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特開2024-147493電流伝達エレメント並びに電流伝達エレメントを備える電気機械及び風力タービン
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  • 特開-電流伝達エレメント並びに電流伝達エレメントを備える電気機械及び風力タービン 図1
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  • 特開-電流伝達エレメント並びに電流伝達エレメントを備える電気機械及び風力タービン 図5a
  • 特開-電流伝達エレメント並びに電流伝達エレメントを備える電気機械及び風力タービン 図5b
  • 特開-電流伝達エレメント並びに電流伝達エレメントを備える電気機械及び風力タービン 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147493
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】電流伝達エレメント並びに電流伝達エレメントを備える電気機械及び風力タービン
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/40 20160101AFI20241008BHJP
   F03D 80/30 20160101ALI20241008BHJP
   H05F 3/04 20060101ALI20241008BHJP
   H05F 3/02 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H02K11/40
F03D80/30
H05F3/04 G
H05F3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024024163
(22)【出願日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】23382208.9
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513131419
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック レノバブレス エスパーニャ, エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】ホアン・サンチェス・アラーコン
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスカ・カペリ
(57)【要約】
【課題】電気機械において、変形及び運動による電流伝達エレメントと回転子の間の距離の変動の問題を解決する。
【解決手段】機械の第1の部品(300)に装着されるように構成された電流伝達エレメント(100)を提供する。機械は、第1の部品に対して回転するように構成された第2の部品(200)を備えており、第2の部品は導電体を含む。電流伝達エレメント(100)は、遊動式導体アセンブリと支持体(120)とを備えており、遊動式導体アセンブリは、支持体(120)に弾性連結された遊動式シャーシ(111)を備えており、遊動式シャーシは、第2の部品(200)に接触するように構成されたローラ(112)上に配置され、かつ第2の部品(200)の導電体から電流を伝達するように構成された遊動式導体(113)を担持する。遊動式導体アセンブリを含む発電機及び電気機械、並びにかかる発電機を含む直接駆動風力タービンも提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の第1の部品(300)に装着されるように構成された電流伝達エレメント(100)であって、前記機械が、第1の部品に対して回転するように構成された第2の部品(200)を備えており、第2の部品が導電体を含んでおり、
当該電流伝達エレメント(100)が、遊動式導体アセンブリと支持体(120)とを備えており、
前記遊動式導体アセンブリが、前記支持体(120)に弾性連結された遊動式シャーシ(111)を備えており、前記遊動式シャーシが、第2の部品(200)に接触するように構成されたローラ(112)上に配置され、かつ第2の部品(200)の導電体から電流を伝達するように構成された遊動式導体(113)を担持する、電流伝達エレメント(100)。
【請求項2】
前記ローラ(112)が、実質的に非導電性の材料で作られている、請求項1に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項3】
前記遊動式導体(113)が接地システムの一部である、請求項1又は請求項2に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項4】
前記遊動式導体(113)が避雷システムの一部である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項5】
前記遊動式導体(113)が、カーボンブラシ又はスパークギャップの少なくとも一方である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項6】
前記遊動式導体(113)が、平行に配置された2以上の導電体を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項7】
前記遊動式シャーシ(111)が、少なくとも電気絶縁体(115)を介して前記遊動式導体(113)に取り付けられている、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項8】
前記遊動式シャーシ(111)が、バネ及び油圧式ショックアブソーバの一方を介して前記支持体(120)に弾性連結されている、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項9】
前記遊動式シャーシ(111)が、2つの遊動式導体(113)を担持する、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項10】
前記遊動式導体(113)が、第2の部品(200)の導電体から接地に電流を伝達するように構成されている、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項11】
第1の部品(300)が電気機械の固定子であり、第2の部品(200)が前記電気機械の回転子である、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電流伝達エレメント(100)。
【請求項12】
固定子、回転子及び固定子と回転子の間に半径方向に配置されたエアギャップを備える電気機械であって、
前記固定子が、請求項11に記載の電流伝達エレメント(100)を備える、電気機械。
【請求項13】
前記遊動式導体(113)が、軸方向に延在して前記回転子に接触するカーボンブラシであるか、或いは、前記遊動式導体(113)が、前記回転子のスパークギャップの第2の電極から軸方向に隔てられたスパークギャップの第1の電極である、請求項12に記載の電気機械。
【請求項14】
当該電気機械が発電機である、請求項12又は請求項13に記載の電気機械。
【請求項15】
請求項14に記載の発電機を備える直接駆動風力タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電流伝達エレメント並びにかかるエレメントを含む電気機械及び風力タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
モータ及び発電機のような電気機械は、一般に、固定子構造に対して回転する回転子構造を備える。かかる発電機は、例えば風力タービンに使用し得る。
【0003】
回転子は内部構造体であり、固定子は外部構造体である。この場合の固定子は、回転子を半径方向に取り囲んでいてもよい。或いは、構成はこれと逆であってもよく、回転子が固定子を半径方向に取り囲んでいてもよい。
【0004】
様々な状況下で回転子から固定子への電流伝達が必要とされることがある。例えば、落雷の場合、機械部品の損傷を回避し、機械の正しい機能を担保するために、回転子から固定子への、さらに風力タービンのタワーの下方への電流経路を設ける必要があることがある。この目的には、スパークギャップ又はカーボンブラシを使用し得る。
【0005】
接地システムを用いて、電気機械の回転子を大地に電気的に接続して、電気的に接地した構成要素を通して不要な静電気などを放電するための経路を与えることが知られている。この目的には、カーボンブラシを使用できる。
【0006】
場合によっては、接地システムを構成する電気機械は、変形及び望ましくない運動に付されることがある。これらの運動及び変形は、電気機械に慎重に取り付けられた電流伝達エレメントと回転子の間の距離に影響を与えかねない。その結果、電流伝達エレメントの正しい機能、ひいては接地システム全体の機能に影響を与えかねない。
【0007】
かかる問題は、例えば直接駆動風力タービン発電機で発生するおそれがある。直接駆動発電機は非常に大きな電気機械であるが、スパークギャップ素子間の距離は好ましくは非常に小さい。たとえ小さな変形及び運動(突風その他の部品負荷などに起因するもの)であっても、問題を生じかねない。ただし、同様の問題は、他の電気機械(特に大型電気機械、とりわけ大きな外部負荷に付される大型電気機械)でも起こりかねない。
【0008】
本開示は、上述の短所の幾つかを少なくとも部分的に解決するための方法及び装置を提供する。
【発明の概要】
【0009】
本開示技術の態様では、電流伝達エレメントを提供する。電流伝達エレメントは、機械の第1の部品に装着されるように構成されており、機械は、第1の部品に対して回転するように構成された第2の部品を備えており、第2の部品は導電体を含む。電流伝達エレメントは、遊動式導体アセンブリと支持体とを備える。さらに、遊動式導体アセンブリは、支持体に弾性連結された遊動式シャーシを備える。遊動式シャーシは、第2の部品に接触するように構成されたローラ上に配置される。遊動式シャーシは、第2の部品の導電体から電流を伝達するように構成された遊動式導体を担持する。
【0010】
この態様では、遊動式導体アセンブリと第2の部品の間の調整可能な接触圧力が達成され、遊動式導体と第2の部品の間の距離を維持し得る。第2の部品の位置は、作動中に変化し得る。第2の部品に接触するように構成されたローラ上に配置され、かつ支持体に弾性連結された遊動式シャーシを設けることによって、第2の部品の運動に伴って電流伝達エレメントの位置を調整することができる。すると、最適な距離を維持することができる。
【0011】
別の態様では、固定子、回転子、及び固定子と回転子の間に半径方向に配置されたエアギャップを備える電気機械を提供する。固定子は、回転子から固定子に電流を流すように構成された電流伝達エレメントを備える。電流伝達エレメントは、回転子に接触するように構成されたローラと、ローラに担持され、かつ固定子に弾性連結された遊動式シャーシとを備える。遊動式シャーシは、回転子から固定子に電流を伝達するように構成された遊動式導体を担持する。
【0012】
本開示技術の別の態様では、固定子、回転子、及び固定子と回転子の間に半径方向に配置されたエアギャップを備える直接駆動風力タービン発電機を提供する。固定子は、回転子から固定子に電流を流すように構成された電流伝達エレメントを備える。電流伝達エレメントは、回転子に接触するように構成されたローラと、ローラに担持され、かつ固定子に弾性連結された遊動式シャーシとを備える。遊動式シャーシは、回転子から固定子に電流を伝達するように構成された遊動式導体を担持する。
【0013】
本開示技術の実施形態のその他の目的、利点及び特徴については、以下の詳細な説明から当業者には明らかとなろうし、或いは本技術の実施を通して習得できるものもあろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】風力タービンの一例の概略斜視図。
図2】風力タービンのハブ及びナセルの一例を示す図。
図3】本開示技術に係る電流伝達エレメントの一例の概略斜視図。
図4】電流伝達エレメントの別の例の概略斜視図。
図5a図4の電流伝達エレメントを備える電気機械の概略図。
図5b図5aに示す電気機械に取り付けられた電流伝達エレメント100のうちの1つの拡大概略斜視図。
図6】本開示技術に従って機械に電流伝達エレメントを取り付ける方法の一例のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示技術の様々な実施形態について詳細に説明し、その1以上の実施例を図面に示す。各実施例は、本技術を限定するものではなく、例示のためのものである。実際、特許請求の範囲に記載された技術的範囲及び技術的思想を逸脱することなく、本技術に様々な修正及び変更をなし得ることは当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として例示又は記載された特徴を、別の実施形態と共に用いてさらに別の実施形態とすることができる。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲に属する修正及び変更を包含する。
【0016】
図1は、風力タービン10の一例の斜視図である。この例では、風力タービン10は水平軸風力タービンである。或いは、風力タービン10は、垂直軸風力タービンであってもよい。この例では、風力タービン10は、地表面12の支持システム14から延在するタワー15と、タワー15に取り付けられたナセル16と、ナセル16に結合したロータ18とを含む。ロータ18は、回転可能なハブ20と、ハブ20に結合しかつハブ20から外側に延在する1枚以上のロータブレード22とを含む。この例では、ロータ18は3枚のロータブレード22を有する。別の実施形態では、ロータ18は、3枚未満又は3枚超のロータブレード22を含む。タワー15は、支持システム14とナセル16の間の空洞(図1には図示せず)を画成するための管状鋼から製造し得る。別の実施形態では、タワー15は、任意の適切な高さを有する任意の適切なタイプのタワーである。別の実施形態では、タワーは、コンクリート製部分と管状鋼部分とを含むハイブリッドタワーであってもよい。また、タワーは部分的又は完全な格子タワーであってもよい。
【0017】
ロータブレード22は、ロータ18を回転させて運動エネルギーを風から使用可能な機械的エネルギー、ひいては電気エネルギーへと伝達できるように、ハブ20の周りに離間して配置される。ロータブレード22は、ブレード根元部24を複数の荷重伝達領域26でハブ20に結合することによってハブ20に連結される。荷重伝達領域26は、ハブ荷重伝達領域及びブレード荷重伝達領域(いずれも図1には図示せず)を有していてもよい。ロータブレード22で惹起された荷重は、荷重伝達領域26を介してハブ20に伝達される。
【0018】
幾つかの例では、ロータブレード22は、約15m~約90m以上の範囲の長さを有し得る。ロータブレード22は、本明細書に記載の機能を風力タービン10が発揮し得る任意の適切な長さを有し得る。例えば、ブレード長の非限定的な例として、20m以下、37m、48.7m、50.2m、52.2m又は91m超の長さが挙げられる。風向28からロータブレード22に風が当たると、ロータ18はロータ軸30の周りで回転する。ロータブレード22が回転して遠心力を受けると、ロータブレード22にも様々な力及びモーメントが加わる。そこで、ロータブレード22は、中立又は非撓み位置から撓み位置まで撓む及び/又は回転し得る。
【0019】
さらに、ロータブレード22のピッチ角(すなわち風向に対するロータブレード22の向きを定める角度)は、風ベクトルに対する1以上のロータブレード22の角度位置の調整によって風力タービン10で発生する荷重及び電力を制御するためのピッチシステム32によって変更し得る。ロータブレード22のピッチ軸34が示してある。風力タービン10の運転中、ピッチシステム32は、特にロータブレード(の部分)の迎角が小さくなるようにロータブレード22のピッチ角を変化させることができ、回転速度の低下を促進し、及び/又はロータ18の失速を促進する。
【0020】
この例では、各ロータブレード22のブレードピッチは、風力タービンコントローラ36又はピッチ制御システム80によって個々に制御される。或いは、全てのロータブレード22に対するブレードピッチは、制御システムによって同時に制御してもよい。
【0021】
また、この例では、風向28の変化に伴って、ロータブレード22を風向28に対して位置付けるため、ナセル16のヨー方向をヨー軸38の周りで回転させてもよい。
【0022】
この例では、風力タービンコントローラ36は、ナセル16内に集中化したものとして示してあるが、風力タービンコントローラ36は、風力タービン10全体、支持システム14上、風力発電所内及び/又は遠隔制御センターにおける分散システムとしてもよい。風力タービンコントローラ36は、本明細書に記載の方法及び/又はステップを実行するように構成されたプロセッサ40を含む。さらに、本明細書に記載の他の部品の多くは、プロセッサを含む。
【0023】
本明細書で用いる「プロセッサ」という用語は、当技術分野でコンピュータと呼ばれる集積回路に限定されず、広義に、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路その他のプログラマブル回路をいい、これらの用語は、本明細書で互換的に用いられる。プロセッサ及び/又は制御システムは、メモリ、入力チャネル及び/又は出力チャネルも含むことができる。
【0024】
図2は、風力タービン10の一部の拡大断面図である。この例では、風力タービン10は、ナセル16と、ナセル16に回転可能に結合したロータ18とを含む。さらに具体的には、ロータ18のハブ20は、主軸44、ギアボックス46、高速軸48及びカップリング50によってナセル16内に位置する電動発電機42に回転可能に結合している。この例では、主軸44は、ナセル16の長手軸(図示せず)に対して少なくとも部分的に同軸に配置されている。主軸44の回転はギアボックス46を駆動し、次いでギアボックス46はロータ18及び主軸44の比較的遅い回転運動を高速軸48の比較的速い回転運動に変換することによって高速軸48を駆動する。後者は、カップリング50によって電気エネルギーを生成するための発電機42に接続されている。さらに、400V~1000Vの間の電圧を有する発電機42によって生成された電気エネルギーを中電圧(10~35KV)の電気エネルギーに変換するために、変圧器90及び/又は適切な電子機器、スイッチ、及び/又はインバータがナセル16内に配置されることもある。電気エネルギーは、ナセル16からタワー15へ電力ケーブルを介して伝導される。
【0025】
ギアボックス46、発電機42及び変圧器90は、ナセル16の主支持構造フレームによって支持してもよく、適宜メインフレーム52として具現化される。ギアボックス46は、1以上のトルクアーム103によってメインフレーム52に接続されたギアボックスハウジングを含んでいてもよい。この例では、ナセル16は、主前方支持軸受60及び主後方支持軸受62も含む。さらに、発電機42は、特に発電機42の振動がメインフレーム52に導入され、それによって騒音発生源となるのを防止するために、デカップリング支持手段54によってメインフレーム52に取り付けることができる。
【0026】
適宜、メインフレーム52は、ロータ18及びナセル16の部品の重量並びに風及び回転荷重によって生じる全荷重を担持するように構成され、さらに、これらの荷重を風力タービン10のタワー15に導入する。ロータシャフト44、発電機42、ギアボックス46、高速軸48、カップリング50、並びに限定されるものではないが、支持体52、前方支持軸受60及び後方支持軸受62を始めとする関連する締結、支持、及び/又は固定装置は、駆動トレイン64と呼ばれることもある。
【0027】
幾つかの例では、風力タービンは、ギアボックス46のない直接駆動風力タービンであってもよい。発電機42は、直接駆動風力タービンにおけるロータ18と同じ回転数で作動する。従って、それらは一般に、同程度の電力を供給するためのギアボックス46を有する風力タービンで使用される発電機よりもはるかに大きい直径を有する。
【0028】
ナセル16は、風向28に対するロータブレード22の全体的位置を制御するために、ヨー軸38の周りでナセル16、さらにはロータ18を回転させるために使用し得るヨー駆動機構56を含んでいてもよい。
【0029】
ナセル16を風向28に対して適切に位置決めするために、ナセル16は、風向計及び風速計を始めとする1以上の気象測定システム58を含んでいてもよい。気象測定システム58は、風向28及び/又は風速を始めとする情報を風力タービンコントローラ36に供給し得る。この例では、ピッチシステム32は、ピッチアセンブリ66としてハブ20内に少なくとも部分的に配置されている。ピッチアセンブリ66は、1以上のピッチ駆動システム68及び1以上のセンサ70を含む。各ピッチ駆動システム68は、ピッチ軸34に沿ってロータブレード22のピッチ角を変調するため各ロータブレード22(図1に示す)に結合している。図2には、3つのピッチ駆動システム68の1つだけを示す。
【0030】
この例では、ピッチアセンブリ66は、ハブ20に結合した1以上のピッチ軸受72と、ピッチ軸34の周りで各ロータブレード22を回転させるための各ロータブレード22(図1に示す)とを含む。ピッチ駆動システム68は、ピッチ駆動モータ74と、ピッチ駆動ギアボックス76と、ピッチ駆動ピニオン78とを備える。ピッチ駆動モータ74は、ピッチ駆動ギアボックス76に機械的な力を与えるようにピッチ駆動ギアボックス76に結合している。ピッチ駆動ギアボックス76はピッチ駆動ピニオン78に結合しており、ピッチ駆動ギアボックス76によってピッチ駆動ピニオン78が回転する。ピッチ軸受72はピッチ駆動ピニオン78に結合しており、ピッチ駆動ピニオン78の回転によってピッチ軸受72の回転を生じる。
【0031】
ピッチ駆動システム68は、風力タービンコントローラ36から1以上の信号を受信したときにロータブレード22のピッチ角を調整するため、風力タービンコントローラ36に連結している。この例では、ピッチ駆動モータ74は、ピッチアセンブリ66が本明細書に記載の通り機能できるようにする電力及び/又は油圧システムによって駆動される任意の適切なモータである。或いは、ピッチアセンブリ66は、任意の適切な構造、構成、配置並びに/或いは、限定されるものではないが、油圧シリンダ、バネ及び/又はサーボ機構などの部品を含んでいてもよい。ある実施形態では、ピッチ駆動モータ74は、ハブ20の回転慣性及び/又は風力タービン10の部品にエネルギーを供給する備蓄エネルギー源(図示せず)から抽出されるエネルギーによって駆動される。
【0032】
ピッチアセンブリ66は、特定の優先的状況及び/又はロータ18の過速度の場合に、風力タービンコントローラ36からの制御信号に従ってピッチ駆動システム68を制御するための1以上のピッチ制御システム80を含んでいてもよい。この例では、ピッチアセンブリ66は、風力タービンコントローラ36から独立してピッチ駆動システム68を制御するための各ピッチ駆動システム68に通信可能に結合した1以上のピッチ制御システム80を含む。この例では、ピッチ制御システム80は、ピッチ駆動システム68及びセンサ70に結合している。風力タービン10の正常運転中、風力タービンコントローラ36は、ロータブレード22のピッチ角を調整するようにピッチ駆動システム68を制御して得る。
【0033】
一実施形態では、例えば、電池及び電気キャパシタを含む電力発生器84は、ハブ20に又はハブ20内に配置され、センサ70、ピッチ制御システム80及びピッチ駆動システム68に電力源を提供するためこれらの部品に結合される。この例では、電力発生器84は、風力タービン10の運転中にピッチアセンブリ66に継続的な電力源を提供する。別の実施形態では、電力発生器84は、風力タービン10の電力喪失時にだけピッチアセンブリ66に電力を供給する。電力喪失事象としては、電力網の喪失又はディップ、風力タービン10の電気システムの誤作動、及び/又は風力タービンコントローラ36の故障が挙げられる。電力喪失の際に、電力発生器84は、ピッチアセンブリ66が電力喪失事象中も作動できるように、ピッチアセンブリ66に電力を供給するように作動する。
【0034】
この例では、ピッチ駆動システム68、センサ70、ピッチ制御システム80、ケーブル及び電力発生器84は、各々、ハブ20の内面88によって画成されるキャビティ86内に配置される。別の実施形態では、これらの部品は、ハブ20の外側屋根面に対して配置され、外側屋根面に直接的又は間接的に結合し得る。
【0035】
図3は、本開示技術の一例に係る電流伝達エレメント100の一例の概略斜視図を示す。電流伝達エレメント100は、機械の第1の部品に装着されるように構成されており、機械は、第1の部品に対して回転するように構成された第2の部品を備えており、第2の部品は導電体を含む。特に、図3は、遊動式導体アセンブリ及び支持体120を含む電流伝達エレメント100を示す。遊動式導体アセンブリは、支持体120に弾性連結され、ローラ112上に配置された遊動式シャーシ111を備える。ローラ112は、第2の部品に接触するように構成されている。遊動式シャーシ111は、遊動式導体113を担持する。遊動式導体113は、第2の部品の導電体から電流を流すように構成されている。
【0036】
支持体に弾性連結した遊動式シャーシを設けることによって、電流伝達エレメントの軸方向位置の調整、したがって遊動式導体と第2の部品の間の距離の調整が可能となる。機械の第2の部品は傾斜、又はその他の運動もしくは変形することがある。これらの運動は、電流の転送に影響を与えかねない。遊動式シャーシを支持体に弾性連結することによって、第2の部品が様々な種類の(望ましくない)運動を起こした場合であっても、機械の第2の部品から公称距離にとどまる電流伝達エレメントが得られる。顕著な運動又は変形の場合出会っても、電流伝達エレメントの損傷を回避できる。
【0037】
電流伝達エレメント100は、回転子と固定子とを備える電気機械に装着されるように構成し得る。したがって、電流伝達エレメントの支持体120は、電気機械の固定部品、すなわち固定子に装着されるように構成し得る。さらに、電流伝達エレメントのローラ112は、電気機械の回転子に接触するように構成し得る。すなわち、この例では、第1の部品は電気機械の固定子であってもよく、第2の部品は電気機械の回転子であってもよい。電気機械の回転子からの電流は電流伝達エレメントに伝達され、電流伝達エレメントによって電流は接地に伝達され、電気機械の損傷を防止することができる。
【0038】
別の例では、電流伝達エレメントの支持体120を電気機械の回転子に装着し、ローラ112を固定子に接触させてもよく、すなわち、第1の部品は回転子であってもよく、第2の部品は固定子であってもよい。
【0039】
幾つかの例では、遊動式シャーシ111は、実質的に直方体形状を有し得る。遊動式シャーシは、他の適切な形状、例えば、丸い形状を有していてもよい。加えて、遊動式シャーシ111は、支持体120の1以上のシャフトを少なくとも部分的に受け入れるように構成された1以上の穴を備えていてもよい。幾つかの例では、穴は貫通穴であってもよい。遊動式シャーシは、穴を通して支持体に弾性連結してもよく、遊動式シャーシ111を軸方向に移動させることができるようになる。
【0040】
図3に示すように、遊動式シャーシ111は、ローラ112上に配置される。ローラ112は、電流が電流伝達エレメントから機械の第2の部品に伝達される(例えばローラを介して回転子に戻る)ことがないように、実質的に非導電性の材料で作ることができる。ローラは、機械の第2の部品に接触するように構成されるので、適切な耐摩耗性材料で作成してもよい。遊動式シャーシ111は、支持体のシャフトに沿って軸方向に移動してもよく、ローラ112と機械の第2の部品の間の接触圧力を調整し得る。
【0041】
遊動式シャーシ111は、遊動式導体113を担持する。遊動式導体113は、機械の第2の部品の導電体から電流を伝達するように構成し得るいかなる構成要素であってもよい。遊動式導体113は、カーボンブラシ116又はスパークギャップ117の少なくとも一方であってもよい。
【0042】
幾つかの例では、遊動式導体は、接地システムの一部であってもよく、機械の第2の部品の導電体から接地への電流経路をもたらす。別の例では、遊動式導体113は、避雷システムの一部であってもよく、機械の第2の部品の導電体から接地に雷電流を伝える経路をもたらして、機械を雷から保護し得る。
【0043】
本開示を通して、接地とは、例えば風力タービンタワーを通しての、アースへの直接接続と解される。
【0044】
幾つかの例では、遊動式導体は、避雷システムの一部としてのスパークギャップであってもよく、機械の第2の部品から軸方向に隔てられていてもよい。幾つかの例では、遊動式導体は、機械の第2の部品上のスパークギャップの第2の電極から軸方向に隔てられたスパークギャップの第1の電極とし得る。第1の電極と第2の電極は、それらの間の電流伝達が担保されるように、最小距離(例えば2mm未満)にある必要がある。スパークギャップを担持し、第2の部品に接触するローラ上に配置され、かつ支持体に弾性連結された遊動式シャーシを設けることによって、第2の部品がチルト運動していても、スパークギャップの第1の電極と第2の電極の間の最小距離を確保し得る。
【0045】
幾つかの例では、遊動式導体113はカーボンブラシ116であってもよく、軸方向に延在し、第2の部品と接触して、第2の部品から接地への電流経路を形成し得る。カーボンブラシと第2の部品の間の接触圧力は、有効な電流伝達を確保する上で決定的なものとなり得る。カーボンブラシ116は、ブラシホルダと共に遊動式シャーシ111に配置し得る。カーボンブラシは、放電のため並びに回転子と固定子の間の静電気の蓄積防止のために使用できる。
【0046】
機械の運動は、カーボンブラシと機械の第2の部品の間の接触圧力を変化させるおそれがあり、カーボンブラシの適切な機能に重要である。過度の接触圧力はブラシの急速な摩耗を招き、カーボンブラシの致命的な損傷をもたらしかねないのに対して、カーボンブラシと第2の部品との接触不良は電流の伝達に支承をきたす。本開示技術の電流伝達エレメント100は、遊動式シャーシ111によって担持されるカーボンブラシの軸方向位置の調整が可能であり、カーボンブラシと機械の第2の部品の間の適切な接触圧力を確保し得る。
【0047】
さらに、遊動式導体113を遊動式シャーシ111に固定して取り付けて、遊動式シャーシ111の軸方向移動が遊動式導体113の軸方向移動を生じるようにしてもよい。これによって遊動式導体アセンブリの軸方向位置の調整が可能となって、効果的な電流伝達を確保することができるが、最適な機能には、電流を効果的に伝達するために遊動式導体113が、機械の第2の部品から一定の距離に位置する必要があるからである。
【0048】
幾つかの例では、電流伝達エレメント100は、第1の導電体と第2の導電体とを備えていてもよい。図3に示すように、電流伝達エレメント100は、平行に配置された2つの導電体を備えていてもよい。図3の例示的な電流伝達エレメントは、遊動式シャーシ111に取り付けられたスパークギャップ117と、ブラシホルダ内に配置され、スパークギャップ117と平行に配置されたカーボンブラシ116とを備える。2つの導電体を含む電流伝達エレメントは、追加の電流経路がもたらされるので、1つの導電体しか含まない電流伝達エレメントよりも信頼性が高くなる。第2の導電体は、第1の導電体が故障した場合のバックアップとしても機能し得る。
【0049】
遊動式シャーシ111は、少なくとも電気絶縁体115を介して遊動式導体113に取り付けてもよい。図3は、2つの電気絶縁体と共に遊動式導体113に取り付けられた遊動式シャーシ111を示す。電気絶縁体を使用すると、電流が接地経路を辿るように担保できる。
【0050】
さらに、電流伝達エレメント100は、支持体120を備える。支持体120は、機械の第1の部品に取り付けることのできる電流伝達エレメントの一部であってもよい。加えて、支持体120は1以上のシャフトを備えていてもよく、シャフトは、遊動式シャーシ111の穴を貫通して延在し、支持体を遊動式シャーシに接続する。図3の例では、支持体120は、遊動式シャーシの2つの穴を貫通して延在する2つのシャフト122を備える。
【0051】
図3に示すように、電流伝達エレメントの遊動式シャーシ111は、支持体120に弾性連結される。幾つかの例では、遊動式シャーシ111は、バネ123及び油圧式ショックアブソーバの一方を介して支持体に弾性連結し得る。バネ123は、シャフト122の周囲に配置されたコイルバネであってもよい。バネ又は油圧式ショックアブソーバは、遊動式シャーシに圧力を伝達して、遊動式導体アセンブリの軸方向移動をもたらし、ローラと第2の部品の間の接触圧力を調整する。
【0052】
したがって、遊動式シャーシを支持体に弾性連結すると、チルト運動が関与する場合であっても、機械の第2の部品と一定の距離を維持できる電流伝達エレメントが得られる。遊動式導体アセンブリの位置の軸方向調整が可能となり、遊動式導体と機械の第2の部品の間の距離を調整し得る。
【0053】
図4は、電流伝達エレメント100の別の例を示す。図4の例では、電流伝達エレメント100は、第1及び第2の支持体120と、第1及び第2の遊動式導体113を含む遊動式導体アセンブリとを備える。図4は、遊動式導体アセンブリのローラ112が機械の第2の部品200(例えば電気機械の回転子)に接触していることを示す。
【0054】
図4に示す遊動式導体アセンブリは、第1及び第2の支持体120に弾性連結し得る遊動式シャーシ111を備えていてもよい。支持体の各々は、遊動式シャーシ内の穴を貫通して延在し得る1以上のシャフトを備えており、各支持体を遊動式シャーシに接続する。
【0055】
さらに、遊動式シャーシ111は、2つの支持体120の間に位置し得るローラ112上に配置してもよい。遊動式シャーシ111は、第2部品の導電体から電流を伝達するように構成された第1及び第2の遊動式導体113を担持し得る。第1及び第2の遊動式導体113は、ローラ112の両側に配置してもよく、換言すると、ローラ112は、第1の遊動式導体113と第2の遊動式導体113の間に配置し得る。
【0056】
図4の例では、遊動式導体113の各々は、平行に配置されたスパークギャップ117とブラシホルダ116とを備えており、これらは、第2の部品200の導電体から接地に電流を伝達するように構成されている。2つの遊動式導体113及び2つの支持体120を含む電流伝達エレメント100は、第2の部品から接地への電流伝達を促進し、信頼性の高い電流伝達エレメントをもたらす。
【0057】
別の例では、第1及び第2の遊動式導体113は異なる導電体を備えてもよく、例えば、第1の遊動式導体はスパークギャップ117を備えてもよく、第2の遊動式導体はカーボンブラシ116を備えてもよい。
【0058】
図5aに、図4の電流伝達エレメント100を備える電気機械400の概略図を示す。電気機械400は、固定子、回転子、及び固定子と回転子の間に半径方向に配置されたエアギャップを備える。固定子は、回転子から固定子に電流を流すように構成された電流伝達エレメント100を備える。電流伝達エレメント100は、回転子に接触するように構成されたローラ112と、ローラによって担持され、かつ固定子に弾性連結された遊動式シャーシ111とを備えており、遊動式シャーシは、回転子から固定子に電流を伝達するように構成された遊動式導体を有する。
【0059】
電気機械400は、1以上の電流伝達エレメント100を備える。図5aに概略を示すように、電気機械400は、電気機械に沿って周方向に離間し、回転子から固定子に電流を伝導するように構成された8つの電流伝達エレメント100を備えていてもよい。
【0060】
図5bは、図5aに示す電気機械400に装着された電流伝達エレメント100の1つの拡大斜視図である。電流伝達エレメント100は、機械の回転子200に接触するローラ112を備える。図5bは、電流伝達エレメント100の遊動式シャーシ111が、機械の固定部品300に弾性連結されていることを示す。
【0061】
固定部品300は、回転子から軸方向に隔てられている。ローラ112は、回転子からの軸方向運動又は変形に伴って移動する。遊動式導体アセンブリも運動及び変形に伴って軸方向に移動し、バネ(上述)が圧縮及び伸長される。
【0062】
本開示技術の別の態様では、直接駆動風力タービンを提供する。直接駆動風力タービンは、固定子、回転子、及び固定子と回転子の間に半径方向に配置されたエアギャップを備える。固定子は、回転子から固定子に電流を流すように構成された電流伝達エレメント100を備える。電流伝達エレメント100は、回転子に接触するように構成されたローラ112と、ローラ112によって担持され、かつ固定子に弾性連結された遊動式シャーシ111とを備えており、遊動シャーシ111は、回転子から固定子に電流を伝達するように構成された遊動式導体113を担持する。
【0063】
遊動式導体113はカーボンブラシ116であってもよく、カーボンブラシ116は軸方向に延在して直接駆動風力タービンの回転子と接触する。さらに、遊動式導体113はスパークギャップ117の第1の電極であってもよく、直接駆動風力タービンの回転子上のスパークギャップ117の第2の電極から軸方向に隔てられていてもよい。幾つかの例では、遊動式シャーシ111は2つの遊動式導体113を担持し得る。
【0064】
遊動式シャーシ111は、バネ123及び油圧式ショックアブソーバの一方を介して支持体に弾性連結し得る。
【0065】
加えて、遊動式導体113は、接地システム及び/又は避雷システムの一部であってもよい。
【0066】
本開示技術のさらに別の態様では、電流伝達エレメント100を機械に取り付ける方法について開示する。方法600の概略を図6に示す。
【0067】
方法600は、ブロック602で、支持体120に弾性連結された遊動式シャーシ111を含む電流伝達エレメント100を用意することを含んでおり、遊動式シャーシ111は、遊動式導体113を担持しており、かつローラ112上に配置される。さらに、本方法は、ブロック604で、電流伝達エレメントの支持体120を機械の固定部品300に取り付けることを含んでおり、伝達エレメントのローラ112を機械の回転部品200と接触させる導電体を備える。
【0068】
機械の回転部品は、チルト運動に付されることがある。こうした運動は、遊動式導体の正しい機能に影響を与えるおそがあり、電流が回転部品から遊動式導体に正常に伝達されないおそれがある。本方法は、回転部品及び固定部品がチルト運動の影響下にあっても、それらを電気的に接続する信頼性の高い方法を提供する。
【0069】
遊動式導体と回転部品の間の距離は、弾性支持体によって調整し得る。弾性支持体は、ローラ上に配置された遊動式シャーシの軸方向位置を調整し得る。
【0070】
幾つかの例では、遊動式導体と回転部品の間の距離の調整は、実質的に一定の距離を維持することを含む。遊動式導体と回転部品の間の距離が短すぎるときは、弾性支持体で遊動式導体アセンブリを支持体に向かって移動させる。遊動式導体と回転部品の間の距離が閾値を超えると、弾性支持体で遊動式導体アセンブリを回転部品に向かって軸方向に移動させる。したがって、浮遊導体と回転部品の間の距離の調整によって、第2の部品が様々な種類の(望ましくない)運動及び変形に付されていても、導電体を機械の第2の部品から一定の距離に保つことができる。
【0071】
回転部品から電流伝達エレメントに伝達される電流は、固定部品を介して接地に伝達してもよい。
【0072】
本明細書では、本発明を好ましい実施形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な別の例も包含する。かかる別の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。当業者であれば、本願に記載した様々な実施形態の様々な態様並びにかかる各態様について公知の他の均等物を適宜組み合わせて、本願の原則に則した追加の実施形態及び技術を構成することができる。図面に関する符号が特許請求の範囲に括弧書きで記載されている場合、そうした符号は、特許請求の範囲の記載を理解し易くするためのものにすぎず、特許請求の範囲に記載された技術的範囲を限定するものと解すべきではない。
【符号の説明】
【0073】
100 電流伝達エレメント
111 遊動式シャーシ
112 ローラ
113 遊動式導体
115 電気絶縁体
116 カーボンブラシ
117 スパークギャップ
120 支持体
123 バネ
200 第2の部品
300 第1の部品
400 電気機械
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
【外国語明細書】