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特開2024-14759両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック
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  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図1A
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図1B
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図1C
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図2
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図3
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図4
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図5
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図6
  • 特開-両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014759
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】両面ヒートシンクを備える、表面実装ディスクリートデバイストップ面冷却ベースのパワーブロック
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/40 20060101AFI20240125BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H01L23/40 A
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023108628
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】63/391,264
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/183,702
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517216431
【氏名又は名称】コルボ ユーエス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ケ
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BC01
5F136DA27
5F136DA41
5F136EA43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】PCBに取り付けられた半導体デバイスを冷却する冷却装置及び方法を提供する。
【解決手段】プリント回路基板10のトップ面および底面上に配置される冷却装置200であって、プリント回路基板と、第一のサーマルパッド24を備え、かつ、プリント回路のトップ面上に実装された第一の半導体デバイス20と、第二のサーマルパッド24’を備え、かつ、プリント回路の底面上に実装された第二の半導体デバイス20’と、第一のヒートシンク40と、第一のサーマルパッドと第一のヒートシンクとの間に熱的に結合された第一のサーマルインターフェース構造30と、第二のヒートシンク40’と、第二のサーマルパッドと第二のヒートシンクとの間に熱的に結合された第二のサーマルインターフェース構造30’と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板と、
第一のサーマルパッドを備え、前記プリント回路基板のトップ面上に実装された第一の半導体デバイスと、
第二のサーマルパッドを備え、前記プリント回路基板の底面上に実装された第二の半導体デバイスと、
第一のヒートシンクと、
前記第一のサーマルパッドと前記第一のヒートシンクとの間に熱的に結合した第一のサーマルインターフェース構造と、
第二のヒートシンクと、
前記第二のサーマルパッドと前記第二のヒートシンクとの間に熱的に結合した第二のサーマルインターフェース構造と、を備える、冷却装置。
【請求項2】
前記第一のヒートシンク、前記プリント回路基板、および前記第二のヒートシンクを貫通して延在する複数の締結具をさらに備え、前記第一のヒートシンクを前記第一のサーマルインターフェース構造に当接し、かつ前記第二のヒートシンクを前記第二のサーマルインターフェース構造に当接する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記複数の締結具がばね式締結具である、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記第一のサーマルインターフェース構造が、第一のサーマルインターフェース層、第二のサーマルインターフェース層、および前記第一のサーマルインターフェース層と前記第二のサーマルインターフェース層との間の第一の誘電体層を備え、
前記第二のサーマルインターフェース構造が、第三のサーマルインターフェース層、第四のサーマルインターフェース層、および前記第三のサーマルインターフェース層と前記第四のサーマルインターフェース層との間の第二の誘電体層を備える、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記第一の誘電体層および前記第二の誘電体層がセラミックを含む、請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記第一のサーマルインターフェース層、前記第二のサーマルインターフェース層、前記第三のサーマルインターフェース層、および前記第四のサーマルインターフェース層が、銅、アルミニウム、はんだ、または焼結物を含む、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記第一のサーマルインターフェース層が、前記第一の誘電体層の底面の周辺部内に存在し、
前記第二のサーマルインターフェース層が、前記第一の誘電体層のトップ面の周辺部内に存在し、
前記第三のサーマルインターフェース層が、前記第二の誘電体層のトップ面の周辺部内に存在し、
前記第四のサーマルインターフェース層が、前記第二の誘電体層の底面の周辺部内に存在する、請求項4に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記第一のサーマルパッドが、前記第一のサーマルインターフェース層の周辺部内に存在し、
前記第二のサーマルパッドが、前記第三のサーマルインターフェース層の周辺部内に存在する、請求項7に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記第一の誘電体層および前記第二の誘電体層がセラミックを含む、請求項8に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記第一のヒートシンク、前記プリント回路基板、および前記第二のヒートシンクを貫通して延在する複数の締結具をさらに備え、前記第一のヒートシンクを前記第一のサーマルインターフェース構造に当接し、かつ前記第二のヒートシンクを前記第二のサーマルインターフェース構造に当接する、請求項9に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記複数の締結具がばね式締結具である、請求項10に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記第一のサーマルパッドが、前記第一のサーマルインターフェース層の周辺部内に存在し、
前記第二のサーマルパッドが、前記第三のサーマルインターフェース層の周辺部内に存在する、請求項4に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記プリント回路基板の前記トップ面上の第一の配線であって、前記第一の半導体デバイスの第一のリードフレームが、前記第一の配線に電気的かつ機械的に結合している、第一の配線と、
前記プリント回路基板の前記トップ面上の第二の配線であって、前記第一の半導体デバイスの第二のリードフレームが、前記第二の配線に電気的かつ機械的に結合している、第二の配線と、
前記プリント回路基板の前記底面上および前記第一の配線の下の第三の配線であって、前記第二の半導体デバイスの第一のリードフレームが、前記第三の配線に電気的かつ機械的に結合している、第三の配線と、
前記プリント回路基板の前記底面上および前記第二の配線の下の第四の配線であって、前記第二の半導体デバイスの第二のリードフレームが、前記第四の配線に電気的かつ機械的に結合している、第四の配線と、をさらに備える、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記第一の配線の一部の上に延在する第一のバスバーと、
前記第二の配線の一部の上に延在する第二のバスバーと、
前記第三の配線の一部の上に延在する第三のバスバーと、
前記第四の配線の一部の上に延在する第四のバスバーと、を備える、請求項13に記載の冷却装置。
【請求項15】
前記第一のバスバー、前記プリント回路基板、および前記第三のバスバーを貫通して延在し、前記第一のバスバーを前記第一の配線に当接し、かつ前記第三のバスバーを前記第三の配線に当接する、第一のバスバー締結具と、
前記第二のバスバー、前記プリント回路基板、および前記第四のバスバーを貫通して延在し、前記第二のバスバーを前記第二の配線に当接し、かつ前記第四のバスバーを前記第四の配線に当接する、第二のバスバー締結具と、を備える、請求項14に記載の冷却装置。
【請求項16】
前記プリント回路基板が、前記第二の配線から前記第四の配線まで延在する第一の複数のビアをさらに備える、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項17】
前記第一の半導体デバイスが、第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第二の半導体デバイスが、第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第一の半導体デバイスの第一のリードフレームが前記第一のドレイン端子であり、前記第一の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第一のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第二のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第二のドレイン端子であり、ハーフブリッジ回路接続を形成する、請求項16に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記第一の半導体デバイスが、第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第二の半導体デバイスが、第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第一の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第一のドレイン端子であり、前記第一の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第一のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第二のドレイン端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第二のソース端子であり、共通ソース回路接続を形成する、請求項16に記載の冷却装置。
【請求項19】
前記プリント回路基板が、前記第一の配線から前記第三の配線まで延在する第二の複数のビアをさらに備える、請求項16に記載の冷却装置。
【請求項20】
前記第一の半導体デバイスが、第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第二の半導体デバイスが、第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第一の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第一のドレイン端子であり、前記第一の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第一のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第二のドレイン端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第二のソース端子であり、並列回路接続を形成する、請求項19に記載の冷却装置。
【請求項21】
前記プリント回路基板が、前記第二の配線から前記第四の配線まで延在する第一の複数のビアをさらに備える、請求項13に記載の冷却装置。
【請求項22】
前記第一の半導体デバイスが、第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第二の半導体デバイスが、第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第一の半導体デバイスの第一のリードフレームが前記第一のドレイン端子であり、前記第一の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第一のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第二のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第二のドレイン端子であり、ハーフブリッジ回路接続を形成する、請求項21に記載の冷却装置。
【請求項23】
前記第一の半導体デバイスが、第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第二の半導体デバイスが、第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第一の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第一のドレイン端子であり、前記第一の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第一のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第二のドレイン端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第二のソース端子であり、共通ソース回路接続を形成する、請求項21に記載の冷却装置。
【請求項24】
前記プリント回路基板が、前記第一の配線から前記第三の配線まで延在する第二の複数のビアをさらに備える、請求項21に記載の冷却装置。
【請求項25】
前記第一の半導体デバイスが、第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第二の半導体デバイスが、第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、
前記第一の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第一のドレイン端子であり、前記第一の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第一のソース端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第一のリードフレームが前記第二のドレイン端子であり、前記第二の半導体デバイスの前記第二のリードフレームが前記第二のソース端子であり、並列回路接続を形成する、請求項24に記載の冷却装置。
【請求項26】
前記第一のヒートシンク、前記プリント回路基板、および前記第二のヒートシンクを貫通して延在する複数の締結具をさらに備え、前記第一のヒートシンクを前記第一のサーマルインターフェース構造に当接し、かつ前記第二のヒートシンクを前記第二のサーマルインターフェース構造に当接し、
前記第一のサーマルインターフェース構造が、第一のサーマルインターフェース層、第二のサーマルインターフェース層、および前記第一のサーマルインターフェース層と前記第二のサーマルインターフェース層との間の第一の誘電体層を備え、
前記第二のサーマルインターフェース構造が、第三のサーマルインターフェース層、第四のサーマルインターフェース層、および前記第三のサーマルインターフェース層と前記第四のサーマルインターフェース層との間の第二の誘電体層を備える、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項27】
前記複数の締結具がばね式締結具である、請求項26に記載の冷却装置。
【請求項28】
前記プリント回路基板の前記トップ面上の第一の配線であって、前記第一の半導体デバイスの第一のリードフレームが、前記第一の配線に電気的かつ機械的に結合している、第一の配線と、
前記プリント回路基板の前記トップ面上の第二の配線であって、前記第一の半導体デバイスの第二のリードフレームが、前記第二の配線に電気的かつ機械的に結合している、第二の配線と、
前記プリント回路基板の前記底面上および前記第一の配線の下の第三の配線であって、前記第二の半導体デバイスの第一のリードフレームが、前記第三の配線に電気的かつ機械的に結合している、第三の配線と、
前記プリント回路基板の前記底面上および前記第二の配線の下の第四の配線であって、前記第二の半導体デバイスの第二のリードフレームが、前記第四の配線に電気的かつ機械的に結合している、第四の配線と、をさらに備える、請求項27に記載の冷却装置。
【請求項29】
前記第一の配線の一部の上に延在する第一のバスバーと、
前記第二の配線の一部の上に延在する第二のバスバーと、
前記第三の配線の一部の上に延在する第三のバスバーと、
前記第四の配線の一部の上に延在する第四のバスバーと、を備える、請求項28に記載の冷却装置。
【請求項30】
前記第一のバスバー、前記プリント回路基板、および前記第三のバスバーを貫通して延在し、前記第一のバスバーを前記第一の配線に当接し、かつ前記第三のバスバーを前記第三の配線に当接する、第一のバスバー締結具と、
前記第二のバスバー、前記プリント回路基板、および前記第四のバスバーを貫通して延在し、前記第二のバスバーを前記第二の配線に当接し、かつ前記第四のバスバーを前記第四の配線に当接する、第二のバスバー締結具と、をさらに備える、請求項29に記載の冷却装置。
【請求項31】
前記第一のヒートシンク、前記プリント回路基板、および前記第二のヒートシンクを貫通して延在する複数のばね式締結具をさらに備え、前記第一のヒートシンクを前記第一のサーマルインターフェース構造に当接し、かつ前記第二のヒートシンクを前記第二のサーマルインターフェース構造に当接する、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項32】
前記第一のヒートシンク、前記プリント回路基板、および前記第二のヒートシンクを貫通して延在する複数の締結具をさらに備え、前記第一のヒートシンクを前記第一のサーマルインターフェース構造に当接し、前記第二のヒートシンクを前記第二のサーマルインターフェース構造に当接する、請求項26に記載の冷却装置。
【請求項33】
前記複数の締結具がばね式締結具である、請求項32に記載の冷却装置。
【請求項34】
トップ面および底面を有するプリント回路基板を設けることと、
第一のサーマルパッドを備え、トップ面上に実装された第一の半導体デバイスを設けることと、
第二のサーマルパッドを備え、底面上に実装された第二の半導体デバイスを設けることと、
前記第一のサーマルパッドに熱的に結合する第一のサーマルインターフェース構造を設けることと、
第二のサーマルパッドに熱的に結合する第二のサーマルインターフェース構造を設けることと、を含む、半導体デバイスの冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年7月21日に出願された仮特許出願第63/391,264号の優先権を主張するものであり、その開示全体が参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体デバイスに関する。より具体的には、本開示は、半導体デバイスを冷却するための冷却装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高電力半導体デバイス、例えばパワートランジスタは、動作中に大量の熱を発生させる可能性があるため、熱管理は半導体デバイスの集積化において不可欠な問題である。効率的な冷却装置により、より多くの半導体デバイスをプリント回路基板(PCB)の一部として集積化できるようになる。
【0004】
半導体デバイスによって発生した熱を放散するために、PCBのトップ面上に実装される半導体デバイスのトップ面にヒートシンクが取り付けられる。しかし、この従来の方法では、PCBに集積化できる半導体デバイスの数が制限される。PCBのトップ面上に実装される半導体デバイスの数が増えると、PCBが変形、屈曲、または破損する可能性がある。あるいは、半導体デバイスの底面を通じて熱が放散される設計では、PCBに関連する高い熱抵抗の影響を受ける。
【0005】
したがって、PCBに取り付けられた半導体デバイスを冷却するための改良された装置が必要とされている。
【0006】
本明細書に提供される背景技術の項目は、概ね本開示の内容を示すことを目的としている。本明細書で特に指示しない限り、このセクションに記載されている材料は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることによって先行技術であるとは認められない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、半導体デバイスを冷却するための冷却装置および方法に関し、冷却装置は、プリント回路基板のトップ面および底面上に配置される。一態様では、開示の冷却装置は、プリント回路基板(PCB)と、第一のサーマルパッドを備え、かつPCBのトップ面上に実装された第一の半導体デバイスと、第二のサーマルパッドを備え、かつPCBの底面上に実装された第二の半導体デバイスと、第一のヒートシンクと、第一のサーマルパッドと第一のヒートシンクとの間に熱的に結合された第一のサーマルインターフェース構造と、第二のヒートシンクと、第二のサーマルパッドと第二のヒートシンクとの間に熱的に連結された第二のサーマルインターフェース構造と、を備える。
【0008】
一実施形態では、冷却装置は、第一のヒートシンク、プリント回路基板、および第二のヒートシンクを貫通して延在する複数の締結具をさらに備え、第一のヒートシンクを第一のサーマルインターフェース構造に当接し、かつ第二のヒートシンクを第二のサーマルインターフェース構造に当接する。
【0009】
一実施形態によれば、冷却装置の複数の締結具は、ばね式締結具である。
【0010】
別の実施形態では、冷却装置の第一のサーマルインターフェース構造は、第一のサーマルインターフェース層と、第二のサーマルインターフェース層と、第一のサーマルインターフェース層と第二のサーマルインターフェース層との間の第一の誘電体層とを備え、冷却装置の記第二のサーマルインターフェース構造は、第三のサーマルインターフェース層と、第四のサーマルインターフェース層と、第三のサーマルインターフェース層と第四のサーマルインターフェース層との間の第二の誘電体層とを備える。
【0011】
さらに別の実施形態では、第一の誘電体層および第二の誘電体層は、セラミックを含む。
【0012】
さらに別の実施形態によれば、第一のサーマルインターフェース層、第二のサーマルインターフェース層、第三のサーマルインターフェース層、および第四のサーマルインターフェース層は、銅、アルミニウム、はんだ、または焼結物を含む。
【0013】
一実施形態では、第一のサーマルインターフェース層は第一の誘電体層の底面の周辺部内に存在し、第二のサーマルインターフェース層は第一の誘電体層のトップ面の周辺部内に存在し、第三のサーマルインターフェース層は第二の誘電体層のトップ面の周辺部内に存在し、第四のサーマルインターフェース層は第二の誘電体層の底面の周辺部内に存在する。
【0014】
一実施形態では、第一のサーマルパッドは第一のサーマルインターフェース層の周辺部に存在し、第二のサーマルパッドは第三のサーマルインターフェース層の周辺部に存在する。
【0015】
一実施形態によれば、冷却装置は、プリント回路基板のトップ面上に第一の配線をさらに備え、第一の半導体デバイスの第一のリードフレームは、第一の配線、プリント回路基板のトップ面上の第二の配線に電気的かつ機械的に結合し、第一の半導体デバイスの第二のリードフレームは、第二の配線、プリント回路基板の底面上および第一の配線の下の第三の配線に電気的かつ機械的に結合し、第二の半導体デバイスの第一のリードフレームは、第三の配線、ならびにプリント回路基板の底面上および第二の配線の下の第四の配線に電気的かつ機械的に結合し、第二の半導体デバイスの第二のリードフレームは、第四の配線に電気的かつ機械的に結合する。
【0016】
一実施形態では、冷却装置は、第一の配線の一部の上に延在する第一のバスバーと、第二の配線の一部の上に延在する第二のバスバーと、第三の配線の一部の上に延在する第三のバスバーと、第四の配線の一部の上に延在する第四のバスバーとをさらに備える。
【0017】
別の実施形態によれば、冷却装置は、第一のバスバー、プリント回路基板、および第三のバスバーを貫通して延在し、第一のバスバーを第一の配線に当接し、かつ第三のバスバーを第三の回路に当接する、第一のバスバー締結具と、第二のバスバー、プリント回路基板、および第四のバスバーを貫通して延在し、第二のバスバーを第二の配線に当接し、かつ第四のバスバーを第四の配線に当接する、第二のバスバー締結具と、をさらに備える。
【0018】
さらに別の実施形態では、プリント回路基板は、第二の配線から第四の配線まで延在する第一の複数のビアをさらに備える。
【0019】
一実施形態によると、第一の半導体デバイスは第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、第二の半導体デバイスは第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、第一の半導体デバイスの第一のリードフレームは第一のドレイン端子であり、第一の半導体デバイスの第二のリードフレームは第一のソース端子であり、第二の半導体デバイスの第一のリードフレームは第二のソース端子であり、第二の半導体デバイスの第二のリードフレームは第二のドレイン端子であり、ハーフブリッジ回路接続を形成する。
【0020】
別の実施形態によると、第一の半導体デバイスは第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、第二の半導体デバイスは第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、第一の半導体デバイスの第一のリードフレームは第一のドレイン端子であり、第一の半導体デバイスの第二のリードフレームは第一のソース端子であり、第二の半導体デバイスの第一のリードフレームは第二のドレイン端子であり、第二の半導体デバイスの第二のリードフレームは共通ソース回路接続を形成する第二のソース端子である。
【0021】
一実施形態では、プリント回路基板は、第一の配線から第三の配線まで延在する第二の複数のビアをさらに備える。
【0022】
一実施形態によると、第一の半導体デバイスは、第一のソース端子および第一のドレイン端子を有するMOSFETであり、第二の半導体デバイスは、第二のソース端子および第二のドレイン端子を有するMOSFETであり、第一の半導体デバイスの第一のリードフレームは第一のドレイン端子であり、第一の半導体デバイスの第二のリードフレームは第一のソース端子であり、第二の半導体デバイスの第一のリードフレームは第二のドレイン端子であり、第二の半導体デバイスの第二のリードフレームは第二のソース端子であり、並列回路接続を形成する。
【0023】
別の態様では、前述の態様のいずれかを、個別にまたは一緒に、および/または本明細書に記載される様々な別個の態様および特徴を、さらなる利益のために組み合わせてもよい。本明細書に開示する様々な特徴および要素のいずれも、本明細書にこれと反対の指示がない限り、一つ以上の他の開示された特徴および要素と組み合わせることができる。
【0024】
当業者であれば、添付図面に関連して好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、本開示の範囲を理解し、その追加的な態様を悟るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0026】
図1A図1Aは、電気エネルギーを整流する、反転する、変換する、あるいは操作するために本開示のさまざまな実施形態で実行される例示的な回路トポロジーを例示する。
図1B図1Bは、電気エネルギーを整流する、反転する、変換する、あるいは操作するために本開示のさまざまな実施形態で実行される例示的な回路トポロジーを例示する。
図1C図1Cは、電気エネルギーを整流する、反転する、変換する、あるいは操作するために本開示のさまざまな実施形態で実行される例示的な回路トポロジーを例示する。
図2図2は、本開示の実施形態による冷却装置の断面図を示す。
図3図3は、本発明の別の実施形態による冷却装置の例示的な実施形態を例示する。
図4図4は、PCBのトップ面上に配置された第一の複数の半導体デバイスを備える冷却装置の上面図を例示する。
図5図5は、PCBのトップ面上に配置された第一のバスバーおよび第二のバスバーと、PCBの底面上に配置された第三のバスバーとを有する冷却装置の上面図を例示する。
図6図6は、第一の複数の半導体デバイスのトップ面上に配置された第一のヒートシンクを有する冷却装置の上面図を例示する。
図7図7は、第一の複数の半導体デバイスのトップ面上に配置された第一のヒートシンクを有する冷却装置の別の上面図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能にするために必要な情報を表し、実施形態を実践する最善モードを例示する。添付の図面に照らして以下の説明を読んだ後、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書に特に記載されていないこれらの概念の適用を認識するであろう。当然のことながら、これらの概念および適用は、本開示の範囲および付随する特許請求の範囲に含まれる。
【0028】
本明細書では、用語、第一、第二、等を使用して様々な要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、一つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第一の要素を第二の要素と呼ぶことができ、同様に、第二の要素を第一の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの一つ以上のあらゆるすべての組み合わせを含む。
【0029】
層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上へ」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上へ延在する、または介在する要素も存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上へ」延在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上に」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上に延在する、または介在する要素も存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上に」延在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。また、要素が別の要素に「連結」または「結合」していると呼ばれる場合、他の要素に直接連結もしくは結合する、または介在要素が存在することも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接連結している」または「直接結合している」と呼ばれる場合、介在要素は存在しない。
【0030】
図に示すように、一つの要素、層、または領域と別の要素、層、または領域との関係を記述するために、本明細書では、例えば「~より下」または「~より上」または「上の」または「下の」などの相対的用語が使用され得る。これらの用語および上述したものは、図に描写された配向に加えて、装置の異なる配向を包含することが意図されていることが理解される。
【0031】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のみに使用され、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別途明確に示されない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、「includes(含む)」、および/または「including(含む)」は、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはそのグループの存在または追加を妨げないことがさらに理解されるであろう。
【0032】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および学術用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0033】
本明細書では、本開示の実施形態の概略図を参照して実施形態を説明する。したがって、層および要素の実際の寸法は異なる可能性があり、例えば製造技術および/または公差の結果として、図の形状とは異なることが予想される。例えば、正方形または長方形として例示または説明されている領域は、丸いまたは湾曲した形体であることができ、直線として示されている領域には、多少の凹凸がある可能性がある。したがって、図に例示される領域は概略的なものであり、その形状はデバイスの領域の正確な形状を例示することを意図したものでもなく、本開示の範囲を限定することを意図したものでもない。さらに、構造または領域のサイズは、説明の目的で他の構造または領域と比較して誇張される場合があり、したがって、本主題の一般的な構造を説明するために提供されており、縮尺通りに描かれている場合もいない場合もある。図面間の共通の要素は、ここでは共通の要素番号で示されており、後で再度説明することはない。
【0034】
図1A~1Cは、電気エネルギーを整流する、反転する、変換する、あるいは操作するために本開示のさまざまな実施形態で実行される例示的な回路トポロジーを例示する。しかし、当業者であれば、本開示の実施形態が、図1A~1Cの回路トポロジーに限定されないことを理解するであろう。図1A図1Cに例示するように、それぞれ、ハーフブリッジ回路トポロジー100、並列トランジスタ接続回路トポロジー100’、共通ソース回路トポロジー100”は、第一のトランジスタおよび第二のトランジスタを備え、第一のトランジスタおよび第二のトランジスタは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)等のうちの一つであってもよい。図1A図1Cを参照して説明される、および本明細書の他の箇所でより詳細に説明される本開示のいくつかの実施形態では、第一のトランジスタおよび第二のトランジスタは、熱放散冷却装置を備えるプリント回路基板(PCB)のトップ面および底面上に配置されることができるパワーMOSFETデバイスである。
【0035】
それぞれ図1A図1Cにおいて、ハーフブリッジ回路トポロジー100、並列トランジスタ接続回路トポロジー100’、および共通ソース回路トポロジー100”の動作は当業者にはよく知られているため、説明を簡潔にするためにここでは説明しない。本明細書の他の箇所でより詳細に説明される本開示の様々な実施形態では、ハーフブリッジ回路トポロジー100、並列トランジスタ接続回路トポロジー100’、および共通ソース回路トポロジー100”のそれぞれは、図2および図3に例示するように、冷却装置200または200’に埋め込まれるPCBの一部として組み込まれる。
【0036】
まず図1Aを参照すると、ハーフブリッジ回路トポロジー100が例示されている。ハーフブリッジ回路トポロジー100は、第一のMOSFETデバイスM1を含むハイサイドとラベル付けされたハイサイドパワー半導体スイッチングデバイス、および第二のMOSFETデバイスM2を含むローサイドとラベル付けされたローサイドパワー半導体スイッチングデバイス、バルクコンデンサバンクDCリンクの形態の電源、ならびに正の直流(DC)バスバーDC+と負のDCバスバーDC-との間に電気的に結合されるデカップリングコンデンサCdを備える。第一のMOSFETデバイスM1は、第一のゲート端子G1、第一のソース端子S1、および第一のドレイン端子D1を備え、第二のMOSFETデバイスM2は、第二のゲート端子G2、第二のソース端子S2、および第二のドレイン端子D2を備える。示すように、第一のMOSFETデバイスM1の第一ドレイン端子D1は正のDCバスバーDC+に接続し、第二のMOSFETデバイスM2の第二ソース端子S2は負のDCバスバーDC-に接続し、第一のMOSFETデバイスM1の第一のソース端子S1は、第二のMOSFETデバイスM2の第二のドレイン端子D2に接続し、位相端子T1が接続する位相ノードN1を形成する。
【0037】
図1Bは、第一のMOSFETデバイスM1および第二のMOSFETデバイスM2が接続して共通ソースノードN3および共通ドレインノードN2を形成する並列トランジスタ接続回路トポロジー100’を示す。第一のMOSFETデバイスM1は、第一のゲート端子G1、第一のソース端子S1、および第一のドレイン端子D1を備え、第二のMOSFETデバイスM2は、第二のゲート端子G2、第二のソース端子S2、および第二のドレイン端子D2を備える。図1Bに示すように、第一のMOSFETデバイスM1の第一ドレイン端子D1および第二のMOSFETデバイスM2の第二ドレイン端子D2は電気的に接続されて、共通ドレインノードN2および共通ドレイン入出力端子T2を形成する。同様に、第一のMOSFETデバイスM1の第一のソース端子S1と第二のMOSFETデバイスM2の第二のソース端子S2は電気的に接続されて、共通ソースノードN3および共通ソース入出力端子T3を形成する。並列トランジスタ接続回路トポロジー100’は、個々のトランジスタが高電力用途で必要とされる大電流を流すことができない高電力用途で利用されることができる。
【0038】
図1Cは、共通ソース回路トポロジー100”を示す。例示するように、共通ソーストランジスタ回路トポロジー100”は、第一のゲート端子G1、第一のソース端子S1、および第一のドレイン端子D1を有する第一のMOSFET M1と、第二のゲート端子G2、第二のソース端子S2、および第二のドレイン端子D2を有する第二のMOSFET M2と、を備える。この構成では、第一のMOSFETデバイスM1の第一のソースS1および第二のMOSFETデバイスM2の第二のソースS2が電気的に接続されて共通ソースノードN4を形成する。さらに、第一のMOSFETデバイスM1の第一のドレインD1は上部入出力端子T4を形成し、第二のMOSFETデバイスM2の第二のドレインD2は下部入出力端子T5を形成する。上部入出力端子T4および下部入出力端子T5は、DC供給電圧を供給するように構成される電圧源(図示せず)と負荷との間に結合され、両方向の電流を遮断する機能を備えた双方向スイッチを形成し、オン状態電圧またはオフ状態電圧を提供する。
【0039】
図2は、本開示の実施形態による冷却装置200の断面図を示す。冷却装置200は、基材、例えば両面多層プリント回路基板(PCB)10、PCB10のトップ面上に表面実装された第一の半導体デバイス20、PCB10の底面上に表面実装された第二の半導体デバイス20’、第一のサーマルインターフェース構造30、第二のサーマルインターフェース構造30’、ならびに第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’上にそれぞれ配置された、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’を備える。一実施形態では、例示のように、第一のサーマルインターフェース構造30は、第一の半導体デバイス20のトップ面と第一のヒートシンク40との間に機械的かつ熱的に結合し、第二のサーマルインターフェース構造30’は、第二の半導体デバイス20’のトップ面と第二のヒートシンク40’との間に機械的かつ熱的に結合する。
【0040】
PCB10の平面軸に対して冷却装置200の対称的な構成は、より多くの半導体デバイスを単一のPCB上に実装することが可能になるので特に有利であり、そしてこれにより、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’のそれぞれの熱放散経路を設けながら、冷却装置200に関連する電力密度を増加させることができる。当業者であれば理解するように、二つの半導体デバイスのみが図2に示されるが、半導体デバイスの数は、本開示の一つまたは複数の実施形態に従って、用途または設計により異なる場合がある。
【0041】
ここでPCB10のトップ面を参照すると、第一の配線12Aおよび第二の配線12Bを含む複数の導電性配線は、ギャップ(すなわち、水平距離)が第一の配線12Aと第二の配線12Bとの間に形成されるようにPCB10のトップ面上に配置される。適用する場合、PCB10のトップ面上の第一の配線12Aと第二の配線12Bとの間のギャップにより、第一の半導体デバイス20は第一の配線12Aおよび第二の配線12Bの露出表面に電気的かつ機械的に結合することが可能になる。一般的に、正の直流(DC)バスバー(DC+)、負のDCバスバー(DC-)、または位相バスバーのうちの一つとして動作するように構成されるプレート状バスバーは、PCB10のトップ面および底面上に延在する。このように、第一のバスバー14Aは、PCB10の第一の縁部からPCB10のトップ面の第一の側上に延在し、PCB10のトップ面の第一の側上に配置された第一の配線12Aの一部を覆う。同様に、第二のバスバー14Bは、PCB10の第二の縁部から、PCB10のトップ面の第二の側上に延在し、PCB10のトップ面の第二の側上に配置された第二の配線12Bの一部を覆う。第一のバスバー14Aおよび第二のバスバー14Bのそれぞれは導電性であり、それぞれ第一の配線12Aおよび第二の配線12Bへの電気経路を形成する。さらに、第一のバスバー14Aおよび第二のバスバー14Bのそれぞれは、第一の配線12Aおよび第二の配線12Bへの電気経路のそれぞれに外部接続する外付けシャント接触面(図示せず)を備える場合がある。
【0042】
上述のPCB10のトップ面の構造を参照して説明した構成と同様の構成において、PCB10の底面は、第三の配線12Cと第四の配線12Dとの間にギャップ(すなわち、水平距離)が形成されるように、PCB10の底面上に配置された第三の配線12Cおよび第四の配線12Dを含む複数の導電性配線を備える。適用する場合、第三の配線12Cおよび第四の配線12Dは、PCB10の底面上に、それぞれ第一の配線12Aおよび第二の配線12Bの下に配置されてもよい。このように、PCB10のトップ面に関連して前述したように、第二の半導体デバイス20’は、ギャップを有する第三の配線12Cおよび第四の配線12Dの露出面に電気的かつ機械的に結合することができ、第二の半導体デバイス20’がPCB10のトップ面上に配置された第一の半導体デバイス20の下に配置される。さらに、第三のバスバー14Cは、PCB10の第一の縁部からPCB10の底面の第一の側上に延在し、PCB10の底面の第一の側上に配置された第三の配線12Cの一部を覆う。同様に、第四のバスバー14Dは、PCB10の第二の縁部からPCB10の底面の第二の側上に延在し、PCB10の底面の第二の側上に配置された第四の配線12Dの一部を覆う。第一のバスバー14Aおよび第二のバスバー14Bと同様に、第三のバスバー14Cおよび第四のバスバー14Dは導電性であり、それぞれ第三の配線12Cおよび第四の配線12Dへの電気経路を形成する。さらに、第三のバスバー14Cおよび第四のバスバー14Dのそれぞれは、第三の配線12Cおよび第四の配線12Dへの電気経路のそれぞれに外部接続を提供する外付けシャント接触面(図示せず)を備える場合がある。
【0043】
PCB10は、PCB10内に信号層16を形成するための複数の内部誘電体層および導電層(図示せず)をさらに備える。図2の一部として四つの信号層16のみが示されているが、信号層16の数は、本開示の一つまたは複数の実施形態による用途または設計により異なる場合があることに留意されたい。
【0044】
図2の構成と同様に、冷却装置200は、第一のバスバー締結具50および第二のバスバー締結具50’を備える複数の締結具をさらに備える。一実施形態では、第一のバスバー締結具50は、少なくとも第一のバスバー14A、PCB10、および第三のバスバー14Cを貫通して延在し、第一のバスバー14Aを第一の回路12Aに当接し、かつPCB10のトップ面上に保持し、第三のバスバー14Cを第三の回路12Cに当接し、かつPCB10の底面上に保持する。いくつかの実施形態では、第一のバスバー締結具50はまた、上に列挙したそれらの要素に加えて、第一の配線12Aおよび第三の配線12Cを貫通して延在することができる。第二のバスバー締結具50’は、少なくとも第二のバスバー14B、PCB10、および第四のバスバー14Dを貫通して延在し、第二のバスバー14Bを第二の配線12Bに当接し、かつPCB10のトップ面上に保持し、第四のバスバー14Dを第四の配線12Dに当接し、かつPCB10の底面上に保持することができる。第二のバスバー締結具50’はまた、上に列挙したそれらの要素に加えて、第二の配線12Bおよび第四の配線12Dを貫通して延在することができる。第一のバスバー締結具50および第二のバスバー締結具50’は非導電性である。あるいは、またはさらに、第一のバスバー締結具50および第二のバスバー締結具50’はそれぞれ、第一のバスバー14Aおよび第三のバスバー14C、第二のバスバー14Bおよび第四のバスバー14Dから電気的に絶縁されている。別の実施形態では、はんだ付け、焼結、ネジ取り付け、圧力クランプ、もしくはレーザー溶接、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない他の方法を用いて、PCB10のトップ面上に第一のバスバー14Aおよび第二のバスバー14Bを取り付け、PCB10の底面上に第三のバスバー14Cおよび第四のバスバー14Dを取り付ける。
【0045】
PCB10は、PCB10内で第二の配線12Bと第四の配線12Dとの間に垂直に延在する第一の複数のビア18Aをさらに備えることができる。このように、第二の配線12B、およびしたがって第二のバスバー14Bは、第四の配線12Dおよび第四のバスバー14Dに電気的に接続する。さらに、第一の複数のビア18Aは、特定の回路実装において必要とされる場合があるように、PCB10のトップ面上の第一の半導体デバイス20と、PCB10の底面上の第二の半導体デバイス20’とが共通ノードを形成することを可能にする。
【0046】
図2を再び参照すると、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’のそれぞれは、表面実装され、トップ面が冷却されることができる。第一の半導体デバイス20は、第一のデバイスパッケージ22のトップ面の一部を形成する第一のサーマルパッド24を有する第一のデバイスパッケージ22内に封入される第一の半導体ダイ(図示せず)を備える。第一の半導体デバイス20は、リフローはんだ付けまたは他の手段、例えば接着材を介して、それぞれ第一の配線12Aおよび第二の配線12Bに電気的かつ機械的に接続するように構成される少なくとも第一のリードフレーム26Aおよび第二のリードフレーム26Bをさらに備える。第一の半導体デバイス20のトップに圧力を加えると、第一のリードフレーム26Aおよび第二のリードフレーム26Bがばねとして機能する。このように、第一の半導体デバイス20はPCB10のトップ面に押し付けられる。これは、第一の半導体デバイス20および(以下の第二の半導体デバイス20’を参照してより詳細に開示されるのと同じ特徴を有する)第二の半導体デバイス20’のトップ面に圧力が加えられる冷却装置200を組み立てる場合に特に有用である可能性がある。
【0047】
第一の半導体デバイス20と同様に、第二の半導体デバイス20’は、第二のデバイスパッケージ22’のトップ面の一部を形成する第二のサーマルパッド24’を有する第二のデバイスパッケージ22’内に封入される第二の半導体ダイ(図示せず)を備える。第二の半導体デバイス20’は、リフローはんだ付けまたは他の手段、例えば接着材を介して、それぞれ第三の配線12Cおよび第四の配線12Dに電気的かつ機械的に接続するように構成される少なくとも第三のリードフレーム26A’および第四のリードフレーム26B’をさらに備える。第二の半導体デバイス20’のトップ上に圧力を加えることにより、第三のリードフレーム26A’および第四のリードフレーム26B’がばねとして作用し、第二の半導体デバイス20’をPCB10の底面に押し付ける。
【0048】
様々な実施形態では、第一のデバイスパッケージ22および第二のデバイスパッケージ22’は、プラスチックデュアルインライン集積回路パッケージ(PDIP)、スモールアウトライン集積回路(SOIC)、クアッドフラットパッケージ(QFP)、薄型QFP(TQFP)、小型シュリンクアウトラインプラスチックパッケージ(SSOP)、薄型SSOP(TSSOP)、薄型超小型アウトラインパッケージ(TVSOP)、または当業者によく知られている他の鉛含有パッケージのうちの一つであってもよい。別の実施形態では、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’はリードレスである。このような実施形態では、当業者は、ピングリッドアレイ(PGA)を形成するためのピン、ボールグリッドアレイ(BGA)を形成するためのはんだボール、ランドグリッドアレイ(LGA)を形成するためのパッド、またはクワッドフラットノーリード(QFN)アレイを含むがこれらに限定されない他の手段および構造により、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’がPCB10へ容易に実装および電気接続できることを理解するであろう。
【0049】
第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’は、個別のパワー半導体ダイを備えることができる。これには、例えば、パワースイッチ、整流器、インバーター、およびコンバーターで使用するための、PNダイオード、ショットキーダイオード、ジャンクションバリアショットキーダイオード(JBS)、マージ型PiNショットキーダイオード(MPS)、パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、静電誘導トランジスタ(SIT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)等を含むがこれらに限定されない単一または同様の電子部品のアレイが含まれる場合がある。動作中、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’は発熱する可能性がある。
【0050】
第一のサーマルパッド24および第二のサーマルパッド24’は、第一の半導体デバイス20の第一の半導体ダイおよび第二の半導体デバイス20’の第二の半導体ダイにそれぞれ直接的または間接的に熱的に結合する、熱伝導性および/または導電性のパッド、プレート、またはブロックであってもよい。第一のサーマルパッド24および第二のサーマルパッド24’のそれぞれは、最小表面積160mmおよび最大表面積600mmの正方形または長方形のトップ面を有する。動作中、第一の半導体ダイおよび第二の半導体ダイによって発生した熱が、外側に、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’のトップ面に向かってPCB10から離れる方向に放散するように、第一のサーマルパッド24および第二のサーマルパッド24’は、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’のトップ面上に露出領域が設けられるように構成される。
【0051】
ここで、冷却装置200の一部としての第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’を参照すると、第一のサーマルインターフェース構造30は、少なくとも一つの熱伝導性材料の層と少なくとも一つの電気絶縁材料の層とを有する多層構造であってもよい。第一のサーマルインターフェース構造30は、第一の半導体デバイス20のトップ面上の第一のサーマルパッド24と第一のヒートシンク40との間に連結される。このように、第一のサーマルインターフェース構造30により、第一の半導体デバイス20と第一のヒートシンク40との間に電気的に絶縁された熱放散経路が設けられる。
【0052】
図2に例示するように、第一のサーマルインターフェース構造30は、第一のサーマルインターフェース層34と第二のサーマルインターフェース層36との間に挟まれた第一の誘電体層32を備えることができる。第一のサーマルインターフェース層34は、第一の半導体デバイス20の第一のサーマルパッド24のトップ面と直接的または間接的に接触するか、またはその周辺部に存在してもよい。このように、第一のサーマルインターフェース層34により、第一の半導体デバイス20によって発生した熱がPCB10から離れる方向かつ第一のヒートシンク40に向かう方向に放散されるように、熱伝導経路が設けられる。第二のサーマルインターフェース層36は、第一のヒートシンク40の底面と直接的もしくは間接的に接触するか、またはその周辺部に存在してもよい。第一の誘電体層32は、第一のサーマルインターフェース層34と第二のサーマルインターフェース層36との間に配置され、その周辺部に存在して、第一のサーマルインターフェース層34と第二のサーマルインターフェース層36との間に熱伝導経路を設けることができ、かつ第一のサーマルインターフェース層34、したがって第一の半導体デバイス20を、第二のサーマルインターフェース層36、したがって第一のヒートシンク40から電気的に絶縁することができる。
【0053】
第一のサーマルインターフェース構造30と同様に、第二のサーマルインターフェース構造30’は、少なくとも一つの熱伝導性材料の層と少なくとも一つの電気絶縁材料の層とを有する多層構造であってもよい。第二のサーマルインターフェース構造30’は、第二の半導体デバイス20’のトップ面上の第二のサーマルパッド24’と第二のヒートシンク40’との間に連結され、その周辺部に存在してもよい。このように、第二のサーマルインターフェース構造30’により、第二の半導体デバイス20’と第二のヒートシンク40’との間に電気的に絶縁された熱放散経路が設けられる。
【0054】
第二のサーマルインターフェース構造30’は、第三のサーマルインターフェース層34’と第四のサーマルインターフェース層36’との間に挟まれた第二の誘電体層32’を備えることができる。第三のサーマルインターフェース層34’は、第二の半導体デバイス20’の第二のサーマルパッド24’のトップ面と直接的または間接的に接触するか、またはその周辺部に存在することができる。このように、第三のサーマルインターフェース層34’により、第二の半導体デバイス20’によって発生した熱がPCB10から離れる方向かつ第二のヒートシンク40’に向かう方向に放散されるように、熱伝導経路が設けられる。第四のサーマルインターフェース層36’は、第二のヒートシンク40’のトップ面と直接的または間接的に接触するか、またはその周辺部に存在してもよい。第二の誘電体層32’は、第三のサーマルインターフェース層34’と第四のサーマルインターフェース層36’との間に配置され、第三のサーマルインターフェース層34’と第四のサーマルインターフェース層36’との間に熱伝導経路を設け、かつ第三のサーマルインターフェース層34’、したがって第二の半導体デバイス20’を、第四のサーマルインターフェース層36’、したがって第二のヒートシンク40’から電気的に絶縁する。
【0055】
第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’は、多かれ少なかれ他の数のサーマルインターフェース層および/または誘電体層を使用できるように構成されることができることが理解されるであろう。さらに、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’の層の数、材料、形状、サイズ、厚さ、配置、ならびに取り付けおよび組み立て方法は、非限定的であり、冷却装置200の特定の構成に応じて変化することができることが理解されるであろう。
【0056】
一般的に、第一のサーマルインターフェース層34および第三のサーマルインターフェース層34’がそれぞれ第一のサーマルパッド24および第二のサーマルパッド24’の表面積より大きい表面積を有することが有利である。動作中、このようなより大きな表面積により最大の接触面が得られ、その結果、熱伝達効率の向上につながる。これに関して、溝、空隙、気泡、およびエアボイドが実質的に充填または除去される結合技術は、第一のサーマルインターフェース層34と第一のサーマルパッド24との間、および第三のサーマルインターフェース層34’と第二のサーマルパッド24’との間のそれぞれの熱伝達効率を改善するのにさらに有利である。したがって、第一のサーマルインターフェース層34および第三のサーマルインターフェース層34’は、5W/mK以上の熱伝導率を有する乾燥固体またはペーストまたはパテのうちの一つとすることができる。さらに、第一のサーマルインターフェース層34および第三のサーマルインターフェース層34’は、160mmの最小表面積および50μmの最小厚さを有することができる。第一のサーマルインターフェース層34および第三のサーマルインターフェース層34’の例示的な材料としては、銅、アルミニウム、はんだ、焼結物、または複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
第二のサーマルインターフェース層36および第四のサーマルインターフェース層36’のそれぞれは、それぞれ第一のヒートシンク40の底面および第二のヒートシンク40’のトップ面と直接的もしくは間接的に接触するか、またはそれらの周辺部に存在することができ、第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’から第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’への熱伝達のための熱移動経路が設けられる。第二のサーマルインターフェース層36および第四のサーマルインターフェース層36’は、最小表面積160mmおよび最小厚さ50μmを有する乾燥固体またはペーストまたはパテのうちの一つとすることができる。さらに、第二のサーマルインターフェース層36および第四のサーマルインターフェース層36’は熱伝導性であり、5W/mKの最小熱伝導率を有する。いくつかの実施形態では、第二のサーマルインターフェース層36および第四のサーマルインターフェース層36’は、第一のサーマルインターフェース層34および第三のサーマルインターフェース層34’よりも大きな表面積を有する。第二のサーマルインターフェース層36および第四のサーマルインターフェース層36’の例示的な材料としては、銅、アルミニウム、はんだ、焼結物、または複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’は、熱伝導性および電気絶縁性であり、酸化アルミニウム(AL)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ベリリウム(BeO)および窒化ケイ素(Si)を含むがこれらに限定されないポリマー、複合材料、またはセラミック材料を含んでもよい。動作中、第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’は、それぞれ、第一のサーマルインターフェース層34と第二のサーマルインターフェース層36との間、および第三のサーマルインターフェース層34’と第四のサーマルインターフェース層36’との間の熱膨張係数または温度の違いによって引き起こされる機械的応力を低減することによって、熱伝導経路、電気的絶縁、ならびに熱的および機械的安定性が得られる。
【0059】
一実施形態では、第一の誘電体層32は、第一のサーマルインターフェース層34および第二のサーマルインターフェース層36のそれぞれの最小表面積よりも大きい最小表面積を有する。第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’のそれぞれの縁部は、PCB10と実質的に平行に、またはPCB10と整列して、かつそれぞれ、第一のサーマルインターフェース層34および第二のサーマルインターフェース層36、ならびに第三のサーマルインターフェース層34’および第四のサーマルインターフェース層36’のそれぞれの縁部を越えて、横方向に延在することができる。このように、例えば、図2に示すように、第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’のそれぞれの縁部は、PCB10の第一の縁部および第二の縁部に向かって延在し、それぞれ、第一のサーマルインターフェース層34および第二のサーマルインターフェース層36、ならびに第三のサーマルインターフェース層34’および第四のサーマルインターフェース層36’の側縁部を超えて広がる(すなわち、越えて延在する)。この特徴の必要性は、電気的絶縁が問題となる場合に特に顕著である。すぐ上で論じたように、第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’を利用して、第一のサーマルインターフェース層34および第三のサーマルインターフェース層34’のそれぞれを電気的に絶縁し、したがって第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’を、それぞれ第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’から電気的に絶縁する。このように、第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’は、それぞれ第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’に対して空間距離および沿面距離を設けるのに十分に大きくなければならない。一実施形態では、第一の誘電体層32および第二の誘電体層32’のそれぞれは、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’に対して3.2mmの最小空間距離および5.6mmの最小沿面距離を設ける。
【0060】
さまざまな実施形態によれば、取り付け方法、例えば、ろう付け、接合、拡散接合、はんだ付け、または圧接、例えば、クランプもしくは締結を使用して、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30のさまざまな内層を連結することができる。当業者であれば、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’のそれぞれは、空隙、気泡、もしくは溝をさらに除去するか、または上記の中間層の結合表面上の欠陥を補修、パッチ処理し、修復するために、熱接着剤、サーマルペースト、もしくはさまざまなタイプのギャップパッド等をさらに備えてもよいことを理解するであろう。第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’の内層に関してすぐ上で論じた方法を適用して、第一の半導体デバイス20のトップ面と第一のヒートシンク40との間、および第二の半導体デバイス20’のトップ面と第二のヒートシンク40’との間に、それぞれ第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’を取り付けてもよい。さらに、同様の方法で、熱接着剤、熱ペースト、もしくはさまざまなタイプのギャップパッド等を使用して、空隙、気泡、もしくは溝をさらに除去するか、または上記の表面の結合表面上の欠陥を補修、パッチ処理および修復することができる。
【0061】
ここで図2の冷却装置200に戻ると、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’は、流体媒体、例えば、空気冷媒または液体冷却剤を使用して、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’を介して第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’から放散される熱を取り出すことができる。一実施形態では、アルミニウムまたは銅を含む固体金属シートは、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’のそれぞれの一部を形成し、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’が連結する表面を提供する。第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’はそれぞれ単一のユニット構造であってもよい。あるいは、またはそれに加えて、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’のそれぞれは、複数の相互接続されたユニットまたは個別のユニットであってもよい。しかし、例示された実施形態にかかわらず、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’の動作および構造は当業者にはよく知られており、したがって説明を簡潔にするためにここでは詳しくは説明しない。
【0062】
本明細書で使用する場合、第一のヒートシンク40の底面は、第一のサーマルインターフェース構造30の第二のサーマルインターフェース層36のトップ面と少なくとも部分的に直接的あるいは間接的に接触するか、またはその周辺部に存在してもよい。このようにして、第一の半導体デバイス20の半導体ダイによって発生した熱は、第一のデバイスパッケージ22の第一のサーマルパッド24によって回収され、第一のサーマルインターフェース構造30を通って、第一のヒートシンク40に向かって、PCB10から離れる方向に放散される。同様に、第二のヒートシンク40’のトップ面は、第二のサーマルインターフェース構造30’の第四のサーマルインターフェース層36’の底面と少なくとも部分的に直接的あるいは間接的に接触するか、またはその周囲に存在してもよい。このようにして、第二の半導体デバイス20’の半導体ダイによって発生した熱は、第二のデバイスパッケージ22’の第二のサーマルパッド24’によって回収され、第二のサーマルインターフェース構造30’を通って、第二のヒートシンク40’に向かって、PCB10から離れる方向に放散される。適用する場合、熱接着剤、熱ペースト、フィラーパッド等を含む充填剤(図示せず)を使用して、第一のサーマルインターフェース構造30のトップ面と第一のヒートシンク40との間、および第二のサーマルインターフェース構造30’の底面と第二のヒートシンク40’との間の溝を充填する、または空隙、気泡、およびエアボイドを除去することができる。
【0063】
図2の構成と同様に、冷却装置200はさらに、第一のばね式締結具60および第二のばね式締結具60’を備える。一般的に、第一のばね式締結具60は、第一のボルトヘッド62、第一のばね式キャップ64、第一の端部および第二の端部を有する第一のシャフト66、第一のスペーサー68A、および第二のスペーサー68Bを備える。示すように、第一のシャフト66は、PCB10の第一の側上に配置され、少なくとも第一のヒートシンク40、PCB10、および第二のヒートシンク40’を貫通して延在する。このように、第一のシャフト66の第一の端部は、第一のヒートシンク40が横方向の固定位置に保持されるように、第一のヒートシンク40上の第一のボルトヘッド62に連結する。第一のシャフト66の第二の端部は、第二のヒートシンク40’が横方向の固定位置に保持されるように、第二のヒートシンク40’の下で第一のばね式キャップ64に連結する。いくつかの実施形態では、第一のシャフト66がPCB10の第一の側を貫通して延在する際に、第一のシャフト66が第一のバスバー14Aおよび第三のバスバー14Cと接触しないように、第一のスペーサー68Aおよび第二のスペーサー68Bを用いて電気的に絶縁する。
【0064】
動作中、本明細書で後により詳細に開示されるように、第二のばね式締結具60’と関連して、第一のばね式キャップ64を締めて、第一のヒートシンク40、したがって第一のサーマルインターフェース構造30および第一の半導体デバイス20に下向きの圧力を加え、第二のヒートシンク40’、したがって第二のサーマルインターフェース構造30’および第二の半導体デバイス20’に上向きの圧力を加えることができる。
【0065】
第一のばね式締結具60と同様に、第二のばね式締結具60’は、第二のボルトヘッド62’、第二のばね式キャップ64’、第一の端部および第二の端部を有する第二のシャフト66’、第三のスペーサー68A’、および第四のスペーサー68B’を備える。第二のシャフト66’は、PCB10の第二の側上に配置され、少なくとも第一のヒートシンク40、PCB10、および第二のヒートシンク40’を貫通して延在する。このように、第二のシャフト66’の第一の端部は、第一のヒートシンク40が横方向の固定位置に保持されるように、第一のヒートシンク40上の第二のボルトヘッド62’に連結する。第二のシャフト66’の第二の端部は、第二のヒートシンク40’が横方向の固定位置に保持されるように、第二のヒートシンク40’の下で第二のばね式キャップ64’に連結する。いくつかの実施形態では、第三のスペーサー68A’および第四のスペーサー68B’を用いて、第二のシャフト66’がPCB10の第二の側を貫通して延在する際に、第二のシャフト66’が第二のバスバー14Bおよび第四のバスバー14Dと接触しないように電気的に絶縁する。あるいは、またはさらに、第一のばね式締結具60および第二のばね式締結具60’は、導電性ではない。
【0066】
さらに別の実施形態では、第一のスペーサー68Aおよび第三のスペーサー68A’を用いて、第一のヒートシンク40によって引き起こされる可能性がある過剰な下向きの圧力を除去することによって、第一のサーマルインターフェース構造30の層の厚さを調整することができる。このように、第一のスペーサー68Aおよび第三のスペーサー68A’は、第一のサーマルインターフェース構造30の層が所望のおよび所定の厚さで硬化および固化するように、PCB10のトップ面と第一のヒートシンク40との間に所望のおよび所定の距離を維持する。第一のスペーサー68Aおよび第三のスペーサー68A’をさらに利用して、PCB10のトップ面上に第一のヒートシンク40を保持するための機械的支持体を設け、組み立て中に第一のヒートシンク40が意図せず傾くのを妨げることができる。同様に、第二のスペーサー68Bおよび第四のスペーサー68B’を用いて、第二のヒートシンク40’によって引き起こされる過剰な上向き圧力を除去することによって、第二のサーマルインターフェース構造30’の層の厚さを調整することができる。このように、第二のスペーサー68Bおよび第四のスペーサー68B’は、第二のサーマルインターフェース構造30’の層が所望のおよび所定の厚さで硬化および固化するように、PCB10の底面と第二のヒートシンク40’との間に所望のおよび所定の距離を維持する。第二のスペーサー68Bおよび第四のスペーサー68B’をさらに利用して、PCB10の底面上に第二のヒートシンク40’を保持するための機械的支持体を設け、組み立て中に第二のヒートシンク40’が意図せず傾くのを妨げることができる。
【0067】
動作中、第二のばね式キャップ64’を締めて、第一のヒートシンク40、したがって第一のサーマルインターフェース構造30および第一の半導体デバイス20に下向きの圧力を加え、第二のヒートシンク40’、したがって第二のサーマルインターフェース構造30’および第二の半導体デバイス20’に上向きの圧力を加えることができる。PCB10の第一の側に第一のばね式締結具60によって加えられる圧力と併せて、PCB10の第二の側にかかるこのような圧力により、冷却装置200は、ばね式機構によって提供される垂直方向の位置合わせにある程度の柔軟性を備える単一で特異な構造を形成することができる。当業者には理解されるように、他の手段、例えば、シーラント、エポキシ、はんだ、または他の種類の締結具(例えば、ねじもしくはリベット)を、第一のばね式締結具60および第二のばね式締結具60’と組み合わせて実装して、所望のアセンブリを得ることができる。
【0068】
二つのばね式締結具60および60’のみを示してあるが、本開示の範囲はこれに限定されないことを理解されたい。別の実施形態では、第一のばね式締結具60および第二のばね式締結具60’を含むばね式締結具の数、位置、および加えられる圧力は、PCB10のトップ面および底面上に配置される半導体デバイスの数に応じて、所望の実装圧力を確保するように調整される。
【0069】
これは、電力用途で使用される発熱するパワー半導体デバイスを冷却するための組み立て方法を提供するという点で特に有利である。これに関して、第一のヒートシンク40、第一のサーマルインターフェース構造30、第一の半導体デバイス20、PCB10、第二の半導体デバイス20’、第二のサーマルインターフェース構造30’、および第二のヒートシンク40’は、PCB10のトップ面および底面上に、互いに対称的に機械的に結合され、固定され、保持される。冷却装置200の構造の対称性により、垂直方向の力が均一に分散されてPCB10の屈曲または反りが防止される。さらに、冷却装置200は、PCB10の所定の表面積に対する電力密度を二倍にし、PCB10の片側のみに半導体デバイスが実装されている従来の冷却装置によくあることであるPCB10の反りも屈曲も生じることなく、より高い電力レベルに適応し、より多くの半導体デバイスを備えるように容易に拡張することができるという点で、特に有用である。
【0070】
例示的な実施形態では、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’は、個別のパワーMOSFETデバイスであり、それぞれがゲート端子、ソース端子、およびドレイン端子を備える三つの端子を有する。同じ実施形態では、冷却装置200は、図1Aに関して説明したハーフブリッジ回路トポロジー100と本質的に同一である回路を組み立てるために利用される。あるいは、冷却装置200を利用して、図1Cで提供される共通ソース回路トポロジー100”と同一である回路を組み立てることもできる。
【0071】
ハーフブリッジ回路トポロジー100の場合、図1Aに例示するように、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’は、第一のMOSFETデバイスM1および第二のMOSFETデバイスM2を表す。この点において、第一のバスバー14Aおよび第三のバスバー14Cは、バルクコンデンサバンクDCリンク(図の簡略化のために、図2には示されていない)に接続する正のDCバスバーDC+および負のDCバスバーDC-にそれぞれ対応する。さらに、第一の半導体デバイス20の第一のリードフレーム26Aおよび第二のリードフレーム26Bは、それぞれ、第一のMOSFETデバイスM1の第一のドレイン端子D1および第一のソース端子S1に相当する。一方、第二の半導体デバイス20’の第三のリードフレーム26A’および第四のリードフレーム26B’は、それぞれ、第二のMOSFET M2の第二のソース端子S2および第二のドレイン端子D2を表す。第一のMOSFET M1の第一のゲート端子G1および第二のMOSFET M2の第二のゲート端子G2は、図の簡略化のために図2には示されていないことに留意されたい。図2に示される回路アセンブリは、デカップリングコンデンサ、例えば、図1Aに示すようなデカップリングコンデンサCdを必要としないが、抵抗-コンデンサ(RC)スナバー(図示せず)を利用して、電磁干渉をさらに低減し、電磁両立性を高めることができる。あるいは、またはさらに、第一のバスバー14Aおよび第三のバスバー14Cは、PCB10の第一の側の端部まで延在する。(PCB10の厚さが薄いため)第一のバスバー14Aと第三のバスバー14Cとが近接していることにより、回路全体のパワーループインダクタンスが低減される。全体のパワーループインダクタンスを低減することにより、パワーMOSFETにわたる過剰な電圧リンギングおよび過電圧ストレスを引き起こすことなく、パワーMOSFETの高速スイッチング速度が可能となり、これにより開示されるようなハーフブリッジ回路トポロジー100に関連する効率および信頼性が向上する。
【0072】
図2に示すように、第一の複数のビア18Aを用いて、第二のバスバー14Bと第四のバスバー14Dを電気的に接続して、図1Aに例示するハーフブリッジ回路トポロジー100の位相ノードN1および位相端子T1を形成する。これに関して、位相端子T1は、ハイサイドパワー半導体スイッチングデバイス ハイサイドとローサイドパワー半導体スイッチングデバイス ローサイドとの間の中間ノード(すなわち、位相ノードN1)に接続し、その電圧電位は、第一のMOSFET M1および第二のMOSFETデバイスM2のスイッチング状態に従って変化する。
【0073】
動作中、DCリンクコンデンサ(図示せず)は、第一のバスバー14Aおよび第三のバスバー14Cを介してDC電圧の安定した供給を提供する。一方、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’は、冷却装置200のハーフブリッジ回路トポロジー100の第二のバスバー14Bおよび第四のバスバー14Dからの出力電力を調整する目的で、交互に導通モードに駆動される。第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’のそれぞれによって発生した熱は、第一のデバイスパッケージ22の第一のサーマルパッド24および第二のデバイスパッケージ22’の第二のサーマルパッド24’によって回収され、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’を通って、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’に向かって、かつPCB10から離れる方向に放散される。
【0074】
ここで、図1Cに例示される共通ソース回路トポロジー100”を参照する。第一の半導体デバイス20の第一のリードフレーム26Aおよび第二のリードフレーム26Bは、それぞれ、第一のMOSFETデバイスM1の第一のドレイン端子D1および第一のソース端子S1に相当する。第二の半導体デバイス20’の第三のリードフレーム26A’および第四のリードフレーム26B’は、それぞれ第二のMOSFET M2の第二のドレイン端子D2および第二のソース端子S2を表す。第一のMOSFET M1の第一のゲート端子G1および第二のMOSFET M2の第二のゲート端子G2は、図の簡略化のために図2には示されていないことに留意されたい。
【0075】
動作中、第一のMOSFETデバイスM1と第二のMOSFETデバイスM2は、図1Cに示すように共通ソースノードN4を形成するように接続される。このように、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’は、両方向の電流を遮断する能力を有するアクティブスイッチを提供することを目的とする双方向パワースイッチを形成する。これは、短絡および逆電圧等に対する効果的な保護のためにソリッドステートサーキットブレーカーとしてスイッチを必要とする用途で特に役立つ。一方、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’のそれぞれによって発生した熱は、第一のデバイスパッケージ22の第一のサーマルパッド24および第二のデバイスパッケージ22’の第二のサーマルパッド24’によって回収され、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’を通って、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’に向かって、かつPCB10から離れる方向に放散される。
【0076】
図3は、本発明の別の実施形態による冷却装置200’の例示的な実施形態を例示する。PCB10の第一の側内で垂直に延在し、第一の配線12A、したがって第一のバスバー14Aを、第三の配線12C、したがって第三のバスバー14Cに電気的に接続する第二の複数のビア18Bを備えることを除けば、冷却装置200’は、図2に示す冷却装置200と実質的に同様である。冷却装置200’は、図2を参照して説明したものと同じ参照符号を有する。
【0077】
例示的な実施形態では、冷却装置200’は、図1Bを参照して説明した並列トランジスタ接続回路トポロジー100’と本質的に同一である回路を組み立てるために利用される。このように、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’は、図1Bに例示する第一のMOSFETデバイスM1および第二のMOSFETデバイスM2を表す。さらに、第一の半導体デバイス20の第一のリードフレーム26Aおよび第二のリードフレーム26Bは、それぞれ第一のMOSFETデバイスM1の第一のドレイン端子D1および第一のソース端子S1に相当する。第二の半導体デバイス20’の第三のリードフレーム26A’および第四のリードフレーム26B’は、それぞれ第二のMOSFET M2の第二のドレイン端子D2および第二のソース端子S2を表す。第一のMOSFET M1の第一のゲート端子G1および第二のMOSFET M2の第二のゲート端子G2は、図の簡略化のために図3には示されていないことに留意されたい。
【0078】
示すように、第二のバスバー14Bおよび第四のバスバー14D、したがって第二のリードフレーム26Bおよび第四のリードフレーム26B’は、第一の複数のビア18Aを使用して電気的に接続され、図1Bに示すように共通ソースノードN3および共通ドレイン端子T3を表す。同様の方法で、第一のバスバー14Aおよび第三のバスバー14C、したがって第一のリードフレーム26Aおよび第三のリードフレーム26A’は、第二の複数のビア18Bを使用して電気的に接続され、図1Bに示すように共通ドレインノードN2および共通ドレイン端子T2を表す。さらに、第一のMOSFET M1の第一のゲート端子G1および第二のMOSFET M2の第二のゲート端子G2は、図の簡略化のために図3には示されていないことに留意されたい。
【0079】
この構成は、単一のトランジスタではデバイスの高電流の要件を満たすことができない特定の高電力用途で特に役立つ。このように、第一のMOSFETデバイスM1および第二のMOSFETデバイスM2を含む複数の個別のMOSFETデバイスが並列に接続され、第一のMOSFETデバイスM1と第二のMOSFETデバイスM2との間に大電流を分配するために使用され、これにより、複数のトランジスタのそれぞれに関連する動作温度および導通損失を低減し、より高い出力電力定格を提供することにつながる。
【0080】
動作中、高温につながる電力損失はシステムの性能に悪影響を及ぼす。したがって、冷却装置200’および冷却装置200’に関連する並列トランジスタ接続回路トポロジー100’は、PCB10の両側に組み立てられた並列トランジスタ(この場合はMOSFET)間に入力電流を分配し、PCB10の所定の表面積の電力密度を二倍にするだけでなく、第一の半導体デバイス20および第二の半導体デバイス20’のそれぞれによって発生する熱を、第一のデバイスパッケージ22の第一のサーマルパッド24および第二のデバイスパッケージ22’の第二のサーマルパッド24’から、第一のサーマルインターフェース構造30および第二のサーマルインターフェース構造30’を通って、第一のヒートシンク40および第二のヒートシンク40’に向かって、かつPCB10から離れる方向に放散させる。
【0081】
図4図7は、冷却装置200または200’の上面図を示す。これに関して、図4図7に例示される冷却装置200”および200’’’は、図2および図3を参照して説明した冷却装置200および200’と実質的に類似している。冷却装置200”および200’’’に関する図4~7に示すすべての要素は、特に明記しない限り、すでに説明された要素と同じ参照符号が付けられた図2および図3の要素に関連して、すでに説明されている。さらに、図4図7に示す第一の複数の半導体デバイス20”は、図2および図3に関連して示す第一の半導体デバイス20と同様のパッケージングを有する。したがって、開示を簡略化するために、冷却装置200”および200”の一部を形成する複数の第一の半導体デバイス20”には、第一の半導体デバイス20およびその構成要素に関連する同じ参照符号が付けられる。
【0082】
まず図4を参照すると、PCB10のトップ面上に配置された第一の複数の半導体デバイス20”を備える冷却装置200または200’(ここでは参照符号200”で示す)の上面図が示されている。冷却装置200”は、第一の配線12Aに電気的に結合する第一の複数のリードフレーム端子26A”および第二の配線12Bに電気的に結合する第二の複数のリードフレーム端子26B”を有するPCB10のトップ面上に配置された第一の複数の半導体デバイス20”を備える。一実施形態では、第一の複数の半導体デバイス20”は、第一の複数の半導体デバイス20”に関連する全体の電力レベルを高めるために並列接続されたMOSFETであってもよい。一実施形態では、第一の複数のリードフレーム端子26A”または第二の複数のリードフレーム端子26B”のうちの一つまたは複数は、第一のデバイスパッケージ22内に封入された第一のMOSFETデバイスM1のダイ(図示せず)の第一のゲート端子G1に電気的にボンディングワイヤ接続することができ、信号層16(図2の一部として示される)と接続するために、第一の配線12Aおよび第二の配線12Bから電気的に絶縁される。
【0083】
図5は、PCB10のトップ面上に配置される第一のバスバー14Aおよび第二のバスバー14B、ならびにPCB10の底面上に配置される第四のバスバー14Dを有する冷却装置200または200’(ここでは参照符号200”で示す)の上面図を例示する。実際には、第一、第二、および第三のバスバー締結具50、50’、50”の数は、バスバーをPCB10に保持するように構成され、大量生産のために減らすことができる。一実施形態では、第一、第二、および第三のバスバー締結具50、50’、50”は導電性ではない。さらに、第一、第二、および第三のバスバー締結具50、50’、50”の位置は、PCB10の表面全体に圧力を均一に分散するように調整されることができる。
【0084】
図6は、第一の複数の半導体デバイス20”のトップ面上に配置された第一のヒートシンク40を有する冷却装置200または200’(ここでは参照符号200”で示す)の上面図を例示する。示すように、第一のヒートシンク40は、複数のばね式締結具60、60’を使用してPCB10に連結する。第一のサーマルインターフェース構造30(図示せず)は、第一のヒートシンク40と第一の複数の半導体デバイス20”との間に配置される。さらに、図6に示される実施形態では、第一のヒートシンク40は、第一、第二、および第三のバスバー締結具50、50’、50”が利用可能な状態であるような幾何学的形状に構成される。
【0085】
図7は、冷却装置200または200’(ここでは参照符号200’’’で示す)の別の上面図を例示し、第一のヒートシンク40が第一の複数の半導体デバイス20”のトップ面上に配置される。この実施形態では、第一のヒートシンク40は、第一、第二、および第三のバスバー締結具50、50’、50”を利用できないような幾何学的形状に構成される。
【0086】
前述の態様のいずれか、および/または本明細書に記載される様々な別個の態様および特徴を、さらなる利点を得るために組み合わせてもよいことが考えられる。本明細書に開示する様々な実施形態のいずれも、本明細書に特に記載のない限り、一つまたは複数の他の開示された実施形態と組み合わせることができる。
【0087】
当業者であれば、本開示の好ましい実施形態に対する改善および変更を認識するであろう。こうしたすべての改善および変更は、本明細書に開示される概念および以下の特許請求の範囲内であると見なされる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】