(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001475
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】アラーム情報処理装置およびアラーム情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20231227BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100152
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】堀内 文人
(72)【発明者】
【氏名】土井 智博
(72)【発明者】
【氏名】宗島 理恵
(72)【発明者】
【氏名】松沢 航
(72)【発明者】
【氏名】平岡 俊彦
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】端末装置から送られる情報に基づいて、端末装置に関する不良を推定できるアラーム情報処理装置およびアラーム情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】アラーム情報処理装置であって、患者の生体情報を含む信号に基づいて、端末装置が発信した電波の電波切れの状態を検出し、前記電波切れの各々の継続時間と前記電波切れの発生頻度に関連するアラーム情報を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生体情報を含む信号に基づいて、端末装置が発信した電波の電波切れの状態を検出し、
前記電波切れの各々の継続時間と前記電波切れの発生頻度に関連するアラーム情報を出力する、アラーム情報処理装置。
【請求項2】
前記アラーム情報は、前記電波切れの単位時間毎の発生状況を表す推移情報を含む、請求項1に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項3】
前記アラーム情報処理装置は、複数の前記端末装置の各々に対応する複数の前記アラーム情報を比較可能な形式で出力する、請求項1に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項4】
前記アラーム情報処理装置は、複数の前記端末装置の各々について、前記電波切れのうち所定時間以下の継続時間である短時間電波切れの発生状況を検出し、
前記短時間電波切れの状態に応じて、比較する2以上の前記端末装置を選択する、請求項3に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項5】
前記アラーム情報は、(a)前記電波切れのうち所定時間以下の継続時間である短時間電波切れの単位時間毎の発生回数、(b)前記電波切れの単位時間毎の最長継続時間、(c)前記電波切れの単位時間毎の累積時間、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項6】
前記アラーム情報処理装置は、(a)前記短時間電波切れの単位時間毎の発生回数、(b)前記電波切れの単位時間毎の最長継続時間、および、(c)前記電波切れの単位時間毎の累積時間を一覧可能な形式で出力する、請求項5に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項7】
前記アラーム情報は、前記電波切れの継続時間毎の発生頻度を表す情報を含む、請求項1に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項8】
前記アラーム情報は、前記電波切れのうち所定時間以下の継続時間である短時間電波切れの単位時間毎の発生頻度の時間推移を示す情報を含む、請求項1に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項9】
前記アラーム情報処理装置は、前記端末装置に対応し、2以上の時間帯の前記アラーム情報を比較可能な形式で出力する、請求項1に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項10】
前記アラーム情報処理装置は、前記アラーム情報と共に、前記電波切れに対応する前記生体情報に基づいた波形情報を出力する、請求項1に記載のアラーム情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
患者の生体情報を含む信号に基づいて、端末装置が発信した電波の電波切れの状態を検出させる機能と、
前記電波切れの各々の継続時間と前記電波切れの発生頻度に関連するアラーム情報を出力させる機能と、
を実現させるアラーム情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アラーム情報処理装置およびアラーム情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレメータなどの端末装置から送られる情報を受信して、アラーム情報等を表示するアラーム情報処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、複数の施設のアラーム情報を比較して、統計処理を行い、アラームレポートを表示するアラーム情報処理装置が開示されている。また、特許文献2には、同一装置における複数のアラーム情報を時系列で比較して、アラームレポートを表示するアラーム情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-09322号
【特許文献2】特開2012-205710号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、患者が携帯する送信機(端末装置の一例)が電波切れのアラーム状態となった場合、送信機の電池切れ、送信機の装置不良、アンテナ不良等が要因として考えられる。よって、送信機の電波切れのアラーム発生要因を、詳細に把握できることが望ましい。
【0005】
本開示は、端末装置から送られる情報に基づいて、端末装置に関する電波切れの状況から、各種の不良を把握しやすくするアラーム情報処理装置およびアラーム情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係るアラーム情報処理装置は、
患者の生体情報を含む信号に基づいて、端末装置が発信した電波の電波切れの状態を検出し、
前記電波切れの各々の継続時間と前記電波切れの発生頻度に関連するアラーム情報を出力する。
【0007】
本開示の一側面に係るアラーム情報処理プログラムは、
コンピュータに、
患者の生体情報を含む信号に基づいて、端末装置が発信した電波の電波切れの状態を検出させる機能と、
前記電波切れの各々の継続時間と前記電波切れの発生頻度に関連するアラーム情報を出力させる機能と、
を実現させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、端末装置から送られる情報に基づいて、端末装置に関する電波切れの状況から、各種の不良を把握しやすくするアラーム情報処理装置およびアラーム情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置を含む医療用システムの構成図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】従来のアラーム情報処理装置が出力するアラームレポートの出力形態を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置が出力するアラームレポートの第一出力形態を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置が出力するアラームレポートの第二出力形態を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置が出力する波形データの第一出力形態を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置が出力する波形データの第二出力形態を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置の故障予測処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
<医療用システム100の構成>
【0011】
図1は、本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1を含む医療用システム100の構成図である。
図1に示すように、医療用システム100は、各々の患者Pに取り付けられた複数の端末装置2と、複数のアンテナ2Aを用いた院内ネットワーク20によって複数の端末装置2と接続されたセントラルモニタ装置3と、アラーム情報処理装置1を備える。
【0012】
端末装置2は、例えばテレメータや生体情報モニタ装置であり、患者Pの病室等に設置されている、または、患者Pが携帯している。端末装置2は、患者Pの生体情報を含む信号を取得し、取得した信号を、院内ネットワーク20を経由してセントラルモニタ装置3に送信する。セントラルモニタ装置3は、医療スタッフが常駐するナースステーション等に設置されていて、複数の端末装置2から送信される患者Pの生体情報を含む信号を集計する。セントラルモニタ装置3は、集計した信号をモニタに表示したり、外部に出力したりする。ナースステーションに常駐する医療スタッフは、セントラルモニタ装置3のモニタに表示される信号を監視し、患者Pの生体情報を確認する。セントラルモニタ装置3は、例えば、各端末装置2からの信号の電波レベルが閾値以上であるか否かに応じて、電波切れが生じたかを判定できる。また、セントラルモニタ装置3は、電波切れの状態に応じて警告表示できる。また、セントラルモニタ装置3は、各端末装置2からの信号を解析し、ログ情報として出力できる。
【0013】
しかしながら、端末装置2が発信する電波の電波切れのうち、所定時間(例えば5秒)以下の継続時間である短時間電波切れを医療スタッフが目視で把握するのは困難である。
【0014】
そのため、医療用システム100は、セントラルモニタ装置3とは別にアラーム情報処理装置1を備える。アラーム情報処理装置1は、セントラルモニタ装置3と無線LAN等の通信回線を接続することで、または、USBメモリ等の記憶媒体を用いることで、セントラルモニタ装置3が解析して出力したログ情報を取得する。さらに、アラーム情報処理装置1は、ログ情報から端末装置2が発信する電波の電波切れの状態を把握し、必要に応じてアラーム情報等を出力する。
<アラーム情報処理装置1の構成>
【0015】
図2は、本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1の構成を示すブロック図である。アラーム情報処理装置1は、入力部10、制御部11、演算部12、記憶部13、出力部14、UI操作部15、表示部16を備える。入力部10は、セントラルモニタ装置3が解析したログ情報の入力を受け付ける。制御部11は、記憶部13に記憶されるプログラム等を読み出して実行し、アラーム情報処理装置1の各種動作を制御する。演算部12は、ログ情報から、端末装置2が発信する電波の電波切れの発生頻度等を算出し、アラーム情報を生成する。記憶部13は、制御部11によって実行されるプログラム、演算部12によって生成されたアラーム情報等を記憶する。出力部14は、記憶部13に記憶されているアラーム情報等をアラームレポートとしてモニタ(表示部16)に表示したり、プリンタでプリントしたりする。UI操作部15は、作業者(ユーザ)からの、アラームレポートの出力形式や測定対象となる端末装置2の指定を受け付ける。
<アラームレポートの出力形態>
【0016】
本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートの出力形態を説明するため、比較対象として、従来のアラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートの出力形態を
図3に示す。
【0017】
図3に示すように、アラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートは、複数の端末装置2について、各端末装置2のID、各端末装置2が患者Pに使用された使用日数、各端末装置2の1日当たりの平均電波切れ回数、各端末装置2の各時間帯における1日当たりの電波切れ平均回数を表示する。
図3に示すアラームレポートの一例では、IDが001から003の3つの端末装置2について、1カ月間の集計レポートを表示する。また、電波切れが発生した時間帯については、電波切れの回数に応じて背景色等の表示態様を変えて表示する。
【0018】
一般的に、短時間電波切れが多発する場合、端末装置2本体の故障や端末装置2の接続ケーブルの断線等の装置不良が発生要因である傾向がある。また、所定時間(例えば10秒)以上の継続時間である長時間電波切れが発生する場合、アンテナ不良や患者が測定中に動いた際に一時的に端末装置の接触状態が悪化する等の装着不良が発生要因である傾向がある。
しかしながら、従来のアラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートの出力形態では、各々の電波切れの継続時間に関する情報を表示しない。そのため、従来のアラーム情報処理装置1では、作業者は、アラームレポートに表示された電波切れが、短時間電波切れであることに気づくのが困難な場合がある。また、作業者は、アラームレポートから電波切れの発生要因が、アンテナ不良や、患者Pが測定中に動いた際に一時的に接触状態が悪化する等の装着不良等によるものか、それとも、端末装置2本体の故障や端末装置2の接続ケーブルの断線等の装置不良等によるものか、を推定することが困難な場合がある。
【0019】
このような不都合を改善したのが、本実施形態に係るアラーム情報処理装置1である。
図4は、本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートの第一出力形態を示す図である。
図4に示すアラームレポートの一例は、IDが001から003の3つの端末装置2について、1日間の集計レポートを表示する。また、
図4に示すアラームレポートの一例は、各時間帯における、単位時間毎の電波切れの発生回数、最長継続時間、累積時間を一覧可能な形式で表示する。
【0020】
本実施形態のアラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートの第一出力形態(
図4)では、電波切れの単位時間毎の発生状況、各々の電波切れの継続時間(例えば、最長継続時間(秒))に関する情報、および、電波切れの単位時間毎の発生状況を表す推移情報を表示する。
そのため、作業者は、アラームレポートから、端末装置2本体の故障や端末装置2の接続ケーブルの断線等の装置不良等が発生要因である短時間電波切れが発生していることを認識できる。したがって、作業者は、電波切れの詳細な発生原因を追究することができる。具体的には、本アラームレポートでは、各端末での電波切れの発生頻度(例えば、単位時間毎の電波切れの発生回数)だけではなく、各電波切れの平均秒数や単位時間における最長電波切れ継続時間(秒)を把握することができる。すなわち、電波切れの発生頻度に加え、比較的長い時間の電波切れが生じているのか否か等を一目で把握することができる。
【0021】
図5は、本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートの第二出力形態を示す図である。
図5に示すアラームレポートの一例は、IDが001から003の3つの端末装置2について、1日間の集計レポートを表示する。また、
図5に示すアラームレポートの一例は、各時間帯において、電波切れの継続時間毎に、単位時間毎の電波切れの発生回数を一覧可能な形式で表示する。
【0022】
本実施形態のアラーム情報処理装置1が出力するアラームレポートの第二出力形態(
図5)では、電波切れの単位時間毎の発生状況、各々の電波切れの継続時間に関する情報、および、電波切れの単位時間毎の発生状況を表す推移情報を詳細に表示する。
そのため、作業者は、アラームレポートから、短時間電波切れの発生状況を容易に把握することができる。したがって、作業者は、電波切れの詳細な発生原因を容易に追究することができる。具体的には本アラームレポートでは、各端末での各時間帯での電波切れの継続時間の分布が表示されている。これにより、電波切れの生じやすい時間帯、各端末において短時間の電波切れが多いか否か、電波切れの多い端末、等を容易に把握することができる。
<波形データの出力形態>
【0023】
図6は、本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1が出力する波形データの第一出力形態を示す図である。
図6に示すアラームレポートの一例は、2つの端末装置2(IDが001と003)について、1カ月間の集計レポートから、短時間電波切れの発生頻度の時間推移を波形データとして表示する。各波形データにおいて、横軸にアラームレポートの集計開始日からの測定日数を、縦軸に短時間電波切れの回数を示す。
【0024】
端末装置2(IDが001)の波形データ(
図6の上側に示す)では、短時間電波切れの発生回数が少なく、端末装置2本体の故障や端末装置2の接続ケーブルの断線等の装置不良が発生している可能性が低い。したがって、端末装置2(IDが001)の電波の発信状況が安定していることが分かる。このような電波の発信状況が安定している波形データを基準データとして設定してもよい。
【0025】
一方、端末装置2(IDが003)の波形データ(
図6の下側に示す)では、長期間に渡って、短時間電波切れの発生回数が多く、端末装置2本体の故障や端末装置2の接続ケーブルの断線等の装置不良が発生している可能性が高い。したがって、作業者は端末装置2(IDが003)に関する装置不良の状況を容易に把握できる。
【0026】
なお、2つの端末装置2(IDが001と003)は、作業者がUI操作部15において指定した端末装置2のIDによって選択してもよいし、アラーム情報処理装置1が複数の端末装置2の各々の電波切れの発生状況から自動的に選択してもよい。また、選択される端末装置2は、2台に限られず、3台以上であってもよい。さらに、
図6に示した一例では、複数の波形データを並べて表示しているが、複数の波形データを一つのグラフとしてまとめて表示(例えば、重畳して表示)してもよい。
【0027】
図7は、本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1が出力する波形データの第二出力形態を示す図である。
図7に示すアラームレポートの一例は、端末装置2(IDが003)について、過去の1カ月間の集計レポートおよび直近の1カ月間の集計レポートから、それぞれ短時間電波切れの発生頻度の時間推移を波形データとして表示する。各波形データにおいて、横軸にアラームレポートの集計開始日からの測定日数を、縦軸に短時間電波切れの回数を示す。
【0028】
過去の1カ月間の集計レポートから形成された波形データ(
図7の上側に示す)では、短時間電波切れの発生回数が少なく、端末装置2本体の故障や端末装置2の接続ケーブルの断線等の装置不良が発生している可能性が低い。したがって、IDが001の端末装置2の電波の発信状況が安定していることが分かる。このような電波の発信状況が安定している波形データを基準データと設定してもよい。
【0029】
一方、直近の1カ月間の集計レポートから形成された波形データ(
図7の下側に示す)では、長期間に渡って、短時間電波切れの発生回数が多く、端末装置2本体の故障や端末装置2の接続ケーブルの断線等の装置不良が発生している可能性が高い。このように同一端末での電波切れの状況を比較することにより、装置不良の悪化状況を容易に把握することができる。
【0030】
なお、波形データを作成するための元データとなる集計レポートの集計開始時期(
図7の例示では、2020年4月1日と2021年4月1日)や集計期間(
図7の例示では、1カ月)は、作業者がUI操作部15において指定した期間であってもよいし、アラーム情報処理装置1が複数の端末装置2の各々の電波切れの発生状況から自動的に選択してもよい。さらに、
図7に示した一例では、複数の波形データを並べて表示しているが、複数の波形データを一つのグラフとしてまとめて表示してもよい。
<故障予測処理のフローチャート>
【0031】
図8は、本開示の実施形態に係るアラーム情報処理装置1の故障予測処理フローを示す図である。
故障予測処理開始後、作業者は、複数の端末装置2から発信される患者Pの生体情報を含む信号に基づいて、短時間電波切れが発生しているか(短時間電波切れの発生頻度が多いか否か)を判定する(S100)。
【0032】
次に、短時間電波切れが発生した場合(S100のYes)、作業者は、短時間電波切れが発生した端末装置2と、短時間電波切れが発生していない端末装置2を特定する(S101、S102)。このとき、アラーム情報処理装置1が、短時間電波切れが発生した端末装置2と、短時間電波切れが発生していない端末装置2を、自動的に特定してもよい。
【0033】
次に、複数の端末装置2から発信される患者Pの生体情報を含む信号に基づいて、所定期間(例えば1カ月)のアラーム情報を集計する(S103)。集計されたアラーム情報に基づいて、アラーム情報処理装置1は、複数の端末装置2のうち作業者によって設定された2以上の端末装置2について、
図6に示すような波形データを生成する(S104)。
【0034】
次に、作業者は、生成された波形データから、短時間電波切れが発生した端末装置2について、装置本体故障が発生しているか、および、接続ケーブルの接続不良が発生しているかを推定する(S105)。この際の推定には、例えば、各端末で電波切れが生じた際の心電図データ(端末装置2が取得する生体情報を基にした生体波形の一例)を使用する。
【0035】
このとき、アラーム情報処理装置1が、生成された波形データから、短時間電波切れが発生した端末装置2について、接続ケーブルの接触不良や接続ケーブル内のリード線が断線しかかっている状態が発生しているか、および、装置不良が発生しているかを、自動的に推定してもよい。生成された心電図データが正常時の心電図データと大きく異なった不規則な形状である場合は、接続ケーブルの接触不良や接続ケーブル内のリード線が断線しかかっている状態であると推定され、生成された心電図データが送信できていない(取得できていない)状態を表す波形(例えば、三角波)である場合は、装置不良であると推定され得る。すなわち、電波切れが生じた端末における心電図データ(生体情報を基にした生体波形)の形状を解析することにより、接続ケーブルの接触不良や接続ケーブル内のリード線が断線しかかっている状態が発生しているか、または、装置本体の不良が生じているか、を推定してもよい。
【0036】
その後、故障予測処理は終了する。
【0037】
なお、
図8における処理はあくまでも一例であり、目的に応じて適宜処理は変更され得る。例えば、各端末装置における電波切れの発生頻度と各電波切れの継続時間の概要を把握したい場合、
図4に示すレポートを出力するようにすればよい。また、
図4よりも詳細に各電波切れの継続時間を把握したい場合には、
図5に示すレポートを出力するようにすればよい。また、装置不良が疑われる端末装置2が存在する場合、その劣化具体を把握するために
図6に示すような複数端末の比較を行うレポートを出力すればよい。また、ある端末における電波切れの発生頻度の増加度合い(悪化度合い)を把握したければ、
図7に示すようなレポートを出力すればよい。
もちろん、院内における電波切れの総合的な状況を把握したい場合、
図4~7に示すレポートを含む統合的なレポートを出力してもよい。
【0038】
また、レポート情報と共に端末装置2が取得した生体情報を基にした生体波形(心電図データのような波形情報)を出力してもよい。例えば、
図4~
図7のようなレポート情報と共に、短時間電波切れが生じている時間帯の生体波形を合わせて出力してもよい。生体波形の形状を確認することより、ユーザは短時間の電波切れの要因がケーブルにあるのか本体不具体にあるのかを容易に推定することができる。
なお、生体波形は心電図データに限られず、血圧波形データ等の他のパラメータの波形データであってもかまわない。また、ユーザが明示的に選択した端末の生体波形を、短時間電波切れの発生の有無に限らず、
図4~
図7の示すレポート情報と共に表示してもよい。
【0039】
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本開示の技術的範囲が実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本開示の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 アラーム情報処理装置
2 端末装置
2A アンテナ
3 セントラルモニタ装置
10 入力部
11 制御部
12 演算部
13 記憶部
14 出力部
15 UI操作部
16 表示部
20 院内ネットワーク
100 医療用システム
P 患者