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特開2024-147699三環系ヤヌスキナーゼ1阻害剤ならびにその組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147699
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】三環系ヤヌスキナーゼ1阻害剤ならびにその組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/14 20060101AFI20241008BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C07D471/14 102
C07D471/14 CSP
A61P29/00
A61P37/02
A61P11/06
A61P37/08
A61P19/02
A61P1/00
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/14
A61P9/00
A61P17/00
A61P37/06
A61P7/06
A61K9/20
A61K9/48
A61P21/02
A61P17/14
A61P17/06
A61P43/00 111
A61K31/437
A61P35/00
A61P27/02
【審査請求】有
【請求項の数】46
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024113808
(22)【出願日】2024-07-17
(62)【分割の表示】P 2021525022の分割
【原出願日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】62/754,029
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】521193533
【氏名又は名称】リンク・ファーマシューティカルズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LYNK PHARMACEUTICALS CO. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジャオクイ
(72)【発明者】
【氏名】バスケス,マイケル ローレンス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安全で有効なヤヌスキナーゼ1阻害剤であり、様々な疾患および障害(例えば、炎症性疾患、免疫介在性疾患、または癌)の治療に有用な化合物を提供する。
【解決手段】トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン部分構造を有する特定の化合物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I):
【化1】
(I)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体。
【請求項2】
が、Hであり、構造式(II):
【化2】
(II)
で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが、1であり、構造式(III):
【化3】
(III)
で示される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、Hであり、構造式(IV):
【化4】
(IV)
で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRの両方が、Hである、請求項1~4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が、メチルであり、Rが、Hである、請求項1~4のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
nが、1である、請求項1、2、および4~6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、Hである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、Hであり、Rが、Hであり、nが、1であり、構造式(V):
【化5】
(V)
で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が、Hであり、構造式(VI):
【化6】
(VI)
で示される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が、
【化7】
[式中、各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であるが;但し、少なくとも1つのmは、0ではない]
を含む、請求項1~10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
1つ以下のRが、非存在である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
各mが、独立して、1、2または3である、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
各mが、1である、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
各mが、2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
が、
【化8】
[式中、Rは、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではない]
を含む、請求項11~15のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
が、Rである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
が、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、n-プロピルまたはイソプロピルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
が、NRである、請求項16に記載の化合物。
【請求項22】
およびRのうちの1つが、Hである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
およびRが、NRにおけるNと一緒になって、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよい3~5員ヘテロ環基を形成する、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
前記ヘテロ環基が、4員ヘテロ環基である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
各Rが、CHである、請求項16~24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
構造式(VII):
【化9】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく;
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であるが;但し、少なくとも1つのmは、0ではなく、
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体。
【請求項27】
1つ以下のRが、非存在である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
各mが、独立して、1、2または3である、請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
各mが、1である、請求項26に記載の化合物。
【請求項30】
各mが、2である、請求項26に記載の化合物。
【請求項31】
が、Hである、請求項26~30のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
が、Hである、請求項26~32のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
が、メチルである、請求項26~32のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
nが、1である、請求項26~33のいずれかに記載の化合物。.
【請求項35】
が、Hであり、nが、1であり、構造式(VIII):
【化10】
(VIII)
で示される、請求項31または34に記載の化合物。
【請求項36】
が、メチルであり、Rが、Hである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
およびRの両方とも、Hであり、構造式(IX):
【化11】
(IX)
で示される、請求項35に記載の化合物。
【請求項38】
各Rが、CHであり、構造式(X):
【化12】
(X)
で示される、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
が、Rである、請求項26~38のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】
が、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
が、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである、請求項39に記載の化合物。
【請求項42】
が、n-プロピルまたはイソプロピルである、請求項39に記載の化合物。
【請求項43】
が、NRである、請求項26~38のいずれかに記載の化合物。
【請求項44】
およびRのうちの1つが、Hである、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
およびRが、NRにおけるNと一緒になって、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよい3~5員ヘテロ環基を形成する、請求項43に記載の化合物。
【請求項46】
前記ヘテロ環基が、4員ヘテロ環基である、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
各Rが、(CHである、請求項37に記載の化合物。
【請求項48】
表1から選択される、請求項1~47のいずれかに記載の化合物。
【請求項49】
表1Aから選択される、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
水素の代わりに1つまたはそれ以上の重水素原子を有する、請求項1~49のいずれかに記載の化合物。
【請求項51】
重水素原子で置換された1つの水素を有する、請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
ヒトを含む哺乳類における1つまたはそれ以上の疾患または障害の治療または軽減に有効である請求項1~51のいずれかに記載の化合物および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項53】
構造式(I):
【化13】
(I)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項54】
構造式(VII):
【化14】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく;
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項55】
経口投与に適する、請求項52~54のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項56】
炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上の治療または軽減に有効である、請求項52~55のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項57】
1つまたはそれ以上の自己免疫疾患、または関連する疾患もしくは障害の治療または軽減に有効である、請求項56に記載の医薬組成物。
【請求項58】
前記疾患または障害が、喘息、アレルギー、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎)、若年性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌疾患(例えば、1型糖尿病およびグレーブス病)、神経変性疾患(例えば、多発性硬化症(MS))、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、ギランバレー症候群、重症筋無力症、慢性突発性脱髄性疾患(CID)、血管性疾患(例えば、自己免疫性難聴、全身性血管炎、およびアテローム性動脈硬化症)、皮膚疾患(例えば、尋常性ざ瘡、皮膚筋炎、天疱瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス、強皮症、乾癬、尋常性乾癬、血管炎、白斑、および脱毛症)、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、天疱瘡、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、移植片対宿主病(GVDH)、またはこれらの関連疾患または障害から選択される、請求項56に記載の医薬組成物。
【請求項59】
請求項52~58のいずれかに記載の医薬組成物を含む、単位製剤。
【請求項60】
錠剤またはカプセル剤である、請求項59に記載の単位製剤。
【請求項61】
疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、ヒトを含む哺乳類における炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つの治療または軽減に有効である、構造式(I):
【化15】
(I)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とする、方法。
【請求項62】
疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、ヒトを含む哺乳類における炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上の治療または軽減に有効である、構造式(VII):
【化16】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく;
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体、および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とする方法。
【請求項63】
疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、請求項1~51のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とし、前記疾患または障害が、炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上である、方法。
【請求項64】
前記疾患または障害が、喘息、アレルギー、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎)、若年性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌疾患(例えば、1型糖尿病およびグレーブス病)、神経変性疾患(例えば、多発性硬化症(MS))、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、ギランバレー症候群、重症筋無力症、および慢性突発性脱髄性疾患(CID)、血管性疾患(例えば、自己免疫性難聴、全身性血管炎、およびアテローム性動脈硬化症)、皮膚疾患(例えば、尋常性ざ瘡、皮膚筋炎、天疱瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス、強皮症、乾癬、尋常性乾癬、血管炎、白斑、および脱毛症)、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、天疱瘡、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、移植片対宿主病(GVDH)、あるいはこれらの関連疾患または障害から選択される、請求項61~63のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
前記疾患または障害が、炎症性疾患である、請求項61~64のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
前記疾患または障害が、自己免疫疾患である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記疾患または障害が、免疫介在性疾患である、請求項61~64のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記疾患または障害が、癌である、請求項61~64のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記疾患または障害が、関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、DES、白斑、円形脱毛症、完全脱毛症のうちの1つまたはそれ以上である、請求項61~64のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
疾患または障害の治療剤の製造における、請求項1~51のいずれかに記載の化合物、および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用。
【請求項71】
前記疾患または障害が、炎症性疾患、免疫介在性疾患、および癌のうちの1つまたはそれ以上である、請求項70に記載の使用。
【請求項72】
前記疾患または障害が、自己免疫疾患である、請求項71に記載の使用。
【請求項73】
前記疾患または障害が、喘息、アレルギー、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎)、若年性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、およびクローン病)、内分泌疾患(例えば、1型糖尿病およびグレーブス病)、神経変性疾患(例えば、多発性硬化症(MS))、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、ギランバレー症候群、重症筋無力症、慢性突発性脱髄性疾患(CID)、血管性疾患(例えば、自己免疫性難聴、全身性血管炎、およびアテローム性動脈硬化症)、皮膚疾患(例えば、尋常性ざ瘡、皮膚筋炎、天疱瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス、強皮症、乾癬、尋常性乾癬、血管炎、白斑、および脱毛症)、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、天疱瘡、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、移植片対宿主病(GVDH)、またはこれらの関連疾患または障害から選択される、請求項71に記載の使用。
【請求項74】
前記疾患または障害が、関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、DES、白斑、円形脱毛症、完全脱毛症のうちの1つまたはそれ以上である、請求項70~73のいずれかに記載の使用。
【請求項75】
前記治療剤が、経口投与用である、請求項70~74のいずれかに記載の使用。
【請求項76】
前記治療剤が、局所投与用である、請求項70~74のいずれかに記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張と関連する特許出願
本出願は、参照により全体が本明細書に取り込まれる2018年11月1日に提出の米国仮出願番号第62/754,029号の優先権の利益を請求する。
【0002】
本発明の技術分野
本発明は、一般に、新規の化合物およびそれらの治療用途のための方法に関する。より具体的には、本発明は、安全かつ有効なヤヌスキナーゼ1阻害剤である新規クラスの治療薬に関する。本発明はまた、これらの化合物の医薬組成物ならびにこれらの製造方法および様々な疾患および障害(例えば、炎症性疾患、免疫介在性疾患または癌)の治療における使用に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景技術
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、ヤヌスキナーゼ-シグナル伝達性転写因子(JAK-STAT)経路を介してサイトカイン介在シグナルを伝達する細胞内の非受容体チロシンキナーゼの1つのファミリーである。ヒトJAKファミリー酵素には4つのファミリー、すなわち、JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2が存在する。前記ファミリーは、2つの隣接するキナーゼドメインであるJH1およびJH2の存在によって定義され、そのうちのJH1は、経路活性化におけるリン酸化を行い、一方、JH2は、JH1機能を調節する(Thomas, et al., 2015 British Journal of Cancer 113, 365-371.)。
【0004】
これらの細胞質チロシンキナーゼは、共通のガンマ鎖受容体などの膜サイトカイン受容体および糖タンパク質130(gp130)膜貫通型タンパク質に結合する(Murray, et sl. 2007 Immunol. 178(5):2623-2629.)。約40種類のサイトカイン受容体は、これらの4つのJAKおよびそれらの7つの下流物質(STATファミリーメンバー)の組み合わせを介して伝達する(Ghoreschi et al. 2009 Immunol Rev. 228(l):273-287.)。
【0005】
JAK-STATシグナル伝達経路は、細胞外部から細胞核への化学シグナルのコミュニケーションにより転写による遺伝子の活性化を生じることを介して多くの基本的な生体プロセス、例えば、アポトーシスおよび炎症において主な役割を担っている。JAK-STAT経路の異常は、多くの疾患、例えば、癌および免疫系に影響を与える疾患を生じうる。
【0006】
JAK1およびJAK3は、共通のガンマ鎖サイトカイン受容体複合体の構成成分であり、いずれかの遮断は、炎症サイトカイン(インターロイキン(IL)-2、4、7、9、15、および21)によるシグナル伝達を阻害する(Ghoreschi et al. 2009 Immunol Rev. 228(l):273-287.)。対照的に、他の病理学的に関連するサイトカイン(例えば、IL-6)は、JAK1に独自に依存し(Guschin et al., EMBO J. 14(7): 1421- 1429, 1995)、関節リウマチにおける臨床的な効果がIL-6をIL-6受容体中和抗体であるトシリズマブを用いて遮断することによって示されている(Maini et al. 2006 Arthritis Rheum. 54(9):28 17-2829.)。
【0007】
以前の研究により、JAK1は、免疫系の発生、機能およびホメオスタシスに必要であり、JAK1欠損は出産前に致死であることが示されている(Schindler, et al. 2007 J. Biol Chem. 282(28):20059-20063.)。マウスにおけるJAK2欠損はまた、肺発生時に欠失することにより致死であり、JAK2胚は、着床後12日目と13日目との間で死亡する(Neubauer et al. 1998 Cell 93(3):397-409.)。JAK3欠損は、ヒトで報告されており、発育障害、重症および再発性感染症、鵞口瘡、および下痢などの症状とともに、生後最初の数か月で重症複合免疫不全を示す。JAK3欠損の乳児は、循環するT細胞およびNK細胞の非存在ならびにB細胞機能の異常を示す。さらに、TYK2欠損は、ヒトで報告されており、抗菌反応の不全、血清IgEの上昇、およびアトピー性皮膚炎を示す(Minegishi, et al, 2006 Immunity 25(5):745-755.)。
【0008】
抗サイトカイン治療は、関節リウマチおよびその他の自己免疫疾患の治療において標準的になってきた。複数の臨床試験により、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および潰瘍性大腸炎における統計学的に顕著な有効性が示されている(Kremer, et al. 2009 Arthritis Rheum. 60(7):1895-1905; Riese, et al. 2010 Best Pract. Res. Clin. Rheumatol. 24(4):5 13-526; Fleischmann, et al., Safety and efficacy of baricitinib in elderly patients with rheumatoid arthritis. RMD Open 2017; 3:e000546.)。
【0009】
多様な治療選択肢にも関わらず、多くの自己免疫疾患の患者は、疾患活動性の大幅な減少を経ることができない。研究によれば、JAK遮断が疾患を制御し、寛解を達成するのに有効でありうることが示されているが、第一世代のJAK阻害剤(例えば、トファシチニブおよびバリシチニブ)は、少なくとも一部は、投薬量を制限するそれらの忍容性および安全性の問題のために、それらの最大の可能性に達することができなかった(Fleischmann et al, Curr. Opin. Rheumatol. 24:335-341, 2012; Riese et al, Best Pract. Res. Clin. Rheumatol. 24:513-526, 2010.)。これらの2つの化合物が他のキナーゼファミリーよりJAKに対する高い選択性を有していても、これらの阻害剤は、JAKファミリー内でキナーゼに対する最適な選択ではない可能性がある。これらの効果は、JAK2およびJAK3それぞれによるEPOおよびIL-15シグナル伝達の阻害により上昇しうる(Jost, et al. 2013 Annu. Rev. Immunol. 31:163-194; Kennedy, et al. 2000 J. Exp. Med. 191:771-780; Richmond, et al. 2005 Trends Cell Biol. 15:146-155.)。JAK1キナーゼ活性の阻害による免疫活性の調節は、JAK2依存性エリスロポエチン(EPO)およびトロンボポエチン(TPO)シグナル伝達を回避しながら様々な免疫障害の治療に有用であることを示すことができる(Murray 2007 J. Immunol. 178, 2623-2629; Kisseleva, et al. 2002 Gene, 285, 1-24; O' Shea, et al. 2002 Cell 109, S121-S131; Neubauer, et al. 1998 Cell 93(3), 397-409; Parganas, et al. 1998 Cell 93(3), 385-95.)。
【0010】
よって、炎症性疾患、免疫介在性疾患または癌およびJAK1に関連する他の疾患に対して現在の治療選択肢があるにもかからず、既存の治療薬より副作用が少なく改善された強力で選択的な新規のJAK1阻害剤についての緊急の満たされていない必要が存在している。
【発明の概要】
【0011】
本発明の概要
本発明は、現在利用可能な治療薬より安全性および/または有効性プロファイルが改善された一連の新規の経口的におよび/または局所的に利用可能であり、選択的で強力なJAK1阻害剤を提供する。本発明はまた、これらの化合物の医薬組成物ならびにそれらの製造方法および治療上の使用を提供する。
【0012】
ある態様において、本発明は、一般に、構造式(I):
【化1】
(I)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素およびC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体に関する。
【0013】
別の態様において、本発明は、一般に、構造式(VII):
【化2】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素(例えば、F、Cl)、ハロゲン、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく(すなわち、Rは、Hではない);
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体に関する。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、哺乳類(ヒトを含む)における1つまたはそれ以上の疾患または障害の治療または軽減に有効である、本明細書に開示の発明による化合物および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、構造式(I):
【化3】
(I)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環もしくは架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0016】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、構造式(VII):
【化4】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく;
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0017】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、哺乳類(ヒトを含む)における炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つの治療または軽減に有効である、構造式(I):
【化5】
(I)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とする方法に関する。
【0018】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、哺乳類(ヒトを含む)における炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つの治療または軽減に有効である、構造式(VII):
【化6】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく;
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とする方法に関する。
【0019】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、本明細書に開示の化合物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とし、前記疾患または障害が、炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上である方法に関する。
【0020】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害の治療剤の製造における、本明細書に開示の化合物および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
特に定義されていない場合、本明細書で用いられる全ての技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。有機化学の一般的な原理、ならびに具体的な機能的な部分と反応は、"Organic Chemistry", Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 2006に記載されている。
【0022】
本発明のある化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体型で存在していてもよい。本発明には、シスおよびトランス異性体、アトロプ異性体、RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(d)異性体、(l)異性体、これらのラセミ混合物、およびこれらの他の混合物を含む、全てのこのような化合物が本発明の範囲内に包含される。さらなる不斉炭素原子は、アルキル基などの置換基に存在していてもよい。全てのかかる異性体、ならびにこれらの混合物は、本発明に含まれるものとされる。
【0023】
様々な異性体比率のいずれかで含む異性体混合物が本発明により用いられてもよい。例えば、2種類の異性体のみが組み合わされる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、または100:0の異性体比率で含まれる混合物が本発明に含まれうる。当業者は、類似する比率がより複雑な異性体混合物について包含されることを容易に理解する。
【0024】
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望ましい場合、不斉合成によるか、またはキラル補助基との誘導体化により調製されてもよく、得られたジアステレオ異性体混合物が分離され、前記補助基が切断されて、純粋な所望のエナンチオマーが供される。あるいは、前記分子が、塩基性官能基(例えば、アミノ基)、または酸性官能基(例えば、カルボキシル基)を含む場合、ジアステレオマー塩を、適当な光学的に活性な酸または塩基と形成させ、次いで前記ジアステオマーを当該技術分野で周知の分別晶析法またはクロマトグラフ法により分割し、続いて純粋なエナンチオマーを回収する。
【0025】
本発明の化合物の溶媒和物および多形もまた本明細書に含まれる。本発明の化合物の溶媒和物には、例えば、水和物が含まれる。
【0026】
具体的な官能基および化学用語の定義は、下記により詳細に記載する。数値範囲が記載される場合、その範囲内の各値および部分範囲が含まれるものとされる。例えば、「C1-6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、およびC5-6アルキルを含むことが意図される。
【0027】
置換基が、左から右に記載されるそれらの一般的な化学式により特定される場合、構造を右から左に記載される化学的に同一の置換基が同等に含まれ、例えば、-C(=O)-O-は、-O-C(=O)-と同等である。
【0028】
本発明の化合物の構造は、当業者に公知の化学結合の原則によって制限される。よって、ある基が多くの置換基のうちの1つまたはそれ以上で置換されうる場合、このような置換は、化学結合の原理に適合し、かつ本質的に不安定ではなく、および/または周囲条件(例えば、水性、中和、および数種類の公知の生理的条件)下で不安定である可能が高いことが当業者に公知ではない化合物を付与するように選択される。
【0029】
本明細書で用いられるように、用語「アルキル」は、1~10個の炭素原子(例えば、C1-10アルキル)を有し、不飽和を含有しない、炭素および水素原子のみからなる、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖基を意味する。本明細書に記載される場合、「1~10」などの数値範囲は、所定範囲内の各整数を意味し;例えば、「1~10個の炭素原子」は、前記アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などの10個までの10個を含む炭素原子を含有することができることを意味し、本定義はまた、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」の記載も包含する。ある実施態様において、「アルキル」は、C1-6アルキル基でありうる。ある実施態様において、アルキル基は、1~10個、1~8個、1~6個、または1~3個の炭素原子を有する。代表的な飽和直鎖アルキルとして、以下に限定されないが、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、および-n-ヘキシルが含まれ;飽和分岐鎖アルキルとしては、以下に限定されないが、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルブチルなどが含まれる。前記アルキルは、単結合により親分子に結合している。本明細書で特に記載されていない場合、アルキル基は、独立して、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボネート、カルバメート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホフェート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル(sulfonamidyl)、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(式中、tは、1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR[式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらの部分の各々は、本明細書で定義されるように適宜置換することができる]を含む置換基のうちの1つまたはそれ以上によって適宜置換することができる。非限定的な実施態様において、置換アルキルは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、3-フルオロプロピル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、ベンジル、およびフェネチルから選択することができる。
【0030】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシ」は、酸素により親分子構造に結合した1~10個の炭素原子(C1-10)の直鎖、分岐鎖、飽和環状構造およびこれらの組み合わせを含む、基-O-アルキルを意味する。例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。「低級アルコキシ」は、1~6個の炭素を含むアルコキシ基を意味する。ある実施態様において、C1-3アルコキシは、1~3個の炭素原子の直鎖および分岐鎖アルキルの両方を包含するアルコキシ基である。本明細書で特に記載されていない場合、アルコキシ基は、独立して、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボネート、カルバメート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホフェート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル(sulfonamidyl)、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)ORa、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(式中、tは、1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(ORa)[式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらの部分の各々は、本明細書で定義されるように適宜置換することができる]を含む1つまたはそれ以上の置換基により適宜置換することができる。
【0031】
本明細書で用いられるように、用語「芳香族」または「アリール」は、炭素環の共役パイ電子系を有する少なくとも1つの環(例えば、フェニル、フルオレニル、およびナフチル)を有する、6~14個の環原子を有する基(例えば、C6-14芳香族またはC6-14アリール)を意味する。ある実施態様において、前記アリールは、C6-10アリール基である。例えば、置換ベンゼン誘導体から形成され、環原子に自由原子価を有する二価基は、置換フェニレン基と称される。他の実施態様において、炭素原子から自由原子価とともに1つの水素原子を除去することによる末尾に「-イル」が付く一価多環式炭化水素基に由来する二価基は、対応する一価基の名称に「-イデン」を付加して命名され、例えば、2つの結合点を有するナフチル基は、ナフチリデンと称される。本明細書に記載される場合、「6~14アリール」などの数値範囲は、所定範囲内の各整数を意味し;例えば、「6~14個の環原子」は、アリール基が6個の環原子、7個の環原子などの14個までの14個を含む環原子からなりうることを意味する。前記用語には、単環または縮合環多環(すなわち、環原子の隣接する対を共有する環)基が含まれる。多環アリール基には、二環、三環、四環などが含まれる。多環基において、1つの環のみが芳香族であることが必要とされるため、インダニルなどの基がアリールの定義に含まれる。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、フェナレニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、インドリル、インダニルなどが挙げられる。本明細書で特に記載されていない場合、アリール部分は、独立して、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボネート、カルバメート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホフェート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル(sulfonamidyl)、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(式中、tは、1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(ORa)[式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらの部分の各々は、本明細書で定義されるように適宜置換することができる]を含む1つまたはそれ以上の置換基により適宜置換することができる。
【0032】
本明細書で用いられるように、用語「シクロアルキル」および「カルボシクリル」は、各々、炭素および水素のみを含み、飽和または部分的不飽和でありうる単環基または多環基を意味する。部分的不飽和シクロアルキル基は、その炭素環が少なくとも1つの二重結合を含む場合に「シクロアルケニル」、またはその炭素環が少なくとも1つの三重結合を含む場合に「シクロアルキニル」と称されうる。シクロアルキル基には、3~13個の環原子を有する基(すなわち、C3-13シクロアルキル)が含まれる。本明細書に記載される場合、「3~10」などの数値範囲は、所定範囲内の各整数を意味し;例えば、「3~13個の炭素原子」は、シクロアルキル基が、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子などの13個までの13個を含む炭素原子からなりうることを意味する。用語「シクロアルキル」にはまた、ヘテロ原子を含有しない架橋およびスピロ縮合環構造が含まれる。前記用語にはまた、単環または縮合環多環(すなわち、隣接する環原子の対を共有する環)基が含まれる。多環アリール基には、二環、三環、四環などが含まれる。ある実施態様において、「シクロアルキル」は、C3-8シクロアルキル基でありうる。ある実施態様において、「シクロアルキル」は、C3-5シクロアルキル基でありうる。シクロアルキル基の例としては、以下に限定されないが、C3-6カルボシクリル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが挙げられる。C3-7カルボシクリル基の例には、ノルボルニル(C)が含まれる。C3-8カルボシクリル基の例として、前記C3-7カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルなどが挙げられる。C3-13カルボシクリル基の例には、前記C3-8カルボシクリル基、ならびにオクタヒドロ-1Hインデニル、デカヒドロナフタレニル、スピロ[4.5]デカニルなどが挙げられる。本明細書で特に記載されていない場合、シクロアルキル基は、独立して、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボネート、カルバメート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホフェート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル(sulfonamidyl)、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(式中、tは、1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR[式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらの部分の各々は、本明細書で定義されるように適宜置換することができる]を含む1つまたはそれ以上の置換基により適宜置換することができる。用語「シクロアルケニル」および「シクロアルキニル」は、「シクロアルキル」の上記記載に類似しているが、接頭語「アルク(alk)」が、それぞれ「アルケン(alken)」または「アルキン(alkyn)」に置換され、親の用語「アルケニル」または「アルキニル」は、本明細書に記載されるとおりである。例えば、シクロアルケニル基は、3~13個の環原子、例えば、5~8個の環原子を有しうる。ある実施態様において、シクロアルキニル基は、5~13個の環原子でありうる。
【0033】
本明細書で用いられるように、用語「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)を意味する。本明細書で用いられるように、用語「ハライド」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」および「ハロアルコキシ」には、1つまたはそれ以上のハロ基またはこれらの組み合わせで置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ構造が含まれる。例えば、用語「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」には、ハロがフッ素であるハロアルキルおよびハロアルコキシ基のそれぞれ、例えば、以下に限定されないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどが含まれる。アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ基の各々は、本明細書で定義されるとおりであり、本明細書で定義されるようにさらに適宜置換することができる。
【0034】
本明細書で用いられるように、用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、およびリン(P)を意味する。
【0035】
本明細書で用いられるように、用語「ヘテロアルキル」は、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、リンまたはこれらの組み合わせから選択される1つまたはそれ以上の骨格鎖原子を有するアルキル基を意味する。例えば、C1-4ヘテロアルキルなどの合計の鎖長を意味する数値範囲が付与され、この例では、4個の原子の長さである。例えば、-CHOCHCH基は、「C」ヘテロアルキルと称され、原子の鎖長の記載にヘテロ原子中心が含まれる。親分子構造への結合は、ヘテロアルキル鎖におけるヘテロ原子または炭素のいずれかを介しうる。例えば、N含有ヘテロアルキル部分は、骨格原子のうちの少なくとも1つが窒素原子である基を意味する。ヘテロアルキル基における1つまたはそれ以上のヘテロ原子は、適宜酸化されていてもよい。1つまたはそれ以上の窒素原子はまた、存在すれば、適宜四級化されていてもよい。例えば、ヘテロアルキルにはまた、1つまたはそれ以上の窒素酸化物(-O-)置換基で置換された骨格鎖が含まれる。例としてのヘテロアルキル基には、以下に限定されないが、エーテル、例えば、メトキシエタニル(-CHCHOCH)、エトキシメタニル(-CHOCHCH)、(メトキシメトキシ)エタニル(-CHCHOCHOCH)、(メトキシメトキシ)メタニル(-CHOCHOCH)、および(メトキシエトキシ)メタニル(-CHOCHCHOCH)など;アミン、例えば、(-CHCHNHCH、-CHCHN(CH、-CHNHCHCH、-CHN(CHCH)(CH))などが含まれる。
【0036】
本明細書で用いられるように、用語「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は、(例えば、環状構造中で共有される6、10、または14π電子を有する)芳香族環基で供される環炭素原子および1~6個の環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される)を有する5~18員単環式または多環式(例えば、二環、三環、四環など)芳香族環基(「5~18員ヘテロアリール」)を意味する。ヘテロアリール多環式環基には、1つまたは両方の環に1つまたはそれ以上のヘテロ原子が含まれうる。本明細書に記載される場合、「5~18」などの数値範囲は、所定範囲内の各整数を意味し;例えば、「5~18個の環原子」は、ヘテロアリール基が、5個の環原子、6個の環原子などの18個までの18個を含む環原子からなりうることを意味する。ある例において、ヘテロアリールは、5~14個の環原子を有しうる。ある実施態様において、前記ヘテロアリールは、例えば、原子から自由原子価とともに1つの水素原子を除去することによる末尾に「-イル」が付く一価ヘテロアリール基に由来する二価基は、対応する一価基の名称に「-エン」を付加して命名され、例えば、2つの結合点を有するピリジル基は、ピリジレンである。
【0037】
例えば、N含有「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリール」部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である芳香族基を意味する。ヘテロアリール基における1つまたはそれ以上のヘテロ原子は、適宜酸化されていてもよい。1つまたはそれ以上の窒素原子はまた、存在すれば、適宜四級化されていてもよい。ヘテロアリールにはまた、1つまたはそれ以上の窒素オキシド(-O-)置換基、例えば、ピリジン N-オキシドで置換された環基が含まれる。前記ヘテロアリールは、環のいずれかの原子を介して親分子構造に結合している。
【0038】
「ヘテロアリール」にはまた、上記で定義されるヘテロアリール環が、1つまたはそれ以上のアリール基と縮合され、親分子構造への結合点が、アリールまたはヘテロアリール環上である環基か、あるいは上記で定義されるヘテロアリール環が、1つまたはそれ以上のシクロアルキルまたはヘテロシクリル基と縮合され、親分子構造への結合点が、ヘテロアリール環上である環基が含まれる。1つの環がヘテロ原子を含まない多環ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)について、親分子構造への結合点は、いずれかの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2-インドリル)またはヘテロ原子を含まない環(例えば、5-インドリル)のいずれかでありうる。ある実施態様において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および芳香族環基中で供される1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員芳香族環基であって、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。ある実施態様において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および芳香族環基中で供される1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員芳香族環基であって、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。ある実施態様において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および芳香族環基中で供される1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員芳香族環基であって、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。ある実施態様において、前記5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。ある実施態様において、前記5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。ある実施態様において、前記5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0039】
ヘテロアリールの例として、以下に限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル(dioxepinyl)、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラザニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-lH-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアピラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が含まれる。本明細書で特に記載されていない場合、ヘテロアリール部分は、独立して、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボネート、カルバメート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホフェート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル(sulfonamidyl)、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(式中、tは、1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR[式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらの部分の各々は、本明細書で定義されるように適宜置換することができる]を含む1つまたはそれ以上の置換基により適宜置換することができる。
【0040】
本明細書で用いられるように、用語「投与する」は、経口投与、坐剤としての投与、局所的な接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、くも膜下腔内、脳内、鼻腔内、または皮下投与、あるいは徐放用デバイス、例えば、ミニ浸透圧ポンプの対象への移植を意味する。特定の患者に適する投与経路は、治療される疾患または病気の特徴および重症度あるいは用いられる治療の特徴、ならびに活性化合物の特徴による。
【0041】
投与は、非経口および経粘膜(例えば、バッカル、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、膣、直腸、または経皮)を含むいずれの適する経路によってもよい。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、心室内、および脳内が含まれる。他の送達様式として、以下に限定されないが、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが挙げられる。
【0042】
「共投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つまたはそれ以上のさらなる治療の投与と同時に、直前に、または直後に投与されることを意味する。
【0043】
本発明の化合物は、患者に対して単独で投与することができ、または共投与することができる。共投与は、化合物を別々に、または組み合わせて(1つ以上の化合物または薬剤)同時または連続して投与することを含むものとされる。よって、前記製剤はまた、望ましい場合には、(例えば、代謝分解を減少させるために)他の活性物質と組み合わせることができる。
【0044】
本発明の組成物は、局所経路による経皮で送達し、アプリケータースティック(applicator stick)、溶液、懸濁液、乳濁液、ゲル、クリーム、軟膏剤、ペースト、ゼリー、塗布剤、散剤、およびエアロゾルとして製剤化することができる。経口製剤として、患者による摂取に適する、錠剤、丸剤、粉末、糖衣錠、カプセル剤、液体、トローチ剤、カシュ剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などが挙げられる。固形形態製剤としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシュ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が挙げられる。液体形態製剤として、溶液、懸濁液、および乳濁液、ゲル、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。
【0045】
本発明の組成物には、持続放出および/またはコンホート(comfort)を供するための成分がさらに含まれてもよい。このような成分には、高い分子量のアニオン性粘液模倣(mucomimetic)ポリマー、ゲル化多糖類、および微細薬物担体物質が含まれる。これらの成分は、米国特許第4,911,920号;第5,403,841号;第5,212,162号;および第4,861,760号でより詳細に記載される。これらの特許文献の全体の内容は、参照により全ての目的のためにそれらの全体が取り込まれる。本発明の組成物はまた、体内での徐放のためにミクロスフェアとして送達することもできる。例えば、ミクロスフェアは、皮下で遅延して放出する薬物を含むミクロスフェアの皮内注射により(Rao, 1995 J. Biomater Sci. Polym. Ed. 7:623-645を参照);生物分解性および注射用ゲル製剤として(例えば、Gao 1995 Pharm. Res. 12:857-863を参照);または経口投与用のミクロスフェアとして(例えば、Eyles 1997 J. Pharm. Pharmacol. 49:669-674を参照)投与することができる。
【0046】
本明細書で用いられるように、用語「疾患」、「病気」、および「障害」は、本明細書で交換可能に用いられ、本明細書で供される化合物、医薬組成物、または方法で治療される状態または治療することができる患者または対象の健康状態を意味する。
【0047】
本明細書で用いられるように、活性薬剤の用語「有効量」は、所望の生物学的反応を引き起こすために十分な量を意味する。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望される生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、治療されるべき疾患、投与様式、および患者などの因子に応じて変動しうる。
【0048】
本明細書で用いられるように、生物学的標的(例えば、JAK)と阻害剤の相互作用に関する用語「阻害」、「阻害する」、および「阻害している」等は、阻害剤の非存在下におけるタンパク質の活性または機能と比較して、タンパク質の活性または機能にネガティブに影響する(例えば、減少する)ことを意味する。実施態様において、阻害は、阻害剤の非存在下における濃度またはレベルの濃度またはレベルと比較して、タンパク質の濃度またはレベルにネガティブに影響する(例えば、減少する)ことを意味する。実施態様において、阻害は、疾患または疾患の症状の減少を意味する。実施態様において、阻害は、特定のタンパク質標的の活性の低下を意味する。阻害には、少なくとも一部、部分的に、または全体的に活性を妨害し、減少し、妨げ、または活性化を遅延させ、あるいはシグナル伝達もしくは酵素活性またはタンパク質の量を不活性化し、脱感作し、または下方調節することが含まれる。実施態様において、阻害は、直接的な相互作用から生じる標的タンパク質の活性の減少を意味する(例えば、標的タンパク質に結合する阻害剤)。実施態様において、阻害は、間接的な相互作用からの標的タンパク質の活性の減少(例えば、阻害剤は、標的タンパク質を活性化するタンパク質に結合し、それにより標的タンパク質の活性化を阻害する)を意味する。
【0049】
本明細書で用いられるように、用語「単離される」または「精製される」は、通常、その天然の状態でそれを伴う成分を実質的に、または必須として含まない物質を意味する。純度および均質性は、典型的に、分析化学技術、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーを用いて決定される。
【0050】
本明細書で用いられるように、開示される化合物の「医薬的に許容される形態」には、以下に限定されないが、その医薬的に許容される塩、エステル、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、および同位体標識された誘導体が含まれる。1の実施態様において、「医薬的に許容される形態」には、以下に限定されないが、その医薬的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、および同位体標識された誘導体が含まれる。ある実施態様において、「医薬的に許容される形態」には、以下に限定されないが、その医薬的に許容される異性体および立体異性体、プロドラッグ、および同位体標識された誘導体が含まれる。
【0051】
ある実施態様において、前記医薬的に許容される形態は、医薬的に許容される塩である。本明細書で用いられるように、用語「医薬的に許容される塩」は、妥当な医学的判断の範囲であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなく対象との接触に用いることに適しており、合理的な利益/リスク比で釣り合っている塩を意味する。医薬的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1-19で医薬的に許容される塩を詳細に記載している。本明細書で供される化合物の医薬的に許容される塩には、適当な無機および有機酸および塩基に由来するものが含まれる。医薬的に許容される非毒性酸付加塩の例は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸と形成されるか、または有機酸、例えば、酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸と形成されるか、あるいは当該技術分野で用いられる他の方法、例えば、イオン交換法を用いることにより形成されるアミノ基の塩である。他の医薬的に許容される塩として、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。ある実施態様において、塩が由来しうる有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが含まれる。
【0052】
前記塩は、開示化合物の単離および精製中にインシチューで調製することができ、あるいは別々に、親化合物の遊離塩基または遊離酸を、適切な塩基または酸とそれぞれ反応させることによって調製することができる。適当な塩基に由来する医薬的に許容される塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、およびN(C1-4アルキル)塩が含まれる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが含まれる。さらなる医薬的に許容される塩として、適宜、対イオン、例えば、ハライド、水酸化物、カルボキシレート、スルファート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネート、およびアリールスルホネートを用いて形成される非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。塩が由来しうる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含む)、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが含まれる。ある実施態様において、前記医薬的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムから選択することができる。
【0053】
ある実施態様において、前記医薬的に許容される形態は、「溶媒和物」(例えば、水和物)である。本明細書で用いられるように、用語「溶媒和物」は、非共有結合性分子間力で結合した化学量論的または非化学量論的量の溶媒をさらに含む化合物を意味する。前記溶媒和物は、開示化合物またはその医薬的に許容される塩のものでありうる。前記溶媒が水である場合、前記溶媒和物は「水和物」である。医薬的に許容される溶媒和物および水和物は、例えば、1~約100、または1~約10、または1~約2、約3もしくは約4個の溶媒または水分子を含みうる複合体である。本明細書で用いられる用語「化合物」には、化合物および前記化合物の溶媒和物、ならびにこれらの混合物が包含されることが理解される。
【0054】
ある実施態様において、前記医薬的に許容される形態は、プロドラッグである。本明細書で用いられるように、用語「プロドラッグ」(または「プロ-ドラッグ」)は、インビボで変換されて、開示化合物または前記化合物の医薬的に許容される形態を生じる化合物を意味する。プロドラッグは、対象に投与される時に不活性であるが、例えば、加水分解(例えば、血中の加水分解)によりインビボで活性化合物に変換される。ある場合において、プロドラッグは、親化合物より改善された生理および/または送達特性を有する。プロドラッグは、親化合物と比較して、対象に投与されると(例えば、経口投与後に血中への高まった吸収を可能にすることにより)化合物のバイオアベイラビリティを増加させるか、または目的の生物学的構造(例えば、脳またはリンパ系)への送達を高めることができる。例示的なプロドラッグには、親化合物と比較して高まった水溶解度または腸膜を通した活性な輸送を有する開示化合物の誘導体が含まれる。
【0055】
前記プロドラッグ化合物は、多くの場合、哺乳類内における溶解性、組織適合性、または遅延した放出の有利な点を提供する(例えば、Bundgard, H., Design of Prodrugs (1985), pp. 7- 9, 21-24 (Elsevier, Amsterdam)を参照のこと)。プロドラッグの記載は、Higuchi, T., et al., "Pro-drugs as Novel Delivery Systems," A.C.S. Symposium Series, Vol. 14、およびBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987で提供され、これら両文献は、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。
【0056】
プロドラッグ形態は、多くの場合、哺乳類内における溶解性、組織適合性、または徐放性の有利な点を提供する(Bundgard, Design of Prodrugs, pp. 7-9,21-24, Elsevier, Amsterdam 1985、およびSilverman, The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, pp. 352-401, Academic Press, San Diego, Calif., 1992を参照のこと)。当該技術分野で一般に公知のプロドラッグには、周知の酸誘導体、例えば、親の酸を適切なアルコールと反応させて調製したエステル、親の酸化合物をアミンと反応させて調製したアミド、アシル化塩基誘導体を形成するために反応させた塩基性基などが含まれる。他のプロドラッグ誘導体は、バイオアベイラビリティを高めるために、本明細書に開示される他の特徴と組み合わされてもよい。よって、当業者は、遊離アミノ、アミド、ヒドロキシ、またはカルボキシル基を有する一定の本開示化合物がプロドラッグに変換することができることを理解する。プロドラッグには、本明細書に開示の前記置換基のいずれかに共有結合したカルボネート、カルバメート、アミドまたはアルキルエステル部分を有する化合物が含まれる。
【0057】
プロドラッグの例示的な有利な点には、以下に限定されないが、その生理特性、例えば、親化合物と比較して生理学的pHでの非経口投与のための高い水溶解性、消化管からの吸収を高めることができるか、または長期保存のための薬物安定性を高めることができること等である。
【0058】
本明細書で用いられるように、用語「医薬的に許容される」賦形剤、担体、または希釈剤は、医薬的に許容される物質、組成物、またはベヒクル、例えば、ある器官または体の一部から別の器官または体の一部に運搬または輸送することに関連する液体または固体増量剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化物質を意味する。各担体は、製剤の他の成分に適合し、患者に有害ではないという意味において「許容可能」でなければならない。医薬的に許容される担体として供することができる物質の例として、糖、例えば、乳糖、グルコースおよびショ糖;デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末トラガント;麦芽;ゼラチン;滑石;賦形剤、例えば、ココアバターおよび坐剤ワックス;油、例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブオイル、コーン油、および大豆油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱性物質フリー水;等張性生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ならびに医薬製剤で用いられる他の非毒性適合物質が挙げられる。湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドコポリマー、ならびに着色剤、放出剤(release agent)、コーティング剤、甘味料、芳香剤、および香料、保存剤および酸化剤もまた、前記組成物中に存在しうる。
【0059】
本明細書で用いられるように、用語「対象」は、以下に限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類など(特定の治療のレシピエントである)を含む、いずれかの動物(例えば、哺乳類)を意味する。投与が想定される対象には、以下に限定されないが、ヒト(例えば、いずれかの年齢群の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、子供、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または老人))、および/または他の非ヒト動物、例えば、非ヒト哺乳類(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル);商業的に関連する哺乳類、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、および/またはイヌ)、げっ歯類(例えば、ラットおよび/またはマウス)などが含まれる。ある実施態様において、前記非ヒト動物は、哺乳類である。前記非ヒト動物は、いずれの発達段階の雄または雌であってもよい。非ヒト動物は、遺伝子組み換え動物であってもよい。典型的には、用語「対象」および「患者」は、ヒト対象に関して本明細書で交換可能に用いられる。
【0060】
本明細書で用いられるように、疾患または障害の「治療」または疾患または障害を「治療する」という用語は、その発症前または後の状態を軽減し、遅延させ、または緩和する方法を意味する。治療は、疾患および/またはその根底にある病態の1つまたはそれ以上の効果または症状に向けられうる。治療は、いずれの軽減であってもよく、以下に限定されないが、疾患または疾患の症状の完全な消滅であってもよい。よって、治療することまたは治療は、いずれかの客観的または主観的パラメータ、例えば、軽減;緩和;症状を軽減するか、または傷害、病変、または状態を患者に許容可能にすること;変性または減退の速度を遅延させること;変性の終点を減退させないこと;患者の身体的または精神的健康を改善することを含む、傷害、疾患、病変、または状態の治療または緩和における成功の兆候を意味する。症状の治療または緩和は、客観的または主観的パラメータ、例えば、身体検査、精神神経検査、および/または精神医学的評価の結果に基づきうる。同等の未治療コントロールと比較して、このような軽減または緩和の程度は、いずれかの標準的な技術によって測定されると、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、または100%でありうる。
【0061】
治療方法には、本明細書に記載の化合物の治療上の有効量を対象に投与することが含まれる。投与工程は、単独投与であってもよく、あるいは一連の投与が含まれてもよい。治療期間の長さは、病気の重症度、患者の年齢、化合物の濃度、治療で用いられる組成物の活性、またはこれらの組み合わせなどの様々な因子による。治療に用いられる薬剤の有効な用量は、特定の治療計画の過程を通して増加させてもよく、または減少させてもよいことも理解される。用量の変更は、当該技術分野で公知の標準的な診断用アッセイによって決定し、明確となりうる。ある例において、慢性投与が必要とされてもよい。例えば、前記組成物は、患者を治療するために十分な量と期間で対象に投与される。
【0062】
本発明の詳細な説明
本発明は、新規クラスの経口および/または局所で利用可能な選択性の強力なJAK1治療薬の予想外の知見に基づく。本発明はまた、これらの化合物の医薬組成物ならびにそれらの製造および使用方法を提供する。本明細書に開示のJAK1阻害剤は、非常に優れた効力および選択性プロファイルを示した。
【0063】
より具体的には、本明細書に開示される新規なJAK1阻害剤は、JAK1に対する優れた結合親和性(例えば、約3~4nMのIC50値)によって示される効力の改善およびそれらの優れた特異性(例えば、JAK2のIC50値>20xJAK1)によって示される造血の副作用の減少の可能性を享受する。
【0064】
ある態様において、本発明は、一般に、構造式(I):
【化7】
(I)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体に関する。
【0065】
式(I)のある実施態様において、Rは、Hであり、前記化合物は、構造式(II):
【化8】
(II)
で示される。
【0066】
式(II)のある実施態様において、nは、1であり、前記化合物は、構造式(III):
【化9】
(III)
で示される。
【0067】
式(I)のある実施態様において、Rは、Hであり、前記化合物は、構造式(IV):
【化10】
(IV)
で示される。
【0068】
式(I)、(II)、(III)および(IV)のある実施態様において、RおよびRの両方とも、Hである。
【0069】
式(I)、(II)、(III)および(IV)のある実施態様において、Rは、メチルであり、Rは、Hである。
【0070】
式(I)、(II)、(III)および(IV)のある実施態様において、nは、1である。
【0071】
ある実施態様において、Rは、Hである。
【0072】
例示的な実施態様において、RがHであり、RがHであり、nが1である化合物は、構造式(V):
【化11】
(V)
で示される。
【0073】
式(V)のさらなる例示的な実施態様において、Rは、Hであり、前記化合物は、構造式(VI):
【化12】
(VI)
で示される。
は、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されていてもよいものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRから選択される基で置換され、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよい。R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C (例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択される。R’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよい。
【0074】
R’およびR’’と一緒に、またはRおよびRと一緒に適宜形成されていてもよい3~7員(例えば、3または4員)環は、N、O、SおよびPから選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子によって置換された0~3個の炭素原子を有するヘテロ3~7員(例えば、3または4員)環を有していてもよいことを留意すべきである。
【0075】
ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)およびヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)は、N、O、SおよびPから選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子によって置換された1~4個の炭素原子を有していてもよい。
【0076】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)Rで置換される。
【0077】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)ORで置換される。
【0078】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)NRで置換される。
【0079】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、C(=O)NRで置換される。
【0080】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’SOで置換される。
【0081】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’SONRで置換される。
【0082】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、CR’R’’SOで置換される。
【0083】
ある実施態様において、Rは、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、CR’R’’SONRで置換される。
【0084】
ある実施態様において、Rは、下記部分:
【化13】
[式中、各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であるが;但し、mのうちの少なくとも1つが、0ではない]
を含む。
【0085】
ある実施態様において、mは、0ではない(すなわち、各mは、独立して、1、2または3である)。
【0086】
ある実施態様において、1つ以下のmは、0である(すなわち、1つ以下のRは、非存在である)。
【0087】
ある実施態様において、各mは、独立して、1、2または3である。
【0088】
ある実施態様において、全てのmは、1、2および3から選択される同一の整数である。
【0089】
ある実施態様において、全てのmは、1、2および3から選択される同一の整数ではない。
【0090】
ある実施態様において、各mは、1(すなわち、[1.1.1]-二環部分を形成する)である。
【0091】
ある実施態様において、各mは、2である(すなわち、[2,2,2]-二環部分を形成する)。
【0092】
ある実施態様において、Rは、
【化14】
[式中、Rは、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、Rが、Rであり、Rが、Hではない(すなわち、Rは、Hではない)]
を含む。R’およびR’’の各々は、独立して、水素ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよい。
【0093】
ある実施態様において、Rは、Rである。
【0094】
ある実施態様において、Rは、1つまたはそれ以上のハロゲン(例えば、F、Cl)、C-C(例えば、C-C)アルコキシ、CNまたはアミノ基で適宜置換されていてもよいC-Cアルキル(例えば、C-Cアルキル)である。
【0095】
ある実施態様において、Rは、C-Cアルキル(例えば、C-Cアルキル)である。
【0096】
ある実施態様において、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl)、C-C(例えば、C-C)アルコキシ、またはCNで置換されたC-Cアルキル(例えば、C-Cアルキル)である。
【0097】
ある実施態様において、Rは、CNで置換されたC-Cアルキル(例えば、C-Cアルキル)である。
【0098】
ある実施態様において、Rは、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである。
【0099】
ある実施態様において、Rは、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである。
【0100】
ある実施態様において、Rは、n-プロピルまたはイソプロピルである。
【0101】
ある実施態様において、Rは、NRである。
【0102】
ある実施態様において、RおよびRの1つは、Hである。
【0103】
ある実施態様において、Rは、NRであって、RおよびRの各々は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択される。
【0104】
ある実施態様において、Rは、NRであって、RおよびRは、NRにおけるNと一緒になって、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよい3~7員(例えば、3、4、または5員)ヘテロ環基を形成していてもよい。
【0105】
ある実施態様において、前記ヘテロ環基は、4員ヘテロ環基である。
【0106】
ある実施態様において、Rは、NRであって、RおよびRの各々は、独立して、水素およびC-C(例えば、C-C)無置換アルキルから選択される
【0107】
ある実施態様において、Rは、NRであって、RおよびRは、一緒になって、CNで置換された3または4員シクロアルキル環を形成する。
【0108】
ある実施態様において、各Rは、CHである。
【0109】
ある実施態様において、各Rは、(CHである。
【0110】
別の態様において、本発明は、一般に、構造式(VII):
【化15】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、おっよびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、RおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく(すなわち、Rは、Hではない);
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体に関する。
【0111】
(VII)のある実施態様において、1つ以下のmは、0である(すなわち、1つ以下のRは、非存在である)。
【0112】
(VII)のある実施態様において、mは、0ではない(すなわち、各mは、独立して、1、2、または3である)。
【0113】
(VII)のある実施態様において、全てのmは、1、2、および3から選択される同一の整数である。
【0114】
(VII)のある実施態様において、全てのmは、1、2、および3から選択される同一の整数ではない。
【0115】
(VII)のある実施態様において、各mは、1である(すなわち、[1.1.1]-二環部分を形成する)。
【0116】
(VII)のある実施態様において、各mは、2である(すなわち、[2,2,2]-二環部分を形成する)。
【0117】
(VII)のある実施態様において、Rは、Hである。
【0118】
(VII)のある実施態様において、Rは、Hである。
【0119】
(VII)のある実施態様において、Rは、メチルである。
【0120】
(VII)のある実施態様において、nは、1である。
【0121】
(VII)のある実施態様において、Rは、Hであり、nは、1であり、前記化合物は、構造式(VIII):
【化16】
(VIII)
で示される。
【0122】
(VIII)のある実施態様において、Rは、メチルであり、Rは、Hである。
【0123】
(VIII)のある実施態様において、RおよびRの両方とも、Hであり、構造式(IX):
【化17】
(IX)
で示される。
【0124】
(VIII)のある実施態様において、各Rは、CHであり、前記化合物は、構造式(X):
【化18】
(X)
で示される。
【0125】
(X)のある実施態様において、Rは、Rである。
【0126】
(X)のある実施態様において、Rは、1つまたはそれ以上のハロゲン(例えば、F、Cl)、C-C(例えば、C-C)アルコキシ、CN、またはアミノ基で適宜置換されていてもよい直鎖または分岐鎖C-C(例えば、C-C)アルキルである。
【0127】
(X)のある実施態様において、Rは、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである。
【0128】
(X)のある実施態様において、Rは、n-プロピルまたはイソプロピルである。
【0129】
(X)のある実施態様において、Rは、NRである。
【0130】
(X)のある実施態様において、RおよびRのうちの1つは、Hである。
【0131】
ある実施態様において、RおよびRは、NRにおけるNと一緒になって、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよい3~5員(例えば、3、4、または5員)ヘテロ環基を形成する。
【0132】
ある実施態様において、前記ヘテロ環基は、4員ヘテロ環基である。
【0133】
本発明の化合物の非限定的な例のリストを表1に記載する。
表1.例示的な化合物
【化19】
【化20】
【0134】
ある実施態様において、前記化合物は、化合物1の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物4の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物5の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物6の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物21の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物23の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物31の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物32の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物45の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物46の構造式で示される。ある実施態様において、前記化合物は、化合物48の構造式で示される。
表1A.例示的な化合物
【表1】
【表2】
【0135】
本明細書に記載されるように、重水素原子で置換された1つまたはそれ以上の水素原子を有する同位体誘導体化合物は、本発明に包含される。ある実施態様において、本発明の化合物は、重水素原子で置換された1つまたはそれ以上の水素原子を有する。ある実施態様において、本発明の化合物は、重水素原子で置換された1つの水素原子を有する。ある実施態様において、本発明の化合物は、重水素原子で置換された1つ以上の水素原子を有する。
【0136】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、哺乳類(ヒトを含む)における1つまたはそれ以上の疾患または障害の治療または軽減に有効である、本明細書に記載の発明による化合物、ならびに医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0137】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、構造式(I):
【化21】
(I)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0138】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、構造式(VII):
【化22】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく(すなわち、Rは、Hではない);
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、R’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0139】
ある実施態様において、本明細書に開示の医薬組成物は、経口投与に適する。
【0140】
ある実施態様において、本発明の医薬組成物は、局所投与に適する。
【0141】
ある実施態様において、本明細書に開示の医薬組成物は、炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上の治療または軽減に有効である。
【0142】
ある実施態様において、本明細書に開示の医薬組成物は、自己免疫疾患、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上の治療または軽減に有効である。
【0143】
医薬組成物のある実施態様において、前記疾患または障害は、喘息、アレルギー、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎)、若年性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌疾患(例えば、1型糖尿病およびグレーブス病)、神経変性疾患(例えば、多発性硬化症(MS))、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、ギランバレー症候群、重症筋無力症、慢性突発性脱髄性疾患(CID)、血管性疾患(例えば、自己免疫性難聴、全身性血管炎、およびアテローム性動脈硬化症)、皮膚疾患(例えば、尋常性ざ瘡、皮膚筋炎、天疱瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス、強皮症、乾癬、尋常性乾癬、血管炎、白斑、および脱毛症)、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、天疱瘡、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、移植片対宿主病(GVDH)、またはこれらの関連疾患または障害から選択される。
【0144】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、本明細書に開示の医薬組成物を含む単位製剤に関する。
【0145】
ある実施態様において、前記単位製剤は、固形製剤、例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、または顆粒剤の形態である。ある実施態様において、前記製剤は、錠剤である。ある実施態様において、前記製剤は、カプセル剤である。
【0146】
ある実施態様において、前記単位製剤は、液体製剤、例えば、乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、またはエリキシル剤の形態である。
【0147】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、哺乳類(ヒトを含む)における炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上の治療または軽減に有効である、構造式(I):
【化23】
(I)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10(例えば、C-C)シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、NR’SO、NR’SONR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とする方法に関する。
【0148】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、哺乳類(ヒトを含む)における炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患または障害のうちの1つまたはそれ以上の治療または軽減に有効である、構造式(VII):
【化24】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素(例えば、F、Cl)、ハロゲン、CN、C-C(例えば、C-C)無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、シクロアルキル(例えば、C-C10シクロアルキル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cヘテロシクロアルキル)、アリール(例えば、C-C10アリール)、ヘテロアリール(例えば、C-Cヘテロアリール)から選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく、ならびにハロゲン(例えば、F、Cl)、CN、OR’、NR’R’’、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、ハロアルキル(例えば、CHF、CF)、シアノアルキル(例えば、CHCN)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHOH)、およびアルコキシアルキル(例えば、CHO-アルキル)のうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく(すなわち、Rは、Hではない);
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であり;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C(例えば、C-C)無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員(例えば、3または4員)環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とする方法に関する。
【0149】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害を治療し、または軽減するための方法であって、本明細書で開示の化合物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とし、前記疾患または障害が、炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌、または関連する疾患もしくは障害のうちの1つまたはそれ以上である方法に関する。
【0150】
ある実施態様において、本発明の方法は、自己免疫疾患の治療または軽減に有効である。
【0151】
ある実施態様において、前記疾患または障害は、喘息、アレルギー、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎)、若年性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌疾患(例えば、1型糖尿病およびグレーブス病)、神経変性疾患(例えば、多発性硬化症(MS))、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、ギランバレー症候群、重症筋無力症、慢性突発性脱髄性疾患(CID)、血管性疾患(例えば、自己免疫性難聴、全身性血管炎、およびアテローム性動脈硬化症)、皮膚疾患(例えば、尋常性ざ瘡、皮膚筋炎、天疱瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス、強皮症、乾癬、尋常性乾癬、血管炎、白斑、および脱毛症)、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、天疱瘡、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、移植片対宿主病(GVDH)、またはこれらの関連疾患または障害から選択される。
【0152】
ある実施態様において、本発明の方法は、炎症性疾患、または関連する疾患または障害の治療または軽減に有効である。
【0153】
ある実施態様において、本発明の方法は、自己免疫疾患、または関連する疾患または障害の治療または軽減に有効である。
【0154】
ある実施態様において、本発明の方法は、免疫介在性疾患、または関連する疾患または障害の治療または軽減に有効である。
【0155】
ある実施態様において、本発明の方法は、癌、または関連する疾患または障害の治療または軽減に有効である。
【0156】
ある実施態様において、本発明の方法は、関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、DES、白斑、円形脱毛症、完全脱毛症のうちの1つまたはそれ以上の治療または軽減に有効である。
【0157】
さらに別の態様において、本発明は、一般に、疾患または障害の治療剤の製造における、本明細書に開示の化合物および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用に関する。
【0158】
このような使用のある実施態様において、前記疾患または障害は、炎症性疾患、免疫介在性疾患および癌のうちの1つまたはそれ以上である。
【0159】
このような使用のある実施態様において、前記疾患または障害は、自己免疫疾患である。
【0160】
このような使用のある実施態様において、前記疾患または障害は、喘息、アレルギー、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎)、若年性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌疾患(例えば、1型糖尿病およびグレーブス病)、神経変性疾患(例えば、多発性硬化症(MS)、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、ギランバレー症候群、重症筋無力症、および慢性突発性脱髄性疾患(CID))、血管性疾患(例えば、自己免疫性難聴、全身性血管炎、およびアテローム性動脈硬化症)、皮膚疾患(例えば、尋常性ざ瘡、皮膚筋炎、天疱瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス、強皮症、乾癬、尋常性乾癬、血管炎、白斑および脱毛症)、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、天疱瘡、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、移植片対宿主病(GVDH)、またはこれらの関連疾患または障害から選択される。
【0161】
このような使用のある実施態様において、前記疾患または障害は、関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、DES、白斑、円形脱毛症、完全脱毛症のうちの1つまたはそれ以上である。
【0162】
前記使用のある実施態様において、前記薬剤は、経口投与のためである。
【0163】
前記使用のある実施態様において、前記薬剤は、局所投与のためである。
【0164】
用語「炎症性疾患」は、炎症の異常、例えば、疾患に罹っていない健常なヒトなどの対照と比較して炎症レベルの増加によって特徴付けられる疾患または病気を意味する。本明細書に記載の化合物、医薬組成物、または方法で治療されうる炎症性疾患の例として、自己免疫疾患、外傷性脳損傷、関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性突発性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、若年発症糖尿病、1型糖尿病、ギランバレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、強直性脊椎炎、乾癬、シェーグレン症候群、血管炎、糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、魚鱗癬、グレーブス眼症、炎症性腸疾患、アジソン病、白斑、喘息、アレルギー性喘息、尋常性ざ瘡、セリアック病、慢性前立腺炎、炎症性腸疾患、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、虚血再灌流傷害、脳卒中、サルコイドーシス、移植片拒絶、間質性膀胱炎、アテローム性動脈硬化症、強皮症、およびアトピー性皮膚炎が挙げられる。このような病気は、他の疾患、障害および病気と高頻度で密接に関連し合う。例えば、炎症サイトカインによって引き起こされうる炎症に関連する疾患、障害および病気の非限定的な記載としては、関節炎、腎不全、狼瘡、喘息、乾癬、大腸炎、膵炎、アレルギー、線維症、手術合併症(例えば、炎症サイトカインが治癒を妨げる場合)、貧血、および線維筋痛症が挙げられる。慢性炎症に関連しうる他の疾患および障害として、アルツハイマー病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、動脈硬化症、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、炎症性腸疾患(IBD)、アレルギー性接触皮膚炎および他の湿疹、全身性強皮症、移植、および多発性硬化症が挙げられる。(例えば、現在の治療の制限のために)本開示の化合物が特に有効でありうる前記疾患、障害および病気のいくつかは、下記でより詳細に記載される。
【0165】
用語「自己免疫疾患」は、対象の免疫系が、通常、健常な対象において免疫応答を引き起こさない物質にして異常な免疫応答を示す疾患または病気を意味する。本明細書に記載の化合物、医薬組成物、または方法で治療されうる自己免疫疾患の例として、尋常性ざ瘡、急性散在性脳脊髄炎、急性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、アイカルディ・グティエール症候群(AGS)、円形脱毛症、完全脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性じんま疹、軸索型または神経型ニューロパチー、Balo病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャガス病、脂肪異栄養症および発熱を伴う慢性非典型的好中球性皮膚疾患症候群(CANDLE)、慢性活動性肝炎、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性再発性多発性骨髄炎、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、クレスト症候群、クッシング病、脱髄性ニューロパチー、うつ状態、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状エリテマトーデス、ドレッスラー症候群、ドライアイ症候群DES(乾性角結膜炎)、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合型クリオグロブリン血症、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨細胞動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症、移植片対宿主病(GVDH)、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、化膿性汗腺炎、低ガンマグロブリン血症、突発性血小板減少性紫斑病、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、炎症性腸疾患(IBD)、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性皮膚筋炎(JDM)、若年性筋炎、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破壊性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病、狼瘡、ライム病、慢性メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼部瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、小児自己免疫性溶連菌関連性精神神経障害、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、パリーロンバーグ病、パーソネージ・ターナー症候群、毛様体扁平部炎(周辺部ぶどう膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、多腺性自己免疫症候群I型、II型およびIII型、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、尋常性乾癬、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発軟骨炎、下肢静止不能症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子及び精巣自己免疫(sperm & testicular autoimmunity)、スティフ・マン症候群、乳児発症インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)関連血管炎(SAVI)、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞動脈炎、血小板減少性紫斑病、トロサ・ハント症候群、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、水疱症、白斑、またはウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
【0166】
用語「免疫介在性疾患」は、抗体および細胞性免疫によって永続される慢性炎症性疾患を意味する。免疫介在性疾患には、例えば、以下に限定されないが、喘息、アレルギー、関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎)、若年性関節炎、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌疾患(例えば、1型糖尿病およびグレーブス病)、神経変性疾患(例えば、多発性硬化症(MS))、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、ギランバレー症候群、重症筋無力症、慢性突発性脱髄性疾患(CID)、血管性疾患(例えば、自己免疫性難聴、全身性血管炎、およびアテローム性動脈硬化症)、および皮膚疾患(例えば、尋常性ざ瘡、皮膚筋炎、天疱瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス、強皮症、乾癬、尋常性乾癬、血管炎、白斑、および脱毛症)、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、天疱瘡、移植片拒絶(同種移植片拒絶)、移植片対宿主病(GVDH)が含まれる。
【0167】
本明細書で用いられる用語「癌」は、血液癌の白血病、ならびにリンパ腫、T-ALL、固形癌、例えば、癌腫および肉腫を含む、哺乳類(例えば、ヒト)で見出される全てのタイプの癌、新生物または悪性腫瘍を意味する。例示的な癌として、血液癌、脳癌、神経膠腫、膠芽腫、神経芽細胞腫、前立腺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、子宮頚癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、および頭部の癌が含まれる。例示的な癌としては、甲状腺癌、内分泌系癌、脳癌、乳癌、頚部癌、結腸癌、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、メラノーマ、中皮腫、卵巣癌、肉腫、胃癌、子宮癌、髄芽腫、結腸直腸癌、膵臓癌が挙げられる。さらなる例として、骨髄増殖性腫瘍、甲状腺癌、胆管細胞癌、膵臓腺癌、皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、浸潤性乳癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、卵巣癌,横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、癌、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前癌性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮体癌、副腎皮質癌、膵内分泌または膵外分泌部の腫瘍、甲状腺髄様癌、甲状腺髄様細胞癌、メラノーマ、結腸直腸癌、乳頭様甲状腺癌、肝細胞癌、または前立腺癌が含まれる。
【0168】
同位体標識された化合物もまた、本開示の範囲内である。本明細書で用いられるように、「同位体標識された化合物」または「同位体誘導体」は、1つまたはそれ以上の原子が、天然で通常見出される原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子によって置換されている、本開示の化合物(その医薬的な塩およびプロドラッグを含み、本明細書に記載されるものを含む)を意味する。本開示の化合物に取り込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが含まれる。
【0169】
本開示の化合物を同位体標識することにより、化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用でありうる。トリチウム(H)および炭素-14(14C)で標識された化合物は、それらの調製と検出の容易性のために特に好ましい。さらに、重水素(H)などのより重い同位体による置換は、より高い代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または用量必要性の減少から生じる一定の治療上の有益な点を得ることができ、それゆえ、ある状況下で好まれうる。本開示の同位体標識された化合物(その医薬的な塩、エステル、およびプロドラッグを含む)は、当該技術分野で公知のいずれかの方法によって調製することができる。
【0170】
さらに、通常豊富な水素(H)をより重い同位体(例えば、重水素)に置換することにより、例えば、吸収、分布、代謝および/または排泄(ADME)特性の改善から生じ、有効性、安全性、および/または耐容性が改善された薬物を作成する一定の治療上の利点を得ることができる。利点はまた、通常豊富な12Cを13Cで置換することからも得られうる(WO2007/005643、WO2007/005644、WO2007/016361、およびWO2007/016431を参照)。
【0171】
本開示の化合物の立体異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)および全ての光学異性体(例えば、RおよびSエナンチオマー)、ならびにラセミ、ジアステレオマーおよびこのような異性体の他の混合物は、本開示の範囲内である。
【0172】
本発明の化合物は、それらの調製後に、好ましくは、95%またはそれ以上(「実質的に純粋な」)の重量までの量を含む組成を得るために単離され、精製され、続いて本明細書に記載されるように用いられ、または製剤化される。ある実施態様において、本発明の化合物は、99%以上純粋である。
【0173】
本発明の化合物の溶媒和物および多形もまた本明細書に含まれる。本発明の化合物の溶媒和物には、例えば、水和物が含まれる。
【0174】
医薬組成物または薬剤の製剤化および/または製造における一般的な記載は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition (Lippincott Williams & Wilkins, 2005)で見出すことができる。
【0175】
本明細書に記載の医薬組成物は、薬学の分野で公知の方法のいずれかにより調製することができる。一般に、このような調製方法には、本明細書に記載の化合物(「活性成分」)を、担体および/または1つまたはそれ以上の他の補助成分と結合させ、続いて必要に応じ、および/または所望される場合、前記生成物を所望の単回または複数回用量単位に成形し、および/または包装する工程が含まれる。
【0176】
医薬組成物は、単一の単位用量として、および/または複数の単回単位用量として調製し、包装し、および/または一括販売することができる。本明細書で用いられるように、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与される活性成分の用量と同等であるか、および/またはこのような用量の利便的な分割、例えば、このような用量の2分の1または3分の1である。
【0177】
経口投与のための固形製剤には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。このような固形製剤において、本明細書に記載の化合物またはその誘導体は、少なくとも1つの不活性の一般的な賦形剤(または担体)、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸水素カルシウム、あるいは(i)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、(ii)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸(alignate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、およびアカシア、(iii)保湿剤、例えば、グリセロール、(iv)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、一定の複合ケイ酸、および炭酸ナトリウム、(v)溶液遅延剤(solution retarder)、例えば、パラフィン、(vi)吸収促進剤(absorption accelerator)、例えば、第四級アンモニウム化合物、(Vii)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、およびモノステアリン酸グリセロール、(viii)吸着剤、例えば、カオリンおよびベントナイト、ならびに(ix)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、前記製剤はまた、緩衝剤を含んでいてもよい。同様のタイプの固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤、ならびに高分子ポリエチレングリコールなどを用いて軟および硬ゼラチンカプセル剤において増量剤として用いられてもよい。固形製剤、例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤は、コーティング剤およびシェル、例えば、腸溶性コーティング剤および当該技術分野で公知の他の剤を用いて調製することができる。
【0178】
経口投与のための液体製剤には、医薬的に許容される乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加え、前記液体製剤は、当該技術分野で一般に用いられる不活希釈剤、例えば、水または他の溶媒、溶解剤、および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油、ゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリル、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、あるいはこれらの物質の混合物等を含んでいてもよい。このような不活希釈剤に加え、前記組成物はまた、さらなる薬剤、例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、香味料、または芳香剤を含みうる。
【0179】
本開示の医薬組成物中の活性成分、医薬的に許容される賦形剤および/またはさらなる成分のいずれかの相対的な量は、治療される対象の固有性、大きさ、および/または状態により、さらに組成物が投与される経路により変動しうる。一例として、前記組成物は、0.1(w/w)%~100(w/w)%の活性成分を含みうる。
【0180】
有効量を達成するために必要とされる化合物の正確な量は、例えば、対象の種類、年齢、および総体的な状態、副作用または疾患の重篤性、特定の化合物の固有性、投与様式などに応じて対象ごとに変動する。所望される用量は、1日3回、1日2回、1日1回、2日ごと、3日ごと、1週間ごと、2週間ごと、3週間ごと、または4週間ごとに送達することができる。ある実施態様において、所望される用量は、複数回投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、またはそれ以上の投与)を用いて送達することができる。
【0181】
ある実施態様において、70kgの成人のヒトに1日1回またはそれ以上の投与のための化合物の有効量には、1単位製剤あたり約0.001mg~約3,000mg(例えば、約0.001mg~約2,000mg、約0.001mg~約1,000mg、約0.001mg~約500mg、約0.001mg~約100mg、約0.001mg~約50mg、約0.001mg~約10mg、約0.01mg~約1,000mg、約0.1mg~約1,000mg、約1mg~約1,000mg、約10mg~約1,000mg、約100mg~約1,000mg、約1mg~約500mg、約5mg~約250mg)の化合物が含まれてもよい。
【0182】
ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、望まれる治療効果を得るために、1日あたり(1日1回またはそれ以上)対象の体重の約0.001mg/Kg~約1,000mg/Kg(例えば、約0.01mg/Kg~約1,000mg/Kg、約0.1mg/Kg~約1,000mg/Kg、約1mg/Kg~約1,000mg/Kg、約0.001mg/Kg~約100mg/Kg、約0.001mg/Kg~約10mg/Kg、約0.001mg/Kg~約1mg/Kg、約0.1mg/Kg~約40mg/Kg、約0.5mg/Kg~約30mg/Kg、約0.01mg/Kg~約10mg/Kg、約0.1mg/Kg~約10mg/Kg、または約1mg/Kg~約25mg/Kg)で送達するために十分な用量レベルで投与されうる。
【0183】
ある実施態様において、投薬計画は、数日、数週間、数か月、または数年継続される。
【0184】
本明細書に記載される用量範囲は、成人に供される医薬組成物の投与のための指針を提供するものと理解される。例えば、子供または若年に投与されるべき量は、医療従事者または当業者によって決定することができ、成人に投与される量より低いか、または同一でありうる。
【0185】
本明細書に記載される化合物または医薬組成物は、1つまたはそれ以上のさらなる治療活性薬剤と組み合わせて投与することができることも理解される。ある実施態様において、本明細書で供される化合物または医薬組成物は、体内におけるそのバイオアベイラビリティを改善し、その代謝を減少し、および/または調節し、その排泄を抑制し、および/またはその分布を調節する1つまたはそれ以上のさらなる治療活性薬剤と組み合わせて投与される。用いられる治療は、同一の疾患に対する所望の効果を達成してもよく、および/または異なる効果を達成するものであってもよいことも理解される。
【0186】
前記化合物または医薬組成物は、1つまたはそれ以上のさらなる治療活性薬剤と同時に、前に、または後に投与することができる。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量および/または時間スケジュールで投与される。この組み合わせで用いられるさらなる治療活性薬剤は、単一の組成物中で一緒に投与されるか、または異なる組成物中で別々に投与することができることがさらに理解される。投薬計画で用いる特定の組み合わせは、供される化合物とさらなる治療活性薬剤との適合性および/または達成されるべき所望の治療効果を考慮する。一般に、組み合わせで用いられるさらなる治療活性薬剤は、それらが各々で用いられるレベルを超えないレベルで用いられることが予想される。ある実施態様において、組み合わせで用いられるレベルは、各々で用いられるレベルより低い。
【0187】
例示的なさらなる治療活性薬剤には、以下に限定されないが、小有機分子、例えば、薬物化合物、例えば、連邦規則集(CFR)で供されるようなアメリカ食品医薬品局(FDA)によって認可された化合物、ぺプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質結合小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞が含まれる。
【0188】
本明細書に開示される物質、組成物、および成分は、開示される方法および組成物のために用いることができ、開示される方法および組成物と組み合わせて用いることができ、開示される方法および組成物の製造において用いることができ、あるいは開示される方法および組成物の製品である。これらの化合物のそれぞれの様々な各々および全体の組み合わせおよび順列の具体的な参照が明確に開示されていないかもしれないが、これらの物質の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などが開示されている場合、各々は本明細書に明確に意図され、記載されるものと理解される。例えば、ある方法が開示され、記載され、前記方法に含まれる多くの分子になされうる多くの改変が記載されている場合、前記方法と可能な改変の各々全ての組み合わせおよび順列が、特に矛盾を示されない限り明確に意図されるものである。同様に、これらのいずれのサブセットまたは組み合わせもまた、明確に意図され、記載されるものである。この概念は、本開示の化合物または組成物を用いる方法における工程を含むが、これに限定されない本開示の全ての態様に適する。よって、実施しうる様々なさらなる工程が存在する場合、これらのさらなる工程の各々は、開示される方法のいずれの具体的な方法の工程または方法の工程の組み合わせで実施することができ、各々のこのような組み合わせまたは組み合わせのサブセットが具体的に意図され、開示されるものと考えられるべきと理解される。
【0189】
本発明の一定の化合物は、特に、幾何または立体異性体型として存在していてもよい。本発明は、本発明の範囲内として、シスおよびトランス異性体、R-およびS-エナンチオマー、ジアステレオマー、(d)-異性体、(l)-異性体、そのラセミ混合物、およびこれらの他の混合物を含む全てのこのような化合物が包含される。さらなる不斉炭素原子は、アルキル基などの置換基に存在しうる。全てのこのような異性体ならびにこれらの混合物は、本発明に含まれるものとされる。
【0190】
様々な異性体比率のいずれかで含む異性体混合物が本発明により用いられてもよい。例えば、2種類の異性体のみが組み合わされる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、または100:0の異性体比率で含まれる混合物が本発明に含まれうる。当業者は、類似する比率がより複雑な異性体混合物について包含されることを容易に評価する。
【0191】
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望ましい場合、不斉合成によるか、またはキラル補助基との誘導体化により調製されてもよく、得られたジアステレオ異性体混合物が分離され、前記補助基が切断されて、純粋な所望されるエナンチオマーが供される。あるいは、前記分子が、塩基性官能基(例えば、アミノ基)、または酸性官能基(例えば、カルボキシル基)を含む場合、ジアステレオマー塩を、適当な光学的に活性な酸または塩基と形成させ、次いで前記ジアステオマーを当該技術分野で周知の分別晶析法またはクロマトグラフ法により分割し、続いて純粋なエナンチオマーを回収する。
【0192】
下記の実施例は、本発明の実施の例示であって、いかなる限定も意図されるものではない。
【実施例0193】
略語
一定の略語を下記に記載する。
メタノール:MeOH
ジクロロメタン:DCM
石油エーテル:PE
酢酸エチル:EtOAc
トリエチルアミン:TEA
水酸化ナトリウム:NaOH
窒素:N
ジフェニルリン酸アジド:DPPA
薄層クロマトグラフィー:TLC
高速液体クロマトグラフィー:HPLC
N,N-ジイソプロピルエチルアミン:DIPEA
N,N-ジメチルホルムアミド:DMF
4-メチルベンゼン-1-スルホニルクロリド:TsCl
室温:RT
Hours:時間
【0194】
代表的なPrep-HPLC方法:(流速およびグラジエントは変動しうる)
Prep-HPLCの例示的な方法を下記に供する。
方法A:NHHCO
(カラム:XBrige Prep C18 5μm OBD 19150mm、PN186002979;移動相:20%~60%の水中のCHCN(0.1% NHHCO)、流速:15mL/分).
方法B:
(カラム:XBridge Prep C18 5μm OBD 19150mm、PN186002979;移動相:15%~40%の水中のCHCN(0.1% ギ酸)、流速:15mL/分)
【0195】
代表的なHPLC分析方法
方法1:Agilent 1260シリーズHPLC-6120MSを用いて分析を行った。
UHPLC Long Gradient Equivalent 5%~95%の水中のアセトニトリル(0.02%のNHOAcを含む) 1.5mL/分の流速で6.5分の流動時間。XBridge C18カラム(5μm、4.650mm;PN186003113)を40℃の温度で使用した。
【0196】
方法2:Agilent 1200シリーズHPLC-6120MSを用いて分析を行った。
UHPLC Long Gradient Equivalent 5%~95%の水中のアセトニトリル(0.1%のトリフルオロ酢酸を含む) 1.5mL/分の流速で6.5分の流動時間。XBridge C18カラム(5μm、4.650mm;PN186003113)を40℃の温度で使用した。
【0197】
方法3:Agilent 1260シリーズHPLC-6120MSを用いて分析を行った。
UHPLC Long Gradient Equivalent 5%~95%の水中のアセトニトリル(0.02%のNHOAcを含む) 2mL/分の流速で6.5分の流動時間。Diamonsil Plus C18カラム(5μm、4.630mm カタログ#99436)を40℃の温度で使用した。
【0198】
実施例1
【化25】

ステップ1.4-クロロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1b)
化合物1a(30g,0.2mol)およびTsCl(45g,0.24mol)を、アセトンおよび水の混合物(600mL,V:V=5:1)に溶解させ、続いて0℃でNaOH(11.8g,0.29mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、該混合物を100mLの溶媒まで濃縮し、氷水で冷却した。形成された固形物を濾過し、乾燥させて、表題生成物を白色の固形物として得た(52g,収率86%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.30 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 2.37 (s, 3H).
【0199】
ステップ2.4-クロロ-5-ニトロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1c)
化合物1b(5.0g,16.3mmol)および75mLのDCMの混合物に、0℃で硝酸テトラブチルアンモニウム(2.9g,21.3mmol)を少しずつ加え、続いてトリフルオロ無水酢酸(3.14mL,22.2mmol)をゆっくり加えた。室温で16時間攪拌し、さらなる量の硝酸テトラブチルアンモニウム(0.58g,4.23mmol)およびトリフルオロ無水酢酸(0.8mL,5.7mmol)を0℃で加えた。室温に温め、該反応混合物を室温で4時間攪拌した。反応混合液をDCM(150mL)で希釈し、水で洗浄し(30mLX2)、次いで乾燥するまで濃縮した。残渣をMeOH中でトリチュレートして、表題生成物を白色の固形物として得た(3.15g,収率55%)。LC-MS (方法2): tR = 1.76分, m/z (M+H) += 351.8.
【0200】
ステップ3.Tert-ブチル 3-((5-ニトロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート(1d)
化合物1c(500mg,1.42mmol)、tert-ブチル 3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート(313mg,1.71mmol)およびDIPEA(276mg,2.13mmol)をイソプロパノール(5mL)中に溶解させた。前記溶液を120℃で2時間攪拌した。冷まし、形成された固形物を濾過により収集し、乾燥させて、表題生成物を褐色の固形物として得た(612mg,収率86%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.28 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 8.07 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.48 (s, 6H), 2.40 (s, 3H), 1.47 (s, 9H).
【0201】
ステップ4.Tert-ブチル 3-((5-アミノ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート(1e)
化合物1d(600mg,1.22mmol)をMeOH(6mL)中に溶解させ、続いてPd/C(48mg,10%wt)を一度に加えた。該混合物を室温で16時間水素化した(1atm)。該混合物を濾過し、該濾液を濃縮した。残渣を分取TLC(PE:EtOAc=1:1)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(258mg,収率46%)。LC-MS (方法2): tR = 1.64分, m/z (M+H) += 469.0.
【0202】
ステップ5.Tert-ブチル 3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート(1f)
化合物1e(258mg,0.55mmol)、オルトギ酸トリエチル(204mg,1.37mmol)およびp-トルエンスルホン酸(10mg,0.05mmol)をトルエン(6mL)中に溶解させた。該混合物を120℃で16時間攪拌した。冷まし、該混合物を乾燥するまで濃縮した。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(溶離液:PE:EtOAc=1:1)により精製して、表題生成物を褐色の固形物として得た(191mg,収率73%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.91 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.82 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.27-7.25 (m, 2H), 6.83 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 2.71 (s, 6H), 2.35 (s, 3H), 1.51 (s, 9H).
【0203】
ステップ6.3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(1g)
DCM(2mL)中の化合物1f(191mg,0.40mmol)溶液に、TFA(1mL)を加えた。室温で16時間攪拌し、該混合物を乾燥するまで濃縮して、粗製表題生成物を褐色の固形物として得た(170mg,収率100%)。LC-MS (方法2): tR = 1.47分, m/z (M+H) += 423.0
【0204】
ステップ7.Tert-ブチル (3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(1h)
tert-ブタノール(7.2mL)中の化合物1g(153mg,0.36mmol)の混合物に、N下でDPPA(130mg,0.47mmol)およびTEA(73mg,0.72mmol)を加えた。該混合物を室温で30分間攪拌し、次いで90℃に高め、さらに16時間攪拌した。冷却し、該混合物を乾燥するまで濃縮した。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=50:1)により精製して、表題生成物を褐色の固形物として得た(160mg,収率89%)。LC-MS (方法2): tR = 1.71分, m/z (M+H) += 494.0.
【0205】
ステップ8.Tert-ブチル (3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(1i)
MeOH(3mL)および水(3mL)中の化合物1h(160mg,0.32mmol)の溶液に、NaOH(300mg,7.5mmol)を加えた。室温で4時間攪拌し、該混合物を濃縮した。残渣を水(20mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(30mL*2)。有機層を合わせて、乾燥するまで濃縮し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=20:1)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(60mg,収率55%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.99 (s, 1H), 9.81 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.39 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.30 (br s, 1H), 2.80 (s, 6H), 1.50 (s, 9H).
【0206】
ステップ9.3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン 2,2,2-トリフルオロアセテート(1j)
DCM(2mL)中の化合物1i(60mg,0.18mmol)の溶液に、TFA(0.5mL)を加えた。室温で1時間攪拌し、該混合物を乾燥するまで濃縮して、粗製表題生成物を褐色の固形物として得た(100mg,収率100%)。LC-MS (方法2): tR = 0.309分, m/z (M+H) += 240.0
【0207】
ステップ10.N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(1)
DMF(1mL)中の化合物1j(40mg,0.16mmol)およびTEA(51mg,50mmol)の溶液に、0℃でプロパン-1-スルホニルクロリド(28mg,0.5mmol)を加えた。室温で3時間攪拌し、該混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(20mL*3)。有機層を合わせて、乾燥するまで濃縮した。残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(10mg,収率18%)。LC-MS (方法1): tR = 2.71分, m/z (M+H) += 346.0. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.94 (s, 1H), 8.59 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 6.70 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.08 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 2.70 (s, 6H), 1.74 - 1.72 (m, 2H), 1.73 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
【0208】
実施例2
【化26】

ステップ1.Tert-ブチル (シス-3-((5-ニトロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)シクロブチル)カルバメート(2a)
化合物2a(380mg)は、化合物1c(300mg,0.85mmol)およびtert-ブチル (シス-3-アミノシクロブチル)カルバメート(191mg,1.02mmol)を出発物質として、実施例1のステップ3と同様の調製方法を用いることにより収率89%で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.09 (s, 1H), 9.04 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.75 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.73 (br s, 1H), 4.07 (br s, 1H), 3.04 - 2.92 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.03 - 1.94 (m, 2H), 1.40 (s, 9H).
【0209】
ステップ2.Tert-ブチル (シス-3-((5-アミノ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)シクロブチル)カルバメート(2b)
化合物2b(300mg)は、化合物2a(380mg,0.76mmol)を出発物質として、実施例1のステップ4と同様の調製方法を用いることにより収率84%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 1.63分, m/z (M+H) += 472.2
【0210】
ステップ3.Tert-ブチル (シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)カルバメート(2c)
化合物2c(260mg)は、化合物2b(300mg,0.64mmol)およびトリエトキシメタン(236mg,1.59mmol)を出発物質として、実施例1のステップ5と同様の調製方法を用いることにより収率85%で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.05 (s, 1H), 7.80 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.77 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.73 (br s, 1H), 4.73 - 4.69 (m, 1H), 4.16 - 4.14 (m, 1H), 3.18 - 3.12 (m, 2H), 2.47 - 2.44 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 1.45 (s, 9H).
【0211】
ステップ4.Tert-ブチル (シス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)カルバメート(2d)
化合物2d(165mg)は、化合物2c(260mg,0.54mmol)を出発物質として、実施例1のステップ8と同様の調製方法を用いることにより収率93%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 1.47分, m/z (M+H) += 328.1.
【0212】
ステップ5.シス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブタンアミン 2,2,2-トリフルオロアセテート(2e)
化合物2e(199mg,粗製物)は、化合物2d(165mg,0.50mmol)を出発物質として、実施例1のステップ9と同様の調製方法を用いることにより収率87%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 0.22分, m/z (M+H) += 228.0.
【0213】
ステップ6.N-(シス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)プロパン-1-スルホンアミド(2)
実施例2(28.8mg)は、化合物2e(160mg,粗製物,0.35mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(60mg,0.42mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率25%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.84分, m/z (M+H) += 334.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.85 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.58 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 3.6, 2.0 Hz, 1H), 4.95 - 4.90 (m, 1H), 3.86 - 3.80 (m, 1H), 3.10 - 3.24 (m, 2H), 3.00 - 2.96 (m, 2H), 2.54 - 2.47 (m, 2H), 1.73 - 1.67 (m, 2H), 0.99 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0214】
実施例3
【化27】

ステップ1.Tert-ブチル (トランス-3-((5-ニトロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)シクロブチル)カルバメート(3a)
化合物3a(0.64g)は、化合物1c(500mg,1.42mmol)およびtert-ブチル (トランス-3-アミノシクロブチル)カルバメート(318mg,1.71mmol)を出発物質として、実施例2のステップ1と同様の調製方法を用いることにより収率89%で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.16 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 9.11 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.61 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.81 (br s, 1H), 4.50 (br s, 1H), 4.33 (br s, 1H), 2.57 - 2.46 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.45 (s, 9H).
【0215】
ステップ2.Tert-ブチル (トランス-3-((5-アミノ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)シクロブチル)カルバメート(3b)
化合物3b(0.45g)は、化合物3a(0.64g,1.28mmol)を出発物質として、実施例2のステップ2と同様の調製方法を用いることにより収率75%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 1.61分, m/z (M+H) += 472.2.
【0216】
ステップ3.Tert-ブチル (トランス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)カルバメート(3c)
化合物3c(160mg)は、化合物3b(0.45g,0.95mmol)およびトリエトキシメタン(432mg,2.91mmol)を出発物質として、実施例2のステップ3と同様の調製方法を用いることにより収率35%で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.91 (s, 1H), 8.11 - 8.07 (m, 3H), 7.79 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.26 - 7.22 (m, 2H), 6.70 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.21- 5.14 (m, 1H), 4.90 (br s, 1H), 4.37 (br s, 1H), 2.93 - 2.86 (m, 2H), 2.79 - 2.73 (m, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.46 (s, 9H).
【0217】
ステップ4.Tert-ブチル (トランス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)カルバメート(3d)
化合物3d(100mg)は、化合物3c(160mg,0.33mmol)を出発物質として、実施例2のステップ4と同様の調製方法を用いることにより収率92%で合成した。 LC-MS (方法1): tR = 1.32分, m/z (M+H) += 328.2.
【0218】
ステップ5.トランス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブタンアミン 2,2,2-トリフルオロアセテート(3e)
化合物3e(60mg,粗製物)は、化合物3d(100mg,0.31mmol)を出発物質として、実施例2のステップ5と同様の調製方法を用いることにより収率43%で合成した。粗生成物は、さらに精製することなく次のステップに使用した。
【0219】
ステップ6.N-(トランス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)プロパン-1-スルホンアミド(3)
実施例3(29.6mg)は、化合物3e(60mg,0.26mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(45mg,0.31mmol)を出発物質として、実施例2の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率34%で合成した。LC-MS (Method 1): tR = 2.68 min, m/z (M+H) += 334.0. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.84 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.84 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.72 (dd, J = 3.2, 2.0 Hz, 1H), 5.34 - 5.27 (m, 1H), 4.10 - 4.05 (m, 1H), 3.02 - 2.90 (m, 4H), 2.73 - 2.66 (m, 2H), 1.73 - 1.64 (m, 2H), 0.98 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0220】
実施例4
【化28】
3-シアノ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アゼチジン-1-スルホンアミド(4)
実施例4(22.6mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3-シアノアゼチジン-1-スルホニルクロリド(45mg,0.25mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率28%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.01分, m/z (M+H) += 384.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.50 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.68 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 4.07 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.94 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.81 - 3.77 (m, 1H), 2.70 (s, 6H).
【0221】
実施例5
【化29】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミド(5)
実施例5(6.9mg)は、化合物1j(43mg,0.18mmol)および2-メチルプロパン-1-スルホニルクロリド(34mg,0.22mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率11%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.10分, m/z (M+H) += 360.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.97 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.54 (t, J = 3.6 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 2.73 (s, 6H), 2.22 - 2.13 (m, 1H), 1.10 (d, J = 8.8 Hz, 6H).
【0222】
実施例6
【化30】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-2-メトキシエタンスルホンアミド(6)
実施例6(21.1mg)は、化合物1j(45mg,0.19mmol)および2-メトキシエタンスルホニルクロリド(36mg,0.23mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率31%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.48分, m/z (M+H) += 362.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.50 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 3.72 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.38 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.37 (s, 3H), 2.70 (s, 6H).
【0223】
実施例7
【化31】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)シクロプロパンスルホンアミド(7)
実施例7(15.5mg)は、化合物1j(43mg,0.18mmol)およびシクロプロパンスルホニルクロリド(30mg,0.21mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率25%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.02分, m/z (M+H) += 344.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.50 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 2.71 (s, 6H), 2.69 - 2.67 (m, 1H), 1.05 - 1.00 (m, 4H).
【0224】
実施例8
【化32】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-メチルブタンアミド(8)
実施例8(17.3mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3-メチルブタノイルクロリド(38mg,0.31mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率26%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.43分, m/z (M+H) + = 324.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.49 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 2.0, 3.6 Hz, 1H), 2.72 (s, 6H), 2.00 - 1.99 (m, 3H), 0.90 (d, J = 6.4 Hz, 6H).
【0225】
実施例9
【化33】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ブチルアミド(9)
実施例9(12.4mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および塩化ブチリル(53mg,0.32mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率14%で合成した。最終化合物は、Prep-HPLC(方法B)により精製した。LC-MS (方法1): tR = 3.06分, m/z (M+H) += 310.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.28 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 2.75 (s, 6H), 2.09 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.58 - 1.49 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0226】
実施例10
【化34】
イソブチル (3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(10)
実施例10(2.3mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびイソブチル カルボノクロリダート(31mg,0.230mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより3%の収率で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.38分, m/z (M+H) += 340.2. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.49 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.38 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.76 (s, 1H), 3.77 (s, 2H), 2.72 (s, 6H), 1.91 - 1.78 (m, 1H), 0.88 (d, J = 5.2 Hz, 6H).
【0227】
実施例11
【化35】
ステップ1.3-(6-(トリイソプロピルシリル)イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(11a)
DMF(2mL)中の化合物1j(200mg,0.84mmol)の溶液に、0℃でNaH(100mg,2.56mmol,鉱油中で60%)を加えた。該混合物を0℃で1時間攪拌した。TIPSCl(240mg,1.28mmol)を0℃で該反応混合物に加えた。4時間攪拌し、該混合物をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を分離し、濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を無色の油状物として得た(150mg,収率45%)。LC-MS (方法3): tR = 1.94分, m/z (M+H) += 396.2.
【0228】
ステップ2.2-シアノ-N-(3-(6-(トリイソプロピルシリル)イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アセトアミド(11b)
DMF(2mL)中の化合物11a(150mg,0.39mmol)、2-シアノ酢酸(65mg,0.76mmol)の溶液に、室温でHATU(433mg,1.14mmol)およびDIPEA(147mg,1.14mmol)を加えた。該混合物を室温で2時間攪拌した。該混合物を濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題化合物(150mg,収率83%)を白色の固形物として得た。LC-MS (方法3): tR = 1.87分, m/z (M+H) += 463.2.
【0229】
ステップ3.2-シアノ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アセトアミド(11)
THF(4mL)中の化合物11b(150mg,0.32mmol)の溶液に、室温でTBAF(0.49mL,0.49mmol)を加えた。該混合物を室温で1時間攪拌した。該混合物を濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(33mg,収率34%)。LC-MS (方法1): tR = 2.89分, m/z (M+H) += 307.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 9.18 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.50 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 2.0, 3.6 Hz, 1H), 3.70 (s, 2H), 2.75 (s, 6H).
【0230】
実施例12
【化36】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)シクロプロパンカルボキサミド(12)
実施例12(6mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびシクロプロパンカルボニルクロリド(33mg,0.31mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより9%の収率で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.23分, m/z (M+H) + = 308.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 8.97 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.49 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 2.73 (s, 6H), 1.58 - 1.54 (m, 1H), 0.74 - 0.69 (m, 4H).
【0231】
実施例13
【化37】
2-シクロプロピル-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アセトアミド(13)
DCM(2mL)中の2-シクロプロピル酢酸(200mg,2.0mmol)の溶液に、0℃でDMF(1滴)およびシュウ酸クロリド(508mg,4.0mmol)を滴下して加えた。該混合物を室温で1時間攪拌した。該混合物を減圧中で濃縮して、2-シクロプロピルアセチル クロリド(236mg,粗製物)を白色の固形物として得た。
【0232】
DMF(1mL)中の化合物1j(50mg,0.21mmol)およびDIPEA(270mg,2.1mmol)の溶液に、0℃で2-シクロプロピルアセチル クロリド(37.2mg,0.315mmol)を加えた。該混合物を室温で3時間攪拌した。該混合物をPrep-HPLC(方法B)により精製して、表題化合物(30mg,収率44%)を白色の固形物として得た。LC-MS (方法1): tR = 2.96分, m/z (M+H)+ = 322.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.23 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.61 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.81 (s, 1H), 2.76 (s, 6H), 2.03 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.01 - 0.95 (m, 1H), 0.48 - 0.44 (m, 2H), 0.13 (dd, J1 = 5.2 Hz, J2 = 10.0 Hz, 2H).
【0233】
実施例14
【化38】
3-シアノ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパンアミド(14)
実施例14(8.8mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3-シアノプロパン酸(69mg,0.69mmol)を出発物質として、実施例13と同様の調製方法を用いることにより収率13%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.84分, m/z (M+H) + = 321.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.50 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 2.74 (s, 6H), 2.66 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.44 - 2.39 (m, 2H).
【0234】
実施例15
【化39】
4-クロロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ベンズアミド(15)
実施例15(15mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および4-クロロベンゾイル クロリド(54mg,0.31mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率19%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.48分, m/z (M+H) + = 378.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (s, 1H), 9.41 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.93 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.51 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.73 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 2.84 (s, 6H).
【0235】
実施例16
【化40】
イソプロピル (3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(16)
実施例16(15.3mg)は、化合物1j(55mg,0.23mmol)およびクロロギ酸イソプロピル(0.23mL,1mol/L,0.23mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率21%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.79分, m/z (M+H)+ = 326.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.07 (br s, 1H), 7.49 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.68 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 4.83 - 4.77 (m, 1H), 2.67 (s, 6H), 1.21 (d, J = 5.6 Hz, 6H).
【0236】
実施例17
【化41】
3,3-ジフルオロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)シクロブタンカルボキサミド(17)
実施例17(3.7mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3,3-ジフルオロシクロブタンカルボニルクロリド(49mg,0.32mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより4%の収率で合成した。表題化合物は、Prep-HPLC(方法B)により精製した。LC-MS (方法1): tR = 3.11分, m/z (M+H) + = 358.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.49 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 2.89 - 2.87 (m, 1H), 2.76 - 2.68 (m, 10H).
【0237】
実施例18
【化42】
4,4,4-トリフルオロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ブタンアミド(18)
実施例18(29.9mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および4,4,4-トリフルオロブタン酸(60mg,0.42mmol)を出発物質として、実施例13と同様の調製方法を用いることにより収率39%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.82分, m/z (M+H)+ = 364.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.49 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 2.0 Hz, 3.6 Hz, 1H), 2.73 (s, 6H), 2.57 - 2.52 (m, 2H), 2.42 - 2.39 (m, 2H).
【0238】
実施例19
【化43】
シクロプロピルメチル (3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(19)
シクロプロピルメタノール(30mg,0.42mmol)およびTEA(63mg,0.63mmol)をTHF(1mL)中に溶解させた。生じた溶液を-30℃に冷却し、続いて同一温度でTHF(1mL)中のビス(トリクロロメチル)カルボネート(124mg,0.42mmol)の溶液を滴下して加えた。該反応物を室温に温め、30分間攪拌した。次いでTHF/DMSO(1mL/0.5mL)中の化合物1j(50mg,0.21mmol)およびTEA(63mg,0.63mmol)の溶液を、前記反応混合物に加えた。室温で1時間攪拌し、該混合物をDCM(10mL)で希釈し、食塩水(5mL)で洗浄した。有機層を分離し、濃縮して残渣を得て、Prep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(2.4mg,3%の収率)。LC-MS (方法1): tR = 8.49分, m/z (M+H)+ = 338.2. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.47 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 3.92 (s, 2H), 2.81 (s, 6H), 1.17 - 1.15 (m, 1H), 0.59 - 0.57 (m, 2H), 0.32 - 0.30 (m, 2H).
【0239】
実施例20
【化44】
3-シアノ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ピロリジン-1-スルホンアミド(20)
化合物20a(100mg,0.76mmol)およびTEA(267mg,2.64mmol)をDCM(2mL)中に溶解させ、続いて-78℃で6.0mLのDCM中のSOCl(122mg,0.91mmol)の溶液を滴下して加えた。該混合物を-78℃で30分間攪拌し、室温に温めた。HCl水溶液(1N,10mL)および食塩水(10mL)を前記溶液に加えた。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を乾燥するまで濃縮して、褐色の油状物を得た。次いでこれをDCM(0.5mL)中に溶解させた。生じた溶液を、室温でTHF(2mL)およびDMSO(0.4mL)中の化合物1j(80mg,0.335mmol)およびDIPEA(130mg,1.005mmol)の混合物に加えた。反応液を室温で18時間攪拌した。該混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(30mL*3)。有機層を合わせて、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を乾燥するまで濃縮して、残渣を得て、Prep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を黄色の固形物として得た(12mg,9%の収率)。LC-MS (方法1): tR = 2.96分, m/z (M+H) += 398.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.94 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.51 - 7.49 (m, 1H), 6.68 - 6.67 (m, 1H), 3.52 - 3.49 (m, 2H), 3.44 - 3.41 (m, 1H), 3.29 - 3.27 (m, 2H), 2.71 - 2.68 (m, 6H), 2.34 - 2.29 (m, 1H), 2.22 - 2.16 (m, 1H).
【0240】
実施例21
【化45】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-メトキシアゼチジン-1-スルホンアミド(21)
実施例21(13mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および化合物21a(150mg,1.21mmol)を出発物質として、実施例20と同様の調製方法を用いることにより収率16%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.87分, m/z (M+H) += 389.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.93 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 4.18 (s, 1H), 3.95 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.66- 2.65 (m, 2H), 3.23 (s, 3H), 2.69 (s, 6H).
【0241】
実施例22
【化46】
3-フルオロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アゼチジン-1-スルホンアミド(22)
実施例22(13mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および化合物22a(200mg,1.79mmol)を出発物質として、実施例20と同様の調製方法を用いることにより収率16%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.88分, m/z (M+H) += 377.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.94 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.51 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 5.47 - 5.44 (m, 0.5H), 5.32 - 5.30 (m, 0.5H), 4.15 - 4.06 (m, 2H), 3.93 - 3.84 (m, 2H), 2.69 (s, 6H).
【0242】
実施例23
【化47】
3,3-ジフルオロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アゼチジン-1-スルホンアミド(23)
実施例23(8.0mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および化合物23a(200mg,1.54mmol)を出発物質として、実施例20と同様の調製方法を用いることにより収率10%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.15分, m/z (M+H) += 395.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.93 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.51 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.67 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 4.29 (t, J = 12.8 Hz, 4H), 2.68 (s, 6H).
【0243】
実施例24
【化48】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-N’-ジメチル-1-スルホンアミド(24)
THF(1.5mL)およびDMSO(0.5mL)中の化合物1j(60mg,0.25mmol)およびDIPEA(130mg,1.00mmol)の溶液に、0℃で0.5mLのTHF中の塩化ジメチルスルファモイル(36mg,0.25mmol)の溶液を滴下して加えた。該混合物を25℃で14時間攪拌した。該混合物をHO(15 mL)で希釈し、DCMで抽出した(20mL*2)。有機層を合わせて、濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(15mg,収率17%)。LC-MS (方法1): tR = 2.59分, m/z (M+H) += 347.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.48 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.38 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 2.73 (s, 6H), 2.68 (s, 6H).
【0244】
実施例25
【化49】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-N’-メチル-N’-エチル-1-スルホンアミド(25)
化合物1j(70mg,0.29mmol)、EtN(148mg,1.46mmol)、KCO(404mg,2.93mmol)、およびACN(3mL)からなる混合物に、0℃で0.5mLのACN中のエチル(メチル)スルファモイル クロリド(46.0mg,0.29mmol)の溶液を滴下して加えた。該混合物を30℃で14時間攪拌した。該混合物をHO(20mL)で希釈し、DCMで抽出した(40mL*2)。有機層を合わせて、乾燥するまで濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(8.0mg,9% 収率)。LC-MS (方法1): tR = 2.96分, m/z (M+H) += 361.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.48 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.38 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.17 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.75 (s, 3H) , 2.68 (s, 6H) , 1.14 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0245】
実施例26
【化50】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-メトキシプロパン-1-スルホンアミド(26)
実施例26(15mg)は、化合物1j(80mg,0.33mmol)および3-メトキシプロパン-1-スルホニルクロリド(58mg,0.33mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率12%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.11分, m/z (M+H) + = 376.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 6.69 (s, 1H), 3.45 (s, 4H), 3.09 (s, 3H), 2.68 (s, 6H), 1.93 (s, 2H).
【0246】
実施例27
【化51】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)エタンスルホンアミド(27)
実施例27(11mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびエタンスルホニルクロリド(35mg,0.27mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率16%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.36分, m/z (M+H) += 332.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.87 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 7.73 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.16 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.90 (s, 6H), 1.41 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0247】
実施例28
【化52】
4-クロロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド(28)
実施例28(12.4mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および4-クロロベンゼン-1-スルホニルクロリド(58mg,0.27mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率14%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.94分, m/z (M+H) += 414.0. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.45 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.52 (s, 6H).
【0248】
実施例29
【化53】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホンアミド(29)
実施例29(5.5mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニルクロリド(49mg,0.27mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより7%の収率で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.41分, m/z (M+H) += 384.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.49 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.59 - 6.58 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 2.56 (s, 6H).
【0249】
実施例30
【化54】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-2-スルホンアミド(30)
実施例30(3.4mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびプロパン-2-スルホニルクロリド(39mg,0.27mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより5%の収率で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.50分, m/z (M+H) += 346.1. 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.96 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.53 (t, J = 2.7 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 3.30 - 3.21 (m, 1H), 2.72 (s, 6H), 1.32 (d, J = 6.9 Hz, 6H).
【0250】
実施例31
【化55】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ブタン-1-スルホンアミド(31)
実施例31(10mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびブタン-1-スルホニルクロリド(66mg,0.42mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより収率13%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.13分, m/z (M+H) += 360.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.60 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.50 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 3.18 - 3.14 (m, 2H), 2.84 (s, 6H), 1.86 - 1.80 (m, 2H), 1.58 - 1.52 (m, 2H), 1.02 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0251】
実施例32
【化56】
3,3,3-トリフルオロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(32)
実施例32(4.7mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3,3,3-トリフルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(62mg,0.32mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより6%の収率で合成した。最終化合物をPrep-HPLC(方法B)により精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法1): tR = 3.17分, m/z (M+H) += 400.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.67 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.55 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.31 - 3.27 (m, 2H), 2.79 (s, 6H), 2.67 - 2.61 (m, 2H). 19F NMR (376 MHz, CD3OD) δ -67.55.
【0252】
実施例33
【化57】
1-シアノ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メタンスルホンアミド(33)
実施例33(4.5mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびシアノメタンスルホニルクロリド(45mg,0.32mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより6%の収率で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.32分, m/z (M+H) += 343.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.94 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.50 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.75 - 6.74 (m, 1H), 4.87 (s, 2H), 2.75 (s, 6H).
【0253】
実施例34
【化58】
1-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-プロピル尿素(34)
化合物1j(50mg,0.21mmol)、THF(0.6mL)、およびDMSO(0.2mL)からなる十分に攪拌した溶液に、1-イソシアナトプロパン(36mg,0.42mmol)を加えた。該混合物を30℃で3時間攪拌した。該混合物を乾燥するまで濃縮して、残渣を生成し、Prep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物(27.3mg,収率40%)を淡黄色の固形物として得た。LC-MS (方法1): tR = 2.80分, m/z (M+H) += 325.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.89 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.48 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.75 - 6.70 (m, 2H), 5.91 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 2.99 - 2.94 (m, 2H), 2.66 (s, 6H), 1.42 - 1.37 (m, 2H), 0.85 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0254】
実施例35
【化59】

1-シクロプロピル-3-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)尿素(35)
実施例35(29.6mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびイソシアナトシクロプロパン(35mg,0.42mmol)を出発物質として、実施例34と同様の調製方法を用いることにより収率44%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.83分, m/z (M+H)+ = 323.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.89 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.49 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.77 (s, 1H), 6.71 (dd, J = 2.0 Hz, 3.6 Hz, 1H), 6.21 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 2.67 (s, 6H), 2.45- 2.41 (m, 1H), 0.60 - 0.56 (m, 2H), 0.38 - 0.34 (m, 2H).
【0255】
実施例36
【化60】
1-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-イソブチル尿素(36)
実施例36(17.4mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および1-イソシアナト-2-メチルプロパン(41mg,0.42mmol)を出発物質として、実施例34と同様の調製方法を用いることにより収率25%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.23分, m/z (M+H)+ = 339.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.89 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.48 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 6.73 (s, 1H), 6.72 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 5.95 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 2.84 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.66 (s, 6H), 1.67 - 1.61 (m, 1H), 0.84 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0256】
実施例37
【化61】
3,3-ジフルオロ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アゼチジン-1-カルボキサミド(37)
化合物1j(50mg,0.21mmol)、TEA(74mg,0.73mmol)、DCM(1.0mL)、およびDMSO(0.5mL)からなる十分に攪拌した溶液に、CDI(68mg,0.42mmol)を一度に加えた。該混合物を室温で2時間攪拌した。生じた反応溶液を、DCM(1mL)中の3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩(95mg,0.73mmol)およびTEA(84mg,0.84mmol)の溶液に加えた。該混合物を室温で終夜攪拌した。該混合物を濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(1.1.1mg,収率15%)。LC-MS (方法1): tR = 2.79分, m/z (M+H)+ = 359.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 4.25 (t, J = 12.8 Hz, 4H), 2.69 (s, 6H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -99.31.
【0257】
実施例38
【化62】
N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-メトキシアゼチジン-1-カルボキサミド(38)
実施例38(26.6mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3-メトキシアゼチジン塩酸塩(90mg,0.73mmol)を出発物質として、実施例37と同様の調製方法を用いることにより収率36%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.77分, m/z (M+H)+ = 353.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.67 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.14 (br s, 1H), 4.01 - 3.98 (m, 2H), 3.65 - 3.61 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 2.66 (s, 6H).
【0258】
実施例39
【化63】
3-シアノ-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ピロリジン-1-カルボキサミド(39)
実施例39(12mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)およびピロリジン-3-カルボニトリル塩酸塩(97mg,0.73mmol)を出発物質として、実施例37と同様の調製方法を用いることにより収率16%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.82分, m/z (M+H)+ = 362.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.49 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.68 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 3.60 - 3.56 (m, 1H), 3.49 - 3.34 (m, 4H), 2.69 (s, 6H), 2.27 - 2.22 (m, 1H), 2.16 - 2.11 (m, 1H).
【0259】
実施例40
【化64】
1-(2-シアノ-2-メチルプロピル)-3-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)尿素(40)
実施例40(21.4mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3-アミノ-2,2-ジメチルプロパンニトリル 4-メチルベンゼンスルホネート(198mg,0.73mmol)を出発物質として、実施例37と同様の調製方法を用いることにより収率28%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.26分, m/z (M+H)+ = 364.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.38 - 6.35 (m, 1H), 3.22 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.68 (s, 6H), 1.26 (s,6H).
【0260】
実施例41
【化65】
1-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)尿素(41)
実施例41(19.6mg)は、化合物1j(60mg,0.25mmol)および2,2,2-トリフルオロエタンアミン(87mg,0.88mmol)を出発物質として、実施例37と同様の調製方法を用いることにより収率21%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.09分, m/z (M+H)+ = 365.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.49 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.71 (dd, J = 1.6, 3.2 Hz, 1H), 6.58 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 3.88 - 3.79 (m, 2H), 2.68 (t, J = 8.0 Hz, 6H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -71.54.
【0261】
実施例42
【化66】
2-シアノ-2-メチルプロピル (3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(42)
実施例42(2.2mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンニトリル(50mg,0.73mmol)を出発物質として、実施例19と同様の調製方法を用いることにより3%の収率で合成した。LC-MS (方法1): tR = 3.23分, m/z (M+H)+ = 365.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 6.69 (s, 1H), 4.04 (s, 2H), 2.71 (s, 6H), 1.35 (s, 6H).
【0262】
実施例43
【化67】
1-(2-シアノエチル)-3-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)尿素(43)
実施例43(12.8mg)は、化合物1j(50mg,0.21mmol)および3-アミノプロパンニトリル(51mg,0.73mmol)を出発物質として、実施例37と同様の調製方法を用いることにより収率18%で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.60分, m/z (M+H)+ = 336.2. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.60 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.49 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.43 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.68 (t, J = 6.8 Hz, 2H).
【0263】
実施例44
【化68】

ステップ1.メチル シス-3-アミノシクロブタン-1-カルボキシレートTFA(44b)
5mLのDCM中の化合物44a(500mg,2.18mmol)の溶液に、0℃でTFA(2.5mL)を加えた。該溶液を0℃~5℃で1.5時間攪拌した。該溶液を濃縮して、表題生成物を無色の油状物として得た(530mg,収率100%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.05 (br s, 2H), 3.62 - 3.59 (m, 4H), 3.02 - 2.93 (m, 1H), 2.46 - 2.39 (m, 2H), 2.29 - 2.21 (m, 2H).
【0264】
ステップ2.メチル シス-3-((5-ニトロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート(44c)
化合物44c(760mg)は、4-クロロ-5-ニトロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(765mg,2.18mmol)および化合物44b(530mg,2.18mmol)を出発物質として、実施例1のステップ3と同様の調製方法を用いることにより収率78%で合成した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.90 - 8.87 (m, 2H), 8.00 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.79 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.59 - 4.53 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.04 - 2.97 (m, 1H), 2.75 - 2.68 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.33 - 2.26 (m, 2H).
【0265】
ステップ3.メチル シス-3-((5-アミノ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート(44d)
化合物44d(640mg)は、化合物44c(750mg,1.69mmol)を出発物質として、実施例1のステップ4と同様の調製方法を用いることにより収率92%で合成した。LC-MS (方法3): tR = 1.55分, m/z (M+H) += 415.1.
【0266】
ステップ4.メチル シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブタンカルボキシレート(44e)
化合物44e(550mg)は、化合物44d(640mg,1.54mmol)およびトリエトキシメタン(571mg,3.86mmol)を出発物質として、実施例1のステップ5と同様の調製方法を用いることにより収率84%で合成した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.73 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.01 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.97 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.22 - 5.17 (m, 1H), 3.34 (s, 3H), 3.19 - 3.12 (m, 1H), 2.89 - 2.82 (m, 2H), 2.74 - 2.66 (m, 2H), 2.32 (m, 3H).
【0267】
ステップ5.(シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メタノール(44f)
5mLの乾燥THF中の化合物44e(550mg,1.30mmol)の溶液に、0℃でLiAlH(73.9mg,1.94mmol)を加えた。該混合物を室温で1.5時間攪拌した。0℃まで冷却し、該反応混合物を、0.1mLの水、0.2mLの10% NaOH溶液、続いて0.3mLの水でクエンチした。該混合物をNaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製表題生成物を白色の固形物として得た(450mg,収率88%)。LC-MS (方法3): tR = 1.43分, m/z (M+H) += 397.1.
【0268】
ステップ6.(シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メチル メタンスルホネート(44g)
化合物44f(450mg,1.13mmol)およびEtN(344mg,3.40mmol)をDCM(15mL)中に溶解させ、続いて0℃でMsCl(196mg,1.70mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、該反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL)で抽出した。有機層を分離し、食塩水(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を乾燥するまで濃縮して、粗製表題化合物(539mg,収率100%)を黄色の固形物として得た。LC-MS (方法3): tR = 1.35分, m/z (M+H) += 475.1.
【0269】
ステップ7.S-((シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メチル)エタンチオエート(44h)
化合物44g(535mg,1.13mmol)およびチオ酢酸カリウム(386mg,3.38mmol)を、DMF(16mL)中で混合し、次いで50℃で5時間加熱した。反応混合液を水(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL)で抽出した。該有機層を分離し、濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のACN(5~95%))により精製して、粗製表題化合物(338mg,収率66%)を黄色の固形物とし得た。LC-MS (方法3): tR = 1.53分, m/z (M+H) += 455.1.
【0270】
ステップ8.(シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メタンスルホン酸(44i)
過酸化水素水溶液(0.55mL,30%)を、ギ酸(4mL)中の化合物44h(330mg,0.73mmol)の攪拌した懸濁液に滴下して加えた。生じた混合物を室温で1時間攪拌し、続いて該反応混合物を濃縮して、表題化合物(334mg,収率100%)を白色の固形物として得た。LC-MS (方法3): tR = 0.81分, m/z (M+H) += 461.1.
【0271】
ステップ9.(シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メタンスルホニルクロリド(44j)
DCM(50mL)およびDMF(1.0mL)中の化合物44i(330mg,0.73mmol)の混合物に、塩化チオニル(930mg,7.82mmol)を加えた。次いで、該反応混合物を50℃で3時間加熱した。該混合物を濃縮して、表題化合物(334mg,100%)を黄色の固形物として得た。少量の反応溶液を分析のためにMeOHと混合した。LC-MS (方法3): tR = 1.60分, m/z (M+H) += 475.1.
【0272】
ステップ10.N-メチル-1-(シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メタンスルホンアミド(44k)
CHNH・HCl(34mg,0.50mmol)、TEA(127mg,1.25mmol)およびDCM(2mL)からなる溶液に、0℃で化合物44j(200mg,0.42mmol)を加えた。該混合物を室温で1.5時間攪拌した。該混合物を水(30mL)で希釈し、DCM(40mL)で抽出した。分離した有機層を水で洗浄し(30mL*2)、濃縮して、粗製表題生成物を白色の固形物として得た(25mg,収率13%)。LC-MS (方法3): tR = 1.43分, m/z (M+H) += 474.1.
【0273】
ステップ11.1-(シス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)-N-メチルメタンスルホンアミド(44)
化合物44k(22mg,0.05mmol)およびLiOH・HO(10mg,0.05mmol)を、i-PrOHおよびHOの混合物(2.5mL,V:V=4:1)中に溶解させた。前記溶液を60℃で24時間攪拌した。反応混合液を水(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。分離した有機層を濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題化合物(3.7mg,収率25%)を白色の固形物として得た。LC-MS (方法1): tR = 2.37分, m/z (M+H) += 320.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.59 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.46 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.26 - 4.86 (m, 1H), 3.38 - 3.33 (m, 2H), 3.09 - 3.02 (m, 2H), 2.86 - 2.80 (m, 1H), 2.76 (s, 3H), 2.54 - 2.47 (m, 2H).
【0274】
実施例45
【化69】

ステップ1.1-(((シス-3-(6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メチル)スルホニル)アゼチジン-3-カルボニトリル(45a)
化合物45a(80mg)は、化合物44j(120mg,0.25mmol)およびアゼチジン-3-カルボニトリル塩酸塩(32mg,0.26mmol)を出発物質として、実施例44のステップ10と同様の調製方法を用いることにより収率64%で合成した。LC-MS (方法3): tR = 1.50分, m/z (M+H) += 525.1.
【0275】
ステップ2.1-(((シス-3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)シクロブチル)メチル)スルホニル)アゼチジン-3-カルボニトリル(45)
MeOH(2mL)中の化合物45a(40mg,0.08mmol)およびMg粉末(73mg,3.05mmol)の混合物を、超音波槽に1.5時間置いた。該混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物をオフホワイト色の固形物として得た(1.4mg,5%の収率)。LC-MS (方法1): tR = 3.04分, m/z (M+H) += 371.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.59 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.46 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.28 - 4.86 (m, 1H), 4.29 - 4.24 (m, 2H), 4.16 - 4.13 (m, 2H), 3.75 - 3.69 (m, 1H), 3.50 - 3.43 (m, 2H), 3.07 - 3.01 (m, 2H), 2.89 - 2.85 (m, 1H), 2.56 - 2.48 (m, 2H).
【0276】
実施例46
【化70】
ステップ1.(3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホネート(46b)
DCM(10mL)中の(3,3-ジフルオロシクロブチル)メタノール(1g,8.19mmol)、DMAP(100mg,0.82mmol)およびTEA(1.24g,12.29mmol)の混合物に、0℃でTsCl(889mg,9.83mmol)を加え、室温まで温めた。室温で終夜攪拌し、該混合物を20mLのDCMで希釈し、水(10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。該混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗製表題化合物(1.89gの粗製物,収率79%)を黄色の油状物として得た。
【0277】
ステップ2.ベンジル ((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)スルファン(46c)
DMF(0.5mL)中の化合物46b(100mg,0.36mmol)およびカルバムイミドチオン酸ベンジル塩酸塩(88mg,0.43mmol)の混合物に、HO(0.5mL)中のNaOH(36mg,0.90mmol)を加えた。該混合物を60℃で終夜攪拌した。該混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(30mL*3)。有機層を合わせて、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EA=80:1)により精製して、粗製表題生成物を黄色の油状物として得た(82mg,収率99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.34 - 7.28 (m, 5H), 3.70 (s, 2H), 2.71 - 2.60 (m, 2H), 2.55 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.32 - 2.14 (m, 3H).
【0278】
ステップ3.1-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-N-(3-(イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メタンスルホンアミド(46)
化合物46c(82mg,0.36mmol)、DCM(1.5mL)、およびHO(0.4mL)からなる混合物に、-5℃でSOCl(418mg,3.09mmol)を加えた。該混合物を0℃で30分間攪拌した。続いて、氷水(15mL)を加え、該混合物をDCMで抽出した(20mL*2)。有機層を合わせて、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をTHF(0.5mL)中に溶解させ、該溶液を、0℃でTHF(1.5mL)およびDMSO(1mL)中の化合物1j(100mg,0.44mmol)およびDIPEA(170mg,1.31mmol)の混合物に加えた。該混合物を室温で2時間攪拌した。該混合物をHO(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(20mL*2)。有機層を合わせて、濃縮した。残渣をprep-TLC(DCM:MeOH=25:1)およびPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を黄色の固形物として得た(14mg,8%の収率)。LC-MS (方法1): tR = 2.98分, m/z (M+H) += 408.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.93 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.51 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 6.71 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 3.39 - 3.38 (m, 2H), 2.82 - 2.75 (m, 2H), 2.72 (s, 6H), 2.62 - 2.53 (m, 3H).
【0279】
実施例47
【化71】
ステップ1.Tert-ブチル (3-(プロピルスルホンアミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(47b)
DCM(1.5mL)中の化合物47a(1.0g,5.04mmol)およびEtN(1.5g,15.1mmol)の溶液に、0℃でプロパン-1-スルホニルクロリド(1.0g,7.56mmol)を加えた。室温で3時間攪拌し、該混合物を水(100mL)で希釈し、DCMで抽出した(100mL*2)。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し(100mL*2)、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物(1.45g,収率97%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.00 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 2.94 - 2.90 (m, 2H), 2.05 (s, 6H), 1.69 - 1.59 (m, 2H), 1.37 (s, 9H) 1.03 - 0.91 (m, 3H).
【0280】
ステップ2.N-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(47c)
EtOAc(20mL)中の化合物47b(1.45g,4.77mmol)の溶液に、0℃でEtOAc(2M,20mL)中のHCl(g)を加えた。反応混合液を室温で3時間攪拌した。該混合物を減圧中で濃縮して、表題化合物(1.2g,粗製物,収率~100%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.02 (s, 3H), 8.25 (s, 1H), 2.98 - 2.95 (m, 2H), 2.13 (s, 6H), 1.73 - 1.61 (m, 2H), 1.03 - 0.96 (m, 3H).
【0281】
ステップ3.N-(3-((5-ニトロ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(47d)
化合物47d(2.4g)は、化合物47c(1.2g,4.99mmol)および化合物1c(1.6g,4.54mmol)を出発物質として、実施例1のステップ3と同様の調製方法を用いることにより収率100%で合成した。LC-MS (方法3): tR = 1.68分, m/z (M+H) += 520.1
【0282】
ステップ4.N-(3-((5-アミノ-1-トシル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(47e)
化合物47d(2.4g,4.62mmol)、NHCl(1.2g,23.1mmole)、MeOH(900mL)、およびHO(300mL)からなる溶液に、室温でFe粉末(905mg,16.2mmol)を加えた。反応混合液を80℃で2時間攪拌した。室温まで冷まし、該混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOH(20mL)で洗浄した。濾液を減圧中で濃縮して、表題化合物(2.2g,95.6%,粗製物)を褐色の固形物として得た。LC-MS (方法3): tR = 1.44分, m/z (M+H) += 490.1.
【0283】
ステップ5.(R)-N-(3-(2-(1-ヒドロキシエチル)-6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(47f)
(R)-2-ヒドロキシプロパンアミド(136mg,1.53mmol)およびトリエチルオキソニウム テトラフルオロボラート(291mg,1.53mmol)をTHF(5mL)中に溶解させ、生じた混合物をN下において室温で30分間攪拌した。次いで、EtOH(5mL)中の化合物47e(150mg,0.31mmol)を該反応混合物に加えた。該混合物を85℃で2時間攪拌した。室温まで冷まし、該混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(100mL*2)。有機層を合わせて、濃縮し、残渣をprep-TLC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、所望の化合物(55mg,収率50%)を褐色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.72 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 8.99 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.07 - 5.04 (m, 1H), 3.09 - 3.05 (m, 2H), 2.81 (s, 6H), 2.32 (s, 3H), 1.75 - 1.70 (m, 2H), 1.61 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.02 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0284】
ステップ6.(R)-N-(3-(2-(1-ヒドロキシエチル)イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(47)
MeOHおよびHO(5.5mL,V:V=1:5)の混合液中の化合物47f(55mg,0.10mmol)の溶液に、NaOH(12mg,0.30mmol)を一度に加えた。30℃で25時間攪拌し、該反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで洗浄した(20mL*2)。分離した水層を乾燥するまで濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題化合物(10mg,収率16%)を白色の固形物として得た。LC-MS (方法1): tR = 2.98分, m/z (M+H) += 390.2. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 5.26 (s, 1H), 3.13 (s, 2H), 3.00 (s, 6H), 1.89 - 1.88 (m, 2H), 1.78 (s, 3H), 1.12 (s, 3H).
【0285】
実施例48
【化72】
ステップ1.N-(3-(2-メチル-6-トシルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(48a)
化合物48a(89mg)は、化合物47e(150mg,0.31mmol)および1.1.1-トリエトキシエタン(124mg,0.76mmol)を出発物質として、実施例1のステップ5と同様の調製方法を用いることにより収率57%で合成した。LC-MS (方法3): tR = 1.52分, m/z (M+H) += 514.1.
【0286】
ステップ2.N-(3-(2-メチルイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1(6H)-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(48)
MeOHおよびHO(3.3mL,V:V=1:10)中の化合物48a(85mg、0.17mmol)の溶液に、NaOH(20mg,0.50mmol)を一度に加えた。30℃で20時間攪拌し、該反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで洗浄した(20mL*2)。分離した水層を乾燥するまで濃縮し、残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題化合物(5mg,8%の収率)を白色の固形物として得た。LC-MS (方法1): tR = 3.22分, m/z (M+H) += 360.2. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.36 (s, 1H), 7.37 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 3.05 - 3.01 (m, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.62 (s, 3H), 1.80 - 1.75 (m, 2H), 1.01 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
【0287】
実施例49
【化73】
ステップ1.4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(49b)
化合物49b(15g)は、化合物49a(10g,65mmol)およびTsCl(14.8g,78mmol)を出発物質として、実施例1のステップ1と同様の調製方法を用いることにより収率92%で合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.76 (s, 1H), 8.09 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.70 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H).
【0288】
ステップ2.Tert-ブチル 3-((7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート(49c)
化合物49b(294mg,0.95mmol)、tert-ブチル 3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート(210mg,1.14mmol)およびDIPEA(247mg,1.91mmol)をNMP(1.5mL)中に溶解させた。前記混合物を、マイクロ波照射下において160℃で6時間攪拌した。冷却し、該混合物を水(40mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(30mLX2)。有機層を合わせて、乾燥するまで濃縮し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(溶離液:PE:EtOAc=3:1)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(400mg,収率92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.48 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.36 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.34 (s, 1H), 2. 43 (s, 6H), 2.37 (s, 3H), 1.44 (s, 9H).
【0289】
ステップ3.Tert-ブチル 3-(メチル(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート(49d)
乾燥THF(6mL)中の化合物49c(430mg,0.95mmol)の溶液に、-50℃でLiHMDS(2.8mL,2.8mmol,THF中で1M)を加えた。0℃で30分間攪拌し、CHI(268mg,1.89mmol)を前記溶液に加えた。該混合物を40℃で1.5時間攪拌した。冷まし、該反応混合物を飽和NHCl(20mL)および水(20mL)でクエンチした。該混合物をEtOAcで抽出した(30mLX2)。有機層を合わせて、乾燥するまで濃縮し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(溶離液:PE:EtOAc=1:1)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(125mg,収率28%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.39 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.45 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.47. (s, 6H), 2.37 (s, 3H), 1.46 (s, 9H).
【0290】
ステップ4.3-(メチル(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(49e)
化合物49e(154mg)は、化合物49d(175mg,0.37mmol)を出発物質として、実施例1のステップ6と同様の調製方法を用いることにより収率100%で合成した。LC-MS (方法2): tR = 1.62分, m/z (M+H) += 412.9
【0291】
ステップ5.Tert-ブチル (3-(メチル(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(49f)
化合物49f(120mg)は、化合物49e(154mg,0.37mmol)を出発物質として、実施例1のステップ7と同様の調製方法を用いることにより収率66%で合成した。LC-MS (方法2): tR = 1.85分, m/z (M+H) += 484.2.
【0292】
ステップ6.Tert-ブチル (3-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート(49g)
化合物49g(40mg)は、化合物49f(120mg,0.25mmol)を出発物質として、実施例1のステップ8と同様の調製方法を用いることにより収率49%で合成した。LC-MS (方法2): tR = 1.50分, m/z (M+H) += 330.2.
【0293】
ステップ7.N-メチル-N-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1,3-ジアミン 2,2,2-トリフルオロアセテート(49h)
化合物49h(55mg,粗製物)は、化合物49g(40mg,0.12mmol)を出発物質として、実施例1のステップ9と同様の調製方法を用いることにより収率100%で合成した。LC-MS (方法2): tR = 0.22分, m/z (M+H) += 230.0.
【0294】
ステップ8.N-(3-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン-1-スルホンアミド(49)
化合物49(1.8mg)は、化合物49h(55mg,粗製物,0.12mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(21mg,0.15mmol)を出発物質として、実施例1の最終ステップと同様の調製方法を用いることにより4%の収率で合成した。LC-MS (方法1): tR = 2.72分, m/z (M+H) += 336.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.15 (s, 1H), 7.07 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.06 - 3.02 (m, 2H), 2.53 (s, 6H), 1.86 - 1.79 (m, 2H), 1.09 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
【0295】
実施例50
【化74】
ステップ1.ベンジル (シス-3-(メチル(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)シクロブチル)カルバメート(50a)
化合物49b(420mg,1.36mmol)、ベンジル((シス)-3-(メチルアミノ)シクロブチル)カルバメート塩酸塩(350mg,1.50mmol)、およびDIPEA(614mg,4.76mmol)をi-PrOH(7mL)中に溶解させた。該混合物を75℃で7時間攪拌した。続いて、該混合物を濾過した。該濾過ケーキをi-PrOHで洗浄し、乾燥させて、表題生成物を白色の固形物として得た(580mg,収率88%)。LC-MS (方法2): tR = 1.79分, m/z (M+H) +=506.2.
【0296】
ステップ2.シス-N-メチル-N-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)シクロブタン-1,3-ジアミン臭化水素酸塩(50b)
化合物50a(250mg,0.49mmol)を、HBr(7mL,CHCOOH中で33%)およびCHCOOH(2mL)中に溶解させた。該溶液を90℃で0.5時間攪拌した。該混合物を乾燥するまで濃縮して、粗製表題生成物を褐色の固形物として得た(170mg,粗製物,収率65%)。LC-MS (方法2): tR = 1.34分, m/z (M+H) +=372.1.
【0297】
ステップ3.N-(シス-3-(メチル(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)シクロブチル)プロパン-1-スルホンアミド(50c)
DCM(8mL)中の50b(170mg,粗製物,0.46mmol)およびDIPEA(614mg、4.76mmol)の混合物に、0℃で3-シアノアゼチジン-1-スルホニルクロリド(163mg,1.14mmol)を得た。室温で3時間攪拌し、該混合物を水(70mL)で希釈し、DCM(50mL)で抽出した。分離した有機層を乾燥するまで濃縮して、粗製表題生成物を褐色の固形物として得た(218mg,収率100%)。LC-MS (方法2): tR = 1.58分, m/z (M+H) +=478.1.
【0298】
ステップ4.N-(シス-3-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)シクロブチル)プロパン-1-スルホンアミド(50)
化合物50c(215mg,0.45mmol)をi-PrOHおよびHO(5.8mL,V:V=25:4)中に溶解させ、続いてLiOH・HO(95mg,2.25mmol)を一度に加えた。該混合物を60℃で13時間攪拌し、水(30mL)で希釈し、続いてEtOAc(50mL)で抽出した。分離させた有機層を乾燥するまで濃縮した。残渣をPrep-HPLC(方法A)により精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(50.0mg,収率35%)。LC-MS (方法1): tR = 2.80 min, m/z (M+H) += 324.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.62 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.48 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.15 - 7.14 (m, 1H), 6.63 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.92 - 4.88 (m, 1H), 3.60 - 3.54 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.94 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.62 - 2.60 (m, 2H), 2.26 - 2.19 (m, 2H), 1.73 - 1.64 (m, 2H), 0.98 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
【0299】
生化学的アッセイ
JAK活性は、マイクロ流体アッセイにより反応緩衝液(50mM HEPES、0.01% Brij35、10mM MgCl、2mM DTT)中で調べた。FAMで標識したペプチド基質のリン酸化をCaliper EZ Reader II(Perkin Elmer)でモニターした。酵素(Carna Biosciences)の各バッチの測定条件を最適化して、ペプチド基質の10%の変換率を得た。
【0300】
試験化合物をDMSOで10mMの保存濃度に溶解させた。5μMの最大濃度で3倍連続希釈した化合物を、周囲温度でJAK1、JAK2またはTYK2と10分間予めインキュベートした。アッセイ混合物の最終DMSO濃度は1%であった。FAMで標識したペプチド基質(最終濃度3μM)およびATP(Km濃度または1mM)を連続して加えて28℃でキナーゼ反応を開始した。該反応を50mM EDTAを加えて停止した。
【0301】
酵素を含まない試験プレートウェルを100%阻害として規定した。そして、化合物を含まないが同量のDMSOを含むウェルを阻害なしとして規定した。阻害パーセントは、下記の式により算出した。
阻害%=(変換率最大-変換率サンプル)/(変換率最大-変換率最小)*100
変換率最大は、化合物を加えていない陽性ウェルにおける変換率を意味する。
変換率最小は、酵素を加えていないウェルにおける変換率を意味する。
変換率サンプルは、試験化合物の変換率を意味する。
【0302】
用量応答(阻害パーセント)曲線をプロットし、IC50値をGraphPadソフトウェアにより決定した。試験化合物のIC50値を表2に記載した。
表2
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0303】
抗増殖アッセイ
JAKキナーゼドメインと融合させたTelタンパク質の二量体化ドメインをBaF3細胞に永続的に導入し、当該細胞の細胞増殖はIL-3誘導の非存在下でJAK活性に依存する。これらの作成したBaF3-Tel-JAK細胞を用いて、細胞における化合物のJAK阻害活性をモニターした。
【0304】
BaF3-Tel-JAK細胞を、10%のウシ胎児血清を含有するRPMI-1640(Corning)中で培養した。細胞を白色平底96ウェルプレートに2000/ウェルで撒種した。培地のみを含むウェルをバックグラウンドコントロールとして用いた。24時間の増殖後、細胞を化合物で処理した。該試験化合物をDMSOで10mMの保存濃度に溶解させた。10μMの最大濃度で9つの濃度に3倍に連続希釈した化合物を各ウェルに加えた。最終DMSO濃度は、0.2%であった。該細胞を、5%のCOで37℃にて化合物処理後72時間増殖させ続けた。生存率を、Cell-Titer Gloルシフェラーゼ試薬(Promega)を用いて細胞ATP測定法により測定した。発光値を、multi-label reader Envision(PerkinElmer)により記録した。値を下記の式を用いて阻害パーセントに変換した。
阻害%=(読み取り値最大-読み取り値サンプル)/(読み取り値最大-読み取り値最小)*100
化合物を含まないが同量のDMSOを含むウェルを、読み取り値最大と規定した。
培地と同様のDMSOのみを含むウェルを、読み取り値最小と規定した。
【0305】
用量応答(阻害パーセント)曲線をプロットし、GI50値(50%の増殖阻害を生じる濃度)をGraphPadソフトウェアにより決定した。試験化合物のGI50を表3に示す。
表3
【表12】
【0306】
ヒト肝臓ミクロソーム安定性試験:
市販のヒト肝臓ミクロソーム(供給業者:Corning)を、試験物質の安定性の第1相試験に用いた。
【0307】
ミクロソームを、試験化合物またはコントロール化合物とともに100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4、3.3mMのMgCl)中にて37℃で10分間予めインキュベートした。該反応を、80μLのNADPH再生系を時点ごとに320μLの各インキュベーション混合物に加えることにより開始した。最終インキュベーション条件を、0.5mg/mLのミクロソームタンパク質、1μMの試験物質/ポジティブコントロール、1.3mM NADP、3.3mM グルコース-6-ホスフェート、および0.6U/mLのグルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼとした。0分のサンプルは、各インキュベーション混合物の80μLの一定分量を400μLのクエンチ試薬に加えることにより調製してタンパク質を沈殿させた。続いて、NADPH再生系の20μLの一定分量を加えた。10、30、および90分において、該反応を、内部標準として供される冷アセトニトリル溶液(トルブタミドおよびプロパノロール(propanolol))を加えることにより停止させる。全ての時点で採取したサンプルを、4000×gで15分間遠心分離した。96ウェルアッセイプレートに採取した80μLの上澄み液に160μLの超純水を予め加え、次いでLC/MS/MS(島津LC30AD&API4000/API5000)により分析した。
【0308】
サンプル中の試験物質、コントロール化合物の濃度を、LC/MS/MS)法を用いて決定した。クロマトグラフのプロッティングとピーク面積積分法をAnalyst(AB Sciex)により行う。
【0309】
コントロール化合物のインビトロ消失定数(ke)の決定において、分析物/内部標準のピーク面積比を下記の式:
【表13】

を用いて残存パーセント(残存%)に変換する。
【0310】
ミクロソームのCLintを、式:CLint(mic)=0.693/T1/2/mgミクロソームタンパク質(mLあたり)を用いて算出した。例としての結果を表4にまとめる。
表4
【表14】
【0311】
ラット薬物動態試験:
試験物質の薬物動態プロファイルは、空腹のスプラーグドーリーラットを用いて評価した。典型的には、ラットに、1mg/kgおよび2mg/kgを、静脈内注射および経口管栄養それぞれにより投薬した。投薬後、血液サンプルを各時点で採取した。IV注射群については、投薬後5、15、30分、次いで1、2、4、8および24時間を時点として設定した。経口管栄養群については、投薬後15、30分、続いて1、2、4、8、および24時間を時点として設定した。血液を、抗凝血剤としてK2EDTAを含む適当に標識したチューブに採取した。血漿を、4℃にて8000×gで6分間遠心分離することにより血液採取1時間以内に得て、定量のためにLC/MS/MSにより分析するまで-20℃で保存した。
【0312】
PKパラメータ値(最大血漿濃度(Cmax)、最大濃度到達時間(Tmax)、および0~24時間の血漿濃度曲線下面積(AUC)(AUC0-24h)を含むが必ずしも限定しない)を、WinNonlinプログラムを用いて決定した。例としての結果を表5にまとめる。
表5
【表15】
【0313】
結論:実施例1および4は、ラットにおいて優れた薬物動態プロファイルを示す。
出願人の開示は、同様の数値が同一または同様の構成を表す図を参照して好ましい実施態様において本明細書で記載される。本明細書を通して「1の実施態様」、「実施態様」、または同様の用語の対象は、実施態様に関して記載される特定の特徴、構造、または性質が本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。よって、本明細書における用語「1の実施態様において」、「実施態様において」、および同様の用語の記載は、必ずしも全てではないが、同一の実施態様を意味する。
【0314】
出願人の開示で記載される特徴、構造、または性質は、1つまたはそれ以上の実施態様で適する方法のいずれかと組み合わされてもよい。本明細書において、多くの具体的な詳細は、本発明の実施態様の理解を提供するために記載される。しかしながら、当業者は、出願人の組成物および/または方法が、具体的な詳細の1つまたはそれ以上を用いず、または他の方法、構成、物質などを用いて実施されてもよいことを理解する。他の例において、周知の構造、材料または操作は、本開示の態様を不明瞭とすることを避けるために詳細に示されていないか、または記載されていない。
【0315】
本明細書および特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」には、文脈で特に明確に指示していない限り、複数の対象物が含まれる。
【0316】
特に定義されていない限り、本明細書で用いられる全ての技術および科学的用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本明細書に記載の方法および物質と同様または同等のものもまた、本毎時の実施または試験で用いることができるが、好ましい方法および物質がここに記載される。本明細書に記載の方法は、開示される特定の順番に加えて、論理的に可能であるいずれの順番で行われてもよい。
【0317】
参照による取り込み
特許、特許出願、特許公開、雑誌、本、論文、ウェブの内容などの他の文献に対して参照され、引用されている。このような文献全てが参照によりあらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に取り込まれる。参照により本明細書に取り込まれるとされるが、本明細書で明確に記載される既存の定義、記載、またはその他の開示される物質と矛盾するいずれの物質またはその一部は、取り込まれる物質および本開示の物質との間に矛盾を生じない程度でのみ取り込まれる。矛盾する場合、その矛盾は、好ましい開示としての本開示を優先することにより解消されるべきである。
【0318】
均等物
前記代表的な実施例は、本発明の例示を補助するものとされ、本発明の範囲を限定することが意図されておらず、解釈されるべきではない。実際、本発明の様々な改変およびその多くのさらなる実施態様は、本明細書で示され、記載されるものに加え、実施例ならびに本明細書に含まれる科学および特許文献への参照を含む本明細書の全ての内容から当業者にとって明らかである。前記実施例は、本発明の実施をその様々な実施態様およびその均等物に適用することができる重要なさらなる情報、例示、および誘導を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I):
【化1】
(I)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、C-C10シクロアルキル、ビシクロアルキル、スピロ環または架橋シクロアルキルから選択されるものであって、NR’C(=O)R、NR’C(=O)OR、NR’C(=O)NR、C(=O)NR、CR’R’’SO、またはCR’R’’SONRで置換され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
およびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよく;
R’およびR’’の各々は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体。
【請求項2】
が、Hであり、構造式(II):
【化2】
(II)
で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが、1であり、構造式(III):
【化3】
(III)
で示される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、Hであり、構造式(IV):
【化4】
(IV)
で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRの両方が、Hである、請求項1~4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
が、メチルであり、Rが、Hである、請求項1~4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項7】
nが、1である、請求項1、2、および4~6のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項8】
が、Hである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、Hであり、Rが、Hであり、nが、1であり、構造式(V):
【化5】
(V)
で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が、Hであり、構造式(VI):
【化6】
(VI)
で示される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が、
【化7】
[式中、各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であるが;但し、少なくとも1つのmは、0ではない]
を含む、請求項1~10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
1つ以下のRが、非存在である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
各mが、独立して、1、2または3である、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
各mが、1である、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
各mが、2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
構造式(VII):
【化8】
(VII)
[式中、
は、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
各Rは、独立して、水素、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、COOR’、およびCONR’R’’から選択され;
は、水素、ハロゲン、CN、C-C無置換もしくは置換アルキル、OR’、およびNHR’から選択される基であり;
は、RまたはNRであって、RおよびRの各々は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され、ならびにRおよびRは、一緒になって3~7員環を形成していてもよく、ならびにRおよびRの各々は、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよいが;但し、RがRである場合、Rは、Hではなく;
各Rは、独立して、(CHであり、mは、独立して、0、1、2、または3であって、mが0である場合、各架橋は非存在であるが;但し、少なくとも1つのmは、0ではなく、および、少なくとも1つのmは、1ではなく;
各R’およびR’’は、独立して、水素、ならびにC-C無置換および置換アルキルから選択され、ならびにR’およびR’’は、一緒になって3~7員環を形成していてもよく;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される形態もしくは同位体誘導体。
【請求項17】
1つ以下のRが、非存在である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
各mが、独立して、1、2または3であり、そして、少なくとも1つのmは、1ではない、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
各mが、2である、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
が、Hである、請求項16~19のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項21】
が、Hである、請求項16~20のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項22】
が、メチルである、請求項16~21のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項23】
nが、1である、請求項16~22のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項24】
が、Hであり、nが、1であり、構造式(VIII):
【化9】
(VIII)
で示される、請求項20または23に記載の化合物。
【請求項25】
が、メチルであり、Rが、Hである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
およびRの両方とも、Hであり、構造式(IX):
【化10】
(IX)
で示される、請求項24に記載の化合物。
【請求項27】
が、Rである、請求項16~26のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項28】
が、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
が、直鎖または分岐鎖C-Cアルキルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項30】
が、n-プロピルまたはイソプロピルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項31】
が、NRである、請求項16~26のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項32】
およびRのうちの1つが、Hである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
およびRが、NRにおけるNと一緒になって、ハロゲン、CN、OR’、NR’R’’、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルのうちの1つまたはそれ以上で適宜置換されていてもよい3~5員ヘテロ環基を形成する、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
前記ヘテロ環基が、4員ヘテロ環基である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
水素の代わりに1つまたはそれ以上の重水素原子を有する、請求項1~34のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項36】
重水素原子で置換された1つの水素を有する、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
ヒトを含む哺乳類における1つまたはそれ以上の疾患または障害の治療または軽減に有効である請求項1~36のいずれか1つに記載の化合物および医薬的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項38】
請求項37に記載の医薬組成物を含む、単位製剤。
【請求項39】
錠剤またはカプセル剤である、請求項38に記載の単位製剤。
【請求項40】
ヤヌスキナーゼ1(JAK1)に関連する疾患または障害を治療するための医薬の製造における、請求項1~36のいずれか1つに記載する化合物、および医薬的に許容される賦形剤または担体の使用。
【請求項41】
該疾患または障害が、1つ以上の炎症性疾患、免疫介在性疾患、または癌である、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記疾患または障害が、自己免疫疾患である、請求項40に記載の使用。
【請求項43】
前記疾患または障害が、喘息、アレルギー、関節炎、炎症性腸疾患、内分泌疾患、神経変性疾患、自閉症スペクトラム障害、うつ状態、アルツハイマー病、ギランバレー症候群、強迫性障害、視神経炎、網膜変性症、ドライアイ症候群(DES)、シェーグレン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、重症筋無力症、慢性突発性脱髄性疾患(CID)、血管性疾患、皮膚疾患、橋本甲状腺炎、悪性貧血、クッシング病、アジソン病、慢性活動性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、セリアック病、移植片拒絶、またはこれらの関連疾患または障害から選択される、請求項40に記載の使用。
【請求項44】
前記疾患または障害が、関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、DES、白斑、円形脱毛症、完全脱毛症のうちの1つまたはそれ以上である、請求項40に記載の使用。
【請求項45】
前記治療剤が、経口投与用である、請求項40に記載の使用。
【請求項46】
前記治療剤が、局所投与用である、請求項40に記載の使用。
【外国語明細書】