(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147424
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】切替装置および試験システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20241008BHJP
G01R 31/50 20200101ALI20241008BHJP
G01R 31/52 20200101ALI20241008BHJP
G01R 31/56 20200101ALI20241008BHJP
G01R 31/34 20200101ALI20241008BHJP
G01R 31/12 20200101ALI20241008BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R31/50
G01R31/52
G01R31/56
G01R31/34 D
G01R31/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060434
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100176371
【弁理士】
【氏名又は名称】笹田 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 琢矢
(72)【発明者】
【氏名】徳嵩 文男
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 誠一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 洸輝
【テーマコード(参考)】
2G014
2G015
2G036
2G116
【Fターム(参考)】
2G014AA15
2G014AB06
2G014AB49
2G014AC18
2G015AA12
2G015BA04
2G015CA01
2G015CA04
2G036AA01
2G036AA13
2G036AA20
2G036BA02
2G036CA09
2G036CA10
2G116BA01
2G116BA03
2G116BB03
2G116BB09
2G116BC02
2G116BD13
2G116BD16
(57)【要約】
【課題】部分放電試験を容易かつ安全に行えるようにする。
【解決手段】切替装置10は、第1外部端子P1と、被試験器7を接続するための複数の第2外部端子P2_1~P2_nと、第3外部端子P3と、複数の第1内部端子Pip1,Pin1,Pip2,Pin2と複数の第2外部端子の夫々に対応して接続された複数の第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとの間の接続と遮断を切り替えるスイッチ回路11と、第1外部端子P1に印加された電圧に応じて第1内部端子Pip1,Pin1,Pip2,Pin2に電圧を出力するとともに、被試験器7において発生した放電に基づく電流に応じた信号を第3外部端子P3に出力する放電検出回路12と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1外部端子と、
試験対象物を接続するための複数の第2外部端子と、
第3外部端子と、
複数の第1内部端子と、前記複数の第2外部端子の夫々に対応して接続された複数の第2内部端子とを有し、前記第1内部端子と前記第2内部端子との間の接続と遮断を切り替えるスイッチ回路と、
前記第1外部端子に印加された電圧に応じて前記第1内部端子に電圧を出力するとともに、前記試験対象物において発生した放電に基づく電流に応じた信号を前記第3外部端子に出力する放電検出回路と、
を備える
切替装置。
【請求項2】
請求項1に記載の切替装置において、
前記第1外部端子は、第1外部正極端子と第1外部負極端子を含み、
前記第1内部端子は、第1内部正極端子と、前記第1外部負極端子と接続された第1内部負極端子を含み、
前記第3外部端子は、第1信号出力端子を含み、
前記放電検出回路は、
前記第1外部正極端子と前記第1内部正極端子との間に接続されたコイルと、
前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間に接続された結合キャパシタと、
前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間に前記結合キャパシタと直列に接続され、前記結合キャパシタに流れる電流を検出し、検出した電流に応じた信号を前記第1信号出力端子に出力する第1電流検出部と、を含む
切替装置。
【請求項3】
請求項2に記載の切替装置において、
前記放電検出回路は、
前記コイルの両端を短絡する電流経路の形成と遮断を切り替える第1スイッチと、
前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間の前記結合キャパシタを経由した電流経路の形成と遮断を切り替える第2スイッチと、を更に有する
切替装置。
【請求項4】
請求項2に記載の切替装置において、
前記結合キャパシタは、前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間に直列に接続された複数のキャパシタを含み、
前記第3外部端子は、前記複数のキャパシタのうち2つのキャパシタ同士が接続されるノードに接続された第2信号出力端子を含む
切替装置。
【請求項5】
請求項2に記載の切替装置において、
前記第1外部端子は、第2外部正極端子と第2外部負極端子を含み、
前記第1内部端子は、第2内部正極端子と第2内部負極端子を含み、
前記第3外部端子は、第3信号出力端子を含み、
前記放電検出回路は、
前記第2外部正極端子と前記第2内部正極端子とを接続する第1配線と、
前記第2外部負極端子と前記第2内部負極端子とを接続する第2配線と、
前記第1配線および前記第2配線の少なくとも一方に流れる電流を検出し、検出した電流に応じた信号を前記第3信号出力端子に出力する第2電流検出部と、を含む
切替装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の切替装置と、
前記第1外部端子に電圧を印加する電源回路と、
前記スイッチ回路に対して第1制御信号を出力して前記第1内部端子と前記第2内部端子との間の接続状態を制御するとともに、前記電源回路に第2制御信号を出力して前記第1外部端子への電圧の供給を制御する制御装置と、
前記第3外部端子から出力された信号を測定する測定装置と、
を備える
試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替装置および試験システムに関し、例えば、電気機器等の安全性評価に係る試験に用いられる切替器および当該切替器を適用した試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器、電子部品、およびバッテリ等の出荷前には、感電や火災等に対する安全性能を評価するために各種の試験が行われる。例えば、上記試験として、耐電圧試験、絶縁抵抗試験、および部分放電試験等が行われる。
【0003】
耐電圧試験は、試験対象物(以下、「DUT:Device Under Test」とも称する。)の絶縁部分に高電圧を規定された時間だけ印加したときに閾値以上の漏れ電流が流れるか否かを判定する試験である。絶縁抵抗試験は、DUTの絶縁部分に高電圧を印加したときの当該絶縁部分の絶縁抵抗の値が基準値(閾値)以上であるか否かを判定する試験である。部分放電試験は、DUTの絶縁部分に所定の大きさの交流電圧またはインパルス電圧を印加したときの部分的な放電の発生の有無を判定する試験である。これらの試験方法や基準値等は、IEC規格、UL規格、電気用品取締法などの各種安全規格により定められている。
【0004】
一方で、DUTが複数ある場合において、上述した各種試験をそれぞれのDUTに対して効率よく行うために切替器が用いられることがある。切替器は、少なくとも一つの試験装置(試験装置)と複数のDUTとの間に設けられ、試験に用いる試験装置と試験対象のDUTを選択的に切り替える装置である。例えば、特許文献1には、部分放電試験のための試験装置において、電源部および放電量計測部等とDUTとしての回転電機との間に切替部(切替器)を設けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示されているように、部分放電試験を行う場合、試験に係る電圧が供給される電源ラインに直列に接続されるブロッキングコイル、DUTと並列に接続される結合コンデンサ、部分放電の発生時に結合コンデンサを流れる電流を検出する放電量計測部等が必要となる。特許文献1のように、部分放電試験に特化した試験装置は上述の回路要素を内蔵している。
【0007】
一方で、一般的な試験装置は、上述した部分放電試験に必要な回路要素を備えていないことが多い。このような試験装置を用いて部分放電試験を行うためには、試験装置と切替装置との間に上述した部分放電に係る回路要素を接続する必要がある。
【0008】
また、部分放電試験では高電圧をDUTに印加する。そのため、上述の回路要素を試験装置と切替装置との間に接続した場合、高電圧が印加される配線や端子が露出し、安全性の観点から好ましくない。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、部分放電試験を容易かつ安全に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の代表的な実施の形態に係る切替装置は、第1外部端子と、試験対象物を接続するための複数の第2外部端子と、第3外部端子と、複数の第1内部端子と、前記複数の第2外部端子の夫々に対応して接続された複数の第2内部端子とを有し、前記第1内部端子と前記第2内部端子との間の接続と遮断を切り替えるスイッチ回路と、前記第1外部端子に印加された電圧に応じて前記第1内部端子に電圧を出力するとともに、前記試験対象物において発生した放電に基づく電流に応じた信号を前記第3外部端子に出力する放電検出回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る切替装置によれば、部分放電試験を容易かつ安全に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る切替装置を備えた試験システムの構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る切替装置の構成を示す図である。
【
図3A】実施の形態1に係る放電検出回路の構成の一例を示す図である。
【
図3B】実施の形態1に係る放電検出回路の構成の一例を示す図である。
【
図4A】実施の形態1に係る切替装置によって交流電圧を用いた部分放電試験を行う場合の流れを示すフローチャートである。
【
図4B】実施の形態1に係る切替装置によって、インパルス電圧を用いた部分放電試験を行う場合の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態2に係る切替装置の構成を示す図である。
【
図6】実施の形態2に係る放電検出回路の構成を示す図である。
【
図7】実施の形態2に係る切替装置によって交流電圧を用いた部分放電試験を行う場合の流れを示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態3に係る切替装置の構成を示す図である。
【
図9】実施の形態3に係る放電検出回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0014】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る切替装置(10)は、第1外部端子(P1,Pep1,Pen1,Pep2,Pen2)と、試験対象物(7,7_1~7_k)を接続するための複数の第2外部端子(P2_1~P2_n)と、第3外部端子(P3,Ps1,Ps2,Ps3)と、複数の第1内部端子(Pip1,Pin1,Pip2,Pin2)と前記複数の第2外部端子の夫々に対応して接続された複数の第2内部端子(Pi2_1~Pi2_n)とを有し、前記第1内部端子と前記第2内部端子との間の接続と遮断を切り替えるスイッチ回路(11)と、前記第1外部端子に印加された電圧に応じて前記第1内部端子に電圧を出力するとともに、前記試験対象物において発生した放電に基づく電流に応じた信号を前記第3外部端子に出力する放電検出回路(12)と、を備えることを特徴とする。
【0015】
〔2〕上記〔1〕に記載の切替装置において、前記第1外部端子は、第1外部正極端子(Pep1)と第1外部負極端子(Pen1)を含み、前記第1内部端子は、第1内部正極端子(Pip1)と前記第1外部負極端子と接続された第1内部負極端子(Pin1)を含み、前記第3外部端子は、第1信号出力端子(Ps1)を含み、前記放電検出回路は、前記第1外部正極端子と前記第1内部正極端子との間に接続されたコイル(L)と、前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間に接続された結合キャパシタ(Cc)と、前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間に前記結合キャパシタと直列に接続され、前記結合キャパシタに流れる電流を検出し、検出した電流に応じた信号を前記第1信号出力端子に出力する第1電流検出部(31)と、を含んでいてもよい。
【0016】
〔3〕上記〔2〕に記載の切替装置(10A)において、前記放電検出回路(12A)は、前記コイルの両端を短絡する電流経路の形成と遮断を切り替える第1スイッチ(SW1)と、前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間の前記結合キャパシタを経由した電流経路の形成と遮断を切り替える第2スイッチ(SW2)と、を更に有していてもよい。
【0017】
〔4〕上記〔2〕または〔3〕に記載の切替装置(10B)において、前記結合キャパシタは、前記第1内部正極端子と前記第1内部負極端子との間に直列に接続された複数のキャパシタ(C1,C2)を含み、前記第3外部端子は、前記複数のキャパシタのうち2つのキャパシタ同士が接続されるノードに接続された第2信号出力端子(Ps3)を含んでいてもよい。
【0018】
〔5〕上記〔2〕に記載の切替装置(10A)において、前記第1外部端子は、第2外部正極端子(Pep2)と第2外部負極端子(Pen2)を含み、前記第1内部端子は、第2内部正極端子(Pip2)と第2内部負極端子(Pin2)を含み、前記第3外部端子は、第3信号出力端子(Ps2)を含み、前記放電検出回路は、前記第2外部正極端子と前記第2内部正極端子とを接続する第1配線(LP)と、前記第2外部負極端子と前記第2内部負極端子とを接続する第2配線(LN)と、前記第1配線および前記第2配線の少なくとも一方に流れる電流を検出し、検出した電流に応じた信号を前記第3信号出力端子に出力する第2電流検出部(32)と、を含んでいてもよい。
【0019】
〔6〕本発明の代表的な実施の形態に係る試験システム(1)は、上記〔1〕乃至〔5〕の何れか一つに記載の切替装置(10,10A,10B)と、前記第1外部端子に電圧を印加する電源回路(4,4_1,4_2)と、前記スイッチ回路に対して第1制御信号を出力して前記第1内部端子と前記第2内部端子との間の接続状態を制御するとともに、前記電源回路に第2制御信号を出力して前記第1外部端子への電圧の供給を制御する制御装置(2)と、前記第3外部端子から出力された信号を測定する測定装置(5)と、を備えることを特徴とする。
【0020】
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0021】
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係る切替装置を備えた試験システムの構成を示す図である。
【0022】
図1に示す試験システム1は、電気機器等の安全性評価の試験に用いることが可能なシステムであって、例えば、部分放電試験、耐電圧試験、および絶縁抵抗試験等を行うことが可能なシステムである。
【0023】
図1に示すように、試験システム1は、例えば、複数の試験装置3_1~3_jのうち少なくとも一つを選択するとともに、試験対象物(DUT)としての複数の被試験器7_1~7_k(kは2以上の自然数)のうち少なくとも一つを選択し、選択した試験装置を用いて、選択した被試験器に対する上記試験を行うことが可能なシステムである。具体的には、試験システム1は、複数の試験装置3_1~3_j(jは2以上の自然数)と、切替装置10と、制御装置2とを備えている。
【0024】
なお、以下の説明において、試験装置3_1~3_jや被試験器7_1~7_k等の参照符号に接尾辞を付した構成要素について説明する際に、各構成要素を区別しない場合には、参照符号から接尾辞を除いて表記する。
【0025】
試験装置3_1~3_jは、被試験器7_1~7_kの試験に係る電気的特性を測定する装置である。試験装置3_1~3_jは、例えば、部分放電試験、耐電圧試験、および絶縁抵抗試験等の各種試験を行うことが可能な試験装置である。
【0026】
例えば、試験装置3_1~3_jは、電源回路4と測定装置5とを含む。
電源回路4は、試験内容に応じた電圧を生成し、DUTとしての被試験器7_1~7_4に印加するための回路である。電源回路4は、例えば、制御装置2からの指令に応じて、商用電源等の外部から供給された電力に基づいて指定された大きさの交流電圧(正弦波)、インパルス電圧、および直流電圧等の指定された各種の電圧を生成し、出力する。
【0027】
電源回路4は、例えば、商用電源等の外部から供給された電力に基づいて所望の大きさおよび種類の電圧を生成可能な公知のAC/DCコンバータおよびDC/DCコンバータ等の回路によって実現することができる。なお、電源回路4の詳細については後述する。
【0028】
測定装置5は、被試験器7_1~7_kの電気的特性を測定するための装置である。測定装置5は、例えば、電圧、電流、インピーダンス、電力、および周波数等の電気的特性を測定可能な公知の機器によって実現することができる。
【0029】
測定装置5は、例えば、制御装置2からの指示に応じて、電源回路4から被試験器7に電圧または電流を印加したときの被試験器7の端子間に発生する電圧と被試験器7に流れる電流を測定する。また、測定装置5は、例えば、制御装置2からの指示に応じて、測定した電圧および電流の値に基づいて被試験器7のインピーダンス等を算出する。
【0030】
例えば、部分放電試験において、測定装置5は、被試験器7の絶縁部分に交流電圧またはインパルス電圧を印加したときに被試験器7において発生した部分放電に応じた電流に基づく放電検出信号を切替装置10から取得し、その放電検出信号を解析することにより、被試験器7における部分放電の発生の有無を判定する。
【0031】
また、耐電圧試験において、測定装置5は、被試験器7の絶縁部分に高電圧(例えば交流電圧)を規定された時間だけ印加したときに、閾値以上の漏れ電流が流れるか否かを判定する。
【0032】
また、絶縁抵抗試験において、測定装置5は、被試験器7の絶縁部分に高電圧(例えば直流電圧)を印加したときの当該絶縁部分の絶縁抵抗の値が基準値以上であるか否かを判定する。
【0033】
測定装置5による測定結果は、例えば、試験装置3が内蔵する記憶装置に記憶される。また、測定結果は、試験装置3のディスプレイ、試験装置3に接続された外部ディスプレイ、および外部記憶装置等に出力されてもよい。また、測定結果は、測定装置5と有線または無線によって接続された制御装置2や外部の情報処理装置(例えば、PC、サーバ、携帯端末等)に送信されてもよい。
【0034】
なお、電源回路4と測定装置5は、
図1に示すように一つの試験装置3内に設けられていてもよいし、電源回路4と測定装置5とが別々の装置として設けられていてもよい。例えば、試験システム1において、電源回路4および測定装置5を内蔵する試験装置3と、電源回路4および測定装置5が別々に実現された試験装置3とが混在していてもよい。
【0035】
切替装置10は、試験装置3_1~3_jと被試験器7_1~7_kとの間の接続状態を切り替える装置である。切替装置10は、例えば、制御装置2からの指示に応じて、指定された試験装置3と指定された被試験器7との間の電気的な接続と遮断を切り替える。切替装置10の詳細については、後述する。
【0036】
制御装置2は、試験システム1の統括的な制御を行う装置である。制御装置2は、例えば、PC、サーバ、PLC(Programmable Logic Controller)等のプログラム処理装置によって実現されている。
【0037】
制御装置2は、制御装置2自身が備える操作ボタンやタッチパネル等の内蔵入力インターフェースおよび制御装置2に接続されたキーボード等の外部入力インターフェースの少なくとも一つを介したユーザからの入力操作に応じて、試験装置3_1~3_jおよび切替装置10を制御することにより、被試験器7_1~_7_kに対する各種試験の実行と停止を実現する。また、制御装置2は、制御装置2と有線または無線によるネットワークによって接続された外部の情報処理装置(例えば、PC、サーバ、携帯端末等)からの指示信号に応じて、試験装置3_1~3_jおよび切替装置10を制御してもよい。
【0038】
例えば、試験装置3_1が部分放電試験に対応した装置であり、試験装置3_1を用いて被試験器7_2に対する部分放電試験を実行する場合を考える。この場合、制御装置2は、切替装置10を制御することにより、試験装置3_1と被試験器7_2とを電気的に接続させる。その後、制御装置2は、試験装置3_1を制御することにより、試験装置3_1の電源回路4から部分放電試験に応じた電圧を出力させ、そのときの被試験器7_2の部分放電試験に係る電気的特性を測定装置5によって測定させる。
【0039】
また、試験装置3_2が絶縁抵抗試験に対応した装置であり、試験装置3_2を用いて被試験器7_1に対する絶縁抵抗試験を実行する場合を考える。この場合、制御装置2は、切替装置10を制御することにより、試験装置3_2と被試験器7_1とを電気的に接続させる。その後、制御装置2は、試験装置3_2を制御することにより、試験装置3_2の電源回路4から部分放電試験に応じた電圧を出力させ、そのときの被試験器7_1の絶縁抵抗試験に係る電気的特性を測定装置5によって測定させる。
【0040】
次に、切替装置10の構成について詳細に説明する。
【0041】
図2は、実施の形態1に係る切替装置10の構成を示す図である。
【0042】
図2に示すように、切替装置10は、複数の外部端子と、スイッチ回路11と、放電検出回路12とを有している。
【0043】
上記複数の外部端子は、例えば、第1外部端子P1と、複数の第2外部端子P2_1~P2_n(nは2以上の自然数)と、第3外部端子P3と、第4外部端子P4とを含む。
第1外部端子P1は、電圧または電流を入力するための端子である。例えば、第1外部端子P1は、高電圧(例えば、数千V)の入出力が可能に構成されている。
【0044】
第1外部端子P1は、試験装置3の電源回路4の電圧または電流の出力端子に配線を介して接続される。第1外部端子P1は、第1外部正極端子Pep1と第1外部負極端子Pen1を含む。
【0045】
第1外部正極端子Pep1および第1外部負極端子Pen1は、例えば、電源回路4から出力された交流電圧を切替装置10の内部回路に入力するための端子である。例えば、第1外部正極端子Pep1は、試験装置3における交流電圧が出力可能な電源回路4の正極側出力端子に接続され、第1外部負極端子Pnp1は、試験装置3における交流電圧が出力可能な電源回路4の負極側出力端子に接続される。
【0046】
第1外部端子P1は、更に、第2外部正極端子Pep2および第2外部負極端子Pen2を含んでいてもよい。第2外部正極端子Pep2および第2外部負極端子Pen2は、例えば、電源回路4から出力されたインパルス電圧を切替装置10の内部回路に入力するための端子である。例えば、第2外部正極端子Pep2は、試験装置3におけるインパルス電圧が出力可能な電源回路4の正極側出力端子に接続され、第2外部負極端子Pnp2は、試験装置3におけるインパルス電圧が出力可能な電源回路4の負極側出力端子に接続される。
【0047】
第2外部端子P2_1~P2_nは、DUTとしての被試験器7_1~7_kを接続するための端子である。
【0048】
第3外部端子P3は、信号を出力するための端子である。第3外部端子P3は、試験において検出される物理量に基づく信号を出力する。具体的に、第3外部端子P3は、交流電圧を用いる部分放電試験によって被試験器7において発生した放電に基づく電流に応じた信号を出力するための信号出力端子Ps1を含む。信号出力端子Ps1は、例えば、信号を出力するための正極側端子と基準となる負極側端子とを含む。信号出力端子Ps1は、例えば、BNC(Bayonet Neill Concelman)ケーブル等の同軸ケーブルが接続可能なコネクタによって構成されている。
【0049】
第3外部端子P3は、更に、インパルス電圧を用いる部分放電試験によって被試験器7において発生した放電に基づく電流に応じた信号を出力するための信号出力端子Ps2を含んでいてもよい。信号出力端子Ps2は、例えば、信号を出力するための正極側端子と基準となる負極側端子とを含む。信号出力端子Ps2は、例えば、信号出力端子Ps1と同様に、同軸ケーブルが接続可能なコネクタによって構成されている。
【0050】
上述したように、第1外部端子P1および第3外部端子P3は、主に、部分放電試験を行う際に用いられる。
【0051】
第4外部端子P4は、試験装置3_1~3_jと被試験器7_1~7_kとの間の接続状態を切り替える制御信号を切替装置10の内部回路に入力するための端子である。例えば、第4外部端子P4は、信号線によって制御装置2と接続される。制御装置2から第4外部端子P4に入力された制御信号は、後述するスイッチ回路11に入力される。
【0052】
切替装置10は、第1外部端子P1、第2外部端子P2、第3外部端子P3、および第4外部端子P4に加えて、第5外部端子P5_1~P5_m(mは2以上の自然数)を有していてもよい。第5外部端子P5_1~P5_mは、例えば、部分放電試験以外の試験に使用する試験装置3と接続するための端子である。第5外部端子P5_1~P5_mは、電圧および電流を入力するための端子と測定した物理量に基づく信号を出力するための端子とを含む。
【0053】
スイッチ回路11は、第1外部端子P1、第3外部端子P3、および第5外部端子P5と第2外部端子P2との間の電流経路の形成と遮断を切り替える回路である。スイッチ回路11は、複数の第1内部端子と複数の第2内部端子Pi2_1~Pi2_nを有する。
【0054】
上記第1内部端子は、試験装置3に接続される端子である。上記第1内部端子は、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1を含む。第1内部正極端子Pip1は、後述する第1放電検出部13を介して第1外部正極端子Pep1に接続される。第1内部負極端子Pin1は、第1放電検出部13を介して第1外部負極端子Pen1に接続される。
【0055】
上記第1内部端子は、第2内部正極端子Pip2と第2内部負極端子Pin2を含んでいてもよい。第2内部正極端子Pip2は、後述する第2放電検出部14を介して第2外部正極端子Pep2に接続される。第2内部負極端子Pin2は、第2放電検出部14を介して第2外部負極端子Pen2に接続される。
【0056】
第2内部端子Pi2_1~Pi2_nは、被試験器7に接続される端子である。第2内部端子Pi2_1~Pi2_nは、複数の第2外部端子P2_1~P2_nの夫々に対応して接続されている。例えば、第2内部端子Pi2_1は第2外部端子P2_1に接続され、第2内部端子Pi2_nは第2外部端子P2_nに接続されている。
【0057】
スイッチ回路11は、上記第1内部端子と第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとは別に、第3内部端子Pi3_1~Pi3_mを有していてもよい。第3内部端子Pi3_1~Pi3_mは、試験装置3側に接続される端子である。第3内部端子Pi3_1~Pi3_mは、複数の第5外部端子P5_1~P5_mの夫々に対応して接続されている。例えば、第3内部端子Pi3_1は第5外部端子P5_1に接続され、第3内部端子Pi3_mは第5外部端子P5_mに接続されている。
【0058】
スイッチ回路11は、第1内部端子と第2内部端子Pi2との間の接続と遮断を切り替える。具体的に、スイッチ回路11は、第4外部端子P4に入力された制御信号に基づいて、第1内部正極端子Pip1、第1内部負極端子Pin1、第2内部正極端子Pip2、および第2内部負極端子Pin2と、第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとの間の接続と遮断を切り替える。また、スイッチ回路11は、第4外部端子P4に入力された制御信号に基づいて、第3内部端子Pi3_1~Pi3_mと第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとの間の接続と遮断を切り替える。
【0059】
スイッチ回路11は、例えば、高電圧に対応した信号線(高圧バス)と、低電圧に対応した信号線(低圧バス)と、高圧バスおよび低圧バスと第1内部端子および第3内部端子Pi3_1~Pi3_mとの間の接続と遮断を切り替える複数のスイッチと、高圧バスおよび低圧バスと第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとの間の接続と遮断を切り替える複数のスイッチと、第4外部端子P4に入力された制御信号で指定された開閉状態となるように上記各スイッチを制御するスイッチ制御回路と、を含んで構成されている(不図示)。ここで、上記スイッチ回路11を構成する各スイッチは、例えば、リレーやパワートランジスタ等の半導体スイッチによって実現されている。
【0060】
放電検出回路12は、被試験器7において発生した放電を検出するための回路である。放電検出回路12は、第1外部端子P1(Pep1,Pen1,Pep2,Pen2)に印加された電圧に応じてスイッチ回路11の上記第1内部端子(Pip1、Pin1、Pip2、およびPin2)に電圧を出力するとともに、試験対象物としての被試験器7において発生した放電に基づく電流に応じた信号を第3外部端子P3(Ps1,Ps2)に出力する。
【0061】
具体的に、放電検出回路12は、第1放電検出部13を有する。放電検出回路12は、更に、第2放電検出部14を有していてもよい。以下、第1放電検出部13および第2放電検出部14について詳細に説明する。
【0062】
図3Aおよび
図3Bは、実施の形態1に係る放電検出回路12の構成の一例を示す図である。
【0063】
図3Aには、U相、V相、W相のコイルがステータコア(以下、単に「コア」とも称する。)に巻回された三相モータを被試験器7_1とし、被試験器7_1のU相とコアとの間に交流電圧を印加して部分放電試験を行う場合の、試験装置3_1と被試験器7_1との接続関係が示されている。
【0064】
図3Bには、上記三相モータを被試験器7_1とし、被試験器7_1のU相とコアとの間にインパルス電圧を印加して部分放電試験を行う場合の、試験装置3_1と被試験器7_1との接続関係が示されている。
【0065】
図3Aおよび
図3Bにおいて、被試験器7_1としての三相モータのU相のコイルの一端が第2外部端子P2_1に接続され、三相モータのV相のコイルの一端が第2外部端子P2_2に接続され、三相モータのW相のコイルの一端が第2外部端子P2_3に接続され、三相モータのコアが第2外部端子P2_4に接続されている。
【0066】
図3Aおよび
図3Bにおいて、試験装置3_1は、例えば、交流電圧を生成する電源回路4_1と、インパルス電圧を生成する電源回路4_2と、測定装置5とを有している。
【0067】
電源回路4_1は、試験装置3に対する入力操作等によって指定された大きさの交流電圧(例えば、正弦波)を生成し、第1外部正極端子Pep1と第1外部負極端子Pen1との間に出力する。
【0068】
電源回路4_2は、試験装置3に対する入力操作等によって指定された大きさのインパルス電圧を生成し、第2外部正極端子Pep2と第2外部負極端子Pen2との間に出力する。
【0069】
測定装置5は、信号出力端子Ps1から出力された信号と信号出力端子Ps2から出力された信号を入力する。
【0070】
第1放電検出部13は、交流電圧を用いる部分放電試験において被試験器7に発生した放電に基づく電流を検出するための回路である。
図3Aに示すように、第1放電検出部13は、コイルL、結合キャパシタCc、および第1電流検出部31を含む。
【0071】
コイルLは、部分放電試験において被試験器7に生じた部分放電によって発生した電荷(電流)が試験装置3の電源回路4_1に逆流することを防止するための素子である。コイルLは、第1外部正極端子Pep1とスイッチ回路11の第1内部正極端子Pip1との間に接続されている。
【0072】
結合キャパシタCcは、部分放電試験において被試験器7に生じた部分放電によって発生した電荷を蓄える素子である。結合キャパシタCcは、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1との間に接続されている。第1放電検出部13において、第1内部負極端子Pin1は、配線によって第1外部負極端子Pen1に接続されている。
【0073】
第1電流検出部31は、放電によって結合キャパシタCcに流れる電流(電荷)を検出し、検出した電流に応じた放電検出信号を信号出力端子Ps1に出力する。第1電流検出部31は、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1との間に結合キャパシタCcと直列に接続されている。第1電流検出部31は、例えば、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1との間に結合キャパシタCcと直列に接続された抵抗Rsを含む。抵抗Rsは、放電によって結合キャパシタCcに流れる電流を電圧に変換し、放電検出信号として信号出力端子Ps1に出力する。例えば、測定装置5と信号出力端子Ps1とを同軸ケーブルで接続する場合、抵抗Rsの一端が同軸ケーブルの内部導体に接続され、抵抗Rsの他端が同軸ケーブルの外部導体に接続される。
【0074】
なお、第1電流検出部31は、抵抗Rsに代えて(または加えて)インダクタやキャパシタ等のインピーダンスを有する素子を含んでいてもよいし、第2電流検出部32のような電流センサであってもよい。
【0075】
図3Aに示す試験システム1において交流電圧を用いた部分放電試験を行う場合、制御装置2は、試験装置3_1~3_jと被試験器7_1~7_kとの間の接続状態を切り替えるための制御信号を第4外部端子P4に入力する。具体的には、制御装置2は、第1内部正極端子Pip1と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第1内部負極端子Pin1と第2内部端子Pi2_4とを接続することを指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、第4外部端子P4に入力された制御信号に応じて、第1内部正極端子Pip1と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第1内部負極端子Pin1と第2内部端子Pi2_4とを接続する。これにより、試験装置3_1の電源回路4_1と被試験器7_1としての三相モータとが電気的に接続され、三相モータのU相のコイルとコアとの間に交流電圧が印加可能な状態となる。
【0076】
第2放電検出部14は、インパルス電圧を用いる部分放電試験において被試験器7に発生した放電に基づく電流を検出するための回路である。
図3Bに示すように、第2放電検出部14は、第1配線LP、第2配線LN、および第2電流検出部32を有している。
【0077】
第1配線LPは、第2外部正極端子Pep2と第2内部正極端子Pip2とを接続する。第2配線LNは、第2外部負極端子Pen2と第2内部負極端子Pin2とを接続する。
【0078】
第2電流検出部32は、第1配線LPおよび第2配線LNの少なくとも一方に流れる電流を検出し、検出した電流に応じた放電検出信号を信号出力端子Ps2に出力する。第2電流検出部32は、例えば、グラウンド側に流れる電流、すなわち第2配線LNに流れる電流を検出するように構成されている。
【0079】
第2電流検出部32は、例えば、測定対象の導体(第2配線LN)を囲むように配置された環状のコアと磁気検出素子とを有し、上記導体に流れる電流によって上記コアに生じる磁束を上記磁気検出素子によって検出することにより、導体に流れる電流に応じた放電検出信号を出力する電流センサである。
【0080】
例えば、測定装置5と信号出力端子Ps2とを同軸ケーブルで接続する場合、第2電流検出部32の一方の信号出力端子が同軸ケーブルの内部導体に接続され、第2電流検出部32の他方の信号出力端子が同軸ケーブルの外部導体に接続される。
【0081】
なお、第2電流検出部32は、上述した構成を有する電流センサに限定されず、第1配線LPおよび第2配線LNの少なくとも一方に流れる電流を検出可能な公知の種々の電流センサを用いることが可能である。
【0082】
図3Bに示す試験システム1においてインパルス電圧を用いた部分放電試験を行う場合、制御装置2は、試験装置3_1~3_jと被試験器7_1~7_kとの間の接続状態を切り替えるための制御信号を第4外部端子P4に入力する。具体的には、制御装置2は、第2内部正極端子Pip2と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第2内部負極端子Pin2と第2内部端子Pi2_4とを接続することを指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、第4外部端子P4に入力された制御信号に応じて、第2内部正極端子Pip2と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第2内部負極端子Pin2と第2内部端子Pi2_4とを接続する。これにより、試験装置3_1の電源回路4_2と被試験器7_1としての三相モータとが電気的に接続され、三相モータのU相のコイルとコアとの間にインパルス電圧が印加可能な状態となる。
【0083】
次に、実施の形態1に係る切替装置10を用いた部分放電試験の流れについて説明する。
【0084】
図4Aは、実施の形態1に係る切替装置10によって、交流電圧を用いた部分放電試験を行う場合の流れを示すフローチャートである。
ここでは、
図3Aに示した三相モータの部分放電試験を行う場合を例にとり、説明する。
【0085】
先ず、制御装置2が、切替装置10の第4外部端子P4に制御信号を入力することにより、インパルス電圧を発生する電源回路4_2と被試験器7_1としての三相モータとの接続を遮断する(ステップS1)。具体的には、制御装置2が、第2内部正極端子Pip2および第2内部負極端子Pin2と各第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとを遮断すること指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、当該制御信号に応じて、第2内部正極端子Pip2および第2内部負極端子Pin2と各第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとを遮断する。
【0086】
次に、制御装置2が、切替装置10の第4外部端子P4に制御信号を出力することにより、交流電圧を発生する電源回路4_1と被試験器7_1としての三相モータとを接続する(ステップS2)。具体的には、制御装置2が、第1内部正極端子Pip1と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第1内部負極端子Pin1と第2内部端子Pi2_4とを接続すること指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、当該制御信号に応じて、第1内部正極端子Pip1と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第1内部負極端子Pin1と第2内部端子Pi2_4とを接続する。
【0087】
次に、制御装置2が、試験装置3_1を制御して、電源回路4_1から交流電圧を出力させる(ステップS3)。これにより、電源回路4_1から出力された交流電圧が切替装置10を介して被試験器7に印加される。例えば、交流電圧の印加によって被試験器7において部分放電が発生した場合、当該部分放電の大きさに応じた電流が発生し、第1放電検出部13の結合キャパシタCcに流れ込む。第1電流検出部31は、結合キャパシタCcに流れる電流を検出し、当該電流に応じた放電検出信号を信号出力端子Ps1から出力する。
【0088】
次に、試験装置3_1の測定装置5が、切替装置10の信号出力端子Ps1から放電検出信号を取得する(ステップS4)。測定装置5は、ステップS4において取得した放電検出信号に基づいて、DUTとしての被試験器7_1において部分放電が発生したか否かを判定する(ステップS5)。例えば、試験装置3_1は、判定結果を制御装置2に送信する。
【0089】
次に、制御装置2が、試験装置3_1を制御して交流電圧の出力を停止する(ステップS6)。例えば、制御装置2は、試験装置3_1から部分放電の発生の有無に関する判定結果を受信した場合に、試験装置3_1に対して電源回路4_1による交流電圧の出力の停止を指示する。
【0090】
次に、制御装置2が、切替装置10の第4外部端子P4に制御信号を出力することにより、電源回路4_1と被試験器7_1としての三相モータとを遮断する(ステップS7)。具体的には、制御装置2が、第1内部正極端子Pip1と第2内部端子Pi2_1とを遮断し、第1内部負極端子Pin1と第2内部端子Pi2_4とを遮断すること指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、当該制御信号に応じて、第1内部正極端子Pip1および第1内部負極端子Pin1と第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとを遮断する。
【0091】
以上の手順により、試験システム1において任意の被試験器7に対して交流電圧を用いた部分放電試験を行うことができる。
【0092】
図4Bは、実施の形態1に係る切替装置10によって、インパルス電圧を用いた部分放電試験を行う場合の流れを示すフローチャートである。
ここでは、
図3Bに示した被試験器7_1としての三相モータの部分放電試験を行う場合を例にとり、説明する。
【0093】
先ず、制御装置2が、切替装置10の第4外部端子P4に制御信号を出力することにより、交流電圧を発生する電源回路4_1と被試験器7_1としての三相モータとの接続を遮断する(ステップS1A)。具体的には、制御装置2が、第1内部正極端子Pip1および第1内部負極端子Pin1と各第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとを遮断すること指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、当該制御信号に応じて、第1内部正極端子Pip1および第1内部負極端子Pin1と各第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとを遮断する。
【0094】
次に、制御装置2が、切替装置10の第4外部端子P4に制御信号を出力することにより、インパルス電圧を発生する電源回路4_2と被試験器7_1としての三相モータとを接続する(ステップS2A)。具体的には、制御装置2が、第2内部正極端子Pip2と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第2内部負極端子Pin2と第2内部端子Pi2_4とを接続すること指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、当該制御信号に応じて、第2内部正極端子Pip2と第2内部端子Pi2_1とを接続し、第2内部負極端子Pin2と第2内部端子Pi2_4とを接続する。
【0095】
次に、制御装置2が、試験装置3_1を制御して、電源回路4_2からインパルス電圧を出力させる(ステップS3A)。これにより、電源回路4_2から出力されたインパルス電圧が切替装置10を介して被試験器7に印加される。例えば、インパルス電圧の印加によって被試験器7_1において部分放電が発生した場合、当該部分放電の大きさに応じた電流が発生し、第2放電検出部14の第1配線LPおよび第2配線LNに流れ込む。第2電流検出部32は、第2配線LNに流れる電流を検出し、当該電流に応じた放電検出信号を信号出力端子Ps2から出力する。
【0096】
次に、試験装置3_1の測定装置5が、切替装置10の信号出力端子Ps2から放電検出信号を取得する(ステップS4A)。測定装置5は、ステップS4Aにおいて取得した放電検出信号に基づいて、DUTとしての被試験器7_1において部分放電が発生したか否かを判定する(ステップS5)。例えば、試験装置3_1は、判定結果を制御装置2に送信する。
【0097】
次に、制御装置2が、試験装置3_1を制御してインパルス電圧の出力を停止する(ステップS6A)。例えば、制御装置2は、試験装置3_1から部分放電の発生の有無に関する判定結果を受信した場合に、試験装置3_1に対して電源回路4_2による交流電圧の出力の停止を指示する。
【0098】
次に、制御装置2が、切替装置10の第4外部端子P4に制御信号を出力することにより、電源回路4_2と被試験器7_1としての三相モータとを遮断する(ステップS7A)。具体的には、制御装置2が、第2内部正極端子Pip2と第2内部端子Pi2_1とを遮断し、第2内部負極端子Pin2と第2内部端子Pi2_4とを遮断すること指示する制御信号を第4外部端子P4に入力する。スイッチ回路11は、当該制御信号に応じて、第2内部正極端子Pip2および第2内部負極端子Pin2と第2内部端子Pi2_1~Pi2_nとを遮断する。
【0099】
以上の手順により、試験システム1において、任意の被試験器7に対してインパルス電圧を用いた部分放電試験を行うことができる。
【0100】
以上、実施の形態1に係る切替装置10は、試験装置3_1~3_jと被試験器7_1~7_kとの間の接続と遮断を切り替えるスイッチ回路11に加えて、放電検出回路12を更に備えている。放電検出回路12は、第1外部端子P1としての第1外部正極端子Pep1および第1外部負極端子Pen1に印加された電圧に応じて、スイッチ回路11の第1内部端子としての第1内部正極端子Pip1および第1内部負極端子Pin1に電圧を出力するとともに、被試験器7において発生した放電に基づく電流に応じた信号(放電検出信号)を第3外部端子P3としての信号出力端子Ps1に出力する。
【0101】
これによれば、部分放電試験に対応していない測定装置を用いて部分放電試験を行う場合であっても、ユーザが測定装置と切替装置との間に部分放電試験のための回路を別途設ける必要がない。また、高電圧が印加される配線や端子の露出を最小限に抑えることができるので、従来よりも安全性を向上させることができる。すなわち、実施の形態1に係る切替装置10によれば、部分放電試験を容易かつ安全に行うことが可能となる。
【0102】
また、実施の形態1に係る切替装置10において、放電検出回路12は、
図3Aに示した第1放電検出部13を有している。これによれば、必要な最低限の構成要素によって交流電圧を用いた部分放電試験を実現することができるので、部分放電試験の機能を切替装置に持たせることによるコストの増大を抑えることが可能となる。
【0103】
更に、実施の形態1に係る切替装置10において、放電検出回路12は、
図3Bに示した第2放電検出部14を有している。これによれば、必要な最低限の構成要素によってインパルス電圧を用いた部分放電試験を実現することができるので、部分放電試験の機能を切替装置に持たせることによるコストの増大を抑えることが可能となる。また、切替装置10に第1放電検出部13および第2放電検出部14を搭載することにより、交流電圧とインパルス電圧の両方の部分放電試験を行うことができる。
【0104】
≪実施の形態2≫
図5は、実施の形態2に係る切替装置10Aの構成を示す図である。
【0105】
図5に示す切替装置10Aは、試験装置3と被試験器7との間に第1放電検出部13Aを接続するか否かを切り替える機能を有する点において、実施の形態1に係る切替装置10と相違し、その他の点においては、実施の形態1に係る切替装置10と同様である。
【0106】
実施の形態2に係る切替装置10Aは、実施の形態1に係る切替装置10の代わりに、
図1に示した試験システム1に適用することができる。
【0107】
図6は、実施の形態2に係る放電検出回路12Aの構成を示す図である。
【0108】
図6には、
図3Aと同様に、被試験器7_1としての三相モータに対して交流電圧を用いた部分放電試験を行う場合が示されている。
【0109】
図6に示すように、第1放電検出部13Aは、実施の形態1に係る第1放電検出部13の構成要素であるコイルL、結合キャパシタCc、および第1電流検出部31に加えて、スイッチSW1,SW2を有する。スイッチSW1,SW2は、例えば、リレーやパワートランジスタ等の半導体スイッチによって実現されている。
【0110】
スイッチSW1は、コイルLの両端を短絡する電流経路の形成と遮断を切り替える。例えば、スイッチSW1の一方の端子はコイルLの一方の端子に接続され、スイッチSW1の他方の端子はコイルLの他方の端子に接続されている。
【0111】
スイッチSW2は、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1との間の結合キャパシタCcを経由した電流経路の形成と遮断を切り替える。具体的に、スイッチSW2は結合キャパシタCcに直列に接続されている。例えば、スイッチSW2の一方の端子は第1内部正極端子Pip1に接続され、スイッチSW2の他方の端子は、結合キャパシタCcの第1電流検出部31に接続される端子の反対側の端子に接続されている。
【0112】
切替装置10Aは、スイッチSW1,SW2のオン・オフを制御するスイッチ切替信号を入力するための第6外部端子P6を有していてもよい。例えば、制御装置2は、スイッチSW1,SW2のオンまたはオフを指定するスイッチ切替信号を第6外部端子P6に入力する。スイッチSW1,SW2は、第6外部端子P6に入力されたスイッチ切替信号に応じて、スイッチSW1,SW2のオン状態とオフ状態を切り替える。なお、切替装置10Aは、第6外部端子P6に入力されたスイッチ制御信号に基づいてスイッチSW1,SW2のオン/オフを切り替えるスイッチ切替回路を有していてもよい。
【0113】
図7は、実施の形態2に係る切替装置10Aによって、交流電圧を用いた部分放電試験を行う場合の流れを示すフローチャートである。
【0114】
先ず、制御装置2が、スイッチ制御信号を切替装置10Aの第6外部端子P6に入力することにより、切替装置10AにおけるスイッチSW1をオフし、スイッチSW2をオンする(ステップS10)。具体的には、制御装置2が、スイッチSW1をオフさせ、スイッチSW2をオンさせることを指示するスイッチ制御信号を生成し、切替装置10の第6外部端子P6に入力する。スイッチSW1は、当該スイッチ制御信号に応じてオフ状態となり、スイッチSW2は、当該スイッチ制御信号に応じてオン状態となる。
【0115】
これにより、第1外部正極端子Pep1と第1内部正極端子Pip1との間にコイルLを経由した電流経路が形成され、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1との間に結合キャパシタCcを経由した電流経路が形成されるので、交流電圧を用いた部分放電試験が可能となる。
【0116】
ステップS10の後の処理手順は、
図4Aに示した実施の形態1に係る部分放電試験の処理手順と同様である。
【0117】
一方、絶縁抵抗試験または耐電圧試験を行う場合には、制御装置2は、スイッチ制御信号を切替装置10の第6外部端子P6に入力することにより、切替装置10におけるスイッチSW2をオフし、スイッチSW2をオンする。具体的には、制御装置2が、スイッチSW1をオンさせ、スイッチSW2をオフさせることを指示するスイッチ制御信号を生成し、切替装置10の第6外部端子P6に入力する。スイッチSW1は、当該スイッチ制御信号に応じてオン状態となり、スイッチSW2は、当該スイッチ制御信号に応じてオフ状態となる。
【0118】
これにより、第1外部正極端子Pep1と第1内部正極端子Pip1との間にコイルLを経由しない電流経路が形成され、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1との間の電流経路が遮断されるので、絶縁抵抗試験または耐電圧試験時に、コイルLと結合キャパシタCcを介さずに被試験器7に高電圧を印加することが可能となる。
【0119】
以上、実施の形態2に係る切替装置10Aは、上記スイッチSW1,SW2を有しているので、試験の種類に応じて第1放電検出部13Aの接続の可否を切り替えることが可能となるので、部分放電試験の以外の試験において第1放電検出部13Aによる悪影響を低減することが可能となる。
【0120】
具体的には、絶縁抵抗試験や耐電圧試験において第1放電検出部13AのコイルLが電源回路4_1とスイッチ回路11との間に接続されていた場合、コイルLの直流抵抗成分およびインダクタンス成分によってコイルLの両端において電圧降下が発生し、被試験器7に印加される電圧が電源回路4_1から出力された電圧よりも低下してしまう。これに対し、実施の形態2に係る切替装置10によれば、スイッチSW1をオンさせることにより、コイルLを経由しない電流経路を形成することができるので、コイルLによる絶縁抵抗試験や耐電圧試験に対する悪影響を抑えることが可能となる。
【0121】
また、絶縁抵抗試験や耐電圧試験において被試験器7に並列に結合キャパシタCcが接続されていた場合、被試験器7に電圧を印加したときに結合キャパシタCcに漏れ電流が流れ込むため、被試験器7の漏れ電流を正確に測定することが困難となる。これに対し、実施の形態2に係る切替装置10によれば、スイッチSW2をオフさせることにより、結合キャパシタCcを経由した電流経路を遮断することができるので、結合キャパシタCcによる絶縁抵抗試験や耐電圧試験に対する悪影響を抑えることが可能となる。
【0122】
≪実施の形態3≫
【0123】
図8は、実施の形態3に係る切替装置10Bの構成を示す図である。
【0124】
図8に示す切替装置10Bは、交流電圧を用いた部分放電試験において被試験器7に印加した交流電圧を分圧した信号を出力する機能を有する点において、実施の形態2に係る切替装置10Aと相違し、その他の点においては実施の形態1に係る切替装置10Aと同様である。実施の形態3に係る切替装置10Bは、実施の形態1に係る切替装置10の代わりに、
図1に示した試験システム1に適用することができる。
【0125】
図9は、実施の形態3に係る放電検出回路12Bの構成を示す図である。
【0126】
図9には、
図3Aと同様に、被試験器7_1としての三相モータに対して交流電圧を用いた部分放電試験を行う場合が示されている。
【0127】
図9に示すように、第1放電検出部13Bは、複数のキャパシタによって構成された結合キャパシタCcを有する。具体的に、第1放電検出部13Bの結合キャパシタCcは、第1内部正極端子Pip1と第1内部負極端子Pin1との間に直列に接続された複数のキャパシタを含む。例えば、結合キャパシタCcは、2つのキャパシタC1,C2が直列に接続された構成を有している。
【0128】
切替装置10は更に、第3外部端子P3として信号出力端子Ps3を有する。信号出力端子Ps3は、結合キャパシタCcを構成する複数のキャパシタのうち2つのキャパシタ同士が接続されるノードに接続されている。例えば、
図9に示すように、信号出力端子Ps3は、キャパシタC1とキャパシタC2とが共通に接続されたノードNcに接続されている。信号出力端子Ps3は、例えば、BNCケーブル等の同軸ケーブルが接続可能なコネクタによって構成されている。
【0129】
このように、実施の形態3に係る切替装置10Bは、直列に接続された複数のキャパシタC1,C2によって構成された結合キャパシタCcと、2つのキャパシタC1,C2同士が共通に接続されるノードに接続された信号出力端子Ps3を有する。
【0130】
これによれば、部分放電試験において交流電圧を被試験器7に印加した場合に、当該交流電圧を分圧した信号を切替装置10Bの信号出力端子Ps3から出力することができる。試験装置3は、部分放電試験において、切替装置10Bの信号出力端子Ps3から出力された交流電圧を分圧した信号を放電検出信号とともに取得することにより、被試験器7において部分放電が発生したタイミング(位相)を特定することが可能となる。これにより、より高精度な部分放電試験を実現することが可能となる。
【0131】
≪実施の形態の拡張≫
以上、本願発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0132】
例えば、上記実施の形態では、放電検出回路12,12A,12Bが第1放電検出部13,13A,13Bと第2放電検出部14を有している場合を例示したが、これに限られない。例えば、放電検出回路12,12A,12Bは、第1放電検出部13,13A,13Bと第2放電検出部14の少なくとも一方を有していればよい。
【0133】
また、実施の形態3では、複数のキャパシタによって構成された結合キャパシタCcと信号出力端子Ps3を実施の形態2に係る切替装置10Aに適用する場合を一例として示したが、実施の形態1に係る切替装置10に、複数のキャパシタによって構成された結合キャパシタCcと信号出力端子Ps3を適用してもよい。
【0134】
また、上述のフローチャートは、動作を説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、フローチャートの各図に示したステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。例えば、一部の処理の順番が変更されてもよいし、各処理間に他の処理が挿入されてもよいし、一部の処理が並列に行われてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1…試験システム、2…制御装置、3,3_1~3_j…試験装置、4,4_1,4_2…電源回路、5…測定装置、7,7_1~7_k…被試験器(DUT)、10,10A,10B…切替装置、11…スイッチ回路、12…放電検出回路、13…第1放電検出部、14…第2放電検出部、31…第1電流検出部、32…第2電流検出部、C1,C2…キャパシタ、Cc…結合キャパシタ、L…コイル、LP…第1配線、LN…第2配線、P1…第1外部端子、P2,P2_1~P2_n…第2外部端子、P3…第3外部端子、P4…第4外部端子、P5,P5_1~P5_m…第5外部端子、P6…第6外部端子、Pep1…第1外部正極端子,Pen1…第1外部負極端子、Pep2…第2外部正極端子,Pen2…第2外部負極端子、Ps1,Ps2,Ps3…信号出力端子、Pip1…第1内部正極端子,Pin1…第1内部負極端子、Pip2…第2内部正極端子,Pin2…第2内部負極端子、Pi2_1~Pi2_n…第2内部端子、Pi3_1~Pi3_m…第3内部端子、Rs…抵抗。