(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147620
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】操作要素及び操作要素を備える車両
(51)【国際特許分類】
B60W 50/16 20200101AFI20241008BHJP
B62D 1/06 20060101ALI20241008BHJP
B06B 1/06 20060101ALI20241008BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241008BHJP
B62K 23/04 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
B60W50/16
B62D1/06
B06B1/06 Z
G06F3/01 560
B62K23/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024109631
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2022563918の分割
【原出願日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】102020111405.2
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TDK ELECTRONICS AG
【住所又は居所原語表記】Rosenheimer Strasse 141e, 81671 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュターニェ, ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ペンチャー シュターニ, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ブルガー, ヨハネス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】異なる機能のために異なる信号を使用することを可能にする操作要素を提供する。
【解決手段】操作要素100は、壁3によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞4を有する少なくとも1つの管状部分2と、圧電部品1であって、空洞内に配置されていると共に、操作要素の少なくとも1つの部分領域において触覚信号を生成するように、及び、圧電部品の少なくとも1つの部分への圧力作用を検出するように、企図され適合された圧電部品と、を備える。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作要素(100)であって、
- 壁(3)によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞(4)を有する少なくとも1つの管状部分(2)と、
- 圧電部品(1)であって、前記空洞内に配置されていると共に、前記操作要素の少なくとも1つの部分領域において触覚信号を生成するように、及び、前記圧電部品の少なくとも1つの部分への圧力作用を検出するように、企図され適合された圧電部品(1)と、
を備える操作要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
操作要素及び操作要素を備える車両が提供される。
【背景技術】
【0002】
特定の運転状況において車両運転者にフィードバックを与えるために、ハンドルに触覚フィードバックを生成するための振動デバイスが装備された、例えば自動車のような車両がある。振動デバイスは、例えば車線維持支援装置に結合され、車両が走行車線を離れた場合、ハンドルが例えばクリック又は振動によって車両運転者にフィードバックを与え得るよう、適合されることができ、その結果、車両運転者は、それに対して然るべき反応をすることができる。
【0003】
そのような触覚フィードバックを生成するために、これまでは、「線形共振アクチュエータ」(LRA)又は「偏心回転質量」(ERM)とも呼ばれる、いわゆる線形共振器若しくは不平衡モータの解決策が使用されてきたが、それらは予め定められた振動しか生成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の実施形態の少なくとも1つの課題は、操作要素を提供することである。特定の実施形態の少なくとも1つの更なる課題は、操作要素を備える車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの課題は、独立請求項に記載の主題によって解決される。当該主題の有利な実施形態及び発展形態の特徴は、従属請求項において述べられ、更に以下の記載及び図面から明らかになる。
【0006】
少なくとも1つの実施形態によれば、操作要素は、少なくとも1つの圧電部品を備える。操作要素は、特に、ユーザによって操作される要素であることができ、それによって、触覚フィードバック及び/又は入力機能性が可能になり得る。操作要素は、いわゆるヒューマンマシンインターフェース(HMI)とも呼ばれ得る。
【0007】
少なくとも1つの更なる実施形態によれば、車両は、圧電部品を有する操作要素を備える。
【0008】
以上及び以下で説明される特徴及び実施形態は、操作要素及び車両に等しく適用される。
【0009】
更なる実施形態によれば、操作要素は、壁によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞を有する、少なくとも1つの管状部分を備える。空洞内には、圧電部品が配置されている。圧電部品は、特に、操作要素の少なくとも1つの部分領域に触覚信号を生成するよう、企図され適合され得る。これは、特に、圧電部品の適切な電気的制御により、操作要素に例えば片手で触れているか又は操作要素を少なくとも部分的に握っているユーザに対して、触覚信号が生成され得ることを意味し得る。代替的に又は付加的に、圧電部品は、当該圧電部品の少なくとも1つの部分への圧力作用を検出するよう企図され適合され得る。これは、特に、例えば操作要素のユーザによって加えられる圧電部品への圧力作用が、電気信号に変換され得ることを意味し得る。
【0010】
操作要素は、例えば、車両用の操作要素であり得る。特に好ましくは、操作要素は、車両用の操縦要素、特に車両の操縦要素であり得る。代替的に又は付加的に、操作要素は、例えばブレーキレバーのようなブレーキ要素、及び/又は、例えばギアレバー若しくはギアシフトレバーのようなギア選択要素であり得る。更に、操作要素は、入力装置、例えばペン状の入力装置であることができ、これは更に、例えば、例えば車両内の表示装置に関連して、使用され得る。
【0011】
圧電部品は、圧電部品を駆動するための電気的な制御信号を生成するために、及び/又は、圧電部品によって生成された電気信号を検出するために、制御装置に接続され得る。例えば車両の制御装置の形態の、又は、車両用の操作要素の場合にはその少なくとも一部の形態の制御装置は、完全に又は部分的に、操作要素内に一体化され得る。更に、制御装置は、完全に又は部分的に制御要素の外側に配置されることができ、例えば操作要素内に達しその内部を延びる電気導線を介して、圧電部品に接続され得る。
【0012】
更なる実施形態によれば、操作要素は、車両用の操縦要素として形成されており、ハンドルバーを備えるか、又は、管状部分を有するハンドルバーである。車両は、この場合、好ましくは、例えばオートバイ、いわゆる三輪車又はいわゆる四輪車のような、従来のように又は電気的に駆動される原動機付自転車であり得る。更に、車両は、例えば、いわゆるeバイク又は従来の自転車のような、自転車であり得る。ハンドルバーは、好ましくは少なくとも管状部分の領域で、特に好ましくは実質的に全体として管として形成され得る。これに関連して、ハンドルバーは、真っ直ぐに、僅かに湾曲して、又は、湾曲若しくは屈曲した部分を有するように、形成され得る。
【0013】
特に好ましくは、管状部分は、操作要素のグリップ領域、すなわち、通常の使用の際にユーザの手によって握られるか又は少なくとも触れられる領域であり得る。ハンドルバーとして形成された操作要素の場合、グリップ領域は、したがって、通常の使用の際に、ユーザ、すなわち特に車両運転者の手によって握られるか又は少なくとも触れる領域であり得る。原動機付自転車のハンドルの場合、グリップ領域は回転可能であってもよい。特に、ハンドルバーは、2つのグリップ領域を備えることができる。相応して、ハンドルバーは、壁によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞をそれぞれ有する、少なくとも2つの管状部分も備えることができる。空洞のうちの少なくとも1つ又は両方には、好ましくは、それぞれ1つの圧電部品が配置されている。代替的に又は付加的に、少なくとも1つの圧電部品を有する少なくとも1つの管状部分は、グリップ領域の外側にも存在し得る。
【0014】
これに代えて、操作要素は、車両用の操縦要素として形成されることができ、管状部分を有するハンドルを備えるか又は当該ハンドルであることができる。車両は、この場合、好ましくは、例えば乗用車又はトラック又はハンドルを有する他の車両のような、従来のように駆動される及び/又は電気的に駆動される自動車であり得る。ハンドルは、好ましくは少なくとも管状部分の領域で、特に好ましくは実質的に全体として、湾曲した管として形成され得る。特に、ハンドルは、実質的に円形であるか又は円形に少なくとも近似させることができる。操作要素一般について及びハンドルバーについて既に説明したように、ハンドルは、通常の使用の際に、ユーザ、すなわち特に車両運転者の片手によってそれぞれ握られるか又は少なくとも触れられる、1つの、好ましくは少なくとも2つのグリップ領域を備えることができる。相応して、ハンドルは、壁によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞をそれぞれ有する、少なくとも2つの管状部分も備えることができる。空洞のうちの少なくとも1つ又は両方には、好ましくは、それぞれ1つの圧電部品が配置されている。代替的に又は付加的に、少なくとも1つの圧電部品を有する少なくとも1つの管状部分は、グリップ領域の外側にも存在し得る。
【0015】
以下では、少なくとも1つの圧電部品を備えた空洞を有する操作要素の管状部分が参照される。操作要素は、操縦要素として形成された操作要素について例示的に上述したように、少なくとも1つの圧電部品を備える空洞を有する2つ以上の管状部分を有することもでき、それぞれ少なくとも1つの圧電部品を有する管状部分の各々が、以下に説明される特徴のうちの1つ以上を有することができる。それぞれ少なくとも1つの圧電部品を有する管状部分は、同様に又は異なる態様で形成されることができ、したがって、同一の又は異なる機能性を有することができる。
【0016】
圧電部品は、特に好ましくは、圧電材料、特に圧電セラミック材料又は圧電ポリマー材料をベースとする圧電アクチュエータを備える。圧電アクチュエータは、例えば、積層方向に沿って互いに上下に配置された複数の圧電層と、内部電極とを有する、多層構造で構築され得る。更に、圧電アクチュエータは長手方向を有することができ、当該長手方向は、最大の広がりを有する方向に対応し得る。長手方向は、特に、積層方向に対して垂直であり得る。
【0017】
適切な電気信号を印加することにより、圧電アクチュエータは、少なくとも1つの方向において広がりを変化させることができ、この変化は、触覚信号の一部であることができ、当該触覚信号は、直接的に又は圧電部品及び/又は操作要素の更なる構成要素を介して間接的に、ユーザに転送され得る。交流電圧が印加されると、周期的な変化、したがって振動が生成され得る。特に、圧電アクチュエータの広がりの変化は、少なくともd31効果によって引き起こされることができ、少なくとも、長手方向に沿った圧電アクチュエータの長さの変化に対応し得る。
【0018】
触覚信号を生成するために圧電アクチュエータを使用することにより、本質的な利点が提供される。圧電アクチュエータは、短い応答時間及び減衰時間を有する。それに応じて、触覚信号が生成される時点及び期間は、非常に正確に定義され調整され得る。更に、例えば周波数、電圧、パルスシーケンス及び信号タイプに関連する、圧電アクチュエータに印加される制御信号の変化により、どの振幅、どの周波数及びどの持続時間で、圧電部品が制御されるかが決定され得る。異なる制御信号により、異なる触覚信号を生成することが可能になり得る。
【0019】
圧電アクチュエータは、例えば不平衡モータ又は線形共振器のような振動を発生させるための他の部材と比較して、小さい体積を有する。したがって、圧電部品内で圧電アクチュエータを使用することにより、比較的少ないスペースを必要とする部品が構成され得る。
【0020】
圧電部品は、更に、少なくとも1つの機械的な増幅要素を備えることができ、当該増幅要素は、長手方向に沿った圧電アクチュエータの長さの変化により、機械的な増幅要素の1つの領域が、長手方向に対して垂直な方向に移動されるよう、圧電アクチュエータに固定されている。
【0021】
増幅要素は、金属を含むか又は金属から成ることができ、特に好ましくは、例えば、圧電アクチュエータの長手方向に沿った端部領域に2つの端部領域で固定され、端部領域の間に圧電アクチュエータから隔てられた中央領域を有する、金属ブラケットであり得る。機械的な増幅要素は、圧電アクチュエータに、例えば接着接続によって固定され得る。増幅要素の金属は、例えばチタンであり得る。チタンは、その熱膨張係数が圧電アクチュエータの熱膨張係数と非常に類似しており、その結果、温度変化の際に機械的な応力がほとんど又は全く生じないという利点を有し得る。
【0022】
機械的な増幅要素により、d31効果によって引き起こされる圧電アクチュエータの長さの変化は、長さの変化に対して垂直なストローク運動に変換されることができ、ストローク運動の方向は、積層方向に対応し得る。ストローク運動は、長さの変化よりもはるかに大きな振幅を有し得る。例えば、ストローク運動の振幅は、長さの変化の振幅の5~40倍であり得る。したがって、圧電アクチュエータを増幅要素と組み合わせることにより、例えば、著しく大きな移動がもたらされ得る。
【0023】
機械的な増幅要素は、切り込み部を有さず一定の壁厚を有することができる。増幅要素に切り込み部を設けないことによって、増幅要素の容易な製造が可能になり得る。代替的な実施形態において、増幅要素は、機械的な増幅要素の変形に対する機械的な抵抗を低減する少なくとも1つの切り込み部を備えることができる。特に、変形に大きな力を必要とする厚さを有する増幅要素の場合、当該増幅要素における切り込み部の使用は、当該切り込み部が増幅要素の変形を容易にし得るため、有用であり得る。
【0024】
圧電部品は、特に、管状断面に関して径方向に、すなわち管状部分の管軸に対して垂直に力が作用するように、管状部分内に配置され得る。換言すれば、圧電部品は、上述した少なくとも1つの増幅要素を有する構成の場合、ストローク方向が管状部分の径方向に沿って延びるよう、配置され得る。
【0025】
更なる実施形態によれば、圧電部品は、圧電アクチュエータの長手方向が管状部分の管軸に沿って延びるように、管状部分内に配置されている。管状部分が湾曲した経路を有する場合、「管軸に沿って延びる」とは、例えば、管状部分の管軸又は長手方向への接線方向の近似を意味し得る。長手方向配置とも呼ばれ得るこのような配置では、管状部分の直径よりもはるかに大きい長手方向の広がりを有する圧電部品が使用され得る。
【0026】
更なる実施形態によれば、圧電部品は、圧電アクチュエータの長手方向が管状部分の管軸に対して横方向に延びるように、管状部分内に配置されている。横方向配置とも呼ばれるこのような配置では、圧電部品の長手方向の広がりは、管状部分の直径によって制限される。しかしながら、これにより、複数の圧電部品が、管軸に沿って互いに近接して配置され得る。
【0027】
更なる実施形態によれば、複数の圧電部品が管状部分内に配置され、圧電部品は同じであるか又は異なることができる。例えば、複数の圧電部品は、互いに隣接して配置されてアレイを形成し得る。圧電部品の各々は、例えば、他の圧電部品とは別個に読み出され、及び/又は、制御され得る。それにより、異なる圧電部品が、異なる機能を果たすことができる。これに代えて、複数の圧電部品が一緒に読み出されるか又は制御されることができ、その結果、機能性は、単一の圧電部品と比較して何倍にもなり得る。
【0028】
更なる実施形態によれば、操作要素は、少なくとも1つの相互作用要素を備え、それを介して、ユーザは、圧電部品に対して圧力を作用させることができ、及び/又は、それに対して、圧電部品はユーザへの転送のための触覚信号を伝送することができる。特に、圧電部品は、上述したストローク運動を介して、相互作用要素に作用することができる。更に、相互作用要素は、ユーザによって相互作用要素に加えられた圧力を圧電部品に伝達することができ、その結果、圧電部品に電気信号を発生させることにより、圧力の作用が圧電部品によって検出され得る。相互作用要素は、この場合、ユーザによって操作可能なボタンを形成することができ、それによって、特定の機能がトリガされ得る。
【0029】
相互作用要素は、例えば、ボタン又はスタンプの形態で形成され得る。上述した増幅要素を有する圧電部品の場合、相互作用要素は、増幅要素に配置又は固定され得る。相互作用要素は、少なくとも部分的に管状部分の壁の開口内に配置され、空洞内まで達することができる。圧電部品のストローク運動により、ストローク運動前の休止位置において開口内に埋没するか又は開口から突出して配置され得る相互作用要素は、開口から少し(更に)押し出され、したがってユーザが知覚可能な触覚信号を生成することができる。逆に、相互作用要素は、休止位置において開口から突出することができ、ユーザによって圧電部品の方向に押されることが可能である。
【0030】
更に、壁は相互作用領域を備えることができ、当該相互作用領域は、相互作用要素を形成するか、又は、当該相互作用領域には、管状部分の空洞内に上述した相互作用要素が配置されている。この場合、壁は開口を備えておらず、触覚信号又は圧力作用の伝達は、少なくとも部分的に、壁の相互作用領域を介して行われる。したがって、圧電部品は、管状部分の壁の相互作用領域に、触覚信号の生成の際、直接的に又は相互作用要素を介して、力を加えることができる。その場合、壁が相互作用領域において他の領域よりも大きな機械的変形性を有し、その結果、相互作用領域が、例えば触覚信号をユーザに伝達するために十分な柔軟性を有し得ると、有利であり得る。例えば、壁は、相互作用領域において他の領域におけるよりも薄く、及び/又は、相互作用領域の周囲を切り込み部によって取り囲まれることができる。
【0031】
更なる実施形態によれば、圧電部品は、相互作用要素と、圧電部品から見て相互作用要素とは反対側の壁の背面領域と、の間に配置されている。圧電部品と壁の背面領域との間において、管状部分の空洞内には、支持要素が配置され得る。支持要素は、例えば、圧電部品のための載置面と、載置面とは反対側の面上に、背面領域に密着する支持面と、を備えることができる。支持要素により、圧電部品のストローク運動は、完全に相互作用要素の方向に配向され得る。
【0032】
これに代えて、圧電部品が2つの相互作用要素の間に配置されていることも可能である。相互作用要素は、特に、管状断面に関して径方向に互いに対向して配置され得る。
【0033】
更なる実施形態によれば、操作要素はグリップ要素を備え、当該グリップ要素は、圧電部品を備える管状部分を取り囲むと共に、管状部分の壁よりも柔らかいプラスチックを含む。例えば、操作要素のうち少なくとも管状部分は、金属を含むことができる。グリップ要素は、プラスチック、例えばゴム、及び/又は、金属を含むか又はそれらから成ることができる。
【0034】
説明される本発明は、操作要素における触覚フィードバックの統合及び/又は機能キーの統合を可能にする。例えば、操縦要素として形成された操作要素の場合、一体化は、ハンドルバー又はハンドルのグリップ領域内で行われ、例えば、危険な状況において、パラメータの超過の際に、又は、他の告知の際に、触覚可能な若しくは知覚可能な信号を介して、運転者に通知又は警告するように機能することができる。更に、圧電部品の二重の機能性により、能動的にも、制御コマンドがグリップ領域における目標圧力によってトリガされ得る。
【0035】
特にグリップ領域における触覚フィードバックの実現のために、好ましくは、上述したように、管状部分の管軸に関して長手方向又は横方向の圧電アクチュエータの移動が用いられる。これは、圧電部品の増幅要素によって、径方向に、すなわち長手方向及び横方向に対して垂直に、増大された移動に変換され得る。この機械的な並進移動は、管状部分又は少なくとも相互作用要素を押すか又は広げ、知覚可能な触覚フィードバックの原因となる。移動は、好ましくは相互作用要素、例えばスタンプに作用することができ、それにより、移動は、ユーザに転送され得る。それにより、触覚フィードバックが、実質的に局所的に又は好ましくは局所的にのみ、ユーザとの接触面の非常に限定された領域において作用し得ることが、達成され得る。
【0036】
ERM及びLRAによる解決策とは対照的に、圧電部品の使用により、電圧、周波数、信号タイプ、パルスシーケンスのうちの1つ又は複数の可変パラメータの形態の異なる制御信号の使用が可能となり得る。制御信号を変化させることは、ユーザによる異なる知覚をもたらし、これにより、異なる機能のための異なる信号の使用が可能になる。触覚フィードバックは、ユーザとの接触面の限定された領域において局所的にのみ生じることもできるが、従来の解決策は、グローバルなフィードバックしか生成することができない。
【0037】
上述したように、圧電部品の使用は、更に、圧電部品がプッシュボタンとして二重の機能で使用され得るという利点も提供する。ユーザは、圧電部品に圧力を作用させることによって、例えば表示の切り替え、及び/又は、呼びかけの受容若しくは拒否、並びに、更なる機能のような、限定された機能をトリガするために使用され得る、電気信号を生成することができる。
【0038】
更なる利点,有利な実施形態及び発展形態が、以下において図面と関連して記載される実施例から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1A】操作要素及び操作要素を備える車両の実施例の概略説明図である。
【
図1B】操作要素及び操作要素を備える車両の実施例の概略説明図である。
【
図2】別の実施例による操作要素を備える車両の概略説明図である。
【
図3A】別の実施例による圧電部品の概略説明図である。
【
図3B】別の実施例による圧電部品の概略説明図である。
【
図4A】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図4B】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図4C】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図5】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図6】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図7】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図8A】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図8B】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【
図8C】別の実施例による操作要素の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
実施例及び図面において、同一の、同様の、又は、同等に機能する要素には、それぞれ同一の参照符号が付されている可能性がある。図示された要素及びそれらの互いの大きさの比率は縮尺どおりではなく、むしろ、例えば層、部品、部材及び領域のような個々の要素は、より良好な図示の可能性及び/又はより良好な理解のために、誇張して大きく示されている可能性がある。
【0041】
図1A及び1Bには、操作要素100及び操作要素100を有する車両1000の実施例が示されている。以下の説明では、
図1A及び1Bが同様に参照される。
【0042】
車両1000は、図示された実施例では、原動機付自転車である。特に、それは、図示されているように、例えばオートバイのような、従来のように又は電気的に駆動される原動機付自転車であり得る。代替的に、車両は、例えば三輪車、四輪車又は自転車であってもよい。これらのタイプの車両は、当該車両を操縦するために、操縦要素として、通常、ハンドルバー101を備える。図示された実施例では、純粋に例示的に、操縦要素は操作要素100として形成されている。ハンドルバー101は、ユーザすなわち車両運転者によって、通常の使用の際に、手による運転のために握られるか又は少なくとも触れられる、グリップ領域111を備える。
【0043】
操作要素100は、
図1Aに示されているように、管状部分2内に少なくとも1つの圧電部品1を備える。このために、操作要素100、すなわち図示された実施例において
図1Bに示されたハンドルバー101は、少なくとも1つの管状部分2内に、壁3によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞4を備える。空洞4内に配置された圧電部品1は、操作要素100の少なくとも1つの部分領域に触覚信号を生成するように、及び/又は、圧電部品1の少なくとも1つの部分への圧力作用を検出するように、企図され適合されている。
【0044】
ハンドルバー101は、好ましくは少なくとも管状部分2の領域で、特に好ましくは実質的に全体として、管として形成され得る。これに関連して、ハンドルバーは、真っ直ぐに、又は、
図1Bに示されているように僅かに湾曲して、又は、湾曲若しくは屈曲した部分を有するように、形成され得る。特に好ましくは、管状部分2は、ハンドルバー101のグリップ領域111であり得る。図示された原動機付自転車のハンドルの場合、グリップ領域は回転可能でもあり、したがって操作要素100の回転可能な部分を形成することができる。2つのグリップ領域111に対応して、操作要素100は、壁3によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞4をそれぞれ有する、少なくとも2つの管状部分2も備えることができる。空洞のうち少なくとも1つ又は両方には、好ましくは、それぞれ少なくとも1つの圧電部品1が配置されている。代替的に又は付加的に、少なくとも1つの圧電部品1を備える少なくとも1つの管状部分2は、グリップ領域111の外側にも存在し得る。
【0045】
操作要素100は、図示された実施例では、グリップ領域111の各々にそれぞれ1つのグリップ要素5を備え、当該グリップ要素5は、圧電部品1を備える管状部分2を取り囲み、好ましくは、管状部分2の壁3よりも柔らかいプラスチックを含む。例えば、操作要素100のうち少なくとも管状部分2は、金属を含むことができる。特に、ハンドルバー101は、金属を含むことができる。グリップ要素5は、プラスチック、例えばゴム、及び/又は、金属を含むか、又は、それらから成ることができ、ハンドルバー101の上に直に貼り付けられた原動機付自転車又は自転車用の従来のグリップ要素であることができる。
【0046】
図2には、前述の実施例と比較して、従来のように及び/又は電気的に駆動される原動機付車両である、車両1000の更なる実施例が示されている。
図2に示されているように、それは乗用車であり得る。代替的に、
図2に示されているように操作要素100としてハンドル102を備える、トラック又は他の車両も可能である。
【0047】
ハンドル102は、少なくとも1つの管状部分を備え、当該管状部分は、
図1Aに関連して説明したように形成され得ると共に、少なくとも1つの圧電部品を有する空洞を備える。ハンドルは、例えば、少なくとも管状部分の領域で、特に好ましくは実質的に全体として、湾曲した管として形成され得る。特に、ハンドルは、実質的に円形であるか又は円形に少なくとも近似させることができる。先の実施例のハンドルバーについて既に説明したように、ハンドル102は、例えば、通常の使用の際に、ユーザ、すなわち特に車両運転者の片手によってそれぞれ握られるか又は少なくとも触れられる、少なくとも2つのグリップ領域111を備えることができる。相応して、ハンドルは、壁によって少なくとも部分的に取り囲まれた空洞をそれぞれ有する、少なくとも2つの管状部分も備えることができる。空洞のうちの少なくとも1つ又は両方には、好ましくは、それぞれ1つの圧電部品が配置されている。代替的に又は付加的に、少なくとも1つの圧電部品を備える少なくとも1つの管状部分は、グリップ領域111の外側にも存在し得る。
【0048】
操作要素100内に一体化された圧電部品によって、例えば危険な状況において、パラメータの超過の際に、又は、他の告知の際に、触覚可能な若しくは知覚可能な信号を介して、狙いを定めて車両1000の運転者に通知又は警告することができる。更に、圧電部品の二重の機能性によって、能動的にも、制御コマンドが目標圧力によってトリガされ得る。
【0049】
図1A~2に示された操作要素100のうち特にグリップ領域111において触覚フィードバックを実現するために、圧電部品は、一般的な部分に記載したように圧電部品100の寸法を変化させる適切な制御信号によって、駆動されることができ、それにより、管状部分の少なくとも1つの部分に、圧力が加えられ得る。それにより、管状部分は例えば少なくとも部分的に広げられることができ、これは、ユーザによって、好ましくはグリップ要素を介しても、知覚され得る。圧電部品により、触覚フィードバックが、ユーザとの接触面のうち非常に限定された領域において局所的にのみ作用し得ることが達成され得る。
【0050】
圧電部品を使用することにより、例えば電圧、周波数、信号タイプ及び/又はパルスシーケンスのような1つ以上の可変パラメータの形態で、異なる制御信号を使用することが可能であり、これは、異なる機能のために異なる信号を使用することを可能にする。
【0051】
圧電部品に圧力を作用させることにより、ユーザは、例えば表示の切り替え、及び/又は、呼びかけの受容若しくは拒否、並びに、更なる機能のような、限定された機能をトリガするために使用され得る、電気信号を生成することができる。
【0052】
先の実施例で説明した操縦要素の形態の車両用の操作要素に代えて、操作要素100は、他の要素として、特に例えば車両用の他の操作要素としても形成され得る。例えば、操作要素は、例えばブレーキレバーのようなブレーキ要素、及び/又は、例えばギアレバー若しくはギアシフトレバーのようなギア選択要素であり得る。更に、操作要素は、入力装置、例えばペン状の入力装置であることができ、これは更に、例えば車両内の表示装置に関連して使用され得る。以下に記載される図に関連して、操作要素100の好ましい変更形態及び発展形態が記載され、それらは、例えば、図示されているように、車両用の操作要素であり得る。説明又は図示されていない要素及び特徴は、先の実施例で説明したように形成され得る。
【0053】
図3A及び3Bには、操作要素で使用可能な圧電部品1の好ましい実施例が、斜視図及び断面図で示されている。
【0054】
圧電部品1は、圧電アクチュエータ11と、2つの機械的な増幅要素13a、13bとを備える。圧電アクチュエータ11は、積層方向Sにおいて交互に重ねて積層された内部電極21及び圧電層22から成る積層体を備えている。圧電アクチュエータ11は、第1の端面24上に配置された第1の外部電極23と、第2の端面上に配置された第2の外部電極23と、を備えている。内部電極21は、積層方向Sにおいて、第1の外部電極23のうちの一方と交互に接触している。
【0055】
圧電層22は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛セラミックス(PZTセラミック)であることができる。PZTセラミックは、更に、付加的にNd及びNiを含んでいてもよい。代替的に、PZTセラミックは、更に、付加的にNd、K、及び必要に応じてCuを含んでいてもよい。代替的に、圧電層22は、Pb(ZrxTi1-x)O3 + y Pb(Mn1/3Nb2/3)O3を含む組成を有していてもよい。圧電セラミック材料に代えて、例えば圧電ポリマーも使用され得る。内部電極21は、好ましくは銅を含み、又は、特に好ましくは銅から成っている。
【0056】
圧電アクチュエータ11は、図示されているように、好ましくは直方体である。その表面法線が積層方向Sを指し示す平面を、底面と称する。底面は矩形である。底面の長辺は圧電アクチュエータ11の長さLを定義し、底面の短辺は圧電アクチュエータ11の幅Bを定義する。
【0057】
圧電アクチュエータ11は、5mm~100mmの長さL、及び、2mm~8mmの幅Bを有する。特に好ましい実施例において、圧電アクチュエータ11は、例えば60mmの長さL及び5mmの幅Bを有する。
【0058】
積層方向Sにおける圧電アクチュエータ11の広がりは、圧電アクチュエータ11の高さHを定義する。圧電アクチュエータ11の高さHは、200μm~3mmであることができる。特に好ましい実施例において、高さHは1.8mmである。
【0059】
アクチュエータ11は、2つの絶縁領域12を備えている。それぞれの絶縁領域12は、アクチュエータ11の端部領域に形成されている。特に、それぞれの絶縁領域12は、アクチュエータ11の端面24の領域に形成されている。
【0060】
絶縁領域12では、一方の極性の内部電極21のみが、アクチュエータ11の端面24まで達している。絶縁領域12は、アクチュエータ11の接触のために使用することができる。例えば、それぞれの絶縁領域12には、電気的な接触のための外部電極23を設けることができる。
【0061】
アクチュエータ11は、電圧が印加されると、アクチュエータ11の変形、特に
図3Bに示された長手方向R1における長さの変化が生じるように構成されている。特に、圧電層22は、内部電極21間に電圧を印加するとアクチュエータ11の長さLが積層方向Sに対して垂直に変化する、アクチュエータ11の収縮が生じるように、分極されている。したがって、アクチュエータの伸長は、分極方向に対して及び電界に対して横方向に生じ、これはd31効果とも呼ばれる。
【0062】
積層方向Sにおける長さの変化の効果を迂回させるために、装置は、2つの増幅要素13a、13bを備えている。アクチュエータ11に電圧が印加されると、増幅要素13a、13bは、アクチュエータ11の広がりの変化の結果として、少なくとも部分的に変形する。特に、2つの増幅要素13a、13bは、当該増幅要素13a、13bの中央領域17a、17bが、アクチュエータ11の長さLの変化の結果として、積層方向Sに対応する、
図3Bに示されたストローク方向R2においてストローク運動を実行するように寸法決めされていると共にアクチュエータ11と接続されており、当該ストローク運動の振幅は、アクチュエータ11の長さLの変化の振幅よりも大きい。
【0063】
アクチュエータ11は、図示されているように、好ましくは増幅要素13a、13bの間に配置されている。増幅要素13a、13bは、少なくとも部分的に、アクチュエータ11の上面25又は下面26の上に載置されている。
【0064】
増幅要素13a、13bの各々は、好ましくは、一体にかつストリップ状に形成されており、矩形の基本形状を有する。更に、増幅要素13a、13bの各々は、湾曲又は屈曲して形成されており、弓形である。例えば、増幅要素13a、13bは、それぞれ、特にチタンを含むか若しくはチタンから成る金属ストリップであるか、又は、金属ストリップから成る。
【0065】
増幅要素13a、13bの各々は、複数の領域又は部分に細分されている。例えば、各増幅要素13a、13bは、中央領域17a、17bを有する。中央領域17a、17bは、接続領域20a、20bを介して、それぞれ端部領域18a、18bに接続されている。増幅要素13a、13bの各々の2つの端部領域18a、18bは、アクチュエータ11の表面上に直接的に載置されている。換言すれば、第1の増幅要素13aの第1及び第2の端部領域18aは、アクチュエータ11の上面25の部分領域の上に載置されている。更に、第2の増幅要素13bの第1及び第2の端部領域18bは、アクチュエータ11の下面26の部分領域の上に載置されている。端部領域18a、18bは、好ましくは、アクチュエータ11の表面と着脱不能に接続されている。特に、端部領域18a、18bは、接着接続部15によってアクチュエータ11の表面と接続されている。
【0066】
それぞれの中央領域17a、17bは、アクチュエータ11の表面から隔てられている。特に、それぞれの中央領域17a、17bと、アクチュエータ11の下面26又は上面25との間には、自由領域16が存在する。自由領域16は、高さhを有する。アクチュエータ11とそれぞれの中央領域17a、17bとの間の自由高さhは好ましくは0.2mm~5.0mm、特に好ましい実施例では約3mmであり、自由高さhは、アクチュエータ11に電圧が印加されず、増幅要素13a、13bに外力が作用しない場合に、それぞれの中央領域17a、17bと圧電アクチュエータ11との間の最大の間隔を規定する。
【0067】
好ましくは、中央領域17a、17bは、アクチュエータ11の表面に対して平行に延びるように形成されている。接続領域20a、20bは、アクチュエータ11の表面に対して斜めに延びている。換言すれば、それぞれの接続領域20a、20bは、アクチュエータ11の上面25又は下面26との間に、ある角度を成している。当該角度は、好ましくは45°以下である。それにより、自由領域16の高さhは、それぞれの増幅要素13a、13bの中央領域17a、17bから端部領域18a、18bへ向かう方向に減少している。アクチュエータ11及び2つの増幅要素13a、13bを有する圧電部品1の全高は、好ましい実施例では約9mmであり得る。
【0068】
ここで、アクチュエータ11に電圧が印加されると、それぞれの増幅要素13a、13bの部分領域17a、17bは、アクチュエータ11に対して相対的にストローク方向R2に移動する。特に、中央領域17a、17bは、ストローク方向R2に移動する。その場合、増幅要素13a、13bは、中央領域17a、17bと接続領域20a、20bとの間、及び、接続領域20a、20bと端部領域18a、18bとの間の移行部において曲がる。増幅要素13a、13bは、それぞれの領域間に少なくとも1つの薄肉化、好ましくは複数の薄肉化を有することができ、これにより、増幅要素13a、13bのより良好な変形性及びストローク運動のより容易な実行が可能となる。更に、増幅要素13a、13bは、例えば、個々の領域の強度を高めるためにプレスされた構造を有することができる。
【0069】
端部領域18a、18bのストローク方向R2への移動は、アクチュエータ11との接着接続部15によって阻止される。むしろ、端部領域18a、18bは、アクチュエータ11と共に長手方向R1に移動する。それにより、端部領域18a、18bと中央領域17a、17bとの間に相対運動が生じる。好ましい実施例では、120Vまでの電圧が印加されると、約200μmの全ストローク運動が達成され得る。
【0070】
ストローク方向R2に沿って圧電部品1に力が加えられると、増幅要素13a、13bは、特に端部領域18a、18bが長手方向R1において互いに離れる方向に移動するよう、変形される。増幅要素13a、13bを圧電アクチュエータ11に固定することにより、圧電アクチュエータ11も長手方向に変形される。それにより、圧電アクチュエータ11に電圧が発生する。この電圧は検出することができ、このようにして、力の作用を推測することができる。このために、圧電アクチュエータ11は、圧電アクチュエータ11で発生する電圧を評価する制御要素、例えば、車両のマイクロコントローラ又は制御装置に接続され得る。これにより、圧電アクチュエータ11は、ユーザによって加えられた力の作用を検出することができるセンサとして使用され得る。
【0071】
加えて、圧電部品1は、上述したように、触覚信号を生成するためにも使用され得る。アクチュエータ11に電圧が印加されると、圧電アクチュエータ11は長手方向R1に変形し、増幅要素13a、13bは、相応して上述したストローク運動を実行する。交流電圧を印加することにより、相応して振動を発生させることができ、当該振動は、操作要素の管状部分に伝達され、ユーザによって知覚され得る。
【0072】
図4A~4Cには、上述した圧電部品1を使用した操作要素100の実施例が示されている。操作要素100は、例えば、上述したような車両用の操作要素であり得る。
図4A~4Cは、操作要素100の一部の斜視図及び2つの断面図を示す。特に、その内部に圧電部品1が配置された管状部分2が示されている。管状部分2の管軸は、
図4A~4Cに示された方向91に延び、管断面は、方向92及び93によって張られる平面内にある。例えば
図1Aに示されるように、管状部分2の上に貼り付けられる可能なグリップ要素は、明確にするために、
図4A~4C及び以下の図には示されていない。
【0073】
圧電部品1は、圧電アクチュエータの長手方向が管状部分の管軸に沿って延びるように、管状部分2内に配置されている。このような長手方向配置では、図示されているように、管状部分2の直径よりもはるかに大きな長さ寸法を有する圧電部品1が使用され得る。
【0074】
更に、操作要素100は、少なくとも1つの相互作用要素6を備え、それを介して、ユーザは、圧電部品1に対して圧力を作用させることができ、及び/又は、それに対して、圧電部品1はユーザへの転送のための触覚信号を伝送することができる。特に、圧電部品1は、上述したストローク運動を介して、相互作用要素6に作用することができる。更に、相互作用要素は、ユーザによって相互作用要素6に加えられた圧力を圧電部品1に伝達することができ、その結果、圧電部品1に電気信号を発生させることにより、圧力の作用が圧電部品1によって検出され得る。相互作用要素6は、この場合、ユーザによって操作可能なボタンを形成することができ、それによって、特定の機能がトリガされ得る。
【0075】
相互作用要素6は、図示された実施例では、ボタン又はスタンプの形態で形成され、圧電部品1の増幅要素に配置又は固定されている。相互作用要素は、部分的に管状部分2の壁3の開口62内に配置されており、空洞4内にまで達している。圧電部品1のストローク運動により、ストローク運動前の休止位置において開口内に埋没するか又は開口から突出して配置され得る相互作用要素6は、開口62から少し(更に)押し出され、したがってユーザが知覚可能な触覚信号を生成することができる。逆に、相互作用要素6は、休止位置において開口62から突出することができ、ユーザによって圧電部品1の方向に押されることが可能である。
【0076】
操作要素100は、更に、圧電部品1のうち相互作用要素6とは反対側に支持要素7を備える。したがって、圧電部品1は、相互作用要素6と、圧電部品1から見て相互作用要素6とは反対側の壁3の背面領域63と、の間に配置されている。したがって、圧電部品1と壁3の背面領域63との間において、管状部分2の空洞4内に支持要素7が配置されている。図示されているように、支持要素7は、圧電部品1のための載置面71を備え、当該載置面71によって、圧電部品1は、支持要素7に対して支持され得る。載置面71とは反対側において、支持要素7は、背面領域63に密着する支持面72を備える。支持要素7によって、圧電部品1のストローク運動は、完全に相互作用要素6の方向に配向され得る。
【0077】
図示されているように、操作要素100の管状部分2は、丸い、特に円形の管状断面を有することができる。しかしながら、加えて他の断面形状も可能である。なぜなら、特に支持要素7及び相互作用要素6の形状は、他の管状断面に容易に適合可能だからである。
【0078】
したがって、
図4A~4Cは、操作要素100内で片側に移動可能な圧電部品1の概念を示しており、これにより、アクチュエータ運動の片側での使用が可能となる。特に、相互作用要素6のみが管状部分2に対して移動し、反対側は背面領域63において完全にブロックされている。これにより、相互作用要素のたわみが最大化され得る。相互作用要素6及び/又は支持要素7は、圧電部品1の力をユーザに又はその逆に可能な限り効率的に伝達することができるように、それぞれ、プラスチック、好ましくは硬質プラスチックを含むか又はそれから成るか、あるいは、金属を含むか又はそれから成ることができる。
【0079】
以下の図では、方向91、92、93が、明確にするために示されている。
【0080】
更なる実施例による
図5において認識可能なように、壁3は相互作用領域31を備えることができ、当該相互作用領域31は、相互作用要素を形成するか、又は、当該相互作用領域31には、図示されているように、管状部分の空洞4内に上述した相互作用要素6が配置されている。この場合、壁3は開口を備えておらず、触覚信号又は圧力作用の伝達は、少なくとも部分的に、壁の相互作用領域31を介して行われる。したがって、圧電部品は、管状部分の壁の相互作用領域31に、触覚信号の生成の際、直接的に又は図示されているように相互作用要素6を介して、力を加えることができる。その場合、壁3が相互作用領域31において他の領域よりも大きな機械的変形性を有し、その結果、相互作用領域31が、例えば触覚信号をユーザに伝達するために十分な柔軟性を有し得ると、有利であり得る。例えば、壁は、図示されているように、相互作用領域31において他の領域におけるよりも薄く、及び/又は、相互作用領域の周囲を切り込み部によって取り囲まれることができる。
【0081】
図6及び7に示されているように、複数の圧電部品1が管状部分2内に配置されていてもよく、その場合、圧電部品1は、それらの技術的設計及び/又は機能性に関して、同一であるか又は異なっていることができる。例えば、複数の圧電部品1は、図示されているように、互いに隣接して配置されてアレイを形成することができる。圧電部品1の各々は、例えば、他の圧電部品とは別個に読み出され、及び/又は、制御され得る。それにより、異なる圧電部品1が、異なる機能を果たすことができる。これに代えて、複数の圧電部品1は一緒に読み出されるか又は制御されることができ、その結果、機能性は、単一の圧電部品1と比較して何倍にもなり得る。圧電部品1は、例えば、グリップ領域の部分領域に配置されてもよいし、グリップ領域にわたって分散して配置されてもよい。それにより、種々の位置において、ユーザとの対相互作用が可能であり得る。
【0082】
図6に示されているように、圧電部品1は、管状部分内に長手方向配置で配置され得る。
図7に示されているように、圧電部品1は、圧電アクチュエータの長手方向が管状部分2の管軸に対して横方向に延びるように、管状部分2内に配置されていてもよい。横方向配置と呼ばれるこの配置では、複数の圧電部品1を管軸に沿って互いに近接して配置することができ、その結果、圧電部品は、例えば、共にスライダの機能をシミュレートすることができる。
【0083】
図8A~8Cには、操作要素100の更なる実施例が示されており、ビューは、
図4A~4Cのものに対応する。
図4A~4Cの実施例と比較して、圧電部品1は、2つの相互作用要素6の間に配置されている。それぞれ、図示されているように、ボタン又はスタンプとして壁3のそれぞれの開口62に配置された相互作用要素6は、特に管状断面に関して径方向に互いに対向して配置され得る。
図4A~4Cの実施例と比較して、この概念は、反対方向のたわみを許容し、したがって、両方向においてユーザとの相互作用を可能にする。
【0084】
図面に関連して記載された特徴及び実施例は、全ての組み合わせが明示的に記載されていなくても、更なる実施例に従って互いに組み合わせることができる。更に、図面に関連して記載された実施例は、代替的に又は付加的に、一般的な部分の記載による更なる特徴を有することができる。
【0085】
本発明は、実施例に基づく記載によって、これらに限定されない。むしろ、本発明は、全ての新しい特徴、及び、特に特許請求の範囲における全ての特徴の組み合わせを含む全ての特徴の組み合わせを、たとえ当該特徴又は組み合わせ自体が特許請求の範囲又は実施例において明示的に提示されていない場合であっても、含む。
【符号の説明】
【0086】
1 圧電部品
2 管状部分
3 壁
4 空洞
5 グリップ要素
6 相互作用要素
7 支持要素
11 圧電アクチュエータ
12 絶縁領域
13a 増幅要素
13b 増幅要素
15 接着接続部
16 自由領域
17a,17b 中央領域
18a,18b 端部領域
20a,20b 接続領域
21 内部電極
22 圧電層
23 外部電極
62 開口
63 背面領域
71 載置面
72 支持面
91,92,93 方向
100 操作要素
101 ハンドルバー
102 ハンドル
111 グリップ領域
1000 車両
B 幅
h 高さ
H 高さ
L 長さ
R1 長手方向
R2 ストローク方向
S 積層方向
【外国語明細書】