(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147501
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造
(51)【国際特許分類】
E04B 1/02 20060101AFI20241008BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20241008BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
E04B1/02 D
E04H1/02
E04B1/348 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024034821
(22)【出願日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10 2023 108 490.9
(32)【優先日】2023-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】524089280
【氏名又は名称】ベルント ハイデンライヒ
【氏名又は名称原語表記】Bernd Heidenreich
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ベルント ハイデンライヒ
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建築物内の異なる荷重にいつでも容易に適応でき、同時に搬送体積を削減できる要素から作製された平面構造モジュールを開発すること
【解決手段】複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、要素は、上方および下方の、互いに離間した二次シェル要素1から与えられており、クロスバー7および筋交い10が所属する静的で必要な充填バーによって、一次シェル構造の形式の2シェル型平面構造に接合されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記要素は、上方および下方の、互いに離間した二次シェル要素から与えられており、クロスバー(7)および筋交い(10)が所属する静的で必要な充填バーによって、一次シェル構造の形式の2シェル型平面構造に接合されている、一次シェル構造において、
前記平面構造モジュールは、同じ構造で面対称に離間されて対向する各2つの二次シェル要素(1)が所属する個別の要素から成り、前記二次シェル要素は、これにより平面構造モジュール体積を画定し、平面要素(1.1)から形成され、前記平面要素は、外エッジに対して平行に延在する並置された複数の溝(1.2)を各側面に有し、これらの溝の両側の幾何学的な断面延長部に穿孔部(1.7)が存在し、前記穿孔部は、横方向に、好適には角パイプ部材(1.6)の中央に形成されており、前記角パイプ部材は、モジュール内側に向かって二次シェル要素(1)の表面に対して垂直の方向に片側で張り出した前記平面要素(1.1)のコーナにある切欠部に取り付けられ、その断面に関して前記平面要素(1.1)の面を超えて突出しており、その結果、複数の二次シェル要素(1)が並置されると相互に間隔(2)が形成され、前記間隔は、当接する平面要素(1.1)の側面と、角パイプ部材(1.6)の突き出た側面とにより境界付けられており、モジュールを画定する2つの前記二次シェル要素(1)の間隔と長さがクロスバー(7)によって決定され、前記クロスバーは、少なくともそれらの端部が中空プロフィールから成り、前記中空プロフィールの内側断面積は、システムノードにおいて互いに並んだ角パイプ部材(1.6)の外面積に対応し、かつ前記中空プロフィールは、角パイプ部材(1.6)のモジュール内側の張り出し部にわたって延びており、かつ確保されたボルトまたはネジ(8)により対応する穿孔部内に固定されており、その結果、各平面構造モジュールが固有のクロスバーを、前記二次シェル要素に対して直角に延在する各エッジにもはや有せず、一つのクロスバー(7)だけが一次シェル構造ノードに当接する全てのモジュールコーナのために設けられており、前記溝(1.2)内には垂直抗力要素(1.3)が延在し、前記垂直抗力要素はバーから形成され、角パイプ部材(1.6)にある当接する穿孔部(1.7)に貫通した後、これらの角パイプ部材に、接続スリーブまたは固定要素(1.5)を用いて最初にまたは部分的に固定されており、またはこれらの他に接続スリーブまたは固定要素(1.5)を用いて最初にまたは部分的に固定されている、ことを特徴とする一次シェル構造。
【請求項2】
平面構造モジュールから成る建物およびその他の構造物の組み立ておよび解体方法において、
前記平面構造モジュールは構造物吊り上げ方法で組み立てられ、この場合、先ず、基礎二次シェル要素(3)、ベース要素(5)、コーナベース要素(6)および基礎クロスバー(9)から基礎レベルが形成され、筋交い(10)および/または横力フレーム(12)、並びに設備および他の所望の物体およびハウス技術の装置を取り付けた後、一次シェル構造が基礎レベルにおいて、二次シェル要素(1)の装着および確保によって上から閉鎖され、その後、二次シェル要素(1)の次の下層が配置され、クロスバー(7)が装着され確保され、並びに全ての所望のまたは必要な設備、必要な筋交い(10)および横力フレーム(12)が取り付けられ、上部の二次シェル要素(1)が装着され確保され、前記一次シェル構造にはモジュールサイズの開口部が残され、前記開口部に建物の昇降装置が基礎レベル上に設置され、前記昇降装置により一次シェル構造全体が、または建物設置面積が大きい場合は適切な部分が、組立追加品を加えた1階の高さだけ上方に持ち上げられ、その後、基礎レベル上で同じようにして、次の一次シェル構造が作製され、最後に作製された2つの一次シェル構造の間に、全ての壁、支柱、そして場合により内装および家具の大事な部分を組み込み、その後に上側の一次シェル構造を組立追加品の周りで下に降ろして固定し、荷重伝達を保証し、その後、完成した建物部分全体を基礎レベルより上に持ち上げ、希望の階数に達するか、または昇降装置の耐荷重能力が尽きるまでこのプロセスを繰り返し、この方法は、高層ビルでも、昇降装置を上方に延長したり、またはより高いレベルに新たに設置したりすることにより部分的に適用でき、そのために、設置領域を一時的に支持する必要が生じることがあり、最終的には、欠けている二次シェル要素の装着および固定によって可及的に早く持ち上げ開口部を閉鎖する必要があり、この場合、工場で事前に組み立ておよび事前に設置された一次シェル構造のセグメントを建設現場に配送し、そこで組み立てて構造物吊り上げ方法に統合することもでき、建物吊り上げ方法は、この構造形式の既存の建物に適用する際には、構造階を後から取り付けること、またはこれから取り外すことを可能にし、このために、壁と天井の接続を上側または下側で解除し、上方に移動可能な建物部分を持ち上げて、新しい階を追加または撤去しなければならない、ことを特徴とする組み立ておよび解体方法。
【請求項3】
択一的に、前記平面構造モジュールは個別に、または事前に組み立てたセグメントに取り付けて固定し、ただしその際には一時的な支持が必要になることもあり、これは特に建物が戸建て住宅のように小さい場合、個々の要素を少なくとも部分的に手作業で組み立てることができるので使用可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造の変更において、
二次シェル要素(1)は、2つの二次シェル要素(1)がコンクリートなどの耐湿性かつ堅牢な材料から作製されるように形成されており、2つの二次シェル要素(1)間に間隔(2)が存在せず、下方のレベルでは、いずれにしろ間隔(2)が発生しない基礎二次シェル要素(3)が適用され、平面要素(1.1)の側面にある溝(1.2)の代わりに、ここでは対応の連続する穴部が、変更された二次シェル要素(1)と基礎二次シェル要素(3)の側面に設けられており、一次シェル構造の部分的なまたは全体の取り付け後に、前記穴部に所要の補強部が通され、そのために設けられた凹部に固定され、垂直抗力要素(1.3)が千鳥状に終わる個所、または延長される個所では、変更された二次シェル要素(1)にある凹部がそれぞれ前記二次シェル要素(1)の内側から発して、前記連続する穴部を、前記垂直抗力要素(1.3)を収容するために部分的に露出させるように形成され、垂直抗力要素(1.3)のための接続スリーブまたは固定要素(1.5)に取り付けられており、これらの一次シェル構造の側方端部は、C字型の変更されたベース要素(5)によって形成され、前記ベース要素は、下方の脚部に対して対称の追加の上方の水平脚部を備えている、ことを特徴とする一次シェル構造の変更。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許文献1から公知であり、何度もさらに開発された、一次シェル構造の製造に用いられる平面構造モジュールから成る建物および他の構造物の製造に関する。この平面構造モジュールは、特許文献2に記載されている複合建築支持構造のための対応する最初のさらなる開発ステップの後でも同様に基礎である。一次シェル構造という用語は、ここではより狭義に理解され、以下では、ここで説明する平面構造モジュールから作製される、天井および基礎スラブを主に形成するための水平の平面構造を指す。種々の新しい特徴をさまざまに組み合わせることで、風力発電設備、橋、又はその他の構造物のための、例えば平面基礎などの工学的建築物の製造も可能になる。
【背景技術】
【0002】
特許文献3から「建物用の構造フレームであって、隣接する第1および第2の柱と;隣接する2つのコーナに位置する第1および第2のコーナノッチと、第1のコーナノッチと第2のコーナノッチとの間に画定された第1の長手エッジビームとを有する少なくとも1つのプレキャストコンクリート床スラブであって、前記第1の長手エッジビームが第1の柱と第2の柱との間に配置されており、これにより第1の柱と第2の柱が第1と第2のコーナノッチ内に収容され、第1の長手エッジビームが第1の柱と第2の柱に当接する、プレキャストコンクリート床スラブと;第1の柱と第2の柱との間に延び、かつ第1の長手エッジビームを第1の柱と第2の柱との間で圧縮するよう張力が掛けられるように設計されている第1の緊張材アセンブリであって、前記第1の緊張材アセンブリは、第1の柱と第2の柱の垂直中央面の両側に対称に配置された少なくとも1つの左ケーブルと少なくとも1つの右ケーブルとを有する、第1の緊張剤アセンブリと;を含む建物用の構造フレーム」が公知である。
【0003】
前述の従来技術の欠点は、連続して製造された同一の平面構造モジュールが、たとえ建築物内であっても、異なる応力状況に容易に適応できないことである。平面構造モジュールの静的設計は、これまで、通常の使用状況の大部分をカバーするために、予想される範囲の上限の荷重に基づいていた。この場合、同一モジュールのかなりの部分が耐荷重能力の点で、低い程度から非常に低い程度で荷重されるため、これは不経済である。さらに、以前から知られている、完全にプレハブ式の平面構造モジュールは、非常に大きな搬送体積を必要とし、比較的大きな最小組立重量を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第3583274号明細書
【特許文献2】国際公開第2021/219189号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0203458号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、建築物内の異なる荷重にいつでも容易に適応でき、同時に搬送体積を削減できる要素から作製された平面構造モジュールを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、公知の構造設計の平面構造モジュールがさらに開発され、以下に提示されることによって解決される:
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記複数の要素には、通常は同一に構成され、面対称に離間して対向する各2つの二次シェル要素が所属し、前記二次シェル要素は、これにより平面構造モジュール体積を制限し、四角の、通常は長方形の、適切な寸法および前記平面よりも格段に小さい長さと幅である適切な厚さの適切な材料の平面要素から形成され、しかし各側面においては複数の並置された、外エッジに対して平行に延在する溝を収容するのに十分であり、前記溝の両側の延長部には穿孔部が存在し、前記穿孔部は横方向に、好適には角パイプ部材の中央に形成されており、前記角パイプ部材は、片側でモジュール内側に向かって張り出した平面要素のコーナにある切欠部に取り付けられ、その断面に関して平面要素の面を超えて突出しており、その結果、複数の二次シェル要素が面一に配置されると相互間隔が形成され、前記間隔は、当接する平面要素の側面と角パイプ部材の突出するそれぞれの側面領域によって境界付けされており、モジュールを画定する2つの二次シェル要素の間隔と長さがクロスバーによって決定され、前記クロスバーは、少なくともそれらの端部が中空プロフィールから成り、前記中空プロフィールの内側断面積は、システムノードにおいて互いに並んだ角パイプ部材の外面積に対応し、かつ前記中空プロフィールは、角パイプ部材のモジュール内側の張り出し部にわたって延びており、かつ確保されたボルトまたはネジにより対応する穿孔部内に固定されており、その結果、各平面構造モジュールが固有のクロスバーを、二次シェル要素に対して直角に延在する各エッジにもはや有せず、一つのクロスバーだけが一次シェル構造ノードに当接する全てのモジュールコーナのために設けられており、前記溝内には垂直抗力要素が延在し、前記垂直抗力要素は、十分に剛性の材料から成るバーから形成され、角パイプ部材の当接する穿孔部を貫通した後、接続スリーブまたは固定要素を用いて最初にまたは部分的に固定される、一次シェル構造。
【0007】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記複数の要素では溝が、同じ基本方向に延在する、すなわち長方形の平面要素の場合は平行なそれぞれ2つの側面に同じ高さで延在し、2つの残りの側面では高さがずらされて配置されており、これにより貫通する垂直抗力要素の衝突が緩和され、平面要素の面ごとに先ず少なくとも一つの垂直抗力要素だけが組み込まれ、角パイプ部材内に固定され、これにより平面要素と角パイプ部材とが他のやり方ですでに力結合して互いに接合されておらず、残りの溝を利用できる場合には二次シェル要素を形成し、一次シェル構造の局所的な荷重に応じて、可変の適切な強度と長さを備える異なる数の垂直抗力要素を組み付け、前記垂直抗力要素は、複数の平面構造モジュールにわたって貫通することもでき、接続スリーブまたは固定要素を用いて、溝の拡張部に延長または固定することができ、前記垂直抗力要素は、それによって生じた間隔によりアクセス性が保証されているので、いつでも僅かな手間で除去または追加することができ、その後、前記間隔に、適切な断面と必要な強度を備えた一つまたは複数のバーにより可逆的に充填され、前記間隔が他の目的で使用されない場合、または部分的にしか使用されない場合、前記間隔を圧力の伝達に利用することもでき、前記バーは、その断面が連続してまたは部分的に一次シェル構造の高さを超えて拡大され、隣接する後続のバーと結合される場合、二次シェル平面における引張力導出を補強するために利用することができる、一次シェル構造。
【0008】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記複数の要素では、突出する角パイプとこれに挿入されるクロスバーとの間に差し込み接続が寸法どおりではなく適度な大きさの遊びをもって形成され、これにより、必要な場合には、垂直抗力要素の通過に必要な穿孔部またはスロットを備えた、接続クリアランスの厚さに中間プレートを交互に有意義に取り付けることによって、一方の二次シェル平面が延長されると同時に他方の二次シェル平面が短縮され、このようにして、得られる一次シェル構造に曲率が形成される、一次シェル構造。
【0009】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記複数の要素では、一次シェル構造のせん断力が筋交いによって吸収され、前記筋交いは、形状的かつ摩擦的に結合されて組み込まれ、優先的に圧力を吸収するものであり、効率的で簡明な荷重導入のために筋交いには追加の角度プロフィール部材を取り付けることができ、前記角度プロフィール部材は、このようにしてやや延長された接続ボルトによって、突出した角パイプ部材と同様に側方が平行の2つの方向に高さがずらされて配置されるべきクロスバーとの間に固定され、使用状態でもまだ取り付け取り外しが可能であり、次にこの状況において筋交いは、拡張装置または一次シェル構造の目的どおりの支持によって負荷軽減されなければならない、一次シェル構造。
【0010】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記複数の要素では、例えばコンテナまたは植物プランターを移動すべきときに筋交いが障害として作用する場合、筋交いが、いつでも取り付け取り外し可能でなければ二分割式横力フレームにより置き換わり、前記横力フレームは、いつでも取り付け取り外し可能でなければならず、したがって二分割式に構成されており、前記二分割式横力フレームのために二次シェル要素同士の間隔が使用されるものであり、フレーム金具のために角度プロファイルを使用することができ、フレームの平面内に延在するその脚部は、二次シェル要素同士の間隔に突入し、角度は平面要素の内側エッジを含み、平面要素の端部にフレーム金具に対して直角に、したがってクロスバー、例えば長方形パイプの方向にフレームステムとして溶接され、前記フレームステムは、クロスバーの長さの半分よりやや短く、クロスバーにコネクタを有し、応力に依存して前記横力フレームは、モジュールが並置されるときに一度、すなわち一つのモジュールにだけ、または二度、すなわち2つのモジュールに取り付けることができ、前記横力フレームは、2つのフレームをフレーム金具として使用される角度プロファイルの両脚部の間の平面構造モジュール境界に取り付ける際に、二次シェル要素同士の間隔に第3のフレームに対するスペースが残されるように作製することができ、前記第3のフレームは、フランジバーから作製しなければならず、前記の横力フレーム同士の間に取り付けられ、それら横力フレームに側方の接続部によって接続され、そこから横力フレームの全体強度を3つ以上の段階で実際の応力に適合する可能性が生じ、横力フレームは、二次シェル平面への力伝達を付加的に向上させるためにも利用することができる、一次シェル構造。
【0011】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記複数の要素では基礎一次シェル構造の下部基礎二次シェル要素が鉄筋コンクリートなどの堅牢な材料から作製され、基礎二次シェル要素の厚さは荷重に応じて選択され、側方の溝と角パイプ部材、およびひいてはコーナにおける切り欠き部も省略可能であり、そのために基礎二次シェル要素は、各コーナに取り付けられ、適切に固定された内ネジスリーブを獲得しており、前記内ネジスリーブは、上方が開いており、最初に取り付けアイレットを固定するために使用され、前記基礎一次シェル構造は、堅牢な側方の閉鎖のためと、建物の外壁を外壁の厚さで、後で収容するためにL字形のベース要素によって全周で拡大され、ベース要素は、好適には基礎二次シェル要素と同じ材料から成り、その水平脚部は、その自由端部において同様に前記のネジスリーブを獲得し、直立した垂直の脚部が、基礎一次シェル構造の高さを超えて側方の建物境界を形成し、基礎一次シェル構造の上には外壁荷重も掛かり、コーナベース要素が形成されるように建物コーナではベース要素を変更する必要がある、一次シェル構造。
【0012】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造であって、前記複数の要素では基礎一次シェル構造内に基礎クロスバーが、下側に突き出たベースプレートを形成しており、前記ベースプレートは、基礎二次シェル要素にあるネジスリーブに対応する穿孔部を獲得し、前記基礎クロスバーは、基礎二次シェル要素のノードポイント上にねじ留めされ、このことは同時に、基礎レベルのプレート作用を保証し、基礎二次シェル要素のレベルにおける、場合により作製に起因する高さの差異を補整するために、または局所的な沈下の差異を補償するために、基礎クロスバーを、突き出たベースプレートの下方に追加のナットを取り付けることによって高さ調整可能にかつ垂直に整列可能に組み付けることができ、荷重が比較的に大きい場合には、ベースプレートを部分的にまたは全面で張り直す必要がある、一次シェル構造。
【0013】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造から成る建物およびその他の構造物であって、支持内壁、支柱およびシャフトが複合建物支持構造を形成するために、一次シェル構造の天井に金具またはマンドレルにより接続され、前記金具またはマンドレルは、二次シェル構造のコーナにある角パイプ部材の中に、またはそこを通って案内され、次に場合により自由な穿孔部を通って角パイプ部材内に平面構造モジュール要素の高さでねじ留めされ、または角パイプ部材とクロスバーとの間の接続部に一体化され、または選択的に例えばネジロッドのような接続要素が角パイプ部材およびクロスバーも通って、従って全ての要素を通って案内され、反対側でプレートにより固定される、建物およびその他の構造物。
【0014】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造から成る建物およびその他の構造物であって、外壁要素と外壁境界要素も同様に、プレハブ部材から成り、前記プレハブ部材は、平面構造モジュールサイズのグリッドの幅で作製され、それぞれコーナを把持する外壁クランプにより固定され、クランプは、壁の反対側で垂直の中空プロフィールを獲得し、中空プロフィールの長さは、二次シェル要素のコーナにある角パイプ部材の突出部に対応し、前記中空プロフィールは、クロスバーまたは基礎クロスバーのそれぞれ自由断面に挿入され、これらを充填し、角パイプ部材と同様にクロスバー内に確保され、クランプは、隣接する2つの外壁要素を建物の外側に、例えばベース要素の垂直脚部の上側にあるネジスリーブに対応する垂直の穿孔部を通して確実に保持されるのに十分な幅で構成されており、それらの接続により隣接するベース要素も上側で相互に接続され、適切に変更されたコーナ外壁クランプが建物コーナ領域に使用される、建物およびその他の構造物。
【0015】
平面構造モジュールから成る建物およびその他の構造物の組み立ておよび解体方法であって、前記平面構造モジュールは、構造吊り上げ工法で組み立てられ、先ず、基礎レベルを、基礎二次シェル要素、ベース要素、コーナベース要素および基礎クロスバーから形成し、筋交いおよび/または横力フレーム並びに設備および他の所望の物体および装置を取り付けた後、基礎レベルにある一次シェル構造が二次シェル要素の上からの装着および確保によって閉鎖され、その後、二次シェル要素の次の下層が配置され、クロスバーが装着され確保され、並びに全ての所望物または必要物が設置され、必要な筋交いと横力フレームが取り付けられ、上部の二次シェル要素が装着され確保され、前記一次シェル構造にはモジュールサイズの開口部が適切な数と配置で残され、前記開口部に建物の昇降装置が基礎レベル上に設置され、前記昇降装置により一次シェル構造全体が、または建物設置面積が大きい場合は適切な部分が、組立追加品を加えた1階の高さだけ上方に持ち上げられ、その後、基礎レベル上で同じようにして、次の一次シェル構造が作製され、最後に作製された2つの一次シェル構造の間に、全ての壁、支柱、そして場合により内装および家具の大事な部分を組み込み、その後に上側の一次シェル構造を組立追加品の周りで下に降ろして固定し、荷重伝達を保証し、その後、完成した建物部分全体を基礎レベルより上に持ち上げ、希望の階数に達するか、または昇降装置の耐荷重能力が尽きるまでこのプロセスを繰り返し、この方法は、高層ビルでも、昇降装置を上方に延長したり、またはより高いレベルに新たに設置したりすることにより部分的に適用でき、そのために、設置領域を一時的に支持する必要が生じることがあり、最終的には、欠けている二次シェル要素の装着および固定によって可及的に早く持ち上げ開口部を閉鎖する必要があり、この場合、工場で事前に組み立ておよび事前に設置された一次シェル構造のセグメントを建設現場に配送し、そこで組み立てて構造物吊り上げ方法に統合することもでき、この場合、構造物吊り上げ方法を少し変更して時間差を適用することもでき、それにより、この形式の既存の建物にも建物階を後から組み込んだり、これから撤去したりすることが可能であり、この目的のために、壁と天井の接続を上部または下部で解除し、上方に移動可能な建物部分を持ち上げて、新しい階を追加または撤去することができる、組み立ておよび解体方法。
【0016】
平面構造モジュールから成る建物およびその他の構造物の組み立ておよび解体方法であって、択一的に、平面構造モジュールを個別に、または事前に組み立てられたセグメントに取り付けて固定し、ただしその際には一時的な支持も必要となることがあり、これは特に建物が戸建て住宅のように小さい場合、個々の要素を少なくとも部分的に手作業で組み立てることができるので使用可能である、組み立ておよび解体方法。
【0017】
複数の要素から成る平面構造モジュールから成る一次シェル構造の変更であって、
前記複数の要素では、二次シェル要素が、応力の高い平面基礎や橋梁などの工学的建築物の建造にも使用できるように変更され、その際に、両方の二次シェル要素が鉄筋コンクリートなどの耐湿性かつ堅牢な材料から作製され、二次シェル要素同士の間の間隔が省略され、下位レベルでは、いずれにせよ間隔のない基礎二次シェル要素を使用することができ、平面要素の側面の溝の代わりに、ここでは対応する連続した穴部が、変更された二次シェル要素および基礎二次シェル要素の側面の隣に設けられ、前記穴部に一次シェル構造の部分的または全体的な組み立て後に、プレストレスを与えることもできる必要な補強材が通され、そのために設けられた従来技術による凹部に固定され、前記凹部は、変更された平面要素の適切な個所にも形成することができ、前記凹部は、それぞれが平面要素の内側から始まり、垂直抗力要素を収容するための連続する穴部を部分的に露出させ、これらには垂直抗力要素のための接続スリーブまたは固定要素を、これらが千鳥状に終わる場合、または延長される場合には、取り付けることができ、これらの一次シェル構造の側方端部はC字型の変更されたベース要素によって形成され、前記ベース要素は、下方の脚部に対して対称の追加の上方の水平脚部を備えている、一次シェル構造の変更。
【0018】
以下に説明するさらなる発展形態により、欠点が除去され、新たな利点と可能性が生まれる。以下では、さらに発展された平面構造モジュール、並びにそれらから成る建物および他の構造物の製造について、
図1から
図7および例示的な実施形態を使用してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】平面要素1.1を有する例示的な二次シェル要素1を示し、拡張部1.4を有する側面にある溝1.2と、接続スリーブまたは固定要素1.5として例示される内ネジスリーブを備えた外側に示された垂直抗力要素1.3とを含み、平面要素1.1のコーナにある角パイプ部材1.6と、角パイプ部材1.6にある穿孔部1.7を備える。
【
図2】概略的に配置されたクロスバー7を備える例示的な平面構造モジュールを示し、垂直抗力要素1.3は図示されていない。
【
図3】二次シェル要素1と基礎二次シェル要素3とを含む未完成の基礎一次シェル構造の一部を示し、基礎二次シェル構造3は、内ネジスリーブ4、ベース要素5、コーナベース要素6、基礎横バー9、コーナ外壁クランプ18および接続部8を備えるが、ネジは図示されていない。
【
図4】上方の二次シェル要素同士の間に間隔2を備える未完成の基礎一次シェル構造の大部分と、間隔2に取り付けるための外部に図示されたバー2.1と、外壁クランプ17とを示す。
【
図5】例示的な筋交い10と外壁要素16および16.1とを備えた一階建て建物のコーナの一部を示す。
【
図6】
図5の詳細を示し、角度プロフィール部材11を備える筋交い10との接続部であり、ネジは図示されていない。
【
図7】外部に図示され、取り付けられた例示的な二分割式の横力フレーム12を備える一次シェル構造の一部を示し、ネジは図示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
これまでは完全にプレハブ化された平面構造モジュールを要素に分解することが提案される。これは先ず、要素の作製を容易にし、種々の局所的な応力への適合を可能にし、搬送体積を低減し、建物およびその他の構造物の建造における使用と組み立てに、新規の効率的な可能性が創出する。
【0021】
平面構造モジュールに組み立てられ、後に一次シェル構造に組み立てられる個々の要素には、先ず平面構造モジュールごとに、後で記述する例外を除いて、長さが独立した2つの二次シェル要素1が所属し、全ては通常同じに作製され、面対称に間隔をおいて配置される。ここでは、対称平面が一次シェル構造の半分の高さで存在し、一次シェル構造の水平表面に対して平行に延在する。二次シェル要素1は、四角の、通常は長方形の平面要素1.1から形成され、平面要素は適切な材料から成り、適切な寸法と、平面の長さおよび幅よりも格段に小さい適切な厚さを有するが、この厚さは、各側面において複数の並置された、外エッジに対して平行に延在する溝1.2を収容するのに十分である。材料を節約するために、溝1.2およびそれらの間の表面領域を収容するためにより高い高さを有する、周回するロッドを、より薄い厚さで作製することもできる。この変形実施例は、図面にも図示されている。溝1.2は、同じ基本方向に延在する2つの側面、すなわち長方形の平面要素1.1の場合は平行の2つの側面において同じ高さである。残りの2つの側面において溝は、これとは異なり均等な高さずれを有し、これにより、そこに後で組み立てられ、以下に説明する、場合によっては交差する垂直抗力要素1.3の衝突を回避する。ここに記載の実施例では、例示的に3つの溝1.2が図示されている。溝1.2は領域的に、好適にはその端部で拡張され、拡張部1.4には、例えばナット、内ネジスリーブ、補強クランプスリーブ、プレストレストコンクリート構造から知られるウェッジ固定具またはその他の有用な装置のような接続スリーブまたは固定要素1.5を収容することができ、これらは、垂直抗力要素1.3の部分部材の接続および/または構造のノードへのそれらの力導入のために用いられる。溝1.2は、少なくとも、接続スリーブまたは固定要素1.5が平面要素1.1の側面を超えて突き出ない程度の深さであるべきである。構造のノードまたは略してノードの用語は、ここでは当接する二次シェル要素1の複数のコーナが出会う領域を意味する。平面要素1.1のコーナには、角パイプ部材1.6を収容する長方形の切欠部があり、角パイプ部材は平面要素の平面に対して直角に延在している。それらは、平面構造モジュールの後で外側になる側で平面要素1.1の外面と面一に終端し、他方の側ではそれより突き出ている。それらの横方向に、好適には中央に、角パイプ部材1.6は全ての側面において穿孔部1.7を獲得し、穿孔部の長手方向の長さは、平面要素1.1の側面にある溝1.2に対応し、したがって両方の主方向で同様に高さがずらされている。したがって平面要素1.1のコーナにある切欠部の深さは、角パイプ部材1.6の断面の大きさから決まり、これはおおよそ、角パイプ部材1.6の断面幅の半分に接続スリーブまたは固定要素1.5の直径の半分を咥えたものである。平面要素1.1の側面にある溝1.2には垂直抗力要素1.3が取り付けられ、垂直抗力要素は、金属または適切な材料の高強度バーから成り、それらのうちの少なくとも1つは、各側で角パイプ部材1.6の穿孔部1.7を通して案内され、角パイプ部材1.6の内部で接続スリーブまたは固定要素1.5に固定され、平面要素と角パイプ部材とが他のやり方ですでに摩擦結合的に互いに結合されていない場合には、二次シェル要素1を最初に形成する。例えば内ネジスリーブまたは接続スリーブを用いる場合、垂直抗力要素の短部分によって、ここでも隣接する平面構造モジュールを互いに接続することができる。接続スリーブまたは固定要素1.5の数および配置に応じて、垂直抗力要素1.3は、屈曲安定性が十分であれば圧力を伝達することもできる。残りの溝1.2内に、ひいては残りの穿孔部1.7を通して角パイプ部材1.6内に後で比較的に長い、または連続する垂直抗力要素1.3を導入し、必要な場合にはノードで固定または延長することができる。必要な垂直抗力要素1.3の数、長さおよび強度は、応力から決まる。荷重が変化した場合は、完成した建築物に垂直抗力要素1.3を追加または除去することもできる。なぜなら、隣接する二次シェル要素1の間には、角パイプ部材1.6が突き出ているので間隔2が生じているからである。この間隔は、当接する平面要素1.1の側面と、角パイプ部材1.6の突き出た側面とにより境界付けられており、これにより垂直抗力要素1.3へのアクセス性が保証されている。通常の場合、必要なすべての垂直抗力要素1.3を取り付けた後、間隔2は、断面が適合された一体式または多分割式のバー2.1の可逆的な取り付けによって充填される。このバーは、それらの断面と材料の選択に応じて、必要なまたは適切な割合で一次シェル構造内の圧力の伝達に関与することができる。特別の場合、このバーは、その断面が連続してまたは部分的に一次シェル構造の高さを超えて拡大され、隣接する後続のバーと結合され、二次シェル平面における引張力導出を補強するために利用することができる。
【0022】
通常の場合、最下部、すなわち建物の基礎一次シェル構造は大部分がまたは完全に地表面の下にある。そこでは、下方の二次シェル要素は、造営地との接触と大きな表面荷重のため、鉄筋コンクリートなどの堅牢な材料から作製されている二次シェル要素は以下では、基礎二次シェル要素3と称される。厚さは応力に応じて選択され、側方の溝1.2および角パイプ部材1.6、ひいては切欠部も、通常の場合はコーナに置いて省略される。基礎二次シェル要素3は各コーナにおいて、取り付けられ相応に固定された少なくとも1つの内ネジスリーブ4を獲得し、この内ネジスリーブは上方に解放しており、最初に取り付けアイレットを固定するために使用される。建物外壁を下方に延長した基礎一次シェル構造の端部では、L字形のベース要素5が、使用され、このベース要素は、好適には基礎二次シェル要素3と同じ材料からなる。ベース要素5の水平脚部は、基礎の面積を、支持する外壁の厚さだけ拡大し、その自由コーナにおいて同様に前に記述したネジスリーブ4を獲得する。直立した垂直の脚部は、外壁荷重もかかる基礎一次シェル構造の高さで横方向の堅牢な建物境界を形成する。隣接するベース要素5を接続するために、例えば接続金具をねじ込むためのネジスリーブのような同様の予防措置を講じる必要がある。これを、後の記述する外壁クランプ17に統合するのが有利である。建物コーナには、コーナベース要素6が対応して適合される。
【0023】
従来技術との相違は、平面構造モジュールがもはや、二次シェル要素に対して直角に延在する4つのエッジのいずれにおいても固有のクロスバーを獲得せず、引き続く全ての平面構造モジュールに対して共通のクロスバー7がノードごとに取り付けられることである。このクロスバーは、少なくともその両端に中空断面を有し、この中空断面には、平面構造モジュール内側から突き出ていて、二次シェル要素1のコーナ内に存在する角パイプ部材1.6が挿入される。したがってクロスバー端部の内部断面は、ノードに当接する平面構造モジュールの数と使用される角パイプ部材1.6の断面から生じる。二次シェル要素1のコーナにある突き出た角パイプ部材1.6とクロスバー7との間の差込接続は、関与する中空プロフィール1.6の側面にある対応の穿孔部によって確保され、この中空プロフィールにはネジまたは固定ボルト8が取り付けられる。これらは同様に両方向で、高さをずらして取り付けられる。このようにして、発生する垂直力をクロスバー7において吸収できるだけでなく、差込接続によって隣接する平面構造モジュール同士の摩擦結合的な相互接続も、二次シェル要素1の平面における応力のために部分的にまたは完全に実現することができる。突き出た角パイプ部材1.6と差し込まれたクロスバー7との間に生じる差込接続は、寸法どおりではなく種々の大きさの遊びをもって形成される。垂直抗力要素1.3の通過に必要な穿孔部またはスロットを備えた、接続クリアランスの厚さに中間プレートを交互に有意義に取り付けることによって、一方の二次シェル平面が延長されると同時に他方の二次シェル平面が短縮される。これにより、生じた一次シェル構造を、例えば排水勾配を付けたり、荷重によって引き起こされる撓みを調整するために湾曲させることができる。基礎一次シェル構造の領域にクロスバーは、穿孔部を備える突出するベースプレートを獲得し、この穿孔部は、基礎二次シェル要素3にある内ネジスリーブ4に対応する。いわゆる基礎クロスバー9は、基礎二次シェル要素3のノード点にねじ止めされ、これは同時に基礎レベルのプレート作用を確実にする。基礎二次シェル要素3のレベルにおける、場合により作製に起因する高さの差異を調整するために、または局所的な沈下の差異を後から補償するために、基礎クロスバー9を、突き出たベースプレートの下方に追加のナットを取り付けることによって高さ調整可能にかつ垂直に整列可能に組み付けることができる。荷重が比較的に大きい場合には、ベースプレートを部分的にまたは全面で張り直す必要がある。
【0024】
一次シェル構造のせん断力は、摩擦結合および形状結合的に取り付けられた筋交い10によって吸収され、ここで説明する例示的な実施例では、圧力のみが計画どおりに吸収される。筋交い10は、種々の材料から作製することができ、ここでは木材が少なくとも対応の応力において有利であると思われる。筋交い10への効率的で簡明な荷重導入のために、追加の角度プロフィール部材11を取り付けることができ、この角度プロフィール部材は、これを通ってやや延長された接続ボルト8により固定される。筋交い10は、使用状態でも取り付け取り外しでき、この場合、前記の組み立てにおいて筋交い10を拡張装置または一次シェル構造の目的どおりの支持により負荷軽減しなければならない。
【0025】
例えば従来技術によるコンテナまたは植物プランターを移動すべき際に筋交い10が障害として作用する場合には、筋交い10は二分割式の横力フレーム12によって置換される。横力フレーム12のためには二次シェル要素1同士の間隔2を十分に活用すべきであるから、これらは二分割式に上部分フレームと下部分フレームとして構成されており、それらの取り付け取り外しはいつでも可能である。フレーム金具12.1として角度プロフィールを使用することが提案され、フレーム平面に延在するその脚部は二次シェル要素の間隔2に突入する。角度は、平面要素1.1の内部エッジを包含する。角度の端部には、クロスバーの方向に直角に例えば角パイプがフレームステム12.2として溶接されており、これはクロスバーの長さの半分よりやや短く、クロスバー7に接続される。これらの接続13は、ネジ接続として好適に形成することができ、これも同様に2つの主方向で高さがオフセットされている。応力に依存して横力フレーム12は、平面構造モジュールが並んで配置されている場合には一度、すなわち一つのモジュールに、または二度、すなわち両方のモジュールに取り付けることができる。横力フレーム12は、2つのフレームをフレーム金具12.1の垂直の角度脚部の間のモジュール境界に取り付ける際に、二次シェル要素1の間隔2にまだ第3のフレーム14のためのスペースが残っているように作製することができる。この第3のフレームは、扁平バーから作製しなければならず、前に記載した横力フレーム12の間に取り付けられ、これらと側方の接続部15によって接続されなければならない。したがって、横力フレーム12、14の全体的な剛性は、3段階以上で実際の荷重に適合させることができる。さらに横力フレーム12は、二次シェル平面への力伝達を付加的に向上させるためにも利用することができる。横力フレーム12が取り付けられていない場合、または1つしか取り付けられていない場合、二次シェル要素1の間隔全体または残りの間隔2には、対応する断面と適切な材料を有する、前に記載したバー2.1が充填される。基礎一次シェル構造では横力フレーム12の下部分フレームが省略されるか、または相応に適合される。
【0026】
床を垂直に接続するための耐荷重性の内壁、支柱およびシャフトは、それらの長さは平面構造モジュールラスタに指向されるべきであるが、従来技術に従って製造され、シャフトは、90゜ねじって取り付けられ、幾何学的に適合した平面構造モジュールから成ることができる。複雑な空間的建築支持構造を作製すべき場合、壁はディスク状またはトラス状に構築され、これらとシャフトは摩擦結合式に接続される。平面構造モジュールサイズのシャフトは、例えばコンテナや植物プランターを、建物全体を通して、すなわち垂直方向にも移動すべき場合に必要である。内壁、支柱およびシャフトは、一次シェル構造から成る天井に金具またはマンドレルによって接続される。金具またはマンドレルは、二次シェル要素1のコーナにある角パイプ部材1.6に、またはそれを通して案内され、次に角パイプ部材1.6にある場合により自由な穿孔部を通して平面構造モジュールの高さでねじ留めされるか、または角パイプ部材1.6とクロスバー7との間の接続部8に一体化される。しかしこのことは、垂直抗力要素1.3がノード領域を貫通して案内されていない、または完全には案内されていない場合にだけ簡単に可能である。択一的に、例えばネジロッドのような接続要素を、角パイプ部材1.6を通して、そしてクロスバー7を全ての要素を通して案内し、反対側でプレートにより固定することもできる。
【0027】
外壁要素16もまた、完成部品から形成されており、記述の例示的な実施例では、木製フレーム部品から作製される。それらは、平面構造モジュールサイズのグリッドの幅に形成され、それぞれのコーナを取り囲む外壁クランプ17により固定される。建物の角には、長方形の断面を持つ適切に形成された充填要素を取り付けるべきである。外壁クランプ17は、壁の反対側で垂直の中空プロフィールを獲得し、中空プロフィールの長さは、二次シェル要素1のコーナにある角パイプ部材1.6の突出部に対応し、中空プロフィールは、クロスバー7または基礎クロスバー9のそれぞれの自由断面に挿入され、これらを充填し、これにより平面構造モジュールと外壁要素16との接続が確立される。この確保は、クロスバー7における角パイプ部材1.6のそれに対応する。外壁クランプ17の幅は、隣接する2つの外壁要素16を確実に保持し、建物の外側に、例えばベース要素5の垂直脚部の上側にある4に類似の内ネジスリーブに対応する垂直の穿孔部を通し、それらをねじ留めすることにより、隣接するベース要素も上側で相互に接続されるのに十分であるように形成されている。建物の角では対応して変更されたコーナ外壁クランプ18が使用される。地表面の上にある平面構造モジュールの高さよりも上に、対応の壁要素または壁フレームが、外壁補強要素16.1と呼ばれる適切な厚板により外壁平面に取り付けられ、この外壁補強要素は、建物をこの領域において外に向かって閉鎖し、外壁荷重をさらに伝達する。これらは、自由穴部を通るネジスリーブによりクロスバー7に、またはネジによって外壁要素16と固定される。この高さにある外壁クランプ17、18を含む外壁要素16に閉鎖可能な穴部を形成することができ、これを通して使用状態で応力が変化する際に、完全にまたは部分的に連続する垂直抗力要素1.3を取り外すか、または付加的に取り付け、必要に応じて端部に固定することができる。
【0028】
建物の組み立ては、以下に説明する構造物吊り上げ方法により、非常に効率的かつ簡単に実施することができる。その際に先ず、二次基礎シェル要素3、ベース要素5、コーナベース要素6および基礎クロスバー9から基礎平面が形成される。筋交い10および/または横力フレーム12、並びに設備および他の所望の物体および装置を取り付けた後、一次シェル構造が基礎レベルで、二次シェル要素1を装着して確保することにより上から閉鎖される。その後、二次シェル要素1の次に下の層が配置され、クロスバー7が取り付けられ確保され、所望のもの全てまたは必要なものすべてが設置される。必要な筋交い10および/または横力フレーム12を取り付け、上の二次シェル要素1を装着し確保した後、場合により屋根の断熱およびシーリングを形成することができる。なぜなら完全な構造物吊り上げ方法の最良の場合では、このようにして形成された一次シェル構造が屋根天井を形成するようになるからである。この一次シェル構造では、二次シェル要素1を一時的に除去することにより、平面構造モジュールのサイズの開口部が適切な数および配置で露出され、二次シェル要素に昇降装置または昇降マストが、基礎一次シェル構造の上または中で設置される。昇降装置により、一次シェル構造全体が、建物の設置面積が大きすぎる場合には適切な部分が、組立追加品を加えた1階の高さだけ上方に持ち上げられる。多階建ての建物の場合、基礎レベルに同じようにして、次の一次シェル構造が作製され、最後に作製された2つの一次シェル構造の間に全ての壁、支柱、シャフト、および場合により内装や家具の大事な部分が取り付けられる。その後、上側の一次シェル構造が組立追加品の周りで下に降ろされ固定され、これにより荷重伝達を保証する。次に、完成した建物部分全体を基礎レベルより上に持ち上げ、希望の階数に達するか、または昇降装置の耐荷重能力が尽きるまでこのプロセスを繰り返し、もちろんこの方法は、昇降装置を上方に延長するか、またはさらに高いレベルで新たに設置することにより、高層建物でも部分毎に適用することができるが、設置領域の一時的な支持が必要なこともある。この場合、高さ部分は1階だけにすることもできる。欠けている二次シェル要素1を装着し固定することにより、持ち上げ開口部は可及的に閉鎖される。例えば、既存の建物を独立して上に増築すべき場合、建物の吊り上げ方法を、増築される建物の隣に設置され持ち上げられた建築物または建物セグメントを水平に移動することによって補うことができる。もちろん、工場で事前に組み立ておよび事前に設置された一次シェル構造のセグメントを建設現場に配送し、そこで組み立てて構造物吊り上げ方法に統合することもできる。構造物吊り上げ方法を少し変更して時間差を適用することもでき、それにより、この形式の既存の建物に、建物階を後から任意のレベルで組み込んだり、撤去することが可能である。このために、壁と天井の接続を上側または下側で解除し、上方に移動可能な建物部分を持ち上げて、新しい階を追加または撤去することできる。
【0029】
択一的に、平面構造モジュールの前記の要素を個別に、または事前に組み立てられたセグメントに取り付けて固定することもできる。ただしその際には一時的な支持も必要となることがある。個々の要素は少なくとも部分的に手作業で取り付けることができるから、これは特に戸建て住宅のような小型の建物において適用することができ、施工主は取り付けを部分的に自分で行うことができるようになる。
【0030】
タワーや風力発電施設用の高荷重平面基礎のような、比較的短い耐用年数の後に完全に解体する必要がある工学的建築物の製造のためには、必要に応じて軽微な変更を行った後に、上記の特徴のいくつかを再度組み合わせることができる。そのためには、2つの二次シェル要素1を、鉄筋コンクリートなどの耐湿性かつ堅牢な材料から作製しなければならず、二次シェル要素1間の間隔2を省略する必要があり、下位のレベルではいずれにしろ間隔2が発生しない基礎二次シェル要素3を使用することができる。平面要素1.1の側面にある溝1.2の代わりに、ここでは対応の連続する穴部が基礎二次シェル要素3に設けられ、この穴部に、一次シェル構造の全体的または部分的な取り付けの後に、プレストレスを与えることもできる必要な補強材の形態の垂直抗力要素1.3が通され、そのために設けられた従来技術による凹部に固定される。適切な個所では凹部を、変更された二次シェル要素1に形成することもでき、凹部のそれぞれは二次シェル要素1の内側から延び、垂直力要素1.3を受け入れるための連続する穴部を部分的に露出させる。これらには、垂直抗力要素1.3のための接続スリーブまたは固定要素1.5を、これらが千鳥状に終わる場合、または延長される場合には、取り付けることができる。そのように使用され、変更された二次シェル要素1の側方の縁部には、建物の気密性と鋼鉄補強材を使用する際の腐食防止を確実にするために、鋳造接合用の凹部を設ける必要がある。これら一次シェル構造の側方接続部は、追加の水平の上方脚部を備えたC字形の変更されたベース要素5によって形成されており、上方脚部は下方脚部と対称に構成されている。同じようにして、例えば橋梁構造物も製造でき、橋梁構造物は、場合によっては地上レベルで組み立てられた後、必要に応じて水平方向の走行移動や垂直軸を中心にする水平方向の回転と関連して、前述の構造物吊り上げ方法によって設置場所に運ばれる。
【符号の説明】
【0031】
1 二次シェル要素
1.1 平面要素
1.2 平面要素にある溝
1.3 垂直抗力要素
1.4 平面要素にある溝の拡張部
1.5 例えばナット、内ネジスリーブ、補強クランプスリーブ、ウェッジ固定具または他の有用な装置のような、垂直抗力要素の接続スリーブまたは固定要素
1.6 角パイプ部材
1.7 角パイプ部材にある穿孔部
2 二次シェル要素同士の間の間隔
2.1 二次シェル要素1の間の間隔2に可逆的に取り付けるための一体式または多分割式のバー
3 基礎二次シェル要素
4 基礎二次シェル要素およびベース要素にある内ネジスリーブ
5 ベース要素
6 コーナ-ベース要素
7 クロスバー
8 突き出た角パイプ部材1.6とクロスバー7との間のボルト接続部またはネジ接続部
9 基礎クロスバー
10 筋交い
11 角度プロフィール部材
12 二分割式横力フレーム
12.1 フレーム金具
12.2 フレームステム
13 フレームとクロスバーとの間の接続
14 任意選択の扁平バーフレーム
15 個々のフレームの側方の接続部
16 外壁要素
16.1 外壁補強要素
17 外壁クランプ
18 コーナ外壁クランプ
【外国語明細書】