(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147388
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】対象装置のためのコンピュータプログラム、対象装置を制御するための方法、及び、対象装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241008BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 L
H04N1/387 700
H04N1/387 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060356
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 啓佑
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA17
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC08
5C062AC09
5C062AC22
5C062AE01
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF07
5C062AF10
5C062AF11
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】対象装置の処理負荷を軽減し得る技術を提供する。
【解決手段】対象装置は、原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得し、記複数個の設定情報を利用して、複数個の画像データを取得し、複数個の設定情報の中から、複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する。対象装置は、対象設定情報に対応する対象画像データに対する認識処理を実行して、認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成し、第1の結果情報を利用して複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記対象装置のコンピュータを、
原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得する第1の取得部と、
前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データを取得する第2の取得部と、
前記複数個の設定情報の中から、前記複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する決定部と、
前記対象設定情報に対応する前記対象画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成する第1の認識処理実行部と、
前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第1の加工部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記決定部は、前記複数個の設定情報がモノクロ画像を表わす画像データを生成するための第1の設定情報を含む場合に、前記第1の設定情報を前記対象設定情報として決定する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記決定部は、前記複数個の設定情報が所定範囲内の解像度を有する画像データを生成するための第2の設定情報を含む場合に、前記第2の設定情報を前記対象設定情報として決定する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記認識処理のための専用の画像データであって、前記読取データから生成される前記専用の画像データを利用することがユーザによって選択される場合に、前記専用の画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第2の結果情報を生成する第2の認識処理実行部と、
前記第2の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第2の加工部であって、前記専用の画像データは、前記第2の結果情報を利用して加工されない、前記第2の加工部と、として機能させ、
前記専用の画像データを利用することが前記ユーザによって選択されない場合に、
前記決定部は、前記複数個の設定情報の中から前記対象設定情報を決定し、
前記第1の認識処理実行部は、前記対象画像データに対する前記認識処理を実行し、
前記第1の加工部は、前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記認識処理は、文字認識処理を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記第1の結果情報は、前記対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字を示す文字情報を含み、
前記第1の加工部は、前記複数個の画像データのそれぞれに前記文字情報を付加する、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第1の結果情報は、前記対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字の向きを示す向き情報を含み、
前記第1の加工部は、前記向き情報に従って前記複数個の画像データのそれぞれを回転させる、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
ユーザによって前記複数個の設定情報が設定される場合に、前記複数個の設定情報を前記対象装置のメモリに記憶する記憶制御部として機能させ、
前記第1の取得部は、前記メモリ内の前記複数個の設定情報を取得する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記対象装置は、端末装置であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記画像読取装置から前記読取データを受信する受信部と、
前記読取データ及び前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データのそれぞれを生成する生成部と、
として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
対象装置を制御するための方法であって、
原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得する第1の取得ステップと、
前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データを取得する第2の取得ステップと、
前記複数個の設定情報の中から、前記複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する決定ステップと、
前記対象設定情報に対応する前記対象画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成する第1の認識処理実行ステップと、
前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第1の加工ステップと、
を備える、方法。
【請求項11】
対象装置であって、
原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得する第1の取得部と、
前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データを取得する第2の取得部と、
前記複数個の設定情報の中から、前記複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する決定部と、
前記対象設定情報に対応する前記対象画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成する第1の認識処理実行部と、
前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第1の加工部と、
を備える、対象装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、画像データを加工する対象装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像データ生成装置が開示されている。画像データ生成装置は、スキャン指示が受け付けられる場合に、原稿台に置かれた原稿をスキャンして画像データを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、対象装置の処理負荷を軽減し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、対象装置のためのコンピュータプログラムを開示する。前記コンピュータプログラムは、前記対象装置のコンピュータを、原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得する第1の取得部と、前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データを取得する第2の取得部と、前記複数個の設定情報の中から、前記複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する決定部と、前記対象設定情報に対応する前記対象画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成する第1の認識処理実行部と、前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第1の加工部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、対象装置は、複数個の画像データの中から対象画像データを生成するための対象設定情報を決定し、対象設定情報に対応する対象画像データに対する認識処理を実行する。このため、複数個の画像データのそれぞれに対して認識処理が実行される構成と比べると、対象装置の処理負荷を低減し得る。
【0007】
上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体、上記のコンピュータプログラムによって実現される対象装置、及び、対象装置を制御するための方法も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】スキャン処理実行時に表示される画面の一例である。
【
図4】PCによって実行される画像データ処理のフローチャートである。
【
図5】PCによって実行される対象設定情報決定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、PC10と、スキャナ100と、を備える。PC10、及び、スキャナ100は、LAN(Local Area Networkの略)4に接続されている。PC10、及び、スキャナ100は、LAN4を介して、通信可能である。
【0010】
(PC10の構成)
PC10は、デスクトップPCであってもよいし、ノートPCであってもよい。PC10は、操作部12と、表示部14と、通信インターフェース16と、制御部30と、を備える。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0011】
操作部12は、様々な情報をPC10に入力するためのインターフェースであり、マウス、キーボード等を備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイ又はパネルである。パネルは、タッチパネルであってもよいし、タッチパネルでなくてもよい。また、パネルは、例えば、液晶パネル、有機ELパネルである。通信I/F16は、LAN4に接続されている。通信I/F16は、有線I/Fであってもよいし、無線I/Fであってもよい。
【0012】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、Operating System(OS)プログラム36と、アプリケーションプログラム38と、スキャナドライバ40と、を記憶する。以下では、OSプログラム36、アプリケーションプログラム38を、それぞれ、「OS36」、「アプリ38」と記載する。CPU32は、OS36及びアプリ38に従って、様々な処理を実行する。OS36は、PC10の基本的な動作を制御する。スキャナドライバ40は、モデル名「MN1」を有するスキャナ(例えばスキャナ100)にスキャンを実行させる。即ち、スキャナドライバ40は、モデル名「MN1」を有するスキャナに対応するプログラムである。
【0013】
(スキャナ100の構成)
スキャナ100は、スキャン機能を実行可能な周辺装置である。スキャナ100は、さらに、印刷機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。スキャナ100は、モデル名「MN1」を有する。スキャナ100は、操作部112と、表示部114と、通信I/F116と、スキャン実行部118と、制御部130と、を備える。操作部112、表示部114、通信I/F116は、それぞれ、操作部12、表示部14、通信I/F16と同様の機能を有する。
【0014】
スキャン実行部118は、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ、CIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサを有するスキャナエンジンを備える。
【0015】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0016】
(スキャン処理;
図2、
図3)
図2、
図3を参照して、本実施例の通信システム2によって実現されるスキャン処理について説明する。
図2、3では、PC10のCPU32を主体として処理の内容を説明せずに、OS36、アプリ38及びスキャナドライバ40を主体として処理の内容を説明する。アプリ38及びスキャナドライバ40は、OS36を介して、CPU32、表示部14、メモリ34、通信I/F16等の各ハードウェアにアクセスして、各種処理を実行する。ただし、以下では、アプリ38及びスキャナドライバ40がOS36を介して処理を実行することを適宜省略して説明する。また、スキャナ100のCPU132を主体として処理の内容を説明せずに、スキャナ100を主体として処理の内容を説明する。また、以下では、アプリ38に従って表示される画面の外枠を太線で示し、スキャナドライバ40に従って表示される画面の外枠を細線で示している。
【0017】
まず、ユーザは、アプリ38を起動させる起動操作をPC10に実行する。これにより、PC10のOS36は、アプリ38に起動指示を供給する。アプリ38は、OS36から起動指示を取得することに応じて起動し、ホーム画面SC10を表示部14に表示させる。ホーム画面SC10は、スキャンボタンBT10を含む。スキャンボタンBT10は、スキャナ100にスキャンを実行させるためのボタンである。なお、ホーム画面SC10は、スキャナ100が選択されていることを示す情報を含んでもよい。
【0018】
ユーザは、T10において、ホーム画面SC10上のスキャンボタンBT10を選択するための操作をPC10に実行する。これにより、アプリ38は、表示指示をスキャナドライバ40に供給する。
【0019】
スキャナドライバ40は、アプリ38から表示指示を取得すると、設定ボタンと、スキャン開始ボタンと、を含むスキャン開始画面(図示省略)を表示部14に表示させる。スキャナドライバ40は、スキャン開始画面内の設定ボタンの選択を受け付けると、スキャン設定画面SC12を表示部14に表示させる。スキャン設定画面SC12は、スキャン設定情報(以下では単に「設定情報」と記載する)を設定するための画面である。スキャン設定画面SC12は、機能選択欄FL10と、第1の設定領域SA10と、OKボタンBT14と、キャンセルボタンBT16と、を含む。機能選択欄FL10は、1個の読取データから複数個の画像データを生成する機能を利用するのか否かを選択するためのチェックボックスを含む。読取データは、スキャナ100が、スキャナ100の原稿台に置かれた原稿の読取を実行することによって生成されるデータである。読取データは、例えば、JPEGデータ、RAWデータである。第1の設定領域SA10は、出力数設定欄FL12と、タブボタンTB10、TB12と、タブボタンTB10、TB12に関連付けられている第2の設定領域SA12と、専用データ選択欄FL14と、を含む。出力数設定欄FL12は、1個の読取データから生成される画像データの数を設定するための欄である。専用データ選択欄FL14は、後述する認識処理(
図4のS42)で利用される専用の画像データを生成するのか否かを選択するための欄である。第1の設定領域SA10に含まれるタブの数は、出力数設定欄FL12で設定される出力数に対応する。
図2のスキャン設定画面SC12では、出力数設定欄FL12において出力数「2」が設定されているので、第1の設定領域SA10は2個のタブボタンTB10、TB12を含む。複数のタブボタンTB10、TB12のうち、背景が白色のタブが選択中のタブである。タブボタンTB10が選択される場合に表示される第2の設定領域SA12は、第1の設定情報を設定するための領域である。第1の設定情報は、第1の画像データを生成するための情報である。タブボタンTB12が選択される場合に表示される第2の設定領域SA12は、第2の設定情報を設定するための領域である。第2の設定情報は、第2の画像データを生成するための情報である。
【0020】
第2の設定領域SA12は、解像度設定欄FL16と、カラー情報設定欄FL18と、カラードロップ設定欄FL20と、を含む。解像度設定欄FL16は、設定項目「解像度」の設定値を設定するための欄である。本実施例では、「300dpi」、「600dpi」、「720dpi」、及び、「1200dpi」を設定可能である。カラー情報設定欄FL18は、設定項目「カラー情報」の設定値を設定するための欄である。本実施例では、「モノクロ」及び「カラー」を設定可能である。カラードロップ設定欄FL20は、設定項目「カラードロップ」の設定値を設定するための欄である。設定項目「カラードロップ」は、画像データに含めない色を設定するための項目である。例えば、スキャナドライバ40は、カラードロップ設定欄FL20に「赤」が設定されている場合、読取データ内の赤色の部分を含まない画像データを生成する。本実施例では、「赤」、「青」等を設定可能である。初期状態では、機能選択欄FL10にチェックが付与されており、出力数設定欄FL12には出力数として「2」が設定されている。また、解像度設定欄FL16、カラー情報設定欄FL18には、それぞれ、「300dpi」、「モノクロ」が設定されており、カラードロップ設定欄FL20は空の状態である。さらに、専用データ選択欄FL14にはチェックが付与されていない。また、スキャナドライバ40は、スキャン設定画面SC12を表示する際に、第1の設定情報と第2のスキャン設定情報とをメモリ34に一時的に記憶する。第1のスキャン設定情報及び第2のスキャン設定情報は、設定項目「解像度」に対応する設定値として「300dpi」と、設定項目「カラー情報」に対応する設定値として「モノクロ」と、を含む。なお、第2の設定領域SA12は、読取データ内の背景の柄を含まない画像データを生成するのか否かを選択するための欄等を含んでもよい。
【0021】
ユーザは、T12において、タブボタンTB12を選択するための操作をPC10に実行する。これにより、
図3に示すように、スキャナドライバ40は、第2の設定情報を設定するためのスキャン設定画面SC12を表示部14に表示させる。
図3の上側のスキャン設定画面SC12は、タブボタンTB12が選択されていることを除いて、
図2の下側のスキャン設定画面SC12と同様である。
【0022】
ユーザは、T20において、設定項目「解像度」に対応する設定値を「300dpi」から「600dpi」に変更するための操作をPC10に実行する。これにより、スキャナドライバ40は、解像度設定欄FL16内の設定値を「300dpi」から「600dpi」に変更する。スキャナドライバ40は、メモリ34内の第2の設定情報の設定項目「解像度」に対応する設定値を「300dpi」から「600dpi」に変更する。
【0023】
ユーザは、T22において、スキャン設定画面SC12内のOKボタンBT14を選択するための操作をPC10に実行する。これにより、スキャナドライバ40は、スキャン開始画面を表示する。次いで、ユーザは、スキャン開始画面内のスキャン開始ボタンを選択するための操作をPC10に実行する。これにより、スキャナドライバ40は、T24において、読取データの生成をスキャナ100に指示するためのスキャン指示をスキャナ100に送信する。
【0024】
スキャナ100は、T24において、PC10からスキャン指示を受信すると、スキャナ100の原稿台に置かれた原稿の読取を実行して読取データを生成する。スキャナ100は、T26において、読取データをPC10に送信する。
【0025】
PC10のスキャナドライバ40は、T26において、スキャナ100から読取データを受信すると、T28において、読取データを利用した画像データ処理(
図4)を実行する。画像データ処理は、読取データと、メモリ34内の複数個の設定情報と、を利用して複数個の画像データを生成する処理である。
図3のように、出力数設定欄FL12において出力数「2」が設定されている場合、第1の設定情報、第2の設定情報のそれぞれを利用した第1の画像データ、第2の画像データが生成される。このように、本実施例の通信システム2では、1個の読取データから複数個の画像データが生成される。
【0026】
(
図4;画像データ処理)
図4を参照して、PC10のスキャナドライバ40によって実行される画像データ処理について説明する。スキャナドライバ40は、スキャナ100から読取データを受信する場合に、
図4の処理を開始する。
【0027】
S10において、スキャナドライバ40は、複数個の設定情報をメモリ34から取得する。
【0028】
S12において、スキャナドライバ40は、専用の画像データを生成すべきか否かを判断する。スキャナドライバ40は、スキャン設定画面SC12内の専用データ選択欄FL14(
図3参照)にチェックが付与されていた場合に、S12でYESと判断し、S40に進む。一方、スキャナドライバ40は、スキャン設定画面SC12において専用データ選択欄FL14にチェックが付与されていなかった場合に、S12でNOと判断し、S14に進む。
【0029】
S14において、スキャナドライバ40は、対象設定情報を決定する処理である対象設定情報決定処理(
図5)を実行する。対象設定情報は、S10で取得された複数個の設定情報(以下では、「取得済みの複数個の設定情報」と記載する)の中から決定される。対象設定情報は、取得済みの複数個の設定情報の中で、後述する認識処理に最も適した画像データを生成するための設定情報であり、S20の対象画像データを生成するために利用される。
【0030】
S20において、スキャナドライバ40は、読取データと対象設定情報とを利用して、対象画像データを生成する。
【0031】
S22において、スキャナドライバ40は、S20で生成した対象画像データに対する認識処理を実行する。認識処理は、対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字を認識する文字認識処理と、当該文字認識処理によって認識された文字の向きを認識する文字方向認識処理と、を含む。スキャナドライバ40は、文字認識処理によって、対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字を示す文字情報を生成し、文字方向認識処理によって、対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字の向きを示す向き情報を生成する。認識処理は、対象画像データによって表わされる画像がコード画像を含む場合に、当該コード画像を認識するコード認識処理を含む。スキャナドライバ40は、コード認識処理によって、対象画像データによって表わされる画像に含まれるコード画像をデコードすることによって得られるコード情報を生成する。コード画像は、1次元バーコード、QRコード等の2次元コードである。QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標である。
【0032】
S24において、スキャナドライバ40は、S22の認識処理によって生成された第1の結果情報をメモリ34に記憶する。第1の結果情報は、文字情報と向き情報とを含む。第1の結果情報は、S22の認識処理がコード認識処理を含む場合に、コード情報をさらに含む。
【0033】
S26において、スキャナドライバ40は、非対象画像データを生成する。スキャナドライバ40は、取得済みの複数個の設定情報から、対象設定情報以外の1個以上の設定情報を特定し、特定済みの1個以上の設定情報のそれぞれを利用して1個以上の非対象画像データを生成する。
【0034】
S28において、スキャナドライバ40は、対象画像データ及び1個以上の非対象画像データに対する第1の加工処理を実行して、複数個の加工済みデータを生成する。第1の加工処理は、対象画像データ及び1個以上の非対象画像データのそれぞれに第1の結果情報内の文字情報を付加する付加処理を含む。付加処理は、第1の結果情報がコード情報を含む場合に、対象画像データ及び1個以上の非対象画像データのそれぞれに第1の結果情報内のコード情報を付加する処理をさらに含む。第1加工処理は、さらに、第1の結果情報内の向き情報に従って対象画像データ及び1個以上の非対象画像データのそれぞれを回転させる回転処理を含み得る。
図6を参照して、回転処理について説明する。スキャナドライバ40は、対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字「abc」が正立するように、画像データを回転させる。スキャナドライバ40は、対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字「abc」の向きが横向きである場合(
図6の左から2番目の対象画像データ、
図6の最も右側の対象画像データ)、又は、当該文字「abc」の向きが正立とは逆向きである場合(
図6の左から3番目の対象画像データ)に、文字「abc」の向きが正立となるように対象画像データを回転させる。例えば、
図6の左から2番目の対象画像データについては、当該対象画像データを右に90°回転させる回転処理を実行する。一方、スキャナドライバ40は、対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字「abc」が正立している場合(
図6の最も左側の対象画像データ)に、回転処理を行わない。
【0035】
図5のS30において、スキャナドライバ40は、複数個の加工済みデータをアプリ38に出力する。アプリ38は、スキャナドライバ40から複数個の加工済みデータを取得すると、複数個の加工済みデータをメモリ34に記憶する。
【0036】
また、S12でYESと判断される場合のS40において、スキャナドライバ40は、読取データと、専用設定情報と、を利用して専用の画像データを生成する。専用設定情報は、認識処理に適した専用の画像データを生成するための設定情報である。専用設定情報は、設定項目「解像度」に対応する設定値「600dpi」と、設定項目「カラー画像」に対応する設定値「モノクロ」と、を含む。専用設定情報は、メモリ34に予め記憶されている。
【0037】
S42の認識処理は、専用の画像データに対して実行される処理である点を除いて、S22と同様である。S44の第2の結果情報は、専用の画像データに基づいて得られる情報である点を除いて、S42の第1の結果情報と同様である。
【0038】
S46において、スキャナドライバ40は、非対象画像データを生成する。S46において、スキャナドライバ40は、取得済みの複数個の設定情報のそれぞれを利用して、複数個の非対象画像データを生成する。
【0039】
S48において、スキャナドライバ40は、複数個の非対象画像データに対する第2の加工処理を実行して、複数個の加工済みデータを生成する。第2の加工処理は、第2の結果情報が利用される点、及び、複数個の非対象画像データに対して実行される処理である点を除いて、S28の第1の加工処理と同様である。なお、スキャナドライバ40は、専用の画像データに対して第2の加工処理を実行しない。即ち、専用の画像データは、第2の結果情報を利用して加工されない。
【0040】
S48を経た後のS30において、スキャナドライバ40は、S48で生成された複数個の加工済みデータをアプリ38に出力する。S30において、スキャナドライバ40は、専用の画像データをアプリ38に出力することなく、消去する。
【0041】
専用の画像データを利用する場合、認識処理の確実性を向上させ得るが、PC10の処理負荷が高くなり得る。上記の構成によると、ユーザは、専用の画像データを利用するのか否かを選択することができる。このため、ユーザは、PC10の現在の処理負荷等に応じて、専用の画像データを利用するのか否かを選択することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0042】
(
図5;対象設定情報決定処理)
図5を参照して、
図4のS14で実行される対象設定情報決定処理について説明する。S60において、スキャナドライバ40は、取得済みの複数個の設定情報が、モノクロ画像を表わす画像データを生成するための設定情報を含むのか否かを判断する。具体的には、スキャナドライバ40は、取得済みの複数個の設定情報が、設定値「モノクロ」に対応する設定情報を含むのか否かを判断する。スキャナドライバ40は、取得済みの複数個の設定情報が設定値「モノクロ」に対応する設定情報を含む場合(S60でYES)に、S62に進む。一方、スキャナドライバ40は、取得済みの複数個の設定情報が設定値「モノクロ」に対応する設定情報を含まない場合(S60でNO)、S80に進む。なお、S60でNOと判断される場合とは、取得済みの複数個の設定情報に含まれる設定項目「カラー情報」に対応する設定値の全てが「カラー」である場合である。
【0043】
S62において、スキャナドライバ40は、設定値「モノクロ」を含む1個以上の設定情報が、所定範囲内の解像度を有する画像データを生成するための設定情報を含むのか否かを判断する。所定範囲内の解像度とは、例えば、600dpi~720dpiである。具体的には、スキャナドライバ40は、当該1個以上の設定情報が、所定範囲内の解像度(即ち設定値)に対応する設定項目「解像度」を含むのか否かを判断する。スキャナドライバ40は、当該1個以上の設定情報が、所定範囲内の解像度に対応する設定項目「解像度」を含む場合(S62でYES)に、S64に進む。一方、スキャナドライバ40は、当該1個以上の設定情報が、所定範囲内の解像度に対応する設定項目「解像度」を含まない場合(S62でYES)に、S70に進む。
【0044】
S64において、スキャナドライバ40は、設定項目「カラー情報」に対応する設定値として「モノクロ」を含むとともに、設定項目「解像度」に対応する設定値として所定範囲内の解像度を含む設定情報を対象設定情報として特定する。スキャナドライバ40は、S64が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0045】
S70において、スキャナドライバ40は、設定項目「カラー情報」に対応する設定値として「モノクロ」を含む1個以上の設定情報の中から、設定項目「解像度」に対応する設定値によって示される解像度が最も高い解像度を含む設定情報を対象設定情報として特定する。スキャナドライバ40は、S70が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0046】
上述のように、スキャナドライバ40は、設定値「モノクロ」を含む設定情報を対象設定情報として決定する。モノクロ画像は、カラー画像と比較して、文字の輪郭等を認識しやすい。従って、モノクロ画像を利用することで、認識処理の正確性を向上させることができる。
【0047】
また、上述のように、スキャナドライバ40は、設定項目「解像度」に対応する設定値が所定範囲内の解像度を含む設定情報を対象設定情報として決定する。画像の解像度が高いほど、文字の輪郭等が認識しやすくなる。しかしながら、画像の解像度が高い場合、認識処理に要する時間も長くなる。また、PC10の処理負荷も高くなる。所定範囲内の解像度を含む設定情報を利用することで、認識処理の正確性を確保しつつ、認識処理に要する時間を短縮化することができる。また、PC10の処理負荷を低減し得る。
【0048】
S80は、設定項目「カラー」を含む複数個の設定情報が利用される点を除いて、S62と同様である。スキャナドライバ40は、S80でYESと判断する場合に、S82に進み、S80でNOと判断する場合に、S90に進む。
【0049】
S82において、スキャナドライバ40は、設定項目「カラー情報」に対応する設定値として「カラー」を含むとともに、設定項目「解像度」に対応する設定値として所定範囲内の解像度を含む設定情報を対象設定情報として特定する。スキャナドライバ40は、S82が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0050】
S90において、スキャナドライバ40は、設定項目「カラー情報」のに対応する設定値として「カラー」を含む複数個の設定情報の中から、設定項目「解像度」の設定値によって示される解像度が最も高い解像度を含む設定情報を対象設定情報として特定する。スキャナドライバ40は、S90が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0051】
図2、
図3のように、第1の設定情報が、設定項目「解像度」に対応する設定値として「300dpi」と、設定項目「カラー画像」に対応する設定値として「モノクロ」と、を含み、第2の設定情報が、設定項目「解像度」に対応する設定値として「600dpi」と、設定項目「カラー画像」に対応する設定値として「モノクロ」と、を含む場合について説明する。この場合、スキャナドライバ40は、取得済みの2個の設定情報が設定値「モノクロ」を含む設定情報を含むと判断し(S60でYES)、設定値「モノクロ」を含む1個以上の設定情報(即ち第2の設定情報)が、所定範囲内の解像度に対応する設定項目「解像度」を含むと判断する(S62)。この場合、スキャナドライバ40は、設定項目「カラー情報」に対応する設定値として「モノクロ」を含むとともに、設定項目「解像度」に対応する設定値として「600dpi」を含む第2の設定情報を対象設定情報として特定する。そして、第2の設定情報を利用して、
図4のS20以降の処理が実行される。
【0052】
(本実施例の効果)
上記の構成によると、PC10は、複数個の画像データの中から対象画像データを生成するための対象設定情報を決定し(
図4のS14、
図5)、対象設定情報に対応する対象画像データに対する認識処理を実行する(S22)。このため、複数個の画像データのそれぞれに対した認識処理が実行される構成と比べると、PC10の処理負荷を低減し得る。
【0053】
(対応関係)
PC10、スキャナ100が、それぞれ、「対象装置」、「画像読取装置」の一例である。設定項目「カラー画像」の設定値として「モノクロ」を含む設定情報が、「第1の設定情報」の一例である。設定項目「解像度」の設定値として所定範囲内の解像度を含む設定情報が、「第2の設定情報」の一例である。PC10が、「端末装置」の一例である。
【0054】
図4のS10が、「第1の取得部」によって実行される処理の一例である。
図4のS20、S26が、「第2の取得部」によって実行される処理の一例である。
図4のS14が、「決定部」によって実行される処理の一例である。
図4のS22、S24が、「第1の認識処理実行部」によって実行される処理の一例である。
図4のS28が、「第1の加工部」によって実行される処理の一例である。
【0055】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0056】
(第1変形例)設定項目「カラー情報」に対応する設定値として、「モノクロ」、「グレースケール」、及び、「カラー」のいずれかを選択可能であってもよい。設定値「グレースケール」は、黒から白まで256階調で表現される印刷を示す。本変形例では、スキャナドライバ40は、
図5のS60でNOと判断される場合に、取得済みの複数個の設定情報が設定値「グレースケール」に対応する設定項目「カラー情報」を含むのか否かを判断し、取得済みの複数個の設定情報が設定値「グレースケール」に対応する設定項目「カラー情報」を含まない場合に、S80に進むとよい。一方、取得済みの複数個の設定情報が設定値「グレースケール」に対応する設定項目「カラー情報」を含む場合に、S62と同様の処理を実行し、対象設定情報を決定する。
【0057】
(第2変形例)
図5のS60を省略可能である。本変形例では、スキャナドライバ40は、設定項目「解像度」に対応する設定値のみに着目して対象設定情報を決定する。
【0058】
(第3変形例)モノクロ画像よりもカラー画像の方が認識処理で実行される処理に適している場合、スキャナドライバ40は、
図5のS60において、取得済みの複数個の設定情報が、カラー画像を表わす画像データを生成するための設定情報を含むのか否かを判断してもよい。本変形例では、設定項目「カラー情報」の設定値として「カラー」を含む設定情報が、「第1の設定情報」の一例である。
【0059】
(第4変形例)
図5のS62、S70、S80、S90を省略可能である。この場合、スキャナドライバ40は、S64において、設定値「モノクロ」を含む1個以上の設定情報のうちの任意の設定情報を対象設定情報として決定してもよいし、設定値「モノクロ」を含む1個以上の設定情報のうち最高解像度を有する設定情報を対象設定情報として決定してもよい。また、スキャナドライバ40は、S82において、設定値「カラー」を含む複数個の設定情報のうちの任意の設定情報を対象設定情報として決定してもよいし、設定値「カラー」を含む複数個の設定情報のうち最高解像度を有する設定情報を対象設定情報として決定してもよい。
【0060】
(第5変形例)スキャン設定画面SC12は、専用データ選択欄FL14を有していなくてもよい。本変形例では、
図4のS12、S40~S48を省略可能である。本変形例では、「第2の認識処理実行部」及び「第2の加工部」を省略可能である。
【0061】
(第6変形例)スキャナドライバ40は、S80でNOと判断される場合に、専用設定情報を利用することを自動的に決定してもよい。本変形例では、
図4のS12、
図5のS90を省略可能である。
【0062】
(第7変形例)第1の結果情報及び第2の結果情報は、文字情報、向き情報、及び、バーコード情報のうちの少なくとも1個の情報を含んでいればよい。ここで、「文字情報、向き情報、及び、バーコード情報のうちの少なくとも1個の情報」とは、文字情報、向き情報、バーコード情報、文字情報と向き情報との2個の情報、文字情報とバーコード情報との2個の情報、向き情報とバーコード情報との2個の情報、及び、文字情報と向き情報とバーコード情報との3個の情報のいずれかを意味する。
【0063】
(第8変形例)スキャナ100が、
図4の画像データ処理、及び、
図5の対象設定情報決定処理を実行してもよい。本変形例では、PC10のスキャナドライバ40は、スキャン開始画面内のスキャン開始ボタンの選択を受け付ける場合に、複数個の設定情報を含むスキャン指示をスキャナ100に送信する。スキャナ100は、PC10からスキャン指示を取得すると、スキャナ100の原稿台に置かれた原稿の読取を実行することによって読取データを生成し、読取データと、受信済みの複数個の設定情報と、を利用して、
図4の画像データ処理、及び、
図5の対象設定情報決定処理を実行する。スキャナ100は、複数個の加工済みデータを生成すると(S28、S48)、S30において、複数個の加工済みデータをスキャナ100に送信する。スキャナ100のスキャナドライバ40は、PC10から複数個の加工済みデータを受信すると、複数個の加工済みデータをアプリ38に供給する。本変形例では、スキャナ100が「対象装置」の一例である。本変形例では、「記憶制御部」、「受信部」、及び、「生成部」を省略可能である。
【0064】
(第9変形例)スキャナ100が、
図2、
図3のスキャン設定画面SC12を表示するように構成されていてもよい。本変形例では、スキャナ100は、スキャン設定画面SC12上のOKボタンBT14の選択を受け付ける場合に、
図4の画像データ処理、及び、
図5の対象設定情報決定処理を実行する。本変形例では、スキャナ100は、S10において、スキャン設定画面SC12で設定された複数個の設定情報をメモリ134から取得する。その後に実行される処理の内容は、第8変形例で実行される処理と同じである。本変形例では、スキャナ100が「対象装置」の一例である。
【0065】
(第10変形例)実施例では、PC10にインストールされるいわゆるネイティブアプリとしてアプリ38を記載したが、アプリ38は、ウェブアプリであってもよいし、クラウドアプリでもよい。また、アプリ38は、ネイティブアプリとウェブアプリとクラウドアプリとのうちの少なくとも2個の組合せによって実現されるアプリであってもよい。上記の組合せとしては、例えば、ネイティブアプリとウェブアプリとの組合せ(いわゆるハイブリッドアプリ)、ネイティブアプリとクラウドアプリとの組合せ、ウェブアプリとクラウドアプリとの組合せ、又は、ネイティブアプリとウェブアプリとクラウドアプリとの組合せがある。
【0066】
(第11変形例)実施例では、アプリ38は、スキャナドライバ40と処理を分担しているが、アプリ38が、アプリ38によって実行される処理に加えてスキャナドライバ40によって実行される処理を行うように構成されていてもよい。本変形例の場合、「端末装置」は、PCに代えて、スマートフォン、タブレット端末であってもよい。
【0067】
(第12変形例)上記の実施例では、
図2~
図6の処理が、ソフトウェア(例えば、プログラム36、38、40、136)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0068】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0069】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
対象装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記対象装置のコンピュータを、
原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得する第1の取得部と、
前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データを取得する第2の取得部と、
前記複数個の設定情報の中から、前記複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する決定部と、
前記対象設定情報に対応する前記対象画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成する第1の認識処理実行部と、
前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第1の加工部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
(項目2)
前記決定部は、前記複数個の設定情報がモノクロ画像を表わす画像データを生成するための第1の設定情報を含む場合に、前記第1の設定情報を前記対象設定情報として決定する、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記決定部は、前記複数個の設定情報が所定範囲内の解像度を有する画像データを生成するための第2の設定情報を含む場合に、前記第2の設定情報を前記対象設定情報として決定する、項目1又は2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記認識処理のための専用の画像データであって、前記読取データから生成される前記専用の画像データを利用することがユーザによって選択される場合に、前記専用の画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第2の結果情報を生成する第2の認識処理実行部と、
前記第2の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第2の加工部であって、前記専用の画像データは、前記第2の結果情報を利用して加工されない、前記第2の加工部と、として機能させ、
前記専用の画像データを利用することが前記ユーザによって選択されない場合に、
前記決定部は、前記複数個の設定情報の中から前記対象設定情報を決定し、
前記第1の認識処理実行部は、前記対象画像データに対する前記認識処理を実行し、
前記第1の加工部は、前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工する、項目1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記認識処理は、文字認識処理を含む、項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記第1の結果情報は、前記対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字を示す文字情報を含み、
前記第1の加工部は、前記複数個の画像データのそれぞれに前記文字情報を付加する、項目5に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記第1の結果情報は、前記対象画像データによって表わされる画像に含まれる文字の向きを示す向き情報を含み、
前記第1の加工部は、前記向き情報に従って前記複数個の画像データのそれぞれを回転させる、項目5又は6に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
ユーザによって前記複数個の設定情報が設定される場合に、前記複数個の設定情報を前記対象装置のメモリに記憶する記憶制御部として機能させ、
前記第1の取得部は、前記メモリ内の前記複数個の設定情報を取得する、項目1から7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
前記対象装置は、端末装置であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記画像読取装置から前記読取データを受信する受信部と、
前記読取データ及び前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データのそれぞれを生成する生成部と、
として機能させる、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目10)
対象装置を制御するための方法であって、
原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得する第1の取得ステップと、
前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データを取得する第2の取得ステップと、
前記複数個の設定情報の中から、前記複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する決定ステップと、
前記対象設定情報に対応する前記対象画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成する第1の認識処理実行ステップと、
前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第1の加工ステップと、
を備える、方法。
(項目11)
対象装置であって、
原稿の読取が画像読取装置によって実行されることによって生成される読取データから複数個の画像データを生成するための複数個の設定情報を取得する第1の取得部と、
前記複数個の設定情報を利用して、前記複数個の画像データを取得する第2の取得部と、
前記複数個の設定情報の中から、前記複数個の画像データのうちの認識処理の対象の1個の画像データである対象画像データを生成するための対象設定情報を決定する決定部と、
前記対象設定情報に対応する前記対象画像データに対する前記認識処理を実行して、前記認識処理の結果を示す第1の結果情報を生成する第1の認識処理実行部と、
前記第1の結果情報を利用して前記複数個の画像データのそれぞれを加工して、複数個の加工済みデータのそれぞれを生成する第1の加工部と、
を備える、対象装置。
【符号の説明】
【0070】
2:通信システム、10:PC、12:操作部、14:表示部、16:通信I/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、38:アプリケーションプログラム、40:スキャナドライバ、100:スキャナ、112:操作部、114:表示部、116:通信I/F、118:スキャン実行部、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:プログラム