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特開2024-147506高圧ガスおよび低圧ガスを消費する装置のためのガス供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147506
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】高圧ガスおよび低圧ガスを消費する装置のためのガス供給システム
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
F17C13/00 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024039466
(22)【出願日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】2302351
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】ロマン、ナルメ
(72)【発明者】
【氏名】セルマ、ムサウイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】船舶が備える消費機器用のガス供給システムに関する。
【解決手段】ガスを収容するタンク(8)を備える浮体構造物の高圧ガス消費装置(4)および低圧ガス消費装置(5)のガス供給システム(1)であって、第1のポンプ(9)を含む第1のガス供給回路(2)と、第2のガス供給回路(3)と、ガス戻し管路(14)と、第1のガス供給回路(2)のガスと、戻し管路(14)を通流するガスとの間で熱交換を実施するように構成された第1の熱交換器(6)および第2の熱交換器(7)とを含む、ガス供給システム(1)において、戻し管路(14)は、第1のガス供給回路(2)に接続されており、戻し管路(14)は、第2のポンプ(42)を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを収容するように構成された少なくとも1つのタンク(8)を備える浮体構造物(20)用の少なくとも1つの高圧ガス消費装置(4)および少なくとも1つの低圧ガス消費装置(5)のガス供給システム(1)であって、
- 前記タンク(8)から液状で取り出されるガスを圧送するように構成された少なくとも1つの第1のポンプ(9)を備えた、前記高圧ガス消費装置(4)用の少なくとも1つの第1のガス供給回路(2)と、
- 前記第1のガス供給回路(2)を通流するガスを気化させるように構成された少なくとも1つの高圧蒸発器(11)と、
- 前記タンク(8)から蒸気状で取り出されるガスを、前記低圧ガス消費装置(5)のニーズに適合する圧力に圧縮するように構成された少なくとも1つの圧縮機(13)を備えた、前記低圧ガス消費装置(5)用の少なくとも1つの第2のガス供給回路(3)と、
- 前記圧縮機(13)の下流側で前記第2の供給回路(3)の入口に接続された少なくとも1つのガス戻し管路(14)と、
- 少なくとも1つの第1の熱交換器(6)および少なくとも1つの第2の熱交換器(7)であって、それぞれ前記戻し管路(14)を通流する蒸気状ガスと、前記第1のガス供給回路(2)を通流する液状ガスとの間で熱交換を実施するように構成された、少なくとも1つの第1の熱交換器(6)および少なくとも1つの第2の熱交換器(7)と
を含む、ガス供給システム(1)において、
前記戻し管路(14)は出口において、前記第1のポンプ(9)と前記第1の熱交換器(6)との間の合流点(41)で前記第1のガス供給回路(2)に接続されており、前記戻し管路(14)は、前記第1の熱交換器(6)と前記合流点(41)との間に第2のポンプ(42)を備えていることを特徴とする、ガス供給システム(1)。
【請求項2】
前記戻し管路(14)は、前記第1の熱交換器(6)と前記第2のポンプ(42)との間に分岐点(43)を有しており、前記供給システム(1)は、前記分岐点(43)と前記タンク(8)との間に延在するように構成された戻し分岐部(44)を含む、請求項1記載のガス供給システム(1)。
【請求項3】
前記戻し分岐部(44)は、減圧器(15)を備えている、請求項2記載のガス供給システム(1)。
【請求項4】
前記第1のガス供給回路(2)は、前記第1の熱交換器(6)と前記第2の熱交換器(7)との間に、追加的なポンプ(10)を備えている、請求項1から3までのいずれか1項記載のガス供給システム(1)。
【請求項5】
前記追加的なポンプ(10)は、前記液状ガスの圧力を30~400barの値に高めるように構成されている、請求項4記載のガス供給システム(1)。
【請求項6】
前記第1の熱交換器(6)は、前記戻し管路(14)を通流するガスを凝縮させるように構成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のガス供給システム(1)。
【請求項7】
前記第2の熱交換器(7)は、前記戻し管路(14)を通流するガスを予冷するように構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のガス供給システム(1)。
【請求項8】
前記圧縮機(13)は、ガスの圧力を8+/-1bar absの値まで高めるように構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のガス供給システム(1)。
【請求項9】
前記第2のポンプ(42)は、前記戻し管路(14)を通る前記液状ガスの圧力を、前記第1のポンプ(9)により生ぜしめられる前記液状ガスの圧力に等しい値まで高めるように構成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のガス供給システム(1)。
【請求項10】
前記第1のポンプ(9)は、前記液状ガスの圧力を9~17bar absの値まで高めるように構成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のガス供給システム(1)。
【請求項11】
前記第2の熱交換器(7)と前記高圧蒸発器(11)とは、1つの熱交換器(21)を構成している、請求項1から10までのいずれか1項記載のガス供給システム(1)。
【請求項12】
少なくとも1つの液状ガスタンク(8)と、少なくとも1つの高圧ガス消費装置(4)と、少なくとも1つの低圧ガス消費装置(5)と、これらの機器用の、請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つのガス供給システム(1)とを備えた、液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送するための浮体構造物(20)。
【請求項13】
少なくとも1つの陸上設備および/または港湾設備(27)と、請求項12記載の、液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送するための少なくとも1つの浮体構造物(20)とをつなぐ、液状ガスを積み込むかまたは積み卸すためのシステム。
【請求項14】
請求項12記載の、液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送するための浮体構造物(20)へ液状ガスを積み込むか、または前記浮体構造物(20)から液状ガスを積み卸す方法であって、前記浮体構造物(20)の上甲板に配置された液状ガス積込みおよび/または積卸しパイプ(23)を、適切なコネクタにより、海洋または港湾ターミナルに接続し、これにより、前記液状ガスを前記タンク(8)からまたは前記タンク(8)へ移送することができる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送する船舶の分野に関し、より具体的には、このような船舶が備える消費機器用のガス供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費用および/または目的地への配送用の液状ガスのタンクを備える船舶の航行中、この船舶は、前記液状ガスの少なくとも一部を使用して、ガス供給システムを介して少なくとも1つの原動機に供給することができることが望ましい。これは、ME-GI推進エンジンを備えた船舶の場合である。このような原動機に供給するためには、ガスを、特別な圧縮機により極めて高い圧力に圧縮する必要があり、この圧縮機は、ガスを400barにまで圧縮することができるが、このような圧縮機は高価であり、かなりの保守費用を発生させると共に、船舶における振動を誘発する。
【0003】
このような高圧圧縮機の設置に対する1つの代替案は、液状ガスが推進エンジンへ送られる前に、液状ガスを400barで気化させることである。このような解決手段は、少なくとも部分的に貨物を含むタンク内に自然に形成される気相のガス(ボイルオフガス、BOG)を取り出すことができないため、低圧圧縮機を搭載して、低圧蒸気としてのガスを消費することができる補助原動機に供給することが可能である。さらに、気相のガスが過多の場合には、気相のガスを熱交換により再液化させ、次いで膨張させてからタンクに戻すことができる。
【0004】
しかしながら、タンクに戻す前に、再液化されたガスの約15%が膨張時に再び気化する。よって、ガスは部分的に気相の状態でタンクに戻り、このことは、ガス供給システムの生産性を低下させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この問題を解決すると共に、ガスを収容するように構成された少なくとも1つのタンクを備える浮体構造物用の少なくとも1つの高圧ガス消費装置および少なくとも1つの低圧ガス消費装置のガス供給システムであって、
- タンクから液状で取り出されるガスを圧送するように構成された少なくとも1つの第1のポンプを備えた、高圧ガス消費装置用の少なくとも1つの第1のガス供給回路と、
- 第1のガス供給回路を通流するガスを気化させるように構成された少なくとも1つの高圧蒸発器と、
- タンクから蒸気状で取り出されるガスを、低圧ガス消費装置のニーズに適合する圧力に圧縮するように構成された少なくとも1つの圧縮機を備えた、低圧ガス消費装置用の少なくとも1つの第2のガス供給回路と、
- 圧縮機の下流側で第2の供給回路の入口に接続された少なくとも1つのガス戻し管路と、
- 少なくとも1つの第1の熱交換器および少なくとも1つの第2の熱交換器であって、それぞれ戻し管路を通流する気相のガスと、第1の供給回路を通流する液相のガスとの間で熱交換を実施するように構成された、少なくとも1つの第1の熱交換器および少なくとも1つの第2の熱交換器と
を含む、ガス供給システムにおいて、
戻し管路は出口において、第1のポンプと第1の熱交換器との間の合流点で第1のガス供給回路に接続されており、戻し管路は、第1の熱交換器と合流点との間に第2のポンプを備えていることを特徴とする、ガス供給システムを提供する。
【0006】
よって、本発明によるガス供給システムは、先に膨張させられた結果として気相のガスがタンクに戻ることを防止する。ただし、戻し管路を通流する再液化されたガスは、第1の供給回路に流入することにより、高圧ガス消費装置への供給に使用される。こうして、再液化されたガスが、タンクに戻されない場合でも、有用な目的に使用される。
【0007】
第1のガス供給回路は、高圧ガス消費装置の燃料要件を満たすことを可能にする。高圧ガス消費装置は、例えば浮体構造物の推進手段、例えばME-GIエンジンであってよい。第1の供給回路は、タンクから高圧ガス消費装置まで延在している。第1のポンプは、タンクの底部に配置されていて、液状ガスを圧送し、これにより、液状ガスが第1のガス供給回路を通流することになる。
【0008】
高圧ガス消費装置に供給するためには、ガスは気相状態になければならないため、高圧蒸発器が、高圧ガス消費装置への供給前に、ガスの気化をもたらす。高圧蒸発器は、第1のガス供給回路内の液状ガスと、熱伝達流体、例えば水グリコール、海水または水蒸気との間で熱交換する箇所である。水蒸気の温度は、ガスの相変化を生ぜしめるために十分に高くなければならず、これにより、ガスは蒸気または超臨界状態に変化して、高圧ガス消費装置に供給される。
【0009】
第1のガス供給回路を通流する液状ガスが高圧蒸発器により気化させられる前に、液状ガスは、第1の熱交換器を通流し、次いで第2の熱交換器を通流する。このようにするために、第1の熱交換器と第2の熱交換器とは、第1のガス供給回路の一部を介して互いにつながれており、これにより、液状ガスが2つの熱交換器を連続して通流することができるようになっている。よって、前記液状ガスの温度は、高圧蒸発器を通流する前に高まる傾向にある。こうして、第1のガス供給回路を通流するガスは、第2の熱交換器の出口において二相になり得る。
【0010】
通常、タンク内のガスは、自然にまたは浮体構造物により強制されて蒸気に変化し得る。蒸気に変化するタンク内のガスは、タンク内の過剰な圧力を防ぐために放出されねばならない。
【0011】
このことは、低圧ガス消費装置の第2のガス供給回路によりもたらされる。このような第2のガス供給回路は、タンクから低圧ガス消費装置まで延在している。低圧ガス消費装置は、例えば発電機等の補助エンジンであってよい。第2のガス供給回路における圧縮機の機能は、タンクのブランケットからガスを吸い込んで低圧ガス消費装置に供給すると同時に、タンク内の圧力を調整することである。
【0012】
圧縮機の出口において、蒸気状ガスは低圧ガス消費装置に供給されるか、または低圧ガス消費装置が如何なる燃料供給も必要としない場合は戻し管路を通って循環させられてよい。戻し管路は圧縮機の下流側に接続されているため、圧縮機により吸い込まれた蒸気状ガスは、戻し管路を通って循環することができる。
【0013】
戻し管路内の蒸気状ガスは、最初に第2の熱交換器を通流し、次いで第1の熱交換器を通流してから、第1のガス供給回路に流入する。第1の熱交換器を通る液状ガスと、戻し管路を通る蒸気状ガスとの間での熱交換により、気相のガスの温度は、このガスが凝縮し、第1の熱交換器の出口において液状に戻るまで、熱交換器を通って低下する。
【0014】
第1の熱交換器の出口において、戻し管路を通流する液化されたガスは、第2のポンプにより圧送される。この第2のポンプは、液化されたガスの圧力を高め、これにより、第1のポンプにより圧送された後に第1のガス供給回路を通流する液状ガスの圧力と平衡させることを可能にする。
【0015】
第2のポンプは、圧縮機による蒸気状ガスの圧力の増大を制限することも可能にする。確かに、戻し管路を通る再液化されたガスと、第1のポンプにより圧送される液状ガスとの間の圧力平衡を想定して、圧縮機が蒸気状ガスの圧力をより高い値まで高めるが、ただし、このような構成は、圧縮機へのかなりのエネルギ入力を必要とすると共に、圧力を低圧ガス消費装置に適合させるように保つように、圧力調整システムも必要とする場合がある。よって、第2のポンプがこの機能を果たし、これにより、圧縮機への如何なる過剰なエネルギ供給も防止する。
【0016】
一例では、第1の熱交換器と第2の熱交換器とは、第1のガス供給回路に沿って、高圧蒸発器の上流側に位置している。これにより、第1のガス供給回路の部分において、第1の熱交換器内および第2の熱交換器内のガスは液状であるということが保証される。
【0017】
本発明の1つの特徴では、戻し管路は、第1の熱交換器と第2のポンプとの間に分岐点を有しており、この場合、供給システムは、分岐点とタンクとの間に延在するように構成された戻し分岐部を含む。択一的に、本発明によるガス供給システムにおいて再液化させた後にタンクに戻す機能を維持することも可能である。この分岐点は、第1の熱交換器の下流側の戻し管路に配置されており、これにより、再液化されたガスのみが、戻し分岐部を通流することになる。この場合、再液化されたガスは、戻し管路を通流し続けて第2のポンプにより圧送されてから第1のガス供給回路に流入することができるか、または戻し分岐部を通流してタンクに戻ることができる。再液化されたガスの一部が第1のガス供給回路へ流れる一方で、再液化されたガスの別の部分は、戻し分岐部を通ってタンクに戻る構成を実現することも可能である。
【0018】
本発明の1つの特徴では、戻し分岐部は、減圧器を備えている。減圧器は、第1の熱交換器を通流して凝縮された、戻し分岐部を通流する再液化されたガスの圧力を下げることを可能にする。減圧器により、液状ガスは、LNG用の液状ガス平衡温度に近い温度でタンクに戻る。
【0019】
さらに減圧器は、戻し分岐部を通る再液化されたガスの流量を調整することを可能にする。よって、再液化されたガスのこの流量を減少させ、減圧器による膨張時に蒸気に戻るガスの部分を最低限に設定することが可能である。さらに減圧器は、再液化されたガスが戻し分岐部を通流することを防ぐために、完全に閉鎖され得る。この構成では、再液化されたガスは全て戻し管路を通って第1のガス供給回路へ流れる。
【0020】
本発明の1つの特徴では、第1のガス供給回路は、第1の熱交換器と第2の熱交換器との間に、追加的なポンプを備えている。追加的なポンプは、第1のガス供給回路を通る液状ガスの圧力を高めることを可能にし、これにより、この圧力が、高圧ガス消費装置への供給に適合することになる。
【0021】
2つの熱交換器の間の追加的なポンプの位置は、特に有利である。むしろ、追加的なポンプを第1の熱交換器の上流側に設置することは、第1の熱交換器の通流時に液状ガスの圧力と温度とを高めることになり、これにより、戻し管路と第1の熱交換器とを通流する蒸気状ガスの凝縮が妨げられてしまう。さらに、第1のガス供給回路を通流するガスは、第2の熱交換器の出口において二相になり得るため、追加的なポンプを第2の熱交換器の下流側に設置することは、ポンプの機能を妨げる恐れがある。なぜならば、追加的なポンプは液状の流体を圧送することしかできないからである。よって、追加的なポンプの理想的な位置は、2つの熱交換器の間である。
【0022】
本発明の1つの特徴では、追加的なポンプは、液状ガスの圧力を30~400barの値に高めるように構成されている。特に追加的なポンプは、液状ガスの圧力を、特にアンモニアまたは水素と共に使用するためには30~400barの値まで、液化石油ガスと共に使用するためには30~70barの値まで、エタン、エチレンと共に使用するためには、または主にメタンから製造された液化天然ガスと共に使用するためには、好適には150~400barの値まで高めることを可能にする。
【0023】
本発明の1つの特徴では、第1の熱交換器は、戻し管路を通流するガスを凝縮させるように構成されている。第1の熱交換器は、第1のガス供給回路の液状ガスがその低温状態にあるときに、この液状ガスが通流するものである。よって、第1の熱交換器内での熱交換は、戻し管路内のガス流の状態を変化させ、このガス流を蒸気状から液状に変化させる。
【0024】
本発明の1つの特徴では、第2の熱交換器は、戻し管路を通流するガスを予冷するように構成されている。第1の熱交換器の出力部において、第1のガス供給回路を通流する液状ガスは、第1の熱交換器の入力部におけるほど低温ではなく、この場合、熱交換は、戻し管路を通流する気相のガスを凝縮させるために用いられる。液状ガスは、後に追加的なポンプにより圧縮され、次いで第2の熱交換器を通流する。第2の熱交換器内でも熱交換が行われ、これにより、戻し管路内の蒸気状ガスを予冷することが可能になる。第1の熱交換器を通る液状ガスの流れが戻し管路を通る蒸気状ガスの完全な凝縮のためには十分でない場合でもなお、第2の熱交換器内で冷却が生ぜしめられる。
【0025】
本発明の1つの特徴では、圧縮機は、ガスの圧力を8+/-1bar absの値まで高めるように構成されている。この圧力値は、タンクのブランケット内に存在し、低圧ガス消費装置を備えた第2のガス供給回路内に吸い込まれる蒸気状ガスの適合性を保証する。第2のポンプが存在するため、戻し管路を通流するガスを、第1のガス供給回路を通流する液状ガスの圧力に等しい圧力まで圧縮することは必要とされない。このことは、圧縮機の電力消費量を制限する。
【0026】
本発明の1つの特徴では、第2のポンプは、戻し管路を通る液状ガスの圧力を、第1のポンプにより生ぜしめられる液状ガスの圧力に等しい値まで高めるように構成されている。上述のように、ガス供給回路を通流する蒸気状ガスは、8+/-1bar absの圧力まで圧縮される。よって、戻し管路内を流れる蒸気状ガスまたは再液化されたガスには、約8bar absの圧力が加えられている。第1のポンプにより圧送された後に第1のガス供給回路を通流する液状ガスは、8barを上回る圧力に上昇させられている。よって第2のポンプは、再液化されたガスの圧力を、第1のポンプと第1の熱交換器との間で第1のガス供給回路を通流するガスの圧力に等しいかまたは実質的に等しい値に到達するまで高める必要がある。このような圧力の平衡が生ぜしめられることで、再液化されたガスは、再液化されたガスと、第1のガス供給回路を通流する液状ガスとの間に生じ得る圧力の差の結果生じる障害なしに、第1のガス供給回路に流入することができる。
【0027】
本発明の1つの特徴では、第1のポンプは、液状ガスの圧力を9~17bar absの値まで高めるように構成されている。
【0028】
本発明の1つの特徴では、第2の熱交換器と高圧蒸発器とは、1つの熱交換器を構成することができる。この場合、第1の熱交換器は別個に、第2の熱交換器と高圧蒸発器とがまとめられた1つの熱交換器の上流側に配置されている。このような代替案は、例えばガス供給システムのサイズを縮小するために有利であり得る。
【0029】
本発明は、液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送するための浮体構造物であって、少なくとも1つの液状ガスのタンクと、少なくとも1つの高圧ガス消費装置と、少なくとも1つの低圧ガス消費装置と、これらの装置用の少なくとも1つのガス供給システムとを備えた浮体構造物にも関する。
【0030】
本発明は、少なくとも1つの陸上設備および/または港湾設備と、液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送するための少なくとも1つの浮体構造物とをつなぐ、液状ガスを積み込むかまたは積み卸すためのシステムにも関する。
【0031】
最後に、本発明は、液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送するための浮体構造物へ液状ガスを積み込むか、または浮体構造物から液状ガスを積み卸す方法にも関し、この場合、浮体構造物の上甲板に配置された液状ガス積込みおよび/または積卸しパイプが、適切なコネクタにより、海洋または港湾ターミナルに接続され得、これにより、液状ガスをタンクからまたはタンクへ移送することができるようになっている。
【0032】
本発明のその他の特徴および利点は、一方では以下の説明に基づき、かつ他方では添付の概略図を参照してガイドとして、かつ非限定的なものとして示されたいくつかの実施形態に基づき明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明による、少なくとも1つの高圧ガス消費装置および少なくとも1つの低圧ガス消費装置のガス供給システムの第1の実施形態を示す図である。
図2】ガス供給システムの第2の実施形態を示す図である。
図3】ガス供給システムの第3の実施形態を示す図である。
図4】浮体構造物のタンクと、このタンクの積込みおよび/または積卸しターミナルとを示す概略破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明で用いる上流側および下流側という用語は、液状または蒸気状ガスの回路内の複数のコンポーネントの相対的な位置を、前記回路を通る前記ガスの流れの方向に関して規定するものである。
【0035】
図1図3には、浮体構造物に搭載されたガス供給システム1の様々な実施形態が示されている。ガス供給システム1は、ガスを液状で、蒸気状で、二相状態で、または超臨界状態で、貯蔵および/または輸送タンク8から高圧ガス消費装置4および/または低圧ガス消費装置5へ循環させることを可能にし、これにより、高圧ガス消費装置4および/または低圧ガス消費装置5に燃料を供給する。
【0036】
前記浮体構造物は、例えば液状ガスを貯蔵しかつ/または輸送することができる船舶であってよい。この場合、ガス供給システム1は、浮体構造物が貯蔵しかつ/または輸送する液状ガスを用いて、例えば推進エンジンであってよい高圧ガス消費装置4と、例えば浮体構造物に給電する発電機であってよい低圧ガス消費装置5とに供給することができる。
【0037】
タンク8から高圧ガス消費装置4へのガスの循環を保証するために、ガス供給装置1は、第1のガス供給回路2を有している。第1のガス供給回路2は、タンク8内に配置された第1のポンプ9を備えている。第1のポンプ9は、液状ガスを圧送し、特に第1のガス供給回路2を通して循環させることを可能にする。液状ガスを吸い込むことにより、第1のポンプ9は、液状ガスの圧力を9~17bar absの値にまで高めることも可能にする。
【0038】
タンク8から高圧ガス消費装置4に向かう循環の方向に従って、液状ガスは、第1の熱交換器6を通流し、追加的なポンプ10により圧送され、第2の熱交換器7を通流する。以下に、2つの熱交換器6,7に関する詳細を説明する。
【0039】
第2の熱交換器7を通流した後に、ガスは高圧蒸発器11へ流れる。高圧蒸発器11は、第1のガス供給回路2を通流するガスの状態を変化させ、これにより、ガスを蒸気状態または超臨界状態に変化させることを可能にする。このような状態は、ガスを、高圧ガス消費装置4に供給するのに適合性にする。液状ガスの蒸発は、例えば、液状ガスが気化するために十分に高い温度における熱伝達流体、この場合は水グリコール、海水または水蒸気との熱交換により行われてよい。
【0040】
図1に示すような第1の実施形態では、第1の熱交換器6、第2の熱交換器7および高圧蒸発器11は、互いに隔離された熱交換器である。このような構成は、これらを通流する流体の圧力に適した技術を用いて各熱交換器を設計し、製造することを可能にする。この場合、第1の熱交換器6は、第2の熱交換器7の製造技術よりも安価な技術を用いて製造され得る。なぜならば、第1の熱交換器内の圧力は、第2の熱交換器7内よりも実質的に低いからである。同じことが、高圧蒸発器11にも当てはまる。
【0041】
追加的なポンプ10が液状ガスを圧送すると、ガスの圧力の増大が、追加的なポンプ10によりもたらされる。追加的なポンプ10は、液状ガスの圧力を、液化石油ガスと共に使用するためには30~70barの値まで、好適にはエタン、エチレンと共に使用するためには、または主にメタンから製造された液化天然ガスと共に使用するためには、好適には150~400barの値まで高めることを可能にする。
【0042】
追加的なポンプ10と高圧蒸発器11との組合せに基づき、ガスは、高圧ガス消費装置4への供給に適合した圧力および状態になる。このような構成は、コスト上の制約を有すると共に強い振動を発生させる高圧圧縮機の、第1のガス供給回路2への設置を回避することを可能にする。
【0043】
タンク8内では、積荷のガスの一部が自然に蒸気に変化して、タンクブランケット12内に拡散することがある。タンク8内の過剰な圧力を防ぐために、タンクブランケット12内の蒸気状ガスを抜く必要がある。それにもかかわらず、第1のガス供給回路2は、液状ガスを用いて高圧ガス消費装置4に供給するように構成されている。
【0044】
この場合、ガス供給システム1は、蒸気状ガスを用いて低圧ガス消費装置5に供給する第2のガス供給回路3を有している。よって、第2のガス供給回路3は、タンクブランケット12と低圧ガス消費装置5との間に延在している。タンクブランケット12内に含まれた蒸気状ガスを吸い込むために、第2のガス供給回路3は圧縮機13を有している。蒸気状ガスを吸い込むことに加え、圧縮機13は、第2のガス供給回路3を通る蒸気状ガスの圧力を8+/-1bar absにまで高めることも可能にし、これにより、蒸気状ガスは、低圧ガス消費装置5への供給に適合した圧力に達する。よって、第2のガス供給回路3は、低圧ガス消費装置5への供給を可能にする一方で、タンクブランケット12から蒸気状ガスを吸い込むことによる、タンク8内の圧力の調整も可能にする。
【0045】
タンクブランケット12内の過剰な蒸気状ガスは、タンク8内の過剰な圧力につながる。よって、蒸気状ガスを抜いて、タンク8内の圧力を下げる必要がある。この場合、過剰な蒸気状ガスは、バーナ18により除去され得る。ただし、本発明によるガス供給システム1は、第2のガス供給回路3を通る蒸気状ガスの流れの方向に関して圧縮機13の下流側で第2のガス供給回路3に接続された戻し管路14を有している。戻し管路14を通る蒸気状ガスの循環の方向に従って、前記ガスは、最初に第2の熱交換器7を通流し、次いで第1の熱交換器6を通流する。よって、第1の熱交換器6と第2の熱交換器7とにおいて、第1のガス供給回路2を通る液状ガス流と、戻し管路14を通る蒸気状ガス流との間で熱交換が行われる。この熱交換の目的は、戻し管路14の蒸気状ガスを凝縮させて液状に変えることにある。
【0046】
ガス流が戻し管路14を通り再凝縮させられると、ガス流をタンク8に送り返すことが可能である。ただし、このような戻しは、再凝縮させられたガスの膨張を必要とし、このことは、ガスがタンク8に戻る前に、部分的に気化することにつながる恐れがある。よって、再凝縮させられたガスの一部の最大15%が気化させられ、このことは、ガス供給システム1の生産性を低下させる。
【0047】
このことを防止するために、戻し管路14は、第1のガス供給回路2において第1のポンプ9と第1の熱交換器6との間に配置された合流点41まで延びている。換言すると、戻し管路14を通流するガスは、タンク8に戻る代わりに第1のガス供給回路2に流入する。第1のガス供給回路2を介した再循環は、上述したように、高圧ガス消費装置4への供給を可能にする。
【0048】
さらに、戻し管路14は、第1の熱交換器6と合流点41との間に第2のポンプ42を備えている。この第2のポンプ42は、戻し管路14を通るガスの圧力を高め、これにより、第1のポンプ9により加圧されてから第1のガス供給回路2を通流する液状ガスの圧力と平衡させることを可能にする。圧力の平衡は、戻し管路14を通る再液化されたガスの、第1のガス供給回路2への流れを流動化させることを可能にする。
【0049】
さらに第2のポンプ42は、圧縮機13による、第2のガス供給回路3を通る蒸気状ガスの、最高約8bar超の圧力への加圧を防止することを可能にする。このことは、圧縮機13に供給するために必要とされるエネルギを制限する。
【0050】
第1のガス供給回路2の液状ガスは、第1の熱交換器6の入口では、その低温状態にある。こうして、戻し管路14を通流するガスが、第1の熱交換器6を通流すると、凝縮するようになっている。よって、戻し管路14内のガスは、第1の熱交換器6の入口において蒸気状であり、第1の熱交換器6における熱交換後には液状で流出し、第2のポンプ42により圧送されて第1のガス供給回路2に流入する。つまり、第1の熱交換器6は、凝縮器として用いられる。
【0051】
第1のガス供給回路2を通る液状ガスの量に対する、凝縮させられた蒸気状ガスの量の比率は、約16%+/-5%である。換言すると、毎時約6トンの液状ガスが第1のガス供給回路2を通流し、戻し管路を通る毎時約1トンの蒸気状ガスが凝縮させられる。
【0052】
第2の熱交換器7は、第1のガス供給回路2を通るガスの循環の方向に従うと、第1の熱交換器6の下流側に配置されており、戻し管路14を通るガスの循環の方向に従うと、第1の熱交換器6の上流側に配置されている。よって第2の熱交換器7は、戻し管路14を通流する蒸気状ガスが第1の熱交換器6内で凝縮する前に、蒸気状ガスを予冷する。第1のガス供給回路2内では、液状ガスが先に第1の熱交換器6を通流しかつ追加的なポンプ10により第2の熱交換器7の入口へ圧送されており、したがって、その温度および圧力が高められている。第2の熱交換器7での熱交換の結果として、第1のガス供給回路2を通流するガスは、第2の熱交換器7から二相状態で流出することが可能である。よって、戻し管路14を通流するガスの温度は、第2の熱交換器7の通流後に低下させられることになり、これにより、上述の予冷が実施される。
【0053】
追加的なポンプ10は、有利には、2つの熱交換器6,7の間に配置されている。追加的なポンプ10は、第1の熱交換器6と第2の熱交換器7との間で、液状ガスのみが追加的なポンプ10を通流し、追加的なポンプ10を損傷する恐れのある二相ガスは通流しないことを保証する。
【0054】
さらに、第1の熱交換器6の下流側の追加的なポンプ10は、第1の熱交換器6での熱交換を妨げることなく、液状ガスの圧力の増大をもたらす。よって、戻し管路14を通流する蒸気状ガスの凝縮が、最適にもたらされる。
【0055】
ガス供給システム1は、第1のガス供給回路2から第1のポンプ9と第1の熱交換器6との間のニップルを介して第2のガス供給回路3まで延び、第2のガス供給回路3に圧縮機13と低圧ガス消費装置5との間で接続された補助ガス供給管路16も備えている。補助ガス供給管路16は、タンクブランケット12からの蒸気状ガスの流量が不十分な場合に、低圧ガス消費装置5への供給を可能にする。
【0056】
タンクブランケット12内に蒸気状ガスが十分に存在していない場合には、第1のポンプ9から液状ガスが補助ガス供給管路16を通流し、低圧ガス消費装置5に供給され得る。このようにするために、補助ガス供給管路16は、低圧蒸発器17を通って延びており、これにより、補助ガス供給管路16を通流する液状ガスを蒸気に変化させる。例えば、低圧蒸発器17の運転は、高圧蒸発器11と同じであってよい、つまり、ガスは、液状ガスを気化させるために十分に高い温度における熱伝達流体との熱交換により気化させられる。低圧蒸発器17の出口では、蒸気状ガスが補助ガス供給管路16を通流し、次いで第2のガス供給回路3に流入し、低圧ガス消費装置5に供給される。
【0057】
上述のことは、補助ガス供給管路16は、タンクブランケット12内に蒸気状ガスが十分に存在しない場合にのみ使用されるということを意味する。よって、補助ガス供給管路16は、補助ガス供給管路16の使用が不要な場合に補助ガス供給管路16を通流するガスの監視を可能にする弁19を備えている。
【0058】
図2には、本発明によるガス供給システム1の第2の実施形態が示されている。この第2の実施形態は、第1の実施形態と、ガス供給システムが、戻し管路14における分岐点43とタンク8との間に延びる戻し分岐部44を備えているという点で異なっている。分岐点43は、より具体的には、第1の熱交換器6と第2のポンプ42との間に配置されている。
【0059】
戻し分岐部44は、再液化されたガスを、第1のガス供給回路2を通して循環させる代わりに、択一的にタンク8に戻すことを可能にする。戻し分岐部44を通るガスの圧力と、タンク8内の圧力とを等しくするために、戻し分岐部44は、ガスの圧力を1~3bar absの値に低下させる減圧器15を備えていてよい。ガスが凝縮させられると、ガスはタンク8に向かって流れ続ける。
【0060】
減圧器15による、再液化されたガスの膨張中に戻し分岐部44を通る、再液化されたガスの気化を制限するために、再液化されたガスは、限定的に戻し分岐部44を通流することができる。戻し分岐部44を通流するガスの膨張に加えて、減圧器15は、このガスの流量の調整を可能にする。よって、再液化されたガスを、戻し管路14を通流し続けて第2のポンプ42により圧送された後に第1のガス供給回路2に流入する第1の部分と、戻し分岐部44を通流して減圧器15による膨張後にタンク8に流入する第2の部分とに分けることが可能である。
【0061】
さらに、減圧器15は閉じることができ、これにより、戻し管路14を通る全ての再液化されたガスが、第1のガス供給回路2に流入することになる。
【0062】
第2の実施形態の説明していない特徴は、第1の実施形態の特徴と同じであるため、これら2つの実施形態に共通するコンポーネントの説明については、図1の説明を参照されたい。
【0063】
図3には、以下の項目を除き、図2において説明したことと全て一致する、ガス供給システム1の第3の実施形態が示されている。
【0064】
ガス供給システム1の第3の実施形態では、第2の熱交換器7と高圧蒸発器11とが、1つの熱交換器21を構成している。第3の実施形態の図は、第2の熱交換器7と高圧蒸発器11とをまとめた1つの熱交換器21を設計して製造することを可能にし、この場合、これら2つのコンポーネントは、この共同熱交換器の製造に使用される技術を決める、同じ高圧にさらされる。このような解決手段は、第2の熱交換器7と高圧蒸発器11とを互いに別個に設置することを不可能にするスペース不足により要求されることもある。
【0065】
第3の実施形態の説明していない特徴は、第1および第2の実施形態の特徴と同じであるため、前記実施形態に共通するコンポーネントの説明については、図1および図2の説明を参照されたい。第3の実施形態は、戻し分岐部44を備えているが、ガス供給システム1を、図1に示したように戻し分岐部44なしで、ただし図3に示すような1つの熱交換器21を構成する第2の熱交換器7と高圧蒸発器11とを備えて実現することが可能であるということに留意されたい。
【0066】
図4は、液状ガスおよび蒸気状ガスを収容するタンク8を示す、浮体構造物20の破断図であり、この場合、このタンク8は、実質的に角柱形を有しており、浮体構造物20の二重船体22内に取り付けられている。タンク8の壁は、タンク8内の液状ガスと接触するように設計された一次耐水メンブレンと、一次耐水メンブレンと浮体構造物20の二重船体22との間に配置された二次耐水メンブレンと、一次耐水メンブレンと二次耐水メンブレンとの間および二次耐水メンブレンと二重船体22との間にそれぞれ配置された2つの断熱バリアとを含む。
【0067】
浮体構造物20の上甲板に配置された液状ガス積込みおよび/または積卸しパイプ23が、適切なコネクタにより、海洋または港湾ターミナルに接続され、液状ガス貨物をタンク8からまたはタンク8へ移送することができるようになっている。
【0068】
図4には、積込みおよび/または積卸し機器25と、海底パイプ26と、陸上および/または港湾設備27とを含む海洋または港湾ターミナルの一例も示されている。例えば、陸上および/または港湾設備27は、港湾の埠頭に配置され得るか、または別の例では、重力に基づくコンクリート構造物上に配置され得る。陸上および/または港湾設備27は、液状ガスを貯蔵するタンク30と、海底パイプ26により積込みおよび/または積卸し機器25につながれた接続パイプ31とを含む。
【0069】
液状ガスを移送するために必要とされる圧力を発生させるためには、陸上および/または港湾設備27および/または浮体構造物20に備え付けられたポンプが使用される。
【0070】
もちろん、本発明は上述の例に限定されるものではなく、本発明の枠内で、これらの例に多くの改良が加えられてよい。
【0071】
本発明は、説明したように、課された目的を果たし、加圧をポンプと蒸発器とにより行い、かつ蒸気状ガスを凝縮させて所定の回路に送り、いずれか1つのガス消費装置に供給する手段を含む、高圧ガス消費装置または低圧ガス消費装置用のガス供給システムを提案することを可能にする。本明細書に記載されていない変化形も、本発明によるガス供給システムを含んでいれば、本発明により、本発明の枠内で速やかに実現され得る。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】