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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147409
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】アンテナ異常検出装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/15 20150101AFI20241008BHJP
【FI】
H04B17/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060400
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 陽介
(72)【発明者】
【氏名】小林 憲一
(72)【発明者】
【氏名】真野 裕輝
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄太
(72)【発明者】
【氏名】荒山 修男
(57)【要約】
【課題】 アンテナまでの同軸ケーブルの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置を提供する。
【解決手段】 送信機1aとアンテナ1cとの間に設けられ、方向性結合器10で検出された進行波成分はA検波器11で検波され、方向性結合器10で検出された反射波成分はB検波器12で検波される。データ処理部13には、A検波器11から出力された進行波直流電圧と、B検波器12から出力された反射波直流電圧と、同軸ケーブル1bの損失値を出力する損失入力部14からの損失値とが入力される。データ処理部13では、損失値に基づく損失分が補償されるよう反射波直流電圧の処理が行われ、進行波直流電圧と、処理後の反射波直流電圧とに基づいてアンテナ1cの異常が検出される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、
前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、
高周波信号が出力される出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子との間に設けられ、高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する進行波端子と、反射波成分を検出して出力する反射波端子とを有する方向性結合器と、
前記進行波端子から出力された進行波成分を検波する第1検波器と、
前記反射波端子から出力された反射波成分を検波する第2検波器と、
前記出力端子と前記アンテナとの間に接続されている同軸ケーブルの損失値を出力する損失入力部と、
前記第1検波器から出力された進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された反射波直流電圧と、前記損失入力部からの前記損失値とが入力されるデータ処理部と、
を備え、
前記データ処理部では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう前記反射波直流電圧の処理が行われ、前記進行波直流電圧と、処理後の前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを特徴とするアンテナ異常検出装置。
【請求項2】
高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、
前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、
高周波信号が出力される出力端子と、
前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子とを有する第1方向性結合器と、
該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する移相器と、
該移相器からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子を有する前記第2方向性結合器と、
前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、
前記第1反射波端子からの反射波成分を検波する第2検波器と、
前記第2反射波端子からの反射波成分を検波する第3検波器と、
前記第1検波器から出力された第1進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された第1反射波直流電圧と、前記第3検波器から出力された第2反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部と、
を備え、
前記移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記第1進行波直流電圧と、前記第1反射波直流電圧と、前記第2反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを特徴とするアンテナ異常検出装置。
【請求項3】
高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、
前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、
高周波信号が出力される出力端子と、
前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子を有する第1方向性結合器と、
該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する移相器と、
該移相器からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子とを有する前記第2方向性結合器と、
前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、
前記第1反射波端子からの反射波成分を検波する第2検波器と、
前記第2反射波端子からの反射波成分を検波する第3検波器と、
前記第1検波器から出力された第1進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された第1反射波直流電圧と、前記第3検波器から出力された第2反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部と、
を備え、
前記移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記第1進行波直流電圧と、前記第1反射波直流電圧と、前記第2反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを特徴とするアンテナ異常検出装置。
【請求項4】
さらに、前記出力端子と前記アンテナとの間に接続されている同軸ケーブルの損失値を出力する損失入力部を備え、
前記データ処理部では、前記損失入力部から入力された前記損失値に基づく損失分が補償されるよう前記第1反射波直流電圧および前記第2反射波直流電圧の処理が行われ、前記第1進行波直流電圧と、処理後の前記第1反射波直流電圧と、処理後の前記第2反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを特徴とする請求項2または3に記載のアンテナ異常検出装置。
【請求項5】
高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、
前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、
高周波信号が出力される出力端子と、
前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子とを有する第1方向性結合器と、
該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する第1移相器と、
該第1移相器からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子を有する前記第2方向性結合器と、
前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相を調整する第2移相器と、
前記第1反射波端子から出力される反射波成分と、前記第2移相器からの反射波成分とを合成する合成器と、
前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、
前記合成器で合成された反射波成分を検波する第2検波器と、
前記第1検波器から出力された進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部と、
を備え、
前記第1移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記第2移相器では、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相とがほぼ同相となるように、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記進行波直流電圧と、前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを特徴とするアンテナ異常検出装置。
【請求項6】
高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、
前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、
高周波信号が出力される出力端子と、
前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子を有する前記第1方向性結合器と、
該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する第1移相器と、
該第1移相器からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子とを有する前記第2方向性結合器と、
前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相を調整する第3移相器と、
前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相を調整する第2移相器と、
前記第3移相器からの反射波成分と、前記第2移相器からの反射波成分とを合成する合成器と、
前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、
前記合成器で合成された反射波成分を検波する第2検波器と、
前記第1検波器から出力された進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部と、
を備え、
前記第1移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記第2移相器および前記第3位相器では、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相とがほぼ同相となるように、前記第1反射波端子から出力される反射波成分および前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記進行波直流電圧と、前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを特徴とするアンテナ異常検出装置。
【請求項7】
前記第2位相器が省略されて、前記第3位相器では、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相とがほぼ同相となるように、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相が調整されることを特徴とする請求項6に記載のアンテナ異常検出装置。
【請求項8】
さらに、前記出力端子と前記アンテナとの間に接続されている同軸ケーブルの損失値を出力する損失入力部を備え、
前記データ処理部では、前記損失入力部から入力された前記損失値に基づく損失分が補償されるよう前記反射波直流電圧の処理が行われ、前記進行波直流電圧と、処理後の前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のアンテナ異常検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号をアンテナに伝送する同軸ケーブルに接続され、アンテナの異常を検出するアンテナ異常検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンテナの異常を検出できるアンテナ異常検出装置が、例えば特許文献1に空中線監視装置として、特許文献2に空中線監視装置として、特許文献3に無線装置としてそれぞれ開示されている。そこで、代表的な従来のアンテナ異常検出装置の構成例を図6に示す。
図6に示す従来のアンテナ異常検出装置100は、送信機101aとアンテナ101cとの間に接続されている。送信機101aからの高周波信号はアンテナ異常検出装置100の入力端子INに入力され、第1出力端子OUT1から出力された高周波信号は、第1出力端子OUT1に一端が接続された同軸ケーブル101bを伝送されていく。同軸ケーブル101bの他端はアンテナ101cのアンテナ端子Tに接続されており、同軸ケーブル101bを伝送された高周波信号はアンテナ端子Tを介してアンテナ101cに供給されて、アンテナ101cから放射される。
【0003】
従来のアンテナ異常検出装置100では、入力端子INと第1出力端子OUT1との間に方向性結合器110が接続されており、方向性結合器110は高周波信号の進行波成分をFwd端子から出力してA検波器111に入力し、高周波信号の反射波成分をRef端子から出力してB検波器112に入力している。A検波器111およびB検波器112で検波されて直流の検波電圧とされた進行波成分と反射波成分はデータ処理部113に入力されて、進行波成分の検波電圧と反射波成分の検波電圧とを対比することにより、アンテナ101cの異常を検出している。なお、アンテナ101cに異常があった時は、アンテナ101cにおいて高周波信号が反射されて同軸ケーブル101bを介してアンテナ異常検出装置100の第1出力端子OUT1に反射波として入力される。第1出力端子OUT1に入力された反射波は、方向性結合器110のRef端子から出力されてB検波器112に入力される。すなわち、アンテナ101cに異常があった時は、B検波器112から出力される検波電圧が大きくなり、これを利用してデータ処理部113はアンテナ101cに異常がある場合を検出している。データ処理部113は、アンテナ101cの異常の有無を示すアンテナ異常判定結果出力信号を第2出力端子OUT2から出力している。なお、方向性結合器110の端子に接続されている抵抗Rf,Rrは終端抵抗である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-136747号公報
【特許文献2】特許第3092548号公報
【特許文献3】特許第3462391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のアンテナ異常検出装置100は、アンテナ101cに異常があることを検出することができる。しかしながら、アンテナ異常検出装置100をアンテナ101cの直下に設置できない場合がしばしばある。その場合、アンテナ異常検出装置100における方向性結合器110とアンテナ101cとの間は同軸ケーブル101bによって接続されるが、アンテナ異常検出装置100とアンテナ101cとの間の距離が長く同軸ケーブル101bの長さが長い場合には同軸ケーブル101bにおいて高周波信号の損失が大きくなる。すると、アンテナ異常検出装置100においては同軸ケーブル101b等の損失の影響を受けて反射波成分の検波電圧のレベルが低下するようになり、アンテナ異常検出の精度が低下するようになる。
また、進行波成分と反射波成分をモニタする方向性結合器110はその方向性の性能によってRef端子にも進行波成分が漏れることがある。Ref端子に進行波成分が漏れる場合は、Ref端子からは漏れた進行波成分と反射波成分とが干渉した信号が出力されることになる。この場合、アンテナ異常検出装置100の第1出力端子OUT1に入力される反射波の位相はアンテナ101cに接続される同軸ケーブル101bの長さによって変化する。すると、反射波の位相に応じて漏れた進行波成分と干渉した際の信号レベルが変動し、アンテナ101cに接続される同軸ケーブル101bの長さがわずかに異なるだけで、Ref端子から出力される信号レベルが大きく変動するようになって、アンテナ異常検出精度が低下するようになる。
以上説明したように、従来のアンテナ異常検出装置では、アンテナ異常検出精度が低下してしまうことがあるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、アンテナまでの同軸ケーブルの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、進行波成分が反射波成分を出力する端子に漏れても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置を提供することを他の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成することのできる本発明のアンテナ異常検出装置は、高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、高周波信号が出力される出力端子と、前記入力端子と前記出力端子との間に設けられ、高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する進行波端子と、反射波成分を検出して出力する反射波端子とを有する方向性結合器と、前記進行波端子から出力された進行波成分を検波する第1検波器と、前記反射波端子から出力された反射波成分を検波する第2検波器と、前記出力端子と前記アンテナとの間に接続されている同軸ケーブルの損失値を出力する損失入力部と、前記第1検波器から出力された進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された反射波直流電圧と、前記損失入力部からの前記損失値とが入力されるデータ処理部とを備え、前記データ処理部では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう前記反射波直流電圧の処理が行われ、前記進行波直流電圧と、処理後の前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを主要な特徴としている。
【0008】
また、上記した他の目的を達成することのできる本発明の他のアンテナ異常検出装置は、高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、高周波信号が出力される出力端子と、前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子とを有する第1方向性結合器と、該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する移相器と、該移相器からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子を有する前記第2方向性結合器と、前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、前記第1反射波端子からの反射波成分を検波する第2検波器と、前記第2反射波端子からの反射波成分を検波する第3検波器と、前記第1検波器から出力された第1進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された第1反射波直流電圧と、前記第3検波器から出力された第2反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部とを備え、前記移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記第1進行波直流電圧と、前記第1反射波直流電圧と、前記第2反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを主要な特徴としている。
さらに、上記した他の目的を達成することのできる本発明のさらに他のアンテナ異常検出装置は、高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、高周波信号が出力される出力端子と、前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子を有する第1方向性結合器と、該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する移相器と、該移相器からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子とを有する前記第2方向性結合器と、前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、前記第1反射波端子からの反射波成分を検波する第2検波器と、前記第2反射波端子からの反射波成分を検波する第3検波器と、前記第1検波器から出力された第1進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された第1反射波直流電圧と、前記第3検波器から出力された第2反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部とを備え、前記移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記第1進行波直流電圧と、前記第1反射波直流電圧と、前記第2反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを主要な特徴としている。
本発明のさらに他のアンテナ異常検出装置において、さらに、前記出力端子と前記アンテナとの間に接続されている同軸ケーブルの損失値を出力する損失入力部を備え、前記データ処理部では、前記損失入力部から入力された前記損失値に基づく損失分が補償されるよう前記第1反射波直流電圧および前記第2反射波直流電圧の処理が行われ、前記第1進行波直流電圧と、処理後の前記第1反射波直流電圧と、処理後の前記第2反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されるようにしてもよい。
【0009】
さらに、上記した他の目的を達成することのできる本発明のさらに他のアンテナ異常検出装置は、高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、高周波信号が出力される出力端子と、前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子とを有する第1方向性結合器と、該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する第1移相器と、該第1移相器からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子を有する前記第2方向性結合器と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相を調整する第2移相器と、前記第1反射波端子から出力される反射波成分と、前記第2移相器からの反射波成分とを合成する合成器と、前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、前記合成器で合成された反射波成分を検波する第2検波器と、前記第1検波器から出力された進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部とを備え、前記第1移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記第2移相器では、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相とがほぼ同相となるように、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記進行波直流電圧と、前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを主要な特徴としている。
さらに、上記した他の目的を達成することのできる本発明のさらに他のアンテナ異常検出装置は、高周波信号を出力可能な電子機器と、高周波信号を放射するアンテナとの間に設けられたアンテナ異常検出装置であって、前記電子機器から出力された高周波信号が入力される入力端子と、高周波信号が出力される出力端子と、前記入力端子からの高周波信号を通過させると共に、反射波成分を検出して出力する第1反射波端子を有する前記第1方向性結合器と、該第1方向性結合器と第2方向性結合器との間に配置され、高周波信号の位相を調整する第1移相器と、該第1移相器からの高周波信号を通過させると共に、進行波成分を検出して出力する第1進行波端子と、反射波成分を検出して出力する第2反射波端子とを有する前記第2方向性結合器と、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相を調整する第3移相器と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相を調整する第2移相器と、前記第3移相器からの反射波成分と、前記第2移相器からの反射波成分とを合成する合成器と、前記第1進行波端子からの進行波成分を検波する第1検波器と、前記合成器で合成された反射波成分を検波する第2検波器と、前記第1検波器から出力された進行波直流電圧と、前記第2検波器から出力された反射波直流電圧とが入力されるデータ処理部とを備え、前記第1移相器では、前記第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、前記第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整され、前記第2移相器および前記第3位相器では、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相とがほぼ同相となるように、前記第1反射波端子から出力される反射波成分および前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相が調整され、前記データ処理部では、前記進行波直流電圧と、前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されることを主要な特徴としている。
本発明のさらに他のアンテナ異常検出装置において、前記第2位相器が省略されて、前記第3位相器では、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相と、前記第2反射波端子から出力される反射波成分の位相とがほぼ同相となるように、前記第1反射波端子から出力される反射波成分の位相が調整されるようにしてもよい。
本発明のさらに他のアンテナ異常検出装置において、さらに、前記出力端子と前記アンテナとの間に接続されている同軸ケーブルの損失値を出力する損失入力部を備え、前記データ処理部では、前記損失入力部から入力された前記損失値に基づく損失分が補償されるよう前記反射波直流電圧の処理が行われ、前記進行波直流電圧と、処理後の前記反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアンテナ異常検出装置は、同軸ケーブルの損失値を出力する損失入力部を備えており、データ処理部では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう反射波直流電圧の処理が行われ、進行波直流電圧と、処理後の反射波直流電圧とに基づいて前記アンテナの異常の有無が検出される。これにより、本発明のアンテナ異常検出装置は、アンテナまでの同軸ケーブルの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置とすることができるようになる。
また、本発明の他のアンテナ異常検出装置では、第1方向性結合器と第2方向性結合器とを備え、その間に移相器が配置されており、移相器では、第1方向性結合器の第1反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、第2方向性結合器の第2反射波端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように反射波成分の位相が調整されている。これにより、進行波成分が反射波成分を出力する端子に漏れても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置とすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施例のアンテナ異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】本発明の第2実施例のアンテナ異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の第3実施例のアンテナ異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4】本発明の第4実施例のアンテナ異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5】本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図6】従来のアンテナ異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施例のアンテナ異常検出装置>
本発明の第1実施例のアンテナ異常検出装置1の構成を示す機能ブロック図を図1に示す。
図1に示す本発明の第1実施例のアンテナ異常検出装置1は、高周波信号を出力する送信機1aと、送信機1aから供給される高周波信号を放射するアンテナ1cとの間に接続されている。具体的には、第1実施例のアンテナ異常検出装置1は、送信機1aからの高周波信号が入力される入力端子INと、アンテナ1cへ供給する高周波信号を出力する第1出力端子OUT1を備えている。第1出力端子OUT1から出力された高周波信号は、第1出力端子OUT1に一端が接続された同軸ケーブル1bを伝送されていき、同軸ケーブル1bの他端が接続されたアンテナ端子Tを介してアンテナ1cに供給されて、アンテナ1cから放射される。
【0013】
第1実施例のアンテナ異常検出装置1では、入力端子INと第1出力端子OUT1との間に方向性結合器10が接続されており、方向性結合器10では高周波信号の進行波成分がFwd端子から出力されてA検波器11に入力され、高周波信号の反射波成分がRef端子から出力されてB検波器12に入力されている。A検波器11およびB検波器12で検波されて直流の検波電圧とされた進行波直流電圧および反射波直流電圧はデータ処理部13に入力される。第1実施例のアンテナ異常検出装置1では、第1出力端子OUT1とアンテナ端子Tとの間に接続されている同軸ケーブル1bの損失値を出力する損失入力部14が設けられており、損失入力部14は同軸ケーブル1bの長さに応じた損失値をデータ処理部13に入力している。ここで、方向性結合器10で検出される反射波成分は、アンテナ1cが接続されていない場合やアンテナ1cに障害が生じた場合に、同軸ケーブル1bの他端あるいはアンテナ端子Tにおいて高周波信号が反射され、反射された反射波は同軸ケーブル1bを送信機1a方向に伝送されていき、第1実施例のアンテナ異常検出装置1の第1出力端子OUT1から入力される。この場合、アンテナ1cに供給される高周波信号は同軸ケーブル1bの損失を受けてレベルが低下しており、検出される反射波も同軸ケーブル1bの損失を受けてレベルが低下して方向性結合器10に入力される。従って、B検波器12から出力される反射波直流電圧は同軸ケーブル1bを往復する損失分だけレベルが低下していることになる。この損失分を補償する損失値を損失入力部14は出力してデータ処理部13に入力している。データ処理部13では、入力された損失値に基づいてB検波器12から出力される反射波直流電圧のレベルを補償する処理を行う。そして、データ処理部13では、A検波器11から入力される進行波直流電圧と補償処理された反射波直流電圧とを対比することにより、アンテナ1cの異常を検出している。この検出では、アンテナ1cに異常があった時は、B検波器12から出力される反射波直流電圧が大きくなり、進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値を超えた際にデータ処理部13はアンテナ1cに異常があると検出している。なお、進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値以内の際は、データ処理部13はアンテナ1cに異常がないと検出する。データ処理部13は、アンテナ1cの異常の有無を示すアンテナ異常判定結果出力信号を第2出力端子OUT2から出力している。なお、方向性結合器10の端子に接続されている抵抗Rf,Rrは終端抵抗である。
【0014】
本発明の第1実施例のアンテナ異常検出装置1は、同軸ケーブル1bの損失値を出力する損失入力部14を備えており、データ処理部13では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう反射波直流電圧の処理が行われ、A検波器11から出力される進行波直流電圧と、データ処理部13でレベルが補償処理された反射波直流電圧とに基づいてアンテナ1cの異常が検出される。これにより、本発明の第1実施例のアンテナ異常検出装置1は、アンテナ1cまでの同軸ケーブル1bの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置1とすることができるようになる。
【0015】
<第2実施例のアンテナ異常検出装置>
本発明の第2実施例のアンテナ異常検出装置2の構成を示す機能ブロック図を図2に示す。
図2に示す本発明の第2実施例のアンテナ異常検出装置2は、高周波信号を出力する送信機2aと、送信機2aから供給される高周波信号を放射するアンテナ2cとの間に接続されている。具体的には、第2実施例のアンテナ異常検出装置2は、送信機2aからの高周波信号が入力される入力端子INと、アンテナ2cへ供給する高周波信号を出力する第1出力端子OUT1を備えている。第1出力端子OUT1から出力された高周波信号は、第1出力端子OUT1に一端が接続された同軸ケーブル2bを伝送されていき、同軸ケーブル2bの他端が接続されたアンテナ端子Tを介してアンテナ2cに供給されて、アンテナ2cから放射される。
【0016】
第2実施例のアンテナ異常検出装置2では、入力端子INと第1出力端子OUT1との間に第1方向性結合器20と、移相器21と、第2方向性結合器22とが縦続接続されて接続されている。第1方向性結合器20では高周波信号の進行波成分がFwd端子から出力されてA検波器23に入力され、高周波信号の反射波成分がRef端子から出力されてB検波器24に入力されている。第2方向性結合器22では高周波信号の反射波成分がRef端子から出力されてC検波器25に入力されている。A検波器23で検波されて直流の検波電圧とされた第1進行波直流電圧と、B検波器24で検波されて直流の検波電圧とされた第1反射波直流電圧と、C検波器25で検波されて直流の検波電圧とされた第2反射波直流電圧とはデータ処理部26に入力される。ここで、進行波成分と反射波成分をモニタする第1方向性結合器20および第2方向性結合器22はその方向性の性能によってRef端子にも進行波成分が漏れることがある。Ref端子に進行波成分が漏れる場合は、Ref端子からは漏れた進行波成分と反射波成分とが干渉した信号が出力されることになる。この場合、第2実施例のアンテナ異常検出装置2の第1出力端子OUT1に入力される反射波の位相はアンテナ2cに接続される同軸ケーブル2bの長さによって変化する。すると、反射波の位相によって漏れた進行波成分と干渉した際の信号レベルが変動し、Ref端子の出力が、アンテナ2cに接続される同軸ケーブル2bの長さがわずかに異なるだけで、信号レベルが大きく変動するようになる。第1方向性結合器20と第2方向性結合器22との間に配置された移相器21は、第1方向性結合器20のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、第2方向性結合器22のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように第1方向性結合器20へ入力される反射波成分の位相を調整している。この場合、第1方向性結合器20と第2方向性結合器22との結合度と方向性の性能は同一とされている。
【0017】
移相器21の作用により、B検波器24から出力される第1反射波直流電圧のレベル変動の位相と、C検波器25から出力される第2反射波直流電圧のレベル変動の位相とが反転することになって、データ処理部26において第1反射波直流電圧と第2反射波直流電圧とに基づいて、同軸ケーブル2bのケーブル長がわずかに異なることによる反射波成分のレベル変動が打ち消された反射波直流電圧とされるようになる。
また、第2実施例のアンテナ異常検出装置2では、第1実施例のアンテナ異常検出装置1と同様の同軸ケーブル2bの損失値を出力する損失入力部27が設けられている。損失入力部27は、第1実施例のアンテナ異常検出装置1における損失入力部14と機能および動作が同様とされているので、その詳細な説明は省略する。第2実施例のアンテナ異常検出装置2では、B検波器24から出力される第1反射波直流電圧およびC検波器25から出力される第2反射波直流電圧が、同軸ケーブル2bを往復する損失分だけレベルが低下しており、この損失分を補償する損失値を損失入力部27は出力してデータ処理部26に入力している。データ処理部26では、入力された損失値に基づいて上記したレベル変動が打ち消された反射波直流電圧のレベルを補償する処理が行われている。
【0018】
上記したように、データ処理部26では、A検波器23から入力される第1進行波直流電圧と、レベル変動が打ち消されると共にレベルが補償処理された反射波直流電圧とを対比することにより、アンテナ2cの異常を検出している。この検出では、アンテナ2cに異常があった時は、データ処理部26における反射波直流電圧が大きくなり、第1進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値を超えた際にデータ処理部26はアンテナ2cに異常があると検出している。なお、第1進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値以内の際は、データ処理部26はアンテナ2cに異常がないと検出する。データ処理部26は、アンテナ2cの異常の有無を示すアンテナ異常判定結果出力信号を第2出力端子OUT2から出力している。なお、第1方向性結合器20の端子に接続されている抵抗Rf,Rr1および第2方向性結合器22の端子に接続されている抵抗Rr2は終端抵抗である。
【0019】
本発明の第2実施例のアンテナ異常検出装置2は、第1方向性結合器20と移相器21と第2方向性結合器22とが縦続接続されており、第1方向性結合器20において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れることによるレベル変動を、移相器21と第2方向性結合器22との作用により打ち消すことができるようになる。これにより、第1方向性結合器20において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置2とすることができるようになる。
また、本発明の第2実施例のアンテナ異常検出装置2は、同軸ケーブル2bの損失値を出力する損失入力部27を備えており、データ処理部26では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう反射波直流電圧の処理が行われ、A検波器23から出力される進行波直流電圧と、データ処理部26で補償処理された反射波直流電圧とに基づいてアンテナ2cの異常が検出される。これにより、本発明の第2実施例のアンテナ異常検出装置2は、アンテナ2cまでの同軸ケーブル2bの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置2とすることができるようになる。
なお、本発明の第2実施例のアンテナ異常検出装置2において、損失入力部27を省略するようにしてもよい。
【0020】
<第3実施例のアンテナ異常検出装置>
本発明の第3実施例のアンテナ異常検出装置3の構成を示す機能ブロック図を図3に示す。
図3に示す本発明の第3実施例のアンテナ異常検出装置3は、第2実施例のアンテナ異常検出装置2の変形例に相当し、高周波信号を出力する送信機3aと、送信機3aから供給される高周波信号を放射するアンテナ3cとの間に接続されている。具体的には、第3実施例のアンテナ異常検出装置3は、送信機3aからの高周波信号が入力される入力端子INと、アンテナ3cへ供給する高周波信号を出力する第1出力端子OUT1を備えている。第1出力端子OUT1から出力された高周波信号は、第1出力端子OUT1に一端が接続された同軸ケーブル3bを伝送されていき、同軸ケーブル3bの他端が接続されたアンテナ端子Tを介してアンテナ3cに供給されて、アンテナ3cから放射される。
【0021】
第3実施例のアンテナ異常検出装置3では、入力端子INと第1出力端子OUT1との間に第1方向性結合器30と、移相器31と、第2方向性結合器32とが縦続接続されて接続されている。第1方向性結合器30では高周波信号の反射波成分がRef端子から出力されてB検波器34に入力されている。第2方向性結合器32では高周波信号の進行波成分がFwd端子から出力されてA検波器33に入力され、高周波信号の反射波成分がRef端子から出力されてC検波器35に入力されている。A検波器33で検波されて直流の検波電圧とされた第1進行波直流電圧と、B検波器34で検波されて直流の検波電圧とされた第1反射波直流電圧と、C検波器35で検波されて直流の検波電圧とされた第2反射波直流電圧とはデータ処理部36に入力される。移相器31は、第2実施例のアンテナ異常検出装置2における移相器21と同様の機能を有しており、移相器31は、第1方向性結合器30のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、第2方向性結合器32のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように第1方向性結合器30へ入力される反射波成分の位相を調整している。この場合、第1方向性結合器30と第2方向性結合器32との結合度と方向性の性能は同一とされている。
【0022】
移相器31の作用により、B検波器34から出力される第1反射波直流電圧のレベル変動の位相と、C検波器35から出力される第2反射波直流電圧のレベル変動の位相とが反転することになって、データ処理部36において第1反射波直流電圧と第2反射波直流電圧とに基づいて、同軸ケーブル3bのケーブル長がわずかに異なることによる反射波成分のレベル変動が打ち消された反射波直流電圧とされるようになる。
また、第3実施例のアンテナ異常検出装置3では、第2実施例のアンテナ異常検出装置2における損失入力部27と機能が同様とされる損失入力部37が設けられている。損失入力部37は、B検波器34から出力される第1反射波直流電圧およびC検波器35から出力される第2反射波直流電圧が、同軸ケーブル3bを往復する損失分だけレベルが低下しており、この損失分を補償する損失値を損失入力部37は出力してデータ処理部36に入力している。データ処理部36では、入力された損失値に基づいて上記したレベル変動が打ち消された反射波直流電圧のレベルを補償する処理が行われている。
【0023】
上記したように、データ処理部36では、A検波器33から入力される第1進行波直流電圧と、レベル変動が打ち消されると共にレベルが補償処理された反射波直流電圧とを対比することにより、アンテナ3cの異常を検出している。この検出では、アンテナ3cに異常があった時は、データ処理部36における反射波直流電圧が大きくなり、第1進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値を超えた際にデータ処理部36はアンテナ3cに異常があると検出している。なお、第1進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値以内の際は、データ処理部36はアンテナ3cに異常がないと検出する。データ処理部36は、アンテナ3cの異常の有無を示すアンテナ異常判定結果出力信号を第2出力端子OUT2から出力している。なお、第1方向性結合器30の端子に接続されている抵抗Rr1および第2方向性結合器32の端子に接続されている抵抗Rf,Rr2は終端抵抗である。
【0024】
本発明の第3実施例のアンテナ異常検出装置3は、第1方向性結合器30と移相器31と第2方向性結合器32とが縦続接続されており、第2方向性結合器32において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れることによるレベル変動を、第1方向性結合器30と移相器31との作用により打ち消すことができるようになる。これにより、第2方向性結合器32において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置3とすることができるようになる。
また、本発明の第3実施例のアンテナ異常検出装置3は、同軸ケーブル3bの損失値を出力する損失入力部37を備えており、データ処理部36では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう反射波直流電圧の処理が行われ、A検波器33から出力される進行波直流電圧と、データ処理部36で補償処理された反射波直流電圧とに基づいてアンテナ3cの異常が検出される。これにより、本発明の第3実施例のアンテナ異常検出装置3は、アンテナ3cまでの同軸ケーブル3bの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置2とすることができるようになる。
なお、本発明の第3実施例のアンテナ異常検出装置3において、損失入力部37を省略するようにしてもよい。
【0025】
<第4実施例のアンテナ異常検出装置>
本発明の第4実施例のアンテナ異常検出装置4の構成を示す機能ブロック図を図4に示す。
図4に示す本発明の第4実施例のアンテナ異常検出装置4は、高周波信号を出力する送信機4aと、送信機4aから供給される高周波信号を放射するアンテナ4cとの間に接続されている。具体的には、第4実施例のアンテナ異常検出装置4は、送信機4aからの高周波信号が入力される入力端子INと、アンテナ4cへ供給する高周波信号を出力する第1出力端子OUT1を備えている。第1出力端子OUT1から出力された高周波信号は、第1出力端子OUT1に一端が接続された同軸ケーブル4bを伝送されていき、同軸ケーブル4bの他端が接続されたアンテナ端子Tを介してアンテナ4cに供給されて、アンテナ4cから放射される。
【0026】
第4実施例のアンテナ異常検出装置4では、入力端子INと第1出力端子OUT1との間に第1方向性結合器40と、第1移相器41と、第2方向性結合器42とが縦続接続されて接続されている。第1方向性結合器40では高周波信号の進行波成分がFwd端子から出力されてA検波器45に入力され、高周波信号の反射波成分がRef端子から出力されて合成器43に入力されている。第2方向性結合器42では高周波信号の反射波成分がRef端子から出力され第2移相器44を介して合成器43に入力されている。合成器43では、第1方向性結合器40からの反射波成分と第2方向性結合器42からの位相が調整された反射波成分とが合波されて、合波された反射波成分がB検波器46に入力されている。ここで、第2移相器44では、第1方向性結合器40からの反射波成分の位相と第2方向性結合器42からの反射波成分との位相が同相となるように第2方向性結合器42からの反射波成分の位相が調整されれている。A検波器45で検波されて直流の検波電圧とされた進行波直流電圧と、B検波器46で検波されて直流の検波電圧とされた反射波直流電圧とはデータ処理部47に入力される。また、第1移相器41は、第2実施例のアンテナ異常検出装置2における移相器21と同様の機能を有しており、第1移相器41は、第1方向性結合器40のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、第2方向性結合器42のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように第1方向性結合器40へ入力される反射波成分の位相を調整している。この場合、第1方向性結合器40と第2方向性結合器42との結合度と方向性の性能は同一とされている。
【0027】
上記した第1移相器41の作用により、第1方向性結合器40からの反射波成分におけるレベル変動の位相に対して第2方向性結合器42からの反射波成分におけるレベル変動の位相が反転するようになり、上記した第2移相器44の作用により、第1方向性結合器40からのレベル変動された反射波成分の位相と、第2方向性結合器42からの反転されてレベル変動された反射波成分の位相とが同相とされて合成器43において合波される。これにより、合成器43からは同軸ケーブル4bのケーブル長がわずかに異なることによる反射波成分の出力レベルの変動が打ち消されて一定のレベルとされた反射波成分が出力されるようになる。従って、合成器43で合波された反射波成分が入力されるB検波器46からは、同軸ケーブル4bのケーブル長がわずかに異なることによる反射波成分のレベル変動が打ち消された反射波直流電圧が出力される。
また、第4実施例のアンテナ異常検出装置4では、第1実施例のアンテナ異常検出装置1と同様の同軸ケーブル4bの損失値を出力する損失入力部48が設けられている。損失入力部48は、第1実施例のアンテナ異常検出装置1における損失入力部14と機能および動作が同様とされているので、その詳細な説明は省略する。第4実施例のアンテナ異常検出装置4では、B検波器46から出力される反射波直流電圧が、同軸ケーブル4bを往復する損失分だけレベルが低下しており、この損失分を補償する損失値を損失入力部48は出力してデータ処理部47に入力している。データ処理部47では、入力された損失値に基づいて上記したレベル変動が打ち消された反射波直流電圧のレベル低下を補償する処理が行われている。
【0028】
上記したように、データ処理部47では、A検波器45から入力される進行波直流電圧と、B検波器46から入力されるレベル変動が打ち消されると共にレベルが補償処理された反射波直流電圧とを対比することにより、アンテナ4cの異常を検出している。この検出では、アンテナ4cに異常があった時は、データ処理部47における反射波直流電圧が大きくなり、進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値を超えた際にデータ処理部47はアンテナ4cに異常があると検出している。なお、進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値以内の際は、データ処理部47はアンテナ4cに異常がないと検出する。データ処理部47は、アンテナ4cの異常の有無を示すアンテナ異常判定結果出力信号を第2出力端子OUT2から出力している。なお、第1方向性結合器40の端子に接続されている抵抗Rf,Rr1および第2方向性結合器42の端子に接続されている抵抗Rr2は終端抵抗である。
【0029】
本発明の第4実施例のアンテナ異常検出装置4は、第1方向性結合器40と第1移相器41と第2方向性結合器42とが縦続接続され、第2移相器44が第2方向性結合器42のRef端子と合成器43との間に設けられており、第1方向性結合器40において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れることによるレベル変動を、第1移相器41と第2方向性結合器42と第2移相器44との作用により合成器43において打ち消すことができるようになる。これにより、第1方向性結合器40において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置4とすることができるようになる。
また、本発明の第4実施例のアンテナ異常検出装置4は、同軸ケーブル4bの損失値を出力する損失入力部48を備えており、データ処理部47では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう反射波直流電圧の処理が行われ、A検波器45から出力される進行波直流電圧と、データ処理部47で補償処理された反射波直流電圧とに基づいてアンテナ4cの異常が検出される。これにより、本発明の第4実施例のアンテナ異常検出装置4は、アンテナ4cまでの同軸ケーブル4bの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置4とすることができるようになる。
なお、本発明の第4実施例のアンテナ異常検出装置4において、損失入力部48を省略するようにしてもよい。
【0030】
<第5実施例のアンテナ異常検出装置>
本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置5の構成を示す機能ブロック図を図5に示す。
図5に示す本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置5は、第4実施例のアンテナ異常検出装置4の変形例に相当し、高周波信号を出力する送信機5aと、送信機5aから供給される高周波信号を放射するアンテナ5cとの間に接続されている。具体的には、第5実施例のアンテナ異常検出装置5は、送信機5aからの高周波信号が入力される入力端子INと、アンテナ5cへ供給する高周波信号を出力する第1出力端子OUT1を備えている。第1出力端子OUT1から出力された高周波信号は、第1出力端子OUT1に一端が接続された同軸ケーブル5bを伝送されていき、同軸ケーブル5bの他端が接続されたアンテナ端子Tを介してアンテナ5cに供給されて、アンテナ5cから放射される。
【0031】
第5実施例のアンテナ異常検出装置5では、入力端子INと第1出力端子OUT1との間に第1方向性結合器50と、第1移相器51と、第2方向性結合器52とが縦続接続されて接続されている。第1方向性結合器50では高周波信号の反射波成分がRef端子から出力されて第3移相器54を介して合成器53に入力されている。第2方向性結合器52では高周波信号の進行波成分がFwd端子から出力されてA検波器56に入力され、高周波信号の反射波成分がRef端子から出力され第2移相器55を介して合成器53に入力されている。合成器53では、第1方向性結合器50からの第3移相器54で位相が調整された反射波成分と第2方向性結合器52からの第2移相器55で位相が調整された反射波成分とが合波されて、合波された反射波成分がB検波器57に入力されている。ここで、第2移相器55と第3移相器54とでは、第1方向性結合器50からの反射波成分の位相と第2方向性結合器52からの反射波成分との位相が同相となるように第1方向性結合器50からの反射波成分の位相と第2方向性結合器52からの反射波成分の位相とが調整されれている。A検波器56で検波されて直流の検波電圧とされた進行波直流電圧と、B検波器57で検波されて直流の検波電圧とされた反射波直流電圧とはデータ処理部58に入力される。また、第1移相器51は、第2実施例のアンテナ異常検出装置2における移相器21と同様の機能を有しており、第1移相器51は、第1方向性結合器50のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動と、第2方向性結合器52のRef端子における漏れた進行波成分と反射波成分との位相によるレベル変動とが反転されるように第1方向性結合器50へ入力される反射波成分の位相を調整している。この場合、第1方向性結合器50と第2方向性結合器52との結合度と方向性の性能は同一とされている。
【0032】
上記した第1移相器51の作用により、第1方向性結合器50からの反射波成分におけるレベル変動の位相に対して第2方向性結合器52からの反射波成分におけるレベル変動の位相が反転するようになり、上記した第2移相器55および第3移相器54の作用により、第1方向性結合器50からのレベル変動された反射波成分の位相と、第2方向性結合器52からの反転されてレベル変動された反射波成分の位相とが同相とされて合成器53において合波される。これにより、合成器53からは同軸ケーブル5bのケーブル長がわずかに異なることによる反射波成分の出力レベルの変動が打ち消されて一定のレベルとされた反射波成分が出力されるようになる。従って、合成器53で合波された反射波成分が入力されるB検波器57からは、同軸ケーブル5bのケーブル長がわずかに異なることによる反射波成分のレベル変動が打ち消された反射波直流電圧が出力される。
また、第5実施例のアンテナ異常検出装置5では、第1実施例のアンテナ異常検出装置1と同様の同軸ケーブル5bの損失値を出力する損失入力部59が設けられている。損失入力部59は、第1実施例のアンテナ異常検出装置1における損失入力部14と機能および動作が同様とされているので、その詳細な説明は省略する。第5実施例のアンテナ異常検出装置5では、B検波器57から出力される反射波直流電圧が、同軸ケーブル5bを往復する損失分だけレベルが低下しており、この損失分を補償する損失値を損失入力部59は出力してデータ処理部58に入力している。データ処理部58では、入力された損失値に基づいて上記したレベル変動が打ち消された反射波直流電圧のレベル低下を補償する処理が行われている。
【0033】
上記したように、データ処理部58では、A検波器56から入力される進行波直流電圧と、B検波器57から入力されるレベル変動が打ち消されると共にレベルが補償処理された反射波直流電圧とを対比することにより、アンテナ5cの異常を検出している。この検出では、アンテナ5cに異常があった時は、データ処理部58における反射波直流電圧が大きくなり、進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値を超えた際にデータ処理部58はアンテナ5cに異常があると検出している。なお、進行波直流電圧のレベルに対する反射波直流電圧のレベルが所定の閾値以内の際は、データ処理部58はアンテナ5cに異常がないと検出する。データ処理部58は、アンテナ5cの異常の有無を示すアンテナ異常判定結果出力信号を第2出力端子OUT2から出力している。なお、第1方向性結合器50の端子に接続されている抵抗Rr1および第2方向性結合器52の端子に接続されている抵抗Rf,Rr2は終端抵抗である。
【0034】
本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置5は、第1方向性結合器50と第1移相器51と第2方向性結合器52とが縦続接続され、第3移相器54が第1方向性結合器50のRef端子と合成器53との間に設けられ、第2移相器55が第2方向性結合器52のRef端子と合成器53との間に設けられており、第1方向性結合器50において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れることによるレベル変動を、第1移相器51と第2方向性結合器52と第2移相器55と第3移相器54との作用により打ち消すことができるようになる。これにより、第1方向性結合器50において進行波成分が反射波成分を出力するRef端子に漏れても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置5とすることができるようになる。
また、本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置5は、同軸ケーブル5bの損失値を出力する損失入力部59を備えており、データ処理部58では、前記損失値に基づく損失分が補償されるよう反射波直流電圧の処理が行われ、A検波器56から出力される進行波直流電圧と、データ処理部58で補償処理された反射波直流電圧とに基づいてアンテナ5cの異常が検出される。これにより、本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置5は、アンテナ5cまでの同軸ケーブル5bの長さが長くても、アンテナ異常検出精度が低下することのないアンテナ異常検出装置5とすることができるようになる。
なお、本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置5において、第2移相器55を省略するようにしてもよい。この場合は第3移相器54により、合成器53に入力される第1方向性結合器50からのレベル変動された反射波成分の位相と、第2方向性結合器52からの反転されてレベル変動された反射波成分の位相とを同相とすることができる。また、本発明の第5実施例のアンテナ異常検出装置5において、損失入力部59を省略するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明した本発明の実施例のアンテナ異常検出装置において、送信機は無線機や無線通信機に置き換えることができ、送信機を、高周波信号を出力可能な電子機器とすることができる。
以上説明した本発明の実施例のアンテナ異常検出装置において、アンテナの異常の有無を示すアンテナ異常判定結果出力信号を第2出力端子から出力しているが、アンテナ異常判定結果出力信号を用いて内部に設けたパイロットランプを点灯させることにより、アンテナの異常の有無を報知してもよい。この場合、アンテナの異常の有無に応じた点灯色で点灯させるのが好適とされる。また、アンテナ異常判定結果出力信号を用いて送信機等の高周波信号を出力可能な電子機器の送信電力を制御するようにしてもよい。この場合、アンテナ異常判定結果出力信号においてアンテナの異常が有の時は、送信電力を低減あるいは停止するようにし、アンテナ異常判定結果出力信号においてアンテナの異常が無の時は、送信電力を維持するようにすればよい。ところで、アンテナに異常が無い場合のアンテナ異常判定結果出力信号は、アンテナが正常であることを示していることから、アンテナ異常判定結果出力信号は、アンテナの正常状態と異常状態とを示していることになる。すなわち、アンテナ異常判定結果出力信号を用いることでアンテナの状態監視を行うことができるようになる。この場合、アンテナに異常が無い場合のアンテナ異常判定結果出力信号で内部に設けた例えば緑色のパイロットランプを点灯させ、アンテナに異常が有る場合のアンテナ異常判定結果出力信号で内部に設けた例えば赤色のパイロットランプを点灯させることにより、アンテナの状態監視を行うことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 アンテナ異常検出装置、1a 送信機、1b 同軸ケーブル、1c アンテナ、2 アンテナ異常検出装置、2a 送信機、2b 同軸ケーブル、2c アンテナ、3 アンテナ異常検出装置、3a 送信機、3b 同軸ケーブル、3c アンテナ、4 アンテナ異常検出装置、4a 送信機、4b 同軸ケーブル、4c アンテナ、5 アンテナ異常検出装置、5a 送信機、5b 同軸ケーブル、5c アンテナ、10 方向性結合器、11 A検波器、12 B検波器、13 データ処理部、14 損失入力部、20 第1方向性結合器、21 移相器、22 第2方向性結合器、23 A検波器、24 B検波器、25 C検波器、26 データ処理部、27 損失入力部、30 第1方向性結合器、31 移相器、32 第2方向性結合器、33 A検波器、34 B検波器、35 C検波器、36 データ処理部、37 損失入力部、40 第1方向性結合器、41 第1移相器、42 第2方向性結合器、43 合成器、44 第2移相器、45 A検波器、46 B検波器、47 データ処理部、48 損失入力部、50 第1方向性結合器、51 第1移相器、52 第2方向性結合器、53 合成器、54 第3移相器、55 第2移相器、56 A検波器、57 B検波器、58 データ処理部、59 損失入力部、100 アンテナ異常検出装置、101a 送信機、101b 同軸ケーブル、101c アンテナ、110 方向性結合器、111 A検波器、112 B検波器、113 データ処理部、IN 入力端子、OUT1 第1出力端子、OUT2 第2出力端子、Rf,Rr,Rr1,Rr2 終端抵抗、T アンテナ端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6