(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014766
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】コンテンツに関する情報処理システム、コンテンツに関する情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240125BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109690
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2022116785
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522293043
【氏名又は名称】株式会社JPNFT
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】分部 悠介
(72)【発明者】
【氏名】田中 龍一
(72)【発明者】
【氏名】戴 有造
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンテンツと、コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録する情報処理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数のクライアント装置110~130と、サーバー装置100と、ブロックチェーンシステム140とが、ネットワーク150を介して通信可能に接続されている情報処理システム1000において、サーバー装置100は、非代替性トークンであるコンテンツと、コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステム140に登録する。サーバー装置100は、コンテンツに関するN(Nは2以上の自然数)次創作に関する申請を受け付けた場合、Nより前のすべての関係する権利者に対して、N次創作を許可するか否かの問い合わせを発行し、Nより前のすべての関係する権利者がN次創作を許可した場合、申請に対してN次創作を許可する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツに関する情報処理システムであって、
コンテンツと、前記コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録し、
前記コンテンツは、非代替性トークンである、
コンテンツに関する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、
前記コンテンツに関するN(Nは2以上の自然数)次創作に関する申請を受け付けた場合、Nより前のすべての関係する権利者に対して、N次創作を許可するか否かの問い合わせを発行し、前記Nより前のすべての関係する権利者がN次創作を許可した場合、前記申請に対してN次創作を許可する、
コンテンツに関する情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、
前記コンテンツに関するN(Nは2以上の自然数)次創作に関する申請を受け付けた場合、(N-1)次創作に関する権利者に対して、N次創作を許可するか否かの問い合わせを発行し、前記(N-1)次創作に関する権利者がN次創作を許可した場合、前記申請に対してN次創作を許可する、
コンテンツに関する情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、
前記N次創作に関するコンテンツの販売利益を前記Nより前のすべての関係する権利者に分配する、
コンテンツに関する情報処理システム。
【請求項5】
請求項2に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、
前記N次創作に関する情報と、前記コンテンツと、前記コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けて前記ブロックチェーンシステムに登録する、
コンテンツに関する情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、
要求に応じて、前記ブロックチェーンシステムに登録されている、前記コンテンツの前記N次創作に関する情報を出力するよう制御する、
コンテンツに関する情報処理システム。
【請求項7】
情報処理システムが実行するコンテンツに関する情報処理方法であって、
コンテンツと、前記コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録し、
前記コンテンツは、非代替性トークンである、
コンテンツに関する情報処理方法。
【請求項8】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1から6までの何れか1項記載のコンテンツに関する情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツに関する情報処理システム、コンテンツに関する情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルデータを非代替性トークン(Non-Fungible Token)として取引、流通させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
何ら権利を有していない人が作成したNFTが氾濫している問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、コンテンツに関する情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、コンテンツと、コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録する。コンテンツは、非代替性トークンである、コンテンツに関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、情報処理システム1000のサービスの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、情報処理システム1000のシステム概要の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、情報処理システム1000における権利認証の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、3次創作までの概念の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、許諾制における権利登録の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、権利の使用権の取得(許諾)の一例を示す図(その1)である。
【
図10】
図10は、権利の使用権の取得(許諾)の一例を示す図(その2)である。
【
図12】
図12は、2次創作の申請の一例を示す図(その1)である。
【
図13】
図13は、2次創作の申請の一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0009】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、複数のクライアント装置(
図1の例では、クライアント装置110、クライアント装置120、クライアント装置130)と、サーバー装置100と、ブロックチェーンシステム140と、を含む。複数のクライアント装置と、サーバー装置100と、ブロックチェーンシステム140と、ネットワーク150を介して通信可能に接続されている。クライアント装置110は、コンテンツを創作した創作者が操作する装置である。クライアント装置120は、創作者が創作したコンテンツに基づき2次創作のコンテンツを創作した2次創作者が操作する装置である。クライアント装置130は、創作者が創作したコンテンツ及び2次創作者が創作した2次創作のコンテンツに基づき3次創作のコンテンツを創作した3次創作者が操作する装置である。
【0012】
サーバー装置100は、本実施形態に係る情報処理を実行する装置である。
ブロックチェーンシステム140は、P2Pネットワーク(P2P=Peer to Peer)によって互いに接続された複数のノード装置を備える。ブロックチェーンシステム140は、例示的には種々の取引情報を一定容量のブロックに区切り、それらのブロックを順番に並べて繋げたブロックチェーンを生成する。ブロックチェーンシステム140は、各ブロックに直前のブロックのハッシュ値を持たせ、生成したブロックチェーンを複数のノード装置のそれぞれに分散させて記憶させる。トランザクションのブロックチェーンへの記録は、P2Pネットワークに接続された複数のノード装置によって実行される。典型的には、ブロックチェーンシステム140は、パブリック型、プライベート型、コンソーシアム型のいずれであってもよい。また、データの単位はブロックではなく、個々のトランザクションであってもよい。
【0013】
なお、
図1では、説明の簡略化のため、情報処理システム1000において、クライアント装置110、クライアント装置120、クライアント装置130はそれぞれ1台しか図示していないが、情報処理システム1000には複数のクライアント装置110、クライアント装置120、クライアント装置130が含まれていてもよい。また、
図1では、クライアント装置110の例としてPC(Personal Computer)を示しているが、クライアント装置110は、スマートフォン又はタブレット型コンピュータ等であってもよい。
【0014】
特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、1つの装置で構成されてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。1つの装置で構成される場合、一例はサーバー装置100である。
【0015】
2.ハードウェア構成
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバー装置100は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を含む。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバー装置100の全体を制御する。記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの任意の組み合わせ等であって、プログラム及び制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部210が、記憶部220に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバー装置100の機能等が実現される。通信部230は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバー装置100をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。記憶部220は、記憶媒体の一例である。
【0016】
3.情報処理
(処理の概要)
サーバー装置100の制御部210は、コンテンツと、コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステム140に登録する。本実施形態において、コンテンツは、非代替性トークン(NFT)である。なお、非代替性トークン(NFT)のうちソールバウンドトークン(SBT)と呼ばれる発行者のみが移動できるトークンであるとよりよい。SBTを使うことによりウォレット所有者が勝手にコンテンツの知的財産に関する権利情報を一方的にほかのウォレット所有者に移動することができなく、操作ミスやハッキングによるリスクを回避することができる。コンテンツの例としては漫画及び/又は映画等のキャラクタのNFTである。コンテンツの知的財産に関する権利情報としては、例えば、コンテンツに関する著作権の情報等がある。
【0017】
サーバー装置100の制御部210は、コンテンツに関するN(Nは2以上の自然数)次創作に関する申請を受け付けた場合、Nより前のすべての関係する権利者に対して、N次創作を許可するか否かの問い合わせを発行し、Nより前のすべての関係する権利者がN次創作を許可した場合、申請に対してN次創作を許可する。例えば、制御部210は、コンテンツの3次創作に関する申請を受け付けた場合、1次創作者、2次創作者等、3次創作より前のすべての関係する権利者に対して、3次創作を許可するか否かの問い合わせを発行する。例えば、制御部210は、1次創作者、2次創作者等、3次創作より前のすべての関係する権利者のそれぞれの管理画面等に、問い合わせ可否を入力する入力領域を備える画面を表示させる。例えば、制御部210は、1次創作者、2次創作者等、すべての権利者より、入力領域を介して3次創作を許可する旨の回答を得た場合、3次創作の申請者に対して3次創作を許可する。例えば、制御部210は、3次創作の申請者の管理画面等に、3次創作を許可する旨の情報を含む画面を表示させ、例えば、3次創作のコンテンツの登録の方法等の情報も画面に表示させる。
【0018】
他の例として、サーバー装置100の制御部210は、コンテンツに関するN(Nは2以上の自然数)次創作に関する申請を受け付けた場合、(N-1)次創作に関する権利者に対して、N次創作を許可するか否かの問い合わせをブロックチェーンに記録するスマートコントラクトを通して発行し、(N-1)次創作に関する権利者が自身のウォレットでスマートコントラクトに電子署名をすることによりN次創作を許可した場合、申請に対してN次創作を許可する。例えば、制御部210は、コンテンツの3次創作に関する申請を受け付けた場合、3次創作の一つ前の2次創作の権利者に対して、3次創作を許可するか否かの問い合わせを発行する。例えば、制御部210は、2次創作の権利者の管理画面等に、問い合わせ可否を入力する入力領域を備える画面を表示させる。例えば、制御部210は、2次創作者より、入力領域を介して3次創作を許可する旨の回答を得た場合、3次創作の申請者に対して3次創作を許可する。例えば、制御部210は、3次創作の申請者の管理画面等に、3次創作を許可する旨の情報を含む画面を表示させ、例えば、3次創作のコンテンツの登録の方法等の情報も画面に表示させる。
【0019】
また、サーバー装置100の制御部210は、N次創作に関するコンテンツの販売利益をNより前のすべての関係する権利者に分配する。制御部210は、ブロックチェーン上に記録されたスマートコントラクトを実行することにより所定のデジタル通貨を該当するウォレットに振り込むことによって利益を分配し、そしてウォレットに入金された収益をさらに仮想通貨取引所を利用し法定通貨に交換する。そして制御部210は、法定通貨を該当する口座等に振り込むことによって利益を分配してもよい。
【0020】
サーバー装置100の制御部210は、N次創作に関する情報と、コンテンツとコンテンツのNFTと、コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録する。コンテンツのNFTが指定のスマートコントラクトで作成されなくても、複数のブロックチェーンに対応したすべてのNFTの情報を紐づけることが可能なため汎用性が高い。例えば、制御部210は、3次創作がなされる場合は、誰によって許可されたのか、許可されたのは誰か、何に依拠して作成されたコンテンツなのか等のN次創作に関する情報を、上述した、コンテンツ及びコンテンツの知的財産に関する権利情報と関連付けてブロックチェーンシステム140に登録する。
【0021】
サーバー装置100の制御部210は、クライアント装置等からの要求に応じて、ブロックチェーンシステム140に登録されている、コンテンツのN次創作に関する情報を画面等に出力するよう制御する。
【0022】
図3は、情報処理システム1000のサービスの一例を示す図である。
ステップ(1)
IPの権利を持つ又は窓口となる権利者がIP権利を証明する書類を情報処理システム1000に送信する。情報処理システム1000でデータを受け取った後、システム運営者がIP内容を確認し、問題なければIPの登録とIP権利者のウォレットアドレスの作成とを指示する。この指示に基づき情報処理システム1000はIP権利者のウォレットアドレスを作成し、該当するIPとウォレットアドレスとに基づきIPをブロックチェーンに登録する。
【0023】
ステップ(2)
クリエーターは、IP権利者が所有するIP権利を利用するために情報処理システム1000にIPを利用した二次創作の権利(二次創作の許可)を申請する。この申請をIP権利者が承認すると、情報処理システム1000で電子署名をし、権利付与の確認をする。当権利付与は同時に情報処理システム1000によってブロックチェーンに書き込まれる。
【0024】
ステップ(3)
クリエーターが作成したIP権利が付与されたNFT作品を情報処理システム1000で作成し、同時にブロックチェーンに登録する。同時に情報処理システム1000のアプリケーション画面に当IP登録情報、クリエーター情報、IP権利者情報、及びIP権利付与されたNFT作品情報が公開される。
【0025】
ステップ(4)
情報処理システム1000にて作成されたNFT作品は同じ規格を持つマーケットプレイスやDappsツールで表示され、認証マークが付けられる。NFTユーザーがそれらのマーケットプレイスでブロックチェーン情報と認証マークとを確認して、当NFTがライセンス承認されていることが確認でき、購入する。
【0026】
ステップ(5)
NFTが販売された後にロイヤリティ等が入金される。
【0027】
ステップ(6)
発生するロイヤリティ等の入金を情報処理システム1000がスマートコントラクトに書き込まれた割合でIP権利者とクリエーターと他の関係者とに分配して送金する。
【0028】
図4は、情報処理システム1000の概要の一例を示す図である。
図4は、フロントエンドのシステムからバックバックエンドの詳細機能と関係性とを示した図である。
【0029】
図5は、情報処理システム1000における権利認証の一例を示す図である。
図5は、ブロックチェーン上にIP権利者の会社とWallet登記からIP登録(知財権登録)から作品登録(NFT)までの一連のデータの紐づきを示した図である。
【0030】
図6は、3次創作までの概念の一例を示す図である。
図6に示されるように、n次創作者の認証を取り消せるのは一つ上の(n-1)次創作者である。
【0031】
図7は、情報処理システム1000のブロックチェーンに登録するデータ構造の概要の一例を示す図である。情報処理システム1000はウォレットの認証によるIPホルダーの許可と新たなスマートコントラクトのブロックチェーンへの書き込みとIP認証SBTの情報の書き込みと発行とIPホルダーのIP権利の取り戻しによるスマートコントラクトとSBTの情報の変更とをメインの役割として持つ。情報処理システム1000がブロックチェーン上に書き込むIP権利情報は、認証SBTと情報スマートコントラクトとある。IP認証SBTと情報スマートコントラクトとの両方にIPホルダー情報、IPの名前、種類、NFT作品のチェーン、NFT ID、NFTを生成するスマートコントラクト等の識別情報を記録することができる。この情報はブロックチェーン上に公開され、マーケットプレイスや他社アプリ等の第三者がいつでも検索と閲覧することができる。
【0032】
図8は、許諾制における権利登録の一例を示す図である。
図8ではIP権利者自身が所有又は窓口権利をもっているIPを本システムに登録する申請を行うステップを詳細に示している。
【0033】
図9は、権利の使用権の取得(許諾)の一例を示す図(その1)である。
図9ではクリエーターであるArtistがIP権利者(IP Holder)に対して、IPの利用を申請し、IP利用可否をIP権利者が承認するステップを示している。
【0034】
図10は、権利の使用権の取得(許諾)の一例を示す図(その2)である。
図10ではクリエーターであるArtistがIP権利者(IP Holder)に対して、IPの利用を申請し、IP利用可否をIP権利者が承認した後認証済みNFT(SBT)をブロックチェーン上で発行し権利証明として付与するステップを示している。
【0035】
図11は、NFTの売買の一例を示す図である。
図11ではクリエーター(Artist)がIP権利者(IP Holder)からNFT作成を承認し、その作成されたNFTがBuyerによって購入された後の利益分配の仕組みを示している。
【0036】
図12は、2次創作の申請の一例を示す図(その1)である。
図12ではクリエーターであるArtistがIP権利者(IP Holder)に対して、IPの利用を申請し、IP利用可否をIP権利者が承認した後IPを利用した新たな二次創作NFT作成を申請するステップを示している。
【0037】
図13は、2次創作の申請の一例を示す図(その2)である。
図13ではクリエーターであるArtistがIP権利者(IP Holder)に対して、IPの利用を申請し、IP利用可否をIP権利者が承認した後IPを利用した新たな二次創作NFTの作成をIP権利者が承認し、作成された二次創作のNFTにもIP権利が付与されるステップを示している。
【0038】
以上、本実施形態の処理によれば、コンテンツと、コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録されるので、海賊版のNFT等が登録され、販売されることを防止することができる。また、本実施形態の処理によれば、外部システムが常にブロックチェーン上の情報を利用してNFTが権利付与されているか否かを判断でき、マーキングをすることができる。
【0039】
<付記>
発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0040】
(1)コンテンツに関する情報処理システムであって、コンテンツと、前記コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録し、前記コンテンツは、非代替性トークンである、コンテンツに関する情報処理システム。
【0041】
(2)上記(1)に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、前記コンテンツに関するN(Nは2以上の自然数)次創作に関する申請を受け付けた場合、Nより前のすべての関係する権利者に対して、N次創作を許可するか否かの問い合わせを発行し、前記Nより前のすべての関係する権利者がN次創作を許可した場合、前記申請に対してN次創作を許可する、コンテンツに関する情報処理システム。
【0042】
(3)上記(1)に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、前記コンテンツに関するN(Nは2以上の自然数)次創作に関する申請を受け付けた場合、(N-1)次創作に関する権利者に対して、N次創作を許可するか否かの問い合わせを発行し、前記(N-1)次創作に関する権利者がN次創作を許可した場合、前記申請に対してN次創作を許可する、コンテンツに関する情報処理システム。
【0043】
(4)上記(2)に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、前記N次創作に関するコンテンツの販売利益を前記Nより前のすべての関係する権利者に分配する、コンテンツに関する情報処理システム。
【0044】
(5)上記(2)に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、前記N次創作に関する情報と、前記コンテンツと、前記コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けて前記ブロックチェーンシステムに登録する、コンテンツに関する情報処理システム。
【0045】
(6)上記(5)に記載のコンテンツに関する情報処理システムにおいて、要求に応じて、前記ブロックチェーンシステムに登録されている、前記コンテンツの前記N次創作に関する情報を出力するよう制御する、コンテンツに関する情報処理システム。
【0046】
(7)情報処理システムが実行するコンテンツに関する情報処理方法であって、コンテンツと、前記コンテンツの知的財産に関する権利情報と、を関連付けてブロックチェーンシステムに登録し、前記コンテンツは、非代替性トークンである、コンテンツに関する情報処理方法。
【0047】
(8)プログラムであって、コンピュータを、上記(1)から(6)までの何れか1項記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0048】
例えば、上述のプログラムを記憶させる、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0049】
また、上述した実施形態等では、サーバー装置100が画面を生成し、クライアント装置110に送信するように説明を行ったが、サーバー装置100が画面の生成に必要なデータ等をクライアント装置110に送信する。そして、サーバー装置100が受信したデータに基づき画面を生成し、表示するようにしてもよい。この場合、サーバー装置100が画面に必要なデータ等をクライアント装置110に送信する処理は、画面を表示させる処理の一例である。
【0050】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
100 :サーバー装置
110 :クライアント装置
120 :クライアント装置
130 :クライアント装置
140 :ブロックチェーンシステム
150 :ネットワーク
210 :制御部
220 :記憶部
230 :通信部
1000 :情報処理システム