと読み替えることができる。日時に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bを、本体メモリ62に記憶する順番に対応付けられた第1残量情報621A又は第2残量情報621Bと読み替えてもよい。つまり、第1日時を第1順番と読み替え、第2日時を、第1順番の次の第2順番と読み替えることができる。
【0121】
S15の処理後、S16において、コントローラ61は、消費量情報624、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bに基づき、専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定処理を実行する。S16の処理は、決定ステップの一例である。コントローラ61は、上記減算処理を実行し、トナーの消費量を0とした後、上記減算処理の結果に基づき、課金額を決定する。決定処理の具体例については、
図6を用いて後述する。
【0122】
〔課金額の決定処理例〕
図6は、コントローラ61による課金額の決定処理例を説明するための説明図である。
図6では、1枚あたりのトナーの消費量を5%とする。1枚あたりのトナーの消費量は、単位枚数あたりのトナーの消費量の一例である。また、
図6(A),
図6(B),
図6(E)では、1枚あたりの料金を10円とする。1枚あたりの料金は、単位枚数あたりの料金の一例である。
図6(C),
図6(D)では、1枚あたりの料金を算出するための基準料金を10円とする。更に、
図6の例では、第2残量情報621Bの日時は第1残量情報621Aの日時よりも古いものとする。従って、
図6の例では、コントローラ61は、第2残量情報621Bから先にトナーの消費量を減算する。
【0123】
図6(A)の例では、コントローラ61は、減算処理後の第1残量情報621A及び第2残量情報621Bの合計に対する、減算処理後の第1残量情報621Aの割合が、閾値以上であるかを判定する。
図6(A)では、閾値は50%に設定されている。コントローラ61は、上記割合が閾値以上であると判定した場合、コントローラ61は、1枚あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。コントローラ61は、上記割合が閾値未満であると判定した場合、コントローラ61は、課金額を0円と決定する。
【0124】
例えば、
図6(A)に示すように、コントローラ61が2ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが40%、第2残量情報621Bが45%となった場合を考える。上記割合は、{40/(40+45}×100)≒47.1%<50%であるため、コントローラ61は、課金額を0円と決定する。
【0125】
次に、コントローラ61が2ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが40%、第2残量情報621Bが35%となった場合、上記割合は、{40/(40+35)}×100≒53.3%>50%である。そのため、コントローラ61は、1枚あたりの料金10円に印刷枚数2ページを乗じた20円を課金額として決定する。
【0126】
図6(B)の例では、コントローラ61は、本体メモリ62に記憶されている最大量情報626に対する、減算処理後の第1残量情報621Aの割合が、閾値以上であるかを判定する。
図6(B)では、閾値は50%に設定されており、最大量情報626は100%を示す。コントローラ61は、上記割合が閾値以上である場合、1枚あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。コントローラ61は、上記割合が閾値未満であると判定した場合、コントローラ61は、課金額を0円と決定する。
【0127】
例えば、
図6(B)に示すように、コントローラ61が2ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが75%、第2残量情報621Bが0%となった場合、上記割合は、{75/100}×100=75%>50%である。そのため、コントローラ61は、1枚あたりの料金10円に印刷枚数2ページを乗じた20円を課金額として決定する。
【0128】
次に、コントローラ61が6ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが45%、第2残量情報621Bが0%となった場合、上記割合は、{45/100}×100=45%<50%である。そのため、コントローラ61は、課金額を0円と決定する。
【0129】
図6(C)の例では、コントローラ61は、減算処理後の第1残量情報621A及び第2残量情報621Bの合計に対する、減算処理後の第1残量情報621Aの割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。
【0130】
例えば、
図6(C)に示すように、コントローラ61が2ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが40%、第2残量情報621Bが35%となった場合、上記割合は、{40/(40+35)}≒0.533である。そのため、コントローラ61は、上記割合0.533に基準料金10円を乗じた5.33円を、1枚あたりの料金として算出する。そして、コントローラ61は、1ページあたりの料金5.33円に印刷枚数2ページを乗じた10.66円を課金額として決定する。
【0131】
図6(D)の例では、コントローラ61は、本体メモリ62に記憶されている最大量情報626に対する、減算処理後の第1残量情報621Aの割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。
【0132】
例えば、
図6(D)に示すように、コントローラ61が2ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが75%、第2残量情報621Bが0%となった場合、上記割合は、{75/100}=0.75である。そのため、コントローラ61は、上記割合0.75に基準料金10円を乗じた7.5円を、1枚あたりの料金として算出する。そして、コントローラ61は、1枚あたりの料金7.5円に印刷枚数2ページを乗じた15円を課金額として決定する。
【0133】
図6(E)の例では、コントローラ61は、減算処理において本体メモリ62に記憶されている第1残量情報621Aから減算した値を、1枚あたりの消費量で除算し、除算した値に1枚あたりの料金を乗算した値を、課金額として決定する。
【0134】
例えば、
図6(E)に示すように、コントローラ61が2ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが80%から75%に、第2残量情報621Bが5%から0%となった場合を考える。コントローラ61が本体メモリ62に記憶されている第1残量情報621Aから減算した値は、5%である。従って、コントローラ61は、上記減算した値5%を1枚あたりの消費量5%で除算し、除算した値に1枚あたりの料金10円を乗じた10円を、課金額として決定する。
【0135】
例えば、
図6(B),
図6(D)の例においても、コントローラ61が2ページの印刷処理に伴い上記減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが80%から75%に、第2残量情報621Bが5%から0%となっている。
図6(B),
図6(D)の例では、コントローラ61は、2ページ分の料金を課金額として決定している。一方、
図6(E)の例では、コントローラ61は、1ページ分の料金を課金額として決定している。つまり、
図6(E)の例では、コントローラ61は、専用トナーの残量を示す第1残量情報621Aの減少量の分だけ、課金額の算出対象としている。そのため、
図6(E)の例を用いて説明した課金額の決定方法によれば、コントローラ61は、専用トナーの消費量に対応する課金額をより正確に決定できる。
【0136】
〔小括〕
タンクには、通常トナー及び専用トナーが混在することがある。例えば、契約開始時にタンクに通常トナーが残っている場合、タンクに専用トナーを補給することにより、通常トナー及び専用トナーが混在する。通常トナー及び専用トナーが混在する場合、画像形成装置が、印刷処理を実行するときに消費される専用トナーの量を特定することは困難である。また、画像形成装置は、契約解除時にタンクに残っている専用トナーの量を特定することは困難である。従って、通常トナー及び専用トナーが混在する場合、画像形成装置による課金の管理が煩雑になる。
【0137】
画像形成装置1によれば、上述したように、コントローラ61は、トナーの消費量、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bに基づき、課金額を決定する。コントローラ61は、通常トナー及び専用トナーの残量をそれぞれ管理することにより、タンク13において通常トナー及び専用トナーが混在した状態であっても、専用トナーの消費量に応じた課金額を決定できる。従って、コントローラ61は、ユーザに対して専用トナーの消費量に応じた課金を行うことを可能とする。
【0138】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。他の実施形態についても同様である。
【0139】
〔トナー残量の管理例〕
図7は、コントローラ61によるトナーの残量の管理例を示す概略図である。
図7(A)は、タンク13が満杯となるまで、トナーパウチ3からタンク13にトナーを補給する場合の、トナーの残量の管理例を示す。
図7(B)は、タンク13が満杯となる前に、トナーパウチ3からタンク13へのトナーの補給を停止する場合の、トナーの残量の管理例を示す。
【0140】
本実施形態では、以下の管理例2-1,2-2に示すように、コントローラ61は、印刷指示により消費されるトナーの消費量を、第1残量情報621Aと第2残量情報621Bとの割合に応じて分ける案分処理を実行する。そして、コントローラ61は、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bのそれぞれから、案分処理後のトナーの消費量を減算する案分後減算処理を実行する。コントローラ61は、実施形態1で説明した減算処理に代えて、案分処理及び案分後減算処理を実行する。
【0141】
〔管理例2-1:タンクが満杯となるまでトナーを補給する場合〕
図7(A)の符号1021,1022,1023は、
図4(A)の符号1001,1002,1003と同じであるため、説明を割愛する。
【0142】
符号1023において、コントローラ61が、新たに日時D2に対応付けて、50%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶した後、コントローラ61が、印刷処理により50%分のトナーを消費する場合を考える。
【0143】
符号1023の時点で、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bは共に50%を示している。つまり、第1残量情報621Aと第2残量情報621Bとの比は1:1である。そのため、コントローラ61は、トナーの消費量50%を25%ずつに分ける。そして、コントローラ61は、第1残量情報621Aについて50%から25%を減算すると共に、第2残量情報621Bについて50%から25%を減算する。その結果、符号1024では、コントローラ61は、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを共に50%から25%に書き換える。
【0144】
次に、タンク13が満杯になるまで、タンク13に専用トナーが補給される。符号1024の時点では、コントローラ61は、タンク13に50%分のトナーを補給できる。そのため、符号1025では、コントローラ61は、新たに日時D3に対応付けて、50%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶する。
【0145】
次に、画像形成装置1に対する契約が解除されたものとする。契約解除後に、コントローラ61が、印刷処理により50%分のトナーを消費する場合を考える。符号1025の時点で、第1残量情報621Aは全体で75%、第2残量情報621Bは25%を示している。つまり、第1残量情報621Aと第2残量情報621Bとの比は3:1である。
【0146】
そのため、コントローラ61は、トナーの消費量50%を、50%×3/4=37.5%と、50%×1/4=12.5%とに分ける。そして、コントローラ61は、第1残量情報621Aについて75%から37.5%を減算すると共に、第2残量情報621Bについて25%から12.5%を減算する。
【0147】
複数の第1残量情報621Aが本体メモリ62に記憶されている場合、コントローラ61は、第1残量情報621Aと第2残量情報621Bとの割合に応じて分けたトナーの消費量を、更に、複数の第1残量情報621Aの割合に応じて分ける。複数の第2残量情報621Bが本体メモリ62に記憶されている場合も同様に、コントローラ61は、第1残量情報621Aと第2残量情報621Bとの割合に応じて分けたトナーの消費量を、更に、複数の第2残量情報621Bの割合に応じて分ける。
【0148】
本管理例では、第1残量情報621Aについては、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aと、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aとが、本体メモリ62に記憶されている。符号1025の時点で、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aは25%を示し、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aは50%を示す。つまり、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aと、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aとの比は、1:2である。
【0149】
そのため、コントローラ61は、案分処理後のトナーの消費量37.5%を、37.5%×1/3=12.5%と、37.5%×2/3=25%とに分ける。そして、コントローラ61は、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aについて、25%から12.5%を減算すると共に、第2残量情報621Bについて50%から25%を減算する。その結果、符号1026では、コントローラ61は、日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bを25%から12.5%に書き換える。また、コントローラ61は、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aを25%から12.5%、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aを50%から25%に書き換える。
【0150】
次に、符号1027において、コントローラ61は、タンク13にトナーを補給する。画像形成装置1に対する契約が解除されているため、タンク13に専用トナーを補給できない。そのため、タンク13には、タンク13が満杯になるまで、通常トナーが補給される。符号1026の時点では、コントローラ61は、タンク13に50%分のトナーを補給できる。そのため、符号1027では、コントローラ61は、新たに日時D4に対応付けて、50%を示す第2残量情報621Bを、本体メモリ62に記憶する。
【0151】
〔管理例2-2:タンクが満杯となる前にトナーの補給を停止する場合〕
図7(B)の符号1031,1032,1033は、
図4(B)の符号1011,1012,1013と同じであるため、説明を割愛する。
【0152】
符号1033において、コントローラ61が、新たに日時D2に対応付けて、25%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶した後、コントローラ61が、印刷処理により37%分のトナーを消費する場合を考える。符号1033の時点で、第1残量情報621Aは25%、第2残量情報621Bは50%を示している。つまり、第1残量情報621Aと第2残量情報621Bとの比は1:2である。
【0153】
そのため、コントローラ61は、トナーの消費量37%を、37%×1/3≒12.3%と、37%×2/3≒24.7%とに分ける。そして、コントローラ61は、第1残量情報621Aについて25%から12.3%を減算すると共に、第2残量情報621Bについて50%から24.7%を減算する。その結果、符号1034では、コントローラ61は、第1残量情報621Aを25%から12.7%に書き換えると共に、第2残量情報621Bを50%から25.3%に書き換える。
【0154】
符号1034の時点では、コントローラ61は、タンク13に62%分のトナーを補給できる。符号1035では、50%分の専用トナーが、タンク13へ補給されるものとする。コントローラ61は、新たに日時D3に対応付けて、50%を示す第1残量情報621Aを、本体メモリ62に記憶する。
【0155】
次に、画像形成装置1に対する契約が解除されたものとする。契約解除後に、コントローラ61が、印刷処理により44%分のトナーを消費する場合を考える。符号1035の時点で、第1残量情報621Aは全体で62.7%、第2残量情報621Bは25.3%を示している。つまり、第1残量情報621Aと第2残量情報621Bとの比は57:23である。
【0156】
そのため、コントローラ61は、トナーの消費量44%を、44%×57/80=31.35%と、44%×23/80=12.65%とに分ける。そして、コントローラ61は、第1残量情報621Aについて62.7%から31.35%を減算すると共に、第2残量情報621Bについて25.3%から12.65%を減算する。
【0157】
本管理例では、第1残量情報621Aについては、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aと、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aとが、本体メモリ62に記憶されている。符号1035の時点で、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aは12.7%を示し、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aは50%を示す。つまり、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aと、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aとの比は、12.7:50である。
【0158】
そのため、コントローラ61は、案分処理後のトナーの消費量31.35%を、31.35%×12.7/62.7=6.35%と、31.35%×50/62.7=25%とに分ける。そして、コントローラ61は、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aについて、12.7%から6.35%を減算すると共に、第2残量情報621Bについて50%から25%を減算する。その結果、符号1036では、コントローラ61は、日時D1に対応付けられた第2残量情報621Bを25.3%から12.65%に書き換える。また、コントローラ61は、日時D2に対応付けられた第1残量情報621Aを12.7%から6.35%に書き換えると共に、日時D3に対応付けられた第1残量情報621Aを50%から25%に書き換える。
【0159】
次に、符号1037において、コントローラ61は、タンク13にトナーを補給する。画像形成装置1に対する契約が解除されているため、タンク13に専用トナーを補給することができない。そのため、タンク13には、通常トナーが補給される。符号1036の時点では、コントローラ61は、タンク13に56%分のトナーを補給できる。符号1037では、50%分の通常トナーが、タンク13に補給されるものとする。コントローラ61は、新たに日時D4に対応付けて、50%を示す第2残量情報621Bを、本体メモリ62に記憶する。
【0160】
以下に、管理例2-1,2-2に示すような、タンク13におけるトナーの残量の管理を実現するためのコントローラ61の具体的な処理例について説明する。以下では、まず、コントローラ61が、日時情報623に対応付けずに第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを本体メモリ62に記憶する場合の処理例について、
図8を用いて説明する。次に、コントローラ61が、日時情報623に対応付けて第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを本体メモリ62に記憶する場合の処理例について、
図9を用いて説明する。
【0161】
〔処理例1〕
処理例1として、コントローラ61が、日時情報623に対応付けずに第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを本体メモリ62に記憶する場合の処理例について説明する。処理例1では、コントローラ61は、本体メモリ62に日時情報623を記憶しなくてもよい。
【0162】
〔トナー補給時の処理例〕
図8(A)は、トナーパウチ3からタンク13にトナーが補給されるときの、コントローラ61による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0163】
図8(A)に示すように、S31において、コントローラ61は、例えば、本体に装着されたトナーパウチ3の第3通信部33と、画像形成装置1の第2通信部64とが通信を開始したときに、当該トナーパウチ3の種別を特定する。また、コントローラ61は、例えば、満杯センサが満杯を検出したとき、又は、ポンプの駆動が停止したときに、トナーの補給量を特定する。
【0164】
S32において、コントローラ61は、本体メモリ62から残量情報621を読み出す。処理例1では、本体メモリ62には、1つの第1残量情報621Aと1つの第2残量情報621Bが記憶されている。S33において、コントローラ61は、S31において特定したトナーパウチ3の種別が専用のトナーパウチを示すかを判定する。
【0165】
コントローラ61が、S31において特定したトナーパウチ3の種別が専用のトナーパウチを示すと判定した場合、すなわちS33でYESの場合、コントローラ61は、S34の処理を実行する。S34において、コントローラ61は、S31において特定したトナーの補給量を、S32において読み出した第1残量情報621Aに加算する。一方、コントローラ61が、S31において特定したトナーパウチ3の種別が通常のトナーパウチを示すと判定した場合、すなわちS33でNOの場合、コントローラ61は、S41の処理を実行する。S41において、コントローラ61は、S31において特定したトナーの補給量を、S32において読み出した第2残量情報621Bに加算する。
【0166】
このように、コントローラ61は、トナーが補給されるたびに、補給部12に装着されたトナーパウチ3の種別を判定し、判定結果に基づき、第1残量情報621A又は第2残量情報621Bを更新する。
【0167】
〔トナー消費時の処理例〕
図8(B)は、コントローラ61が印刷処理においてトナーを消費するときの、コントローラ61による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8(B)のS51の処理は、
図5(B)のS11の処理と同じであるため、説明を割愛する。
【0168】
S51の処理後、S52において、コントローラ61は、本体メモリ62から残量情報621及び消費量情報624を読み出す。コントローラ61は、残量情報621として、1つの第1残量情報621A及び1つの第2残量情報621Bを読み出す。処理例1においても、コントローラ61は、S51において特定したトナーの消費量を、消費量情報624として本体メモリ62に記憶しなくてもよい。
【0169】
S52の処理後、コントローラ61は、S53~S55の処理と、S56~S58の処理とを実行する。
【0170】
S53において、コントローラ61は、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bの合計に対する第1残量情報621Aの割合に、S52において読み出した消費量情報624が示す消費量を乗算する。S53の処理は、案分処理の一例である。S54において、コントローラ61は、S53において算出した乗算後の消費量を、S52において読み出した第1残量情報621Aから減算する。S54の処理は、減算後案分処理の一例である。S55において、コントローラ61は、S52において読み出した第1残量情報621Aを、S54において算出した減算後の残量に書き換える。
【0171】
S56において、コントローラ61は、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bの合計に対する第2残量情報621Bの割合に、S52において読み出した消費量情報624が示す消費量を乗算する。S56の処理は、案分処理の一例である。S57において、コントローラ61は、S56において算出した乗算後の消費量を、S52において読み出した第2残量情報621Bから減算する。S57の処理は、減算後案分処理の一例である。S58において、コントローラ61は、S52において読み出した第2残量情報621Bを、S57において算出した減算後の残量に書き換える。
【0172】
S55及びS58の処理後、S59において、コントローラ61は、消費量情報624、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bに基づき、専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定処理を実行する。S59の処理は、決定ステップの一例である。コントローラ61は、上記案分後減算処理の結果に基づき、課金額を決定する。決定処理の具体例については、
図10を用いて後述する。
【0173】
〔処理例2〕
処理例2として、コントローラ61が、日時情報623に対応付けて第1残量情報621A及び第2残量情報621Bを本体メモリ62に記憶する場合の処理例について説明する。処理例2におけるトナー補給時の処理は、
図5(A)に示す処理と同じであるため、説明を割愛する。
【0174】
〔トナー消費時の処理例〕
図9は、コントローラ61が印刷処理においてトナーを消費するときの、コントローラ61による処理の流れの別例を示すフローチャートである。
図9のS71,S72の処理は、
図5(B)のS11,S12の処理と同じであるため、説明を割愛する。また、処理例2においても、コントローラ61は、S71において特定したトナーの消費量を、消費量情報624として本体メモリ62に記憶しなくてもよい。
【0175】
S72の処理後、S73において、コントローラ61は、S72において読み出した全ての残量情報621の合計に対する、各日時に対応する残量情報621の割合に、消費量情報624が示す消費量を乗算する。S73の処理は、案分処理の一例である。S74において、コントローラ61は、各日時について、S73において算出した乗算後の消費量を、読み出した残量情報621から減算する。S74の処理は、減算後案分処理の一例である。
【0176】
ある日時に対応する残量情報621が第1残量情報621Aである場合、コントローラ61は、全ての残量情報621の合計に対する、当該日時に対応する第1残量情報621Aの割合に、トナーの消費量を乗算する。そして、コントローラ61は、乗算後の消費量を、当該日時に対応する第1残量情報621Aから減算する。コントローラ61は、読み出した全ての第1残量情報621Aのそれぞれについて、上記案分処理及び減算後案分処理を実行する。
【0177】
また、ある日時に対応する残量情報621が第2残量情報621Bである場合、コントローラ61は、全ての残量情報621の合計に対する、当該日時に対応する第2残量情報621Bの割合に、トナーの消費量を乗算する。そして、コントローラ61は、乗算後の消費量を、当該日時に対応する第2残量情報621Bから減算する。コントローラ61は、読み出した全ての第2残量情報621Bのそれぞれについて、上記案分処理及び減算後案分処理を実行する。
【0178】
S74の処理後、S75において、コントローラ61は、各日時に対応する残量情報621について、S74において算出した減算後の残量に書き換える。S76において、コントローラ61は、消費量情報624、第1残量情報621A及び第2残量情報621Bに基づき、専用トナーの使用に対する課金額を決定する決定処理を実行する。コントローラ61は、上記案分後減算処理の結果に基づき、課金額を決定する。決定処理の具体例については、
図10を用いて後述する。
【0179】
〔課金額の決定処理例〕
図10は、コントローラ61による課金額の決定処理例を説明するための説明図である。
図10では、1枚あたりのトナーの消費量を1%とする。また、
図10(A),
図10(B)では、1枚あたりの料金を10円とする。
図10(C),
図10(D)では、1枚あたりの料金を算出するための基準料金を10円とする。
【0180】
図10(A)の例では、コントローラ61は、案分後減算処理後の第1残量情報621A及び第2残量情報621Bの合計に対する、案分後減算処理後の第1残量情報621Aの割合が、閾値以上であるかを判定する。
図10(A)では、閾値は50%に設定されている。コントローラ61は、上記割合が閾値以上であると判定した場合、コントローラ61は、1枚あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。コントローラ61は、上記割合が閾値未満であると判定した場合、コントローラ61は、課金額を0円と決定する。
【0181】
例えば、
図10(A)に示すように、コントローラ61が5ページの印刷処理に伴い上記案分後減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが47.4%、第2残量情報621Bが31.6%となった場合を考える。上記割合は、{47.4/(47.4+31.6)×100}=60%>50%であるため、コントローラ61は、1枚あたりの料金10円に印刷枚数5ページを乗じた50円を課金額として決定する。
【0182】
図10(B)の例では、コントローラ61は、本体メモリ62に記憶されている最大量情報626に対する、案分後減算処理後の第1残量情報621Aの割合が、閾値以上であるかを判定する。
図10(B)では、閾値は50%に設定されており、最大量情報626は100%を示す。コントローラ61は、上記割合が閾値以上である場合、1枚あたりの料金に印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。コントローラ61は、上記割合が閾値未満であると判定した場合、コントローラ61は、課金額を0円と決定する。
【0183】
例えば、
図10(B)に示すように、コントローラ61が1ページの印刷処理に伴い上記案分後減算処理を実行した結果、第1残量情報621Aが50.4%、第2残量情報621Bが33.6%となった場合を考える。上記割合は、{50.4/100}×100=50.4%>50%であるため、コントローラ61は、1枚あたりの料金10円に印刷枚数1ページを乗じた10円を課金額として決定する。
【0184】
次に、コントローラ61が5ページの印刷処理に伴い上記案分後減算処理を実行した場合、上記割合は、{47.4/100}×100=47.4%<50%である。そのため、コントローラ61は、課金額を0円と決定する。
【0185】
図10(C)の例では、コントローラ61は、案分後減算処理後の第1残量情報621A及び第2残量情報621Bの合計に対する、案分後減算処理後の第1残量情報621Aの割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。
【0186】
例えば、
図10(C)に示すように、コントローラ61が5ページの印刷処理に伴い上記案分後減算処理を実行した場合、上記割合は、{47.4/(47.4+31.6)}=0.6である。そのため、コントローラ61は、上記割合0.6に基準料金10円を乗じた6円を、1枚あたりの料金として算出する。そして、コントローラ61は、1枚あたりの料金6円に印刷枚数5ページを乗じた30円を課金額として決定する。
【0187】
図10(D)の例では、コントローラ61は、本体メモリ62に記憶されている最大量情報626に対する、案分後減算処理後の第1残量情報621Aの割合に、基準料金及び印刷枚数を乗算した値を、課金額として決定する。
【0188】
例えば、
図10(D)に示すように、コントローラ61が5ページの印刷処理に伴い上記案分後減算処理を実行した場合、上記割合は、{47.4/100}=0.474である。そのため、コントローラ61は、上記割合0.474に基準料金10円を乗じた4.74円を、1枚あたりの料金として算出する。そして、コントローラ61は、1枚あたりの料金4.74円に印刷枚数5ページを乗じた23.7円を課金額として決定する。
【0189】
〔実施形態3〕
図11は、本開示の実施形態3に関する画像形成装置2の概略斜視図である。画像形成装置2は、本体10の上部にカバー11を備えている点が実施形態1の画像形成装置1と異なっている。本開示の実施形態2に関する画像形成装置2は、本体10の上部にカバー11を備えている。カバー11は、回転軸11Aを中心にして回動可能である。
図11(A)に示すように、カバー11が閉位置にあるときには、本体10の外側にトナーパウチ3を装着することができない。一方、
図11(B)に示すように、カバー11が開位置にあるときには、本体10の外側に位置する補給部12にトナーパウチ3を装着することができる。本開示の実施形態3に関する画像形成装置2は、カバー11を有しているため、補給部12からトナー以外の異物が侵入することを防ぐことができる。
【0190】
〔変形例〕
上記実施形態では、画像形成装置1,2がモノクロレーザプリンタであるものとした。しかし、画像形成装置1,2はモノクロレーザプリンタだけに限定されない。画像形成装置1,2は、例えば、カラーレーザプリンタであってもよい。
【0191】
上記実施形態では、コントローラ61は、ASICを有するものとした。しかし、コントローラ61は、CPU等のプロセッサを備え、本体メモリ62に記憶されている各種制御プログラムを実行することにしてもよい。
【0192】
上記実施形態では、画像形成装置1,2の第2通信部64及びトナーパウチ3の第3通信部33は、トナーパウチ3が補給部12に装着された場合に、電気的に接続される電気接点であるものとした。しかし、画像形成装置1,2の第2通信部64及びトナーパウチ3の第3通信部33は、電気接点を用いた構成だけに限定されない。例えば、画像形成装置1,2の第2通信部64及びトナーパウチ3の第3通信部33は、RFID(Radio Frequency Identification)技術を用いて情報の送受信を行う構成としてもよい。
【0193】
上記実施形態2の画像形成装置2では、光源ユニット50をカバー11に配置することにしてもよい。
【0194】
上記実施形態及び変形例では、トナーパウチ3は画像形成装置1,2の本体10の外側に装着されるものとした。しかし、トナーパウチ3の代わりに、トナーカートリッジが、画像形成装置1,2の本体10の内側に装着されるものであってもよい。トナーカートリッジが画像形成装置1,2の本体10の内側に装着される場合であっても、トナーパウチ3が画像形成装置1,2の本体10の外側に装着される場合と同様の効果を得ることができる。画像形成装置1,2は、本体10の内側に、事業者SPから配送されたトナーカートリッジを収容するカートリッジ収容部を有している。トナーカートリッジが画像形成装置1,2の本体10の内側に装着されるとは、例えば、トナーカートリッジをカートリッジ収容部に装着することをいう。
【0195】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像形成装置1,2(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、画像形成装置1,2としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、画像形成装置1,2のコントローラ61としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0196】
この場合、画像形成装置1,2は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0197】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、画像形成装置1,2が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して画像形成装置,2に供給されてもよい。
【0198】
また、コントローラ61の機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。
【0199】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0200】
1,2 画像形成装置
3 トナーパウチ
10 本体
32 トナーメモリ
61 コントローラ
62 本体メモリ
92 種別情報
621A 第1残量情報
621B 第2残量情報
623 日時情報
624 消費量情報
626 最大量情報