(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147689
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20241008BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113448
(22)【出願日】2024-07-16
(62)【分割の表示】P 2023061286の分割
【原出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000206956
【氏名又は名称】大塚製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(72)【発明者】
【氏名】中川 恭
(72)【発明者】
【氏名】出口 直幸
(72)【発明者】
【氏名】浜本 圭介
(72)【発明者】
【氏名】戸羽 正道
(72)【発明者】
【氏名】岩下 聡
(72)【発明者】
【氏名】坪内 美樹
(72)【発明者】
【氏名】郭 敬卓
(72)【発明者】
【氏名】吉江 美帆
(57)【要約】 (修正有)
【課題】行動の履歴に基づいて対象ユーザの健康の状態を推定するコンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】通信システムにおいて、情報処理装置である推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ装置は、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取得し、教師あり学習を実行することにより生成した推定モデルに対象行動データを入力することにより、対象ユーザの運動の状態、生活習慣病に関連する状態又は身体活動の不足の状態を識別するために、対象ユーザの体重を識別するデータ、対象ユーザのBMI(Body Mass Index)を識別するデータ、対象ユーザの歩数を識別するデータ、対象ユーザの喫煙の有無を識別するデータ及び対象ユーザのメタボリックシンドローム診断基準値を識別するデータのうちの少なくとも1つを含む対象状態データを推定モデルから出力する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取得し、
教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データを入力
することにより、前記対象ユーザの、運動の状態、生活習慣病に関連する状態又は身体活
動の不足の状態を識別する対象状態データであって、該対象ユーザの体重を識別するデー
タ、該対象ユーザのBMI(Body Mass Index)を識別するデータ、該対象
ユーザの歩数を識別するデータ、該対象ユーザの喫煙の有無を識別するデータ、及び、該
対象ユーザのメタボリックシンドローム診断基準値を識別するデータ、のうちの少なくと
も1つを含む対象状態データを、前記推定モデルから出力させる、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、ことを特徴とするコンピュータプ
ログラム。
【請求項2】
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履
歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの、運動の状
態、生活習慣病に関連する状態又は身体活動の不足の状態を識別するサンプル状態データ
と、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力することにより生成された前記推
定モデルを、取得する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプ
ログラム。
【請求項3】
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履
歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの、運動の状
態、生活習慣病に関連する状態又は身体活動の不足の状態を識別するサンプル状態データ
と、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力することにより生成された前記推
定モデルに対して、通信回線を介して接続される、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプ
ログラム。
【請求項4】
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履
歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの、運動の状
態、生活習慣病に関連する状態又は身体活動の不足の状態を識別するサンプル状態データ
と、を含む、複数組の教師データを取得し、
該複数組の教師データを学習モデルに入力して学習させることにより、前記推定モデル
を生成する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプ
ログラム。
【請求項5】
複数の商品及び/又は複数のサービスのうち、前記対象状態データに対応する少なくと
も1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを決定する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項4のいずれか
に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
教師あり学習を実行することにより生成された別の推定モデルに前記対象状態データを
入力することにより、該別の推定モデルから、前記少なくとも1つの対象商品及び/又は
前記少なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを出力させる、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項5に記載のコンピュータプ
ログラム。
【請求項7】
対象状態データと前記複数の商品及び/又は前記複数のサービスとを対応付けた検索テ
ーブルに前記対象状態データを入力することにより、該検索テーブルから前記少なくとも
1つの対象商品及び/又は前記少なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを取
得する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項5に記載のコンピュータプ
ログラム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、
及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項1から請
求項7のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサを具備し、
該少なくとも1つのプロセッサが、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取得し、
教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データを入力
することにより、前記対象ユーザの、運動の状態、生活習慣病に関連する状態又は身体活
動の不足の状態を識別する対象状態データであって、該対象ユーザの体重を識別するデー
タ、該対象ユーザのBMI(Body Mass Index)を識別するデータ、該対象
ユーザの歩数を識別するデータ、該対象ユーザの喫煙の有無を識別するデータ、及び、該
対象ユーザのメタボリックシンドローム診断基準値を識別するデータ、のうちの少なくと
も1つを含む対象状態データを、前記推定モデルから出力させる、
ように構成される、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
端末装置又はサーバ装置である、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、
及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項9又は請
求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより
実行される方法であって、
該少なくとも1つのプロセッサが、前記命令を実行することにより、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取得する段階と、
教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データを入力
することにより、前記対象ユーザの、運動の状態、生活習慣病に関連する状態又は身体活
動の不足の状態を識別する対象状態データであって、該対象ユーザの体重を識別するデー
タ、該対象ユーザのBMI(Body Mass Index)を識別するデータ、該対象
ユーザの歩数を識別するデータ、該対象ユーザの喫煙の有無を識別するデータ、及び、該
対象ユーザのメタボリックシンドローム診断基準値を識別するデータ、のうちの少なくと
も1つを含む対象状態データを、前記推定モデルから出力させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、
及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項12に記
載の方法。
【請求項14】
コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより
実行される方法であって、
該少なくとも1つのプロセッサが、前記命令を実行することにより、
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履
歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの運動の状態
、生活習慣病に関連する状態又は身体活動の不足の状態を識別するサンプル状態データと
、を含む、複数組の教師データを取得する取得段階と、
該複数組の教師データを学習モデルに入力して学習させることにより、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを入力して、前記対
象ユーザの、運動の状態、生活習慣病に関連する状態又は身体活動の不足の状態を識別す
る対象状態データであって、該対象ユーザの体重を識別するデータ、該対象ユーザのBM
I(Body Mass Index)を識別するデータ、該対象ユーザの歩数を識別する
データ、該対象ユーザの喫煙の有無を識別するデータ、及び、該対象ユーザのメタボリッ
クシンドローム診断基準値を識別するデータ、のうちの少なくとも1つを含む対象状態デ
ータを、出力するように構成された推定モデル、
を生成する生成段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを前記推定モデルに
入力することにより、該推定モデルから前記対象ユーザの、運動の状態、生活習慣病に関
連する状態又は身体活動の不足の状態を識別する対象状態データを出力する推定段階、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、
及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項14又は
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願に開示された技術は、推定の対象とされるユーザ(対象ユーザ)により実行さ
れた行動の履歴を識別するデータを学習モデルに入力することにより、この対象ユーザの
健康の状態を識別するデータを上記学習モデルから出力させる、コンピュータプログラム
、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
対象ユーザの購買履歴を記述するデータに基づいてこの対象ユーザの健康状態を推定す
る推定モデルを構築する手法が、特許第6916367号公報(特許文献1)に開示され
ている。なお、本特許文献は、参照により、その全体が本明細書に組み入れられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、対象ユーザにより実行された行動の履歴に基づいてこの対象ユーザの健康の状態
を推定する手法として、より向上した性能を有する手法を提供することが、求められてい
る。
【0005】
したがって、本件出願に開示された技術は、対象ユーザにより実行された行動の履歴に
基づいてこの対象ユーザの健康の状態を推定するために用いられ、少なくとも部分的に向
上した性能を有する、コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより実行さ
れることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取
得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データを
入力することにより、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡眠状態データであっ
て、該対象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、該対象ユーザの睡眠のリズム
を識別する対象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識別する対象時間データ、及び
、該対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテゴリーデータ、のうちの少な
くとも1つを含む対象睡眠状態データを、前記推定モデルから出力させる、ように前記少
なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0007】
一態様に係る情報処理装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少なくとも
1つのプロセッサが、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データ
を取得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動デー
タを入力することにより、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡眠状態データで
あって、該対象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、該対象ユーザの睡眠のリ
ズムを識別する対象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識別する対象時間データ、
及び、該対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテゴリーデータ、のうちの
少なくとも1つを含む対象睡眠状態データを、前記推定モデルから出力させる、ように構
成され」得る。
【0008】
一態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも
1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサが、前
記命令を実行することにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行
動データを取得する段階と、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに
前記対象行動データを入力することにより、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象
睡眠状態データであって、該対象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、該対象
ユーザの睡眠のリズムを識別する対象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識別する
対象時間データ、及び、該対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテゴリー
データ、のうちの少なくとも1つを含む対象睡眠状態データを、前記推定モデルから出力
させる段階と、を含む」ことができる。
【0009】
別の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくと
も1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサが、
前記命令を実行することにより、各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユ
ーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人
のサンプルユーザの睡眠の状態を識別するサンプル睡眠状態データと、を含む、複数組の
教師データを取得する取得段階と、該複数組の教師データを学習モデルに入力して学習さ
せることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを入
力して、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡眠状態データであって、該対象ユ
ーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、該対象ユーザの睡眠のリズムを識別する対
象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識別する対象時間データ、及び、該対象ユー
ザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテゴリーデータ、のうちの少なくとも1つを
含む対象睡眠状態データを、ように構成された推定モデル、
を生成する生成段階と、を含む」ことができる。
【0010】
別の態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより実行
されることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを
取得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データ
を入力することにより、前記対象ユーザの更年期症状の状態を識別する対象更年期状態デ
ータであって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別する対象総合状態データ
、該対象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態データ、該対象ユーザの第2症
状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少なくとも1つを含む対象更年期状態
データを、前記推定モデルから出力させる、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機
能させる」ことができる。
【0011】
別の態様に係る情報処理装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少なくと
も1つのプロセッサが、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動デー
タを取得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動デ
ータを入力することにより、前記対象ユーザの更年期症状の状態を識別する対象更年期状
態データであって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別する対象総合状態デ
ータ、該対象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態データ、及び、該対象ユー
ザの第2症状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少なくとも1つを含む対象
更年期状態データを、前記推定モデルから出力させる、ように構成され」得る。
【0012】
別の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくと
も1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサが、
前記命令を実行することにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象
行動データを取得する段階と、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデル
に前記対象行動データを入力することにより、前記対象ユーザの更年期症状の状態を識別
する対象更年期状態データであって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別す
る対象総合状態データ、該対象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態データ、
及び、該対象ユーザの第2症状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少なくと
も1つを含む対象更年期状態データを、前記推定モデルから出力させる段階と、を含む」
ことができる。
【0013】
別の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくと
も1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサが、
前記命令を実行することにより、各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユ
ーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人
のサンプルユーザの更年期症状の状態を識別するサンプル更年期状態データと、を含む、
複数組の教師データを取得する取得段階と、該複数組の教師データを学習モデルに入力し
て学習させることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動デ
ータを入力して、前記対象ユーザの更年期症状の状態を識別する対象更年期状態データで
あって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別する対象総合状態データ、該対
象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態データ、及び、該対象ユーザの第2症
状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少なくとも1つを含む対象更年期状態
データを、出力するように構成された推定モデル、を生成する生成段階と、を含む」こと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したサーバ装置10が有するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した通信システム1により実行される動作の一例を示すフロー図である。
【
図4】
図4は、アテネ不眠尺度の一例を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、ピッツバーグ睡眠質問票の一例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、ピッツバーグ睡眠質問票の一例を示す図である。
【
図5C】
図5Cは、ピッツバーグ睡眠質問票の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、不眠症重症度質問票の一例を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、ミュンヘンクロノタイプ質問票の一例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、ミュンヘンクロノタイプ質問票の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図1に示した通信システム1において用いられる睡眠カテゴリーデータの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図1に示した通信システム1において用いられる睡眠カテゴリーデータの別の例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図1に示した通信システム1において用いられる検索テーブルの一例を概念的に示す図である。
【
図12】
図12は、
図1に示した通信システム1により実行される動作の別の例を示すフロー図である。
【
図13】
図13は、簡略更年期指数(SMI)の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、
図1に示した通信システム1において用いられる検索テーブルの別の例を概念的に示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る健康予測システムを利用して、顧客の健康予測を行うためのデータの流れを模式的に示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る統合健康予測プログラム100の機能構成の具体例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る購買データの具体例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る購買データの具体例を示す図である。
【
図19】
図19は、予測モデルの出力値に応じた顧客への提案を実現するためのテーブルの具体例を示す図である。
【
図20】
図20は、予測モデルの出力値に応じた顧客への提案を実現するためのテーブルの具体例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る統合健康予測プログラムの処理の流れを示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る統合健康予測プログラムが実行される情報処理装置のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係るモデル学習プログラムを含む学習システムの機能構成の具体例を示す図である。
【
図25】
図25は、更年期症状に関するH層の被験者による購入品目から見出された更年期症状と、健康課題との関係の具体例を示す図である。
【
図26】
図26は、H層に属する更年期症状を有する女性向けの商品カテゴリーの具体例を示す図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係るモデル学習プログラムの処理の流れを示す図である。
【
図28】
図28は、実施形態に係るモデル学習プログラムが実行される情報処理装置のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共
通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要
素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。
さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということ
に注意されたい。
【0016】
本明細書において記載される、様々なシステム、方法および装置は、いかなる方法によ
っても限定されるものとして解釈されるべきではない。実際には、本開示は、開示された
様々な実施形態の各々、これら様々な実施形態を相互に組み合わせたもの、および、これ
ら様々な実施形態の一部を相互に組み合わせたもの、のうちのあらゆる新規な特徴および
態様に向けられている。本明細書において記載される、様々なシステム、方法および装置
は、特定の態様、特定の特徴、または、このような特定の態様と特定の特徴とを組み合わ
せたものに限定されないし、本明細書に記載される物および方法は、1もしくはそれ以上
の特定の効果が存在することまたは課題が解決されることを、要求するものでもない。さ
らには、本明細書において記載された様々な実施形態のうちの様々な特徴もしくは態様、
または、そのような特徴もしくは態様の一部は、相互に組み合わせて用いられ得る。
【0017】
本明細書において開示された様々な方法のうちの幾つかの方法の動作が、便宜上、特定
の順序に沿って記載されているが、このような手法による記載は、特定の順序が以下特定
の文章によって要求されていない限り、上記動作の順序を並び替えることを包含する、と
理解すべきである。例えば、順番に記載された複数の動作は、幾つかの場合には、並び替
えられるかまたは同時に実行される。さらには、簡略化を目的として、添付図面は、本明
細書に記載された様々な事項および方法が他の事項および方法とともに用いられ得るよう
な様々な方法を示していない。
【0018】
本開示の装置または方法に関連して本明細書に提示される、動作理論、科学的原理また
は他の理論的な記載は、よりよい理解を目的として提供されており、技術的範囲を限定す
ることを意図していない。添付した特許請求の範囲における装置および方法は、このよう
な動作理論により記載される方法により動作する装置および方法に限定されない。
【0019】
本明細書に開示された様々な方法のいずれもが、コンピュータにより読み取り可能な1
またはそれ以上の媒体に記憶された、コンピュータにより実行可能な複数の命令を用いて
実装され、さらに、コンピュータにおいて実行され得る。上記1またはそれ以上の媒体は
、例えば、少なくとも1つの光学媒体ディスク、複数の揮発性メモリ部品、または、複数
の不揮発性メモリ部品といったような、非一時的なコンピュータにより読み取り可能な記
憶媒体であり得る。ここで、上記複数の揮発性メモリ部品は、例えばDRAMまたはSR
AMを含む。また、上記複数の不揮発性メモリ部品は、例えばハードドライブおよびソリ
ッドステートドライブ(SSD)を含む。さらに、上記コンピュータは、例えば、計算を
行うハードウェアを有するスマートフォンおよび他のモバイル装置を含む、市場において
入手可能な任意のコンピュータを含む。
【0020】
本明細書において開示された技術を実装するためのこのようなコンピュータにより実行
可能な複数の命令のいずれもが、本明細書において開示された様々な実施形態の実装の間
において生成され使用される任意のデータとともに、1またはそれ以上のコンピュータに
より読み取り可能な媒体(例えば、非一時的なコンピュータにより読み取り可能な記憶媒
体)に記憶され得る。このようなコンピュータにより実行可能な複数の命令は、例えば、
個別のソフトウェアアプリケーションの一部であり得るか、または、ウェブブラウザもし
くは(リモート計算アプリケーションといったような)他のソフトウェアアプリケーショ
ンを介してアクセスまたはダウンロードされるソフトウェアアプリケーションの一部であ
り得る。このようなソフトウェアは、例えば、(例えば市場において入手可能な任意の好
適なコンピュータにおいて実行されるプロセスとしての)単一のローカルコンピュータに
おいて、または、1またはそれ以上のネットワークコンピュータを用いて、ネットワーク
環境(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワー
ク、(クラウド計算ネットワークといったような)クライアントサーバネットワーク、ま
たは、他のそのようなネットワーク)において、実行され得る。
【0021】
明確化のために、ソフトウェアをベースとした様々な実装のうちの特定の選択された様
々な態様のみが記載される。当該分野において周知である他の詳細な事項は省略される。
例えば、本明細書において開示された技術は、特定のコンピュータ言語またはプログラム
に限定されない。例えば、本明細書において開示された技術は、C、C++、Java(
登録商標)、または、他の任意の好適なプログラミング言語で記述されたソフトウェアに
より実行され得る。同様に、本明細書において開示された技術は、特定のコンピュータま
たは特定のタイプのハードウェアに限定されない。好適なコンピュータおよびハードウェ
アの特定の詳細な事項は、周知であって、本明細書において詳細に説明する必要はない。
【0022】
さらには、このようなソフトウェアをベースとした様々な実施形態(例えば、本明細書
において開示される様々な方法のいずれかをコンピュータに実行させるための、コンピュ
ータにより実行可能な複数の命令を含む)のいずれもが、好適な通信手段により、アップ
ロードされ、ダウンロードされ、または、リモート方式によりアクセスされ得る。このよ
うな好適な通信手段は、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネッ
ト、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバケーブルを含む)、磁気通信
、電磁気通信(RF通信、マイクロ波通信、赤外線通信を含む)、電子通信、または、他
のそのような通信手段を含む。
【0023】
I.第1章
1.概要
本件出願に開示された技術では、簡潔にいえば、少なくとも1つの情報処理装置が、推
定の対象とされるユーザ(対象ユーザ)により実行された行動の履歴を識別する対象行動
データを取得し、この対象行動データを推定モデルに入力することにより、上記対象ユー
ザの健康の状態を識別するデータ(健康状態データ)を、上記推定モデルから出力させる
ことができる。
【0024】
また、少なくとも1つの情報処理装置が、複数の商品及び/又は複数のサービスのうち
、上記対象ユーザの健康状態データに対応する少なくとも1つの対象商品及び/又は少な
くとも1つの対象サービスを決定することもできる。さらに、少なくとも1つの情報処理
装置が、このように決定された少なくとも1つの対象サービス及び/又は少なくとも1つ
の対象サービスを識別する情報を出力することもできる。
【0025】
2.通信システムの構成
このような技術は、
図1に例示されるような通信システムを用いて実現可能である。図
1は、一実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、一実施形態に係る通信システム1は、例えば、通信網2に接続可能
な少なくとも1つのサーバ装置(情報処理装置)10と、通信網2に接続可能な少なくと
も1つの端末装置(情報処理装置)20と、を含むことができる。
図1には、少なくとも
1つのサーバ装置10として、2つのサーバ装置10A、10Bが例示されているが、任
意の数のサーバ装置10が用いられ得る。同様に、
図1には、少なくとも1つの端末装置
20として、2つの端末装置20A、20Bが例示されているが、任意の数のサーバ装置
10が用いられ得る。
【0027】
各サーバ装置10は、他の少なくとも1つのサーバ装置10、及び/又は、少なくとも
1つの端末装置20に対して、通信網2を介して接続可能である。また、各端末装置20
は、他の少なくとも1つの端末装置20、及び/又は、少なくとも1つのサーバ装置10
に対して、通信網2を介して接続可能である。
【0028】
各サーバ装置10は任意の情報処理装置であり得る。このような情報処理装置は、例え
ば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スーパーコンピュータ及びメインフ
レーム等を、これらに限定することなく含むことができる。各端末装置20は任意の情報
処理装置であり得る。このような情報処理装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、
タブレット、パーソナルコンピュータ、ワークステーション及び携帯情報端末等を、これ
らに限定することなく含むことができる。
【0029】
一例では、少なくとも1つのサーバ装置10は、任意のユーザの健康の状態を推定する
サービス(「推定サービス」)、及び/又は、任意のユーザの健康の状態に対応する少な
くとも1つの対象商品等を提案するサービス(「提案サービス」)を、運営する運営企業
により管理される情報処理装置であり得る。なお、以下、便宜上、推定サービス及び/又
は提案サービスを指す用語として、「推定サービス等」という用語を用いる場合がある。
【0030】
一例では、少なくとも1つのサーバ装置10及び/又は少なくとも1つの端末装置20
は、上記運営企業から推定サービス等の提供を受ける企業ユーザ及び/又は個人ユーザに
より管理される情報処理装置であり得る。
【0031】
上述した対象行動データを取得する動作は、少なくとも1つのサーバ装置10、及び/
又は、少なくとも1つの端末装置20により実行され得る。
【0032】
上述した推定モデルは、少なくとも1つのサーバ装置10、及び/又は、少なくとも1
つの端末装置20により生成され得る。このように生成された推定モデルは、少なくとも
1つのサーバ装置10、及び/又は、少なくとも1つの端末装置20により保持され得る
。このように保持された推定モデルは、少なくとも1つのサーバ装置10、及び/又は、
少なくとも1つの端末装置20により利用され得る。
【0033】
上述した健康状態データを推定モデルから出力させる動作は、少なくとも1つのサーバ
装置10、及び/又は、少なくとも1つの端末装置20により実行され得る。
【0034】
上述した少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを決定す
る動作は、少なくとも1つのサーバ装置10、及び/又は、少なくとも1つの端末装置2
0により実行され得る。上述した少なくとも1つの対象サービス及び/又は少なくとも1
つの対象サービスを識別するデータを出力する動作は、少なくとも1つのサーバ装置10
、及び/又は、少なくとも1つの端末装置20により実行され得る。
【0035】
なお、通信網2は、携帯電話網、無線ネットワーク、固定電話網、インターネット、イ
ントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(W
AN)、及び/又は、イーサネット(登録商標)ネットワークを、これらに限定すること
なく含むことができる。上記無線ネットワークは、例えば、Bluetooth(登録商
標)、(IEEE 802.11a/b/nといったような)WiFi、WiMax、セル
ラー、衛星、レーザー、赤外線、を介したRF接続を、これらに限定することなく含むこ
とができる。
【0036】
3.各情報処理装置が有するハードウェア構成
次に、各情報処理装置(サーバ装置10、端末装置20)が有するハードウェア構成の
一例について説明する。
【0037】
(1)サーバ装置10のハードウェア構成
図2は、
図1に示したサーバ装置10が有するハードウェア構成の一例を示すブロック
図である(なお、
図2において、括弧内の参照符号は、後述するように端末装置20に関
連して記載されている)。
【0038】
図2に示すように、サーバ装置10は、中央処理装置11と、主記憶装置12と、入出
力インターフェイス装置13と、入力装置14と、補助記憶装置15と、出力装置16と
、を含むことができる。これら装置同士は、データバス及び/又は制御バスにより接続さ
れている。
【0039】
中央処理装置11は、「CPU」と称され、主記憶装置12に記憶されている命令及び
データに対して演算を行い、その演算の結果を主記憶装置12に記憶させることができる
。さらに、中央処理装置11は、入出力インターフェイス装置13を介して、入力装置1
4、補助記憶装置15及び出力装置16等を制御することができる。サーバ装置10は、
1又はそれ以上のこのような中央処理装置11を含むことが可能である。
【0040】
主記憶装置12は、「メモリ」と称され、入力装置14、補助記憶装置15及び通信網
2等(端末装置20等)から、入出力インターフェイス装置13を介して受信した命令及
びデータ、並びに、中央処理装置11の演算結果を記憶することができる。主記憶装置1
2は、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM
))、不揮発性メモリ(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、EEPROM、フラ
ッシュメモリ)、及び、ストレージ(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリ
ッドステートドライブ(SSD)、磁気テープ、光学媒体)、といったようなコンピュー
タにより読み取り可能な媒体を、これらに限定することなく含むことができる。容易に理
解されるように、「コンピュータにより読み取り可能な記録媒体」という用語は、変調さ
れたデータ信号すなわち一時的な信号といったような送信媒体ではなく、メモリ及びスト
レージといったようなデータストレージのための媒体を含むことができる。
【0041】
補助記憶装置15は、主記憶装置12よりも大きな容量を有する記憶装置である。補助
記憶装置15は、特定のアプリケーション等を構成する命令及びデータ(コンピュータプ
ログラム)を記憶しておき、中央処理装置11により制御されることにより、これらの命
令及びデータ(コンピュータプログラム)を、入出力インターフェイス装置13を介して
主記憶装置12に送信することができる。補助記憶装置15は、磁気ディスク装置及び/
又は光ディスク装置等をこれらに限定することなく含むことができる。
【0042】
ここでいう特定のアプリケーションは、オペレーションシステム、様々なソフトウェア
アプリケーション(ウェブブラウザを含む)、推定サービス等を提供するために実行され
る専用のアプリケーション、推定サービス等の提供を受けるために実行される専用のアプ
リケーション等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0043】
入力装置14は、外部からデータを取り込む装置であり、キーボード、タッチパネル、
ボタン、マウス及び/又はセンサ(マイク、カメラ)等をこれらに限定することなく含む
ことができる。
【0044】
出力装置16は、ディスプレイ装置、タッチパネル及び/又はプリンタ装置等をこれら
に限定することなく含むことができる。
【0045】
このようなハードウェア構成にあっては、中央処理装置11が、補助記憶装置15に記
憶された上記特定のアプリケーションを構成する命令及びデータ(コンピュータプログラ
ム)を順次主記憶装置12にロードし、ロードした命令及びデータを演算することができ
る。これにより、中央処理装置11は、入出力インターフェイス装置13を介して出力装
置16を制御し、或いはまた、入出力インターフェイス装置13及び通信網2を介して、
他の装置(例えば他のサーバ装置10及び/又は端末装置20等)との間で様々な情報(
データ)の送受信を行うことができる。
【0046】
このように、サーバ装置10は、インストールされた上記特定のアプリケーションを実
行することにより、推定サービス等を提供すること及び/又は推定サービス等の提供を受
けることに関連する動作等(
図3及び
図12等を参照して後述する様々な動作等)を実行
することができる。これに加えて又はこれに代えて、サーバ装置10は、ブラウザを実行
して他のサーバ装置10にアクセスすることにより、推定サービス等を提供すること及び
/又は推定サービス等の提供を受けることに関連する動作等(
図3及び
図12等を参照し
て後述する様々な動作等)を実行することもできる。
【0047】
なお、サーバ装置10は、中央処理装置11に代えて又は中央処理装置11とともに、
1又はそれ以上のマイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニ
ット(GPU)を含むこともできる。
【0048】
(2)端末装置20のハードウェア構成
図2において括弧内に示すように、端末装置20は、実質的にサーバ装置10と同様の
ハードウェア構成を有することができる。
図2に示すように、端末装置20は、中央処理
装置21と、主記憶装置22と、入出力インターフェイス装置23と、入力装置24と、
補助記憶装置25と、出力装置26と、を含むことができる。これら装置同士は、データ
バス及び/又は制御バスにより接続されている。これらの装置の各々は、サーバ装置10
に関連して説明したとおりである。
【0049】
補助記憶装置25に記憶され中央処理装置21により実行される、特定のアプリケーシ
ョンは、オペレーションシステム、様々なソフトウェアアプリケーション(ウェブブラウ
ザを含む)、推定サービス等の提供を受けるために実行される専用のアプリケーション等
を、これらに限定することなく含むことができる。また、特定のアプリケーションは、推
定サービス等を提供するために実行される専用のアプリケーションを含むこともできる。
【0050】
このようなハードウェア構成にあっては、中央処理装置21が、補助記憶装置25に記
憶された上記特定のアプリケーションを構成する命令及びデータ(コンピュータプログラ
ム)を順次主記憶装置22にロードし、ロードした命令及びデータを演算することができ
る。これにより、中央処理装置21は、入出力インターフェイス装置23を介して出力装
置26を制御し、或いはまた、入出力インターフェイス装置23及び通信網2を介して、
他の装置(例えばサーバ装置10等及び/又は他の端末装置20等)との間で様々な情報
(データ)の送受信を行うことができる。
【0051】
このように、端末装置20は、インストールされた上記特定のアプリケーションを実行
することにより、推定サービス等の提供を受けること及び/又は推定サービス等を提供す
ることに関連する動作等(
図3及び
図12等を参照して後述する様々な動作等)を実行す
ることができる。これに加えて又はこれに代えて、サーバ装置10は、ブラウザを実行し
て他のサーバ装置10にアクセスすることにより、推定サービス等を提供すること及び/
又は推定サービス等の提供を受けることに関連する動作等(
図3及び
図12等を参照して
後述する様々な動作等)を実行することもできる。
【0052】
なお、端末装置20は、中央処理装置21に代えて又は中央処理装置21とともに、1
又はそれ以上のマイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニッ
ト(GPU)を含むこともできる。
【0053】
4.睡眠の状態に関する睡眠状態データを提供するために通信システム2により実行さ
れる動作
次に、睡眠の状態に関する睡眠状態データを提供するために、上述した通信システム2
により実行される動作の具体例について、さらに
図3を参照して説明する。
図3は、
図1
に示した通信システム1により実行される動作の一例を示すフロー図である。
【0054】
(1)ステップ1000
まず、ステップ(以下「ST」という。)1000において、情報処理装置である、例
えば、推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ装置10Aが、推定モデル
を生成するために用いられる複数組の教師データを取得して記憶することができる。
【0055】
複数組の教師データを構成する各組の教師データは、この組に対応する1人のサンプル
ユーザにより実行された行動の履歴を識別するデータ(「サンプル行動データ」)と、こ
の組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の状態を識別するデータ(「サンプル睡眠状
態データ」)と、を含むことができる。例えば、第1組の教師データは、第1組に対応す
る1人のサンプルユーザ(Aさん)により実行された行動の履歴を識別するサンプル行動
データと、Aさんの睡眠の状態を識別するサンプル睡眠状態データと、を含むことができ
、第2組の教師データは、第2組に対応する1人のサンプルユーザ(Bさん)により実行
された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、Bさんの睡眠の状態を識別するサン
プル睡眠状態データと、を含むことができる。
【0056】
(1A)サンプル行動データ
各サンプル行動データは、予め定められた複数の行動のうちの少なくとも1つの(1つ
の又は複数の)行動を識別するデータであり得る。ここで、予め定められた複数の行動の
各々は、その行動を実行した人間の睡眠の状態に少なくとも部分的に良い影響又は悪い影
響を与え得る行動であり得る。このような予め定められた複数の行動は、例えば、以下に
例示するものをこれらに限定することなく含むことができる。
(人間の睡眠の状態に少なくとも部分的に良い影響を与え得る行動の例)
・1週間に2日以上のペースで1時間以上の有酸素運動を行った。
・毎日一定の時間に起床した。
・カフェインを含む飲料を1日に2杯以下に抑えた。
・1日の勤務時間が8時間以下であった。
・コーヒーを10本以上購入した(この行動は、例えば、コーヒーが属する商品カテゴ
リーとその購入数量とを含むデータにより識別され得る)。
(人間の睡眠の状態に少なくとも部分的に悪い影響を与え得る行動の例)
・1週間に1日以下のペースで1時間以上の有酸素運動を行った。
・毎日異なる時間に起床した。
・カフェインを含む飲料を1日に3杯以上飲んだ。
・1日の勤務時間が13時間以上であった。
・牛乳を5本以上購入した(この行動は、例えば、牛乳が属する商品カテゴリーとその
購入数量とを含むデータにより識別され得る)。
【0057】
各サンプル行動データは、このように例示される予め定められた複数の行動のうち少な
くとも1つの行動の各々を識別するデータであり得る。
【0058】
また、一例では、ユーザが購入した商品及び/又はユーザが利用したサービスが、その
ユーザの睡眠の状態に良い影響又は悪い影響を与える傾向があり得ることから、上記予め
定められた複数の行動は、サンプルユーザが購入した商品(又はその商品が属するカテゴ
リー)、サンプルユーザが利用したサービス(又はそのサービスが属するカテゴリー)を
含むこともできる。この種の行動は、例えば、小売店舗(ドラッグストア、スーパーマー
ケット、コンビニエンスストア等)等が保有するPOS(Point Of Sales)
データを利用して生成され得る。
【0059】
一例では、予め定められた複数の行動の各々には、固有の識別データ(英字、数字又は
これらの組み合わせ等)が割り当てられており、各サンプル行動データは、このような識
別データを含むことができる。例えば、POSデータを利用する場合には、複数のサンプ
ル行動データの各々は、購入された商品に対応する、JICFS分類(分類コード)、商
品カテゴリー、購入金額、購入数量、購入回数、性別、年齢、及び/又は、購入日等を、
これらに限定することなく含むことができる。
【0060】
情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ
装置10Aは、このようなサンプル行動データを、例えば、以下に例示する方法のうち少
なくとも1つの方法により取得することができる。
・情報処理装置が、通信網2を介して、少なくとも1つの他のサーバ装置10(例えば
ドラッグストア等に設置されたPOSデータを記憶する他のサーバ装置10、又は、この
POSデータにアクセス可能な他のサーバ装置10)から、POSデータを受信する。
・情報処理装置が、通信網2を介して、所定のアンケート(サンプルユーザにより実行
された行動に関するアンケート)に対する回答を記載したメール又はウェブページを、少
なくとも1つの端末装置20及び/又は少なくとも1つのサーバ装置10から受信する。
・情報処理装置が、上記所定のアンケートに対する複数のユーザによる回答を収集した
少なくとも1つのサーバ装置10から通信網2を介してその回答の内容を受信する。
・情報処理装置が、上記所定のアンケートに対する複数のユーザによる回答を収集した
記録媒体(USBメモリ、DVD-ROM等)を介して、その回答の内容を受信する。
【0061】
(1B)サンプル睡眠状態データ
各組の教師データに含まれるサンプル睡眠状態データは、以下に例示するデータのうち
の少なくとも1つを、これに限定することなく、含むことができる。
・その組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するデータ(「サンプル
性質データ」)
・その組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するデータ(「サンプ
ルリズムデータ」)
・その組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠時間を識別するデータ(「サンプル時
間データ」)
・その組に対応する1人のサンプルユーザ(の睡眠)が属する睡眠カテゴリーを識別す
るデータ(「サンプル睡眠カテゴリーデータ」)
【0062】
まず第1に、サンプル性質データは、そのサンプルユーザの睡眠の質が良いのか(例え
ばどの程度良いのか)悪いのか(例えばどの程度悪いのか)を識別するデータであり得る
。一例では、サンプル性質データは、そのサンプルユーザの睡眠の質を総合的に評価した
スコアを識別するデータであり得る。この場合、そのサンプルユーザの睡眠の質は、例え
ば、以下に例示するいずれかの方法で算出されたスコアを識別するデータであり得る。
【0063】
・アテネ不眠尺度(AIS)(
図4参照)に記載された質問事項に対するサンプルユー
ザの回答内容に基づいて、アテネ不眠尺度に記載された方法で算出されたスコア、又は、
このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得られた修正スコア
・ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)(
図5A乃至
図5C参照)に記載された質問事
項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、ピッツバーグ睡眠質問票に記載された
方法で算出されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)すること
により得られた修正スコア
・3次元型睡眠尺度(3DSS)(
図6A及び
図6B参照)に記載された質問事項に対
するサンプルユーザの回答内容に基づいて、3次元型睡眠尺度に記載された方法で算出さ
れたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得られ
た修正スコア
・不眠症重症度質問票(ISI)(
図7参照)に記載された質問事項に対するサンプル
ユーザの回答内容に基づいて、不眠症重症度質問票に記載された方法で算出されたスコア
、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得られた修正スコ
ア
・その他の任意の質問票又は尺度に記載された質問事項に対するサンプルユーザの回答
内容に基づいて、その質問票又は尺度に記載された方法で算出されたスコア、又は、この
スコアを任意の手法で演算することにより得られた修正スコア
【0064】
第2に、サンプルリズムデータは、そのサンプルユーザのリズムの質が良いのか(例え
ばどの程度良いのか)悪いのか(例えばどの程度悪いのか)を識別するデータであり得る
。一例では、サンプルリズムデータは、そのサンプルユーザの睡眠のリズムを評価したス
コアを識別するデータであり得る。
【0065】
この場合、そのサンプルユーザの睡眠のリズムは、例えば、サンプルユーザの平日の睡
眠時間帯の中央時間と休日の睡眠時間帯の中央時間との差の絶対値であるソーシャルジェ
ットラグ(又はこのソーシャルジェットラグを任意の手法で演算した値)を識別するデー
タであり得る。ここで、例えば、或るサンプルユーザの平日の睡眠時間帯が午前0時から
午前6時である場合には、その中央時間は午前3時であり、そのサンプルユーザの休日の
睡眠時間帯が午前3時から午前11時である場合には、その中央時間は午前7時であるた
め、ソーシャルジェットラグは4時間となる。一般的には、ソーシャルジェットラグが小
さい(又は大きい)程、そのサンプルユーザの睡眠のリズムはより良い(又はより悪い)
ということができる。
【0066】
サンプルユーザの平日及び休日のそれぞれの睡眠時間帯は、一例では、ミュンヘンクロ
ノタイプ質問票(MCTQ)(
図8A及び
図8B参照)に記載された質問事項に対するそ
のサンプルユーザによる回答内容から抽出され得るし、別の例では、そのサンプルユーザ
から電子メール又はウェブページ等を介して取得され得る。
【0067】
第3に、サンプル時間データは、そのサンプルユーザの睡眠時間(1日の睡眠時間)を
識別するデータであり得る。サンプルユーザの睡眠時間は、一例では、ミュンヘンクロノ
タイプ質問票(MCTQ)(
図8A及び
図8B参照)に記載された質問事項に対するその
サンプルユーザによる回答内容から抽出され得るし、別の例では、そのサンプルユーザか
ら電子メール又はウェブページ等を介して取得され得る。
【0068】
第4に、サンプル睡眠カテゴリーデータは、サンプルユーザ(の睡眠)が属する睡眠カ
テゴリーを識別するデータであり得る。一例として、サンプル睡眠カテゴリーデータは、
そのサンプルユーザのサンプル性質データと、そのサンプルユーザのサンプルリズムデー
タとに基づいて決定された、そのサンプルユーザ(の睡眠)が属するカテゴリーを識別す
るデータであり得る。この場合、睡眠カテゴリーは、例えば、以下の手法により定められ
得る。
【0069】
図9は、
図1に示した通信システム1において用いられる睡眠カテゴリーデータの一例
を示す図である。
図9に示すように、縦軸及び横軸の一方(ここでは横軸)に、サンプル
性質データにより識別されるスコアが配置され、縦軸及び横軸の他方(ここでは縦軸)に
、サンプルリズムデータにより識別される値が配置され得る。上記一方の軸には、サンプ
ル性質データにより識別されるスコアに対して、少なくとも1つの(ここでは1つの)閾
値、すなわち、閾値A1(6点)が設定され得る。上記他方の軸には、サンプルリズムデ
ータにより識別される値に対して、少なくとも1つの(ここでは1つの)閾値、すなわち
、閾値B1(1時間)が設定され得る。これにより、閾値A1及び閾値B1によって、睡
眠の性質及び睡眠のリズムの観点から分割された、相互に異なる4つの睡眠カテゴリー(
ここでは、睡眠カテゴリー10、11、20、21)が形成され得る。この例では、睡眠
カテゴリー10は、睡眠に生じている障害が最も顕著である可能性の高いカテゴリーであ
り、睡眠カテゴリー21は、睡眠に生じている障害が最も少ない可能性の高いカテゴリー
であり、睡眠カテゴリー11、20は、睡眠カテゴリー10と21との間に位置付けられ
るカテゴリーである、といえる。睡眠カテゴリーデータは、これら4つの睡眠カテゴリー
のうちのいずれかの睡眠カテゴリーを識別するデータであり得る。
【0070】
図10は、
図1に示した通信システム1において用いられる睡眠カテゴリーデータの別
の例を示す図である。
図10に示す例では、上記一方の軸には、サンプル性質データによ
り識別されるスコアに対して、例えば2つの閾値、すなわち、閾値A1(6点)及び閾値
A2(8点)が設定され得る。上記他方の軸には、サンプルリズムデータにより識別され
る値に対して、例えば2つの閾値、すなわち、閾値B1(1時間)及び閾値B2(3時間
)が設定され得る。これにより、閾値A1、A2及び閾値B1、B2によって、睡眠の性
質及び睡眠のリズムの観点から分割された、相互に異なる9つの睡眠カテゴリー(ここで
は、睡眠カテゴリー100、101、102、200、201、202、300、301
、302)が形成され得る。この例では、睡眠カテゴリー300は、睡眠に生じている障
害が最も顕著である可能性の高いカテゴリーであり、睡眠カテゴリー202は、睡眠に生
じている障害が最も少ない可能性の高いカテゴリーであり、残りの睡眠カテゴリーは、睡
眠カテゴリー300と202との間に位置付けられるカテゴリーである、といえる。睡眠
カテゴリーデータは、これら9つの睡眠カテゴリーのうちのいずれかの睡眠カテゴリーを
識別するデータであり得る。
【0071】
図9及び
図10に示した例は、便宜的に示した例に過ぎず、サンプル性質データにより
識別されるスコアに対して、任意の数の閾値が設定され、サンプルリズムデータにより識
別される値に対しても、任意の数の閾値が設定され得る。サンプル性質データ及びサンプ
ルリズムデータの各々に対して、より多くの閾値を設定することにより、睡眠の性質及び
睡眠のリズムの観点から分割された、相互に異なるより多くの睡眠カテゴリーを生成する
ことが可能である。
【0072】
情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ
装置10A(及び/又は端末装置20)は、サンプルユーザごとに、このようなサンプル
行動データとサンプル睡眠状態データとを組み合わせて、そのサンプルユーザについて、
1組の教師データを生成して記憶することができる。これを実現するために、例えば、情
報処理装置は、取得した複数のサンプル行動データの中から、或るサンプルユーザを識別
する識別データが付されたサンプル行動データを抽出し、取得した複数のサンプル睡眠状
態データの中からこれと同一のサンプルユーザを識別する識別データが付されたサンプル
睡眠状態データを抽出し、これらを組み合わせて、このサンプルユーザについての1組の
教師データを生成して保存することができる。同様の処理を複数のサンプルユーザの各々
について実行することにより、情報処理装置は、複数組の教師データを生成して保存する
ことができる。
【0073】
(2)ステップ1002
図3に戻り、次に、ST1002において、情報処理装置である、例えば、推定サービ
ス等を運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、
ST1000において取得された複数組の教師データを用いて、学習モデルを機械学習に
より学習させることにより、推定モデルを生成することができる。ここでいう機械学習は
、任意の周知の機械学習、例えば、勾配ブースティング木(例えばLightGBM)、
ニューラルネットワーク又は線形回帰等を、これらに限定することなく含み得る。
【0074】
情報処理装置は、複数組の教師データデータを、順次、学習モデルに入力することによ
り学習を実行させることができる。ここで、各組の教師データは、上述したように、その
組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、その組に対応するサンプルユーザ
のサンプル睡眠状態データと、を含むことができる。情報処理装置は、各組の教師データ
に含まれるサンプル行動データを説明変数として用い、その組の教師データに含まれるサ
ンプル睡眠状態データを目的変数として用いることができる。
【0075】
(2A)機械学習の例
情報処理装置は、例えば勾配ブースティング木を用いるケースでは、或る組の教師デー
タに含まれるサンプル行動データ(説明変数)を学習データに入力したときに、サンプル
睡眠状態データ(目的変数)及び推定値(すなわち、学習モデルから出力される値)から
計算される目的関数を改善するように、決定木を作成して学習モデルに追加することがで
きる。情報処理装置は、この処理を、ハイパーパラメータで定めた決定木の本数の分につ
いて繰り返すことができる。2本目以降の決定木については、目的変数とそれまでに作成
した決定木による推定値との差について学習を行うことができる。このようにして、情報
処理装置は、それぞれの決定木の分岐及び葉のウェイトを定めることができる。すなわち
、勾配ブースティング木では、各決定木は、教師データのうちの説明変数を入力データと
して決定木の各分岐を辿って到達する葉ノードの値を出力されるデータ(目的変数)とす
る。さらに、このデータ(目的変数)と、教師データのうちの目的変数との誤差が小さく
なるように、決定木の各分岐の方法及び各葉ノードの値を最適化することができる。
【0076】
情報処理装置は、例えば、入力層、中間層及び出力層を含むニューラルネットワークを
用いるケースでは、情報処理装置は、教師データのうちの説明変数を入力層に入力するこ
とによって出力層から出力されるデータ(目的変数)と、教師データのうちの目的変数と
の誤差を小さくするように、誤差逆伝搬法を用いて、ニューラルネットワークに含まれる
各パラメータ(ウェイト)を最適化(学習)することができる。
【0077】
情報処理装置は、線形回帰を用いるケースでは、目的変数と推定値との誤差を改善する
ように、線形回帰モデルのパラメータを学習することができる。この線形回帰モデルは、
入力層及び出力層に分かれており、教師データのうち説明変数を入力データとして入力層
に入力することによって出力層から出力されるデータ(目的変数)と、教師データのうち
目的変数との誤差が小さくなるように、最小二乗法を用いて、線形回帰モデルに含まれる
パラメータを最適化することができる。
【0078】
(2B)複数組の教師データに含まれる第1の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第1の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第1の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル睡眠状態データと、を含むことができる。こ
こで、各組の教師データにおけるサンプル睡眠状態データは、その組に対応するサンプル
ユーザのサンプル性質データと、そのサンプルユーザのサンプルリズムデータと、を含む
ことができる。
【0079】
この場合、情報処理装置は、第1の複数組の教師データに含まれる各組の教師データに
ついて、前処理を実行することができる。具体的には、情報処理装置は、各組の教師デー
タに含まれる、サンプル性質データとサンプルリズムデータとを用いて、
図9及び
図10
を参照して上述した処理を行うことにより、その組について、サンプル睡眠カテゴリーデ
ータを生成する、という前処理を実行することができる。これにより、情報処理装置は、
前処理後の第1の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組に対応するサンプル
ユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル睡眠カテゴリーデータと
、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)することができる。この
ような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより実行された行
動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザが属する睡眠
カテゴリーを識別する対象睡眠カテゴリーデータを、少なくとも出力することができるよ
うになる。
【0080】
(2C)複数組の教師データに含まれる第2の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第2の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第2の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル睡眠状態データと、を含むことができる。こ
こで、各組の教師データにおけるサンプル睡眠状態データは、その組に対応するサンプル
ユーザのサンプル睡眠カテゴリーデータを含むことができる。
【0081】
この場合、情報処理装置は、第2の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル睡眠
カテゴリーデータと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)する
ことができる。このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザ
により実行された行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象
ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象睡眠カテゴリーデータを、少なくとも出力
することができるようになる。
【0082】
(2D)複数組の教師データに含まれる第3の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第3の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第3の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル睡眠状態データと、を含むことができる。こ
こで、各組の教師データにおけるサンプル睡眠状態データは、その組に対応するサンプル
ユーザのサンプル性質データと、そのサンプルユーザのサンプルリズムデータと、を含む
ことができる。
【0083】
この場合、情報処理装置は、第3の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル性質
データと、そのサンプルユーザのサンプルリズムデータと、を含む)を、学習モデルに入
力して推定モデルを生成(更新)することができる。このような推定モデルは、後述する
ように、説明変数として、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動デ
ータを入力することに応答して、対象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データと、
この対象ユーザの睡眠のリズムを識別する対象リズムデータとを、少なくとも出力するこ
とができるようになる。
【0084】
(2E)複数組の教師データに含まれる第4の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第4の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第4の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル睡眠状態データと、を含むことができる。こ
こで、各組の教師データにおけるサンプル睡眠状態データは、その組に対応するサンプル
ユーザのサンプル性質データを含むことができる。
【0085】
この場合、情報処理装置は、第4の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル性質
データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)することができ
る。このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより実行
された行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザの睡
眠の性質を識別する対象性質データを、少なくとも出力することができるようになる。
【0086】
(2F)複数組の教師データに含まれる第5の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第5の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第5の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル睡眠状態データと、を含むことができる。こ
こで、各組の教師データにおけるサンプル睡眠状態データは、その組に対応するサンプル
ユーザのサンプルリズムデータを含むことができる。
【0087】
この場合、情報処理装置は、第5の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプルリズ
ムデータと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)することがで
きる。このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより実
行された行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザの
睡眠のリズムを識別する対象リズムデータを、少なくとも出力することができるようにな
る。
【0088】
(2G)複数組の教師データに含まれる第6の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第5の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第6の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル睡眠状態データと、を含むことができる。こ
こで、各組の教師データにおけるサンプル睡眠状態データは、その組に対応するサンプル
ユーザのサンプル時間データを含むことができる。
【0089】
この場合、情報処理装置は、第6の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル時間
データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)することができ
る。このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより実行
された行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザの睡
眠時間を識別する対象時間データを、少なくとも出力することができるようになる。
【0090】
このような推定モデルの生成(更新)は、推定サービス等を運営する企業により管理さ
れるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運
営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他
の企業により管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され
得る。当該他のサーバ装置10(端末装置20)により生成(更新)された推定モデルは
、サーバ装置10Aを含む任意のサーバ装置10に対して送信され得るし、或いはまた、
サーバ装置10Aを含む任意のサーバ装置10によりアクセス及び利用され得る。
【0091】
なお、「複数組の教師データ」の直前に付された「第1の」~「第6の」という名称は
、これらの名称のうちの或る名称を付した「複数組の教師データ」と、これらの名称のう
ちの別の名称を付した「複数組の教師データ」と、を区別するために便宜上用いられたも
のであって、何らかの順序又は内容等を限定するものではない。
【0092】
(3)ステップ1004
再度
図3を参照すると、次に、ST1004において、情報処理装置である、例えば、
推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置
20)は、例えば、特定のアプリケーション(推定サービス等の提供を受けるためのアプ
リケーション等)を実行してこのサーバ装置10Aにアクセスしてきた端末装置20(又
は他のサーバ装置10)から、及び/又は、ブラウザを実行してこのサーバ装置10Aに
アクセスしてきた端末装置20から、推定対象となる対象ユーザにより実行された行動の
履歴を識別する対象行動データを、取得することができる。この対象行動データは、対象
ユーザにより実行された少なくとも1つの(1つの又は複数の)行動を識別するデータで
あり得る。
【0093】
このような対象行動データの取得は、推定サービス等を運営する企業により管理される
サーバ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他の企
業により管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され得る
。
【0094】
(4)ステップ1006
次に、ST1006において、情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、ST1004
において取得された対象行動データ、及び、ST1002において生成された推定モデル
を用いて、対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡眠状態データを取得することができ
る。具体的には、サーバ装置10Aは、説明変数としての対象行動データを、推定モデル
に入力することにより、推定モデルから、目的変数としての対象睡眠状態データを出力さ
せることができる。
【0095】
対象睡眠状態データは、以下に示すデータのうちの少なくとも1つを含むことができる
。
・対象ユーザの睡眠の性質を識別するデータ(「対象性質データ」)
・対象ユーザの睡眠のリズムを識別するデータ(「対象リズムデータ」)
・対象ユーザの睡眠時間を識別するデータ(「対象時間データ」)
・対象ユーザ(の睡眠)が属する睡眠カテゴリーを識別するデータ(「対象睡眠カテゴ
リーデータ」)
【0096】
推定モデルが、対象睡眠状態データとしていずれのデータを出力するかは、この推定モ
デルの生成(更新)の際に、サンプル睡眠状態データとしていずれのデータが用いられた
かに依存し得る。
【0097】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル睡眠状態データとして、第1の複
数組の教師データが用いられた場合(上記「4(2)(2B)」項)には、推定モデルは
、対象睡眠状態データとして、対象睡眠カテゴリーデータを、少なくとも出力することが
できる。
【0098】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル睡眠状態データとして、第2の複
数組の教師データが用いられた場合(上記「4(2)(2C)」項)には、推定モデルは
、対象睡眠状態データとして、対象睡眠カテゴリーデータを、少なくとも出力することが
できる。
【0099】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル睡眠状態データとして、第3の複
数組の教師データが用いられた場合(上記「4(2)(2D)」項)には、推定モデルは
、対象睡眠状態データとして、対象性質データ及び対象リズムデータを、少なくとも出力
することができる。
【0100】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル睡眠状態データとして、第4の複
数組の教師データが用いられた場合(上記「4(2)(2E)」項)には、推定モデルは
、対象睡眠状態データとして、対象性質データを、少なくとも出力することができる。
【0101】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル睡眠状態データとして、第5の複
数組の教師データが用いられた場合(上記「4(2)(2F)」項)には、推定モデルは
、対象睡眠状態データとして、対象リズムデータを、少なくとも出力することができる。
【0102】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル睡眠状態データとして、第6の複
数組の教師データが用いられた場合(上記「4(2)(2G)」項)には、推定モデルは
、対象睡眠状態データとして、対象時間データを、少なくとも出力することができる。
【0103】
例えば、サンプル睡眠状態データとして、第1の複数組の教師データを用いて推定モデ
ルの生成(更新)が行われ(上記「4(2)(2B)」項)、その後に、サンプル睡眠状
態データとして、第6の複数組の教師データを用いて推定モデルの生成(更新)が行われ
た(上記「4(2)(2G)」項)場合には、推定モデルは、対象睡眠状態データとして
、対象睡眠カテゴリーデータ及び対象時間データを、少なくとも出力することができる。
さらにこの後に、サンプル睡眠状態データとして、第5の複数組の教師データを用いて推
定モデルの生成(更新)が行われた(上記「4(2)(2F)」項)場合には、推定モデ
ルは、対象睡眠状態データとして、対象睡眠カテゴリーデータ、対象時間データ及び対象
リズムデータを、少なくとも出力することができる。
【0104】
推定モデルの利用方法としては、以下に例示する方法のうちのいずれかを用いることが
可能である。
・サーバ装置10Aは、ST1004において生成された推定モデルを取得及び保持し
ており、この推定モデルに対象行動データを入力し、この推定モデルから出力される対象
睡眠状態データを取得する。
・サーバ装置10Aは、ST1004において生成された推定モデルを取得及び保持す
る外部の装置(他のいずれかサーバ装置10又はいずれかの端末装置20)に対して、通
信網2を介して対象行動データを送信することにより、この対象行動データを説明変数と
して入力した上記推定モデルに対象睡眠状態データを出力させる。この後、サーバ装置1
0Aは、この推定モデルにより出力された対象睡眠状態データを、上記外部の装置から通
信網2を介して受信する。
【0105】
このような対象睡眠状態データの取得は、推定サービス等を運営する企業により管理さ
れるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運
営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他
の企業により管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され
得る。
【0106】
(5)ステップ1008
次に、ST1008において、情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、ST1006
において取得された対象睡眠状態データを用い、この対象睡眠状態データに対応する少な
くとも1つの対象商品/1つの対象サービスを決定することができる。このような対象商
品/対象サービスは、対象睡眠状態データにより識別される対象ユーザの現在の(推定さ
れた)睡眠の状態に適したものであり得る。
【0107】
具体的には、一例では、サーバ装置10Aは、まず、対象睡眠状態データと複数の商品
及び/又は複数のサービスとを対応付けて記憶する検索テーブルを用意して記憶すること
ができる。次に、サーバ装置10Aは、ST1006において取得された対象睡眠状態デ
ータを検索テーブルに入力することにより、この検索テーブルから少なくとも1つの対象
商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを識別するデータ(「提案データ」)を取
得することができる。
【0108】
図11は、
図1に示した通信システム1において用いられる検索テーブルの一例を概念
的に示す図である。
図11に例示される検索テーブルは、対象睡眠状態データに含まれ得
る各データ(対象性質データ、対象リズムデータ、対象時間データ及び対象睡眠カテゴリ
ーデータの各々)に対応付けて、提案すべき少なくとも1つの対象商品及び/又は少なく
とも1つの対象サービスを記憶している。
【0109】
この例では、説明の簡略化のために、対象性質データ、対象リズムデータ、対象時間デ
ータ及び対象睡眠カテゴリーデータの各々が示す相互に異なる3つのレベルの各々に対応
付けて、提案すべき少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービス
が割り当てられ得る。対象性質データを例に挙げれば、対象性質データが示す、クラスV
1(対象ユーザの睡眠の性質が良いクラス)、クラスV2(対象ユーザの睡眠の性質が標
準であるクラス)、及び、クラスV3(対象ユーザの睡眠の性質が悪いクラス)の各々に
対応付けて、提案すべき少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サー
ビスが割り当てられ得る。
【0110】
クラスW1~W3もまた、この順序で、対象ユーザの睡眠のリズムが「良い」、「標準
」、「悪い」を示すものであり得る。クラスX1~X3もまた、この順序で、対象ユーザ
の睡眠時間が「長い」、「標準」、「短い」を示すものであり得る。
【0111】
クラスY1~Y3もまた、この順序で、対象ユーザ(の睡眠)が属する睡眠カテゴリー
が、「良い」、「標準」、「悪い」を示すものであり得る。一例では、クラスY1が、図
9に例示された「睡眠カテゴリー21」に対応し、クラスY2が同図における「睡眠カテ
ゴリー20」又は「睡眠カテゴリー11」に対応し、クラスY3が同図における「睡眠カ
テゴリー10」に対応する、と考えることもできる。
【0112】
図11に例示された商品P1~P11は、いずれも、ユーザの睡眠の状態を改善させる
のに適した任意の商品を示し、
図11に例示されたサービスS1~S8は、いずれも、ユ
ーザの睡眠の状態を改善させるのに適した任意のサービスを示す。これらの商品は、食品
、日用品、薬品、運動用具、電気製品等を、これらに限定することなく含むことができる
。また、これらのサービスは、病院、クリニック、スポーツジム等を、これらに限定する
ことなく含むことができる。
【0113】
サーバ装置10Aは、例えば、対象睡眠状態データにおける対象性質データがクラスV
3を示す場合には、商品P4及びサービスS1をそれぞれ対象商品及び対象サービスとし
て決定することができる。また、サーバ装置10Aは、例えば、対象睡眠状態データが(
クラスX2を示す)対象時間データ及び(クラスW3を示す)対象リズムデータを含む場
合には、商品P8を対象商品として、サービスS1、S3、S4を対象サービスとして決
定することができる。
【0114】
なお、対象睡眠状態データに含まれる各データについて、用いられるクラスの総数、各
クラスに割り当てられる商品及び/又はサービスの総数等は、任意に定められ得る。
【0115】
別の例では、サーバ装置10Aは、教師あり学習(機械学習)を実行することにより生
成された別の推定モデルを用いて、少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つ
の対象サービスを決定することも可能である。当該別の推定モデルは、対象睡眠状態デー
タに含まれる各データの各クラスを示すデータを、説明変数とし、少なくとも1つの対象
商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを示すデータを、目的変数として、教師あ
り学習を実行することにより、生成(更新)され得る。
【0116】
当該別の推定モデルを学習させるための機械学習は、例えば、上記「2A」項において
述べたとおり、任意の周知の機械学習、例えば、勾配ブースティング木(例えばLigh
tGBM)、ニューラルネットワーク又は線形回帰等を、これらに限定することなく含み
得る。
【0117】
サーバ装置10Aは、当該別の推定モデルに対象睡眠状態データを入力することにより
、当該別の推定モデルから、少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象
サービスを識別するデータ(「提案データ」)を出力することができる。
【0118】
当該別の推定モデルの利用方法としては、以下に例示する方法のうちのいずれかを用い
ることが可能である。
・サーバ装置10Aは、生成された当該別の推定モデルを取得及び保持しており、当該
別の推定モデルに対象睡眠状態データを入力し、当該別の推定モデルから出力される提案
データを取得する。
・サーバ装置10Aは、生成された当該別の推定モデルを取得及び保持する外部の装置
(他のいずれかサーバ装置10又はいずれかの端末装置20)に対して、通信網2を介し
て対象睡眠状態データを送信することにより、この対象睡眠状態データを説明変数として
入力した当該別の推定モデルに提案データを出力させる。この後、サーバ装置10Aは、
当該別の推定モデルにより出力された提案データを、上記外部の装置から通信網2を介し
て受信する。
【0119】
このような提案データの取得は、推定サービス等を運営する企業により管理されるサー
バ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運営する企
業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他の企業に
より管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され得る。
【0120】
(6)ステップ1010
再度
図3を参照すると、次に、情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、ST1008
において取得された提案データを、企業ユーザ及び/又は個人ユーザにより管理される少
なくとも1つの端末装置20(他のサーバ装置10であってもよい)に対して、通信網2
を介して提供(送信)することができる。ここでいう「個人ユーザ」は「対象ユーザ」を
含み得る。
【0121】
提案データの提供は、ウェブページ、電子メール、チャット、電子ファイル、記録媒体
(USBメモリ、CD-ROM等)、及び/又は、紙媒体等を含む任意の手段により、企
業ユーザ及び/又は個人ユーザにより管理される少なくとも1つの端末装置20(他のサ
ーバ装置10であってもよい)に対して提供され得る。
【0122】
このような提案データの提供は、推定サービス等を運営する企業により管理されるサー
バ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運営する企
業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他の企業に
より管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され得る。
【0123】
5.変形例
上述した様々な例では、サンプル性質データ、サンプルリズムデータ、サンプル時間デ
ータ及びサンプル睡眠カテゴリーデータを、目的変数として、推定モデルを生成及び利用
する場合について説明した。別の例では、サンプル性質データ、サンプルリズムデータ、
サンプル時間データ及びサンプル睡眠カテゴリーデータのうちの少なくとも1つ(最大3
つ)を、目的変数ではなく説明変数として用いて、推定モデルを生成及び利用することも
可能である。
【0124】
また、上述した様々な例では、
図3に例示された様々なステップ(例えばST1000
~ST1010)の実行主体を、主に、推定サービス等を運営する企業により管理される
サーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とした場合について、説明した。しかし、
図3に例示された様々なステップを、任意の複数のサーバ装置10及び/又は複数の端末
装置20に、分担して実行させることも可能である。ここで、任意の複数のサーバ装置1
0及び/又は複数の端末装置20に、一例では、推定サービス等を運営する企業により管
理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)が含まれ得るし、別の例では、推
定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置2
0)が含まれない。
【0125】
なお、上記「4(4)ステップ1006」において、対象睡眠状態データに含まれ得る
、対象性質データ、対象リズムデータ、対象時間データ及び対象睡眠カテゴリーデータの
各々の定義が示されている。別の実施形態では、対象睡眠状態データは、上記「4(4)
ステップ1006」で示したデータに代えて、以下に示すデータのうちの少なくとも1つ
を含むことができる。
・対象ユーザの睡眠の性質を「一意に」識別するデータ(「対象性質データ」)
・対象ユーザの睡眠のリズムを「一意に」識別するデータ(「対象リズムデータ」)
・対象ユーザの睡眠時間を「一意に」識別するデータ(「対象時間データ」)
・対象ユーザ(の睡眠)が属する睡眠カテゴリーを「一意に」識別するデータ(「対象
睡眠カテゴリーデータ」)
【0126】
ここで、「対象性質データ」が「一意に識別する」とは、この「対象性質データ」以外
の他のデータによらずとも、対象ユーザの睡眠の性質を識別することができる、というこ
とを意味する。すなわち、複数のデータが、協働して対象ユーザの睡眠の性質を識別する
ような場合には、これら複数のデータは、対象ユーザの睡眠の性質を「一意に識別する」
データには該当しない。例えば、第1のデータが、対象ユーザの睡眠の質が「低質である
」ことを示すデータとフラグ「0」とを含み、第2のデータが、対象ユーザの睡眠の質が
「標準である」ことを示すデータとフラグ「0」とを含み、第3のデータが、対象ユーザ
の睡眠の質が「高質である」ことを示すデータとフラグ「1」とを含むケースを考える。
このケースでは、第1のデータ及び第2のデータだけでは、対象ユーザの睡眠の性質を決
定することができない。フラグ「1」を有する第3のデータをチェックすることによって
はじめて、対象ユーザの睡眠の質が「高質である」ことを決定することができる。したが
って、これらのデータは、いずれも、対象ユーザの睡眠の質を「一意に」識別するデータ
ではない。
【0127】
「対象リズムデータ」、「対象時間データ」及び「対象睡眠カテゴリーデータ」の各々
の上記定義に含まれる「一意に識別する」という用語についても、同様に考えることがで
きる。
【0128】
以上説明したように、本件出願に開示された技術によれば、対象ユーザにより実行され
た少なくとも1つの行動の履歴を識別する対象行動データを推定モデルに入力することに
より、この推定モデルから、対象ユーザの現在の(予測された)睡眠の状態を識別する対
象睡眠状態データを取得することができる。さらに、予め用意された複数の対象商品及び
/又は複数の対象サービスのうち、このように取得された対象睡眠状態データに適した少
なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを、対象ユーザの睡眠
状態を改善させるために、対象ユーザを含む任意のユーザに提案することができる。
【0129】
これにより、対象ユーザにより実行された少なくとも1つの行動の履歴に基づいてこの
対象ユーザの睡眠の状態を推定するために用いられ、少なくとも部分的に向上した性能を
有する、コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供することができる。
【0130】
6.更年期症状の状態に関する更年期状態データを提供するために通信システム2によ
り実行される動作
次に、更年期症状の状態に関する更年期状態データを提供するために、上述した通信シ
ステム2により実行される動作の具体例について、さらに
図12を参照して説明する。図
12は、
図1に示した通信システム1により実行される動作の別の例を示すフロー図であ
る。
【0131】
(1)ステップ1100
まず、ST1100において、情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10Aが、推定モデルを生成するために用いられる複
数組の教師データを取得して記憶することができる。
【0132】
複数組の教師データを構成する各組の教師データは、この組に対応する1人のサンプル
ユーザにより実行された行動の履歴を識別するデータ(「サンプル行動データ」)と、こ
の組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の状態を識別するデータ(「サンプル
更年期状態データ」)と、を含むことができる。例えば、第1組の教師データは、第1組
に対応する1人のサンプルユーザ(Vさん)により実行された行動の履歴を識別するサン
プル行動データと、Vさんの更年期症状の状態を識別するサンプル更年期状態データと、
を含むことができ、第2組の教師データは、第2組に対応する1人のサンプルユーザ(W
さん)により実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、Wさんの更年期症
状の状態を識別するサンプル更年期状態データと、を含むことができる。
【0133】
(1A)サンプル行動データ
各サンプル行動データは、予め定められた複数の行動のうちの少なくとも1つの(1つ
の又は複数の)行動を識別するデータであり得る。ここで、予め定められた複数の行動の
各々は、その行動を実行した人間の更年期症状の状態に少なくとも部分的に良い影響又は
悪い影響を与え得る行動であり得る。このような予め定められた複数の行動は、例えば、
以下に例示するものをこれらに限定することなく含むことができる。
(人間の更年期症状の状態に少なくとも部分的に良い影響を与え得る行動の例)
・1週間に2日以上のペースで1時間以上の有酸素運動を行った。
・毎日一定の時間に起床した。
・毎週リラックスする時間を確保した。
・缶ビールを10本以上購入した(この行動は、例えば、ビールが属する商品カテゴリ
ーとその購入数量とを含むデータにより識別され得る)。
(人間の更年期症状の状態に少なくとも部分的に悪い影響を与え得る行動の例)
・1週間に1日以下のペースで1時間以上の有酸素運動を行った。
・毎日異なる時間に起床した。
・1週間に1日も休まずに仕事をした。
・青汁を5本以上購入した(この行動は、例えば、青汁が属する商品カテゴリーとその
購入数量とを含むデータにより識別され得る)。
【0134】
各サンプル行動データは、このように例示される予め定められた複数の行動のうち少な
くとも1つの行動の各々を識別するデータであり得る。
【0135】
また、一例では、ユーザが購入した商品及び/又はユーザが利用したサービスが、その
ユーザの更年期症状の状態に良い影響又は悪い影響を与える傾向があり得ることから、上
記予め定められた複数の行動は、サンプルユーザが購入した商品(又はその商品が属する
カテゴリー)、サンプルユーザが利用したサービス(又はそのサービスが属するカテゴリ
ー)を含むこともできる。この種の行動は、例えば、小売店舗(ドラッグストア、スーパ
ーマーケット、コンビニエンスストア等)等が保有するPOS(Point Of Sal
es)データを利用して生成され得る。
【0136】
一例では、予め定められた複数の行動の各々には、固有の識別データ(英字、数字又は
これらの組み合わせ等)が割り当てられており、各サンプル行動データは、このような識
別データを含むことができる。例えば、POSデータを利用する場合には、複数のサンプ
ル行動データの各々は、購入された商品に対応する、JICFS分類(分類コード)、商
品カテゴリー、購入金額、購入数量、購入回数、及び/又は、購入日等を、これらに限定
することなく含むことができる。
【0137】
情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ
装置10Aは、このようなサンプル行動データを、例えば、以下に例示する方法のうち少
なくとも1つの方法により取得することができる。
・情報処理装置が、通信網2を介して、少なくとも1つの他のサーバ装置10(例えば
ドラッグストア等に設置されたPOSデータを記憶する他のサーバ装置10、又は、この
POSデータにアクセス可能な他のサーバ装置10)から、POSデータを受信する。
・情報処理装置が、通信網2を介して、所定のアンケート(サンプルユーザにより実行
された行動に関するアンケート)に対する回答を記載したメール又はウェブページを、少
なくとも1つの端末装置20及び/又は少なくとも1つのサーバ装置10から受信する。
・情報処理装置が、上記所定のアンケートに対する複数のユーザによる回答を収集した
少なくとも1つのサーバ装置10から通信網2を介してその回答の内容を受信する。
・情報処理装置が、上記所定のアンケートに対する複数のユーザによる回答を収集した
記録媒体(USBメモリ、DVD-ROM等)を介して、その回答の内容を受信する。
【0138】
(1B)サンプル更年期状態データ
各組の教師データに含まれるサンプル更年期状態データは、以下に例示するデータのう
ちの少なくとも1つを、これに限定することなく、含むことができる。
・その組に対応する1人のサンプルユーザの総合的な状態を識別するデータ(「サンプ
ル総合状態データ」)
・その組に対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態を識別するデータ(「サン
プル第1状態データ」)
・その組に対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態を識別するデータ(「サン
プル第2状態データ」)
【0139】
まず第1に、サンプル総合状態データは、そのサンプルユーザの更年期症状の状態が良
いのか(例えばどの程度良いのか)悪いのか(例えばどの程度悪いのか)を識別するデー
タであり得る。一例では、サンプル総合状態データは、そのサンプルユーザの更年期症状
の状態を総合的に評価したスコアを識別するデータであり得る。この場合、そのサンプル
ユーザの更年期症状の状態は、例えば、以下に例示するいずれかの方法で算出されたスコ
アを識別するデータであり得る。
【0140】
・簡略更年期指数(SMI)(
図13参照)に記載された質問事項に対するサンプルユ
ーザの回答内容に基づいて、SMIに記載された方法で算出されたスコア、又は、このス
コアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得られた修正スコア
・更年期障害評価尺度(Menopause Rating Scale)に記載された
質問事項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、更年期障害評価尺度に記載され
た方法で算出されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)するこ
とにより得られた修正スコア
・クッパーマン更年期指数(Kupperman index)に記載された質問事項
に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、クッパーマン更年期指数に記載された方
法で算出されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することに
より得られた修正スコア
・更年期障害評価(Green Climacteric Scale)に記載された質
問事項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、更年期障害評価に記載された方法
で算出されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することによ
り得られた修正スコア
・PSST(Premenstrual Symptoms Screening To
ol)に記載された質問事項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、PSSTに
記載された方法で算出されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等
)することにより得られた修正スコア
・WHQ(Women’s Health Questionnaire)に記載された
質問事項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、WHQに記載された方法で算出
されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得ら
れた修正スコア
・VAS(Visual Analogue Scale)に記載された質問事項に対す
るサンプルユーザの回答内容に基づいて、VASに記載された方法で算出されたスコア、
又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得られた修正スコア
・HFRDI(Hot Flash Related Daily Interferen
ce Scale)に記載された質問事項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて
、HFRDIに記載された方法で算出されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演
算(加減乗除等)することにより得られた修正スコア
・HFCS(Hot Flash Composite Score)に記載された質問
事項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、HFCSに記載された方法で算出さ
れたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得られ
た修正スコア
・MENQOL(Menopause-Specific Quality Of Li
fe)に記載された質問事項に対するサンプルユーザの回答内容に基づいて、MENQO
Lに記載された方法で算出されたスコア、又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗
除等)することにより得られた修正スコア
・日本人女性の更年期症状評価表に記載された質問事項に対するサンプルユーザの回答
内容に基づいて、日本人女性の更年期症状評価表に記載された方法で算出されたスコア、
又は、このスコアを任意の手法で演算(加減乗除等)することにより得られた修正スコア
・その他の任意の質問票又は尺度に記載された質問事項に対するサンプルユーザの回答
内容に基づいて、その質問票又は尺度に記載された方法で算出されたスコア、又は、この
スコアを任意の手法で演算することにより得られた修正スコア
【0141】
第2に、サンプル第1状態データは、複数の更年期症状のうちそのサンプルユーザの或
る1つの症状の状態が良いのか(例えばどの程度良いのか)悪いのか(例えばどの程度悪
いのか)を識別するデータであり得る。一例では、サンプル第1状態データは、そのサン
プルユーザの上記或る1つの症状の状態を評価したスコアを識別するデータであり得る。
【0142】
上記複数の更年期症状は、SMIを例にとれば、「顔がほてる」、「汗をかきやすい」
、「腰や手足が冷えやすい」といったSMIに記載された複数の更年期症状であり得る。
なお、上記複数の更年期症状は、SMI以外にも、上記のとおり列挙したいずれかの指数
等に記載された複数の更年期症状であり得る。また、上記或る1つの症状は、このような
複数の更年期症状の中から選択された任意の1つの症状であり得る。
【0143】
SMIを例にとれば、サンプル第1状態データは、一例では、SMI(
図13参照)に
記載された質問事項に対するそのサンプルユーザによる回答内容から抽出され得る。この
場合、サンプル第1状態データは、例えば「息切れ、動悸がする」という或る1つの症状
の状態を識別するデータであり、例えば、0、4、8又は12というスコア(
図13参照
)を識別するデータであり得る。別の例では、サンプル第1状態データは、そのサンプル
ユーザから電子メール又はウェブページ等を介して取得され得る。
【0144】
第3に、サンプル第2状態データは、複数の更年期症状のうちそのサンプルユーザの別
の1つの症状の状態が良いのか(例えばどの程度良いのか)悪いのか(例えばどの程度悪
いのか)を識別するデータであり得る。一例では、サンプル第2状態データは、そのサン
プルユーザの上記別の1つの症状の状態を評価したスコアを識別するデータであり得る。
【0145】
上記複数の更年期症状は、SMIを例にとれば、「顔がほてる」、「汗をかきやすい」
、「腰や手足が冷えやすい」といったSMIに記載された複数の更年期症状であり得る。
なお、上記複数の更年期症状は、SMI以外にも、上記のとおり列挙したいずれかの指数
等に記載された複数の更年期症状であり得る。また、上記別の1つの症状は、このような
複数の更年期症状の中から選択された任意の1つの症状であり得るが、上記或る1つの症
状とは異なる症状であり得る。
【0146】
SMIを例にとれば、サンプル第2状態データは、一例では、SMI(
図13参照)に
記載された質問事項に対するそのサンプルユーザによる回答内容から抽出され得る。この
場合、サンプル第2状態データは、例えば「疲れやすい」という別の1つの症状の状態を
識別するデータであり、例えば、0、2、4又は7というスコア(
図13参照)を識別す
るデータであり得る。別の例では、サンプル第2状態データは、そのサンプルユーザから
電子メール又はウェブページ等を介して取得され得る。
【0147】
情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ
装置10A(及び/又は端末装置20)は、サンプルユーザごとに、このようなサンプル
行動データとサンプル更年期状態データとを組み合わせて、そのサンプルユーザについて
、1組の教師データを生成して記憶することができる。これを実現するために、例えば、
情報処理装置は、取得した複数のサンプル行動データの中から、或るサンプルユーザを識
別する識別データが付されたサンプル行動データを抽出し、取得した複数のサンプル更年
期状態データの中からこれと同一のサンプルユーザを識別する識別データが付されたサン
プル更年期状態データを抽出し、これらを組み合わせて、このサンプルユーザについての
1組の教師データを生成して保存することができる。同様の処理を複数のサンプルユーザ
の各々について実行することにより、情報処理装置は、複数組の教師データを生成して保
存することができる。
【0148】
(2)ステップ1102
図3に戻り、次に、ST1102において、情報処理装置である、例えば、推定サービ
ス等を運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、
ST1100において取得された複数組の教師データを用いて、学習モデルを機械学習に
より学習させることにより、推定モデルを生成することができる。ここでいう機械学習は
、任意の周知の機械学習、例えば、勾配ブースティング木(例えばLightGBM)、
ニューラルネットワーク又は線形回帰等を、これらに限定することなく含み得る。
【0149】
(2A)複数組の教師データに含まれる第1の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第1の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第1の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル更年期状態データと、を含むことができる。
ここで、各組の教師データにおけるサンプル更年期状態データは、その組に対応するサン
プルユーザのサンプル総合状態データを含むことができる。
【0150】
この場合、情報処理装置は、第1の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル総合
状態データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)することが
できる。このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより
実行された行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザ
の総合的な状態を識別する対象総合状態データを、少なくとも出力することができるよう
になる。
【0151】
なお、一実施形態では、各組の教師データにおけるサンプル更年期状態データが、該組
に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態「に対応するスコア」を識
別するものである場合を考える。
【0152】
この場合、情報処理装置は、第1の複数組の教師データに含まれる各組の教師データに
ついて、前処理を実行することができる。具体的には、情報処理装置は、各組の教師デー
タについて、この組に対応するサンプル総合状態データにより識別されるスコアを、少な
くとも1つの閾値を用いて、複数のカテゴリーのうちのいずれかのカテゴリーに変換する
、という前処理を実行することができる。例えば、情報処理装置は、1つの閾値(第1閾
値)を用いる場合には、各組に対応するサンプル総合状態データにより識別されるスコア
を、そのスコアが第1閾値以上であるか第1閾値未満であるかに応じて、2つのカテゴリ
ー(「High」及び「Low」)のうちのいずれかのカテゴリーに変換することができ
る。或いはまた、例えば、情報処理装置は、2つの閾値(第1閾値、及び、第1閾値より
小さい第2閾値)を用いる場合には、各組に対応するサンプル総合状態データにより識別
されるスコアを、そのスコアが、第1閾値以上であるか、第2閾値以上第1閾値未満であ
るか、第2閾値未満であるかに応じて、3つのカテゴリー(「High」、「Middl
e」及び「Low」)のうちのいずれかのカテゴリーに変換することができる。
【0153】
このように、情報処理装置は、前記第1の複数組の教師データに含まれる各組の教師デ
ータについて、この組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態「に
対応するスコア」を識別するサンプル総合状態データを、この組に対応する1人のサンプ
ルユーザの更年期症状の総合的な状態「に対応するカテゴリー」を識別するサンプル総合
状態データに変換する、という前処理を実行することができる。
【0154】
これにより、情報処理装置は、前処理後の第1の複数組の教師データ(各組の教師デー
タが、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザの
サンプル総合状態データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新
)することができる。
【0155】
このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより実行さ
れた行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザの更年
期症状の総合的な状態に対応するカテゴリーを識別する対象総合状態データを、少なくと
も出力することができるようになる。
【0156】
(2B)複数組の教師データに含まれる第2の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第2の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第2の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル更年期状態データと、を含むことができる。
ここで、各組の教師データにおけるサンプル更年期状態データは、その組に対応するサン
プルユーザのサンプル第1状態データを含むことができる。
【0157】
この場合、情報処理装置は、第2の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル第1
状態データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)することが
できる。このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより
実行された行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザ
の第1症状の状態を識別する対象第1状態データを、少なくとも出力することができるよ
うになる。
【0158】
なお、一実施形態では、各組の教師データにおけるサンプル第1状態データが、該組に
対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態「に対応するスコア」を識別するもので
ある場合を考える。
【0159】
この場合、情報処理装置は、第2の複数組の教師データに含まれる各組の教師データに
ついて、前処理を実行することができる。具体的には、情報処理装置は、各組の教師デー
タについて、この組に対応するサンプル第1状態データにより識別されるスコアを、少な
くとも1つの閾値を用いて、複数のカテゴリーのうちのいずれかのカテゴリーに変換する
、という前処理を実行することができる。例えば、情報処理装置は、1つの閾値(第1閾
値)を用いる場合には、各組に対応するサンプル第1状態データにより識別されるスコア
を、そのスコアが第1閾値以上であるか第1閾値未満であるかに応じて、2つのカテゴリ
ー(「High」及び「Low」)のうちのいずれかのカテゴリーに変換することができ
る。或いはまた、例えば、情報処理装置は、2つの閾値(第1閾値、及び、第1閾値より
小さい第2閾値)を用いる場合には、各組に対応するサンプル第1状態データにより識別
されるスコアを、そのスコアが、第1閾値以上であるか、第2閾値以上第1閾値未満であ
るか、第2閾値未満であるかに応じて、3つのカテゴリー(「High」、「Middl
e」及び「Low」)のうちのいずれかのカテゴリーに変換することができる。
【0160】
このように、情報処理装置は、前記第2の複数組の教師データに含まれる各組の教師デ
ータについて、この組に対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態「に対応するス
コア」を識別するサンプル第1状態データを、この組に対応する1人のサンプルユーザの
第1症状の状態「に対応するカテゴリー」を識別するサンプル第1状態データに変換する
、という前処理を実行することができる。
【0161】
これにより、情報処理装置は、前処理後の第2の複数組の教師データ(各組の教師デー
タが、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザの
サンプル第1状態データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新
)することができる。
【0162】
このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより実行さ
れた行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザの第1
症状の状態に対応するカテゴリーを識別する対象第1状態データを、少なくとも出力する
ことができるようになる。
【0163】
さらにまた、情報処理装置は、上記のような前処理(便宜上「前処理A」)に加えて、
更なる前処理(便宜上「前処理B」)を実行することも可能である。具体的には、まず、
情報処理装置は、第2の複数組の教師データの中から、別の複数組の教師データを抽出す
る、という「前処理B」を実行することができる。当該別の複数組の教師データに含まれ
る各組の教師データは、閾値以上のスコアを識別するサンプル第1状態データを有する。
【0164】
例えば、第1症状がSMI(
図13参照)における「汗をかきやすい」という症状であ
るときには、上記別の複数組の教師データに含まれる各組の教師データは、5という閾値
以上のスコア(10又は6)を識別するサンプル第1状態データであり得る。すなわち、
上記別の複数組の教師データに含まれる各組の教師データは、より強い第1症状(ここで
は「汗をかきやすい」)を有するサンプルユーザのみに関する教師データを含むものであ
る。
【0165】
さらに、情報処理装置は、このように抽出した当該別の複数組の教師データを、「新た
な」第2の複数組の教師データとすることができる。この後、情報処理装置は、「新たな
」第2の複数組の教師データに対して、上述した前処理Aを実行することができる。この
前処理Aでは、用いるべき少なくとも1つの閾値を、前処理Bを実行しない上述した例に
比べて、より大きな値に設定することができる。次に、情報処理装置は、前処理A後の「
新たな」第2の複数組の教師データを学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)す
ることができる。
【0166】
このような「新たな」第2の複数組の教師データは、より強い第1症状を有するサンプ
ルユーザのみについての、サンプル行動データとサンプル第1状態データとを含むもので
ある。よって、このような「新たな」第2の複数組の教師データを用いて学習を行った推
定モデルは、強い第1症状に結び付く可能性のある行動を行った対象ユーザを、強い第1
症状を有するユーザとして、より簡単に推定することができ、さらに、そのような対象ユ
ーザの第1症状の強さのレベルを細かく推定することもできる。
【0167】
(2C)複数組の教師データに含まれる第3の複数組の教師データ
一例では、情報処理装置は、複数組の教師データに含まれる第3の複数組の教師データ
を用いて、推定モデルを生成(更新)することができる。第3の複数組の教師データに含
まれる各組の教師データは、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、
その組に対応するサンプルユーザのサンプル更年期状態データと、を含むことができる。
ここで、各組の教師データにおけるサンプル更年期状態データは、その組に対応するサン
プルユーザのサンプル第2状態データを含むことができる。
【0168】
この場合、情報処理装置は、第3の複数組の教師データ(各組の教師データが、その組
に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザのサンプル第2
状態データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)することが
できる。このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより
実行された行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザ
の第2症状の状態を識別する対象第2状態データを、少なくとも出力することができるよ
うになる。
【0169】
なお、一実施形態では、各組の教師データにおけるサンプル第2状態データが、該組に
対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態「に対応するスコア」を識別するもので
ある場合を考える。
【0170】
この場合、情報処理装置は、第3の複数組の教師データに含まれる各組の教師データに
ついて、前処理を実行することができる。具体的には、情報処理装置は、各組の教師デー
タについて、この組に対応するサンプル第2状態データにより識別されるスコアを、少な
くとも1つの閾値を用いて、複数のカテゴリーのうちのいずれかのカテゴリーに変換する
、という前処理を実行することができる。例えば、情報処理装置は、1つの閾値(第1閾
値)を用いる場合には、各組に対応するサンプル第2状態データにより識別されるスコア
を、そのスコアが第1閾値以上であるか第1閾値未満であるかに応じて、2つのカテゴリ
ー(「High」及び「Low」)のうちのいずれかのカテゴリーに変換することができ
る。或いはまた、例えば、情報処理装置は、2つの閾値(第1閾値、及び、第1閾値より
小さい第2閾値)を用いる場合には、各組に対応するサンプル第2状態データにより識別
されるスコアを、そのスコアが、第1閾値以上であるか、第2閾値以上第1閾値未満であ
るか、第2閾値未満であるかに応じて、3つのカテゴリー(「High」、「Middl
e」及び「Low」)のうちのいずれかのカテゴリーに変換することができる。
【0171】
このように、情報処理装置は、前記第3の複数組の教師データに含まれる各組の教師デ
ータについて、この組に対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態「に対応するス
コア」を識別するサンプル第2状態データを、この組に対応する1人のサンプルユーザの
第2症状の状態「に対応するカテゴリー」を識別するサンプル第2状態データに変換する
、という前処理を実行することができる。
【0172】
これにより、情報処理装置は、前処理後の第3の複数組の教師データ(各組の教師デー
タが、その組に対応するサンプルユーザのサンプル行動データと、そのサンプルユーザの
サンプル第1状態データと、を含む)を、学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新
)することができる。
【0173】
このような推定モデルは、後述するように、説明変数として、対象ユーザにより実行さ
れた行動の履歴を識別する対象行動データを入力することに応答して、対象ユーザの第2
症状の状態に対応するカテゴリーを識別する対象第2状態データを、少なくとも出力する
ことができるようになる。
【0174】
さらにまた、情報処理装置は、上記のような前処理(便宜上「前処理A」)に加えて、
更なる前処理(便宜上「前処理B」)を実行することも可能である。具体的には、まず、
情報処理装置は、第3の複数組の教師データの中から、別の複数組の教師データを抽出す
る、という「前処理B」を実行することができる。当該別の複数組の教師データに含まれ
る各組の教師データは、閾値以上のスコアを識別するサンプル第2状態データを有する。
【0175】
例えば、第2症状がSMI(
図13参照)における「疲れやすい」という症状であると
きには、上記別の複数組の教師データに含まれる各組の教師データは、3という閾値以上
のスコア(7又は4)を識別するサンプル第2状態データであり得る。すなわち、上記別
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データは、より強い第2症状(ここでは「疲
れやすい」)を有するサンプルユーザのみに関する教師データを含むものである。
【0176】
さらに、情報処理装置は、このように抽出した当該別の複数組の教師データを、「新た
な」第3の複数組の教師データとすることができる。この後、情報処理装置は、「新たな
」第3の複数組の教師データに対して、上述した前処理Aを実行することができる。この
前処理Aでは、用いるべき少なくとも1つの閾値を、前処理Bを実行しない上述した例に
比べて、より大きな値に設定することができる。次に、情報処理装置は、前処理A後の「
新たな」第3の複数組の教師データを学習モデルに入力して推定モデルを生成(更新)す
ることができる。
【0177】
このような「新たな」第3の複数組の教師データは、より強い第2症状を有するサンプ
ルユーザのみについての、サンプル行動データとサンプル第2状態データとを含むもので
ある。よって、このような「新たな」第3の複数組の教師データを用いて学習を行った推
定モデルは、強い第2症状に結び付く可能性のある行動を行った対象ユーザを、強い第2
症状を有するユーザとして、より簡単に推定することができ、さらに、そのような対象ユ
ーザの第2症状の強さのレベルを細かく推定することもできる。
【0178】
以上のような推定モデルの生成(更新)は、推定サービス等を運営する企業により管理
されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を
運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、
他の企業により管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行さ
れ得る。当該他のサーバ装置10(端末装置20)により生成(更新)された推定モデル
は、サーバ装置10Aを含む任意のサーバ装置10に対して送信され得るし、或いはまた
、サーバ装置10Aを含む任意のサーバ装置10によりアクセス及び利用され得る。
【0179】
なお、「複数組の教師データ」の直前に付された「第1の」~「第3の」という名称は
、これらの名称のうちの或る名称を付した「複数組の教師データ」と、これらの名称のう
ちの別の名称を付した「複数組の教師データ」と、を区別するために便宜上用いられたも
のであって、何らかの順序又は内容等を限定するものではない。
【0180】
(3)ステップ1104
再度
図12を参照すると、次に、ST1104において、情報処理装置である、例えば
、推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装
置20)は、例えば、特定のアプリケーション(推定サービス等の提供を受けるためのア
プリケーション等)を実行してこのサーバ装置10Aにアクセスしてきた端末装置20(
又は他のサーバ装置10)から、及び/又は、ブラウザを実行してこのサーバ装置10A
にアクセスしてきた端末装置20から、推定対象となる対象ユーザにより実行された行動
の履歴を識別する対象行動データを、取得することができる。この対象行動データは、対
象ユーザにより実行された少なくとも1つの(1つの又は複数の)行動を識別するデータ
であり得る。
【0181】
このような対象行動データの取得は、推定サービス等を運営する企業により管理される
サーバ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他の企
業により管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され得る
。
【0182】
(4)ステップ1106
次に、ST1106において、情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、ST1104
において取得された対象行動データ、及び、ST1102において生成された推定モデル
を用いて、対象ユーザの更年期症状の状態を識別する対象更年期状態データを取得するこ
とができる。具体的には、サーバ装置10Aは、説明変数としての対象行動データを、推
定モデルに入力することにより、推定モデルから、目的変数としての対象更年期状態デー
タを出力させることができる。
【0183】
対象更年期状態データは、以下に示すデータのうちの少なくとも1つを含むことができ
る。
・対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別するデータ(「対象総合状態データ」
)
・対象ユーザの第1症状の状態を識別するデータ(「対象第1状態データ」)
・対象ユーザの第2症状の状態を識別するデータ(「対象第2状態データ」)
【0184】
推定モデルが、対象更年期状態データとしていずれのデータを出力するかは、この推定
モデルの生成(更新)の際に、サンプル更年期状態データとしていずれのデータが用いら
れたかに依存し得る。
【0185】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル更年期状態データとして、第1の
複数組の教師データが用いられた場合(上記「6(2)(2A)」項)には、推定モデル
は、対象更年期状態データとして、対象総合状態データを、少なくとも出力することがで
きる。
【0186】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル更年期状態データとして、第2の
複数組の教師データが用いられた場合(上記「6(2)(2B)」項)には、推定モデル
は、対象更年期状態データとして、対象第1状態データを、少なくとも出力することがで
きる。
【0187】
例えば、推定モデルの生成(更新)の際に、サンプル更年期状態データとして、第3の
複数組の教師データが用いられた場合(上記「6(2)(2C)」項)には、推定モデル
は、対象更年期状態データとして、対象第2状態データを、少なくとも出力することがで
きる。
【0188】
例えば、サンプル更年期状態データとして、第1の複数組の教師データを用いて推定モ
デルの生成(更新)が行われ(上記「6(2)(2A)」項)、その後に、サンプル更年
期状態データとして、第2の複数組の教師データを用いて推定モデルの生成(更新)が行
われた(上記「6(2)(2B)」項)場合には、推定モデルは、対象更年期状態データ
として、対象総合状態データ及び対象第1状態データを、少なくとも出力することができ
る。さらにこの後に、サンプル更年期状態データとして、第3の複数組の教師データを用
いて推定モデルの生成(更新)が行われた(上記「6(2)(2C)」項)場合には、推
定モデルは、対象更年期状態データとして、対象総合状態データ、対象第1状態データ及
び対象第2状態データを、少なくとも出力することができる。
【0189】
推定モデルの利用方法としては、以下に例示する方法のうちのいずれかを用いることが
可能である。
・サーバ装置10Aは、ST1104において生成された推定モデルを取得及び保持し
ており、この推定モデルに対象行動データを入力し、この推定モデルから出力される対象
更年期状態データを取得する。
・サーバ装置10Aは、ST1104において生成された推定モデルを取得及び保持す
る外部の装置(他のいずれかサーバ装置10又はいずれかの端末装置20)に対して、通
信網2を介して対象行動データを送信することにより、この対象行動データを説明変数と
して入力した上記推定モデルに対象更年期状態データを出力させる。この後、サーバ装置
10Aは、この推定モデルにより出力された対象更年期状態データを、上記外部の装置か
ら通信網2を介して受信する。
【0190】
このような対象更年期状態データの取得は、推定サービス等を運営する企業により管理
されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を
運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、
他の企業により管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行さ
れ得る。
【0191】
(5)ステップ1108
次に、ST1108において、情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営す
る企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、ST1106
において取得された対象更年期状態データを用い、この対象更年期状態データに対応する
少なくとも1つの対象商品/1つの対象サービスを決定することができる。このような対
象商品/対象サービスは、対象更年期状態データにより識別される対象ユーザの現在の(
推定された)更年期症状の状態に適したものであり得る。
【0192】
具体的には、一例では、サーバ装置10Aは、まず、対象更年期状態データと複数の商
品及び/又は複数のサービスとを対応付けて記憶する検索テーブルを用意して記憶するこ
とができる。次に、サーバ装置10Aは、ST1106において取得された対象更年期状
態データを検索テーブルに入力することにより、この検索テーブルから少なくとも1つの
対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを識別するデータ(「提案データ」)
を取得することができる。
【0193】
図14は、
図1に示した通信システム1において用いられる検索テーブルの別の例を概
念的に示す図である。
図14に例示される検索テーブルは、対象更年期状態データに含ま
れ得る各データ(対象総合状態データ、対象第1状態データ及び対象第2状態データの各
々)に対応付けて、提案すべき少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対
象サービスを記憶している。
【0194】
この例では、説明の簡略化のために、対象総合状態データ、対象第1状態データ及び対
象第2状態データの各々が示す相互に異なる3つのレベルの各々に対応付けて、提案すべ
き少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスが割り当てられ得
る。対象総合状態データを例に挙げれば、対象総合状態データが示す、クラスV1(対象
ユーザの更年期症状の総合的な状態が良いクラス)、クラスV2(対象ユーザの更年期症
状の総合的な状態が標準であるクラス)、及び、クラスV3(対象ユーザの更年期症状の
総合的な状態が悪いクラス)の各々に対応付けて、提案すべき少なくとも1つの対象商品
及び/又は少なくとも1つの対象サービスが割り当てられ得る。
【0195】
クラスW1~W3もまた、この順序で、対象ユーザの第1症状の状態が「良い」、「標
準」、「悪い」を示すものであり得る。クラスX1~X3もまた、この順序で、対象ユー
ザの第2症状の状態が「良い」、「標準」、「悪い」を示すものであり得る。
【0196】
図14に例示された商品(P10、P20といったように「P」及び数字からなる参照
符号が付された商品)は、いずれも、ユーザの更年期症状の状態を改善させるのに適した
任意の商品を示し、
図14に例示されたサービス(S10、S20といったように「S」
及び数字からなる参照符号が付されたサービス)は、いずれも、ユーザの更年期症状の状
態を改善させるのに適した任意のサービスを示す。これらの商品は、食品、日用品、薬品
、運動用具、電気製品等を、これらに限定することなく含むことができる。また、これら
のサービスは、病院、クリニック、スポーツジム等を、これらに限定することなく含むこ
とができる。
【0197】
サーバ装置10Aは、例えば、対象更年期状態データにおける対象総合状態データがク
ラスV3を示す場合には、商品P40及びサービスS10をそれぞれ対象商品及び対象サ
ービスとして決定することができる。また、サーバ装置10Aは、例えば、対象更年期状
態データが(クラスX2を示す)対象第2状態データ及び(クラスW3を示す)対象第1
状態データを含む場合には、商品P80を対象商品として、サービスS10、S30、S
40を対象サービスとして決定することができる。
【0198】
なお、対象更年期状態データに含まれる各データについて、用いられるクラスの総数、
各クラスに割り当てられる商品及び/又はサービスの総数等は、任意に定められ得る。
【0199】
別の例では、サーバ装置10Aは、教師あり学習(機械学習)を実行することにより生
成された別の推定モデルを用いて、少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つ
の対象サービスを決定することも可能である。当該別の推定モデルは、対象更年期状態デ
ータに含まれる各データの各クラスを示すデータを、説明変数とし、少なくとも1つの対
象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを示すデータを、目的変数として、教師
あり学習を実行することにより、生成(更新)され得る。
【0200】
当該別の推定モデルを学習させるための機械学習は、例えば、上述したとおり、任意の
周知の機械学習、例えば、勾配ブースティング木(例えばLightGBM)、ニューラ
ルネットワーク又は線形回帰等を、これらに限定することなく含み得る。
【0201】
サーバ装置10Aは、当該別の推定モデルに対象更年期状態データを入力することによ
り、当該別の推定モデルから、少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対
象サービスを識別するデータ(「提案データ」)を出力することができる。
【0202】
当該別の推定モデルの利用方法としては、以下に例示する方法のうちのいずれかを用い
ることが可能である。
・サーバ装置10Aは、生成された当該別の推定モデルを取得及び保持しており、当該
別の推定モデルに対象更年期状態データを入力し、当該別の推定モデルから出力される提
案データを取得する。
・サーバ装置10Aは、生成された当該別の推定モデルを取得及び保持する外部の装置
(他のいずれかサーバ装置10又はいずれかの端末装置20)に対して、通信網2を介し
て対象更年期状態データを送信することにより、この対象更年期状態データを説明変数と
して入力した当該別の推定モデルに提案データを出力させる。この後、サーバ装置10A
は、当該別の推定モデルにより出力された提案データを、上記外部の装置から通信網2を
介して受信する。
【0203】
このような提案データの取得は、推定サービス等を運営する企業により管理されるサー
バ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運営する企
業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他の企業に
より管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され得る。
【0204】
(6)ステップ1110
再度
図12を参照すると、次に、情報処理装置である、例えば、推定サービス等を運営
する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)は、ST110
8において取得された提案データを、企業ユーザ及び/又は個人ユーザにより管理される
少なくとも1つの端末装置20(他のサーバ装置10であってもよい)に対して、通信網
2を介して提供(送信)することができる。ここでいう「個人ユーザ」は「対象ユーザ」
を含み得る。
【0205】
提案データの提供は、ウェブページ、電子メール、チャット、電子ファイル、記録媒体
(USBメモリ、CD-ROM等)、及び/又は、紙媒体等を含む任意の手段により、企
業ユーザ及び/又は個人ユーザにより管理される少なくとも1つの端末装置20(他のサ
ーバ装置10であってもよい)に対して提供され得る。
【0206】
このような提案データの提供は、推定サービス等を運営する企業により管理されるサー
バ装置10A(及び/又は端末装置20)に代えて、又は、推定サービス等を運営する企
業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とともに、他の企業に
より管理される他のサーバ装置10(及び/又は端末装置20)により実行され得る。
【0207】
7.変形例
上述した様々な例では、サンプル総合状態データ、サンプル第1状態データ及びサンプ
ル第2状態データを、目的変数として、推定モデルを生成及び利用する場合について説明
した。別の例では、サンプル総合状態データ、サンプル第1状態データ及びサンプル第2
状態データのうちの少なくとも1つ(最大2つ)を、目的変数ではなく説明変数として用
いて、推定モデルを生成及び利用することも可能である。
【0208】
また、上述した様々な例では、
図12に例示された様々なステップ(例えばST110
0~ST1110)の実行主体を、主に、推定サービス等を運営する企業により管理され
るサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)とした場合について、説明した。しかし
、
図12に例示された様々なステップを、任意の複数のサーバ装置10及び/又は複数の
端末装置20に、分担して実行させることも可能である。ここで、任意の複数のサーバ装
置10及び/又は複数の端末装置20に、一例では、推定サービス等を運営する企業によ
り管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装置20)が含まれ得るし、別の例では
、推定サービス等を運営する企業により管理されるサーバ装置10A(及び/又は端末装
置20)が含まれない。
【0209】
以上説明したように、本件出願に開示された技術によれば、対象ユーザにより実行され
た少なくとも1つの行動の履歴を識別する対象行動データを推定モデルに入力することに
より、この推定モデルから、対象ユーザの現在の(予測された)更年期症状の状態を識別
する対象更年期状態データを取得することができる。さらに、予め用意された複数の対象
商品及び/又は複数の対象サービスのうち、このように取得された対象更年期状態データ
に適した少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを、対象ユ
ーザの更年期症状を改善させるために、対象ユーザを含む任意のユーザに提案することが
できる。
【0210】
これにより、対象ユーザにより実行された少なくとも1つの行動の履歴に基づいてこの
対象ユーザの更年期症状の状態を推定するために用いられ、少なくとも部分的に向上した
性能を有する、コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供することができる
。
【0211】
8.様々な健康の状態を予測するための推定モデルについて
本件出願に開示された技術は、上述した睡眠の状態及び更年期症状の状態を予測するこ
とだけでなく、例えば、以下に例示する様々な健康の状態を予測することにも適用可能で
ある。
・運動の状態
・免疫の状態
・水分補給の状態
・栄養の状態
【0212】
(1)運動の状態について
運動の状態を予測するための推定モデルは、生活習慣病に関連する状態等を予測するた
めに用いられる。かかる推定モデルを生成するために、説明変数であるサンプル行動デー
タは、以下に例示する複数のデータのうちの少なくとも1つのデータであり得る。
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において購入した商品(又はその商品
が属するカテゴリー)を識別するデータ
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において利用したサービス(又はその
サービスが属するカテゴリー)を識別するデータ
・サンプルユーザが肥満の状態にあるか否かを識別するデータ
・サンプルユーザの一定期間(例えば30歳代から現在までの期間等)における体重の
変化量を識別するデータ
・サンプルユーザの運動の量(例えば歩数等)を識別するデータ
【0213】
また、目的変数である症状を識別するデータは、以下に例示する複数のデータ(測定値
であってもよい)のうちの少なくとも1つであり得る。
・サンプルユーザの体重を識別するデータ
・サンプルユーザのBMI(Body Mass Index)を識別するデータ
・サンプルユーザの歩数を識別するデータ
・サンプルユーザの喫煙の有無を識別するデータ
・サンプルユーザのメタボリックシンドローム診断基準値を識別するデータ
【0214】
なお、メタボリックシンドローム診断基準値は、サンプルユーザの内臓脂肪蓄積及び/
又はウエスト周囲の長さと、以下に例示する複数の値のうちの少なくとも2つの値とを含
む。
・サンプルユーザについて高グリセリド血症及び/又は低HDLコレステロール血症の
診断のために定められた閾値
・サンプルユーザの収縮期及び/又は拡張期の血圧
・サンプルユーザについて空腹時高血糖の診断のために定められた閾値
【0215】
情報処理装置は、このような説明変数及び目的変数を用いて機械学習を実行することに
より、運動の状態を予測する推定モデルを生成することができる。このような推定モデル
の生成及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作は、上記更年期症
状の状態を予測する態様に関連して上記「6」項及び上記「7」項において説明した動作
と実質的に同一であり得る。上記「6」項及び上記「7」項において(特に
図12及び図
14を参照して)述べた説明において、更年期症状の状態を予測するための推定モデルに
用いられる説明変数及び目的変数を、それぞれ、本「8(1)」項において述べた説明変
数及び目的変数で置き換えることにより、運動の状態を予測するための推定モデルの生成
及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作が、当業者により理解さ
れよう。
【0216】
以上説明したように、本件出願に開示された技術によれば、対象ユーザにより実行され
た少なくとも1つの行動の履歴を識別する対象行動データを推定モデルに入力することに
より、この推定モデルから、対象ユーザの現在の(予測された)運動の状態を識別する対
象状態データを取得することができる。さらに、予め用意された複数の対象商品及び/又
は複数の対象サービスのうち、このように取得された対象状態データに適した少なくとも
1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを、対象ユーザの運動の状態を
改善させるために、対象ユーザを含む任意のユーザに提案することができる。
【0217】
これにより、対象ユーザにより実行された少なくとも1つの行動の履歴に基づいてこの
対象ユーザの運動の状態を推定するために用いられ、少なくとも部分的に向上した性能を
有する、コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供することができる。
【0218】
(2)免疫の状態について
免疫の状態を予測するための推定モデルは、身体の免疫力が低下している人の症状の程
度を予測するために用いられる。かかる推定モデルを生成するために、説明変数であるサ
ンプル行動データは、以下に例示する複数のデータのうちの少なくとも1つのデータであ
り得る。
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において購入した商品(又はその商品
が属するカテゴリー)を識別するデータ
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において利用したサービス(又はその
サービスが属するカテゴリー)を識別するデータ
【0219】
また、目的変数である症状を識別するデータは、以下に例示する複数のデータ(測定値
であってもよい)のうちの少なくとも1つであり得る。
・サンプルユーザの風邪の引きやすさを識別するデータ
・サンプルユーザの風邪を引き起こす頻度を識別するデータ
・サンプルユーザのSIgA濃度を識別するデータ
・サンプルユーザのアレルギー症状を識別するデータ
・サンプルユーザの口腔環境及び/又は免疫力の状態を識別するデータ
・サンプルユーザの睡眠の状態を識別するデータ
・サンプルユーザの運動の状態を識別するデータ
・サンプルユーザのストレスの状態を識別するデータ
【0220】
なお、このような症状を識別するデータは、アンケート等から取得されたサンプルユー
ザの自覚症状であってもよいし、医療機関におけるサンプルユーザの受信履歴から取得さ
れたものであってもよい。かかる症状を識別するデータは、複数の(好ましくは3つ以上
の)カテゴリーのうちのいずれかを識別するものであり得る。
【0221】
情報処理装置は、このような説明変数及び目的変数を用いて機械学習を実行することに
より、免疫の状態を予測する推定モデルを生成することができる。このような推定モデル
の生成及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作は、上記更年期症
状の状態を予測する態様に関連して上記「6」項及び上記「7」項において説明した動作
と実質的に同一であり得る。上記「6」項及び上記「7」項において(特に
図12及び図
14を参照して)述べた説明において、更年期症状の状態を予測するための推定モデルに
用いられる説明変数及び目的変数を、それぞれ、本「8(2)」項において述べた説明変
数及び目的変数で置き換えることにより、免疫の状態を予測するための推定モデルの生成
及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作が、当業者により理解さ
れよう。
【0222】
以上説明したように、本件出願に開示された技術によれば、対象ユーザにより実行され
た少なくとも1つの行動の履歴を識別する対象行動データを推定モデルに入力することに
より、この推定モデルから、対象ユーザの現在の(予測された)免疫の状態を識別する対
象状態データを取得することができる。さらに、予め用意された複数の対象商品及び/又
は複数の対象サービスのうち、このように取得された対象状態データに適した少なくとも
1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを、対象ユーザの免疫の状態を
改善させるために、対象ユーザを含む任意のユーザに提案することができる。
【0223】
これにより、対象ユーザにより実行された少なくとも1つの行動の履歴に基づいてこの
対象ユーザの免疫の状態を推定するために用いられ、少なくとも部分的に向上した性能を
有する、コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供することができる。
【0224】
(3)水分補給の状態について
水分補給の状態を予測するための推定モデルは、身体の免疫力が低下している人の症状
の程度を予測するために用いられる。かかる推定モデルを生成するために、説明変数であ
るサンプル行動データは、以下に例示する複数のデータのうちの少なくとも1つのデータ
であり得る。
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において購入した商品(又はその商品
が属するカテゴリー)を識別するデータ
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において利用したサービス(又はその
サービスが属するカテゴリー)を識別するデータ
【0225】
また、目的変数である症状を識別するデータは、以下に例示する複数のデータ(測定値
であってもよい)のうちの少なくとも1つであり得る。
・サンプルユーザの血清Na値を識別するデータ
・サンプルユーザの尿浸透圧を識別するデータ
・サンプルユーザの尿比重を識別するデータ
・サンプルユーザの尿カラーを識別するデータ
・サンプルユーザのBUN/クレアチニン比を識別するデータ
・サンプルユーザの脱水評価スケールを識別するデータ
・サンプルユーザの水分不足に伴う自覚症状を識別するデータ
【0226】
これらのデータは、サンプルユーザが受信した健康診断若しくは人間ドックにより得ら
れる臨床検査値から、又は、健康アンケートに対するサンプルユーザの回答内容から、生
成され得る。なお、サンプルユーザの水分不足に伴う自覚症状を識別するデータは、アン
ケートに対するサンプルユーザの回答内容から生成され得る。かかる自覚症状の程度は、
血清Na値、尿浸透圧、尿比重、尿カラー、BUN/クレアチニン比、飲水量及び/又は
身体活動量等から把握され得る。
【0227】
情報処理装置は、このような説明変数及び目的変数を用いて機械学習を実行することに
より、水分補給の状態を予測する推定モデルを生成することができる。このような推定モ
デルの生成及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作は、上記更年
期症状の状態を予測する態様に関連して上記「6」項及び上記「7」項において説明した
動作と実質的に同一であり得る。上記「6」項及び上記「7」項において(特に
図12及
び
図14を参照して)述べた説明において、更年期症状の状態を予測するための推定モデ
ルに用いられる説明変数及び目的変数を、それぞれ、本「8(3)」項において述べた説
明変数及び目的変数で置き換えることにより、水分補給の状態を予測するための推定モデ
ルの生成及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作が、当業者によ
り理解されよう。
【0228】
以上説明したように、本件出願に開示された技術によれば、対象ユーザにより実行され
た少なくとも1つの行動の履歴を識別する対象行動データを推定モデルに入力することに
より、この推定モデルから、対象ユーザの現在の(予測された)水分補給の状態を識別す
る対象状態データを取得することができる。さらに、予め用意された複数の対象商品及び
/又は複数の対象サービスのうち、このように取得された対象状態データに適した少なく
とも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを、対象ユーザの水分補給
の状態を改善させるために、対象ユーザを含む任意のユーザに提案することができる。
【0229】
これにより、対象ユーザにより実行された少なくとも1つの行動の履歴に基づいてこの
対象ユーザの水分補給の状態を推定するために用いられ、少なくとも部分的に向上した性
能を有する、コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供することができる。
【0230】
(4)栄養の状態について
栄養の状態を予測するための推定モデルは、栄養補給ができていない人の症状の程度を
予測するために用いられる。かかる推定モデルを生成するために、説明変数であるサンプ
ル行動データは、以下に例示する複数のデータのうちの少なくとも1つのデータであり得
る。
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において購入した商品(又はその商品
が属するカテゴリー)を識別するデータ
・サンプルユーザが一定期間(例えば1年間等)において利用したサービス(又はその
サービスが属するカテゴリー)を識別するデータ
【0231】
また、目的変数である症状を識別するデータは、以下に例示する複数のデータ(測定値
であってもよい)のうちの少なくとも1つであり得る。
・サンプルユーザの栄養低下に伴う自覚症状の有無を識別するデータ
・サンプルユーザの食品摂取の多様性得点(DVS)を識別するデータ
・サンプルユーザの食欲尺度短縮版(SNAQ:Simplified Nutrit
ional Appetite Questionnaire)を識別するデータ
・サンプルユーザのBMI(Body Mass Index)を識別するデータ
【0232】
なお、このような症状を識別するデータは、アンケート等から取得されたサンプルユー
ザの自覚症状であってもよいし、医療機関におけるサンプルユーザの受信履歴から取得さ
れたものであってもよい。かかる症状を識別するデータは、複数の(好ましくは3つ以上
の)カテゴリーのうちのいずれかを識別するものであり得る。
【0233】
情報処理装置は、このような説明変数及び目的変数を用いて機械学習を実行することに
より、栄養の状態を予測する推定モデルを生成することができる。このような推定モデル
の生成及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作は、上記更年期症
状の状態を予測する態様に関連して上記「6」項及び上記「7」項において説明した動作
と実質的に同一であり得る。上記「6」項及び上記「7」項において(特に
図12及び図
14を参照して)述べた説明において、更年期症状の状態を予測するための推定モデルに
用いられる説明変数及び目的変数を、それぞれ、本「8(4)」項において述べた説明変
数及び目的変数で置き換えることにより、栄養の状態を予測するための推定モデルの生成
及び利用方法等に関連して通信システム2により実行される動作が、当業者により理解さ
れよう。
【0234】
以上説明したように、本件出願に開示された技術によれば、対象ユーザにより実行され
た少なくとも1つの行動の履歴を識別する対象行動データを推定モデルに入力することに
より、この推定モデルから、対象ユーザの現在の(予測された)栄養の状態を識別する対
象状態データを取得することができる。さらに、予め用意された複数の対象商品及び/又
は複数の対象サービスのうち、このように取得された対象状態データに適した少なくとも
1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを、対象ユーザの栄養の状態を
改善させるために、対象ユーザを含む任意のユーザに提案することができる。
【0235】
これにより、対象ユーザにより実行された少なくとも1つの行動の履歴に基づいてこの
対象ユーザの栄養の状態を推定するために用いられ、少なくとも部分的に向上した性能を
有する、コンピュータプログラム、情報処理装置及び方法を提供することができる。
【0236】
9.様々な態様
第1の態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより実
行されることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データ
を取得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動デー
タを入力することにより、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡眠状態データで
あって、該対象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、該対象ユーザの睡眠のリ
ズムを識別する対象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識別する対象時間データ、
及び、該対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテゴリーデータ、のうちの
少なくとも1つを含む対象睡眠状態データを、前記推定モデルから出力させる、ように前
記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第2の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様において「各組の教師デ
ータが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサ
ンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の状態を識別するサン
プル睡眠状態データと、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力することによ
り生成された前記推定モデルを、取得する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機
能させる」ことができる。
第3の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様において「各組の教師デ
ータが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサ
ンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の状態を識別するサン
プル睡眠状態データと、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力することによ
り生成された前記推定モデルに対して、通信回線を介して接続される、ように前記少なく
とも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第4の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様において「各組の教師デ
ータが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサ
ンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の状態を識別するサン
プル睡眠状態データと、を含む、複数組の教師データを取得し、該複数組の教師データを
学習モデルに入力して学習させることにより、前記推定モデルを生成する、ように前記少
なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第5の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第4の態様において「取得された前
記複数組の教師データが第1の複数組の教師データを含み、該第1の複数組の教師データ
に含まれる各組の教師データが、前記サンプル睡眠状態データとして、少なくとも、該組
に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性質データと、該組に
対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリズムデータと、を含
み、取得された前記第1の複数組の教師データに含まれる各組の教師データについて、該
組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性質データと該組に
対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリズムデータとに基づ
いて、該組に対応する1人のサンプルユーザが属する睡眠カテゴリーを識別するサンプル
睡眠カテゴリーデータを生成する、という前処理を実行し、各組の教師データが、該組に
対応する1人のサンプルユーザの前記サンプル行動データと、該組に対応する1人のサン
プルユーザの前記サンプル睡眠カテゴリーデータと、を含む、前記前処理後の前記第1の
複数組の教師データを、前記学習モデルに入力して前記推定モデルを生成し、該推定モデ
ルから、前記対象睡眠状態データとして、前記対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別
する対象睡眠カテゴリーデータを、出力させる、ように前記少なくとも1つのプロセッサ
を機能させる」ことができる。
第6の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様から上記第4の態様のい
ずれかにおいて「前記複数組の教師データが第2の複数組の教師データを含み、該第2の
複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル睡眠状態データとして
、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性
質データと該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリズ
ムデータとに基づいて決定された、該組に対応する1人のサンプルユーザが属する睡眠カ
テゴリーを識別するサンプル睡眠カテゴリーデータ、を含み、該推定モデルから、前記対
象睡眠状態データとして、前記対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象睡眠カ
テゴリーデータを、出力させる、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」
ことができる。
第7の態様に係るコンピュータプログラムにあっては、上記第5の態様又は上記第6の
態様において「前記組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル
性質データは、アテネ不眠尺度、ピッツバーグ睡眠質問票、3次元型睡眠尺度、又は、不
眠症重症度質問票に対する前記サンプルユーザによる回答内容に基づいて算出されたスコ
アを示し、前記組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリ
ズムデータは、前記サンプルユーザの平日の睡眠時間帯の中央時間と休日の睡眠時間帯の
中央時間帯との差の絶対値であるソーシャルジェットラグを示し、前記組に対応する1人
のサンプルユーザが属する睡眠カテゴリーは、横軸及び縦軸のうちの一方の軸において前
記スコアに対応付けて配置された少なくとも1つの閾値と、前記横軸及び前記縦軸のうち
の他方の軸において前記ソーシャルジェットラグに対応付けて配置された少なくとも1つ
の閾値と、により分割される複数のカテゴリーのうちのいずれかであ」り得る。
第8の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様から上記第4の態様のい
ずれかにおいて「前記複数組の教師データが第3の複数組の教師データを含み、該第3の
複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル睡眠状態データとして
、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性
質データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリ
ズムデータと、を含み、前記推定モデルから、前記対象睡眠状態データとして、前記対象
ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データと、該対象ユーザの睡眠のリズムを識別す
る対象リズムデータとを、出力させる、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能さ
せる」ことができる。
第9の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様から上記第4の態様のい
ずれかにおいて「前記複数組の教師データが第4の複数組の教師データを含み、該第4の
複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル睡眠状態データとして
、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性
質データを含み、前記推定モデルから、前記対象睡眠状態データとして、前記対象ユーザ
の睡眠の性質を識別する対象性質データを、出力させる、ように前記少なくとも1つのプ
ロセッサを機能させる」ことができる。
第10の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様から上記第4の態様の
いずれかにおいて「前記複数組の教師データが第5の複数組の教師データを含み、該第5
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル睡眠状態データとし
て、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプ
ルリズムデータを含み、前記推定モデルから、前記対象睡眠状態データとして、前記対象
ユーザの睡眠のリズムを識別する対象リズムデータを、出力させる、ように前記少なくと
も1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第11の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様から上記第4の態様の
いずれかにおいて「前記複数組の教師データが第6の複数組の教師データを含み、該第6
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル睡眠状態データとし
て、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠時間を識別するサンプル時
間データを含み、前記推定モデルから、前記対象睡眠状態データとして、前記対象ユーザ
の睡眠時間を識別する対象時間データを、出力させる、ように前記少なくとも1つのプロ
セッサを機能させる」ことができる。
第12の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第11の態様
のいずれかにおいて「複数の商品及び/又は複数のサービスのうち、前記対象睡眠状態デ
ータに対応する少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを決
定する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第13の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第12の態様において「教師あり
学習を実行することにより生成された別の推定モデルに前記対象睡眠状態データを入力す
ることにより、該別の推定モデルから、前記少なくとも1つの対象商品及び/又は前記少
なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを出力させる、ように前記少なくとも
1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第14の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第12の態様において「対象睡眠
状態データと前記複数の商品及び/又は前記複数のサービスとを対応付けた検索テーブル
に前記対象睡眠状態データを入力することにより、該検索テーブルから前記少なくとも1
つの対象商品及び/又は前記少なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを取得
する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第15の態様に係るコンピュータプログラムにあっては、上記第1の態様から上記第1
4の態様のいずれかにおいて「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CP
U)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GP
U)を含む」ことができる。
第16の態様に係る情報処理装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少な
くとも1つのプロセッサが、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動
データを取得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行
動データを入力することにより、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡眠状態デ
ータであって、該対象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、該対象ユーザの睡
眠のリズムを識別する対象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識別する対象時間デ
ータ、及び、該対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテゴリーデータ、の
うちの少なくとも1つを含む対象睡眠状態データを、前記推定モデルから出力させる、
ように構成され」得る。
第17の態様に係る情報処理装置は、上記第16の態様において「端末装置又はサーバ
装置であ」り得る。
第18の態様に係る情報処理装置にあっては、上記第17の態様において「前記少なく
とも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、
グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含」み得る。
第19の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少な
くとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサ
が、前記命令を実行することにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する
対象行動データを取得する段階と、教師あり学習を実行することにより生成された推定モ
デルに前記対象行動データを入力することにより、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別す
る対象睡眠状態データであって、該対象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、
該対象ユーザの睡眠のリズムを識別する対象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識
別する対象時間データ、及び、該対象ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテ
ゴリーデータ、のうちの少なくとも1つを含む対象睡眠状態データを、前記推定モデルか
ら出力させる段階と、を含む」ことができる。
第20の態様に係る方法にあっては、上記第19の態様において「前記少なくとも1つ
のプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィ
ックスプロセッシングユニット(GPU)を含」み得る。
第21の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少な
くとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサ
が、前記命令を実行することにより、各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプ
ルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する
1人のサンプルユーザの睡眠の状態を識別するサンプル睡眠状態データと、を含む、複数
組の教師データを取得する取得段階と、該複数組の教師データを学習モデルに入力して学
習させることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データ
を入力して、前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡眠状態データであって、該対
象ユーザの睡眠の性質を識別する対象性質データ、該対象ユーザの睡眠のリズムを識別す
る対象リズムデータ、該対象ユーザの睡眠時間を識別する対象時間データ、及び、該対象
ユーザが属する睡眠カテゴリーを識別する対象カテゴリーデータ、のうちの少なくとも1
つを含む対象睡眠状態データを、出力するように構成された推定モデル、を生成する生成
段階と、を含む」ことができる。
第22の態様に係る方法は、上記第21の態様において「前記取得段階が、前記複数組
の教師データに含まれる第1の複数組の教師データを取得する段階を含み、該第1の複数
組の教師データに含まれる各組の教師データは、前記サンプル睡眠状態データとして、少
なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性質デ
ータと、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリズム
データと、を含み、さらに、前記生成段階が、取得された前記第1の複数組の教師データ
に含まれる各組の教師データについて、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性
質を識別するサンプル性質データと該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズム
を識別するサンプルリズムデータとに基づいて、該組に対応する1人のサンプルユーザが
属する睡眠カテゴリーを識別するサンプル睡眠カテゴリーデータを生成する、という前処
理を実行する段階と、各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザの前記
サンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの前記サンプル睡眠カテゴ
リーデータと、を含む、前記前処理後の前記第1の複数組の教師データを、前記学習モデ
ルに入力して前記推定モデルを生成する段階と、を含む」ことができる。
第23の態様に係る方法は、上記第21の態様において「前記取得段階が、前記複数組
の教師データに含まれる第2の複数組の教師データを取得する段階を含み、該第2の複数
組の教師データに含まれる各組の教師データは、前記サンプル睡眠状態データとして、少
なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性質デ
ータと該組に対応する1人のサンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリズムデ
ータとに基づいて決定された、該組に対応する1人のサンプルユーザが属する睡眠カテゴ
リーを識別するサンプル睡眠カテゴリーデータ、を含み、前記第2の複数組の教師データ
を、前記学習モデルに入力して前記推定モデルを生成する段階と、を含む」ことができる
。
第24の態様に係る方法にあっては、上記第23の態様において「前記組に対応する1
人のサンプルユーザの睡眠の性質を識別するサンプル性質データは、アテネ不眠尺度、ピ
ッツバーグ睡眠質問票、3次元型睡眠尺度、又は、不眠症重症度質問票に対する前記サン
プルユーザによる回答内容に基づいて算出されたスコアを示し、前記組に対応する1人の
サンプルユーザの睡眠のリズムを識別するサンプルリズムデータは、前記サンプルユーザ
の平日の睡眠時間帯の中央時間と休日の睡眠時間帯の中央時間帯との差の絶対値であるソ
ーシャルジェットラグを示し、前記組に対応する1人のサンプルユーザが属する睡眠カテ
ゴリーは、横軸及び縦軸のうちの一方の軸において前記スコアに対応付けて配置された少
なくとも1つの閾値と、前記横軸及び前記縦軸のうちの他方の軸において前記ソーシャル
ジェットラグに対応付けて配置された少なくとも1つの閾値と、により分割される複数の
カテゴリーのうちのいずれかであ」り得る。
第25の態様に係る方法は、上記第21の態様から上記第24の態様のいずれかにおい
て「対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを前記推定モデル
に入力することにより、該推定モデルから前記対象ユーザの睡眠の状態を識別する対象睡
眠状態データを出力する推定段階、をさらに含む」ことができる。
第26の態様に係る方法にあっては、上記第21の態様から上記第25の態様のいずれ
かにおいて「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプ
ロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含」み得る
。
第27の態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより
実行されることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動デー
タを取得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動デ
ータを入力することにより、前記対象ユーザの更年期症状の状態を識別する対象更年期状
態データであって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別する対象総合状態デ
ータ、該対象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態データ、該対象ユーザの第
2症状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少なくとも1つを含む対象更年期
状態データを、前記推定モデルから出力させる、ように前記少なくとも1つのプロセッサ
を機能させる」ことができる。
第28の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第27の態様において「各組の教
師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別す
るサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の状態を識
別するサンプル更年期状態データと、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力
することにより生成された前記推定モデルを、取得する、ように前記少なくとも1つのプ
ロセッサを機能させる」ことができる。
第29の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第27の態様において「各組の教
師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別す
るサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の状態を識
別するサンプル更年期状態データと、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力
することにより生成された前記推定モデルに対して、通信回線を介して接続される、よう
に前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第30の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第27の態様において「各組の教
師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別す
るサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の状態を識
別するサンプル更年期状態データと、を含む、複数組の教師データを取得し、該複数組の
教師データを学習モデルに入力して学習させることにより、前記推定モデルを生成する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第31の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第30の態様において「取得され
た前記複数組の教師データが第1の複数組の教師データを含み、該第1の複数組の教師デ
ータに含まれる各組の教師データが、前記サンプル更年期状態データとして、少なくとも
、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態を識別するサンプル
総合状態データ、を含み、前記推定モデルから、前記対象更年期状態データとして、前記
対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別する対象総合状態データを、出力させる、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第32の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第31の態様において「前記第1
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル更年期状態データと
して、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態に
対応するスコアを識別するサンプル総合状態データを含み、前記第1の複数組の教師デー
タに含まれる各組の教師データについて、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期
症状の総合的な状態に対応するスコアを識別するサンプル総合状態データを、該組に対応
する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態に対応するカテゴリーを識別する
サンプル総合状態データに変換する、という前処理を実行し、前記前処理後の前記第1の
複数組の教師データを、前記学習モデルに入力して前記推定モデルを生成し、該推定モデ
ルから、前記対象更年期状態データとして、前記対象ユーザの更年期症状の総合的な状態
に対応するカテゴリーを識別する対象総合状態データを、出力させる、ように前記少なく
とも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第33の態様に係るコンピュータプログラムにあっては、上記第32の態様において「
前記組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態に対応するスコアは
、簡略更年期指数(SMI)、更年期障害評価尺度(Menopause Rating
Scale)、クッパーマン更年期指数(Kupperman index)、更年期障
害評価(Green Climacteric Scale)、PSST(Premens
trual Symptoms Screening Tool)、WHQ(Women’
s Health Questionnaire)、VAS(Visual Analog
ue Scale)、HFRDI(Hot Flash Related Daily In
terference Scale)、HFCS(Hot Flash Composit
e Score)、MENQOL(Menopause-Specific Qualit
y Of Life)又は日本人女性の更年期症状評価表に対する前記サンプルユーザ回答
内容に基づいて算出されたスコアであ」り得る。
第34の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第30の態様において「取得され
た前記複数組の教師データが第2の複数組の教師データを含み、該第2の複数組の教師デ
ータに含まれる各組の教師データが、前記サンプル更年期状態データとして、少なくとも
、該組に対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態を識別するサンプル第1状態デ
ータ、を含み、前記推定モデルから、前記対象更年期状態データとして、前記対象ユーザ
の第1症状の状態を識別する対象第1状態データを、出力させる、ように前記少なくとも
1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第35の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第34の態様において「前記第2
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル更年期状態データと
して、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態に対応するス
コアを識別するサンプル第1状態データを含み、前記第2の複数組の教師データに含まれ
る各組の教師データについて、該組に対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態に
対応するスコアを識別するサンプル第1状態データを、該組に対応する1人のサンプルユ
ーザの第1症状の状態に対応するカテゴリーを識別するサンプル第1状態データに変換す
る、という前処理を実行し、前記前処理後の前記第2の複数組の教師データを、前記学習
モデルに入力して前記推定モデルを生成し、該推定モデルから、前記対象更年期状態デー
タとして、前記対象ユーザの第1症状の状態に対応するカテゴリーを識別する対象第1状
態データを、出力させる、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことが
できる。
第36の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第30の態様において「取得され
た前記複数組の教師データが第3の複数組の教師データを含み、該第3の複数組の教師デ
ータに含まれる各組の教師データが、前記サンプル更年期状態データとして、少なくとも
、該組に対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態を識別するサンプル第2状態デ
ータ、を含み、前記推定モデルから、前記対象更年期状態データとして、前記対象ユーザ
の第2症状の状態を識別する対象第1状態データを、出力させる、ように前記少なくとも
1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第37の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第36の態様において「前記第3
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データが、前記サンプル更年期状態データと
して、少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態に対応するス
コアを識別するサンプル第2状態データを含み、前記第3の複数組の教師データに含まれ
る各組の教師データについて、該組に対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態に
対応するスコアを識別するサンプル第2状態データを、該組に対応する1人のサンプルユ
ーザの第2症状の状態に対応するカテゴリーを識別するサンプル第2状態データに変換す
る、という前処理を実行し、前記前処理後の前記第3の複数組の教師データを、前記学習
モデルに入力して前記推定モデルを生成し、該推定モデルから、前記対象更年期状態デー
タとして、前記対象ユーザの第2症状の状態に対応するカテゴリーを識別する対象第2状
態データを、出力させる、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことが
できる。
第38の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第27の態様から上記第37の態
様のいずれかにおいて「複数の商品及び/又は複数のサービスのうち、前記対象更年期状
態データに対応する少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービス
を決定する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第39の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第38の態様において「教師あり
学習を実行することにより生成された別の推定モデルに前記対象更年期状態データを入力
することにより、該別の推定モデルから、前記少なくとも1つの対象商品及び/又は前記
少なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを出力させる、ように前記少なくと
も1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第40の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第38の態様において「対象更年
期状態データと前記複数の商品及び/又は前記複数のサービスとを対応付けた検索テーブ
ルに前記対象更年期状態データを入力することにより、該検索テーブルから前記少なくと
も1つの対象商品及び/又は前記少なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを
取得する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
第41の態様に係るコンピュータプログラムにあっては、上記第27の態様から上記第
40の態様のいずれかにおいて「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(C
PU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(G
PU)を含」み得る。
第42の態様に係る情報処理装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少な
くとも1つのプロセッサが、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動
データを取得し、教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行
動データを入力することにより、前記対象ユーザの更年期症状の状態を識別する対象更年
期状態データであって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別する対象総合状
態データ、該対象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態データ、及び、該対象
ユーザの第2症状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少なくとも1つを含む
対象更年期状態データを、前記推定モデルから出力させる、ように構成され」得る。
第43の態様に係る情報処理装置は、上記第42の態様において「端末装置又はサーバ
装置であ」り得る。
第44の態様に係る情報処理装置にあっては、上記第42の態様又は上記第43の態様
において「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロ
セッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含」み得る。
第45の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少な
くとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサ
が、前記命令を実行することにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する
対象行動データを取得する段階と、教師あり学習を実行することにより生成された推定モ
デルに前記対象行動データを入力することにより、前記対象ユーザの更年期症状の状態を
識別する対象更年期状態データであって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識
別する対象総合状態データ、該対象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態デー
タ、及び、該対象ユーザの第2症状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少な
くとも1つを含む対象更年期状態データを、前記推定モデルから出力させる段階と、を含
む」ことができる。
第46の態様に係る方法にあっては、上記第45の態様において「前記少なくとも1つ
のプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィ
ックスプロセッシングユニット(GPU)を含」み得る。
第47の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少な
くとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、該少なくとも1つのプロセッサ
が、前記命令を実行することにより、各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプ
ルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する
1人のサンプルユーザの更年期症状の状態を識別するサンプル更年期状態データと、を含
む、複数組の教師データを取得する取得段階と、該複数組の教師データを学習モデルに入
力して学習させることにより、対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行
動データを入力して、前記対象ユーザの更年期症状の状態を識別する対象更年期状態デー
タであって、該対象ユーザの更年期症状の総合的な状態を識別する対象総合状態データ、
該対象ユーザの第1症状の状態を識別する対象第1状態データ、及び、該対象ユーザの第
2症状の状態を識別する対象第2状態データ、のうちの少なくとも1つを含む対象更年期
状態データを、出力するように構成された推定モデル、を生成する生成段階と、を含む」
ことができる。
第48の態様に係る方法は、上記第47の態様において「前記取得段階が、前記複数組
の教師データに含まれる第1の複数組の教師データを取得する段階を含み、該第1の複数
組の教師データに含まれる各組の教師データは、前記サンプル更年期状態データとして、
少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態に対応す
るスコアを識別するサンプル総合状態データを含み、さらに、前記生成段階が、取得され
た前記第1の複数組の教師データに含まれる各組の教師データについて、該組に対応する
1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態に対応するスコアを識別するサンプル
総合状態データを、該組に対応する1人のサンプルユーザの更年期症状の総合的な状態に
対応するカテゴリーを識別するサンプル総合状態データに変換する、という前処理を実行
する段階と、各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザの前記サンプル
行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの前記サンプル総合状態データと、
を含む、前記前処理後の前記第1の複数組の教師データを、前記学習モデルに入力して前
記推定モデルを生成する段階と、を含む」ことができる。
第49の態様に係る方法は、上記第47の態様において「前記取得段階が、前記複数組
の教師データに含まれる第1の複数組の教師データを取得する段階を含み、該第2の複数
組の教師データに含まれる各組の教師データは、前記サンプル更年期状態データとして、
少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態に対応するスコアを
識別するサンプル第1状態データを含み、さらに、前記生成段階が、取得された前記第2
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データについて、該組に対応する1人のサン
プルユーザの第1症状の状態に対応するスコアを識別するサンプル第1状態データを、該
組に対応する1人のサンプルユーザの第1症状の状態に対応するカテゴリーを識別するサ
ンプル第1状態データに変換する、という前処理を実行する段階と、各組の教師データが
、該組に対応する1人のサンプルユーザの前記サンプル行動データと、該組に対応する1
人のサンプルユーザの前記サンプル第1状態データと、を含む、前記前処理後の前記第2
の複数組の教師データを、前記学習モデルに入力して前記推定モデルを生成する段階と、
を含む」ことができる。
第50の態様に係る方法は、上記第47の態様において「前記取得段階が、前記複数組
の教師データに含まれる第3の複数組の教師データを取得する段階を含み、該第3の複数
組の教師データに含まれる各組の教師データは、前記サンプル更年期状態データとして、
少なくとも、該組に対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態に対応するスコアを
識別するサンプル第2状態データを含み、さらに、前記生成段階が、取得された前記第3
の複数組の教師データに含まれる各組の教師データについて、該組に対応する1人のサン
プルユーザの第2症状の状態に対応するスコアを識別するサンプル第2状態データを、該
組に対応する1人のサンプルユーザの第2症状の状態に対応するカテゴリーを識別するサ
ンプル第2状態データに変換する、という前処理を実行する段階と、各組の教師データが
、該組に対応する1人のサンプルユーザの前記サンプル行動データと、該組に対応する1
人のサンプルユーザの前記サンプル第2状態データと、を含む、前記前処理後の前記第3
の複数組の教師データを、前記学習モデルに入力して前記推定モデルを生成する段階と、
を含む」ことができる。
第51の態様に係る方法にあっては、上記第47の態様から上記第50の態様において
「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、
及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む」ことができる。
【0237】
II.第2章
第1章において説明した技術と第2章において以下のとおり説明する技術とを組み合わ
せて利用することが可能である。
【0238】
例えば、第1章において説明した睡眠の状態を推定する推定モデルを、以下に説明する
技術において、睡眠状態予測モデル110bとして利用することが可能である。同様に、
第1章において説明した更年期症状の状態を推定する推定モデルを、以下に説明する技術
において、女性の健康予測モデル100aとして利用することが可能である。さらに同様
に、第1章において説明した、運動の状態を予測する推定モデル、免疫の状態を予測する
推定モデル、水分補給の状態を予測する推定モデル、及び、栄養の状態を予測する推定モ
デルを、以下に説明する技術において、それぞれ、生活習慣病予測モデル110c、免疫
状態予測モデル110e、水分状態予測モデル110d、及び、栄養状態予測モデル11
0fとして利用することが可能である。
【0239】
これに限らず、第1章において説明した技術に含まれる少なくとも1つの特徴(又は第
2章において説明する技術に含まれる少なくとも1つの特徴)を、第2章において説明す
る技術(又は第1章において説明した技術)において利用することも可能である。
【0240】
1 概要
図15乃至
図28は、実施形態を説明するための図である。以下、大きく、顧客の健康
状態(健康症状ともいう。)を予測する健康予測システムと、当該健康予測システムで利
用される、顧客の健康状態を予測するための予測モデルを生成する学習システムとに分け
て、順次、概要や機能構成、処理の流れ等を説明する。
【0241】
2 健康予測システム
2.1 健康予測システムの処理の概要
まず、
図15を参照しながら、実施形態にかかる健康予測システム1Zの大まかな処理
の概要を説明する。
図15は、実施形態に係る健康予測システム1Zを利用して、顧客の
健康予測を行うためのデータの流れを模式的に示すものである。
【0242】
健康予測システム1Zは、個人の健康状態を、当該個人の購買行動から推定するための
ものである。この健康予測システム1Zを用いれば、顧客個人の健康状態を、検診データ
などの本人の健康に関するデータなしに、顧客の購買行動である購買データに基づいて推
定することができる。推定された健康状態は、例えば顧客の健康改善に役立てられ得る。
【0243】
ここで、個人の購買行動から当該個人の健康状態を予測する統合健康予測プログラム1
00Zは、個人の購買行動から健康状態を予測する複数種類の学習済みの予測モデルを含
む。
図15の例では、統合健康予測プログラム100Zは6つの予測モデルが統合される
ことにより構成されているが、6つに限られるものではなく、5つ以下であっても、7つ
以上であってもよい。
【0244】
本実施形態にかかる統合健康予測プログラム100Zは、女性の健康を予測する女性の
健康予測モデル110a、睡眠状態を予測する睡眠状態予測モデル110b、生活習慣病
を予測する生活習慣病予測モデル110c、水分状態を予測する水分状態予測モデル11
0d、免疫状態を予測する免疫状態予測モデル110e、栄養状態を予測する栄養状態予
測モデル110fの6つの予測モデル(以下、総称して「予測モデル110Z」という。
)を含む。統合健康予測プログラム100Zに含まれる各予測モデルは、顧客の購買履歴
を示す購買データ150Zから、女性の健康状態(更年期症状に関するSMI等)/睡眠
状態/生活習慣病/水分状態(水分補給状況)/免疫状態/栄養状態を示す値(特定の疾
病に罹患している可能性及び/又は程度を示す値)を、顧客の健康予測値160Zとして
算出するものである。
図15の例では、6つの健康状態を示す値が%で示されている。疾
病の種類に応じて、男性のみ、女性のみ、又は、男性女性双方を対象とするようにしても
よい。これらの予測モデル110Zは、関数として記述され得る。商品の購買履歴と、健
康に関する各種状態とを含む教師データを用いた機械学習により構築される。予測モデル
の構築方法については後述する。
【0245】
より具体的には、統合健康予測プログラム100Zは、顧客の購買データ150Zを受
け取る。購買データ150Zは、健康を予測したい顧客の購買履歴に関するデータであり
、統合健康予測プログラム100Zに含まれる各予測モデル110Z構築時の教師データ
の説明変数に対応するデータである。統合健康予測プログラム100Zは、各予測モデル
110Zに購買データ150Zを並列的に入力し、顧客の健康予測値160Zを算出する
。なお、本実施形態では、購買データ150Zのみを予測モデル110Zへの入力として
いるが、例えば、顧客の性別や年齢などの顧客の属性情報も入力するようにしてもよい。
【0246】
また、統合健康予測プログラム100Zは、算出した健康予測値160Zに応じて、顧
客に健康改善等に関する各種提案を行うようにしてもよい。より具体的には、例えば、顧
客に健康予測値が高いカテゴリーを指摘し、顧客が気づいていない(潜在的な)症状、あ
るいは顕在化している症状が軽いうちに取り得る措置を提案することが考えられる。当該
提案方法については、
図18等を参照しながら後述する。
【0247】
2.2 統合健康予測プログラムの構成
以下、
図16を参照しながら、統合健康予測プログラム100Zの機能構成を説明する
。
図16は、統合健康予測プログラム100Zの機能構成を示す図である。統合健康予測
プログラム100Zは、入力部120Z、商品カテゴリー決定部125Z、予測モデル1
10Z、出力部130Z、提案部135Zを含む。なお、統合健康予測プログラム100
Zは、単一のプログラムとして実装されてもよいし、データの入出力により連携して動作
可能な複数のプログラムとして実装されてもよい。
【0248】
入力部120Zは、購買データ150Zの入力を受ける(取得する)。入力部120Z
は、統合健康予測プログラム100Zが実行される情報処理装置(コンピュータ)が内蔵
するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State D
rive)等の記憶媒体から購買データ150Zを読み込んでもよいし、あるいは、LA
N(Local Area Network)やインターネット等を介して接続される外
部の情報処理装置等から購買データ150Zの入力を受けてもよい。
【0249】
ここで、
図17を参照しながら、入力部120Zが入力を受ける購買データ150Zの
具体例を説明する。
図17は、購買データ150Zの具体例を示す図である。ここで、購
買データ150Zは、調査会社が提供する顧客の購買履歴を蓄積したパネルデータを採用
し得る。当該パネルデータは、商品が購入された際に、購入者である顧客により当該商品
がスキャンされることにより取得されるデータである。顧客が自身のスマートフォンや貸
与されたバーコードリーダを用いて商品をスキャンすると、当該商品と、あらかじめ設定
された顧客の属性(会社員/学生/主婦等)、購入先の情報等とが関連付けられて蓄積さ
れる。これにより、どのような人が、何を、どれだけ、どのような店舗で購入したかが把
握される。
【0250】
図17の購買データ150Zの例は、顧客が一定期間(例えば一年間)にわたって購入
した食品及び/又は日用品の購入履歴を示している。顧客が購入する各商品は、それぞれ
JICFS(JAN Item Code File Service)分類において商
品カテゴリーに分類される。換言すると、各商品カテゴリーには、少なくとも1つの商品
が属する。購買データ150Zには、顧客のIDごとに、顧客が購入した商品が属する商
品カテゴリーに関する、JICFS分類における大カテゴリー「食品」「日用品」に含ま
れる細カテゴリーの約500品目(例:清涼飲料水、洗口液等)の各項目150aと、期
間中の購入金額や購入数量、購入回数などの数値データである実績データ150bとが対
応付けて入力されている。
【0251】
なお、本実施形態では、購買データ150Zに含まれるのは食品及び/又は日用品の購
買履歴であるが、顧客の健康状態との関連が推定されるものであれば、これらに限られる
ものではない。例えば、例えば薬品などの他の商品や、マッサージ、鍼灸治療等の各種サ
ービス等の購買履歴を購買データ150Zに含むことも考えられる。また、購買データ1
50Zは、小売店が管理する決済情報によって特定することも考えられるし、例えばクレ
ジットカードの決済情報、金融機関への支払情報等を利用して特定することも考えられる
。
【0252】
商品カテゴリー決定部125Zは、入力部120Zから購買データ150Zを受け取る
と、各予測モデル110Zに入力する購買データ150Zから、各予測モデル110Zに
入力する分類コード(JICFS分類)及び商品カテゴリーを決定し、得られた分類コー
ド及び商品カテゴリーに関する購入金額、購入数量、及び購入回数などの数値データであ
る実績データ150b(これらの一部のみを用いてもよい)を、各予測モデル110Zに
並列的に入力する。
【0253】
なお、予測モデル110Zに入力する購買データ150Zの分類コード(商品カテゴリ
ー)は、各予測モデル110Z毎に決定することができる。予測モデル110Zの入力と
する商品カテゴリーの決定方法については、予測モデル110Zの作成に関する下記3.
4で後述する。
【0254】
なお、入力部120Zから入力された購買データ150Zを、特に商品カテゴリーで絞
ることなく、その実績データ15-bをそのまま予測モデル110Zに入力することも考
えられる。その場合には、商品カテゴリー決定部125Zは不要である。
【0255】
予測モデル110Zは、商品カテゴリー決定部125Zが選択した分類コード及び商品
カテゴリーに関する購入金額、購入数量、及び購入回数などの数値データである実績デー
タ150bの入力を受け、各々、女性の健康状態(更年期症状)、睡眠状態(睡眠の乱れ
)、生活習慣病(身体活動不足)、水分状態(水分不足度/水分補給状況)、免疫状態(
免疫低下度)、及び栄養状態(栄養不足度)の健康予測値を算出する。
図15の例では、
ユーザID001の顧客に対し、各々の予測モデル110Zが、更年期症状90%、睡眠
の乱れ21%、身体活動不足度40%、水分不足度76%、免疫低下度72%、栄養不足
度11%の値を算出している。
【0256】
予測モデル110Zは、先述のとおり、各顧客の購買履歴である購買データ150Zと
、それらの顧客の健康状態とを対応付けた教師データを用いて、前者を説明変数、後者を
目的変数として機械学習することにより構築することができる。予測モデル110Zの構
築方法については下記3で後述する。
【0257】
出力部130Zは、各予測モデル110Zが算出した値を、当該顧客に関する健康予測
値160Zとして、提案部135Zや、内蔵する記憶媒体や、ネットワーク等を介して接
続される他の情報処理装置等に出力する。あるいは、出力部130Zは、表示装置上に算
出した健康予測値160Zを表示させてもよい。
図15の例では、出力部140Zは、顧
客ID、更年期、睡眠の乱れ、等の値を順に行方向に並べて配列し、これを顧客データの
ID毎に繰り返すことで、複数の顧客に対する健康予測値160Zを出力している。なお
、健康予測値160Zは、顕在化している顧客の健康状態のみならず、将来的に起こるこ
とが予想され得る健康状態(潜在的な健康状態)をも含み得る。
【0258】
提案部135Zは、顧客毎に、予測した健康予測値160Zに応じた食品や用品、サー
ビス等を提案する。提案方法は種々考えられるが、例えば、小売店の店員が使用する各種
端末上に表示するようにしてもよいし、メッセンジャーサービス等により直接顧客に提案
内容を送付したり、ウェブページ上に顧客向けに表示したりこと等も考えられる。
【0259】
2.3 顧客への各種提案の具体例及び処理
以下、
図18乃至
図20を参照しながら、統合健康予測プログラム100Zが顧客に対
して行う各種提案について説明する。
【0260】
図18は、顧客の健康予測値160Zに応じて、提案部135Zが提案する食品/用品
/サービス等を模式的に示す図である。例えば、更年期症状が90%であると予測された
女性(顧客ID=001)には、提案部135Zは、ドラッグストア41Zで販売されて
いる更年期症状を改善する商品を提案する。また、栄養不足度が93%であると予測され
た男性(顧客ID=002)には、提案部135Zは、ドラッグストア41Zで販売され
ている高機能栄養食品を提案する。他の例として、更年期及び睡眠の乱れの予測値がそれ
ぞれ79%及び89%の女性(顧客ID=003)には、提案部135Zは、医療機関4
3Zの受診を提案する。また、提案部135Zは、身体活動不足度が相対的に高い顧客に
は、スポーツジム45Zに通うことを提案し、身体活動不足度が所定値よりも低い顧客に
は、保険会社47Zが提供する、生活習慣病に対応する医療保険商品を提案する。
【0261】
このように、統合健康予測プログラム100Zの提案部135Zは、購買データ150
Zから、複数の予測モデル110Zの各々から予測結果を得ることにより、その顧客に適
合した食品/用品/サービスを提案することができる。そのような提案を実現するには、
予測モデルの出力値である各健康症状と関連付けられた食品、用品、及び/又はサービス
のリストを予め用意しておけばよい。
【0262】
図19は、更年期症状に関する提案を実現するためのテーブル50Zと、参照するデー
タベース52Z、54Z及び56Zを示す。
【0263】
テーブル50Zには、更年期予測モデル(
図16における女性の健康予測モデル110
a)の出力範囲が40%未満のクラス50a、40%以上80%未満のクラス50b、及
び、80%以上のクラス50cの3つのクラスが設けられている。クラス50aでは、ド
ラッグストアの更年期症状を予防する商品データベース52Zが参照される。商品データ
ベース52Zには、商品カテゴリーP1の商品X1、X2、商品カテゴリーP2の商品X
3が記述されている。提案部135Zは、商品データベース52Zを参照して、このうち
の一部又は全部のカテゴリー及び/又は商品名を、該当する顧客に提案することができる
。予測モデルの出力値がクラス50bに該当する場合、提案部135Zは、更年期症状を
改善するための商品データベース54Zを参照して、商品カテゴリーQ1の商品Y1、Y
2を提案する。予測モデルの出力値が50cに該当する場合、提案部135Zは、現在地
及び/又はあらかじめ登録された顧客の居住地の情報を用いて更年期外来医療機関データ
ベース56Zを参照し、医療機関を提案する。これはすなわち、顧客の健康予測結果に応
じた、予防診療及び/又は治療を行う医療機関の顧客への紹介に相当する。
【0264】
他の例を、
図20を参照しながら説明する。
図20は、生活習慣病予測モデル110c
の出力値に応じた提案を実現するためのテーブル60Zを示す。
【0265】
テーブル60Zには、生活習慣病予測モデル110cの出力値、換言すると、身体活動
の不足度の範囲が20%未満のクラス60a、20%以上80%未満のクラス60b、及
び、80%以上のクラス60cの3つのクラスが設けられている。クラス60aでは、身
体活動は充実していると考えられ、継続して身体活動を行わせるため、栄養指導(1)や
、E1スポーツジムの月会費プランが提案される。栄養指導(1)は、例えば毎食当たり
、10グラム未満の脂質、30グラム以上の蛋白質の栄養成分を取るための食事の提案で
ある。クラス60bでは、身体活動は不足していないと考えられ、栄養指導(2)や定期
的に身体活動を行わせるため、E2フィットネスクラブの都度会費プランが提案される。
栄養指導(2)は、例えば毎食当たり、20グラム未満の脂質、20グラム以上のたんぱ
く質の栄養成分を摂るための食事の提案である。クラス60cでは、身体活動は不足して
おり、将来的に生活習慣病に罹患する可能性があることを踏まえ、栄養指導(3)やE3
生命保険会社が提案する医療保険商品が提案される。栄養指導(3)は、例えば毎食当た
り、20グラム未満の脂質、20グラム以上の蛋白質、及び20グラム未満の糖質の栄養
成分を摂るための食事の提案である。栄養指導、スポーツジム、フィットネスクラブ及び
保険商品の提案は、商品又はサービス提供の範疇である。生活習慣病予測モデル110c
の出力値に関しても、提案部135Zは、テーブル60Zを参照することにより、出力値
に応じた提案を顧客に行うことができる。
【0266】
図19及び
図20の例の他、睡眠状態、免疫状態、水分状態、栄養状態の各々について
も、同様のテーブル、さらに必要に応じたデータベースを設けることで、提案部135Z
は顧客ごとに、各予測モデル110Zの出力値である健康予測値160Zに応じた顧客へ
の提案を行うことができる。
【0267】
なお、統合健康予測プログラム100Z自体が、提案部135Zを必ずしも内包する必
要はない。例えば、統合健康予測プログラム100Zの出力部130Zが、統合健康予測
プログラム100Zを運用する事業者とは別の事業者に対し、顧客の許可のもとで健康予
測値160Zを送信し、当該別の事業者のプログラムが、提案部135Zにかかるプログ
ラムを実装して顧客に対し、上記のような提案を行うことも考えられる。例えば、統合健
康予測プログラム100Zが、予測モデル110Zの出力値である健康予測値160Zを
保険会社に送信することで、その保険会社が顧客に保険商品を提案してもよい。
【0268】
2.4 処理の流れ
以下、
図21を参照しながら、統合健康予測プログラム100Zの処理の流れを説明す
る。
図21は、統合健康予測プログラム100Zによって実行される、顧客の健康予測処
理の手順を示すフローチャートである。
【0269】
統合健康予測プログラム100Zの入力部120Zは、健康状態の予測を行いたい顧客
の購入履歴を示す購買データ150Zを取得する(S701)。入力部120Zは、例え
ば、小売店での商品購入時に、その顧客の会員証をPOS(Point of Sale
)システムから読み取ることによって、その顧客と購入履歴とを紐づけたデータベースが
構築される。顧客の承諾のもと、そのようなデータベースから購買データ150Zを抽出
することにより、入力部120Zは統合健康予測プログラム100Zに購買データ150
Zを入力することができる。先述のとおり、そのような購買データ150Zは、例えば、
JICFS分類及び商品カテゴリーを含む。
【0270】
商品カテゴリー決定部125Zは、購買データ150Zのうち、各予測モデル110Z
の入力とするJICFS分類(分類コード)及び商品カテゴリーを決定する(S703)
。なお、先述のとおり、予測モデル110Zが予測に用いる商品カテゴリーを特に絞らず
、購買データ150Z全体を用いる場合には、S703の処理は不要である。
【0271】
次に、各予測モデル110Zは、商品カテゴリー決定部125Zが決定した分類コード
及び商品カテゴリーの購買データ150Zを用いて、健康状態を予測する(S705)。
出力部130Zは、予測モデル110Zが予測した健康状態を示す健康予測値160Zを
出力し、提案部135Zは、当該健康予測値160Zに基づく提案を顧客に提供する(S
707)。具体的には、レシートへの印字やディスプレイへの表示、スマートフォンへの
通知等の形で健康予測値160Z又は提案部135Zによる顧客への健康改善の提案をお
こなうこと考えられる。
【0272】
2.5 ハードウェア構成
図22を参照しながら、統合健康予測プログラム100Zが実行される情報処理装置8
00Zのハードウェア構成の具体例を説明する。
図22は、統合健康予測プログラム10
0Zが実行される情報処理装置800Zのハードウェア構成図である。情報処理装置80
0Zは、統合健康予測プログラム100Zを利用して、顧客の更年期症状や睡眠状態等に
関する予測結果を算出する。情報処理装置800Zは、一般に入手可能なコンピュータシ
ステム、例えばデスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型
PC、タブレットPC、サーバコンピュータ等でありうる。当該コンピュータシステムは
、健康予測システム1Zを運用する事業者の事業所に設置されてもよいし、クラウドサー
ビスとして提供されてもよい。後者の場合、事業所にはクラウドサービスと相互に通信可
能なPC等が設けられればよい。
【0273】
情報処理装置800Zは、制御部810Zと、入力インタフェース(I/F)部820
Zと、記憶装置830Zと、出力I/F部840Zとを備える。
【0274】
制御部810Zは、CPU(Central Processing Unit。図示
せず)、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Rando
m Access Memory)等を含み得る。制御部810Zは、記憶装置830Z
に記憶される統合健康予測プログラム100Zを実行可能である。これにより、情報処理
装置800Zは、一般的なコンピュータとしての機能に加え、上述した健康予測に係る各
種処理を実行可能である。なお、制御部810Zに含まれる演算回路はCPUでなくとも
よく、MPUやGPU等の種々のプロセッサで実現されてもよく、また、1つのプロセッ
サでなく、複数のプロセッサにより実現されてもよい。
【0275】
入力I/F部820Zは、健康状態を予測したい顧客にかかる購買データ150Zを受
け取る。先述のとおり、入力I/F部820Zは、例えばインターネットやLAN等のネ
ットワークを介して接続される外部のサーバ等の情報処理装置から購買データ150Zを
受信することが可能である。入力I/F部820Zは、例えばイーサネット(登録商標)
の通信端子、USB(登録商標)端子、IEEE802.11、4G、又は5G等の規格
に準拠して通信をおこなう通信回路により実現することができる。
【0276】
記憶装置830Zは、情報処理装置800Zを動作させるために必要なコンピュータプ
ログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。記憶装置830Zは、例えばHDD又は
半導体記憶装置であるSSDであり得る。記憶装置830Zは、例えばDRAM又はSR
AM等のRAMにより構成される一時的な記憶素子を備えてもよく、制御部810Zの作
業領域として機能してもよい。記憶装置830Zは、統合健康予測プログラム100Zや
、
図19のテーブル50Zや
図20のテーブル60Zとして具体例を示した提案用テーブ
ル831Zを格納する。
【0277】
なお、予測モデル110Zは、統合健康予測プログラム100Zの一部として組み込ま
れてもよいし、統合健康予測プログラム100Zとは別のデータとして設けられてもよい
。また、予測モデル110Zは、テーブルやパラメータ群として記憶装置830Zに格納
されてもよい。
【0278】
また、提案用テーブル831Zは、健康状態の程度を示す予測結果、例えばH層/M層
/L層や、90%/50%/20%と、各程度に応じて提案すべき商品・サービスを対応
付けたものとすることができる。
【0279】
出力I/F部840Zは、情報処理装置800Zの外部に設けられた種々の出力装置と
接続される通信回路及び/又は通信端子である。例えば出力I/F部840Zは、レシー
トプリンタPに印字すべき内容を示す印字データを出力するUSB端子であり得る。統合
健康予測プログラム100Zは、顧客の健康状態に関する予測結果を算出し、その結果、
もしくは結果に応じた顧客への提案をレシートプリンタPへ送信してレシートに印刷させ
ることができる。
【0280】
出力I/F部840Zは、ディスプレイDと接続される映像出力端子であってもよい。
統合健康予測プログラム100Zは、顧客の健康状態に関する予測結果を算出し、その結
果、もしくは結果に応じた顧客への提案をディスプレイDに表示させる。ディスプレイD
に表示された内容を、例えば薬剤師が確認することで、当該薬剤師は顧客の症状に応じた
1又は複数の商品を提案することができる。
【0281】
別の形態として、出力I/F部840Zは、通信ネットワークN等と接続されてデータ
通信することが可能な通信端子又は通信回路であってもよい。出力I/F部840Zが通
信端子又は通信回路である場合には、入力I/F部820Z及び出力I/F部840Zの
ハードウェアは同一であってもよい。出力I/F部840Zは、例えば携帯電話回線を介
して、顧客の健康状態に関する予測結果、もしくは結果に応じた顧客への提案を、顧客の
スマートフォンMに送信することができる。
【0282】
3 予測モデル110Zを学習する学習システム9
3.1 概要
続いて、統合健康予測プログラム100Zに含まれる予測モデル110Zを機械学習に
より生成する方法を、
図23を参照しながら説明する。ここでは、モデル学習プログラム
900Zが予測モデル110Zを生成するものとして説明する。なお、モデル学習プログ
ラム900Zは、単一のプログラムとして実装されてもよいし、データの入出力により連
携して動作可能な複数のプログラムとして実装されてもよい。
【0283】
なお、
図15に例を示した統合健康予測プログラム100Zは、6種類の予測モデル1
10Zを含んでいるが、これらの予測モデルは、用いる教師データ950Zのうちの健康
データ954Zの違いのみで、同様に生成することができる。以下では、女性の健康にか
かる更年期予測モデル110aを生成する場合を中心に説明する。
【0284】
3.2 教師データ950Z
モデル学習プログラム900Zは、多数の被験者から収集された種々のデータを含む教
師データ950Zを利用して機械学習を行い、予測モデル110Zを構築する。教師デー
タ950Zは、被験者の各々の購買行動に関する購買データ952Zと、それらの被験者
の健康に関するデータである健康データ954Zとを含む。
【0285】
購買データ952Zは、
図17を参照して具体例を示したものと同様の情報に関するも
のである。すなわち、本実施形態においては、被験者のID毎に、JICFS分類におけ
るカテゴリーに係る項目150aと、期間中の購入金額や購入数量、購入回数などの数値
データである実績データ150bとを購買データ952Zに含むことができる。なお、食
品及び/又は飲料は被験者や顧客の健康状態等を関連付ける商品として好適であることか
ら、購買データ952Zには、食品及び/又は飲料の購入履歴を含むことが好ましい。
【0286】
健康データ954Zは、被験者の健康状態を記述するものである。この健康状態とは、
自覚症状に関する状態であってもよいし、測定した結果認められる状態であってもよい。
すなわち、健康意識、メンタルヘルス、認知機能、健康診断結果のうちの少なくともいず
れかを健康データ954Zに用いることが可能である。本実施形態における健康データ9
54Zでは、被験者の健康状態として、被験者の状態セグメント毎の判定値を記述する。
状態セグメントでは、健康状態の種類及びレベル(換言すれば大きさ)の組合せ毎に定義
される。本実施形態でいう健康状態の種類及びレベルは、対応する個人が有する心身の不
調の種類及びレベルである。判定値は、健康状態を示す指数を、2クラスや3クラス等で
表すことができる。なお、ここでいう「健康状態の種類及びレベル」は、医学的な厳密さ
を伴うものではなく、個人が有する健康の悩みの種類及びレベルと理解することも可能で
ある。
【0287】
ここで、例として、モデル学習プログラム900Zが更年期予測モデル110aを生成
する場合であって、更年期のレベルを判定するために、簡略更年期指数SMIの症状を利
用する場合を考える。この場合、健康データ954Zには、被験者が属する簡略更年期指
数SMIの症状を示すラベルを健康データ954Zに含むことができる。例えば、簡略更
年期指数SMIを2クラスとして表現することが可能である。具体的には、更年期症状が
相対的に大きいことを示す「H」と、「H以外」か、である。「H以外」については、相
対的に症状が中程度である「M」と、相対的に小さいことを示す「L」に細分化する(す
なわち、症状を計3クラスとして表現する)ことも可能である。以下では、「H」に該当
する被験者層を「H層」と呼ぶ。
【0288】
なお、健康データ954Zにおける症状の程度を示すラベル付けにおいて、2クラスや
3クラスではなく、さらに細分化して4クラス以上としてもよいし、あるいは、これらの
クラスに代えて、更年期症状に該当する可能性を示す数値を使用することも考えられる。
【0289】
すなわち、教師データ950Zは、各被験者の各商品カテゴリーに関する情報と、所定
期間中の購入金額や購入数量、購入回数などにかかる情報とを含む購買データ952Zと
、健康状態を示すラベルの情報を少なくとも含む健康データ954Zとが紐づけられたも
のである。ここで、モデル学習プログラム900Zが、例えば、女性の健康状態(更年期
症状)、睡眠状態(睡眠の乱れ)、生活習慣病(身体活動不足)、水分状態(水分不足度
)、免疫状態(免疫低下度)、及び栄養状態(栄養不足度)の6つの予測モデル110Z
を生成するのであれば、これらの予測モデル110Zにそれぞれ対応する情報を、健康デ
ータ954Zに含ませるようにすればよい。教師有り学習における機械学習において、教
師データ950Zは、大きく説明変数と目的変数とに分類される。本実施形態においては
、購買データ952Zが説明変数、健康データ954Zが目的変数に相当する。なお、本
実施形態では、説明変数は購買データ952Zのみを用いているが、これに限られるもの
ではない。例えば、被験者の属性である、性別や年齢を説明変数に追加することが考えら
れる。
【0290】
以下、モデル学習プログラム900Zは、適切な健康データ954Zを用意すれば、睡
眠状態、生活習慣病、免疫状態、水分状態、栄養状態、認知症、酸素利用、血管の健康、
頭髪の健康、腸内環境、運動効果の促進、食欲増進、目の健康、肌の健康、口腔衛生、心
の健康、うつ、ストレス、頭痛、肩こり、耳の健康、関節の健康、体温恒常性、疲労、骨
の健康、男性の更年期障害、高血圧、天気痛等、種々の症状等に関する予測モデル110
Zを生成することが可能である。以下では、特に、女性の健康状態(更年期症状)、睡眠
状態(睡眠の乱れ)、生活習慣病(身体活動不足)、水分状態(水分不足度)、免疫状態
(免疫低下度)、及び栄養状態(栄養不足度)を示す指標として利用可能な指数を例示す
る。
【0291】
3.2.1 女性の健康状態(更年期症状)
更年期症状の度合いを示す指標としては、例えば、上述のとおり、簡略更年期指数SM
Iを用いることができる。簡略更年期指数SMIは、列挙された種々の症状の程度に応じ
た該当項目を各被験者に事前にしておいてもらい、その結果を点数化することにより取得
される。簡略更年期指数SMIは日本人の更年期女性特有の症状を反映した指標であると
されている。そのため、国や地域等に応じて、更年期症状に関する他の指標、例えば、更
年期障害評価尺度(the Menopause Rating Scale)、クッパ
ーマン更年期指数(The Kupperman index)、更年期障害評価尺度(
Green Climacteric Scale)、PSST(The premen
strual symptomsscreening tool)、MRS(Menop
ause rating Scale)、WHQ(The Women’s Healt
h Questionnaire)、VAS(Visual analogue sca
le)、HFRDI(Hot Flash Related Daily Interf
erence Scale)、HFCS(Hot Flash Composite S
core)、及びMENQOL(Menopause-Specific Qualit
y of life)、日本人女性の更年期症状評価表のいずれか1つ以上を適宜利用す
ることも考えられる。
【0292】
なお女性の健康状態については、更年期症状の他、月経前症候群(PMS、PMDD)
症状も考えられる。すなわち、月経前症候群を予測するためには、月経前症候群の症状の
程度を示す指標を目的変数、購買データ952を説明変数として機械学習することにより
健康予測モデル110Zを構築すればよい。
【0293】
また、健康データ954Zには、これらの指標の数値データを含ませてもよいし、これ
らの指標の数値から、症状の程度を示すラベルのみを含ませてもよい。この点については
、以降の、睡眠状態、生活習慣病等の指標についても同様である。
【0294】
3.2.2 睡眠状態(睡眠の乱れ)
睡眠を示す指標としては、睡眠状態の悪化及び/又は睡眠リズム、不適切な睡眠時間の
いずれかを示す指標であることが考えられる。アンケート等によって取得された各対照の
自覚症状であってもよいし、各対照を測定した結果認められる測定値であってもよい。睡
眠状態には、アテネ睡眠評価尺度(AIS)、ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsbu
rgh Sleep Quality Index:PSQI)、3次元型睡眠尺度(3
Dimentional Sleep Scale:3DSS)、不眠症重症度質問票
(Insomnia Severity Index:ISI)の少なくともいずれかを
用いることができる。症状の程度は、それぞれの項目の単体及び複合的に解析され、生活
者の健康状態をカテゴリーに割り付け分類される。睡眠リズムはミュンヘンクロノタイプ
質問票(Munich ChronoType Questionnaire:μMCT
Q)を用い、平日と休日のそれぞれの睡眠中央時間を求め、その差からソーシャルジェッ
トラグ(Social Jet Lag:SJL)を算出することで把握することができ
る。
【0295】
3.2.3 生活習慣病(身体活動不足)
運動状態を示す指標としては、運動不足、肥満、一定期間における体重の変化から選択
される1つ以上程度を含み得る。より具体的には、各被験者の体重、BMI(Body
Mass Index)、歩数及び/又はメタボリックシンドローム診断基準値のいずれ
か1つ以上を用いることが考えられる。メタボリックシンドローム診断基準値は、ウエス
ト周囲径、高グリセリド血症及び/又は低HDLコレステロール血症の診断のために定め
られた閾値、血圧の最大値及び/又は最小値、及び、空腹時高血糖の診断のために定めら
れた閾値のいずれか1以上である。
【0296】
なお、生活習慣病や運動状態にかかる予測モデルを生成する機械学習の際に、購買デー
タ952Zに加え、被験者の喫煙の有無や座位行動の1つ以上の情報を説明変数に含めて
機械学習を行ってもよい。
【0297】
3.2.4 水分状態(水分不足度)
水分状態を示す指標としては、血清Na値、BUN/クレアチニン比、及び、或いは尿
浸透圧、尿比重、尿カラー、脱水評価スケール、水分不足に伴う自覚症状であることが考
えられる。これら情報は、先の更年期症状の例と同様の方法によって取得され得る。例え
ば複数の対照の各々が一定期間、例えば一年間、経験した体の変化を健康診断や人間ドッ
クで得られる臨床検査値や別に実施される健康アンケートによって得られる。一方、水分
低下に伴う自覚症状は、アンケート等によって取得され得る。症状の程度は、血清Na値
、尿浸透圧、尿比重、BUN/クレアチニン比、飲水量、身体活動量、尿カラーの少なく
とも1つ以上から把握され得る。
【0298】
これらの指標に基づき、悪化した健康状態を経験している、あるいは今後経験する可能
性がある状態を疫学情報から文献的に見出すことが可能である。例えば、血清Na値が1
42mEq/Lを超える生活者は血清Na値が142mEq/L未満の生活者よりも認知
障害や高血圧の発症リスクが高いことが見出されており、健康リスクが高いと評価するこ
とが可能である。
【0299】
なお、水分状態に係る予測モデルを生成する機械学習の際に、購買データ952Zに加
え、被験者の飲水量、飲酒量、身体活動量、尿カラー、尿浸透圧、尿比重、血清Na値、BU
N/クレアチニン比、の1つ以上の情報を説明変数に含めて機械学習を行ってもよい。
【0300】
3.2.5 免疫状態(免疫低下度)
免疫状態を示す指標としては、例えば、風邪の引きやすさ及び/又はその頻度、風邪様
症状を用いることが可能である。この風邪の引きやすさや頻度は、アンケート等によって
取得された各対照の自覚症状であってもよいし、医療機関の受診履歴から取得されてもよ
い。症状の程度は3段階以上のカテゴリーで集計され、症状の程度は、風邪の引きやすさ
、SIgA濃度、アレルギー症状、口腔環境・免疫力の状態、運動の状態、ストレスの状
態、重度の睡眠症状、中程度の睡眠症状、軽度の睡眠症状、風邪様症状であり得る。
【0301】
3.2.6 栄養状態(栄養不足度)
栄養状態を表す指標は、アンケート等によって取得された各対照の自覚症状であっても
よいし、各対照を測定した結果認められる測定値であってもよい。症状の程度は、栄養低
下に伴う自覚症状の有無、食品摂取の多様性得点(DVS)、食欲尺度短縮版(SNAQ
:Simplified nutritional appetite questio
nnaire)、BMI(Body Mass Index)の少なくともいずれかであ
り得る。
【0302】
3.3 機械学習の方法
本実施形態にかかるモデル学習プログラム900Zは、機械学習の手法として、ロジス
ティック回帰を用いる。しかしながら、ロジスティック回帰は一例であり、他の手法、例
えば、例えばランダムフォレスト、決定木、勾配ブースティング、サポートベクトル回帰
、線形回帰、部分的最小二乗(Partial Least Squares:PLS)
回帰、ガウス過程回帰、ニューラルネットワーク等を採用することも考えられる。また、
ロジスティック回帰を用いる際にも、L1正規化法を用いることにより精度をより向上さ
せてもよいし、L1正規化法に代えてL2正規化法を用いたロジスティック回帰(リッジ
回帰)を採用してもよい。L1正規化法及びL2正規化法を両方採用したエラスティック
ネットを利用することもできる。
【0303】
ロジスティック回帰は、入力を受けて、それがある事象に該当する確率(あるいは該当
しない確率)を算出することにより、入力がある事象に該当するか否かを判定する手法で
ある。ロジスティック回帰のモデルは、一例として、ロジット関数と呼ばれる下記式(1
)のように説明される。式(1)において、左辺は自然対数である。また、iはi番目の
対象者を、pは目的変数の事象が発生する確率を、b1、b2…bnは偏回帰係数を、b
0は定数項を、x1、x2…xnは説明変数を、それぞれ示す。
【0304】
【0305】
式(1)の右辺をzとすると、式(1)は、確率pを表す式(2)に変形することがで
きる。
【0306】
【数2】
式(2)はシグモイド関数と呼ばれ、ロジスティック回帰モデルにおける活性化関数で
ある。zの定義における偏回帰係数b
1、b
2…b
nは重みと呼ばれ、b
0はバイアス項
である。zをシグモイド関数に入力すると、0~1の値、すなわち確率値が算出される。
【0307】
ここで、式(2)で求めたシグモイド関数を「φ(z)」と置き、その出力値に応じて
2値のいずれかを示す出力yに分類する。式(3)は、φ(z)が0.5以上であれば1
のクラスに分類し、0.5未満であれば0のクラスに分類することを意味する。なお、0
.5は例であり、0.5以外の値を閾値としてもよい。換言すると、式(3)は、式(2
)のzが0以上であれば1のクラスに分類し、式(2)のzが0未満であれば0のクラス
に分類することを意味する。
【数3】
【0308】
次に、ロジスティック回帰において学習に利用される「尤度」を導入する。尤度は、結
果から見たところの条件の尤もらしさを意味する。尤度を表す尤度関数Lは以下の式(4
)により表される。なお、Pは確率値を表す。
【数4】
【0309】
尤度関数Lは、全ての事象について正しく判定する確率を示している。尤度を最大化す
る重みを求めることにより、予測したい事象の確率を、より正確に出力できる。具体的に
は、尤度関数Lに(-1)を乗じて尤度関数の政府を逆転させる。この正負が逆転した尤
度関数が、ロジスティック回帰における誤差関数である。誤差関数が最小値となる重み、
すなわち偏回帰係数b1、b2…bnを求めるため、誤差関数をb1、b2…bnのそれ
ぞれについて偏微分氏、勾配降下法を適用する。これにより、ロジスティック回帰の学習
が行われる。
【0310】
なお、尤度関数として、式(4)の自然対数を用いた対数尤度関数を利用してもよい。
対数尤度関数に(-1)を乗じて正負を逆転させた関数を最小化していくことにより最適
な重みを見出すことができる。
【0311】
上述のロジスティック回帰に関する演算アルゴリズムは周知であり、そのようなアルゴ
リズムにより機械学習を行うためのソフトウェアアプリケーションは容易に入手可能であ
る。原理的には上述のとおりであるが、入手可能なソフトウェアを用いれば、数式を用い
た具体的な解析手法の詳細を知らない者であっても、本実施形態に係るロジスティック回
帰を利用した機械学習を実現することは可能である。
【0312】
3.4 健康予測に用いる商品カテゴリーの決定方法
教師データ950Zに含まれる購買データ952Zにおける、各商品やサービスカテゴ
リーに関する購入金額、購入数量、購入回数などの数値データが、上述した式(1)の等
における説明変数xに対応する。
【0313】
先述のとおり、本実施形態における教師データ950Zに含まれる健康データ954Z
は、更年期症状や睡眠の乱れ等の各症状について、H層に分類されるか、L層に割り当て
られるかを示す「H」や「L」(もしくは「H」「M」「L」)のラベルが各被験者に対
して割り当てられる。上記式(3)において、H層である場合に「1」を出力し、H層以
外の場合に「0」を出力するように分類させることで、尤度関数を求めることができる。
説明変数xを構成する要素は、上述の購買データ952Zに限られるものではない。例え
ば、年齢層を示すデータや性別を示すデータを説明変数に含むことも考えられる。
【0314】
多数の被験者にかかる教師データ950Zを用いて機械学習をおこない、予測モデルを
構築することにより、H層の顧客が購入することの多い商品群(カテゴリー)を判別する
ことができる。
【0315】
図24は、更年期症状に関するH層及びH層以外の層の被験者の多くが選択した(購入
することの多い)商品カテゴリーを示している。
図24の上部には、H層の被験者の多く
が選択した商品カテゴリー、下部にはH層以外の被験者も選択した商品カテゴリーが示さ
れている。
【0316】
また、
図25は、更年期症状に関するH層の被験者による購入品目から見出された更年
期症状と、健康課題との関係を示している。
図25最右欄の数値は、更年期症状を有する
女性による選択のされやすさを示す程度(偏差値)を示している。この数値は、「お金を
かけてでも対処したい事項症状別偏差値-女性の健康・美容ライフスタイル理解に関する
リサーチプロジェクト報告書-行動観察調査結果」からの引用である。
【0317】
これらの結果から、更年期症状に関するH層の被験者は、特定の商品を積極的に選択(
購入)していることがわかる。H層の被験者は、肌や体内の乾燥、不定愁訴に対応する商
品を購入している。
【0318】
図26は、H層に属する更年期症状を有する女性向けの商品群(商品カテゴリー)の例
を示している。このように、H層の被験者が、H層以外の層の被験者と比較して頻繁に購
入する商品カテゴリーを決定することができるので、そのような商品の購入(数量、金額
、回数)の多い被験者は、更年期症状におけるH層に属する可能性が高いと推定すること
ができる。なお、同様に、H層に属さない被験者が、H層の被験者と比較して頻繁に購入
する商品カテゴリーを決定することもできるので、そのような商品カテゴリーの購入の多
い被験者は、更年期症状におけるH層に属さない可能性が高いと推定することができる。
【0319】
よって、本実施形態におけるモデル学習プログラム900Zは、購買データ952Zの
うち、H層に属する、あるいはH層に属さないとの推定に貢献し得る商品カテゴリーのデ
ータを用いて、予測モデル110Zを構築することで、精度よくH層に属する顧客を推定
できるようにしている。
【0320】
3.5 モデル学習プログラム900Zの構成
以下、
図23を参照しながら、モデル学習プログラム900Zの機能構成を説明する。
図23は、モデル学習プログラム900Zの機能構成を示す図である。モデル学習プログ
ラム900Zは、入力部910Z、商品カテゴリー決定部912Z、学習部914Z、及
び出力部916Zを有する。なお、モデル学習プログラム900Zは、単一のプログラム
として実現されてもよいし、協働する複数のプログラムとして実現されてもよい。
【0321】
入力部910Zは、教師データ950Zの入力を受ける。入力部910Zは、モデル学
習プログラム900Zが実行される情報処理装置(コンピュータ)が内蔵するHDDやS
SD等の記憶媒体から教師データ950Zを読み込んでもよいし、あるいは、LANやイ
ンターネットなどのネットワークを介して接続される外部の情報処理装置等から教師デー
タ950Zの入力を受けてもよい。
【0322】
商品カテゴリー決定部912Zは、学習対象の予測モデル110Zの機械学習に用いる
購買データ952Zの商品カテゴリーを選択する。商品カテゴリーの選択方法は、上記3
.4に記載したため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、複数の症状にそれぞれ対応
する複数の予測モデル110Zを生成する場合、商品カテゴリー決定部912Zは、それ
ぞれの予測モデル110Zに対して、異なる商品カテゴリーを選択することができる。
【0323】
なお、先述のとおり、予測モデル110Zの機械学習の際に、商品カテゴリーを絞らず
に購買データ952Z全体を用いて予測モデル110Zを作成することも考えられる。そ
の場合には、商品カテゴリー決定部912Zは不要である。
【0324】
学習部914Zは、商品カテゴリー決定部912Zで決定した商品カテゴリーの購買デ
ータ952Zを用いて機械学習を行い、予測モデル110Zを生成する。予測モデル11
0Zの生成方法については、上記3.3に記載したため、ここでは詳細な説明を省略する
。
【0325】
出力部916Zは、学習部914Zが生成した予測モデル110Zを、内蔵する記憶媒
体やネットワーク等を介して接続される他の情報処理装置(例えば、
図22を参照しなが
ら説明した情報処理装置800Z)等に出力する。なお、出力方法としては、予測モデル
110Zを構成する関数そのものとして出力することも考えられるし、あるいは予測モデ
ル110Zを構成する関数のパラメータとして出力することも考えられる。
【0326】
3.6 処理の流れ
以下、
図27を参照しながら、モデル学習プログラム900Zの処理の流れを説明する
。
図27は、モデル学習プログラム900Zによって実行される、予測モデル110Z作
成にかかる手順を示すフローチャートである。
【0327】
モデル学習プログラム900Zの入力部910Zは、学習に用いる多数の被験者にかか
る教師データ950Zを取得する(S1301)。教師データ950Zには、被験者の購
買履歴を示す購買データ952Zと、健康状態(症状の程度)を示す健康データ954Z
とを含む。先述のとおり、購買データ952Zには、例えばJICFS分類(分類コード
)及び商品カテゴリー、並びに、それらに対応する購入回数、購入金額、購入数量等の数
値データを含むことができる。
【0328】
次に、商品カテゴリー決定部912Zは予測モデル110Zの生成に用いるJICFS
分類及び商品カテゴリーを決定する(S1303)。決定方法については上記3.4で説
明したとおりであるが、健康データ954Zとして得られる健康状態の推定への影響の大
きいJICFS分類及び商品カテゴリーを商品カテゴリー決定部912Zは選択すればよ
い。なお、商品カテゴリーを特に絞らずに購買データ952Z全体を使って予測モデル1
10Zを作成する際には、S1303の処理は不要である。
【0329】
学習部914Zは、購買データ952Zを説明変数とし、健康データ954Zを目的関
数として、機械学習を行う(S1305)。機械学習の方法については、上記3.3に具
体例を示して説明したため、ここでは説明を省略する。
【0330】
出力部916Zは、S1305において学習部914Zが生成した予測モデル110Z
を、内蔵する記憶媒体や、ネットワークを介して接続される他の情報処理装置等へ出力す
る。なお、予測モデル110Zは、予測モデル110Zを構成する関数そのものとして出
力しても、パラメータ等の形で出力してもよいことについては、前述のとおりである。
【0331】
3.7 ハードウェア構成
図28を参照しながら、モデル学習プログラム900Zが実行される情報処理装置14
00Zのハードウェア構成の具体例を説明する。
図28は、モデル学習プログラム900
Zが実行される情報処理装置1400Zのハードウェア構成図である。情報処理装置14
00Zは、モデル学習プログラム900Zを利用して、顧客の更年期症状や睡眠状態等に
関する予測を行う予測モデル110Zを生成する。
【0332】
情報処理装置1400Zは、一般に入手可能なコンピュータシステムとして実現可能な
点、健康予測システム1Zを運用する事業者の事業所に設置されてもクラウドサービスと
して提供されてもよい点等については、上述の情報処理装置800Zと同様である。なお
、本実施形態では、健康予測を行う情報処理装置800Zと、予測モデル110Zを生成
する情報処理装置1400Zは別の装置である場合を中心に説明するが、両者は同一の装
置として実現されてもよい。
【0333】
情報処理装置1400Zは、制御部1410Zと、通信I/F部1420Zと、記憶装
置1430Zとを備えている。
【0334】
制御部1410Zは、CPU、ROM、RAM等を含み得る。制御部1410Zは、記
憶装置1430Zに記憶されるモデル学習プログラム900Zを実行可能である。これに
より、情報処理装置1400Zは、一般的なコンピュータとしての機能に加え、上述した
予測モデル110Zの構築に係る各種処理を実行可能である。なお、制御部1410Zに
含まれる演算回路はCPUでなくともよく、MPUやGPU等の種々のプロセッサで実現
されてもよい。また、1つのプロセッサでなく、複数のプロセッサにより実現されてもよ
い。
【0335】
通信I/F部1420Zは、入力I/F部820Zは、例えばイーサネット(登録商標
)の通信端子、USB(登録商標)端子、IEEE802.11、4G、又は5G等の規
格に準拠して通信をおこなう通信回路により実現することができる。通信I/F部142
0Zは、イントラネット、インターネットなどの通信ネットワークに接続可能であり、学
習システム9を運用する事業者が用意した教師データ950Zを受信する。また、情報処
理装置1400Zは、通信I/F部1420Zを介して他の機器と直接通信してもよく、
アクセスポイント等を介して通信してもよい。
【0336】
記憶装置1430Zは、情報処理装置1400Zを動作させるために必要なコンピュー
タプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。記憶装置1430Zは、例えばHD
DやSSDであり得る。記憶装置1430Zは、例えばDRAMやSRAM等のRAMに
より構成される一時的な記憶素子を備えてもよく、制御部1410Zの作業領域として機
能してもよい。記憶装置1430Zは、モデル学習プログラム900Zや、モデル学習プ
ログラム900Zが生成する予測モデル110Z(予測モデル110Zを定義するテーブ
ル及び/又はパラメータ群を含む)を格納する。
【0337】
4 本実施形態の効果
本実施形態にかかる健康予測システム1Zでは、統合健康予測プログラム100Zにお
いて、顧客の購買データ150Zから、その顧客の複数の健康リスクを予測することが可
能である。そして、個々の予測結果を踏まえて、顧客ごとにきめ細かく、現在又は将来の
健康状態を改善し、及び/又は維持するための提案を行うことができる。
【0338】
5 付記
なお、上述の実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたり
してもよい。また、本発明の構成は上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【0339】
例えば、上述の実施形態では、統合健康予測プログラム100Zは6種類の健康予測モ
デルを含むこととしたが、6種類を含むことは一例に過ぎない。2種類以上、6種類未満
でもよいし、7種以上の健康予測を含むようにしてもよい。一般的に記載すると、統合健
康予測プログラム100Zは、第1種~第N種(Nは2以上の整数)の各健康症状に関す
る予測モデル110Zを含み得る。そして、k番目の第k種(1≦k≦N)の健康症状に
関する健康予測モデル110Zは、少なくとも1つの商品が属する商品カテゴリーに関す
る購買データ150Zを入力とし、第k種の健康症状の程度を出力とする予測モデルとし
て構築されればよい。この第k種(1≦k≦N)の健康症状に関する健康予測モデル11
0Zは、複数の被験者の各々の購買履歴に係る購買データ952Zを説明変数とし、それ
らの被験者の各々から収集された健康状態の程度を表す健康データ954Zを目的変数と
して機械学習することにより構築され得る。
【0340】
また、健康症状の程度を数値によって表した際の、クラスを定義する数値範囲の上限及
び下限の数値は一例であり、適宜変更し得る。定義されるクラスの数も当業者が任意に決
定し得る。
【0341】
本開示の利益を有する当業者により容易に理解されるように、上述した様々な例は、矛
盾の生じさせない限りにおいて、相互に様々なパターンで適切に組み合わせて用いられ得
る。
【0342】
本明細書に開示された発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すれば、
例示された様々な実施形態は好ましい様々な例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明の技
術的範囲をこれらの好ましい様々な例に限定すると考えるべきではない、と理解されたい
。実際には、特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲は、添付した特許請求の範囲により
定められる。したがって、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属するすべて
について、本発明者らの発明として、特許の付与を請求する。
【符号の説明】
【0343】
1 通信システム
2 通信網(通信回線)
10、10A、10B サーバ装置
20、20A、20B 端末装置
11、21 中央処理装置(CPU)
【手続補正書】
【提出日】2024-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取得し、
教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データを入力することにより、前記対象ユーザの、栄養の状態を識別する対象状態データであって、該対象ユーザの栄養不足度、該対象ユーザの栄養低下に伴う自覚症状の有無を識別するデータ、該対象ユーザの食品摂取の多様性を識別するデータ、及び、該対象ユーザの食欲を識別するデータ、のうちの少なくとも1つを含む対象状態データを、前記推定モデルから出力させる、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記栄養不足度が、栄養状態を示す値である、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの、栄養の状態を識別するサンプル状態データと、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力することにより生成された前記推定モデルを、取得する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの、栄養の状態を識別するサンプル状態データと、を含む、複数組の教師データを、学習モデルに入力することにより生成された前記推定モデルに対して、通信回線を介して接続される、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの、栄養の状態を識別するサンプル状態データと、を含む、複数組の教師データを取得し、
該複数組の教師データを学習モデルに入力して学習させることにより、前記推定モデルを生成する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
複数の商品及び/又は複数のサービスのうち、前記対象状態データに対応する少なくとも1つの対象商品及び/又は少なくとも1つの対象サービスを決定する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項5のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
教師あり学習を実行することにより生成された別の推定モデルに前記対象状態データを入力することにより、該別の推定モデルから、前記少なくとも1つの対象商品及び/又は前記少なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを出力させる、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
対象状態データと前記複数の商品及び/又は前記複数のサービスとを対応付けた検索テーブルに前記対象状態データを入力することにより、該検索テーブルから前記少なくとも1つの対象商品及び/又は前記少なくとも1つの対象サービスを識別する提案データを取得する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項1から請求項8のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサを具備し、
該少なくとも1つのプロセッサが、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取得し、
教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データを入力することにより、前記対象ユーザの、栄養の状態を識別する対象状態データであって、該対象ユーザの栄養不足度、該対象ユーザの栄養低下に伴う自覚症状の有無を識別するデータ、該対象ユーザの食品摂取の多様性を識別するデータ、及び、該対象ユーザの食欲を識別するデータ、のうちの少なくとも1つを含む対象状態データを、前記推定モデルから出力させる、
ように構成される、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
端末装置又はサーバ装置である、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項10又は請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、
該少なくとも1つのプロセッサが、前記命令を実行することにより、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを取得する段階と、
教師あり学習を実行することにより生成された推定モデルに前記対象行動データを入力することにより、前記対象ユーザの、栄養の状態を識別する対象状態データであって、該対象ユーザの栄養不足度、該対象ユーザの栄養低下に伴う自覚症状の有無を識別するデータ、該対象ユーザの食品摂取の多様性を識別するデータ、及び、該対象ユーザの食欲を識別するデータ、のうちの少なくとも1つを含む対象状態データを、前記推定モデルから出力させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、
該少なくとも1つのプロセッサが、前記命令を実行することにより、
各組の教師データが、該組に対応する1人のサンプルユーザにより実行された行動の履歴を識別するサンプル行動データと、該組に対応する1人のサンプルユーザの栄養の状態を識別するサンプル状態データと、を含む、複数組の教師データを取得する取得段階と、
該複数組の教師データを学習モデルに入力して学習させることにより、
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを入力して、前記対象ユーザの、栄養の状態を識別する対象状態データであって、該対象ユーザの栄養不足度、該対象ユーザの栄養低下に伴う自覚症状の有無を識別するデータ、該対象ユーザの食品摂取の多様性を識別するデータ、及び、該対象ユーザの食欲を識別するデータ、のうちの少なくとも1つを含む対象状態データを、出力するように構成された推定モデル、
を生成する生成段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
対象ユーザにより実行された行動の履歴を識別する対象行動データを前記推定モデルに入力することにより、該推定モデルから前記対象ユーザの、栄養の状態を識別する対象状態データを出力する推定段階、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項14又は請求項16に記載の方法。