(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147385
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】制御盤
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20241008BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H05K5/02 A
H02B3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060351
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄一
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AA10
4E360AB03
4E360AB13
4E360AB17
4E360AB20
4E360AB59
4E360BA20
4E360BB04
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA05
4E360EA13
4E360EA16
4E360EA27
4E360EB04
4E360EC12
4E360ED02
4E360GA46
4E360GB92
(57)【要約】
【課題】設置作業を効率的に行うことができる制御盤を提供する。
【解決手段】実施形態は、設置箇所に設けられたピットと挿通するように設けられた第1開口を有する底部材と、前記底部材上に設けられ、内部に少なくとも制御機器を収納して外部空間から閉鎖可能な上部筐体と、を備える。前記底部材は、第1部材と、前記第1部材に組み合わせて前記第1開口を形成する第2部材と、を有する。前記第2部材は、前記第1部材に着脱可能である。前記第2部材を前記第1部材に取り付けたときに、前記第1開口を外部空間から閉鎖し、前記第2部材を前記第1部材から取り外したときに、前記第1開口を外部空間と連続させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置箇所に設けられたピットと挿通するように設けられた第1開口を有する底部材と、
前記底部材上に設けられ、内部に少なくとも制御機器を収納して外部空間から閉鎖可能な上部筐体と、
を備え、
前記底部材は、第1部材と、前記第1部材に組み合わせて前記第1開口を形成する第2部材と、を有し、
前記第2部材は、前記第1部材に着脱可能であり、
前記第2部材を前記第1部材に取り付けたときに、前記第1開口を外部空間から閉鎖し、前記第2部材を前記第1部材から取り外したときに、前記第1開口を外部空間と連続させる制御盤。
【請求項2】
前記第1部材は、平面視で一方が開放された矩形であり、
前記第2部材は、前記第1部材の開放された箇所に着脱される請求項1記載の制御盤。
【請求項3】
プラントの床下に設けられるチャンネルベースをさらに備え、
前記底部材は、前記チャンネルベース上に設けられ、
前記チャンネルベースは、第3部材と、前記第3部材に組み合わせて第2開口を形成する第4部材と、を有し、
前記第4部材は、前記第3部材に着脱可能であり、
前記第2部材を前記第1部材に取り付けて、前記第4部材を前記第3部材に取り付けたときに、前記第1開口および前記第2開口を外部空間から閉鎖し、前記第2部材を前記第1部材から取り外し、前記第4部材を前記第3部材から取り外したときに、前記第1開口および前記第2開口を外部空間と連続させる請求項1記載の制御盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プラントの内外に設置される制御盤に関する。
【背景技術】
【0002】
プラント内の装置や機器、各種設備の一部または全部を新規のものに更新する更新エンジニアリング作業では、既設の制御盤を新規の制御盤に置き換える工事が行われることがある。
【0003】
プラント向けの制御盤では、制御盤の構成が複雑な場合が多い。このような制御盤では、プラント内に設置された装置やセンサ等からの信号や、電源等を外線として制御盤内に引き込んで、制御盤内のコントローラや各種IO機器等への接続を切り替える必要がある。
【0004】
プラント内の外線は、チャンネルベース、ピットを介して、床上に設置される制御盤内に引き込む。プラント向けの制御盤の更新エンジニアリング作業では、新旧いずれの制御盤にも内部にコントローラ等の機器等を設置した状態で、交換作業を行う。そのため、既存の外線は、床下のピットに一旦収容して、既設の制御盤を取り除いた後に、新設の制御盤を配置して、ピット内から一時的に収容された外線を再度引き出して、新設の制御盤内の機器等に配線作業を行う必要がある。
【0005】
複雑な構成を有するプラント向けの制御盤では、外線数も非常に多く、外線の識別に手間がかかり、識別のためのマークチューブを紛失する等の事故を生じるおそれがある。そのため、更新作業が非効率になるとの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、設置作業を効率的に行うことができる制御盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、設置箇所に設けられたピットと挿通するように設けられた第1開口を有する底部材と、前記底部材上に設けられ、内部に少なくとも制御機器を収納して外部空間から閉鎖可能な上部筐体と、を備える。前記底部材は、第1部材と、前記第1部材に組み合わせて前記第1開口を形成する第2部材と、を有する。前記第2部材は、前記第1部材に着脱可能であり、前記第2部材を前記第1部材に取り付けたときに、前記第1開口を外部空間から閉鎖し、前記第2部材を前記第1部材から取り外したときに、前記第1開口を外部空間と連続させる。
【発明の効果】
【0009】
実施形態によれば、設置作業を効率的に行うことができる制御盤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1(a)は、第1の実施形態に係る制御盤を例示する模式的な斜視図である。
図1(b)は、第1の実施形態に係る制御盤の一部である底部材を例示する模式的な斜視図である。
【
図2】
図2(a)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な側面図である。
図2(b)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な底面図である。
【
図3】
図3(a)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な側面図である。
図3(b)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な底面図である。
【
図4】
図4(a)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な側面図である。
図4(b)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な底面図である。
【
図5】
図5(a)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な側面図である。
図5(b)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な底面図である。
【
図6】
図6(a)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な側面図である。
図6(b)は、第1の実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な底面図である。
【
図7】第2の実施形態に係る制御盤の一部であるチャンネルベースを例示する模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態に係る制御盤を例示する模式的な斜視図である。
図1(b)は、第1の実施形態に係る制御盤の一部である底部材を例示する模式的な斜視図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る制御盤10は、上部筐体20と、底部材30と、を備える。
図1(a)では、制御盤10における底部材30の設置の状態を示すために、上部筐体を2点鎖線で示している。なお、
図1(a)では図示しないが、制御盤10の内部には、コントローラや電源装置、各種IOモジュール、端子台等が収納され、制御盤10内に設置されている。制御盤10の端子台やIOモジュール等に外線を接続することによって、制御盤10のプラントへの設置工事が行われる。
【0013】
上部筐体20は、底部材30上に設けられており、底部材30に固定されている。底部材30には、開口APが設けられている。開口APは、制御盤10を設置するプラントの床下のピットと挿通するように設けられる。ピットから引き出された外線は、開口APを介して、制御盤10内に引き込まれる。制御盤10の設置工事後に、電気火災発生時の延焼を防止するために、開口APは防火部材等で閉じるようにしてもよい。
【0014】
なお、
図1(a)では、図示した場合の煩雑さを回避するために図示を省略しているが、上部筐体20には、少なくとも1つの扉が設けられている。設置後の制御盤10の利用に際しては、扉を開閉して、内部に収納された機器等を確認等することができる。たとえば、底部材30の開放部材34は、上部筐体20の扉が設けられた位置に合わせて設けられる。
【0015】
図1(b)に示すように、底部材30は、主部材(第1部材)32と、開放部材(第2部材)34と、結合部材36と、を含んでいる。底部材30は、平面視で矩形であり、矩形の鋼板部材の外縁が上方に折り曲げられている。主部材32は、底部材30の矩形の1つの辺において、上方への折り曲げ箇所に欠損を有する。主部材32は、「コ」の字状の部材である。開放部材34は、主部材32の欠損した部分に接続されて、開口APを形成する。開放部材34は、主部材32に着脱可能とされる。開放部材34の主部材32への着脱は、結合部材36によって行われる。結合部材36は、たとえばボルト等の締結部材である。
【0016】
後に詳述するように、制御盤を更新する場合に、主部材32から開放部材34を取り外して、既設の制御盤を設置場所から移動させ、主部材32から開放部材34を取り外した状態の新設の制御盤を設置場所に移動して、外線等の接続作業等を行った後の主部材32に開放部材34を取り付ける。
【0017】
本実施形態に係る制御盤10の使用方法について説明する。
図2(a)~
図6(a)は、本実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な側面図である。
図2(b)~
図6(b)は、実施形態に係る制御盤の使用方法を説明するための模式的な底面図である。
【0018】
図2(a)および
図2(b)には、既設の制御盤10がプラントのフロアF1に設置されていることが示されている。以下では、既設の制御盤10を移動し除去して、新設の制御盤10aを既設の制御盤10が設置されていた箇所に移動して設置する例について説明する。既設の制御盤10と新設の制御盤10aとは、上部筐体および底部材の構成は、同じである。既設と新設とを区別するために、符号を変えている。なお、既設の制御盤10および新設の制御盤10aにそれぞれ収納する機器や装置等は同じとは限らず、更新の内容によって、一部または全部の機器等が異なっていてもよい。
【0019】
図2(a)および
図2(b)に示すように、既設の制御盤10は、プラントのフロアF1に設置されている。制御盤10が設置されているフロアF1の部分には、ピットP1が設けられている。プラントでは、制御盤等が設置される電気室等と、電動機やラインを駆動するローラ等が設置された製造現場等との間の電気配線をプラント内に設けられた暗渠や床下等を通じて相互に接続される。電気配線は、電気室内と現場との間に限らず、同じ電気室内や他の電気室に設置された制御盤との間、あるいは、コンピュータ室やコンピュータ端末が設置された事務フロアとの間の配線も床下等を介して接続される。以下では、更新作業の対象となる制御盤10、10aに床下から引き込んで制御盤10、10a内の機器等と接続する電気配線を外線というものとする。
【0020】
外線E1は、ピットP1を介して制御盤10内に引き込まれている。制御盤10への引き込みは、制御盤10の底部材30に設けられた開口APを介して行われている。制御盤10内に引き込まれている外線E1は、制御盤10内に設置された端子台T1に設けられた端子に接続されている。
【0021】
図示しないが、これら外線E1には、外線E1を識別するための処理が施されている。たとえば、外線E1ごとに識別可能なように、外線E1の先端付近にマークチューブがかぶせられている。マークチューブには、信号名や図面の座標、接続先を表す記号等が付されている。これらの識別情報は、文字情報によるものに限らず、1次元バーコードや2次元バーコード、無線タグ等により付されている。
【0022】
制御盤10の更新作業にあたっては、これらの外線E1を識別するための情報を元にして、新規の制御盤10aにおける接続先が判断される。
【0023】
既設の制御盤10内には、たとえばIOモジュールIOやその他の制御機器、装置等が収納され、端子台T1を介して、外線E1に電気的に接続される。
【0024】
この例では、制御盤10は、上部筐体20の前後に扉22、24が設けられている。底部材30の開放部材34は、後ろ側の扉24が設けられた位置に設置されている。
【0025】
図3(a)および
図3(b)に示すように、更新作業が開始されると、既設の制御盤10内に引き込まれていた外線E1が端子台T1からはずされて、外線E1の先端部がたとえば扉24から制御盤10の外部に引き出される。外線E1を制御盤10の外部に引き出す前に、あるいは、外線E1を制御盤10の外部に引き出した後に、開放部材34が主部材32から取り外される。これにより、ピットP1は、制御盤10の外部の空間と連続するようになる。
【0026】
その後、既設の制御盤10は、元の設置位置から移動され、除去される。制御盤10は、重量が重いことが多く、制御盤10の移動には、たとえばチルローラ等が用いられ、既設の制御盤10は、制御盤10が設置されたフロアF1に対して、ほぼ水平方向に移動される。この場合において、開放部材34が主部材32より取り外されて、ピットP1が制御盤10の外部の空間と連続するので、制御盤10は、前方には、自在に移動することができる。
【0027】
図4(a)および
図4(b)に示すように、引き出された外線E1は、ピットP1から引き出した状態で、床上に載置することができる。
【0028】
本実施形態に係る制御盤10は、着脱可能な開放部材34を有する底部材30を備えているので、外線E1を引き出して床上に載置した状態で、次の作業を行うことができる。着脱可能な開放部材34を有さない従来の制御盤では、既設の制御盤を床上で水平移動する場合に、一旦引き出した外線をピットP1内に収納する必要がある。このように外線E1をピットP1内に収納する際に、外線E1を識別するマークチューブ等をピットP1等で紛失等させてしまうことがある。
【0029】
図5(a)および
図5(b)に示すように、新設の制御盤10aが、既設の制御盤10が設置されていた箇所に移動される。新設の制御盤10aの移動もチルローラ等により床上を水平移動させることにより行われる。この例では、新設の制御盤10aは、図に示した白抜きの矢印の方向に、制御盤10aの後ろ側の扉24がある方に向かって水平移動される。
【0030】
この場合において、制御盤10aの底部材30aの開放部材34aは取り外されている。そのため、外線E1をピットP1内に収納することなく、制御盤10aを水平移動させて、所望の位置に設置することができる。
【0031】
図6(a)および
図6(b)に示すように、新設の制御盤10aを所望の位置に移動させた後、外線E1を制御盤10a内に引き込んで、端子台T2を介して、必要な電気接続を行う。
【0032】
外線E1を制御盤10aに引き込んだ後には、底部材30aの主部材32aに開放部材34aを結合させる。また、必要に応じて、底部材30aの開口AP2に防火部材等で覆うようにしてもよい。
【0033】
このようにして、既設の制御盤10を新設の制御盤10aに更新する更新作業を円滑に行うことができる。
【0034】
本実施形態に係る制御盤10の効果について説明する。
本実施形態に係る制御盤10は、開口APを有し、主部材32に着脱可能な開放部材34を有する底部材30を備えている。開放部材は、制御盤10の扉の位置に合わせて設けられており、開放部材34を主部材32から取り外すことによって、制御盤10が設置された床下のピットP1の空間から制御盤10の外部の空間までを連続させることができる。
【0035】
床下のピットP1の空間から制御盤10の外部の空間までを連続させることによって、既設の制御盤10の場合には、外線E1をピットP1外に引き出した状態のまま、制御盤10を水平移動させることができる。
【0036】
新設の制御盤10aを既設の制御盤10が設置されていた箇所に設置する場合についても、外線E1を引き出した状態のまま、制御盤10aを移動させて所望の位置に設置することができる。
【0037】
制御盤10、10aの移動時に、外線E1をピットP1内に収納する必要がなく、外線E1をピットP1内に収納することによるマークチューブ等の脱落等による外線E1の識別が困難になることを事前に防止することができる。
【0038】
プラント制御のための制御盤の場合には、制御対象が多く、また、近年、インテリジェントな制御のため、制御盤内に収納する外線の本数は増大する傾向にあり、数100本から1000本を超える場合もある。このような多数の外線を識別するために識別コードのデジタル化等が進められている。その一方で、このような紛失を防止することが困難では、更新作業の生産性が上がらず、問題となる場合も多い。
【0039】
本実施形態に係る制御盤10は、上述のようにマークチューブ等の紛失を事前に防止することが可能となるため、更新作業の生産の向上に貢献することができる。なお、上述の事項は、プラントの更新エンジニアリングの場合に限らず、プラントに新設で制御盤を設置する場合にも適用することができる。
【0040】
また、上述では、既設の制御盤には、本実施形態に係る制御盤10を適用するものとしたが、開放部材34を有さない底部材を有する従来の制御盤としてもよい。その場合には、
図3に関連して説明したように、開放部材を取り外すことに代えて、開放部材に対応する底部材の部分を切断することによって、上述と同様の効果を得ることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
既設の制御盤を新設の制御盤に更新する場合には、新設の制御盤には、各種機器や装置等を収納し、可能な配線の接続を行った状態で目的のプラントに輸送され、プラント内で移動されて設置される。上述の説明では省略したが、プラントの床下には、制御盤等に重量物を支持し、外線の敷設空間を実現するために、チャンネルベースが設けられる。
図1等に示した例では、チャンネルベースは、ピットP1の位置にあらかじめ設置されている。一方、制御盤の更新作業では、チャンネルベースごと、更新する場合がある。
【0042】
図7は、第2の実施形態に係る制御盤の一部であるチャンネルベースを例示する模式的な斜視図である。
本実施形態に係る制御盤は、
図1に示した構成にチャンネルベース50をさらに備える。
図7に示すように、チャンネルベース50は、主部材(第3部材)52と、開放部材(第4部材)54と、結合部材56と、を含んでいる。チャンネルベース50は、平面視で矩形であり、矩形の外縁が、大きな重量を支持するように、上方および下方に折り曲げられている。主部材52は、チャンネルベース50の矩形の1つの辺において、欠損を有する。主部材52は、「コ」の字状の部材である。開放部材54は、主部材52の欠損した部分を覆うように着脱可能に配置される。開放部材54の主部材52への着脱は、結合部材56によって行われる。結合部材56は、たとえばボルトである。
【0043】
図1に示した上部筐体20および底部材30は、チャンネルベース50上に設けられる。より具体的には、底部材30は、チャンネルベース50上に配置され、上部筐体20は、底部材30上に配置される。
【0044】
チャンネルベース50の開放部材54は、底部材30の開放部材34と同じ位置に設けられる。制御盤の更新作業において、既設の制御盤の移動および新設の制御盤の移動の場合に、開放部材34、54は、取り外されて、底部材30の開口APおよびチャンネルベース50の開口AP3を制御盤の外部空間と連続させる。このようにすることによって、取り外し、接続前の外線をピットに収納することなく、新旧いずれの制御盤を床上を水平移動させることができる。
【0045】
本実施形態に係る制御盤では、
図1に示した制御盤10と同様の効果を有する。そのほか、更新する制御盤にあらかじめチャンネルベース50が設けられているので、更新がより簡素になるとのメリットがある。
【0046】
このようにして、設置作業を効率的に行うことができる制御盤を実現する。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
10、10a…制御盤、20、20a…上部筐体、30、30a…底部材、32、32a…主部材(底部材用)、34、34a…開放部材(底部材用)、36…結合部材(底部材用)、50…チャンネルベース、52…主部材(チャンネルベース用)、54…開放部材(チャンネルベース用)、56…結合部材(チャンネルベース用)