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特開2024-147511セルフPOSシステム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147511
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】セルフPOSシステム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20241008BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20241008BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20241008BHJP
【FI】
G07G1/00 301Z
G07G1/00 331B
G07G1/12 331A
G06Q20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024044725
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】P 2023060385
(32)【優先日】2023-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515139846
【氏名又は名称】ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 慎一郎
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA07
3E142GA02
3E142GA16
3E142GA32
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA01
5L020AA42
(57)【要約】
【課題】顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供すること。
【解決手段】セルフPOSシステム100は、顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出部31と、商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成部32と、所定の報知情報を出力する報知情報出力部33と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出手段と、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成手段と、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力手段と、
を備えるセルフPOSシステム。
【請求項2】
前記セルフPOSシステムから、通信ネットワークを介して前記所定の報知情報を取得する報知情報取得手段と、
前記取得した報知情報を所定の従業員端末に通知又は参照可能に記憶する報知情報管理手段と、
を備えるセルフPOS管理装置をさらに備える、
請求項1に記載のセルフPOSシステム。
【請求項3】
前記セルフPOS管理装置は、複数の前記従業員端末のうち、一の前記所定の従業員端末と、別の前記所定の従業員端末との間で所定の情報を送受信する従業員連絡手段をさらに備える、
請求項2に記載のセルフPOSシステム。
【請求項4】
前記セルフPOS管理装置は、前記所定の従業員端末から、前記所定のセルフPOSシステムの所定の制御を行う遠隔制御手段をさらに備える、
請求項2に記載のセルフPOSシステム。
【請求項5】
前記セルフPOS管理装置は、取得した前記報知情報を所定のタイミングで前記所定の従業員端末に送信する報知情報配信手段をさらに備える、
請求項2に記載のセルフPOSシステム。
【請求項6】
前記セルフPOS管理装置と前記通信ネットワークを介して接続される複数のセルフPOSレジを有し、
前記複数のセルフPOSレジのうち、いずれかのセルフPOSレジに釣り銭取り忘れが発生すると、前記釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジは、次の顧客の精算処理の受付を停止し、前記釣り銭取り忘れが発生した旨を報知するとともに、前記所定の報知情報として、前記釣り銭取り忘れが発生した旨および前記釣り銭取り忘れが発生した前記セルフPOSレジの識別子を含む情報を前記セルフPOS管理装置に送信し、
前記報知情報配信手段は、前記所定のタイミングとして、前記釣り銭取り忘れが発生した前記セルフPOSレジから前記報知情報取得手段が前記所定の報知情報を取得すると、前記所定の報知情報を前記所定の従業員端末に送信し、
前記釣り銭忘れが発生した前記セルフPOSレジは、従業員によって解除操作が行われると、前記精算処理の受付を再開する、
請求項5に記載のセルフPOSシステム。
【請求項7】
顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出手段と、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成手段と、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出ステップと、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成ステップと、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力ステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項9】
顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出ステップと、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成ステップと、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフPOSシステム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が自らレジの精算操作を行うセルフレジシステムが知られている。この種の技術が記載されるものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、店舗で取り扱う商品の特徴点を抽出して基本図形として登録しておき、顧客が手に持った商品の画像を撮像して基本図形と対比して不正読取の可能性を検出するシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6008405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術にあるようなセルフレジシステムは、不正読取の可能性をコンピュータによって自動的に検出できる利点がある。しかしながら、ハンディキャップを有し、補助が必要な顧客や、不正行為を行っている可能性がある者への迅速かつ的確な従業員による声掛けを実現するという点や、不正行為のけん制効果を向上させるという点で、従来技術には改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出手段と、前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成手段と、前記所定の報知情報を出力する報知情報出力手段と、を備えるセルフPOSシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】セルフPOSシステムの構成を示す模式図である。
図2】セルフPOSレジの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】セルフPOS管理装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】セルフPOSシステムの会計時の報知処理の動作を示すフローチャートである。
図5】セルフPOS管理装置の報知情報管理の動作を示すフローチャートである。
図6】セルフPOSシステムの他の構成を示す模式図である。
図7】実施形態3に係るセルフPOSレジの動作手順の一例を示すフローチャートである。
図8】セルフPOSレジのモニタに表示される画像の具体例を示す図である。
図9】実施形態3に係るセルフPOSシステムの動作手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
<概要>
本実施形態では、顧客自身の操作によって商品の精算処理を行うことは勿論のこと、顧客による操作の状況を周囲に示したり、従業員やシステム管理者によりセルフPOSレジの管理や遠隔操作を可能としたセルフPOS(Point of Sales)システムについて説明する。
本実施形態に係るセルフPOSシステムは、実店舗において顧客が操作する複数のセルフPOSレジと、実店舗の管理室等に配置され、これらのセルフPOSレジを管理するセルフPOS管理装置と、実店舗の外側にあるPOS集中管理センターに配置され、複数の実店舗のセルフPOSレジの稼働状況を参照したり、遠隔操作等を行うセルフPOS管理装置と、セルフPOS管理装置から情報を受信してセルフPOSレジを遠隔操作したり、POS集中管理端末に情報を送信するPOS集中管理端末と、から構成されている。
【0010】
<システム構成>
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係るセルフPOSシステム100の事例を示す図である。
【0011】
図1の例では、セルフPOSシステム100は、セルフPOSレジ1と、セルフPOS管理装置2と、POS集中管理端末3と、店舗従業員用POS管理端末4と、がインターネット等の所定の通信ネットワークを介して相互に接続されることで構成される。
【0012】
セルフPOSレジ1は、顧客が自ら商品をスキャンして精算を行うことが可能な情報処理装置である。セルフPOSレジ1は、セルフPOS管理装置2とPOS集中管理端末3と店舗従業員用POS管理端末4の各動作と協働して各種処理を実行する。本実施形態では、セルフPOSレジ1は実店舗101の顧客が会計を行うエリアに配置される。なお、セルフPOSレジ1の構成の詳細については後述する。
【0013】
セルフPOS管理装置2は、複数のセルフPOSレジ1、POS集中管理端末3及び店舗従業員用POS管理端末4のそれぞれと種々の情報を送受信し、会計に関する処理を管理するサーバである。セルフPOS管理装置2は、例えば、実店舗101の管理室等に配置されていてもよいし、実店舗101とは別の場所にあるサーバルームに配置されていてもよい。セルフPOS管理装置2の配置場所は特に限定される訳ではない。このセルフPOS管理装置2の構成の詳細についても後述する。
【0014】
POS集中管理端末3は、複数の実店舗のセルフPOSレジ1の稼働状況及び発生したイベントの参照、及びイベント情報の更新、セルフPOSレジ1の遠隔操作等を行うことができる管理スタッフ用のコンピュータである。POS集中管理端末3を使用する管理スタッフは、複数の実店舗の管理を総括的に行うことが可能となる。
【0015】
また、管理スタッフは、POS集中管理端末3を通じて店舗従業員への作業指示、連絡の入力、及び店舗従業員からの報告内容の参照を行うことができる。POS集中管理端末3は、例えば、実店舗101の外側にあるPOS集中管理センター102に配置される。POS集中管理端末3の配置場所は特に限定される訳ではない。また、イベント情報は、従業員が対応する必要がある作業の種類や作業の状態(対応中、対応済み等)を示す情報である。
【0016】
店舗従業員用POS管理端末4は、セルフPOS管理装置2から情報を受信する処理や、セルフPOS管理装置2を経由してセルフPOSレジ1を遠隔操作する処理や、POS集中管理端末3に情報を送信する処理を実行する従業員用のコンピュータである。店舗従業員用POS管理端末4は、従業員が所持するために可搬性があるコンピュータであってもよいし、管理する従業員が所持する据置型のコンピュータであってもよい。店舗従業員用POS管理端末4が、セルフPOS管理装置2から受信する情報には、セルフPOSレジ1から送信される情報の他、管理スタッフからの指示、連絡内容、セルフPOS管理装置2上のイベント状態の更新(対応中、対応済等)が含まれる。POS集中管理端末3に送信される情報には、例えば、店舗従業員用POS管理端末4で入力された管理スタッフへの報告内容等が含まれる。
【0017】
また、店舗従業員用POS管理端末4は、セルフPOS管理装置2が何らかの理由で利用不可能となっている状態では、同一の実店舗101のセルフPOSレジ1のみを対象としてセルフPOS管理装置2の代替の役割を果たす。また、従業員は、イベント情報に対応する作業を開始した場合は対応中とし、作業が完了した場合は対応済みであることを店舗従業員用POS管理端末4からセルフPOS管理装置2に送信し、セルフPOS管理装置2のイベント情報を更新することもできる。
【0018】
<ハードウェア構成>
次に、セルフPOSシステム100を構成する各コンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。
【0019】
図2は、セルフPOSレジ1のハードウェア構成を示すブロック図である。セルフPOSレジ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、顧客用モニタ51と、顧客検出センサ52と、カート検出センサ53と、スキャン操作センサ54と、カメラスキャナ55と、情報掲示モニタ56と、スピーカ57と、を備えるコンピュータである。
【0020】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0021】
入出力インターフェース15には、記憶部18、通信部19、ドライブ20、顧客用モニタ51、顧客検出センサ52、カート検出センサ53、スキャン操作センサ54、カメラスキャナ55、情報掲示モニタ56及びスピーカ57が接続されている。
【0022】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との間で通信を行う。
【0023】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0024】
顧客用モニタ51は、顧客が行った会計に関する情報を表示する出力装置である。顧客用モニタ51は、例えば、タッチパネルディスプレイ等によって構成され、顧客が操作を入力する入力部としても機能する。
【0025】
顧客検出センサ52は、顧客がセルフPOSレジ1の前にいることを検出する顧客検出部である。カート検出センサ53は、顧客がセルフPOSレジ1の前に載置したカートを検出するカート検出部である。
【0026】
スキャン操作センサ54は、顧客による商品バーコードのスキャンや商品画像の撮像を検出するスキャン操作検出部である。スキャン操作センサ54は、顧客の商品スキャン操作を画像で認識し、カメラスキャナ55の前で行われた顧客のスキャン操作(動作)を検出する。
【0027】
カメラスキャナ55は、商品バーコードのスキャンや商品画像を撮像して画像情報を取得する撮像装置である。
【0028】
情報掲示モニタ56は、セルフPOSレジ1の操作状況やセルフPOSレジ1で発生したイベント情報を画像により表示する。情報掲示モニタ56は、例えば、従業員やセルフPOSレジ1を操作する顧客の周囲の別の顧客に見えやすい高さ・位置に設置される。
【0029】
スピーカ57は、セルフPOSレジ1の操作状況やセルフPOSレジ1で発生したイベント情報を音声により伝達する情報出力スピーカである。
【0030】
次に、セルフPOS管理装置2のハードウェア構成の一例について説明する。図3は、セルフPOS管理装置2の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、以下の説明において、図2のセルフPOSレジ1の構成と共通又は類似の構成については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
【0031】
図3に示すように、セルフPOS管理装置2は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えるコンピュータである。セルフPOS管理装置2のうち、出力部16と入力部17以外はセルフPOSレジ1と共通又は同等の構成である。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、タッチパネルディスプレイ、キーボード、マウス等によって構成され、各種情報が入力される。
【0032】
以上、セルフPOSレジ1及びセルフPOS管理装置2のハードウェアの構成例について説明した。図1に示すPOS集中管理端末3は、図3に示すハードウェア構成と同様の構成を有するコンピュータである。また、店舗従業員用POS管理端末4も、図3に示すハードウェア構成と同様の構成を有するコンピュータである。
【0033】
<セルフPOSレジ1の機能構成>
次に、上述のセルフPOSレジ1のハードウェアの構成によって実現される機能構成について説明する。図1に示すように、セルフPOSレジ1は、セルフPOSレジ1のCPU11において動作する機能部(プログラム)として、精算プロセス検出部31(精算プロセス検出機能)と、報知情報生成部32(報知情報生成機能)と、報知情報出力部33(報知情報出力機能)と、を備える。ここでは、精算プロセス検出部31(精算プロセス検出機能)、報知情報生成部32(報知情報生成機能)及び報知情報出力部33(報知情報出力機能)は、セルフPOSレジ1内に設けられた構成を示すが、本発明においては、全てがセルフPOSレジ内に備えられている必要はなく、セルフPOSシステム内で各構成が協働して機能すればよい。
【0034】
精算プロセス検出部31は、顧客による商品の精算プロセスを検出する処理を実行する精算プロセス検出手段である。
精算プロセス検出部31としては、例えば、顧客がセルフPOSの前にいることを検知する「顧客検知センサ」、カートがセルフPOSの台上に置かれていることを検知する「カート検知センサ」、顧客による商品バーコードのスキャンや商品画像の撮像を検知する「スキャン操作センサ」等が挙げられる。
【0035】
報知情報生成部32は、商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する機能部である。
例えば、報知情報生成部32は、精算プロセス検出部31が検出した精算プロセスを解析して報知情報を生成する処理を実行する報知情報生成手段である。生成された報知情報は、セルフPOSレジ1の記憶部18にデータベース化して記憶される。
【0036】
報知情報としては、セルフPOSレジ1の操作内容や取引情報の全部又は一部を示す情報や、セルフPOSレジ1操作中の顧客に対して操作補助が必要なことを従業員に知らせるための補助要求情報や、セルフPOSレジ1に異常が発生していることを従業員に知らせるための異常情報等が挙げられる。以下、順に説明する。
【0037】
セルフPOSレジ1の操作内容や取引情報の全部又は一部を示す情報は、例えば、購入点数、顧客によるスキャンした商品の削除・減数操作、顧客による年齢制限商品のスキャンまたは承認操作等である。
【0038】
補助要求情報を示す報知情報は、例えば、顧客がスキャン済商品を取り消して返品する場合における返品商品の受取りが必要な場合や、身体のハンディキャップ等により顧客自身でセルフPOSレジ1の利用が難しい場合に、従業員に報知される情報である。従業員呼出しボタンの操作を検出すると、補助要求情報を示す報知情報が生成される。従業員は、補助情報を示す報知情報を確認すると、必要に応じてセルフPOSレジ1のセルフレジモードを従業員が操作する通常POSモードに切り替え、顧客の代わりに操作を行う。このため、セルフPOSレジ1は、セルフレジモードを通常POSモードに従業員が切り替えるための暗証番号等による認証機能を有する。
【0039】
異常情報を示す報知情報は、例えば、セルフPOSレジ1の機器や顧客の操作における正常ではない事象が発生した場合や、正常ではない事象が発生した疑いがある場合に、従業員に報知されるアラート(イベント情報)である。セルフPOSレジ1の機器における正常ではない事象は、例えば、釣銭やレシート用紙の補充、紙幣詰まり等の機器上の障害発生である。また、顧客の操作における正常ではない事象は、例えば、不正の疑いがある顧客行動である。
【0040】
異常情報を示す報知情報の生成方法について説明する。報知情報生成部32は、予め設定される所定の検出条件に基づいて異常情報を示す報知情報を生成する。以下、検出条件の例について説明する。なお、検出条件は、あくまで例示であり、後述する条件の一部又は全部を採用してもよいし、別の検出条件を設定してもよい。
【0041】
検出条件は、例えば、顧客がセルフPOSレジ1の前に一定時間以上存在することである。また、検出条件は、カートをセルフPOSの台上に載せたことをセンサが検出してからセルフPOSレジ1が一定時間以上操作されていないことでもよい。また、検出条件は、顧客がセルフPOSレジ1の操作を開始してから一定時間以上操作が行われないことを検出したことでもよい。また、検出条件は、セルフPOSレジ1の台上にカートが載ったことが検出されてからセルフPOSレジ1の操作を開始していない状態で顧客がセルフPOSレジ1の前からいなくなることでもよい。また、検出条件は、セルフPOSレジ1の台上にカートが載ったことが検出されてからセルフPOSレジ1の操作を開始していない状態でカートがセルフPOSレジ1の台上から無くなったことでもよい。
【0042】
また、検出条件は、顧客がセルフPOSの操作を開始してから、すべての操作を正常に完了させていない状態(操作途中の状態)で、顧客がセルフPOSレジ1の前からいなくなる、又はカートがセルフPOSレジ1の台上から無くなったことであってもよい。また、検出条件は、一度スキャンして登録された商品の減数、又は登録削除の操作を行ったことであってもよい。また、検出条件は、顧客が商品登録操作の途中、及び商品登録開始後から決済完了までの間にセルフPOSレジ1の操作中止を操作したことであってもよい。
【0043】
また、検出条件は、カメラスキャナ55によって撮像された画像情報に含まれる商品の数と、セルフPOSレジ1に登録された商品の個数と、を比較し、セルフPOSレジ1に登録された商品の個数の方が少ないことであってもよい。例えば、カメラスキャナ55によって撮像された画像情報に含まれる商品の数は、カメラスキャナ55が検出した顧客のスキャン操作の回数や画像情報に含まれる商品の画像等によって算出される。また、セルフPOSレジ1に登録された商品の個数は、カメラスキャナ55によるバーコードスキャンの回数及び顧客用モニタ51の数量増減ボタンによる数量登録等によって算出される。
【0044】
以上、検出条件の例について説明した。なお、上述の検出条件の1つでは、顧客が商品登録操作の途中に操作中止を行うことを条件としているが、商品登録開始後は、セルフPOSレジ1の操作中止を行うボタンを表示せず、従業員呼出しボタンのみを顧客用モニタ51には表示させておいてもよい。これによって、商品登録開始後の操作中止については、従業員の確認が必要な店内オペレーションとすることができる。
【0045】
報知情報出力部33は、報知情報生成部32に生成した報知情報に基づく報知内容(画像、音声)を出力する処理を実行する報知情報出力手段である。報知情報出力部33は、報知内容に対応する情報をセルフPOSレジの周囲に出力する。報知情報出力部33としては、周辺の別顧客や従業員に見えやすい又は聞こえやすい高さ・位置に設置された情報掲示モニタ56やスピーカ7が挙げられる。報知内容は、生成された報知情報に基づくものである。操作内容(スキャン回数や商品数)を具体的に出力してもよいし、上述のような検出条件を用いている場合、それぞれの検出条件に対応した画像や音声を出力することにより、従業員により正確に状況を把握させることができる。また、セルフPOSレジ1操作する顧客とは別の顧客に伝えたくない情報については、別途、記号や暗号等の替わりの表現の画像や音声を用いることもできる。
【0046】
<セルフPOSレジ1の処理内容>
図4を参照し、本実施形態のセルフPOSシステム100における会計時の報知処理の流れについて説明する。図4は、セルフPOSシステム100の会計時の報知処理の動作を示すフローチャートである。顧客による商品のスキャン等の操作が開始されると、図4のフローの処理が開始する。
【0047】
ステップS1において、セルフPOSレジ1の精算プロセス検出部31は、顧客用モニタ51、顧客検出センサ52、カート検出センサ53及びスキャン操作センサ54の各センサの検出情報やカメラスキャナ55が取得する画像情報を取得する。そして、精算プロセス検出部31は、検出情報と画像情報を解析して上述の精算プロセスを検出する。ステップS1の処理の後、処理はステップS2に進む。
【0048】
ステップS2において、セルフPOSレジ1の報知情報生成部32は、精算プロセス検出部31が解析した精算プロセスに基づく精算操作の内容に対応する報知情報を生成する。また、報知情報生成部32は、所定の検出条件を満たす異常が発生したと判定した場合は異常情報を示す報知情報を生成し、従業員の補助が要求せれたと判定した場合は補助要求情報を示す報知情報を生成する。ステップS2の処理の後、処理はステップS3に進む。
【0049】
ステップS3において、セルフPOSレジ1の報知情報出力部33は、会計処理の内容を示す報知情報や異常が発生したことを示す報知情報に基づく報知内容を出力する。報知情報出力部33は情報掲示モニタ56に対しては報知情報に対応する画像を出力し、報知情報出力部33はスピーカ57に対しては報知情報に対応する音声を出力する。報知情報出力部33は、例えば、記憶部18に予め記憶されている複数種類の掲示内容を示す画像や音声情報のうち、報知情報に対応するものを選択して情報掲示モニタ56やスピーカ57に出力する。
【0050】
ステップS3の処理により、顧客の精算操作の状況、セルフPOSレジ1の機器上の問題や不正行為等の異常発生、顧客が補助を必要としていること等が情報掲示モニタ56やスピーカ57によって周囲の従業員や他の顧客に伝達されることになる。周囲の従業員は、情報掲示モニタ56やスピーカ57によって顧客の状況や異常を即座に把握できるので、状況に応じた迅速・的確な店内オペレーションが実現される。また、ステップS3の処理により、周囲の顧客は情報掲示モニタ56やスピーカ57によって精算操作の状況が周囲や店側に伝達されることがわかる。ステップS3の処理の後、一度このフローは終了し、再び商品の精算操作が行われるのを待機する状態となる。
【0051】
以上、説明したように第1実施形態のセルフPOSシステム100におけるセルフPOSレジ1は、以下の有利な効果を奏する。即ち、セルフPOSシステム100におけるセルフPOSレジ1は、顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出部31と、商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成部32と、所定の報知情報を出力する報知情報出力部33と、を備える。これにより、従業員や周囲の別の顧客に対して掲示や音声により報知情報が知らされることにより、セルフPOSレジ1を操作中の顧客による不正行動をけん制、抑止することができる。
【0052】
<セルフPOS管理装置2の機能構成>
次に、上述のセルフPOS管理装置2のハードウェアの構成によって実現される機能構成について説明する。セルフPOS管理装置2は、セルフPOS管理装置2のCPU11において動作する機能部(プログラム)として、報知情報取得部61(報知情報取得機能)と、報知情報管理部62(報知情報管理機能)と、遠隔制御部63(遠隔制御機能)と、従業員連絡部64(従業員連絡機能)と、報知情報配信部65(報知情報配信機能)と、を備える。
【0053】
報知情報取得部61は、セルフPOSレジ1によって生成された報知情報を取得する処理を実行する報知情報取得手段である。図1ではセルフPOSレジ1が図示されているのみであるが、報知情報取得部61は、複数のセルフPOSレジ1から報知情報を含む各種の情報を収集する。なお、報知情報取得部61は、一つの実店舗101に限らず、異なる場所にある複数の実店舗101に跨って配置される複数のセルフPOSレジ1から情報を収集する。取得された報知情報は、セルフPOS管理装置2の記憶部18にデータベース化して記憶される。
【0054】
報知情報管理部62は、報知情報取得部61が取得した報知情報を含む各種の情報を所定の従業員端末に通知または参照可能に記憶するための処理を実行する報知情報管理手段である。この所定の従業員端末としては、POS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4等が挙げられる。共有対象のPOS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4は、予め実店舗101のセルフPOSレジ1に対応づけられるものである。共有するための処理は、例えば、報知情報をPOS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4に送信する通信処理であってもよいし、POS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4からの要求に応じて報知情報を参照できるようにする処理であってもよい。
【0055】
遠隔制御部63は、所定の従業員端末(例えばPOS集中管理端末3)からセルフPOSレジ1に対して所定の制御を実行させる遠隔制御処理を実行する遠隔制御手段である。所定の制御は、例えば、顧客操作において不正が疑われた場合の顧客操作の一時中断・再開、従業員の承認が必要な顧客操作に対するPOS集中管理端末3からの承認、情報掲示モニタ56やスピーカ57の報知内容(表示内容、アナウンス内容)の変更等のセルフPOSレジ1の機器制御である。また、遠隔制御には、セルフPOSレジ1の起動・停止・再起動、上位側のコンピュータ(上位側のシステム)から連携される売価マスタの自動取込みの停止・再開・自動連携の再実行等が含まれる。
【0056】
従業員連絡部64は、複数の前記外部端末のうち、1の所定の従業員端末と、別の所定の従業員端末との間で、所定の情報を送受信する従業員連絡手段である。1の所定の従業員端末としては、POS集中管理端末3が挙げられ、別の所定の従業員端末としては、店舗従業員用POS管理端末4が挙げられる。POS集中管理端末3から店舗従業員用POS管理端末4に送信される情報は、例えば、POS集中管理端末3で入力される店舗従業員への作業指示や連絡事項である。また、店舗従業員用POS管理端末4からPOS集中管理端末3に送信される情報は、例えば、店舗従業員用POS管理端末4で入力されるPOS集中管理端末3を使用する管理スタッフへの報告内容である。
【0057】
報知情報配信部65は、報知情報や当該報知情報を端末間で送受信するために必要な情報を所定のタイミングで所定の店舗従業員用POS管理端末4及びPOS集中管理端末3に送信する処理を実行する報知情報配信手段である。所定の店舗従業員用POS管理端末4は、例えば、セルフPOSレジ1と同一の実店舗101に対応する外部端末として設定されたものである。所定のタイミングは、例えば、任意に設定された時間に基づくタイミングであってもよいし、セルフPOSレジ1から報知情報を取得したタイミングであってもよい。
【0058】
報知情報を端末間で送受信するために必要な情報により、セルフPOSレジ1と店舗従業員用POS管理端末4とPOS集中管理端末3との間で通信に必要な情報が同期される。これによって、セルフPOS管理装置2を経由せずに、セルフPOSレジ1と店舗従業員用POS管理端末4の間や店舗従業員用POS管理端末4とPOS集中管理端末3の間の通信ネットワークを介した通信が可能となる。
【0059】
本実施形態の店舗従業員用POS管理端末4は、セルフPOS管理装置22が機能していない状態でセルフPOS管理装置22の代替機能を果たすための各種の手段を有する。セルフPOS管理装置22が機能しない状態では、店舗従業員用POS管理端末4のCPU11において、セルフPOS管理装置22の報知情報取得部61、報知情報管理部62、遠隔制御部63、従業員連絡部64及び報知情報配信部65と同等の機能が実行されることになる。
【0060】
<セルフPOS管理装置2の処理内容>
図5を参照し、セルフPOSシステム100における報知情報管理の流れについて説明する。図5は、セルフPOS管理装置2の報知情報管理の動作を示すフローチャートである。
【0061】
まず、ステップS11において、セルフPOS管理装置2の報知情報取得部61が、セルフPOSレジ1から通信ネットワークを介して報知情報を取得する処理を実行する。セルフPOSレジ1の報知情報生成部32が報知情報を生成すると、生成された報知情報が通信ネットワークを介してセルフPOS管理装置2に送信される。なお、報知情報を取得するタイミングは、これに限定される訳ではない。セルフPOS管理装置2側からの要求に応じてセルフPOSレジ1が送信する構成であってもよい。ステップS11の処理の後、処理はステップS12に進む。
【0062】
ステップS12において、セルフPOS管理装置2の報知情報管理部62が、共有対象のPOS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4に報知情報を共有するための処理を実行する。本実施形態では、セルフPOS管理装置2は、報知情報を共有するための処理として、セルフPOSレジ1に対応付けられたPOS集中管理端末3及び店舗従業員用POS管理端末4に対して報知情報を所定のタイミングで送信する処理を実行する。上述のように、報知情報を共有するための処理としては、POS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4から要求があった場合に、POS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4がセルフPOS管理装置2の報知情報を参照可能にする処理であってもよい。ステップS12の処理の後、処理はステップS13に進む。
【0063】
ステップS13において、セルフPOS管理装置2の遠隔制御部63は、遠隔制御の要求があるか否かを監視する。本実施形態における遠隔制御の要求は、POS集中管理端末3から要求されるものであるが、上位のコンピュータから要求されるものであってもよい。遠隔制御の要求があった場合は、遠隔制御部63は処理をステップS14に進め(ステップS13;Yes)、ステップS14でPOS集中管理端末3からの要求に基づく遠隔制御処理を実行する。POS集中管理端末3から要求される遠隔制御は、例えば、顧客操作において不正が疑われた場合の顧客操作の一時中断・再開等のセルフPOSレジ1の機器制御である。また、上位コンピュータから要求される遠隔制御は、売価マスタの自動取込みの停止・再開・自動連携の再実行等である。遠隔制御の要求がなかった場合は、処理はステップS15に進む(ステップS13;No)。
【0064】
ステップS15において、セルフPOS管理装置2の従業員連絡部64は、端末間通信の要求があるか否かを監視する。本実施形態における端末間通信の要求は、POS集中管理端末3から要求されるもの又は店舗従業員用POS管理端末4から要求されるものである。端末間通信の要求があった場合は、従業員連絡部64は処理をステップS16に進め(ステップS15;Yes)、ステップS16でPOS集中管理端末3又は店舗従業員用POS管理端末4からの要求に基づく端末間通信処理を実行する。端末間通信処理により、POS集中管理端末3から店舗従業員用POS管理端末4に作業指示や連絡事項等を示す情報が送信される、又は店舗従業員用POS管理端末4からPOS集中管理端末3に管理スタッフへの報告内容を示す情報が送信される。端末間通信の要求がなかった場合は、処理はステップS17に進む(ステップS15;No)。
【0065】
ステップS17において、セルフPOS管理装置2の報知情報配信部65は、上述した報知情報を送受信するために必要な情報を送信する所定のタイミングに到達したか否かを判定する。所定のタイミングに到達していた場合は、報知情報配信部65は、処理をステップS18に進め(ステップS17;Yes)、ステップS18で報知情報ととともに報知情報を送受信するための情報をPOS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4に送信する通信情報送信処理を実行する。ステップS18の処理では、報知情報を送受信するための情報のみが送信されていてもよい。ステップS18の後、処理はステップS11に戻る。また、所定のタイミングに到達していない場合も、処理はステップS11に戻り、ステップS11の処理が繰り返される(ステップS17;No)。
【0066】
以上、説明したように第1実施形態のセルフPOSシステム100は、通信ネットワークを介して報知情報生成部32によって生成された報知情報を取得する報知情報取得部61と、報知情報を所定の外部端末であるPOS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4に通知又は参照可能に記憶する報知情報管理部62と、を有するセルフPOS管理装置2を更に備える。これにより、セルフPOSレジ1の周囲に所在していない従業員であっても、POS集中管理端末3や店舗従業員用POS管理端末4から報知情報を取得し、顧客やセルフPOSレジ1の状況を把握することができる。従って、顧客に対して適切な対応をより迅速又は的確に採ることができる。
【0067】
また、第1実施形態のセルフPOS管理装置2は、複数の前記外部端末のうち、1の外部端末であるPOS集中管理端末3と別の外部端末である店舗従業員用POS管理端末4との間で、所定の情報を送受信する従業員連絡部64を更に有する。これにより、POS集中管理端末3から店舗従業員用POS管理端末4に対して店舗従業員への作業指示や連絡事項を通知したり、店舗従業員用POS管理端末4からPOS集中管理端末3に対して業務等の報告を行ったりすることができる。
【0068】
また、第1実施形態のセルフPOS管理装置2は、POS集中管理端末3から、所定のセルフPOSレジ1に所定の制御を実行させる遠隔制御部63を更に有する。これにより、セルフPOSレジ1を遠隔制御して効率的に適切な管理を行うことができる。
【0069】
また、第1実施形態のセルフPOS管理装置2は、セルフPOSレジ1と報知情報を送受信するための情報を所定のタイミングで店舗従業員用POS管理端末4に送信する報知情報配信部65を更に有する。これにより、セルフPOS管理装置2が何らかの理由で利用不能となっている状態においても、セルフPOSレジ1と店舗従業員用POS管理端末4が直接通信を行うことができる。従って、セルフPOS管理装置2の機能を代替させることもできる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、第1実施形態とは異なる構成の第2実施形態に係るセルフPOSシステム100aについて説明する。図6は、第2実施形態に係るセルフPOSシステム100aの構成を示す模式図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と共通又は同様の構成については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
【0071】
図6に示すように、セルフPOSシステム100aは、セルフPOSレジ1と店舗従業員用POS管理端末4aと、を備えており、セルフPOS管理装置2やPOS集中管理端末3を備えていない点が第1実施形態のセルフPOSシステム100と異なっている。
【0072】
第2実施形態の店舗従業員用POS管理端末4aは、セルフPOS管理装置2のCPU11において動作する機能部として、報知情報取得部61と、報知情報管理部62と、遠隔制御部63と、従業員連絡部64と、報知情報配信部65と、を備える。
【0073】
報知情報取得部61、報知情報管理部62、遠隔制御部63及び従業員連絡部64は、第1実施形態と同様に機能する。報知情報配信部65は、複数の店舗従業員用POS管理端末4aがある場合において、店舗従業員用POS管理端末4aが機能しなくなると、別の店舗従業員用POS管理端末4aがセルフPOSレジ1との直接通信を行うための情報を別の店舗従業員用POS管理端末4aに送信する処理を実行する。
【0074】
第2実施形態の店舗従業員用POS管理端末4aは、セルフPOSレジ1と通信し、セルフPOSレジ1から受信した報知情報を店舗従業員用POS管理端末4aの出力部16に表示する処理を実行する。また、店舗従業員用POS管理端末4aは、セルフPOSレジ1に対する遠隔制御も実行することができる。このように、第2実施形態の店舗従業員用POS管理端末4aは、第1実施形態におけるセルフPOS管理装置2と同等の機能を有する。
【0075】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供することができる。
【0076】
(第3実施形態)
<概要>
本実施形態は、釣り銭取り忘れに対する、セルフレジの精算処理の滞留を抑制するものである。本実施形態3においては、実施形態1と同様な構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0077】
従来、顧客がセルフPOSレジで精算を済ました後、釣り銭を取り忘れてセルフPOSレジの場所から離れてしまうと、トラブルに発展してしまうことがある。トラブルの一例を説明する。セルフPOSレジは、前の顧客の釣り銭が釣り銭トレイに残っていると、次の顧客の精算処理の受付を停止する。そのため、次の顧客は、精算処理を開始しようとしても精算処理を開始できない。次の顧客が、釣り銭トレイに前の顧客の釣り銭が残っていることが精算処理を開始できない原因と気づいた場合、前の顧客の代わりに釣り銭を釣り銭トレイから取り出し、従業員を呼んで、釣り銭を従業員に渡さなければならない。また、次の顧客が、前の顧客の代わりに釣り銭を釣り銭トレイから取り出さない場合、その対応を依頼するために従業員を口頭で呼ばなければならない。いずれの場合も、次の顧客の善意に頼らなければ、セルフPOSレジの精算処理を再開することができず、セルフPOSレジの精算処理が滞ってしまう。
これに対して、本実施形態のセルフPOSシステムでは、セルフPOSレジは、釣り銭取り忘れが発生すると、次の顧客が従業員を呼ばなくても、自動的に従業員を呼び出し、従業員によって精算処理の受付停止が解除される。
【0078】
<システム構成>
本実施形態のセルフPOSシステム100の構成を、図1を参照して説明する。
複数のセルフPOSレジ1が、実店舗101内に設置されている。例えば、m(mは2以上の整数)台のセルフPOSレジ1が商品陳列棚の長手方向と直交する方向に沿って、隣り合うレジと等間隔で配置されている。複数のセルフPOSレジ1のそれぞれには互いに異なる識別子が予め付与されている。
セルフPOS管理装置2は、複数のセルフPOSレジ1を管理する。セルフPOS管理装置2は、実店舗101内に複数のセルフPOSレジ1が設置されるエリアと同じエリアに設置されたアテンダント端末であってもよい。アテンダント端末は、一列に並んだ複数のセルフPOSレジ1の一方の端に、これらの複数のPOSレジ1と接続される端末である。実店舗101において、アテンダント端末として機能するセルフPOS管理装置2と、管理室に設置されるセルフPOS管理装置2との両方が設けられていてもよい。本実施形態では、セルフPOS管理装置2がアテンダント端末の場合で説明する。
店舗従業員用POS管理端末4は、従業員が携帯可能なスマートフォン等の携帯型情報処理装置である。
【0079】
(セルフPOSレジ1)
報知情報生成部32は、釣り銭トレイに釣り銭が残った状態で、顧客がセルフPOSレジ1の前から離れると、釣り銭取り忘れが発生したことを検知する。報知情報生成部32は、釣り銭取り忘れの発生を検知すると、報知情報として、釣り銭取り忘れが発生した旨および釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1の識別子を含む情報を生成する。報知情報生成部32は、報知情報をセルフPOS管理装置2に送信する。釣り銭取り忘れの検知方法の一例を説明する。釣り銭トレイに光センサまたは重量センサが設けられ、光センサまたは重量センサによって、釣り銭トレイに釣り銭があるか否かが検知される。顧客がセルフPOSレジ1の前から離れたか否かは、顧客検出センサ52によって検知される。なお、報知情報生成部32は、釣り銭トレイに釣り銭が残った状態の時間が予め決められた閾値時間以上である場合、釣り銭取り忘れが発生したと判定してもよい。閾値時間は、例えば、10~30秒である。
【0080】
報知情報出力部33は、釣り銭取り忘れが発生したことが報知情報生成部32によって検知されると、次の顧客に対して、従業員が対応するまで待つこと依頼するメッセージを顧客用モニタ51に表示させる。また、報知情報出力部33は、報知情報を情報掲示モニタ56に表示させる。具体的には、報知情報出力部33は、釣り銭取り忘れが発生した旨の情報を情報掲示モニタ56に表示させる。情報掲示モニタ56に表示される報知情報は、従業員に対応を促すメッセージを含んでいてもよい。また、報知情報出力部33は、精算処理の受付停止を解除する操作が従業員によって行われると、情報掲示モニタ56に表示された報知情報を消去し、従業員による対応が完了した旨の情報である対応完了情報をセルフPOS管理装置2に送信する。
【0081】
精算プロセス検出部31は、報知情報生成部32によって釣り銭取り忘れの発生が検知されると、セルフPOSレジ1のモードをセルフレジモードから通常POSモードに切り替える。精算プロセス検出部31は、従業員によって精算処理の受付停止が解除されるまで、顧客検出センサ52によって次の顧客がセルフPOSレジ1の前にいることが検出されても、次の顧客の精算処理の受付を停止する。精算プロセス検出部31は、精算処理の受付停止を解除する操作が従業員によって行われると、セルフPOSレジ1のモードを通常POSモードからセルフレジモードに切り替え、精算処理の受付を再開する。
【0082】
精算処理の受付停止の解除は、例えば、精算プロセス検出部31が、セルフPOSレジ1における釣り銭取り忘れの対応者が従業員であることを認証することで行われる。対応者が従業員であることの認証方法は、従業員毎に異なる識別子である従業員識別子のセルフPOSレジ1への入力によって行われる。例えば、従業員が携帯する従業員カードに従業員識別子の情報が磁気で予め記録されている場合、セルフPOSレジ1が従業員カードから従業員識別子を読み取ってもよい。従業員が携帯する店舗従業員用POS管理端末4が従業員識別子を示す1次元コードまたは2次元コードのコードを予め記憶している場合、セルフPOSレジ1はコードから従業員識別子を読み取ってもよい。従業員が自分の識別子を記憶している場合、セルフPOSレジ1を操作して、従業員識別子をセルフPOSレジ1に入力してもよい。図2に示した記憶部18は、実店舗101の全従業員の従業員識別子を記憶している。
【0083】
(セルフPOS管理装置2)
報知情報取得部61は、報知情報として、釣り銭取り忘れが発生した旨の情報を、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1から取得する。また、報知情報取得部61は、釣り銭取り忘れに対して従業員による対応が完了したセルフPOSレジ1から対応完了情報を取得する。
報知情報配信部65は、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1から報知情報取得部61が報知情報を取得したタイミングで、報知情報を店舗従業員用POS管理端末4およびPOS集中管理端末3に送信する。報知情報配信部65は、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1の識別子の情報を含む報知情報を出力部16のディスプレイに表示させる。報知情報配信部65は、セルフPOSレジ1から対応完了情報を報知情報取得部61が取得すると、対応完了情報を店舗従業員用POS管理端末4およびPOS集中管理端末3に送信し、報知情報の表示をディスプレイから消去する。
【0084】
(POS集中管理端末3)
POS集中管理端末3は、報知情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、報知情報およびその受信時刻を記憶し、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1の識別子の情報を含む報知情報を出力部16のディスプレイに表示させる。POS集中管理端末3は、対応完了情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、対応完了情報およびその受信時刻を記憶し、報知情報の表示をディスプレイから消去する。これにより、釣り銭取り忘れ発生から対応完了までにかかる時間がPOS集中管理端末3に記録される。
【0085】
(店舗従業員用POS管理端末4)
店舗従業員用POS管理端末4は、報知情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1の識別子の情報を含む報知情報を出力部16のディスプレイに表示させる。店舗従業員用POS管理端末4は、対応完了情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、報知情報の表示をディスプレイから消去する。
【0086】
<処理内容>
次に、セルフPOSレジ1の動作を説明する。図7は、実施形態3に係るセルフPOSレジの動作手順の一例を示すフローチャートである。図8は、セルフPOSレジのモニタに表示される画像の具体例を示す図である。図8(a)および(c)は顧客用モニタ51に表示される画像の一例であり、図8(b)は情報掲示モニタ56に表示される画像の一例である。以下では、m台のセルフPOSレジ1のうち、k(kは1~mの任意の整数)番目のセルフPOSレジ1をセルフPOSレジ1kと表記する。また、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1をセルフPOSレジ1kとし、セルフPOSレジ1kは、1~m番のレジのうち、k番目のレジとする。
【0087】
ステップS21において、セルフPOSレジ1がセルフレジモードで起動すると、精算プロセス検出部31は、精算処理を受け付け可能な状態である待機状態になる。報知情報出力部33は、精算処理の初期画像を顧客用モニタ51に表示させる。初期画像は、セルフPOSレジ1が精算処理を受け付け可能な状態である待機状態を顧客に示す画像である。
ステップS22において、報知情報生成部32は、顧客検出センサ52によって顧客が検知されたか否かを判定する。ステップS22の判定の結果、報知情報生成部32によって顧客が検知されたと判定されると、精算プロセス検出部31は、精算処理の受付を開始する(ステップS23)。
【0088】
ステップS23の精算処理の終了後、釣り銭がある場合、報知情報出力部33は、顧客に釣り銭を取ることを促すメッセージを顧客用モニタ51に表示させる。報知情報出力部33は、例えば、図8(a)に示す画像を顧客用モニタ51に表示させる。図8(a)に示す画像を見た顧客が釣り銭トレイから釣り銭を取った後、OKボタン71を選択する操作を行うと、精算プロセス検出部31は、ステップS21に戻り、待機状態になる。
【0089】
図8(a)に示す画像が顧客用モニタ51に表示された後、ステップS24において、報知情報生成部32は、釣り銭取り忘れ検知の有無を判定する。ステップS24の判定の結果、報知情報生成部32によって釣り銭取り忘れの発生が検知されると、精算プロセス検出部31は、精算処理の受付を停止する(ステップS25)。精算プロセス検出部31は、セルフPOSレジ1のモードをセルフレジモードから通常POSモードに切り替える。顧客検出センサ52によって次の顧客が検知されても、精算プロセス検出部31は、次の顧客の精算処理を受け付けない。
【0090】
ステップS26において、報知情報出力部33は、釣り銭取り忘れ発生を報知する。具体的には、報知情報出力部33は、釣り銭取り忘れが発生した旨および従業員に対応を促すメッセージを含む報知情報を情報掲示モニタ56に表示させる。報知情報出力部33は、例えば、図8(b)に示す画像を情報掲示モニタ56に表示させる。また、報知情報出力部33は、釣り銭取り忘れが発生した旨およびセルフPOSレジ1kの識別子を含む報知情報をセルフPOS管理装置2に送信する。さらに、報知情報出力部33は、従業員が対応するまで待つことを次の顧客に依頼するメッセージを顧客用モニタ51に表示させる。報知情報出力部33は、例えば、図8(c)に示す画像を顧客用モニタ51に表示させる。従業員は、顧客から見れば「店員」に相当する。
【0091】
ステップS27において、精算プロセス検出部31は、精算処理の受付停止を解除する操作が従業員によって行われた否かを判定する。従業員がセルフPOSレジ1kに駆けつけて釣り銭トレイから釣り銭を取る。そして、従業員は、釣り銭を取り忘れた顧客を追いかけて、顧客に釣り銭を渡す。その後、従業員は、セルフPOSレジ1kに戻り、セルフPOSレジ1kの精算処理の受付停止を解除する操作を行う。例えば、従業員は、次のようにして停止解除の操作を行う。図8(c)に示す顧客用モニタ51に表示された店員用ボタン72を選択する操作を行う。そして、従業員は、自分の識別子をセルフPOSレジ1kに入力するために、従業員カードに記録された従業員識別子をセルフPOSレジ1kに読み取らせる。精算プロセス検出部31は、従業員カードに記録された従業員識別子と予め記憶された従業員識別子とが一致すると判定すると、操作者が従業員であると認証する。ステップS27の判定処理において、精算プロセス検出部31は、認証処理によって精算処理の受付停止が解除されると、セルフPOSレジ1kのモードを通常POSモードからセルフレジモードに切り替え、精算処理の受付を再開する(ステップS28)。精算プロセス検出部31は、精算処理の受付を再開した後、ステップS21の処理に戻る。
【0092】
図7を参照して説明した手順によれば、セルフPOSレジ1kの近くにいる従業員は、情報掲示モニタ56に表示された報知情報に気が付くと、釣り銭取り忘れに素早く対応することができる。釣り銭トレイに釣り銭が残った状態の時間が短くなるので、セルフPOSレジ1kは、よりスムーズに次の顧客の精算処理を受け付けることができる。その結果、セルフPOSレジ1kの精算処理が滞留してしまうことを抑制できる。
【0093】
なお、図7に示すステップS26において、報知情報出力部33は、従業員の対応を促すメッセージを、出力部16のスピーカを介して音声で出力してもよい。この場合、セルフPOSレジ1kの近くにいる従業員が情報掲示モニタ56とは別の方向を見て作業をしていても、より早く報知情報に気がつく。
【0094】
また、図7に示すステップS27において、精算プロセス検出部31は、認証処理の後、釣り銭を取り忘れた顧客の精算処理の内容を顧客用モニタ51に表示させてもよい。この場合、従業員は取引情報と釣り銭金額との整合性を確認し、釣り銭トレイに残った釣り銭の金額に間違えないことを確認してから、顧客に釣銭を渡すことができる。また、精算プロセス検出部31は、認証処理の後、従業員が釣り銭取り忘れの対応が完了したことを示す対応完了ボタンを選択する操作を行うと、セルフPOSレジ1kのモードを通常POSモードからセルフレジモードに切り替え、精算処理の受付を再開してもよい。
【0095】
次に、本実施形態に係るセルフPOSシステムの動作を説明する。図9は、実施形態3に係るセルフPOSシステムの動作手順の一例を示すシーケンス図である。図9に示す店舗従業員用POS管理端末4は、実店舗101内の複数の従業員が携帯する複数の店舗従業員用POS管理端末4であることを意味する。また、図7を参照して説明した、セルフPOSレジ1kが実行する処理についての詳細な説明を省略する。
【0096】
ステップS31において、セルフPOSレジ1kは、釣り銭取り忘れを検知する。ステップS32において、セルフPOSレジ1kは、次の顧客の精算処理の受付を停止する。ステップS33において、セルフPOSレジ1kは、釣り銭取り忘れ発生を報知する。具体的には、セルフPOSレジ1kは、釣り銭取り忘れが発生した旨および従業員に対応を促すメッセージを含む報知情報を情報掲示モニタ56に表示する。また、セルフPOSレジ1kは、釣り銭取り忘れが発生した旨およびセルフPOSレジ1kの識別子を含む報知情報をセルフPOS管理装置2に送信する。
【0097】
セルフPOS管理装置2の報知情報取得部61は、報知情報をセルフPOSレジ1kから取得する。ステップS34において、セルフPOS管理装置2の報知情報配信部65は、セルフPOSレジ1kから取得した報知情報を複数の店舗従業員用POS管理端末4およびPOS集中管理端末3の各端末に転送する。ステップS35-1において、報知情報配信部65は、セルフPOSレジ1kの識別子の情報を含む報知情報を出力部16のディスプレイに表示させる。例えば、報知情報配信部65は、従業員に対応を促すために、「k番のセルフPOSレジに釣り銭取り忘れがあるので対応してください」というメッセージを出力部16のディスプレイに表示させる。
【0098】
ステップS35-2において、複数の店舗従業員用POS管理端末4の各端末は、報知情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、セルフPOSレジ1の識別子の情報を含む報知情報を出力部16のディスプレイに表示させる。例えば、複数の店舗従業員用POS管理端末4の各端末は、従業員に対応を促すために、「k番のセルフPOSレジに釣り銭取り忘れがあるので対応してください」というメッセージを出力部16のディスプレイに表示させる。ステップS35-3において、POS集中管理端末3は、報知情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、報知情報を出力部16のディスプレイに表示させる。POS集中管理端末3は、報知情報およびその受信時刻を記憶する。
【0099】
ステップS35-1~S35-3において、複数の店舗従業員用POS管理端末4の各端末、セルフPOS管理装置2およびPOS集中管理端末3の各端末のディスプレイに報知情報が表示される。この場合、多くの従業員に報知情報が報知されるため、k番目の瀬フルPOSレジ1kに釣り銭取り忘れが発生したことが少なくとも1人の従業員に認識される確率が高くなる。その結果、釣り銭取り忘れが放置される状態の時間をより短縮することができる。
【0100】
ステップS36において、セルフPOSレジ1kは、従業員による対応が終了すると、精算処理の受付を再開し、対応完了情報をセルフPOS管理装置2に送信する。ステップS37において、セルフPOS管理装置2の報知情報取得部61が対応完了情報を受信すると、報知情報配信部65は対応完了情報を複数の店舗従業員用POS管理端末4およびPOS集中管理端末3の各端末に転送する。
【0101】
ステップS38-1において、セルフPOSレジ1kは、報知情報の表示を情報掲示モニタ56から消去する。ステップS38-2において、セルフPOS管理装置2の報知情報配信部65は、報知情報の表示を出力部16のディスプレイから消去する。ステップS38-3において、複数の店舗従業員用POS管理端末4の各端末は、対応完了情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、報知情報の表示を出力部16のディスプレイから消去する。ステップS38-4において、POS集中管理端末3は、対応完了情報をセルフPOS管理装置2から受信すると、報知情報の表示を出力部16のディスプレイから消去する。POS集中管理端末3は、対応完了情報およびその受信時刻を記憶する。多くの従業員は、報知情報が端末のディスプレイから消去されることで、釣り銭取り忘れの対応が完了したことを認識すると、報知情報が報知される前に行っていた作業を再開できる。
【0102】
なお、図9に示すステップS35-1において、報知情報配信部65は、従業員の対応を促すメッセージを、出力部16のスピーカを介して音声で出力してもよい。ステップS35-2において、複数の店舗従業員用POS管理端末4の各端末は、従業員の対応を促すメッセージを、出力部16のスピーカを介して音声で出力してもよい。この場合、セルフPOSレジ1kの近くにいない従業員もより早く報知情報に気がつく。そのため、釣り銭取り忘れが放置される状態の時間を短縮できる可能性がより高くなる。
【0103】
また、図9を参照して、セルフPOSレジ1kが報知情報および対応完了情報を、セルフPOS管理装置2を介して複数の店舗従業員用POS管理端末4に送信する場合で説明したが、この場合に限らない。セルフPOSレジ1kが報知情報および対応完了情報を、複数の店舗従業員用POS管理端末4の各端末に送信してもよい。この場合、本実施形態に実施形態2を適用することができる。
【0104】
さらに、実店舗101に防犯カメラを予め設置し、営業時間に防犯カメラにセルフPOSレジ1付近の動画を撮影させ、動画をセルフPOS管理装置2に記録させてもよい。従業員がセルフPOSレジ1kにかけつけるまでに釣り銭が釣り銭トレイからなくなっていた場合、顧客が自分で気が付いて釣り銭を取ったか否かを示す証拠として、セルフPOS管理装置2に動画が記録される。この場合、従業員はセルフPOS管理装置2に記録された動画を確認することで、顧客が自分で気が付いて釣り銭を取ったことを確認すると、セルフPOSレジ1の精算処理の受付停止を解除する操作を行うことができる。また、釣り銭を取り忘れた顧客以外の人が釣り銭を取った場合にも動画が証拠として記録される。この場合、記録された動画を、他人が釣り銭を不正に取得した証拠とすることができる。なお、動画を記録する装置は、セルフPOS管理装置2に限らず、POS集中管理端末3であってもよい。
【0105】
<第3実施形態の有利な効果>
本実施形態によれば、釣り銭取り忘れが発生したとき、次の顧客が従業員を呼ばなくても、自動的に従業員を呼び出し、従業員によって精算処理の受付停止が解除される。釣り銭取り忘れの状態が放置される時間を短縮できるので、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1はよりスムーズに次の顧客の精算処理を受け付けることができる。その結果、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジ1の精算処理が滞留してしまうことを抑制できる。また、釣り銭取り忘れの発生が複数の端末から店舗内の多くの従業員に報知されるため、従業員が釣り銭の取り忘れに気がつく可能性がより高くなり、対応がよりスムーズに行われる。さらに、釣り銭取り忘れが発生すると、従業員がかけつけるので、釣り銭トレイに放置された釣り銭を他の人が取ってしまうことを防止できる。
【0106】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0107】
(変形例)
上記実施形態では、セルフPOS管理装置2や店舗従業員用POS管理端末4aが報知情報取得部61と、報知情報管理部62と、遠隔制御部63と、従業員連絡部64と、報知情報配信部65と、を備える構成であるが、この構成に限定される訳ではない。例えば、遠隔制御部63、従業員連絡部64及び報知情報配信部65の一部又は全部を省略する構成としてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、セルフPOSレジ1という1つの情報処理装置が、精算プロセス検出部31と、報知情報生成部32と、報知情報出力部33と、を機能部として有する例を説明したが、この構成に限定されない。例えば、セルフPOSシステムが、精算プロセス検出手段としての各種センサと、報知情報生成手段としてのコンピュータと、報知情報出力手段としてのモニタ及びスピーカと、を備え、各種センサ、コンピュータ及びスピーカのそれぞれが物理的に離れた別個の存在として構成されてもよい。即ち、精算プロセス検出手段、報知情報生成手段及び報知情報出力手段が、それぞれ独立したハードウェアであってもよい。なお、ここでいう各種センサは、上述の顧客検出センサ52、カート検出センサ53、スキャン操作センサ54、カメラスキャナ55等である。
【0109】
(その他)
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0110】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0111】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0112】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0113】
換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)本発明のセルフPOSシステム(例えば、図1のセルフPOSシステム100)は、
顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出手段(例えば、図1の精算プロセス検出部31)と、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成手段(例えば、図1の報知情報生成部32)と、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力手段(例えば、図1の報知情報出力部33)と、
を備える。
この構成によれば、顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供することができる。
【0114】
また、(2)前記セルフPOSシステム(例えば、図1のセルフPOSシステム100)から、通信ネットワークを介して前記所定の報知情報を取得する報知情報取得手段(例えば、図1の報知情報取得部61)と、
前記取得した報知情報を所定の従業員端末(例えば、図1の店舗従業員用POS管理端末4)に通知又は参照可能に記憶する報知情報管理手段(例えば、図1の報知情報管理部62)と、
を備えるセルフPOS管理装置(例えば、図1のセルフPOS管理装置2)をさらに備えてもよい。
この構成によれば、POS集中管理用端末や店舗の従業員用POS管理端末から報知情報を取得することで、周囲に存在していない従業員が適切な対応をとることができる。
【0115】
また、(3)前記セルフPOS管理装置(例えば、図1のセルフPOS管理装置2)は、複数の前記従業員端末(例えば、図1の店舗従業員用POS管理端末4)のうち、一の前記所定の従業員端末と、別の前記所定の従業員端末との間で所定の情報を送受信する従業員連絡手段(例えば、図1の従業員連絡部64)をさらに備えてもよい。
この構成によれば、店舗従業員への作業指示や聯絡事項を店舗従業員用POS管理端末へ通知したり、その報告をしたりすることができる。
【0116】
また、(4)前記セルフPOS管理装置(例えば、図1のセルフPOS管理装置2)は、前記所定の従業員端末(例えば、図1の店舗従業員用POS管理端末4)から、前記所定のセルフPOSシステム(例えば、図1のセルフPOSシステム100)の所定の制御を行う遠隔制御手段(例えば、図1の遠隔制御部63)をさらに備えてもよい。
この構成によれば、遠隔からセルフPOSシステムを直接制御して効率的に適切な管理を行うことができる。
【0117】
また、(5)前記セルフPOS管理装置(例えば、図1のセルフPOS管理装置2)は、取得した前記報知情報を所定のタイミングで前記所定の従業員端末(例えば、図1の店舗従業員用POS管理端末4)に送信する報知情報配信手段(例えば、図1の報知情報配信部65)をさらに備えてもよい。
この構成によれば、セルフPOS管理装置が何らかの理由で利用不能となっている状態において、店舗従業員用POS管理端末は店内のセルフPOSシステムのみを対象として、セルフPOS管理装置の代替の役割を行うこと等が可能となる。
【0118】
また、(6)前記セルフPOS管理装置と前記通信ネットワークを介して接続される複数のセルフPOSレジを有し、
前記複数のセルフPOSレジのうち、いずれかのセルフPOSレジに釣り銭取り忘れが発生すると、前記釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジは、次の顧客の精算処理の受付を停止し、前記釣り銭取り忘れが発生した旨を報知するとともに、前記所定の報知情報として、前記釣り銭取り忘れが発生した旨および前記釣り銭取り忘れが発生した前記セルフPOSレジの識別子を含む情報を前記セルフPOS管理装置に送信し、
前記報知情報配信手段は、前記所定のタイミングとして、前記釣り銭取り忘れが発生した前記セルフPOSレジから前記報知情報取得手段が前記所定の報知情報を取得すると、前記所定の報知情報を前記所定の従業員端末に送信し、
前記釣り銭忘れが発生した前記セルフPOSレジは、従業員によって解除操作が行われると、前記精算処理の受付を再開してもよい。
この構成によれば、釣り銭取り忘れが発生したとき、次の顧客が従業員を呼ばなくても、自動的に従業員を呼び出し、従業員によって精算処理の受付停止が解除される。釣り銭取り忘れの状態が放置される時間を短縮できるので、よりスムーズに次の顧客の精算処理を受け付けることができる。その結果、釣り銭取り忘れが発生したセルフPOSレジの精算処理が滞留してしまうことを抑制できる。
【0119】
また、(7)本発明の情報処理装置は、顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出手段(例えば、図1の精算プロセス検出部31)と、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成手段(例えば、図1の報知情報生成部32)と、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力手段(例えば、図1の報知情報出力部33)と、
を備える。
この構成によれば、顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供することができる。
【0120】
また、(8)本発明の情報処理方法は、顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出ステップ(例えば、図1の精算プロセス検出部31)と、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成ステップ(例えば、図1の報知情報生成部32)と、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力ステップ(例えば、図1の報知情報出力部33)と、
を備える。
この構成によれば、顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供することができる。
【0121】
また、(9)本発明が適用されるプログラムは、顧客による商品の精算操作のプロセスを検出する精算プロセス検出ステップ(例えば、図1の精算プロセス検出部31)と、
前記商品の精算操作に応じた所定の報知情報を生成する報知情報生成ステップ(例えば、図1の報知情報生成部32)と、
前記所定の報知情報を出力する報知情報出力ステップ(例えば、図1の報知情報出力部33)と、
をコンピュータによって実行させる。
この構成によれば、顧客の精算操作に応じて、周囲の従業員が迅速・的確に補助や監視の声がけ等をすることができるとともに、不正行為に対して高いけん制効果を実現するセルフPOSに関する技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0122】
1:セルフPOSレジ(情報処理装置)
1a:セルフPOSレジ(情報処理装置)
2:セルフPOS管理装置(情報処理装置)
3:POS集中管理端末(外部端末)
4:店舗従業員用POS管理端末(外部端末)
4a:店舗従業員用POS管理端末(外部端末)
31:精算プロセス検出部
32:報知情報生成部
33:報知情報出力部
61:報知情報取得部
62:報知情報管理部
63:遠隔制御部
64:従業員連絡部
65:報知情報配信部
100:セルフPOSシステム
100a:セルフPOSシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9