(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147519
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】低い抵抗率の多結晶ベース基板又はウエハ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20241008BHJP
C30B 29/36 20060101ALI20241008BHJP
C30B 25/18 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01L21/205
C30B29/36 A
C30B25/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024055150
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】2350379-0
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(31)【優先権主張番号】18/614,485
(32)【優先日】2024-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】312014443
【氏名又は名称】エスティーマイクロエレクトロニクス インターナショナル エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】マグヌソン リンドグレン,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】リーバ,カルロ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】低い抵抗率及び低い反りを有するシリコンカーバイドベース基板及びウエハを提供する。
【解決手段】多結晶シリコンカーバイド(SiC)層106又はベース基板及び多結晶SiC層に接合されている単結晶SiC層110を含むウエハ100であって、SiC層は、低い抵抗率の多結晶SiC層であるように、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有し、1mm(ミリメートル)以下の結晶粒径を有する結晶粒を有し、無柱状構造を有し、かつ、75μm(マイクロメートル)以下の反りを有する。単結晶SiC層は、接合層108によって多結晶SiC層に結合され、多結晶SiC層よりも薄い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハであって、20オングストローム(Å)以下の粗さを有する第1の表面を含む、多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハと、
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの前記第1の表面に結合された単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハと
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの前記第1の表面上の接合層を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの前記表面上の前記接合層上にあり、かつ前記接合層によって前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの前記第1の表面に結合されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、
多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、
前記第2の表面から前記第1の表面まで延在する第1の寸法と、を含み、
前記単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの前記第1の表面に面する第3の表面と、
第3の表面から離れて面し、かつ前記第3の表面とは反対側にある第4の表面と、
前記第3の表面から前記第4の表面まで延在する第2の寸法であって、前記第2の寸法は、前記第1の寸法とは異なる、第2の寸法と、を含む、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2の寸法は、前記第1の寸法未満である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の寸法は、1000μm(マイクロメートル)未満であり、
前記第2の寸法は、1μm(マイクロメートル)以下である、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの前記第1の表面に直接かつ物理的に接合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記抵抗率は、1mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの反りは、75-μm(マイクロメートル)未満である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの前記反りは、45-μm(マイクロメートル)未満である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、無柱状構造を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、1mm(ミリメートル)以下である結晶粒を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
基板を備えるデバイスであって、前記基板は、
多結晶シリコンカーバイド(SiC)層であって、
第1の表面と、
前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、
前記第1の表面から前記第2の表面まで延在する第1の寸法と、
2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率と、を含む、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層と、
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の前記第2の表面に結合された単結晶シリコンカーバイド(SiC)層であって、
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の前記第2の表面上の第3の表面と、
前記第3の表面とは反対側の第4の表面と、
前記第3の表面から前記第4の表面まで延在する第2の寸法と、を含む、単結晶シリコンカーバイド(SiC)層と
を含み、前記単結晶シリコンカーバイド(SiC)層の前記第3の表面は、接合層上にあり、かつ前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の前記第1の表面に向かって面しており、前記第2の寸法は、前記第1の寸法未満である、デバイス。
【請求項14】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)層は、1mm(ミリメートル)以下である結晶粒を含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)層は、無柱状構造を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
多結晶シリコンカーバイド基板を備えるデバイスであって、
前記多結晶シリコンカーバイド基板は、
第1の表面と、
前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、
前記第1の表面から前記第2の表面まで延在する厚さであって、前記厚さは、150μm(マイクロメートル)以上である、厚さと、
2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率と、
75μm未満の反りと、を含む、デバイス。
【請求項17】
前記抵抗率は、1mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記多結晶シリコンカーバイド(SiC)基板は、1mm(ミリメートル)以下である結晶粒を含み、かつ無柱状構造を有する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記反りは、75μm(マイクロメートル)以下である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項20】
前記厚さは、以下の150~1000μm(マイクロメートル)の範囲である、150μm(マイクロメートル)に等しい、及び1000μm(マイクロメートル)に等しい、のうちの少なくとも1つである、請求項16に記載のデバイス。
【請求項21】
2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)基板を形成することと、
単結晶シリコンカーバイド(SiC)基板を形成することと、
前記単結晶SiC基板を前記多結晶SiC基板に結合することと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記単結晶SiC基板から前記単結晶SiC基板の第1の部分を除去して、前記多結晶SiC基板に結合された前記単結晶SiC基板の第2の部分を残すことを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記単結晶SiC基板の前記第2の部分は、0.3~2マイクロメートル(μm)の範囲内、0.3マイクロメートル(μm)に等しい、又は2マイクロメートル(μm)に等しい厚さを有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記多結晶SiC基板は、ケイ素含有ガスを導入することによって、化学気相堆積(CVD)ツールのCVDチャンバ内のキャリア上に形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記多結晶SiC基板は、炭素ガス及び窒素ガスを導入することによって、前記CVDツールの前記CVDチャンバ内の前記キャリア上に形成される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記多結晶SiC基板は、ドープされた粉末を焼結ツールの容器内に導入することと、前記焼結ツールを用いて前記容器内の前記ドープされた粉末を焼結することと、によって形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記ドープされた粉末を焼結することは、前記ドープされた粉末を摂氏2000度(C)以上の温度に晒すことを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記多結晶SiC基板は、昇華プロセスを用いて形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記単結晶SiC基板を前記多結晶SiC基板に結合することは、前記単結晶SiC基板の第1の表面を前記多結晶SiC基板の第2の表面に直接かつ物理的に結合することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低い抵抗率及び低い反りを有するシリコンカーバイドベース基板及びウエハに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業は、特に電子デバイス又はコンポーネント(例えば、ダイオード、トランジスタ、若しくは他の同様の電力用途)の製造のために、シリコンカーバイド(silicon carbide、SiC)にかなりの関心を示している。
【0003】
シリコンカーバイドベースの電子デバイスの開発及び製造は、シリコンカーバイドウエハを形成することからの電気的及び機械的特性などの要因によって制限される。多くの製造されたシリコンカーバイドウエハは、最終製品にとって有益である抵抗率よりも高い抵抗率を有する。別の問題は、ウエハの製造から生じる反りの量である。抵抗率が高いほど、電気信号がシリコンカーバイドウエハを通って移動する能力を制限する。反りの量が高くなると、最終的な電子デバイスを製造する際に、研磨プロセスなどからの欠陥をもたらすか、又は処理及び製造中の、亀裂若しくは破損したウエハ若しくは基板の数の増加をもたらす。
【0004】
これらの多結晶SiCウエハは、単結晶ウエハを多結晶SiCウエハ上に接合する方法によって製造され得る。例えば、多結晶SiCウエハ及び単結晶SiCウエハが直接接合によってともに接合及び一体化されるウエハ製造方法が存在する。パワーデバイスにおいて、これらの結晶欠陥、高い抵抗率、及び高い反りは、これらの要因がパワーデバイスの機能を制限し、その結果、パワーデバイスが、選択された許容範囲外で機能するため、問題となり得る。そのような状況では、これらのデバイスは、処分(例えば、廃棄)され得、このことは、歩留まりの減少に起因して製造コストを増加させる。
【発明の概要】
【0005】
低い抵抗率を有する多結晶SiCウエハは、その多結晶SiCウエハが存在する電子機器の機能に有益である。本開示は、低い抵抗率及び低い反りを有する多結晶シリコンカーバイドウエハ又は基板を含むウエハの少なくとも1つの実施形態を提供することを対象とする。ウエハから作製される電子デバイス又はコンポーネントは、使用時に更に最適化され、結晶欠陥がより少ないか、又は全くない。本開示の実施形態に基づいて形成されるウエハは、既存のSiCウエハと比較して、低い又は非常に低い抵抗率を有する。
【0006】
少なくとも1つの実施形態は、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率、及び75μm(マイクロメートル)以下の反りを有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハ又は基板を含むウエハを含む。いくつかの実施形態では、ウエハは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハと、単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハとの間に接合領域を含み得、単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、その接合領域によって多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハに結合される。多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの低い抵抗率(例えば、2mohm-cm)は、電気信号が多結晶SiCウエハを通過するときの「オン」抵抗(Ron)を低減して、ウエハ又はウエハの一部分を含むパワーデバイスの全体的な信号輸送機能及び効率を改善する。多結晶SiCウエハの低い反り(例えば、75μm以下)は、接合層内の機械的又は電気的欠陥の可能性を低減し、又はそれらを防止する。多結晶SiCウエハの低い反りはまた、接合層、単結晶シリコンカーバイド層、及び多結晶シリコンカーバイド層の間の機械的又は電気的欠陥の可能性も低減し、又はそれらも防止する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態をより良く理解するために、ここで、例として添付図面を参照する。図面において、同一の参照番号は、文脈が特段示す場合を除き、同じ又は類似の要素又は動作を識別する。図面中の要素のサイズ及び相対的割合は、必ずしも縮尺通りには描画されていない。例えば、これらの要素のうちのいくつかは、図面の読みやすさを改善するために、拡大及び配置され得る。
【
図1】本開示のウエハの実施形態の斜視側面図に関する。
【
図2】本開示のウエハの代替的な実施形態の斜視側面図に関する。
【
図3】
図1に示されるようなウエハの実施形態において利用されるか、又は
図2に示されるようなウエハの代替的な実施形態内で利用される、多結晶層又は多結晶基板の実施形態の斜視側面図に関する。
【
図4】本開示のウエハの実施形態の
図1に示されるような断面4-4の強調された拡大図である。
【
図5A】
図1に示されるような本開示のウエハの実施形態を製造する方法のフローチャートである。
【
図5B】
図3に示されるような多結晶基板の実施形態を製造する方法の実施形態のフローチャートである。
【
図5C】
図3に示されるような多結晶基板の実施形態を製造する方法の代替的な実施形態のフローチャートである。
【
図5D】
図3に示されるような多結晶基板の実施形態を製造する方法の別の代替的な実施形態のフローチャートである。
【
図6A】
図1に示されるようなウエハの実施形態を製造するための、
図5Aに示されるような製造方法の実施形態のステップのうちの少なくともいくつかの側面図である。
【
図6B】
図1に示されるようなウエハの実施形態を製造するための、
図5Aに示されるような製造方法の実施形態のステップのうちの少なくともいくつかの側面図である。
【
図6C】
図1に示されるようなウエハの実施形態を製造するための、
図5Aに示されるような製造方法の実施形態のステップのうちの少なくともいくつかの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、デバイス、方法、及び物品の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の詳細が記述される。しかしながら、当業者は、他の実施形態がこれらの詳細なしに実践され得ることを理解するであろう。他の例では、例えば、シリコンカーバイド基板又は層(例えば、多結晶シリコンカーバイド、単結晶シリコンカーバイド等)、半導体製造プロセス等に関連する既知の構造及び方法は、実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、いくつかの図において、詳細に示されていないか、又は説明されていない。
【0009】
文脈が特段必要とする場合を除き、以下の明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise)」という単語、並びに「含んでいる(comprising)」及び「含む(comprises)」などのそのバリエーションは、オープンで包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」として解釈されるべきである。
【0010】
この明細書全体にわたる「1つの実施形態(one embodiment」又は「一実施形態(an embodiment)」への参照は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態の中に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体にわたる様々な場所における「1つの実施形態では(in one embodiment)」又は「一実施形態では(in an embodiment)」という句の出現は、必ずしも同じ実施形態又は全ての実施形態を指しているとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、更なる実施形態を得るために、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされ得る。
【0011】
各題目は、便宜のみのために提供されており、この開示又は特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈するものではない。
【0012】
図面中の要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも縮尺通りには描画されていない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、縮尺通りには描画されない場合があり、これらの要素のうちのいくつかは、図面の読みやすさを改善するために、拡大及び配置され得る。
【0013】
「横方向(transverse)」の使用は、表面、側壁、又は類似若しくは同様の構造若しくは特徴が、別のそれぞれの表面、側壁、又は類似若しくは同様のそれぞれの構造若しくは特徴に対してある角度にあることを意味する。例えば、第1の表面が第1の側壁に対して横方向である場合、第1の表面は、25度、35度、45度、75度、90度、120度などに等しい角度にあり得る。
【0014】
一般に、多結晶シリコンカーバイド(SiC)の基板、ウエハ、又は層が、様々な電子デバイス及びコンポーネント(例えば、半導体チップ、半導体パッケージ、半導体トランジスタ等)内で利用されている。これらの多結晶SiCの基板、ウエハ、又は層は、多結晶シリコンカーバイド(SiC)基板を通って又はそれに沿って通過する電気経路に沿って存在する抵抗をもたらす抵抗率を有する。この抵抗は、電気信号が電気経路を通って又はそれに沿って通過するときに、その電気信号を妨げるものであり、オン抵抗(Ron)として知られる。この多結晶SiC基板のオン抵抗(Ron)は、多結晶SiC基板から作製される電子デバイスの効率又は電気的特性を制限する。例えば、オン抵抗(Ron)が高い場合、電気信号は、多結晶SiC基板を完全に通過してその送り先に到達するのを妨げられ得、電子デバイス又はコンポーネント内に機能的エラーをもたらす。多結晶シリコンカーバイド(SiC)の基板、ウエハ、又は層に伴う少なくともこのオン抵抗(Ron)問題の観点から、本開示は、現行の多結晶シリコンカーバイド(SiC)基板の抵抗率よりも低い抵抗率を有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)の基板、ウエハ、又は層を提供することを対象とする。例えば、これらのそれぞれの産業内で既に利用されている多結晶シリコンカーバイド(SiC)の基板、ウエハ、又は層は、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)~10mohm-cm(ミリオームセンチメートル)の範囲内にある抵抗率を有し得る。
【0015】
低い抵抗率を有する多結晶SiCウエハは、多結晶SiCウエハが存在する電子機器の機能に有益である。本開示は、低い抵抗率及び低い反りを有する多結晶シリコンカーバイドウエハ又は基板を含むウエハの少なくとも1つの実施形態を提供することを対象とする。ウエハから作製される電子デバイス又はコンポーネントは、使用時に更に最適化され、結晶欠陥がより少ないか、又は全くない。本開示の実施形態に従って形成されるウエハは、既存のSiCウエハと比較して、低い又は非常に低い抵抗率を有する。本開示のウエハの少なくとも1つの実施形態における低い量の反りは、最終的な電子デバイスを製造する際の、研磨プロセスなどからの欠陥の可能性を防止若しくは低減するか、又は処理及び製造中の、亀裂若しくは破損したウエハ若しくは基板の数の減少をもたらす。
【0016】
本開示のデバイスの少なくとも1つの実施形態は、以下のように要約される。デバイスは、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハを含む。多結晶シリコンカーバイドウエハは、20オングストローム(Å)以下の粗さを有する第1の表面を含む。単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの第1の表面に結合される。
【0017】
本開示のデバイスの少なくとも1つの実施形態は、以下のように要約される。デバイスは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層を有する基板を含む。多結晶シリコンカーバイド(SiC)層は、第1の表面と、第1の表面とは反対側の第2の表面と、第1の表面から第2の表面まで延在する第1の寸法と、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率と、を含む。単結晶シリコンカーバイド(SiC)層は、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第2の表面に結合される。単結晶シリコンカーバイド層は、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第2の表面上の第3の表面と、第3の表面とは反対側の第4の表面と、第3の表面から第4の表面まで延在する第2の寸法と、を含み、単結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第3の表面は、接合層上にあり、かつ多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第1の表面に向かって面する。第2の寸法は、第1の寸法未満である。
【0018】
デバイスの少なくとも1つの実施形態は、以下のように要約される。デバイスは、多結晶シリコンカーバイド基板を含む。多結晶シリコンカーバイド基板は、第1の表面と、第1の表面とは反対側の第2の表面と、第1の表面から第2の表面まで延在する厚さであって、150μm(マイクロメートル)以上である、厚さと、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率と、75μm未満の反りと、を含む。
【0019】
本開示の方法の少なくとも1つの実施形態は、以下のように要約される。方法は、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)基板を形成することと、単結晶シリコンカーバイド(SiC)基板を形成することと、単結晶SiC基板を多結晶SiC基板に結合することと、を含む。
【0020】
図1は、本開示のウエハ100の一実施形態の側面図である。ウエハ100は、第1の側面102、及び第1の側面102とは反対側の第2の側面104を含む。ウエハ100は、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層106、接合領域108、及び接合領域108において多結晶シリコンカーバイド層106に接合されている単結晶シリコンカーバイド(SiC)層110を更に含む。多結晶シリコンカーバイド層106は、多結晶シリコンカーバイド基板、多結晶シリコンカーバイドウエハ、多結晶シリコンカーバイド層と称され得るか、又は何らかの他の好適な方法で称され得る。単結晶シリコンカーバイド(SiC)層110は、単結晶シリコンカーバイド基板、単結晶シリコンカーバイドウエハ、単結晶シリコンカーバイド層と称され得るか、又は何らかの他の好適な方法で称され得る。多結晶シリコンカーバイド(SiC)層106は、本開示内の本明細書において多結晶層106と称され得、単結晶シリコンカーバイド(SiC)層110は、本開示内の本明細書において単結晶層110と称され得る。少なくとも1つの実施形態では、単結晶層110は、3.26g/cm
3に等しい密度を有する。少なくとも1つの実施形態では、多結晶層106は、3.2g/cm
3~3.3g/cm
3の範囲内の密度を有するか、又はこの範囲の上端及び下端に等しい。少なくとも1つの実施形態では、多結晶層106は、3.25g/cm
3~3.3g/cm
3の範囲内の密度を有するか、又はこの範囲の上端及び下端に等しい。
【0021】
多結晶層106は、低い抵抗率、例えば、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率、又は1mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する。この多結晶層106の低い抵抗率は、電気信号(例えば、電子)が多結晶層106によって妨げられることなく多結晶層106を通過することを可能にし、その結果、電気信号は、多結晶層106を通ってより速く移動し得、多結晶層106が高い抵抗率を有するときよりも高い強度でその送り先に到達し得る。言い替えると、多結晶106のオン抵抗(Ron)が低い(すなわち、低い抵抗率である)ときに、電気信号は、電子デバイス(例えば、半導体パッケージ、半導体チップ、又は多結晶層106が存在し得る他のいくつかの類似又は同様の電子デバイス)内のその送り先に移動するときに、多結晶層106によって妨げられることなく、多結晶層106をより容易かつ効率的に通過することになる。
【0022】
多結晶層106は、第1の表面112、及びその第1の表面112とは反対側の第2の表面114を含む。多結晶層106の第1の表面112は、ウエハ100の第1の側面104にある。単結晶層110は、第3の表面116、及びその第3の表面116とは反対側の第4の表面118を含む。単結晶層110の第4の表面118は、ウエハ100の第2の側面106にある。
【0023】
多結晶層106は、第1の厚さT1を有し、これは、第1の寸法と称され得る。第1の厚さT1は、多結晶層106の第1の表面112から多結晶層106の第2の表面114まで延在する。いくつかの実施形態では、第1の厚さT1は、範囲150~1500マイクロメートル(μm)内であるか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る(例えば、第1の厚さT1は、150マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は1000マイクロメートル(μm)に等しくあり得る)。いくつかの実施形態では、第1の厚さは、1ミリメートル(mm)以下であり得る。
【0024】
単結晶層110は、第2の厚さT2を有し、これは、第2の寸法と称され得る。第2の厚さT2は、単結晶層110の第3の表面116から単結晶層110の第4の表面118まで延在する。単結晶層110の第2の厚さT2は、多結晶層106の第1の厚さT1未満であり得る。単結晶層110の第2の厚さT2は、範囲0.3~2マイクロメートル(μm)内であるか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る(例えば、第2の厚さT2は、0.3マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は2マイクロメートル(μm)に等しくあり得る)。いくつかの実施形態では、第2の厚さは、範囲0.3~1マイクロメートル(μm)内であるか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る(例えば、第2の厚さT2は、0.3マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は1マイクロメートル(μm)に等しくあり得る)。いくつかの実施形態では、単結晶層110の第2の厚さT2は、0.5マイクロメートル(μm)に等しくあり得る。いくつかの実施形態では、第2の厚さT2は、20~200マイクロメートル(μm)以下であるか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る(例えば、第2の厚さT2は、20マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は200マイクロメートル(μm)に等しくあり得る)。いくつかの実施形態では、第2の厚さT2は、120マイクロメートル(μm)に等しくあり得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の厚さT1及び第2の厚さT2の合計は、200マイクロメートル(μm)~1500マイクロメートル(μm)の範囲内であり得るか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の厚さT1及び第2の厚さT2の合計は、200マイクロメートル(μm)に等しくあり得、1500マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は200~1500マイクロメートル(μm)のいくつかの他の厚さに等しくあり得る。いくつかの実施形態では、第1の厚さT1及び第2の厚さT2の合計は、250マイクロメートル(μm)に等しくあり得、500マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は250マイクロメートル(μm)~500マイクロメートル(μm)のいくつかの他の厚さに等しくあり得る。いくつかの実施形態では、第1の厚さT1及び第2の厚さT2の合計は、700マイクロメートル(μm)に等しくあり得、800マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は700マイクロメートル(μm)~800マイクロメートル(μm)のいくつかの他の厚さに等しくあり得る。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、単結晶層110は、25mohm-cm未満若しくは好ましくは18mohm-cm、又は範囲15~20mohom-cm内若しくはこの範囲の上端及び下端に等しい、抵抗率を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、多結晶層106は、3%以下のボイド密度を有する。
図1に示されるように、ウエハ100の実施形態では、接合領域108は、多結晶層106の第1の表面112と、単結晶層110の第2の表面114との間に存在し、接合領域108は、多結晶層106の第2の表面114が単結晶層110に直接かつ物理的に接合される場所である。いくつかの実施形態では、単結晶層110は、表面活性化接合(surface activated bonding、SAB)技術を利用することによって、多結晶層106に直接かつ物理的に接合される。例えば、表面活性化接合技術では、多結晶層106の第2の表面114、及び単結晶層116の第3の表面は、超高真空内で、アルゴン(Ar)イオン又は中性原子(例えば、アルゴン(Ar)であり得るか、中性原子であり得るか、又は好適であり得るいくつかの他の類似若しくは同様のタイプの粒子若しくは原子であり得る粒子ビーム)によって射突されて、多結晶層106の第2の表面114、及び単結晶層110の第3の表面116を洗浄及び活性化し得る。多結晶層106の第2の表面114、及び単結晶層110の第3の表面116が洗浄及び活性化された後、多結晶層106の第2の表面114、及び単結晶層110の第3の表面116は、多結晶層106の第2の表面114を単結晶106の第3の表面116と接触させることによって、自然に接合される。多結晶層106の第2の表面114と、単結晶層110の第3の表面114とのこの接触は、熱処理なしで行われ得る。
【0027】
ウエハ100は、多結晶層106の少なくとも1つの第1の側壁120a、及び単結晶層110の少なくとも1つの第2の側壁120bがそれぞれ同一平面上にあり、かつ互いに面一となる少なくとも1つの側壁120(例えば
図1に示されるような実施形態における円形の)を更に含む。言い替えると、少なくとも1つの側壁120は、それぞれ、多結晶層106、接合層108、及び単結晶層110のそれぞれの側壁を含み、かつそれらによって画定される。接合層108は、多結晶層106の側壁120a、及び単結晶層110の側壁120bと同一平面上にある側壁120cを含む。
【0028】
本明細書で以前に考察されたように、多結晶層106は、低い抵抗率、例えば、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率、又は1mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する。この多結晶層106の低い抵抗率は、電気信号(例えば、電子)が多結晶層106によって妨げられることなく多結晶層106が通過することを可能にし、その結果、電気信号は、多結晶層106を通ってより速く移動し得、多結晶層106が高い抵抗率を有するときよりも高い強度でその送り先に到達し得る。言い替えると、多結晶106のオン抵抗(Ron)が低い(すなわち、低い抵抗率である)ときに、電気信号は、電子デバイス(例えば、半導体パッケージ、半導体チップ、又は多結晶層106が存在し得る他のいくつかの類似又は同様の電子デバイス)内のその送り先に移動するときに、多結晶層106によって妨げられることなく、多結晶層106をより容易かつ効率的に通過することになる。
【0029】
図1には示されていないが、ウエハ100のいくつかの代替的な実施形態では、酸化ケイ素(例えば、SiO
2)層は、接合領域108に存在し得、その結果、その酸化ケイ素層は、多結晶層106と単結晶層110との間にある。
【0030】
ウエハ100は、ウエハ100の周辺縁端部に沿って対点から延在する直径D1を有する。直径D1は、150~300ミリメートル(mm)の範囲内にあってもよく、この範囲の上端及び下端に等しくてもよい。例えば、直径D1は、150mmに等しくてもよく、200mmに等しくてもよく、300mmに等しくてもよい。
【0031】
ウエハ100の実施形態は、いくらかの反りを有し得、これは、ウエハ100の実施形態内のいくらかの曲がり又は反りであり得、多結晶層106の第2の表面114がわずかに湾曲するか、又はわずかな曲率を有することをもたらし得る。しかしながら、いくらかの反りがウエハ100に存在し得るが、ウエハ100の反りは、75マイクロメートル(μm)以下であるか、又は45マイクロメートル(μm)以下であり得る。反りは、ウエハの第2の表面114を横切る方向におけるウエハの中心点から、ウエハの縁端部又は縁端部付近の点までの距離として測定され得る。反りは、ウエハ100の水平の平坦度に関するものであり、それぞれ、112、114、116、118のそれぞれの表面において、かつそれらに沿って容易に見られ得る。
【0032】
多結晶層106の第2の表面114は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、多結晶層106の第2の表面114は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有し得、この範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。第2の表面114のこの粗さは、第2の表面114を研磨することによって得られ得る。
【0033】
単結晶層110の第3の表面116は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、単結晶層110の第3の表面116は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有し得、この範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。第3の表面116のこの粗さは、第3の表面116を研磨することによって得られ得る。
【0034】
単結晶層110の第4の表面118は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、単結晶層110の第4の表面118は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有し得、この範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。この第4の表面118の粗さは、第4の表面116を研磨又は平面化することによって得られ得る。いくつかの実施形態では、多結晶層106の第1の表面104における粗さは、多結晶層106の第2の表面114の粗さ以上であり得る。第1の表面104のこの粗さは、第1の表面104を研磨又は平面化することによって得られ得る。
【0035】
ウエハ100、又はそれぞれのウエハの一部分は、ウエハ100を利用して形成された半導体パッケージ内に存在し得る。例えば、ウエハ100は、ウエハ100、又はウエハ100の一部分を含む垂直デバイスを形成するために利用され得る。例えば、追加の層は、単結晶層110上に形成され得る。
【0036】
図2は、ウエハ200の代替的な実施形態の斜視側面図に関するものであり、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態と同じ又は類似の特徴のうちのいくつかを有する。ウエハ100に対するウエハ200の同じ又は類似の特徴は、同じ又は類似の参照数字を有する。したがって、
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態についての以下の考察は、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態と比較して、異なる又は追加の特徴又は詳細に焦点を当てるであろう。
【0037】
多結晶層106の第2の表面114が単結晶層110の第3の表面116に直接かつ物理的に接合されている、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態とは異なり、
図2に示されるようなウエハ200の実施形態では、接合層202が、接合領域108に存在し、かつ多結晶層106を単結晶層110にともに結合する。例えば、本明細書において以前に考察されたような表面活性化接合(SAB)技術が行われる前に、第1の導電層が、多結晶層106の第2の表面114上に形成され得、第2の導電層が、単結晶層110の第3の表面116上に形成され得る。第1の導電層及び第2の導電層は、SAB技術を利用してともに接合されるのに好適である、同じ又は異なる導電性材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、第1の導電層及び第2の導電層は、それぞれ、スパッタリング技術によって、又はそれぞれ多結晶層112の第2の表面114上、及び単結晶層110の第3の表面116上に、第1の導電層及び第2の導電層をそれぞれ形成するのに好適である何らかの他の技術によって、それぞれ多結晶層112の第2の表面上、及び単結晶層110の第3の表面116上に形成され得る。
【0038】
第1の導電層及び第2の導電層がそれぞれ、多結晶層106の第2の表面114上、及び単結晶層110の第3の表面116上にそれぞれ形成された後に、表面活性化接合技術が行われ、その結果、第1の導電層及び第2の導電層は、超高真空内でアルゴン(Ar)イオン又は中性原子(例えば、アルゴン(Ar)であり得るか、中性原子であり得るか、又は好適であり得るいくつかの他の類似若しくは同様のタイプの粒子若しくは原子であり得る粒子ビーム)によって射突されて、それぞれ多結晶層106の第2の表面114上、及び単結晶層110の第3の表面116上の、それぞれ第1の導電層及び第2の導電層を洗浄及び活性化する。第1の導電層及び第2の導電層が洗浄及び活性化された後に、多結晶層106の第2の表面114上の第1の導電層、及び単結晶層110の第3の表面116上の第2の導電層は、多結晶層106の第2の表面114上の第1の導電層を、単結晶106の第3の表面116上の第2の導電層と接触させることによって自然に接合される。多結晶層106の第2の表面114上の第1の導電層と、単結晶層110の第3の表面114上の第2の導電層とのこの接触は、熱処理なしで行われ得る。多結晶層106の第2の表面114上の第1の導電層が単結晶層110の第3の表面116上の第2の導電層に接合されると、多結晶層106と単結晶層110との間に、接合層202が形成される。言い替えると、接合層202は、第2の表面114上の第1の導電層を、第3の表面116上の第2の導電層に結合することによって形成された導電層であり得る。
【0039】
いくつかの代替的な実施形態では、上で考察したように第1の導電層及び第2の導電層の両方を形成する代わりに、第1の導電層又は第2の導電層のうちの一方のみが、多結晶層106の第2の表面114、又は単結晶層110の第3の表面116のうちの一方のみの上に形成され得る。第1の導電層又は第2の導電層のうちの一方のみが形成された後に、SAB技術は、多結晶層106の第2の表面114、又は単結晶層110の第3の表面116のうちの少なくとも一方が覆われないままであり、かつアルゴン又は中性原子ビームに晒されることを除いて、
図1又は
図2のいずれかに関して本明細書に以前に考察されたものと同じ又は同様のやり方で実行される。
【0040】
多結晶層106の第1の材料が、単結晶層110の第2の材料に直接かつ物理的に接合することと両立できない場合、第1の導電層及び第2の導電層の両方か、又は第1の導電層若しくは第2の導電層のうちの少なくとも1つのいずれかを形成され得る。言い替えると、多結晶層106の第1の材料が単結晶層110の第2の材料と両立できない場合、第1の導電層及び第2の導電層の両方か、又は第1の導電層若しくは第2の導電層のうちの少なくとも1つのいずれかが、多結晶層106を単結晶層110にともに結合することを容易にするために形成され得る。
【0041】
接合層202が多結晶層106の第2の表面114と、単結晶層110の第3の表面との間に存在する場合、接合層202は、第3の厚さT3を有し、これは、第3の寸法と称され得る。第3の厚さT3は、多結晶層106の第2の表面114から単結晶層110の第3の表面116まで延在する。第3の厚さT3は、第1の厚さT1未満であり得る。接合層108の第3の厚さT3は、0.2~5マイクロメートル(μm)の範囲内であり得、この範囲の上端及び下端に等しくあり得る(例えば、第3の厚さT3は、0.2マイクロメートル(μm)に等しくあり得るか、又は5マイクロメートル(μm)に等しくあり得る)。いくつかの実施形態では、第3の厚さは、0.5マイクロメートル(μm)に等しくあり得る。
【0042】
ウエハ200の代替的な実施形態は、いくらかの反りを有し得、これは、ウエハ200の代替的な実施形態内のいくらかの曲がり又は反りであり得、多結晶層106の第2の表面114がわずかに湾曲しているか、又はわずかな曲率を有することをもたらし得る。しかしながら、いくらかの反りが、ウエハ200の代替的な実施形態において存在し得るが、ウエハ200の代替的な実施形態における反りは、75マイクロメートル(μm)以下であり得るか、又は45マイクロメートル(μm)以下であり得る。多結晶層106の第2の表面114は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、多結晶層106の第2の表面114は、1~5オングストローム(Å)の範囲内の粗さを有し得、この範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。第2の表面114のこの粗さは、第2の表面114を研磨することによって得られ得る。
【0043】
単結晶層110の第3の表面116は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、多結晶層106の第3の表面116は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有し得、この範囲の下端及び上端に等しくてもよい(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)等しくてもよく、又は5オングストローム(Å)に等しくてもよい)。第3の表面116のこの粗さは、第3の表面116を研磨することによって得られ得る。
【0044】
単結晶層110の第4の表面118は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、単結晶層110の第4の表面118は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有していてもよく、この範囲の下端及び上端に等しくてもよい(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくてもよく、又は5オングストローム(Å)に等しくてもよい)。この第4の表面118の粗さは、第4の表面116を研磨又は平面化することによって得られ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、多結晶層106の第1の表面104における粗さは、多結晶層106の第2の表面114の粗さ以上であり得る。第1の表面104のこの粗さは、第1の表面104を研磨又は平面化することによって得られ得る。
【0046】
ウエハ200の更に別の代替的な実施形態では、接合層202は、代わりにケイ素の単層である。ケイ素の単層は、
図2に示されるような厚さT3を含む。接合層202がケイ素の単層である場合、ケイ素の単層の厚さT3は、0.2ナノメートル(nm)~0.7ナノメートル(nm)の範囲内であり得るか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る。ケイ素の単層は、単結晶層110が、多結晶層106の第2の表面114に直接かつ物理的に接合されることにそれほど適合しない場合、多結晶層106の第2の表面114に形成される。接合層202となるべきケイ素の単層は、原子層堆積又はスパッタリングによって形成されて、ケイ素の単層が多結晶層106の第2の表面114上に存在することがもたらされ、その結果、単結晶層110は、この場合も、接合層202であるケイ素の単層を介して、多結晶層106に容易に粘着され得る。代替的に、ケイ素の単層の代わりに、接合層202は、炭素の単層、炭素の二重層、又は二酸化ケイ素(SiO
2)の層であり得る。炭素の単層は、0.4ナノメートル(nm)~2ナノメートル(nm)の範囲内の厚さを有し得るか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る。炭素の二重層は、1ナノメートル(nm)~5ナノメートル(nm)の範囲内の厚さを有し得るか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る。SiO
2の層は、2nm(ナノメートル)~7nm(ナノメートル)の範囲内の厚さを有し得るか、又はこの範囲の上端及び下端に等しくあり得る。
【0047】
図3は、多結晶基板300の一実施形態の斜視側面図であり、これは、単結晶基板又はウエハ(例えば、単結晶層110)が多結晶基板300に結合又は接合される前の多結晶ウエハであり得る。多結晶基板300は、直径D1を有する。多結晶基板300は、ウエハ100の実施形態、及びウエハ200の代替的な実施形態において、多結晶層106を形成する際に利用され得る。多結晶基板300は、第1の表面302、その第1の表面302とは反対側の第2の表面304、並びに第1の表面302から第2の表面304まで延在し、かつ第1の表面302及び第2の表面304に対して横断する、側壁306を含む。多結晶基板300の第2の表面304は、ウエハ100の実施形態、及びウエハ200の代替的な実施形態におけるように、多結晶層106の第2の表面114に対応し得る。多結晶基板300の側壁306は、ウエハ100の実施形態、及びウエハ200の代替的な実施形態におけるように、多結晶層106の少なくとも1つの第1の側壁120aに対応し得る。
【0048】
多結晶基板300の第4の厚さT4は、多結晶基板300の第1の表面302から第2の表面304まで延在する。第4の厚さT4は、ウエハ100の実施形態、及びウエハ200の代替的な実施形態におけるように、多結晶層106の第3の厚さT3以上であり得る。第4の厚さT4は、150マイクロメートル(μm)~1000マイクロメートル(μm)の範囲内であり得るか、又はこの範囲の下端及び上端に等しくあり得る。
【0049】
多結晶基板300は、低い抵抗率、例えば、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率、又は1mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する。
【0050】
多結晶基板300の実施形態は、いくらかの反りを有し得、これは、多結晶基板300の実施形態内のいくらかの曲がり又は反りであり得、多結晶層106の第2の表面304がわずかに湾曲するか、又はわずかな曲率を有することをもたらし得る。しかしながら、いくらかの反りが多結晶基板300に存在し得るが、多結晶基板300における反りは、75マイクロメートル(μm)以下であり得るか、又は45マイクロメートル(μm)以下であり得る。
【0051】
多結晶基板300の第2の表面304は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、多結晶基板300の第2の表面304は、1~5オングストローム(Å)の範囲内の粗さを有し得、この範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。この第2の表面304の粗さは、第2の表面304を研磨することによって得られ得る。
【0052】
図4は、
図1に示すようなウエハ100の実施形態の、
図1に示されるような断面4-4の強調された拡大図である。多結晶層106は、ともに接合され得るシリコンカーバイド(例えばSiC、SiC
2等)の結晶粒402を含む(本開示の
図5Aを参照)。
図4に示されるようなこの強調された拡大図は、
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態における多結晶層106の結晶粒構造、又は
図3に示されるような多結晶基板300の実施形態の結晶粒構造を表し得る。多結晶層106は、多結晶層106がランダム又はアモルファス配向結晶粒を有し、かつ柱状型構造を有さないような無柱状型多結晶である。多結晶層106のこのランダムかつアモルファス配向結晶粒及び無柱状構造は、無配向結晶粒構造と称され得る。この無配向結晶粒構造は、多結晶層106の全体的な抵抗率を低減するのを助け得る。多結晶層106は、結晶粒402間にある結晶粒界406に沿って存在し得るマイクロポア404を含み得る。結晶粒界406は、結晶粒402のそれぞれの結晶粒の隣接する対の間に存在する。炭素は、多結晶層106内で結晶粒402を互いに粘着させるために、結晶粒界406に存在し得る。結晶粒402は、1ミリメートル(mm)以下のサイズを有し得る。
【0053】
結晶粒402のサイズは、多結晶層106の第1の表面112から第2の表面114まで、多結晶層106全体にわたって、相対的に均一である。言い替えると、結晶粒402のサイズは、第1の表面112と第2の表面114との間の多結晶層106に沿った位置、及びその多結晶層の内部の位置にかかわらず、多結晶層106の全体にわたって相対的に均一のままである。例えば、多結晶層106の第1の表面112、多結晶層106の第2の表面114、及び第1の表面112と第2の表面114との間の多結晶層106に沿った中間位置における、結晶粒402の結晶粒径は、均一であり、かつ実質的に互いに等しい。
【0054】
結晶粒径が多結晶層106全体に沿って相対的に均一であるという観点から、これらの様々な場所における多結晶層106のそれぞれの密度は、相対的に均一であり、かつ互いに等しい。言い替えると、多結晶層106は、多結晶層106全体にわたって相対的に均一である密度を有する。
【0055】
本明細書で以前に考察されたように、多結晶層106は、低い抵抗率を有し、これは、多結晶基板300を利用して形成され得る。多結晶層106は、多結晶層106が2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有するように、結晶粒界406に沿った結晶粒402間のマイクロポア404の数を低減するか若しくは制限するかのいずれかによって、又は、多結晶層106内のマイクロポア404の存在の影響を低減及び相殺するように、多結晶層106内の窒素(N)の高ドーピングを有することによって、低い抵抗率を有し得る。例えば、多結晶層106は、窒素(N)の濃度が多結晶層106中でcm3当たり3E+19原子(すなわち、3×1019原子/cm3)以上であるか、又は多結晶層106中の窒素の濃度がこの範囲の上端及び下端に等しくなり得るように、多量の窒素でドープされ得る。いくつかの実施形態では、多結晶層106内にドープされる窒素(N)の濃度は、cm3当たり5E+19原子(すなわち、5×1019原子/cm3)以上であり得る。
【0056】
図5Aは、本開示の
図1に示されるようなウエハ100の実施形態を製造する方法の実施形態のフローチャート500に関する。
図6A~
図6Cは、本開示のウエハ100の実施形態を製造する方法の実施形態のフローチャート500におけるそれぞれのステップ502、504、506、508の側面図に関する。
【0057】
多結晶基板形成ステップ502において、低い抵抗率を有する多結晶基板300が形成される。単結晶基板形成ステップ504において、単結晶基板504が形成される。多結晶基板形成ステップ502及び単結晶基板形成ステップ504は、半導体製造工場(FAB)内で同時に行われ得るか、又はFAB内で異なる時間に行われ得る。多結晶基板形成ステップ502及び単結晶基板形成ステップ504は、FAB内の異なる場所で実行され得る。
【0058】
低い抵抗率を有する多結晶基板300を形成するための多結晶基板形成ステップ502は、
図5Bに示されるような化学気相堆積(chemical vapor deposition、CVD)フローチャート502a、
図5Cに示されるような焼結フローチャート502b、又は
図5Cに示されるような昇華フローチャート502cにおいて例示されるような、多結晶基板300を形成する方法の実施形態のうちの少なくとも1つを利用して、実行され得る。言い替えると、多結晶基板300は、CVDフローチャート502a、焼結フローチャート502b、及び昇華フローチャート502cにおける方法のうちのいずれか1つを利用して形成され得る。
【0059】
多結晶基板300が、
図5Bに示されるようなCVDフローチャート502aの方法を利用して形成される場合、第1のステップ510において、キャリアが、CVDプロセスを行うか又は実行するように構成されているCVDツールのチャンバ内に挿入又は導入されて、多結晶基板300を形成する。キャリアは、プレートであり得るか、キャリア基板であり得るか、又は多結晶基板がその上に形成される何らかの他の好適なタイプのキャリアであり得る。キャリアは、多結晶キャリア基板若しくはプレートであり得るか、グラファイトキャリア基板若しくはプレートであり得るか、又は多結晶基板がその上に形成される何らかの他の好適なタイプのキャリア基板若しくはプレートであり得る。
【0060】
キャリアがCVDツールのチャンバ内に挿入又は導入される第1のステップ510の後、第2のステップ512において、チャンバは、密閉されて、キャリアガスが、CVDツールのチャンバ内に導入される。キャリアガスは、水素ガス、水素ベースガス、アルゴンガス、アルゴンベースガスであり得るか、又は何らかの他の好適なキャリアガス若しくは不活性キャリアガスであり得る。このキャリアガスは、CVDツールのチャンバ内の化学反応を促進するように構成されて、CVDツールのチャンバ内のキャリア上の多結晶シリコンカーバイド(SiC)を成長させる。いくつかの実施形態では、第2のステップ512の間、CVDツールのチャンバは、摂氏1500度(℃)~摂氏1700度(℃)の範囲内で加熱され得るか、又はこの範囲の上端及び下端に等しい温度(例えば、摂氏1500度(℃)に等しいか、若しくは摂氏1700度(℃)に等しい温度)に加熱され得る。いくつかの代替的な実施形態では、第2のステップ512の間、CVDツールのチャンバは、摂氏950度(℃)~摂氏1350度(℃)の範囲内で加熱され得るか、又はこの範囲の上端及び下端に等しい温度(例えば、摂氏950度(℃)に等しい温度、若しくは摂氏1350度(℃)に等しい温度)に加熱され得る。
【0061】
キャリアガスがCVDツールのチャンバ内に導入されて、CVDツールのチャンバが加熱されたか、又は加熱が開始された第2のステップ512の後に、第3のステップ514において、炭素ガス若しくは炭素ベースガス、ケイ素含有ガス若しくはケイ素ベースガス(例えば、シラン、トリクロロシラン(trichlorosilane、TCS)、又は何らかの他の同様のケイ素含有ガス若しくはケイ素ベースガス)、及び窒素ガス若しくは窒素ベースガスが、CVDツールのチャンバ内に導入される。例えば、炭素ガス又は炭素ベースガスは、炭素源をCVDツールのチャンバ内に導入することによってCVDツールのチャンバ内に導入され得、ケイ素含有ガス又はケイ素ベースガスは、ケイ素含有ガス源又はケイ素ベースガス源をCVDツールのチャンバ内に導入することによってCVDツールのチャンバ内に導入され得、窒素ガス又は窒素ベースガスは、窒素源をCVDツールのチャンバ内に導入することによってCVDツールのチャンバ内に導入され得る。代替的に、CVDツールのチャンバと流体連通しているそれぞれの流体経路は、炭素ガス又は炭素ベースガス、ケイ素含有ガス又はケイ素ベースガス、及び窒素ガス又は窒素ベースガスを導入するために開放され得る。これらのそれぞれのガスがこの段階でCVDツールのチャンバ内に導入されると、これらのそれぞれのガスは、互いに化学反応し、結果として、窒素でドープされたシリコンカーバイド(SiC)が形成され、かつキャリア基板上に堆積されて、多結晶シリコンカーバイドがキャリアのキャリア表面上に形成されることになる。キャリアが多結晶シリコンカーバイドキャリア基板又はプレートである場合、CVDツールのチャンバ内の反応によって形成された多結晶シリコンカーバイドは、多結晶シリコンカーバイドキャリア基板又はプレート上に堆積される。キャリアがグラファイトキャリア基板又はプレートである場合、CVDツールのチャンバ内の反応によって形成された多結晶シリコンカーバイドは、グラファイトキャリア基板又はプレート上に堆積される。多結晶シリコンカーバイドがCVDツールのチャンバ内で形成されると、多結晶シリコンカーバイドは、窒素によってドープされ、その結果、窒素でドープされた多結晶シリコンカーバイドが、キャリア上に形成される。
【0062】
炭素ガス又は炭素ベースガス、ケイ素含有ガス又はケイ素ベースガス、及び窒素ガス又は窒素ベースガスがCVDツールのチャンバ内に導入され、同時に加熱されて窒素でドープされた多結晶シリコンカーバイドをキャリア上に形成された第3のステップ514の後、第4のステップ516において、CVDツールのチャンバ、及びキャリア上に形成された多結晶基板300は、室温まで冷却される。多結晶基板300がキャリア上で冷却すると、多結晶基板300とキャリアとの間の熱伝導率の差によって、多結晶基板300にいくらかの反りが生じ得る。しかしながら、この多結晶基板の反りは、75マイクロメートル(μm)以下であるか、又は45マイクロメートル(μm)以下であり得る。室温まで冷却されると、キャリアに結合されている多結晶基板300、及びキャリアは、CVDツールのチャンバから取り出される。多結晶基板300及びキャリアがチャンバから取り出された後、多結晶基板300は、キャリアから取り出され得、次いで更に処理され得(例えば、研磨技術、平面化技術等)、多結晶基板300の一部分は、キャリアに結合されたときか、若しくはキャリアから取り出された後か、又は更なる処理の前後かのいずれかで、多結晶基板300からスライスされて多結晶層106は形成され得るか、あるいは、多結晶基板は、他の好適な種類の処理技術を経て、多結晶基板300を更に精製又は処理し、様々な電子デバイス又はコンポーネントを形成し得る。
【0063】
多結晶基板300が形成された後、多結晶基板300は、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態、又は
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態を形成するために利用され得る。例えば、少なくとも1つの状況では、多結晶層300の第2の表面304は、研磨又は平面化され、その結果、多結晶層300の第2の表面304は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有する。いくつかの実施形態では、多結晶層300の第2の表面304は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有するか、又はこの範囲の下端若しくは上端に等しい粗さを有する(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。多結晶層300の第2の表面304が研磨又は平面化された後、次いで、多結晶層300は、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態、又は
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態を形成するために利用され得る。
【0064】
多結晶基板300が
図5Cに示されるような焼結フローチャート502bの方法を利用して形成される場合、第1のステップ518において、ドープされた粉末(例えば、窒素でドープされたシリコンカーバイド粉末)が、焼結ツール内に存在し得る容器内に挿入若しくは導入されるか、又はドープされた粉末で充填された後に焼結ツールに挿入若しくは導入され得る。
【0065】
ドープされた粉末が容器内に導入された第1のステップ518の後、次いで、第2のステップ520において、容器は、焼結ツールによって加熱され、かつ焼結ツールを利用して、容器内のドープされた粉末に圧力を加える。摂氏2000度(℃)以上の温度が、ドープされた粉末に適用され得る。いくつかの実施形態では、300ミリバール(mbar)~1ATM(1013mbar)の範囲内であるか、又はこの範囲の下端及び上端に等しい(例えば、300mbarに等しいか、又は1ATMに等しい)圧力が、ドープされた粉末に印加され得る。いくつかの実施形態では、750ミリバール(mbar)~950ミリバール(mbar)の範囲内であるか、又はこの範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、750mbarに等しいか、又は950mbarに等しい)圧力が、ドープされた粉末に印加され得る。焼結ツールを利用して、この温度及び圧力を容器内のドープされた粉末に加えることにより、窒素でドープされた多結晶シリコンカーバイド体を容器内で形成することになる。ドープされる粉末は、cm3当たり3E+19原子(すなわち、3×1019原子/cm3)の濃度を有するドーパントでドープされ得るか、又はcm3当たり3E+19原子(すなわち、3×1019原子/cm3)を上回る濃度を有し得る。いくつかの実施形態では、ドーパントは、窒素(N)であり得る。例えば、ドープされた粉末は、cm3当たり5E+19原子(すなわち、5×1019原子/cm3)に等しい濃度を有するドーパントでドープされ得る。
【0066】
熱及び圧力を容器内のドープされた粉末に加えることによって、多結晶体が容器内に形成された第2のステップ520の後、第3のステップ522において、多結晶体は、容器から取り出される。多結晶体を容器から取り出す前に、容器及び多結晶体は、室温まで冷却され得る。多結晶体が容器から取り出された後、多結晶体は、円筒形の形状又は輪郭を有し得る。
【0067】
多結晶体が容器から取り出された第3のステップ522の後、第4のステップ524において、多結晶体は、更に処理されて多結晶基板300を形成する。例えば、容器から取り出された多結晶体が、本明細書で以前に考察されたように、円筒形の形状又は輪郭を有する場合、複数の長さの多結晶基板300が形成され得るように、その長さが第4の厚さT4を上回るような円筒形の多結晶体の両端間の長さを有し得るため、多結晶体は、複数の多結晶基板300にスライスされ得る。
【0068】
多結晶基板300が形成された後、多結晶基板300は、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態、又は
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態を形成するために利用され得る。例えば、少なくとも1つの状況では、多結晶層300の第2の表面304は、研磨又は平面化され、その結果、多結晶層300の第2の表面304は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有する。いくつかの実施形態では、多結晶基板300の第2の表面304は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有し得るか、又はこの範囲の下端若しくは上端に等しい粗さを有し得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。多結晶層300の第2の表面304が研磨又は平面化された後、次いで、多結晶層300は、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態、又は
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態を形成するために利用され得る。
【0069】
多結晶基板300が、
図5Dに示されるような昇華フローチャート502cの方法を利用して形成される場合、第1のステップ526において、昇華粉末、窒素ガス又は窒素ベースガス、及びキャリアガスが、昇華成長ツールのチャンバ内に導入又は挿入される。
【0070】
昇華粉末、窒素ガス又は窒素ベースガス、及びキャリアガスが昇華成長ツールのチャンバ内に導入又は挿入された第1のステップ526の後、第2のステップ528において、熱が、昇華成長ツールのチャンバ内の昇華粉末、窒素ガス又は窒素ベースガス、及びキャリアガスに加えられる。昇華ツールのチャンバの温度は、摂氏2000~2500度(℃)の範囲内であり得るか、又はこの範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、摂氏2000度(℃)に等しいか、又は摂氏2500度(℃)に等しい温度)。熱が昇華粉末に加えられると、昇華ガスが、昇華粉末から生成される(例えば、昇華される)。昇華粉末を加熱することによって生成された昇華ガスは、キャリアガス及び窒素ガス又は窒素ベースガスと反応して、昇華成長ツールのチャンバ内で形成及び成長するドープされた多結晶シリコンカーバイド材料で作製された多結晶体をもたらす。例えば、多結晶シリコンカーバイド材料は、昇華成長ツール内の表面上に堆積及び成長され得る。
【0071】
熱が昇華成長ツールのチャンバ内の昇華粉末、窒素ガス又は窒素ベースガス、及びキャリアガスに加えられた第2のステップ528の後、第3のステップ530において、チャンバ内で成長及び形成された多結晶体は、昇華成長ツールのチャンバから取り出される。多結晶体は、昇華成長ツールのチャンバから取り出される前に、室温まで冷却され得る。
【0072】
多結晶体が昇華成長ツールのチャンバから取り出された第3のステップ530の後、第4のステップ532において、多結晶体は、更に処理及び精製されて多結晶基板300を形成する。例えば、昇華フローチャート502cの第4のステップ532において、多結晶体は、焼結フローチャート502bの第4のステップ524における、多結晶体の更なる処理又は精製に関して本明細書に以前に考察されたものと同じ又は同様の方法で、更に精製又は処理され得る。しかしながら、いくつかの代替的な実施形態では、昇華成長ツールのチャンバから取り出される多結晶体が既に多結晶基板300の形態であるように、多結晶体は、既に多結晶基板300の形態であり得る。
【0073】
多結晶基板300が形成された後、多結晶基板300は、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態、又は
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態を形成するために利用され得る。例えば、少なくとも1つの状況では、多結晶層300の第2の表面304は、研磨又は平面化され、その結果、多結晶層300の第2の表面304は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有する。いくつかの実施形態では、多結晶基板300の第2の表面304は、1~5オングストローム(Å)の範囲の粗さを有し得るか、又はこの範囲の下端若しくは上端に等しい粗さを有し得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。多結晶層300の第2の表面304が研磨又は平面化された後、次いで、多結晶層300は、
図1に示されるようなウエハ100の実施形態、又は
図2に示されるようなウエハ200の代替的な実施形態を形成するために利用され得る。
【0074】
単結晶基板形成ステップ504において、単結晶基板600(
図6Bを参照)は、半導体産業において既知の方法を利用して形成され得る。例えば、単結晶基板は、高純度の半導体グレードケイ素を溶融し、次いで、種結晶を利用して単結晶基板の形成を開始することによって形成され得る。
【0075】
多結晶基板300及び単結晶基板600が形成されると、ウエハ100の実施形態を形成するためのフローチャート500の結合又は接合ステップ506において、多結晶基板300の第2の表面304は、表面活性化接合(SAB)技術を利用して、単結晶基板600の第3の表面602に接合される。単結晶基板600の第3の表面602は、ウエハ100の単結晶層110の第3の表面116に対応し得る。
【0076】
SAB技術が利用されるときに、多結晶基板300の第2の表面304は、
図6Aの矢印603によって表されるように、中性原子又はアルゴン(Ar)原子のビームに晒されて、多結晶基板300の第2の表面304を活性化及び洗浄する。多結晶基板300の第2の表面304は、実質的に平坦かつ水平になるように平面化されている場合があり、20オングストローム(Å)以下の粗さを有するように研磨されている場合がある。いくつかの実施形態では、多結晶基板300の第2の表面304は、中性原子又はアルゴン(Ar)原子のビームに晒される前に、1~5オングストローム(Å)の範囲内の粗さを有し得るか、又はこの範囲の下端及び上端に等しい粗さを有し得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。
【0077】
SAB技術が利用されるとき、単結晶基板600の第3の表面602は、中性原子又はアルゴン(Ar)原子のビーム(図示せず)に晒されて、単結晶基板600の第3の表面602を活性化及び洗浄する。単結晶基板600の第3の表面602は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有するように研磨されるだけでなく、実質的に平坦及び水平になるように平面化されている場合がある。いくつかの実施形態では、単結晶基板600の第3の表面602は、中性原子又はアルゴン(Ar)原子のビームに晒される前に、1~5オングストローム(Å)の範囲内の粗さを有し得るか、又はこの範囲の下端及び上端に等しい粗さを有し得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。
【0078】
単結晶基板600の第2の部分602bの第4の表面610は、20オングストローム(Å)以下の粗さを有し得る。いくつかの実施形態では、単結晶基板600の第2の部分600bの第4の表面610は、1~5オングストローム(Å)の範囲内の粗さを有し得るか、又はこの範囲の下端及び上端に等しくあり得る(例えば、粗さは、1オングストローム(Å)に等しくあり得るか、又は5オングストローム(Å)に等しくあり得る)。第4の表面610のこの粗さは、第4の表面610を研磨又は平面化することによって得られ得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、多結晶基板300の第1の表面302における粗さは、多結晶基板300の第2の表面304の粗さ以上であり得る。第1の表面302のこの粗さは、第1の表面302を研磨又は平面化することによって得られ得る。
【0080】
多結晶基板300の第2の表面304、及び単結晶基板600の第3の表面602が洗浄及び活性化された後、単結晶基板600は、ひっくり返され、洗浄及び活性化された単結晶基板600の第3の表面602は、洗浄及び活性化された多結晶基板300の第2の表面304と接触され、その結果、洗浄及び活性化された第2の表面304は、洗浄及び活性化された第3の表面602と接合して、単結晶基板600は、接合領域604において、多結晶基板300と自然に接合される。単結晶基板600が多結晶基板300に接合されるとき、単結晶基板600の側壁606は、多結晶基板300の側壁306と面一にある。単結晶基板600は、単結晶基板600の第3の表面602から、単結晶基板600の第3の表面602とは反対側の、単結晶基板600の第4の表面608まで延在する第5の厚さT5を有する。
【0081】
単結晶基板600が多結晶基板300に接合される接合ステップ506の後、除去ステップ508において、単結晶基板600の第1の部分600aが、第2の部分600bから除去される。第1の部分600aは、第1の部分600a及び第2の部分600bを形成する単結晶基板600をスライスすることによって、第2の部分600bから除去され得る。第2の部分600bが第1の部分600aから除去された後、単結晶基板600の第2の部分600bは、例えば、フローチャート500における製造方法の接合ステップ506及び除去ステップ508を実行することによって、ウエハ100と同じ又は同様である別のウエハを形成するために再び利用され得る。第2の部分600bから第1の部分600aを除去することにより、側壁606は、第1の部分600aの第1の側壁606aと、第2の部分600bの第2の側壁606bとに分かれることになる。第1の部分600aが除去された後、第2の部分600bの第2の側壁606bは、多結晶基板300の側壁306と同一平面上にあり、かつ面一のままである。第1の部分600aが除去された後、第2の部分600bは、接合領域604において、多結晶基板300に接合されたままである。第1の部分600aが第2の部分600bから除去された後、第2の部分600bは、第2の部分600bの第3の表面602と、第2の部分600bから第1の部分600aを除去することによって形成された第2の部分600bの第4の表面610との間に延在する第2の厚さT2を有する。第1の部分600aが第2の部分600bから除去された後、第1の部分は、第1の部分600aの第4の表面608から、第1の部分600aの第4の表面とは反対側にある、第1の部分600aの第5の表面612まで延在する第6の厚さT6を有する。第6の厚さT6は、第5の厚さT5未満である。
【0082】
単結晶基板600の第2の部分600bは、ウエハ100の単結晶層110に対応し得、多結晶基板300は、ウエハ100の多結晶層106に対応し得、接合領域604は、ウエハ100の接合領域108に対応し得る。言い替えると、いくつかの実施形態では、第1の部分600aが第2の部分600bから除去された後、ウエハ100が製造されている。いくつかの代替的な実施形態では、ウエハ300の製造を完了するために、多結晶基板300の第1の表面302を研削することなどのいくつかの更なる処理ステップが行われ得る。
【0083】
単結晶基板600は、一般に、多結晶基板300に比べて製造コストが高いため、単結晶基板600を支持体として低い抵抗率の多結晶基板300に接合し、かつ第2の部分600bから第1の部分600aを除去することにより、単結晶基板600は、ウエハ100の複数の基板を形成するために利用され得るため、製造コストを低減する。言い替えると、単結晶基板を製造するコストは、高価であり得るが、単結晶基板600を製造する費用は、フローチャート500におけるような製造方法を利用して製造される、ウエハ100の複数の基板にわたって分散され得る。
【0084】
フローチャート500の製造方法の代替的な実施形態では、単結晶基板600の第1の部分600aは、単結晶基板600を多結晶基板300に接合する前に、単結晶基板600の第2の部分600bから除去され得る。第1の部分600aが第2の部分600bから除去された後、単結晶基板600の第2の部分600bの第3の表面602は、多結晶基板300の第2の表面304に接合される。言い替えると、除去ステップ508は、ウエハ100を製造する方法のこの代替的な実施形態では、接合ステップ506の前に行われる。
【0085】
図5Aのフローチャート500に関して詳細に考察されたような上記の方法は、ウエハ100を形成することについて説明されているが、
図5Aのフローチャート500に関して詳細に考察されたような上記の方法は、スパッタリング技術を用いて多結晶基板300の第2の表面304上に第1の導電層を形成すること、単結晶基板600の第3の表面602上に第2の導電層を形成すること、又は第1の導電層及び第2の導電層のうちの一方のみを形成すること、次いで、第1の導電層の両方、又は第1の導電層若しくは第2の導電層のうちの一方のみを利用して多結晶基板300を単結晶基板600に結合することによって、修正され得る。このスパッタリングステップは、
図5Aのフローチャート500に関して詳細に考察されているように、本方法の第1のステップ502と第2のステップ504との間で実施又は実行され得る。このスパッタリングステップが実施又は実行されると、
図2に示されるような接合層202が形成され、その結果、ウエハ200の代替的な実施形態の製造がもたらされる。
【0086】
図5Aのフローチャート500に関して詳細に考察された上記の方法は、ウエハ100を形成することについて説明されているが、
図5Aのフローチャート500に関して詳細に考察されたような上記の方法は、多結晶基板300の第2の表面304上にケイ素の単層、炭素の二重層、炭素の単層、又は二酸化ケイ素(SiO
2)の層を形成することによって、修正され得る。これらのそれぞれの材料層のうちの1つが多結晶基板300の第2の表面304上に形成された後、少なくとも1つの実施形態では、多結晶層の第2の表面304の材料のそれぞれの材料層は、矢印603によって表されるように、中性原子又はアルゴン(Ar)原子のビームに晒される。
【0087】
図示されてはいないが、
図6Cに示されるようなウエハ100は、更に処理及び精製されて(例えば、単結晶層110上に形成される更なる層(例えば、導電性及び非導電性)、ウエハ100の単数化、ウエハ100の裏面研削等)、例えば、半導体パッケージ又は半導体デバイスなどの電子デバイス及びコンポーネントを形成する際に利用され得る。例えば、第1の電極が、ウエハ100の第1の側面104上に形成され得、かつ第2の電極が、ウエハ100の第2の側面106上に形成され得、その結果、電流がウエハ100を通過し得、かつ低い抵抗率を有するウエハ100は、電気信号が妨げられることなくウエハ100を通過することを可能にする。
【0088】
本開示のデバイスの少なくとも1つの実施形態は、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハを含むものとして、要約され得る。
【0089】
デバイスは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの第1の表面上の接合層を更に含み得る。
【0090】
デバイスは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの第1の表面上の接合層上の単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハを更に含み得る。
【0091】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第1の表面とは反対側の第2の表面と、第2の表面から第1の表面まで延在する第1の寸法を含み得る。単結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの第1の表面に面する第3の表面と、第3の表面から離れて面し、かつ第3の表面とは反対側にある第4の表面と、第3の表面から第4の表面まで延在する第2の寸法と、を含み得、第2の寸法は、第1の寸法とは異なる。
【0092】
第2の寸法は、第1の寸法未満であり得る。
【0093】
第1の寸法は、1000μm(マイクロメートル)以下であり得る。第2の寸法は、1μm(マイクロメートル)以下であり得る。
【0094】
デバイスは、多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの第1の表面に直接接合された単結晶ウエハを更に含み得る。
【0095】
抵抗率は、1mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下であり得る。
【0096】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの反りは、75-μm(マイクロメートル)未満であり得る。
【0097】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハの反りは、45-μm(マイクロメートル)未満であり得る。
【0098】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、無柱状構造を有し得る。
【0099】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)ウエハは、1mm(ミリメートル)以下である結晶粒を含み得る。
【0100】
本開示のデバイスの少なくとも1つの実施形態は、以下を含むものとして要約され得る:基板であって、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層であって、第1の表面と、第1の表面とは反対側の第2の表面と、第1の表面から第2の表面まで延在する第1の寸法と、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率と、を含む、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層と、単結晶シリコンカーバイド(SiC)層であって、多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第2の表面上の第3の表面と、第3の表面とは反対側の第4の表面と、第3の表面から第4の表面まで延在する第2の寸法と、を含む、単結晶シリコンカーバイド(SiC)層と、を含み、単結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第3の表面は、接合層上にあり、かつ多結晶シリコンカーバイド(SiC)層の第1の表面に向かって面しており、第2の寸法は、第1の寸法未満である、基板。
【0101】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)層は、1mm(ミリメートル)以下である結晶粒を含み得る。
【0102】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)層は、無柱状構造を有し得る。
【0103】
本開示のデバイスの少なくとも1つの実施形態は、以下を含むものとして要約され得る:多結晶シリコンカーバイド基板であって、第1の表面と、第1の表面とは反対側の第2の表面と、第1の表面から第2の表面まで延在する厚さであって、150μm(マイクロメートル)以上である、厚さと、2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率と、75μm未満の反りと、を含む、多結晶シリコンカーバイド基板。
【0104】
抵抗率は、1mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下であり得る。
【0105】
多結晶シリコンカーバイド(SiC)基板は、1mm(ミリメートル)以下である結晶粒を含み得、無柱状構造を有し得る。
【0106】
反りは、75μm(マイクロメートル)以下であり得る。
【0107】
厚さは、以下の150~1000μm(マイクロメートル)の範囲である、150μm(マイクロメートル)に等しい、及び1000μm(マイクロメートル)に等しい、のうちの少なくとも1つであり得る。
【0108】
本開示の方法の少なくとも1つの実施形態は、以下を含むものとして要約され得る:2mohm-cm(ミリオームセンチメートル)以下の抵抗率を有する多結晶シリコンカーバイド(SiC)基板を形成することと、単結晶シリコンカーバイド(SiC)基板を形成することと、単結晶SiC基板を多結晶SiC基板に結合することと、を含む、方法。
【0109】
本方法は、多結晶SiC基板に結合された単結晶SiC基板の第2の部分を残して、単結晶SiC基板から、単結晶SiC基板の第1の部分を除去することを更に含み得る。
【0110】
単結晶SiC基板の第2の部分は、0.3~2マイクロメートル(μm)の範囲内である、0.3マイクロメートル(μm)に等しい、又は2マイクロメートル(μm)に等しい、厚さを有し得る。
【0111】
多結晶SiC基板は、ケイ素含有ガスを導入することによって、CVDツールの化学気相堆積(CVD)チャンバ内のキャリア上に形成され得る。
【0112】
多結晶SiC基板は、炭素ガス及び窒素ガスを導入することによって、CVDツールの化学気相堆積(CVD)チャンバ内のキャリア上に形成され得る。
【0113】
多結晶SiC基板は、ドープされた粉末を焼結ツールの容器内に導入することと、焼結ツールを用いて容器内のドープされた粉末を焼結することと、によって、形成され得る。
【0114】
ドープされた粉末を焼結することは、ドープされた粉末を摂氏2000度(C)以上の温度に晒すことを含み得る。
【0115】
多結晶SiC基板は、昇華プロセスを用いて形成され得る。
【0116】
上で説明される様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。実施形態の態様は、必要な場合、様々な特許、出願、及び刊行物の概念を採用するように変更して、更なる実施形態を提供することができる。
【0117】
これらの変更は、上記の詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された具体的な実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されるものではない。
【外国語明細書】