(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147476
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】印刷装置及び印刷方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20241008BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20241008BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B41J2/01 207
B41J2/01 213
B41J2/165 209
B41J2/165 207
B41J2/01 305
B41J2/17 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135852
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2023060146
(32)【優先日】2023-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142653
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】飽田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】市川 陽一
(72)【発明者】
【氏名】村井 厚介
(72)【発明者】
【氏名】小柴 翔
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EB27
2C056EB40
2C056EC24
2C056EC41
2C056EC54
2C056FA10
2C056HA29
2C056JC13
2C056JC23
(57)【要約】
【課題】媒体に対する印刷をより適切に行う。
【解決手段】印刷装置10であって、インクジェットヘッド102、主走査駆動部18、副走査駆動部20、及び制御部30を備え、少なくとも一部の回の主走査動作において、主走査駆動部18は、媒体50上の画像用領域以外の領域へ、インクジェットヘッド102にインクを吐出させ、かつ、画像用領域以外の領域へインクジェットヘッド102にインクを吐出させる主走査動作として、少なくとも、画像用領域以外の領域に対してノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッド102に描かせる第1主走査動作と、画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量を第1主走査動作と異ならせる第2主走査動作とをインクジェットヘッド102に行わせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドと、
予め設定された主走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる主走査駆動部と、
前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動する副走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる副走査駆動部と、
前記インクジェットヘッド、前記主走査駆動部、及び前記副走査駆動部の動作を制御する制御部と
を備え、
前記主走査駆動部は、複数回の前記主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせ、
前記副走査駆動部は、前記主走査動作の合間に、前記インクジェットヘッドに前記副走査動作を行わせ、
印刷の成果物となる画像を描く領域を画像用領域と定義した場合、前記制御部は、前記主走査方向において、前記媒体の一部の範囲に前記画像用領域を設定し、
少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記主走査駆動部は、前記媒体上の前記画像用領域以外の領域へ、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させ、
かつ、前記画像用領域以外の領域へ前記インクジェットヘッドにインクを吐出させる前記主走査動作として、少なくとも、
前記画像用領域以外の領域に対して、前記インクジェットヘッドにおける少なくとも一部の前記ノズルの状態を確認するためのパターンであるノズル状態確認用パターンを前記インクジェットヘッドに描かせる前記主走査動作である第1主走査動作と、
前記画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量を前記第1主走査動作と異ならせる前記主走査動作である第2主走査動作と
を前記インクジェットヘッドに行わせることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
一つの位置へインクを吐出できる前記主走査動作の回数が複数回になるマルチパス方式での印刷を行い、
前記第1主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記ノズル状態確認用パターンとして、異なる回の前記主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが前記媒体上の同じ位置で重ならず、かつ、前記ノズル状態確認用パターンの各部を描いた前記ノズルを識別可能なパターンを前記インクジェットヘッドに描かせ、
前記第2主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記画像用領域以外の領域の少なくとも一部に対し、異なる回の前記主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが前記媒体上の同じ位置で重なるように前記インクジェットヘッドにインクを吐出させることで、前記画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量を前記第1主走査動作と異ならせることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記主走査方向において前記画像用領域の外側になる前記媒体の一部の範囲について、前記第1主走査動作で前記ノズル状態確認用パターンを描くための範囲であるパターン描画用領域に設定し、
前記パターン描画用領域に対し、
前記第1主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記インクジェットヘッドに、前記ノズル状態確認用パターンを描かせ、
前記第2主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記第1主走査動作の実行時よりも多くの量のインクを吐出させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記画像用領域に前記成果物となる画像を描くために行う全ての回の前記主走査動作において、前記主走査駆動部は、前記画像用領域以外の領域に対し、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させ、
かつ、少なくとも前記第1主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記画像用領域の外の領域のうち、前記ノズル状態確認用パターンを描く位置以外の位置に対しても、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
少なくとも前記第1主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記媒体の外側に対しても、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記主走査方向における前記媒体の幅よりも広い範囲で前記媒体に対して相対的に前記インクジェットヘッドを移動させることで、前記媒体の外側に対しても、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させ、
前記第2主走査動作の実行時において、前記主走査駆動部は、前記主走査方向における前記媒体の幅の範囲内で前記媒体に対して相対的に前記インクジェットヘッドを移動させることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドに、予め設定された主走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動する副走査動作とを行わせ、
かつ、前記主走査動作の合間に前記インクジェットヘッドに前記副走査動作を行わせつつ、複数回の前記主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせ、
印刷の成果物となる画像を描く領域を画像用領域と定義した場合、前記主走査方向において、前記媒体の一部の範囲に前記画像用領域を設定し、
少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記媒体上の前記画像用領域以外の領域へ、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させ、
かつ、前記画像用領域以外の領域へ前記インクジェットヘッドにインクを吐出させる前記主走査動作として、少なくとも、
前記画像用領域以外の領域に対して、前記インクジェットヘッドにおける少なくとも一部の前記ノズルの状態を確認するためのパターンであるノズル状態確認用パターンを前記インクジェットヘッドに描かせる前記主走査動作である第1主走査動作と、
前記画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量を前記第1主走査動作と異ならせる前記主走査動作である第2主走査動作と
を前記インクジェットヘッドに行わせることを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
予め設定された主走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる主走査駆動部と、
前記インクジェットヘッドと対向する位置において前記媒体を支持するプラテンと、
前記インクジェットヘッドから吐出されるインクを前記媒体の外で受けるインク受部と
を備え、
前記インク受部は、前記主走査方向において前記プラテンと隣接する位置において、前記プラテンの一方側及び他方側に配設され、
少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記主走査駆動部は、前記インク受部と対向する位置を通過した後に前記プラテンと対向する位置を通過するように、前記インクジェットヘッドを移動させ、かつ、前記インク受部へインクを吐出した後に前記プラテン上の前記媒体へインクを吐出するように、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
前記主走査駆動部は、複数回の前記主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせ、
印刷の成果物となる画像を描くためのインクの吐出を前記インクジェットヘッドに行わせる全ての回の前記主走査動作において、前記主走査駆動部は、前記インク受部へのインクの吐出を前記インクジェットヘッドに行わせることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記インクジェットヘッドに対するメンテナンスを行うメンテナンス部を更に備え、
前記メンテナンス部は、前記主走査方向における前記プラテンの一方の側において、前記プラテンとの間に前記インク受部を挟む位置に配設されることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記インク受部は、上面の高さを前記プラテンと揃えて配設されることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記インク受部に吐出されたインクである廃インクを前記インク受部の外へ流す廃インク流路と、
前記廃インク流路を介して複数の前記インク受部から供給される前記廃インクを貯留する廃インク貯留部と
を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項13】
媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと対向する位置において、プラテンによって前記媒体を支持し、
予め設定された主走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせ、
前記主走査方向における前記プラテンの一方側及び他方側で前記プラテンと隣接する位置に配設されるインク受部を用いて、前記インクジェットヘッドから吐出されるインクを前記媒体の外で受け、
少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記インク受部と対向する位置を通過した後に前記プラテンと対向する位置を通過するように、前記インクジェットヘッドを移動させ、かつ、前記インク受部へインクを吐出した後に前記プラテン上の前記媒体へインクを吐出するように、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させることを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であるインクジェットプリンタが広く用いられている。インクジェットプリンタでは、例えばインクジェットヘッドにおけるノズルからのインクの吐出の安定性確保等を目的として、画像を印刷するための動作とは別に、ノズルからインクを吐出させるフラッシングを行う場合がある。また、フラッシングの動作に関し、従来、用紙上の画像領域でない領域にフラッシング領域を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェットプリンタにおいては、印刷対象の媒体に対してより適切に印刷を行うことが可能な構成が望まれる。例えば、インクジェットプリンタにおいては、定期的にフラッシング等のメンテナンスを行っていても、ノズルに詰まり等が生じる場合がある。そのため、インクジェットプリンタで印刷を行う場合には、ノズルの状態を適宜確認することが望ましい。そして、この場合、ノズルの状態について、例えば、効率的かつ適切に確認することが望まれる。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の発明者は、インクジェット方式で印刷を行う印刷装置に関し、ノズルの状態を効率的かつ適切に確認する方法について、鋭意研究を行った。また、この鋭意研究において、本願の発明者は、印刷対象の媒体において画像を描く領域である画像用領域以外の領域へインクジェットヘッドにインクを吐出させ、ノズルの状態を確認するためのパターンであるノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせることを考えた。このように構成すれば、例えば、画像用領域へ画像を描く動作をインクジェットヘッドに行わせつつ、インクジェットヘッドにおけるノズルの状態を確認できる。また、これにより、例えば、ノズルの状態を効率的かつ適切に確認できる。更に、この場合、画像用領域以外の領域へインクジェットヘッドにインクを吐出させることで、例えば、画像用領域への画像の描画時にはインクを吐出しないノズルに定期的にインクを吐出させること等も可能になる。また、これにより、例えば、ノズルの乾燥等を生じにくくできる。この場合、ノズルの乾燥については、例えば、ノズルの近辺でインクが乾燥することでノズルの吐出特性に影響が生じること等と考えることができる。
【0006】
また、画像用領域以外の領域へのインクの吐出については、例えば、ノズル状態確認用パターンを描くこと以外の目的で行うことも考えられる。より具体的に、例えば、インクジェットヘッドに主走査動作を行わせる印刷装置を用いる場合、一部の回の主走査動作でインクジェットヘッドにノズル状態確認用パターンを描かせることが考えられる。そして、この場合、この一部の回の主走査動作と、他の回の主走査動作との間で、画像用領域以外の領域へのインクの吐出量を異ならせることが考えられる。このように構成すれば、例えば、画像用領域へ画像の描画時において、画像用領域以外の領域に対し、ノズルの状態の確認以外の目的のインクの吐出を更にインクジェットヘッドに行わせることができる。また、これにより、例えば、ノズルの状態をより効率的かつ適切に確認できる。
【0007】
また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。上記の課題を解決するために、本発明は、媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドと、予め設定された主走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる主走査駆動部と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動する副走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる副走査駆動部と、前記インクジェットヘッド、前記主走査駆動部、及び前記副走査駆動部の動作を制御する制御部とを備え、前記主走査駆動部は、複数回の前記主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせ、前記副走査駆動部は、前記主走査動作の合間に、前記インクジェットヘッドに前記副走査動作を行わせ、印刷の成果物となる画像を描く領域を画像用領域と定義した場合、前記制御部は、前記主走査方向において、前記媒体の一部の範囲に前記画像用領域を設定し、少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記主走査駆動部は、前記媒体上の前記画像用領域以外の領域へ、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させ、かつ、前記画像用領域以外の領域へ前記インクジェットヘッドにインクを吐出させる前記主走査動作として、少なくとも、前記画像用領域以外の領域に対して、前記インクジェットヘッドにおける少なくとも一部の前記ノズルの状態を確認するためのパターンであるノズル状態確認用パターンを前記インクジェットヘッドに描かせる前記主走査動作である第1主走査動作と、前記画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量を前記第1主走査動作と異ならせる前記主走査動作である第2主走査動作とを前記インクジェットヘッドに行わせる。
【0008】
このように構成した場合、例えば、第1主走査動作でノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせることで、画像用領域へ画像を描く動作をインクジェットヘッドに行わせつつ、インクジェットヘッドにおけるノズルの状態を適切に確認できる。また、この場合において、画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量を第1主走査動作と異ならせる第2主走査動作をインクジェットヘッドに更に行わせることで、画像用領域へ画像の描画時において、例えば、画像用領域以外の領域に対し、ノズルの状態の確認以外の目的のインクの吐出を更にインクジェットヘッドに行わせることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、ノズルの状態を効率的かつ適切に確認できる。また、これにより、例えば、媒体に対する印刷をより適切に行うことができる。
【0009】
この構成において、第2主走査動作では、画像用領域以外の領域に対し、例えば、ノズルの乾燥等をより確実に防止するためのインクの吐出を行うことが考えられる。この場合、例えば、媒体における画像領域以外の領域へ吐出するインクの量について、第2主走査動作で吐出するインクの量を第1主走査動作で吐出するインクの量よりも多くすることが考えられる。また、この点に関し、使用するインクの特性等によって、例えば、ノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせるのみでは、画像用領域以外の領域へのインクの吐出量が不十分になり、ノズルの乾燥等が生じやすくなること等も考えられる。これに対し、このように構成した場合、例えば、第1主走査動作以外に第2主走査動作を更に行い、第2主走査動作において、第1主走査動作でノズル状態確認用パターンを描く動作に代えて、よりも多くのインクの量をインクジェットヘッドから吐出することで、ノズルの乾燥等をより生じ難くできる。
【0010】
また、この構成において、印刷装置は、例えば、一つの位置へインクを吐出できる主走査動作の回数が複数回になるマルチパス方式での印刷を行う。そして、この場合、第1主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、ノズル状態確認用パターンとして、例えば、異なる回の主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが媒体上の同じ位置で重ならず、かつ、ノズル状態確認用パターンの各部を描いたノズルを識別可能なパターンをインクジェットヘッドに描かせる。このように構成すれば、例えば、ノズル状態確認用パターンに基づき、インクジェットヘッドのノズルの状態を適切に確認できる。また、この場合、第2主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、画像用領域以外の領域の少なくとも一部に対し、例えば、異なる回の主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが媒体上の同じ位置で重なるようにインクジェットヘッドにインクを吐出させることで、画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量を第1主走査動作と異ならせる。このように構成すれば、例えば、画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量について、第1主走査動作と第2主走査動作との間で適切に異ならせることができる。また、この場合、第2主走査動作において、異なる回の主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが媒体上の同じ位置で重なるようにインクを吐出させることで、例えば、媒体上へより多くの量のインクをインクジェットヘッドに吐出させることができる。また、これにより、例えば、ノズルの乾燥等をより適切に防止できる。
【0011】
また、この構成において、制御部は、例えば、主走査方向において画像用領域の外側になる媒体の一部の範囲について、第1主走査動作でノズル状態確認用パターンを描くための範囲であるパターン描画用領域に設定する。この場合、第1主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、パターン描画用領域に対し、インクジェットヘッドにノズル状態確認用パターンを描かせる。また、この場合、第2主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、パターン描画用領域に対し、例えば、第1主走査動作の実行時よりも多くの量のインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、画像用領域以外の領域に対して吐出するインクの量について、第1主走査動作と第2主走査動作との間で適切に異ならせることができる。また、この場合、第2主走査動作において、パターン描画用領域へ吐出するインクの量を第1主走査動作の実行時よりも多くすることで、例えば、媒体上へより多くの量のインクをインクジェットヘッドに吐出させることができる。また、これにより、例えば、ノズルの乾燥等をより適切に防止できる。
【0012】
また、この構成において、使用するインクの特性等によっては、例えば、各回の主走査動作を行う毎に、ノズルの乾燥を防止するためのインクの吐出を行うことが望ましい場合もある。そして、このような場合、画像用領域に成果物となる画像を描くために行う全ての回の主走査動作において、主走査駆動部は、例えば、画像用領域以外の領域に対し、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。しかし、この場合、例えば、第1主走査動作において、ノズル状態確認用パターンを描くために行うインクの吐出のみでは、吐出するインクの量が不十分になること等も考えられる。そのため、このような場合、少なくとも第1主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、例えば、画像用領域の外の領域のうち、ノズル状態確認用パターンを描く位置以外の位置に対しても、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、第1主走査動作において、画像用領域以外の領域に対し、より多くの量のインクをインクジェットヘッドに吐出させることができる。また、これにより、例えば、ノズルの乾燥等をより適切に防止できる。
【0013】
また、この構成において、画像用領域の外の領域へのインクの吐出については、例えば、媒体の外へ行うこと等も考えられる。この場合、少なくとも一部の回の主走査動作において、例えば、媒体における画像用領域の外の領域へのインクの吐出に加えて、媒体の外へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせることが考えられる。より具体的に、この場合、例えば、少なくとも第1主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、媒体の外側に対しても、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、画像用領域以外の領域に対し、より多くのインクを吐出できる。また、これにより、例えば、ノズルの乾燥等をより適切に防止できる。
【0014】
媒体の外へのインクの吐出については、例えば、第1主走査動作及び第2主走査動作の両方で行うことが考えられる。また、媒体の外へのインクの吐出について、例えば、第2主走査動作では行わずに、第1主走査動作のみで行うこと等も考えられる。この場合、主走査動作時にインクジェットを移動させる範囲であるスキャン幅について、例えば、第2主走査動作におけるスキャン幅を第1主走査動作におけるスキャン幅よりも狭くしてもよい。このように構成すれば、例えば、一部の回の主走査動作でのスキャン幅を狭くすることで、主走査動作に要する時間を短縮して、印刷速度を高速化できる。また、より具体的に、この場合、第1主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、例えば、主走査方向における媒体の幅よりも広い範囲で媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させることで、媒体の外側に対しても、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。そして、第2主走査動作の実行時において、主走査駆動部は、例えば、主走査方向における媒体の幅の範囲内で媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる。このように構成すれば、例えば、全ての回の主走査動作でスキャン幅を広くする場合等と比べて、印刷速度を適切に高速化できる。
【0015】
また、本発明の構成については、上記と異なる観点で考えることもできる。この場合、例えば、媒体の外側に対してインクジェットヘッドにインクを吐出させるため構成に着目して、本発明の構成の特徴を考えることができる。また、このような構成として、例えば、インクジェットヘッドと対向する位置において媒体を支持するプラテンを用い、かつ、主走査方向におけるプラテンの両側(一方側及び他方側)にインク受部を配設する構成等を考えることができる。この場合、インク受部については、例えば、インクジェットヘッドから吐出されるインクを媒体の外で受ける構成等と考えることができる。また、この場合、本発明について、例えば、媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、予め設定された主走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる主走査駆動部と、前記インクジェットヘッドと対向する位置において前記媒体を支持するプラテンと、前記インクジェットヘッドから吐出されるインクを前記媒体の外で受けるインク受部とを備え、前記インク受部は、前記主走査方向において前記プラテンと隣接する位置において、前記プラテンの一方側及び他方側に配設され、少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記主走査駆動部は、前記インク受部と対向する位置を通過した後に前記プラテンと対向する位置を通過するように、前記インクジェットヘッドを移動させ、かつ、前記インク受部へインクを吐出した後に前記プラテン上の前記媒体へインクを吐出するように、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させることを特徴とすると考えることができる。
【0016】
このように構成した場合、例えば、媒体の外においてインクジェットヘッドに適切にインクを吐出させることができる。また、これにより、例えば、画像用領域以外の領域に対し、例えば、ノズルの乾燥等をより確実に防止するためのインクの吐出をインクジェットヘッドに適切に行わせることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、媒体に対する印刷をより適切に行うことができる。また、この構成において、インクジェットヘッドは、例えば、インク受部の位置において、フラッシングを行う。この場合、インク受部について、例えば、フラッシングの動作でインクジェットヘッドが吐出するインクを受けるフラッシングボックス等と考えることもできる。また、この構成において、主走査駆動部は、例えば、複数回の主走査動作をインクジェットヘッドに行わせる。そして、この場合、例えば、印刷の成果物となる画像を描くためのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる全ての回の主走査動作において、主走査駆動部は、インク受部へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。このように構成すれば、例えば、ノズルの乾燥等をより確実に防止できる。また、この構成において、主走査駆動部は、例えば、主走査方向における一方及び他方の向きへインクジェットヘッドを移動させる往復の主走査動作をインクジェットヘッドに行わせる。そして、この場合、各回の主走査動作において、主走査駆動部は、例えば、少なくとも、インクジェットの移動の向きにおいてプラテンに対して上流側になるインク受部へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。このように構成すれば、例えば、画像用領域へのインクの吐出を行う直前にインクジェットヘッドに適切にインクを吐出させることができる。また、これにより、例えば、画像用領域へのインクの吐出をインクジェットヘッドにより適切に行わせることができる。
【0017】
また、印刷装置は、例えば、インクジェットヘッドに対するメンテナンスを行うメンテナンス部を更に備えてもよい。メンテナンス部については、例えば、インク受部と異なる位置でインクジェットヘッドに対するメンテナンスを行う構成等と考えることができる。メンテナンス部では、例えば、インクジェットヘッドに対する吸引やワイピング等のメンテナンスをインクジェットヘッドに対して行うことが考えられる。メンテナンス部において、メンテナンスの少なくとも一部として、インクジェットヘッドにフラッシングを行わせること等も考えられる。また、この場合、メンテナンス部は、例えば、主走査方向におけるプラテンの一方の側において、プラテンとの間にインク受部を挟む位置に配設される。このように構成すれば、例えば、必要に応じて、インクジェットヘッドに対する様々なメンテナンスを適切に行うことができる。
【0018】
また、この構成において、インク受部は、上面の高さをプラテンと揃えて配設されることが好ましい。このように構成すれば、例えば、インク受部へのインクの吐出について、媒体へのインクの吐出時に近い条件でインクジェットヘッドに適切に行わせることができる。また、これにより、例えば、インク受部とインクジェットヘッドとの間において意図しない気流が発生することや、インクのミスト化等が生じることを適切に防止できる。また、この構成において、印刷装置は、複数のインク受部へ吐出されたインクを1箇所にまとめるための構成を更に備えてもよい。この場合、印刷装置は、例えば、インク受部に吐出されたインクである廃インクをインク受部の外へ流す廃インク流路と、廃インク流路を介して複数のインク受部から供給される廃インクを貯留する廃インク貯留部とを更に備える。このように構成すれば、例えば、廃インクの処理をより容易かつ適切に行うことができる。
【0019】
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば、媒体に対する印刷をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置10について説明をする図である。
図1(a)は、印刷装置10の要部の一例を示す。
図1(b)は、
図1(a)に示した構成の一部について、
図1(a)と異なる向きから示す図である。
図1(c)は、印刷装置10におけるヘッド部12の構成の一例を示す。
【
図2】インクジェットヘッド102に行わせる捨て打ちについて説明をする図である。
【
図3】捨打領域の設定の仕方について説明をする図である。
図3(a)は、搬送ベルト14、媒体50、及び画像用領域52の位置関係の例を示す。
図3(b)は、捨打領域の設定の仕方の一例を示す。
【
図4】捨打領域の設定の仕方について説明をする図である。
図4(a)~(c)は、捨打領域の設定の仕方の他の例を示す。
【
図5】印刷装置10において行う印刷動作の一例を示す図である。
【
図6】印刷装置10の印刷動作の変形例を示す図である。
【
図7】フラッシングボックス16に関連する特徴について更に詳しく説明をする図である。
図7(a)は、複数のフラッシングボックス16へ吐出されたインクを1箇所にまとめるための構成の一例を示す。
図7(b)は、フラッシングボックス16の具体的な構成の一例を示す。
【
図8】印刷装置10の構成の変形例について説明をする図である。
図8(a)は、本変形例における印刷装置10の構成の一例を示す断面図である。
図8(b)は、印刷装置10の一部の構成を示す上面図である。
図8(c)は、印刷装置10におけるフラッシングボックス16の位置について説明をする図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10について説明をする図である。
図1(a)は、印刷装置10の要部の一例を示す。
図1(b)は、
図1(a)に示した構成の一部について、
図1(a)と異なる向きから示す図である。
図1(c)は、印刷装置10におけるヘッド部12の構成の一例を示す。本例において、印刷装置10は、印刷対象の媒体(メディア)50に対してインクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、ヘッド部12、搬送ベルト14、複数のフラッシングボックス16、主走査駆動部18、副走査駆動部20、及び制御部30を備える。
【0023】
ヘッド部12は、媒体50に対してインクを吐出する部分であり、例えば
図1(c)において102y~kと区別して示すように、複数のインクジェットヘッド102を有する。この場合、インクジェットヘッド102yは、イエロー色(Y色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド102mは、マゼンタ色(M色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド102cは、シアン色(C色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド102kは、ブラック色(K色)のインクを吐出する。本例において、YMCKの各色は、プロセスカラーの一例である。プロセスカラーについては、例えば、カラー表現の基本色等と考えることができる。また、インクジェットヘッド102は、インクを吐出する複数のノズルを有し、複数のノズルから、インクを吐出する。ヘッド部12は、上記以外の色用のインクジェットヘッド102を有してもよい。また、本例において、ヘッド部12における複数のインクジェットヘッド102は、例えば、印刷装置10において予め設定された副走査方向(図中のX方向)における位置を揃えて、副走査方向と直交する主走査方向(図中のY方向)へ並べて配設される。ヘッド部12の構成の変形例においては、
図1(c)と異なる配置で複数のインクジェットヘッド102を並べてもよい。また、
図1(b)において図示を省略しているが、ヘッド部12は、例えば、これらのインクジェットヘッド102を保持するキャリッジ等を更に有する。
【0024】
搬送ベルト14は、副走査方向と平行な搬送方向へ媒体50を搬送するベルトであり、上面に媒体50を載置することでヘッド部12と対向する位置に媒体50を支持しつつ、所定のタイミングにおいて、搬送方向へ媒体50を移動させる。この場合、媒体50は、例えば、搬送ベルト14に貼り付けられることで、搬送ベルト14の上面に載置される。搬送ベルト14については、例えば、印刷装置10におけるプラテンとして機能する部材等と考えることもできる。プラテンについては、例えば、ヘッド部12と対向する位置において媒体50を支持する部材等と考えることができる。ヘッド部12と対向する位置については、例えば、ヘッド部12におけるインクジェットヘッド102と対向する位置等と考えることができる。
【0025】
フラッシングボックス16は、媒体50の外でインクジェットヘッド102から吐出されるインクを受けるインク受部の一例であり、例えばインクジェットヘッド102にフラッシングを行わせる場合に、インクジェットヘッド102のノズルから吐出されるインクを受ける。フラッシングについては、例えば、インクジェットヘッド102のメンテナンスのためにインクジェットヘッド102のノズルからインクを吐出させる動作等と考えることができる。インクジェットヘッド102に対して定期的にフラッシングを行わせることで、例えば、ノズルの乾燥等を適切に防止できる。ノズルの乾燥については、例えば、ノズルの近辺でインクが乾燥することでノズルの吐出特性に影響が生じること等と考えることができる。また、本例において、フラッシングは、インクジェットヘッド102に行わせる捨て打ちの一例である。捨て打ちについては、例えば、印刷の成果物となる画像を描く領域である画像用領域(印字領域)以外の領域へインクを吐出する動作等と考えることができる。捨て打ちとしては、例えば、フラッシング以外の方法でインクを吐出すること等も考えられる。また、本例において、印刷装置10は、主走査方向における搬送ベルト14の一方側及び他方側に、フラッシングボックス16を備える。これにより、インクジェットヘッド102は、必要に応じて、搬送ベルト14の一方側及び他方側で、フラッシングを行う。また、本例において、インクジェットヘッド102は、フラッシングボックス16以外の位置でも、フラッシング等の捨て打ちを行う。インクジェットヘッド102に行わせるフラッシング等の捨て打ちについては、後に更に詳しく説明をする。
【0026】
主走査駆動部18は、複数のインクジェットヘッド102に主走査動作(スキャン)を行わせる駆動部である。主走査動作については、例えば、媒体50に対して相対的に主走査方向へ移動しつつインクを吐出する動作等と考えることができる。また、本例において、主走査駆動部18は、例えば図示を省略したレール状の部材であるガイドレールに沿ってヘッド部12を移動させつつ、複数のインクジェットヘッド102にインクを吐出させることで、複数のインクジェットヘッド102に主走査動作を行わせる。また、この場合、主走査駆動部18は、例えば、媒体50における画像用領域に対し、印刷すべき画像(ユーザ画像)に応じて設定される吐出位置へのインクの吐出を複数のインクジェットヘッド102に行わせる。また、本例において、主走査駆動部18は、必要に応じて、画像用領域以外の領域に対し、フラッシング等の捨て打ちのためのインクの吐出を複数のインクジェットヘッド102に更に行わせる。
【0027】
副走査駆動部20は、複数のインクジェットヘッド102に副走査動作を行わせる駆動部である。副走査動作については、例えば、媒体50に対して相対的に副走査方向へ移動する動作等と考えることができる。本例において、副走査駆動部20は、搬送ベルト14に媒体50を搬送させることで、複数のインクジェットヘッド102に副走査動作を行わせる。また、副走査駆動部20は、主走査動作の合間に複数のインクジェットヘッド102に副走査動作を行わせることで、媒体50において主走査動作でインクが吐出される領域を変更する。この場合、主走査駆動部18は、例えば、画像用領域に印刷する画像の大きさ等に合わせて、複数回の主走査動作を複数のインクジェットヘッド102に行わせる。また、制御部30は、例えば印刷装置10のCPUを含む構成であり、印刷装置10の各部の動作を制御する。本例によれば、例えば、媒体50に対する印刷動作を適切に行うことができる。また、必要に応じて、複数のインクジェットヘッド102にフラッシング等の捨て打ちを適切に行わせることができる。
【0028】
尚、上記及び以下において説明をする点を除き、印刷装置10及びその各構成は、公知の印刷装置及びその各構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。また、本例において、媒体50としては、例えば、布帛等の布の媒体50を用いる。この場合、インクジェットヘッド102において、例えば、布の媒体50への印刷用の公知のインク(捺染用のインク)を用いることが考えられる。搬送ベルト14としては、例えば、テキスタイル用のインクジェットプリンタで用いられる搬送ベルトと同一又は同様の構成を好適に用いることができる。また、印刷装置10は、図示した構成以外に、公知の印刷装置と同一又は同様の構成を更に備えてよい。例えば、印刷装置10は、媒体50にインクを定着させる定着手段等を更に備えてよい。この場合、定着手段として、例えば、媒体50を加熱する手段等を用いることが考えられる。また、布の媒体50を搬送ベルト14によって搬送する場合、媒体50を通過したインク等により、搬送ベルト14に汚れが生じること等も考えられる。そのため、印刷装置10は、例えば、搬送ベルト14を洗浄する洗浄機構等を更に備えることが好ましい。
【0029】
続いて、印刷装置10のヘッド部12におけるインクジェットヘッドに行わせるフラッシング等の捨て打ちについて、更に詳しく説明をする。
図2は、インクジェットヘッドに行わせる捨て打ちについて説明をする図であり、本例においてインクジェットヘッドに捨て打ちを行わせる位置の例を示す。図示の便宜上、
図2においては、搬送ベルト14及び媒体50における画像用領域52について、網掛け模様を付けて図示をしている。また、フラッシングボックス16や、以下において説明をする捨打領域152、154について、複数のインクジェットヘッドによって複数色のインクの捨て打ちを行った状態の例を簡略化して図示している。以降において説明をする図面においても、適宜、上記と同一又は同様の図示を行う。
【0030】
上記においても説明をしたように、インクジェットヘッドは、例えばフラッシングボックス16に対し、捨て打ちの一例であるフラッシングを行う。また、本例において、インクジェットヘッドは、必要に応じて、フラッシングボックス16以外の位置に設定される捨打領域152、154に対しても、フラッシング等の捨て打ちを行う。また、この点に関し、本例において、印刷装置10の制御部30(
図1参照)は、搬送ベルト14に支持されている媒体50に対し、主走査方向における一部の範囲に画像用領域52を設定する。この場合、インクジェットヘッドは、主走査動作時に画像用領域52内にインクを吐出することで、印刷の成果物となる画像を画像用領域52の中に描く。また、本例において、制御部30は、例えば図中に示すように、画像用領域52の外に、捨打領域152、154を更に設定する。そして、主走査駆動部18(
図1参照)は、制御部30の制御に応じて、少なくとも一部の回の主走査動作において、捨打領域152、154へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。この場合、捨打領域152、154については、例えば、画像用領域52の外においてインクジェットヘッドにインクを吐出させる領域等と考えることができる。また、図示した例において、捨打領域152は、媒体50上に設定される領域である。そして、捨打領域154は、媒体50の外において搬送ベルト14上に設定される領域である。この場合、捨打領域152、154について、例えば、主走査動作時にインクジェットヘッドがインクを吐出できる範囲のうち、画像用領域52以外のいずれかの位置に設定されると考えることができる。また、媒体50上の捨打領域152や、媒体50の外の捨打領域154について、例えば図中に示すように、複数の領域を設定してもよい。この場合、例えば、主走査方向において、媒体50上での画像用領域52の両側に捨打領域152を設定し、搬送ベルト14上での媒体50の両側に捨打領域154を設定することが考えられる。
【0031】
本例においては、例えば、複数のフラッシングボックス16及び複数の捨打領域152、154を含む複数箇所に対し、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることができる。また、これにより、例えば、主走査動作中等に、必要に応じて、媒体50上、搬送ベルト14上、及びフラッシングボックス16等の様々な位置において、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることができる。そのため、本例によれば、例えば、媒体50に対する印刷をより適切に行うことができる。また、この場合、フラッシングボックス16以外の箇所に対しても捨て打ちを行えることで、例えば、フラッシングボックス16のみに捨て打ちを行う場合等と比べて、必要に応じて、より多くのインクの量の捨て打ちをインクジェットヘッドに行わせることができる。また、印刷条件等に応じて、例えば、フラッシングボックス16を用いずに、フラッシング等の捨て打ちをインクジェットヘッドに行わせることもできる。更に、この場合、画像用領域52の外の捨打領域152、154へインクジェットヘッドにインクを吐出させることで、例えば、画像用領域52に描かれる画像への影響を適切に抑えつつ、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることができる。また、様々な箇所への捨て打ちが可能なことで、例えば、媒体50上に捨打領域152を設定する余裕がない場合等にも、搬送ベルト14上の捨打領域154及びフラッシングボックス16を用いて、媒体50に設定する画像用領域52の縮小や移動等を行うことなく、インクジェットヘッドに適切に捨て打ちを行わせることができる。
【0032】
また、本例において、主走査駆動部18は、少なくとも一部の回の主走査動作において、フラッシング以外の目的を含む捨て打ちをインクジェットヘッドに行わせる。より具体的に、少なくとも一部の回の主走査動作において、主走査駆動部18は、例えば、媒体50上の捨打領域152への捨て打ちとして、単なるフラッシングではなく、ノズル状態確認用パターンを描くためのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。この場合、媒体50上に設定される捨打領域152について、例えば、ノズル状態確認用パターンを描くための範囲であるパターン描画用領域の一例と考えることができる。また、ノズル状態確認用パターンについては、例えば、インクジェットヘッドにおける少なくとも一部のノズルの状態を確認するためのパターン等と考えることができる。ノズル状態確認用パターンとしては、例えば、異なる回の主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが媒体50上の同じ位置で重ならず、かつ、ノズル状態確認用パターンの各部を描いたノズルを識別可能なパターンを用いることが考えられる。このようなノズル状態確認用パターンを用いることで、例えば、インクジェットヘッドにおけるノズルの状態を適切に確認できる。また、このようなノズル状態確認用パターンとしては、例えば、ノズルの状態確認のために用いられる公知のパターンを好適に用いることができる。より具体的に、ノズル状態確認用パターンとしては、例えば、インクジェットヘッドの全てのノズルを用いて描く公知のはしご状パターン等を好適に用いることができる。
【0033】
また、上記においても説明をしたように、本例の印刷装置10においては、複数色用のインクを吐出するために、複数のインクジェットヘッドを用いる。そして、この場合、捨打領域152、154やフラッシングボックス16に対し、全ての色用のインクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることが考えられる。使用するインクの特性や、印刷の条件等に応じて、一つの箇所への捨て打ちを行うインクジェットヘッドとして、一部の色用のインクジェットヘッドを選択してもよい。また、この場合、捨て打ちを行う箇所や捨て打ちを行うインクの色等について、各回の主走査動作毎に選択すること等も可能である。また、図示した構成に関し、主走査方向の一方側及び他方側については、図中の右側及び左側に対応すると考えることができる。この場合、媒体50上の捨打領域152については、例えば、画像用領域52に印刷される画像の右側、左側、又は左右の両方において捨て打ちを行う箇所等と考えることができる。捨打領域152については、例えば、媒体50上の画像端への捨て打ち箇所等と考えることもできる。搬送ベルト14上の捨打領域154については、例えば、搬送ベルト14の右端付近、左端付近、又はその両方において捨て打ちを行う箇所等と考えることができる。捨打領域154については、例えば、ベルト端への捨て打ち箇所等と考えることもできる。また、フラッシングボックス16については、例えば、搬送ベルト14の右側、左側、又は左右の両方において捨て打ちを行う箇所等と考えることができる。
【0034】
また、本例においては、捨打領域152、154への捨て打ちを行うことで、例えばフラッシングボックス16を用いずに印刷を行う場合でも、インクジェットヘッドに十分な量のインクを捨て打ちさせることができる。そして、この場合、例えば、主走査動作時のインクジェットヘッドの移動の範囲について、左右のフラッシングボックス16間の距離よりも狭い範囲に設定することができる。また、これにより、例えば、捨て打ちによってインクジェットヘッドにおけるノズルの状態を適切に維持することと、各回の主走査動作に要する時間を短縮して、印刷速度(印刷スループット)を高速化することとを適切に両立できる。また、狭い範囲内での捨て打ちを行うことで、例えば、インクや媒体の消費を抑えることも可能になる。そのため、本例の構成について、例えば、SDGsの観点等で、部材の節約が可能で好ましいと考えることもできる。
【0035】
また、上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッドは、捨て打ちとして、例えば、フラッシングのためのインクの吐出や、ノズル状態確認用パターンを描くためのインクの吐出を行う。この場合、フラッシングのためのインクの吐出については、例えば、ノズルの状態を維持するための吐出等と考えることができる。また、フラッシングのためのインクの吐出について、例えば、インクジェットヘッドに対するリフレッシュの動作等と考えることもできる。ノズル状態確認用パターンを描くためのインクの吐出については、例えば、ノズルの状態を確認するためのインクの吐出等と考えることができる。また、ノズル状態確認用パターンを描くためのインクの吐出を行う場合、ノズルからインクを吐出することで、例えば、吐出するインクの量に応じて、フラッシングと同様の効果を得ることも可能である。そのため、ノズル状態確認用パターンを描くためのインクの吐出を行うことで、フラッシング(リフレッシュ)の代替えとすること等も考えられる。
【0036】
続いて、媒体50上や搬送ベルト14上への捨打領域の設定の仕方について、更に詳しく説明をする。
図3及び
図4は、捨打領域の設定の仕方について説明をする図である。
図3(a)は、搬送ベルト14、媒体50、及び画像用領域52の位置関係の例を示す。
図3(b)は、捨打領域の設定の仕方の一例を示す。
図4(a)~(c)は、捨打領域の設定の仕方の他の例を示す。上記においても説明をしたように、本例において、媒体50は、搬送ベルト14の上面に載置される。また、この場合、媒体50は、搬送ベルト14上における所定の作図範囲の中に載置される。作図範囲については、例えば、主走査動作時にインクジェットヘッドがインクを吐出する範囲等と考えることができる。より具体的に、本例において、媒体50は、主走査方向において、図中に最大作図幅として示されている作図範囲内で、搬送ベルト14上に載置される。この場合、図中にメディア幅として示されている主走査方向における媒体50の幅について、作図範囲の幅である最大作図幅以下になると考えることができる。また、上記においても説明をしたように、本例において、画像用領域52は、主走査方向における媒体50の一部の範囲である。そのため、図中に画像幅として示されている主走査方向における画像用領域52の幅は、媒体50の幅以下になる。
【0037】
また、この場合、例えば、主走査方向における媒体50の一端側の位置を媒体50の原点位置であるメディア原点とし、主走査方向における媒体50上に所定の位置を作図動作の原点位置である作図原点として、印刷装置10(
図1参照)の印刷動作を制御することが考えられる。より具体的に、
図3(a)に示した構成の場合、媒体50における図中の右端の位置を、メディア原点としている。また、
図3(a)に示す場合のように、媒体50上に捨打領域152を設定しない場合、画像用領域52における図中の右端の位置を作図原点にすることが考えられる。そして、この場合、例えば、図中の右から左へ向かう向きについて、メディア原点や作図原点に対応する座標の正方向になると考えることができる。また、本例において、画像幅として取り得る範囲については、例えば、最大作図幅、メディア幅、メディア原点、及び作図原点に応じて決まると考えることができる。より具体的に、例えば、最大作図幅を1900mmとし、メディア原点及び作図原点を最大作図幅の端(右端)と一致させた場合、画像幅について、メディア幅に応じて、最大で1900mmになると考えることができる。また、例えば、最大作図幅の端とメディア原点との間の距離を100mmとし、メディア原点と作図原点との間の距離を50mmとした場合、画像幅について、メディア幅に応じて、最大で、1900-100-50=1750mmになると考えることができる。
【0038】
また、この場合、媒体50上の捨打領域152や、搬送ベルト14上の捨打領域154は、主走査方向において、媒体50上での画像用領域52以外の範囲や、搬送ベルト14上で媒体50が載置されていない部分に、設定される。この場合、例えば、捨て打ちで吐出すべきインクの量や、捨打領域152、154を設定可能な範囲の幅等に応じて、媒体50上で、
図3(b)に示すように、主走査方向における画像用領域52の片側のみに捨打領域152を設定してもよい。また、同様に、搬送ベルト14上で、主走査方向における媒体50の片側のみに捨打領域154を設定してもよい。この場合、例えば図中に示すように、画像用領域52に対し、主走査方向の一方側において媒体50上に捨打領域152を設定し、他方側において搬送ベルト14上に捨打領域154を設定することが考えられる。このように構成すれば、例えば、設定する捨打領域152、154の箇所を少なくする場合にも、画像用領域52に対する主走査方向の両側で捨て打ちを行うことができる。また、
図3(b)に示すように、媒体50上において画像用領域52の右側に捨打領域152を設定する場合、画像用領域52の右端の位置について、例えば、作図原点から左側に離れた位置になると考えることができる。そして、この場合、捨打領域152について、例えば、作図原点と、画像用領域52の右端の位置との間に設定されると考えることができる。また、このような捨打領域152については、例えば、作図原点から座標の正方向へ展開するように設定すると考えることもできる。また、本例において、搬送ベルト14上の捨打領域154については、例えば、主走査方向において、最大作図幅の範囲内で、かつ、媒体50と重ならない位置に設定されると考えることができる。
【0039】
また、上記においては、主に、媒体50上に捨打領域152を設定した上で、捨打領域152とは別に、搬送ベルト14上に捨打領域154を設定する例について、説明をした。これに対し、捨打領域の設定の仕方の他の例においては、例えば
図4(a)に示すように、一部が媒体50上になり、他の部分が媒体50の外で搬送ベルト14上になる捨打領域156を設定することも考えられる。また、
図4(a)に示す例のように、媒体50の右側において媒体50の外側に捨て打ちを行う場合、作図原点について、例えば、媒体50の外側に設定することが考えられる。より具体的に、この場合、例えば、主走査方向における捨打領域156の右端の位置について、作図原点とすることが考えられる。また、この場合、制御の便宜上、媒体50の外側に設定される作図原点と同じ位置にメディア原点を設定すること等も考えられる。
【0040】
また、媒体50上の捨打領域152や、搬送ベルト14上の捨打領域154については、
図4(b)に示すように、主走査方向における画像用領域52の両側に設定することも可能である。そして、この場合、例えば、画像用領域52の一方側と他方側とで、捨打領域152又は捨打領域154への捨て打ちの仕方を異ならせてもよい。より具体的に、上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッドは、主走査動作時に画像用領域52の外へインクを吐出することで、捨て打ちを行う。そして、この場合、例えば、主走査方向における捨打領域152、154の幅に応じて、捨て打ちで吐出するインクの量を変化させることができる。また、捨て打ちで吐出するインクの量について、インクの色毎(インクジェットヘッド毎)に異ならせることも可能である。この場合、例えば、捨打領域152、154において同じ色のインクで描かれる部分の主走査方向における幅について、色毎に設定可能と考えることもできる。そして、この場合、捨て打ちを行う箇所毎に、色毎のインクの吐出量や、全ての色の合計でのインクの吐出量について、独立して個別に設定することができる。また、この場合、捨て打ちで吐出するインクの色を選択すること等も可能である。そのため、本例によれば、例えば、各回の主走査動作で捨て打ちを行うインクの量について、柔軟に設定できる。
【0041】
また、本例において、媒体50上で捨打領域152を設定可能な範囲や、搬送ベルト14上で捨打領域154を設定可能な範囲は、媒体50の幅や、画像用領域52の位置及び幅に応じて決まると考えることができる。そのため、捨打領域152、154の主走査方向における幅について、例えば、媒体50の幅や、画像用領域52の位置及び幅に応じて設定することが考えられる。より具体的に、捨打領域152又は捨打領域154を設定可能な範囲の幅が小さい場合、例えば、同じ色のインクで描かれる部分について、他の色のインクで描かれる部分と適宜重ねることで、例えば
図4(c)に示す捨打領域154のように、主走査方向における捨打領域の幅を小さくすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、媒体50上や搬送ベルト14上で捨て打ちが可能な範囲の幅が狭い場合にも、適切に捨て打ちを行うことができる。また、捨打領域152、154を設定可能な範囲の幅が十分に大きい場合には、互いに異なる色のインクで描かれる部分が重ならないように、捨打領域152、154を設定することが好ましい。このように構成すれば、例えば、単位面積あたりに吐出するインクの量を抑えつつ、より適切に捨て打ちを行うことができる。
【0042】
以上のように、本例によれば、例えば、媒体50上の捨打領域152や搬送ベルト14上の捨打領域154等を適切に設定できる。また、これにより、例えば、主走査動作中において、インクジェットヘッドに適切に捨て打ちを行わせることができる。また、この場合において、更に、上記においても説明をしたように、例えば、主走査動作毎に、捨て打ちを行う箇所や、捨て打ちで吐出するインクの色や吐出量について、柔軟かつ適切に選択することも可能である。また、必要に応じて、主走査方向における狭い範囲に対してインクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることもできる。また、上記においても説明をしたように、本例においては、媒体50上の捨打領域152、搬送ベルト14上の捨打領域154、及びフラッシングボックス16(
図1参照)を含む多くの箇所に対し、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることができる。そして、この場合、いずれの箇所へ捨て打ちを行わせるについては、例えば、それぞれに対応する基準位置(例えば、画像用領域52の端、搬送ベルト14の端、フラッシングボックス16の位置等からの距離(間隔))を指定して、決定することが考えられる。また、この場合、媒体50上の捨打領域152を設定する位置については、例えば、作図原点等の画像の原点の移動に追従して移動すると考えることもできる。
【0043】
また、上記においても説明をしたように、捨て打ちとしては、例えば、フラッシングを行わせるためのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせることが考えられる。また、本例において、主走査駆動部18(
図1参照)は、少なくとも一部の回の主走査動作において、フラッシング以外の目的を含む捨て打ちをインクジェットヘッドに行わせる。より具体的に、この場合、例えば
図5においてノズルチェック実行と示しているように、一部の回の主走査動作において、主走査駆動部18は、媒体50上の捨打領域152に対し、ノズル状態確認用パターンを描くためのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。
【0044】
図5は、印刷装置10(
図1参照)において行う印刷動作の一例を示す図であり、一部の回の主走査動作でインクジェットヘッドにノズル状態確認用パターンを描かせる動作の例を示す。図中に示すように、本例において、主走査駆動部18は、主走査動作において、インクジェットヘッドに、画像用領域52以外の領域である捨打領域152、154へインクを吐出させる。そして、この場合において、主走査駆動部18は、図中にノズルチェック実行と示している範囲で行う主走査動作と、他の範囲で行う主走査動作との間で、インクジェットヘッドによる媒体50上の捨打領域152へのインクの吐出の仕方を異ならせる。以下においては、説明の便宜上、インクジェットヘッドにノズル状態確認用パターンを描かせる主走査動作について、ノズルチェック用走査という。また、ノズルチェック用走査以外の主走査動作について、通常走査という。ノズルチェック用走査については、例えば、少なくとも画像用領域52以外の領域に対してノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせる主走査動作等と考えることができる。通常走査については、例えば、画像用領域52以外の領域に対して吐出するインクの量をノズルチェック用走査と異ならせる主走査動作等と考えることができる。また、本例において、ノズルチェック用走査は、第1主走査動作の一例である。通常走査は、第2主走査動作の一例である。
【0045】
また、印刷装置10において、主走査動作としてノズルチェック用走査及び通常走査のいずれを行うかについては、例えば、ノズルの状態の確認(ノズルチェック)を行う動作モードであるノズルチェックモードの設定に応じて切り替えることが考えられる。この場合、印刷装置10の制御部30(
図1参照)は、例えば、印刷動作の途中の一部のタイミングでノズルチェックモードオンにし、他のタイミングでノズルチェックモードをオフにすることで、主走査動作としてノズルチェック用走査及び通常走査のいずれを行うかについて、印刷動作中に切り替える。また、この場合、図中にノズルチェック実行と示している部分について、例えば、ノズルチェックモードがオンになっている期間等と考えることができる。そして、その他の部分について、例えば、ノズルチェックモードがオフになっている期間等と考えることができる。このように構成すれば、例えば、ノズルチェックモードのオンとオフとの切り替えにより、一部の回の主走査動作のみでインクジェットヘッドにノズル状態確認用パターンを描かせることができる。また、この場合、ノズルチェック用走査でノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせることで、例えば、画像用領域52へ画像を描く動作をインクジェットヘッドに行わせつつ、インクジェットヘッドにおけるノズルの状態を適切に確認できる。また、この場合において、画像用領域52以外の領域に対して吐出するインクの量をノズルチェック用走査と異ならせる通常走査をインクジェットヘッドに更に行わせることで、画像用領域52へ画像の描画時において、例えば、画像用領域52以外の領域に対し、インクジェットヘッドに適切にフラッシングを行わせることができる。本例において、通常走査でインクジェットヘッドに行わせるフラッシングは、ノズルの状態の確認以外の目的のインクの吐出の一例である。通常走査でインクジェットヘッドに行わせるフラッシングについては、例えば、ノズルの乾燥等をより確実に防止するためのインクの吐出等と考えることもできる。
【0046】
また、本例において、媒体50上の捨打領域152は、パターン描画用領域の一例である。パターン描画用領域については、例えば、ノズルチェック用走査でノズル状態確認用パターンを描くための範囲等と考えることができる。本例において、印刷装置10の制御部30は、主走査方向において画像用領域52の外側になる媒体50の一部の範囲について、捨打領域152に設定する。そして、ノズルチェック用走査の実行時において、主走査駆動部18は、捨打領域152に対し、インクジェットヘッドにノズル状態確認用パターンを描かせる。また、捨打領域152へ吐出するインクの量に着目した場合、通常走査の実行時において、主走査駆動部18は、捨打領域152に対し、例えば、ノズルチェック用走査の実行時よりも多くの量のインクを吐出させる。この場合、ノズルチェック用走査や通常走査の実行時に捨打領域152へ吐出するインクの量については、例えば、捨打領域152に対して1回の主走査動作でインクジェットヘッドに吐出させるインクの量等と考えることができる。また、本例において、通常走査で吐出するインクの量については、例えば、ノズルチェック用走査でのインクの量よりも多くしていると考えることができる。このように構成すれば、例えば、画像用領域52以外の領域に対して吐出するインクの量について、ノズルチェック用走査と通常走査との間で適切に異ならせることができる。
【0047】
また、この場合、通常走査において、捨打領域152へ吐出するインクの量をノズルチェック用走査の実行時よりも多くすることで、例えば、媒体50上へより多くの量のインクをインクジェットヘッドに吐出させることができる。また、これにより、例えば、ノズルの乾燥等をより適切に防止できる。より具体的に、本例において、ノズルチェック用走査で捨打領域152へインクを吐出することについては、例えば、フラッシングを兼ねた動作と考えることもできる。しかし、使用するインクの特性等によって、例えばノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせるのみでは、画像用領域52以外の領域へのインクの吐出量が不十分になり、ノズルの乾燥等が生じやすくなる場合もある。これに対し、本例においては、上記のように、ノズルチェック用走査以外に通常走査動作を更に行う。そして、媒体50上の捨打領域152へのインクの吐出に関し、主走査駆動部18は、ノズルチェック用走査でノズル状態確認用パターンを描く動作に代えて、通常走査において、よりも多くのインクの量をインクジェットヘッドから吐出させる。そのため、本例によれば、例えば、ノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせる場合において、ノズルの乾燥等をより生じ難くできる。
【0048】
また、使用するインクの特性等によっては、例えば、ノズルの乾燥を防止するために、各回の主走査動作を行う毎に、所定量以上の量のインクの捨て打ちを行うことが望ましい場合もある。そして、このような場合、画像用領域52に成果物となる画像を描くために行う全ての回の主走査動作において、画像用領域52以外の領域に対し、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることが考えられる。しかし、この場合、例えば、ノズルチェック用走査において、捨打領域152に対してノズル状態確認用パターンを描くために行うインクの吐出のみでは、吐出するインクの量が不十分になる場合もある。そのため、このような場合、主走査駆動部18は、例えば、少なくともノズルチェック用走査の実行時において、画像用領域52の外の領域のうち、ノズル状態確認用パターンを描く位置である捨打領域152以外の位置に対しても、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、ノズルチェック用走査において、画像用領域52以外の領域に対し、より多くの量のインクをインクジェットヘッドに吐出させることができる。また、これにより、例えば、捨て打ちで吐出するインクの量が不足してノズルが乾燥すること等を適切に防止できる。また、より具体的に、
図5に示す動作の場合、主走査駆動部18は、媒体50上の捨打領域152に加えて、搬送ベルト14上の捨打領域154に対して、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせる。この場合、捨打領域154について、例えば、画像用領域52の外の領域のうち、捨打領域152以外の位置の一例と考えることができる。また、この場合、主走査駆動部18について、例えば、少なくともノズルチェック用走査の実行時において、媒体50の外側に対しても、インクジェットヘッドにインクを吐出させると考えることもできる。
【0049】
また、図中に示す動作の場合、主走査駆動部18は、媒体50の外の捨打領域154へのインクの吐出について、通常走査においても、インクジェットヘッドに行わせる。この場合、媒体50の外へのインクの吐出について、例えば、ノズルチェック用走査及び通常走査の両方で行うと考えることができる。このように構成すれば、例えば、各回の主走査動作において、画像用領域52の外の領域に対し、必要な量のインクの捨て打ちをより容易かつ適切に行うことができる。また、印刷装置10の印刷動作の変形例においては、例えば、少なくとも一部の回の主走査動作で、主走査駆動部18は、インクジェットヘッドに対し、フラッシングボックス16(
図1参照)への捨て打ちを更に行わせてもよい。また、この場合、主走査駆動部18は、インクジェットヘッドに、例えば、通常走査の実行時にはフラッシングボックス16への捨て打ちを行わせず、ノズルチェック用走査の実行時のみにフラッシングボックス16への捨て打ちを行わせてもよい。このように構成した場合、例えば、媒体50上の捨打領域152へのインクの吐出量が少なくなるノズルチェック用走査の実行時においても、フラッシングボックス16への捨て打ちをインクジェットヘッドに更に行わせることで、捨て打ちでインクジェットヘッドに吐出させるインクの合計量を適切に増加させることができる。また、この場合、通常走査ではフラッシングボックス16への捨て打ちを行わせないことで、例えば、印刷速度の過度な低下を防止すること等も可能になる。
【0050】
また、本例において、印刷装置10は、例えば、マルチパス方式で、媒体50への印刷を行う。この場合、マルチパス方式については、例えば、一つの位置へインクを吐出できる主走査動作の回数が複数回になる方式等と考えることができる。マルチパス方式については、例えば、媒体50において印刷が行われる領域の各位置に対して複数回の主走査動作を行う方式等と考えることもできる。また、1回の主走査動作で一つのインクジェットヘッドがインクを吐出できる範囲の副走査方向における幅をインクジェットヘッドの印字幅と定義した場合、マルチパス方式について、例えば、1回の副走査動作で媒体50に対して相対的にインクジェットヘッドが移動する距離である送り量を印字幅よりも小さくする方式等と考えることもできる。印字幅については、例えば、インクジェットヘッドにおいてノズルが並ぶ範囲の副走査方向における幅等と考えることができる。また、印字幅を送り量で除した数について、例えば、マルチパス方式でのパス数と考えることができる。また、インクジェットヘッドについては、例えば、副走査方向における位置を互いにずらして複数のノズルが並ぶノズル列を有すると考えることもできる。この場合、例えば、副走査方向におけるノズル列の幅であるノズル列長を副走査動作の送り量で除した値について、パス数になると考えることもできる。そして、
図5においては、パス数を2にした場合(2パスの場合)の例を示している。
【0051】
また、上記においても説明をしたように、本例において、ノズル状態確認用パターンとしては、例えば、異なる回の主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが媒体上の同じ位置で重ならず、かつ、ノズル状態確認用パターンの各部を描いたノズルを識別可能なパターンを用いる。そして、本例のように、マルチパス方式での印刷を行う場合、ノズル状態確認用パターンの描かせ方について、マルチパス方式の動作に合わせた方法にすることが考えられる。より具体的に、マルチパス方式で印刷を行う場合、印刷の解像度に応じて設定されるインクの吐出位置に関し、一つの吐出位置へインクを吐出できる主走査動作の回数について、パス数に応じて決まる複数回になると考えることができる。また、フラッシングの目的での捨て打ちを行う場合、各回の主走査動作において、例えば、捨打領域152等に対し、十分な量のインクを吐出することが望まれる。そのため、この場合、例えば、捨打領域152等における同じ吐出位置(一つの吐出位置)に対し、複数回の主走査動作で重ねてインクを吐出することが考えられる。また、このような動作については、例えば、一つの吐出位置に対するインクの吐出について、パス数分の重ね打ちを行う動作等と考えることもできる。
【0052】
しかし、この場合、異なる回の主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが媒体50上の同じ位置で重なることで、捨打領域152等に所定のパターンを描いたとしても、そのパターンを描いたノズルを識別することは、通常、困難になる。そのため、捨打領域152に対してインクジェットヘッドにノズル状態確認用パターンを描かせる場合には、単にフラッシングを目的とする場合に好ましいインクの吐出の仕方と異なる方法で、インクジェットヘッドにインクを吐出させることが好ましい。また、より具体的に、本例において、主走査駆動部18は、ノズル状態確認用パターンの各部について、いずれかの1回の主走査動作のみでのインクの吐出により、インクジェットヘッドに描かせる。この場合、ノズル状態確認用パターンの各部をインクジェットヘッドに描かせることについては、例えば、ノズル状態確認用パターンの各部を構成するインクの吐出位置に対し、複数色用の複数のインクジェットヘッドのうちのいずれかのインクジェットヘッドにインクを吐出させること等と考えることができる。また、このような動作については、例えば、一つの吐出位置に対するインクの吐出について、パス数分の重ね打ちを行わず、いずれかの1回の主走査動作(パス)のみで行う動作等と考えることもできる。また、このようにしてノズルチェック用走査をインクジェットヘッドに行わせることで、例えば、公知のはしご状パターン等をインクジェットヘッドに適切に描かせることができる。
【0053】
また、この場合、通常走査の実行時において、主走査駆動部18は、例えば、媒体50上の捨打領域152に対し、異なる回の主走査動作で吐出されるインクで形成されるインクのドットが媒体50上の同じ位置で重なるように、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、通常走査で画像用領域52以外の領域に対して吐出するインクの量について、ノズルチェック用走査の実行時と適切に異ならせることができる。また、この場合、通常走査において、例えば、ノズルチェック用走査の実行時と比べて、媒体50上の捨打領域152に対し、より多くの量のインクをインクジェットヘッドに吐出させることができる。また、これにより、例えば、ノズルの乾燥等をより適切に防止できる。本例によれば、例えば、印刷動作の全体として適切にフラッシングを行いつつ、ノズル状態確認用パターンに基づき、インクジェットヘッドのノズルの状態を適切に確認できる。
【0054】
ここで、上記においても説明をしたように、
図5に示した動作では、通常走査及びノズルチェック用走査の両方において、媒体50の外に設定される捨打領域154に対し、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせる。これに対し、印刷装置10の印刷動作の変形例においては、例えば
図6に示すように、媒体50の外へのインクの吐出について、通常走査では行わずに、ノズルチェック用走査のみで行うこと等も考えられる。
図6は、印刷装置10の動作の変形例を示す。以下に説明をする点を除き、
図6において、
図5と同じ符号を付した構成は、
図5と同一又は同様の特徴を有してよい。
【0055】
上記においても説明をしたように、ノズルチェック用走査を行う場合、媒体50上の捨打領域152へ吐出するインクの量について、通常走査でのインクの吐出量よりも少なくなることが考えられる。そして、この場合、インクの特性等によって、例えば捨打領域152に対してノズル状態確認用パターンをインクジェットヘッドに描かせるのみでは、画像用領域52以外の領域へのインクの吐出量が不十分になり、ノズルの乾燥等が生じやすくなる場合もある。そのため、ノズルチェック用走査においては、媒体50上の捨打領域152以外に、媒体50の外に設定される捨打領域154又はフラッシングボックス16(
図1参照)等に対しても、インクジェットヘッドに捨て打ちを行わせることが好ましい。また、この場合、捨打領域154等への捨て打ちについて、例えば、ノズル状態確認用パターンを描くために行う捨て打ちよりもインクの量を多くして、インクジェットヘッドにインクを吐出させることが考えられる。これに対し、通常走査の場合、インクの特性や、捨打領域152として設定できる範囲の幅等によって、媒体50の外の捨打領域154等への捨て打ちを行わなくても、媒体50上の捨打領域152への捨て打ちのみにより、ノズルの乾燥を適切に防止できる場合もある。そして、このような場合、通常走査として、媒体50の外へのインクの吐出を行わない主走査動作をインクジェットヘッドに行わせること等も考えられる。また、この場合、通常走査でのスキャン幅について、ノズルチェック用走査でのスキャン幅よりも狭くすることが考えられる。スキャン幅については、例えば、主走査動作時にインクジェットを移動させる範囲(主走査方向における範囲)等と考えることができる。
【0056】
より具体的に、この場合、通常走査でのスキャン幅について、例えば、図中に示すスキャン幅Waのように、媒体50上のみにインクを吐出できる範囲の幅に設定することが考えられる。また、この場合、通常走査の実行時において、主走査駆動部18(
図1参照)は、例えば、主走査方向における媒体50の幅の範囲内で、媒体50に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる。通常走査でのスキャン幅Waについては、例えば、媒体50上に設定される画像用領域52及び捨打領域152の位置に応じて設定してもよい。これに対し、ノズルチェック用走査でのスキャン幅については、例えば、図中に示すスキャン幅Wbのように、少なくとも、媒体50の外に設定される捨打領域154に対してもインクを吐出できる範囲の幅に設定する。この場合、ノズルチェック用走査の実行時において、主走査駆動部18は、例えば、主走査方向における媒体50の幅よりも広い範囲で媒体50に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させることで、媒体50の外側に対しても、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。また、ノズルチェック用走査において、フラッシングボックス16へのインクの吐出も行う場合、ノズルチェック用走査でのスキャン幅Wbについて、フラッシングボックス16に対してもインクを吐出できる範囲の幅に設定する。このように構成した場合、通常走査において、例えば、スキャン幅を狭くすることで、1回の主走査動作に要する時間を短縮できる。また、この場合、印刷動作の全体に関し、通常走査に対応する一部の回の主走査動作でのスキャン幅を狭くすることで、例えば、全ての回の主走査動作でのスキャン幅をノズルチェック用走査と同様の広い幅にする場合等と比べて、印刷速度を高速化できる。更に、この場合、例えば、通常走査において搬送ベルト14上の捨打領域154へ捨て打ちを行わないことで、搬送ベルト14上に吐出されるインクの合計量を低減できる。また、これにより、例えば、搬送ベルト14の洗浄時に使用する洗浄液(洗浄水等)の汚れを生じ難くすることもできる。
【0057】
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明等を行う。説明の便宜上、以下においては、上記及び以下において説明をする変形例等も含めて、本例の構成等という場合がある。上記においても説明をしたように、本例において、主走査駆動部18は、少なくとも一部の回の主走査動作で、例えば、媒体50上の捨打領域152や搬送ベルト14上の捨打領域154に対し、フラッシングを目的とする捨て打ちをインクジェットヘッドに行わせる。そして、この場合、例えば、印刷装置10の制御部30(
図1参照)において、フラッシングを目的とする捨て打ちで吐出するインクの量を決定することが考えられる。また、この場合、制御部30は、例えば、インクの特性や印刷条件等に基づき、捨打領域152、154等へインクジェットヘッドに吐出させるインクの量を決定する。印刷条件としては、例えば、印刷の解像度やパス数等を考慮することが考えられる。捨打領域152、154等へインクジェットヘッドに吐出させるインクの量については、例えば、主走査方向における捨打領域152、154の幅を変化させることで調整を行うことが考えられる。また、上記においても説明をしたように、捨打領域152、154等へインクジェットヘッドに吐出させるインクの量については、例えば、インクの色毎に異ならせてもよい。このように構成すれば、例えば、捨打領域152、154等への捨て打ちで吐出するインクの量について、インクジェットヘッドにおけるノズルの状態を維持できる量に適切に設定できる。また、この場合、制御部30は、例えば、各回の主走査動作で媒体50における画像用領域52へ吐出する各色のインクの量に基づき、捨打領域152、154等へインクジェットヘッドに吐出させる各色のインクの量を決定してもよい。
【0058】
また、上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッドは、媒体50上の捨打領域152、搬送ベルト14上の捨打領域154、及びフラッシングボックス16を含む複数の箇所に対して、捨て打ちを行うことができる。この場合、各箇所に対して行う捨て打ちの条件については、例えば、主走査動作毎に、かつ、箇所毎に個別に設定することが考えられる。このように構成すれば、例えば、捨て打ちの条件について、多様な条件を柔軟に設定することができる。また、各箇所に対する捨て打ちの条件については、例えば、印刷装置10の構成や印刷条件等に応じて決定することが考えられる。この場合、例えば、搬送ベルト14の幅、媒体50の幅、メディア原点や作図原点等の基準位置からの距離(間隔)、印刷の濃度、媒体50上に形成されるインクのドットのサイズ、インクのドットの重ね方、及び捨て打ちを行う頻度等の少なくとも一部に基づき、捨打領域152、154を設定する位置や各箇所へ吐出するインクの量等を決定することが考えられる。また、この場合、例えば、ノズル列毎、インクの色毎、又は全てのインクのドットについて、インクのドットの重ね方を考慮することが考えられる。また、捨て打ちを行う頻度としては、例えば、何回の主走査動作を行う毎に捨て打ちを行うか等を考慮することが考えられる。
【0059】
また、
図5及び
図6を用いて説明をした印刷動作のように、主走査動作として、通常走査及びノズルチェック用走査を行う場合、捨て打ちの関し、2種類の動作モードで行うと考えることができる。この場合、ノズルチェック用走査について、例えば、ノズル状態確認用パターンを描く動作モードで実行する主走査動作等と考えることができる。また、通常走査について、例えば、ノズル状態確認用パターンを描かずに、ノズルの乾燥防止のためのフラッシングを行う動作モードで実行する主走査動作等と考えることができる。また、上記においても説明をしたように、ノズルチェック用走査の実行時において、主走査駆動部18は、ノズル状態確認用パターンの各部について、例えば、いずれかの1回の主走査動作のみでのインクの吐出により、インクジェットヘッドに描かせる。そのため、例えば
図5及び
図6を用いて説明をした印刷動作のように、2パスでの印刷を行う場合、主走査駆動部18は、ノズル状態確認用パターンの各部に対し、その位置へインクを吐出可能な2回の主走査動作のうち、いずれかの1回の主走査動作において、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。また、媒体50に対する印刷は、2パス以外のパス数で行ってもよい。この場合、主走査駆動部18は、ノズル状態確認用パターンの各部に対し、その位置へインクを吐出可能なパス数分の主走査動作のうち、いずれかの1回の主走査動作において、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。例えば、4パスで印刷を行う場合、主走査駆動部18は、同じ位置に対して実行する4回の主走査動作のうちのいずれかの1回の主走査動作により、ノズル状態確認用パターンの各部をインクジェットヘッドに描かせる。
【0060】
また、上記においても説明をしたように、
図5に示す動作の場合、媒体50上の捨打領域152への捨て打ちの行い方を通常走査とノズルチェック用走査とで異ならせることで、画像用領域52以外の領域に対して吐出するインクの量について、通常走査とノズルチェック用走査とで異ならせていると考えることができる。また、この場合、1回の主走査動作における捨て打ちで吐出するインクの合計量について、例えば、通常走査での捨て打ちにおけるインクの吐出量がノズルチェック用走査での捨て打ちにおけるインクの吐出量よりも多くなると考えることができる。これに対し、
図6に示す動作の場合、通常走査において媒体50の外への捨て打ちを行わないことで、1回の主走査動作における捨て打ちで吐出するインクの合計量について、通常走査での捨て打ちにおけるインクの吐出量がノズルチェック用走査での捨て打ちにおけるインクの吐出量よりも少なくなることも考えられる。しかし、この場合も、例えば、媒体50上の捨打領域152への捨て打ちの行い方を通常走査とノズルチェック用走査とで異ならせることで、画像用領域52以外の領域に対して吐出するインクの量について、通常走査とノズルチェック用走査とで相違すると考えることができる。
【0061】
また、上記においても説明をしたように、本例において、印刷装置10は、複数のフラッシングボックス16を備える。そして、この場合、印刷装置10は、例えば
図7(a)に示すように、複数のフラッシングボックス16へ吐出されたインクを1箇所にまとめるための構成を更に備えることが好ましい。
図7は、フラッシングボックス16に関連する特徴について更に詳しく説明をする図である。
図7(a)は、複数のフラッシングボックス16へ吐出されたインクを1箇所にまとめるための構成の一例を示す。図示した構成において、印刷装置10は、廃インク貯留部22及び配管24を更に備える。廃インク貯留部22は、配管24を介して複数のフラッシングボックス16から供給される廃インクを貯留する構成である。廃インク貯留部22は、例えば、鉛直方向においてフラッシングボックス16よりも下側に配設される。配管24は、フラッシングボックス16に吐出されたインクである廃インクをフラッシングボックス16から廃インク貯留部22へ流す流路である。また、本例において、配管24は、廃インクをフラッシングボックス16の外へ流す廃インク流路の一例である。このように構成した場合、例えば、複数のフラッシングボックス16における廃インクを1箇所へ適切に集めることができる。そして、この場合、例えば、廃インクを廃棄する処理について、複数のフラッシングボックス16に対して個別に行わなくても、1箇所の廃インク貯留部22に対してのみ行えばよい。そのため、このように構成すれば、例えば、廃インクの処理をより容易かつ適切に行うことができる。また、これにより、例えば、印刷装置10に対するメンテナンス性を適切に高めることができる。
【0062】
また、フラッシングボックス16としては、例えば、
図7(b)に示す構成を用いることが考えられる。
図7(b)は、フラッシングボックス16の具体的な構成の一例を示す。図示した構成において、フラッシングボックス16は、筐体部202、スポンジ204、及びメッシュ部208を有する。筐体部202は、フラッシングボックス16の筐体部分となる部分である。本例において、筐体部202は、上面が開口した箱状体であり、内部にスポンジ204を収容する。また、筐体部202の下面には、配管24につながる排出孔210が形成されている。スポンジ204は、廃インクを吸収する吸収体である。メッシュ部208は、廃インクを通す穴がメッシュ状に形成されている部材であり、筐体部202の上面の側からスポンジ204を押さえる。メッシュ部208としては、例えば金属のメッシュ状部材(金属メッシュ)等を好適に用いることができる。このような構成のフラッシングボックス16を用いることで、例えば、インクジェットヘッドが吐出するインクを適切に受けることができる。
【0063】
また、上記においては、印刷装置10の構成に関し、主に、搬送ベルト14(
図1参照)を用いて媒体50の搬送を行う構成について、説明をした。そして、この場合、搬送ベルト14について、例えば、インクジェットヘッドと対向する位置において媒体50を支持するプラテンとして機能する部材等と考えることができる。これに対し、印刷装置10の構成の変形例においては、例えば、搬送ベルト14を用いないこと等も考えられる。また、この場合、例えば、
図8に示す構成の印刷装置10を用いることが考えられる。
図8は、印刷装置10の構成の変形例について説明をする図である。
図8(a)は、本変形例における印刷装置10の構成の一例を示す断面図である。
図8(b)は、印刷装置10の一部の構成を示す上面図であり、
図8(a)に図示されていない構成も含めて、印刷装置10の一部の構成の一例を示す。
図8(c)は、印刷装置10におけるフラッシングボックス16の位置について説明をする図である。以下に説明をする点を除き、
図8において、
図1~7と同じ符号を付した構成は、
図1~7に示す構成と同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、印刷装置10及び印刷装置10の各部は、以下において説明する点以外に、
図1~7を用いて説明をした印刷装置10及び印刷装置10の各部と同一又は同様の特徴を有してよい。また、
図1~7を用いて説明をした印刷装置10及び印刷装置10の各部も、上記において説明をした点以外に、以下において説明をする印刷装置10及び印刷装置10の各部と同一又は同様の特徴を有してよい。
【0064】
本変形例において、印刷装置10は、プラテン26を備え、ロール状に巻かれた媒体50を順次繰り出して印刷を行い、更に、印刷後の媒体50を巻き取る。そして、媒体50の搬送に関連する構成として、印刷装置10は、繰出部302、巻取部304、複数のローラ306、312、及び複数のTB314を備える。また、
図8(a)に図示した構成以外に、印刷装置10は、例えば
図1~7に示す構成と同様に、複数のフラッシングボックス16、主走査駆動部18(
図1参照)、副走査駆動部20(
図1参照)、制御部30、廃インク貯留部22(
図7参照)、及び配管24(
図7参照)等を更に備える。また、例えば
図8(b)に示すように、本変形例において、印刷装置10は、メンテナンス部28を備える。そして、上記の構成のうち、繰出部302、巻取部304、及びローラ306を有する部分については、例えば、印刷装置10における媒体繰出巻取部32等と考えることができる。また、印刷装置10における媒体繰出巻取部32以外の部分については、例えば、印刷装置10における本体部34等と考えることができる。この場合、媒体繰出巻取部32については、例えば、媒体50の繰り出し及び巻き取りによって本体部34への媒体50の供給と回収を行う部分等と考えることができる。本体部34については、例えば、媒体繰出巻取部32から供給される媒体50に対する印刷を実行する部分等と考えることができる。また、媒体繰出巻取部32における構成のうち、繰出部302は、媒体50の繰り出しを行う部分であり、ロール状に巻かれた媒体50を保持し、印刷の進行に応じて、媒体50を順次繰り出すことで、本体部34へ媒体50を供給する。巻取部304は、本体部34において印刷がされた媒体50の巻き取りを行う部分である。ローラ306は、媒体繰出巻取部32における搬送経路において媒体50に接するローラである。ローラ306としては、例えば、媒体50の移動に伴って回転する従動ローラを用いることが考えられる。
【0065】
また、本体部34における構成に関し、
図8(a)に示す構成のうち、プラテン26は、ヘッド部12におけるインクジェットヘッドと対向する位置において媒体50を支持する部材である。プラテン26については、例えば、画像用領域になる位置で媒体50を支持する部材等と考えることもできる。また、プラテン26について、例えば、印字面になる高さの位置で媒体50を支持すると考えることもできる。複数のローラ312は、本体部34における搬送経路において媒体50に接するローラであり、媒体繰出巻取部32から供給される媒体50をプラテン26上に導き、その後に媒体繰出巻取部32へ戻す搬送経路の各位置において媒体50に接触する。ローラ312としては、例えば、従動ローラを用いることが考えられる。また、一部のローラ312として、例えば、副走査駆動部20によって駆動されるローラを用いること等も考えられる。複数のTB314は、搬送中の媒体50にテンションを付与する部材(テンションバー)である。これらの構成を用いることで、例えば、インクジェットヘッドと対向する位置を通過する搬送経路に沿って、媒体50を適切に搬送できる。また、この場合、副走査駆動部20は、例えば、巻取部304を駆動することで、搬送方向へ媒体50を移動させる。また、副走査駆動部20は、例えば、繰出部302や本体部34における一部のローラ312を駆動してもよい。
【0066】
また、本変形例において、フラッシングボックス16は、例えば
図8(b)に示すように、主走査方向においてプラテン26と隣接する位置において、プラテン26の一方側及び他方側に配設される。この場合、フラッシングボックス16について、例えば、主走査方向におけるプラテン26の両側に配設されていると考えることもできる。また、本変形例において、主走査方向におけるプラテン26の一方の側には、メンテナンス部28が配設される。メンテナンス部28は、インクジェットヘッドに対するメンテナンスを行う構成である。メンテナンス部28の位置については、例えば、プラテン26との間にフラッシングボックス16を挟む位置等と考えることもできる。また、本変形例において、メンテナンス部28については、例えば、フラッシングボックス16と異なる位置でインクジェットヘッドに対するメンテナンスを行う構成等と考えることができる。メンテナンス部28は、例えば、インクジェットヘッドに対する吸引やワイピング等のメンテナンスをインクジェットヘッドに対して行う。また、メンテナンス部28において、例えば、メンテナンスの少なくとも一部として、インクジェットヘッドにフラッシングを行わせること等も考えられる。この場合、メンテナンス部28について、例えば、フラッシングボックス16と同様に、インクジェットヘッドから吐出されるインクを媒体50の外で受ける構成と考えることもできる。しかし、上記の説明等から理解できるように、本変形例において、プラテン26の両側に配設されるフラッシングボックス16については、メンテナンス部28と異なる構成等と考えることができる。また、この場合、印刷装置10について、例えば、メンテナンス部28とは別に複数のフラッシングボックス16を備えていると考えることができる。メンテナンス部28を用いることで、例えば、必要に応じて、インクジェットヘッドに対する様々なメンテナンスを適切に行うことができる。また、本変形例のように、主走査方向においてプラテン26と隣接する位置(プラテン26の横)にフラッシングボックス16を配設する場合、プラテン26に対し、フラッシングボックス16をできるだけ近づけることが好ましい。このように構成すれば、例えば、フラッシングボックス16へのインクを行わせる場合において、ヘッド部12の移動距離(キャリッジの移動距離)を最小にできる。
【0067】
また、本変形例において、フラッシングボックス16は、例えば
図8(c)に示すように、上面の高さをプラテン26と揃えて配設される。この場合、フラッシングボックス16について、上面の高さをプラテン26と揃えることについては、例えば、フラッシングボックス16におけるメッシュ部208(
図7参照)の上面の高さをプラテン26の上面の高さに合わせること等と考えることができる。このように構成した場合、例えば、フラッシングボックス16とプラテン26との高さが統一されることで、高さ方向へインクジェットヘッド及びフラッシングボックス16のいずれも移動させることなく、フラッシングボックス16へのインクの吐出をインクジェットヘッドに適切に行わせることができる。また、この場合において、例えば、フラッシングボックス16へのインクの吐出について、プラテン26上の媒体50へのインクの吐出時に近い条件でインクジェットヘッドに適切に行わせることができる。更に、この場合、例えば、媒体50上とフラッシングボックス16上とでインクジェットヘッドとの間の隙間がほぼ同じになるため、フラッシングボックス16とインクジェットヘッドとの間において意図しない気流が発生することや、インクのミスト化等が生じることを適切に防止できる。また、これにより、例えば、高い品質での印刷をより適切に行うことができる。
【0068】
また、主走査駆動部18は、例えば、フラッシングボックス16の位置でインクジェットヘッドにインクを吐出させることで、インクジェットヘッドにフラッシングを行わせる。この場合、少なくとも一部の回の主走査動作において、主走査駆動部18は、例えば、フラッシングボックス16と対向する位置を通過した後にプラテン26と対向する位置を通過するようにインクジェットヘッドを移動させ、かつ、フラッシングボックス16へインクを吐出した後にプラテン26上の媒体50へインクを吐出するように、インクジェットヘッドにインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、媒体50の外においてインクジェットヘッドに適切にインクを吐出させることができる。また、これにより、例えば、画像用領域以外の領域に対し、例えば、インクジェットヘッドにフラッシングを適切に行わせることができる。また、より具体的に、本変形例においても、主走査駆動部18は、例えば、複数回の主走査動作をインクジェットヘッドに行わせる。そして、この場合、例えば、印刷の成果物となる画像を描くためのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる全ての回の主走査動作において、主走査駆動部18は、フラッシングボックス16へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。このように構成すれば、例えば、ノズルの乾燥等をより確実に防止できる。また、主走査駆動部18は、例えば、主走査方向における一方及び他方の向きへインクジェットヘッドを移動させる往復の主走査動作をインクジェットヘッドに行わせる。そして、この場合、各回の主走査動作において、主走査駆動部は、例えば、少なくとも、インクジェットの移動の向きにおいてプラテン26に対して上流側になるフラッシングボックス16へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。このように構成すれば、例えば、画像用領域へのインクの吐出を行う直前にインクジェットヘッドに適切にインクを吐出させることができる。また、これにより、例えば、画像用領域へのインクの吐出をインクジェットヘッドにより適切に行わせることができる。また、この場合、例えば、プラテン26の両側にフラッシングボックス16を配設していることで、このような動作が可能になっていると考えることができる。各回の主走査動作において、主走査駆動部18は、プラテン26の両側のフラッシングボックス16へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせてもよい。
【0069】
また、上記においては、
図1~7を用いて説明をした印刷装置10の動作に関連して、フラッシング等の捨て打ちを媒体50上へ行う動作について、説明をした。これに対し、印刷装置10の動作の変形例において、フラッシング等の捨て打ちについては、必ずしも媒体50上に行わなくてもよい。この場合も、例えば、フラッシングボックス16へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせることで、ノズルの乾燥等を適切に防止できる。また、この場合、例えば、媒体50において印刷が可能な範囲を使うことなく、捨て打ちの効果を得ることができる。また、この場合も、主走査方向におけるプラテン26の両側にフラッシングボックス16を配設することで、例えば、各回の主走査動作において、インクジェットヘッドに適切に捨て打ちを行わせることができる。
【0070】
また、主走査方向におけるプラテン26の両側にフラッシングボックス16を配設する構成については、例えば、ノズルの乾燥が生じやすい構成と組み合わせて用いることが特に好ましい。より具体的に、印刷装置10において、インクとしては、例えば昇華転写型のインクのような、乾燥しやすいインクを用いることも考えられる。そして、この場合、例えば、主走査方向におけるプラテン26の両側にフラッシングボックス16を配設して、全ての回の主走査動作において、フラッシングボックス16へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせることが好ましい。また、主走査方向における幅が広い媒体50を用いる場合、1回の主走査動作に要する時間が長くなることで、ノズルの乾燥が生じやすくなることが考えられる。特に、媒体50の幅が1800mm以上の場合等には、ノズルの乾燥が生じやすくなることが考えられる。そのため、このような場合も、主走査方向におけるプラテン26の両側にフラッシングボックス16を配設して、全ての回の主走査動作において、フラッシングボックス16へのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0072】
10・・・印刷装置、102・・・インクジェットヘッド、12・・・ヘッド部、14・・・搬送ベルト、152・・・捨打領域、154・・・捨打領域、156・・・捨打領域、16・・・フラッシングボックス、18・・・主走査駆動部、20・・・副走査駆動部、22・・・廃インク貯留部、24・・・配管、26・・・プラテン、28・・・メンテナンス、202・・・筐体部、204・・・スポンジ、208・・・メッシュ部、210・・・排出孔、30・・・制御部、302・・・繰出部、304・・・巻取部、306・・・ローラ、312・・・ローラ、314・・・TB、32・・・媒体繰出巻取部、34・・・・本体部、50・・・媒体、52・・・画像用領域