(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147513
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】改良された給電機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/30 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G06F1/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024045899
(22)【出願日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】23165328
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サンダール, アンダース
(57)【要約】 (修正有)
【課題】受電装置(PD)への電力の送達を提供する給電機器(PSE)装置および対応する方法を提供する。
【解決手段】給電機器(PSE)装置100は、接続された受電装置(PD)101への電力の送達を制御するための装置であって、パワーオーバーイーサネット(PoE)装置であるPoEスイッチ102などから入力データおよび電力を受け取るための第1の入力ポート121と、PoE装置以外の電源103から電力を受け取るための第2の入力ポート122と、第1の入力ポートで受け取った入力データおよび第2の入力ポートで受け取った電力をPDに提供するための出力ポート123と、PoE装置からの電力の受取りの中断を決定し、かつ、PoE装置からの電力の受取りの中断の決定に応答して、PDへの電力の提供の中断を制御する制御回路124と、を備える。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電機器(PSE)装置であって、前記PSE装置に接続された受電装置(PD)への電力の送達を制御するための前記PSE装置が、
-パワーオーバーイーサネット(PoE)装置から入力データおよび電力を受け取るための第1の入力ポートと、
-前記PoE装置以外の電源から電力を受け取るための第2の入力ポートと、
-前記第1の入力ポートで受け取った前記入力データおよび前記第2の入力ポートで受け取った前記電力を前記PDに提供するための出力ポートと、
-前記PoE装置からの電力の受取りの中断を決定するように構成されており、かつ前記PoE装置からの電力の受取りの中断の決定に応答して、前記PDへの前記電力の提供の中断を制御するように構成された、制御回路と
を備える、給電機器(PSE)装置。
【請求項2】
-前記第1の入力ポートに接続された入力変圧器、
-前記出力ポートに接続された出力変圧器、
-前記第2の入力ポートと前記出力変圧器とを接続する電力供給経路
を備え、
-前記制御回路が、前記入力変圧器に接続されており、かつ前記電力供給経路に沿って配置された電力供給スイッチに接続されており、
-前記制御回路が、前記PoE装置からの電力の受取りの中断の検出に応答して、前記電力供給スイッチを開放し、それによって、前記電力供給経路を介した前記PDへの電力の提供を中断するように構成されている、
請求項1に記載のPSE装置。
【請求項3】
-前記入力変圧器が、前記第1の入力ポートに接続された複数の一次巻線を備え、
-前記制御回路が、電圧検出器を介して前記入力変圧器の前記複数の一次巻線に接続されており、
-前記出力変圧器が、前記出力ポートに接続された複数の一次巻線を備え、
-前記電力供給経路が、前記第2の入力ポートと前記出力変圧器の前記複数の一次巻線とを接続する、
請求項2に記載のPSE装置。
【請求項4】
-前記制御回路が、前記PoE装置からの電力の受取りの再開を決定するように構成されており、かつ前記PoE装置からの電力の受取りの再開の決定に応答して、前記PDへの前記電力の提供の再開を制御するように構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のPSE装置。
【請求項5】
-前記制御回路が、ローパスフィルタを介して前記電圧検出器に接続されている、
請求項3に記載のPSE装置。
【請求項6】
-前記制御回路が、ローパスフィルタを介して前記電圧検出器に接続されている、
請求項4に記載のPSE装置。
【請求項7】
給電機器(PSE)装置に接続された受電装置(PD)への電力の送達を制御するための方法であって、
-前記PSE装置に接続されたPoE装置からの電力の受取りの中断を決定することと、
-前記PoE装置からの電力の受取りの中断の前記決定に応答して、前記PDへの前記電力の提供の中断を制御することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記PoE装置からの電力の受取りの中断を決定することが、
-第1の電圧レベルから第2の電圧レベルへの電圧降下を決定することと、
-前記第2の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定することと、
-前記第2の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されているという前記決定の結果として、前記PoE装置からの電力の受取りの前記中断を決定することと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
-前記PoE装置からの電力の受取りの再開を決定することと、
-前記PoE装置からの電力の受取りの再開の前記決定に応答して、前記PDへの前記電力の提供の再開を制御することと
を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記PoE装置からの電力の受取りの再開を決定することが、
-第3の電圧レベルから第4の電圧レベルへの電圧ジャンプを決定することと、
-前記第4の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定することと、
-前記第4の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されているという前記決定の結果として、前記PoE装置からの電力の受取りの前記再開を決定することと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
処理能力を有する装置上で実行されたときに請求項7に記載の方法を実施するための命令を記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受電装置(PD)への電力の送達を提供する給電機器(PSE)装置および対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーオーバーイーサネット(PoE)スイッチに接続された監視カメラなどの電子装置は、PoEスイッチ内の対応するポートを無効にすることによって電力をオフにすることができる。これは、何らかの理由で装置を再起動する必要がある場合に有用である。ハイエンドのパン/チルト/ズーム(PTZ)カメラなどのより電力消費が多い装置は、PoEスイッチによって送達することができる電力よりも多くの電力を必要とする。したがって、そのような装置は、いわゆるミッドスパンなどの別のPSE装置によって給電される必要がある。しかしながら、このような状況において、ミッドスパンは、PoEスイッチが何を行うかにかかわらず、装置に電力を送達し続けることになるという事実により、単にPoEスイッチ内のポートを無効にするだけでは、装置の電力をオフにすることはできない。
【発明の概要】
【0003】
目的は、上記で要約したような欠点を克服することであり、第1の態様によれば、PSE装置に接続された受電装置(PD)への電力の送達を制御するためのPSE装置が提供される。PSE装置は、PoEスイッチなどのPoE装置から入力データおよび電力を受け取るための第1の入力ポートと、PoE装置以外の電源から電力を受け取るための第2の入力ポートと、第1の入力ポートで受け取った入力データおよび第2の入力ポートで受け取った電力をPDに提供するための出力ポートと、を備える。PSE装置は、PoE装置からの電力の受取りの中断を決定するように構成されており、かつPoE装置からの電力の受取りの中断の決定に応答して、PDへの電力の提供の中断を制御するように構成された、制御回路をさらに備える。
【0004】
換言すれば、PSE装置、例えばミッドスパンまたはPoEインジェクタを、ミッドスパンのデータ入力ポート、すなわちPoE装置に接続された入力ポートで電力が利用できないときを検出するように構成された回路を用いて構成することによって、ミッドスパンはこれを検出し、例えばカメラなどの受電装置への電力を遮断し、それによって、受電装置の電力オフ再起動が可能になる。
【0005】
PSE装置は、第1の入力ポートに接続された入力変圧器と、出力ポートに接続された出力変圧器と、第2の入力ポートと出力変圧器とを接続する電力供給経路と、を備え得る。制御回路は、入力変圧器に接続され得、かつ電力供給経路に沿って配置された電力供給スイッチに接続され得る。制御回路は、PoE装置からの電力の受取りの中断の検出に応答して、電力供給スイッチを開放し、それによって、電力供給経路を介したPDへの電力の提供を中断するように構成され得る。入力変圧器は、第1の入力ポートに接続された複数の一次巻線を備え得る。このような一例では、制御回路は、電圧検出器を介して入力変圧器の複数の一次巻線に接続され得る。出力変圧器は、出力ポートに接続された複数の一次巻線を備え得、電力供給経路は、第2の入力ポートと出力変圧器の複数の一次巻線とを接続し得る。
【0006】
換言すれば、電圧検出器、電力供給スイッチを有するPSE装置を構成し、かつ制御回路が電圧検出器を介して入力電力を検出し、電力供給スイッチを制御するように、制御回路を構成することによって、受電装置の確実な電力オフ再起動を可能にする簡単な構成が得られる。
【0007】
制御回路はさらに、PoE装置からの電力の受取りの再開を決定するように構成され得、かつPoE装置からの電力の受取りの再開の決定に応答して、PDへの電力の提供の再開を制御するように構成され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、制御回路は、ローパスフィルタを介して電圧検出器に接続され得る。このような構成は、ローパスフィルタ特性の好適な構成によって、PoE装置によって供給された電力の短いまたは瞬間的なグリッチに起因する望ましくない電力オフおよび/または電力オン検出を回避するという点で有利である。
【0009】
第2の態様では、PSE装置に接続されたPDへの電力の送達を制御するための方法が提供される。このような方法は、PSE装置に接続されたPoEスイッチなどのPoE装置からの電力の受取りの中断を決定することと、PoE装置からの電力の受取りの中断の決定に応答して、PDへの電力の提供の中断を制御することと、を含む。
【0010】
このような方法は、ミッドスパンのデータ入力ポート、すなわちPoE装置に接続された入力ポートで電力が利用できないときを検出し、例えばカメラなどの受電装置への電力の遮断を可能にし、それによって、受電装置の電力オフ再起動が可能になる。
【0011】
PoE装置からの電力の受取りの中断を決定するステップは、第1の電圧レベルから第2の電圧レベルへの電圧降下を決定することと、第2の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定することと、を含み得る。第2の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されているというそのような決定の結果として、PoE装置からの電力の受取りの中断を決定することができる。
【0012】
換言すれば、PoE装置によって供給された電力の短いまたは瞬間的なグリッチに起因する望ましくない電力オフ検出を回避できるという点で、ローパスフィルタリング機能が得られる。
【0013】
方法は、PoE装置からの電力の受取りの再開を決定するステップと、PoE装置からの電力の受取りの再開のそのような決定に応答して、PDへの電力の提供の再開を制御するステップと、を含み得る。
【0014】
このような実施形態では、PoE装置からの電力の受取りの再開を決定するステップは、第3の電圧レベルから第4の電圧レベルへの電圧ジャンプを決定することと、第4の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定することと、を含み得る。第4の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されているという決定の結果として、PoE装置からの電力の受取りの再開を決定することができる。
【0015】
換言すれば、電力の再開を伴うシナリオにおいても、PoE装置によって供給された電力の短いまたは瞬間的なグリッチに起因する望ましくない電力オン検出を回避できるという点で、ローパスフィルタリング機能が得られる。
【0016】
第3の態様では、処理能力を有する装置上で実行されたときに、上記で要約された方法を実施するための命令を記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0017】
このような非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、第1の態様の装置および第2の態様の方法と同様の対応する効果および利点を有する。
【0018】
次に、本発明の上記および他の態様が、添付の図を参照してより詳細に説明される。図面は限定的であるとみなされるべきではなく、代わりに、それらは説明および理解のために使用される。同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1a】PoEスイッチおよび受電装置に接続された、PSE装置を概略的に示す。
【
図1b】PoEスイッチおよび受電装置に接続された、PSE装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、本発明を以下により完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、かつ本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底性および完全性のために、ならびに本発明の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
【0021】
次に、
図1aを参照すると、
図1aは、PSE装置100に接続されたPD101への電力の送達を制御するためのPSE装置100の一実施形態を示している。PSE装置100は、PoEスイッチの形態のPoE装置102から入力データおよび電力を受け取るための第1の入力ポート121と、PoE装置102以外の電源103から電力を受け取るための第2の入力ポート122と、第1の入力ポート121で受け取った入力データおよび第2の入力ポート122で受け取った電力をPD101に提供するための出力ポート123と、を備える。第2の入力ポート122は、典型的には、電気壁ソケットなどの電源103から電力を受け取り得る。PSE装置100は、PoE装置102からの電力の受取りの中断を決定するように構成されており、かつPoE装置102からの電力の受取りの中断の決定に応答してPD101への電力の提供の中断を制御するように構成された、制御回路124をさらに備える。
【0022】
図示のように、PoE装置102には、通常の電源コンセントであり得る電源105から電力が提供される。さらに、第1の入力ポート121は、PoE装置102の複数のポート106のうちの1つから入力データおよび電力を受け取る。
【0023】
制御回路124は、PoE装置102からの電力の受取りの再開を決定するようにさらに構成されてもよく、PoE装置102からの電力の受取りの再開の決定に応答して、PDへの電力の提供の再開を制御するようにさらに構成されてもよい。
【0024】
図1aのPSE装置100の実施形態は、第1の入力ポート121に接続された入力変圧器130と、出力ポート123に接続された出力変圧器140と、を備える。電力供給経路127は、第2の入力ポート122と出力変圧器140とを接続する。制御回路124は、入力変圧器130に接続されており、かつ電力供給経路127に沿って配置された電力供給スイッチ126に接続されている。加えて、制御回路124は、PoE装置102からの電力の受取りの中断の検出に応答して、電力供給スイッチ126を開放し、それによって、電力供給経路127を介したPD101への電力の提供を中断するように構成されている。
【0025】
データインターフェース150は、入力変圧器130と出力変圧器140とを接続する。すなわち、データのみがデータインターフェース150を介して伝達される。したがって、PoE装置からの電力は、出力変圧器140およびPD101には伝達されない。
【0026】
また、オーバーライドスイッチ128が電力供給経路127に沿って配置され得、それによって、PD101への電力の途切れない供給が可能になり、これは、PSE装置100の第1の入力ポート121がPoEの機能性を含まないスイッチに接続されている状況において必要であり得る。したがって、PD102への電力の途切れない供給は、例えばPSE装置100上に外部から配置されたオーバーライドアクチュエータ151を介して手動でオーバーライドスイッチ128を閉鎖することによって可能になる。
【0027】
さらに、入力変圧器130は、第1の入力ポート121に接続された複数の一次巻線131を備える。制御回路124は、電圧検出器125を介して入力変圧器130の複数の一次巻線131に接続されている。例えば、図示のように、検出器リード線125aおよび125bが、入力変圧器130のそれぞれの一次巻線131に接続され得る。出力変圧器140は、出力ポート123に接続された複数の一次巻線141を備える。電力供給経路127は、第2の入力ポート122と出力変圧器140の複数の一次巻線141とを接続する。例えば、図示のように、電力リード線127aおよび127bが、出力変圧器140のそれぞれの一次巻線141に接続され得る。
【0028】
図1aに例示されるように、制御回路124は、高周波変動を防止する効果を有するローパスフィルタ129を介して電圧検出器125に接続され得る。すなわち、電圧検出器125によって検出された電圧の急激な変化が、電力提供の真の中断として決定される。すなわち、PoE装置102によって供給された電力の短いグリッチはフィルタリングされることとなり、したがって、PoE装置102からの電力の受取りの中断として検知されないこととなる。ローパスフィルタ129は、それぞれ適切なインピーダンス値を有するRC回路またはLC回路によって実現され得、それによって、例えば0.5秒の適切な時定数を実現し得る。
【0029】
図1aは、制御回路124がコントローラ160内で実現された例示的な実施形態を示している。このようなコントローラ160は、制御回路124の文脈で実行される機能を含む、PSE装置100の機能および動作の全体的な制御を実行するように構成されている。コントローラ160は、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサなどのプロセッサ161を含み得る。プロセッサ161は、PSE装置100の機能および動作を実行するために、メモリ162内に記憶されたプログラムコードを実行するように構成されている。
【0030】
メモリ162は、バッファ、フラッシュメモリ、ハードドライブ、リムーバブルメディア、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または別の好適な装置のうちの1つ以上であり得る。典型的な構成では、メモリ162は、長期データ記憶用の不揮発性メモリ、およびコントローラ160用のシステムメモリとして機能する揮発性メモリを含み得る。メモリ162は、データバスを介してプロセッサ161とデータをやり取りし得る。メモリ162とプロセッサ161との間に付随する制御線およびアドレスバスも存在し得る。
【0031】
以下に例示するような制御回路124の文脈で実行される方法の実施形態を含む、PSE装置100の機能および動作は、PSE装置100の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ162)上に記憶されており、プロセッサ161によって実行される、命令または実行可能論理ルーチン(例えば、コード行、ソフトウェアプログラムなど)の形態で具現化され得る。さらに、PSE装置100の機能および動作は、スタンドアロンのソフトウェアアプリケーションであってもよく、またはPSE装置100に関連する追加のタスクを実行するソフトウェアアプリケーションの一部を形成してもよい。記載された機能および動作は、装置の対応する部分が実行するように構成された方法とみなされ得る。
【0032】
また、記載された機能および動作はソフトウェアにおいて実施されてもよいが、そのような機能性は、専用のハードウェアもしくはファームウェア、またはハードウェア、ファームウェア、および/もしくはソフトウェアの何らかの組合せを介して同様に実行されてもよい。例えば、
図1bが示すように、制御回路124は、コントローラ160から分離されてもよく、したがって、本明細書に記載のPDへの電力の送達の制御を実行するための専用の回路であってもよい。
【0033】
図2を参照すると、PSE装置100に接続されたPD101への電力の送達を制御するための方法は、PoE装置102からの電力の受取りの中断が決定される決定ステップS201を含む。決定ステップS201におけるPoE装置102からの電力の受取りの中断の決定に応答して、PD101への電力の提供が中断される制御ステップS203が実行される。
【0034】
PoE装置102からの電力の受取りの中断が決定される決定ステップS201は、第1の電圧レベルから第2の電圧レベルへの電圧降下が決定される決定ステップS211を含み得る。次に、決定ステップS213において、第2の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定され、第2の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定された結果として、PoE装置102からの電力の受取りの中断が決定される。換言すれば、電圧降下が一定期間維持されなければならないそのような条件を導入することによって、高周波変動を防止することが可能になる。すなわち、電圧検出器125によって検出された電圧の急激な変化が、電力提供の真の中断として決定される。
図1aおよび
図1bに関連して上述したローパスフィルタ129の機能性と同様に、PoE装置102によって供給された電力の短いグリッチはフィルタリングされることとなり、したがって、PoE装置102からの電力の受取りの中断として検知されないこととなる。
【0035】
方法は、PoE装置102からの電力の受取りの再開が決定される決定ステップS205をさらに含み得る。決定のステップS205におけるPoE装置102からの電力の受取りの再開の決定に応答して、制御ステップS207において、PD101への電力の提供の再開が制御され得る。
【0036】
PoE装置102からの電力の受取りの再開が決定される決定ステップS205は、第3の電圧レベルから第4の電圧レベルへの電圧ジャンプが決定される決定ステップS221を含み得る。次に、決定ステップS223において、第4の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定され、第4の電圧レベルが閾値時間間隔の間維持されていると決定された結果として、PoE装置102からの電力の受取りの再開が決定される。換言すれば、電圧ジャンプが一定期間維持されなければならないそのような条件を導入することによって、高周波変動を防止することが可能になる。すなわち、電圧検出器125によって検出された電圧の急激な変化が、電力提供の真の再開として決定される。
図1aおよび
図1bに関連して上述したローパスフィルタ129の機能性と同様に、PoE装置102によって供給された電力の短いグリッチはフィルタリングされることとなり、したがって、PoE装置102からの電力の受取りの再開として検知されないこととなる。
【0037】
図1aおよび
図1bに関連して上述したローパスフィルタと同様に、ステップS213およびS223の閾値時間間隔は、例えば0.5秒の値を有する所定の間隔であり得る。
【0038】
当業者は、本発明が決して上記の好ましい実施形態に限定されないことを認識する。それどころか、添付の特許請求の範囲の範囲内において多くの修正および変形が可能である。
【0039】
さらに、開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された発明を実践する際に当業者によって理解および達成され得る。
【外国語明細書】