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▶ ハウメディカ オステオニクス コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147599
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】リバースショルダーシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/40 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A61F2/40
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024106684
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2022520299の分割
【原出願日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】62/908,921
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516058229
【氏名又は名称】ハウメディカ オステオニクス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ,アレクサンダー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】スタンプ,デイビッド・アール
(72)【発明者】
【氏名】ノックス,ケビン・ピィ
(72)【発明者】
【氏名】ガボリ,ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】ダソンビル,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】デランサート,ピエリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リバースショルダープロテーゼのための装置及び方法を提供する。
【解決手段】本開示は、骨アンカーと結合されるように構成された関節アセンブリを対象とする。関節アセンブリは、第1の端部(281)及び第2の端部(282)を有し、関節面(293)が第1の端部にまたは第1の端部に隣接して配置された関節体(280)を含み得る。関節体は、関節体の第1の端部と第2の端部との間に配置された骨アンカー境界面(288)を含み得る。骨アンカー境界面は、関節体の円周面に形成された溝(284)、溝に配置された係止部材(253)、及び/または係止部材と関節体の第2の端部と間に配置された偏向可能な部分(254)を含み得る。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨アンカーと結合するように構成された関節構成要素であって、
第1の端部及び第2の端部を有する関節体と、
前記第1の端部にまたは前記第1の端部に隣接して配置される関節面と、
前記関節体の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された骨アンカー境界面であって、
前記関節構成要素を前記骨アンカーに固定するように構成された係止部材と、
前記関節体の前記第2の端部に配置された偏向可能な部分であって、偏向されたときに前記関節体の前記第2の端部から前記関節体の前記第1の端部に向けられる荷重を提供するために、上腕骨アンカーの表面によって円周方向に偏向されるように構成された、前記偏向可能な部分と
を備える、前記骨アンカー境界面と
を備える、前記関節構成要素。
【請求項2】
前記骨アンカー境界面が、前記関節体の円周面に形成された溝を備える、請求項1に記載の関節構成要素。
【請求項3】
前記係止部材が前記溝に配置される、請求項2に記載の関節構成要素。
【請求項4】
前記偏向可能な部分が、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部まで片持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを備える、先行請求項のいずれか1項に記載の関節構成要素。
【請求項5】
前記少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴をさらに備える、請求項4に記載の関節構成要素。
【請求項6】
前記偏向可能な部分が、その外周に配置されたテーパー面を備える、先行請求項のいずれか1項に記載の関節構成要素。
【請求項7】
前記関節体が、前記係止部材が前記骨アンカーと係合しているときに前記骨アンカーの縁を覆うように構成された横断面を備える、先行請求項のいずれか1項に記載の関節構成要素。
【請求項8】
前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記関節体の周辺に配置された回転制御ゾーンをさらに備える、先行請求項のいずれか1項に記載の関節構成要素。
【請求項9】
前記回転制御ゾーンが、第1の方向に配置された突起、及び第2の方向に配置されたくぼみを備える、請求項8に記載の関節構成要素。
【請求項10】
前記第1の方向が前記第2の方向を横切る、請求項9に記載の関節構成要素。
【請求項11】
前記突起が第1の突起であり、前記第1の突起の反対側に配置された第2の突起をさらに備える、請求項9または10に記載の関節構成要素。
【請求項12】
前記くぼみが第1のくぼみであり、前記第1のくぼみの反対側に配置された第2のくぼみをさらに備える、請求項9~11のいずれか1項に記載の関節構成要素。
【請求項13】
前記偏向可能な部分が、前記係止部材と前記関節体の前記第2の端部との間に配置される、先行請求項のいずれか1項に記載の関節構成要素。
【請求項14】
キットであって、
先行請求項のいずれか1項に記載の前記関節構成要素と、
骨アンカーの中に形成された骨アンカーくぼみを有する前記骨アンカーであって、前記骨アンカーくぼみが第1の端部から延び、骨係合外面が前記第1の端部から前記第1の端部の反対側の第2の端部まで延び、前記骨アンカーくぼみが、前記関節構成要素の前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分とを有する、前記骨アンカーと
を備える、前記キット。
【請求項15】
少なくとも前記第2の周辺部分で前記骨アンカーの前記骨アンカーくぼみを係合するように構成された第1の端部及び第2の端部を有するトレイをさらに備え、
前記トレイの前記第1の端部が、前記トレイに形成されたトレイくぼみを備え、前記トレイくぼみが、前記関節体の前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分とを有する、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
上腕骨アセンブリであって、
骨に固定されるように構成された上腕骨アンカーであって、前記上腕骨アンカーが第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるくぼみを備え、前記くぼみが前記上腕骨アンカーの前記第1の端部からアクセス可能であり、前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分及び前記第1の周辺部分に隣接する第2の周辺部分を備える、前記上腕骨アンカーと、
前記くぼみの中に挿入されて、その中で前記上腕骨アンカーに固定されるように構成された関節アセンブリであって、前記関節アセンブリは、その第1の端部にまたはその第1の端部に隣接して配置された関節面を有する関節体と、前記関節体の前記第1の端部と第2の端部との間に配置された上腕骨アンカー境界面とを含み、前記上腕骨アンカー境界面は、
前記関節体の円周面に形成された溝と、
前記溝に配置された係止部材と、
前記関節体の前記第2の端部に配置された偏向可能な突起と
を備える、
前記関節アセンブリと
を備え、
前記偏向可能な突起が、前記くぼみの前記第2の周辺部分に配置され、そのように配置されるときに、円周方向に偏向されて、前記第2の周辺部分の表面に摩擦荷重を提供し、前記係止部材と前記第1の周辺部分の表面との間に荷重を提供するように構成される、
前記上腕骨アセンブリ。
【請求項17】
前記係止部材がCリングを備える、請求項16に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項18】
前記偏向可能な突起が、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部まで片持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを備える、請求項16または17に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴をさらに備える、請求項18に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項20】
前記偏向可能な突起が、その外周に配置されたテーパー面を備える、請求項16~18のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項21】
前記偏向可能な突起が4つのセクションを備え、前記4つのセクションのそれぞれが、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部までを支える片持ち梁を備える、請求項18に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項22】
前記偏向可能な突起が、前記関節体の中心線に沿って止まり穴を備える、請求項16~21のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項23】
前記係止部材が前記上腕骨アンカーの前記くぼみの前記第1の周辺部分を係合する前に、前記偏向可能な突起が前記第2の周辺部分を取り囲む表面を係合するように構成される、請求項16~22のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項24】
前記上腕骨アンカーがステムレス中心部を備える、請求項16~23のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項25】
前記上腕骨アンカーがステム付きアンカーを備える、請求項16~23のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項26】
前記上腕骨アンカーが、切除された上腕骨に挿入されるように構成された第1の部分、及び前記第1の部分と結合するように構成された第2の部分を備え、
前記くぼみが前記第2の部分に形成される、請求項16~25のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項27】
前記第2の部分が、前記関節アセンブリを係合するように構成されたトレイを備える、請求項26に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項28】
前記上腕骨アンカー境界面に配置された突起及びくぼみの少なくとも1つが、前記骨アンカーの前記くぼみの前記第1の周辺部分に形成された突起またはくぼみと締まり嵌めを形成するように構成される、請求項16~27のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項29】
前記偏向可能な突起が、前記係止部材と、前記関節体の前記第2の端部との間に配置される、請求項16~28のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項30】
骨アンカーと結合するように構成された関節アセンブリであって、
第1の端部及び第2の端部を有する関節体と、
前記第1の端部にまたは前記第1の端部に隣接して配置される関節面と、
前記関節体の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された骨アンカー境界面であって、
前記関節体の円周面に形成された溝と、
前記溝に配置された係止部材と、
前記関節体の前記第2の端部に配置された偏向可能な部分であって、前記骨アンカーの表面によって円周方向に偏向されるように構成され、荷重が、前記関節体の前記第2の端部から前記関節体の前記第1の端部に向けられる、前記偏向可能な部分と
を備える、前記骨アンカー境界面と
を備える、前記関節アセンブリ。
【請求項31】
前記偏向可能な部分が、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部まで片
持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを備える、請求項30に記載の関節アセンブリ。
【請求項32】
前記少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴をさらに備える、請求項31に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項33】
前記偏向可能な部分が、その外周に配置されたテーパー面を備える、請求項30~32のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
【請求項34】
前記関節体が、前記溝と前記関節体の前記第1の端部との間に配置された横断面を備え、
前記横断面が、前記係止部材が前記骨アンカーと係合しているときに前記骨アンカーの縁を覆うように構成される、請求項30~33のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
【請求項35】
前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記関節体の周辺に配置された回転制御ゾーンをさらに備える、請求項30~34のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
【請求項36】
前記回転制御ゾーンが、第1の方向に配置された突起、及び第2の方向に配置されたくぼみを備える、請求項35に記載の関節アセンブリ。
【請求項37】
前記第1の方向が前記第2の方向を横切る、請求項36に記載の関節アセンブリ。
【請求項38】
前記突起が第1の突起であり、前記第1の突起の反対側に配置された第2の突起をさらに備える、請求項35~37のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
【請求項39】
前記くぼみが第1のくぼみであり、前記第1のくぼみの反対側に配置された第2のくぼみをさらに備える、請求項35~38のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
【請求項40】
前記偏向可能な突起が、前記係止部材と、前記関節体の前記第2の端部との間に配置される、請求項35~39のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
【請求項41】
キットであって、
請求項30~40のいずれか1項に記載の前記関節アセンブリと、
骨アンカーの中に形成された骨アンカーくぼみを有する前記骨アンカーであって、前記骨アンカーくぼみが第1の端部から延び、骨係合外面が前記第1の端部から前記第1の端部の反対側の第2の端部まで延び、前記骨アンカーくぼみが、前記関節アセンブリの前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分、及び前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分を有する、前記骨アンカーと、
少なくとも前記第2の周辺部分で前記骨アンカーの前記骨アンカーくぼみを係合するように構成された第1の端部及び第2の端部を有するトレイと
を備え、
前記トレイの前記第1の端部が、前記トレイに形成されたトレイくぼみを備え、前記トレイくぼみが、前記関節アセンブリの前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分、及び前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分を有する、
前記キット。
【請求項42】
方法であって、
骨アンカーを患者の長骨の端部に配置することと、
関節アセンブリの第1の回転整合特徴を、くぼみに配置された第2の回転整合特徴と回転整合させることであって、前記くぼみが、前記骨アンカーに、または前記長骨の前記端部に配置された前記骨アンカーと結合されたトレイに形成される、前記回転整合させることと、
前記関節アセンブリの逆荷重突起が前記くぼみのテーパー面内に配置されるまで、前記関節アセンブリを前進させることと、
前記関節アセンブリの係止部材が前記関節アセンブリの関節体の中心部分に形成された溝内で偏向され、前記逆荷重突起が前記くぼみの前記テーパー面によって偏向されるまで前記関節アセンブリをさらに前進させることと、
前記関節アセンブリの前記係止部材が、前記骨アンカーの前記くぼみの周りに配置された溝と整合して、前記係止部材が前記関節体の前記溝と前記くぼみの周りに配置された前記溝との間の間隔をまたぐことが可能になるまで、前記関節アセンブリをさらに前進させることと
を含み、
前記逆荷重突起が前記くぼみの前記テーパー面によって偏向されるとき、前記係止部材が前記関節体の前記溝と前記くぼみの周りに配置された前記溝との間の前記間隔をまたいだ後に、前記逆荷重突起が、前記骨アンカーに対する前記関節アセンブリの動きを低減、最小化、または排除する、
前記方法。
【請求項43】
前記関節アセンブリの突起を、前記くぼみを取り囲む円周に形成された凹面と回転整合させることを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
さらに前進させることが、前記逆荷重突起のテーパー外面を前記くぼみのテーパー面と係合させて、前記逆荷重突起のセクションをその圧縮長穴を横切って互いに向かって移動させることを含む、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記関節アセンブリを、前記骨アンカーに形成されたくぼみと直接的に係合させることをさらに含む、請求項42~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
トレイを骨アンカーくぼみと係合させることをさらに含み、
前記トレイが、前記関節アセンブリを直接係合するように構成されたトレイくぼみを有する、請求項42~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
肩関節プロテーゼアセンブリであって、
骨に対して配置された骨係合側、及び前記骨係合側の反対側のアセンブリ側を有する金属体を備える骨アンカーであって、前記アセンブリ側が、取り付け領域の周囲に配置されたくぼみ、及び前記取り付け領域の周囲に配置された溝を備え、前記溝が第1の保持面を含む、前記骨アンカーと、
関節アセンブリであって、
前記取り付け領域に挿入されるように構成された第1の部分と、前記第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びるポリマー体であって、前記第2の部分が関節面を含む前記ポリマー体と、
係止部材であって、
少なくとも部分的に前記第1の部分の周りに配置された弓形部材であって、第2の保持面を備える前記弓形部材と、
前記弓形部材から延びる第1の端部と、前記弓形部材の半径方向内側に配置された第2の端部とを有する弾性体と
を備える前記係止部材と
を備える前記関節アセンブリと
を備え、
前記第2の保持面が、前記中心挿入軸に垂直に配置された平面に対して角度(α)で配置され、前記第2の保持面の第1の部分が、前記関節アセンブリが前記骨アンカーと係合しているときに、前記第1の保持面よりも、前記中心挿入軸の方向で前記関節面からより遠くに配置され、前記第2の保持面の第2の部分が、前記関節アセンブリが前記骨アンカーと係合しているときに、前記第1の保持面よりも前記中心挿入軸の前記方向で前記関節面のより近くに配置される、
前記肩関節プロテーゼ。
【請求項48】
前記角度(α)が0度より大きい、請求項47に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項49】
前記ポリマー体の前記第1の部分が、前記弾性体を1つの位置のみで受け入れるように構成された溝を備える、請求項47または48に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項50】
前記弾性体が、前記係止部材を中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、前記偏向力の除去時に前記係止部材を前記中心位置に向かって戻すために前記ひずみエネルギーを放出する、請求項47~49のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項51】
前記弾性体の前記第2の端部が前記ポリマー体に結合される、請求項47~50のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項52】
前記弓形部材の内周面または外周面が剛性低減特徴を備える、請求項47~51のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項53】
前記弾性体が、前記弓形部材の第1の端部から半径方向内側に延びる放射状部分、及び前記放射状部分から延びる弓形部分を備える、請求項47~52のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項54】
前記弓形部分が前記弓形部材と同心である、請求項53に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項55】
前記弓形部材が、前記弓形部材の前記第1の端部と前記弓形部材の前記第2の端部との間に間隔を画定する、請求項53または54に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項56】
前記弓形部分が前記間隔に重なる、請求項55に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項57】
前記係止部材が、少なくとも部分的に前記第1の部分の周りに配置された第2の弓形部材をさらに備える、請求項47~56のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項58】
前記弾性体が、前記弓形部材と前記第2の弓形部材との間に延びる、請求項57に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項59】
前記弾性体が、前記弾性体の前記第2の端部に基部を備え、
前記基部が、前記ポリマー体の前記第1の部分の前記くぼみに固定されるように構成される、請求項47~58のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項60】
前記弾性体が、前記基部から、別の端部の前記弓形部材の前記第1の端部まで延びる第
1の偏向可能な部材を備える、請求項59に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項61】
前記弾性体が、前記基部から前記第2の弓形部材に延びる第2の偏向可能な部材をさらに備える、請求項60に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項62】
前記係止部材が、前記弓形部材から延びる第1の端部、及び前記弓形部材の半径方向内側に配置された第2の端部を有する少なくとも1つの弾性体を備え、
前記少なくとも1つの追加の弾性体が、前記弾性体から円周方向に離間される、請求項47~61のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項63】
前記少なくとも1つの追加の弾性体が2つの弾性体を備える、請求項62に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項64】
肩関節プロテーゼアセンブリであって、
骨に対して配置された骨係合側、及び前記骨係合側の反対側のアセンブリ側を有する金属体を備える骨アンカーであって、前記アセンブリ側が、取り付け領域の周囲に配置されたくぼみ、及び前記取り付け領域の周囲に配置された溝を備え、前記溝が第1の保持面を含む、前記骨アンカーと、
関節アセンブリであって、
前記取り付け領域に挿入されるように構成された第1の部分と、前記第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びるポリマー体であって、前記第2の部分が関節面を含む前記ポリマー体と、
係止部材であって、
前記第1の部分の周りに配置された弓形部材と、
前記弓形部材から延びる第1の端部と、前記弓形部材の半径方向内側に配置された前記第2の端部とを有する弾性体であって、前記弓形部材を前記中心挿入軸に対して中心に置くように構成された前記弾性体と
を備える前記係止部材と
を備える前記関節アセンブリと
を備える、前記肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項65】
前記弾性体の前記第2の端部にロケータ本体をさらに備え、前記ロケータ本体が、事前に定義された位置及び/または方向で前記ポリマー体を係合するように構成される、請求項64に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項66】
前記ポリマー体がくぼみを備え、前記ロケータ本体が前記中心挿入軸に対して1つの回転位置のみで前記くぼみに配置されるようにさらに構成される、請求項65に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項67】
前記弾性体の前記第2の端部が前記ポリマー体に結合される、請求項64~66のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項68】
前記弓形部材が、前記中心挿入軸に垂直な平面に対して鋭角で配置された平面に沿って配置された第2の保持面を備え、
前記第1の保持面が、前記係止部材が前記骨アンカーの前記溝と係合しているときに前記第2の保持面の内端と外端との間に配置される、請求項64~67のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項69】
前記弾性体が、前記係止部材を中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、前記偏向力の除去時に前記係止部材を前記中心位置に向かっ
て戻すために前記ひずみエネルギーを放出する、請求項64~68のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項70】
前記弓形部材の内周面または外周面が剛性低減特徴を備える、請求項64~69のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項71】
肩関節プロテーゼアセンブリであって、
骨アンカーに挿入されるように構成された第1の部分と、前記第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びるポリマー体であって、前記第2の部分が関節面を含む前記ポリマー体と、
前記第1の部分の周りに配置された弓形部材、及び前記弓形部材に結合された第1の端部と前記ポリマー体に結合された第2の端部とを有するロケータ本体を備える係止部材であって、前記ロケータ本体が、事前に定義された方向及び位置で前記ポリマー体のくぼみに受け入れられるように構成される、前記係止部材と
を備える、前記肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項72】
前記事前に定義された方向が、前記中心挿入軸に対して1回転位置である、請求項71に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項73】
前記事前に定義された位置が中心位置である、請求項71に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項74】
前記ロケータ本体が、前記係止部材の前記第1の端部を前記中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄えるように構成され、前記偏向力の除去時に前記係止部材を前記中心位置に向かって戻すために前記ひずみエネルギーを放出する、請求項71~73のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項75】
骨に対して配置された骨係合側、及び前記骨係合側の反対側のアセンブリ側を有する金属体を備える骨アンカーであって、前記アセンブリ側が、前記肩関節アセンブリの前記ポリマー体の前記第1の部分を受け入れるように構成された取り付け領域の周りに配置されたくぼみ、及び前記接続構成要素の前記弓形部材を受け入れるように構成された前記取り付け領域の周囲に配置された溝を備える、前記骨アンカー
をさらに備える、請求項71~74のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項76】
前記ロケータ本体が前記ポリマー体に結合される、請求項71~75のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【請求項77】
前記弓形部材の内周面または外周面が剛性低減特徴を備える、請求項71~76のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
任意の優先権出願への参照による組み込み
本出願は、2019年10月1日出願の米国仮出願第62/908921号の優先権利益を主張するものであり、この仮出願は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、リバースショルダープロテーゼのための装置及び方法に関する。
関節置換術は、肩関節の関節炎の治療のための標準治療である。典型的な解剖学的肩関節置換術は、解剖学的状態を模倣しようとする。金属製の上腕骨ステム及び上腕骨頭置換物が腕の上腕骨に取り付けられ、関節炎の肩関節の上腕側を置換する。このような上腕骨頭の置換は、生来の関節窩の凹みまたは反対側の関節窩リサーフェシングデバイスと関節結合を成すことができる。
【0003】
より重症の場合、リバース型再建を用いることができる。リバース型再建では、球形のデバイス(関節窩球と呼ばれることもある)を関節窩に固定し、関節窩球を受け入れることができる空洞を備えた上腕骨インプラントを移植することにより、肩関節の運動学を逆転させる。
【0004】
逆肩アセンブリにおける課題は、関節体が通常、低摩擦ポリマー及び金属の上腕骨アンカーから作られていることである。逆関節体に使用される金属及びポリマーは、異なる速度で摩耗する可能性がある。また、一般的なアセンブリでは、関節体とアンカーの間に意図しない分離が発生するリスクがある。したがって、肩プロテーゼの構成要素及びアセンブリの改善に対する継続的な必要性が残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
肩関節アセンブリの複数の部分を互いに接続するために使用される接続構成要素には、関節アセンブリの構成要素間の相対運動を防ぐなどの改善が必要である。
【0006】
本開示の特定の態様は、骨アンカーと結合されるように構成された関節構成要素を対象とする。関節構成要素は、第1の端部及び第2の端部を有する関節体を含み得る。関節面は、第1の端部にまたは第1の端部に隣接して配置され得る。骨アンカー境界面は、関節体の第1の端部と第2の端部との間に配置され得る。骨アンカー境界面は、関節構成要素を骨アンカー及び/または関節体の第2の端部に配置された偏向可能な部分に固定するように構成された係止部材を含み得る。偏向可能な部分は、偏向されたときに関節体の第2の端部から関節体の第1の端部に向けられる荷重を提供するために、上腕骨アンカーの表面によって円周方向に偏向されるように構成され得る。
【0007】
関節体は、係止部材が骨アンカーと係合しているときに骨アンカーの縁を覆うように構成された横断面を含み得る。
【0008】
骨アンカー境界面は、関節体の円周面に形成された溝を含み得る。係止部材は、溝に配置され得る。
【0009】
偏向可能な部分は、関節体の中心部分から関節体の第2の端部まで片持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを含み得る。偏向可能な部分は、少なくとも2つのセクシ
ョンのそれぞれの間に配置された圧縮長穴を含み得る。偏向可能な部分は、その外周に配置されたテーパー面を含み得る。偏向可能な部分は、係止部材と関節体の第2の端部との間に配置され得る。
【0010】
関節構成要素は、第1の端部と第2の端部との間の関節体の周辺に配置された回転制御ゾーンを含み得る。回転制御ゾーンは、第1の方向に配置された突起、及び第2の方向に配置されたくぼみを含み得る。第1の方向は第2の方向を横切ってよい。突起は第1の突起であり得、第1の突起の反対側に配置された第2の突起をさらに含み得る。くぼみは第1のくぼみであり得、第1のくぼみの反対側に配置された第2のくぼみをさらに含み得る。
【0011】
本明細書に記載の関節構成要素のいずれかはキットに含まれ得る。骨アンカーのくぼみがその中に形成された骨アンカーを含むキット。骨アンカーのくぼみは、第1の端部から延び得る。骨係合外面は、第1の端部から第1の端部の反対側の第2の端部まで延び得る。骨アンカーくぼみは、関節構成要素の係止部材を係合するように構成された第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、第1の周辺部分と第2の端部との間の第2の周辺部分とを含み得る。第2の周辺部分は、偏向可能な部分を係合するように構成され得る。任意選択で、キットは、少なくとも第2の周辺部分で骨アンカーの骨アンカーくぼみを係合するように構成された第1の端部及び第2の端部を有するトレイまたはスペーサーを含み得る。トレイの第1の端部は、その中に形成されたトレイのくぼみを含み得る。トレイくぼみは、関節構成要素の係止部材を係合するように構成された第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、第1の周辺部分と第2の端部との間の第2の周辺部分とを含み得る。第2の周辺部分は、偏向可能な部分を係合するように構成される。
【0012】
本開示の特定の態様は、上腕骨アセンブリを対象とする。上腕骨アセンブリは、上腕骨アンカー(例えば、ステム付きまたはステムレス)及び関節アセンブリを含み得る。上腕骨アンカーは、骨に固定されるように構成され得る。上腕骨アンカーは、第1の端部、第2の端部、及び第1の端部と第2の端部との間に延びるくぼみを含み得る。くぼみは、上腕骨アンカーの第1の端部からアクセス可能であり得、第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、第1の周辺部分と上腕骨アンカーの第2の端部との間の第2の周辺部分とを含み得る。関節アセンブリは、くぼみの中で上腕骨アンカーに固定されるためにくぼみに挿入されるように構成され得る。関節アセンブリは、その第1の端部にまたはその第1の端部に隣接して配置された関節面を有する関節体と、関節体の第1の端部と第2の端部との間に配置された上腕骨アンカー境界面とを含み得る。上腕骨アンカー境界面は、関節体の円周面に形成された溝、溝に配置された係止部材、及び/または係止部材(例えば、係止リングまたはCリング)と関節体の第2の端部との間に配置された偏向可能な突起を含み得る。
【0013】
偏向可能な突起は、くぼみの第2の周辺部分に配置され、そのように配置されたとき、第2の周辺部分の表面によって円周方向に偏向されるように、及び/または係止部材と第1の周辺部分の表面との間に荷重を提供するように構成され得る。上腕骨アンカーと関節アセンブリが互いに結合されると、係止部材が上腕骨アンカーのくぼみの第1の周辺部分を係合する前に、偏向可能な突起が第2の周辺部分を取り囲む表面を係合するように構成される。
【0014】
本開示の特定の態様は、骨アンカーと結合されるように構成された関節アセンブリを対象とする。関節アセンブリは、第1の端部及び第2の端部を有し、関節面が第1の端部にまたは第1の端部に隣接して配置された関節体を含み得る。関節体は、関節体の第1の端部と第2の端部との間に配置された骨アンカー境界面を含み得る。骨アンカー境界面は、関節体の円周面に形成された溝、溝に配置された係止部材、及び/または係止部材と関節
体の第2の端部と間に配置された偏向可能な部分を含み得る。偏向可能な部分は、上腕骨アンカーの表面によって円周方向に編向されるように、及び/または例えば円錐台形状に偏向されたときに関節体の第2の端部から関節体の第1の端部に向けられる荷重を提供するように構成され得る。
【0015】
関節体は、溝と関節体の第1の端部との間に配置された横断面を含み得る。横断面は、係止部材が上腕骨アンカーと係合しているときに上腕骨アンカーの縁を覆うように構成され得る。
【0016】
関節体は、第1の端部と第2の端部との間の関節体の周辺に配置された回転制御ゾーンを含み得る。回転制御ゾーンは、第1の方向に配置された少なくとも1つの突起と、第2の方向に配置された少なくとも1つのくぼみとを含む。第1の方向は、第2の方向を横断してよい。
【0017】
偏向可能な部分は、その外周に配置されたテーパー面を含み得る。いくつかの構成では、偏向可能な突起は、関節体の中心線に沿った止まり穴を含む。いくつかの構成では、偏向可能な部分は、少なくとも2つのセクション、例えば関節体の中心部分から関節体の第2の端部まで片持ち梁で支えられた4つのセクションを含み得る。偏向可能な部分はまた、少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴を含み得る。
【0018】
本明細書に説明される関節アセンブリのいずれかは、キットの一部を形成し得る。キットは、骨アンカーくぼみがその中に形成された骨アンカーを含み得る。骨アンカーのくぼみは、第1の端部から延びる。骨係合外面は、第1の端部から第1の端部の反対側の第2の端部まで延びる。骨アンカーくぼみは、関節アセンブリの係止部材を係合するように構成された第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、第1の周辺部分と第2の端部との間の第2の周辺部分とを有し得る。第2の周辺部分は、間接アセンブリの偏向可能な部分を係合するように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも第2の周辺部分で骨アンカーの骨アンカーくぼみを係合するように構成された第1の端部及び第2の端部を有するトレイを含み得る。トレイの第1の端部は、その中に形成されたトレイのくぼみを含み得る。トレイくぼみは、関節アセンブリの係止部材を係合するように構成された第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、第1の周辺部分と第2の端部との間の第2の周辺部分とを含み得る。第2の周辺部分は、偏向可能な部分を係合するように構成され得る。
【0020】
使用中、骨アンカーは、患者の長骨の端部に配置され得る。関節アセンブリは、関節アセンブリの第1の回転整合特徴(例えば、突起または凹面)を、くぼみに配置された第2の回転整合特徴(例えば、第1の回転整合特徴のネガ)と回転整合させることによって、骨アンカーと回転整合し得る。くぼみは、骨アンカー、または長骨の端に配置された骨アンカーと結合されたトレイに形成され得る。関節アセンブリは、逆荷重突起がくぼみのテーパー面内に配置されるまで、骨アンカーの中に前進し得る。例えば、関節アセンブリは、逆荷重突起のテーパー外面がくぼみのテーパー面と係合して、逆荷重突起のセクションをその圧縮長穴を横切って互いに向かって移動させるまで前進し得る。関節アセンブリは、関節アセンブリの係止部材が関節本体の中心部分に形成された溝内で偏向されるまでさらに前進し得る。関節アセンブリは、関節アセンブリの係止部材が、骨アンカーのくぼみの周りに配置された溝と整合して、係止部材が関節体の溝とくぼみの周りに配置された溝との間の間隔をまたぐことが可能になるまで、さらに前進し得る。逆荷重突起がくぼみのテーパー面によって偏向されるとき、係止部材が関節体の溝とくぼみの周りに配置された溝との間の間隔をまたいだ後に、逆荷重突起は、骨アンカーに対する関節アセンブリの動きを低減、最小化、または排除する。
【0021】
本開示の特定の態様は、骨アンカー及び関節アセンブリを含む肩関節プロテーゼアセンブリを対象とする。骨アンカーは金属体を含み得、関節アセンブリはポリマー体を含み得る。骨アンカーは、骨に対して配置された骨係合側と、骨係合側の反対側のアセンブリ側とを有する本体を含み得る。アセンブリ側は、取り付け領域の周りに配置されたくぼみ含み得る。取り付け領域は、取り付け領域の周囲に配置された溝を含み得る。溝は、第1の保持面を提供する。関節アセンブリは、本体部分及び係止部材を有する。本体は、取り付け領域に挿入されるように構成された第1の部分と、第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びる。第2の部分は、関節面を含む。
【0022】
係止部材を備えたアセンブリでは、係止部材は、関節体の第1の部分の周りに配置された弓形部材を含み得る。弓形部材は、第2の保持面を有する。第2の保持面は、中心挿入軸に垂直に配置された平面に対してある角度、例えば鋭角で配置され得る。第2の保持面の第1の部分は、関節アセンブリが骨アンカーと係合しているときに、第1の保持面よりも中心挿入軸の方向で関節面からより遠くに配置され得る。第2の保持面の第2の部分は、関節アセンブリが骨アンカーと係合しているときに、第1の保持面よりも中心挿入軸の方向で関節面のより近くに配置され得る。第1の保持面は、係止部材が骨アンカーの溝を係合するときに、第2の保持面の内端と外端との間に配置され得る。
【0023】
係止部材はまた、弾性体を含み得る。弾性体の第1の端部は、弓形部材の第1の端部から延び得る。弾性体の第2の端部は、ポリマー体と接触し得る、またはポリマー体を係合し得る。本体部分の第1の部分は、1つの位置でのみ弾性体を受け入れるように構成されたくぼみを含み得る。弾性体は、弓形部材を中心挿入軸に対して中心に置くように構成され得る。例えば、弾性体は、係止部材の第1の端部を中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、偏向力の除去時に係止部材を中心位置に向かって戻すためにひずみエネルギーを放出する。
【0024】
本開示の特定の態様は、骨アンカー及び関節アセンブリを含む肩関節プロテーゼアセンブリを対象とする。骨アンカーは金属体を含み得、関節アセンブリはポリマー体を含み得る。骨アンカーは、骨に対して配置された骨係合側、及び骨係合側の反対側のアセンブリ側を含み得る。アセンブリ側は、取り付け領域の周りに配置されたくぼみを含み得る。取り付け領域は、取り付け領域の周囲に配置された溝を含み得る。溝は、第1の保持面を含む。関節アセンブリは、本体部分及び係止部材を含み得る。本体部分は、取り付け領域に挿入されるように構成された第1の部分と、第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びる。第2の部分は、関節面を含む。
【0025】
本開示の特定の態様は、本体部分、例えば、ポリマー体部分、及び係止部材を含む関節部分を対象とする。本体部分は、骨アンカーに挿入されるように構成された第1の部分と、第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びる。第2の部分は、関節面を含む。係止部材は、第1の部分の周りに配置された弓形部材と、弓形部材に結合された第1の端部とポリマー体に結合された第2の端部とを有するロケータ本体とを含み得る。ロケータ本体は、事前定義された方向及び/または位置で本体部分のくぼみに受け入れられるように構成される。
【0026】
本明細書に開示される任意の特徴、構造、またはステップは、本明細書に開示される他の任意の特徴、構造、またはステップに置き換える、もしくはそれらと結合する、または省略することができる。さらに、本開示を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点、及び特徴が本明細書に説明されている。いずれかのまたは全てのそのような利点が、本明細書に開示される本発明のいずれかの特定の実施形態に従って必ずしも達成されるわけではないことを理解されたい。この開示の個々の態様は、必須または必須ではない。
【0027】
これらの、及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を参照して以下に説明されるが、これらは例示の目的で意図されており、実施形態の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。さらに、異なる開示される実施形態の様々な特徴が、本開示の一部である追加の実施形態を形成するよう組み合わされてもよい。図面において、同様の参照文字は、同様の実施形態を通して一貫して対応する特徴を示す。以下は、図面のそれぞれの簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】肩関節におけるリバース型全肩関節置換術システムを示しており、システムは、上腕骨ステム付きアンカーを含む。
図2】関節置換術キットを含む肩関節置換術システムの概略図を示し、これは、解剖学的関節置換術またはリバース型関節置換術を実行する際に、解剖学的関節置換術からリバース型関節置換術、またはリバース型関節置換術から解剖学的関節置換術のうちの1つから変換する際に使用できる。
図3A】関節アセンブリの例を示す。
図3B図3Aの関節アセンブリの断面図を示し、断面は線3B-3Bに沿って取られている。
図3C図3Aの関節アセンブリの底面斜視図を示す。
図3D】角度のある内側縁または側面を有する非対称の関節体構成を備えた関節アセンブリを示す。
図3E図3Dの関節アセンブリの断面図を示し、断面は線3E-3Eに沿って取られている。
図3F】代替の上腕骨アンカー境界面を有する関節アセンブリを示す。
図3G図3Eの関節アセンブリの断面図を示し、断面は、アセンブリの中心を通る内側-外側方向に広がっている。
図4A】関節アセンブリを挿入する前の、図2のシステムからの上腕骨アンカー及び関節アセンブリの斜視図であり、これらの構成要素の係合特徴を示している。
図4B】関節アセンブリが挿入された後の図4Aの上腕骨アンカー及び関節アセンブリを示す。
図4C図4Bの上腕骨アセンブリの断面図を示し、断面は、断面平面4C~4Cでの逆関節アセンブリの挿入方向を横切るように取られている。
図4D図4Bの組み付けられた上腕骨アセンブリの上面図を示す。
図4E図4Dの上腕骨アンカーの部分アセンブリ及び関節アセンブリの断面図を示し、断面は線4E、4F~4E、4Fに沿って取られている。
図4F図4Dの関節アセンブリの断面図を示し、断面は線4E、4F~4E、4Fに沿って取られている。
図5A】ステム付き上腕骨アンカー、トレイ、及び関節アセンブリを含む上腕骨アセンブリを示す。
図5B図5Aの上腕骨アセンブリのトレイを示す。
図6A】関節アセンブリの例を示す。
図6B図6Aの関節アセンブリの底面図を示す。
図6C図6Aの関節アセンブリの係止部材を示す。
図6D】関節アセンブリを挿入する前の図6Aのシステムからの上腕骨アンカー及び関節アセンブリの斜視図であり、これらの構成要素の係合特徴を示す。
図6E図6Dに示される上腕骨アンカーと関節アセンブリとの間の接続の部分的な拡大断面を示す。
図6F図6Dに示される上腕骨アンカーと関節アセンブリとの間の接続の部分的な拡大断面を示す。
図6G図6Dに示される上腕骨アンカーと関節アセンブリとの間の接続の部分的な拡大断面を示す。
図7】関節アセンブリの別の例を示す。
図8A】係止部材の別の例を示している。
図8B図8Aに示される係止部材の変形例を示す。
図9A】関節アセンブリ及び骨折ステムの別の例を示す。
図9B図9Aの関節アセンブリの底面斜視図を示す。
図10A】関節アセンブリの別の例を示す。
図10B】アンカーに結合された図10Aの関節アセンブリの部分断面を示す。
図11】関節アセンブリの別の例を示す。
図12】関節アセンブリの別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願は、様々な例において、新規性かつ進歩性を有する肩インプラントを対象とする。肩インプラントは、半人工肩関節置換術システム及び全人工肩関節置換術システムの一部となることができる。図1は、上腕骨Hが凹状の関節面85を有する関節体84に取り付けられる、リバース方式を示す。肩甲骨の関節窩領域には、一般にグレノスフィア87と呼ばれる(関節窩球体と呼ばれることもある)球形の関節体が取り付けられている。この場合、凹状の関節面85は、肩甲骨に対して固定されているグレノスフィア87の上腕骨関節上に配置される。リバース関節体84は、リバース上腕骨関節体84と、上腕骨Hに外科的に埋め込まれたステム付きアンカー83との間に配置されたトレイ89に取り付けられる。上腕骨Hは、上腕骨Hの骨髄管へのアクセスを提供することによって準備される。
【0030】
I.共有インプラント構成要素を備えたシステム及びキット
図2は、様々な実施形態に従って、関節置換術キット100を含む全関節置換術システムの概略図を示し、これは、解剖学的関節置換術もしくはリバース型関節置換術を実行する際に、解剖学的関節置換術からリバース型関節置換術、もしくはリバース型関節置換術から解剖学的関節置換術のうちの1つから変換する際に使用できる。キット100は、1つまたは複数のステムレス上腕骨アンカー103、1つまたは複数のステム付き上腕骨アンカー113、及び1つまたは複数の関節構成要素161を含むことができる。ステムレス上腕骨アンカー103は、アンカー104の遠位部分105及び近位部分107に先細の外形を有することができる。図2に示されるアンカー103の遠位部分105は、遠位に延びる1つまたは複数のフィン109を有することができる。フィン109は、アンカー103を上腕骨に固定するように構成することができる。
【0031】
図2に示されるように、ステムレスアンカー103は、異なるサイズ、上腕骨への異なる程度の骨損傷などの患者に対応するために複数のサイズで提供することができる。いくつかの実施形態では、ステムレスアンカー103の横方向のサイズは、上腕骨の様々なサイズの切除に適合するように変化し得る。例えば、キット100は、複数のステムレスアンカー103A、103B、103C、103D...103nを含むことができ、nは様々なサイズの数である。図2には4つのサイズ(例えば、アンカー103A~103Dでn=4)が示されているが、他の実施形態では、キットは任意の適切な数のアンカーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ステムレスアンカー103A~103Dの長さl1はまた、治療される特定の患者に基づいて臨床医が選択する深さ分、上腕骨の中に延びるように変化し得る。さらに、アンカー103A~103Dは、異なるサイズの上腕骨に対応するために、フィン109の異なるフィン長さlfを有することができる。
【0032】
様々な実施形態では、アンカー103A~103Dのフィンの長さlfは、上腕骨に広範囲のアンカー強度を有益に提供し、異なるレベルの骨損傷を有する患者に対応するために、実質的に異なる場合がある。例えば、図2の配置では、第1のアンカー103Aは、
最短の全長l1及び最短のフィン全長lfを有することができる。第4のアンカー103Dは、最長の全長l1と最長のフィン全長lfを有することができる。様々な実施形態では、キット100の1つのアンカー103(例えば、最大のアンカー103)の全長l1と別のアンカー103(例えば、最小のアンカー103)の全長l1の比率は、1.15~2.5の範囲、1.18~2.5の範囲、1.2~2.5の範囲、1.2~2の範囲、1.2~1.8の範囲、1.2~1.6の範囲、1.3~1.6の範囲、または1.25~1.4の範囲である場合がある。
【0033】
キット100はまた、1つまたは複数のステム付き上腕骨アンカー113を含むことができる。キット100は、1つまたは複数の上腕骨ステム付きアンカー112を含むことができ、そのそれぞれは、近位骨幹端部分120及びそこから延びる細長い骨幹部分116を含む。骨幹部分116は、本明細書では、ステムまたはステム部分と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、キット100はまた、上腕骨Hの骨折を経験した患者に使用することができる外傷または骨折ステム付きアンカー140を含むことができる。ステム付き上腕骨アンカー113は、例えば、重度の骨量減少を経験した患者において、ステムレスアンカー103を上腕骨に適切に固定し得ない患者に使用し得る。外傷または骨折ステムは、上腕骨が1つまたは複数の部分に骨折した場合に使用し得る。ステムレスアンカー103と同様に、キット100は、複数の異なるサイズ、例えば、異なる横方向サイズ及び/または異なる長さlを有する上腕骨ステム付きアンカー113(本明細書ではステム付きアンカーと呼ばれることもある)を含むことができる。例えば、図2に示されるように、ステム付き上腕骨アンカー113は、ステムレスアンカー103の長さlよりも長いそれぞれの長さlを有することができる。有益なことに、キット100に異なるサイズのステム付きアンカー113を含めることにより、臨床医は、患者の骨のサイズ及び健康状態を考慮して、アンカー113の患者の中への安全な埋め込みを確実にするために、特定の患者に適切なサイズを選択することができる。様々な実施形態では、ステム付き上腕骨アンカーの長さlは、55mmから175mmの範囲にあり得る。対照的に、ステムレス上腕骨アンカー103のより短い長さlは、16mmから28mmの範囲にあり得る。様々な実施形態では、ステム付き上腕骨アンカー113、140は、追加の固定のために上腕骨Hの髄内管に到達するように構成することができる。
【0034】
有益なことに、キット100は、どちらのインプラント103または113が特定の患者の上腕骨生体構造により適するであろうかに応じて、ステムレス上腕骨インプラント103またはステム付き上腕骨インプラント113のどちらかと使用される1つまたは複数の共有上腕骨構成要素を含むことができる。例えば、キット100の共有上腕骨構成要素は、ステムレスインプラント103またはステム付きインプラント113のどちらかと併せて使用することができる複数の関節構成要素またはアセンブリ161を含むことができる。本明細書に説明されるように、ステムレス上腕骨アンカー103とステム付き上腕骨アンカー113の両方とも、ツール及び/または関節構成要素の同じセットと使用することができる共有係合特徴を含むことができる。例えば、本明細書に説明されるように、ステムレスアンカー103及びステム付きアンカー113は、関節構成要素の同じセットと係合するように構成された凸状及び凹状の係止特徴を含むことができる。
【0035】
例えば、キット100は、ステムレス上腕骨インプラント103とステム付き上腕骨インプラント113の両方に機械的に結合するように構成された解剖学的関節構成要素160を含むことができる。臨床医は、解剖学的再建が適切である処置のために解剖学的関節構成要素160を選択し得る。解剖学的関節構成要素160は、カプラー168と、カプラー168を機械的に係合するように構成された関節体164(解剖学的)とを含むことができる。図2に示すように、解剖学的関節構成要素160のための関節体164は、患者の関節窩表面を係合するように構成された丸みを帯びた凸面を含むことができる。カプラー168は、患者の上腕骨構造に応じて、解剖学的関節体164(例えば、丸みを帯び
た、または本質的に球面)を、ステムレス上腕骨インプラント103またはステム付き上腕骨インプラント113のどちらかに機械的に接続するのに役立つ場合がある。関節体164及びカプラー168は、コバルト、クロム、またはチタンなどの金属を含む場合がある。いくつかの実施形態では、関節体は、少なくとも関節面上にパイロカーボン層を含む。様々な実施形態において、キット100は、複数のサイズを有する解剖学的関節構成要素160を含むことができる。
【0036】
キット100は、ステムレス上腕骨インプラント103とステム付き上腕骨インプラント113の両方に機械的に結合するように構成されたリバース関節構成要素180を含むことができる。臨床医は、リバース型の解剖学的再建が適切である処置のためにリバース関節構成要素180を選択し得る。リバース関節構成要素180は、リバース関節体184、及びリバース関節構成要素180を、処置中の臨床医の推奨に応じてステムレス上腕骨インプラント103またはステム付き上腕骨インプラント113に固定するように構成された係止デバイス188を含むことができる。示されるように、リバース関節体184は、患者の関節窩(図示されていないが、いくつかの場合、キットと共により大きな外科手術セットの中に統合される)に接続された関節窩球と係合するように構成された丸みを帯びた凹面(例えば、本質的に球形)を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、キット100は、一般にリバース関節構成要素180に類似し得るが、患者の骨の構造との長期適合性を促進するためにビタミンEを含むようにさらに形成され得る、耐摩耗性のリバース関節構成要素180Aを含むことができる。リバース関節構成要素180、180Aは、例えば超高分子量ポリエチレンを含むポリマーを含むことができる。様々な実施形態では、キット100は、複数のサイズを有するリバース関節構成要素180、180Aを含むことができる。
【0037】
関節置換術の処置中、臨床医は、生体構造がステムレス上腕骨アンカーに適しているのか、それともステム付き上腕骨アンカーに適しているのか、及び生体構造が解剖学的再建に適しているのか、それともリバース型解剖学的再建に適しているのかを判断するために上腕骨及び/または肩甲骨の骨構造を検査する場合がある。有益なことに、図2に示されるキット100は、臨床医に、ステムレスまたはステム付きアンカーと適合性があり、解剖学的構築またはリバース型解剖学的構築と適合性がある構成要素を含む全関節置換術システムを提供することができる。例えば、処置中、臨床医は、患者が十分な上腕骨構造を有し、その結果、患者の生体構造への損傷を低減するためにステムレスアンカー103を使用し得ることを観察し得る。臨床医はまた、解剖学的再建を進めるのか、それともリバース型構築を進めるのかを選択し得、それに応じて解剖学的関節構成要素160またはリバース関節構成要素180、180Aのどちらかを選択することができる。
【0038】
同様に、肩関節置換術の手順中に、臨床医が、患者の骨構造が損傷している、またはそうでなければステム付きアンカー113により適していると判断した場合、臨床医は、適切なサイズのステム付きアンカー113を選択することができる。臨床医はさらに、解剖学的再建を進めるのか、それともリバース型構築を進めるのかを選択することができ、それに応じて解剖学的関節構成要素160またはリバース関節構成要素180、180Aのどちらかを選択することができる。有益なことに、図2のキット100は、ステム付きアンカーまたはステムレスアンカーにおいて、及び解剖学的再建またはリバース型解剖学的再建と共に使用できる交換可能または相互運用可能な構成要素を含む。共有上腕骨関節構成要素161(例えば、解剖学的関節体またはリバース解剖学的関節体)は、ステムレスまたはステム付きアンカー103、113のどちらでも使用できるため、臨床医は、手術中に再建の決定を行うまたは変更することができる。したがって、キット100は、臨床医が患者に最も適した再建処置を迅速に決定することを可能にし、臨床医にその再建処置に使用される構成要素を提供することができる。
【0039】
上述のように、上腕骨骨折の場合、キット100はまた、1つまたは複数の外傷ステム140を含むことができる。有益なことに、外傷ステム(複数可)140は、ステムレスアンカー103及び上腕骨ステム付きアンカー112の係合特徴に一般に類似したまたは同じである係合特徴を有することができ、その結果、ステムレスアンカー103、上腕骨ステム付きアンカー112、及び外傷ステム(複数可)140は、共有関節構成要素161及びツールの共通セットと共に使用することができる。したがって、有益なことに、キット100は、ステムレスアンカーまたはステム付き上腕アンカー103、113のどちらかと使用することができ、解剖学的再建またはリバース型解剖学的再建に使用できる移植ツールの共有セット及び関節構成要素161の共有セットを提供することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、カプラー168は、関節体164に接続するように構成された近位延長部163A及び遠位延長部163Bを含むことができる。解剖学的再建のために、骨折ステム140の遠位延長部163Bを骨折ステム140のくぼみ217に受け入れることができる。近位延長部163Aと遠位延長部163Bとの間に配置された円盤または中間部分162は、くぼみ217が切除面に向かって隆起しているので、排除することができる。修正された実施形態では、くぼみ217は、第2のくぼみの遠位端から凹んでいる(例えば、遠位に延びる)。それらの実施形態では、円盤または中間部分162は、外傷ステム140で使用されているスペーサー機能を提供する。外傷ステムの追加の詳細は、2015年12月15日に出願された国際出願番号PCT/US2015/065126号全体に見出され得、その全内容は、参照によりその全体が全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0041】
最終的なインプラントは、本出願と同日に出願され、それぞれ弁護士参照番号第TRNXSH.104WO2号及び第TRNXSH.105WO号である「SHOULDER PROSTHESIS COMPONENTS AND ASSEMBLIES」と題される出願番号PCT/US2019/054007、及び「MODULAR HUMERAL HEAD」と題されるPCT/US2019/054023に説明される任意の構成など、任意の適切な構成を取ることができる。最終的なインプラントは、本出願と同じ日に提出され、弁護士参照番号第TRNXSH.104PR2である「SHOULDER
PROSTHESIS COMPONENTS AND ASSEMBLIES」と題された出願番号62/908,725に開示されている任意の構成を取ることができる。本節に一覧される出願のそれぞれの全体的な内容は、その全体として及び全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
II.上腕骨アセンブリの構成要素の例
上記のように、本出願は、共有コンポーネントを提供し、複数のタイプの関節アセンブリを含み得るいくつかのキット及びシステムを開示する。例えば、上腕骨アセンブリは、関節部分及びアンカーを含み得る。
【0043】
図3A図3Cは、本明細書では関節構成要素と呼ばれることもある例示的な関節部分261を示す。関節部分261は、凹状の関節面を有するリバース構成要素など、関節体280を含むが、いくつかの処置では、上述のように、臨床医は、図2の解剖学的関節構成要素160などの解剖学的関節構成要素を選択し得る。いくつかの実施形態では、関節部分261は、以下にさらに詳細に説明されるように、例えばポリマー関節体280及び係止部材253などの、関節アセンブリであってよい。他の実施形態では、関節部分261は、例えば、ポリマー関節体280など、単一部品であってよい。
【0044】
図3Aに示されるように、関節体280は、第1の端部または近位端281及び第2の端部または遠位端282を含み得る。関節体280は、第1の端部281に配置された関節面293と、第2の端部282に配置された上腕骨アンカー境界面288とを有し得る
。関節体280の上腕骨アンカー境界面288は、関節体280をアンカー203に固定し得る。
【0045】
関節体280は、上腕骨アンカー境界面288の近位の本体部分287を含む。本体部分287は、湾曲状または先細であってよい外壁299によって画定され得る。本体部分287の最大直径は、34mmと42mmの間であってよい。本体部分287はまた、関節面293と外壁299との間に縁部分291を含み得る。縁部分291は、5.0mm以下または3.0mm以下の第1の厚さT1を有し得る(図3Bを参照)。関節体280は、移植のための解剖学的方向の表示を提供するためにマーカー279を含み得る。例えば、マーカー279は、上腕骨の側面と整合するはずである関節体280の側面の表示を提供し得る。図3Bに示されるように、マーカー279は、本体部分287の縁部分291上のくぼみであってよい。しかしながら、マーカー279は、縁部分291または関節体280の他の場所に印刷されるか、さもなければ視覚的に示され得る。
【0046】
関節体280はまた、関節体280の第1の端部281と第2の端部282との間に配置された横断面286を含み得る。横断面286は、本体部分287の遠位側を画定し得る。横断面286は、組み付け時にアンカー203の縁または近位面239を覆うように構成され得る(図4A及び図4Fを参照)。上腕骨アンカー203と組み付けられるとき、本体部分287は、上腕骨アセンブリのサイズに応じて、アンカー203に2.0mm以下または約1.0mm以下、オーバーハングし得る、またはアンダーハングし(underhang)得る。
【0047】
本体部分287は、関節面293の最も遠位の点または頂点と横断面286との間に第2の厚さTを有し得る(図3Bを参照)。関節面293の最も遠位の点または頂点は、横断面286と近位にある、またはそれと一列に並んでいる。他の構成では、関節面293の最も遠位の点または頂点は、横断面293に対して遠位であってよい。厚さT2は、約25mm以下、約20mm以下、約15mm以下、約10mm以下、約5mm以下、または約1mm以下であってよい。いくつかの実施形態では、厚さT2は0mmであってよい。使用中、厚さTが十分でない場合、臨床医は、関節面293の最も遠位の点とアンカー203の近位面239との間で所望の厚さを達成するために、スペーサーを使用して厚さを加え得る。例えば、臨床医が低切除を行った場合、または軟組織が緩んでいる場合、臨床医はスペーサーを使用してステムを構築し得る。
【0048】
図3A図3Bに示されるように、関節体280は、中心軸Lの周りで対称であってよい。例えば、曲率半径の中心または関節面293の回転中心は、関節体280の中心軸Lと整合され得る。関節体280の対称性は、ステムレスリバース構成、または傾斜角、例えば約135度の傾斜角を有するステムにとって望ましい場合がある。肩甲骨の形態が、患者に向かう腕の動きが上腕骨インプラントアセンブリと肩甲骨との間の接触をもたらさないようなものである場合、関節体280の対称性が望ましい場合がある。接触が発生する可能性がある場合、肩甲骨の切り欠き及び/または構成要素の摩耗が生じる可能性がある。したがって、以下でさらに説明するように、角度の付いた近位縁を使用し得る。以下で説明するように、角度の付いたインサートが他の生体力学的適応に役立つ場合がある。
【0049】
他の構成では、本体部分287は、所望の傾斜角を達成するように曲げられ得る。例えば、図3D図3Eは、関節体280の近位部分が横断面286に対して曲げられている別の関節部分261Aを示している。関節面293の回転中心は、関節体280の中心軸Lと整合させ得る。他の実施形態では、回転中心は、曲率半径の中心または回転中心が関節体280の中心軸Lと整合しないように曲げられ得る。横断面286と近位縁または縁部分291との間の角度は、7.5度と17.5度の間、例えば10度であってよい。角度の付いた関節体280は、ステムレスの解剖学的からリバース型への変換、または例え
ば約145度の傾斜角など、傾斜区画を有するステムにとって望ましい場合がある。
【0050】
図3Cに示されるように、関節体280は、例えば、横断面286と関節体280の第2の端部282との間など、第1の端部281と第2の端部282との間の関節体280の周辺に配置された回転制御ゾーン285を含み得る。回転制御ゾーン285は、突起252などの少なくとも1つの第1の整合特徴を含み得る。例えば、突起252は、凸状のタブであってよい。回転制御ゾーン285は、第1の突起252、及び例えば第1の突起252の反対側など、第1の突起252から円周方向に離間された第2の突起252を含み得る。第1の整合特徴に加えてまたはその代わりに、回転制御ゾーン285は、くぼみ251など、第1の整合特徴とは異なる少なくとも1つの第2の整合特徴を含み得る。例えば、くぼみ251は、凹状の長穴であってよい。回転制御ゾーン285は、第1のくぼみ251、及び例えば第1のくぼみ251の反対側など、第1のくぼみ251から円周方向に離間された第2のくぼみ251を含み得る。図示のように、回転制御ゾーン285は、突起252及びくぼみ251などの異なるタイプの整合特徴を含む。例えば、突起252は第1の方向に延び得、くぼみ251は第2の方向に延び得る。第1の方向は、第2の方向を横断してよい。
【0051】
図3A図3Bに示されるように、上腕骨アンカー境界面288は、例えば上腕骨アンカー境界面288の円周面など、表面に形成された溝284を含み得る。溝284は、例えば、回転制御ゾーン285と関節体280の第1の端部281との間など、関節体280の第1の端部281と第2の端部282との間に配置され得る。
【0052】
上述のように、関節部分261は、関節体280及び係止部材253が上腕骨アンカー境界面288の溝284に据え付けられた関節アセンブリであってよい。係止部材253は、関節体280をアンカー203に対して可逆的に固定し得る。図3Aに示されるように、係止部材253は、係止部材253の半径方向の圧縮を容易にするために不連続部258(例えば、Cリング)を備えた係止リングであってよい。係止部材253は、関節部分261のアンカー203への挿入を容易にするために、面取りされた近位及び/または遠位縁を含み得る。例えば、図3Bに示されるように、係止部材253は、面取りされた遠位縁259を有する。
【0053】
上腕骨アンカー境界面288は、回転制御ゾーン285の遠位に、及び/または関節体280の第2の端部282に突出する逆荷重または偏向可能な部分254を含み得る。偏向可能な部分254の少なくとも遠位部分は、アンカー203への挿入を容易にするために円錐台形面またはテーパー面257を含み得る。
【0054】
偏向可能な部分254は、少なくとも2つのセクション255、例えば関節体280の中心部分から関節体280の第2の端部282まで片持ち梁で支えられた3つのセクションまたは4つのセクションを含み得る。偏向可能な部分254はまた、少なくとも2つのセクション255のそれぞれの間に配置された圧縮長穴256を含み得る。例えば、図3Bに示されるように、偏向可能な部分254は、交差する圧縮長穴256によって分離された4つのセクション255を含み得る。圧縮長穴256は、偏向可能な部分254が長手方向軸Lを横切る方向に圧縮可能、または環状方向に圧縮可能となることを可能にする。
【0055】
関節体280には、他の上腕骨アンカー境界面288も提供され得る。例えば、図3F図3Gは、上腕骨アンカー境界面288が偏向可能な部分254を含む上腕骨部分261Bを示している。偏向可能な部分254は、環状圧縮を示す圧縮可能なプラグであってよい。偏向可能な部分254は、第2の端部282から突起297を通って近位に延びる止まり穴298を有する突起297を含み得る。止まり穴298は、関節体280の中心
軸Lに沿って延び得る。突起297は、間隔、長穴、または他の不連続部がない連続的な周辺を画定し得る。偏向可能な部分254の少なくとも遠位部分は、上腕骨アンカー203への挿入を容易にするために円錐台形面またはテーパー面を含み得る。
【0056】
図4A図4Fは、アンカー203及び関節部分261を含む上腕骨アセンブリの例を示している。図示のように、アンカー203はステムレスであるが、上腕骨アンカーはまた、ステムを含むことができるであろう(図5Aを参照)。ステムレスアンカー203に関して本明細書に説明されている特徴のいずれも、ステムまたはトレイを含む上腕骨アンカーに適用し得る。いくつかの実施形態では、アンカー203は、モノリシックまたは単一部品であってよい。他の実施形態では、アンカー203は、ステムレスまたはステム付きアンカーへの接続に適合された第1の部分またはアンカー部分及び第2の部分またはトレイ部分を含み得る(図5Bを参照)。単一の関節部分261は、ステムレスアンカー、ステム付きアンカー、及び/またはトレイのそれぞれと適合性があってよい。
【0057】
図4Aに示されるように、第1のくぼみ231は、アンカー203の近位面239から近位部分207に遠位に延びることができる。第1のくぼみ231は、関節体280の遠位部分または外側部分を受け入れるようなサイズ及び形状にすることができる。図4Aに示されるように、第1のくぼみ231は、アンカー203の近位部分207に配置することができる。第2のくぼみ232は、第1のくぼみ231からアンカー203の第1のセクション205Aに遠位に延びることができる。第1及び第2のくぼみ231、232は、異なる容積を有することができる。例えば、第1のくぼみ231の容積(及び/または第1のくぼみ231の直径または横方向主要寸法)は、第2のくぼみ232の容積(及び/または第2のくぼみ232の直径または横方向主要寸法)よりも大きい場合がある。したがって、くぼみ231、232によって形成される結合された空間は、アンカー203の近位面239に向かってより大きくなり、アンカー203の遠位端205に向かってより小さくなる場合がある。
【0058】
図4Aに示されるように、アンカー203は、アンカー203の近位面239に隣接する第1のくぼみ231の周りに配置された内周面233を含むことができる。内周面233は、遠位内面235からアンカー203の近位面239まで延びる表面部分である場合がある。内周面233は、関節部分261の回転制御ゾーン285の対応する特徴と接触するように構成された1つまたは複数の整合特徴を含むことができる。例えば、アンカー203は、内周面233に配置された1つまたは複数の凹状の係止特徴243、及び/または内周面233に配置された1つまたは複数の凸状の係止特徴241を含み得る。
【0059】
図4Aに示されるように、アンカー203は、内周面233に沿って互いから離間された複数の、例えば2つまたは1対の凹状の係止特徴243を含み得る。凹状の係止特徴243は、例えば、内周面233上のくぼみ231を横切って互いに対向して配置されるなど、円周方向に分離することができる。図4Cに示されるように、第1の凹状の係止特徴243Aは、アンカー203の内側部分Mに配置することができ、第2の凹状の係止特徴243Bは、アンカー203の外側部Lに配置することができる。他の例では、第1の凹状の係止特徴243Aは、アンカー203の前方部分に配置することができ、第2の凹状の係止特徴243Bは、アンカー203の後方部に配置することができる。凹状の係止特徴243A、243Bの間には、例えば、180度、120度、90度、60度、またはそれらの間の他の角度分離などの角度を画定できる。例えば、120度の間隔で3つ、90度の間隔で4つ、60度の間隔で6つなど、2つ以上の凹状の係止特徴243Aまたは243Bを設けることができる。いくつかの実施形態では、係止特徴243A、243B間の間隔は等しくない場合がある。
【0060】
凹状の係止特徴243に加えてまたはその代わりに、内周面233は、例えば互いに対
向して配置されるなど、互いから円周方向に分離された複数の、例えば2つまたは1対の凹状の係止特徴241を含み得る。図4Cに示されるように、第1の凸状の係止特徴241Aは、アンカー203の前方部分Aに配置することができ、第2の凸状の係止特徴241Bは、アンカー203の後方部分Pに配置することができる。凹状の係止特徴243と凸状の係止特徴241の両方が存在する場合、凹状の係止特徴243は、凸状の係止特徴241から円周方向に離間される場合がある。
【0061】
図4A及び図4Cに示されるように、凸状の係止特徴241は、第1のくぼみ231に向かって、内周面233に対して半径方向内側に延びる突起247を含むことができる。突起247は細長く、長手方向が、例えば関節部分261の挿入の方向に平行になど、第1のくぼみ231で近位‐遠位に向けられる場合がある。突起247は、内周面233の隣接部分から第1のくぼみ231の中心部分に向かって延びる場合がある。突起247に隣接する内周面233の部分は、突起247に対して第1のくぼみ231に面する構造において凹状である場合がある。例えば、凸状の各係止特徴241は、内周面233に形成された1対の凹状のくぼみ242に隣接する場合がある。凹状の係止特徴243と同様に、凸状の係止特徴241は、関節部分261とアンカー203との間に干渉接続を提供する関節部分261の対応する係止特徴に比したサイズにすることができる。
【0062】
図4Aに示されるように、内周面233は、内周面233に沿って円周方向に延びる溝244を含み得る。溝244は、近位面239の遠位であってよい。近位面239と溝244との間の隙間は、3.0mm以下であってよい。溝244は、凹状の係止特徴243と凸状の係止特徴241との間に円周方向に配置された複数のセグメントを含むことができる(図4Aを参照)。溝244は、例えば4、6など任意の適切な数のセグメントを含むことができる。以下に説明されるように、溝244は、係止部材253とのスナップ嵌めまたは締まり嵌めを提供するために関節部分261の係止部材253に比したサイズにすることができる。様々な実施形態では、溝244は、関節部分261の係止部材253をアンカー203に固定することができる遠位に面する表面を含むことができる。
【0063】
使用中、臨床医が、関節部分261をアンカー203の中に挿入するとき、臨床医は、例えば回転制御ゾーン285を使用して、関節体280の上腕骨アンカー境界面288をアンカー203の第1のくぼみ231に対して整合させることができる。関節部分261は、アンカー203のくぼみに配置された第2の回転整合特徴(例えば、第1の回転整合特徴のネガ)と共に、第1の回転整合特徴(例えば、突起252または凹状の長穴251)を含み得る。組み付け時、回転制御ゾーンとアンカー203の対応する特徴との間の係合はまた、アンカー203と関節部分261との間の相対的な回転を抑制するための回転防止特徴として機能することができる。
【0064】
適切に整合すると、上腕骨アンカー境界面288の少なくとも1つの突起252A、252Bは、アンカー203の対応する凹状の係止特徴243A、243Bと接触する、及び/または上腕骨アンカー境界面288の少なくとも1つの凹状長穴251は、アンカー203の対応する凸状の係止特徴241A、241Bと接触する(図4Cを参照)。関節部分261の回転制御ゾーン285及びアンカー203の内周面233は、関節部分261の第1のくぼみ231に挿入されると、関節部分261とアンカー203との間に締まり嵌めまたは摩擦嵌めが形成されるような寸法にすることができる。例えば、凹状の係止特徴243は、関節部分261とアンカー203との間に干渉接続を提供するために関節部分261の対応する突起252に比したサイズにすることができる。そのような締まり嵌めは、関節部分261の対応する外面よりも小さい凹状の係止特徴243の態様を含むことができる。別の例として、締まり嵌めは、関節構成要素261の対応する外面よりも小さい凸状の係止特徴241の態様を含むことができ、例えば、突起247は、関節構成要素261の対応する外面に延び、係合することができる。
【0065】
1つまたは複数の整合または係止特徴が異なる形状及び/またはサイズを有する実施形態では、回転位置は、手術中により容易に確認することができる。例えば、突起252は、対応する凸状の係止特徴243に対して正しく回転配置されたと視覚的に確認することができる、及び/または凹状の長穴251は、対応する凸状の係止特徴241に対して正しく回転配置されたと視覚的に確認することができる。2つの対向する突起252を提供することにより、2つの回転位置のみが、関節部分261のアンカー203への固定をもたらすことができる。いくつかの場合、これらの位置により、組み付け時に肩関節の同一の生体力学が提供される。2つの位置は回転対称である。他の実施形態では、2つの位置は、外科医がアンカー203に対する関節構成要素280の2つの位置から選択できるように、生体力学の2つのオプションを提供する。第1の回転位置では、第1の突起252Aは、上方に配置された第1の凹状のくぼみ243Aに配置され、第2の突起252Bは、下方に配置された第2の凹状のくぼみ243Bに配置される。第2の回転位置では、第1の突起252Aは、下方に配置された第2の凹状のくぼみ243Bに配置され、第2の突起252Bは、上方に配置された第2の凹状のくぼみ243Bに配置される。異なる数の整合または係止特徴も想定される。例えば、正しい回転位置を提供するために、回転制御ゾーン285に単一の位置合わせ機能のみが存在する場合がある。
【0066】
関節部分261がアンカー203内に前進すると、関節部分261の逆荷重突起がアンカー203のくぼみに配置される(図4Eを参照)。関節部分261とアンカー203との間の第1の接点は、偏向可能な部分254の遠位部分と第2のくぼみ232の近位部分との間にあってよい。関節部分261がアンカー203に結合されると、偏向可能な部分254は、アンカー203の第2のくぼみ232に配置され得る。関節部分261は、偏向可能な部分254が第2のくぼみ232を取り囲む表面と接触するまで前進し得る。偏向可能な部分254は、係止部材253がアンカー203の溝284を係合する前に、第2のくぼみ232を取り囲む表面と接触し得る。例えば、関節部分261は、偏向可能な部分254のテーパー外面257が第2のくぼみ232のテーパー面と接触するまで前進し得る。接触すると、偏向可能な部分254のセクションは、その圧縮長穴256を横切って互いに向かって移動する。関節体280の偏向可能な部分254が第2のくぼみ232を画定する表面に接触するとき、偏向可能な部分254は、第2のくぼみ232を画定する表面によってまたはそれから加えられる荷重によって円周方向に偏向され得る。偏向可能な部分254によるこの偏向は、アンカー203に対する関節部分261の運動、つまり微動さえも低減、最小化、または排除する。上腕骨アセンブリが組み付けられると、偏向可能な部分254は、前進方向と反対の方向に荷重が加えられるほど十分に偏向される。偏向可能な部分254はまた、係止部材253と第1のくぼみ231の周辺部分233との間に荷重を提供し得る。
【0067】
関節アセンブリは、関節部分261の係止部材253がアンカー203に形成された溝244内で偏向されるまでさらに前進し得る(図4Fを参照)。係止部材253は、関節部分261をアンカー203に係止するために、及び関節部分261がアンカー203から垂直に外向きに並進するのを防ぐために役立つ場合がある。係止部材253は、関節部分261のアンカー203への挿入前の静止構成と、上腕骨アセンブリが組み付けられたときの圧縮構成との間で移行し得る。圧縮構成では、係止部材253は、静止構成と比較して半径方向に圧縮され得る。静止構成では、係止部材の内周面は溝284に配置され得、係止部材253の外周面は溝284の外側に配置され得る(図4Aを参照)。圧縮構成では、係止部材253の内周面は溝284に配置され得、係止部材253の外周面は上腕骨アンカー203の溝244に配置され得る(図4Fを参照)。
【0068】
上記例は、ステムレスアンカーに関して説明されているが、アンカー203の特徴は、上腕骨骨幹に延びるように構成されたステム、骨折ステム、またはトレイもしくは他のス
ペーサーなどのモジュール式構成要素を有するアンカーにも適用され得る。例えば、図5Aは、ステムを有する上腕骨アセンブリを示している。ステムレス上腕骨アセンブリと同様に、図5Aのステム付き上腕骨アセンブリは、アンカー203及び関節部分261を含み得る。図5Aに示されるように、アンカー203は、例えば、モールステーパー接続を形成するテーパーを一致させることによって、ステム283の骨幹端部分に取り付けられたトレイ289を含み得る。上述の特徴のいずれかを含み得る関節部分261は、例えば、上述の上腕骨アンカー境界面の特徴のいずれかを使用して、トレイ289に取り付けられ得る。
【0069】
図5Bに示されるように、トレイ289は、図4Aに示されるステムレスアンカー203と同様の内部特徴を含む。例えば、トレイ289は、第1のくぼみ231と、第1のくぼみ231から遠位に延びる第2のくぼみ232とを含む。トレイ289はまた、第1のくぼみ231の周りに配置された内周面233を含む。内周面233は、上述のように、関節部分261の回転制御ゾーン285と接触するように構成された1つまたは複数の整合または係止特徴を含み得る。内周面233は、内周面233に沿って円周方向に延びる円周方向溝244を含み得る。溝244は、係止部材253とのスナップ嵌めまたは締まり嵌めを提供するために関節部分261の係止部材253に比したサイズにし得る。
【0070】
上述のように、臨床医は、任意選択で、軟組織空間を充填するためにトレイ289または他のスペーサーを提供し得る。例えば、臨床医が低切除を行った場合、または軟組織が緩んでいる場合、臨床医はトレイ289または他のスペーサーを使用してステムを構築し得る。トレイ289またはスペーサーは、関節面の最も遠位の点とステム283の近位面との間で厚みを増す。
【0071】
図6A図6Gは、アンカー304に結合されるように構成された別の関節部分352を示している。関節部分352は、機能的及び物理的に別個の構成要素を含む関節構成要素または間接アセンブリとして構成することができる。アンカー304は、アンカー103、203、113、または140のいずれかに関して上記の特徴のいずれかを含み得る。例えば、アンカー203は、ステムレスアンカーであってよい。単一の関節部分352は、ステムレスアンカー、ステム付きアンカー、及び/またはトレイのそれぞれと適合性があってよい。アンカー304は、例えば、金属本体など、本体部分308を有する(図6Dを参照)。本体部分308は、骨に対して配置されるように構成された骨係合側312、及び骨係合側の反対側のアセンブリ側316を含み得る。骨係合側312は、ステムレスアンカーまたはステム付きアンカーを含む、本明細書に説明されるアンカーのいずれかの一部を形成することができる。アセンブリ側316は、関節部分352の少なくとも一部を受け入れるように構成された、骨係合側に向かって延びる1つまたは複数のくぼみを含む場合がある取り付け領域324を有する。取り付け領域324は、取り付け領域の周辺に配置された溝385を含み得る。
【0072】
図6A図6Bは、関節部分352の異なる図を提供する。関節部分352は、関節部分261の特徴のいずれかを含み得る。上述のように、関節部分352は、凹状の関節面を有するリバース構成要素など、関節体356を含むが、いくつかの処置では、上述のように、臨床医は、図2の解剖学的関節構成要素160などの解剖学的関節構成要素を選択し得る。いくつかの実施形態では、関節部分352は、以下にさらに詳細に説明されるように、例えばポリマー関節体356及び係止部材302などの、関節アセンブリであってよい。他の実施形態では、関節部分352は、例えば、ポリマー関節体356など、単一部品であってよい。
【0073】
図6Aに示されるように、関節体356は、第1の部分または遠位部分364及び第2の部分または近位部分368を含む。関節体356は、第2の部分368に配置された関
節面372を有する。関節体356の第1の部分364は、アンカー304の取り付け領域324に配置されるように構成された遠位面386を含む。関節体356の第1の部分364は、遠位表面386からの1つまたは複数の突出部353を含み得る(図6Bを参照)。1つまたは複数の突出部353は、骨アンカー304の近位面320の1つまたは複数の対応するくぼみ321に一致し得る(図6Dを参照)。少なくとも1つの突出部353は、関節体356の中心360から変位され、中心から外れて配置され得る。ある場合には、複数の突出部353が設けられ、それぞれが中心から外れている。いくつかの変形例は、例えば、構成要素160などの解剖学的関節構成要素を取り付けるために、骨アンカー304の近位面320に配置された中心くぼみを含み得る。突出部353は、関節部分352とアンカー304との間の回転整合を容易にする。いくつかの実施形態では、関節体356は、関節体356の遠位表面386から延びる中心突出部または他の突起を含み得る。突出部353のいずれも、例えば、モールステーパー接続を形成するテーパーを一致させることによって、アンカー304と係合し得る。図示の関節体356は突出部353を含むが、他の実施形態では、関節体356は、遠位面368から近位に延びる1つまたは複数のくぼみを含み得る。くぼみは、アンカー304の近位面320から近位に延びる1つまたは複数の突出部に一致し得る。別の変形例では、アンカー304及び関節体356のそれぞれは、接続特徴の有利な組み合わせを提供するために、少なくとも1つの突出部及び少なくとも1つのくぼみを有する。
【0074】
図6Aに示されるように、関節体356の第2の部分368は、関節面372と遠位面386との間に配置された溝384を含み得る。溝384は、例えば第2の部分368の周囲側面または円周面などの表面に形成され得る。図6Bに示されるように、第2の部分368は、関節体356の遠位面386にくぼみ342を含み得る。くぼみ342は、溝384から延び得る。例えば、くぼみ342は、関節体356の遠位面386から溝384の深さまで近位に延び得る。
【0075】
上述のように、関節部分352は、関節体356とアンカー304との間の機械的固定を確実にするために係止部材302を含み得る。係止部材302は、チタンまたは別の弾力性のある金属などの弾性材料製であってよい。図6A図6Bに示されるように、係止部材302は、例えば第2の部分368の溝384内など、関節体356の周りに配置され得る。係止部材302は、関節体356をアンカー304に組み付けるための任意の他のツールは使用しないが、衝撃部材及び槌による単純な衝撃荷重で関節体356をアンカー304に対して可逆的に固定し得る。関節部分352がアンカー304に結合されると、係止部材302の外周面390がアンカー溝385に配置され、内周面388が関節体溝384に配置されるように、係止部材302はアンカー溝385の中に偏向される(図6Eを参照)。
【0076】
係止部材302は、例えば少なくとも部分的に関節体溝384内など、少なくとも部分的に関節体356の第1の部分364の周りに配置された弓形部材306を含み得る。図6B図6Cに示されるように、弓形部材306は、係止部材302の半径方向の圧縮を容易にするために、弓形部材306の第1の端部366と、弓形部材の第2の端部378との間に不連続部374を含み得る。
【0077】
係止部材302の内周面388及び/または外周面390は、1つまたは複数の応力低減特徴392を含み得る。例えば、図6Cに示されるように、弓形部材306は、内周面388の少なくとも一部または全体に沿って扇形の端縁または一連の切り欠きを含むが、他の例では、扇形の端縁は外周面390に沿っていてもよい。図は扇形の端縁を示しているが、他の応力低減特徴は、係止部材302の近位面と遠位面との間で測定される厚さの低減を含み得る。応力低減機能392は、組み付け中の塑性変形を回避するために、弓形部材306の曲げ及び偏向を容易にする。応力低減機能392はまた、上腕骨アセンブリ
にはめ込み力が印加されるときに、係止部材302の完全性を維持するのに役立つ。
【0078】
図6Eに示されるように、係止部材302の外周面390は、頂点を形成するために、第1の端縁または遠位縁328、及び第1の端縁328に対して斜めに配置された第2の端縁または近位縁310を有し得る。第2の端縁または近位縁310は、中心挿入軸360に垂直に、またはアンカー保持面322に沿って配置された平面PLNに対して角度αで配置され得る。アンカー保持面322は、アンカー溝385の上端を画定する。角度αは、0度より大きく、例えば、約15度など20度以下であってよい。より高い摩擦係数を有する係止部材材料の場合、角度αは20度より大きくなるであろう。例えば、角度αは、約45度以下、または約30度以下であるであろう。
【0079】
図6Eに示されるように、係止部材302の第2の端縁310は、第1の部分310A及び第2の部分310Bを含み得る。関節体356とアンカー304との間の固定を維持するために、第2の端縁310の第1の部分310Aの少なくとも一部は、アンカー304の溝385の中に延びなければならない。関節部分352がアンカー304に挿入されるにつれ、係止部材302の遠位縁328は、溝385の遠位縁に向かって前進する。はめ込まれた後、係止部材302は、近位縁310が保持領域322に接触するように弾性的に回復する。第1の部分310Aは、関節体356がアンカー304と結合されると、アンカー304の保持面322よりも中心挿入軸360の方向で関節面372からより遠くに配置される。第2の端縁310の第2の部分310Bは、アンカー溝385の保持面332と少なくとも同じ平面に沿っている、または保持面332よりも中心挿入軸360の方向で関節面372のより近くに配置される。
【0080】
係止部材302がアンカー溝352の中に偏向されると、アンカー304と係止部材302との間に締まり嵌めがある。約45度以下(または約30度以下または約20度以下、例えば約15度以下)である係止部材302の第2の端縁310と平面PLNとの間の角度αは、関節体352及びアンカー304を引き離す牽引力FTにも関わらず、係止部材302とアンカー304との間の接触を維持する。図6Eに示されるように、係止部材302とアンカー304との間の摩擦力FFは、係止部材302がアンカー溝385から解放されるのを防ぎ、一方、反力FRは、係止部材302がアンカー溝385の中にさらに摺動するのを防ぐ。摩擦力FFと反力FRの結合によって、関節体356とアンカー304との間の動きが低減または排除される。例えば、係止部材302は、アンカー304と関節体356との間の長手方向及び/または横断方向での0.05mm以下の移動を可能にする、または移動なしさえ可能にする。傾斜付きの係止部材302は、上腕骨アセンブリが、分解または製造クリアランスの除去のリスクなしに肩関節に課される高い力に対応することを可能にする。
【0081】
外周面388の形状はまた、係止部材302が、アンカー溝385と関節体溝384との間の隙間の範囲に耐えることを可能にする。例えば、アンカー溝385と関節体溝384との間に最大隙間(もしくは図6Fでのように他の相対的に大きい隙間)がある、またはアンカー溝385と関節体溝384との間に最小隙間(もしくは図6Gでのように他の相対的に小さい隙間)がある場合、係止部材302はいずれにせよ関節体356と骨アンカー304との間に固定を維持する。
【0082】
係止部材302はまた、弓形部材306から延びる弾性体314を含み得る。弾性体314は、関節体356のくぼみ342の形状に概ね一致する形状を有し得る。くぼみ342は、限られた数の位置で、または中心位置などの1つの位置のみで、弾性体314を受け入れるように構成され得る。くぼみ342は、関節体356が本体314の装填と取り出しを妨げないように本体314のいくらかの動きを可能にしながら、弾性体314を収容するように形にすることができる。この特徴は、係止部材302の関節体356に対す
る適切な配向を容易にする。係止部材は常に同じ位置にあるので、適切に配向すると、係止部材302の容易な取り外しが助長される。
【0083】
図6Cに示されるように、弾性体314は、第1の端部318及び第2の端部322を含む。弾性体314の第1の端部318は、弓形部材306の第1の端部366から延び得る。弾性体314の第2の端部322は、弓形部材306の半径方向内側に配置されている。この構成では、弓形部材306の第2の端部378は、係止部材302の1つの自由端を形成し、弾性体314の第2の端部322は、係止部材302の別の自由端を形成する。弾性体314の第2の端部322は、弓形部材306と重なり合うことができるが、半径方向内側に配置されている。
【0084】
図6Cに示されるように、弾性体314は、弓形部材306から半径方向内側に延びる放射状部分362を含み得る。弾性体314はまた、放射状部分362から延びる弓形部分370を含み得る。弓形部分370は、弓形部材306と同心であってよい。例えば、弓形部分370は、弓形部材306の半径方向内側であり得、弓形部材306内の間隔374の少なくとも長さに広がり得る。
【0085】
係止部材302は、係止部材302を事前に定義された位置及び方向に保持するために本体部分356に結合され得る。例えば、弾性体314の第2の端部322は、本体部分356に結合され得る。図6Bに示されるように、弾性体の第2の端部322は、本体部分356の第2の係合特徴357に結合された第1の係合特徴358を含み得る。第1の係合特徴358は、開口部または突出部を含み得、本体部分356の係合特徴357は、第1の係合特徴358のネガを含み得る。係合特徴357が突出部である場合、係合特徴358は、第2の端部322に形成された開口であってよい。
【0086】
弾性体314の第2の端部322は、ロケータ本体を形成するために拡大され得る。ロケータ本体は、中心挿入軸360に対して事前に定義された方向及び/または位置でくぼみ342に配置され得る。事前に定義された方向及び/または位置は、くぼみ342内の中心位置など、単一の方向及び/または位置であってよい。いくつかの実施形態では、弾性体314は弓形部分を有することができ、本体が配置されるその部分のくぼみ342の壁は弓形の形状を有することができる。弾性体314の側端は、くぼみ342の対向する壁から、例えば、等間隔で離間することができる。いくつかの実施形態では、くぼみ342の壁からの弾性体314の間隔は、係合特徴357、358から離れる方向で本体の長さに沿って増す場合がある。
【0087】
上述のように、係止部材302は、アンカー溝385と関節体溝384との間の一連の隙間に対応するような形にされ得る。しかしながら、これにより、係止部材302は、肩インプラントの中心軸360に対して中心に置かれない場合がある。弾性体314は、弓形部材306を中心挿入軸360に対して中心に置くように構成され得る。例えば、弾性体314は、係止部材302を中心位置(例えば、中心点360の周り)から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、偏向力の除去時に係止部材302を中心位置に向かって戻すためにひずみエネルギーを放出する。
【0088】
係止部材の他の構成は、上述の利点の1つまたは複数を達成し得る。例えば、図7は、関節体456及び係止部材402を含む関節部分452を示している。係止部材402は、係止部材302に関して上述された特徴のいずれかを含み得る。
【0089】
図7に示されるように、係止部材402は、少なくとも部分的に関節体456の周りに配置された弓形部材406を含む。弓形部材406は、係止部材402の半径方向の圧縮を容易にするために、弓形部材406の第1の端部466と、弓形部材の第2の端部47
8との間に不連続部474を含み得る。係止部材402の内周面488及び/または外周面490は、弓形部材406の曲げ及び偏向を容易にして塑性変異を回避するために、1つまたは複数の応力低減特徴492を含み得る。例えば、図示のように、弓形部材406は、外周面488の少なくとも一部に沿って扇形の端縁、一連の切り欠きを含む。図7は、扇形の端縁を示しているが、厚みの減少などの他の応力低減機能が可能であるか、またはいくつかの実施形態では、材料処理技術が、端縁もしくは周辺に沿って、または係止部材402の近位縁と遠位縁との間に提供される。応力低減特徴492間のセグメント493は、関節部分452とアンカーとの間の係合を容易にするために、上述の外周面390の特徴のいずれかを含み得る。
【0090】
図示のように、弓形部材406は、第1の端部466から延びる第1の弓形部分406A、及び第2の端部478から延びる第2の弓形部分406Bを含む。係止部材402はまた、第1の弓形部分406Aと第2の弓形部分406Bとの間に延びる弾性体414を含み得る。弾性体414は、弓形部材406の半径方向に内向きに配置された基部415を含む。基部415は、一実施形態では、弓形部材406の間隔474の少なくとも長さに広がる。弾性体414はまた、基部402から第1の弓形部分406Aまで延びる第1の放射状部材462A、及び基部から第2の弓形部分406Bまで延びる第2の放射状部材462Bを含み得る。一実施形態では、基部415は、第1の放射状部材462A、462Bの1つから離れてくぼみ442の壁まで延びるオーバーハング部分464を含む。一実施形態では、オーバーハング部分464は、壁が部材462Aの動きを拘束しないように、第1の放射状部材462Aをくぼみ442の壁から離間させる。基部415は、両方の部材462A、462Bにこの間隔機能を提供するために、各端部にオーバーハング部分464を有することができる。
【0091】
弾性体414は、関節体456のくぼみ442の形状に概ね一致する形状を有し得る。くぼみ442は、限られた数の位置で、または中心位置などの1つの位置のみで、弾性体414を受け入れるように構成され得る。例えば、くぼみ442の一般的な形状は、T字形である場合がある。基部415を受け入れるくぼみ442の部分は、周辺からくぼみの基部保持部分へ延びるくぼみの一部よりも幅広い場合がある。同様に、弾性体414の基部415は、放射状部材462A、462Bの合計幅よりも広い場合がある。弾性体414は、関節体456の底面または遠位面または内側の一部を受け入れることができる、C字形の反転方向または逆方向または後方のC字形の凹面を形成することができる。
【0092】
弾性体414は、弓形部材406を中心挿入軸460に対して中心に置くように構成され得る。例えば、弾性体414は、係止部材402を中心位置(例えば、中心点460の周り)から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、偏向力の除去時に係止部材402を中心位置に向かって戻すためにひずみエネルギーを放出する。
【0093】
図8Aは、弾性体の異なる構成を含む別の係止部材502を示している。係止部材502は、係止部材302、402に関して上述された特徴のいずれかを含み得る。
【0094】
図示のように、係止部材502は、係止部材502の半径方向の圧縮を容易にするために、弓形部材506の第1の端部566と、弓形部材506の第2の端部578との間に不連続部574を有する弓形部材506を含む。弓形部材506はまた、弓形部材506の内周面590及び/または外周面588の少なくとも一部または全体に沿って配置された1つまたは複数の応力低減特徴592を含み得る。図8Bに示されるように、係止部材502Aは、弓形部材506の内周面590のみに沿った応力低減特徴592のみを含み得る。別の変形例では、応力低減特徴592は、弓形部材506の外周面588のみに配置される場合がある。どちらの構成でも、外周面588は、係止部材302に関して上述
の傾斜付きの構成を有し得る。
【0095】
係止部材502はまた、弓形部材506の内周面590から延びる1つまたは複数の弾性体514(例えば、少なくとも2つの弾性体または少なくとも3つの弾性体、またはある場合、3つの弾性体のみ)を含み得る。弾性体514のそれぞれは、弓形部材506から延びる第1の端部518及び第1の端部518の半径方向内側に配置された第2の自由端部522を有する。弾性体514は、第1の端部518から第2の端部522まで弓形の形状を有し得る。弾性体514は、互いから円周方向に離間され得る。例えば、各弾性体514の第2の端部522は、隣接する弾性体514の第1の端部518から円周方向に(例えば、等間隔に離間され、3つの弾性体514だけの場合、120度離れて)離間されてよい。
【0096】
関節体に結合されるとき、弾性体514は、関節体溝に配置され得る。各弾性体514は、弓形部材506を中心挿入軸に対して中心に置くように構成され得る。例えば、各弾性体514は、係止部材502を中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、偏向力の除去時に係止部材502を中心位置に向かって戻すためにひずみエネルギーを放出する。複数の弾性体514が提供される場合、係止部材502を中央位置に向かって移動させるために弾性体は協働し得る。例えば、弾性体514(例えば、図8Aの3時の位置に広がる弾性体)の1つの蓄えられていた歪みエネルギーが放出されると、係止部材502の隣接するスパン(これも3時の位置にある)は弾性体514から離れてシフトする場合がある(例えば、部材502は、図8Aの右側に向かって移動し、3時の位置で部材502と隣接する弾性体514との間の間隔を増し得る)。これにより、弾性体514の別の弾性体(例えば、9時と10時の間に位置する自由端まで延びる、12時の位置で部材502に接続された弾性体514)に向かう係止部材502の別のスパン(例えば、10時の位置での)の対応するシフトが生じ得、これにより歪みエネルギーは他の弾性体514に蓄積され(10時の位置で係止部材502と弾性体514との間の間隔を減少させ)る可能性がある。他の弾性体514にひずみエネルギーが蓄えられると、(この例では、右への)係止部材502の動きが制限される可能性があり、その結果、弾性体514は、係止部材を中心からずらして(例えば、右に遠すぎる)移動させることによって補正しすぎない。
【0097】
上述のように、上腕骨骨折の場合、キット100は、1つまたは複数の骨折ステム140を含むことができる。図9Aは、骨折ステム140に結合されるように構成された別の関節部分652を示している。図9Aは骨折ステムを示しているが、骨折ステムは、アンカー103、203、113、140、または304に関して上述された特徴のいずれかを含む、ステムレスアンカーまたはステム付きアンカーであってよい。したがって、骨折ステム140の接続特徴は、これらの追加の上腕骨アンカーの変形例の中で共有され、ステム140の接続特徴がキット内の他のアンカーに存在するキット100の変形例で共有構成要素を提供することができる。
【0098】
骨折ステム140の近位端は、空洞619を画定する周壁621を含む。空洞619は、ステム140の近位端に位置する穴617から半径方向に間隔を置いて配置され、穴617を取り囲んでいる。穴617は、少なくとも部分的に隆起部分623に形成され得る。穴617の隆起位置623は、骨折ステム140が、解剖学的関節構成要素160に類似しているが、カプラー168に設けられた円盤または中央部分162を除外することができる解剖学的関節構成要素と適合可能になることを可能にする。カプラー160の修正されたバージョンは、円盤または中央部分162に類似するスペーサーなしで2つの隣接する錐体を提供することができる。隆起部分623は、空洞619の基部627から近位に延びる。隆起部分623の近位面624は、周壁621の近位面622と同じ平面または実質的に同じ平面にある場合がある。骨折ステム140はまた、周壁621の内周面を
取り囲む溝625を含み得る。
【0099】
関節部分652は、機能的及び物理的に別個の構成要素を含む関節構成要素または間接アセンブリとして構成することができる。単一の関節部分652は、ステムレスアンカー、ステム付きアンカー、及び/またはトレイのそれぞれと適合性があってよい。関節部分652は、関節部分261、352、452に関して上述された特徴のいずれかを含み得る。上述のように、関節部分652は、凹状の関節面672を有するリバース構成要素など、関節体656を含むが、いくつかの処置では、上述のように、臨床医は、図2の解剖学的関節構成要素160などの解剖学的関節構成要素を選択し得る。いくつかの実施形態では、関節部分652は、以下にさらに詳細に説明されるように、例えばポリマー関節体656及び係止部材602などの、関節アセンブリであってよい。他の実施形態では、関節部分652は、例えば、ポリマー関節体656など、単一部品であってよい。
【0100】
図9Bに示されるように、関節体656は、第1の部分または遠位部分664と、第2の部分または近位部分668を含む。関節体656は、第2の部分668に配置された関節面672を有する。関節体656の第1の部分664は、骨折ステム140の空洞619に配置されるように構成された遠位面686を含む。例えば、関節体656の第1の部分664は、遠位面686から近位に延びるくぼみ690を含み得る。くぼみ690の形状は、骨折ステム140の近位面の隆起部分623に一致し得る(例えば、図9Aを参照)。くぼみ690は、例えばくぼみ690が隆起部分623を受け入れ得る1つだけの、2つの、または別の限られた数の回転位置を可能にするためになど、隆起部分623との適切な回転整合を容易にするために少なくとも1つの軸の周りで非対称であってよい。例えば、図9Bに示されるように、くぼみ690は、その外側に直線部分690a及びその内側に湾曲部分690bを有し得る。他の実施形態では、くぼみ690は、例えば円形など、全ての軸の周りで対称であってよい。関節部分652が骨折ステム140に結合されると、くぼみ690の表面688は、穴617を充填することなく隆起部分623に重なる。
【0101】
関節体656は、移植のための解剖学的方向の表示を提供するためにマーカー679を含み得る。例えば、マーカー679は、上腕骨の側面と整合するはずである関節体656の側面の表示を提供し得る。図9Bに示されるように、マーカー679は、関節体656の遠位面686上のくぼみであってよい。しかしながら、マーカー679は、関節体656の遠位面686または他の場所に印刷されるか、さもなければ視覚的に示され得る。
【0102】
関節体656は、関節面672と遠位面686との間に配置された溝684を含み得る。溝684は、例えば周囲側面または円周面などの表面に形成され得る。上述のように、関節部分652は、関節体656と骨折ステム140との間の機械的固定を確実にするために係止部材602を含み得る。係止部材602は、弾力性のある金属などの弾性材料製であってよい。係止部材602は、上述の係止部材253、302、502、502Aの特徴のいずれかを含み得る。
【0103】
図9A図9Bに示されるように、係止部材602は、例えば溝684内など、関節体656の周りに配置され得る。係止部材602は、関節体656を骨折ステム140に組み付けるための任意の他のツールは使用しないが、衝撃部材及び槌による単純な衝撃荷重で関節体656を骨折ステム140に対して可逆的に固定し得る。関節部分652が骨折ステム140に結合されると、係止部材602の外周面がステム溝625に配置され、係止部材602の内周面が関節体溝684に配置されるように、係止部材602は偏向される。
【0104】
図10Aは、キット100の変形例の骨折ステム140または1つまたは複数の他の上
腕骨アンカーと適合性がある別の関節部分752を示している。関節部分752は、関節部分261、352、452、652に関して上述された特徴のいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、関節部分752は、例えばポリマー関節体756及び係止部材702などの関節アセンブリ、であってよい。他の実施形態では、関節部分752は、例えば、ポリマー関節体756など、単一部品であってよい。
【0105】
図10Aに示されるように、関節体756は、第1の部分または遠位部分764及び第2の部分または近位部分768を含む。関節体756は、第2の部分768に配置された関節面772を有する。関節体756の第1の部分764は、骨折ステム140の空洞619に配置されるように構成された遠位面786を含む(図9Aを参照)。例えば、関節体756の第1の部分764は、遠位面786から近位に延びるくぼみ790を含み得る。くぼみ790の形状は、骨折ステム140の近位面の隆起部分623に一致し得る(例えば、図9Aを参照)。くぼみ790は、上述されたくぼみ690のいずれかの特徴を含み得る。関節体756はまた、移植のための解剖学的方向の表示を提供するためにマーカー779を含み得る。マーカー779は、マーカー679、279の特徴のいずれかを含み得る。
【0106】
関節体756の第1の部分764はまた、例えばくぼみ790内の遠位に面する面788からなど、関節体756の遠位面から遠位に突出する逆荷重部分または偏向可能な部分754を含み得る。図示のように、偏向可能な部分754は円筒形の外形を有するが、他の構成では、偏向可能な部分754は、円錐台形状の外形または他の外形を有し得る。偏向可能な部分754は、骨折ステム140の穴617に挿入されると、中心長手方向軸Lに向かって圧縮可能であってよい(図10Bを参照)。偏向可能な部分754は、偏向可能な部分254の特徴のいずれかを含み得る。例えば、偏向可能な部分754は、関節体756の中心部分から片持ち梁で支えられた、少なくとも2つのセクション755、例えば3つのセクションまたは4つのセクションを含み得る。偏向可能な部分754はまた、少なくとも2つのセクション755のそれぞれの間に配置された圧縮長穴789を含み得る。例えば、図10Aに示されるように、偏向可能な部分754は、交差する圧縮長穴756によって分離された4つのセクション755を含み得る。圧縮長穴(複数可)756は、偏向可能な部分754が穴617に挿入されるにつれ、偏向可能な部分754が長手方向軸Lを横切る方向に圧縮可能、または環状方向に圧縮可能となることを可能にする。
【0107】
関節体756は、関節面772と遠位面786との間に配置された溝784を含み得る。溝784は、例えば周囲側面または円周面などの表面に形成され得る。関節部分752は、関節体756と骨折ステム140との間の機械的固定を確実にするために係止部材702を含み得る。係止部材702は、弾力性のある金属などの弾性材料製であってよい。係止部材702は、上述の係止部材253、302、502、502A、602の特徴のいずれかを含み得る。
【0108】
図10Bに示されるように、係止部材702は、例えば溝784内など、関節体756の周りに配置され得る。係止部材702は、関節体756を骨折ステム140に組み付けるための任意の他のツールは使用しないが、衝撃部材及び槌による単純な衝撃荷重で関節体756を骨折ステム140に対して可逆的に固定し得る。関節部分752が骨折ステム140に結合されると、係止部材702の外周面がステム溝625に配置され、内周面が関節体溝784に配置されるように、係止部材702は偏向される。
【0109】
係止部材702は、近位縁702a及び遠位縁702bを含み得る。遠位縁702bは、近位縁702aに対して斜めに配置され得る(図10Bを参照)。関節部分752が骨折ステム140に挿入されるにつれ、係止部材702の遠位縁702bは、溝625の遠位縁625bに向かって前進する。はめ込み後、係止部材702は、係止部材702の近
位縁702aが溝625の近位縁625aに接触するように弾性的に回復する。
【0110】
上腕骨インプラントが完全に組み付けられると、係止部材702は、骨折ステム140の近位面の遠位の平面PLNに沿って配置され得る。PLNは、偏向可能な部分752を通って横断方向に延び得る。係止部材702は、関節体756の遠位面786と関節体756の遠位端773との間に配置され得る。これにより、軸Lに沿ったコンパクトな配置が提供される。この配置により、偏向可能な部分752と解剖学的関節構成要素のカプラーを骨折ステム140の近位端の近くまたは近位端に接続できる。
【0111】
偏向可能な部分752の変形例では、長穴789のない連続突起を設けることができる。例えば、図3Fの実施形態の突起の止まり穴298と同様に、先細の外形及び囲まれた内部を有する突起に止まり穴を形成することができる。
【0112】
図11図12は、関節部分を骨折ステム140または他の骨アンカーに結合するために、上記に特定された関節部分のいずれかに関連して使用され得る他の係合特徴を示している。
【0113】
図11は、遠位面886を有する関節体856を示している。関節体856は、遠位面886から近位に延びるくぼみ890を含み得る。くぼみ890の形状は、骨折ステム140の近位面の隆起部分623に一致し得る(例えば、図9Aを参照)。くぼみ890は、上述されたくぼみ690のいずれかの特徴を含み得る。関節体856はまた、マーカー679、279の特徴のいずれかを含むマーカー879を含み得る。
【0114】
関節体856は、遠位面886から延びる1つまたは複数の変形可能な突起894を含み得る。1つまたは複数の変形可能な突起894は、骨アンカーの近位面の1つまたは複数の対応するくぼみに一致し得る。1つまたは複数の変形可能な突起894は、1つまたは複数の対応するくぼみに挿入されると圧縮される。1つまたは複数の変形可能な突起894は、例えばUHMWPEなどの変形可能なポリマー材料など、変形可能な材料を含み得る。1つまたは複数の変形可能な突起894は、間隔、長穴、または他の不連続部がない連続的な周辺を含み得る。少なくとも1つの変形可能な突起894は、関節体856の中心から変位され、中心から外れて配置され得る。例えば、1つまたは複数の変形可能な突起894のそれぞれは、くぼみ890と遠位面886の外周面896との間で半径方向に配置され得る。1つまたは複数の変形可能な突起894はまた、関節部分852と骨アンカーとの間の回転整合を容易にし得る。変形可能な突起894のいずれも、例えばプレス嵌めによって、骨ステム140を係合し得る。図示される関節体856は3つの変形可能な突起894を含むが、より少ないまたはより多い数の変形可能な突起894も可能であり得る。
【0115】
図12は、遠位面986を有する関節体956を示している。関節体956は、第1の部分または遠位部分964及び第2の部分または近位部分968を含む。関節体956は、第2の部分968に配置された関節面を有する。関節体956の第1の部分964は、骨折ステム140の空洞619に配置されるように構成された遠位面986を含む(図9Aを参照)。
【0116】
関節体956は、遠位面986から近位に延びるくぼみ990を含み得る。くぼみ990の形状は、骨折ステム140の近位面の隆起部分623に一致し得る(例えば、図9Aを参照)。くぼみ990は、上述されたくぼみ690のいずれかの特徴を含み得る。例えば、くぼみ990は、その外側に直線部分990a及びその内側に湾曲部分990bを有し得る。関節体956はまた、マーカー679、279の特徴のいずれかを有するマーカー979を含み得る。
【0117】
遠位部分964は、骨折ステム140の空洞619に挿入されると圧縮されて、プレス嵌め接続を形成し得る。遠位部分964は、圧縮長穴989によって、例えば3つのセクションまたは4つのセクションなど少なくとも2つのセクション987に分離され得る。例えば、図12に示されるように、遠位部分964は、外周面996からくぼみ990まで延びる圧縮長穴956によって分離された3つのセクション987を含み得る。遠位部分964は、くぼみ990の外側または直線部分990aに沿った第1のセクション987、及び例えば2つのセクション987など、くぼみ990の内側または湾曲部分990bに沿った少なくとも1つのセクション987を含み得る。遠位部分964は、横断軸Xに沿って整合した2つの圧縮長穴989を含み得る。遠位部分は、横断軸Xに垂直な軸上に少なくとも1つの追加の圧縮長穴989を含み得る。遠位部分964が骨折ステム140の空洞619に挿入されるにつれ、圧縮長穴989によって遠位部分964を環状方向に圧縮することができる。
【0118】
用語
特定の実施形態が本明細書に説明されてきたが、本明細書に説明されるインプラント及び方法は、文脈が指示する場合があるように、任意の関節構成要素を交換可能に使用することができる。
【0119】
本明細書で使用される場合、相対語「近位」及び「遠位」は、インプラントの観点から定義されるものとする。したがって、インプラントが組み付けられるときの上腕骨アンカーのステムまたはステムレスアンカーのスレッドもしく多孔質表面もしくは他のアンカー構造など、近位は関節構成要素の方向を指し、遠位はアンカー構成要素の方向を指す。
【0120】
別途具体的に記述されない限りまたは使用される文脈内で別様に理解されない限り、「することができる(can)」、「できるであろう(could)」、「可能性がある(might)」、または「してもよい(may)」などの条件的言語は、概して、ある特徴、要素、及び/またはステップを、ある実施形態が含むが、一方で他の実施形態が含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件的言語は、概して、特徴、要素、及び/またはステップが1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされることを暗示することを意図していない。
【0121】
用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などは同義であり、オープンエンド様式で包含的に用いられ、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、用語「または」は、その包含的な趣旨で(排除的な趣旨ではなく)用いられ、例えば要素のリストをつなぐのに用いられる際、用語「または」はリストの中の要素の1つ、その一部または全てを意味する。さらに、本出願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、及び「the」は、別段の指定がない限り、「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。
【0122】
本明細書で開示される範囲は、いずれかの及び全ての重複、下位の範囲、及びそれらの組み合わせをも包含する。「~まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「~よりも大きい(greater than)」、「~よりも少ない(less
than)」、及び「~の間(between)」などの言語は、記載された数を含む。「約(about)」または「約(approximately)」などの用語が先行する数字は記載された数字を含み、状況に基づいて解釈されるべきである(例えば、±5%、±10%、±15%などなど、状況下で合理的に可能な限り正確)。例えば、「約1」は「1」を含む。「実質的に(substantially)」、「一般的に(generally)」などの用語が先行する句は、引用された句を含み、状況に基づいて(例
えば、状況下で合理的に可能な限り)解釈されるべきである。例えば、「実質的に球形」は「球形」を含む。特に明記されていない限り、全ての測定値は温度及び圧力を含む標準状態においてである。
【0123】
本明細書で使用される場合、品目のリストの「少なくとも1つ」を指す句は、単一の要素を含む、それらの品目の任意の組み合わせを指す。例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」は、A、B、C、AとB、AとC、BとC、ならびにA、B、及びCをカバーすることを意図する。句「X、Y、及びZの少なくとも1つ」などの接続語はさもなければ、特に明記されていない限り、項目、用語などがX、Y、またはZの少なくとも1つであることを伝えるために一般的に使用される文脈で理解される。したがって、そのような接続語は、一般に、特定の実施形態が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つがそれぞれ存在することを必要とすると暗示することを意図していない。
【0124】
特定の実施形態及び実施例が本明細書で説明されてきたが、本開示に示され、説明された上腕骨頭アセンブリに多くの変形及び修正が加えられ得、その要素がさらなる実施形態または許容可能な実施例を形成するよう異なって組み合わされてもよい、及び/または修正されてもよいことが強調されるべきである。全てのそのような修正及び変形は、本明細書で本開示の範囲内に含まれることが意図される。多種多様の設計及び方式が考えられる。本明細書で開示される特徴、構造、またはステップは、必須または不可欠ではない。
【0125】
いくつかの実施形態は、添付の図面に関連して説明されてきた。ただし、図は原寸に比例して描かれていないことを理解されたい。距離、角度などは単なる例示であり、図示されたデバイスの実際の寸法及びレイアウトと必ずしも正確な関係をもつわけではない。構成要素は、追加、削除、及び/または再配置できる。さらに、様々な実施形態と関連した任意の特定の特徴(feature)、態様、方法、特性、特徴(characteristic)、質、属性、要素などは、本明細書に説明される全ての他の実施形態において使用できる。さらに、本明細書に説明される任意の方法は、列挙されたステップを実行するのに適した任意のデバイスを使用して実施され得ることが認識される。
【0126】
本開示の目的のため、特定の態様、利点、及び新規の特徴が本明細書で説明される。いずれかの特定の実施形態に従って全てのそのような利点が必ずしも達成されるわけではないことがあることが理解されよう。よって、例えば、当業者は、本明細書で教示または示唆することができるような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点または利点のグループを達成する方式において、開示が具体化または実施されてもよいことを認識するであろう。
【0127】
その上、例示的な実施形態が本明細書で説明されてきたが、本開示に基づいて当業者によって認識されるであろうように、本発明の範囲は、実施形態の特定の特徴及び態様の(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)同等な要素、修正、省略、組み合わせ、またはサブコンビネーション、本発明の適合及び/または改変及び使用を有するありとあらゆる実施形態に対する明確に開示された実施形態を超えることが当業者により理解されよう。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲において採用される言語に基づいて広義に解釈されることになり、実施例が非排他的であるとして解釈されることになる、本明細書において説明される実施例、または出願の審査の間に説明される実施例に限定されない。さらに、開示されたプロセス及び方法のアクションは、アクションの並べ替え及び/または追加のアクションの挿入及び/またはアクションの削除を含む、任意の方法で修正され得る。したがって、明細書及び実施例は例示のみであるとして解釈され、特許請求の範囲及びその同等物のそれらの全ての範囲によって真の範囲及び趣旨が示されることが意図される。
【0128】
本明細書に開示されるいかなる方法も、記載された順序で実行される必要はない。本明細書に開示される方法は、実践者によって取られる特定のアクションを含む。ただし、それらは、明示的または暗示的に、これらのアクションに関する第三者の指示を含むことができる。例えば、「関節窩ガイドを関節窩縁と結合すること」などのアクションは、「関節窩ガイドと関節窩リムの結合を指示すること」を含む。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上腕骨アセンブリであって、
骨に固定されるように構成された上腕骨アンカーであって、前記上腕骨アンカーが第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるくぼみを備え、前記くぼみが前記上腕骨アンカーの前記第1の端部からアクセス可能であり、前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分及び前記第1の周辺部分に隣接する第2の周辺部分を備える、前記上腕骨アンカーと、
前記くぼみの中に挿入されて、その中で前記上腕骨アンカーに固定されるように構成された関節アセンブリであって、前記関節アセンブリは、その第1の端部にまたはその第1の端部に隣接して配置された関節面を有する関節体と、前記関節体の前記第1の端部と第2の端部との間に配置された上腕骨アンカー境界面とを含み、前記上腕骨アンカー境界面は、
前記関節体の円周面に形成された溝と、
前記溝に配置された係止部材と、
前記関節体の前記第2の端部に配置された偏向可能な突起と
を備える、
前記関節アセンブリと
を備え、
前記偏向可能な突起が、前記くぼみの前記第2の周辺部分に配置され、そのように配置されるときに、円周方向に偏向されて、前記第2の周辺部分の表面に摩擦荷重を提供し、前記係止部材と前記第1の周辺部分の表面との間に荷重を提供するように構成される、
前記上腕骨アセンブリ。
【請求項2】
前記係止部材がCリングを備える、請求項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項3】
前記偏向可能な突起が、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部まで片持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを備える、請求項またはに記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴をさらに備える、請求項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項5】
前記偏向可能な突起が、その外周に配置されたテーパー面を備える、請求項のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項6】
前記偏向可能な突起が4つのセクションを備え、前記4つのセクションのそれぞれが、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部までを支える片持ち梁を備える、請求項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項7】
前記偏向可能な突起が、前記関節体の中心線に沿って止まり穴を備える、請求項のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項8】
前記係止部材が前記上腕骨アンカーの前記くぼみの前記第1の周辺部分を係合する前に、前記偏向可能な突起が前記第2の周辺部分を取り囲む表面を係合するように構成される、請求項のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項9】
前記上腕骨アンカーがステムレス中心部を備える、請求項のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項10】
前記上腕骨アンカーがステム付きアンカーを備える、請求項のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項11】
前記上腕骨アンカーが、切除された上腕骨に挿入されるように構成された第1の部分、及び前記第1の部分と結合するように構成された第2の部分を備え、
前記くぼみが前記第2の部分に形成される、請求項10のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項12】
前記第2の部分が、前記関節アセンブリを係合するように構成されたトレイを備える、請求項11に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項13】
前記上腕骨アンカー境界面に配置された突起及びくぼみの少なくとも1つが、前記骨アンカーの前記くぼみの前記第1の周辺部分に形成された突起またはくぼみと締まり嵌めを形成するように構成される、請求項12のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【請求項14】
前記偏向可能な突起が、前記係止部材と、前記関節体の前記第2の端部との間に配置される、請求項13のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
本明細書に開示されるいかなる方法も、記載された順序で実行される必要はない。本明細書に開示される方法は、実践者によって取られる特定のアクションを含む。ただし、それらは、明示的または暗示的に、これらのアクションに関する第三者の指示を含むことができる。例えば、「関節窩ガイドを関節窩縁と結合すること」などのアクションは、「関節窩ガイドと関節窩リムの結合を指示すること」を含む。
[付記1]
骨アンカーと結合するように構成された関節構成要素であって、
第1の端部及び第2の端部を有する関節体と、
前記第1の端部にまたは前記第1の端部に隣接して配置される関節面と、
前記関節体の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された骨アンカー境界面であって、
前記関節構成要素を前記骨アンカーに固定するように構成された係止部材と、
前記関節体の前記第2の端部に配置された偏向可能な部分であって、偏向されたときに前記関節体の前記第2の端部から前記関節体の前記第1の端部に向けられる荷重を提供するために、上腕骨アンカーの表面によって円周方向に偏向されるように構成された、前記偏向可能な部分と
を備える、前記骨アンカー境界面と
を備える、前記関節構成要素。
[付記2]
前記骨アンカー境界面が、前記関節体の円周面に形成された溝を備える、付記1に記載の関節構成要素。
[付記3]
前記係止部材が前記溝に配置される、付記2に記載の関節構成要素。
[付記4]
前記偏向可能な部分が、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部まで片持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを備える、先行付記のいずれか1項に記載の関節構成要素。
[付記5]
前記少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴をさらに備える、付記4に記載の関節構成要素。
[付記6]
前記偏向可能な部分が、その外周に配置されたテーパー面を備える、先行付記のいずれか1項に記載の関節構成要素。
[付記7]
前記関節体が、前記係止部材が前記骨アンカーと係合しているときに前記骨アンカーの縁を覆うように構成された横断面を備える、先行付記のいずれか1項に記載の関節構成要素。
[付記8]
前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記関節体の周辺に配置された回転制御ゾーンをさらに備える、先行付記のいずれか1項に記載の関節構成要素。
[付記9]
前記回転制御ゾーンが、第1の方向に配置された突起、及び第2の方向に配置されたくぼみを備える、付記8に記載の関節構成要素。
[付記10]
前記第1の方向が前記第2の方向を横切る、付記9に記載の関節構成要素。
[付記11]
前記突起が第1の突起であり、前記第1の突起の反対側に配置された第2の突起をさらに備える、付記9または10に記載の関節構成要素。
[付記12]
前記くぼみが第1のくぼみであり、前記第1のくぼみの反対側に配置された第2のくぼみをさらに備える、付記9~11のいずれか1項に記載の関節構成要素。
[付記13]
前記偏向可能な部分が、前記係止部材と前記関節体の前記第2の端部との間に配置される、先行付記のいずれか1項に記載の関節構成要素。
[付記14]
キットであって、
先行付記のいずれか1項に記載の前記関節構成要素と、
骨アンカーの中に形成された骨アンカーくぼみを有する前記骨アンカーであって、前記骨アンカーくぼみが第1の端部から延び、骨係合外面が前記第1の端部から前記第1の端部の反対側の第2の端部まで延び、前記骨アンカーくぼみが、前記関節構成要素の前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分とを有する、前記骨アンカーと
を備える、前記キット。
[付記15]
少なくとも前記第2の周辺部分で前記骨アンカーの前記骨アンカーくぼみを係合するように構成された第1の端部及び第2の端部を有するトレイをさらに備え、
前記トレイの前記第1の端部が、前記トレイに形成されたトレイくぼみを備え、前記トレイくぼみが、前記関節体の前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分と、前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分とを有する、付記14に記載のキット。
[付記16]
上腕骨アセンブリであって、
骨に固定されるように構成された上腕骨アンカーであって、前記上腕骨アンカーが第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるくぼみを備え、前記くぼみが前記上腕骨アンカーの前記第1の端部からアクセス可能であり、前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分及び前記第1の周辺部分に隣接する第2の周辺部分を備える、前記上腕骨アンカーと、
前記くぼみの中に挿入されて、その中で前記上腕骨アンカーに固定されるように構成された関節アセンブリであって、前記関節アセンブリは、その第1の端部にまたはその第1の端部に隣接して配置された関節面を有する関節体と、前記関節体の前記第1の端部と第2の端部との間に配置された上腕骨アンカー境界面とを含み、前記上腕骨アンカー境界面は、
前記関節体の円周面に形成された溝と、
前記溝に配置された係止部材と、
前記関節体の前記第2の端部に配置された偏向可能な突起と
を備える、
前記関節アセンブリと
を備え、
前記偏向可能な突起が、前記くぼみの前記第2の周辺部分に配置され、そのように配置されるときに、円周方向に偏向されて、前記第2の周辺部分の表面に摩擦荷重を提供し、前記係止部材と前記第1の周辺部分の表面との間に荷重を提供するように構成される、
前記上腕骨アセンブリ。
[付記17]
前記係止部材がCリングを備える、付記16に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記18]
前記偏向可能な突起が、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部まで片持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを備える、付記16または17に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記19]
前記少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴をさらに備える、付記18に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記20]
前記偏向可能な突起が、その外周に配置されたテーパー面を備える、付記16~18のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記21]
前記偏向可能な突起が4つのセクションを備え、前記4つのセクションのそれぞれが、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部までを支える片持ち梁を備える、付記18に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記22]
前記偏向可能な突起が、前記関節体の中心線に沿って止まり穴を備える、付記16~21のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記23]
前記係止部材が前記上腕骨アンカーの前記くぼみの前記第1の周辺部分を係合する前に、前記偏向可能な突起が前記第2の周辺部分を取り囲む表面を係合するように構成される、付記16~22のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記24]
前記上腕骨アンカーがステムレス中心部を備える、付記16~23のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記25]
前記上腕骨アンカーがステム付きアンカーを備える、付記16~23のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記26]
前記上腕骨アンカーが、切除された上腕骨に挿入されるように構成された第1の部分、及び前記第1の部分と結合するように構成された第2の部分を備え、
前記くぼみが前記第2の部分に形成される、付記16~25のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記27]
前記第2の部分が、前記関節アセンブリを係合するように構成されたトレイを備える、付記26に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記28]
前記上腕骨アンカー境界面に配置された突起及びくぼみの少なくとも1つが、前記骨アンカーの前記くぼみの前記第1の周辺部分に形成された突起またはくぼみと締まり嵌めを形成するように構成される、付記16~27のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。[付記29]
前記偏向可能な突起が、前記係止部材と、前記関節体の前記第2の端部との間に配置される、付記16~28のいずれか1項に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記30]
骨アンカーと結合するように構成された関節アセンブリであって、
第1の端部及び第2の端部を有する関節体と、
前記第1の端部にまたは前記第1の端部に隣接して配置される関節面と、
前記関節体の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された骨アンカー境界面であって、
前記関節体の円周面に形成された溝と、
前記溝に配置された係止部材と、
前記関節体の前記第2の端部に配置された偏向可能な部分であって、前記骨アンカーの表面によって円周方向に偏向されるように構成され、荷重が、前記関節体の前記第2の端部から前記関節体の前記第1の端部に向けられる、前記偏向可能な部分と
を備える、前記骨アンカー境界面と
を備える、前記関節アセンブリ。
[付記31]
前記偏向可能な部分が、前記関節体の中心部分から前記関節体の前記第2の端部まで片持ち梁で支えられた少なくとも2つのセクションを備える、付記30に記載の関節アセンブリ。
[付記32]
前記少なくとも2つのセクションのそれぞれの間に配置された圧縮長穴をさらに備える、付記31に記載の上腕骨アセンブリ。
[付記33]
前記偏向可能な部分が、その外周に配置されたテーパー面を備える、付記30~32のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
[付記34]
前記関節体が、前記溝と前記関節体の前記第1の端部との間に配置された横断面を備え、
前記横断面が、前記係止部材が前記骨アンカーと係合しているときに前記骨アンカーの縁を覆うように構成される、付記30~33のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
[付記35]
前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記関節体の周辺に配置された回転制御ゾーンをさらに備える、付記30~34のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
[付記36]
前記回転制御ゾーンが、第1の方向に配置された突起、及び第2の方向に配置されたくぼみを備える、付記35に記載の関節アセンブリ。
[付記37]
前記第1の方向が前記第2の方向を横切る、付記36に記載の関節アセンブリ。
[付記38]
前記突起が第1の突起であり、前記第1の突起の反対側に配置された第2の突起をさらに備える、付記35~37のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
[付記39]
前記くぼみが第1のくぼみであり、前記第1のくぼみの反対側に配置された第2のくぼみをさらに備える、付記35~38のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
[付記40]
前記偏向可能な突起が、前記係止部材と、前記関節体の前記第2の端部との間に配置される、付記35~39のいずれか1項に記載の関節アセンブリ。
[付記41]
キットであって、
付記30~40のいずれか1項に記載の前記関節アセンブリと、
骨アンカーの中に形成された骨アンカーくぼみを有する前記骨アンカーであって、前記骨アンカーくぼみが第1の端部から延び、骨係合外面が前記第1の端部から前記第1の端部の反対側の第2の端部まで延び、前記骨アンカーくぼみが、前記関節アセンブリの前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分、及び前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分を有する、前記骨アンカーと、
少なくとも前記第2の周辺部分で前記骨アンカーの前記骨アンカーくぼみを係合するように構成された第1の端部及び第2の端部を有するトレイと
を備え、
前記トレイの前記第1の端部が、前記トレイに形成されたトレイくぼみを備え、前記トレイくぼみが、前記関節アセンブリの前記係止部材を係合するように構成された前記第1の端部に隣接する第1の周辺部分、及び前記第1の周辺部分と前記第2の端部との間の第2の周辺部分であって、前記偏向可能な部分を係合するように構成された前記第2の周辺部分を有する、
前記キット。
[付記42]
方法であって、
骨アンカーを患者の長骨の端部に配置することと、
関節アセンブリの第1の回転整合特徴を、くぼみに配置された第2の回転整合特徴と回転整合させることであって、前記くぼみが、前記骨アンカーに、または前記長骨の前記端部に配置された前記骨アンカーと結合されたトレイに形成される、前記回転整合させることと、
前記関節アセンブリの逆荷重突起が前記くぼみのテーパー面内に配置されるまで、前記関節アセンブリを前進させることと、
前記関節アセンブリの係止部材が前記関節アセンブリの関節体の中心部分に形成された溝内で偏向され、前記逆荷重突起が前記くぼみの前記テーパー面によって偏向されるまで前記関節アセンブリをさらに前進させることと、
前記関節アセンブリの前記係止部材が、前記骨アンカーの前記くぼみの周りに配置された溝と整合して、前記係止部材が前記関節体の前記溝と前記くぼみの周りに配置された前記溝との間の間隔をまたぐことが可能になるまで、前記関節アセンブリをさらに前進させることと
を含み、
前記逆荷重突起が前記くぼみの前記テーパー面によって偏向されるとき、前記係止部材が前記関節体の前記溝と前記くぼみの周りに配置された前記溝との間の前記間隔をまたいだ後に、前記逆荷重突起が、前記骨アンカーに対する前記関節アセンブリの動きを低減、最小化、または排除する、
前記方法。
[付記43]
前記関節アセンブリの突起を、前記くぼみを取り囲む円周に形成された凹面と回転整合させることを含む、付記42に記載の方法。
[付記44]
さらに前進させることが、前記逆荷重突起のテーパー外面を前記くぼみのテーパー面と係合させて、前記逆荷重突起のセクションをその圧縮長穴を横切って互いに向かって移動させることを含む、付記42または43に記載の方法。
[付記45]
前記関節アセンブリを、前記骨アンカーに形成されたくぼみと直接的に係合させることをさらに含む、付記42~44のいずれか1項に記載の方法。
[付記46]
トレイを骨アンカーくぼみと係合させることをさらに含み、
前記トレイが、前記関節アセンブリを直接係合するように構成されたトレイくぼみを有する、付記42~45のいずれか1項に記載の方法。
[付記47]
肩関節プロテーゼアセンブリであって、
骨に対して配置された骨係合側、及び前記骨係合側の反対側のアセンブリ側を有する金属体を備える骨アンカーであって、前記アセンブリ側が、取り付け領域の周囲に配置されたくぼみ、及び前記取り付け領域の周囲に配置された溝を備え、前記溝が第1の保持面を含む、前記骨アンカーと、
関節アセンブリであって、
前記取り付け領域に挿入されるように構成された第1の部分と、前記第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びるポリマー体であって、前記第2の部分が関節面を含む前記ポリマー体と、
係止部材であって、
少なくとも部分的に前記第1の部分の周りに配置された弓形部材であって、第2の保持面を備える前記弓形部材と、
前記弓形部材から延びる第1の端部と、前記弓形部材の半径方向内側に配置された第2の端部とを有する弾性体と
を備える前記係止部材と
を備える前記関節アセンブリと
を備え、
前記第2の保持面が、前記中心挿入軸に垂直に配置された平面に対して角度(α)で配置され、前記第2の保持面の第1の部分が、前記関節アセンブリが前記骨アンカーと係合しているときに、前記第1の保持面よりも、前記中心挿入軸の方向で前記関節面からより遠くに配置され、前記第2の保持面の第2の部分が、前記関節アセンブリが前記骨アンカーと係合しているときに、前記第1の保持面よりも前記中心挿入軸の前記方向で前記関節面のより近くに配置される、
前記肩関節プロテーゼ。
[付記48]
前記角度(α)が0度より大きい、付記47に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記49]
前記ポリマー体の前記第1の部分が、前記弾性体を1つの位置のみで受け入れるように構成された溝を備える、付記47または48に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記50]
前記弾性体が、前記係止部材を中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、前記偏向力の除去時に前記係止部材を前記中心位置に向かって戻すために前記ひずみエネルギーを放出する、付記47~49のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記51]
前記弾性体の前記第2の端部が前記ポリマー体に結合される、付記47~50のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記52]
前記弓形部材の内周面または外周面が剛性低減特徴を備える、付記47~51のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記53]
前記弾性体が、前記弓形部材の第1の端部から半径方向内側に延びる放射状部分、及び前記放射状部分から延びる弓形部分を備える、付記47~52のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記54]
前記弓形部分が前記弓形部材と同心である、付記53に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記55]
前記弓形部材が、前記弓形部材の前記第1の端部と前記弓形部材の前記第2の端部との間に間隔を画定する、付記53または54に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記56]
前記弓形部分が前記間隔に重なる、付記55に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記57]
前記係止部材が、少なくとも部分的に前記第1の部分の周りに配置された第2の弓形部材をさらに備える、付記47~56のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記58]
前記弾性体が、前記弓形部材と前記第2の弓形部材との間に延びる、付記57に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記59]
前記弾性体が、前記弾性体の前記第2の端部に基部を備え、
前記基部が、前記ポリマー体の前記第1の部分の前記くぼみに固定されるように構成される、付記47~58のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記60]
前記弾性体が、前記基部から、別の端部の前記弓形部材の前記第1の端部まで延びる第1の偏向可能な部材を備える、付記59に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記61]
前記弾性体が、前記基部から前記第2の弓形部材に延びる第2の偏向可能な部材をさらに備える、付記60に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。[付記62]
前記係止部材が、前記弓形部材から延びる第1の端部、及び前記弓形部材の半径方向内側に配置された第2の端部を有する少なくとも1つの弾性体を備え、
前記少なくとも1つの追加の弾性体が、前記弾性体から円周方向に離間される、付記47~61のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記63]
前記少なくとも1つの追加の弾性体が2つの弾性体を備える、付記62に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記64]
肩関節プロテーゼアセンブリであって、
骨に対して配置された骨係合側、及び前記骨係合側の反対側のアセンブリ側を有する金属体を備える骨アンカーであって、前記アセンブリ側が、取り付け領域の周囲に配置されたくぼみ、及び前記取り付け領域の周囲に配置された溝を備え、前記溝が第1の保持面を含む、前記骨アンカーと、
関節アセンブリであって、
前記取り付け領域に挿入されるように構成された第1の部分と、前記第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びるポリマー体であって、前記第2の部分が関節面を含む前記ポリマー体と、
係止部材であって、
前記第1の部分の周りに配置された弓形部材と、
前記弓形部材から延びる第1の端部と、前記弓形部材の半径方向内側に配置された前記第2の端部とを有する弾性体であって、前記弓形部材を前記中心挿入軸に対して中心に置くように構成された前記弾性体と
を備える前記係止部材と
を備える前記関節アセンブリと
を備える、前記肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記65]
前記弾性体の前記第2の端部にロケータ本体をさらに備え、前記ロケータ本体が、事前に定義された位置及び/または方向で前記ポリマー体を係合するように構成される、付記64に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記66]
前記ポリマー体がくぼみを備え、前記ロケータ本体が前記中心挿入軸に対して1つの回転位置のみで前記くぼみに配置されるようにさらに構成される、付記65に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記67]
前記弾性体の前記第2の端部が前記ポリマー体に結合される、付記64~66のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記68]
前記弓形部材が、前記中心挿入軸に垂直な平面に対して鋭角で配置された平面に沿って配置された第2の保持面を備え、
前記第1の保持面が、前記係止部材が前記骨アンカーの前記溝と係合しているときに前記第2の保持面の内端と外端との間に配置される、付記64~67のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記69]
前記弾性体が、前記係止部材を中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄え、前記偏向力の除去時に前記係止部材を前記中心位置に向かって戻すために前記ひずみエネルギーを放出する、付記64~68のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記70]
前記弓形部材の内周面または外周面が剛性低減特徴を備える、付記64~69のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記71]
肩関節プロテーゼアセンブリであって、
骨アンカーに挿入されるように構成された第1の部分と、前記第1の部分の反対側の第2の部分との間の中心挿入軸に沿って延びるポリマー体であって、前記第2の部分が関節面を含む前記ポリマー体と、
前記第1の部分の周りに配置された弓形部材、及び前記弓形部材に結合された第1の端部と前記ポリマー体に結合された第2の端部とを有するロケータ本体を備える係止部材であって、前記ロケータ本体が、事前に定義された方向及び位置で前記ポリマー体のくぼみに受け入れられるように構成される、前記係止部材と
を備える、前記肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記72]
前記事前に定義された方向が、前記中心挿入軸に対して1回転位置である、付記71に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記73]
前記事前に定義された位置が中心位置である、付記71に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記74]
前記ロケータ本体が、前記係止部材の前記第1の端部を前記中心位置から離して偏向させるために、偏向力の印加時にひずみエネルギーを蓄えるように構成され、前記偏向力の除去時に前記係止部材を前記中心位置に向かって戻すために前記ひずみエネルギーを放出する、付記71~73のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記75]
骨に対して配置された骨係合側、及び前記骨係合側の反対側のアセンブリ側を有する金属体を備える骨アンカーであって、前記アセンブリ側が、前記肩関節アセンブリの前記ポリマー体の前記第1の部分を受け入れるように構成された取り付け領域の周りに配置されたくぼみ、及び前記接続構成要素の前記弓形部材を受け入れるように構成された前記取り付け領域の周囲に配置された溝を備える、前記骨アンカー
をさらに備える、付記71~74のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。[付記76]
前記ロケータ本体が前記ポリマー体に結合される、付記71~75のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
[付記77]
前記弓形部材の内周面または外周面が剛性低減特徴を備える、付記71~76のいずれか1項に記載の肩関節プロテーゼアセンブリ。
【外国語明細書】