(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147386
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】管理装置およびノイズキャンセリング制御方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/401 20150101AFI20241008BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20241008BHJP
G01S 19/14 20100101ALI20241008BHJP
G01S 5/14 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04B1/401
H04W64/00
G01S19/14
G01S5/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060352
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆志
【テーマコード(参考)】
5J062
5K011
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC07
5J062CC18
5K011DA26
5K011JA01
5K011KA03
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制すること。
【解決手段】管理システムは、ノイズ判定装置と、無線機と、管理装置とを備える。ノイズ判定装置は、自装置の位置情報を示す第1位置情報と制御情報とを関連付けて管理装置に送信する。無線機は、自機の位置情報を示す第2位置情報を管理装置に送信し、管理装置から取得した制御情報に基づいて、ノイズキャンセリング動作を切り替える。管理装置は、ノイズ判定装置および無線機から位置情報を取得し、ノイズ判定装置の位置から所定の距離を半径とする円領域であるエリアをエリア情報として特定し、無線機の位置が特定された際に、無線機の位置とエリア情報とを比較し、無線機の位置がエリアに含まれると判断した場合、制御情報を無線機に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズ判定装置と、無線機と、管理装置とを備え、
前記ノイズ判定装置は、
マイクと、
前記マイクで収音した環境音を取得する環境音取得部と、
取得された前記環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するノイズ判定部と、
前記管理装置と通信する第1通信部と、
自装置の位置情報を第1位置情報として取得する位置検出部と、
前記第1位置情報と前記制御情報とを関連付け、関連付けられた情報を前記管理装置に送信するよう前記第1通信部を制御する制御部と
を含み、
前記無線機は、
前記管理装置と通信する第1通信部と、
自機の位置情報を第2位置情報として取得し、前記第1通信部を介して前記管理装置に送信する位置検出部と、
前記第1通信部を介して前記管理装置からの前記制御情報を取得する制御情報取得部と、
取得した前記制御情報に基づいて、ノイズキャンセリング動作を切り替えるノイズキャンセリング制御部と、
を含み、
前記管理装置は、
前記ノイズ判定装置および前記無線機と通信する通信部と、
前記通信部を介して、前記ノイズ判定装置からの前記制御情報を取得する制御情報取得部と、
前記通信部を介して、前記ノイズ判定装置および前記無線機から位置情報を取得して、それぞれの位置を特定する位置情報取得部と、
前記通信部を介して前記ノイズ判定装置から取得した情報を記憶する記憶部と、
前記ノイズ判定装置の位置から所定の距離を半径とする円領域であるエリアをエリア情報として特定し、前記ノイズ判定装置のエリア情報として前記記憶部に記憶する範囲決定部と、
前記位置情報取得部で前記無線機の位置が特定された際に、前記無線機の位置と前記記憶部に記憶された前記エリア情報とを比較し、前記無線機の位置が前記エリアに含まれると判断した場合、前記記憶部に記憶された制御情報を前記無線機に送信するように前記通信部を制御するノイズキャンセリング制御部と、
を含む、
管理システム。
【請求項2】
フロアを識別するためのフロア情報を含むフロア識別信号を送信するビーコン発信機と、ノイズ判定装置と、無線機と、管理装置とを備え、
前記ノイズ判定装置は、
マイクと、
前記マイクで収音した環境音を取得する環境音取得部と、
取得された前記環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するノイズ判定部と、
前記管理装置と通信する第1通信部と、
前記ビーコン発信機と通信する第2通信部と、
前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自装置が位置するフロア情報を第1フロア情報として取得する位置検出部と、
前記第1フロア情報と前記制御情報とを関連付け、関連付けられた情報を前記管理装置に送信するよう前記第1通信部を制御する制御部と、
を含み、
前記無線機は、
前記管理装置と通信する第1通信部と、
前記ビーコン発信機と通信する第2通信部と、
前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自機が位置するフロア情報を第2フロア情報として取得し、前記第1通信部を介して前記管理装置に送信する位置検出部と、
前記第1通信部を介して前記管理装置からの前記制御情報を取得する制御情報取得部と、
取得した前記制御情報に基づいて、ノイズキャンセリング動作を切り替えるノイズキャンセリング制御部と、
含み、
前記管理装置は、
前記ノイズ判定装置および前記無線機と通信する通信部と、
前記通信部を介して取得した前記ノイズ判定装置からの情報を記憶する記憶部と、
前記通信部を介して前記第2フロア情報を取得し、無線機が位置するフロアを特定する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部で特定した前記無線機のフロアに対応した制御情報を、前記記憶部から取得し、取得した前記制御情報を、前記第2フロア情報を送信した前記無線機に送信するよう前記通信部を制御するノイズキャンセリング制御部と、
を含む、
管理システム。
【請求項3】
前記ノイズ判定装置は、1つのフロア内に複数位置しており、
前記ノイズ判定装置の前記第1通信部は、自装置の状態情報を前記管理装置に送信し、
前記ノイズ判定装置の前記制御部は、前記管理装置からの切替要求信号に基づき、ノイズ判定機能を開始し、
前記管理装置の前記ノイズキャンセリング制御部は、それぞれのノイズ判定装置から受信した前記状態情報に基づいて、各フロアのノイズ判定をおこなうノイズ判定装置を決定し、
前記管理装置の前記通信部は、決定した前記ノイズ判定装置に対して前記切替要求信号を送信する
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
フロアを識別するためのフロア情報を含むフロア識別信号を送信するビーコン発信機と、ノイズ判定装置と、無線機とを備え、
前記ノイズ判定装置は、
マイクと、
前記マイクで収音した環境音を取得する環境音取得部と、
取得された前記環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するノイズ判定部と、
近距離無線通信により通信を行う第2通信部と、
前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自装置が位置するフロア情報を第1フロア情報として取得する位置検出部と、
前記制御情報および前記第1フロア情報を近距離無線通信により自装置が位置しているフロア内に送信するよう第2通信部を制御する制御部と、
を含み、
前記無線機は、
近距離無線通信により通信を行う第2通信部と、
前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自機が位置するフロア情報を第2フロア情報として取得する位置検出部と、
前記第2通信部を介して前記ノイズ判定装置からの前記制御情報および前記第1フロア情報を取得する制御情報取得部と、
取得した前記第1フロア情報および前記第2フロア情報を比較して、前記ノイズ判定装置と自機とが同一フロアであると判定した場合、取得した前記制御情報に基づいてノイズキャンセリング動作を切り替えるノイズキャンセリング制御部と、
を含む、
管理システム。
【請求項5】
ノイズ判定装置と、無線機と、管理装置とを制御し、ノイズキャンセリングを制御するノイズキャンセリング制御方法であって、
前記ノイズ判定装置が、マイクで収音した環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するステップと、
前記ノイズ判定装置が、自装置の位置情報を第1位置情報として取得するステップと、
前記ノイズ判定装置が、前記第1位置情報と前記制御情報とを関連付け、関連付けられた情報を前記管理装置に送信するステップと、
前記無線機が、自機の位置情報を第2位置情報として取得して前記管理装置に送信するステップと、
前記無線機が、前記管理装置からの前記制御情報を取得するステップと、
前記無線機が、取得した前記制御情報に基づいて、前記無線機のノイズキャンセリング動作を切り替えるステップと、
前記管理装置が、前記ノイズ判定装置からの前記制御情報を取得するステップと、
前記管理装置が、前記ノイズ判定装置および前記無線機から位置情報を取得して、それぞれの位置を特定するステップと、
前記管理装置が、前記ノイズ判定装置から取得した情報を記憶部に記憶するステップと、
前記管理装置が、前記ノイズ判定装置の位置から所定の距離を半径とする円領域であるエリアをエリア情報として特定し、前記ノイズ判定装置のエリア情報として前記記憶部に記憶するステップと、
前記管理装置が、前記無線機の位置が特定された際に、前記記憶部に記憶された前記エリア情報と比較し、前記無線機の位置が前記エリアに含まれると判断した場合、前記記憶部に記憶された制御情報を前記無線機に送信するステップと、
を含む、ノイズキャンセリング制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置およびノイズキャンセリング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、無線端末が存在する周囲のノイズの状況に応じたサービスを提供する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線機側でノイズキャンセリングを行う際、無線機がノイズキャンセリングしていなくとも、常にそれぞれの無線機でノイズキャンセリングの要否判定を行う必要があり、無線機の電力を消費しているという問題があった。そのため、ノイズキャンセリングの要否の判断を常に行いながらも、無線機の電力消費を抑制することができるシステムが望まれている。
【0005】
本発明は、ノイズキャンセリングの要否の判断を適切に行い無線機の電力消費を抑制することのできる管理システムおよびノイズキャンセリング制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の管理システムは、ノイズ判定装置と、無線機と、管理装置とを備え、前記ノイズ判定装置は、マイクと、前記マイクで収音した環境音を取得する環境音取得部と、取得された前記環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するノイズ判定部と、前記管理装置と通信する第1通信部と、自装置の位置情報を第1位置情報として取得する位置検出部と、前記第1位置情報と前記制御情報とを関連付け、関連付けられた情報を前記管理装置に送信するよう前記第1通信部を制御する制御部とを含み、前記無線機は、前記管理装置と通信する第1通信部と、自機の位置情報を第2位置情報として取得し、前記第1通信部を介して前記管理装置に送信する位置検出部と、前記第1通信部を介して前記管理装置からの前記制御情報を取得する制御情報取得部と、取得した前記制御情報に基づいて、ノイズキャンセリング動作を切り替えるノイズキャンセリング制御部と、を含み、前記管理装置は、前記ノイズ判定装置および前記無線機と通信する通信部と、前記通信部を介して、前記ノイズ判定装置からの前記制御情報を取得する制御情報取得部と、前記通信部を介して、前記ノイズ判定装置および前記無線機から位置情報を取得して、それぞれの位置を特定する位置情報取得部と、前記通信部を介して前記ノイズ判定装置から取得した情報を記憶する記憶部と、前記ノイズ判定装置の位置から所定の距離を半径とする円領域であるエリアをエリア情報として特定し、前記ノイズ判定装置のエリア情報として前記記憶部に記憶する範囲決定部と、前記位置情報取得部で前記無線機の位置が特定された際に、前記無線機の位置と前記記憶部に記憶された前記エリア情報とを比較し、前記無線機の位置が前記エリアに含まれると判断した場合、前記記憶部に記憶された制御情報を前記無線機に送信するように前記通信部を制御するノイズキャンセリング制御部とを含む。
【0007】
本発明の管理システムは、フロアを識別するためのフロア情報を含むフロア識別信号を送信するビーコン発信機と、ノイズ判定装置と、無線機と、管理装置とを備え、前記ノイズ判定装置は、マイクと、前記マイクで収音した環境音を取得する環境音取得部と、取得された前記環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するノイズ判定部と、前記管理装置と通信する第1通信部と、前記ビーコン発信機と通信する第2通信部と、前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自装置が位置するフロア情報を第1フロア情報として取得する位置検出部と、前記第1フロア情報と前記制御情報とを関連付け、関連付けられた情報を前記管理装置に送信するよう前記第1通信部を制御する制御部と、を含み、前記無線機は、前記管理装置と通信する第1通信部と、前記ビーコン発信機と通信する第2通信部と、前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自機が位置するフロア情報を第2フロア情報として取得し、前記第1通信部を介して前記管理装置に送信する位置検出部と、前記第1通信部を介して前記管理装置からの前記制御情報を取得する制御情報取得部と、取得した前記制御情報に基づいて、ノイズキャンセリング動作を切り替えるノイズキャンセリング制御部と、含み、前記管理装置は、前記ノイズ判定装置および前記無線機と通信する通信部と、前記通信部を介して取得した前記ノイズ判定装置からの情報を記憶する記憶部と、前記通信部を介して前記第2フロア情報を取得し、無線機が位置するフロアを特定する位置情報取得部と、前記位置情報取得部で特定した前記無線機のフロアに対応した制御情報を、前記記憶部から取得し、取得した前記制御情報を、前記第2フロア情報を送信した前記無線機に送信するよう前記通信部を制御するノイズキャンセリング制御部と、を含む。
【0008】
本発明の管理システムは、フロアを識別するためのフロア情報を含むフロア識別信号を送信するビーコン発信機と、ノイズ判定装置と、無線機とを備え、前記ノイズ判定装置は、マイクと、前記マイクで収音した環境音を取得する環境音取得部と、取得された前記環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するノイズ判定部と、近距離無線通信により通信を行う第2通信部と、前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自装置が位置するフロア情報を第1フロア情報として取得する位置検出部と、前記制御情報および前記第1フロア情報を近距離無線通信により自装置が位置しているフロア内に送信するよう第2通信部を制御する制御部と、を含み、前記無線機は、近距離無線通信により通信を行う第2通信部と、前記第2通信部を介して、前記ビーコン発信機から受信した前記フロア識別信号から自機が位置するフロア情報を第2フロア情報として取得する位置検出部と、前記第2通信部を介して前記ノイズ判定装置からの前記制御情報および前記第1フロア情報を取得する制御情報取得部と、取得した前記第1フロア情報および前記第2フロア情報を比較して、前記ノイズ判定装置と自機とが同一フロアであると判定した場合、取得した前記制御情報に基づいてノイズキャンセリング動作を切り替えるノイズキャンセリング制御部と、を含む。
【0009】
本発明のノイズキャンセリング制御方法は、ノイズ判定装置と、無線機と、管理装置とを制御し、ノイズキャンセリングを制御するノイズキャンセリング制御方法であって、前記ノイズ判定装置が、マイクで収音した環境音に基づいて、ノイズキャンセリング処理が必要か否かを判定して判定結果から制御情報を生成するステップと、前記ノイズ判定装置が、自装置の位置情報を第1位置情報として取得するステップと、前記ノイズ判定装置が、前記第1位置情報と前記制御情報とを関連付け、関連付けられた情報を前記管理装置に送信するステップと、前記無線機が、自機の位置情報を第2位置情報として取得して前記管理装置に送信するステップと、前記無線機が、前記管理装置からの前記制御情報を取得するステップと、前記無線機が、取得した前記制御情報に基づいて、前記無線機のノイズキャンセリング動作を切り替えるステップと、前記管理装置が、前記ノイズ判定装置からの前記制御情報を取得するステップと、前記管理装置が、前記ノイズ判定装置および前記無線機から位置情報を取得して、それぞれの位置を特定するステップと、前記管理装置が、前記ノイズ判定装置から取得した情報を記憶部に記憶するステップと、前記管理装置が、前記ノイズ判定装置の位置から所定の距離を半径とする円領域であるエリアをエリア情報として特定し、前記ノイズ判定装置のエリア情報として前記記憶部に記憶するステップと、前記管理装置が、前記無線機の位置が特定された際に、前記記憶部に記憶された前記エリア情報と比較し、前記無線機の位置が前記エリアに含まれると判断した場合、前記記憶部に記憶された制御情報を前記無線機に送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ノイズキャンセリングの要否の判断を適切に行い無線機の電力消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る管理システムの処理の概要を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るノイズ判定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る無線機の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るノイズ判定処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態に係るノイズキャンセリング処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第4実施形態に係るノイズキャンセリング処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
[第1実施形態]
(管理システム)
図1を用いて、第1実施形態に係る管理システムの構成例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、管理システム1は、管理装置10と、ノイズ判定装置12と、無線機14とを、含む。管理装置10と、ノイズ判定装置12と、無線機14とは、ネットワークNを介して、通信可能に接続されている。
【0015】
管理装置10は、例えば、コンピュータなどの情報処理装置で実現される。管理装置10は、例えば、管理システム1の管理室などに配置されている。ノイズ判定装置12と、無線機14とは、例えば、同一の装置で実現される。ノイズ判定装置12と、無線機14とは、例えば、同一の業務用無線機などで実現される。ノイズ判定装置12は、エリアごとに、少なくとも1台がエリア内に位置している。無線機14は、ノイズ判定装置12が位置しているエリアと同じエリアに位置する。管理システム1は、ノイズ判定装置12の周囲の環境音の判定結果に基づいて、管理装置10がノイズ判定装置12と同一のエリアに位置する無線機14のノイズキャンセリング動作を制御するシステムである。ここで、エリアとは、ノイズ判定装置12で同様の環境音が収音される領域のことである。
【0016】
(管理システムの処理の概要)
図2を用いて、第1実施形態に係る管理システムの処理の概要について説明する。
図2は、第1実施形態に係る管理システムの処理の概要を説明するための図である。
【0017】
管理システム1は、屋内または屋外の所定のエリアに適用される。
図2に示すように、エリアAR1には、ノイズ判定装置12-1と、無線機14-1とが位置しているものとする。エリアAR2には、ノイズ判定装置12-2と、無線機14-2とが位置しているものとする。
図2の例では、ノイズ判定装置12は、所定のエリア内の所定の位置に配置されているが、必ずしも所定のエリア内の所定の位置に配置されていなくてもよい。管理装置10により、後述するノイズ判定装置12の位置に基づいてエリアが決定されてもよい。
【0018】
ノイズ判定装置12-1は、エリアAR1の環境音を取得して、無線機14-1がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かを判定する。ノイズ判定装置12-1は、無線機14-1がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かの判定結果を制御情報として管理装置10に送信する。
【0019】
ノイズ判定装置12-2は、エリアAR2の環境音を取得して、無線機14-2がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かを判定する。ノイズ判定装置12-2は、無線機14-2がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かの判定結果を制御情報として管理装置10に送信する。
【0020】
管理装置10は、ノイズ判定装置12-1から受けたエリアAR1の制御情報に基づいて、無線機14-1のノイズキャンセリング機能を制御するための制御情報を無線機14-1に送信する。具体的には、管理装置10は、エリアAR1でノイズキャンセリング機能を有効にする必要があるという制御情報を受信した場合には、ノイズキャンセリング機能を有効にするための制御情報を無線機14-1に送信する。無線機14-1は、管理装置10から受信した制御情報に従って、ノイズキャンセリング機能を制御する。
【0021】
管理装置10は、ノイズ判定装置12-2から受けたエリアAR2の制御情報に基づいて、無線機14-2のノイズキャンセリング機能を制御するための制御情報を無線機14-2に送信する。具体的には、管理装置10は、エリアAR2でノイズキャンセリング機能を有効にする必要があるという制御情報を受信した場合には、ノイズキャンセリング機能を有効にするための制御情報を無線機14-2に送信する。無線機14-2は、管理装置10から受信した制御情報に従って、ノイズキャンセリング機能を制御する。
【0022】
図2に示すように、第1実施形態では、管理装置10は、エリアごとに無線機14のノイズキャンセリング機能を制御する。
図2に示す例では、各エリアには、ノイズ判定装置12および無線機14は、1つずつ位置しているものとして示しているが、本発明はこれに限定されない。それぞれのエリアでは、エリア内であればエリア内の位置に関わらず同様の環境音が収音されることを想定しているが、ノイズ判定装置12は、エリアの大きさに応じて、2台以上エリア内に位置していてもよい。また、
図2で示されるノイズキャンセリング機能を制御するために用いられるエリアは所定の矩形エリアとしているが、ノイズ判定装置12が取得する環境音と同様の環境音が収音できるエリアであればよい。例えば、ノイズ判定装置12は、位置情報を第1位置情報として取得して管理装置10に送信する。ノイズ判定装置12は、第1位置情報を所定の時間間隔で管理装置10に送信するようしてもよい。管理装置10はノイズ判定装置12から受信した第1位置情報からノイズ判定装置12の位置を特定し、ノイズ判定装置12の位置から所定の距離を半径とする円領域であるエリアをエリア情報として制御情報とともに記憶するようにしてもよい。このようなノイズ判定装置12の位置に基づいてエリアを都度特定して記憶することで、ノイズ判定装置12が移動しても、ノイズ判定装置12が取得する環境音と同様の環境音が収音できるエリアとして設定し、設定されたエリア内に入ってきた無線機14に対してより適切な制御情報によるノイズキャンセリング機能の制御を行うことができる。この同様の環境音が収音できるエリアは、例えば、ノイズ判定装置12の位置から、何らかの環境音が生じた場合に検出可能な位置までの距離を半径とする円領域をエリアにするとよい。
【0023】
(管理装置)
図3を用いて、第1実施形態に係る管理装置の構成例について説明する。
図3は、第1実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、管理装置10は、通信部20と、記憶部22と、制御部24と、を備える。
【0025】
通信部20は、管理装置10と、外部装置との間の通信を実行する。通信部20は、例えば、管理装置10と、ノイズ判定装置12との間の通信を実行する。通信部20は、例えば、管理装置10と、無線機14との間の通信を実行する。
【0026】
記憶部22は、例えば、エリアごとに無線機14のノイズキャンセリング機能を制御するための制御情報を記憶している。記憶部22は、制御部24の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0027】
制御部24は、管理装置10の各部を制御する。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の情報処理装置と、RAMまたはROM等の記憶装置とを有する。制御部24は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部24は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0028】
制御部24は、制御情報取得部30と、位置情報取得部32と、ノイズキャンセリング制御部34と、範囲決定部36と、を備える。
【0029】
制御情報取得部30は、通信部20を介して、ノイズ判定装置12からノイズ判定装置12が位置しているエリアにおいて、無線機14がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かの判定結果を示す制御情報を取得する。制御情報取得部30は、ノイズ判定装置12から取得した制御情報をノイズ判定装置12が位置しているエリアごとに記憶部22に記憶させる。ここで、制御情報取得部30は、通信部20を介してノイズ判定装置12から第1位置情報と制御情報とが関連付けられた情報を取得し、この関連付けられた情報を、ノイズ判定装置12が位置しているエリアごとに記憶部22に記憶させるとよい。
【0030】
位置情報取得部32は、無線機14から無線機14が位置している位置情報である第2位置情報を取得し、無線機14の位置を特定する。また、位置情報取得部32は、ノイズ判定装置12からノイズ判定装置12が位置している位置情報である第1位置情報を取得し、ノイズ判定装置12の位置を特定するようにしてもよい。
【0031】
ノイズキャンセリング制御部34は、位置情報取得部32が取得した無線機14の位置情報である第2位置情報を取得すると、記憶部22に記憶されたエリア情報と比較し、無線機14の位置が記憶されたエリア情報のエリアに含まれると判断した場合、その第2位置情報に対応したエリアの制御情報を、通信部20を介して無線機14に送信する。ここでは、ノイズキャンセリング制御部34は、第2位置情報に対応したエリアの制御情報を記憶部22から読み出し、通信部20を介して読み出した制御情報を無線機14に送信する。
【0032】
エリアとノイズ判定装置12との情報が関連付けられて記憶部22に記憶されていない状態で、ノイズ判定装置12で所定の時間間隔ごとにノイズ判定装置12の位置情報が第1位置情報として取得されて管理装置10に送信されている場合、範囲決定部36は、位置情報取得部32で特定されるノイズ判定装置12の位置とあらかじめ設定された所定の距離とを利用して、ノイズ判定装置12の位置から所定の距離を半径とする円領域であるエリアをエリア情報として特定する。範囲決定部36は、この特定されたエリア情報を、ノイズ判定装置12のエリア情報として記憶部22に記憶する。範囲決定部36は、エリアとノイズ判定装置12との情報が関連付けられて所定の情報として記憶部22に記憶されている場合には、ノイズ判定装置12から第1位置情報を受信すると、受信した第1位置情報の位置を含むエリアを記憶部22に記憶されているエリアの情報から特定する。また、無線機14の位置情報である第2位置情報を位置情報取得部32が取得すると、取得した第2位置情報の位置を含むエリアを記憶部22に記憶されているエリアの情報から特定する。
【0033】
(ノイズ判定装置)
図4を用いて、第1実施形態に係るノイズ判定装置の構成例について説明する。
図4は、第1実施形態に係るノイズ判定装置の構成例を示すブロック図である。
【0034】
ノイズ判定装置12は、第1通信部40と、第2通信部42と、入力部44と、マイク46と、表示部48と、音声出力部50と、記憶部52と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部54と、制御部56と、を備える。ノイズ判定装置12は、エリアごとに位置しており、管理システム1によってエリアとノイズ判定装置12とが関連付けられて管理される。
【0035】
第1通信部40は、ネットワークNを介して、管理装置10と通信を行う。第1通信部40が行う通信の方式は、第1通信方式と呼ばれる。第1通信方式は、例えば、APCO-P25(Association of Public safety Communications Officials international Project 25)およびNXDN(登録商標)といったデジタル業務無線が挙げられる。第1通信方式は、インターネット網および携帯電話網等による通信であってもよい。
【0036】
第2通信部42は、近距離無線通信方式で無線機14と通信を行う。第2通信部42が行う通信の方式は、第2通信方式と呼ばれる。近距離無線通信方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)による通信が例示されるが、これに限定されない。ここで、近距離無線通信の通信到達距離が所定の近距離のエリア内となる、所定の送信出力以下で近距離無線通信を行うように構成されるとよい。
【0037】
入力部44は、ノイズ判定装置12に対する各種の入力操作を受け付ける。入力部44は、受け付けた入力操作に応じた入力信号を制御部56に出力する。入力部44は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチ、PTT(Push to Talk)ボタンなどを含む。
【0038】
マイク46は、各種の音声を収音する。マイク46は、例えば、ノイズ判定装置12が位置しているエリアの環境音を収音する。
【0039】
表示部48は、各種の映像を表示する。表示部48は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)などを含むディスプレイである。
【0040】
音声出力部50は、各種の音声を出力する。音声出力部50は、スピーカである。
【0041】
記憶部52は、各種の情報を記憶している。記憶部52は、制御部56の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部52は、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置、HDD等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0042】
GNSS受信部54は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機等で構成される。GNSS受信部54は、受信したGNSS信号を位置検出部62へ出力する。
【0043】
制御部56は、ノイズ判定装置12の各部を制御する。制御部56は、例えば、CPUやMPUなどの情報処理装置と、RAMまたはROMなどの記憶装置とを有する。制御部56は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部56は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0044】
制御部56は、環境音取得部60と、位置検出部62と、ノイズ判定部64と、を備える。制御部56は、第1通信部40を制御して位置検出部62からの第1位置情報とノイズ判定部64からの制御情報とを関連付け、関連付けられた情報を管理装置10に送信するよう制御するとよい。
【0045】
環境音取得部60は、マイク46を制御して、マイク46にノイズ判定装置12が位置しているエリアの環境音を収音させる。環境音取得部60は、マイク46に収音させた環境音に関する環境音情報を取得する。
【0046】
位置検出部62は、所定の時間間隔でノイズ判定装置12の位置を検出する。位置検出部62は、GNSS受信部54が受信したGNSS信号に基づいて、ノイズ判定装置12の位置を検出する。位置検出部62は、GNSS受信部54が受信したGNSS信号に基づいて、ノイズ判定装置12が位置しているエリアを特定するための位置情報を第1位置情報として管理装置10に送信する。ここで、ノイズ判定装置12が所定のエリア内の所定の位置に配置されている場合には、ノイズ判定装置12は位置情報を管理装置10に送信しなくともよい。
【0047】
ノイズ判定部64は、環境音取得部60が取得した環境音情報に基づいて、ノイズ判定装置12が位置しているエリアのノイズの状況を判定する。具体的には、ノイズ判定部64は、例えば、ノイズ判定装置12が位置しているエリアに位置する無線機14がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かを判定する。ノイズ判定部64は、例えば、環境音の大きさが所定の閾値を超えていた場合に、ノイズキャンセリング処理が必要であると判定する。ノイズ判定部64は、例えば、ノイズ判定装置12が位置しているエリアに位置する無線機14がノイズキャンセリング処理を実行する必要があると判定された場合、無線機14のノイズキャンセリング機能を有効にするための制御情報を生成する。ノイズ判定部64は、第1通信部40を介して、生成した制御情報を管理装置10に送信する。言い換えれば、ノイズ判定部64は、無線機14がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かを示す判定結果を制御情報として管理装置10に送信する。
【0048】
(無線機)
図5を用いて、第1実施形態に係る無線機の構成例について説明する。
図5は、第1実施形態に係る無線機の構成例を示すブロック図である。
【0049】
図5に示すように、無線機14は、第1通信部70と、第2通信部72と、入力部74と、マイク76と、表示部78と、音声出力部80と、記憶部82と、GNSS受信部84と、制御部86と、を備える。
【0050】
第1通信部70は、ネットワークNを介して、管理装置10と通信を行う。第1通信部70が行う通信の方式は、第1通信方式と呼ばれる。第1通信方式は、例えば、APCO-P25およびNXDN(登録商標)といったデジタル業務無線が挙げられる。第1通信方式は、インターネット網および携帯電話網等による通信であってもよい。
【0051】
第2通信部72は、近距離無線通信方式でノイズ判定装置12と通信を行う。第2通信部72が行う通信の方式は、第2通信方式と呼ばれる。近距離無線通信方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)による通信が例示されるが、これに限定されない。
【0052】
入力部74は、無線機14に対する各種の入力操作を受け付ける。入力部74は、受け付けた入力操作に応じた入力信号を制御部86に出力する。入力部74は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチ、PTTボタンなどを含む。
【0053】
マイク76は、各種の音声を収音する。マイク76は、例えば、無線機14を使用するユーザの音声を収音する。
【0054】
表示部78は、各種の映像を表示する。表示部78は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELなどを含むディスプレイである。
【0055】
音声出力部80は、各種の音声を出力する。音声出力部80は、例えば、他の無線機14を使用するユーザの音声を出力する。音声出力部80は、スピーカである。
【0056】
記憶部82は、各種の情報を記憶している。記憶部82は、制御部86の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部82は、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置、HDD等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0057】
GNSS受信部84は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機等で構成される。GNSS受信部84は、受信したGNSS信号を位置検出部90へ出力する。
【0058】
制御部86は、無線機14の各部を制御する。制御部86は、例えば、CPUやMPUなどの情報処理装置と、RAMまたはROMなどの記憶装置とを有する。制御部86は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部86は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0059】
制御部86は、位置検出部90と、制御情報取得部92と、ノイズキャンセリング制御部94とを備える。
【0060】
位置検出部90は、無線機14の位置を検出する。位置検出部90は、GNSS受信部84が受信したGNSS信号に基づいて、無線機14の位置を検出する。位置検出部90は、GNSS受信部84が受信したGNSS信号に基づいて、無線機14が位置しているエリアを検出する。位置検出部90は、第1通信部70を介して、検出した無線機14の位置情報を第2位置情報として管理装置10に送信する。位置検出部90は、第2位置情報を所定の時間間隔で管理装置10に送信するようしてもよい。
【0061】
制御情報取得部92は、第1通信部70を介して、管理装置10から無線機14のノイズキャンセリング機能の有効と無効とを切り替えるための制御情報を取得する。
【0062】
ノイズキャンセリング制御部94は、無線機14のノイズキャンセリング機能の有効と無効とを切り替える。ノイズキャンセリング制御部94は、制御情報取得部92が管理装置10から取得した制御情報に従って、ノイズキャンセリング機能の有効と無効とを切り替える。ノイズキャンセリング制御部94は、ノイズキャンセリング機能が有効のときに、ノイズキャンセリング処理を実行する。ノイズキャンセリング制御部94が実行するノイズキャンセリング処理の種類は、無線機14を使用するユーザが任意に設定することができる。
【0063】
(ノイズキャンセリング制御方法)
図6を用いて、第1実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法について説明する。
図6は、第1実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【0064】
ノイズ判定装置12の位置検出部62は、ノイズ判定装置12が位置しているエリアに関する位置を検出する(ステップS10)。そして、ステップS12に進む。
【0065】
ノイズ判定装置12は、ノイズ判定装置12が位置しているエリアのノイズを判定するためのノイズ判定処理を実行する(ステップS12)。
図7は、第1実施形態に係るノイズ判定処理を示すフローチャートである。
【0066】
環境音取得部60は、マイク46が検出したノイズ判定装置12が位置しているエリアの環境音を取得する(ステップS200)。そして、ステップ202に進む。
【0067】
ノイズ判定部64は、環境音取得部60が取得した環境音に基づいて、無線機14はノイズキャンセリング処理が必要であるか否かを判定する(ステップS202)。ノイズキャンセリング処理が必要であると判定された場合(ステップS202;Yes)、ステップS204に進む。ノイズキャンセリング処理が必要であると判定されない場合(ステップS202;No)、ステップS206に進む。
【0068】
ステップS202でYesと判定された場合(ステップS202;Yes)、ノイズ判定部64は、無線機14のノイズキャンセリング機能を有効にする制御情報を生成する(ステップS204)。そして、
図6に示すステップS14に進む。
【0069】
ステップS202でNoと判定された場合(ステップS202;No)、ノイズ判定部64は、無線機14のノイズキャンセリング機能を無効にする制御情報を生成する(ステップS206)。そして、
図6に示すステップS14に進む。
【0070】
ノイズ判定装置12のノイズ判定部64は、第1通信部40を介して、生成した制御情報とノイズ判定装置12が位置しているエリアを示す第1位置情報を管理装置10に送信する(ステップS14)。そして、ステップS16に進む。
【0071】
管理装置10の制御情報取得部30は、ノイズ判定装置12が送信した制御情報と第1位置情報とを関連付けた情報を取得し、制御情報と第1位置情報とを関連付けた情報を記憶部22に記憶させる(ステップS16)。そして、ステップS18に進む。
【0072】
無線機14の位置検出部90は、無線機14が位置しているエリアに関する位置を検出する(ステップS18)。そして、ステップS20に進む。
【0073】
無線機14の位置検出部90は、第1通信部70を介して、無線機14が位置しているエリアに関する第2位置情報を管理装置10に送信する(ステップS20)。そして、ステップS22に進む。
【0074】
管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、位置情報取得部32が無線機14から取得した第2位置情報に対応する制御情報を記憶部22から読み出す(ステップS22)。そして、ステップS24に進む。ここでは、位置情報取得部32が取得した第2位置情報と記憶部22に記憶されたエリア情報とを比較し、無線機14の位置が記憶されたエリア情報のエリアに含まれると判断した場合、その第2位置情報に対応したエリアの制御情報を記憶部22から読み出すとよい。
【0075】
管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、通信部20を介して、記憶部22から読み出した制御情報を無線機14に送信する(ステップS24)。そして、ステップS26に進む。
【0076】
無線機14のノイズキャンセリング制御部94は、制御情報取得部92が第1通信部70を介して管理装置10から取得した制御情報に従って、ノイズキャンセリング処理を実行する(ステップS26)。具体的には、無線機14のノイズキャンセリング制御部94は、無線機14のノイズキャンセリング機能を有効または無効にする。そして、
図6の処理を終了する。
【0077】
上述のとおり、第1実施形態は、ノイズ判定装置12のノイズの判定結果に基づいて、無線機14のノイズキャンセリング処理が必要と判定された場合に、管理装置10が無線機14のノイズキャンセリング処理を有効にする。これにより、第1実施形態は、ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制することができる。
【0078】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ノイズ判定装置12と、無線機14との処理で、ノイズキャンセリング機能を制御する。
【0079】
(ノイズキャンセリング制御方法)
図8を用いて、第2実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法について説明する。
図8は、第2実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【0080】
ステップS30の処理は、
図6に示すステップS12の処理と同じなので、説明を省略する。
【0081】
ノイズ判定装置12のノイズ判定部64は、第2通信部42を介して、生成した制御情報を無線機14に送信する(ステップS32)。そして、ステップS34に進む。
【0082】
無線機14のノイズキャンセリング制御部94は、制御情報取得部92が第2通信部72を介してノイズ判定装置12から取得した場合に、取得した制御情報に従って、ノイズキャンセリング処理を実行する(ステップS34)。すなわち、無線機14は、ノイズ判定装置12から近距離無線通信により、制御情報を受信した場合に、ノイズキャンセル処理を実行する。ここで、ノイズ判定装置12は、同様の環境音が収音できるエリアを大きく超えた通信とならないように、近距離無線通信の通信到達距離が所定の近距離のエリア内となる、所定の送信出力以下で近距離無線通信を行う。この同様の環境音が収音できるエリアは、例えば、ノイズ判定装置12の位置から、何らかの環境音が生じた場合に検出可能な位置までの距離を半径とする円領域をエリアにするとよい。
【0083】
上述のとおり、第2実施形態は、ノイズ判定装置12のノイズの判定結果に基づいて、無線機14のノイズキャンセリング処理が必要と判定された場合に、ノイズ判定装置12が無線機14のノイズキャンセリング処理を有効にする。これにより、第2実施形態は、ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制することができる。
【0084】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第3実施形態では、ノイズ判定装置12と、無線機14とは、屋内において、所定のフロア内に位置している。フロアは、屋内で周囲を壁で囲まれた部屋のことであり、壁などによる囲いが無い屋外の所定の領域であるエリアとは異なる。それぞれのフロアでは、フロア内であればフロア内の位置に関わらず同様の環境音となっている。
【0085】
(管理システムの処理の概要)
図9を用いて、第3実施形態に係る管理システムの処理の概要について説明する。
図9は、第3実施形態に係る管理システムの処理の概要を説明するための図である。
【0086】
管理システム1Aは、屋内において、所定のフロアに適用される。
図9に示すように、フロアFL1には、ノイズ判定装置12-1と、無線機14-1と、ビーコン発信機16-1と、ビーコン発信機16-2と、ビーコン発信機16-3、ビーコン発信機16-4とが位置しているものとする。フロアFL2には、ノイズ判定装置12-2と、無線機14-2と、ビーコン発信機16-5と、ビーコン発信機16-6とビーコン発信機16-7と、ビーコン発信機16-8とが位置しているものとする。ビーコン発信機16-1からビーコン発信機16-8を区別する必要のない場合には、ビーコン発信機16と総称することもある。
【0087】
ビーコン発信機16-1からビーコン発信機16-4の各々は、例えば、フロアFL1の異なる隅に配置されている。ビーコン発信機16-1からビーコン発信機16-4は、フロアFL1に向けてビーコン信号を送信する。ノイズ判定装置12―1および無線機14-1は、ビーコン発信機16-1からビーコン発信機16-4が送信したビーコン信号に基づいて、現在の位置を検出する。ここで、ビーコン信号は、例えば、ノイズ判定装置12の第2通信部42および無線機14の第2通信部72により受信されるとよい。また、ノイズ判定装置12および無線機14は、例えば、ビーコン信号を受信するための第3の通信部を新たに備えるように構成してもよい。ノイズ判定装置12―1および無線機14-1は、例えば、ビーコン発信機16-1からビーコン発信機16-4のうち、少なくとも3つのビーコン発信機16からビーコン信号を受信し、3点測位の方法を用いて、フロアFL1内に位置していることを検出する。ビーコン信号に基づくことで、ノイズ判定装置12-1および無線機14-1が同一のフロアに位置していることを精度よく検出することができる。ここで、3点測位の方法としては公知の技術を用いればよく、特に限定されるものではないことに注意する。3点測位の方法としては、例えば、3か所から発信されるビーコン信号の受信電波強度(RSSI)に基づいて位置を特定するとよい。また、3点測位の方法としては、例えば、発信されるビーコン信号の位相を利用した電波の到来方向推定により、位置を特定するようにしてもよい。また、ビーコン信号には、ビーコン発信機を特定するための識別情報とフロアを特定するための情報とを少なくとも含めて送信されるとよい。
【0088】
ビーコン発信機16-5からビーコン発信機16-8の各々は、例えば、フロアFL2の異なる隅に配置されている。ビーコン発信機16-5からビーコン発信機16-8は、フロアFL2に向けてビーコン信号を送信する。ノイズ判定装置12―2および無線機14-2は、ビーコン発信機16-5からビーコン発信機16-8が送信したビーコン信号に基づいて、現在の位置を検出する。ここで、ビーコン信号は、例えば、ノイズ判定装置12の第2通信部42および無線機14の第2通信部72により受信されるとよい。また、ノイズ判定装置12および無線機14は、例えば、ビーコン信号を受信するための第3の通信部を新たに備えるように構成してもよい。ノイズ判定装置12―2および無線機14-2は、例えば、ビーコン発信機16-5からビーコン発信機16-8のうち、少なくとも3つのビーコン発信機16からビーコン信号を受信し、3点測位の方法を用いて、フロアFL2内に位置していることを検出する。ビーコン信号に基づくことで、ノイズ判定装置12-2および無線機14-2が同一のフロアに位置していることを検出することができる。
【0089】
ノイズ判定装置12-1は、フロアFL1内に位置しており、フロアFL1の環境音を取得して、無線機14-1がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かを判定する。ノイズ判定装置12-1は、無線機14-1のノイズキャンセリング処理機能を制御するための制御情報と、ビーコン信号に基づいて検出したフロア情報である第1フロア情報とを関連付け、関連付けられた情報を管理装置10に送信するとよい。ここで、ノイズ判定装置12-1は、所定のノイズ判定装置12として所定のフロアの所定の位置にあらかじめ配置されるようにしてもよい。また、ノイズ判定装置12-1は、所定のフロアの所定の位置にあらかじめ配置されてはおらず、所定のフロアにノイズ判定装置12がまだ存在していない場合は、ノイズ判定装置12から管理装置10に送信される第1位置情報に基づいて、最初にフロアに入ってきたノイズ判定装置12を、フロアに位置しているノイズ判定装置12としてもよく、最初にフロアに入ってきて所定時間フロアに留まっているノイズ判定装置12を、フロアに位置しているノイズ判定装置12としてもよい。
【0090】
ノイズ判定装置12-2は、フロアFL2内に位置しており、フロアFL2の環境音を取得して、無線機14-2がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かを判定する。ノイズ判定装置12-2は、無線機14-2のノイズキャンセリング処理機能を制御するための制御情報と、ビーコン信号に基づいて検出したフロア情報である第1フロア情報とを関連付けた情報を管理装置10に送信するとよい。ここで、ノイズ判定装置12-2の配置や決定については、ノイズ判定装置12-1と同様であればよいため説明を省略する。
【0091】
管理装置10の位置情報取得部32は、無線機14から無線機14が位置しているフロア情報である第2フロア情報を取得し、無線機14のフロアを特定する。また、位置情報取得部32は、ノイズ判定装置12からノイズ判定装置12が位置しているフロア情報である第1フロア情報を取得し、ノイズ判定装置12のフロアを特定するようにしてもよい。
【0092】
管理装置10は、ノイズ判定装置12-1から受けたフロアFL1の制御情報に基づいて、無線機14-1のノイズキャンセリング機能を制御するための制御情報を無線機14-1に送信する。
【0093】
管理装置10は、ノイズ判定装置12-2から受けたフロアFL2の制御情報に基づいて、無線機14-2のノイズキャンセリング機能を制御するための制御情報を無線機14-2に送信する。
【0094】
図8に示すように、第3実施形態では、管理装置10は、フロアごとに無線機14のノイズキャンセリング機能を制御する。
図8に示す例では、各フロアには、ノイズ判定装置12および無線機14は、1つずつ位置しているものとして示しているが、本発明はこれに限定されない。ノイズ判定装置12は、フロアの大きさに応じて、2台以上フロア内に位置していてもよい。
【0095】
(ノイズキャンセリング制御方法)
図10を用いて、第3実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法について説明する。
図10は、第3実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【0096】
ビーコン発信機16は、ノイズ判定装置12および無線機14にビーコン信号を送信する(ステップS40)。ビーコン発信機16が送信するビーコン信号は、フロアを特定するための情報を含むことからフロア識別信号とも呼ばれる。そして、ステップS42に進む。
【0097】
ノイズ判定装置12の位置検出部62は、ビーコン発信機16から受信したビーコン信号に基づいて、ノイズ判定装置12が位置しているフロアを特定する(ステップS42)。具体的には、ノイズ判定装置12の位置検出部62は、少なくとも3つのビーコン発信機16から受信したビーコン信号に基づいて、3点測位の方法を用いて、ノイズ判定装置12が位置しているフロアを特定する。ステップS44に進む。
【0098】
ステップS44の処理は、
図6に示すステップS12の処理と同じなので、説明を省略する。
【0099】
ノイズ判定装置12のノイズ判定部64は、第1通信部40を介して、生成した制御情報とノイズ判定装置12が位置しているフロアを示すフロア情報を第1フロア情報として管理装置10に送信する(ステップS46)。そして、ステップS48に進む。
【0100】
管理装置10の制御情報取得部30は、ノイズ判定装置12が送信した制御情報とフロア情報である第1フロア情報とを取得し、制御情報と第1フロア情報とを対応付けて記憶部22に記憶させる(ステップS48)。ここでは、ノイズ判定装置12が送信した制御情報と第1フロア情報とが関連付けられた情報を、通信部20を介して取得し、記憶部22に記憶させるとよい。そして、ステップS50に進む。
【0101】
無線機14の位置検出部90は、ビーコン発信機16から受信したビーコン信号に基づいて、無線機14が位置しているフロアを特定する(ステップS50)。具体的には、無線機14の位置検出部90は、少なくとも3つのビーコン発信機16から受信したビーコン信号に基づいて、3点測位の方法を用いて、無線機14が位置しているフロアを特定する。ステップS52に進む。
【0102】
無線機14の位置検出部90は、第1通信部70を介して、無線機14が位置しているフロアに関するフロア情報を第2フロア情報として管理装置10に送信する(ステップS52)。そして、ステップS54に進む。
【0103】
管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、位置情報取得部32が無線機14から取得したフロア情報である第2フロア情報に対応する制御情報を記憶部22から読み出す(ステップS54)。そして、ステップS56に進む。ここでは、位置情報取得部32で特定した無線機のフロアに対応した制御情報を、記憶部22から読み出すとよい。
【0104】
ステップS56およびステップS58の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS24およびステップS26の処理と同じなので、説明を省略する。
【0105】
上述のとおり、第3実施形態は、ビーコン信号に基づくことで、ノイズ判定装置12と無線機14とが同一のフロアに位置していることを精度よく検出することができる。そして、第3実施形態は、ノイズ判定装置12のノイズの判定結果に基づいて、無線機14のノイズキャンセリング処理が必要と判定された場合に、管理装置10が無線機14のノイズキャンセリング処理を有効にする。これにより、第3実施形態は、ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制することができる。
【0106】
また、第3実施形態において、所定のノイズ判定装置12として所定のフロアの所定の位置にあらかじめ配置されるようにしておき、無線機14のノイズキャンセリング処理が必要と判定された場合に、管理装置10が無線機14のノイズキャンセリング処理を有効にする。これにより、第3実施形態は、ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制することができる。また、第3実施形態において、ノイズ判定装置12を、所定のフロアの所定の位置にあらかじめ配置しておかず、所定のフロアにノイズ判定装置12がまだ存在していない場合は、最初にフロアに入ってきたノイズ判定装置12もしくは最初にフロアに入ってきて所定時間フロアに留まっているノイズ判定装置12を、フロアに位置しているノイズ判定装置12とすることで、ノイズ判定装置12がフロア内を移動する場合に、ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制することができる。また、第3実施形態において、複数のノイズ判定装置12となり得る候補がフロア内に位置している場合には、所定の条件に応じてフロアを担当するノイズ判定装置12が切り替わるよう管理装置10がそれぞれのノイズ判定装置12の動作を制御する信号を送信して制御することで、ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制することができる。
【0107】
(ノイズ判定装置の決定方法)
管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、ノイズ判定装置12が所定のフロアの所定の位置にあらかじめ配置されてはおらず、所定のフロアにノイズ判定装置12がまだ存在していないと検知した場合は、ノイズ判定装置12から管理装置10に送信される第1位置情報に基づいて、最初にフロアに入ってきたノイズ判定装置12を、フロアに位置しているノイズ判定装置12として設定してもよく、最初にフロアに入ってきて所定時間フロアに留まっているノイズ判定装置12を、フロアに位置しているノイズ判定装置12として設定してもよい。ノイズ判定装置12の動作を制御する信号として切替要求信号を、設定されたノイズ判定装置12に送信して、フロアを担当するノイズ判定装置12とする制御を行うようにしてもよい。
【0108】
管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、複数のノイズ判定装置12となり得る候補がフロア内に位置していると検知した場合には、ノイズ判定装置12の候補の中から新たなノイズ判定装置12を設定し、切替要求信号をフロア内で動作しているノイズ判定装置12と新たに設定されたノイズ判定装置12とに対して送信して、フロアを担当するノイズ判定装置12を切り替える制御を行うようにしてもよい。
【0109】
フロア内で動作しているノイズ判定装置12は、切替要求信号を受信すると、ノイズ判定装置12としての機能を停止するようにするとよい。新たに設定されたノイズ判定装置12は、管理装置10から切替要求信号を受信するとノイズ判定装置12としての動作を開始して、新たに担当するエリアの環境音を取得して、無線機14がノイズキャンセリング処理を実行する必要があるか否かを判定し、判定結果を制御情報として管理装置10に送信するようにしてもよい。また、新たに設定されたノイズ判定装置12は、第1位置情報を取得し、管理装置10に送信するようにしてもよい。
【0110】
管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、所定の条件を満たした場合、ノイズ判定装置12の候補の中から新たなノイズ判定装置12を設定し、切替要求信号をフロア内で動作しているノイズ判定装置12と新たに設定されたノイズ判定装置12とに対して送信して、フロアを担当するノイズ判定装置12を切り替える制御を行うようにしてもよい。
【0111】
フロアを担当するノイズ判定装置12として設定する所定の条件としては、例えば、フロアの中心もしくは重心の位置に最も近いノイズ判定装置12を設定してもよい。また、例えば、ノイズ判定装置12がフロアから退出してしまったことを検出した場合は、フロア内の別のノイズ判定装置12の候補の中から、新たなノイズ判定装置12を設定してもよい。また、例えば、ノイズ判定装置12の状態情報から電池残量が最も多いノイズ判定装置12を設定してもよい。また、例えば、ノイズ判定装置12の状態情報から通信状態が最も良いノイズ判定装置12を設定してもよい。また、例えば、ノイズ判定装置12の状態情報から使用状況が最も低いノイズ判定装置12を設定してもよい。また、例えば、ノイズ判定装置12の状態情報から故障が無く良好に動作しているノイズ判定装置12を設定してもよい。また、例えば、ノイズ判定装置12の状態情報から緊急状態でなく良好に動作しているノイズ判定装置12を設定してもよい。
【0112】
ノイズ判定装置を決定する際の処理の流れは、例えば以下であるとよい。ノイズ判定装置12の候補は、第1位置情報もしくは第1フロア情報を管理装置10に送信する。また、ノイズ判定装置12の候補は、状態情報を管理装置10に送信する。管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、所定の条件を満たす場合に、ノイズ判定装置12の候補から新たなノイズ判定装置12を設定する。管理装置10のノイズキャンセリング制御部34は、新たに設定されたノイズ判定装置12と、それ以外のノイズ判定装置12の候補に、切替要求信号を送信する。新たに設定されたノイズ判定装置12の制御部56は、管理装置10から送信された切替要求信号により、ノイズ判定機能を開始するよう各部を制御する。また、新たに設定されたノイズ判定装置12以外のノイズ判定装置12の制御部56は、管理装置10から送信された切替要求信号により、ノイズ判定機能を終了するよう各部を制御する。以上のような処理を行うことにより、フロアを担当する新たなノイズ判定装置が設定される。
【0113】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、ノイズ判定装置12と、無線機14と、ビーコン発信機16との処理で、ノイズキャンセリング機能を制御する。
【0114】
(ノイズキャンセリング制御方法)
図11を用いて、第4実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法について説明する。
図11は、第4実施形態に係るノイズキャンセリング制御方法を示すシーケンス図である。
【0115】
ステップS70からステップS74の処理は、それぞれ、
図10に示すステップS40からステップS44の処理と同じなので、説明を省略する。
【0116】
ノイズ判定装置12のノイズ判定部64は、制御情報を生成し、ノイズ判定装置12の制御部56は、生成した制御情報とノイズ判定装置12が位置しているフロアを示すフロア情報である第1フロア情報とを、第2通信部42を介して近距離無線通信により自装置が位置しているフロア内に送信することにより無線機14に送信する(ステップS76)。そして、ステップS78に進む。
【0117】
無線機14の制御情報取得部92は、第2通信部72を介して、ノイズ判定装置12からの制御情報と第1フロア情報を取得する。無線機14の位置検出部90は、ビーコン発信機16から受信したビーコン信号に基づいて、無線機14が位置しているフロアを特定する(ステップS78)。具体的には、無線機14の位置検出部90は、少なくとも3つのビーコン発信機16から受信したビーコン信号に基づいて、3点測位の方法を用いて、無線機14が位置しているフロアを特定する。ステップS80に進む。
【0118】
無線機14は、ノイズキャンセリング処理を実行する(ステップS80)。
図12は、第4実施形態に係るノイズキャンセリング処理を示すフローチャートである。
【0119】
無線機14のノイズキャンセリング制御部94は、ノイズ判定装置12から取得した第1フロア情報が示すフロアと、位置検出部90が検出したフロアとが同一フロアであるか否かを判定する(ステップS210)。同一フロアであると判定された場合(ステップS210;Yes)、ステップS212に進む。同一フロアであると判定されない場合(ステップS210;No)、
図12の処理を終了する。
【0120】
ステップS210でYesと判定された場合、無線機14のノイズキャンセリング制御部94は、ノイズキャンセリング処理を実行する(ステップS212)。そして、
図12の処理を終了する。
【0121】
上述のとおり、第4実施形態は、ビーコン信号に基づくことで、ノイズ判定装置12と無線機14とが同一のフロアに位置していることを精度よく検出することができる。そして、第4実施形態は、ノイズ判定装置12のノイズの判定結果に基づいて、無線機14のノイズキャンセリング処理が必要と判定された場合に、ノイズ判定装置12が無線機14のノイズキャンセリング処理を有効にする。これにより、第2実施形態は、ノイズキャンセリング動作を適切に制御し無線機の電力消費を抑制することができる。
【0122】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の付加や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0123】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0124】
1,1A 管理システム
10 管理装置
12 ノイズ判定装置
14 無線機
16 ビーコン発信機
20 通信部
22,52,82 記憶部
24,56,86 制御部
30,92 制御情報取得部
32 位置情報取得部
34,94 ノイズキャンセリング制御部
40,70 第1通信部
42,72 第2通信部
44,74 入力部
46,76 マイク
48,78 表示部
50,80 音声出力部
54,84 GNSS受信部
60 環境音取得部
62,90 位置検出部
64 ノイズ判定部