(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014750
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】温度依存型スイッチング機構、温度依存型スイッチ、及びそのような温度依存型スイッチング機構の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01H 37/54 20060101AFI20240125BHJP
H01H 11/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H01H37/54 B
H01H11/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023104902
(22)【出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】10 2022 118 402.1
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523245171
【氏名又は名称】ホフセス, マルセル ペー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフセス, マルセル ペー.
【テーマコード(参考)】
5G023
5G041
【Fターム(参考)】
5G023CA12
5G041AA09
5G041AA14
5G041DA14
5G041DC04
5G041DC20
5G041DE02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】温度依存型スイッチング機構を少数の構成要素から、半完成品として簡単かつ安価に製造する。
【解決手段】温度依存型スイッチング機構(10)は、第1の貫通孔(18)を備えるバイメタルのスナップ動作ディスク(12)と、第2の貫通孔(20)を備える温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)と、第1の貫通孔(18)及び第2の貫通孔(20)を貫通する本体(22)を備えた導電性の接触部材(16)とを備え、接触部材(16)は、支持肩部(24)と、第1のロック要素(26)と、第2のロック要素(28)とを備えている。バイメタルのスナップ動作ディスク(12)とスナップ動作ばねディスク(14)は、ロック要素(26,28)と支持肩部(24)の間に配置されて、ロック要素(26,28)と支持肩部(24)によって夫々接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度依存型スイッチ(100)のための温度依存型スイッチング機構(10)であって、
第1の貫通孔(18)を備える温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)と、
第2の貫通孔(20)を備える温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)と、
第1の貫通孔(18)及び第2の貫通孔(20)を貫通する本体(22)を備えた導電性の接触部材(16)とを備え、
ここで、前記接触部材(16)は、前記本体(22)から半径方向に突出する支持肩部(24)と、前記本体(22)から半径方向に突出し、前記支持肩部(24)の第1の側に配置された第1のロック要素(26)と、前記本体(22)から半径方向に突出し、支持肩部(24)の第1の側と反対の第2の側に配置された第2のロック要素(28)とを備え、
温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)は、第1のロック要素(26)と支持肩部(24)の間に配置されて、第1のロック要素(24)と支持肩部(24)によって接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持され、
温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)は、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)の間に配置されて、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)によって接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持され、
接触部材は一体的に形成され、本体(22)は支持肩部(24)、第1のロック要素(26)及び第2のロック要素(28)に一体的に接続されることを特徴とする、温度依存型スイッチング機構(10)。
【請求項2】
第1のロック要素(26)は、本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)と一体に形成される第1の保持爪(34)、又は本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)の周囲を囲む第1のカラーを備え、
第2のロック要素(28)は、本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)と一体に形成される第2の保持爪(36)、又は本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)の周囲を囲む第2のカラーを備える、請求項1に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項3】
支持肩部(24)の第1の側に配置された接触部材(16)の上側(48)と、支持肩部(24)の第2の側に配置された接触部材(16)の下側(50)との間の第1の距離(d1)が、第1のロック要素(26)と第2のロック要素(28)との間の第2の距離(d2)よりも大きい、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項4】
前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)は、スナップ動作ばねディスク(14)より大きい隙間を持って本体(22)上に保持される、請求項1乃至3の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項5】
スイッチング機構(10)が、接触部材(16)の縦方向軸(62)を中心に回転対称に構成されている、請求項1乃至3の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項6】
前記第1の貫通孔(18)は、前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)の中央に配置され、前記第2の貫通孔(20)は、前記スナップ動作ばねディスク(14)の中央に配置される、請求項1乃至5の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項7】
前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)及びスナップ動作ばねディスク(14)は、それぞれ円形のディスク状である、請求項1乃至6の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項8】
スナップ動作ばねディスク(14)は、温度に依存しない安定した2つの幾何学的構成を有する双安定のスナップ動作ばねディスク(14)として構成され、バイメタルのスナップ動作ディスク(12)は、温度に依存する安定した2つの幾何学的構成を有する双安定バイメタルのスナップ動作ディスク(12)として構成される、請求項1乃至7の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項9】
バイメタルのスナップ動作ディスク(12)、スナップ動作ばねディスク(14)及び接触部材(16)を捕捉するが隙間を有して保持するスイッチング機構ハウジング(52)を有する、請求項1乃至8の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項10】
スイッチング機構ハウジング(52)は、バイメタルのスナップ動作ディスク(12)及びスナップ動作ばねディスク(14)を、第1のハウジング側(54)、第1のハウジング側(54)と反対側の第2のハウジング側(56)、及び第1及び第2のハウジング側の間を延び且つ横切って延びるハウジング周縁側(58)から取り囲み、第1のハウジング側(54)は開口部(60)を有し、該開口部(60)を通って接触部材(16)がスイッチング機構ハウジング(52)の外からアクセスできる、請求項9に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項11】
前記開口部(60)の直径(D1)が、開口部に平行に測定されたバイメタルのスナップ動作ディスク(12)の直径(D2)より小さくなっている、請求項10に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項12】
前記スイッチング機構ハウジング(52)は、一体的に形成され且つ導電性材料からなることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかに記載の温度依存型スイッチング機構(10)と、前記温度依存型スイッチング機構(10)を取り囲むスイッチハウジング(68)とを含み、第1の電気端子(71)及び第2の電気端子(73)を備え、前記スイッチング機構(10)は、前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)の応答温度以下で、前記第1の電気端子及び第2の電気端子(71,73)間の電気的接続を確立し、前記応答温度を超えると電気的接続を中断するように構成される、温度依存型スイッチ(100)。
【請求項14】
温度依存型スイッチング機構(10)の製造方法であって、
第1の貫通孔(18)を備える温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)を提供する工程と、
第2の貫通孔(20)を備える温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)を提供する工程と、
本体(22)と、本体(22)から半径方向に突出する支持肩部(24)とを備える導電性の接触部材(16)を提供する工程と、
本体(22)を第1の貫通孔(18)に通して、支持肩部(24)の第1の側にバイメタルのスナップ動作ディスク(12)を配置する工程と、
本体(22)を第2の貫通孔(20)に通して、支持肩部(24)の第1の側と反対側の第2の側にスナップ動作ばねグディスク(14)を配置する工程と、
支持肩部(24)の第1の側に配置される本体(22)の第1の部分(22)を形成して、第1のロック要素(26)を生成し、温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)が、第1のロック要素(26)と支持肩部(24)との間に配置され、第1のロック要素(26)と支持肩部(24)とによって、接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持される工程と、
支持肩部(24)の第2の側に配置される本体(22)の第2の部分(22)を形成して、第2のロック要素(28)を生成し、温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)が、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)との間に配置され、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)とによって、接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持される工程とを備えた、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度依存型スイッチに関する温度依存型スイッチング機構に関する。本発明は、さらに、このような温度依存型スイッチング機構を備えた温度依存型スイッチに関する。さらに、本発明は、温度依存型スイッチにおいて使用可能な温度依存型スイッチ機構の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原理的にはすでに多数の温度依存型スイッチが知られている。例示的な温度依存型スイッチは、ドイツ特許10 2011 119 632号に開示されている。
【0003】
このような温度依存型スイッチは、装置の温度を監視するために主に既知の方法で使用される。この目的のために、スイッチは、例えばその外面の1つを介して、保護されるデバイスと熱的に接触させられ、その結果、保護されるデバイスの温度は、スイッチの内側に配置されるスイッチング機構の温度に影響を及ぼす。
【0004】
スイッチは、典型的には、接続リードを介して保護されるデバイスの供給回路に電気的に直列に接続され、その結果、スイッチの応答温度未満では、保護されるデバイスの供給電流が、スイッチを通って流れる。
【0005】
ドイツ特許10 2011 119 632号に開示されているスイッチでは、スイッチング機構はスイッチハウジングの内部に配置されている。スイッチハウジングは2つの部分に形成されている。スイッチのハウジングは絶縁箔を間に挟んでカバー部にしっかりと接続される下部を備える。スイッチハウジング内に配置された温度依存型スイッチング機構は、可動の接触部材が取り付けられたスナップ動作ばねディスクと、可動の接触部材に押し付けられたバイメタルのスナップ動作ディスクとを含む。スナップ動作ばねディスクは、カバー部上のスイッチハウジングの内側に配置された静止した対抗する接点に対して可動の接触部材を押し付ける。スナップ動作ばねディスクの外縁は、スイッチハウジングの下部に支持され、電流は、下部からスナップ動作ばねディスクと可動の接触部材とを通って、静止した対抗する接点に流れ、そこからカバー部に流れる。
【0006】
温度依存型バイメタルのスナップ動作ディスクは、スイッチ温度依存型のスイッチング挙動の主たる原因である。これは、通常、熱膨張係数の異なる2つ、3つ、または4つの相互接続された要素から、多層の能動的な金属板要素として構成される。このようなバイメタルのスナップ動作ディスクでは、金属または金属合金の個々の層は、通常、材料結合またはポジティブロッキング、例えば圧延によって接合される。
【0007】
このようなバイメタルのスナップ動作ディスクは、バイメタルのスナップ動作ディスクの応答温度以下の低温における第1の安定な幾何学的構成(低温構成)と、バイメタルのスナップ動作ディスクの応答温度以上の高温における第2の安定な幾何学的構成(高温構成)を有する。バイメタルのスナップ動作ディスクは、ヒステリシスのように温度に依存して低温構成から高温構成にスナップする。したがって、保護されるデバイスの温度上昇の結果として、バイメタルのスナップ動作ディスクの温度がバイメタルのスナップ動作ディスクの応答温度を超えると、バイメタルのスナップ動作ディスクはその低温構成からその高温構成にスナップ動作、つまり弾くように動く(snap)。
これにより、バイメタルのスナップ動作ディスクは、可動の接触部材を静止した対抗する接点から持ち上げるようにスナップ動作ばねディスクに対して作用し、その結果、スイッチが開き、保護すべき装置がスイッチオフされ、それ以上加熱することができない。
【0008】
リセットロックが設けられていない限り、バイメタルのスナップ動作ディスクは、その低温構成にスナップバックするので、保護すべき装置が冷却された結果、バイメタルのスナップ動作ディスクの温度がバイメタルのスナップ動作ディスクのいわゆるスナップバック温度を下回るとすぐに、スイッチは再び閉じられる。
【0009】
その低温構成では、バイメタルのスナップ動作ディスクは、機械的に力を加えない方法でスイッチ・ハウジング内に取り付けられるのが好ましく、バイメタルのスナップ動作ディスクはまた、電流を流すために使用されない。これは、バイメタルのスナップ動作ディスクの寿命が長く、スイッチングポイント、すなわちバイメタルのスナップ動作ディスクの応答温度は、多くのスイッチングサイクルの後でさえ変化しないという利点がある。
【0010】
したがって、多数の温度依存スイッチの場合、バイメタルのスナップ動作ディスクは、スイッチの製造中に、スイッチハウジング内の緩い個々の部品として挿入されるのが好ましく、ここで、バイメタルのスナップ動作ディスクは、例えば中央の貫通穴が設けられた状態で、ばねスナップ動作ディスクに取り付けられた接触部材上に押し付けられる。スイッチハウジングが閉じられているときのみ、バイメタルのスナップ動作ディスクは、その位置に固定され、スイッチング機構の他の構成部品に対するその位置が決定される。しかしながら、バイメタルのスナップ動作ディスクが個々に挿入されるこのようなスイッチの製造は、スイッチハウジング内にスイッチング機構を挿入するためにいくつかのステップが必要とされるので、比較的面倒であることが証明されている。
【0011】
したがって、ドイツ特許10 2011 119 632号から知られるスイッチでは、バイメタルのスナップ動作ディスクは、スナップ動作ばねディスクに取り付けられた接触部材に予め(スイッチハウジングの外側で)接続されている。
この目的のために、バイメタルのスナップ動作ディスクが接触部材に押し付けられ、次に接触部材の上部カラーが折り畳まれる。その結果、接触部材に取り付けられたスナップ動作ばねディスクだけでなく、バイメタルのスナップ動作ディスクも接触部材に固定される。
【0012】
バイメタルのスナップ動作ディスク、ばねスナップ動作ディスク、及び接触部材で構成されるスイッチング機構は、捕捉ユニットを形成し、大量の材料として別々に在庫を保つことができる半完成品として事前に製造することができる。
スイッチが製造されると、その後、スイッチイング機構は、単一の作業工程において、捕捉ユニットとしてスイッチハウジング内に挿入され得る。これにより、スイッチの製造が何倍も簡素化される。
【0013】
ドイツ特許10 2011 119 632号に開示されているスイッチでは、スナップ動作ばねディスクが接触部材に溶接またははんだ付けされて、可能な限り最良のものとなる2つの要素間の電気接触が確立される。
しかし、特に半完成品として予め製造されたスイッチング機構を大量に保管する間に、接触部材とスナップ動作ばねディスクとの間の溶接またははんだ付け装置が破損することがあることが示されている。このような欠陥のあるスイッチング機構は、当然ながら、もはや使用することができない。
【0014】
ドイツ特許公開公報199 19 648号はまた、スイッチング機構が半完成品として事前に製造できる温度依存型スイッチを提案している。このスイッチング機構においても、バイメタルのスナップ動作ディスク、スナップ動作ばねディスク及び接触部材は、スイッチハウジングに設置する前に、既に捕捉ユニットを形成しており、スイッチの製造中にスイッチハウジング内に全体として挿入することができ、大量の材料として予め在庫しておくことができる。このスイッチング機構では、接触部材は、より柔らかい金属のシースと、導電性のより硬い金属のコアとを有する。バイメタルのスナップ動作ディスクとスナップ動作ばねディスクをシースに装着し、シースの柔らかい金属内に成形する。しかしながら、このような接続方法では、スイッチング機構の保管中にバイメタルのスナップ動作ディスクやスナップ動作ばねディスクが接触部材から意図せず外れてしまうことが多いことが判明している。
【0015】
半完成品としてのスイッチング機構の予備製造のさらなる可能性は、ドイツ特許公開公報29 17 482号及びドイツ特許公開公報10 2007 014 237号から知られている。スイッチング機構の捕捉ユニットは、バイメタルのスナップ動作ディスクとばねスナップ動作ディスクをリベットを介して互いに接続することで実現される。
スイッチの構成によっては、このリベットがスイッチング機構の可動の接触部材を形成することもある。リベットは2つの部品から構成され、中空リベットと協働するリベットボルト、または対抗するホルダを取り付けたリベットボルトで構成されている。
【0016】
スナップ動作ばねディスクとバイメタルのスナップ動作ディスクとの間のこの種のリベット接続は、機械的に長期耐性のある接続であることが証明されているが、しかしながら、リベット接続は、他の欠点をもたらす。例えば、バイメタルのスナップ動作ディスクは、通常、リベットに固定されており、変形を招き、したがってバイメタルのスナップ動作ディスクの機能不全を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明の目的は、出来るだけ少数の構成要素から、半完成品として簡単かつ安価に製造でき、かつ、スイッチング機構に欠陥をもたらすようなダメージを受けずに、大量の材料として在庫に保持できる温度依存型スイッチング機構を提供することである。さらに、本発明は、このような温度依存型スイッチング機構の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載の温度依存型スイッチング機構により解決され、該温度依存型スイッチング機構は、
第1の貫通孔を備える温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスクと、
第2の貫通孔を備える温度に依存しないスナップ動作ばねディスクと、
第1の貫通孔及び第2の貫通孔を貫通する本体からなる導電性の接触部材とを備え、
前記接触部材は、前記本体から半径方向に突出する支持肩部と、前記本体から半径方向に突出し、前記支持肩部の第1の側に配置された第1のロック要素と、前記本体から半径方向に突出し、支持肩部の第1の側と反対の第2の側に配置された第2のロック要素とを備え、
温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスクは、第1のロック要素と支持肩部の間に配置されて、第1のロック要素と支持肩部によって接触部材の本体に、捕捉状態であるが隙間を持って保持され、
温度に依存しないスナップ動作ばねディスクは、、第2のロック要素と支持肩部の間に配置されて、第2のロック要素と支持肩部によって接触部材の本体に、捕捉状態であるが隙間を持って保持され、
接触部材は一体的に形成され、本体は支持肩部、第1のロック要素及び第2のロック要素に一体的に接続される。
【0019】
また、上記目的は、以下の工程を含む温度依存型スイッチング機構の製造方法による請求項14に記載の方法に従って解決される。
第1の貫通孔を備える温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスクを提供する工程と、
第2の貫通孔を備える温度に依存しないスナップ動作ばねディスクを提供する工程と、
本体と、本体から半径方向に突出する支持肩部とを備える導電性の接触部材を提供する工程と、
本体を第1の貫通孔に通して、支持肩部の第1の側にバイメタルのスナップ動作ディスクを配置する工程と、
本体を第2の貫通孔に通して、支持肩部の第1の側と反対側の第2の側にスナップ動作ばねディスクを配置する工程と、
支持肩部の第1の側に配置される本体の第1の部分を形成して、第1のロック要素を生成し、温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスクが、第1のロック要素と支持肩部との間に配置され、第1のロック要素と支持肩部とによって、接触部材の本体に、捕捉状態であるが隙間を持って保持される工程と、
支持肩部の第2の側に配置される本体の第2の部分を形成して、第2のロック要素を生成し、温度に依存しないスナップ動作ばねディスクが、第2のロック要素と支持肩部との間に配置され、第2のロック要素と支持肩部とによって、接触部材の本体に、捕捉状態であるが隙間を持って保持される工程とを備える。
【0020】
本発明によるスイッチング機構は、バイメタルのスナップ動作ディスク及びスナップ動作ばねディスクの夫々の貫通孔を通過する導電性の接触部材を備える。このように、接触部材は、両方のスナップ動作ディスクを通って突出する。
接触部材は、半径方向に突出する支持肩部を有し、支持肩部に対し2つのスナップ動作ディスクが両側から配置される。
この支持肩部の両側に配置されたロック要素は、支持肩部と各ロック要素の間にある夫々のスナップ動作ディスクを、捕捉状態に保持するが、接触部材に隙間を設けている。接触部材は、バイメタルのスナップ動作ディスク及びスナップ動作ばねディスクと共に、半完成品として予め製作され、大量の材料として在庫状態に保たれることができる捕捉ユニットを形成し、次に、スイッチが組み立てられるときに、その全体を対応するスイッチハウジングにユニットとして挿入することができる。
【0021】
バイメタルのスナップ動作ディスクとスナップ動作ばねディスクを保持してロックするためのロック要素は、接触部材の本体に一体的に接続されている。ロック要素は、本体の夫々の部分を形成することによって作り出される。このように接触部材は一体で形成されており、接触部材の本体は、支持肩部及び2つのロック要素に一体的に接続されている。
【0022】
全体として、接触部材、バイメタルのスナップ動作ディスク及びスナップ動作ばねディスクは、捕捉ユニットとして実施される3つの部品のスイッチング機構を形成するために組み合わされることができる。この3つの部品の構成は、できるだけ少ない必要な構成要素を有するという利点と、機械的に非常に安定で耐性のあるスイッチング機構の構成の利点との両方を有する。
【0023】
ドイツ特許10 2011 119 632号に開示されているスイッチとは異なり、スナップ動作ばねディスクと接触部材との間の溶接またははんだ付けの接続がないため、スナップ動作ばねディスクと接触部材との間の溶接またははんだ付けされた接続部の破壊があり得ない。
【0024】
ドイツ特許公開公報199 19 648号に関して記載したように、バイメタルのスナップ動作ディスク及び/又はスナップ動作ばねディスクを接触部材から意図せずに切り離すことも、ロック要素故に不可能である。
【0025】
接触部材の一体構成は、ドイツ特許公開公報10 2007 014 237号及びドイツ特許公開公報29 17 482号に開示されたスイッチにおいて実施されるリベット接続のツーピース構成と比較して、機械的な理由とその製造コストの低減の両方の点で有利である。
さらに、バイメタルのスナップ動作ディスク及びスナップ動作ばねディスクは、ロック要素によって接触部材の本体上に隙間を持って保持されるので、望ましくない応力及びその結果として生じる2つのスナップディスクの変形の可能性はほとんどない。
【0026】
このように、上述の課題は完全に解決されている。
【0027】
一実施形態によれば、第1のロック要素は、本体から半径方向に突出し且つ本体と一体に形成された少なくとも1つの第1の保持爪と、又は本体から半径方向に突出し且つ本体の周囲を取り囲む第1のフランジ付きカラーとを備えている。同様に、本実施形態によれば、第2のロック要素は、本体から半径方向に突出して一体に形成された少なくとも1つの第2の保持爪と、本体から半径方向に突出して本体の周囲を取り囲む第2のフランジ付きカラーとを備えている。
【0028】
各ロック要素(第1のロック要素及び第2のロック要素)に対して1つ以上の保持爪を設けることができる。この保持爪は、本体の個々の円周部分を形成したり、本体の全周を囲んだりすることができる。これらの保持爪は、曲がったまたはフランジ状の保持爪として形成することができる。
【0029】
保持爪の代わりに、円周方向のカラーも、各場合においてロック要素として作用することができる。このカラーは、接触部材の本体上に対応して予備形成された部品をフランジ加工することによって製造することができ、或いはカラーは、本体に作られた円周方向の切欠きによっても作り出すことができ、該切欠きを通して、さらに半径方向外側にある本体の材料が半径方向外側に曲げられ、カラーを形成する。
【0030】
このように、2つのスナップ動作ディスクは本体に捕捉状態であるが、隙間を持って保持される。これらのロック要素の製造は極めて簡単である。ロック要素は本体と一体的に接続されているため、ロック要素は機械的に非常に安定しているように構成されている。
【0031】
さらなる実施形態によれば、支持肩部の第1の側部に配置された接触部材の上側と支持肩部の第2の側部に配置された接触部材の下側との間の第1の距離は、第1のロック要素と第2のロック要素との間の第2の距離よりも大きい。
【0032】
換言すれば、ロック要素は、接触部材の自由上側と自由下側との間の領域に配置される。したがって、接触部材は、ロック要素が対向接点または対向接触面に接触することなく、その自由上側及び自由下側を対応する対向接点または対向接触面に対して静止することができる。一方では、これは、接触部材と対向接点または対向接触面との間に正確に規定された接触を生じ、他方では、ロック要素の損傷を防止する。
【0033】
さらなる実施形態によれば、バイメタルのスナップ動作ディスクは、スナップ動作ばねディスクよりも大きな隙間を持って本体上に保持される。
【0034】
従って、スナップ動作ばねディスクは、バイメタルのスナップ動作ディスクが支持肩部と第1のロック要素の間にあるよりも、支持肩部と第2のロック要素の間に、より強くクランプされるのが好ましい。このように、バイメタルのスナップ動作ディスクは、スナップ動作ばねディスクよりも、接触部材に対してより大きな可動性を有する。
これにより、スナップ動作ばねディスクと接触部材との間の可能な限り最良の電気的接触が保証される一方で、バイメタルのスナップ動作ディスクの十分な可動性が可能になり、耐用年数の点で有利である。
【0035】
バイメタルのスナップ動作ディスクは、スナップ動作ばねディスクとは異なり、スイッチング機構の通電部品として使用されないのが好ましいので、バイメタルのスナップ動作ディスクと接触部材との間に、あまりきつい寸法のクランプを必要としない。
【0036】
さらなる実施形態によれば、スイッチング機構は、接触部材の縦方向軸に関して回転対称に構成される。
【0037】
これにより、スイッチ機構をスイッチハウジングに非常に簡単に挿入することができる。加えて、これにより、2つのスナップ動作ディスクから接触部材への最適な力伝達が可能になり、この力伝達は、円周方向に等しく分配される。
【0038】
さらに別の実施形態によれば、第1の貫通孔は、バイメタルのスナップ動作ディスク内の中央に配置される。同様に、第2の貫通孔は、スナップ動作ばねディスク内の中央に配置されることが好ましい。
【0039】
バイメタルのスナップ動作ディスク及びスナップ動作ばねディスクは、各円形ディスク形状であることが好ましい。さらに、バイメタルのスナップ動作ディスク及びスナップ動作ばねディスクは、各々双安定であるのが好ましい。
【0040】
この点での「双安定」は、両方のスナップ動作ディスクが夫々2つの異なる安定した幾何学的構成/位置(ここでは同義語として用いられる)を備えることを意味し、バイメタルのスナップ動作ディスクの2つの安定な構成/位置は温度に依存し、スナップ動作ばねディスクの2つの安定な構成/位置は温度に依存しない。
これにより、2つのスナップ動作ディスクは、ある位置から別の位置に弾くように移動した後、望ましくないスナップバックをすることなく、夫々の位置で安定した状態を保つことができる。
したがって、スイッチング機構は、バイメタルのスナップ動作ディスクの応答温度を超えた場合、及びバイメタルのスナップ動作ディスクのリセット温度を下回った場合にのみ弾くように移動する。スナップ動作ばねディスクは、バイメタルのスナップ動作ディスクと一緒に弾くように移動し、夫々他の構成/位置に押し込まれる。
【0041】
更なる実施形態によれば、スイッチング機構は、バイメタルのスナップ動作ディスクと、スナップ動作ばねディスクと、接触部材とを、捕捉状態であるが隙間を有して保持するスイッチング機構ハウジングを更に含む。
【0042】
このスイッチング機構ハウジングは、スイッチの外側ハウジングを形成する典型的なスイッチハウジングと混同されるべきではない。本実施例に基づいて使用されるスイッチング機構ハウジングは、スイッチング機構が外側スイッチハウジングに設置される前に既に配置され得る追加のハウジングである。
【0043】
このようにして、スイッチング機構は、スイッチング機構ハウジング内に半完成品として予め製造されており、その後、スイッチング機構ハウジングとともにスイッチハウジング内に挿入されることができる。
【0044】
一方、スイッチング機構ハウジングは、バイメタルのスナップ動作ディスクやスナップ動作ばねディスクのようなスイッチング機構の壊れやすい部品が、保管時にスイッチング機構ハウジングによって保護されるという利点を有する。
一方、追加のスイッチング機構ハウジングにより、スイッチング機構ハウジングがすでにスイッチング機構の事前位置決めを可能にしているため、スイッチング機構をスイッチハウジングに設置する作業を大幅に簡略化することができる。さらに、追加のスイッチング機構ハウジングにより、極めて圧力安定性の高いスイッチを実現することができる。
【0045】
スイッチング機構ハウジングは、バイメタルのスナップ動作ディスク及びスナップ動作ばねグディスクを、第1のハウジング側、第1のハウジング側と反対側の第2のハウジング側、及び第1のハウジング側及び第2のハウジング側の間を延び且つ横切って延びるハウジング周縁側から取り囲み、第1のハウジング側は開口部を有し、該開口部を通って接触部材がスイッチング機構ハウジングの外側からアクセスできるのが好ましい。
【0046】
接触部材が開口部を介してスイッチハウジングから突出しているため、接触部材の相手部分として作用する静止接点は、したがって、依然としてスイッチ(外側)ハウジング上に配置することができる。
したがって、接触部材とスイッチハウジングに配置された相手方接点との間で、第1の電気的接触が行われ得る。スイッチング機構と、同じくスイッチハウジングに配置された第2の静止接点との間の第2の電気的接触は、スイッチング機構ハウジングを介して行うことができる。
【0047】
前記スイッチング機構ハウジング内の前記開口部の直径は、開口部に平行に測定される前記バイメタルのスナップ動作ディスクの直径よりも小さいことが好ましい。
【0048】
このように、バイメタルのスナップ動作ディスクは、スイッチング機構ハウジング内にしっかりと保持されており、対応する振動が発生した場合でもスイッチング機構ハウジングから取り外すことはできない。
【0049】
スイッチング機構ハウジングは、一体に形成され、導電性材料を備えるのが好ましい。スイッチング機構ハウジングは、金属で形成されるのが、特に好ましい。
【0050】
スイッチング機構ハウジングは、スイッチにおいて通電部品として使用されるのが好ましい。スナップ動作ばねディスクは、スイッチ機構ハウジングの内側に支持されて、スイッチの設置状態及びスイッチが閉じた位置において、スイッチの一方の端子からスイッチ機構ハウジング、スナップ動作ばねディスク及び接触部材を介してスイッチの他方の端子へ電流が流れることが好ましい。
【0051】
上述のように、本発明は、スイッチング機構自体に関わるだけでなく、このような温度依存型のスイッチング機構が用いられる温度依存型スイッチにも関わる。温度依存型スイッチは、スイッチング機構を取り囲み、第1の電気端子及び第2の電気端子を有するスイッチ(外側)ハウジングを備え、スイッチング機構は、バイメタルのスナップ動作ディスクの応答温度未満で、第1の電気端子及び第2の電気端子間の電気的接続を確立し、応答温度を超えると、電気的接続を切断するように構成される。
【0052】
以上の特徴及び以下に説明されていない特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、各場合において示される組合せにおいてのみならず、他の組合せにおいても、あるいはそれ自体においても使用することができることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示されており、以下の説明においてより詳細に説明する。
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る温度依存型スイッチング機構の概略断面図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る温度依存型スイッチング機構の概略断面図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態に係る温度依存型スイッチング機構の概略断面図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態に係る温度依存型スイッチング機構の概略断面図である。
【
図5】本発明に係る温度依存型スイッチのその低温位置における一実施形態の概略断面図である。
【
図6】
図5に示す本発明による温度依存型スイッチの高温位置における一実施形態の概略断面図である。
【
図7】
図2に示す第2の実施形態に係る発明に係るスイッチング機構の製造における製造工程を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1乃至
図4は、本発明によるスイッチング機構の様々な実施形態を示し、それぞれを概略断面図で示す。それぞれの場合において、スイッチング機構は、その全体が符号10で指定される。
【0055】
スイッチング機構10は、温度依存型のスイッチング機構である。以下でより詳細に説明するように、スイッチング機構10は、温度に応じて、低温位置と高温位置との間で切り替わる。
図1乃至
図4において、スイッチング機構10の低温位置がそれぞれの場合に示されている。
【0056】
スイッチング機構10は、3つの部分の構成となっている。スイッチング機構10は、温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク12、温度に依存しないスナップ動作ばねディスク14及び接触部材16を備えている。バイメタルのスナップ動作ディスク12及びスナップ動作ばねディスク14は、接触部材に捕捉状態に保持されるが、隙間を有する。したがって、スイッチング機構10は、半完成品として予め製造され、その後、
図5及び
図6に示されるような対応するスイッチに完全なユニットとして設置することができる。2つのスナップ動作ディスク12、14は、接触部材16に保持されているので、2つのスナップ動作ディスク12、14が接触部材16から意図せずに切り離されることは防止される。
【0057】
2つのスナップ動作ディスク12、14は、円形のディスク状であることが好ましく、各々は中央に配置された貫通孔18、20を備える。バイメタルのスナップ動作ディスク12の中央に配置された貫通孔18を第1貫通孔と呼ぶ。スナップ動作ばねディスク14に配置される貫通孔20を第2貫通孔と呼ぶ。
【0058】
2つのスナップ動作ディスク12、14は、夫々の貫通孔18、20をとともに両側から接触部材16に押し付けられる。したがって、接触部材16は、中心点において、両方のスナップ動作ディスク12,14を貫通する。接触部材16は、本体22を備え、該本体22は固体であるのが好ましく、導電性材料から構成される。この本体22は、2つの貫通孔18、20を通る。
【0059】
ほぼ中央、すなわち、高さの約半分で、接触部材16は、本体22から半径方向に突出する支持肩部24を備える。2つのスナップ動作ディスク12、14は、この支持肩部24に反対側から載置される。バイメタルのスナップ動作ディスク12は、支持肩部24の第1の側に配置されており、これは、
図1-
図4において上側を形成する。スナップ動作ばねディスク14は、支持肩部24の第1の側とは反対側の第2の側に配置されており、
図1-
図4の下側を形成している。
【0060】
さらに、ロック要素26、28が接触部材16に形成され、該ロック要素26、28により、2つのスナップ動作ディスク12、14が接触部材16上に保持される。2つのロック要素26、28は、接触部材16の本体22から半径方向に突出している。第1のロック要素26は、支持肩部24の第1の側に配置されている。第2のロック要素28は、支持肩部24の反対側の第2の側に配置されている。
【0061】
バイメタルのスナップ動作ディスク12は、第1のロック要素26と支持肩部24との間に配置され、第1のロック要素26と支持肩部24とが半径方向に突出することによって、第1のロック要素26と支持肩部24との間にて接触部材16の本体22上に、捕捉状態であるが隙間を有するように保持される。
【0062】
スナップ動作ばねディスク14は、第2のロック要素28と支持肩部24との間に配置され、第2のロック要素28と支持肩部24とが半径方向に突出することによって第2のロック要素28と支持肩部24との間にて、接触部材16の本体22上に、捕捉状態であるが隙間を有するように保持される。
【0063】
接触部材16は、支持肩部24及び2つのロック要素26、28と一体に形成されている。言い換えれば、支持肩部24と2つのロック要素26、28は、接触部材16の本体22と一体に形成されている。
【0064】
図1に示す第1の実施形態において、2つのロック要素26、28は、各々、円周方向の切欠き30、32によって形成された円周カラーとして構成されている。第1のロック要素26を形成する円周方向のカラーは、接触部材16の本体22から斜め上方に半径方向に突出している。第2のロック要素28を形成するカラーは、接触部材16の本体22から半径方向に斜め下方に突出する。
【0065】
両カラーは、円周の切欠き30又は32を形成することによって、比較的容易に接触部材16内に形成することができる。切欠き30、32は、2つのスナップ動作ディスク12、14がそれらの貫通孔18、20を用いて接触部材16の本体22上を滑らせた後、接触部材16に形成される。
【0066】
図2に示された第2の実施形態では、ロック要素26、28は、各々、少なくとも1つの保持爪34または36を備える。両方のロック要素26、28は、接触部材の全周に亘って延在する半径方向で円周方向の保持爪34、36のいずれかを有することができる。このような円周方向の保持爪は、
図1に示すカラーと非常に類似したロック要素を形成する。
【0067】
あるいは、両方のロック要素26、28が、接触部材16上で互いに円周方向に離間された複数のこのような保持爪34、36をそれぞれ備えることも可能である。次いで、これらの個々の、円周方向に分布した保持爪の間に中間空間が存在する。
【0068】
2つの保持爪34、36が夫々接触部材の全周にわたって連続的に延びるか、または円周上に分布するいくつかの爪要素を有するかにかかわらず、保持爪34、36は、対応する予め形成された爪要素を形成またはビーディングすることによって製造することが好ましい。この製造工程の一部を模式的に
図7に示す。
【0069】
図7は、特に下側の保持爪36のフランジ形成を示し、このフランジは、後にスナップ動作ばねディスク14を接触部材16に締結する働きをする第2のロック要素28を形成する。初期状態では、予備成形された保持爪34、36は、本体22から軸方向に夫々上方及び下方に突出する。
保持爪34、36は、適切な押圧プランジャ38によってフランジ状に形成される。この押圧プランジャ38は、その半径方向外端に円周方向に配置された斜面部40を有し、押圧プランジャ38は成形工程中に保持爪36と接触する。
押圧プランジャ38の相手方として機能する対抗するホルダ42は、接触部材16の支持肩部24を反対側から押圧する。したがって、保持爪36は押圧プランジャ38によって曲げられるか、またはフランジ状に形成される。
これは
図7にて矢印44によって示す。この工程の間、スナップ動作ばねディスク14は、半径方向に円周のベアリング面46上に載置されることが好ましい。
【0070】
バイメタルのスナップ動作ディスク12は、同様に取り付けられ、固定される。この目的のために、接触部材16は、接触部材16に取り付けられたスナップ動作ばねディスク14とともに、シート面に直交する軸を中心に180°回転され、バイメタルのスナップ動作ディスクが、スナップ動作ばねディスク14と比較して支持肩部24の反対側に配置されるように接触部材16の本体22上でスリップされる。次に、保持爪34は、同じ押圧プランジャ38によって半径方向外側に曲げられ、その結果、接触部材16に固定される。
【0071】
接触部材16の本体22は、その上側48にて凸状に形成されていることが好ましい。接触部材16は、接触部材16の上側48と下側50との間の距離d1が、第1のロック要素26と第2のロック要素28との間の距離d2よりも大きいように構成されるのが好ましい。
【0072】
接触部材16の少なくとも上側48は、第1のロック要素26に対して上方に突出するのが好ましい。これは、接触部材16の上側48が対応する対抗側の接点と接触し、ロック要素26、28が対抗側の接点との衝突を生じないので、特に有利である。
【0073】
さらに、バイメタルのスナップ動作ディスク12がスナップ動作ばねディスク14よりも大きな隙間で接触部材16上に保持されるならば、スイッチング機構10の機能にとって有利である。これは、バイメタルのスナップ動作ディスク12の十分に自由な動きを保証する。同時に、スナップ動作ばねディスク14と接触部材16との間の僅かに小さな隙間が、これら2つの構成要素間の可能な最良の電気接触を保証する。
【0074】
図3及び
図4は、本発明に係るスイッチング機構10の更なる実施形態を示す。バイメタルのスナップ動作ディスク12、スナップ動作ばねディスク14及び接触部材16の構成は、
図1に示す実施形態と同一である。さらに、
図3及び
図4に示す実施形態に係るスイッチング機構10は、スイッチング機構ハウジング52を備えている。このスイッチング機構ハウジング52では、バイメタルのスナップ動作ディスク12、スナップ動作ばねディスク14及び接触部材16からなるユニットが、捕捉状態であるが隙間を有して保持される。
【0075】
スイッチング機構ハウジング52は、バイメタルのスナップ動作ディスク12及びスナップ動作ばねディスク14を、第1のハウジング側部54、第1のハウジング側部54と反対側の第2のハウジング側部56、及び第1のハウジング側部及び第2のハウジング側部54,56の間を延び且つ横切って延びるハウジング円周側部58から少なくとも部分的に取り囲む。
スイッチング機構ハウジング52には、第1のハウジング側部54に開口部60が設けられており、この開口部を介してスイッチング機構ハウジング52の外部から接触部材16にアクセスすることができる。
【0076】
開口部60の直径D1は、開口部と平行に測定されたバイメタルのスナップ動作ディスク12の直径D2より小さい。したがって、接触部材16は開口部60を介して外部からアクセス可能であるが、バイメタルのスナップ動作ディスク12は、スイッチング機構ハウジング52から取り外すことができない。
【0077】
スイッチング機構ハウジング52は、一体に形成され、導電性材料、例えば金属からなるのが好ましい。スイッチング機構10は、スイッチング機構ハウジング52を含み、かつ、スイッチング機構ハウジング52を除く両方で、接触部材16の縦方向軸62に関して回転対称であるのが好ましい。
【0078】
図3及び
図4に示すスイッチング機構10の2つの実施形態は、スイッチング機構ハウジング52の形状が本質的に異なる。
図4に示す実施形態において第2のハウジング側部56に配置された底部64は、断面が円弧状の形態を有し、一種の凸形ドームを形成しているのに対し、
図3に示す実施形態においては底部64は本質的に板状の形態を有し、中央断面にカップ状の膨らみ部66を有している。
【0079】
もちろん、スイッチング機構ハウジング52の他の形状も可能である。しかし、スナップ動作ディスク12、14が
図3及び
図4に示される位置からスナップ動作、つまり弾くように動く(snap over)ときに、接触部材16がスイッチング機構ハウジング52内で下方に移動できることが重要である。この理由は、特に、
図5及び
図6に示される温度依存型スイッチの機能についての以下の説明から分かる。
【0080】
図5及び
図6では、本発明によるスイッチング機構10が使用され得る温度依存型スイッチの実施形態が、夫々の場合において概略断面図で示されている。このスイッチは、その全体として、符号100で示される。
【0081】
図5は、スイッチ100の低温位置を示す。
図6は、スイッチ100の高温位置を示す。
【0082】
図5及び
図6に示す実施形態によれば、スイッチ100は、スイッチング機構10の外側ハウジングとして機能するスイッチハウジング68を備える。スイッチング機構10は、そのスイッチング機構ハウジング52とともにスイッチハウジング68に挿入される。スイッチング機構10は、
図3に示す実施形態に対応する。しかし、
図4に示すスイッチング機構をスイッチ100のスイッチハウジング68内に等価な形態で挿入することもできることが理解される。同様に、スイッチ100の基本機能を変更することなく、例えば
図1及び
図2に示すような、スイッチ100のスイッチハウジング68内にスイッチング機構ハウジング52を備えていないスイッチング機構10を挿入することもできる。
【0083】
スイッチハウジング68は、ポット状の下部70と、折り曲げられ又はフランジが付けられた縁部74によって下部70に保持された蓋部72とを含む。
【0084】
図5及び
図6に示す実施例において、下部70及び蓋部72の両方は、導電性材料、好ましくは金属から形成される。下部70と蓋部72との間には絶縁箔76が配置されている。絶縁箔76は、蓋部72に対して下部70の電気絶縁を提供する。同様に、絶縁箔76は、外部からハウジングの内部に液体または汚染物が流入するのを防止する機械的シールを提供する。
【0085】
この実施形態における下部70及び蓋部72は夫々導電性材料からなるので、保護すべき電気的デバイスに対する熱接触を下部と蓋部の外面を介して確立することができる。外面はまた、スイッチ100の外部電気接続部としても機能する。例えば、蓋部72の外面71が第1の電気端子として機能し、下部70の外面73が第2の電気端子として機能してもよい。
【0086】
図5及び
図6に示されるように、更なる絶縁層78が、蓋部72の外側に配置されてもよい。
【0087】
スイッチング機構10は、下部70と蓋部72との間にクランプされて配置されている。スイッチング機構ハウジング52が円周方向に静止されるスペーサリング80が、スイッチング機構10を位置決めするために使用される。特に、接触部材16が、蓋部72の内側に配置される対抗する接点82に対して位置合わせされることが重要である。この対抗する接点82は、本明細書では第1の静止接点とも称される。下部70の内側75は、第2の静止接点として機能する。
【0088】
図5に示される位置では、スイッチ100は低温位置にあり、この位置では、温度に依存しないスナップ動作ばねディスク14はその第1の構成にあり、温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク12はその低温構成にある。スナップ動作ばねディスク14は、これにより、接触部材16を対抗する接点82に押し付け、スイッチ100は、このように閉じ位置にあって、第1の静止接点82と第2の静止接点75との間に、接触部材16とスナップ動作ばねディスク14を介して、導電性接続が確立される。接触部材16と第1の静止接点82との間の接触圧力は、スナップ動作ばねディスク14によって与えられる。これに対して、バイメタルのスナップ動作ディスク12は、この状態では実質的に力がかからない。
【0089】
保護すべき装置の温度、したがってスイッチ100の温度、及びスイッチ100に配置されたバイメタルのスナップ動作ディスク12の温度が今、バイメタルのスナップ動作ディスク12のスイッチング温度まで、またはこのスイッチング温度以上に上昇すると、スナップ動作ディスク12は、
図5に示すその凸状の低温形状から
図6に示すその凹状の高温形状へとスナップ動作、つまり弾くように動く(snap over)。
この弾くように動く間、バイメタルのスナップ動作ディスク12の外縁は、スイッチング機構ハウジング52の第1のハウジング側部54を圧迫する。その中央で、バイメタルのスナップ動作ディスク12は、可動の接触部材16を下方に引っ張り、可動の接触部材16を第1の静止接点82から離すように解除する(lift)。これにより、同時に、スナップ動作ばねディスク14がその中心で下方に撓み、スナップ動作ばねディスク14が、
図5に示されるその第1の安定した幾何学的形態から、
図6に示されるその第2の安定な幾何学的形態に弾くように動く。
図6は、開いているスイッチ100の高温位置を示す。従って、回路は遮断される。
【0090】
スイッチング機構10がスイッチング機構ハウジング52を含む場合を除き、スイッチング機構10の高温位置において、バイメタル製のスナップ動作ディスク12は、絶縁箔76を介在させた状態で蓋部72に対して支持される。
【0091】
保護される装置、ひいてはバイメタルのスナップ動作ディスク12を含むスイッチ100が再び冷え、例えば、
図5に示すように、バイメタルのスナップ動作ディスク12がスナップバック温度とも呼ばれるリセット温度に達すると、その低温位置に弾くように戻る。このように、可逆的なスイッチング挙動を実現することができる。
【0092】
もちろん、一旦高温位置に弾くように動かされたスイッチが、対応するロック機構によって切り替え復帰されないようにすることも可能である。切り替え復帰が防止される1回限りのスイッチに対して特に用いられる、このようなロック機構の多くは、既に先行技術から知られている。
【0093】
最後に、種々の実施形態において、例えば
図1-
図4に示すように、本発明に係るスイッチング機構10は、他のタイプの温度依存型スイッチに用いられることに留意されたい。
図5及び
図6は、本発明によるスイッチング機構10が使用され得る温度依存型スイッチの1つの可能な構成のみを示す。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度依存型スイッチ(100)のための温度依存型スイッチング機構(10)であって、
第1の貫通孔(18)を備える温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)と、
第2の貫通孔(20)を備える温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)と、
第1の貫通孔(18)及び第2の貫通孔(20)を貫通する本体(22)を備えた導電性の接触部材(16)とを備え、
ここで、前記接触部材(16)は、前記本体(22)から半径方向に突出する支持肩部(24)と、前記本体(22)から半径方向に突出し、前記支持肩部(24)の第1の側に配置された第1のロック要素(26)と、前記本体(22)から半径方向に突出し、支持肩部(24)の第1の側と反対の第2の側に配置された第2のロック要素(28)とを備え、
温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)は、第1のロック要素(26)と支持肩部(24)の間に配置されて、第1のロック要素(24)と支持肩部(24)によって接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持され、
温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)は、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)の間に配置されて、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)によって接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持され、
接触部材は一体的に形成され、本体(22)は支持肩部(24)、第1のロック要素(26)及び第2のロック要素(28)に一体的に接続されることを特徴とする、温度依存型スイッチング機構(10)。
【請求項2】
第1のロック要素(26)は、本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)と一体に形成される第1の保持爪(34)、又は本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)の周囲を囲む第1のカラーを備え、
第2のロック要素(28)は、本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)と一体に形成される第2の保持爪(36)、又は本体(22)から半径方向に突出し、本体(22)の周囲を囲む第2のカラーを備える、請求項1に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項3】
支持肩部(24)の第1の側に配置された接触部材(16)の上側(48)と、支持肩部(24)の第2の側に配置された接触部材(16)の下側(50)との間の第1の距離(d1)が、第1のロック要素(26)と第2のロック要素(28)との間の第2の距離(d2)よりも大きい、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項4】
前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)は、スナップ動作ばねディスク(14)より大きい隙間を持って本体(22)上に保持される、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項5】
スイッチング機構(10)が、接触部材(16)の縦方向軸(62)を中心に回転対称に構成されている、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項6】
前記第1の貫通孔(18)は、前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)の中央に配置され、前記第2の貫通孔(20)は、前記スナップ動作ばねディスク(14)の中央に配置される、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項7】
前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)及びスナップ動作ばねディスク(14)は、それぞれ円形のディスク状である、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項8】
スナップ動作ばねディスク(14)は、温度に依存しない安定した2つの幾何学的構成を有する双安定のスナップ動作ばねディスク(14)として構成され、バイメタルのスナップ動作ディスク(12)は、温度に依存する安定した2つの幾何学的構成を有する双安定バイメタルのスナップ動作ディスク(12)として構成される、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項9】
バイメタルのスナップ動作ディスク(12)、スナップ動作ばねディスク(14)及び接触部材(16)を捕捉するが隙間を有して保持するスイッチング機構ハウジング(52)を有する、請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項10】
スイッチング機構ハウジング(52)は、バイメタルのスナップ動作ディスク(12)及びスナップ動作ばねディスク(14)を、第1のハウジング側(54)、第1のハウジング側(54)と反対側の第2のハウジング側(56)、及び第1及び第2のハウジング側の間を延び且つ横切って延びるハウジング周縁側(58)から取り囲み、第1のハウジング側(54)は開口部(60)を有し、該開口部(60)を通って接触部材(16)がスイッチング機構ハウジング(52)の外からアクセスできる、請求項9に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項11】
前記開口部(60)の直径(D1)が、開口部に平行に測定されたバイメタルのスナップ動作ディスク(12)の直径(D2)より小さくなっている、請求項10に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項12】
前記スイッチング機構ハウジング(52)は、一体的に形成され且つ導電性材料からなることを特徴とする請求項9に記載の温度依存型スイッチング機構。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の温度依存型スイッチング機構(10)と、前記温度依存型スイッチング機構(10)を取り囲むスイッチハウジング(68)とを含み、第1の電気端子(71)及び第2の電気端子(73)を備え、前記スイッチング機構(10)は、前記バイメタルのスナップ動作ディスク(12)の応答温度以下で、前記第1の電気端子及び第2の電気端子(71, 73)間の電気的接続を確立し、前記応答温度を超えると電気的接続を中断するように構成される、温度依存型スイッチ(100)。
【請求項14】
温度依存型スイッチング機構(10)の製造方法であって、
第1の貫通孔(18)を備える温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)を提供する工程と、
第2の貫通孔(20)を備える温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)を提供する工程と、
本体(22)と、本体(22)から半径方向に突出する支持肩部(24)とを備える導電性の接触部材(16)を提供する工程と、
本体(22)を第1の貫通孔(18)に通して、支持肩部(24)の第1の側にバイメタルのスナップ動作ディスク(12)を配置する工程と、
本体(22)を第2の貫通孔(20)に通して、支持肩部(24)の第1の側と反対側の第2の側にスナップ動作ばねグディスク(14)を配置する工程と、
支持肩部(24)の第1の側に配置される本体(22)の第1の部分(22)を形成して、第1のロック要素(26)を生成し、温度に依存するバイメタルのスナップ動作ディスク(12)が、第1のロック要素(26)と支持肩部(24)との間に配置され、第1のロック要素(26)と支持肩部(24)とによって、接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持される工程と、
支持肩部(24)の第2の側に配置される本体(22)の第2の部分(22)を形成して、第2のロック要素(28)を生成し、温度に依存しないスナップ動作ばねディスク(14)が、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)との間に配置され、第2のロック要素(28)と支持肩部(24)とによって、接触部材(16)の本体(22)に、捕捉状態であるが隙間を持って保持される工程とを備えた、製造方法。
【外国語明細書】