(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014769
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】プリントヘッドの洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20240125BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240125BHJP
B29C 64/35 20170101ALI20240125BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20240125BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240125BHJP
【FI】
B41J2/165 201
B41J2/01 501
B41J2/01 401
B29C64/35
B29C64/209
B33Y30/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023110368
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】22186215.4
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596032878
【氏名又は名称】イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】ビター,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト,ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ニードリヒ,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
2C056
4F213
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EC08
2C056EC28
2C056FA04
2C056FB01
2C056JB12
2C056KB16
4F213AB16
4F213AB17
4F213AR11
4F213AR12
4F213AR20
4F213WA25
4F213WA67
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL67
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プリントヘッド内の堆積物を効率的に除去する。
【解決手段】この発明は、顆粒状の固形物を含んだ液体をプリントヘッドに供給するステップ(S101)と;プリントヘッド内で液体を振動させるステップ(S102)を有してなる、三次元プリンタのプリントヘッド内の堆積物を除去する方法に関する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒状の固形物(105)を含んだ液体(103)をプリントヘッド(101)に供給するステップ(S101)と、
プリントヘッド(101)内で液体(103)を振動させるステップ(S102)、
を有してなる三次元プリンタ(100)のプリントヘッド(101)内の堆積物(131)を除去する方法。
【請求項2】
顆粒状の固形物(105)が二酸化ジルコニウム粒子および/または二酸化ケイ素粒子を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
顆粒状の固形物(105)中の粒子が最大でプリントヘッド(101)内の射出ノズル(107)の直径の半分の大きさを有する請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
顆粒状の固形物(105)が印刷液中に含有される請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
プリントヘッド(101)内で液体(103)に振動が加えられる間プリントヘッド(101)の射出ノズル(107)が閉鎖される請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
プリントヘッド(101)を閉鎖装置(109)の前に移動させることによって射出ノズルが閉鎖される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
プリントヘッド(101)内の圧電素子(111)によって、超音波と連動させることによって、および/またはピストンポンプを使用して液体(103)を振動させる請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
液体(103)をプリントヘッド(101)内におけるその液体の固有周波数をもって振動させる請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
100Hzないし150kHzの周波数で液体(103)を振動させる請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
予め設定された時間間隔にわたって液体を振動させる請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
顆粒状の固形物(105)を含んだ液体(103)をプリントヘッド(101)に供給する供給装置(113)と、
プリントヘッド(101)内で液体(103)を振動させる振動発生装置(115)、
を有してなるプリントヘッド(101)を備えた三次元プリンタ(100)。
【請求項12】
プリントヘッド(101)内で液体(103)に振動が加えられる間射出ノズル(107)を閉鎖するための閉鎖装置(109)を三次元プリンタ(100)が備える請求項11に記載の三次元プリンタ(100)。
【請求項13】
閉鎖装置(109)が閉鎖プレートによって形成される請求項11または12に記載の三次元プリンタ(100)。
【請求項14】
プリントヘッド(101)内で液体(103)を振動させるために、プリントヘッド内の圧電素子(111)、超音波と連動させるための連動手段、および/またはピストンポンプを三次元プリンタ(100)が備える請求項11ないし13のいずれかに記載の三次元プリンタ(100)。
【請求項15】
予め設定された時点および/または予め設定された持続時間で振動発生装置(115)を付勢するためのタイマー装置(117)を三次元プリンタ(100)が備える請求項11ないし14のいずれかに記載の三次元プリンタ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリントヘッド内の堆積物を除去する方法ならびにプリントヘッドを有する三次元プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルによってインクを押し出す際に頻繁に堆積物が発生し、プリントヘッド内の詰まりが生じる。現状においてその堆積物は、特殊な洗浄剤を使用し、インクあるいは洗浄剤による洗浄によって、あるいはノズルからインクを強力に射出することによって除去される。洗浄剤を使用する洗浄に際して、全ての流体システムが洗浄剤によって充填される。従って、洗浄剤を投入するためにプリントヘッドが流体システムから切り離される。しかしながら、洗浄剤では強度の詰まりを解消することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の目的は、プリントヘッド内の堆積物を効率的に除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題は、独立請求項の対象によって解決される。技術的に好適な実施形態が、従属請求項、発明の詳細な説明、および添付図面の対象である。
【0005】
第1の態様によれば、顆粒状の固形物を含んだ液体をプリントヘッドに供給するステップと;プリントヘッド内で液体を振動させるステップを有してなる、三次元プリンタのプリントヘッド内の堆積物を除去する方法によって上記の技術的な課題が解決される。振動に曝される顆粒状の固形物が振動粉砕効果(トロウェル効果)を生成し、それによってプリントヘッド内の堆積物を除去することができる。その作用によって、プリントヘッドの流体システム内の全ての堆積物および詰まりを解消することができる。固形物がそれの動作によって側壁に対する磨き効果を生成するため、液体流路内およびノズル上の堆積物を解消および除去することができる。従来は除去することができなかった汚染および堆積物を効率的かつ低コストに除去することができる。それによってより高い品質で印刷するとともに、個々のノズルの故障を防止することが可能になる。
【0006】
この方法の技術的に好適な実施形態によれば、顆粒状の固形物が二酸化ジルコニウム粒子および/または二酸化ケイ素粒子を含む。液体は、20%超の固形物成分を含有することができる。それによって例えば、堆積物を効率的に除去し得るという技術的な利点が達成される。
【0007】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、顆粒状の固形物中の粒子が最大でプリントヘッド内の射出ノズルの直径の半分の大きさを有する。それによって例えば、良好な洗浄効果が得られるという技術的な利点が達成される。
【0008】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、顆粒状の固形物が印刷液中に含有される。それによって例えば、顆粒状の固形物の個別の供給あるいは洗浄液の供給を省略し得るという技術的な利点が達成される。その場合、印刷液が同時に洗浄剤となる。
【0009】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、プリントヘッド内で液体に振動が加えられる間プリントヘッドの射出ノズルが閉鎖される。それによって例えば、洗浄効果が改善されるとともに液体の流出が防止されるという技術的な利点が達成される。
【0010】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、プリントヘッドを閉鎖装置の前に移動させることによって射出ノズルが閉鎖される。それによって例えば、簡便な方式でプリントヘッドを閉鎖し得るという技術的な利点が達成される。
【0011】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、プリントヘッド内の圧電素子によって、超音波と連動させることによって、および/またはピストンポンプを使用して液体を振動させる。超音波との連動は、外部の超音波発生装置を流体システムに連結することによって達成することができる。それによって例えば、簡便な手段で液体を振動させることができるという技術的な利点が達成される。
【0012】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、液体をプリントヘッド内におけるその液体の固有周波数をもって振動させる。液体の固有周波数は、プリントヘッドの有効な容積から生じる。それによって例えば、大きな振幅および小さなエネルギー消費で液体に振動を加えることができるという技術的な利点が達成される。
【0013】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、100Hzないし150kHzの周波数で液体を振動させる。それによって例えば、上記の周波数領域において極めて良好な洗浄効果を実現し得るという技術的な利点が達成される。
【0014】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、予め設定された時間間隔にわたって液体を振動させる。それによって例えば、連続的な洗浄が実行されるという技術的な利点が達成される。洗浄は、例えばスタンバイ状態中に実行することができる。それによって、次回の使用時に洗浄済みの状態でプリントヘッドが提供されることを保証することができる。従って、2つの印刷作業の間の時間をプリントヘッドの保守のために利用することができる。
【0015】
第2の態様によれば、顆粒状の固形物を含んだ液体をプリントヘッドに供給する供給装置と;プリントヘッド内で液体を振動させる振動発生装置を有してなる、プリントヘッドを備えた三次元プリンタによって技術的な課題が解決される。この三次元プリンタにより、上述した第1の態様に係る方法と同様な技術的な利点が達成される。
【0016】
この三次元プリンタの技術的に好適な実施形態によれば、プリントヘッド内で液体に振動が加えられる間射出ノズルを閉鎖するための閉鎖装置を三次元プリンタが備える。それによっても例えば、洗浄効果が改善されるとともに液体の流出が防止されるという技術的な利点が達成される。従って、任意の持続時間で振動粉砕を実行することも可能になる。
【0017】
この三次元プリンタの技術的に好適な別の実施形態によれば、閉鎖装置が閉鎖プレートによって形成される。それによって例えば、簡便かつ高い密封性をもってプリントヘッドを閉鎖することができるという技術的な利点が達成される。
【0018】
この三次元プリンタの技術的に好適な別の実施形態によれば、プリントヘッド内で液体を振動させるために、プリントヘッド内の圧電素子、超音波と連動させるための連動手段、および/またはピストンポンプを三次元プリンタが備える。それによって例えば、簡便な手段で液体を振動させることができるという技術的な利点が達成される。
【0019】
この三次元プリンタの技術的に好適な別の実施形態によれば、予め設定された時点および/または予め設定された持続時間で振動発生装置を付勢するためのタイマー装置を三次元プリンタが備える。それによって例えば、時間制御されたプリントヘッドの洗浄を実行することができるという技術的な利点が達成される。
【0020】
次に、本発明の実施例につき、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】プリントヘッドを備えた三次元プリンタの概略構成図である。
【
図4】洗浄前および後の射出ノズルを示した説明図である。
【
図5】多数の射出ノズルを有するプリントヘッドのノズルプレートを示した説明図である。
【
図6】プリントヘッド内の堆積物を除去する方法のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、プリントヘッド101を備えた三次元プリンタ100の概要が示されている。三次元プリンタ100は、付加製造プロセスにおいて自由噴流材料積層を実行する。その場合に、印刷液の小さな液滴の形式の原料が選択的に積層される。ポリジェットあるいはマルチジェット造形において、線形に配置された複数のノズルを有するプリントヘッド101によって造形物が製造される。
【0023】
三次元プリンタ100は、例えば構築プラットフォーム119上に歯科補綴物121を層方式で形成するために印刷液を使用する。そのため、印刷液からなる材料が印刷噴流123を使用して射出ノズルから点状に塗付される。プリントヘッド101はX方向、Y方向、およびZ方向に移動可能であり、従って印刷噴流123が構築プラットフォーム119のいずれの位置にも到達可能である。印刷液は供給装置113を使用してプリントヘッド101に供給される。
【0024】
しかしながら、その場合にインク残渣、異物、あるいは沈殿物の形態の堆積物がプリントヘッド101に発生し得るという問題が生じる。その堆積物がプリントヘッド101の内部の流体システムの内面に付着し、時間の経過に従ってそれが詰まりの原因となり、射出ノズルおよびプリントヘッド101の機能に影響を及ぼす。
【0025】
図2には、プリントヘッド101の概要が示されている。プリントヘッド101は少なくとも1個の射出ノズル107を備え、その射出ノズルから印刷噴流123が射出される。そのことは、プリントヘッド101の1個あるいは複数個の圧電素子111を使用して生成される印刷液中の圧力変化を通じて実行される。
【0026】
プリントヘッド101は循環型プリントヘッドであり、それにおいて供給流路125を介して印刷液が供給される。印刷液は、プリントヘッド101の内部で射出ノズル107を介して誘導され、部分的に液滴137の形態で射出される。印刷液の射出されない分は、プリントヘッド101の内部をさらに誘導されて還流路127を介して排出される。供給流路125と還流路127の内部には、印刷液の粗目の汚染物がその後も通流することを防止するフィルタ129が存在する。一般的に、三次元プリンタ100のプリントヘッド101はその他の構成を有することもできる。
【0027】
時間の経過に従って、供給流路125および還流路127、あるいは射出ノズル107の側壁に汚染物あるいは固形物粒子の形態の堆積物131が形成される可能性がある。その堆積物131を再び側壁から除去するために、プリントヘッド101内で顆粒状の固形物を含有する印刷液に機械的な振動を発生させる。顆粒状の固形物105は、例えば微小な二酸化ジルコニウム粒子あるいは二酸化ケイ素粒子を含む。それらの粒子は、例えば最大で射出ノズル107の半分の大きさを有する。一般的に、顆粒状の固形物105の粒子は1nmないし100μmの大きさを有することができる。
【0028】
その場合、顆粒状の固形物105によって射出ノズル107を洗浄することもできる。洗浄効果は、外側でノズルプレートと、内側で射出ノズル107、フィルタ129、および供給流路125あるいは還流路127に到達する。一般的に、プリントヘッド101の流体システム全体を液体によって洗浄することができる。
【0029】
振動する固形物粒子によって、研磨性の顆粒状の固形物105を利用する振動粉砕効果(トロウェル効果)が達成され、それによってプリントヘッド101内の堆積物131を再び除去することができる。堆積物131は、振動研磨あるいは流体研磨によって除去される。その作用によって、プリントヘッド101の流体システム内の全ての堆積物131あるいは詰まりを解消することができる。固形物粒子がそれの動作によって側壁上で研磨効果を生成するため、管路システム内の堆積物を解消および除去することができる。
【0030】
顆粒状の固形物105の動作あるいは振動は多様な方式で生成することができ、例えばプリントヘッド101内の圧電素子111の励磁によって、超音波との連動によって、あるいはピストンポンプを使用して生成することができる。そのため、予め設定された時点および/または予め設定された持続時間で振動発生装置を付勢するためのタイマー装置117を三次元プリンタ100が備えることができる。振動発生装置115の付勢は、例えば5分を超える時間間隔で連続的に実行することができる。
【0031】
閉鎖プレート、粘着テープ、あるいはゴム部材の形式の閉鎖装置109を使用して射出ノズル107を閉鎖することによって、プリントヘッド101内における最大の振動を液体に発生させることができる。例えば、プリントヘッド101をゴム板に対して押圧することができ、それによって全ての射出ノズル107を先端側で閉鎖して印刷液が流出し得ないようにすることができる。その後プリントヘッド101の圧電素子111を振動発生装置115として使用し、ある程度長時間継続して最大出力で励起する。その間に、液体103内に注入された顆粒状の固形物105の研磨効果が発生する。
【0032】
振動は、例えば5ないし10分の間隔で発生させる。その後30ないし60分間の静止時間を設定することができる。洗浄にかかる時間は振動動作の強度(振幅)に依存する。振動動作の振幅が大きいほど、洗浄のために必要な時間が短くなる。
【0033】
印刷液に顆粒状の固形物105を混合し、それによって堆積物131を防止することも可能である。その種の印刷液を使用した印刷作業が研磨効果を発生させ、従って堆積物131が発生し得ないようになる。
【0034】
従ってこの方法によれば、例えばジルコンスラリを使用し、印刷液中に存在する二酸化ジルコニウムを長時間動作させて研磨効果が生成されるようにすることにより、その二酸化ジルコニウムをプリントヘッド101の洗浄のために使用することができる。そのことは、特別な洗浄液は必要でなくなり、プリントヘッド101の流体システムの洗浄を簡便に実行し得るという技術的な利点を有する。その場合、手間をかけて印刷液を専用の洗浄液に交換することが必要でなくなる。
【0035】
図3には、インクあるいはスラリとも呼ばれるスラッジ135内の振動粉砕効果の概要が示されている。振動の付加中に、顆粒状の固形物105に対して垂直力F
Nと接線力F
Tが作用する。垂直力F
Nによって顆粒状の固形物105が側壁139に押圧される。その場所で顆粒状の固形物が接線力F
Tによって堆積物131を分離する。
【0036】
液体103の振動をシステムの共振周波数で発生させる場合、顆粒状の固形物105の最大振幅が達成される。その場合、プリントヘッド101内において大きな振幅と少ないエネルギー消費で液体103を振動させることができる。それによって堆積物131を効果的に除去することができる。一般的に、洗浄効果は動作の周波数と強度に相関する。
【0037】
図4には、洗浄前および後の射出ノズル107の状態が示されている。左側に、洗浄前の堆積物131を有する射出ノズル107が示されている。右側には、洗浄後の射出ノズル107が示されている。
【0038】
図5には、多数の射出ノズル107を備えたプリントヘッド101のノズルプレート133が示されている。左側に、洗浄前において約50%の射出ノズル107が使用不能になっている状態が示されている。右側には、洗浄後に全ての射出ノズル107が機能することが示されている。
【0039】
図6には、プリントヘッド101内の堆積物131を除去する方法のブロック線図が示されている。ステップS101において、顆粒状の固形物105を含んだ液体103がプリントヘッド101に供給される。ステップS102において、プリントヘッド101内の液体103に機械的な振動が加えられる。この方法によって、簡便な方式でプリントヘッド101の全ての射出ノズル107の機能を維持することができる。それによって、新品のプリントヘッドと同様な品質の印刷が可能になる。加えて、通常通りのプリントヘッドの劣化も防止される。
【0040】
この方法によって欠陥の無い印刷が可能になり、その場合に全ての射出ノズル107が機能可能であることが保証される。プリントヘッドの劣化による損失を防止することができる。既存の印刷液を洗浄に使用できるため、プリントヘッド101の洗浄が単純になり、時間が節約される。洗浄のためにプリントヘッドを交換する必要はない。プリントヘッド内の流体システムの内壁ならびに管路システムの側壁が、振動粉砕効果によって(トロウェルの作用のように)追加的に平滑化および研磨される。この方法によれば、従来発生していた劣化による印刷品質低下を防止することができる。
【0041】
この方法によれば、化学的な処理を使用せずに強固な付着物を除去するとともにプリントヘッドの信頼性を向上させることができ、従って全ての射出ノズルの無障害の機能が保証される。この方法によって、通流システムあるいは循環システム全体から堆積物を排除することもできる。
【0042】
本発明の個々の実施形態に関連して説明および図示した全ての特徴を、多様な組み合わせで本発明の対象とすることができ、それによって同時に有効な利点が達成される。
【0043】
全ての方法ステップは、各方法ステップを実行するために適した装置を使用して実行することができる。対象である特徴によって実行される全ての機能は、この方法における方法ステップとすることができる。
【0044】
本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義され、説明中に記述されたあるいは図示された特徴によって限定されるものではない。
【符号の説明】
【0045】
100 三次元プリンタ
101 プリントヘッド
103 液体
105 固形物
107 射出ノズル
109 閉鎖装置
111 圧電素子
113 供給装置
115 振動発生装置
117 タイマー装置
119 構築プラットフォーム
121 歯科補綴物
123 印刷噴流
125 供給流路
127 還流路
129 フィルタ
131 堆積物
133 ノズルプレート
135 スラッジ
137 液滴
139 側壁
【外国語明細書】