(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147627
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】サーバ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241008BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241008BHJP
G06Q 30/0202 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q30/06
G06Q30/0202
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024110059
(22)【出願日】2024-07-09
(62)【分割の表示】P 2020194404の分割
【原出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木元 祐子
(72)【発明者】
【氏名】曹永 紗世
(72)【発明者】
【氏名】益田 拓郎
(57)【要約】
【課題】店舗で製造される商品の移動販売を効率的に行うことが可能なサーバ装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザの所在地を記憶する第1記憶手段と、前記ユーザが過去に店舗で購入した商品に関する第1情報を記憶する第2記憶手段と、移動販売の対象エリアに前記所在地が含まれる前記ユーザの前記第1情報に基づいて、前記店舗で製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定する選定手段と、前記選定手段で選定された前記対象商品と、当該対象商品を製造する前記店舗とを対応付けた第2情報を出力する出力手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの所在地を記憶する第1記憶手段と、
前記ユーザが過去に店舗で購入した商品に関する第1情報を記憶する第2記憶手段と、
移動販売の対象エリアに前記所在地が含まれる前記ユーザの前記第1情報に基づいて、前記店舗で製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定する選定手段と、
前記選定手段で選定された前記対象商品と、当該対象商品を製造する前記店舗とを対応付けた第2情報を出力する出力手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記選定手段は、前記第1情報として記憶された、前記ユーザが過去に購入した商品の購入履歴に基づいて、購入頻度が閾値以上の商品を前記対象商品として選定する請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記選定手段は、前記第1情報として記憶された、前記商品に対する前記ユーザの評価に基づいて、前記対象商品を選定する請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記対象商品を製造する前記店舗毎に区分した前記第2情報を、対応する店舗に出力するとともに、当該店舗の各々から前記対象商品を集荷し前記対象エリアで移動販売を行う販売会社又は移動販売車に出力する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記対象エリアに前記所在地が含まれる前記ユーザの各々に対し、前記対象商品の移動販売を案内する第3情報を配信する配信手段を更に備える請求項1~4の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
サーバ装置のコンピュータを、
ユーザの所在地を記憶する第1記憶手段と、
前記ユーザが過去に店舗で購入した商品に関する第1情報を記憶する第2記憶手段と、
移動販売の対象エリアに前記所在地が含まれる前記ユーザの前記第1情報に基づいて、前記店舗で製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定する選定手段と、
前記選定手段で選定された前記対象商品と、当該対象商品を製造する前記店舗とを対応付けた第2情報を出力する出力手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店等の店舗では、来店した客に飲食物を提供することが行われている。一方、近年では、在宅勤務やリモートワークの普及により自宅で食事するユーザが増加している。これに伴い、出前等のデリバリーシステムと連携することで、店舗内で調理した料理(以下、商品ともいう)を店舗外のユーザに届けるサービスを提供する店舗も増加している。また、車両等の移動体を利用して、店舗で調理された飲食物を店舗外で販売する移動販売も従来行われている。例えば、従来、場所や時間帯に応じて宣伝用のメッセージを変更することが可能な移動販売の方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、上述のデリバリーシステムでは、ユーザが所望する商品を届けることができるが、注文毎に配送することになるため非効率的である。また、上述の移動販売の方法では、一度に多数の商品を販売することができるものの、移動販売の対象となる商品については特段考慮されておらず、販売効率の向上に関して改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、店舗で製造される商品の移動販売を効率的に行うことが可能なサーバ装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のサーバ装置は、第1記憶手段と、第2記憶手段と、選定手段と、出力手段とを備える。第1記憶手段は、ユーザの所在地を記憶する。第2記憶手段は、前記ユーザが過去に店舗で購入した商品に関する第1情報を記憶する。選定手段は、移動販売の対象エリアに前記所在地が含まれる前記ユーザの前記第1情報に基づいて、前記店舗で製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定する。出力手段は、前記選定手段で選定された前記対象商品と、当該対象商品を製造する前記店舗とを対応付けた第2情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる移動販売システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る販売員端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る店舗マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るメニューマスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るユーザ管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る購入履歴テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る移動販売管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るユーザ端末の表示部に表示される案内画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態のサーバ装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態のユーザ端末、販売員端末及びサーバ装置間で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、実施形態にかかる移動販売システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、移動販売システム1は、店舗端末10と、ユーザ端末20と、販売会社端末30と、販売員端末40と、サーバ装置50とを有する。店舗端末10、ユーザ端末20、販売会社端末30及び販売員端末40は、インターネットや携帯電話回線網等のネットワークNを介して、サーバ装置50と通信可能に接続される。
【0009】
店舗端末10は、飲食物を製造及び販売する飲食店である店舗SPの各々に設けられたPOS端末やPC(Personal Computer)等の端末装置である。店舗SPは、例えばショッピングモールのフードコート内等、同一の施設内に設置された実店舗の各々であってもよいし、屋外に独立して設置された実店舗の各々であってもよい。また、店舗SPに設けられる店舗端末10の台数は特に問わず、複数台であってもよい。
【0010】
店舗端末10は、図示しないプロセッサの制御の下、自己の店舗SPに係る各種の処理を実行する。例えば、店舗端末10は、自己の店舗SPに来店したユーザ(客)の注文を受け付けたり、注文された飲食物(以下、商品ともいう)の会計処理を行ったりする。また、店舗端末10は、注文された商品の内訳を示す購入データをサーバ装置50に提供する。購入データは、例えば、ユーザを識別するユーザID、当該ユーザが注文した商品を識別する商品ID、自己の店舗SPを識別する店舗ID、購入日時等の情報を含む。なお、購入データの取得方法は特に問わず、既存の顧客管理システムや注文管理システム等の技術を用いることができる。
【0011】
また、店舗端末10は、サーバ装置50から通知される移動販売の販売計画を、表示装置に表示させたりする。販売計画には、例えば移動販売の対象となる商品(以下、対象商品ともいう)の商品ID、数量(発注数)、移動販売を行う予定の予定日時等の情報が含まれる。
【0012】
ユーザ端末20は、移動販売システム1のユーザが使用する端末装置である。ユーザ端末20は、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置であってもよいし、PC等の据置型の端末装置であってもよい。本実施形態では、ユーザ端末20が携帯型の端末装置であるとして説明を進める。
【0013】
ユーザ端末20は、ユーザの操作に応じて各種の処理を実行する。また、ユーザ端末20は、サーバ装置50から提供される情報を表示(出力)したり、サーバ装置50に対して情報を送信(入力)したりするインタフェース装置として使用することもできる。例えば、ユーザは、店舗SP等で購入(飲食)した商品に対する評価を、ユーザ端末20を介してサーバ装置50に送信することができる。
【0014】
販売会社端末30は、商品の移動販売を行う販売会社SCに設けられたPC等の端末装置である。販売会社端末30は、図示しないプロセッサの制御の下、移動販売に係る各種の処理を実行する。例えば、販売会社端末30は、サーバ装置50から提供される移動販売の販売計画や、販売員のスケジュール及び現在位置等に基づいて、移動販売を担当する販売員の割り当てを行う。なお、販売員の割り当ては、販売会社端末30による自動割り当てに限らず、手動で行われてもよい。
【0015】
販売員端末40は、販売会社端末30の販売員が使用する端末装置である。販売員端末40は、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置であってもよいし、移動販売車Cに備え付けられた据置型の端末装置であってもよい。
【0016】
移動販売車Cは、店舗SPで製造された対象商品を集荷し、集荷した対象商品を移動販売を行う販売場所まで配送するための車両である。移動販売車Cは、1又は複数台用意され、移動販売を担当する販売員によって運転される。
【0017】
販売員端末40は、販売会社端末30やサーバ装置50と協働することで、店舗SPで販売される商品の移動販売を支援する。例えば、販売員端末40は、サーバ装置50から提供される、移動販売の対象商品、当該対象商品を製造する店舗SP、移動販売先等を示した販売計画を表示させたりする。また、販売員端末40は、自己の端末(移動販売車C)の現在位置を取得してサーバ装置50に通知したりする。また、販売員端末40は、対象商品の在庫数を管理し、サーバ装置50に通知したりする。
【0018】
なお、販売員端末40は、サーバ装置50と直接通信を行う構成であってもよいし、販売会社端末30を介してサーバ装置50と通信を行う構成であってもよい。
【0019】
サーバ装置50は、本実施形態のサーバ装置の一例である。サーバ装置50は、例えばショッピングセンターやデータセンタ等に設けられてもよいし、クラウド(クラウド・コンピューティング)によって実現されてもよい。
【0020】
サーバ装置50は、移動販売システム1の動作を統括的に制御する。サーバ装置50は、ユーザが過去に店舗SPで購入した商品に関する第1情報に基づいて、移動販売の対象となるエリア(以下、対象エリアともいう)に所在するユーザの購買傾向を分析し、店舗SPで製造される商品のうち、分析した購買傾向に対応する商品を対象商品に設定する。
【0021】
具体的には、サーバ装置50は、上述の第1情報として、店舗SPでのユーザの購入履歴や、商品に対するユーザの評価等を記憶し、当該第1情報に基づいて、移動販売の対象商品をエリア単位で選定する。また、サーバ装置50は、選定した対象商品の移動販売に係る販売計画を、対象商品を製造する店舗SP(店舗端末10)に通知するとともに、販売会社SC(販売会社端末30)に通知する。また、サーバ装置50は、対象エリアのユーザ(ユーザ端末20)に、対象商品の移動販売を案内する案内情報を提供する。
【0022】
次に、移動販売システム1が有する主要な装置の構成について説明する。
【0023】
図2は、ユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ端末20は、CPU(Central Processing Circuit)21、ROM(Read Only Memory)22、及びRAM(Random Access Memory)23等のコンピュータ構成を備える。
【0024】
CPU21は、プロセッサの一例であり、ユーザ端末20の各部を統括的に制御する。ROM22は、各種プログラムを記憶する。RAM23は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0025】
また、ユーザ端末20は、通信部24と、記憶部25と、表示部26と、操作部27とを備える。通信部24は、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースである。通信部24は、ネットワークNを介してサーバ装置50等の外部装置と通信を行う。
【0026】
記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部25は、CPU21が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部25は、移動販売システム1用に用意されたアプリケーションプログラムを記憶する。CPU21は、ROM22や記憶部25に記憶されRAM23に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0027】
表示部26は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスであり、CPU21の制御に従って各種の情報や画面を表示する。操作部27は、各種の操作キーを有し、ユーザの操作に応じた操作内容をCPU21に出力する。なお、操作部27は、表示部26の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。
【0028】
図3は、販売員端末40のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、販売員端末40は、CPU41、ROM42、及びRAM43等のコンピュータ構成を備える。
【0029】
CPU41は、プロセッサの一例であり、販売員端末40の各部を統括的に制御する。ROM42は、各種プログラムを記憶する。RAM43は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0030】
また、販売員端末40は、通信部44と、記憶部45と、表示部46と、操作部47と、測位部48とを備える。通信部44は、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースである。通信部44は、ネットワークNを介して販売会社端末30やサーバ装置50等の外部装置と通信を行う。
【0031】
記憶部45は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部45は、CPU41が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部45は、商品の決済処理(例えば電子決済)を実行可能なアプリケーションプログラム等を記憶する。CPU41は、ROM42や記憶部45に記憶されRAM43に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0032】
表示部46は、LCD等の表示デバイスであり、CPU41の制御に従って各種の情報や画面を表示する。操作部47は、各種の操作キーを有し、ユーザの操作に応じた操作内容をCPU21に出力する。なお、操作部47は、表示部46の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。
【0033】
測位部48は、販売員端末40が存在する位置を計測する。測位部48は、例えばGPS(Global Positioning System)等の測位技術を用いた位置計測装置によって実現される。
【0034】
なお、販売員端末40の構成は上記例に限らないものとする。例えば、販売員端末40は、二次元コードやバーコード等のコードシンボルを読み取り可能なカメラ等の撮像装置を備えてもよい。
【0035】
図4は、サーバ装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示すように、サーバ装置50は、CPU51、ROM52、及びRAM53等のコンピュータ構成を備える。
【0036】
CPU51は、プロセッサの一例であり、サーバ装置50の各部を統括的に制御する。ROM52は、各種プログラムを記憶する。RAM53は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0037】
また、サーバ装置50は、通信部54と、記憶部55とを備える。通信部54は、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースである。通信部54は、ネットワークNを介して店舗端末10、ユーザ端末20及び販売員端末40等の外部装置と通信を行う。
【0038】
記憶部55は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部55は、CPU51が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部55は、WebサーバプログラムやWebアプリケーションプログラム等を記憶する。CPU51は、ROM52や記憶部55に記憶されRAM53に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0039】
また、記憶部55は、店舗マスタ551と、メニューマスタ552と、ユーザ管理テーブル553と、購入履歴テーブル554と、移動販売管理テーブル555とを記憶する。
【0040】
図5は、店舗マスタ551のデータ構成の一例を示す図である。
図5に示すように、店舗マスタ551は、各店舗SPの店舗IDに関連付けて、店舗名及び所在地等を記憶する。店舗IDは、店舗SPの各々を識別するための識別情報である。所在地は、店舗SPの住所や店舗SPが設置された座標を示す位置情報である。例えば、店舗SPがフードコート内に設けられている場合、所在地は、フードコートが設けられた施設の住所や、フードコート内での店舗SPの位置を示す情報となる。
【0041】
なお、店舗マスタ551のデータ構成は、
図5の例に限らないものとする。例えば、店舗マスタ551は、店舗IDに関連付けて、その店舗IDに対応する店舗を表すアイコンやロゴマーク等の画像情報(店舗画像)を記憶してもよい。
【0042】
図6は、メニューマスタ552のデータ構成の一例を示す図である。
図6に示すように、メニューマスタ552は、各店舗SPの店舗IDに関連付けて、店舗IDに対応する店舗SPで製造・販売される商品の商品ID,商品名及び価格等を記憶する。商品IDは、各店舗で販売される商品を識別するための識別情報である。商品名は、商品IDに対応する商品の商品名(品目)を示す情報である。価格は、商品IDに対応する商品の単価を示す情報である。
【0043】
なお、メニューマスタ552のデータ構成は、
図6の例に限らないものとする。例えば、メニューマスタ552は、各商品の商品IDに関連付けて、その商品IDに対応する商品を表す写真やイラスト等の画像情報(商品画像)や、説明文等を記憶してもよい。
【0044】
図7は、ユーザ管理テーブル553のデータ構成の一例を示す図である。
図7に示すように、ユーザ管理テーブル553は、各ユーザのユーザIDに関連付けて、ユーザIDに対応するユーザの氏名,所在地及び連絡先等を記憶する。ここで、ユーザ管理テーブル553は、第1記憶手段の一例である。
【0045】
ユーザIDは、各ユーザを識別するための識別情報である。氏名は、ユーザIDに対応するユーザの名前を示す情報である。所在地は、ユーザIDに対応するユーザの住所や居所を示す位置情報である。連絡先は、ユーザIDに対応するユーザの連絡先を示す情報である。連絡先には、ユーザが所持するユーザ端末20のアドレスや電話番号、端末ID等が登録される。
【0046】
なお、ユーザ管理テーブル553のデータ構成は、
図7の例に限らないものとする。例えば、ユーザ管理テーブル553は、各ユーザのユーザIDに関連付けて、そのユーザIDに対応するユーザの性別や年齢等の個人情報を記憶してもよい。
【0047】
図8は、購入履歴テーブル554のデータ構成の一例を示す図である。
図8に示すように、購入履歴テーブル554は、各ユーザのユーザIDに関連付けて、購入履歴情報と、評価情報とを記憶する。ここで、購入履歴テーブル554は、第2記憶手段の一例である。
【0048】
購入履歴情報は、店舗SPの店舗端末10から提供される購入データを蓄積したものである。購入履歴情報は、ユーザIDに対応するユーザが店舗SPを利用した年月日時を示す「購入日時」、店舗SPの「店舗ID」,店舗SPで購入された商品の「商品ID」等の情報を含む。
【0049】
評価情報は、商品を購入したユーザ(ユーザ端末20)から入力される情報である。評価情報は、購入履歴情報に含まれた商品IDに関連付けて記憶され、当該商品IDに対応する商品に関するユーザの評価を表すものとなる。評価情報は、例えば、多段階の評価値で表されてもよいし、コメント等の自然文で表されてもよい。
【0050】
なお、購入履歴テーブル554のデータ構成は、
図8の例に限らないものとする。例えば、
図8では、購入履歴情報と評価情報とを同一のテーブルで記憶する形態としたが、購入履歴情報と評価情報とを別のテーブルで記憶する形態としてもよい。
【0051】
図9は、移動販売管理テーブル555のデータ構成の一例を示す図である。移動販売管理テーブル555は、移動販売の販売計画及び当該移動販売の状況を管理するためのデータテーブルである。
【0052】
図9に示すように、移動販売管理テーブル555は、管理番号に関連付けて、対象商品情報と、対象エリアと、販売場所と、予定日時と、販売端末IDと、現在位置とを記憶する。ここで、管理番号は、販売計画として立案された移動販売の各々を管理するための管理番号であり、ユニークな番号が付与される。
【0053】
対象商品情報は、移動販売の対象商品に関する第2情報の一例であり、例えば、店舗IDと商品IDと数量とを含む。店舗IDは、対象商品を製造する店舗SPの店舗IDである。商品IDは、店舗IDに対応する店舗SPで製造される商品のうち、移動販売の対象となった対象商品の商品IDを意味する。数量は、商品IDに対応する商品の発注数又は在庫数を示すものである。
【0054】
対象エリアは、移動販売の対象となったエリアを示す情報である。ここで、エリアは、丁目等の区域や、団地やマンション等の区画、建物(集合住宅)等の単位で区分されたものであって、例えば住所や座標等の形態で表される。
【0055】
販売場所は、移動販売を実際に行う対象エリア内の位置を示す位置情報である。例えば、販売場所には、移動販売車Cを駐車することが可能な空地や駐車場等の位置が、住所や座標等の形態で登録される。また、予定日時は、販売場所で移動販売を行う予定の日時を示す情報である。
【0056】
これら対象商品情報、対象エリア、販売場所及び予定日時の一部又は全ては、後述する販売計画部513(
図10参照)により販売計画として導出される。
【0057】
なお、同一の管理番号に関連付けられる対象エリア及び販売場所の組は一つに限らず、複数の組が登録されてもよい。この場合、例えば、予定日時の時系列順に、対象エリアと販売場所との組が順次登録される。
【0058】
販売員端末IDは、移動販売を担当する販売員が所持する販売員端末40の端末IDである。販売員端末IDは、販売員が運転する移動販売車Cの識別情報としても利用される。現在位置は、販売員端末IDに対応する販売員、つまり移動販売車Cの現在位置を示す位置情報である。
【0059】
なお、移動販売管理テーブル555のデータ構成は、
図9の例に限らないものとする。
例えば、移動販売管理テーブル555は、管理番号に関連付けて、各店舗SPで対象商品を受け取る日時や対象商品を集荷する際の移動経路を規定したスケジュール情報を記憶してもよい。また、移動販売管理テーブル555は、管理番号に関連付けて、各店舗SPの位置や販売場所の位置等を示したマップ情報を記憶してもよい。
【0060】
次に、
図10を参照して、サーバ装置50の機能構成について説明する。
【0061】
図10は、サーバ装置50の機能構成の一例を示す図である。
図10に示すように、サーバ装置50は、購入履歴取得部511と、評価取得部512と、販売計画部513と、販売計画通知部514と、販売状況取得部515と、情報配信部516と、予約受付部517とを機能部として備える。
【0062】
上述したサーバ装置50の機能部の一部又は全ては、サーバ装置50のプロセッサ(例えばCPU51)とメモリ(例えばROM52、記憶部55)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、上述したサーバ装置50の機能部の一部又は全ては、サーバ装置50に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0063】
購入履歴取得部511は、店舗SPの各々から、当該店舗SPでユーザが購入した商品の購入データを取得する。具体的には、購入履歴取得部511は、店舗SPの各々に設けられた店舗端末10から、当該店舗SPを利用したユーザの購入データを取得する。
【0064】
ここで、購入データは、店舗SPの店舗ID、ユーザのユーザID、ユーザが購入した商品の商品ID、及び購入日時(取引日時)等を含む。購入履歴取得部511は、店舗SPから購入データを取得すると、購入データに含まれた各種の情報を購入履歴情報として購入履歴テーブル554に登録する。
【0065】
なお、購入履歴取得部511が購入データを取得する方法も特に問わず、種々の方法を採用することができる。例えば、購入データの取得方法は、店舗SPから送信される購入データを取得するプル型の取得方法であってもよいし、店舗SPにリクエストを送信して取得するプッシュ型の取得方法であってもよい。
【0066】
評価取得部512は、商品に対するユーザの評価を示した評価データを取得する。具体的には、評価取得部512は、ユーザ端末20を介して入力された評価データを取得する。
【0067】
評価データは、評価を行うユーザのユーザID、評価対象となる商品の商品ID、当該商品を製造(販売)する店舗SPの店舗ID等を含む。評価取得部512は、ユーザ端末20から送信された評価データを取得すると、その評価データに含まれた各種の情報を評価情報として購入履歴テーブル554に登録する。
【0068】
なお、評価取得部512が評価データを取得する方法は特に問わず、種々の方法を採用することができる。例えば、評価取得部512は、商品を購入したユーザのユーザ端末20宛に、評価データの入力を支援するための情報を提供してもよい。具体的には、評価取得部512は、購入履歴テーブル554に購入履歴情報(購入データ)の登録が行われる毎に、そのユーザIDに関連付けられた連絡先(ユーザ端末20)に、登録された商品IDに対応する商品を評価するための入力フォームや入力画面を提供してもよい。
【0069】
販売計画部513は、選定手段の一例である。販売計画部513は、商品の移動販売に係る販売計画を立案(生成)する。具体的には、販売計画部513は、移動販売の対象エリアを決定すると、その対象エリアに所在するユーザの第1情報に基づいて、移動販売の対象商品を選定する。
【0070】
例えば、販売計画部513は、予め区分された複数のエリアの中から、移動販売の対象となる対象エリアと、当該対象エリアでの販売場所とを決定する。また、販売計画部513は、移動販売を行う予定日時を決定する。ここで、対象エリアを決定するタイミングは予定日時の前であれば特に問わず、任意に設定することが可能である。例えば、定期的(月~金の10時等)に行う形態としてもよい。また、予定日時が予め定められており、この予定日時の前日や数時間前に行う形態としてもよい。
【0071】
続いて、販売計画部513は、ユーザ管理テーブル553を参照し、対象エリアに所在地が含まれるユーザのユーザIDを抽出する。販売計画部513は、抽出したユーザIDの購入履歴情報や評価情報に基づいて、当該ユーザIDに対応するユーザの購入傾向を分析し、分析結果に対応する対象商品を選定する。
【0072】
例えば、販売計画部513は、購入履歴情報に登録された各商品の商品IDの出現頻度から、ユーザが頻繁に購入する商品の商品IDを対象商品として選定する。また、販売計画部513は、評価情報に関連付けられた商品のうち、高評価を示す情報が登録された商品の商品IDを対象商品として選定する。ここで、高評価か否かの判定基準は特に問わず、任意に設定することが可能である。例えば、評価値が閾値以上(3以上等)の場合や、高評価を意味する文言(「おいしい」等)が評価情報に含まれる場合に高評価と判定するように設定してもよい。なお、選定する対象商品の個数は特に問わないものとするが、例えば予め定められた個数に制限する形態としてもよい。
【0073】
上記の方法で選定された対象商品は、対象エリアに所在するユーザの好みや嗜好を反映したものとなる。そのため、上記の方法で選定された対象商品を対象エリアで移動販売することで、販売効率の向上を図ることができる。なお、本実施形態では、購入履歴情報と評価情報との両方を用いて対象商品を選定する例を説明したが、何れか一方を用いて対象商品を選定してもよい。
【0074】
また、販売計画部513は、選定した対象商品の商品IDを当該対象商品を製造する店舗ID毎にまとめることで、発注する商品の商品IDを店舗SP毎に示した対象商品情報を生成する。ここで、対象商品情報は、対象商品の発注数(数量)を含んでもよい。発注数を決定する方法は特に問わず、種々の方法を採用することができる。例えば、販売計画部513は、予め定められたデフォルトの数量を発注数としてもよい。また、販売計画部513は、対象商品を購入したユーザの人数に基づき発注数を設定してもよい。また、後述するように、移動販売を行う前に予約受付部517が対象商品の予約注文を受け付けた場合には、販売計画部513は、予約注文分の数量を加味して発注数を決定してもよい。
【0075】
そして、販売計画部513は、生成した対象商品情報を、先に決定した対象エリア、販売場所及び予定日時とともに、販売計画として移動販売管理テーブル555に登録する。
【0076】
なお、販売計画部513は、各店舗SPの位置や販売場所を示した対象エリアのマップ情報を、販売計画に含めてもよい。また、販売計画部513は、予定日時や上記のマップ情報等に基づき生成した、店舗SPの各々で対象商品を受け取る受取日時や集荷の際の移動経路を規定するスケジュール情報を、販売計画に含めてもよい。また、管理番号は、販売計画部513により付与されてもよいし、CPU51等の他の制御によって付与されてもよい。
【0077】
販売計画通知部514は、出力手段の一例である。販売計画通知部514は、販売計画部513が立案した販売計画を、当該販売計画に係る店舗SPと販売会社SCとに通知(出力)する。具体的には、販売計画通知部514は、移動販売管理テーブル555に新たな販売計画が登録されると、その販売計画の対象商品情報に含まれた店舗IDの店舗端末10宛に、当該店舗IDに係る対象商品情報と、登録された予定日時とを通知する。また、販売計画通知部514は、移動販売管理テーブル555に新たな販売計画が登録されると、その販売計画に含まれた対象商品情報、対象エリア、販売場所及び予定日時を、販売会社SCの販売会社端末30に通知する。
【0078】
なお、販売計画通知部514が販売計画を通知するタイミングは特に問わず、任意に設定することが可能である。例えば、販売計画通知部514は、移動販売管理テーブル555に販売計画が登録されたタイミングで販売計画を通知する構成としてもよい。また、販売計画通知部514は、予定日時の所時間前(例えば、3時間前等)に達したタイミングで販売計画を通知する構成としてもよい。
【0079】
また、販売計画にスケジュール情報やマップ情報が含まれる場合には、販売計画通知部514は、これらの情報も店舗端末10や販売会社端末30に通知することが好ましい。具体的には、販売計画部513は、スケジュール情報に含まれた店舗SPでの受取日時を当該店舗SPに係る店舗端末10に通知する。また、販売計画部513は、スケジュール情報及びマップ情報を販売会社端末30に通知する。
【0080】
一方、サーバ装置50からの通知を受け付けた店舗SPでは、通知された対象商品情報に基づき、指定された数量分の対象商品を予定日時(又は受取日時)までに用意することが行われる。対象商品は、例えば弁当等の搬送可能な形態で製造される。
【0081】
また、サーバ装置50からの通知を受け付けた販売会社SCでは、通知された販売計画の内容に基づいて、商品の集荷及び移動販売を担当する販売員を決定することが行われる。決定された販売員は、移動販売車Cを運転することで、予定日時までに販売計画で指定された対象商品を各店舗SPから集荷する。そして、販売員は、集荷した商品を予定日時に販売場所まで運び、当該販売場所で販売する。
【0082】
なお、販売会社SCで販売員が決定された場合には、その販売員が使用する販売員端末40の販売員端末IDが販売会社端末30等からサーバ装置50に通知されるものとする。販売計画通知部514は、販売会社SCから通知された販売員端末IDを受け付けると、その販売員端末IDを、当該販売会社SCに通知した販売計画の管理番号に関連付けて移動販売管理テーブル555に登録する。
【0083】
また、販売員が使用する販売員端末40には、販売計画の内容が通知されるものとする。例えば、販売会社端末30は、サーバ装置50から通知された販売計画の内容を販売員端末40に転送する形態としてもよい。また、販売計画通知部514は、移動販売管理テーブル555に登録した販売員端末IDの販売員端末40宛に、当該販売員端末IDが関連付けられた販売計画の内容を通知してもよい。また、販売計画通知部514は、販売員端末40からのリクエストに応じて、当該販売員端末40の販売員端末IDに関連付けられた販売計画を販売員端末40に通知してもよい。
【0084】
販売状況取得部515は、販売計画によって立案された移動販売の実行状況を販売員端末40から取得する。
【0085】
具体的には、販売状況取得部515は、移動販売管理テーブル555に登録された販売員端末IDに対応する販売員端末40と協働することで、当該販売員端末40が備える測位部48の計測結果を、移動販売車Cの現在位置を示す位置情報として取得する。販売状況取得部515は、販売員端末40から位置情報を取得すると、当該販売員端末40の販売員端末IDに関連付けて、移動販売管理テーブル555に記憶する。
【0086】
なお、販売状況取得部515が移動販売車Cの現在位置の取得を開始するタイミングは特に問わないものとする。例えば、販売状況取得部515は、予定日時の30分前に達したタイミングで取得を開始する構成としてもよい。
【0087】
また、販売状況取得部515は、移動販売管理テーブル555に登録された販売員端末IDに対応する販売員端末40から、移動販売で販売された対象商品の数量(以下、販売数ともいう)又は対象商品の在庫数を示す情報を取得する。例えば、販売員が販売員端末40の操作部47を介して、商品IDと当該商品IDに対応する商品の販売数又は在庫数を入力する構成の場合、販売状況取得部515は、販売員端末40に入力された商品IDとその数量(販売数又は在庫数)を取得する。また、例えば、販売員端末40が商品の会計処理を行うような場合、販売状況取得部515は、販売員端末40の会計処理で処理対象となった商品の商品IDとその商品の数量(販売数)を取得する。
【0088】
販売状況取得部515は、販売員端末40で販売された商品の商品IDとその数量(販売数又は在庫数)を取得すると、当該数量に基づき、販売員端末40の販売員端末IDが関連付けられた購入履歴情報に含まれる該当する商品の数量を更新する。例えば、販売状況取得部515は、商品(商品ID)の販売数を取得した場合、購入履歴情報に含まれたその商品IDの数量から販売数を減算する。また、例えば、販売状況取得部515は、商品(商品ID)の在庫数を取得した場合、購入履歴情報に含まれたその商品IDの数量を取得した在庫数に更新する。
【0089】
なお、販売状況取得部515は、販売員端末40から購入された商品の商品ID及び数量とともに、当該商品を購入したユーザのユーザIDを取得した場合、これらの情報を購入履歴として購入履歴テーブル554に記憶してもよい。この場合、購入日時は、販売員端末40から情報を取得した日時を登録する。また、店舗IDは、メニューマスタ552に基づき、購入された商品の商品IDから特定することができる。
【0090】
情報配信部516は、移動販売の対象エリアに属するユーザの各々に対し、移動販売を案内する広告等の情報(以下、案内情報ともいう)を配信する。具体的には、情報配信部516は、販売計画部513が立案した販売計画の内容に基づいて、対象商品の詳細や、移動販売の予定時刻、販売場所等を示した案内情報を生成する。そして、情報配信部516は、生成した案内情報を、対象エリアに所在地が含まれる各ユーザのユーザ端末20に配信する。
【0091】
広告情報を受け取ったユーザ端末20では、CPU21の制御や操作部27を介したユーザ操作により、広告情報に基づく画面(以下、案内画面ともいう)が表示部26に表示される。ここで、
図11は、ユーザ端末20の表示部26に表示される案内画面の一例を示す図である。
【0092】
図11に示すように、案内画面Gは、対象エリアのマップ画像Gaを表示する上段領域と、対象商品の詳細を表示する下段領域との2画面で構成される。
【0093】
上段領域に表示されるマップ画像Gaには、販売場所を示すマークGbや、移動販売車Cの現在位置を示すマークGcが重畳して表示される。また、
図11では、販売場所に至るまでの移動経路をあわせて重畳表示した例を示している。ここで、マークGb及びGcの表示に係る販売場所及び移動販売車Cの現在位置は、移動販売管理テーブル555に登録された販売場所及び現在位置に基づくものである。また、マップ画像Gaには、予定日時及び販売場所を示すメッセージGdが重畳して表示される。
【0094】
これにより、ユーザ端末20を操作するユーザは、案内画面Gの上段領域を見ることで、移動販売が行われる予定の予定日時や販売場所を容易に把握することができる。また、案内画面Gの上段領域には、移動販売車Cの現在位置や移動経路が表示されるため、ユーザ端末20を操作するユーザは、移動販売車Cが販売場所に到達するまでの大凡の時間や距離感を容易に把握することができる。
【0095】
一方、案内画面Gの下段領域には、対象商品とされた各商品の商品名Ge、価格Gf、商品画像Gg等が表示される。ここで、商品名Ge、価格Gf及び商品画像Ggは、メニューマスタ552に登録された対象所品の商品名、価格、商品の画像に基づくものである。また、
図11では、対象商品を製造する店舗SPの店舗画像(アイコン)を商品画像Ggに重畳して表示した例を示している。店舗SPの店舗画像は、店舗マスタ551に登録された店舗の画像に基づくものである。案内画面Gの下段領域は、上下方向にスクロール可能となっており、画面内に収まらない対象商品をスクロール操作によって表示することができる。
【0096】
さらに、
図11では、対象商品毎に、当該対象商品に付された評価Giを表示した例を示している。評価Giは、購入履歴テーブル554に登録された対象エリアのユーザの評価情報(評価値)に基づくものである。
図11では、評価Giとして、5段階の評価値を示しており、例えば商品AAAには「4.0」が付されている。
【0097】
ここで、下段領域に表示する評価Giは、対象エリアのユーザが対象商品の各々に付した評価値の平均であってもよいし、ユーザ端末20のユーザが対象商品に付した評価値であってもよい。後者の場合、情報配信部516は、ユーザ端末20のユーザ毎に、当該ユーザが対象商品に付した評価値を購入履歴テーブル554から取得し、当該評価値を反映した案内画面Gを生成する。
【0098】
これにより、ユーザ端末20を操作するユーザは、案内画面Gの下段領域を見ることで、移動販売で販売される商品の商品名や価格、製造店舗等を容易に把握することができる。また、情報配信部516は、各対象商品に付された評価値をあわせて表示することで、ユーザが購入する対象商品を決める際の判断支援を行うことができる。
【0099】
なお、案内画面Gの表示形態は、
図11に限らず、他の表示形態であってもよい。また、情報配信部516が案内画面G(案内情報)を提供するタイミングは特に問わず、例えば、情報配信部516は、予定日時の1時間前に達したタイミングで案内画面Gの提供を開始する構成としてもよい。
【0100】
また、例えば、情報配信部516は、予定日時の前日や6時間前等のタイミングで案内画面Gを提供してもよい。このように、予定日時よりも比較的長時間先だって案内画面Gを提供するような場合、対象商品の事前予約を受け付けることで、事前予約分の数量を店舗SPに発注する数量に反映することができる。そこで、例えば、案内画面Gに表示された対象商品の各々を選択可能とし、予約受付部517が、選択された対象商品の予約を予定日時の数時間前(3時間前等)まで受け付ける構成としてもよい。
【0101】
具体的には、予約受付部517は、案内画面G等に基づき、ユーザ端末20から、移動販売で販売予定の対象商品の商品IDを指示した予約情報を受け付ける。かかる予約情報は、上述した対象商品の商品IDの他、購入数(販売数)、ユーザID、移動販売の管理番号を含む。
【0102】
予約受付部517は、ユーザ端末20から予約情報を受け付けると、販売計画部513と協働することで、予約情報に含まれた管理番号の販売計画に含まれる予約された対象商品の数量を、予約情報で指示された購入数に応じて調整する。また、販売計画が店舗端末10に通知済である場合、予約受付部517は、販売計画通知部514と協働することで、予約された対象商品を製造する店舗SPの店舗端末10に対し、調整後の購入数や対象商品の商品ID等を通知する。また、予約受付部517は、移動販売を行う販売員の販売員端末40に対し、予約情報を通知する。
【0103】
これにより、店舗端末10では、予約分を加味した数量の対象商品を製造することになるため、予約分の数量を確実に確保できるとともに、非予約分の商品も確保することができる。
【0104】
以下、上述したサーバ装置50の動作例について説明する。
【0105】
まず、
図12を参照して、販売計画の立案に係る処理について説明する。
図12は、サーバ装置50が行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、各ユーザの購入履歴情報(購入データ)及び評価情報(評価データ)は、購入履歴テーブル554に登録されているものとする。
【0106】
まず、販売計画部513は、移動販売の対象エリア及び販売場所を決定する(ステップS11)。次いで、販売計画部513は、ユーザ管理テーブル553を参照し、対象エリアに所在地が含まれるユーザ(ユーザID)を抽出する(ステップS12)。
【0107】
続いて、販売計画部513は、ステップS12で抽出したユーザの購入履歴情報及び評価情報に基づいて、商品の購入傾向を分析し(ステップS13)、購入傾向に対応する商品を移動販売の対象商品に選定する(ステップS14)。
【0108】
続いて、販売計画部513は、対象商品を店舗SP毎に区分した対象商品情報を、ステップS11で決定した対象エリア及び販売場所や、移動販売の予定日時等とともに販売計画として移動販売管理テーブル555に登録する(ステップS15)。
【0109】
続いて、販売計画通知部514は、対象商品を製造する店舗SP(店舗端末10)の各々に対し、当該店舗SPに係る販売計画(対象商品情報、予定日時等)を通知する(ステップS16)。また、販売計画通知部514は、ステップS15で登録された販売計画を販売会社SC(販売会社端末30)に通知し(ステップS17)、本処理を終了する。
【0110】
上記の処理により、サーバ装置50で立案された販売計画が、店舗SPと販売会社端末30との間で共有されることになる。なお、販売計画通知部514は、販売会社端末30から移動販売を担当する販売員の販売員端末IDの通知を受け付けた場合には、その販売員端末IDを移動販売管理テーブル555に登録し、移動販売の状況を追跡可能な状態とする。
【0111】
次に、
図13を参照して、販売計画立案後の処理について説明する。
図13は、ユーザ端末20、販売員端末40及びサーバ装置50間で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本処理の前提として、移動販売車Cは販売計画に基づいて走行中の状態にあるとする。
【0112】
まず、サーバ装置50の情報配信部516は、移動販売管理テーブル555に登録された販売計画のうち、予約日時の所定時間前に達した販売計画を検出すると、当該販売計画に基づいて案内情報を生成する(ステップS21)。次いで、情報配信部516は、生成した案内情報を、販売計画で指示された対象エリアの各ユーザ(ユーザ端末20)に配信する(ステップS22)。
【0113】
ユーザ端末20では、サーバ装置50から案内情報を受信すると、当該案内情報に基づく案内画面Gを表示部26に表示させる(ステップS23)。
【0114】
一方、販売員端末40では、測位部48が位置情報を計測(更新)する(ステップS24)。サーバ装置50の販売状況取得部515は、販売員端末40から位置情報を取得すると(ステップS25)、取得した位置情報を移動販売管理テーブル555に登録することで、移動販売車Cの現在位置を更新する(ステップS26)。また、情報配信部516は、案内情報として提供する移動販売車Cの現在位置を更新する(ステップS27)。これに伴い、ユーザ端末20の表示部26に表示された案内画面が更新される(ステップS28)。
【0115】
これにより、ユーザ端末20を操作するユーザは、サーバ装置50から提供される案内情報(案内画面)に基づき、移動販売で販売される商品や移動販売車Cの現在位置を容易に把握することができる。したがって、サーバ装置50は、移動販売システム1を利用するユーザの利便性を向上させることができる。
【0116】
以上のように、本実施形態のサーバ装置50は、ユーザの所在地を記憶するユーザ管理テーブル553と、ユーザが店舗SPで購入した商品に関する第1情報を記憶する購入履歴テーブル554と、移動販売の対象エリアに所在地が含まれるユーザの第1情報に基づいて、店舗SPで製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定し、選定した対象商品の商品IDと、当該対象商品を製造する店舗SPの店舗IDとを対応付けた対象商品情報を出力する。
【0117】
これにより、サーバ装置50は、対象エリアに所在するユーザの好みや嗜好を反映した商品を、移動販売の対象商品とすることができる。そのため、サーバ装置50が出力する対象商品情報に基づいて、対象商品を製造する店舗SPの各々から当該対象商品を集荷し、集荷した対象商品を対象エリア(販売場所)で移動販売することで、販売効率の向上を図ることができる。また、移動販売では、出前等のデリバリーシステムと比較し、一度に多数の商品を配送及び販売することができるため、販売効率の向上を図ることができる。したがって、サーバ装置50の制御により、店舗SPで製造される商品の移動販売を効率的に行うことができる。
【0118】
なお、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0119】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0120】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1 移動販売システム
10 店舗端末
20 ユーザ端末
30 販売会社端末
40 販売員端末
50 サーバ装置
511 購入履歴取得部
512 評価取得部
513 販売計画部
514 販売計画通知部
515 販売状況取得部
516 情報配信部
517 予約受付部
SP 店舗
SC 販売会社
C 移動販売車
N ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザの所在地を記憶する第1記憶部から、移動販売の対象エリアに前記所在地が含まれるユーザを抽出する抽出手段と、
各ユーザが過去に店舗で購入した商品に関する第1情報を記憶する第2記憶部に記憶された、前記抽出手段が抽出した前記ユーザの前記第1情報に基づいて、前記店舗で製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定する選定手段と、
前記抽出手段が抽出した前記ユーザの各々に、前記選定手段で選定された前記対象商品の移動販売を案内する案内情報を配信する配信手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記選定手段は、前記第1情報として記憶された、前記ユーザが過去に購入した商品の購入履歴に基づいて、購入頻度が閾値以上の商品を前記対象商品として選定する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記選定手段は、前記第1情報として記憶された、前記商品に対する前記ユーザの評価に基づいて、前記対象商品を選定する、請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記配信手段は、前記対象商品の各々と、前記抽出手段が抽出した前記ユーザの前記対象商品に対する評価に基づく情報とを関連付けた前記案内情報を、配信する請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記選定手段で選定された前記対象商品と当該対象商品を製造する店舗とを対応付けた第2情報を、対応する店舗に送信するとともに、当該店舗の各々から前記対象商品を集荷し前記対象エリアで移動販売を行う販売会社又は移動販売車に出力する出力手段を更に備える、請求項1~4の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
サーバ装置のコンピュータを、
各ユーザの所在地を記憶する第1記憶部から、移動販売の対象エリアに前記所在地が含まれるユーザを抽出する抽出手段と、
各ユーザが過去に店舗で購入した商品に関する第1情報を記憶する第2記憶部に記憶された、前記抽出手段が抽出した前記ユーザの前記第1情報に基づいて、前記店舗で製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定する選定手段と、
前記抽出手段が抽出した前記ユーザの各々に、前記選定手段で選定された前記対象商品の移動販売を案内する案内情報を配信する配信手段と、
して機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態のサーバ装置は、各ユーザの所在地を記憶する第1記憶部から、移動販売の対象エリアに前記所在地が含まれるユーザを抽出する抽出手段と、各ユーザが過去に店舗で購入した商品に関する第1情報を記憶する第2記憶部に記憶された、前記抽出手段が抽出した前記ユーザの前記第1情報に基づいて、前記店舗で製造される商品の中から移動販売の対象商品を選定する選定手段と、前記抽出手段が抽出した前記ユーザの各々に、前記選定手段で選定された前記対象商品の移動販売を案内する案内情報を配信する配信手段と、を備える。