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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147446
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ワーク搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/248 20060101AFI20241008BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20241008BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65G47/248 C
H01G13/00 331F
H05K13/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060472
(22)【出願日】2023-04-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】小島 智幸
(72)【発明者】
【氏名】藤本 博
(72)【発明者】
【氏名】河野 哲也
【テーマコード(参考)】
3F081
5E082
5E353
【Fターム(参考)】
3F081AA22
3F081BA01
3F081BE05
3F081BE08
3F081BF06
3F081CA08
5E082MM17
5E353HH41
5E353HH48
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】パーツフィーダから送られてくるワークの姿勢を変化させながらワークを搬送する。
【解決手段】ワーク搬送装置10Aはインデックステーブル10とバキューム装置20とを備える。インデックステーブル10の回転軸Lは水平面Pに対して45°だけ傾斜し、インデックステーブル10の外周面10aおよび載置面15は回転軸Lに対して45°だけ傾斜する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークを直線状に搬送するパーツフィーダの出口に配置され、前記パーツフィーダ上の前記ワークを受け取りその姿勢を回転させるワーク搬送装置において、
外周にワークを収納する複数の収納ポケットが設けられ、各収納ポケットに吸着孔が形成された円盤状のインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに接続され、前記吸着孔に連通するバキューム装置とを備え、
前記インデックステーブルは水平面に対して傾斜する回転軸回りに回転し、前記インデックステーブルの各収納ポケットは、前記ワークを載置するとともに、前記回転軸に対して傾斜する載置面と、前記ワークを挟んで設けられた一対の壁面とを有し、
最上位置にある収納ポケットの載置面に対して、最下位置にある収納ポケットの載置面は、所定角度異なる方向を向く、ワーク搬送装置。
【請求項2】
前記インデックステーブルは水平面に対して45°傾斜する前記回転軸回りに回転し、各収納ポケットの前記載置面は前記回転軸に対して45°傾斜し、このことにより最上位置にある収納ポケットの載置面に対して最下位置にある収納ポケットの載置面は90°異なる方向を向く、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記インデックステーブルの外周面を法線方向からみて、各収納ポケットの一対の壁面は、前記インデックステーブルの回転方向の上流側および下流側に設けられ、前記収納ポケットの他の2つの面は開口する、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記パーツフィーダの出口のワークを載置する面は、前記インデックステーブルの最上位置にある収納ポケットの載置面と同一平面上にある、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記バキューム装置はバキューム装置本体と、前記バキューム装置本体に取り付けられた接続体とを有し、前記インデックステーブルの裏面は、前記バキューム装置の前記接続体に当接し、前記インデックステーブルの前記裏面に、各収納ポケットの前記吸着孔に連通する吸着溝が形成され、前記バキューム装置の前記接続体に前記吸着溝に連通する円周状に形成されたバキューム溝が形成されている、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記接続体に前記バキューム溝に連通するバキューム孔が設けられ、前記バキューム孔は、前記バキューム装置本体に設けられたバキュームラインに接続されている、請求項5記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記バキューム装置本体に前記接続体を前記インデックステーブルの前記裏面に押し付けるスプリングが設けられている、請求項5記載のワーク搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はワークの姿勢を変化させながらワークを搬送するワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンデンサ、抵抗器等の電子部品(以下、ワークともいう)は、パーツフィーダにより搬送された後、その姿勢を変化させてパレット等に収納される。従来よりパーツフィーダ上のワークをその姿勢を変化させながら搬送する機構が知られている。このような搬送機構としては、パーツフィーダ上のワークを吸着して姿勢を変化させる回転吸着ノズルをもった搬送機構、あるいはワークの姿勢を変化さえる反転シュートを有する搬送機構が知られている。
【0003】
しかしながら高速でワークを確実にその姿勢を変化させる搬送装置は開発されていないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-335936号公報
【特許文献2】特開2012-33821号公報
【特許文献3】実開平5-13100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、パーツフィーダから送られるワークの姿勢を確実にかつ高速で変化させて、ワークを搬送させるワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、複数のワークを直線状に搬送するパーツフィーダの出口に配置され、前記パーツフィーダ上の前記ワークを受け取りその姿勢を回転させるワーク搬送装置において、外周にワークを収納する複数の収納ポケットが設けられ、各収納ポケットに吸着孔が形成された円盤状のインデックステーブルと、前記インデックステーブルに接続され、前記吸着孔に連通するバキューム装置とを備え、前記インデックステーブルは水平面に対して傾斜する回転軸回りに回転し、前記インデックステーブルの各収納ポケットは、前記ワークを載置するとともに、前記回転軸に対して傾斜する載置面と、前記ワークを挟んで設けられた一対の壁面とを有し、最上位置にある収納ポケットの載置面に対して、最下位置にある収納ポケットの載置面は、所定角度異なる方向を向く、ワーク搬送装置である。
【0007】
本開示は、前記インデックステーブルは水平面に対して45°傾斜する前記回転軸回りに回転し、各収納ポケットの前記載置面は前記回転軸に対して45°傾斜し、このことにより最上位置にある収納ポケットの載置面に対して最下位置にある収納ポケットの載置面は90°異なる方向を向く、ワーク搬送装置である。
【0008】
本開示は、前記インデックステーブルの外周面を法線方向からみて、各収納ポケットの一対の壁面は、前記インデックステーブルの回転方向の上流側および下流側に設けられ、前記収納ポケットの他の2つの面は開口する、ワーク搬送装置である。
【0009】
本開示は、前記パーツフィーダの出口のワークを載置する面は、前記インデックステーブルの最上位置にある収納ポケットの載置面と同一平面上にある、ワーク搬送装置である。
【0010】
本開示は、前記バキューム装置はバキューム装置本体と、前記バキューム装置本体に取り付けられた接続体とを有し、前記インデックステーブルの裏面は、前記バキューム装置の前記接続体に当接し、前記インデックステーブルの前記裏面に、各収納ポケットの前記吸着孔に連通する吸着溝が形成され、前記バキューム装置の前記接続体に前記吸着溝に連通する円周状に形成されたバキューム溝が形成されている、ワーク搬送装置である。
【0011】
本開示は、前記接続体に前記バキューム溝に連通するバキューム孔が設けられ、前記バキューム孔は、前記バキューム装置本体に設けられたバキュームラインに接続されている、ワーク搬送装置である。
【0012】
本開示は、前記バキューム装置本体に前記接続体を前記インデックステーブルの前記裏面に押し付けるスプリングが設けられている、ワーク搬送装置である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、パーツフィーダから送られてくるワークの姿勢を確実かつ高速で変化させながらワークを搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本開示によるワーク搬送装置を示す斜視図。
図2図2はインデックステーブルを表面側からみた図。
図3図3はインデックステーブルを裏面側からみた図。
図4図4はワーク搬送装置の作用を示す模式図。
図5図5はバキューム装置の接続体を接続面側からみた図。
図6図6はバキューム装置のバキューム装置本体と真空装置を示す図。
図7A図7Aは上下面に主面がくる姿勢をとるワークを示す図。
図7B図7Bは上下面に側面がくる姿勢をとるワークを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示によるワーク搬送装置について説明する。
【0016】
図1乃至図7Bは本開示によるワーク搬送装置の実施の形態を示す図である。
【0017】
図1乃至図7Bに示すように、ワーク搬送装置10Aは複数のワークWを直線状に搬送するパーツフィーダ2の出口3に配置され、パーツフィーダ2により送られるワークを受け取りその姿勢を変化させる装置である。また図1に示すように、パーツフィーダ2は架台5により支持されている。
【0018】
本実施の形態において、ワークWとしては例えばコンデンサ、抵抗器等の電子部品が用いられる。このようなワークWは図7Aおよび図7Bに示すように、広い面積をもつ一対の主面W1と、狭い面積をもつ4つの側面W2とを有する長方体形状を有する。ワークWはパーツフィーダ2により上下面に主面W1がくる姿勢で搬送され(図7A参照)、ワーク搬送装置10AによりワークWは上下面に側面W2がくるようその姿勢を90°変化させる(図7B参照)。
【0019】
このようなワーク搬送装置10Aは、外周面10aと表面10bと裏面10cとを有し、外周面10aにワークWを収納する複数の収納ポケット13が設けられた円盤状のインデックステーブル10と、このインデックステーブル10に接続され、各収納ポケット13内を真空引きするバキューム装置20とを備えている。また、複数の収納ポケット13は、円盤状のインデックステーブル10の外周面10aに円周方向に沿って設けられている。各収納ポケット13には、バキューム装置20に連通して、各収納ポケット13内を真空引きする吸着孔18a、18bが形成されている。
【0020】
図2乃至図4に示すように、インデックステーブル10はその外周面10aに複数の収納ポケット13が設けられ、収納ポケット13のうち最上位置にある収納ポケット13内にパーツフィーダ2から送られてくるワークWが上下方向に主面W1を向けた姿勢で収納される(図7A参照)。またインデックステーブル10は水平面Pに対して角度θ1(例えば45°)だけ傾斜する回転軸L回りに回転する。
【0021】
またインデックステーブル10の外周面10aはその裏面10c側から表面10b側に向かって先細状となるテーパ状に形成されている。
【0022】
インデックステーブル10の外周面10aはインデックステーブル10の回転軸Lに対して角度θ2(45°)だけ傾斜しており、このためインデックステーブル10の外周面10aのテーパ角は角度θ2(45°)となる。
【0023】
インデックステーブル10の外周面10aには、円周方向に沿って複数の突起12が設けられ、各収納ポケット13はこの突起12間に形成されている。各収納ポケット13はワークWが載置される載置面15と、ワークWを挟んで設けられた一対の壁面16,17とを有する。このうち、各収納ポケット13の一対の壁面16,17は突起12の壁面ともいうことができる。
【0024】
インデックステーブル10の外周面10aを外周面10aの法線方向Nからみたとき、各収納ポケット13および載置面15は矩形状をもつ(図2参照)。そして収納ポケット13の一対の壁面16,17はインデックステーブル10の回転方向Rの上流側および下流側に各々設けられている。そして収納ポケット13の他の2面、すなわち図2に示す一対の壁面16,17に直交する2面はインデックステーブル10の表面10bおよび裏面10c側へ向かって開口している。
【0025】
このようにインデックステーブル10の回転軸Lは水平面Pに対して角度θ1(45°)だけ傾斜し、かつインデックステーブル10の外周面10aは回転軸Lに対して角度θ2(45°)だけ傾斜する。またインデックステーブル10の各収納ポケット13に設けられた載置面15も回転軸Lに対して角度θ2(45°)だけ傾斜する。このことによりインデックステーブル10の最上位置にある外周面10aは水平面Pに対して平行な位置をとる。本実施の形態において、インデックステーブル10の最上位置にある収納ポケット13の載置面15も外周面10aと同様、水平面Pに対して平行な位置をとる。なお、パーツフィーダ2の出口3も水平面Pに対して平行な出口面をもつ。
【0026】
またインデックステーブル10の最下位置にある外周面10aは水平面Pに対して直交する位置をとる。本実施の形態において、インデックステーブル10の最下位置にある収納ポケット13の載置面15も、外周面12aと同様、水平面Pに対して直交する位置をとる。
【0027】
このようにインデックステーブル10の最上位置にある収納ポケット13の載置面15が水平面Pに対して平行な位置をとり、最下位置にある収納ポケット13の載置面15が水平面Pに対して直交する位置(90°異なる位置)をとるため、インデックステーブル10の最上位置にある収納ポケット13内に収納されたワークWは、インデックステーブル10の回転に伴い、収納ポケット13が最下位置まで搬送されると、90°その姿勢を変化させる。
【0028】
ところでインデックステーブル10の外周面10aに設けられた各収納ポケット13は、その載置面15に一対の吸着孔18a,18bが形成されており、一対の吸着孔18a,18bは載置面15のうち外周面10aの円周方向に直交する方向に互いに離間して形成されている。そしてこの一対の吸着孔18a,18bにより、各収納ポケット13内に収納されたワークWを吸着して載置面15上に固定することができる。
【0029】
次に各収納ポケット13の一対の吸着孔18a,18bを真空状態とする機構について説明する。
【0030】
インデックステーブル10の裏面10cに、各収納ポケット13に設けられた一対の吸着孔18a,18bと連通する吸着溝19が設けられている。このインデックステーブル10の裏面10cに設けられた吸着溝19は半径方向に沿って、一対の吸着孔18a,18b間に延びる細長形状をもつ(図3参照)。
【0031】
他方、インデックステーブル10にバキューム装置20が接続されており、このバキューム装置20はバキューム装置本体21と、このバキューム装置本体に取り付けられた接続体22とを有する。そしてバキューム装置20の接続体22はインデックステーブル10の裏面10cに当接し、インデックステーブル10の裏面10cはバキューム装置20の接続体22により密封状態で覆われている。
【0032】
次にバキューム装置20の接続体22について図4乃至図6により説明する。バキューム装置20の接続体22は、インデックステーブル10の裏面10cに接する接続面22aを有する。
【0033】
接続体22の接続面22aには、インデックステーブル10の裏面10cに設けられた吸着溝19に連通するバキューム溝24が設けられている。図5に示すようにバキューム装置20の接続体22は全体として円盤形状を有し、バキューム溝24は接続体22の接続面22a外縁に沿って円周状に形成されている。
【0034】
本実施の形態において、バキューム装置20は固定され、インデックステーブル10は回転軸L回りを回転するが、インデックステーブル10の回転中、インデックステーブル10の裏面10cに設けられた吸着溝19は、接続体22の接続面22aに設けられた円周状のバキューム溝24と常時連通するようになっている。
【0035】
また接続体22には複数、例えば8個のバキューム孔25が設けられ、接続体22の接続面22aに設けられたバキューム溝24は、連通路26を介して接続体22のバキューム孔25に連通している。
【0036】
さらにバキューム装置20はバキューム装置本体21を有し、接続体22はこのバキューム装置本体21にスプリング32を介して接続されている。図4に示すように、接続体22には複数の開口31が設けられ、この開口31内にはスプリング32とスプリング32を係止する止めピン33が設けられている。そして止めピン33は接続体22の開口31からバキューム装置本体21まで延びている。また止めピン33により係止されたスプリング32により、バキューム装置本体21に対して接続体22がインデックステーブル10側へ押圧される。このことにより常時接続体22の接続面22aがインデックステーブル10の裏面10cに対して押し付けられて、インデックステーブル10の裏面10cと接続体22の接続面22aとの間の密封性を高めている。
【0037】
またバキューム装置20のバキューム装置本体21には、接続体22に設けられたバキューム孔25に連通するバキュームライン35が設けられている。すなわち図6に示すように、バキューム装置本体21には接続体22のバキューム孔25に連通する接続具36が設けられ、この接続具36に真空装置46から延びるバキュームライン35が接続されている。
【0038】
また図5に示すようにバキューム装置20のバキューム装置本体21と接続体22とは、連結ボルト34により互いに連結されている。
【0039】
なお、図4においてパーツフィーダ2の出口3には、パーツフィーダ2から送られてくるワークWのうち先頭のワークWのみをインデックステーブル10の収納ポケット13内に収納するため、先頭から2番目のワークWを停止させるストッパ37が設けられている。またインデックステーブル10の下端近傍には最下位置にある収納ポケット13内のワークWを上方から押圧して排出する排出ピン39が設けられている。
【0040】
すなわち、インデックステーブル10の最下位置にある収納ポケット13内のワークWは、排出ピン39により下方へ押圧され、排出ピン39により下方へ排出される。
【0041】
本実施の形態において、排出ピン39の下端には吸着部39aが設けられ、排出ピン39により下方へ押圧されたワークWは吸着部39aにより吸着されて、インデックステーブル10の下方に設置されたパレット40内に収納される。
【0042】
また、本実施の形態において、パーツフィーダ2、ワーク搬送装置10Aのインデックステーブル10およびバキューム装置20の各構成部品は、いずれも制御部45により駆動制御される(図1参照)。
【0043】
なお、上記したインデックステーブル10の各収納ポケット13において、一対の壁面16,17の高さは、収納ポケット13に収納されるワークWの高さより、5~10%高くなっていることが好ましい。
【0044】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0045】
まずパーツフィーダ2により複数のワークWが互いに接触しながら搬送される。この場合、各ワークWはその主面W1が上下面にくる姿勢をとってパーツフィーダ2により搬送される(図7A参照)。
【0046】
パーツフィーダ2上の各ワークWは、出口3に設けられたストッパ37により停止する。次に制御部45によりストッパ37が駆動制御され、下方へ降下して先端のワークWがインデックステーブル10の最上位置にある収納ポケット13内に送られる。この場合、各収納ポケット13内は後述のように真空状態に維持されており、パーツフィーダ2上のワークWのうち先頭のワークWが最上位置にある収納ポケット13内に吸引されて送られる。
【0047】
先頭のワークWがストッパ37の位置を通過すると、図示しないセンサが先頭のワークWの位置を検出し、センサからの信号に基づいて制御部45がストッパ37を上昇させる。このようにして2番目のワークWがストッパ37により停止して、先頭のワークWのみが最上位置にある収納ポケット13内に吸引される。
【0048】
この間、制御部45により、バキューム装置20のバキューム装置本体21に接続された真空装置46が駆動され、接続体22のバキューム孔25が真空引きされる。バキューム孔25が真空引きされると、バキューム孔25に連通され接続体22の接続面22aに円周状に形成されたバキューム溝24も真空状態に維持される。
【0049】
上述のように、インデックステーブル10の裏面10cと接続体22の接続面22aとは互いに当接して接続されている。
【0050】
このため円周状に形成された接続体22のバキューム溝24が真空状態に維持されると、バキューム溝24に連通するインデックステーブル10の吸着溝19も真空状態となる。
【0051】
このため収納ポケット13内に収納されたワークWは、吸着溝19に連通する一対の吸着孔18a,18bによって、収納ポケット13の載置面15に密着して保持されることになる。
【0052】
また本実施の形態によれば、接続体22に形成されたバキューム溝24は円周状に形成されているため、インデックステーブル10の回転中、インデックステーブル10の吸着溝19は常時バキューム溝24に連通することになる。このためインデックステーブル10の回転中、各収納ポケット13の一対の吸着孔18a,18bは常時吸着機能を発揮して、載置面15上に載置されたワークWを確実に吸着して保持することができる。
【0053】
上述のように最上位置にある収納ポケット13内にワークWが吸引されると、収納ポケット13内のワークWは一対の吸着孔18a,18bにより載置面15に密着して保持される。
【0054】
その後インデックステーブル10は制御部45により駆動されて回転方向R(図1参照)に沿って各収納ポケット13の配置ピッチ毎に断続的に回転する。このようにして最上位置にくる収納ポケット13内に順次ワークWが吸着されて収納される。
【0055】
この間、インデックステーブル10の回転に伴って、収納ポケット13内のワークWは順次その姿勢を変化させる。
【0056】
具体的には、パーツフィーダ2の出口3の水平方向を向く出口面から送り出されたワークWは、最上位置にある収納ポケット13内に吸引され、水平方向を向く載置面15上に密着して保持される。このときワークWは上下面に主面W1がくる姿勢をとる(図7A参照)。
【0057】
その後、インデックステーブル10の回転に伴って、収納ポケット13が降下し、収納ポケット13が回転軸L上にくると、収納ポケット13内のワークWは、上下面に主面W1がくる姿勢(図7A参照)と、上下面に側面W2がくる姿勢(図7B参照)との間の中間の姿勢をとる。
【0058】
その後インデックステーブル10が更に回転方向Rに沿って回転し、収納ポケット13が最下位置までくると、収納ポケット13の載置面15が水平方向に対して直交する。このとき、収納ポケット13内のワークWは上下面に側面W2がくる姿勢をとる(図7B参照)。
【0059】
この間、収納ポケット13内のワークWは常時、一対の吸着孔18a,18bにより載置面15に密着して保持される。
【0060】
収納ポケット13が最下位置までくると、インデックステーブル10の下端近傍に設けられた排出ピン39が制御部45により下方へ降下し、最下位置にある収納ポケット13内のワークWが排出ピン39により下方へ押圧される。
【0061】
この際、最下位置にある収納ポケット13内のワークWが排出ピン39により押圧され、収納ポケット13内のワークWは一対の壁面16,17に直交する開口面を介して下方へ排出される。この間、排出ピン39の先端に設けられた吸着部39aによりワークWは吸着保持される。次に排出ピン39が更に降下して、排出ピン39の吸着部39aに吸着されたワークWは、インデックステーブル10の下方に配置されたパレット40内に順次収納される。
【0062】
このように本実施の形態によれば、パーツフィーダ2により搬送されたワークWを、水平方向を向く出口3の出口面から、最上位置にある収納ポケット13の同様に水平方向を向く載置面15へスムーズに吸引して収納することができる。その後、インデックステーブル10の回転に伴って、収納ポケット13を最下位置までもってくることができる。この間、最上位置にある収納ポケット13内のワークWは上下面に主面W1がくる姿勢をとっている(図7A参照)。その後収納ポケット13が最下位置まできたとき、収納ポケット13内のワークWは上下面に側面W2がくる姿勢をとる(図7B参照)。
【0063】
このようにインデックステーブル10を180°回転させるだけで、収納ポケット13内のワークWの姿勢を容易かつ確実に90°変えることができる。
【0064】
またワークWの姿勢を変えるために、例えば公知の回転ノズルを用い、この回転ノズルにワークを吸着して回転ノズルをその都度回転させることはないため、ワークの姿勢変化の作業時間が短縮される。またワークの姿勢を変えるために、例えば公知のワークが通過する反転シュートを設ける必要がないため、ワークが反転シュート内で詰まることもない。
【0065】
上述のようにインデックステーブル10の外周面10aを外周面10aの法線方向Nからみたとき、各収納ポケット13および載置面15は矩形状をもつ(図2参照)。この場合、各収納ポケット13および載置面15は、外周面10aの円周方向に直交する方向に細長状となるよう形成され、一対の吸着孔18a,18bは、載置面15のうち外周面10aの円周方向に直交する方向の端部に設けられている。
【0066】
このためパーツフィーダ2により、搬送方向に長手方向を向けて搬送される細長状のワークWを、その長手方向が載置面15の長手方向に一致させた状態で収納ポケット13内に収納することができる。このためパーツフィーダ2により直線状にかつ長手方向をパーツフィーダ2の搬送方向に向けて搬送されるワークWをスムーズに収納ポケット13内に収納することができる。また、収納ポケット13に収納された細長状ワークWを載置面15のうち外周面10aの円周方向に直交する方向の端部に設けられた一対の吸着孔18a,18bにより確実に吸着することができる。このように、収納ポケット13内に収納された細長状ワークWはその長手方向の両端部において吸着孔18a,18bにより確実に吸着され安定的に保持される。
【0067】
またバキューム装置20の接続体22の接続面22aには、上述したインデックステーブル10の裏面10cに設けられた吸着溝19に連通する円周状のバキューム溝24が設けられているため、インデックステーブル10の回転中も吸着溝19を介して一対の吸着孔18a,18bを常時、真空状態に維持することができる。
【0068】
さらにまたバキューム装置20の接続体22の接続面22aは、スプリング32により常時インデックステーブル10の裏面10cに対して押し付けられている。このためインデックステーブル10の裏面10cと接続体22の接続面22aとの間の密封性を高めることができ、収納ポケット13の載置面15に設けられた一対の吸着孔18a,18bの吸着機能を高い水準で維持することができる。
【0069】
また、インデックステーブル10の回転軸Lが水平面Pに対して45°(角度θ1)だけ傾斜し、かつインデックステーブル10の外周面10aはインデックステーブル10の回転軸Lに対して45°(角度θ2)だけ傾斜する先細状となっている。またインデックステーブル10の各収納ポケット13に設けられた載置面15もインデックステーブル10の回転軸Lに対して45°(角度θ2)だけ傾斜する。
【0070】
このためインデックステーブル10の最上位置にある収納ポケット13の載置面15の向きを水平面Pと平行になるよう定め、インデックステーブル10の最下位置にある収納ポケット13の載置面15の向きを水平面Pに対して直交させることができる。このことによりワークWは最上位置にある収納ポケット13内において上下面に主面W1がくる姿勢をとり、最下位置にある収納ポケット13内において上下面に側面W2がくる姿勢をとる。このようにインデックステーブル10の回転中、ワークWの姿勢を容易に変えることができる。
【0071】
この場合、インデックステーブル10の外周面10aに複数の収納ポケット13が設けられ、この収納ポケット13内にワークWを収納してインデックステーブル10を回転させることにより、最上位置の収納ポケット13内のワークWを最下位置の収納ポケット13までもってきて、ワークWの姿勢を90°変えることができる。
【0072】
また、インデックステーブルの外周面10aに設ける収納ポケット13の数を増加させる、例えば50個程度まで増加させることにより、より高速でワークWの姿勢を変えることができる。また、本実施の形態において、収納ポケット13の一対の壁面16,17の高さは、収納ポケット13に収納されるワークWの高さより、5~10%高くなっている。このことによって、インデックステーブル10の回転中にワークWが収納ポケット13から外方へ飛び出すことを防止することができ、インデックステーブル10の回転により、より効率的かつ確実にワークWの姿勢を変えることができる。
【0073】
さらにまた、パーツフィーダ2上のワークWは出口3を介して、先頭のワークWから順次最上位置にある収納ポケット13内に送られる。この場合、パーツフィーダ2上の先頭ワークWは、収納ポケット13内に形成された真空状態により収納ポケット13側へ吸引されて送られる。このため、収納ポケット13内に形成された真空状態により、パーツフィーダ2上のワークWのうち先頭のワークWのみを他のワークWから分離して収納ポケット13内に順次送ることができ、パーツフィーダ2上の先頭のワークWと他のワークWを分離するため、他の特別なワーク分離機構を設ける必要はない。このようにパーツフィーダ2上の先頭のワークWと、他のワークWを分離する特別なワーク分離機構を設ける必要がないため、ワーク搬送装置全体の構造を単純化することができる。
【0074】
なお、上記実施の形態においてインデックステーブル10の回転軸Lが水平面Pに対して45°傾斜し、インデックステーブル10の外周面10aおよび載置面15が回転軸Lに対して45°傾斜する例を示したが、例えばインデックステーブルの回転軸Lが水平面Pに対して50°傾斜し、インデックステーブル10の外周面10aおよび載置面15が回転軸Lに対して50°傾斜させてもよい。
【0075】
この場合、最上位置にある収納ポケット13の載置面15は水平面Pに対して平行な位置をとり、最下位置にある収納ポケット13の載置面15は鉛直面に対してわずかに傾斜するが、インデックステーブル10の回転中に収納ポケット13内のワークWの姿勢を変えることは可能となる。
【0076】
さらにまたインデックステーブル10の下方に、ワークWを収納するパレット40を配置した例を示したが、パレット40の代わりに追加のパーツフィーダを配置してもよい。
【符号の説明】
【0077】
2 パーツフィーダ
3 出口
10 インデックステーブル
10A ワーク搬送装置
10a 外周面
10b 表面
10c 裏面
12 突起
13 収納ポケット
15 載置面
16 壁面
17 壁面
18a,18b 吸着孔
19 吸着溝
20 バキューム装置
21 バキューム装置本体
22 接続体
22a 接続面
24 バキューム溝
25 バキューム孔
26 連通路
31 開口
32 スプリング
33 止めピン
35 バキュームライン
36 接続具
40 パレット
45 制御部
46 真空装置
W ワーク
L 回転軸
P 水平面
θ1 角度
θ2 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークを直線状に搬送するパーツフィーダの出口に配置され、前記パーツフィー
ダ上の前記ワークを受け取りその姿勢を回転させるワーク搬送装置において、
外周面にワークを収納する複数の収納ポケットが設けられ、各収納ポケットに吸着孔が形成された円盤状のインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに接続され、前記吸着孔に連通するバキューム装置とを備え、
前記インデックステーブルは水平面に対して傾斜する回転軸回りに回転し、前記インデックステーブルの各収納ポケットは、前記ワークを載置するとともに、前記回転軸に対して傾斜する載置面と、前記ワークを挟んで設けられた一対の壁面とを有し、
最上位置にある収納ポケットの載置面に対して、最下位置にある収納ポケットの載置面は、所定角度異なる方向を向き、
前記インデックステーブルの前記外周面を法線方向からみて、各収納ポケットは矩形状をなすとともに、各収納ポケットの一対の壁面は、前記インデックステーブルの回転方向の上流側および下流側に設けられ、前記収納ポケットの他の2つの面は開口し、
各収納ポケットの載置面のうち、前記外周面の回転方向に直交する方向の端部に互いに離間して一対の吸着孔が設けられ、
前記収納ポケットが前記最上位置に来た時、前記収納ポケットの前記一対の吸着孔は前記外周面の回転方向に直交する前記パーツフィーダの搬送方向に沿って直線状に並び、前記パーツフィーダから搬送される先頭のワークが、前記一対の壁面間に形成された前記収納ポケット内に一つの開口から前記一対の吸着孔によって生じる真空状態により吸引される、ワーク搬送装置。
【請求項2】
前記インデックステーブルは水平面に対して45°傾斜する前記回転軸回りに回転し、
各収納ポケットの前記載置面は前記回転軸に対して45°傾斜し、このことにより最上位置にある収納ポケットの載置面に対して最下位置にある収納ポケットの載置面は90°異なる方向を向く、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
各収納ポケットの前記一対の壁面の高さは、前記ワークの高さより5~10%高くなっている、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記パーツフィーダの出口のワークを載置する面は、前記インデックステーブルの最上位置にある収納ポケットの載置面と同一平面上にある、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記バキューム装置はバキューム装置本体と、前記バキューム装置本体に取り付けられた接続体とを有し、前記インデックステーブルの裏面は、前記バキューム装置の前記接続体に当接し、前記インデックステーブルの前記裏面に、各収納ポケットの前記一対の吸着孔に連通する吸着溝が形成され、前記吸着溝は前記インデックステーブルの半径方向に沿って前記一対の吸着孔間に延びるよう直線状に形成され、前記バキューム装置の前記接続体に前記吸着溝に連通する円周状に形成されたバキューム溝が形成されている、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記接続体に前記バキューム溝に連通するバキューム孔が設けられ、前記バキューム孔は、前記バキューム装置本体に設けられたバキュームラインに接続されている、請求項5記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記バキューム装置本体に前記接続体を前記インデックステーブルの前記裏面に押し付けるスプリングが設けられている、請求項5記載のワーク搬送装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2