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特開2024-147490プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム及びプリンタを制御するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147490
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム及びプリンタを制御するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241008BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241008BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 328
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
B41J29/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011643
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】P 2023060412
(32)【優先日】2023-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023198346
(32)【優先日】2023-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白神 那央人
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AF02
(57)【要約】
【課題】プリンタに関係するサービスへの加入をユーザに適切に促すこと。
【解決手段】プリンタは、印刷実行部と、端末装置から印刷実行指示が受信される場合に、印刷実行指示に従って画像の印刷を印刷実行部に実行させる印刷制御部と、端末装置から印刷実行指示が受信され、かつ、印刷実行指示が、プリンタのベンダによって提供されない汎用ドライバによって生成されたものである場合に、プリンタに関係するサービスに関する所定情報を外部に送信する送信部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、
印刷実行部と、
端末装置から印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示に従って画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が、前記プリンタのベンダによって提供されない汎用ドライバによって生成されたものである場合に、前記プリンタに関係するサービスへの加入に関する所定情報を外部に送信する送信部と、
を備える、プリンタ。
【請求項2】
前記送信部は、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が、前記プリンタの前記ベンダによって提供される専用ドライバによって生成されたものである場合に、前記所定情報を送信しない、
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記プリンタは、さらに、
前記プリンタを利用する個人又は企業が前記サービスに加入済みであることを示す加入済み情報を記憶可能に構成されるメモリを備え、
前記送信部は、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであり、かつ、前記加入済み情報が前記メモリに記憶されていない場合に、前記所定情報を外部に送信し、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであり、かつ、前記加入済み情報が前記メモリに記憶されている場合に、前記所定情報を送信しない、
請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記プリンタは、さらに、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示が、前記汎用ドライバによって生成されたものであるのか、前記専用ドライバによって生成されたものであるのか、を判断する判断部を備え、
前記判断部は、
前記印刷実行指示が前記ベンダに対応する所定の文字列を含まない場合に、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであると判断し、
前記印刷実行指示が前記所定の文字列を含む場合に、前記印刷実行指示が前記専用ドライバによって生成されたものであると判断する、
請求項2に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記プリンタは、さらに、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示が、前記汎用ドライバによって生成されたものであるのか、前記専用ドライバによって生成されたものであるのか、を判断する判断部を備え、
前記判断部は、
前記印刷実行指示が第1のプロトコルに従った指示である場合に、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであると判断し、
前記印刷実行指示が前記第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従った指示である場合に、前記印刷実行指示が前記専用ドライバによって生成されたものであると判断する、
請求項2に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記プリンタは、さらに、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信される場合に、前記プリンタに関連するプリンタ関連情報をサーバに送信するプリンタ関連情報送信部を備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記プリンタ関連情報が前記サーバに送信される場合に、前記サーバでは、前記プリンタ関連情報と認証情報とが関連付けて記憶され、
前記プリンタは、さらに、
前記サーバから、前記認証情報を含む第1のUniform Resource Locator(URL)を受信する第1の受信部を備え、
前記所定情報は、前記第1のURLを含む、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記プリンタは、さらに、
前記サーバから、前記プリンタ関連情報を含む第2のUniform Resource Locator(URL)を受信する第2の受信部を備え、
前記所定情報は、前記第2のURLを含む、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記プリンタ関連情報は、前記プリンタを識別するための固有の識別情報を含む、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記プリンタ関連情報は、前記プリンタのモデル名を含む、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記プリンタは、さらに、メールアドレスを記憶可能に構成されているメモリを備え、
前記送信部は、前記メモリ内の前記メールアドレスを宛先として前記所定情報を外部に送信する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記送信部は、前記所定情報を前記端末装置に送信する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項13】
前記所定情報は、前記サービスへの加入に関するウェブページを表わすウェブページデータを含む、請求項12に記載のプリンタ。
【請求項14】
前記所定情報は、前記サービスへの加入に関するメッセージを含む、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項15】
前記所定情報は、前記サービスへの加入に関するウェブページの位置を示すUniform Resource Locator(URL)を含む、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項16】
プリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記プリンタのコンピュータを、以下の各部、即ち、
端末装置から印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示に従って画像の印刷を前記プリンタの印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が、前記プリンタのベンダによって提供されない汎用ドライバによって生成されたものである場合に、前記プリンタに関係するサービスに関する所定情報を外部に送信する送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項17】
プリンタを制御するための方法であって、
端末装置から印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示に従って画像の印刷を前記プリンタの印刷実行部に実行させる印刷制御ステップと、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が、前記プリンタのベンダによって提供されない汎用ドライバによって生成されたものである場合に、前記プリンタに関係するサービスに関する所定情報を外部に送信する送信ステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、プリンタに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機種を問わない標準的なドライバと、プリンタベンダによって提供されるベンダ固有のドライバと、の双方によって印刷可能なプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-089143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、プリンタに関係するサービスへの加入をユーザに適切に促すことが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示されるプリンタは、印刷実行部と、端末装置から印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示に従って画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が、前記プリンタのベンダによって提供されない汎用ドライバによって生成されたものである場合に、前記プリンタに関係するサービスへの加入に関する所定情報を外部に送信する送信部と、を備えてもよい。
【0006】
上述したプリンタは、印刷実行指示が汎用ドライバによって生成されたものである場合に、プリンタに関係するサービスへの加入に関する所定情報を外部に送信する。これにより、汎用ドライバを利用してプリンタに印刷を実行させるユーザに対して、サービスへの加入を適切に促すことができる。
【0007】
上記のプリンタを実現するためのコンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体も新規で有用である。また、上記のプリンタのための制御方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】サービス加入画面表示処理のフローチャートを示す。
図3】ケースAのシーケンス図を示す。
図4図3の続きのシーケンス図を示す。
図5】ケースB-1のシーケンス図を示す。
図6】ケースB-2のシーケンス図を示す。
図7】ケースB-3のシーケンス図を示す。
図8】ケースB-4のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、プリンタ10と、端末装置50と、サーバ100と、を備える。各デバイス10,50は、LAN6に接続されており、LAN6を介して相互に通信可能である。LAN6は、有線LANであってもよいし無線LANであってもよい。また、各デバイス10,50は、インターネット8を介してサーバ100と相互に通信可能である。
【0010】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば端末装置50の周辺装置)である。変形例では、プリンタ10は、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ10は、操作部12と、表示部14と、LANインターフェース16と、印刷実行部18と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを単に「I/F」と記載する。
【0011】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示させるディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネル(即ちユーザの操作を受け付ける操作部)としても機能する。LANI/F16は、LAN6に接続されている。印刷実行部18は、インクジェット方式の印刷機構を備える。印刷機構は、「印刷エンジン」と称されることもある。なお、変形例では、印刷実行部18は、インクジェット方式とは異なる印刷機構、例えばレーザ方式の印刷機構、サーマル方式の印刷機構を備えてもよい。
【0012】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0013】
プリンタ10のモデル名はMN1であり、プリンタ10にはシリアル番号SN1が割り当てられている。メモリ34は、モデル名MN1及びシリアル番号SN1に加えて、メールアドレス「aaa@abc.com」をさらに記憶している。メールアドレス「aaa@abc.com」は、プリンタ10のユーザのメールアドレスであり、プリンタ10の初期設定時にユーザによって入力される。
【0014】
(サーバ100の構成)
サーバ100は、プリンタに関係するサービスを提供するサーバである。当該サービスは、例えば、所定期間(例えば1か月)毎に設定される契約枚数までの印刷を定額で許容するサブスクリプションサービスである。所定期間における印刷枚数が契約枚数を超える場合には、ユーザは、追加料金(例えば印刷枚数と契約枚数との差分に単価を乗じた料金)を支払う。契約枚数は、契約プランに応じて異なり得る。
【0015】
サーバ100は、通信I/F116と制御部130とを備える。各部116,130は、バス線(符号省略)に接続されている。通信I/F116は、インターネット8に接続されている。
【0016】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0017】
(端末装置50の構成)
端末装置50は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、携帯電話(例えばスマートフォン)等のユーザ端末である。端末装置50は、汎用ドライバ52と専用ドライバ54とを備える。各ドライバ52,54は、印刷対象の画像を表わす対象データを変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成するためのソフトウェアである。
【0018】
汎用ドライバ52は、プリンタ10のベンダとは異なる事業者によって提供されるプリンタドライバである。汎用ドライバ52は、複数のプリンタベンダによって製造される様々なプリンタに印刷を実行させることができる。本実施例では、汎用ドライバ52は、IPP(Internet Printing Protocolの略)方式に従ってプリンタに印刷を実行させるドライバであり、例えば、AirPrint、Mopriaである。「AirPrint」は、アップル インコーポレイテッドの登録商標である。「Mopria」は、モプリア アライアンス インコーポレイテッドの登録商標である。なお、変形例では、汎用ドライバ52は、IPP方式とは異なる方式に従ってプリンタに印刷を実行させるドライバであってもよい。
【0019】
専用ドライバ54は、プリンタ10のベンダによって提供されるプリンタドライバである。専用ドライバ54は、モデル名MN1を有するプリンタのための専用のプリンタドライバである。特に、上述したサブスクリプションサービスを利用した印刷をプリンタ10に実行させるためには、汎用ドライバ52ではなく、専用ドライバ54が利用されなければならない。また、専用ドライバ54は、プリンタ10のための専用のものであるので、何らかの通知をプリンタ10に送信して、当該通知をプリンタ10に表示させることができる。例えば、専用ドライバ54は、サブスクリプションサービスへの加入を促す通知をプリンタ10に表示させることができる。一方、汎用ドライバ52は、表示のための通知をプリンタ10に送信することができない。
【0020】
(サービス加入画面表示処理:図2
図2を参照して、プリンタ10のCPU32によって実行されるサービス加入画面表示処理を説明する。図2の処理は、端末装置50から印刷データを含む印刷実行指示が受信されることをトリガとして開始される。
【0021】
S10において、CPU32は、印刷実行指示のヘッダ部が所定の文字列(例えば「V1」)を含むか否かを判断する。ここで、文字列「V1」は、プリンタ10のベンダを識別するための情報であり、プリンタ10のメモリ34に予め記憶されている。従って、ヘッダ部が所定の文字列を含むということは、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものであることを意味する。ヘッダ部が所定の文字列を含まないということは、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものであることを意味する。CPU32は、ヘッダ部に含まれる文字列に基づいて、印刷実行指示が、専用ドライバ54によって生成されたものであるのか、汎用ドライバ52によって生成されたものであるのか、を適切に判断することができる。
【0022】
CPU32は、ヘッダ部が所定の文字列を含む場合、即ち、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合に、S10でYESと判断して図2の処理を終了する。CPU32は、ヘッダ部が所定の文字列を含まない場合、即ち、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものである場合に、S10でNOと判断してS12に進む。
【0023】
S12において、CPU32は、加入済み情報がメモリ34に記憶されているか否かを判断する。加入済み情報は、プリンタ10のユーザ(個人も企業も含む)が、上述のサブスクリプションサービスに既に加入済みであることを示す情報である。CPU32は、加入済み情報がメモリ34に記憶されている場合に、S12でYESと判断し、図2の処理を終了する。これにより、サブスクリプションサービスに加入済みのユーザが、後述のサービス加入メールの受信を煩わしいと感じるのを抑制することができる。CPU32は、加入済み情報がメモリ34に記憶されていない場合に、S12でNOと判断してS20に進む。
【0024】
S20において、CPU32は、シリアル番号SN1とモデル名MN1とをサーバ100に送信する。これにより、サブスクリプションサービスに加入するのに必要な情報がサーバ100に記憶(即ち仮登録)される。特に、サーバ100では、PINコードが生成され、PINコードに対応付けてシリアル番号SN1とモデル名MN1とが記憶される。
【0025】
次いで、S22において、CPU32は、サーバ100からURLを受信する。当該URLは、サーバ100の位置情報と上述したPINコードとを含む。
【0026】
S30において、CPU32は、メモリ34内のメールアドレス「aaa@abc.com」を宛先として、サービス加入メールM1を送信する。サービス加入メールM1は、サブスクリプションサービスへの加入を促すメッセージと、サブスクリプションサービスの仮登録のためにURL81を選択することを促すメッセージと、S22で受信されたURL81と、を含む。S30が終了すると、CPU32は、図2の処理を終了する。
【0027】
(サブスクリプションサービスに加入するための処理;図3及び図4
続いて、プリンタ10のユーザがサブスクリプションサービスに加入する際に、各デバイスによって実行される処理を説明する。以下では、各デバイスのCPUを主体として処理の内容を説明せずに、各デバイスそのもの又はドライバを主体として処理の内容を説明する。端末装置50において、ソフトウェアは、OSを介して、CPU等のハードウェアを制御する。ソフトウェアがOSを介してハードウェアを制御することは、本明細書では適宜省略して説明する。
【0028】
端末装置50は、T10において、ユーザから、プリンタ10のIPアドレスの入力を受け付ける。この場合、端末装置50は、T12において、図示省略のウェブブラウザプログラムを利用して、アクセス要求をプリンタ10に送信する。アクセス要求は、プリンタ10のウェブサーバ機能にアクセスするための情報である。端末装置50によって実行される以下の各処理も、他のプログラムを利用する旨の説明がない限り、ウェブブラウザプログラムによって実行される。
【0029】
プリンタ10は、T12において、端末装置50からアクセス要求を受信すると、T14において、トップ画面を表わすトップ画面データを端末装置50に送信する。
【0030】
端末装置50は、T14において、プリンタ10からトップ画面データを受信すると、T20において、トップ画面を表示する。トップ画面は、プリンタ10に関する様々な情報(例えばステータス)と、様々な設定のためのボタンと、サーバ100への登録のためのボタンと、を含む。端末装置50は、T22において、サーバ100への登録のためのボタンの選択を受け付ける。この場合、端末装置50は、T30において、サーバ100への登録のためのボタンが選択されたことを示す選択情報をプリンタ10に送信する。
【0031】
プリンタ10は、T30において、端末装置50から選択情報を受信すると、T32において、シリアル番号SN1及びモデル名MN1を含むPIN要求をサーバ100に送信する。
【0032】
サーバ100は、T32において、プリンタ10からPIN要求を受信すると、T34において、PINコード「1234」を生成し、生成済みのPINコード「1234」に関連付けて、PIN要求に含まれるシリアル番号SN1及びモデル名MN1をメモリ134に記憶する。次いで、サーバ100は、T40において、PINコード「1234」をプリンタ10に送信する。プリンタ10は、T40において、サーバ100からPINコード「1234」を受信すると、T42において、PINコード「1234」を表示する。これにより、ユーザは、PINコード「1234」を知ることができる。また、図示省略しているが、プリンタ10とサーバ100との間でいわゆる常時接続が確立される。サーバ100は、常時接続を利用すれば、プリンタ10から要求を受信しなくても、プリンタ10が所属するLAN6のファイヤウォールを越えて、プリンタ10に信号を送信することができる。即ち、常時接続は、サーバプッシュ型の通信を実行可能な接続である。常時接続は、例えばXMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocolの略)に従った接続である。
【0033】
端末装置50は、T50において、ユーザからアカウント情報AI1の入力を受け付ける。アカウント情報AI1は、サーバ100にログインするために必要な情報であり、ユーザIDとパスワードとを含む。端末装置50は、T50において、アカウント情報AI1の入力を受け付けると、T52において、アカウント情報AI1をサーバ100に送信する。
【0034】
サーバ100は、T52において、端末装置50からアカウント情報AI1を受信すると、T54において、PINコード入力画面SC1を表わすPINコード入力画面データを端末装置50に送信する。
【0035】
端末装置50は、T54において、サーバ100からPINコード入力画面データを受信すると、T60において、PINコード入力画面SC1を表示する。PINコード入力画面SC1は、PINコードの入力を促すメッセージと、PINコード入力欄と、OKボタンと、を含む。
【0036】
端末装置50は、T62において、ユーザから、PINコード入力欄へのPINコード「1234」の入力と、OKボタンの選択と、を受け付ける。この場合、端末装置50は、T64において、PINコード「1234」をサーバ100に送信する。
【0037】
サーバ100は、T64において、端末装置50からPINコード「1234」を受信すると、PINコード「1234」に関連付けられているモデル名MN1を有するプリンタのための1個以上の契約プランを特定する。次いで、サーバ100は、T70において、特定済みの1個以上の契約プランを含むプラン情報画面SC2を表わすプラン情報画面データを端末装置50に送信する。
【0038】
端末装置50は、T70において、サーバ100からプラン情報画面データを受信すると、T72において、プラン情報画面SC2を表示する。プラン情報画面SC2は、プランAの内容とプランBの内容とを含む。本ケースでは、端末装置50は、T80において、ユーザからプランAの選択を受け付ける。この場合、端末装置50は、T82において、選択済みのプランAを示すプラン情報PLNAを含む選択情報をサーバ100に送信する。
【0039】
図3の続き;図4
サーバ100は、T82において、端末装置50から選択プラン情報を受信すると、T90において、ユーザ情報入力画面SC3を表わすユーザ情報入力画面データを端末装置50に送信する。
【0040】
端末装置50は、T94において、サーバ100からユーザ情報入力画面データを受信すると、T92において、ユーザ情報入力画面SC3を表示する。ユーザ情報入力画面SC3は、ユーザの氏名入力欄と、住所入力欄と、クレジットカード番号入力欄と、を含む。
【0041】
端末装置50は、T100において、ユーザからユーザ情報U1(即ちユーザの氏名と住所とクレジットカード番号)の入力を受け付けると、T102において、入力済みのユーザ情報U1をサーバ100に送信する。
【0042】
サーバ100は、T102において、端末装置50からユーザ情報U1を受信すると、T110において、シリアル番号SN1とモデル名MN1とに関連付けて、アカウント情報AI1とプラン情報PLNAとユーザ情報U1とを記憶する。これにより、ユーザは、サブスクリプションサービスのプランAに加入することができる。さらに、サーバ100は、T120において、上述した常時接続を利用して、加入済み情報をプリンタ10に送信する。
【0043】
プリンタ10は、T120において、サーバ100から加入済み情報を受信すると、T122において、加入済み情報をメモリ34に記憶する。
【0044】
端末装置50の専用ドライバ54は、T130において、ユーザから印刷操作を受け付けると、印刷データを含む印刷実行指示を生成し、T132において、印刷実行指示をプリンタ10に送信する。当該印刷実行指示のヘッダ部は、文字列「V1」を含む。
【0045】
プリンタ10は、T132において、印刷実行指示を受信すると(図2のS10でYES)、T134において、印刷実行指示に従って印刷処理を実行する。次いで、プリンタ10は、T140において、印刷情報をサーバ100に送信する。印刷情報は、プリンタ10のシリアル番号SN1と、印刷枚数Nと、を含む。
【0046】
サーバ100は、T140において、プリンタ10から印刷情報を受信すると、印刷情報に含まれるシリアル番号SN1に関連付けて、印刷情報に含まれる印刷枚数「N」をメモリ134に記憶する。これにより、サーバ100は、プリンタ10の印刷枚数を管理して、プリンタ10のユーザにサブスクリプションサービスを提供することができる。
【0047】
(ケースB-1;図5
続いて、図5を参照して、図2の処理によって実現されるケースを説明する。
【0048】
端末装置50の汎用ドライバ52は、T150において、ユーザから印刷操作を受け付けると、印刷実行指示を生成し、T152において、印刷実行指示をプリンタ10に送信する。当該印刷実行指示のヘッダ部は、文字列「V1」を含まない。
【0049】
プリンタ10は、T152において、印刷実行指示を受信すると(図2のS10でNO)、T154において、印刷実行指示に従って印刷処理を実行する。本ケースでは、プリンタ10は、加入済み情報を記憶していない(S12でNO)。このため、プリンタ10は、T160において、シリアル番号SN1とモデル名MN1とをサーバ100に送信する(S20)。
【0050】
サーバ100は、T160において、プリンタ10からシリアル番号SN1とモデル名MN1とを受信すると、T162において、PINコード「2345」を生成し、シリアル番号SN1とモデル名MN1とPINコード「2345」とを関連付けてメモリ134に記憶する。この場合、サーバ100は、T170において、PINコード「2345」を含むURL81をプリンタ10に送信する。
【0051】
プリンタ10は、T170において、サーバ100からURL81を受信すると(S22)、T180において、メモリ34内のメールアドレス「aaa@abc.com」を宛先として、URL81を含むサービス加入メールM1を送信する(S30)。
【0052】
ユーザは、メールアドレス「aaa@abc.com」を宛先として送信される電子メールを受信するためのメール設定を端末装置50に予め記憶させている。このため、端末装置50は、T180において、プリンタ10からサービス加入メールM1を受信する。この場合、端末装置50は、T182において、図示省略のメーラプログラムを利用して、サービス加入メールM1を表示する。端末装置50は、T190において、ユーザから、サービス加入メールM1に含まれるURL81の選択を受け付ける。この場合、端末装置50は、T192において、URL81を含むアクセス要求をサーバ100に送信する。
【0053】
サーバ100は、T192において、端末装置50からURL81を受信すると、URL81に含まれるPINコード「2345」を取得する。これにより、サーバ100は、PINコード「2345」に関連付けられているシリアル番号SN1及びモデル名MN1(T162参照)を特定することができる。
【0054】
端末装置50は、T200において、ユーザからアカウント情報AI1の入力を受け付ける。この場合、端末装置50は、T202において、アカウント情報AI1をサーバ100に送信する。その後の処理は、図3のT70~T82及び図4のT90~T142と同様である。これにより、ユーザは、サブスクリプションサービスのプランAに加入することができる。
【0055】
(本実施例の効果)
プリンタ10は、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものである場合(図2のS10でNO)に、サービス加入メールM1を送信する(S30)。これにより、プリンタ10は、汎用ドライバ52を利用して印刷をプリンタ10に実行させるユーザに対して、サブスクリプションサービスへの加入を適切に促すことができる。即ち、プリンタ10は、サービスのためのオファリングを適切に実行することができる。
【0056】
なお、フローチャート及びシーケンスには示していないが、プリンタ10は、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものであり、かつ、ユーザがサブスクリプションサービスにまだ加入していない場合には、印刷処理を完了すると、サービスへの加入を促す通知を専用ドライバ54に送信する。これにより、プリンタ10は、サービスのためのオファリングを実行することができる。従って、プリンタ10は、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合(S10でYES)に、サービス加入メールM1を送信しない。ユーザが、専用ドライバ54経由でのオファリングを受けることができるので、サービス加入メールM1の受信を煩わしいと感じる可能性があるからである。
【0057】
また、プリンタ10は、汎用ドライバ52によって生成された印刷実行指示を受信する場合(S10でNO)に、サブスクリプションサービスに加入するのに必要な情報であるシリアル番号SN1及びモデル名MN1をサーバ100に送信する(S20)。このため、IPアドレスの入力(図3のT10参照)が必要な図3のケースに比べると、ユーザは、シリアル番号SN1とモデル名MN1とをサーバ100に容易に登録することができる。
【0058】
また、プリンタ10は、サーバ100から、PINコード「2345」を含むURL81を受信し(S22)、メールアドレス「aaa@abc.com」を宛先として、URL81を含むサービス加入メールM1を送信する(S30)。即ち、URL81には、PINコード「2345」に対応付けられるシリアル番号SN1及びモデル名MN1が含まれず、この結果、サービス加入メールM1にも、シリアル番号SN1及びモデル名MN1が含まれない。このため、シリアル番号SN1及びモデル名MN1が漏洩するリスクを低減することができる。
【0059】
(対応関係)
メールアドレス「aaa@abc.com」が、「送信先情報」の一例である。サービス加入メールM1が、「所定情報」の一例である。URL81が、「第1のURL」の一例である。サブスクリプションサービスが、「プリンタに関係するサービス」の一例である。PINコード「2345」が、「認証情報」の一例である。シリアル番号SN1が、「固有の識別情報」の一例である。
【0060】
図5のT154が、「印刷制御部」によって実行される処理の一例である。S30が、「送信部」によって実行される処理の一例である。S10が、「判断部」によって実行される処理の一例である。S20が、「プリンタ関連情報送信部」によって実行される処理の一例である。S22が、「第1の受信部」によって実行される処理の一例である。
【0061】
(第2実施例)
続いて、第2実施例のプリンタ10を説明する。本実施例のプリンタ10は、図2のS10の処理が異なる点を除いて、第1実施例のプリンタ10と同様である。
【0062】
CPU32は、図2のS10において、印刷実行指示の送信先ポート番号が「631」以外の所定番号であるか否かを判断する。ここで、ポート番号「631」は、上述したIPP方式に従った通信に利用されるポート番号である。従って、ポート番号が「631」であるということは、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものであることを意味する。ポート番号が「631」以外の所定番号(即ちIPPとは異なるプロトコルに従った通信に利用されるポート番号)であるということは、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものであることを意味する。CPU32は、印刷実行指示の送信先ポート番号(即ちプロトコル)に基づいて、印刷実行指示が、専用ドライバ54によって生成されたものであるのか、汎用ドライバ52によって生成されたものであるのか、を適切に判断することができる。
【0063】
CPU32は、送信先ポート番号が「631」以外の所定番号である場合、即ち、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合に、S10でYESと判断して、図2の処理を終了する。一方、CPU32は、送信先ポート番号が「631」である場合、即ち、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものである場合に、S10でNOと判断して、S12に進む。
【0064】
(第3実施例)
本実施例のプリンタ10は、図2のS22及びS30の処理が異なる点を除いて、第1実施例と同様である。
【0065】
CPU32は、S22において、サーバ100から、PINコードを含むURLに代えて、シリアル番号SN1とモデル名MN1とを含むURLを受信する。この場合、S30において、CPU32は、メモリ34内のメールアドレス「aaa@abc.com」を宛先として、サービス加入メールM1を送信する。本実施例のサービス加入メールM1は、URL81に代えてURL82を含む。URL82は、サーバ100の位置情報とシリアル番号SN1とモデル名MN1とを含む。
【0066】
(ケースB-2;図6
続いて、図6を参照して、本実施例の図2の処理によって実現されるケースを説明する。T250~T260の処理は、図5のT150~T160の処理と同様である。
【0067】
サーバ100は、T260において、プリンタ10からシリアル番号SN1とモデル名MN1とを受信すると、T270において、シリアル番号SN1とモデル名MN1とを含むURL82をプリンタ10に送信する。
【0068】
プリンタ10は、T270において、サーバ100からURL82を受信すると(S22)、T280において、メールアドレス「aaa@abc.com」を宛先として、URL82を含むサービス加入メールM1を送信する(S30)。
【0069】
端末装置50は、T280において、プリンタ10からサービス加入メールM1を受信すると、サービス加入メールM1を表示する。さらに、端末装置50は、T290において、サービス加入メールM1に含まれるURL82の選択を受け付ける。これにより、端末装置50は、T292において、URL82を含むアクセス要求をサーバ100に送信する。URL82がシリアル番号SN1及びモデル名MN1を含むので、ユーザは、シリアル番号SN1及びモデル名MN1を入力しなくても、シリアル番号SN1及びモデル名MN1をサーバ100に送信することができる。
【0070】
サーバ100は、T292において、端末装置50からURL82を受信すると、URL82に含まれるシリアル番号SN1とモデル名MN1とを取得する。これにより、サーバ100は、シリアル番号SN1及びモデル名MN1(図6のT260参照)を特定することができる。
【0071】
端末装置50は、T300において、ユーザからアカウント情報AI1の入力を受け付け、T302において、アカウント情報AI1をサーバ100に送信する。その後の処理は、図3のT70~T82及び図4のT90~T142と同様である。これにより、ユーザは、サブスクリプションサービスのプランAに加入することができる。本実施例では、URL82が、「第2のURL」の一例である。また、S22が、「第2の受信部」によって実行される処理の一例である。
【0072】
(第4実施例)
本実施例のプリンタ10は、メモリ34にメールアドレス「aaa@abc.com」が記憶されていない点と、図2のS30の処理が異なる点と、を除いて、第1実施例と同様である。
【0073】
S30において、CPU32は、印刷実行指示の送信元のIPアドレスを利用して、サービス画面を表わすサービス画面データD1を端末装置50に送信する。サービス画面は、サブスクリプションサービスへの加入を促すメッセージを含む。
【0074】
(ケースB-4;図7
続いて、図7を参照して、本実施例の図2の処理によって実現されるケースを説明する。T350~T370の処理は、図5のT150~T170の処理と同様である。
【0075】
プリンタ10は、T370において、サーバ100からPINコード「2345」を含むURL81を受信すると(S22)、T372において、URL81を含むサービス画面データD1を生成する。次いで、プリンタ10は、T380において、印刷実行指示の送信元のIPアドレスを利用して、サービス画面データD1を端末装置50に送信する(S30)。なお、変形例では、プリンタ10は、T370において、サーバ100からサービス画面データD1を受信してもよい。この場合、プリンタ10は、サービス画面データD1を生成することなく、T380において、サービス画面データD1を端末装置50に送信する。
【0076】
端末装置50は、T380において、プリンタ10からサービス画面データD1を受信すると、T382において、サービス画面データD1を端末装置50のウェブブラウザに供給する。これにより、端末装置50のウェブブラウザは、サービス画面SC4を表示する。
【0077】
サービス画面SC4は、サブスクリプションサービスへの加入を促すメッセージと、サブスクリプションサービスの仮登録を実行するためのNEXTボタンと、を含む。ウェブブラウザは、T390において、サービス画面SC4に含まれるNEXTボタンの選択を受け付ける。この場合、ウェブブラウザは、T392において、サービス画面データD1に含まれるURL81を含むアクセス要求をサーバ100に送信する。
【0078】
端末装置50は、T400において、ユーザからアカウント情報AI1の入力を受け付け、T402において、アカウント情報AI1をサーバ100に送信する。その後の処理は、図3のT70~T82及び図4のT90~T142と同様である。これにより、ユーザは、サブスクリプションサービスのプランAに加入することができる。本実施例では、プリンタ10は、印刷実行指示の送信元のIPアドレスを利用して、サービス画面データD1を端末装置50に送信する。このため、メモリ34がユーザのメールアドレスを記憶せずに済む。また、サービス画面SC4が端末装置50のウェブブラウザに自動的に表示されるので、ユーザは、端末装置50において、メーラプログラムを起動させる操作を実行せずに済む。本実施例では、サービス画面SC4が、「ウェブページ」の一例であり、サービス画面データD1が、「ウェブページデータ」の一例である。
【0079】
(第5実施例)
本実施例のプリンタ10は、メモリ34にメールアドレス「aaa@abc.com」が記憶されていない点と、図2のS30の処理が異なる点と、を除いて、第1実施例と同様である。
【0080】
S30において、CPU32は、印刷実行指示の送信元のIPアドレスを利用して、URL83を端末装置50に送信する。本実施例では、URL83は、サーバ100内のサービス画面データD1(図7参照)の位置を示す。変形例では、URL83は、サーバ100とは異なるサーバ内の位置を示してもよい。
【0081】
(ケースB-3;図8
続いて、図8を参照して、本実施例の図2の処理によって実現されるケースを説明する。T450~T462の処理は、図5のT150~T162の処理と同様である。
【0082】
サーバ100は、T462において、PINコード「2345」を生成すると、シリアル番号SN1とモデル名MN1とPINコード「2345」とを関連付けてメモリ134に記憶した後、T470において、URL83をプリンタ10に送信する。URL83は、サービス画面データD1の位置を示し、PINコード「2345」を含む。
【0083】
プリンタ10は、T470において、サーバ100からURL83を受信すると(S22)、T480において、印刷実行指示の送信元のIPアドレスを利用して、URL83を端末装置50に送信する(S30)。なお、変形例では、プリンタ10は、T470において、サーバ100からPINコード「2345」のみを受信し、PINコード「2345」を含むURL83を生成し、T480において、生成済みのURL83を端末装置50に送信してもよい。
【0084】
端末装置50は、T480において、プリンタ10からURL83を受信すると、URL83を端末装置50のウェブブラウザに供給する。これにより、ウェブブラウザは、T490において、URL83をサーバ100に送信し、T492において、サーバ100から、URL83によって示される位置に存在するサービス画面データD1を受信する。サービス画面データD1は、PINコード「2345」を含むURL81を含む。ウェブブラウザは、T494において、サービス画面SC4(図7参照)を表示する。
【0085】
T500~T512の処理は、図7のT390~T402と同様である。その後の処理は、図3のT70~T82及び図4のT90~T142と同様である。これにより、ユーザは、サブスクリプションサービスのプランAに加入することができる。本実施例では、URL83が、「サービスへの加入に関するウェブページの位置を示すURL」の一例である。
【0086】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0087】
(変形例1)プリンタ10は、サービス加入メールM1を送信することに代えて、メッセージ、写真、動画等の通信を実現するための通信アプリケーションを利用して、サブスクリプションサービスへの加入を促すメッセージを端末装置50に送信してもよい。その場合、プリンタ10のメモリ34は、メールアドレス「aaa@abc.com」に代えて、上記の通信アプリでの通信を端末装置50と実行するための識別情報を記憶する。本変形例では、当該識別情報が、「送信先情報」の一例である。また、プリンタ10が電話回線に接続可能である場合には、プリンタ10のメモリ34は、メールアドレス「aaa@abc.com」に代えて、ユーザの携帯電話の電話番号を記憶してもよい。その場合、プリンタ10は、当該電話番号を利用して、サブスクリプションサービスへの加入を促すショートメッセージを送信してもよい。本変形例では、電話番号が、「送信先情報」の一例である。
【0088】
(変形例2)「サービス」は、上記の実施例のサービスに限られない。例えば、「サービス」は、プリンタ10に装着可能な色材カートリッジを自動的に発送するサービスであってもよいし、印刷画像のための特別な画像処理を提供するサービスであってもよい。
【0089】
(変形例3)CPU32は、図2のS12の処理を実行しなくてもよい。一般的に言うと、表示制御部は、端末装置から印刷実行指示が受信され、かつ、印刷実行指示が汎用ドライバによって生成されたものである場合に、加入済み情報がメモリに記憶されているか否かにかかわらず、所定画面を表示部に表示してもよい。
【0090】
(変形例4)CPU32は、図2のS20の処理を実行しなくてもよい。本変形例では、S22の処理は実行されず、サービス加入メールM1は、URL81を含まなくてもよい。本変形例では、「プリンタ関連情報送信部」、「第1の受信部」、及び「第2の受信部」は省略可能である。
【0091】
(変形例5)CPU32は、図2のS30において、シリアル番号SN1とモデル名MN1とのうち、いずれか一方のみをサーバ100に送信してもよい。また、CPU32は、シリアル番号SN1及びモデル名MN1のどちらもサーバ100に送信せず、例えば、プリンタ10に予め登録されているユーザ情報(例えば氏名、住所等)をサーバ100に送信してもよい。本変形例では、ユーザ情報が「プリンタ関連情報」の一例である。
【0092】
(変形例6)図7のサービス画面SC4は、サブスクリプションサービスへの加入を促すメッセージを含まなくてもよい。一般的に言うと、所定情報は、サービスへの加入に関するメッセージを含まなくてもよい。
【0093】
(変形例7)上記の実施例では、CPU32がプログラム36を実行することによって、図2図5及び図6の各処理が実現される。これに代えて、図2図5及び図6のいずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0094】
(変形例8)上記の実施例では、プリンタ10が、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものである場合にサービス加入メールM1を送信し、プリンタ10が、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合はサービス加入メールM1を送信しない例を説明した。しかしながら、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合であっても、プリンタ10がサービス加入メールM1を送信してもよい。ユーザが専用ドライバ54経由でのオファリングを受けない場合には、プリンタ10がサービス加入メールM1を送信することで、ユーザに対してサービスを適切にオファーすることができる。また、ユーザが専用ドライバ54経由でのオファリングを受ける場合であっても、ユーザがプリンタ10によるサービス加入メールM1の送信を望む場合もある。つまり、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合であっても、プリンタ10はプリンタに関係するサービスへの加入に関する所定情報を外部に送信してもよい。
【0095】
(変形例9)上記の実施例では、プリンタ10が、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものである場合にサービス画面データD1を端末装置50に送信し、プリンタ10が、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合はサービス画面データD1を端末装置50に送信しない例を説明した。しかしながら、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合であっても、プリンタ10がサービス画面データD1を端末装置50に送信してもよい。ユーザが専用ドライバ54経由でのオファリングを受けない場合には、サービス画面データD1を端末装置50に送信することで、ユーザに対してサービスを適切にオファーすることができる。また、ユーザが専用ドライバ54経由でのオファリングを受ける場合であっても、ユーザがプリンタ10によるサービス画面データD1の端末装置50への送信を望む場合もある。
【0096】
(変形例10)上記の実施例では、プリンタ10が、印刷実行指示が汎用ドライバ52によって生成されたものである場合にURL83を端末装置50に送信し、プリンタ10が、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合はURL83を端末装置50に送信しない例を説明した。しかしながら、印刷実行指示が専用ドライバ54によって生成されたものである場合であっても、プリンタ10がURL83を端末装置50に送信してもよい。ユーザが専用ドライバ54経由でのオファリングを受けない場合には、プリンタ10がURL83を端末装置50に送信することで、ユーザに対してサービスを適切にオファーすることができる。また、ユーザが専用ドライバ54経由でのオファリングを受ける場合であっても、ユーザがプリンタ10によるURL83の端末装置50への送信を望む場合もある。
【0097】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0098】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
プリンタであって、
印刷実行部と、
端末装置から印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示に従って画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が、前記プリンタのベンダによって提供されない汎用ドライバによって生成されたものである場合に、前記プリンタに関係するサービスへの加入に関する所定情報に送信する送信部と、
を備える、プリンタ。
(項目2)
前記送信部は、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が、前記プリンタの前記ベンダによって提供される専用ドライバによって生成されたものである場合に、前記所定情報を送信しない、
項目1に記載のプリンタ。
(項目3)
前記プリンタは、さらに、
前記プリンタを利用する個人又は企業が前記サービスに加入済みであることを示す加入済み情報を記憶可能に構成されるメモリを備え、
前記送信部は、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであり、かつ、前記加入済み情報が前記メモリに記憶されていない場合に、前記所定情報を外部に送信し、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信され、かつ、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであり、かつ、前記加入済み情報が前記メモリに記憶されている場合に、前記所定情報を送信しない、
項目2に記載のプリンタ。
(項目4)
前記プリンタは、さらに、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示が、前記汎用ドライバによって生成されたものであるのか、前記専用ドライバによって生成されたものであるのか、を判断する判断部を備え、
前記判断部は、
前記印刷実行指示が前記ベンダに対応する所定の文字列を含まない場合に、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであると判断し、
前記印刷実行指示が前記所定の文字列を含む場合に、前記印刷実行指示が前記専用ドライバによって生成されたものであると判断する、
項目1から3のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目5)
前記プリンタは、さらに、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信される場合に、前記印刷実行指示が、前記汎用ドライバによって生成されたものであるのか、前記専用ドライバによって生成されたものであるのか、を判断する判断部を備え、
前記判断部は、
前記印刷実行指示が第1のプロトコルに従った指示である場合に、前記印刷実行指示が前記汎用ドライバによって生成されたものであると判断し、
前記印刷実行指示が前記第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従った指示である場合に、前記印刷実行指示が前記専用ドライバによって生成されたものであると判断する、
項目1から4のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目6)
前記プリンタは、さらに、
前記端末装置から前記印刷実行指示が受信される場合に、前記プリンタに関連するプリンタ関連情報をサーバに送信するプリンタ関連情報送信部を備える、項目1から5のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目7)
前記プリンタ関連情報が前記サーバに送信される場合に、前記サーバでは、前記プリンタ関連情報と認証情報とが関連付けて記憶され、
前記プリンタは、さらに、
前記サーバから、前記認証情報を含む第1のUniform Resource Locator(URL)を受信する第1の受信部を備え、
前記所定情報は、前記第1のURLを含む、項目6に記載のプリンタ。
(項目8)
前記プリンタは、さらに、
前記サーバから、前記プリンタ関連情報を含む第2のUniform Resource Locator(URL)を受信する第2の受信部を備え、
前記所定情報は、前記第2のURLを含む、項目6または7に記載のプリンタ。
(項目9)
前記プリンタ関連情報は、前記プリンタを識別するための固有の識別情報を含む、項目6から8のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目10)
前記プリンタ関連情報は、前記プリンタのモデル名を含む、項目6から9のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目11)
前記プリンタは、さらに、メールアドレスを記憶可能に構成されているメモリを備え、
前記送信部は、前記メモリ内の前記メールアドレスを宛先として前記所定情報を外部に送信する、項目1から10のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目12)
前記送信部は、前記所定情報を前記端末装置に送信する、項目1に記載のプリンタ。
(項目13)
前記所定情報は、前記サービスへの加入に関するウェブページを表わすウェブページデータを含む、項目12に記載のプリンタ。
(項目14)
前記所定情報は、前記サービスへの加入に関するメッセージを含む、項目1から13のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目15)
前記所定情報は、前記サービスへの加入に関するウェブページの位置を示すUniform Resource Locator(URL)を含む、項目1から14のいずれか一項に記載のプリンタ。
【符号の説明】
【0099】
2:通信システム、6:LAN、8:インターネット、10:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:LANI/F、18:印刷実行部、30,130:制御部、32,132:CPU、34,134:メモリ、36,136:プログラム、50:端末装置、52:汎用ドライバ、54:専用ドライバ、81,82:URL、100:サーバ、AI1:アカウント情報、D1:サービス画面データ、M1:サービス加入メール、MN1:モデル名、SC1:PINコード入力画面、SC2:プラン情報画面、SC3:ユーザ情報入力画面、SC4:サービス画面、SN1:シリアル番号、U1:ユーザ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8