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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147640
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】AXL/MER阻害剤の製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/53 20060101AFI20241008BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61K31/53
A61P35/00
A61P35/02
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/12
A61K47/02
A61K47/22
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/32
【審査請求】有
【請求項の数】42
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024110891
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2020573235の分割
【原出願日】2019-06-28
(31)【優先権主張番号】62/692,210
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505193450
【氏名又は名称】インサイト・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・エル・ロッコ
(72)【発明者】
【氏名】フランシス・エックス・ムラー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】がんの治療におけるAXL/MERキナーゼの調節のための化合物及びその使用方法を提供する。
【解決手段】(a)N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)有機酸、及び
(c)界面活性剤を含む、固体経口剤形の医薬製剤を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)有機酸、及び
(c)界面活性剤を含む、固体経口剤形の医薬製剤。
【請求項2】
前記有機酸が、クエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、ソルビン酸、または酒石酸である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記有機酸が、クエン酸である、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
約1重量%~約50重量%の有機酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
約5重量%~約40重量%の有機酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
約5重量%~約30重量%の有機酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
約10重量%~約20重量%の有機酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
約10重量%または約20重量%の有機酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
約1重量%~約20重量%の化合物Iを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
約2重量%~約15重量%の化合物Iを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項11】
約3重量%または約12重量%の化合物Iを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記界面活性剤が、ポロキサマーである、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記界面活性剤が、ポロキサマー407またはポロキサマー188である、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記界面活性剤が、ポロキサマー407である、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
約1重量%~約20重量%の界面活性剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
約5重量%~約15重量%の界面活性剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項17】
約5重量%~約10重量%の界面活性剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
約1重量%~約10重量%の界面活性剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項19】
希釈剤をさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記希釈剤が、マンニトールである、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
約40重量%~約90重量%の希釈剤を含む、請求項19または20に記載の医薬製剤。
【請求項22】
約50重量%~約80重量%の希釈剤を含む、請求項19または20に記載の医薬製剤。
【請求項23】
約50重量%~約75重量%の希釈剤を含む、請求項19または20に記載の医薬製剤。
【請求項24】
崩壊剤をさらに含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記崩壊剤が、クロスポビドンである、請求項24に記載の医薬製剤。
【請求項26】
約1重量%~約10重量%の崩壊剤を含む、請求項24または25に記載の医薬製剤。
【請求項27】
約2重量%~約5重量%の崩壊剤を含む、請求項24または25に記載の医薬製剤。
【請求項28】
滑沢剤、流動促進剤、またはそれらの両方をさらに含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項29】
前記滑沢剤が、ステアリン酸である、請求項28に記載の医薬製剤。
【請求項30】
約1重量%~約5重量%の滑沢剤を含む、請求項28または29に記載の医薬製剤。
【請求項31】
約2重量%の滑沢剤を含む、請求項28または29に記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記流動促進剤が、コロイド状シリカである、請求項28~31のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項33】
約0.1重量%~約5重量%の流動促進剤を含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項34】
約0.5重量%または約1重量%の流動促進剤を含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項35】
(a)N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、及び
(c)ポロキサマーを含む、医薬製剤。
【請求項36】
前記塩が、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)である、請求項1~35のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項37】
約1重量%~約20重量%の化合物Iマレエートを含む、請求項36に記載の医薬製剤。
【請求項38】
約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエートを含む、請求項36に記載の医薬製剤。
【請求項39】
約3重量%または約12重量%の化合物Iマレエートを含む、請求項36に記載の医薬製剤。
【請求項40】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマーを含む、医薬製剤。
【請求項41】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤。
【請求項42】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマーを含む、医薬製剤。
【請求項43】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤。
【請求項44】
前記塩が、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)である、請求項40~43のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項45】
化合物I、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物が、結晶形態である、請求項1~44のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項46】
前記剤形が、錠剤またはカプセルである、請求項1~45のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項47】
前記剤形が、カプセルである、請求項1~45のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項48】
AXL及びMERキナーゼを阻害するための方法であって、前記AXL及びMERキナーゼを請求項1~47のいずれか一項に記載の医薬製剤と接触させることを含む、前記方法。
【請求項49】
患者におけるがんを治療するための方法であって、前記患者に治療有効量の請求項1~47のいずれか一項に記載の医薬製剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項50】
前記がんが、肝細胞癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胆嚢癌、膵臓癌、甲状腺癌、皮膚癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、膠芽腫、黒色腫、及び横紋肉腫から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記がんが、肺癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、黒色腫、腎細胞癌、多発性骨髄腫、胃癌、または横紋筋肉腫である、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
経口投与に好適な医薬製剤を調製するための方法であって、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物と、有機酸と、界面活性剤とをブレンドして、経口投与に好適な前記医薬製剤を形成することを含む、前記方法。
【請求項53】
前記医薬製剤を圧縮してカプセルを得ることをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
請求項52に記載の方法によって調製される、請求項1~47のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、がんなどのAXL/MER媒介性疾患の治療において有用である、AXL/MER阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物の医薬製剤及び固体剤形、ならびにそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞外環境から細胞の細胞質及び核にシグナルを伝達して、生存、成長、増殖、分化、接着、及び遊走などの細胞事象を調節する、細胞表面タンパク質である。
【0003】
TAMサブファミリーは、Tyro3、AXL、及びMERを含む、3つのRTKからなる(Graham et al.,2014,Nature Reviews Cancer 14,769-785、Linger et al.,2008,Advances in Cancer Research 100,35-83)。TAMキナーゼは、2つの免疫グロブリン様ドメイン及び2つのフィブロネクチンIII型ドメインからなる細胞外リガンド結合ドメインを特徴とする。TAMキナーゼでは、成長停止特異的6(GAS6)及びプロテインS(PROS1)の2つのリガンドが特定されている。GAS6は、3つ全てのTAMのキナーゼに結合し、それらを活性化することができるが、PROS1は、Mer及びTyro3のリガンドである(Graham et al.,2014,Nature Reviews Cancer 14,769-785)。
【0004】
AXL(UFO、ARK、JTK11、及びTYRO7としても既知)は、もともと、慢性骨髄性白血病を有する患者のDNAからの形質転換遺伝子として特定された(O’Bryan et al.,1991,Mol Cell Biol 11,5016-5031、Graham et al.,2014,Nature Reviews Cancer 14,769-785、Linger et al.,2008,Advances in Cancer Research 100,35-83)。GAS6は、AXLに結合し、その後のAXLチロシンキナーゼの自己リン酸化及び活性化を誘導する。AXLは、PI3K-Akt、Raf-MAPK、PLC-PKCを含むいくつかの下流シグナル伝達経路を活性化する(Feneyrolles et al.,2014,Molecular Cancer Therapeutics 13,2141-2148、Linger et al.,2008,Advances in Cancer Research 100,35-83)。
【0005】
MER(MERTK、EYK、RYK、RP38、NYK、及びTYRO12としても既知)は、もともと、リンパ芽球発現ライブラリからのリン酸化タンパク質として特定された(Graham et al.,1995,Oncogene 10,2349-2359、Graham et al.,2014,Nature Reviews Cancer 14,769-785、Linger et al.,2008,Advances in Cancer Research 100,35-83)。GAS6及びPROS1の両方は、Merに結合し、Merキナーゼのリン酸化及び活性化を誘導することができる(Lew et al.,2014)。AXLのように、MER活性化もまた、PI3K-Akt及びRaf-MAPKを含む下流シグナル伝達経路を伝達する(Linger et al.,2008,Advances in Cancer Research 100,35-83)。
【0006】
TYRO3(DTK、SKY、RSE、BRT、TIF、ETK2としても既知)は、もともと、PCRに基づくクローニング研究により特定された(Lai et al.,Neuron 6,691-70,1991、Graham et al.,2014,Nature Reviews Cancer 14,769-785、Linger et al.,2008,Advances in Cancer Research 100,35-83)。GAS6及びPROS1の両方のリガンドは、TYRO3に結合し、それを活性化することができる。TYRO3活性化の下流シグナル伝達経路は、TAM RTKの間で最も研究されていないが、PI3K-Akt及びRaf-MAPK経路の両方が関与していると思われる(Linger et al.,2008,Advances in Cancer Research 100,35-83)。AXL、MER、及びTYRO3は、がん細胞において過剰発現することがわかっている。
【0007】
したがって、がんの治療におけるAXL/MERキナーゼの調節のための化合物及びその使用方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、とりわけ、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、有機酸、及び界面活性剤を含む、医薬製剤を対象とする。
【0009】
本発明は、本明細書に提供される医薬製剤を含む剤形をさらに対象とする。
【0010】
本発明は、AXL/MER活性に関連する疾患を治療する方法をさらに対象とし、この方法は、その治療を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に提供される医薬製剤または剤形を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】化合物Iマレイン酸塩を表すXRPDパターンを示す。
図2】化合物Iマレイン酸塩を表すDSCサーモグラムを示す。
図3】化合物Iマレイン酸塩を表すTGAデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、改善された特性、例えば生物学的利用能を有する、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1マレイン酸塩)、水和物、もしくは溶媒和物の医薬組成物(または製剤)及び剤形に関する。特に、本発明の製剤及び剤形は、化合物I(例えば、化合物Iマレエート)の生物学的利用能を高めるのを助ける。クエン酸などの有機酸、及びポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)などの界面活性剤を含めることにより、生物学的利用能を高めることができる。
【0013】
製剤
本発明は、とりわけ、
(a)N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1マレエート)、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)有機酸、及び
(c)界面活性剤を含む、固体経口剤形の医薬製剤を提供する。
【0014】
化合物Iは、AXL/MER阻害剤であり、以下の式を有するN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドを指す。
【0015】
【化1】
化合物I
化合物Iマレイン酸塩は、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエートを指し、これは「化合物Iマレイン酸」または「化合物Iマレエート」とも称される。本開示はまた、化合物Iの他の塩も含む。そのような塩の例としては、例えば、硫酸塩(例えば、ヘミ硫酸塩)、リン酸塩、塩酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩(すなわち、メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(すなわち、エシル酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩(すなわち、ベシル酸塩)、及びp-トルエンスルホン酸塩(例えば、トシル酸塩)が挙げられる。
【0016】
化合物Iは、米国特許第9,981,975号の手順に従って調製することができる。例えば、例83を参照されたい。化合物Iマレイン酸塩及び様々な結晶形態は、米国仮出願第62/564,070号の手順に従って調製することができる。また、例えば、本明細書に提供される実施例も参照されたい。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物は、結晶形態である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物は、非結晶性である。他の実施形態では、本明細書で使用される化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物は、水和物である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物は、溶媒和物である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物は、無水である。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物Iマレエートは、結晶形態である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物Iマレエートは、非結晶性である。他の実施形態では、本明細書で使用される化合物Iマレエートは、水和物である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物Iマレエートは、溶媒和物である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される化合物Iマレエートは、無水である。
【0019】
いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)有機酸、及び
(c)界面活性剤を含む、医薬製剤を提供する。
【0020】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される医薬製剤は、希釈剤をさらに含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される医薬製剤は、滑沢剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される医薬製剤は、崩壊剤をさらに含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約1重量%~約20重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約2重量%~約15重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%~約12重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約5重量%~約10重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%~約8重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約2重量%~約6重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、または約12重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約12重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約1重量%~約20重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%~約12重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約5重量%~約10重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%~約8重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約2重量%~約6重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、または約12重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約3重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約4重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約7重量%の化合物Iマレエートを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約12重量%の化合物Iマレエートを含む。
【0023】
本明細書に記載の化合物Iの重量パーセント及び量は、特に明記しない限り、化合物Iの遊離塩基に基づいて計算される。
【0024】
本発明のある特定の製剤中に存在する界面活性剤は、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物の生物学的利用能を高めるのを助ける。「界面活性剤」という用語は、2種の液体間の界面張力、または液体と固体との間の界面張力を低下させる化合物を指す。いくつかの実施形態では、界面活性剤はまた、洗剤、湿潤剤、乳化剤、発泡剤、及び分散剤などの他の機能を有することができる。例示的な界面活性剤としては、ポロキサマーが挙げられるが、これに限定されない。ポロキサマーの例は、ポロキサマー407、ポロキサマー338、ポロキサマー237、及びポロキサマー188である。一実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー188である。一実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー407である。ポロキサマーは、薬物放出を助けることができる熱可逆性特性及びゾル-ゲル転移特性を有する、ポリエチレン-プロピレングリコール共重合体(既知の商品名はSupronic、Pluronic、またはTetronic)である。例えば、ポロキサマーは、室温未満でゾル状態を呈し、体温(37.2℃)でゲル状態に変換し、これにより薬物放出特性を改変することができる(D.Ramya Devi et al,J.Pharm.Sci.&Res.Vol.5(8),2013,159-165、Y.Mao et al.Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis 35(2004)1127-1142)。
【0025】
いくつかの実施形態では、製剤に使用される界面活性剤は、ポロキサマー407である。とりわけ、溶解度研究により、界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)がポロキサマー407と比較して化合物Iマレエートの溶解度を増加させることが示されたため、ポロキサマー407が化合物Iマレエートの生物学的利用能を高めることは予想外であるが、SLSを含む製剤の生物学的利用能は、ポロキサマーを含む製剤の生物学的利用能よりも低い。本明細書に提供される実施例を参照されたい。
【0026】
製剤中の界面活性剤は、約1重量%~約20重量%であり得る。製剤中の界面活性剤は、約5重量%~約15重量%であり得る。製剤中の界面活性剤は、約1重量%~約10重量%であり得る。製剤中の界面活性剤は、約5重量%~約10重量%であり得る。例えば、製剤中の界面活性剤は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、または約20重量%であり得る。いくつかの実施形態では、製剤中の界面活性剤は、約5重量%である。いくつかの実施形態では、製剤中の界面活性剤は、約10重量%である。
【0027】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマー407である。製剤中のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)は、約1重量%~約20重量%であり得る。製剤中のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)は、約1重量%~約10重量%であり得る。製剤中のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)は、約5重量%~約15重量%であり得る。製剤中のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)は、約5重量%~約10重量%であり得る。例えば、製剤中のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、または約20重量%であり得る。いくつかの実施形態では、製剤中のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)は、約5重量%である。いくつかの実施形態では、製剤中のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)は、約10重量%である。
【0028】
本発明の製剤は、化合物Iの生物学的利用能を高めることができる有機酸を含む。「有機酸」という用語は、酸性特性を有する有機化合物を指す。いくつかの実施形態では、有機酸は、各々が1つ以上の酸性基(例えば、1、2、もしくは3つのカルボン酸、アルコール、またはスルホン酸基)で置換されたC1~6アルキル、C2~6アルケニル、または5~6員のヘテロシクロアルキルであり、5~6員のヘテロシクロアルキルは、任意に1つ以上の酸性基(例えば、1、2、3、もしくは4つのカルボン酸、アルコール、またはスルホン酸基)で置換されたC1~6アルキル基で任意に置換されている。有機酸は、1つ以上の酸性基(例えば、1、2、3、もしくは4つのカルボン酸、アルコール、またはスルホン酸基)で置換されたC1~6アルキルまたはC2~6アルケニルであり得る。いくつかの実施形態では、有機酸は、1、2、もしくは3つのカルボン酸基で置換され、かつ0、1、もしくは2つのアルコール基で置換されたC1~6アルキルまたはC2~6アルケニルである。いくつかの実施形態では、有機酸は、1つ以上の酸性基(例えば、1、2、もしくは3つのカルボン酸、アルコール、またはスルホン酸基)で置換され、かつ任意にC1~6アルキルで置換された5~6員のヘテロシクロアルキルであり、C1~6アルキルは、任意に1つ以上の酸性基(例えば、1、2、もしくは3つのカルボン酸、アルコール、またはスルホン酸基)で置換されている。例示的な有機酸としては、これらに限定されないが、クエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酒石酸、及びそれらの水和物または溶媒和物が挙げられる。製剤中の有機酸は、約1重量%~約50重量%であり得る。製剤中の有機酸は、約5重量%~約40重量%であり得る。製剤中の有機酸は、約5重量%~約30重量%であり得る。製剤中の有機酸は、約5重量%~約20重量%であり得る。製剤中の有機酸は、約10重量%~約20重量%であり得る。例えば、製剤中の有機酸は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50重量%であり得る。いくつかの実施形態では、形成物中の有機酸は、約10重量%である。いくつかの実施形態では、形成物中の有機酸は、約20重量%である。
【0029】
いくつかの実施形態では、有機酸は、クエン酸である。いくつかの実施形態では、クエン酸は、クエン酸一水和物である。製剤中のクエン酸は、約1重量%~約50重量%であり得る。製剤中のクエン酸は、約5重量%~約40重量%であり得る。製剤中のクエン酸は、約5重量%~約30重量%であり得る。製剤中のクエン酸は、約5重量%~約20重量%であり得る。製剤中のクエン酸は、約10重量%~約20重量%であり得る。例えば、製剤中のクエン酸は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50重量%であり得る。いくつかの実施形態では、形成物中のクエン酸は、約10重量%である。いくつかの実施形態では、形成物中のクエン酸は、約20重量%である。
【0030】
本明細書に提供される医薬製剤は、希釈剤をさらに含むことができる。本明細書で使用される場合、「希釈剤」という用語は、組成物を希釈することができる化合物を指す。希釈剤はまた、充填剤、希釈剤、またはシンナーとも称され得る。例示的な希釈剤としては、これらに限定されないが、ラクトース、ラクトース一水和物、噴霧乾燥一水和物ラクトース、ラクトース-316 Fast Flo(登録商標)、マンニトール、微結晶性セルロース、酸性化セルロース、デンプン1500、プロソルブMCC、及びコロイド状シリカが挙げられる。ある特定の事例では、希釈剤は、マンニトールである。製剤中の希釈剤は、約40重量%~約90重量%であり得る。製剤中の希釈剤は、約50重量%~約80重量%であり得る。製剤中の希釈剤は、約50重量%~約75重量%であり得る。製剤中の希釈剤は、約70重量%~約80重量%であり得る。製剤中の希釈剤は、約72重量%~約77重量%であり得る。例えば、製剤中の希釈剤は、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、または約90重量%であり得る。いくつかの実施形態では、製剤中の希釈剤は、約50重量%である。いくつかの実施形態では、製剤中の希釈剤は、約75重量%である。いくつかの実施形態では、製剤中の希釈剤は、約73重量%である。いくつかの実施形態では、製剤中の希釈剤は、約76重量%である。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、崩壊剤を含む。本明細書で使用される場合、「崩壊剤」という用語は、例えば、水分との接触時に、製剤(例えば、カプセルまたは錠剤)を崩壊させ、その原薬を放出させることができる化合物を指す。崩壊剤は、例えばカプセルが、経口投与後に崩壊するのを容易にすることができる。崩壊剤は、約1重量%~約10重量%の量で存在することができる。製剤中の崩壊剤は、約2重量%~約5重量%であり得る。製剤中の崩壊剤は、約2重量%~約3重量%であり得る。製剤中の崩壊剤は、約2.5重量%であり得る。崩壊剤の非限定的な例としては、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプン、セルロース、及び低置換ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスポビドンである。
【0032】
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、滑沢剤を含む。本明細書で使用される場合、「滑沢剤」という用語は、化合物、例えば、製剤中の物質間の摩擦を低減することができる有機化合物を指す。滑沢剤は、約1重量%~約5重量%の量で製剤中に存在することができる。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、約2重量%の量で存在する。滑沢剤の非限定的な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸(ステアリン)、硬化油、ポリエチレングリコール、フマル酸ステアリルナトリウム、及びベヘン酸グリセリルが挙げられる。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウムまたはステアリン酸である。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸である。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される製剤は、流動促進剤を含む。本明細書で使用される場合、「流動促進剤」という用語は、混合物、例えば、カプセル内の粉末混合物の流動性を改善することができる化合物を指す。流動促進剤は、約0.1重量%~約5重量%の量で製剤中に存在することができる。いくつかの実施形態では、製剤中の流動促進剤は、約0.5重量%~約1重量%である。いくつかの実施形態では、製剤中の流動促進剤は、約0.1重量%~約1重量%である。いくつかの実施形態では、製剤中の流動促進剤は、約0.5重量%である。流動促進剤の非限定的な例としては、タルク、コロイド状シリカ(コロイド状二酸化ケイ素)、及びトウモロコシデンプンが挙げられる。いくつかの実施形態では、流動促進剤は、コロイド状シリカである。
【0034】
いくつかの実施形態では、例えば、本発明の製剤及び剤形が持続放出剤形を意図する場合、持続放出マトリックス形成剤を含むことができる。持続放出マトリックス形成剤の例としては、高粘度ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、ヒプロメロース)などのセルロース系エーテルが挙げられる。本発明の持続放出剤形は、例えば、約10~約30重量%、約15~約25重量%、または約18~約24重量%の持続放出マトリックス形成剤を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、及び
(c)ポロキサマーを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0036】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマーを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0037】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)ポロキサマー約1重量%~約10重量%を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0038】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、
(c)ポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、及び
(d)希釈剤(例えば、マンニトール)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0039】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、及び
(d)約50重量%~約80重量%の希釈剤(例えば、マンニトール)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0040】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、
(c)ポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)希釈剤(例えば、マンニトール)、及び
(e)滑沢剤(例えば、ステアリン酸)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0041】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)約50重量%~約80重量%の希釈剤(例えば、マンニトール)、及び
(e)約1重量%~約5重量%の滑沢剤(例えば、ステアリン酸)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0042】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、
(c)ポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)希釈剤(例えば、マンニトール)、
(e)滑沢剤(例えば、ステアリン酸)、及び
(f)崩壊剤(例えば、クロスポビドン)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0043】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)約50重量%~約80重量%の希釈剤(例えば、マンニトール)、
(e)約1重量%~約5重量%の滑沢剤(例えば、ステアリン酸)、及び
(f)約2重量%~約5重量%の崩壊剤(例えば、クロスポビドン)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0044】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)約50重量%~約80重量%の希釈剤(例えば、マンニトール)、
(e)約1重量%~約5重量%の滑沢剤(例えば、ステアリン酸)、及び
(f)約2重量%~約5重量%の崩壊剤(例えば、クロスポビドン)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0045】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0046】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0047】
いくつかの実施形態では、
(a)約12重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、及び
(c)約10重量%のポロキサマー407を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0048】
いくつかの実施形態では、
(a)約12重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、
(c)約10重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%のマンニトール、
(e)約2重量%のステアリン酸、及び
(f)約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0049】
いくつかの実施形態では、
(a)約3重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、及び
(c)約10重量%のポロキサマー407を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0050】
いくつかの実施形態では、
(a)約3重量%の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、
(c)約10重量%のポロキサマー407、
(d)約60重量%のマンニトール、
(e)約2重量%のステアリン酸、及び
(f)約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0051】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、及び
(c)ポロキサマーを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0052】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマーを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0053】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、
(c)ポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、及び
(d)希釈剤(例えば、マンニトール)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0054】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、及び
(d)約50重量%~約80重量%の希釈剤(例えば、マンニトール)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0055】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、
(c)ポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)希釈剤(例えば、マンニトール)、及び
(e)滑沢剤(例えば、ステアリン酸)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0056】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)約50重量%~約80重量%の希釈剤(例えば、マンニトール)、及び
(e)約1重量%~約5重量%の滑沢剤(例えば、ステアリン酸)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0057】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、
(c)ポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)希釈剤(例えば、マンニトール)、
(e)滑沢剤(例えば、ステアリン酸)、及び
(f)崩壊剤(例えば、クロスポビドン)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0058】
いくつかの実施形態では、
(a)化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、
(c)ポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)希釈剤(例えば、マンニトール)、
(e)滑沢剤(例えば、ステアリン酸)、
(f)崩壊剤(例えば、クロスポビドン)、及び
(g)流動促進剤(例えば、コロイド状シリカ)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0059】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407)、
(d)約50重量%~約80重量%の希釈剤(例えば、マンニトール)、
(e)約1重量%~約5重量%の滑沢剤(例えば、ステアリン酸)、及び
(f)約2重量%~約5重量%の崩壊剤(例えば、クロスポビドン)を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0060】
いくつかの実施形態では、
(a)約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0061】
いくつかの実施形態では、
(a)約12重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、及び
(c)約10重量%のポロキサマー407を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0062】
いくつかの実施形態では、
(a)約12重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、
(c)約10重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%のマンニトール、
(e)約2重量%のステアリン酸、及び
(f)約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0063】
いくつかの実施形態では、
(a)約3重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、及び
(c)約10重量%のポロキサマー407を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0064】
いくつかの実施形態では、
(a)約4重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約10重量%のクエン酸、及び
(c)約5重量%のポロキサマー407を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0065】
いくつかの実施形態では、
(a)約7重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約10重量%のクエン酸、及び
(c)約5重量%のポロキサマー407を含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0066】
いくつかの実施形態では、
(a)約3重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約20重量%のクエン酸、
(c)約10重量%のポロキサマー407、
(d)約60重量%のマンニトール、
(e)約2重量%のステアリン酸、及び
(f)約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0067】
いくつかの実施形態では、
(a)約4重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約10重量%のクエン酸、
(c)約5重量%のポロキサマー407、
(d)約76重量%のマンニトール、
(e)約2重量%のステアリン酸、
(f)約2.5重量%のクロスポビドン、及び
(g)約0.5重量%のコロイド状シリカを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0068】
いくつかの実施形態では、
(a)約7重量%の化合物Iマレエート、またはその溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約10重量%のクエン酸、
(c)約5重量%のポロキサマー407、
(d)約73重量%のマンニトール、
(e)約2重量%のステアリン酸、
(f)約2.5重量%のクロスポビドン、及び
(g)約0.5重量%のコロイド状シリカを含む、医薬製剤が、本明細書に提供される。
【0069】
経口投与に好適である、本明細書に提供される固体剤形の医薬製剤は、化合物Iマレエートを有機酸及び界面活性剤とブレンドすることによって調製することができる。形成された医薬製剤は、カプセルを形成するためにさらに調製することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、結晶形態である。化合物Iマレエートの結晶形態は、米国仮出願第62/564,070号に開示されており、その全体が参照により組み込まれる。また、例えば、本明細書に提供される実施例も参照されたい。
【0071】
いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°、及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも1つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°、及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも2つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°、及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも3つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°、及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも4つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、2シータに関する以下のXRPDピーク:約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°、及び約18.5°を含む。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、2シータに関する以下のXRPDピーク:約4.3°、約8.4°、及び約13.2°を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、図1に示されるようなXRPDプロファイルを実質的に有する。
【0073】
同様に、DSC、TGA、または他の熱実験に関する温度読み取り値は、機器、特定の設定、試料調製などに応じて約±3℃変動し得る。したがって、図面のいずれかに示されるようなDSCサーモグラムを「実質的に」有する本明細書に報告される結晶形態または「約」という用語は、そのような変動に対応すると理解される。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、約211℃に吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、図2に示されるようなDSCサーモグラムを実質的に有する。いくつかの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩は、図3に示されるようなTGAサーモグラムを実質的に有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、塩または化合物が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、本明細書に記載の塩が濃縮された組成物を含むことができる。実質的な分離は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97%重量、もしくは少なくとも約99重量%の本明細書に記載の塩を含有する組成物、またはその塩を含むことができる。化合物及びそれらの塩を単離するための方法は、当該技術分野において慣例である。
【0075】
本出願はまた、本明細書に提供される医薬製剤を含む固体剤形に関する。いくつかの実施形態では、固体剤形は、経口投与に好適な形態である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される剤形は、錠剤、カプセル、ピル、粉末、小袋、ならびにソフト及びハードゼラチンカプセルの形態である。他の実施形態では、本明細書に提供される剤形は、カプセルの形態である。
【0076】
製剤を調製する際は、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくはその水和物を粉砕して、他の成分と組み合わせる前に適切な粒径を提供することができる。化合物Iマレエートは、200メッシュ未満の粒径に粉砕することができる。粒径は、粉砕することによって、例えば、約40メッシュに調整されて、製剤中に実質的に均一な分布をもたらすことができる。
【0077】
化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくはその水和物は、既知の粉砕手順を使用して粉砕して、錠剤形成及び他の製剤タイプに適切な粒径を得ることができる。本発明の化合物の微細に分割された(ナノ粒子)調製物は、当該技術分野で既知のプロセスによって調製することができ、例えば、国際出願第WO2002/000196号を参照されたい。
【0078】
本発明の製剤は、追加の賦形剤を含むことができる。好適な追加の賦形剤の例としては、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。他の賦形剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油などの滑沢剤;湿潤剤;乳化剤及び懸濁剤;メチル及びプロピルヒドロキシ安息香酸塩などの保存剤;甘味剤;及び香味剤が挙げられる。本発明の組成物は、当該技術分野において既知の手順を用いることによって患者に投与した後に、活性成分の迅速、持続、または遅延放出を提供するように製剤化することができる。
【0079】
本発明は、本発明の上記の製剤のいずれかを含む剤形をさらに提供する。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物のための単位投与量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤と関連して、所望の治療効果を生み出すように計算された、所定の量の活性材料を含有する。
【0080】
カプセルなどの固体剤形を調製するために、化合物Iマレエートを賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含有する固体予備製剤組成物を形成することができる。これらの予備製剤組成物が均質であると言及される場合、活性成分は、典型的には、組成物全体に均一に分散され、それにより組成物は、錠剤、ピル、及びカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分化することができる。次いで、この固体予備製剤は、例えば、遊離塩基ベースで約0.1~約1000mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含有する、上記のタイプの単位剤形(例えば、カプセル)に細分化される。いくつかの実施形態では、単位剤形(例えば、カプセル)は、遊離塩基ベースで約1~約500mg、約1~約200、約1~約100、約1~約50、もしくは約1~約30mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形(例えば、カプセル)は、遊離塩基ベースで約5~約50mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含み、例えば、遊離塩基ベースで約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、もしくは約50mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形(例えば、カプセル)は、遊離塩基ベースで約5mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形(例えば、カプセル)は、遊離塩基ベースで約15mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形(例えば、カプセル)は、遊離塩基ベースで約20mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形(例えば、カプセル)は、遊離塩基ベースで約25mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含む。
【0081】
化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物、単位剤形(例えば、カプセル)は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、1日4回などで投与することができる。当業者であれば、5mgのカプセル2つを一緒に投与して、10mgの単位投与量を得ることができることを知っているであろう。化合物Iマレエートは、広範な投与量範囲にわたって有効であり得、一般に、薬学的有効量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、通常、治療される状態、選択した投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度などを含む関連状況に従って、医師によって決定されることが理解されよう。
【0082】
いくつかの実施形態では、約5mg~約200mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物が、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約10mg~約100mgの化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物が、対象に1日1回投与される。
【0083】
いくつかの実施形態では、約5mg~約200mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約10mg~約100mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約10mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される(例えば、24時間当たり、5mgのカプセル2つ、または10mgのカプセル1つ)。いくつかの実施形態では、約15mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約20mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約25mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約40mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約50mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約75mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約80mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約100mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約150mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約160mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約200mgの化合物Iマレエートが、対象に1日1回投与される。
【0084】
定義
「置換された」という用語は、原子または原子群が、形式的には、別の基に結合した「置換基」として水素を置き換えることを意味する。「置換された」という用語は、特に明記しない限り、そのような置換が許可されている任意のレベルの置換、例えば、モノ、ジ、トリ、テトラ、またはペンタ置換を指す。置換基は独立して選択され、置換は化学的にアクセス可能な任意の位置にあり得る。所与の原子での置換は、原子価によって制限されることが理解されるべきである。所与の原子での置換は、化学的に安定な分子をもたらすことが理解されるべきである。「任意に置換された」という語句は、置換されていないかまたは置換されていることを意味する。「置換された」という用語は、水素原子が除去され、置換基によって置き換えられることを意味する。単一の二価の置換基、例えば、オキソは、2個の水素原子を置き換えることができる。
【0085】
「Cn~m」という用語は、終点を含む範囲を示し、n及びmは整数であり、炭素の数を示す。例としては、C1~4、C1~6などが挙げられる。
【0086】
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキル」という用語は、直鎖または分岐であり得る飽和炭化水素基を指す。「Cn~mアルキル」という用語は、n~m個の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は、形式的には、残りの化合物へのアルキル基の結合点によって置き換えられた1つのC-H結合を有するアルカンに対応する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を含有する。アルキル部分の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチルなどの化学基;2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピルなどの高級相同体が挙げられる。
【0087】
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルケニル」という用語は、1つ以上の二重炭素-炭素結合を有するアルキル基に対応する直鎖または分岐炭化水素基を指す。アルケニル基は、形式的には、残りの化合物へのアルケニル基の結合点によって置き換えられた1つのC-H結合を有するアルケンに対応する。「Cn~mアルケニル」という用語は、n~m個の炭素を有するアルケニル基を指す。いくつかの実施形態では、アルケニル部分は、2~6、2~4、または2~3個の炭素原子を含有する。アルケニル基の例としては、これらに限定されないが、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、sec-ブテニルなどが挙げられる。
【0088】
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「ヘテロシクロアルキル」という用語は、非芳香族環または環系を指し、これは環構造の一部として1つ以上のアルケニレン基を任意に含有し得、独立して窒素、硫黄、酸素、及びリンから選択される少なくとも1つのヘテロ原子環員を有し、4~10環員、4~7環員、または4~6環員を有する。「ヘテロシクロアルキル」という用語には、単環式4、5、6、及び7員ヘテロシクロアルキル基が含まれる。ヘテロシクロアルキル基は、単環式または二環式(例えば、2つの縮合環または架橋環を有する)またはスピロ環状環系を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、独立して窒素、硫黄、及び酸素から選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する、単環式基である。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子及びヘテロ原子は、任意に酸化されてオキソもしくはスルフィド基または他の酸化された連結(例えば、C(O)、S(O)、C(S)またはS(O)、N-オキシドなど)を形成し得るか、あるいは窒素原子が四級化され得る。ヘテロシクロアルキル基は、環形成炭素原子または環形成ヘテロ原子を介して結合することができる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~3個の二重結合を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~2個の二重結合を含有する。また、ヘテロシクロアルキルの定義には、例えば、ピペリジン、モルホリン、アゼピンなどのベンゾまたはチエニル誘導体など、ヘテロシクロアルキル環に縮合した(すなわち、共通の結合を有する)1つ以上の芳香環を有する部分も含まれる。縮合芳香環を含有するヘテロシクロアルキル基は、縮合芳香環の環形成原子を含む任意の環形成原子を介して結合することができる。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ジヒドロキシフラノンが挙げられる。
【0089】
本明細書で使用される場合、マレイン酸は、シス-ブテンジオン酸としても既知である。
【0090】
本明細書で使用される場合、及び別途特定されない限り、「約」という用語は、特定の塩または固体形態を説明するために提供される数値または値の範囲、例えば、特定の温度もしくは温度範囲(例えば、溶融、脱水、もしくはガラス遷移を説明するものなど)、質量変化(例えば、温度もしくは湿度の関数としての質量変化など)、溶媒含有量もしくは水含有量(例えば、質量もしくはパーセンテージに関して)、またはピーク位置(例えば、13C NMR、DSC、TGA、及びXRPDなどによる分析において)などに関して使用される場合、その値または値の範囲が、当業者に相応であるとみなされる程度まで逸脱し得るが、依然として特定の固体形態を説明することを示す。具体的には、「約」という用語は、この文脈において使用される場合、数値または値の範囲が、列挙される値または値の範囲の5%、4%、3%、2%、または1%変動し得るが、依然として特定の固体形態を説明することを示す。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、数値または値の範囲が5%変動し得ることを示す。「約」という用語は、度2シータ値に関して使用される場合、+/-0.3度2シータまたは+/-0.2度2シータを指す。本明細書で使用される場合、「ブレンド」、「ブレンドする」、及び「ブレンドされた」という用語は、異なる物質を組み合わせて、または混合して、混合物を得ることを指す。得られるブレンドされた混合物は、均質であり得る。
【0091】
「水和物」という用語は、本明細書で使用される場合、水を含む化合物Iマレイン酸塩の固体形態を指すことを意味する。水和物中の水は、固体中の塩の量に関して化学量論的量で存在し得るか、またはチャネル水和物に関して見出され得るように可変量で存在し得る。いくつかの実施形態では、化合物Iマレイン酸塩は、一水和物である(例えば、塩対水のモル比は、約1:1である)。いくつかの実施形態では、化合物Iマレイン酸塩は、二水和物である(例えば、塩対水のモル比は、約1:2である)。いくつかの実施形態では、化合物Iマレイン酸塩は、半水和物である(例えば、塩対水のモル比は、約2:1である)。いくつかの実施形態では、化合物Iマレイン酸塩は、塩の分子1つ当たり、1つ以上の水の分子を有する。
【0092】
化合物I、または薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)はまた、溶媒和形態であり得る。「溶媒和物」という用語は、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩(例えば、マレイン酸塩)を有する溶媒分子を含む固体形態を意味する。溶媒は、有機化合物、無機化合物、またはそれらの両方の混合物であり得る。溶媒が水である溶媒和物は、一般に、「水和物」または「水和形態」と称される。「水和物」という用語は、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩(例えば、マレイン酸塩)を有する水分子を含む固体形態を意味する。
【0093】
本明細書で使用される場合、「無水」という用語は、水または溶媒を含まない化合物(例えば、化合物I、化合物Iマレエート)を指す。例えば、化合物Iまたはそのマレイン酸塩は、水または溶媒を含まない固体形態であり得、例えば、1重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、または0.1重量%未満の水または溶媒が存在する。
【0094】
本明細書で使用される場合、「ピーク」または「特徴的なピーク」という用語は、最大ピーク高さ/強度の少なくとも約3%の相対高さ/強度を有する反射を指す。
【0095】
本明細書で使用される場合、「結晶性」または「結晶形態」は、化学化合物の結晶性固体形態を指し、単一成分結晶形態、または、例えば、溶媒和物、水和物、包接体、及び共結晶を含む、多成分結晶形態が含まれるが、これらに限定されない。
【0096】
「結晶形態」という用語は、結晶性物質のある特定の格子構成を指すことを意味する。同一物質の異なる結晶形態は、典型的には、異なる結晶格子(例えば、単位胞)を有し、典型的には、それらの異なる結晶格子に起因する異なる物理特性を有し、いくつかの事例では、異なる水含有量または溶媒含有量を有する。異なる結晶格子は、固体状態特性評価方法によって、例えば、X線粉末回折(XRPD)によって特定することができる。他の特性評価方法、例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的蒸気収着(DVS)などは、結晶形態の特定をさらに助け、同様に、安定性及び溶媒/水含有量の決定も助ける。
【0097】
特定の物質、例えば、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物の異なる結晶形態は、その物質の無水形態及びその物質の溶媒和/水和形態の両方を含むことができ、無水形態及び溶媒和/水和形態の各々は、異なるXRPDパターンまたは他の固体状態特性評価方法によって互いに区別され、それにより異なる結晶格子を表す。いくつかの事例では、単結晶形態(例えば、固有のXRPDパターンによって特定される)は、可変的な水含有量または溶媒含有量を有することができ、格子は、水及び/または溶媒に関する組成変動にかかわらず、実質的に変化しないままである(XRPDパターンも同様)。
【0098】
反射(ピーク)のXRPDパターンは、典型的には、特定の結晶形態のフィンガープリントとみなされる。XRPDピークの相対強度が、とりわけ、試料の調製技法、結晶サイズの分布、使用されるフィルタ、試料の取り付け手順、及び用いられる特定の機器に応じて広く変動し得ることは周知である。いくつかの事例では、機械の種類または設定(例えば、Niフィルタが使用されるか否か)に応じて、新たなピークが観測され得るか、または既存のピークが消失し得る。本明細書で使用される場合、「ピーク」という用語は、最大ピーク高さ/強度の少なくとも約3%または少なくとも約4%の相対高さ/強度を有する反射を指す。さらに、機器の変動及び他の要因は、2シータ値に影響を及ぼし得る。したがって、本明細書に報告されるものなどのピーク割り当ては、プラスもしくはマイナス約0.2°(2シータ)または約0.3°(2シータ)変動し得、「実質的に」という用語は、本明細書でXRPDの文脈において使用される場合、上述の変動を包含することを意味する。
【0099】
同様に、DSC、TGA、または他の熱実験に関する温度読み取り値は、機器、特定の設定、試料調製などに応じて約±3℃変動し得る。
【0100】
物質の結晶形態は、当該技術分野において既知の多くの方法によって得ることができる。そのような方法としては、これらに限定されないが、溶融再結晶化、溶融冷却、溶媒再結晶化、例えばナノポアまたは毛管内などの閉鎖空間内での再結晶化、例えばポリマー上などの表面またはテンプレート上での再結晶化、例えば共結晶カウンター分子などの添加剤の存在下での再結晶化、脱溶媒和、脱水、急速蒸発、急速冷却、徐冷、蒸気拡散、昇華、湿気曝露、研削、及び溶媒滴研削が挙げられる。
【0101】
本明細書で使用される場合、「非晶質」または「非晶質形態」という用語は、問題の物質、構成成分、もしくは生成物が、例えば、XRPDによって決定される場合、実質的に結晶性でないこと、または例えば問題の物質、構成成分、もしくは生成物が、顕微鏡で見た場合に複屈折でないことを意味することが意図される。ある特定の実施形態では、物質の非晶質形態を含む試料は、他の非晶質形態及び/または結晶形態を実質的に含まない場合がある。例えば、非晶質物質は、反射が不在であるXRPDスペクトルによって特定することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、バッチ、試料、または調製物と称されるバッチ内で調製される。バッチ、試料、または調製物は、水和形態及び非水和形態、ならびにそれらの混合物を含めた、本明細書に記載の結晶形態または非結晶形態のいずれかである、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含むことができる。
【0103】
本明細書で使用される場合、「結晶純度」という用語は、同一化合物の非晶質形態などの他の形態、もしくはその化合物の少なくとも1つの他の結晶形態、またはそれらの混合物を含有し得る、調製物または試料中の結晶形態のパーセンテージを意味する。
【0104】
本明細書で使用される場合、「実質的に結晶性」という用語は、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物の試料または調製物の重量の大半が結晶性であり、試料の残りが、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物の非結晶形態(例えば、非晶質形態)であることを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に結晶性の試料は、少なくとも約95%の結晶化度(例えば、約5%の非結晶形態)、好ましくは少なくとも約96%の結晶化度(例えば、約4%の非結晶形態)、より好ましくは少なくとも約97%の結晶化度(例えば、約3%の非結晶形態)、さらにより好ましくは少なくとも約98%の結晶化度(例えば、約2%の非結晶形態)、なおより好ましくは少なくとも約99%の結晶化度(例えば、約1%の非結晶形態)、及び最も好ましくは約100%の結晶化度(例えば、約0%非結晶形態)を有する。いくつかの実施形態では、「完全に結晶性」という用語は、少なくとも約99%または約100%の結晶化度を意味する。
【0105】
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」という語句は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題もしくは合併症のないヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適な、安全な医学的判断の範囲内にあり、妥当な受益度/危険度の比に見合う、それらの化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
【0106】
様々な薬学的に許容される賦形剤を、本明細書に記載の製剤に使用することができる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」は、液体または固体の充填剤、希釈剤、溶媒、もしくはカプセル化材料などの、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを指す。賦形剤は、一般的に安全で無毒性であり、生物学的に望ましくないものでも他の点で望ましくないものでもなく、獣医学的用途ならびにヒトの医薬品用途に許容される賦形剤を含む。一実施形態では、各構成成分は、本明細書に定義されるように「薬学的に許容される」。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.;Lippincott Williams&Wilkins:Philadelphia,Pa.,2005、Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th ed.;Rowe et al.,Eds.;The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009、Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd ed.;Ash and Ash Eds.;Gower Publishing Company:2007、Pharmaceutical Preformulation and Formulation,2nd ed.;Gibson Ed.;CRC Press LLC:Boca Raton,Fla.,2009を参照されたい。
【0107】
本明細書で使用される場合、「接触させる」という用語は、インビトロ系またはインビボ系において、示された部分を接合することを指す。例えば、AXL/MERキナーゼを本発明の化合物と「接触させる」とは、本発明の化合物を、AXL/MERキナーゼを有するヒトなどの個体または患者に投与することを含み、同様に、例えば、本発明の化合物を、AXL/MERキナーゼを含有する細胞性調製物または精製調製物を含有する試料中に導入することも含む。
【0108】
本明細書で使用される場合、互換的に使用される「個体」、「患者」、または「対象」という用語は、哺乳動物、好ましくは、マウス、ラット、サル、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、及び最も好ましくはヒトを含む、任意の動物を指す。
【0109】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医によって組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて求められている生物学的または薬物的応答を引き出す、活性化合物または医薬品の量を指す。治療有効量は、化合物、疾患、障害、または状態、及びその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変動するであろう。一般に、対象における良好な結果は、対象の体重1kg当たり約0.1~約10gの1日用量で得られることが示されている。いくつかの実施形態では、1日用量は、体重1kg当たり約0.10~10.0mg、体重1kg当たり約1.0~3.0mg、体重1kg当たり約3~10mg、体重1kg当たり約3~150mg、体重1kg当たり約3~100mg、体重1kg当たり約10~100mg、体重1kg当たり約10~150mg、または体重1kg当たり約150~1000mgの範囲である。投与量は、例えば、1日4回までの分割用量で、または持続放出形態で、好都合に投与することができる。
【0110】
本明細書で使用される場合、「治療する」または「治療」という用語は、疾患を阻害すること、例えば、疾患、状態、または障害の病理または総体症状を経験しているか、または呈している個体において、疾患、状態、または障害を阻害すること(すなわち、病理及び/または総体症状のさらなる発達を停止させること)、あるいは疾患を改善すること、例えば、疾患、状態、または障害の病理または総体症状を経験しているか、または呈している個体において、疾患、状態、または障害を改善すること(すなわち、病理及び/または総体症状を反転させること)、例えば、疾患の重症度を低減させることを指す。
【0111】
使用方法
本開示の化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、AXL/MERキナーゼの活性を調節または阻害することができる。例えば、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、阻害量の化合物Iマレエートを細胞、個体、または患者に投与することによって、キナーゼの阻害を必要とする細胞、または個体もしくは患者においてAXL/MER酵素の活性を阻害するために使用することができる。したがって、化合物Iマレエートを含む医薬製剤を使用して、AXL/MERキナーゼの活性を阻害することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、1つ以上の他のキナーゼよりもAXL/MERキナーゼに対して選択的である。いくつかの実施形態では、選択性は、2倍以上、3倍以上、5倍以上、10倍以上、25倍以上、50倍以上、または100倍以上である。
【0113】
化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、1つ以上のAXL及びMERを阻害することができる。いくつかの実施形態では、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、1つのTAMキナーゼに対して別のものよりも選択的である。「選択的」とは、化合物が、参照酵素、例えば別のTAMキナーゼと比較して、それぞれ、より大きい親和性または効力でTAMキナーゼに結合するか、またはそれを阻害することを意味する。例えば、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、MER及びTYRO3よりもAXLに対して選択的であり得るか、AXL及びTYRO3よりもMERに対して選択的であり得るか、またはTYRO3よりもAXL及びMERに対して選択的である。いくつかの実施形態では、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、TYRO3及び他のキナーゼよりもAXL及びMERに対して選択的である。いくつかの実施形態では、AXL及びMERキナーゼを阻害するための方法が本明細書に提供され、この方法は、AXL及びMERキナーゼを、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物と接触させることを含む。
【0114】
AXL/MERキナーゼ阻害剤として、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、AXL/MERキナーゼの異常な発現または活性に関連する様々な疾患の治療において有用である。化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、特に、血管新生を阻害することによって、腫瘍の成長を防止するか、またはアポトーシスを誘導する手段を提供するのに有用であろう。したがって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物は、がんなどの増殖性障害の治療または予防に有用であると証明することが期待される。特に、受容体チロシンキナーゼの活性化変異体または受容体チロシンキナーゼのアップレギュレーションを伴う腫瘍は、阻害剤に対して特に感受性であり得る。
【0115】
ある特定の実施形態では、本開示は、AXL/MERキナーゼによって媒介される疾患または障害の治療を必要とする患者においてそれを治療するための方法を提供し、この方法は、該患者に、化合物I、またはその薬学的に許容される塩(例えば、化合物Iマレエート)、溶媒和物、もしくは水和物を含む医薬製剤を投与するステップを含む。
【0116】
例えば、本開示の医薬製剤は、がんの治療に有用である。がんの例としては、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、小腸の癌、結腸癌、直腸癌、肛門の癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌(例えば、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭、唇、及び口の癌)、腎臓癌、肝臓癌(例えば、肝細胞癌、胆管細胞癌)、肺癌(例えば、腺癌、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌、小細胞性及び非小細胞性癌、気管支癌、気管支腺腫、胸膜肺芽細胞腫)、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、子宮癌、食道癌、胆嚢癌、膵臓癌(例えば、外分泌性膵臓癌)、胃癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、皮膚癌(例えば、扁平上皮癌、カポジ肉腫、メルケル細胞皮膚癌)、ならびに脳腫瘍(例えば、星状細胞腫、髄芽細胞腫、上衣腫、神経外分泌腫瘍、松果体腫瘍)が挙げられる。
【0117】
本開示の化合物で治療可能な他のがんとしては、骨癌、眼内癌、婦人科系癌、内分泌系の癌、副腎の癌、軟部組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、下垂体癌、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、及びアスベストによって誘発されるものを含む環境誘発癌が挙げられる。
【0118】
さらなるがんの例としては、造血器悪性腫瘍、例えば、白血病またはリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性腫瘍(例えば、真性多血症、本態性血小板血症、及び原発性骨髄線維症)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、慢性骨髄性リンパ腫、急性リンパ芽球性リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、及びバーキットリンパ腫が挙げられる。
【0119】
本開示の医薬製剤で治療可能な他のがんとしては、眼の腫瘍、膠芽腫、黒色腫、横紋肉腫、リンパ肉腫、及び骨肉腫が挙げられる。
【0120】
本開示の医薬製剤はまた、腫瘍転移の阻害においても有用であり得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤を使用して治療可能である疾患及び適応症としては、これらに限定されないが、血液癌、肉腫、肺癌、胃腸癌、泌尿生殖路癌、肝臓癌、骨癌、神経系癌、婦人科系癌、及び皮膚癌が挙げられる。
【0122】
例示的な血液癌としては、リンパ腫及び白血病、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHLを含む)、濾胞性リンパ腫(FL)、ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET))、骨髄異形成症候群(MDS)、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、多発性骨髄腫、皮膚T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、慢性骨髄性リンパ腫、及びバーキットリンパ腫が挙げられる。
【0123】
例示的な肉腫としては、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋肉腫、線維腫、脂肪腫、過誤腫、及び奇形腫が挙げられる。
【0124】
例示的な肺癌としては、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(気管支)癌、気管支腺腫、軟骨性過誤腫、及び中皮腫が挙げられる。
【0125】
例示的な胃腸癌としては、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺癌、膵島細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)の癌、及び直腸結腸癌が挙げられる。
【0126】
例示的な泌尿生殖路癌としては、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、腎細胞癌)、膀胱癌及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌、尿路上皮癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、ならびに精巣(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)の癌が挙げられる。
【0127】
例示的な肝臓癌としては、肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、及び血管腫が挙げられる。
【0128】
例示的な骨癌としては、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫瘍、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍が挙げられる。
【0129】
例示的な神経系癌としては、頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、膠芽腫、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、及び脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)の癌、ならびに神経芽細胞腫、レルミット・デュクロ病、中枢神経系(CNS)の腫瘍、CNS原発リンパ腫、及び脊椎軸腫瘍が挙げられる。
【0130】
例示的な婦人科系癌としては、子宮(子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌)、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫))、及び卵管(癌腫)の癌が挙げられる。
【0131】
例示的な皮膚癌としては、黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、メルケル細胞皮膚癌、ほくろ異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイドが挙げられる。
【0132】
例示的な頭頸部癌としては、膠芽腫、黒色腫、横紋肉腫、リンパ肉腫、骨肉腫、扁平上皮癌、腺癌、口腔癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、鼻及び副鼻腔癌、甲状腺及び副甲状腺癌が挙げられる。
【0133】
いくつかの実施形態では、本開示は、肝細胞癌の治療を必要とする患者においてそれを治療するための方法を提供し、この方法は、該患者に、本明細書に記載の医薬製剤を投与するステップを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、本開示は、横紋筋肉腫、食道癌、乳癌、または頭頸部癌の治療を必要とする患者においてそれを治療するための方法を提供し、この方法は、該患者に、本明細書に記載の医薬製剤を投与するステップを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、がんは、肝細胞癌、乳癌、膀胱癌、結腸直腸癌、黒色腫、中皮腫、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、精巣癌、甲状腺癌、扁平上皮癌、膠芽腫、神経芽細胞腫、子宮癌、及び横紋肉腫から選択される。
【0136】
いくつかの実施形態では、がんは、肝細胞癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胆嚢癌、膵臓癌、甲状腺癌、皮膚癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、膠芽腫、黒色腫、及び横紋肉腫から選択される。
【0137】
いくつかの実施形態では、がんは、肺癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、黒色腫、腎細胞癌、多発性骨髄腫、胃癌、及び横紋筋肉腫から選択される。
【0138】
TAM受容体チロシンキナーゼの標的化は、ウイルス性疾患を治療するための治療的アプローチを提供することができる(T Shibata,et al.The Journal of Immunology,2014,192,3569-3581)。本開示は、ウイルス感染症などの感染症を治療するための方法を提供する。この方法は、感染症の治療を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載の医薬製剤を投与することを含む。
【0139】
本開示の方法により治療可能な感染症を引き起こすウイルスの例としては、これらに限定されないが、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、A型、B型、C型、またはD型肝炎ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、及び麻疹ウイルスが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こすウイルスとしては、これらに限定されないが、肝炎(A型、B型、またはC型)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、及びCMV、エプスタイン・バーウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス(例えば、西ナイル、デング、ダニ媒介脳炎、黄熱病、ジカ)、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コルノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デングウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、及びアルボウイルス性脳炎ウイルスが挙げられる。
【0140】
いくつかの実施形態では、本開示は、血栓形成を治療するための方法を提供する(J.M.E.M.Cosemans et al.J.of Thrombosis and Haemostasis 2010,8,1797-1808、及びA.Angelillo-Scherrer et al.J.Clin.Invest.2008,118,583-596)。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示の塩は、疾患を発症する危険性を予防または低減すること、例えば、疾患、状態、または障害の素因があり得るが、その疾患の病理または総体症状をまだ経験していないか、または呈していない個体において、疾患、状態、または障害を発症する危険性を予防または低減するのに有用であり得る。
【0142】
明確にするために、別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特定の特徴を、単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることが理解される(一方でこれらの実施形態は、多重従属形態で記述されるかのように組み合わされることが意図される)。逆に、簡潔性のために、単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴を、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供することもできる。
【実施例0143】
本発明を、具体的な実施例によってより詳細に記載する。以下の実施例は例示の目的のために提供され、いかなる様式でも本発明を限定することは意図されていない。当業者は、本質的に同じ結果をもたらすように変更または改変することができる、様々な重要でないパラメータを容易に認識するであろう。
【0144】
一般的な方法
調製された化合物の一部の分取LC-MS精製を、Watersの質量分別システムで実施した。これらのシステムの操作のための基本的な機器のセットアップ、プロトコル、及び制御ソフトウェアは、文献に詳細に記載されている。例えば、「Two-Pump At Column Dilution Configuration for Preparative LC-MS」K.Blom,J.Combi.Chem.,4,295(2002)、「Optimizing Preparative LC-MS Configurations and Methods for Parallel Synthesis Purification」K.Blom,R.Sparks,J.Doughty,G.Everlof,T.Haque,A.Combs,J.Combi.Chem.,5,670(2003)、及び「Preparative LC-MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Combi.Chem.,6,874-883(2004)を参照されたい。分離された化合物は、典型的には、以下の条件下で純度チェックのために分析液体クロマトグラフィ質量分析法(LCMS)にかけられた:機器:Agilent 1100シリーズ、LC/MSD、カラム:Waters Sunfire(商標)C18 5μm粒径、2.1×5.0mm、緩衝液:移動相A:0.025%TFA水溶液及び移動相B:アセトニトリル;流量2.0mL/分で3分間に勾配2%~80%のB。
【0145】
調製された化合物の一部はまた、実施例に示されるように、MS検出器を有する逆相高速液体クロマトグラフィ(RP-HPLC)またはフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル)により、分取規模で分離した。典型的な分取逆相高速液体クロマトグラフィ(RP-HPLC)のカラム条件は以下のとおりである:
pH=2での精製:Waters Sunfire(商標)C18 5μm粒径、19×100mmカラム、移動相A:0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)水溶液及び移動相B:アセトニトリルで溶出;流量は30mL/分であり、分離勾配は、文献に記載されるようなCompound Specific Method Optimizationプロトコルを使用して各化合物に対して最適化した(「Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874-883(2004)を参照されたい)。典型的には、30×100mmカラムで使用される流量は60mL/分であった。
【0146】
pH=10での精製:Waters XBridge C18 5μm粒径、19×100mmカラム、移動相A:0.15%NHOH水溶液及び移動相B:アセトニトリルで溶出;流量は30mL/分であり、分離勾配は、文献に記載されるようなCompound Specific Method Optimizationプロトコルを使用して各化合物に対して最適化した(「Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874-883(2004)を参照されたい)。典型的には、30×100mmカラムで使用される流量は60mL/分であった。
【0147】
実施例1.カプセルの調製
化合物Iマレエートのカプセルを、以下のとおり調製する。以下に記載の製剤に使用される化合物Iマレエートは結晶性であり、実施例4~6に従って調製する。
【0148】
20mg(遊離塩基として)の手順
【表1A】
【0149】
マンニトール(希釈剤)、クエン酸(pH調整剤)、クロスポビドン(崩壊剤)、ポロキサマー407(界面活性剤)、及びステアリン酸(滑沢剤)を、40メッシュのふるいに通して、秤量した。賦形剤を20ccのガラスバイアルに添加した。粉砕された原薬を秤量し、バイアルに添加した。構成成分を、バイアル内でスパチュラを用いて手作業で混合した。次いで、内容物全体を30メッシュのスクリーンに通して(3回)、ブレンドを均質化した。最終ブレンドを、サイズ2のカプセル(Capsugel製のVcaps(登録商標)Plus(HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル))に充填した。塩基としての化合物I対クエン酸対ポロキサマー407の比率:1対2対1。
【0150】
他の20mgカプセル(製剤A、C、D、及びE)を同様の様式で調製した。
【表1B】
【表1C】
【表1D】
【表1E】
25mg(遊離塩基として)の手順
【表1F】
【0151】
マンニトール、クエン酸一水和物、ポロキサマー407、クロスポビドン、及びステアリン酸を、40メッシュのふるいでふるい分け、秤量した。マンニトール、クエン酸、及びポロキサマー407を、500mlのガラス瓶に添加し、タービュラミキサで速度32で5分間混合した。粉砕された原薬を添加し、次いで5分間混合した。ブレンド全体を、40メッシュのふるいで2回ふるい分け、次いで瓶に戻した。クロスポビドンを添加し、2分間混合した。コロイド状シリカを5gのブレンドに添加し、手作業で混合し、40メッシュのふるいでふるい分け、ステアリン酸と一緒に瓶に戻した。ブレンドを、タービュラミキサでさらに3分間混合した。最終ブレンドを、サイズ0のカプセル(Vcaps Plus-Capsugel)に充填した。塩基としての化合物I対クエン酸対ポロキサマー407の比率:1対1.6対0.8。
【0152】
25mg(遊離塩基として)の代替手順
【表1G】
【0153】
構成成分を秤量した。以下の材料:必要量の半分のマンニトール、ポロキサマー407、粉砕された化合物Iマレエート、及びクロスポビドンを、Quadro Comil(039スクリーン)を用いて1500±100 RPMの速度で粉砕した。粉砕されたブレンドを収集した。クエン酸とコロイド状シリカを袋の中で混合し、次いでComilに通し、続いて残りのマンニトールを通した。両方のブレンドを16Qブレンダに添加し、21RPMで18分間混合した。得られたブレンドをComilに通し、さらに18分間ブレンドした。次いで、ブレンドをComilに通した。ふるい分けられた(30メッシュ)ステアリン酸を添加し、さらに3.5分間ブレンドした。最終ブレンドを排出し、Bosch Encapsulatorを用いて、目標充填重量400mgで、サイズ0のカプセル(Vcaps Plus)にカプセル化した。塩基としての化合物I対クエン酸対ポロキサマー407の比率:1対1.6対0.8。
【0154】
5mg(遊離塩基として)の手順
【表1H】
【0155】
構成成分を秤量した。以下の材料:必要量の1/2のマンニトール、ポロキサマー407、粉砕された化合物Iマレエート、及びクロスポビドンを、Quadro Comil(039スクリーン)を用いて1500±100 RPMの速度で粉砕した。粉砕されたブレンドを収集した。クエン酸とコロイド状シリカを袋の中で混合し、次いでComilに通し、続いて残りのマンニトールを通した。両方のブレンドを16Qブレンダに添加し、21RPMで18分間混合した。得られたブレンドをComilに通し、さらに18分間ブレンドした。次いで、ブレンドをComilに通した。ふるい分けられた(30メッシュ)ステアリン酸を添加し、さらに3.5分間ブレンドした。最終ブレンドを排出し、Bosch Encapsulatorを用いて、目標充填重量200mgで、サイズ2のカプセル(Vcaps Plus)にカプセル化した。塩基としての化合物I対クエン酸対ポロキサマー407の比率:1対8対4。
【0156】
15mg(遊離塩基として)の手順
【表1I】
【0157】
構成成分を秤量した。以下の材料:必要量の1/2のマンニトール、ポロキサマー407、粉砕された化合物Iマレエート、及びクロスポビドンを、Quadro Comil(039スクリーン)を用いて1500±100 RPMの速度で粉砕した。粉砕されたブレンドを収集した。クエン酸とコロイド状シリカを袋の中で混合し、次いでComilに通し、続いて残りのマンニトールを通した。両方のブレンドを16Qブレンダに添加し、21RPMで18分間混合した。得られたブレンドをComilに通し、さらに18分間ブレンドした。次いで、ブレンドをComilに通した。ふるい分けられた(30メッシュ)ステアリン酸を添加し、さらに3.5分間ブレンドした。最終ブレンドを排出し、Bosch Encapsulatorを用いて、目標充填重量400mgで、サイズ0のカプセル(Vcaps Plus)にカプセル化した。塩基としての化合物I対クエン酸対ポロキサマー407の比率:1対2.67対1.33。
【0158】
実施例2.生物学的利用能研究
実施例1からの化合物Iマレエートのカプセル(遊離塩基として20mg)を、以下の生物学的利用能研究に使用した。具体的には、表2Aの製剤Bを調製するための手順を実施例1に詳述する。表2Aの他の製剤もまた、実施例1の20mgカプセルと同様の様式で調製した。
【0159】
この研究の目的は、化合物マレエートのカプセルの投与後の化合物Iマレエートの薬物動態学的特性に対する製剤構成成分の影響を決定することであった。この研究の生体実験の部分は、University of Louisiana at LafayetteのNew Iberia Research Center(NIRC)で実施し、研究プロトコル及びNIRC標準操作手順を遵守した。
【0160】
4匹のオスのカニクイザル対象は少なくとも12時間絶食させ、ピルガンにより投与される化合物Iマレエートを含有する経口投与を受けた。連続血液試料を、投与の15、30分前、ならびに投与の1、2、3、4、6、8、12、16、及び24時間後に収集した。血液を湿った氷の上に置き、冷蔵下で遠心分離して血漿を得、約-20℃で冷凍保存した。血漿試料を、分析のためにドライアイス上でIncyte Corporation(Wilmington,DE)に出荷した。
【0161】
化合物Iの血漿及び尿中濃度を、Incyte Corporationで非GLP条件下で測定した。この方法は、タンパク質沈殿抽出とLC/MS/MS分析を組み合わせたものである。血漿中濃度-時間データを使用して、IDBS E-Workbook Suite PKテンプレート(E-Workbookバージョン9.4.0 Build 18,IDBS,Inc.,Alameda,CA)を使用した標準的な非コンパートメント法により、各動物の薬物動態パラメータを決定した。
【表2A】
【0162】
同様の研究を、実施例1からの化合物Iマレエート(遊離塩基として5mg)のカプセルを使用して実施した。5mg製剤は、Capsugel製のVcaps(登録商標)Plusカプセル(HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル)を使用して調製する。
【表2B】
【0163】
実施例3.溶解度研究
化合物Iマレエートの溶解度を、いくつかの界面活性剤の存在下で、水溶液中で37℃で測定した。界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ポロキサマー188、及びポロキサマー407を水中0.2%(w/v)の濃度で含み、界面活性剤を含まない容器を対照として含めた。実験は、100RPMで攪拌された500mlの培地を使用したDistek 2100溶解浴(USP II型溶解装置)で実施した。100mgの原薬(遊離塩基当量)を培地に添加して、理論上の最大濃度0.20mg/mlを得た。5mlの試料を採取し、0.45ミクロンのGHPフィルタで濾過した後、HPLCで分析した。60分の攪拌時間後の試料について観察された濃度を以下に列挙する。
【表3】
【0164】
データは、ラウリル硫酸ナトリウム溶液における溶解度が、水またはポロキサマーの溶液よりも有意に高いことを示した。原薬は0.2%SLSの存在下で完全に溶解し、透明な溶液を形成した。
【0165】
実施例4.N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)の合成
スキーム1.
【化2】
【0166】
ステップ1.5-ブロモ-7-(ピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン二塩酸塩(化合物2)
メカニカルスターラー、加熱マントル、熱電対、還流冷却器、窒素入口、及び窒素出口を備えた五つ口の22L丸底フラスコに、ジクロロメタン(DCM、8.0L)中のtert-ブチル4-(4-アミノ-5-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物1、880g、2.221mol)を室温で入れた。懸濁液に、2-プロパノール中の塩酸(5.8N、2.7L、15.66mol、7.05当量)を添加した。この混合物を35℃に加熱した。4時間後、反応混合物をtert-ブチルメチルエーテル(TBME、4.5L)で希釈した。混合物を室温に冷却し、濾過し、TBME(2.0L)で洗浄した。濾塊を、フィルタ上でハウス真空下で24時間乾燥させて、5-ブロモ-7-(ピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン二塩酸塩(化合物2、848g、103%)を淡褐色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.53~9.29(m、3H)、8.23(s、1H)、6.91(s、1H)、3.38(tt、J=11.8、3.6Hz、1H)、3.30(d、J=12.4Hz、2H)、3.00(dtd、J=12.8、10.1、2.6Hz、2H)、2.07(dd、J=14.1、3.8Hz、2H)、1.97~1.87(m、2H)ppm;13C NMR(101MHz、DMSO-d)δ150.34、139.32、138.92、113.24、109.67、95.70、43.06、30.57、26.89ppm;C1114BrN(MW295.0)、LCMS(EI)m/e296.0(M+H)。
【0167】
ステップ2.1-(4-(4-アミノ-5-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オン(化合物3)。
【0168】
メカニカルスターラー、熱電対、還流冷却器、窒素入口、及び窒素出口を備えた五つ口の22L丸底フラスコに、N-メチルピペリジノン(NMP、10L)中の5-ブロモ-7-(ピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン二塩酸塩(化合物2、1300g、3.522mol)を室温で入れた。懸濁液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1593g、12.3mol)を添加した。混合物を10℃に冷却した後、塩化イソブチリル(388g、3.645mol)を充填した。反応物を室温で攪拌し、HPLCによりモニタリングした。余分な塩化イソブチリル(22.5g、0.211mol)を添加して、全ての出発材料を消費した。反応が完了すると、反応混合物をセライトパッドを通して濾過した。得られた濾液を10℃に冷却し、水(26L)を徐々に添加して、生成物を沈殿させた。固体を濾過により収集し、水(12L)で洗浄した。濾塊を、フィルタ上でハウス真空下で48時間乾燥させて、1-(4-(4-アミノ-5-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オン(化合物3、1095g、85%)を淡褐色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ7.86(s、1H)、6.64(s、1H)、4.51(d、J=12.6Hz、1H)、4.01(d、J=13.2Hz、1H)、3.35~3.30(m、1H)、3.12(t、J=12.3Hz、1H)、2.91~2.84(m、1H)、2.64(t、J=12.1Hz、1H)、2.02~1.93(m、2H)、1.55~1.42(m、2H)、1.02(d、J=6.5Hz、3H)、1.00(d、J=6.5Hz、3H)ppm;13C NMR(101MHz、DMSO-d)δ174.50、155.68、148.37、135.22、111.36、110.65、87.27、45.34、41.67、32.91、31.30、30.33、29.49、20.03、19.87ppm;C1520BrNO(MW365.09)、LCMS(EI)m/e366.1(M+H)。
【0169】
ステップ3.1-(4-(4-アミノ-5-(4-アミノフェニル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オン(化合物5)。
【0170】
メカニカルスターラー、加熱マントル、熱電対、還流冷却器、窒素入口、及び窒素出口を備えた五つ口の22L丸底フラスコに、1-ブタノール(7.7L)及び水(1.4L)中の1-(4-(4-アミノ-5-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オン(化合物3、700g、1.911mol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(化合物4、502g、2.293mol)、及び炭酸カリウム(528g、3.822mol)を室温で充填した。混合物に、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2、90g、115mmol)を室温で添加した。反応混合物を脱気し、窒素を再充填した後、80℃に加熱した。80℃で2時間後、n-ヘプタン(8L)を反応混合物に添加した。得られたスラリーを、室温に冷却した。固体を濾過により収集し、水(6L)で洗浄した。濾塊を、フィルタ上でハウス真空下で72時間乾燥させて、1-(4-(4-アミノ-5-(4-アミノフェニル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オン(化合物5、648g、90%)を褐色の固体として得た。H NMR(500MHz、DMSO-d)δ7.85(s、1H)、7.09(d、J=8.4Hz、2H)、6.65(d、J=8.4Hz、2H)、6.43(s、1H)、5.24(s、2H)、4.53(d、J=12.6Hz、1H)、4.04(d、J=13.1Hz、1H)、3.38(ddd、J=11.8。8.2、3.8Hz、1H)、3.16(t、J=12.7Hz、1H)、2.87(p、J=6.7Hz、1H)、2.71~2.66(m、1H)、2.08~2.00(m、2H)、1.61~1.58(m、2H)、1.02(d、J=6.5Hz、3H)、1.00(d、J=6.5Hz、3H)ppm;13C NMR(126MHz、DMSO-d)δ174.51、156.31、148.51、147.65、133.98、130.35、122.57、119.37、114.57、109.67、108.85、45.48、41.81、32.97、31.50、30.56、29.50、20.06、19.89ppm;C2126O(MW378.48)、LCMS(EI)m/e379.2(M+H)。
【0171】
ステップ4.N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)。
【0172】
メカニカルスターラー、熱電対、窒素入口、及び窒素出口を備えた五つ口の22L丸底フラスコに、テトラヒドロフラン(THF、10L)中の1-(4-(4-アミノ-5-(4-アミノフェニル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オン(化合物5、944g、2.494mol)及び1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボン酸塩酸塩(化合物6、801g、2.569mol)を室温で入れた。反応混合物にトリエチルアミン(NEt、0.695L、4.988mol)を添加した。反応完了時に、反応混合物を2つの22L丸底フラスコに均等に分けた。各フラスコに、水(8L)を室温で充填した。固体を濾過により収集した。得られた湿った濾塊を、22L丸底フラスコに戻した。フラスコに、THF(3.2L)及び水(10.5L)を充填した。スラリーを55℃に加熱し、55℃で2時間攪拌した。固体を濾過により30℃で収集し、水(8L)で洗浄した。濾塊を、フィルタ上でハウス真空下で72時間乾燥させて、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(1425g、90%)を淡褐色の固体として得た。H NMR(500MHz、DMSO-d)δ10.82(s、1H)、8.71(s、1H)、8.64(ddd、J=4.8、1.8、0.8Hz、1H)、8.06(td、J=7.7、1.9Hz、1H)、7.91(s、1H)、7.77(d、J=8.6Hz、2H)、7.60~7.53(m、2H)、7.43(d、J=8.6Hz、2H)、6.58(s、1H)、4.78(ヘプト、J=6.8Hz、1H)、4.54(d、J=12.3Hz、1H)、4.06(d、J=12.5Hz、1H)、3.40(tt、J=11.7、3.5Hz、1H)、3.20(t、J=12.3Hz、1H)、2.91(ヘプト、J=6.7Hz、1H)、2.69(t、J=12.3 Hz、1H)、2.06(dd、J=27.7、12.3Hz、2H)、1.61(q、J=11.8Hz、1H)、1.55~1.47(m、1H)、1.44(d、J=6.8Hz、6H)、1.02(d、J=6.8Hz、3H)、1.00(d、J=6.8Hz、3H)ppm;13C NMR(126MHz、DMSO-d)δ174.51、163.02、160.31、156.20、150.18、149.98、149.18、148.08、147.79、139.55、137.51、134.45、131.24、130.23、125.09、124.57、120.46、117.98、109.90、109.35、105.27、51.17、45.46、41.79、32.97、31.48、30.54、29.49、21.09(2-CH)、20.07、19.89ppm;C3437(MW635.73)、LCMS(EI)m/e636.3(M+H)。
【0173】
ステップ5.N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)。
【0174】
メカニカルスターラー、加熱ジャケット、熱電対、還流冷却器、窒素入口、及び窒素出口を備えた50L反応器に、メタノール(MeOH、10L)及びジクロロメタン(DCM、20L)中のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I、1401g、2.204mol)を室温で入れた。スラリーを50℃に加熱して、溶液を得た。溶液に活性炭(70g)及びシリカゲル(70g)を添加した。50℃で2時間攪拌した後、混合物をセライトパッドを通して濾過した。濾液にマレイン酸(269g、2.314mol)を添加した。ほとんどのDCMは大気圧下で蒸留した。固体が徐々に沈殿した。固体を濾過により18℃で収集し、MeOH(3L)で洗浄した。濾塊を、フィルタ上でハウス真空下で72時間乾燥させて、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート、1425g、86%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.83(s、1H)、8.71(s、1H)、8.65~8.63(m、1H)、8.06(td、J=7.8、1.9Hz、1H)、7.95(s、1H)、7.77(d、J=8.6Hz、2H)、7.58~7.55(m、2H)、7.44(d、J=8.5Hz、2H)、6.62(s、1H)、6.25(s、2H)、4.78(ヘプト、J=6.7Hz、1H)、4.54(d、J=12.3Hz、1H)、4.06(d、J=12.5Hz、1H)、3.40(tt、J=11.6、3.2Hz、1H)、3.20(t、J=12.3Hz、1H)、2.90(ヘプト、J=6.6Hz、1H)、2.69(t、J=12.1Hz、1H)、2.09~2.01(m、2H)、1.65~1.57(m、1H)、1.56~1.49(m、1H)、1.44(d、J=6.8Hz、6H)、1.02(d、J=5.5Hz、3H)、1.00(d、J=5.5Hz、3H)ppm;13C NMR(101MHz、DMSO)δ174.52、167.21、163.03、160.33、155.20、150.18、149.99、149.18、148.07、146.26、139.55、137.67、135.32、131.34、130.87、130.22、125.09、124.57、120.49、119.30、109.80、109.47、105.26、51.17、45.43、41.76、32.97、31.45、30.53、29.50、21.09(2-CH)、20.06、19.89ppm;C3437(遊離塩基MW635.73)、LCMS(EI)m/e636.3(M+H)。
【0175】
実施例5.tert-ブチル4-(4-アミノ-5-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(スキーム1の化合物1)の合成
スキーム2
【化3】
【0176】
ステップ1.tert-ブチル4-(4-アミノピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(化合物13)
メカニカルスターラー、加熱マントル、熱電対、還流冷却器、窒素入口、及び窒素出口を備えた3L丸底フラスコに、1,4-ジオキサン(876mL)中の7-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(化合物11、100g、469mmol)及びtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(化合物12、174g、563mmol)を室温で充填した。反応フラスコに、炭酸カリウム(130g、939mmol)及び水(218g)を順に添加した。混合物を真空に曝露することにより脱気し、窒素雰囲気を3回再充填した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh、13.56g、11.7mmol)を添加した後、反応混合物を脱気し、窒素を室温で3回再充填した。次いで、反応混合物を85~90℃に加熱し、その温度で16時間攪拌した。反応完了時に、水(900mL)を30分間添加したが、内部温度は50℃超であった。混合物を室温に冷却した。固体が徐々に沈殿した。固体を濾過により18℃で収集し、水(2×250mL)及びメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、3×200mL)で洗浄した。湿った濾塊を反応フラスコに戻し、MTBE(750mL)中で50℃で1時間攪拌した。固体を濾過により室温で収集した。濾塊を、真空オーブン中50℃で真空下、窒素掃引しながら72時間乾燥させて、tert-ブチル4-(4-アミノピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(化合物13、123.7g、84%)を褐色の固体として得た。H NMR(500MHz、DMSO-d)δ7.89(s、1H)、7.69(s、2H)、7.00(s、1H)、6.91(d、J=4.6Hz、1H)、6.69(d、J=4.5Hz、1H)、4.06(s、2H)、3.55(t、J=5.5Hz、2H)、2.59~2.52(m、2H)、1.43(s、9H)ppm;C1621(MW315.37)、LCMS(EI)m/e316.1(M+H)。
【0177】
ステップ2.tert-ブチル4-(4-アミノピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物14)
2Lフラスコに、酢酸(1000mL)中のtert-ブチル4-(4-アミノピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(化合物13、50.0g、159mmol)及び酸化白金(IV)(10.0g、44mmol)を室温で充填した。フラスコを、50psiの水素ガスを入れたParr Shaker上に置いた。16時間後、反応混合物を、セライトパッド(50g)を通して濾過し、メタノール(500mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物にメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、600mL)を室温で添加した。水(1200mL)中の炭酸カリウム(約50g)の溶液を、MTBE溶液に添加して、pH値を6~7に調整した。固体を濾過により収集し、水(2×300mL)及びn-ヘプタン(2×300mL)で洗浄した。濾塊を、真空オーブン中50℃で真空下、窒素掃引下しながら16時間乾燥させて、tert-ブチル4-(4-アミノピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物14、49.3g、98%)を淡褐色の固体として得た。H NMR(500MHz、DMSO-d)δ7.82(s、1H)、7.59(s、2H)、6.81(d、J=4.4Hz、1H)、6.44(d、J=4.3Hz、1H)、4.05(d、J=11.3Hz、2H)、3.25(tt、J=11.8、3.3Hz、1H)、2.88(s、2H)、1.95(d、J=11.9Hz、2H)、1.51(qd、J=12.6、4.0Hz、2H)、1.42(s、9H)ppm;C1623(MW317.39)、LCMS(EI)m/e318.1(M+H)。
【0178】
ステップ3.tert-ブチル4-(4-アミノ-5-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物1)
メカニカルスターラー、熱電対、還流冷却器、窒素入口、及び窒素出口を備えた五つ口の22L丸底フラスコに、テトラヒドロフラン(THF、14.0L)中のtert-ブチル4-(4-アミノピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物14、730g、2.30mol)を室温で充填した。混合物を0~5℃に冷却した。反応混合物に、内部温度を15℃未満に維持しながら、N-ブロモスクシンイミド(NBS、409g、2.30mol)を5分間添加した。10℃未満で1時間攪拌した後、一部の溶媒(9.0L)を減圧下で除去した。残留溶液に、水(14.0L)中の重炭酸ナトリウム(140g、1.67mol)の溶液を5分間かけて添加した。固体が沈殿した。固体を濾過により収集し、水(7.0L)及びn-ヘプタン(4L)で洗浄した。湿った濾塊を、フィルタ上でハウス真空下で48時間乾燥させて、tert-ブチル4-(4-アミノ-5-ブロモピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物1、886g、97%)を褐色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ7.86(s、1H)、6.66(s、1H)、4.04(d、J=11.0Hz、2H)、3.30~3.23(m、1H)、2.86(br.s、2H)、1.92(d、J=12.4Hz、2H)、1.50(qd、J=12.8、4.1Hz、2H)、1.41(s、9H)ppm;13C NMR(101MHz、DMSO-d)δ155.68、154.29、148.35、135.37、111.31、110.68、87.29、79.10、43.97、32.63、30.37、28.58ppm;C1622BrN(MW395.10)、LCMS(EI)m/e396.1(M+H)。
【0179】
実施例6.1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボン酸(スキーム1の化合物6)の合成
ステップ3:ジエチル2-((3-ピリジン-2-イルレイド)メチレン)マロネート
【化4】
1,2-ジクロロエタン(9.0mL)中のジエチル2-(アミノメチレン)マロネート(3.0g、16.0mmol)と2-イソシアナトピリジン(2.02g、16.8mmol)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.6mL、20.8mmol)を室温で添加した。次いで、反応混合物を70℃で一晩攪拌し、室温に冷却し、カラムクロマトグラフィ(CHCl中の0%~15%MeOH)を介して直接精製して、生成物(3.18g、65%)を得た。C1418(M+H)のLCMS計算値:m/z=308.1。実測値:308.1。
【0180】
ステップ4:1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボン酸
【化5】
EtOH(25mL)中のジエチル2-((3-(ピリジン-2-イル)ウレイド)メチレン)マロネート(3.18g、10.4mmol)とEtOH中2.5MのNaOEt(6.2mL、15.5mmol)の混合物を、室温で3時間攪拌した。得られた混合物をEtOAcで希釈し、1Nクエン酸溶液(30mL)で洗浄/酸性化した。有機層を分離し、水層を3:1のCHCl/イソプロピルアルコール(30mL×3)でさらに抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物エチル2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキシレートを得、これを次のステップで直接使用した。C1212(M+H)のLCMS計算値:m/z=262.1。実測値:262.2。
【0181】
前のステップからの粗エチル2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキシレート、2-ヨードプロパン(2.06mL、20.7mmol)、及びDMF(35mL)中のCsCO(10.1g、31.0mmol)の混合物を、70℃で3時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、3:1のCHCl/イソプロピルアルコール(75mL)で希釈し、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物エチル1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキシレートを得、これを次のステップで直接使用した。C1518(M+H)LCMS計算値:m/z=304.1。実測値:304.1。
【0182】
1,4-ジオキサン(20mL、82mmol)中の4M HCl中の前のステップからの粗エチル1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキシレート及び水(5.0mL)の混合物を、80℃で5時間攪拌し、室温に冷却し、濃縮した。次いで、得られた材料をカラムクロマトグラフィ(CHCl中の0%~15%MeOH)を介して精製して、生成物をわずかに黄色の固体(1.50g、47% 3つのステップ)として得た。C1314(M+H)のLCMS計算値:m/z=276.1。実測値:276.1。
【0183】
実施例7.N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[1,2-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)の固体状態特性評価
化合物IマレエートのX線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折(XRPD)を、Rigaku MiniFlex X線粉末回折計(XRPD)から得た。XRPDの一般的な実験手順は、以下のとおりであった:(1)Kβフィルタを用いた1.054056Åでの銅からのX線放射、(2)30KV、15mAでのX線パワー、及び(3)試料粉末をゼロバックグラウンド試料ホルダ上に分散させた。βXRPDの一般的な測定条件は、開始角度3度;停止角度45度;サンプリング0.02度;及び走査速度2度/分であった。XRPDパターンを図1に示し、XRPDデータを表6Aに提供する。
【表4】
【0184】
化合物Iマレエートの示差走査熱量測定(DSC)
DSCは、オートサンプラを有するTA Instruments視差走査熱量測定、モデルQ200から得た。DSC機器条件は、以下のとおりであった:10℃/分で30~300℃;Tzeroアルミニウム試料皿及び蓋;ならびに50mL/分の窒素ガス流。DSCサーモグラムを図2に示す。DSCサーモグラムは、開始温度202.9℃で主要な吸熱事象を示し、ピーク温度は211.0℃であった。これは、化合物の溶融及び分解温度であると考えられる。
【0185】
化合物Iマレエートの熱重量分析(TGA)
TGAは、TA Instrument熱重量分析器、モデルQ500から得た。TGAの一般的な実験条件は、以下のとおりであった:20℃/分で20℃~600℃の傾斜;窒素パージ、40mL/分のガス流、続いてパージ流の均衡;60mL/分の試料パージ流;白金試料皿。TGAサーモグラムを図3に示す。150℃までに約0.7%の重量減少が観測され、水分及び残留溶媒の喪失に関連していると考えられた。化合物は、200℃超で有意に分解し始める。
【0186】
他の結晶性塩
HCl塩、一硫酸塩、半硫酸塩、メシル酸塩、及びベシル酸塩など、化合物Iの他の結晶性塩が発見され、調製されている。
【0187】
実施例A.
Axl自己リン酸化アッセイ
Axlの自己リン酸化を、50mMのトリス、pH7.5、0.2mg/mlのAxl、5mMのATP、20mMのMgCl、及び2mMのDTTを含有する緩衝液中の組み換えAxlタンパク質(Life Technologies、PV4275)を室温で1時間インキュベートすることにより実施した。
【0188】
TAM酵素アッセイ
キナーゼアッセイ緩衝液には、50mMのHEPES、pH7.5、10mMのMgCl2、1mMのEGTA、0.01%NP-40、及び2mMのDTTが含まれていた。DMSO中に溶解した0.1ulの試験化合物を、化合物プレートから白色の384ウェルアッセイプレート(Greiner LUMITRACプレート)に移した。DMSOの最終濃度は1.25%であった。5.1nMのリン酸化Axl、または0.0625nMのc-Mer(Carna Biosciences、08-108)、または0.366nMのTyro3(Life Technologies、PR7480A)の酵素溶液を、アッセイ緩衝液で調製した。DMSO中に溶解したペプチド基質ビオチン-EQEDEPEGDYFEWLE-アミド配列番号1(Quality Controlled Biochemicals、MA)の1mMのストック溶液を、2000uMのATPを含有するアッセイ緩衝液中で1uMに希釈した。4ulの酵素溶液(または酵素ブランクのアッセイ緩衝液)を各プレートの適切なウェルに添加し、次いで4ul/ウェルの基質溶液を添加して、反応を開始した。プレートを光から保護し、室温で60分間インキュベートした。50mMのTris-HCl、pH7.8、150mMのNaCl、0.05%BSA、45mMのEDTA、180nMのSA-APC(Perkin Elmer、CR130-100)、及び3nMのEu-W1024抗ホスホチロシンPY20(Perkin Elmer、AD0067)を含有する4ulの検出溶液を添加することにより、反応を停止した。プレートを室温で1時間インキュベートし、HTRF(均一時間分解蛍光)シグナルをPHERAstar FSプレート読み取り機(BMG Labtech)上で測定した。阻害のパーセンテージを各濃度について計算し、IC50値を、GraphPad Prismソフトウェアを用いた曲線適合から生成した。
【0189】
化合物Iは、AXL、MER、及びTYRO3のうちの1つ以上の阻害剤であることがわかった。化合物Iのトリフルオロ酢酸塩のIC50データは、米国特許第9,981,975号に開示されており、以下の表7Aに提供する。記号「†」は、5nM以下のIC50を示し、「††」は、5nM超だが10nM以下のIC50を示し、「†††」は、10nM超だが100nM以下のIC50を示す。
【表5】
【0190】
実施例B.BAF3-AXL、BAF3-MER、及びBAF3-TYRO3細胞の生成ならびに細胞増殖アッセイ
二量体化配列及びHAタグと融合したAXL、MER、またはTYRO3の細胞質ドメインを、ピューロマイシン耐性マーカーを含むpMSCVベクターにクローニングして、3つの構築物(pMSCV-AXL、pMSCV-MER、及びpMSCV-TYRO3)を生成する。BAF3細胞を、電気穿孔法により3つの構築物で個々にトランスフェクトする。IL3に依存せず、ピューロマイシン耐性のある単一クローンを選択し、特性評価する。AXL、MER、またはTYRO3の発現が安定している細胞を選択し、BAF3-AXL、BAF3-MER、及びBAF3-TYRO3細胞と呼称する。
【0191】
BAF3、BAF3-AXL、BAF3-MER、またはBAF3-TYRO3細胞株を、10%FBSを含むRPMI1640(Gibco/Life Technologies、Carlsbad,CA)中に維持する。細胞生存率に対する試験化合物の効果を測定するために、1000細胞/ウェルを、化合物またはDMSO単独の段階希釈を含む増殖培地中の384ウェル組織培養プレート中に5%COとともに37℃で48時間播種し、細胞生存率を、ATPアッセイ(CellTiter-Gloアッセイ、Promega)により、製造元の手順に従って測定する。データをDMSO対照と比較した阻害パーセントに変換し、IC50曲線を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して適合する。
【0192】
実施例C.BaF3-AXL ELISA及びBaF3-MER ELISA
BaF3-AXLまたはBaF3-MER細胞を、10%FBS及びピューロマイシン(1μg/ml、Gibco/Life Technologies、Carlsbad,CA)を含む培地RPMI中に維持する。リン酸化AXLまたはリン酸化MERに対する試験化合物の効果を測定するために、細胞を、V底ポリプロピレンプレート(Greiner bio-one)中に、培地中の希釈した試験化合物の存在下または非存在下で播種(5×10細胞/ウェル)し、5%COとともに37℃で1時間インキュベートする。細胞を遠心分離により採取し、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Halts PI、Thermo Fisher)を含む110μLの氷冷溶解緩衝液(Cell Signaling)中に氷上で30分間溶解する。細胞溶解物を、ELISAのために-80℃で保存する。ELISAプレートを、Costarプレートを抗HA抗体(1μg/ml)とともに室温で1時間インキュベートすることにより調製する。プレートを洗浄し、3%BSAを含むPBSでブロックする。細胞溶解物をELISAプレートに装填し、4℃で一晩インキュベートする。プレートを洗浄し、DELFIAアッセイ緩衝液(Perkin Elmer)中のLANCE Eu-W1024抗ホスホチロシン抗体(PY-20)(Perkin Elmer)とともに1時間インキュベートし、Pherastar(BMG Labtech)上で読み取る。データをDMSO対照と比較した阻害パーセントに変換し、IC50の決定を、GraphPad Prismを使用して、阻害剤濃度の対数に対して阻害パーセントの曲線を適合することにより実施する。
【0193】
実施例D.H1299リン酸化AXL ELISA
Axl発現を伴うヒト非小細胞肺癌細胞株であるH1299細胞(ATCC)を、10%FBSを含む培地RPMI(Gibco/Life Technologies、Carlsbad,CA)中に維持する。リン酸化AXLに対する試験化合物の効果を測定するために、細胞を96ウェル組織培養プレート(Costar)中に播種(30000個の細胞/ウェル)し、5%COとともに37℃で一晩インキュベートする。適切な濃度の化合物を添加し、5%COとともに37℃で1時間インキュベートする。rhGas6(R&D Systems、6μg/ml)を各ウェルに添加する。プレートを、5%COとともに37℃で15分間インキュベートする。細胞を採取し、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Halts PI、Thermo Fisher)を含む110μLの氷冷溶解緩衝液(Cell Signaling)中に溶解する。溶解物を氷上で1時間インキュベートし、ELISAのために-80℃で保存する。ELISAプレートを、Costarプレートを抗HA抗体(1μg/ml)とともに室温で1時間インキュベートすることにより調製する。プレートを洗浄し、3%BSAを含むPBSでブロックする。細胞溶解物をELISAプレートに装填し、4℃で一晩インキュベートする。プレートを洗浄し、DELFIAアッセイ緩衝液(Perkin Elmer)中のLANCE Eu-W1024抗ホスホチロシン抗体(PY-20)(Perkin Elmer)とともに1時間インキュベートし、Pherastar(BMG Labtech)上で読み取る。データをDMSO対照と比較した阻害パーセントに変換し、IC50の決定を、GraphPad Prismを使用して、阻害剤濃度の対数に対して阻害パーセントの曲線を適合することにより実施する。
【0194】
実施例E.全血H1299リン酸化AXL ELISA
H1299細胞(ATCC)を、10%FBSを含む培地RPMI(Gibco/Life Technologies、Carlsbad,CA)中に維持する。全血におけるリン酸化AXLに対する試験化合物の効果を測定するために、細胞を96ウェル組織培養プレート(Costar)中に播種(30000個の細胞/ウェル)し、5%COとともに37℃で一晩インキュベートする。正常なドナーから得た血液を、試験化合物と1時間混合する。培地をH1299細胞から除去し、化合物を含む血液を各ウェルに添加する。5%COとともに37℃で1時間インキュベートした後、rh-Gas6(4μg/ml、R&D Systems)を各ウェルに添加する。プレートを、5%COとともに37℃で15分間インキュベートする。細胞をPBSで洗浄し、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Halts PI、Thermo Fisher)を含む110uLの氷冷溶解緩衝液(Cell Signaling)中に氷上で1時間溶解する。プレートをELISAのために-80℃で保存する。ELISAプレートを、Costarプレートを抗HA抗体(1ug/ml)とともに室温で1時間インキュベートすることにより調製する。プレートを洗浄し、3%BSAを含むPBSでブロックする。細胞溶解物をELISAプレートに装填し、4℃で一晩インキュベートする。プレートを洗浄し、DELFIAアッセイ緩衝液(Perkin Elmer)中のLANCE Eu-W1024抗ホスホチロシン抗体(PY-20)(Perkin Elmer)とともに1時間インキュベートし、Pherastar(BMG Labtech)上で読み取る。データをDMSO対照と比較した阻害パーセントに変換し、IC50の決定を、GraphPad Prismを使用して、阻害剤濃度の対数に対して阻害パーセントの曲線を適合することにより実施する。
【0195】
実施例F.G361リン酸化Akt細胞インサイトELISA
Merを発現するヒト悪性黒色腫細胞株であるG361細胞(ATCC)を、10%FBSを含む培地RPMI(Gibco/Life Technologies、Carlsbad,CA)中に維持する。MERシグナル伝達経路に対する試験化合物の効果を測定するために、細胞を96ウェルCellBind表面プレート(Corning)中に100μLの体積で2×10細胞/ウェルで播種し、5%COとともに37℃で一晩インキュベートする。20μLの適切な濃度の試験化合物を細胞に添加し、1時間インキュベートする。rhGas6(4μg/ml、R&D Systems)を各ウェルに添加し、20分間インキュベートする。50uLのPBS(Corning)中の4%パラホルムアルデヒド(Electron Microscopy Sciences)を室温で30分間添加することにより、細胞を固定する。プレートを洗浄し、50μLのPBS中の0.2%トリトンX-100(Sigma)とともに室温で10分間インキュベートする。プレートを洗浄し、100uLのブロッキング緩衝液(PBS中の0.1%BSA)とともに30分間インキュベートする。プレートを洗浄し、0.1%BSA(1:300希釈)中に希釈したリン酸化AKT(Ser473)(D9E)ウサギmAb(Cell Signaling)とともに4℃で一晩インキュベートする。プレートを洗浄し、50uLのPBS中のヤギ抗ウサギIgG(H+L)のAlexaflour 488 F(ab’)断片(Molecular Probes、1:1000希釈)とHoechst 33342(Thermo Fisher、1:2000希釈)とともに室温で2時間インキュベートする。プレートをPBSで洗浄し、Cell Insight CX5(ThermoFisher)上で読み取る。
【0196】
本明細書に記載されるものに加えて、本発明の様々な改変が、前述の説明から当業者には明らかとなるであろう。そのような改変はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図されている。本出願で引用された全ての特許、特許出願、及び刊行物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
【配列表】
2024147640000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書または図面に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0196
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0196】
本発明は、以下の態様および実施態様を含む。
[1]
(a)N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)有機酸、及び
(c)界面活性剤を含む、固体経口剤形の医薬製剤。
[2]
前記有機酸が、クエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、ソルビン酸、または酒石酸である、[1]に記載の医薬製剤。
[3]
前記有機酸が、クエン酸である、[1]または[2]に記載の医薬製剤。
[4]
約1重量%~約50重量%の有機酸を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の医薬製剤。
[5]
約5重量%~約40重量%の有機酸を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の医薬製剤。
[6]
約5重量%~約30重量%の有機酸を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の医薬製剤。
[7]
約10重量%~約20重量%の有機酸を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の医薬製剤。
[8]
約10重量%または約20重量%の有機酸を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の医薬製剤。
[9]
約1重量%~約20重量%の化合物Iを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の医薬製剤。
[10]
約2重量%~約15重量%の化合物Iを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の医薬製剤。
[11]
約3重量%または約12重量%の化合物Iを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の医薬製剤。
[12]
前記界面活性剤が、ポロキサマーである、[1]~[11]のいずれかに記載の医薬製剤。
[13]
前記界面活性剤が、ポロキサマー407またはポロキサマー188である、[1]~[11]のいずれかに記載の医薬製剤。
[14]
前記界面活性剤が、ポロキサマー407である、[1]~[11]のいずれかに記載の医薬製剤。
[15]
約1重量%~約20重量%の界面活性剤を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の医薬製剤。
[16]
約5重量%~約15重量%の界面活性剤を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の医薬製剤。
[17]
約5重量%~約10重量%の界面活性剤を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の医薬製剤。
[18]
約1重量%~約10重量%の界面活性剤を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の医薬製剤。
[19]
希釈剤をさらに含む、[1]~[18]のいずれかに記載の医薬製剤。
[20]
前記希釈剤が、マンニトールである、[19]に記載の医薬製剤。
[21]
約40重量%~約90重量%の希釈剤を含む、[19]または[20]に記載の医薬製剤。
[22]
約50重量%~約80重量%の希釈剤を含む、[19]または[20]に記載の医薬製剤。
[23]
約50重量%~約75重量%の希釈剤を含む、[19]または[20]に記載の医薬製剤。
[24]
崩壊剤をさらに含む、[1]~[23]のいずれかに記載の医薬製剤。
[25]
前記崩壊剤が、クロスポビドンである、[24]に記載の医薬製剤。
[26]
約1重量%~約10重量%の崩壊剤を含む、[24]または[25]に記載の医薬製剤。
[27]
約2重量%~約5重量%の崩壊剤を含む、[24]または[25]に記載の医薬製剤。
[28]
滑沢剤、流動促進剤、またはそれらの両方をさらに含む、[1]~[27]のいずれかに記載の医薬製剤。
[29]
前記滑沢剤が、ステアリン酸である、[28]に記載の医薬製剤。
[30]
約1重量%~約5重量%の滑沢剤を含む、[28]または[29]に記載の医薬製剤。
[31]
約2重量%の滑沢剤を含む、[28]または[29]に記載の医薬製剤。
[32]
前記流動促進剤が、コロイド状シリカである、[28]~[31]のいずれかに記載の医薬製剤。
[33]
約0.1重量%~約5重量%の流動促進剤を含む、[28]~[32]のいずれかに記載の医薬製剤。
[34]
約0.5重量%または約1重量%の流動促進剤を含む、[28]~[32]のいずれかに記載の医薬製剤。
[35]
(a)N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)クエン酸、及び
(c)ポロキサマーを含む、医薬製剤。
[36]
前記塩が、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)である、[1]~[35]のいずれかに記載の医薬製剤。
[37]
約1重量%~約20重量%の化合物Iマレエートを含む、[36]に記載の医薬製剤。
[38]
約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエートを含む、[36]に記載の医薬製剤。
[39]
約3重量%または約12重量%の化合物Iマレエートを含む、[36]に記載の医薬製剤。
[40]
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマーを含む、医薬製剤。
[41]
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤。
[42]
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマーを含む、医薬製剤。
[43]
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドンを含む、医薬製剤。
[44]
前記塩が、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)である、[40]~[43]のいずれかに記載の医薬製剤。
[45]
化合物I、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物が、結晶形態である、[1]~[44]のいずれかに記載の医薬製剤。
[46]
前記剤形が、錠剤またはカプセルである、[1]~[45]のいずれかに記載の医薬製剤。
[47]
前記剤形が、カプセルである、[1]~[45]のいずれかに記載の医薬製剤。
[48]
AXL及びMERキナーゼを阻害するための方法であって、前記AXL及びMERキナーゼを[1]~[47]のいずれかに記載の医薬製剤と接触させることを含む、前記方法。
[49]
患者におけるがんを治療するための方法であって、前記患者に治療有効量の[1]~[47]のいずれかに記載の医薬製剤を投与することを含む、前記方法。
[50]
前記がんが、肝細胞癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胆嚢癌、膵臓癌、甲状腺癌、皮膚癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、膠芽腫、黒色腫、及び横紋肉腫から選択される、[49]に記載の方法。
[51]
前記がんが、肺癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、黒色腫、腎細胞癌、多発性骨髄腫、胃癌、または横紋筋肉腫である、[49]に記載の方法。
[52]
経口投与に好適な医薬製剤を調製するための方法であって、N-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミド(化合物I)、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物と、有機酸と、界面活性剤とをブレンドして、経口投与に好適な前記医薬製剤を形成することを含む、前記方法。
[53]
前記医薬製剤を圧縮してカプセルを得ることをさらに含む、[52]に記載の方法。
[54]
[52]に記載の方法によって調製される、[1]~[47]のいずれかに記載の医薬製剤。
本明細書に記載されるものに加えて、本発明の様々な改変が、前述の説明から当業者には明らかとなるであろう。そのような改変はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図されている。本出願で引用された全ての特許、特許出願、及び刊行物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約1重量%~約20重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)、
(b)約1重量%~約50重量%の有機酸であって、該有機酸がクエン酸である有機酸及び
(c)約1重量%~約20重量%の界面活性剤であって、該界面活性剤がポロキサマーである界面活性剤
を含む、固体経口剤形の医薬製剤であって、
化合物Iマレエートが、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも1つのXRPDピークを有する、結晶形態である、医薬製剤。
【請求項2】
約5重量%~約40重量%の有機酸を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
約5重量%~約30重量%の有機酸を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
約10重量%~約20重量%の有機酸を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項5】
約10重量%または約20重量%の有機酸を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項6】
約2重量%~約15重量%の化合物Iマレエートを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
約3重量%または約12重量%の化合物Iマレエートを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記界面活性剤が、ポロキサマー407またはポロキサマー188である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記界面活性剤が、ポロキサマー407である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
約5重量%~約15重量%の界面活性剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項11】
約5重量%~約10重量%の界面活性剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
約1重量%~約10重量%の界面活性剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
希釈剤をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記希釈剤が、マンニトールである、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項15】
約40重量%~約90重量%の希釈剤を含む、請求項13または14に記載の医薬製剤。
【請求項16】
約50重量%~約80重量%の希釈剤を含む、請求項13または14に記載の医薬製剤。
【請求項17】
約50重量%~約75重量%の希釈剤を含む、請求項13または14に記載の医薬製剤。
【請求項18】
崩壊剤をさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記崩壊剤が、クロスポビドンである、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項20】
約1重量%~約10重量%の崩壊剤を含む、請求項18または19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
約2重量%~約5重量%の崩壊剤を含む、請求項18または19に記載の医薬製剤。
【請求項22】
滑沢剤、流動促進剤、またはそれらの両方をさらに含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項23】
前記滑沢剤が、ステアリン酸である、請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項24】
約1重量%~約5重量%の滑沢剤を含む、請求項22または23に記載の医薬製剤。
【請求項25】
約2重量%の滑沢剤を含む、請求項22または23に記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記流動促進剤が、コロイド状シリカである、請求項22~25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項27】
約0.1重量%~約5重量%の流動促進剤を含む、請求項22~26のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項28】
約0.5重量%または約1重量%の流動促進剤を含む、請求項22~26のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項29】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー
を含む、経口剤形の医薬製剤であって、
化合物Iマレエートが、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも1つのXRPDピークを有する、結晶形態である、医薬製剤。
【請求項30】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約5重量%~約15重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドン
を含む、経口剤形の医薬製剤であって、
化合物Iマレエートが、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも1つのXRPDピークを有する、結晶形態である、医薬製剤。
【請求項31】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、及び
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマー
を含む、経口剤形の医薬製剤であって、
化合物Iマレエートが、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも1つのXRPDピークを有する、結晶形態である、医薬製剤。
【請求項32】
(a)約2重量%~約15重量%のN-(4-(4-アミノ-7-(1-イソブチリルピペリジン-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-5-イル)フェニル)-1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボキサミドマレエート(化合物Iマレエート)、
(b)約5重量%~約30重量%のクエン酸、
(c)約1重量%~約10重量%のポロキサマー407、
(d)約50重量%~約80重量%のマンニトール、
(e)約1重量%~約5重量%のステアリン酸、及び
(f)約2重量%~約5重量%のクロスポビドン
を含む、経口剤形の医薬製剤であって、
化合物Iマレエートが、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも1つのXRPDピークを有する、結晶形態である、医薬製剤。
【請求項33】
化合物Iマレエートが、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも2つのXRPDピークを有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項34】
化合物Iマレエートが、約4.3°、約8.4°、約12.6°、約13.2°及び約18.5°から選択される、2シータに関する少なくとも3つのXRPDピークを有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項35】
化合物Iマレエートが、2シータに関する約4.3°、約8.4°及び約13.2°のXRPDピークを有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項36】
化合物Iマレエートが、約211℃に吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項37】
前記剤形が、錠剤またはカプセルである、請求項1~36のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項38】
前記剤形が、カプセルである、請求項1~36のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項39】
AXL及びMERキナーゼを阻害するための、請求項1~38のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項40】
患者におけるがんを治療するための、請求項1~38のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項41】
前記がんが、肝細胞癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胆嚢癌、膵臓癌、甲状腺癌、皮膚癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、膠芽腫、黒色腫、及び横紋肉腫から選択される、請求項40に記載の医薬製剤。
【請求項42】
前記がんが、肺癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、黒色腫、腎細胞癌、多発性骨髄腫、胃癌、または横紋筋肉腫である、請求項40に記載の医薬製剤。
【外国語明細書】