(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147725
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】イヤホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20241008BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20241008BHJP
H04R 9/02 20060101ALI20241008BHJP
H04R 7/04 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04R1/00 317
H04R1/10 101Z
H04R9/02 103Z
H04R7/04
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114696
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2024524004の分割
【原出願日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202111232608.3
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521104171
【氏名又は名称】シェンチェン ショックス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー ジュンジアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユエチアン
(72)【発明者】
【氏名】ツイ チャオジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン レイ
(72)【発明者】
【氏名】カイ チー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン インイン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ウェイフア
(72)【発明者】
【氏名】チェン ピヨウ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】骨伝導音を発生させるイヤホンを提供する。
【解決手段】イヤホン10は、支持アセンブリと、支持アセンブリ(例えば、ヘッドビームアセンブリ12)に接続されたコアモジュール11と、を含み、支持アセンブリは、コアモジュールが装着位置に装着されるように支持し、コアモジュールは、コアハウジングと、電気信号を機械的振動に変換するエネルギー変換装置と、エネルギー変換装置で発生した機械的振動をユーザに伝達する振動パネルと、を含み、エネルギー変換装置は、コアハウジングの収容キャビティ内に設置され、振動パネルは、エネルギー変換装置に接続され、かつ、エネルギー変換装置で発生した機械的振動をユーザに伝達する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持アセンブリと、前記支持アセンブリに接続されたコアモジュールと、を含み、前記支持アセンブリは、前記コアモジュールが装着位置に装着されるように支持し、前記コアモジュールは、コアハウジングと、エネルギー変換装置と、振動パネルと、を含み、前記エネルギー変換装置は、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置され、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、かつ前記エネルギー変換装置で発生した機械的振動をユーザに伝達し、
前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、かつブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続され、非装着状態において、前記振動パネルの振動の周波数応答曲線は、前記第1の振動伝達シートによって発生した共振ディップと、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有し、前記共振ディップのピーク共振周波数は、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数よりも小さく、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数は、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数よりも小さい、ことを特徴とする、イヤホン。
【請求項2】
前記共振ディップのピーク共振周波数は、400Hz以上である、ことを特徴とする、請求項1に記載のイヤホン。
【請求項3】
前記コアハウジングの質量は、1g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以上であり、第2の振動伝達シートの剛性は、1000N/m以上である、ことを特徴とする、請求項2に記載のイヤホン。
【請求項4】
前記第2の共振ピークのピーク共振周波数は、1kHz以下である、ことを特徴とする、請求項1に記載のイヤホン。
【請求項5】
前記コアハウジングの質量は、1g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以上であり、第2の振動伝達シートの剛性は、20000N/m~50000N/mである、ことを特徴とする、請求項4に記載のイヤホン。
【請求項6】
前記第2の振動伝達シートは、周辺領域が前記ブラケットに接続され、中心領域が前記磁気回路システムに接続される、ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項7】
前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい、ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項8】
前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、音響フィルタを介して前記イヤホンの外部と連通する第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、開口面積と前記第1の通路の開口面積との比が10%以下である第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通する、ことを特徴とする、請求項7に記載のイヤホン。
【請求項9】
前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路を介して、前記イヤホンの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む、ことを特徴とする、請求項7に記載のイヤホン。
【請求項10】
前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される、ことを特徴とする、請求項9に記載のイヤホン。
【請求項11】
前記接続部材の数は、1つであり、前記接続部材は、前記振動パネルの中心領域に接続され、
又は、前記接続部材の数は、複数であり、複数の前記接続部材は、前記振動パネルの前記振動方向に平行な中心線を中心として間隔をあけて設置され、それぞれ対応する1つの前記取付孔を介して前記エネルギー変換装置に接続され、
又は、前記接続部材の数は、複数であり、そのうちの1つの前記接続部材は、前記振動パネルの中心領域に接続され、残りの前記接続部材は、前記振動パネルの中心領域に位置する前記接続部材を中心として間隔をあけて設置され、複数の前記接続部材は、それぞれ対応する1つの前記取付孔を介して前記エネルギー変換装置に接続される、ことを特徴とする、請求項7に記載のイヤホン。
【請求項12】
前記振動パネルのヤング率は、3000Mpa以上である、ことを特徴とする、請求項7に記載のイヤホン。
【請求項13】
前記振動パネルの剛性と前記第1の端壁の剛性との差の絶対値と、前記振動パネルの剛性及び前記第1の端壁の剛性のうち大きい方との比は、0.4以下であり、及び/又は、前記振動パネルの剛性と前記第2の端壁の剛性との差の絶対値と、前記振動パネルの剛性及び前記第2の端壁の剛性のうち大きい方との比は、0.4以下である、ことを特徴とする、請求項7に記載のイヤホン。
【請求項14】
前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積と前記第1の端壁の面積との比は、0.3~1.6である、ことを特徴とする、請求項13に記載のイヤホン。
【請求項15】
前記振動方向において、前記振動パネルの厚さは、0.3mm~3mmであり、及び/又は、前記振動パネルと前記第1の端壁との間のギャップは、0.5mm~3mmであり、及び/又は、前記第1の端壁の前記第2の端壁から離れた側と、前記第2の端壁の前記第1の端壁から離れた側との間の間隔は、6mm~16mmである、ことを特徴とする、請求項7に記載のイヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年10月22日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が2021112326083で、発明の名称が「イヤホン」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容を参照により本願に取り込むものとする。
【0002】
本願は、電子機器の技術分野に関し、具体的には、イヤホンに関する。
【背景技術】
【0003】
イヤホンは、人々の日常生活に広く応用され、携帯電話、コンピュータなどの電子機器と協働して使用することにより、ユーザは、聴覚の饗宴を楽しむことができる。イヤホンの動作原理により、一般的に、空気伝導イヤホンと骨伝導イヤホンに分けられ、ユーザがイヤホンを装着する方式によって、一般的に、ヘッドホン、耳掛け型イヤホン及びカナル型イヤホンに分けられ、イヤホンと電子機器との間のインタラクション方式によって、一般的に、有線型イヤホンと無線型イヤホンに分けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態において、イヤホンは、支持アセンブリと、前記支持アセンブリに接続されたコアモジュールと、を含み、前記支持アセンブリは、前記コアモジュールが装着位置に装着されるように支持し、前記コアモジュールは、コアハウジングと、エネルギー変換装置と、振動パネルと、を含み、前記エネルギー変換装置は、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置され、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、かつ前記エネルギー変換装置で発生した機械的振動をユーザに伝達する。
【0005】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び接続部材を含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、かつユーザの皮膚に接触し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記第1の振動伝達シートは、前記収容キャビティ内に位置する。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記第1の振動伝達シートは、前記第1の端壁の前記第2の端壁に近接する側に位置する。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積は、前記第1の振動伝達シートの面積よりも小さい。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記内筒壁の横断面は、円形、楕円形、多角形のうちのいずれか1種である。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
或いは、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、音響フィルタを介して前記イヤホンの外部と連通する第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
或いは、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、開口面積と前記第1の通路の開口面積との比が10%以下である第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通する。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記第1の端壁と前記第2の端壁のヤング率は、それぞれ2000Mpa以上である。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記第1の端壁の面積との比は、0.6以下である。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップは、前記収容キャビティと協働してヘルムホルツ共振キャビティを形成し、前記ヘルムホルツ共振キャビティのピーク共振周波数は、4kHz以下である。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記ヘルムホルツ共振キャビティのピーク共振周波数は、1kHz以下である。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記取付孔の開口形状と前記接続部材の横断面形状は、対応する多角形であり、或いは、前記取付孔の開口形状と前記接続部材の横断面形状は、対応する円形であり、
前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップは、0よりも大きく、かつ2mm以下である。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップは、0.1mm以上、かつ1mm以下である。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記接続部材の数は、1つであり、前記接続部材は、前記振動パネルの中心領域に接続され、
又は、前記接続部材の数は、複数であり、複数の前記接続部材は、前記振動パネルの前記振動方向に平行な中心線を中心として間隔をあけて設置され、それぞれ対応する1つの前記取付孔を介して前記エネルギー変換装置に接続され、
又は、前記接続部材の数は、複数であり、そのうちの1つの前記接続部材は、前記振動パネルの中心領域に接続され、残りの前記接続部材は、前記振動パネルの中心領域に位置する前記接続部材を中心として間隔をあけて設置され、複数の前記接続部材は、それぞれ対応する1つの前記取付孔を介して前記エネルギー変換装置に接続される。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルのヤング率は、3000Mpa以上である。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの剛性と前記第1の端壁の剛性との差の絶対値と、前記振動パネルの剛性及び前記第1の端壁の剛性のうち大きい方との比は、0.4以下であり、及び/又は、前記振動パネルの剛性と前記第2の端壁の剛性との差の絶対値と、前記振動パネルの剛性及び前記第2の端壁の剛性のうち大きい方との比は、0.4以下である。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積と前記第1の端壁の面積との比は、0.3~1.6である。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記振動方向において、前記振動パネルの厚さは、0.3mm~3mmであり、及び/又は、前記振動パネルと前記第1の端壁との間のギャップは、0.5mm~3mmであり、及び/又は、前記第1の端壁の前記第2の端壁から離れた側と、前記第2の端壁の前記第1の端壁から離れた側との間の間隔は、6mm~16mmである。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、ユーザの皮膚に接触する皮膚接触領域と、少なくとも一部がユーザの皮膚に接触しない空気伝導増強領域と、を含み、前記振動パネルは、前記空気伝導増強領域によって前記イヤホンの外部の空気を振動させて音波を形成する。
【0024】
いくつかの実施形態において、装着状態において、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部がユーザの耳部の外耳道入口に指向することにより、前記音波が前記外耳道入口に指向することを許容する。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部が前記皮膚接触領域に対して傾斜し、前記エネルギー変換装置に向かって延伸し、前記皮膚接触領域に対する傾斜角は、0~75°であり、
及び/又は、前記空気伝導増強領域の前記振動方向に沿った正投影の幅は、1mm以上である。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルは、前記振動方向に垂直であり、かつ互いに直交する長軸方向及び短軸方向を有し、前記振動パネルの前記長軸方向における寸法は、前記振動パネルの前記短軸方向における寸法よりも大きく、装着状態において、前記長軸方向は、ユーザの頭頂に指向し、前記短軸方向は、ユーザの耳部の外耳道入口に指向する。
【0027】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記振動パネルは、楕円形、角丸矩形又はレーストラック形に設置される。
【0028】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングは、前記コアハウジングの前記振動パネルに近接する一端に接続された囲み部材をさらに含み、前記囲み部材は、前記振動パネルを囲み、非装着状態において、前記囲み部材は、前記振動方向に垂直な方向において前記振動パネルと間隔をあけて設置され、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、前記振動方向において、少なくとも一部が前記囲み部材の前記エネルギー変換装置から離れた側から突出する。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材には、前記振動パネルと前記コアハウジングとの間のギャップと、前記イヤホンの外部とを連通する連通孔が設置される。
【0030】
いくつかの実施形態において、前記連通孔の数は、複数であり、装着状態において、少なくとも1つの前記連通孔は、開口方向がユーザの頭頂から離れ、ユーザの垂直軸との夾角が0~10°である。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルと前記第1の端壁との間には、ガスケットが設置され、前記ガスケットのロックウェル硬度は、前記第1の振動伝達シートのロックウェル硬度よりも小さい。
【0032】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、前記収容キャビティと連通する音響フィルタをさらに含み、前記音響フィルタのカットオフ周波数は、5kHz以下である。
【0033】
いくつかの実施形態において、前記第1の端壁は、前記振動方向において間隔をあけて設置された第1のサブ端壁及び第2のサブ端壁を含み、前記取付孔は、前記振動方向に沿って前記第1のサブ端壁及び前記第2のサブ端壁を貫通し、前記第1のサブ端壁及び前記第2のサブ端壁は、前記内筒壁と協働して前記音響フィルタを形成する。
【0034】
いくつかの実施形態において、前記第1のサブ端壁と第2のサブ端壁との前記エネルギー変換装置の振動方向におけるギャップは、0.5mm~5mmである。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、ブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続される。
【0036】
いくつかの実施形態において、前記磁気回路システム及び/又は前記コアハウジングには、前記収容キャビティと連通するヘルムホルツ共振キャビティが設置される。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記取付孔を介して前記イヤホンの外部に出力された空気伝導音の周波数応答曲線は、共振ピークを有し、前記ヘルムホルツ共振キャビティは、前記共振ピークの強度を弱めるように構成され、前記共振ピークのピーク共振周波数は、500Hz~4kHzである。
【0038】
いくつかの実施形態において、前記ヘルムホルツ共振キャビティは、前記取付孔を介して前記イヤホンの外部に出力された空気伝導音の周波数応答曲線の所定の周波数帯域内における振動強度を弱めるように構成され、前記ヘルムホルツ共振キャビティと前記収容キャビティとを連通する開口が開状態にあるときの前記振動強度のピーク値と、前記ヘルムホルツ共振キャビティと前記収容キャビティとを連通する開口が閉状態にあるときの前記振動強度のピーク値との差は、3dB以上である。
【0039】
いくつかの実施形態において、前記ブラケットには、前記振動方向に沿って延伸する連通孔が設置され、
及び/又は、前記磁気回路システムは、透磁カバーと、前記透磁カバーの底部に接続された磁石と、を含み、前記磁石は、前記第2の振動伝達シートの中心領域に接続され、かつ前記透磁カバーと前記振動方向に垂直な方向に間隔をあけて設置されて前記磁気ギャップを形成し、前記コイルは、前記磁石と前記透磁カバーとの間に挿入され、前記透磁カバーには、前記磁気ギャップと前記磁気回路システムの外部空間とを連通する連通孔が設置される。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの容積は、3cm3以下である。
【0041】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールを前記振動パネルを介してユーザの頬に接触させる。
【0042】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材を含み、前記エネルギー変換装置は、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置され、前記コアハウジングには、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、ユーザの皮膚に接触し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きく、
前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、及び音響フィルタを介して前記イヤホンの外部と連通する第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通する。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、ブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続され、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積は、前記第1の振動伝達シートの面積よりも小さい。
【0044】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0045】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び接続部材を含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングには、取付孔が設置され、前記コアハウジングは、前記取付孔のみを介して外部と連通する収容キャビティを囲んで形成され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、ユーザの皮膚に接触し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップは、0よりも大きく、かつ2mm以下である。
【0046】
いくつかの実施形態において、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップは、0.1mm以上、かつ1mm以下である。
【0047】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、ブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続され、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積は、前記第1の振動伝達シートの面積よりも小さい。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングの質量は、1g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以下である。
【0049】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1.2g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、5000N/m以下である。
【0050】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量と前記第1の振動伝達シートの剛性との比は、0.15s2以上である。
【0051】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量と前記第1の振動伝達シートの剛性との比は、0.2s2以上である。
【0052】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、ブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続される。
【0053】
いくつかの実施形態において、前記第2の振動伝達シートの剛性は、1000N/m以上である。
【0054】
いくつかの実施形態において、非装着状態において、前記振動パネルの振動の周波数応答曲線は、前記第1の振動伝達シートによって発生した共振ディップを有し、前記共振ディップのピーク共振周波数は、400Hz以下である。
【0055】
いくつかの実施形態において、前記周波数応答曲線は、200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した少なくとも1つの共振ピークを有する。
【0056】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つの共振ピークは、第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを含み、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数は、200Hz~400Hzであり、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数は、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数よりも大きい。
【0057】
いくつかの実施形態において、前記第1の振動伝達シートの剛性が変化する場合、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値は、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値よりも大きく、前記第2の振動伝達シートの剛性が変化する場合、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値は、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値よりも大きい。
【0058】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0059】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングの質量と前記第1の振動伝達シートの剛性との比は、0.15s2以上である。
【0060】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングの質量は、0.5g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、80000N/m以上である。
【0061】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、ブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続される。
【0062】
いくつかの実施形態において、前記第2の振動伝達シートは、周辺領域が前記ブラケットに接続され、中心領域が前記磁気回路システムに接続される。
【0063】
いくつかの実施形態において、非装着状態において、前記振動パネルの振動の周波数応答曲線は、前記第1の振動伝達シートによって発生した共振ディップを有し、前記共振ディップのピーク共振周波数は、2kHz以上である。
【0064】
いくつかの実施形態において、前記周波数応答曲線は、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有し、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数は、前記共振ディップのピーク共振周波数よりも小さく、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数は、前記共振ディップのピーク共振周波数よりも大きい。
【0065】
いくつかの実施形態において、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数は、200Hz~400Hzである。
【0066】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0067】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、音響フィルタを介して前記イヤホンの外部と連通する第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、開口面積と前記第1の通路の開口面積との比が10%以下である第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通する。
【0068】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路を介して、前記イヤホンの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される。
【0070】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアモジュールは、非装着状態において、前記振動パネルの振動の周波数応答曲線が400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないように構成され、前記周波数応答曲線は、前記振動パネルの振動強度と周波数との間の変化関係を表し、前記有効共振ディップは、前記周波数応答曲線の横軸に平行な基準線分と前記周波数応答曲線とは2つの交点を有することとして定義され、前記基準線分に対応する強度から前記有効共振ディップのピーク共振強度を引いた強度は、6dBであり、前記基準線分の両端点に対応する周波数の差は、4オクターブ以下である。
【0071】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量及び/又は前記第1の振動伝達シートの剛性は、前記周波数応答曲線が400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に前記有効共振ディップがないように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、ブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続される。
【0073】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量及び/又は前記第1の振動伝達シートの剛性は、前記周波数応答曲線が200Hz~400Hzの周波数帯域範囲内に前記有効共振ディップを有するように構成される。
【0074】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以下である。
【0075】
いくつかの実施形態において、前記周波数応答曲線は、400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した2つの共振ピークを有する。
【0076】
いくつかの実施形態において、前記第2の振動伝達シートの剛性は、1000N/m以上である。
【0077】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量及び/又は前記第1の振動伝達シートの剛性は、前記周波数応答曲線が2kHz~20kHzの周波数帯域範囲内に前記有効共振ディップを有するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、0.5g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、80000N/m以上である。
【0079】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量及び/又は前記第1の振動伝達シートの剛性は、前記周波数応答曲線が200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に前記有効共振ディップがないように構成される。
【0080】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、2500N/m以下であり、
又は、前記コアハウジングの質量は、0.5g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、80000N/m以上である。
【0081】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量及び/又は前記第1の振動伝達シートの剛性は、前記周波数応答曲線が200Hz~4kHzの周波数帯域範囲内に前記有効共振ディップがないように構成される。
【0082】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、2500N/m以下である。
【0083】
又は、前記コアハウジングの質量は、0.5g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、160000N/m以上である。
【0084】
いくつかの実施形態において、前記周波数応答曲線は、200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した少なくとも1つの共振ピークを有する。
【0085】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、2500N/m以下であり、前記第2の振動伝達シートの剛性は、100000N/m以下であり、
又は、前記コアハウジングの質量は、0.5g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、80000N/m以上であり、前記第2の振動伝達シートの剛性は、1000N/m~500000N/mである。
【0086】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0087】
いくつかの実施形態において、前記非装着状態は、前記イヤホンがユーザの頭部に装着されておらず、前記支持アセンブリが固定され、前記コアモジュールが前記支持アセンブリに対して片持ち状態にある状態と定義される。
【0088】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、かつブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続され、非装着状態において、前記振動パネルの振動の周波数応答曲線は、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有し、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数は、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数よりも小さく、前記第1の共振ピークと前記第2の共振ピークとの間には、有効共振ディップがなく、前記周波数応答曲線は、前記振動パネルの振動強度と周波数との間の変化関係を表し、前記有効共振ディップは、前記周波数応答曲線の横軸に平行な基準線分と前記周波数応答曲線とは2つの交点を有することとして定義され、前記基準線分に対応する強度から前記有効共振ディップのピーク共振強度を引いた強度は、6dBであり、前記基準線分の両端点に対応する周波数の差は、4オクターブ以下である。
【0089】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以下であり、第2の振動伝達シートの剛性は、1000N/m以上である。
【0090】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1.2g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、5000N/m以下であり、第2の振動伝達シートの剛性は、3000N/m以上である。
【0091】
いくつかの実施形態において、前記第2の振動伝達シートの剛性は、前記第1の振動伝達シートの剛性よりも大きい。
【0092】
いくつかの実施形態において、前記第1の振動伝達シートの剛性が変化する場合、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値は、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値よりも大きく、前記第2の振動伝達シートの剛性が変化する場合、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値は、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数のオフセット量の絶対値よりも大きい。
【0093】
いくつかの実施形態において、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数は、80Hz~400Hzであり、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数は、100Hz~2kHzである。
【0094】
いくつかの実施形態において、前記第2の振動伝達シートは、周辺領域が前記ブラケットに接続され、中心領域が前記磁気回路システムに接続される。
【0095】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0096】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される。
【0098】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、かつブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続され、非装着状態において、前記振動パネルの振動の周波数応答曲線は、前記第1の振動伝達シートによって発生した共振ディップと、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有し、前記共振ディップのピーク共振周波数は、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数よりも小さく、前記第1の共振ピークのピーク共振周波数は、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数よりも小さい。
【0099】
いくつかの実施形態において、前記共振ディップのピーク共振周波数は、400Hz以上である。
【0100】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以上であり、第2の振動伝達シートの剛性は、1000N/m以上である。
【0101】
いくつかの実施形態において、前記第2の共振ピークのピーク共振周波数は、1kHz以下である。
【0102】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以下であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以上であり、第2の振動伝達シートの剛性は、20000N/m~50000N/mである。
【0103】
いくつかの実施形態において、前記第2の振動伝達シートは、周辺領域が前記ブラケットに接続され、中心領域が前記磁気回路システムに接続される。
【0104】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0105】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、音響フィルタを介して前記イヤホンの外部と連通する第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、開口面積と前記第1の通路の開口面積との比が10%以下である第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通する。
【0106】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路を介して、前記イヤホンの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される。
【0108】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、かつブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続され、非装着状態において、前記振動パネルの振動の周波数応答曲線は、前記ブラケットの剛性に強い相関がある共振ピークを有し、前記ブラケットの剛性は、100000N/m以上であり、前記共振ピークのピーク共振周波数は、4kHz以上である。
【0109】
いくつかの実施形態において、前記ブラケットの材質は、ポリカーボネート、ナイロン、プラスチックチタンのうちのいずれか1種であり、
又は、前記ブラケットは、基体及び補強体を含み、前記基体の材質は、ポリカーボネート、ナイロン、プラスチックチタンのうちのいずれか1種であり、前記補強体は、前記基体内にドープされたガラス繊維又は炭素繊維であり、又は、前記補強体は、二次射出成形プロセスにより前記基体に成形されたアルミニウム合金又はステンレス鋼である。
【0110】
いくつかの実施形態において、前記ブラケットの平均厚さと前記ブラケットの面積との比は、0.01mm-1以上であり、前記ブラケットの面積は、前記ブラケットの前記振動方向に沿った正投影の面積として定義され、前記ブラケットの平均厚さは、前記ブラケットの体積を前記ブラケットの面積で割ったものとして定義される。
【0111】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量及び/又は前記第1の振動伝達シートの剛性は、前記周波数応答曲線が400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないように構成され、前記有効共振ディップは、前記周波数応答曲線の横軸に平行な基準線分と前記周波数応答曲線とは2つの交点を有することとして定義され、前記基準線分に対応する強度から前記有効共振ディップのピーク共振強度を引いた強度は、6dBであり、前記基準線分の両端点に対応する周波数の差は、4オクターブ以下である。
【0112】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量及び/又は前記第1の振動伝達シートの剛性は、前記周波数応答曲線が200Hz~400Hzの周波数帯域範囲内に前記有効共振ディップを有するように構成される。
【0113】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの質量は、1g以上であり、前記第1の振動伝達シートの剛性は、7000N/m以下である。
【0114】
いくつかの実施形態において、前記周波数応答曲線は、400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に、前記第1の振動伝達シート及び前記第2の振動伝達シートによって共同で発生した2つの共振ピークを有する。
【0115】
いくつかの実施形態において、前記第2の振動伝達シートの剛性は、1000N/m以上である。
【0116】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0117】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、音響フィルタを介して前記イヤホンの外部と連通する第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、開口面積と前記第1の通路の開口面積との比が10%以下である第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通する。
【0118】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの頬に接触させ、前記コアモジュールは、骨伝導により前記エネルギー変換装置で発生した機械的振動を伝達し、前記ヘッドビームアセンブリは、0.4N~0.8Nの押圧力を印加して前記コアモジュールをユーザの頬に押し当て、前記コアモジュールとユーザの頬との接触面積は、400mm2~600mm2である。
【0119】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートをさらに含み、前記コアハウジングは、前記ヘッドビームアセンブリに接続され、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、ユーザの皮膚に接触し、前記振動パネルのユーザの頬に対する押圧力は、前記ヘッドビームアセンブリが前記コアモジュールをユーザの頬に押し当てる押圧力よりも小さく、前記振動パネルとユーザの頬との接触面積は、前記コアモジュールとユーザの頬との接触面積よりも小さい。
【0120】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルのユーザの頬に対する押圧力は、0.1N~0.7Nであり、ユーザの頬との接触面積は、180mm2~300mm2である。
【0121】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、前記コアハウジングの前記振動パネルに近接する一端に接続された囲み部材をさらに含み、前記囲み部材は、前記振動パネルを囲み、ユーザの頬に接触し、非装着状態において、前記囲み部材は、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直な方向において前記振動パネルと間隔をあけて設置され、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、前記振動方向において、少なくとも一部が前記囲み部材の前記エネルギー変換装置から離れた側から突出する。
【0122】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、ユーザの皮膚に接触する皮膚接触領域と、前記皮膚接触領域に接続されたエッジ領域と、を含み、前記エッジ領域は、前記皮膚接触領域の外周に位置し、前記振動方向において前記皮膚接触領域と間隔をあけて設置され、前記囲み部材は、前記コアハウジングに接続された接続部と、前記接続部に接続された位置制限部と、を含み、前記位置制限部は、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側に位置し、前記振動方向から見て、前記位置制限部は、前記エッジ領域と重なり、前記皮膚接触領域とずれ、非装着状態において、前記皮膚接触領域は、前記振動方向において前記位置制限部の前記エネルギー変換装置から離れた側から突出する。
【0123】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、前記皮膚接触領域と前記エッジ領域との間に接続された空気伝導増強領域をさらに含み、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部がユーザの皮膚に接触せず、前記振動パネルは、前記空気伝導増強領域によって前記イヤホンの外部の空気を振動させて音波を形成する。
【0124】
いくつかの実施形態において、装着状態において、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部がユーザの耳部の外耳道入口に指向することにより、前記音波が前記外耳道入口に指向することを許容する。
【0125】
いくつかの実施形態において、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部が前記皮膚接触領域に対して傾斜し、前記皮膚接触領域に対する傾斜角は、0~75°であり、
及び/又は、前記空気伝導増強領域の前記振動方向に沿った正投影の幅は、1mm以上である。
【0126】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルは、前記振動方向に垂直であり、かつ互いに直交する長軸方向及び短軸方向を有し、前記振動パネルの前記長軸方向における寸法は、前記振動パネルの前記短軸方向における寸法よりも大きく、装着状態において、前記長軸方向は、ユーザの頭頂に指向し、前記短軸方向は、ユーザの耳部の外耳道入口に指向する。
【0127】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材には、前記振動パネルと前記コアハウジングとの間のギャップと、前記イヤホンの外部とを連通する連通孔が設置され、前記連通孔の数は、複数であり、少なくとも1つの前記連通孔の開口方向は、ユーザの頭頂から離れ、ユーザの垂直軸との夾角は、0~10°である。
【0128】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材の両端は、それぞれ前記弧状ヘッドビーム部材と前記コアモジュールとに接続され、かつ前記コアモジュールが前記ヘッドビームアセンブリの延伸方向において前記弧状ヘッドビーム部材に対して近接するか又は離れることを許容し、前記コアモジュールは、骨伝導により前記エネルギー変換装置で発生した機械的振動を伝達し、前記ヘッドビームアセンブリは、0.4N~0.8Nの押圧力を印加して前記コアモジュールをユーザの頬に押し当てる。
【0129】
いくつかの実施形態において、前記弧状ヘッドビーム部材の両端には、いずれも前記アダプタ部材及び前記コアモジュールが設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、第1の使用状態において、前記コアモジュールに第1の押圧力を提供し、第2の使用状態において、前記コアモジュールに第2の押圧力を提供し、前記第2の押圧力と前記第1の押圧力との差の絶対値は、0~0.1Nであり、
前記第1の使用状態は、各前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して第1の繰り出し量を有し、2つの前記コアモジュールの間に第1の間隔を有する使用状態として定義され、前記第2の使用状態は、各前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して第2の繰り出し量を有し、2つの前記コアモジュールの間に第2の間隔を有する使用状態として定義され、前記第2の繰り出し量は、前記第1の繰り出し量よりも大きく、前記第2の間隔は、前記第1の間隔よりも大きい。
【0130】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールが前記弧状ヘッドビーム部材に最も近接する場合、前記第1の繰り出し量は、最小値を取り、前記コアモジュールが前記弧状ヘッドビーム部材から最も離れる場合、前記第2の繰り出し量は、最大値を取る。
【0131】
いくつかの実施形態において、各前記コアモジュールがいずれも前記弧状ヘッドビーム部材に対して最も近接するか又は最も離れる場合、前記弧状ヘッドビーム部材の両端の前記アダプタ部材は、第1の基準平面に対して対称に設置され、第2の基準平面は、前記弧状ヘッドビーム部材の両端を結ぶ線を通過し、かつ前記第1の基準平面と垂直に交差し、前記弧状ヘッドビーム部材が自然状態にあり、前記弧状ヘッドビーム部材及び前記アダプタ部材を第2の基準平面に投影し、前記コアモジュールが前記弧状ヘッドビーム部材に最も近接する場合、前記アダプタ部材の前記コアモジュールに接続された自由端は、第1の位置を有し、前記コアモジュールが前記弧状ヘッドビーム部材から最も離れる場合、前記自由端は、第2の位置を有し、前記第1の位置と第2の位置とを結ぶ線は、前記弧状ヘッドビーム部材の両端を結ぶ線に平行な第1の基準方向において第1の投影成分を有し、前記弧状ヘッドビーム部材の両端を結ぶ線に垂直な第2の基準方向において第2の投影成分を有し、前記第2の投影成分と前記第1の投影成分との比は、2以上であり、
及び/又は、前記アダプタ部材の断面曲げ剛性と前記弧状ヘッドビーム部材の断面曲げ剛性との比は、0.9以下である。
【0132】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記アダプタ部材の前記弧状ヘッドビーム部材から離れた一端に回転可能に接続されたアダプタハウジングをさらに含み、前記コアモジュールは、前記アダプタハウジングに回転可能に接続されたコアハウジングをさらに含み、前記エネルギー変換装置は、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置され、前記コアハウジングが前記アダプタハウジングに対して回転する軸線は、前記アダプタハウジングが前記アダプタ部材に対して回転する軸線と交差する。
【0133】
いくつかの実施形態において、前記アダプタハウジングには、回転軸キャビティが設置され、前記アダプタ部材は、前記回転軸キャビティの軸方向に沿って前記回転軸キャビティに挿入され、前記イヤホンは、前記アダプタ部材が前記回転軸キャビティ内に保持されるように、前記回転軸キャビティの軸方向に沿って前記アダプタ部材を位置制限するロック部材をさらに含み、前記アダプタ部材の外周壁には、位置制限溝が形成され、前記回転軸キャビティの内周壁には、前記アダプタ部材の前記回転軸キャビティに対する回転角度を制限するように、前記位置制限溝内に嵌め込まれた位置制限ブロックが設置される。
【0134】
いくつかの実施形態において、前記アダプタ部材の自由端には、係止溝が設置され、前記アダプタ部材が前記回転軸キャビティの一端から前記回転軸キャビティに挿入された後、前記係止溝は、前記回転軸キャビティの他端から露出し、前記ロック部材は、前記係止溝内に係止され、径方向寸法が前記回転軸キャビティの径方向寸法よりも大きい。
【0135】
いくつかの実施形態において、前記回転角度は、5°~15°である。
【0136】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記エネルギー変換装置に結合された電池及びマザーボードをさらに含み、前記アダプタハウジングは、前記アダプタ部材に回転可能に接続された中板と、前記中板に接続されたケースと、を含み、前記電池又は前記マザーボードは、前記ケースと前記中板との間に設置され、前記コアハウジングは、前記アダプタハウジングに回転可能に接続され、前記中板の前記ケースから離れた側に位置する。
【0137】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び振動パネルをさらに含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、ユーザの皮膚に接触し、前記振動パネルのユーザの頬に対する押圧力は、前記ヘッドビームアセンブリが前記コアモジュールをユーザの頬に押し当てる押圧力よりも小さく、前記振動パネルとユーザの頬との接触面積は、前記コアモジュールとユーザの頬との接触面積よりも小さい。
【0138】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記イヤホンは、前記ヘッドビームアセンブリに回転可能に接続されたアダプタハウジングと、前記アダプタハウジングに接続されたコアモジュールと、前記コアモジュールに結合された電池及びマザーボードと、を含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの頬に接触させ、前記アダプタハウジングは、前記ヘッドビームアセンブリに回転可能に接続された中板と、前記中板に接続されたケースと、を含み、前記電池又は前記マザーボードは、前記ケースと前記中板との間に設置され、前記コアモジュールは、前記アダプタハウジングに回転可能に接続されたコアハウジングと、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置されたエネルギー変換装置と、を含み、前記コアハウジングと前記ケースは、それぞれ前記中板の背向する両側に位置する。
【0139】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングは、前記アダプタハウジングに対して第1の軸線を中心として回転し、前記アダプタハウジングは、前記ヘッドビームアセンブリに対して第2の軸線を中心として回転し、前記第1の軸線と前記第2の軸線は、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直な基準平面において交差する。
【0140】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び振動パネルをさらに含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、ユーザの皮膚に接触する。
【0141】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記コアハウジングは、前記アダプタハウジングに接続された内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0142】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記第1の端壁の面積との比は、0.6以下である。
【0143】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0144】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、ユーザの皮膚に接触する皮膚接触領域と、前記皮膚接触領域に接続されたエッジ領域と、を含み、前記エッジ領域は、前記皮膚接触領域の外周に位置し、前記エネルギー変換装置の振動方向において前記皮膚接触領域と間隔をあけて設置され、前記コアモジュールは、前記内筒壁の前記第2の端壁から離れた一端に接続された囲み部材をさらに含み、前記囲み部材は、前記内筒壁に接続された接続部と、前記接続部に接続された位置制限部と、を含み、前記位置制限部は、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側に位置し、前記振動方向から見て、前記位置制限部は、前記エッジ領域と重なり、前記皮膚接触領域とずれ、非装着状態において、前記皮膚接触領域は、前記振動方向において前記位置制限部の前記エネルギー変換装置から離れた側から突出する。
【0145】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、前記皮膚接触領域と前記エッジ領域との間に接続された空気伝導増強領域をさらに含み、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部がユーザの皮膚に接触せず、前記振動パネルは、前記空気伝導増強領域によって前記イヤホンの外部の空気を振動させて音波を形成する。
【0146】
いくつかの実施形態において、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部が前記皮膚接触領域に対して傾斜し、前記皮膚接触領域に対する傾斜角は、0~75°であり、
及び/又は、前記空気伝導増強領域の前記振動方向に沿った正投影の幅は、1mm以上である。
【0147】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、順に接続された第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記中板に回転可能に接続され、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、それにより装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの耳部の上方に位置し、前記コアモジュールは、ユーザの耳部の前側に位置する。
【0148】
いくつかの実施形態において、前記第1の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さく、及び/又は、前記第2の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さい。
【0149】
いくつかの実施形態において、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記第1の接続部分は、前記第2の接続部分と平行であり、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分との間の間隔は、20mm~30mmである。
【0150】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、アダプタハウジングを含み、前記コアモジュールは、前記アダプタハウジングに回転可能に接続されたコアハウジングと、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置されたエネルギー変換装置と、前記コアハウジングの前記アダプタハウジングから離れた一端に接続された囲み部材と、を含み、前記囲み部材は、前記コアハウジングに接続された接続部と、前記接続部に接続されたフランジ部と、を含み、前記エネルギー変換装置の振動方向から見て、前記フランジ部は、前記コアハウジングの外周に位置し、かつ前記アダプタハウジングと重なり、非装着状態において、前記コアハウジングが前記アダプタハウジングに対して回転する軸線を起点として、前記フランジ部と前記アダプタハウジングとの前記振動方向におけるギャップは、前記振動方向及び前記軸線が位置する方向に垂直で、前記軸線から離れた方向として定義される基準方向に沿って徐々に大きくなる。
【0151】
いくつかの実施形態において、前記フランジ部と前記アダプタハウジングとの前記振動方向における最大ギャップは、2mm~5mmである。
【0152】
いくつかの実施形態において、前記軸線が位置する方向から見て、前記フランジ部は、前記アダプタハウジングに向かう側が弧状に設置される。
【0153】
いくつかの実施形態において、前記フランジ部の前記アダプタハウジングに向かう側の円弧半径は、50mm以上である。
【0154】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び振動パネルをさらに含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、ユーザの皮膚に接触し、前記囲み部材は、前記振動パネルを囲み、非装着状態において、前記囲み部材は、前記振動方向に垂直な方向において前記振動パネルと間隔をあけて設置され、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、前記振動方向において、少なくとも一部が前記囲み部材の前記エネルギー変換装置から離れた側から突出する。
【0155】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、ユーザの皮膚に接触する皮膚接触領域と、前記皮膚接触領域に接続されたエッジ領域と、を含み、前記エッジ領域は、前記皮膚接触領域の外周に位置し、前記振動方向において前記皮膚接触領域と間隔をあけて設置され、前記囲み部材は、前記接続部に接続された位置制限部をさらに含み、前記位置制限部は、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側に位置し、前記振動方向から見て、前記位置制限部は、前記エッジ領域と重なり、前記皮膚接触領域とずれ、非装着状態において、前記皮膚接触領域は、前記振動方向において前記位置制限部の前記エネルギー変換装置から離れた側から突出する。
【0156】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、前記皮膚接触領域と前記エッジ領域との間に接続された空気伝導増強領域をさらに含み、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部がユーザの皮膚に接触せず、前記振動パネルは、前記空気伝導増強領域によって前記イヤホンの外部の空気を振動させて音波を形成する。
【0157】
いくつかの実施形態において、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部が前記皮膚接触領域に対して傾斜し、前記皮膚接触領域に対する傾斜角は、0~75°であり、
及び/又は、前記空気伝導増強領域の前記振動方向に沿った正投影の幅は、1mm以上である。
【0158】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記アダプタハウジングに接続されたヘッドビームアセンブリをさらに含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの頬に接触させ、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、順に接続された第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記アダプタハウジングに接続され、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、それにより装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの耳部の上方に位置し、前記コアモジュールは、ユーザの耳部の前側に位置する。
【0159】
いくつかの実施形態において、前記第1の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さく、及び/又は、前記第2の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さい。
【0160】
いくつかの実施形態において、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記第1の接続部分は、前記第2の接続部分と平行であり、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分との間の間隔は、20mm~30mmである。
【0161】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、アダプタハウジングを含み、前記アダプタハウジングは、筒状側壁を含み、前記筒状側壁は、前記コアモジュールの外周に位置し、前記コアモジュールは、コアハウジングと、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置されたエネルギー変換装置と、を含み、前記コアハウジングは、第1のコアハウジングを含み、前記第1のコアハウジングは、内筒壁及び外筒壁を含み、前記内筒壁は、前記エネルギー変換装置の外周に位置し、前記外筒壁は、前記内筒壁の外周に位置し、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直な方向において前記内筒壁と間隔をあけて設置され、前記外筒壁及び前記筒状側壁のうちの一方には、軸孔が設置され、他方には、前記軸孔と係合する回転軸が設置され、前記回転軸は、前記軸孔に嵌め込まれて、前記コアハウジングが前記アダプタハウジングに対して回転することを許容する。
【0162】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、前記外筒壁と前記内筒壁との間に接続された補強柱をさらに含み、前記筒状側壁の前記外筒壁に向かう側には、前記回転軸が設置され、前記補強柱には、前記軸孔が設置される。
【0163】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、前記内筒壁と外筒壁との間に接続された遷移壁及び蓋板をさらに含み、前記蓋板と前記遷移壁とは、前記振動方向において間隔をあけて設置され、前記外筒壁、前記内筒壁及び前記遷移壁とともにヘルムホルツ共振キャビティを囲んで形成され、前記ヘルムホルツ共振キャビティは、前記収容キャビティと連通して、前記収容キャビティ内の空気が前記エネルギー変換装置の振動に伴って発生した音波の音響エネルギーを吸収する。
【0164】
いくつかの実施形態において、前記音波の周波数応答曲線は、共振ピークを有し、前記共振ピークのピーク共振周波数は、500Hz~4kHzであり、前記ヘルムホルツ共振キャビティと前記収容キャビティとを連通する開口が開状態にあるときの前記共振ピークのピーク共振強度と、前記ヘルムホルツ共振キャビティと前記収容キャビティとを連通する開口が閉状態にあるときの前記共振ピークのピーク共振強度との差は、3dB以上である。
【0165】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、端壁及び遷移壁をさらに含み、前記端壁は、前記内筒壁の一端に接続され、前記収容キャビティを囲んで形成され、前記遷移壁は、前記内筒壁と前記外筒壁との間に接続され、前記アダプタハウジングは、前記筒状側壁に接続された中板をさらに含み、前記中板は、前記端壁の前記収容キャビティから離れた側に位置し、前記端壁、前記内筒壁、前記遷移壁及び前記外筒壁は、前記中板及び前記筒状側壁とともに音響フィルタを囲んで形成され、前記音響フィルタは、前記収容キャビティと連通して、前記収容キャビティ内の空気が前記エネルギー変換装置の振動に伴って発生した音波の音響エネルギーを吸収し、前記音波は、前記音響フィルタによって吸収された後、前記筒状側壁と前記外筒壁との間のギャップを介して前記イヤホンの外部に伝達される。
【0166】
いくつかの実施形態において、前記音響フィルタのカットオフ周波数は、5kHz以下である。
【0167】
いくつかの実施形態において、前記遷移壁と前記中板との前記振動方向におけるギャップ、及び前記内筒壁と前記外筒壁との前記振動方向に垂直な方向におけるギャップは、いずれも前記筒状側壁と前記外筒壁との前記振動方向に垂直な方向におけるギャップよりも大きい。
【0168】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記エネルギー変換装置に結合された電池及びマザーボードをさらに含み、前記アダプタハウジングは、前記筒状側壁に接続されたケースをさらに含み、前記電池又は前記マザーボードは、前記ケースの前記エネルギー変換装置に向かう側に設置される。
【0169】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記ケースに設置され、かつ前記電池及び前記マザーボードに結合された機能アセンブリをさらに含み、前記機能アセンブリは、第1の回路基板、第2の回路基板、エンコーダ、タクトスイッチ及び機能キーを含み、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板は、積層して設置され、前記エンコーダは、前記第1の回路基板に設置され、前記タクトスイッチは、前記第2の回路基板に設置され、かつ前記第2の回路基板の前記第1の回路基板に向かう側に位置し、前記機能キーは、キートップと、前記キートップに接続されたキーロッドと、を含み、前記キートップは、前記第1の回路基板の前記第2の回路基板から離れた側に位置し、前記キーロッドの前記キートップから離れた自由端は、前記タクトスイッチに正対して設置され、前記エンコーダは、前記キーロッドに外嵌され、ユーザが前記キートップを介して前記キーロッドを回転させる時、前記キーロッドは、前記エンコーダを動かして第1の入力信号を生成し、ユーザが前記キートップを介して前記キーロッドを押圧する時、前記キーロッドは、前記タクトスイッチをトリガして第2の入力信号を生成する。
【0170】
いくつかの実施形態において、前記第1の入力信号は、前記イヤホンの音量のアップ/ダウンを制御し、及び/又は、前記第2の入力信号は、前記イヤホンの再生/一時停止、次へ、デバイスのペアリング、電源オン/オフのうちのいずれか1種を制御する。
【0171】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、収音アセンブリ及びスイッチアセンブリをさらに含み、前記収音アセンブリは、枢動接続ブロック、接続ロッド及び収音器を含み、前記枢動接続ブロックは、前記ケースに枢着され、前記接続ロッドの一端は、前記枢動接続ブロックに接続され、前記収音器は、前記接続ロッドの他端に設置され、前記枢動接続ブロックの前記ハウジングから離れた側には、凹み領域が設置され、前記スイッチアセンブリは、前記凹み領域内に設置される。
【0172】
いくつかの実施形態において、前記凹み領域の底部には、ボスが設置され、前記ボスの外周壁と前記凹み領域の側壁との間に環状凹溝が形成され、前記スイッチアセンブリは、スイッチ回路基板、弾性支持部材、補強リング及びキーを含み、前記スイッチ回路基板は、前記ボスの頂部に設置され、前記弾性支持部材は、一体的に設置された環状固定部及び弾性支持部を含み、前記補強リングは、前記環状固定部の周方向に沿って前記環状固定部に裏打ちされ、前記環状固定部は、前記補強リングを介して前記環状凹溝内に固定され、前記弾性支持部は、ドーム状に設置され、前記キーは、前記弾性支持部に設置される。
【0173】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び接続部材を含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングは、第1のコアハウジング、第2のコアハウジング及び囲み部材を含み、前記第1のコアハウジングは、内筒壁及び第1の外筒壁を含み、前記内筒壁は、前記エネルギー変換装置の外周に位置し、前記第1の外筒壁は、前記内筒壁の外周に位置し、かつ前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直な方向において前記内筒壁と間隔をあけて設置され、前記第2のコアハウジングは、前記内筒壁に接続され、かつ前記第2のコアハウジングには、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、かつユーザの皮膚に接触し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記囲み部材は、前記第1の外筒壁に接続され、前記振動パネルを囲む。
【0174】
いくつかの実施形態において、前記第2のコアハウジングは、第1の端壁と、前記第1の端壁に接続された第1の筒状側壁と、を含み、前記第1の筒状側壁は、内筒壁と前記第1の外筒壁との間に位置し、前記内筒壁に係止され、前記取付孔は、前記第1の端壁に設置される。
【0175】
いくつかの実施形態において、前記第2のコアハウジングは、前記第1の振動伝達シートの周辺領域を前記内筒壁に押し当てる。
【0176】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、ユーザの皮膚に接触する皮膚接触領域と、前記皮膚接触領域に接続されたエッジ領域と、を含み、前記エッジ領域は、前記皮膚接触領域の外周に位置し、前記振動方向において前記皮膚接触領域と間隔をあけて設置され、前記囲み部材は、前記第1の外筒壁に係止された接続部と、前記接続部に接続された位置制限部と、を含み、前記接続部は、筒状に設置され、前記第1の外筒壁の外周に位置し、前記位置制限部は、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側に位置し、前記振動方向から見て、前記位置制限部は、前記エッジ領域と重なり、前記皮膚接触領域とずれ、非装着状態において、前記皮膚接触領域は、前記振動方向において、前記位置制限部の前記エネルギー変換装置から離れた側に突出する。
【0177】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルの前記エネルギー変換装置から離れた側は、前記皮膚接触領域と前記エッジ領域との間に接続された空気伝導増強領域をさらに含み、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部がユーザの皮膚に接触せず、前記振動パネルは、前記空気伝導増強領域によって前記イヤホンの外部の空気を振動させて音波を形成する。
【0178】
いくつかの実施形態において、前記空気伝導増強領域は、少なくとも一部が前記皮膚接触領域に対して傾斜し、前記皮膚接触領域に対する傾斜角は、0~75°であり、
及び/又は、前記空気伝導増強領域の前記振動方向に沿った正投影の幅は、1mm以上である。
【0179】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記コアハウジングに回転可能に接続されたアダプタハウジングをさらに含み、前記囲み部材は、前記接続部に接続されたフランジ部をさらに含み、前記フランジ部は、少なくとも一部が前記振動方向において前記アダプタハウジングと間隔をあけて設置され、前記振動方向から見て、前記フランジ部は、前記第1の外筒壁の外周に位置し、前記アダプタハウジングと重なる。
【0180】
いくつかの実施形態において、非装着状態において、前記コアハウジングが前記アダプタハウジングに対して回転する軸線を起点として、前記フランジ部と前記アダプタハウジングとの前記振動方向におけるギャップは、前記振動方向及び前記軸線が位置する方向に垂直で、前記軸線から離れた方向として定義される基準方向に沿って徐々に大きくなる。
【0181】
いくつかの実施形態において、前記フランジ部と前記アダプタハウジングとの前記振動方向における最大ギャップは、2mm~5mmである。
【0182】
いくつかの実施形態において、前記軸線が位置する方向から見て、前記フランジ部は、前記アダプタハウジングに向かう側が弧状に設置される。
【0183】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、第2の外筒壁及び補強柱をさらに含み、前記第2の外筒壁は、前記内筒壁の外周に位置し、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直な方向において前記内筒壁と間隔をあけて設置され、前記第2の外筒壁は、前記第1の外筒壁と逆方向に延伸し、前記補強柱は、前記第2の外筒壁及び前記内筒壁を接続し、前記アダプタハウジングは、第2の筒状側壁を含み、前記第2の筒状側壁は、前記第2の外筒壁の外周に位置し、前記補強柱及び前記第2の筒状側壁のうちの一方には、軸孔が設置され、他方には、前記軸孔と係合する回転軸が設置され、前記回転軸は、前記軸孔に嵌め込まれて、前記コアハウジングが前記アダプタハウジングに対して回転することを許容する。
【0184】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、前記内筒壁と前記第2の外筒壁との間に接続された遷移壁及び蓋板をさらに含み、前記蓋板と前記遷移壁とは、前記振動方向において間隔をあけて設置され、前記第2の外筒壁及び前記内筒壁とともにヘルムホルツ共振キャビティを囲んで形成され、前記ヘルムホルツ共振キャビティは、前記収容キャビティと連通して、前記収容キャビティ内の空気が前記エネルギー変換装置の振動に伴って発生した音波の音響エネルギーを吸収する。
【0185】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記第2の外筒壁は、前記第1の外筒壁の外周に位置し、前記フランジ部が前記第2の筒状側壁と重なることを許容するように、前記フランジ部の内側に位置する。
【0186】
いくつかの実施形態において、前記遷移壁は、第1のサブ遷移壁及び第2のサブ遷移壁を含み、前記第1のサブ遷移壁は、前記内筒壁及び前記第1の外筒壁を接続し、前記第2のサブ遷移壁は、前記第1の外筒壁及び前記第2の外筒壁を接続し、前記第2のサブ遷移壁と前記第1のサブ遷移壁とは、前記振動方向において間隔をあけて設置され、前記第2のサブ遷移壁は、前記第1のサブ遷移壁よりも前記振動パネルに近接する。
【0187】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、接続線アセンブリを含み、前記接続線アセンブリは、導電用の導線と、前記導線に接続された補助線と、を含み、前記導線は、外力に引っ張られて変形すると、前記補助線をそれに伴って弾性変形させ、前記補助線は、前記外力が解放された後、前記導線を変形前の形態に復帰させる弾性復帰力を提供する。
【0188】
いくつかの実施形態において、前記導線は、伸縮部分と、前記伸縮部分の両端に位置する自然部分とに分けられ、前記伸縮部分の弾性係数は、前記自然部分の弾性係数と前記補助線の弾性係数との間にある。
【0189】
いくつかの実施形態において、前記伸縮部分は、前記導線が少なくとも一部の前記補助線を中心として螺旋状に延伸する部分である。
【0190】
いくつかの実施形態において、自然状態において、前記伸縮部分の長さと前記導線の長さとの比は、0.1~0.5である。
【0191】
いくつかの実施形態において、前記補助線は、弾性本体と、前記弾性本体の両端に位置するカラーと、を含み、各前記カラーは、それぞれ対応する前記自然部分に外嵌され、前記伸縮部分の復元方向において前記自然部分の位置制限構造により止められる。
【0192】
いくつかの実施形態において、前記位置制限構造は、前記導線の絶縁層に一体的に接続された突起、又は前記自然部分を結んで形成されたこぶである。
【0193】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材、アダプタ部材及び前記接続線アセンブリを含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材の両端は、それぞれ前記弧状ヘッドビーム部材と前記コアモジュールとに接続され、前記コアモジュールが前記ヘッドビームアセンブリの延伸方向において前記弧状ヘッドビーム部材に対して近接するか又は離れることを許容するように、外力により前記弧状ヘッドビーム部材に対して繰り出し繰り込みすることができ、前記接続線アセンブリは、前記弧状ヘッドビーム部材に沿って延伸し、前記アダプタ部材の繰り出しに伴って伸長するか又は前記アダプタ部材の繰り込みに伴って復元し、前記導線は、前記コアモジュールに電気的に接続される。
【0194】
いくつかの実施形態において、前記導線は、伸縮部分と、前記伸縮部分の両端に位置する自然部分とに分けられ、前記伸縮部分の中間領域は、前記弧状ヘッドビーム部材に固定される。
【0195】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、前記弧状ヘッドビーム部材に係止された押当部材をさらに含み、前記押当部材は、前記伸縮部分の中間領域を前記弧状ヘッドビーム部材に押し当てる。
【0196】
いくつかの実施形態において、前記押当部材は、押当部と、前記押当部の両端に位置する係止部と、を含み、各前記係止部は、それぞれ前記押当部に対して折り曲げられ、2つの前記係止部の前記押当部に向かう側は、同方向に延伸し、外力により互いに近接することができ、前記押当部は、前記伸縮部分の中間領域を押し当て、前記係止部は、前記弧状ヘッドビーム部材と係止される。
【0197】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シートを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、かつブラケット、第2の振動伝達シート、磁気回路システム及びコイルを含み、前記ブラケットは、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングに接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記ブラケットを介して前記第1の振動伝達シートに接続され、前記磁気回路システムは、前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記第2の振動伝達シートの中心領域に接続され、前記コイルは、前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入され、前記磁気ギャップは、前記磁気回路システムと前記第2の振動伝達シートとが接続された位置を囲み、前記振動パネルは、前記ブラケットに接続される。
【0198】
いくつかの実施形態において、前記磁気回路システムは、透磁カバーと、前記透磁カバーの底部に接続された磁石と、を含み、前記磁石は、前記第2の振動伝達シートの中心領域に接続され、かつ前記透磁カバーの側壁と前記振動方向に垂直な方向に間隔をあけて設置されて前記磁気ギャップを形成し、前記透磁カバーの側壁は、前記磁気ギャップと前記磁気回路システムの外部とを連通する通路を形成するように、前記第2の振動伝達シートと前記振動方向において間隔をあけて設置される。
【0199】
いくつかの実施形態において、前記磁石は、前記振動方向に沿って積層して設置された第1の磁性部材、透磁部材及び第2の磁性部材を含み、前記第2の磁性部材は、前記第1の磁性部材よりも前記第2の振動伝達シートに近接し、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材の磁化方向が異なり、前記透磁カバーの側壁は、前記振動方向に垂直な方向に沿って前記磁石の外周面に正投影したとき、少なくとも前記透磁部材と重なる。
【0200】
いくつかの実施形態において、前記コイルは、前記振動方向に垂直な方向に沿って前記磁石の外周面に正投影したとき、少なくとも前記透磁部材と重なる。
【0201】
いくつかの実施形態において、前記ブラケットは、第1のブラケット及び第2のブラケットを含み、前記第1のブラケットは、前記第1の振動伝達シートの中心領域に接続され、前記第2のブラケットは、前記第2の振動伝達シートの周辺領域に接続され、前記第2のブラケットと前記振動パネルは、それぞれ前記第1のブラケットに接続され、前記コイルは、前記第2のブラケットに接続される。
【0202】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、サスペンションをさらに含み、前記サスペンションは、前記第2の振動伝達シートの中心領域に接続され、前記第2のブラケットは、前記サスペンションの外周に位置し、前記振動方向に垂直な方向において前記サスペンションと間隔をあけて設置され、前記磁気回路システムは、前記サスペンションに接続される。
【0203】
いくつかの実施形態において、前記第1のブラケットと前記第1の振動伝達シートは、金属インサート射出成形プロセスによって一体的に成形され、前記第2のブラケットと前記第2の振動伝達シートは、金属インサート射出成形プロセスによって一体的に成形され、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットのうちの一方には、挿着孔が設置され、他方には、前記挿着孔に嵌め込まれた挿着柱が設置され、前記挿着柱は、前記挿着孔内に挿入される。
【0204】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記ブラケットに接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0205】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記コアモジュールの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路、及び音響フィルタを介して前記コアモジュールの外部と連通する第2の通路のみを介して、前記コアモジュールの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路、及び開口面積と前記第1の通路の開口面積との比が10%以下である第2の通路のみを介して、前記コアモジュールの外部と連通する。
【0206】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路を介して、前記コアモジュールの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む。
【0207】
いくつかの実施形態において、前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される。
【0208】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0209】
いくつかの実施形態において、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップは、0.1mm以上、かつ1mm以下である。
【0210】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、支持アセンブリと、前記支持アセンブリに接続されたコアモジュールと、を含み、前記支持アセンブリは、前記コアモジュールが装着位置に装着されるように支持し、前記コアモジュールは、コアハウジングと、エネルギー変換装置と、振動パネルと、を含み、前記エネルギー変換装置は、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置され、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、かつ前記エネルギー変換装置で発生した機械的振動をユーザに伝達し、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記振動パネルの前記装着位置に向かう側の中心は、人体の矢状軸が位置する方向において、前記コアハウジングの前記装着位置に向かう側の中心よりもユーザの耳部の外耳道に近接する。
【0211】
いくつかの実施形態において、前記振動パネルが前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記コアハウジングに正投影された中心は、前記エネルギー変換装置が前記振動方向に沿って前記コアハウジングに正投影された中心と重なり、前記エネルギー変換装置が前記振動方向に沿って前記コアハウジングに正投影された中心は、前記コアハウジングの前記振動方向において前記エネルギー変換装置に向かう側の中心と重ならない。
【0212】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置が前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記コアハウジングに正投影された中心は、前記コアハウジングの前記振動方向において前記エネルギー変換装置に向かう側の中心と重なり、前記振動パネルが振動方向に沿って前記コアハウジングに正投影された中心は、前記エネルギー変換装置が前記振動方向に沿って前記コアハウジングに正投影された中心と重ならない。
【0213】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記コアハウジング及び前記支持アセンブリを接続するアダプタハウジングをさらに含み、前記アダプタハウジングは、前記コアハウジングの外周に位置する筒状側壁を含み、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直な基準平面への前記コアハウジング及び前記筒状側壁の正投影は、それぞれ第1の中心と第2の中心を有し、装着状態において、前記第1の中心は、前記第2の中心よりもユーザの耳部の外耳道に近接する。
【0214】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングは、前記アダプタハウジングに対して第1の軸線を中心として回転し、前記第1の中心と前記第2の中心は、前記第1の軸線が位置する方向に沿って間隔をあけて設置される。
【0215】
いくつかの実施形態において、前記第1の中心及び前記第2の中心は、前記第1の軸線上に位置する。
【0216】
いくつかの実施形態において、前記アダプタハウジングは、前記支持アセンブリに対して第2の軸線を中心として回転し、前記第2の軸線は、前記第1の軸線と交差する。
【0217】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記エネルギー変換装置に結合された電池及びマザーボードをさらに含み、前記アダプタハウジングは、前記筒状側壁の内側に接続された中板と、前記筒状側壁に係合されたケースと、をさらに含み、前記電池又は前記マザーボードは、前記ケースと前記中板との間に設置され、前記コアハウジングは、前記中板の前記ケースから離れた側に位置する。
【0218】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記振動パネルをユーザの頬に接触させ、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記振動パネルは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記第2の接触点と前記第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、20mm~30mmである。
【0219】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記アダプタハウジングに接続され、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記中間遷移部分は、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0220】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの頬に接触させ、さらに前記コアモジュールが骨伝導により前記コアモジュールで発生した機械的振動を伝達することを許容し、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記ヘッドビームアセンブリは、さらに、ユーザの頭部と第3の接触点を形成し、前記第3の接触点は、人体の垂直軸が位置する方向において、前記第1の接触点と前記第2の接触点との間に位置する。
【0221】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリがユーザの頭部と前記第3の接触点を形成する場合、前記ヘッドビームアセンブリは、前記第1の接触点と前記第2の接触点との間の少なくとも一部がユーザの頭部に接触しない。
【0222】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭部の両側とそれぞれ前記第3の接触点を形成する。
【0223】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリの両端は、それぞれ1つの前記コアモジュールに接続され、各前記コアモジュールは、それぞれユーザの頬と前記第2の接触点を形成する。
【0224】
いくつかの実施形態において、装着状態において、前記イヤホンは、それぞれ前記第1の接触点、前記第2の接触点及び前記第3の接触点で、ユーザの頭部に指向する押圧力を印加する。
【0225】
いくつかの実施形態において、前記第2の接触点での押圧力は、0.2N~2Nであり、前記第3の接触点での押圧力は、0.3N~2Nである。
【0226】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材と、前記弧状ヘッドビーム部材に接続された2つの補助部材と、を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールは、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、装着状態において、2つの前記補助部材は、ユーザの頭部の両側とそれぞれ前記第3の接触点を形成する。
【0227】
いくつかの実施形態において、前記補助部材は、弾性を有し、前記イヤホンが異なる大きさの頭部のユーザに装着される場合、前記補助部材は、異なる程度の弾性変形が発生することにより、前記第2の接触点での押圧力の変化量が0.2N以下になる。
【0228】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、前記弧状ヘッドビーム部材及び前記コアモジュールを接続するアダプタ部材をさらに含み、前記アダプタ部材は、前記コアモジュールが前記ヘッドビームアセンブリの延伸方向において前記弧状ヘッドビーム部材に対して近接するか又は離れることを許容し、前記弧状ヘッドビーム部材は、第1の使用状態において、前記コアモジュールに第1の押圧力を提供し、第2の使用状態において、前記コアモジュールに第2の押圧力を提供し、前記補助部材は、前記第2の押圧力と前記第1の押圧力との差の絶対値が0~0.1Nであるように構成され、
前記第1の使用状態は、各前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して第1の繰り出し量を有し、前記ヘッドビームアセンブリの両端の前記コアモジュールの間に第1の間隔を有する使用状態として定義され、前記第2の使用状態は、各前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して第2の繰り出し量を有し、前記ヘッドビームアセンブリの両端の前記コアモジュールの間に第2の間隔を有する使用状態として定義され、前記第2の繰り出し量は、前記第1の繰り出し量よりも大きく、前記第2の間隔は、前記第1の間隔よりも大きい。
【0229】
いくつかの実施形態において、前記第1の押圧力と前記第2の押圧力は、それぞれ0.4N~0.8Nである。
【0230】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールが前記弧状ヘッドビーム部材に最も近接する場合、前記第1の繰り出し量は、最小値を取り、前記コアモジュールが前記弧状ヘッドビーム部材から最も離れる場合、前記第2の繰り出し量は、最大値を取る。
【0231】
いくつかの実施形態において、自然状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、互いに直交する第1の基準平面及び第2の基準平面を有し、2つの前記補助部材は、前記第1の基準平面に対して対称に設置され、前記第2の基準平面は、前記弧状ヘッドビーム部材の最高点及び2つの端点を通過し、前記弧状ヘッドビーム部材及び前記補助部材を前記第2の基準平面に投影し、前記第2の基準平面内において、前記補助部材の固定端と自由端とを結ぶ線は、2つの前記端点を結ぶ線に平行な第1の基準方向において第1の投影成分を有し、2つの前記端点を結ぶ線に垂直な第2の基準方向において第2の投影成分を有し、前記第2の投影成分と前記第1の投影成分との比は、1~5であり、及び/又は、前記補助部材の等価弾性係数は、100N/m~180N/mである。
【0232】
いくつかの実施形態において、自然状態において、前記弧状ヘッドビーム部材を前記第2の基準平面に投影し、前記第2の基準平面内に直交座標系を確立し、前記直交座標系は、前記最高点を座標原点とし、前記座標原点を通過し、かつ2つの前記端点を結ぶ線に平行な直線をx軸とし、前記座標原点を通過し、かつ前記x軸に垂直な直線をy軸とし、前記弧状ヘッドビーム部材のいずれかの前記端点から前記最高点までの曲線は、以下の関係式を満たし、
【0233】
【0234】
前記補助部材の厚さは、4mm以下であり、前記補助部材と前記弧状ヘッドビーム部材との間のギャップは、10mm以上である。
【0235】
いくつかの実施形態において、各前記補助部材は、それぞれ前記弧状ヘッドビーム部材の一端部に固定され、前記弧状ヘッドビーム部材のいずれかの前記端点と前記最高点とを結ぶ線は、2つの前記端点を結ぶ線に平行な第1の基準方向において第3の投影成分を有し、2つの前記端点を結ぶ線に垂直な第2の基準方向において第4の投影成分を有し、前記第2の投影成分と前記第4の投影成分との比は、0.1~0.5である。
【0236】
いくつかの実施形態において、各前記補助部材は、前記弧状ヘッドビーム部材に対して片持ちに設置される。
【0237】
いくつかの実施形態において、頭が下がった状態において、前記第1の接触点での押圧力は、前記第2の接触点に対して第1の抵抗モーメントを形成し、前記第3の接触点での押圧力は、前記第2の接触点に対して第2の抵抗モーメントを形成し、前記第2の接触点での押圧力は、前記コアモジュールのユーザの頬に接触する接触面に対して、前記ヘッドビームアセンブリが前記補助部材を含む場合、第3の抵抗モーメントを形成し、前記第2の接触点での押圧力は、前記コアモジュールのユーザの頬に接触する接触面に対して、前記ヘッドビームアセンブリが前記補助部材を含まない場合、第4の抵抗モーメントを形成し、前記第1の抵抗モーメント、前記第2の抵抗モーメント及び前記第3の抵抗モーメントによって形成された合モーメントは、前記第1の抵抗モーメント及び前記第4の抵抗モーメントによって形成された合モーメントよりも大きい。
【0238】
いくつかの実施形態において、自然状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、互いに直交する第1の基準平面及び第2の基準平面を有し、2つの前記補助部材は、前記第1の基準平面に対して対称に設置され、前記第2の基準平面は、前記弧状ヘッドビーム部材の最高点及び2つの端点を通過し、前記弧状ヘッドビーム部材及び前記補助部材を前記第2の基準平面に投影し、前記第2の基準平面内において、前記補助部材の前記弧状ヘッドビーム部材に接続された固定端から前記補助部材に隣接する前記コアモジュールまでの距離の、2つの前記端点を結ぶ線に垂直な第2の基準方向への投影成分は、40mm~120mmである。
【0239】
いくつかの実施形態において、前記補助部材は、前記弧状ヘッドビーム部材の中間領域に向かって延伸し、自然状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、互いに直交する第1の基準平面及び第2の基準平面を有し、2つの前記補助部材は、前記第1の基準平面に対して対称に設置され、前記第2の基準平面は、前記弧状ヘッドビーム部材の最高点及び2つの端点を通過し、前記弧状ヘッドビーム部材及び前記補助部材を前記第2の基準平面に投影し、前記第2の基準平面内において、前記補助部材の前記弧状ヘッドビーム部材に接続された固定端は、2つの前記端点を結ぶ線に垂直な基準方向において、前記最高点との間に第1の距離を有し、前記コアモジュールの前記ヘッドビームアセンブリに接続された位置は、前記基準方向において、前記最高点との間に第2の距離を有し、前記第1の距離と前記第2の距離との比は、1/3~1/2である。
【0240】
いくつかの実施形態において、前記補助部材は、前記弧状ヘッドビーム部材の端部に向かって延伸し、自然状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、互いに直交する第1の基準平面及び第2の基準平面を有し、2つの前記補助部材は、前記第1の基準平面に対して対称に設置され、前記第2の基準平面は、前記弧状ヘッドビーム部材の最高点及び2つの端点を通過し、前記弧状ヘッドビーム部材及び前記補助部材を前記第2の基準平面に投影し、前記第2の基準平面内において、前記補助部材の前記弧状ヘッドビーム部材に接続された固定端は、2つの前記端点を結ぶ線に垂直な基準方向において、前記最高点との間に第3の距離を有し、前記コアモジュールの前記ヘッドビームアセンブリに接続された位置は、前記基準方向において、前記最高点との間に第4の距離を有し、前記第3の距離と前記第4の距離との比は、1/5~1/3である。
【0241】
いくつかの実施形態において、前記補助部材は、固定部と、前記固定部に接続された第1の延伸部と、前記第1の延伸部に接続された第2の延伸部と、を含み、前記固定部は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第1の延伸部及び前記第2の延伸部は、装着状態において、前記弧状ヘッドビーム部材のユーザの頭部に向かう側に位置し、自然状態において、前記弧状ヘッドビーム部材と間隔をあけて設置され、前記第2の延伸部の幅は、前記第1の延伸部の幅よりも大きく、前記第2の延伸部は、装着状態において、ユーザの頭部と前記第3の接触点を形成する。
【0242】
いくつかの実施形態において、前記補助部材は、前記弧状ヘッドビーム部材に取り外し可能に接続される。
【0243】
いくつかの実施形態において、前記第2の延伸部のユーザの頭部に接触する面積は、2cm2~8cm2である。
【0244】
いくつかの実施形態において、前記第2の延伸部の摩擦係数は、前記第1の延伸部の摩擦係数よりも大きい。
【0245】
いくつかの実施形態において、装着状態において、人体の垂直軸が位置する方向から見て、2つの前記補助部材の前記第2の延伸部は、ユーザの頭部の後側に向かって互いに近接する。
【0246】
いくつかの実施形態において、自然状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、互いに直交する第1の基準平面及び第2の基準平面を有し、2つの前記補助部材は、前記第1の基準平面に対して対称に設置され、前記第2の基準平面は、前記弧状ヘッドビーム部材の最高点及び2つの端点を通過し、各前記補助部材の前記第2の延伸部の平均法線と前記第2の基準平面との間の夾角は、5度~10度である。
【0247】
いくつかの実施形態において、前記支持アセンブリは、ヘッドビームアセンブリとして設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの頬に接触させ、さらに前記コアモジュールが骨伝導により前記コアモジュールで発生した機械的振動を伝達することを許容し、装着状態において、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第1の接触点を形成し、ユーザの頭部に第1の押圧力を印加し、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭部と第2の接触点を形成し、ユーザの頭部に第2の押圧力を印加し、前記第2の接触点は、人体の垂直軸が位置する方向において、前記第1の接触点よりもユーザの頭頂に近接する。
【0248】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、前記第2の接触点でユーザの頭部に前記第2の押圧力を印加する場合、前記第2の接触点とユーザの頭頂との間の少なくとも一部がユーザの頭部に接触しない。
【0249】
いくつかの実施形態において、前記第1の接触点での押圧力は、0.2N~2Nであり、前記第2の接触点での押圧力は、0.3N~2Nである。
【0250】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材と、前記弧状ヘッドビーム部材に接続された2つの補助部材と、を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールは、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、装着状態において、2つの前記補助部材は、ユーザの頭部の両側とそれぞれ前記第2の接触点を形成し、前記補助部材は、弾性を有し、前記イヤホンが異なる大きさの頭部のユーザに装着される場合、前記補助部材は、異なる程度の弾性変形が発生することにより、前記第1の押圧力の変化量が0.2N以下になる。
【0251】
いくつかの実施形態において、頭が下がった状態において、前記第2の押圧力は、前記第1の接触点に対して第1の抵抗モーメントを形成し、前記第1の接触点での押圧力は、前記コアモジュールのユーザの頬に接触する接触面に対して、前記ヘッドビームアセンブリが前記補助部材を含む場合、第2の抵抗モーメントを形成し、前記第1の接触点での押圧力は、前記コアモジュールのユーザの頬に接触する接触面に対して、前記ヘッドビームアセンブリが前記補助部材を含まない場合、第3の抵抗モーメントを形成し、前記第1の抵抗モーメント及び前記第2の抵抗モーメントによって形成された合モーメントは、前記第3の抵抗モーメントよりも大きい。
【0252】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、囲み部材を含み、前記囲み部材は、前記コアハウジングに接続され、前記囲み部材の基準平面内への投影が前記振動パネルの前記基準平面内への投影の外周を囲み、前記基準平面は、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直であり、前記コアハウジングの前記振動パネルに近接する側は、前記振動パネル及び前記囲み部材とともにキャビティを囲んで形成され、前記囲み部材には、前記キャビティと前記コアモジュールの外部とを連通する連通孔が設置され、それにより装着状態において、前記キャビティは、前記連通孔を介して前記コアモジュールの外部と連通する。
【0253】
いくつかの実施形態において、装着状態において、前記囲み部材の少なくとも一部は、前記振動パネルとともにユーザの皮膚に接触する。
【0254】
いくつかの実施形態において、500Hz~4kHzの周波数範囲内に、少なくとも1/3オクターブの区間長さを有する目標周波数範囲が存在し、前記目標周波数範囲内に、前記連通孔が開状態にあるときに前記イヤホンが装着状態において発生する音漏れは、前記連通孔が閉状態にあるときに前記イヤホンが装着状態において発生する音漏れよりも弱い。
【0255】
いくつかの実施形態において、前記目標周波数範囲は、1kHz~2kHzである。
【0256】
いくつかの実施形態において、前記連通孔の数は、複数であり、前記連通孔の前記囲み部材における開孔率は、30%以上である。
【0257】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材における1平方ミリメートル当たりの単位面積には、少なくとも1つの前記連通孔がある。
【0258】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材は、プラスチック部品であり、肉厚が0.2mm~1mmである。
【0259】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材は、プラスチック部品であり、ユーザの皮膚に接触する部分の肉厚が1mmよりも大きい。
【0260】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材は、プラスチック部品であり、前記プラスチック部品は、射出成形プロセスにより金属フレームに成形される。
【0261】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材は、前記連通孔の前記囲み部材における開孔率が60%以上であることを許容する金属部品である。
【0262】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材は、スチールメッシュである。
【0263】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングは、第1のプラスチック部品であり、前記囲み部材は、第2のプラスチック部品によって前記コアハウジングに接続され、前記第2のプラスチック部品は、前記金属部品と射出成形プロセスによって一体的に成形される。
【0264】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び接続部材を含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記囲み部材は、前記第1の端壁に接続され、前記第1の端壁及び前記振動パネルとともに前記キャビティを囲んで形成され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0265】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0266】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路を介して、前記コアモジュールの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む。
【0267】
いくつかの実施形態において、前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される。
【0268】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、囲み部材を含み、前記囲み部材は、前記コアハウジングに接続され、前記囲み部材の基準平面内への投影が前記振動パネルの前記基準平面内への投影の外周を囲み、前記基準平面は、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直であり、前記コアハウジングの前記振動パネルに近接する側は、前記振動パネル及び前記囲み部材とともにキャビティを囲んで形成され、前記囲み部材は、装着状態においてユーザの皮膚に向かう側の外面に凹凸領域を有することにより、前記囲み部材がユーザの皮膚に接触するときに完全に密着せず、さらに前記キャビティと前記コアモジュールの外部との連通を許容する。
【0269】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材の前記外面には、凹溝が設置され、前記キャビティは、前記凹溝を介して前記コアモジュールの外部と連通する。
【0270】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材の前記基準平面内への投影は、互いに直交する長軸方向及び短軸方向を有し、前記囲み部材の前記長軸方向における寸法は、前記囲み部材の前記短軸方向における寸法よりも大きく、前記凹溝の数は、複数であり、複数の前記凹溝は、4組に分けられ、2組の前記凹溝は、それぞれ前記長軸方向に沿って間隔をあけて設置され、他の2組の前記凹溝は、それぞれ前記短軸方向に沿って間隔をあけて設置され、前記長軸方向に沿って間隔をあけて設置された各組の前記凹溝の数は、前記短軸方向に沿って間隔をあけて設置された各組の前記凹溝の数よりも大きい。
【0271】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材の前記外面には、突起が設置され、前記突起により、前記囲み部材が装着状態においてユーザの皮膚との間にギャップを形成し、前記キャビティは、前記ギャップを介して前記コアモジュールの外部と連通する。
【0272】
いくつかの実施形態において、前記突起の数は、複数であり、複数の前記突起は、前記ギャップを格子状にする。
【0273】
いくつかの実施形態において、500Hz~4kHzの周波数範囲内に、少なくとも1/3オクターブの区間長さを有する目標周波数範囲が存在し、前記目標周波数範囲内に、前記囲み部材の前記外面に凹凸領域がある場合、前記イヤホンが装着状態において発生する音漏れは、前記囲み部材の前記外面に凹凸領域がない場合、前記イヤホンが装着状態において発生する音漏れよりも弱い。
【0274】
いくつかの実施形態において、前記目標周波数範囲は、1kHz~2kHzである。
【0275】
いくつかの実施形態において、前記凹凸領域の高さの差は、0.5mm~5mmである。
【0276】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材には、前記キャビティと前記コアモジュールの外部とを連通する連通孔が設置され、それにより装着状態において、前記キャビティは、さらに、前記連通孔を介して前記コアモジュールの外部と連通する。
【0277】
いくつかの実施形態において、前記連通孔の数は、複数であり、前記連通孔の前記囲み部材における開孔率は、30%以上である。
【0278】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び接続部材を含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記囲み部材は、前記第1の端壁に接続され、かつ前記第1の端壁及び前記振動パネルとともに前記キャビティを囲んで形成され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0279】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0280】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路を介して、前記コアモジュールの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む。
【0281】
いくつかの実施形態において、前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される。
【0282】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、囲み部材を含み、前記囲み部材は、前記コアハウジングに接続され、前記囲み部材の基準平面内への投影が前記振動パネルの前記基準平面内への投影の外周を囲み、前記基準平面は、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直であり、前記コアハウジングの前記振動パネルに近接する側は、前記振動パネル及び前記囲み部材とともにキャビティを囲んで形成され、前記囲み部材は、装着状態においてユーザの皮膚に向かう側に多孔質構造が設置され、それにより装着状態において、前記多孔質構造の少なくとも一部は、前記振動パネルとともにユーザの皮膚に接触し、前記キャビティと前記コアモジュールの外部との連通を許容する。
【0283】
いくつかの実施形態において、500Hz~4kHzの周波数範囲内に、少なくとも1/3オクターブの区間長さを有する目標周波数範囲が存在し、前記目標周波数範囲内に、前記コアモジュールが前記多孔質構造を有するときに前記イヤホンが装着状態において発生する音漏れは、前記コアモジュールが前記多孔質構造を有さないときに前記イヤホンが装着状態において発生する音漏れよりも弱い。
【0284】
いくつかの実施形態において、前記目標周波数範囲は、1kHz~2kHzである。
【0285】
いくつかの実施形態において、前記多孔質構造は、固定層と、前記固定層に接続された多孔質本体層と、を含み、前記多孔質構造は、前記固定層を介して前記囲み部材に接続され、前記多孔質構造は、前記多孔質本体層を介して前記キャビティと前記コアモジュールの外部とを連通する。
【0286】
いくつかの実施形態において、前記固定層は、前記囲み部材に取り外し可能に接続される。
【0287】
いくつかの実施形態において、前記固定層と前記囲み部材との間の接続方式は、磁気吸着型、バックル型、接着型のうちのいずれか1種である。
【0288】
いくつかの実施形態において、前記固定層は、硬化後の接着剤であり、前記多孔質構造は、前記多孔質本体層を覆う保護層を含み、前記保護層を介してユーザの皮膚に接触する。
【0289】
いくつかの実施形態において、前記保護層は、織物又はスチールメッシュである。
【0290】
いくつかの実施形態において、前記多孔質本体層の空隙率が60%以上である。
【0291】
いくつかの実施形態において、前記多孔質本体層は、フォームである。
【0292】
いくつかの実施形態において、前記囲み部材には、前記キャビティと前記コアモジュールの外部とを連通する連通孔が設置され、それにより装着状態において、前記キャビティは、さらに、前記連通孔を介して前記コアモジュールの外部と連通する。
【0293】
いくつかの実施形態において、前記連通孔の数は、複数であり、前記連通孔の前記囲み部材における開孔率は、30%以上である。
【0294】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び接続部材を含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記囲み部材は、前記第1の端壁及び前記振動パネルとともに前記キャビティを囲んで形成され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0295】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0296】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路を介して、前記コアモジュールの外部と連通し、前記コアモジュールは、前記通路を密封する密封膜をさらに含む。
【0297】
いくつかの実施形態において、前記密封膜は、一体的に接続された第1の接続部、皺部及び第2の接続部を含み、前記皺部は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に凹み領域を形成し、前記第1の接続部は、前記第1の端壁に接続され、前記第2の接続部は、前記接続部材又は前記振動パネルに接続される。
【0298】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、コアモジュールと、前記コアモジュールに結合された電池及びマザーボードと、を含み、前記コアモジュールは、コアハウジングと、前記コアハウジングの収容キャビティ内に設置されたエネルギー変換装置と、を含み、骨伝導により前記エネルギー変換装置で発生した機械的振動を伝達し、前記電池は、前記マザーボードに給電するように構成され、前記マザーボードは、前記エネルギー変換装置が電気信号を機械的振動に変換することを制御するように構成される。
【0299】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート及び振動パネルをさらに含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記収容キャビティ内にサスペンションされ、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、ユーザの皮膚に接触する。
【0300】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリと、アダプタハウジングと、をさらに含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュール全体をユーザの耳部の前側に位置させ、前記アダプタハウジングには、電子部品を収容する収容空間が形成され、前記コアハウジングは、前記アダプタハウジングに弾性的に接続され、前記コアハウジング又は前記アダプタハウジングは、前記ヘッドビームアセンブリに接続される。
【0301】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、磁気回路システムと、コイルと、を含み、前記コイルは、前記コアハウジングに剛性接続されて、前記コアハウジングを振動させる。
【0302】
いくつかの実施形態において、前記エネルギー変換装置は、ブラケット及び第2の振動伝達シートを含み、前記ブラケットは、前記コアハウジングに剛性接続され、前記第2の振動伝達シートは、前記磁気回路システムが前記収容キャビティ内にサスペンションされるように、前記ブラケット及び前記磁気回路システムを接続し、前記コイルは、前記ブラケットに接続され、かつ前記振動方向に沿って前記磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入される。
【0303】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングの前記アダプタハウジングから離れた側には、ユーザの皮膚に接触する接触面が形成される。
【0304】
いくつかの実施形態において、前記アダプタハウジングは、前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って前記コアハウジングと積層して設置され、前記コアハウジングの前記振動パネルから離れた側に位置し、
前記アダプタハウジングは、前記振動方向に垂直な基準平面において第1の投影面積を有し、前記コアハウジングは、前記基準平面において第2の投影面積を有し、前記第1の投影面積と前記第2の投影面積との比は、0.2~1.5であり、
及び/又は、前記エネルギー変換装置の振動方向に沿って、前記コアハウジングと前記アダプタハウジングとの間のギャップは、1mm~10mmである。
【0305】
いくつかの実施形態において、前記電池又は前記マザーボードは、前記アダプタハウジングによって支持固定され、前記アダプタハウジングの前記エネルギー変換装置に向かう側に位置する。
【0306】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリをさらに含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュール全体をユーザの耳部の前側に位置させ、前記ヘッドビームアセンブリは、0.4N~0.8Nの押圧力を印加して前記コアモジュールをユーザの頬に押し当てる。
【0307】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリと、前記ヘッドビームアセンブリに接続された支持部材と、をさらに含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュール全体をユーザの耳部の前側に位置させ、前記電池又は前記マザーボードは、前記支持部材内に設置される。
【0308】
いくつかの実施形態において、装着状態において、前記支持部材と前記コアモジュールとは、人体の矢状軸に沿って間隔をあけて設置される。
【0309】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、前記支持部材よりもユーザの頭部の前側に近接する。
【0310】
いくつかの実施形態において、装着状態において、前記支持部材と前記コアモジュールとは、人体の垂直軸に沿って間隔をあけて設置され、前記コアモジュールは、前記支持部材よりもユーザの頭頂から離れている。
【0311】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、コアハウジング、エネルギー変換装置、第1の振動伝達シート及び振動パネルを含み、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記振動パネルは、前記エネルギー変換装置に接続され、ユーザの皮膚に接触し、前記イヤホンは、前記エネルギー変換装置に電気的に接続された電池をさらに含み、前記電池は、前記エネルギー変換装置の振動方向において前記エネルギー変換装置と間隔をあけて設置され、前記電池の容量と、前記コアハウジングと前記電池の重量の和との比は、11mAh/g~24.5mAh/gである。
【0312】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、コアハウジングに接続されたアダプタハウジングを含み、前記電池は、前記アダプタハウジング内に設置され、前記電池の容量と、前記コアハウジングと前記アダプタハウジングの重量の和との比は、55mAh/g~220mAh/gである。
【0313】
いくつかの実施形態において、前記電池の容量は、200mAh以上であり、前記コアハウジングと前記アダプタハウジングの重量の和は、1g~4gである。
【0314】
いくつかの実施形態において、前記電池の容量と、前記振動パネルのユーザの皮膚に接触する面積との比は、0.37mAh/mm2~0.73mAh/mm2である。
【0315】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記コアモジュールに接続されたヘッドビームアセンブリをさらに含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの耳部の前側に位置させ、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記第2の接触点と前記第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、20mm~30mmである。
【0316】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記コアモジュールに接続され、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記中間遷移部分は、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0317】
いくつかの実施形態において、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の一端に接続された第1の端壁及び第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、ユーザの皮膚に接触し、前記コアモジュールは、接続部材をさらに含み、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0318】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである通路のみを介して、前記イヤホンの外部と連通し、
又は、前記収容キャビティは、前記接続部材と前記取付孔の壁面との間のギャップである第1の通路と、及び音響フィルタを介して前記イヤホンの外部と連通する第2の通路とのみを介して、前記イヤホンの外部と連通する。
【0319】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記第1の端壁の面積との比は、0.6以下である。
【0320】
いくつかの実施形態において、前記振動方向から見て、前記取付孔の面積と前記接続部材の面積との差と、前記取付孔の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下である。
【0321】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリを含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの耳部の前側に位置させ、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記第2の接触点と前記第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、20mm~30mmである。
【0322】
いくつかの実施形態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記ヘッドビームアセンブリは、少なくとも一部が人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0323】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記コアモジュールに接続され、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記中間遷移部分は、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0324】
いくつかの実施形態において、前記第1の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さく、及び/又は、前記第2の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さい。
【0325】
いくつかの実施形態において、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記第1の接続部分は、前記第2の接続部分と平行であり、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分との間の間隔は、20mm~30mmである。
【0326】
いくつかの実施形態において、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分には、それぞれ配線キャビティが設置され、前記中間遷移部分には、スロットが設置され、前記スロットは、前記イヤホンの配線が前記コアモジュールから前記アダプタ部材を介して前記弧状ヘッドビーム部材まで延伸することを許容するように、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分との前記配線キャビティを連通し、前記ヘッドビームアセンブリは、前記スロットに嵌め込まれた密封部材をさらに含み、前記密封部材は、前記配線を覆う。
【0327】
いくつかの実施形態において、前記アダプタ部材の材質は、金属であり、前記弧状ヘッドビーム部材の材質は、プラスチックである。
【0328】
いくつかの実施形態において、前記第1の接続部分は、外力により前記弧状ヘッドビーム部材に対して繰り出し繰り込みすることができる。
【0329】
いくつかの実施形態において、前記弧状ヘッドビーム部材の両端には、いずれも前記アダプタ部材及び前記コアモジュールが設置され、前記ヘッドビームアセンブリは、第1の使用状態において、前記コアモジュールに第1の押圧力を提供し、第2の使用状態において、前記コアモジュールに第2の押圧力を提供し、前記第2の押圧力と前記第1の押圧力との差の絶対値は、0~0.1Nであり、
前記第1の使用状態は、各前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して第1の繰り出し量を有し、2つの前記コアモジュールの間に第1の間隔を有する使用状態として定義され、前記第2の使用状態は、各前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して第2の繰り出し量を有し、2つの前記コアモジュールの間に第2の間隔を有する使用状態として定義され、前記第2の繰り出し量は、前記第1の繰り出し量よりも大きく、前記第2の間隔は、前記第1の間隔よりも大きい。
【0330】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールのユーザの頬に対する押圧力は、0.4N~0.8Nである。
【0331】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、アダプタハウジングを含み、前記コアハウジングは、前記アダプタハウジングに接続された第1のコアハウジングを含み、前記第1のコアハウジングは、内筒壁、外筒壁及び遷移壁を含み、前記内筒壁は、前記エネルギー変換装置の外周に位置し、前記外筒壁は、前記内筒壁の外周に位置し、前記エネルギー変換装置の振動方向に垂直な方向において前記内筒壁と間隔をあけて設置され、前記遷移壁は、前記内筒壁と外筒壁との間に接続され、前記外筒壁、前記内筒壁及び前記遷移壁は、音響キャビティを囲んで形成され、前記音響キャビティは、前記収容キャビティと連通して、前記収容キャビティ内の空気が前記エネルギー変換装置の振動に伴って発生した音波の音響エネルギーを吸収する。
【0332】
いくつかの実施形態において、前記音波の周波数応答曲線は、共振ピークを有し、前記音響キャビティは、ヘルムホルツ共振キャビティであり、前記共振ピークのピーク共振強度を弱める。
【0333】
いくつかの実施形態において、前記共振ピークのピーク共振周波数は、500Hz~4kHzであり、前記ヘルムホルツ共振キャビティと前記収容キャビティとを連通する開口が開状態にあるときの前記共振ピークのピーク共振強度と、前記ヘルムホルツ共振キャビティと前記収容キャビティとを連通する開口が閉状態にあるときの前記共振ピークのピーク共振強度との差は、3dB以上である。
【0334】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、前記内筒壁と外筒壁との間に接続された蓋板をさらに含み、前記蓋板と前記遷移壁とは、前記振動方向において間隔をあけて設置され、前記外筒壁、前記内筒壁及び前記遷移壁とともに前記ヘルムホルツ共振キャビティを囲んで形成する。
【0335】
いくつかの実施形態において、前記音響キャビティは、音響フィルタであり、前記音響フィルタのカットオフ周波数は、5kHz以下である。
【0336】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、端壁をさらに含み、前記端壁は、前記内筒壁の一端に接続され、前記収容キャビティを囲んで形成され、前記アダプタハウジングは、中板と、前記中板に接続された筒状側壁とを含み、前記中板は、前記端壁の前記収容キャビティから離れた側に位置し、前記筒状側壁は、前記外筒壁の外周に位置し、前記端壁、前記内筒壁、前記遷移壁及び前記外筒壁は、前記中板及び前記筒状側壁とともに前記音響フィルタを囲んで形成され、前記音波は、前記音響フィルタによって吸収された後、前記筒状側壁と前記外筒壁との間のギャップを介して前記イヤホンの外部に伝達される。
【0337】
いくつかの実施形態において、前記遷移壁と前記中板との前記振動方向におけるギャップ、及び前記内筒壁と前記外筒壁との前記振動方向に垂直な方向におけるギャップは、いずれも前記筒状側壁と前記外筒壁との前記振動方向に垂直な方向におけるギャップよりも大きい。
【0338】
いくつかの実施形態において、前記第1のコアハウジングは、前記外筒壁及び前記内筒壁を接続する補強柱をさらに含み、前記補強柱及び前記筒状側壁のうちの一方には、軸孔が設置され、他方には、前記軸孔と係合する回転軸が設置され、前記回転軸は、前記軸孔に嵌め込まれて、前記コアハウジングが前記アダプタハウジングに対して回転することを許容する。
【0339】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記コアモジュールに接続されたヘッドビームアセンブリをさらに含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの頬に接触させ、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、順に接続された第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記アダプタハウジングに接続され、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、それにより装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの耳部の上方に位置し、前記コアモジュールは、ユーザの耳部の前側に位置する。
【0340】
いくつかの実施形態において、前記第1の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さく、及び/又は、前記第2の接続部分の前記中間遷移部分に対する折り曲げ角度は、90°以上、かつ180°よりも小さい。
【0341】
いくつかの実施形態において、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記第1の接続部分は、前記第2の接続部分と平行であり、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分との間の間隔は、20mm~30mmである。
【0342】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、第1の回路基板、第2の回路基板、エンコーダ、タクトスイッチ及び機能キーを含み、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板は、積層して設置され、前記エンコーダは、前記第1の回路基板に設置され、前記タクトスイッチは、前記第2の回路基板に設置され、かつ前記第2の回路基板の前記第1の回路基板に向かう側に位置し、前記機能キーは、キートップと、前記キートップに接続されたキーロッドと、を含み、前記キートップは、前記第1の回路基板の前記第2の回路基板から離れた側に位置し、前記キーロッドの前記キートップから離れた自由端は、前記タクトスイッチに正対して設置され、前記エンコーダは、前記キーロッドに外嵌され、ユーザが前記キートップを介して前記キーロッドを回転させる時、前記キーロッドは、前記エンコーダを動かして第1の入力信号を生成し、ユーザが前記キートップを介して前記キーロッドを押圧する時、前記キーロッドは、前記タクトスイッチをトリガして第2の入力信号を生成する。
【0343】
いくつかの実施形態において、前記第1の入力信号は、前記イヤホンの音量のアップ/ダウンを制御し、及び/又は、前記第2の入力信号は、前記イヤホンの再生/一時停止、次へ、デバイスのペアリング、電源オン/オフのうちのいずれか1種を制御する。
【0344】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ハウジング及びアダプタリングをさらに含み、前記ハウジングは、第1の筒体を含み、前記第1の回路基板及び前記第2の回路基板は、前記第1の筒体の軸方向に沿って前記第1の筒体内に積層して設置され、前記アダプタリングは、前記第1の筒体の外周に外嵌され、前記アダプタリングは、前記第1の筒体の軸方向に沿って位置制限され、前記第1の筒体の軸方向を中心として回転可能であり、前記キートップは、前記アダプタリングに固定して設置され、前記キーロッドは、前記第1の筒体の軸方向に沿って前記第1の筒体に挿入される。
【0345】
いくつかの実施形態において、前記第1の筒体の外周壁には、第1のバックルが設置され、前記アダプタリングは、第2の筒体を含み、前記第2の筒体の内周壁には、第2のバックルが設置され、前記第1のバックルと第2のバックルとは、互いに係止して、前記キーロッドの前記第1の筒体に対する挿入方向の逆方向に沿った前記アダプタリングの移動を制限する。
【0346】
いくつかの実施形態において、前記第1の筒体の外周壁には、第1のフランジがさらに設置され、前記第2の筒体の外周壁には、第2のフランジがさらに設置され、前記第1のフランジは、前記第2のフランジを支持して、前記キーロッドの前記第1の筒体に対する挿入方向に沿った前記アダプタリングの移動を制限する。
【0347】
いくつかの実施形態において、前記キートップは、第3の筒体及び端板を含み、前記第3の筒体は、前記第2の筒体の外周に外嵌され、一端が前記第2のフランジの前記第1のフランジから離れた側に支持され、前記端板は、前記第3の筒体の他端に設置され、前記キーロッドは、前記端板に設置される。
【0348】
いくつかの実施形態において、前記機能キーの材質は、プラスチックであり、前記アダプタリングの材質は、金属である。
【0349】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリを含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの耳部の前側に位置させ、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記第2の接触点と前記第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、20mm~30mmである。
【0350】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記コアモジュールに接続され、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記中間遷移部分は、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0351】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート、振動パネル及び接続部材を含み、前記コアハウジングは、前記ヘッドビームアセンブリに接続され、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、かつユーザの皮膚に接触し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0352】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ハウジング、収音アセンブリ及びスイッチアセンブリを含み、前記収音アセンブリは、枢動接続ブロック、接続ロッド及び収音器を含み、前記枢動接続ブロックは、前記ハウジングに枢着され、前記接続ロッドの一端は、前記枢動接続ブロックに接続され、前記収音器は、前記接続ロッドの他端に設置され、前記枢動接続ブロックの前記ハウジングから離れた側には、凹み領域が設置され、前記スイッチアセンブリは、前記凹み領域内に設置される。
【0353】
いくつかの実施形態において、前記凹み領域の底部には、ボスが設置され、前記ボスの外周壁と前記凹み領域の側壁との間に環状凹溝が形成され、前記スイッチアセンブリは、スイッチ回路基板、弾性支持部材及びキーを含み、前記スイッチ回路基板は、前記ボスの頂部に設置され、前記弾性支持部材は、環状固定部及び弾性支持部を含み、前記環状固定部は、前記環状凹溝内に固定され、前記弾性支持部は、ドーム状に設置され、前記環状固定部に接続され、前記キーは、前記弾性支持部に設置される。
【0354】
いくつかの実施形態において、前記環状固定部及び弾性支持部は、一体的に設置され、前記イヤホンは、前記環状固定部の周方向に沿って前記環状固定部に裏打ちされ、前記枢動接続ブロックに接続された補強リングをさらに含む。
【0355】
いくつかの実施形態において、前記補強リングは、前記環状固定部の外周に外嵌され、外周壁が前記凹み領域の側壁に固定接続される。
【0356】
いくつかの実施形態において、前記補強リングは、金属部材である。
【0357】
いくつかの実施形態において、前記キーは、キートップ、キーロッド及び環状フランジを含み、前記キーロッド及び前記環状フランジは、前記キートップの同一側に接続され、前記環状フランジは、前記キーロッドを囲み、前記キーロッド及び前記環状フランジは、前記弾性支持部内に嵌め込まれ、前記キーロッドは、前記キーの押圧方向に沿って前記スイッチ回路基板に正投影したときに、前記スイッチ回路基板における突起したスイッチ素子と重なる。
【0358】
いくつかの実施形態において、前記環状フランジの突起した高さは、前記キーロッドの突起した高さと等しい。
【0359】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリを含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの耳部の前側に位置させ、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記第2の接触点と前記第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、20mm~30mmである。
【0360】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記コアモジュールに接続され、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記中間遷移部分は、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0361】
いくつかの実施形態において、前記コアモジュールは、第1の振動伝達シート、振動パネル及び接続部材を含み、前記コアハウジングは、前記ヘッドビームアセンブリに接続され、前記エネルギー変換装置は、前記第1の振動伝達シートを介して前記コアハウジングの収容キャビティ内にサスペンションされ、前記コアハウジングは、内筒壁と、前記内筒壁の両端にそれぞれ接続された第1の端壁と第2の端壁と、を含み、前記第1の端壁と前記第2の端壁は、前記エネルギー変換装置の振動方向において、それぞれ前記エネルギー変換装置の背向する両側に位置し、前記内筒壁とともに前記収容キャビティを囲んで形成され、前記第1の端壁には、取付孔が設置され、前記振動パネルは、前記コアハウジングの外に位置し、かつユーザの皮膚に接触し、前記接続部材は、一端が前記振動パネルに接続され、他端が前記取付孔を介して前記コアハウジング内に挿入され、かつ前記エネルギー変換装置に接続され、前記振動方向から見て、前記振動パネルの面積は、前記取付孔の面積よりも大きく、前記取付孔の面積は、前記接続部材の面積よりも大きい。
【0362】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリを含み、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材、アダプタ部材及び接続線アセンブリを含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、外力により前記弧状ヘッドビーム部材に対して繰り出し繰り込みすることができ、前記接続線アセンブリは、前記弧状ヘッドビーム部材に沿って延伸する導線を含み、前記導線は、位置固定部分と、前記位置固定部分の両端に位置する自然部分とに分けられ、前記位置固定部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に固定され、前記自然部分は、前記導線が前記アダプタ部材の繰り出しに伴って伸長するか又は前記アダプタ部材の繰り込みに伴って復元することを許容するように、前記弧状ヘッドビーム部材に接続される。
【0363】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、前記弧状ヘッドビーム部材に係止された押当部材をさらに含み、前記押当部材は、前記位置固定部分を前記弧状ヘッドビーム部材に押し当てる。
【0364】
いくつかの実施形態において、前記押当部材は、押当部と、前記押当部の両端に位置する係止部と、を含み、各前記係止部は、それぞれ前記押当部に対して折り曲げられ、2つの前記係止部の前記押当部に向かう側は、同方向に延伸し、外力により互いに近接することができ、前記押当部は、前記位置固定部分を押し当て、前記係止部は、前記弧状ヘッドビーム部材と係止される。
【0365】
いくつかの実施形態において、前記弧状ヘッドビーム部材は、内側チャンバ形成体と、前記内側チャンバ形成体に接続された外側蓋体と、を含み、前記内側チャンバ形成体は、ユーザの頭部に接触し、前記導線は、前記内側チャンバ形成体と前記外側蓋体との間に位置し、前記押当部材は、前記外側蓋体に係止される。
【0366】
いくつかの実施形態において、前記弧状ヘッドビーム部材は、内側蓋体をさらに含み、前記内側蓋体と前記内側チャンバ形成体は、前記外側蓋体の同一側に接続され、前記内側蓋体と前記外側蓋体は、前記アダプタ部材を挟持する。
【0367】
いくつかの実施形態において、前記導線は、前記位置固定部分と前記自然部分との間に位置する伸縮部分にさらに分けられ、前記伸縮部分の弾性係数は、前記位置固定部分及び前記自然部分のいずれか一方の弾性係数よりも大きい。
【0368】
いくつかの実施形態において、前記接続線アセンブリは、2つの前記自然部分に接続された補助線をさらに含み、前記補助線の弾性係数は、前記導線が引っ張られた時に弾性復帰力を提供するために、前記伸縮部分の弾性係数よりも大きい。
【0369】
いくつかの実施形態において、前記補助線は、弾性本体と、前記弾性本体の両端に位置するカラーと、を含み、各前記カラーは、それぞれ対応する前記自然部分に外嵌され、前記伸縮部分の復元方向において前記自然部分の位置制限構造により止められる。
【0370】
いくつかの実施形態において、前記位置制限構造は、前記導線の絶縁層に一体的に接続された突起、又は前記自然部分を結んで形成されたこぶである。
【0371】
いくつかの実施形態において、前記弧状ヘッドビーム部材の両端は、それぞれ1つの前記アダプタ部材を介して1つの前記コアモジュールに接続され、前記電池は、2つの前記コアモジュールのうちの一方に接続され、前記マザーボードは、2つの前記コアモジュールのうちの他方に接続され、前記電池及び前記マザーボードは、前記導線を介して電気的に接続される。
【0372】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリを含み、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材、アダプタ部材及びダンパーを含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、内側チャンバ形成体、内側蓋体及び外側蓋体を含み、前記内側チャンバ形成体は、ユーザの頭部に接触し、前記内側蓋体及び前記内側チャンバ形成体は、前記外側蓋体の同一側に接続され、前記内側蓋体及び前記外側蓋体は、前記アダプタ部材を挟持し、前記外側蓋体には、前記アダプタ部材をガイドして前記外側蓋体に対して移動させる第1のガイド溝が設置され、前記ダンパーは、前記アダプタ部材の前記内側蓋体に向かう側に設置され、前記第1のガイド溝から突出し、前記ダンパーは、さらに前記内側蓋体に当接して、前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して繰り出し繰り込みする過程において抵抗力を提供する。
【0373】
いくつかの実施形態において、前記アダプタ部材の前記内側チャンバ形成体に近接する一端には、収容溝が設置され、前記ダンパーは、前記収容溝内に設置され、一部が前記アダプタ部材から突出する。
【0374】
いくつかの実施形態において、前記アダプタ部材の前記内側チャンバ形成体に近接する一端には、スライダが設置され、前記外側蓋体の前記第1のガイド溝における前記内側チャンバ形成体から離れた一端には、前記スライダを止めるストッパが設置され、前記収容溝は、前記スライダに設置される。
【0375】
いくつかの実施形態において、前記内側蓋体には、前記アダプタ部材が前記弧状ヘッドビーム部材に対して繰り出し繰り込みする過程において前記ダンパーをガイドする第2のガイド溝が設置される。
【0376】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記内側チャンバ形成体と前記外側蓋体との間に設置された接続線アセンブリをさらに含み、前記接続線アセンブリは、導線を含み、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記スライダは、前記第1の接続部分に設置され、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分には、それぞれ配線キャビティが設置され、前記中間遷移部分には、スロットが設置され、前記スロットは、前記導線が前記アダプタ部材にさらに穿設されることを許容するように、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分の前記配線キャビティを連通する。
【0377】
いくつかの実施形態において、前記導線は、伸縮部分と、前記伸縮部分の両端に位置する自然部分とに分けられ、前記伸縮部分の弾性係数は、前記自然部分の弾性係数よりも大きく、前記自然部分は、前記導線が前記アダプタ部材の繰り出しに伴って伸長するか又は前記アダプタ部材の繰り込みに伴って復元することを許容するように、前記アダプタ部材に接続される。
【0378】
いくつかの実施形態において、前記接続線アセンブリは、2つの前記自然部分に接続された補助線をさらに含み、前記補助線の弾性係数は、前記導線が引っ張られた時に弾性復帰力を提供するために、前記伸縮部分の弾性係数よりも大きい。
【0379】
いくつかの実施形態において、前記補助線は、弾性本体と、前記弾性本体の両端に位置するカラーと、を含み、各前記カラーは、それぞれ対応する前記自然部分に外嵌され、前記伸縮部分の復元方向において前記自然部分の位置制限構造により止められる。
【0380】
いくつかの実施形態において、前記位置制限構造は、前記導線の絶縁層に一体的に接続された突起、又は前記自然部分を結んで形成されたこぶである。
【0381】
いくつかの実施形態において、前記弧状ヘッドビーム部材の両端は、それぞれ1つの前記アダプタ部材を介して1つの前記コアモジュールに接続され、前記電池は、2つの前記コアモジュールのうちの一方に接続され、前記マザーボードは、2つの前記コアモジュールのうちの他方に接続され、前記電池及び前記マザーボードは、前記導線を介して電気的に接続される。
【0382】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリを含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回する弧状ヘッドビーム部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、内側チャンバ形成体、内側蓋体及び外側蓋体を含み、前記内側チャンバ形成体は、弾性を有し、ユーザの頭部に接触し、前記内側蓋体と前記内側チャンバ形成体は、それぞれ前記外側蓋体の同一側に接続され、前記内側チャンバ形成体の端部は、前記内側蓋体と前記外側蓋体との間に挿入され、前記ヘッドビームアセンブリの両端が互いに離れた方向に沿って徐々に引き離される過程において、前記内側チャンバ形成体は、前記内側蓋体と前記外側蓋体との間から部分的に退出することができる。
【0383】
いくつかの実施形態において、前記内側蓋体及び前記外側蓋体は、一体的に成形された構造部材である。
【0384】
いくつかの実施形態において、前記内側チャンバ形成体の端部には、貫通孔が設置され、前記内側蓋体の前記外側蓋体に向かう側には、前記貫通孔に挿入されたポストが設置され、前記ポストの径方向寸法は、前記貫通孔の径方向寸法よりも小さく、それにより前記ヘッドビームアセンブリの両端が互いに離れた方向に沿って徐々に引き離される過程において、前記内側チャンバ形成体は、前記内側蓋体と前記外側蓋体との間から部分的に退出し、前記ポストにより止められる。
【0385】
いくつかの実施形態において、前記貫通孔は、長さ方向が前記弧状ヘッドビーム部材の延伸方向に沿って設置された長円状の孔である。
【0386】
いくつかの実施形態において、前記貫通孔及び前記ポストの数は、いずれも2つであり、2つの前記貫通孔は、前記ヘッドビームアセンブリの延伸方向に垂直な方向に間隔をあけて設置され、2つの前記ポストは、それぞれ1つの前記貫通孔内に挿入される。
【0387】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、アダプタ部材をさらに含み、前記内側蓋体及び前記外側蓋体は、前記アダプタ部材を挟持し、前記アダプタ部材は、外力により前記弧状ヘッドビーム部材に対して繰り出し繰り込みすることができる。
【0388】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記内側チャンバ形成体と前記外側蓋体との間に設置された接続線アセンブリをさらに含み、前記接続線アセンブリは、導線を含み、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分には、それぞれ配線キャビティが設置され、前記中間遷移部分には、スロットが設置され、前記スロットは、前記導線が前記アダプタ部材にさらに穿設されることを許容するように、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分の前記配線キャビティを連通する。
【0389】
いくつかの実施形態において、前記導線は、伸縮部分と、前記伸縮部分の両端に位置する自然部分とに分けられ、前記伸縮部分の弾性係数は、前記自然部分の弾性係数よりも大きく、前記自然部分は、前記導線が前記アダプタ部材の繰り出しに伴って伸長するか又は前記アダプタ部材の繰り込みに伴って復元することを許容するように、前記アダプタ部材に接続される。
【0390】
いくつかの実施形態において、前記接続線アセンブリは、2つの前記自然部分に接続された補助線をさらに含み、前記補助線の弾性係数は、前記導線が引っ張られた時に弾性復帰力を提供するために、前記伸縮部分の弾性係数よりも大きい。
【0391】
いくつかの実施形態において、前記補助線は、弾性本体と、前記弾性本体の両端に位置するカラーと、を含み、各前記カラーは、それぞれ対応する前記自然部分に外嵌され、前記伸縮部分の復元方向において前記自然部分の位置制限構造により止められ、前記位置制限構造は、前記導線の絶縁層に一体的に接続された突起であり、又は前記位置制限構造は、前記自然部分を結んで形成されたこぶである。
【0392】
いくつかの実施形態において、前記弧状ヘッドビーム部材の両端は、それぞれ1つの前記アダプタ部材を介して1つの前記コアモジュールに接続され、前記電池は、2つの前記コアモジュールのうちの一方に接続され、前記マザーボードは、2つの前記コアモジュールのうちの他方に接続され、前記電池及び前記マザーボードは、前記導線を介して電気的に接続される。
【0393】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリを含み、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回する弧状ヘッドビーム部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、中間部分と、前記中間部分の両端にそれぞれ接続された最終部分とに分けられ、前記最終部分の弧長は、前記中間部分の弧長よりも小さく、前記ヘッドビームアセンブリの両端が互いに離れた方向に沿って徐々に引き離される過程において、2つの前記最終部分は、前記中間部分に対して互いに離れた方向に沿って偏向する。
【0394】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ハウジングと、収音アセンブリと、ダンパーと、を含み、前記収音アセンブリは、枢動接続ブロックと、接続ロッドと、収音器と、を含み、前記枢動接続ブロック及び前記ハウジングのうちの一方は、ピボット孔を形成し、他方は、前記ピボット孔に挿入されるピボットを形成し、前記接続ロッドの一端は、前記枢動接続ブロックに接続され、前記収音器は、前記接続ロッドの他端に設置され、前記ダンパーは、前記枢動接続ブロックと前記ハウジングとが前記ピボット孔の軸方向に重なる領域内に位置し、前記ダンパーは、前記収音アセンブリが前記ハウジングに対して回転する過程において抵抗力を提供するように、前記枢動接続ブロック及び前記ハウジングのうちの一方に接続され、前記枢動接続ブロック及び前記ハウジングのうちの他方に当接する。
【0395】
いくつかの実施形態において、前記ダンパーは、前記ハウジングの収容溝内に設置され、前記収容溝から突出する。
【0396】
いくつかの実施形態において、前記ダンパーは、前記ピボット孔の軸方向から見て、弧状であり、前記ピボット孔と同心に設置される。
【0397】
いくつかの実施形態において、前記ダンパーの数は、複数であり、複数の前記ダンパーは、前記ピボット孔を中心として間隔をあけて設置される。
【0398】
いくつかの実施形態において、前記枢動接続ブロックの前記ハウジングに向かう側は、前記ピボットを形成し、前記枢動接続ブロックの前記ハウジングから離れた側には、凹み領域が設置され、前記イヤホンは、前記凹み領域内に設置されたスイッチアセンブリをさらに含む。
【0399】
いくつかの実施形態において、前記凹み領域の底部には、ボスが設置され、前記ボスの外周壁と前記凹み領域の側壁との間に環状凹溝が形成され、前記スイッチアセンブリは、スイッチ回路基板、弾性支持部材及びキーを含み、前記スイッチ回路基板は、前記ボスの頂部に設置され、前記弾性支持部材は、環状固定部及び弾性支持部を含み、前記環状固定部は、前記環状凹溝内に固定され、前記弾性支持部は、ドーム状に設置され、前記環状固定部に接続され、前記キーは、前記弾性支持部に設置される。
【0400】
いくつかの実施形態において、前記環状固定部及び弾性支持部は、一体的に設置され、前記イヤホンは、前記環状固定部の周方向に沿って前記環状固定部に裏打ちされ、前記枢動接続ブロックに接続された補強リングをさらに含む。
【0401】
いくつかの実施形態において、前記補強リングは、前記環状固定部の外周に外嵌され、外周壁が前記凹み領域の側壁に固定接続される。
【0402】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリをさらに含み、前記コアモジュールは、前記ハウジングを介して前記ヘッドビームアセンブリに接続され、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの耳部の前側に位置させ、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記第2の接触点と前記第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、20mm~30mmである。
【0403】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記コアモジュールに接続され、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記中間遷移部分は、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0404】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ハウジングと、収音アセンブリと、導線と、仕切板と、を含み、前記収音アセンブリは、枢動接続ブロック、接続ロッド及び収音器を含み、前記枢動接続ブロックは、前記ハウジングのピボット孔内に挿入され、前記収音アセンブリが前記ハウジングに対して回転することを許容し、前記接続ロッドの一端は、前記枢動接続ブロックに接続され、前記収音器は、前記接続ロッドの他端に設置され、前記導線は、前記枢動接続ブロックと前記接続ロッドの内部を通って延伸して前記収音器に電気的に接続され、前記仕切板は、前記ハウジング内に固定され、前記枢動接続ブロックと前記導線とを仕切る。
【0405】
いくつかの実施形態において、前記仕切板は、前記ピボット孔の周方向において前記枢動接続ブロックの一部を覆い、前記ピボット孔内に部分的に挿入される。
【0406】
いくつかの実施形態において、前記枢動接続ブロックは、前記収音アセンブリが前記ハウジングに対してある角度を回転した後に前記仕切板によって止められるように構成される。
【0407】
いくつかの実施形態において、前記枢動接続ブロックは、ピボットと、前記ピボットの両端にそれぞれ接続された返し部及び操作部と、を含み、前記ピボットは、前記ピボット孔内に位置し、前記返し部及び前記操作部は、前記ピボット孔の軸方向において前記枢動接続ブロック及び前記ハウジングを係止するように、前記ハウジングの背向する両側に位置し、前記接続ロッドは、前記操作部に接続され、前記仕切板は、前記ハウジングに接続された固定部と、前記固定部に接続された弧状延伸部と、を含み、前記固定部は、前記返し部の一部を覆い、前記ピボット孔の軸方向において前記返し部と間隔をあけて設置され、前記弧状延伸部は、前記ピボットに挿入され、前記ピボット孔の径方向において前記ピボットと間隔をあけて設置され、前記導線は、前記ピボット孔を貫通する時に前記弧状延伸部及び前記固定部に掛けられ、前記返し部は、前記収音アセンブリが前記ハウジングに対してある角度を回転した後に前記固定部によって止められる。
【0408】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、前記ハウジング内に固定された回路基板をさらに含み、前記ハウジングには、ホットメルト柱が設置され、前記固定部及び前記回路基板は、前記ホットメルト柱に外嵌され、前記収音器は、前記導線を介して前記回路基板に電気的に接続される。
【0409】
いくつかの実施形態において、前記枢動接続ブロックの前記ハウジングから離れた側に凹み領域が設置され、前記イヤホンは、前記凹み領域内に設置されるスイッチアセンブリをさらに含む。
【0410】
いくつかの実施形態において、前記凹み領域の底部には、ボスが設置され、前記ボスの外周壁と前記凹み領域の側壁との間に環状凹溝が形成され、前記スイッチアセンブリは、スイッチ回路基板、弾性支持部材及びキーを含み、前記スイッチ回路基板は、前記ボスの頂部に設置され、前記弾性支持部材は、環状固定部及び弾性支持部を含み、前記環状固定部は、前記環状凹溝内に固定され、前記弾性支持部は、ドーム状に設置され、前記環状固定部に接続され、前記キーは、前記弾性支持部に設置される。
【0411】
いくつかの実施形態において、前記環状固定部及び弾性支持部は、一体的に設置され、前記イヤホンは、前記環状固定部の周方向に沿って前記環状固定部に裏打ちされ、前記枢動接続ブロックに接続された補強リングをさらに含む。
【0412】
いくつかの実施形態において、前記イヤホンは、ヘッドビームアセンブリをさらに含み、前記コアモジュールは、前記ハウジングを介して前記ヘッドビームアセンブリに接続され、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂を迂回し、前記コアモジュールをユーザの耳部の前側に位置させ、装着状態において、前記ヘッドビームアセンブリは、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、前記コアモジュールは、ユーザの頬と第2の接触点を形成し、前記第2の接触点と前記第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、20mm~30mmである。
【0413】
いくつかの実施形態において、前記ヘッドビームアセンブリは、弧状ヘッドビーム部材及びアダプタ部材を含み、前記弧状ヘッドビーム部材は、ユーザの頭頂を迂回し、前記アダプタ部材は、第1の接続部分、中間遷移部分及び第2の接続部分を含み、前記中間遷移部分は、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分を接続し、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分は、それぞれ前記中間遷移部分に対して折り曲げられて逆方向に延伸し、前記第1の接続部分は、前記弧状ヘッドビーム部材に接続され、前記第2の接続部分は、前記コアモジュールに接続され、人体の冠状軸が位置する方向から見て、前記中間遷移部分は、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【図面の簡単な説明】
【0414】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0415】
【
図1】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図2】本願に係るイヤホンにおける接続部材と振動パネルとの相対位置関係の一実施例の概略構成図である。
【
図3】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図4】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図5】本願に係る振動パネルの一実施例の概略構成図である。
【
図6】本願に係る振動パネルの一実施例の概略構成図である。
【
図7】本願に係る振動パネルの一実施例の概略構成図である。
【
図8】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図9】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図10】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図11】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図12】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図13】本願に係るイヤホンが装着状態にある一実施例の概略構成図である。
【
図14】本願に係るイヤホンが装着状態にある一実施例の概略構成図である。
【
図15】本願に係るイヤホンが装着状態にある一実施例の概略構成図である。
【
図16】本願に係るイヤホンが装着状態にある一実施例の概略構成図である。
【
図17】本願に係るイヤホンが装着状態にある一実施例の概略構成図である。
【
図18】本願に係る片持ちビームの曲げ変形の力学モデルの概略図である。
【
図19】本願に係るヘッドビームアセンブリの一実施例の力学モデルの概略図である。
【
図22】
図20におけるアダプタ部材のE1領域の部分拡大図である。
【
図25】本願に係るイヤホンが装着状態にある一実施例の概略構成図である。
【
図26】本願に係るイヤホンが装着状態にある一実施例の概略構成図である。
【
図30】本願に係るイヤホンの一実施例の断面図である。
【
図31】本願に係るイヤホンの一実施例の断面図である。
【
図34】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図35】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図36】本願に係るイヤホンの一実施例の等価モデルの概略図である。
【
図37】本願に係るイヤホンが非装着状態にある場合、振動パネルの振動の周波数応答曲線である。
【
図38】本願に係るイヤホンが非装着状態にあり、その第1の振動伝達シートが異なる剛性を有する場合、振動パネルの振動の周波数応答曲線である。
【
図39】本願に係るイヤホンが非装着状態にあり、その第2の振動伝達シートが異なる剛性を有する場合、振動パネルの振動の周波数応答曲線である。
【
図40】本願に係るイヤホンが非装着状態にあり、そのコアハウジングが異なる質量を有する場合、振動パネルの振動の周波数応答曲線である。
【
図41】本願に係るイヤホンが非装着状態にあり、その第1の振動伝達シート及び第2の振動伝達シートが異なる剛性を有する場合、振動パネルの振動の周波数応答曲線である。
【
図42】本願に係る2つのイヤホンが非装着状態にある一実施例の音漏れの周波数応答曲線である。
【
図43】本願に係るイヤホンの一実施例のユーザの皮膚に向かう側の概略構成図である。
【
図44】本願に係るイヤホンの一実施例のユーザの皮膚に向かう側の概略構成図である。
【
図45】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図46】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図48】
図12のイヤホンの一実施例のユーザの頭部に向かう側の概略構成図である。
【
図49】本願に係るイヤホンの異なる装着方式での力学モデルの概略図である。
【
図50】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図51】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図52】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
【
図53】本願に係る弧状ヘッドビーム部材の一実施例の分解図である。
【
図54】
図53の弧状ヘッドビーム部材の一実施例の断面図である。
【
図55】本願に係るヘッドビームアセンブリの一実施例の部分分解図である。
【
図56】本願に係るヘッドビームアセンブリの一実施例の異なる状態における局所構造の概略図である。
【
図57】本願に係る接続線アセンブリの一実施例の分解図である。
【
図58】本願に係るイヤホンの一実施例の分解図である。
【
図59】
図58のイヤホンの別の視点からの概略構成図である。
【
図60】本願に係るイヤホンの一実施例の断面図である。
【
図61】本願に係る2つのイヤホンが非装着状態にある一実施例の音漏れの周波数応答曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0416】
以下、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例は、本願を説明するためのものに過ぎず、本願の範囲を限定するものではない。同様に、以下の実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例においてなく、当業者が創造的な労力をしない前提で得る全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0417】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。当業者であれば、本願で説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0418】
本願において、イヤホン10は、少なくとも骨伝導音を発生させ、装着状態においてユーザの皮膚(例えば、頬)に接触して、ユーザの耳部の外耳道の「オープン」を許容するコアモジュール11を含んでもよい。換言すれば、後に例示的に説明するが、ユーザの耳部の外耳道がイヤホン10によって塞がれたり遮蔽されたりすることなくオープンされている場合、イヤホン10は、空気伝導音を発生させてもよい。この場合、イヤホン10が発生する音は、骨伝導音を主とし、空気伝導音を補助とすることができ、すなわち、空気伝導音は、骨伝導音を増強し、さらにイヤホン10の音質を改善する。
【0419】
なお、本願に記載の骨伝導音とは、コアモジュール11で発生した機械的振動が主にユーザの頭骨などの媒体を介して伝播されることであり、本願に記載の空気伝導音は、コアモジュール11で発生した機械的振動が主に空気などの媒体を介して伝播されることである。さらに、本願に記載のコアモジュール11は、2つ設置することができ、イヤホン10がステレオ効果を実現するように、2つのコアモジュール11は、いずれも電気信号を機械的振動に変換することができる。したがって、ステレオに対する要求が特に高くない他の応用シーン、例えば、聴覚障害患者の補聴、生放送中の司会者へのセリフ提示などのシーンでは、イヤホン10には、1つのコアモジュール11のみが設置されてもよく、取り消されたコアモジュール11は、イヤホン10の装着を補助する構造部材によって置き換えられてもよい。
【0420】
図1に示すように、コアモジュール11は、コアハウジング111と、コアハウジング111の収容キャビティ100内に設置されたエネルギー変換装置112と、を含んでもよく、エネルギー変換装置112は、電気信号を機械的振動に変換する。この場合、コアモジュール11は、主に骨伝導によりエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を伝達し、さらに骨伝導音を形成することができる。
【0421】
いくつかの実施例において、装着状態において、コアモジュール11は、コアハウジング111を介してユーザの皮膚に直接的に接触してもよく、すなわち、コアモジュール11は、コアハウジング111を介してエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を直接的に伝達する。このように、イヤホン10は、後述する第1の振動伝達シート113、振動パネル114などの構造部材を含まなくてもよい。同時に、コアハウジング111もイヤホン10の外部の空気を振動させ、さらに音漏れを発生させる。この場合、イヤホン10の音漏れを低減するために、コアハウジング111には、収容キャビティ100とイヤホン10の外部とを連通する貫通孔(「音漏れ低減孔」として定義されてもよい)が開けられてもよく、これにより、音漏れ低減孔を介してイヤホン10の外部に出力された音波と、コアハウジング111がエネルギー変換装置112の振動に伴って発生した音漏れとが、遠方界において逆位相で相殺されることを許容する(「孔開けによる音漏れ低減」と通称される)。
【0422】
他のいくつかの実施例において、コアモジュール11は、第1の振動伝達シート113及び振動パネル114をさらに含んでもよい。エネルギー変換装置112は、第1の振動伝達シート113を介して収容キャビティ100内にサスペンションされてもよく、振動パネル114は、少なくとも一部がコアハウジング11の収容キャビティ外に位置し、エネルギー変換装置112に接続され、エネルギー変換装置112で発生した機械的振動をユーザに伝達してもよい。それに応じて、コアハウジング111の振動パネル114に近接する一端は、開口構造である。この場合、装着状態において、コアモジュール11は、振動パネル114を介してユーザの皮膚に接触することができ、すなわち、コアモジュール11は、振動パネル114を介してエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を伝達する。それと同時に、第1の振動伝達シート113の存在により、エネルギー変換装置112で発生した機械的振動が少なくてもよく、コアハウジング111に伝達されなくてもよく、コアハウジング111がイヤホン10の外部の空気を振動させることをできるだけ回避し、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。当然のことながら、孔開けによる音漏れ低減により、イヤホン10の音漏れをさらに低減してもよい。
【0423】
他のいくつかの実施例において、例えば、
図1に示すように、コアモジュール11は、同様に振動パネル114を介してエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を伝達し、異なるのは、コアハウジング111の振動パネル114に近接する一端が開口構造ではなく、すなわち、後述する取付孔1111以外の他の部分が密閉構造であってもよい。この場合、コアハウジング111自体は、音響双極子に基づいてイヤホン10の音漏れを低減することができ、コアハウジング111に音漏れ低減孔を別途開ける必要が少なくなり、場合によっては必要がない。
図42に示すように、
図42において、周波数応答曲線42_1と周波数応答曲線42_2は、それぞれコアハウジング111の振動パネル114に近接する一端が開口構造である場合のイヤホン10の音漏れと、コアハウジング111の振動パネル114に近接する一端が密閉構造である場合のイヤホン10の音漏れとを表す。明らかに、コアハウジング111の振動パネル114に近接する一端が開口構造である場合に比べて、コアハウジング111の振動パネル114に近接する一端が密閉構造である場合、イヤホン10の音漏れが顕著に低減される。
【0424】
例示的には、コアモジュール11は、振動パネル114及びエネルギー変換装置112を接続する接続部材115をさらに含んでもよく、コアハウジング111には、接続部材115を取り付けるための取付孔1111が設置される。この場合、振動パネル114は、ユーザの皮膚に接触するように、コアハウジング111外に位置し、接続部材115は、一端が振動パネル114に接続され、他端が取付孔1111を介してコアハウジング111内に挿入され、かつエネルギー変換装置112に接続される。このように、エネルギー変換装置112で発生した機械的振動の一部は、第1の振動伝達シート113を介してコアハウジング111に伝達されても、第1の端壁1113と第2の端壁1114は、エネルギー変換装置112の振動に伴ってそれぞれ発生した音漏れの位相が逆であり、両者は、遠方界において逆位相で相殺され、さらにイヤホン10の音漏れを低減することができる。これに基づいて、コアハウジング111には、音漏れ低減孔が少なく開けられ、ひいては開けられなくてもよく、さらにイヤホン10の防水・防塵性能を改善する。好ましくは、エネルギー変換装置112の振動方向から見て、振動パネル114の面積は、取付孔1111の面積よりも大きく、取付孔1111の面積は、接続部材115の面積よりも大きい。このように、エネルギー変換装置112で発生した機械的振動が接続部材115を介してコアハウジング111に伝達されることを回避し、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。この場合、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップは、収容キャビティ100と協働してヘルムホルツ共振キャビティを形成し、該ヘルムホルツ共振キャビティの共振周波数は、4kHz以下、好ましくは、2kHz以下、より好ましくは、1kHz以下であってもよい。
【0425】
例示的には、コアハウジング111は、内筒壁1112と、内筒壁1112の両端にそれぞれ接続された第1の端壁1113と第2の端壁1114と、を含んでもよく、内筒壁1112は、エネルギー変換装置112の外周に位置し、第1の端壁1113と第2の端壁1114は、エネルギー変換装置112の振動方向においてエネルギー変換装置112の背向する両側にそれぞれ位置し、内筒壁1112とともに収容キャビティ100を囲んで形成する。エネルギー変換装置112の振動方向から見て、内筒壁1112の横断面は、円形、楕円形、レーストラック形、多角形などの形状のうちのいずれか1種であり、当然のことながら、全体又は部分的に不規則的であってもよい。さらに、装着状態において、第1の端壁1113は、第2の端壁1114よりもユーザの皮膚に近接する。この場合、第1の端壁1113に取付孔1111が設置される。当然のことながら、音漏れ低減のニーズが厳しくない又は孔開けにより音漏れを低減するなどの他のいくつかの実施例において、コアハウジング111は、第1の端壁1113及び/又は第2の端壁1114を含まなくてもよく、エネルギー変換装置112の振動パネル114から離れた側は、他の構造部材(例えば、後述するアダプタハウジング13)によって保護されてもよい。コアモジュール11には振動パネル114が設置されていないなどの他のいくつかの実施例において、コアハウジング111は、第1の端壁1113を介してユーザの皮膚に直接的に接触してもよい。
【0426】
本願の発明者らは、長期にわたる研究開発過程において、以下を発見した。
図61に示すように、
図61において周波数応答曲線61_1と周波数応答曲線61_2は、それぞれ、コアハウジング111が大きい容積を有する場合と、コアハウジング111が小さい容積を有する場合とのイヤホン10の音漏れを表す。明らかに、コアハウジング111が大きい容積を有する場合に比べて、コアハウジング111が小さい容積を有する場合、イヤホン10の音漏れが顕著に低減される。例えば、1kHz~2kHzの周波数範囲内の音漏れが顕著に小さくなり、3kHz~4kHzの周波数範囲内の音漏れが顕著に小さくなり、これらは、いずれも人間の耳に敏感な周波数範囲である。1kHz~2kHzの周波数範囲内の音漏れは、多くの人声成分を含み、ユーザの主観的知覚に大きな影響を与えるため、当該周波数範囲内の音漏れを低いレベルに維持することにより、イヤホン10に市場競争力をより持たせることができる。これに基づいて、コアハウジング111がエネルギー変換装置112を収容する条件を満たす場合、コアハウジング111の容積は、イヤホン10の音漏れを低減するように、3cm
3以下であってもよい。コアハウジング111の容積は、その中に注水することによって測定することができる。さらに、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向における内筒壁1112の径方向寸法を調整したり、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向における内筒壁1112とエネルギー変換装置112との径方向ギャップを調整したりすることにより、コアハウジング111の容積を変化することができ、例えば、エネルギー変換装置112が振動過程においてコアハウジング111と衝突しない条件を満たす場合、前述の径方向寸法又は前述の径方向ギャップをできるだけ小さくし、それによりイヤホン10の音漏れを低減することができ、これに加えて、イヤホン10の耐衝撃性を向上させることができ、これは、小さい前述の径方向寸法又は前述の径方向ギャップにより、エネルギー変換装置112が落下などの衝撃の状況において、小さい移動ストロークを有し、第1の振動伝達シート113及び第2の振動伝達シート1122などの構造部材の変形がより小さく、塑性変形又は破断がより発生しにくく、信頼性がより高いからである。
【0427】
なお、エネルギー変換装置112は、第1の振動伝達シート113を介して収容キャビティ100内にサスペンションされ、例えば、エネルギー変換装置112は、第1の振動伝達シート113の中心領域に接続され、第1の振動伝達シート113の周辺領域は、コアハウジング111に接続されるが、第1の振動伝達シート113の相対位置は、実際のニーズに応じて合理的に調整することができる。例えば、第1の振動伝達シート113は、収容キャビティ100内に位置し、具体的には、第1の振動伝達シート113は、第1の端壁1113の第2の端壁1114に近接する側に位置する。換言すれば、エネルギー変換装置112の振動方向から見て、取付孔1111の面積は、第1の振動伝達シート113の面積よりも小さくてもよく、ここでは、第1の振動伝達シート113の面積は、第1の振動伝達シート113のエネルギー変換装置112の振動方向に沿った正投影の最大外周境界によって囲まれた領域の面積として定義されてもよい。また例えば、第1の振動伝達シート113は、取付孔1111内に位置し、又は、第1の振動伝達シート113は、一部が収容キャビティ100内に位置し、他の一部が取付孔1111内に位置し、又は、第1の振動伝達シート113は、一部が収容キャビティ100内に位置し、一部が取付孔1111内に位置し、他の一部がコアハウジング111の外部に位置する。
図1に示すように、本願は、第1の振動伝達シート113が収容キャビティ100内に位置することを例として例示的に説明することにより、コアハウジング111自体が音響双極子に基づいてイヤホン10の音漏れを低減することができる。なお、第1の振動伝達シート113が取付孔1111に位置することに比べて、第1の振動伝達シート113が収容キャビティ100内に位置すると、イヤホン10は、より良い音漏れ低減効果を達成することができる。これは、主に、第1の振動伝達シート113のエネルギー変換装置112の振動方向に沿った面積が、接続部材115のエネルギー変換装置112の振動方向に沿った面積よりも大きく、第1の振動伝達シート113が取付孔1111内に位置すると、第1の端壁1113のエネルギー変換装置112の振動方向に沿った面積が大幅に小さくなり、このように、第1の端壁1113と第2の端壁1114の剛性差が大きくなりやすく、両者が音響双極子を形成することに不利であるからである。
【0428】
いくつかの実施例において、収容キャビティ100は、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップである第1の通路のみを介してイヤホン10の外部と連通してもよい。換言すれば、コアハウジング111には、音漏れ低減孔が開けられていない。この場合、イヤホン10は、第1の端壁1113及び第2の端壁1114が発生した音漏れが遠方界において逆位相で相殺されることにより音漏れを低減する。なお、
図8に示すように、コアモジュール11にはヘルムホルツ共振キャビティ200が設置される場合、コアハウジング111には、収容キャビティ100とヘルムホルツ共振キャビティ200とを連通する貫通孔が形成されてもよく、該貫通孔は、内筒壁1112及び/又は第2の端壁1114に形成されてもよい。この場合、ヘルムホルツ共振キャビティ200は、前述の貫通孔のみを介して収容キャビティ100と連通し、他の通路を介してイヤホン10の外部と連通しないため、収容キャビティ100が第1の通路のみを介してイヤホン10の外部と連通すると見なすことができる。
【0429】
コアモジュール11には音響フィルタ300が設置されるなどの他のいくつかの実施例において、
図9に示すように、収容キャビティ100は、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップである第1の通路、及び音響フィルタ300を介してイヤホン10の外部と連通する第2の通路のみを介して、イヤホン10の外部と連通する。この場合、取付孔1111に加えて、コアハウジング111には、収容キャビティ100と音響フィルタ300とを連通する貫通孔が設置されているが、該貫通孔は、音漏れ低減孔とは異なる役割を果たし、両者を混同すべきではない。
【0430】
他のいくつかの実施例において、収容キャビティ100は、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップである第1の通路、及び開口面積と前述の第1の通路の開口面積との比が10%以下である第2の通路のみを介して、イヤホン10の外部と連通してもよい。前述の第2の通路は、音響双極子で音漏れを低減することに加えて、イヤホン10の音漏れをさらに調整するか又は最適化するように、音漏れ低減孔として使用されてもよい。この場合、コアハウジング111自体が音響双極子に基づいてイヤホン10の音漏れを低減し、イヤホン10の音漏れをユーザが受けやすいレベルにすることができるため、前述の第2の通路の開口面積も、関連技術における孔開けによる音漏れ低減のみによって形成された音漏れ低減孔の開口面積よりも大幅に小さく、イヤホン10の防水・防塵ニーズを満たすことに有利である。当然のことながら、前述の第2の通路は、音漏れ低減孔などの音響孔として用いられなく、外観孔として用いられてもよく、例えば、イヤホン10が2つのコアモジュール11を含む実施例において、一方のコアモジュール11内には、マイクが設置され、そのコアハウジング111には、マイク孔が設置され、他方のコアモジュール11内には、マイクが設置されていないが、そのコアハウジング111には、前述のマイク孔に対応する外観孔が設置され、又は、前述の第2の通路は、単にコアハウジング111に形成された他に用途のない貫通孔であってもよい。
【0431】
なお、コアモジュール11がコアハウジング111を介してユーザの皮膚に直接的に接触することに比べて、コアモジュール11が振動パネル114を介してユーザの皮膚に接触することで、より良好な密着性を得ることができる。これは、第1の振動伝達シート113が一定の弾性を有し、エネルギー変換装置112、振動パネル114などが第1の振動伝達シート113を介して収容キャビティ100内にサスペンションされ、装着状態において、第1の振動伝達シート113は、振動パネル114がユーザの皮膚に接触するときに皮膚の輪郭に応じてコアハウジング111に対して一定の角度の偏向を発生させることを許容し、それにより振動パネル114がユーザの皮膚により緊密に密着することができ、このように、振動パネル114がエネルギー変換装置112の機械的振動をユーザの頭骨などの媒体に伝達する損失を低減し、さらに骨伝導音を増強することに有利である。さらに、振動パネル114がエネルギー変換装置112に伴って振動する過程においても、イヤホン10の外部の空気を振動させ、その背向する両側の位相が逆であり、両者は、同様に遠方界において逆位相で相殺され、さらにイヤホン10の音漏れを低減することができる。
【0432】
一般に、構造体の共振周波数fと、構造体の剛性K及び構造体の質量mとは、f∝(K/m)の関係を満たす。剛性は、弾性係数、ばね定数などと呼ばれてもよい。明らかに、同じ質量で、構造体の剛性が大きいほど、その共振周波数も高くなる。これに加えて、構造体の剛性が大きいほど、構造体が振動する時の高次モードも少なくなり、音質の改善に有利である。構造体の剛性Kは、その材料(具体的には、ヤング率E)、具体的な構造形態などの要素に関連する。一般に、構造体の剛性Kと、材料のヤング率E、構造体の厚さt、構造体の面積Sとは、K∝(E・t)/Sの関係式を満たす。明らかに、構造体の面積Sが小さいほど、構造体の剛性Kが大きくなり、構造体の厚さtが大きいほど、構造体の剛性Kが大きくなる。従って、材料のヤング率Eの増加、構造体の厚さtの増加、構造体の面積Sの減少などの方式のうちの1種又はその組み合わせは、いずれも構造体の剛性Kの増加に有利であり、さらに構造体の共振周波数の増加、構造体の振動時の高次モードの減少に有利である。これに基づいて、第1の端壁1113と第2の端壁1114のヤング率は、それぞれ2000Mpa以上、好ましくは、3000Mpa以上であってもよく、及び/又は、第1の端壁1113と第2の端壁1114の厚さは、それぞれ0.3mm~3mmであり、好ましくは、0.5mm~2.5mmであってもよく、及び/又は、第1の端壁1113と第2の端壁1114の面積は、両者の剛性を十分に大きくするように、それぞれ200mm2~500mm2であり、好ましくは、300mm2~400mm2であってもよい。このように、第1の端壁1113及び第2の端壁1114が振動する時の高次モードは、できるだけ少なくすることができ、両者によってそれぞれ発生した音漏れの共振周波数は、できるだけ高い周波数帯域、例えば、4kHz以上にオフセットすることもでき、それによりユーザは、音漏れに敏感ではない。さらに、第1の端壁1113の剛性と第2の端壁1114の剛性との差が小さくてもよく、それにより第1の端壁1113と第2の端壁1114にそれぞれ発生した音漏れの共振周波数をできるだけ近くすることができ、さらに両者が遠方界において逆位相でよりよく相殺され、イヤホン10の音漏れを低減する。同様に、振動パネル114のヤング率は、3000Mpa以上、好ましくは、4000Mpa以上であってもよく、及び/又は、振動パネル114の厚さは、0.3mm~3mmであり、好ましくは、0.5mm~2.5mmであってもよく、及び/又は、振動パネル114の面積は、振動パネル114の剛性を十分に大きくし、さらに振動パネル114が振動する時の高次モードをできるだけ少なくするように、130mm2~400mm2であり、好ましくは、140mm2~300mm2であってもよい。
【0433】
例示的には、エネルギー変換装置112の振動方向から見て、取付孔1111の面積と第1の端壁1113の面積との比は、0.6以下であり、好ましくは、0.5以下であってもよい。このように、取付孔1111が接続部材115の取付ニーズを満たす場合、第1の端壁1113の剛性と第2の端壁1114の剛性とができるだけ近くなり、それにより第1の端壁1113と第2の端壁1114によってそれぞれ発生した音漏れの共振周波数ができるだけ近くなる。さらに、エネルギー変換装置112の振動方向から見て、取付孔1111の面積と接続部材115の面積との差と、取付孔1111の面積との比は、0よりも大きく、かつ0.5以下であり、好ましくは、0よりも大きく、かつ0.4以下であってもよい。このように、接続部材115及び振動パネル114がコアハウジング111に対して移動することを取付孔1111が許容する場合、接続部材115と第1の端壁1113との間のギャップができるだけ小さくなり、収容キャビティ100内の空気がエネルギー変換装置112の振動に伴って発生した音波が取付孔1111を介してイヤホン10の外部に過剰に伝達されて音漏れを発生させることを回避し、すなわち、キャビティ音効果を抑制し、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。当然のことながら、取付孔1111を介してイヤホン10の外部に伝達された音波の位相は、第1の端壁1113と第2の端壁1114によってそれぞれ発生した音漏れのうちの1つの位相と逆であってもよいため、取付孔1111を介してイヤホン10の外部に伝達された音波は、第1の端壁1113と第2の端壁1114によってそれぞれ発生した音漏れの遠方界における逆位相による相殺をさらに調整し、さらにイヤホン10の音漏れを低減することができる。
【0434】
例示的には、取付孔1111の開口形状と接続部材115の横断面形状は、同じ規則的な形状であってもよい。例えば、取付孔1111の開口形状と接続部材115の横断面形状は、対応する正多角形などの多角形であり、すなわち、接続部材115の横断面形状が正方形、正六角形などである場合、取付孔1111の開口形状も正方形、正六角形などである。また例えば、取付孔1111の開口形状と接続部材115の横断面形状は、対応する円形、楕円形などである。さらに、接続部材115と第1の端壁1113(具体的には、取付孔1111の壁面)との間のギャップは、接続部材115及び振動パネル114がコアハウジング111に対して移動することを取付孔1111が許容する場合、接続部材115と第1の端壁1113との間のギャップができるだけ小さくなるように、0よりも大きく、かつ2mm以下、好ましくは、0よりも大きく、かつ1mm以下、より好ましくは、0.1mm以上、かつ1mm以下であってもよい。取付孔1111と接続部材115の数がそれぞれ複数であり、かつ一対一に対応する場合、例えば、
図2の(b)及び(c)に示すように、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップは、複数の接続部材115がそれぞれ対応する1つの取付孔1111の壁面と形成するギャップの和として定義されてもよい。当然のことながら、他のいくつかの実施例において、取付孔1111の開口形状と接続部材115の横断面形状は、異なる規則的な形状であってもよい。例えば、接続部材115の横断面形状が正方形、正六角形などの正多角形である場合、取付孔1111の開口形状は、円形であってもよく、逆に、接続部材115の横断面形状が円形である場合、取付孔1111の開口形状は、正方形、正六角形などの正多角形であってもよい。他のいくつかの実施例において、取付孔1111の開口形状と接続部材115の横断面形状は、他の不規則的な構造形状であってもよい。
図2に示すように、本願は、接続部材115の横断面形状が円形であることを例として例示的に説明し、それに応じて、取付孔1111の開口形状も円形である。
【0435】
いくつかの実施例において、例えば、
図2の(a)において、接続部材115の数は、1つであってもよく、接続部材115は、振動パネル114の中心領域に接続されてもよい。この場合、取付孔1111の数は、1つであってもよく、接続部材115は、取付孔1111内に穿設される。このように、同じ条件下で、取付孔1111とコアハウジング111外との連通面積を最大限に低減し、さらに、収容キャビティ100内の空気がエネルギー変換装置112の振動に伴って発生した音波が取付孔1111を介してイヤホン10の外部に伝達されて音漏れを発生させることを最大限に抑制することができる。
【0436】
他のいくつかの実施例において、例えば、
図2の(b)において、接続部材115の数は、複数、例えば、3つ、4つなどであってもよく、複数の接続部材115は、振動パネル114のエネルギー変換装置112の振動方向に平行な中心線(例えば、
図2の(b)のOに示す)を中心として間隔をあけて設置される。この場合、取付孔1111の数は、複数であってもよく、複数の接続部材115は、それぞれ対応する1つの取付孔1111を介してエネルギー変換装置112に接続される。このように、接続部材115が振動パネル114及びエネルギー変換装置112を接続する信頼性を向上させることに有利である。さらに、複数の接続部材115の中心は、同一の円(すなわち、共円)に位置してもよく、該円の円心(例えば、
図2の(b)のOに示す)は、振動パネル114のエネルギー変換装置112の振動方向に平行な中心線に位置してもよい。複数の接続部材115は、振動パネル114のエネルギー変換装置112の振動方向に平行な中心線を中心として均一に間隔をあけて設置されてもよい。
【0437】
他のいくつかの実施例において、例えば、
図2の(c)において、接続部材115の数は、複数、例えば、4つ、5つなどであってもよく、そのうちの1つの接続部材115は、振動パネル114の中心領域に接続され、残りの接続部材115は、振動パネル114の中心領域に位置する接続部材115を中心として間隔をあけて設置される。この場合、取付孔1111の数は、複数であってもよく、複数の接続部材115は、それぞれ対応する1つの取付孔1111を介してエネルギー変換装置112に接続される。このように、同様に、接続部材115が振動パネル114及びエネルギー変換装置112を接続する信頼性を向上させることに有利である。
【0438】
なお、
図1に比べて、
図2は、簡単に、エネルギー変換装置112の振動方向に沿った振動パネル114及び接続部材115の正投影と見なすことができる。
【0439】
いくつかの実施例において、収容キャビティ100は、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップである通路を介してイヤホン10の外部と連通する。この場合、コアモジュール11は、密封膜118を含んでもよく、密封膜118は、前述の通路を密封し、すなわち、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップは、密封膜118によって密封されてもよく、それにより収容キャビティ100内に形成された空気によって伝導された音波が前述の通路を介してイヤホン10の外部に伝播して音漏れを発生させることを回避する。密封膜118の材質は、ゴム、シリコーンゴム、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVC)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリエーテルエーテルケトン(poly(ether-ether-ketone)、PEEK)であってもよい。
【0440】
例示的には、
図35に示すように、密封膜118は、一体的に接続された第1の接続部1181、皺部1182及び第2の接続部1183を含んでもよく、皺部1182は、第1の接続部1181と第2の接続部1182との間に凹み領域を形成する。この場合、第1の接続部1181は、第1の端壁1113に接続され、第2の接続部1183は、接続部材115又は振動パネル114に接続されてもよい。このように、平面状の薄膜構造(例えば、前述の凹み領域が位置する部分が平面状である)に比べて、このような皺を有する非平面状の薄膜構造は、密封膜118の弾性を増加させることに有利であり、このように、エネルギー変換装置112で発生した機械的振動が密封膜118を介してコアハウジング111に過剰に伝達されることを回避することに有利であるとともに、接続部材115又は振動パネル114とコアハウジング111との間の相対移動の幅が大きすぎることによって密封膜118が「引きちぎられ」、又は、収容キャビティ100内の音圧が大きすぎる又は小さすぎることによって密封膜118が「破損」され、又は、収容キャビティ100内の音圧の変化が大きすぎることによって密封膜118に疲労破壊が生じることを回避することに有利である。これに加えて、コアハウジング111には、減圧孔が設置されてもよく、前述の減圧孔は、収容キャビティ100内の音圧をバランスさせ、大気圧に対して大きく変化しないレベルに維持することにより、密封膜118の耐用年数を延長する。減圧孔の面積は、4mm
2以下であってもよい。なお、密封膜118を設置することは、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップを大きくすることに有利であり、すなわち、取付孔1111の開口面積は、接続部材115の横断面積よりも大きく設置されてもよく、それにより接続部材115とコアハウジング111との間に不必要な摩耗が発生することを回避し、さらにコアモジュール11の耐用年数を延長することに有利である。
【0441】
なお、
図46及び
図35に示すように、密封膜118は、第1の端壁1113のみに接続されてもよく、すなわち、密封膜118と接続部材115との間にギャップが残ってもよいが、該ギャップは、接続部材115と取付孔1111の壁面との間のギャップよりも小さく、このように、収容キャビティ100とイヤホン10の外部との連通面積を縮小するだけでなく、収容キャビティ100内の音圧をバランスさせ、大気圧に対して大きく変化しないレベルに維持することに有利である。
【0442】
上記関連説明に基づいて、エネルギー変換装置112が機械的振動を発生させる過程において、コアハウジング111(具体的には、第1の端壁1113及び第2の端壁1114であってもよい)と振動パネル114は、さらに、複数組の音響双極子を形成することができ、すなわち、位相が逆である2つの音響双極子は、互いに相殺し、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。これに基づいて、振動パネル114の剛性と第1の端壁1113の剛性との差の絶対値と、振動パネル114の剛性及び第1の端壁1113の剛性のうち大きい方との比は、0~0.4であり、好ましくは、0~0.3であってもよく、及び/又は、振動パネル114の剛性と第2の端壁1114の剛性との差の絶対値と、振動パネル114の剛性及び第2の端壁1114の剛性のうち大きい方との比は、0~0.4であり、好ましくは、0~0.3である。このように、振動パネル114によって発生した音漏れの共振周波数と、第1の端壁1113及び/又は第2の端壁1114によって発生した音漏れの共振周波数とは、できるだけ近くし、それにより両者が遠方界において逆位相でよりよく相殺され、さらにイヤホン10の音漏れを低減することができる。
【0443】
例示的には、エネルギー変換装置112の振動方向から見て、振動パネル114の面積と第1の端壁1113の面積との比は、0.3~1.6であり、好ましくは、0.5~1.2であってもよい。換言すれば、コアハウジング111の構造が決定された後、振動パネル114の剛性と第1の端壁1113の剛性ができるだけ近くなるように、振動パネル114の面積と第1の端壁1113の面積との差が大きくなくてもよい。これに加えて、振動パネル114の面積が小さすぎると、振動パネル114がエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を伝達することに影響を与え、さらにイヤホン10によって発生した骨伝導音の強度に影響を与える可能性があり、ユーザの皮膚とコアモジュール11との間の接触面が小さすぎて装着不良を引き起こし、さらにイヤホン10の装着快適さに影響を与える可能性もあり、振動パネル114の面積が大きすぎると、振動パネル114の剛性に影響を与え、さらにイヤホン10の音質に影響を与える可能性があり、振動パネル114は、皮膚の輪郭による影響が大きすぎてユーザの皮膚に密着しにくくなり、さらにイヤホン10によって発生した骨伝導音の強度に影響を与える可能性もある。
【0444】
一般的に、音響双極子にとって、位相が逆の2つの単極子の間の距離が小さいほど、逆位相相殺の効果が顕著になり、すなわち、遠方界の音圧が小さくなり、それに応じて、イヤホン10にとって、遠方界の音漏れも小さい。当然のことながら、振動パネル114の構造強度、エネルギー変換装置112の振動過程における振動パネル114とコアハウジング111との構造干渉、及びコアハウジング111内にエネルギー変換装置112などの構造部材を設置する空間ニーズを考慮すると、2つの単極子の間の距離をゼロにすることが難しい。したがって、エネルギー変換装置112の振動方向において、振動パネル114の厚さは、0.3mm~3mmであり、好ましくは、0.5mm~2.5mmであってもよく、該厚さが小さすぎると、振動パネル114が十分な剛性を有することに不利であり、及び/又は、振動パネル114と第1の端壁1113との間のギャップは、0.5mm~3mmであり、好ましくは、1mm~2mmであってもよく、該ギャップが小さすぎると、振動パネル114がコアハウジング111に衝突して音割れを起こしやすくなり、及び/又は、第1の端壁1113の第2の端壁1114から離れた側と、第2の端壁1114の第1の端壁1113から離れた側との間の間隔は、6mm~16mmであってもよい。
【0445】
図3に示すように、コアモジュール11は、コアハウジング111の振動パネル114に近接する一端に接続された囲み部材116をさらに含んでもよく、例えば、囲み部材116は、内筒壁1112の第2の端壁1114から離れた一端に接続され、また例えば、囲み部材116は、第1の端壁1113に接続され、囲み部材116は、振動パネル114が脱落しないように、振動パネル114を囲むことができる。換言すれば、囲み部材116は、コアハウジング111に接続され、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な基準平面内への囲み部材116の投影は、前述の基準平面内への振動パネル114の投影の外周を囲む。非装着状態において、囲み部材116は、振動パネル114がエネルギー変換装置112に伴って振動することを囲み部材116が阻害することを回避するように、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向において振動パネル114と間隔をあけて設置され、また、振動パネル114のエネルギー変換装置112から離れた側は、エネルギー変換装置112の振動方向において、少なくとも一部が囲み部材116のエネルギー変換装置112から離れた側から突出することにより、振動パネル114がユーザの皮膚に密着することを許容し、さらにイヤホン10によって発生した骨伝導音の強度を増加させる。さらに、装着状態において、振動パネル114がユーザの皮膚に接触する以外に、囲み部材116がユーザの皮膚に接触してもよく、すなわち、少なくとも一部の囲み部材116が振動パネル114とともにユーザの皮膚に接触して、コアモジュール11がユーザの皮膚に印加する押圧力の一部を分担することにより、振動パネル114がエネルギー変換装置112に伴って振動し、さらにイヤホン10の音質、特に低周波数帯域の音質を改善することができる。換言すれば、コアモジュール11には囲み部材116が設置することは、装着安定性及び快適さと音質との両立に有利である。したがって、振動パネル114のユーザの頬に対する押圧力は、後述するヘッドビームアセンブリ12がコアモジュール11をユーザの頬に押し当てる押圧力よりも小さくてもよく、振動パネル114とユーザの頬との接触面積は、コアモジュール11とユーザの頬との接触面積よりも小さくてもよい。コアモジュール11には、囲み部材116が設置される場合、コアモジュール11がユーザの頬に押し当てられる押圧力は、振動パネル114のユーザの頬に対する押圧力と囲み部材116のユーザの頬に対する押圧力との和に等しくてもよく、コアモジュール11とユーザの頬との接触面積は、振動パネル114とユーザの頬との接触面積と囲み部材116とユーザの頬との接触面積との和に等しくてもよく、コアモジュール11には囲み部材116が設置されておらず、振動パネル114のみを介してユーザの頬に接触する場合、コアモジュール11がユーザの頬に押し当てられる押圧力は、振動パネル114のユーザの頬に対する押圧力に等しくてもよく、コアモジュール11とユーザの頬との接触面積は、振動パネル114とユーザの頬との接触面積に等しくてもよい。これに基づいて、後述するヘッドビームアセンブリ12は、0.4N~0.8Nの押圧力を印加してコアモジュール11をユーザの頬に押し当てることができ、振動パネル114のユーザの頬に対する押圧力は、0.1N~0.7Nであってもよく、コアモジュール11とユーザの頬との接触面積は、400mm
2~600mm
2であり、好ましくは、450mm
2~550mm
2であってもよく、振動パネル114とユーザの頬との接触面積は、180mm
2~300mm
2であり、好ましくは、160mm
2~280mm
2であってもよい。
【0446】
さらに、コアハウジング111の振動パネル114に近接する側、振動パネル114及び囲み部材116は、キャビティ400を囲んで形成されてもよく、例えば、囲み部材116は、第1の端壁1113及び振動パネル114とともにキャビティ400を囲んで形成され、囲み部材116には、キャビティ400とコアモジュール11の外部とを連通する連通孔1161が設置されてもよく、それにより装着状態で、キャビティ400は、連通孔1161を介してコアモジュール11の外部と連通する。換言すれば、囲み部材116には、振動パネル114とコアハウジング111(例えば、第1の端壁1113)との間のギャップと、イヤホン10の外部とを連通する連通孔1161が設置されてもよく、それにより第1の端壁1113によって発生した音漏れと第2の端壁1114によって発生した音漏れとが遠方界において逆位相で相殺され、すなわち、コアハウジング111の背向する両側によって発生した音漏れが遠方界において逆位相で相殺され、イヤホン10の音漏れ低減に対するニーズをよりよく満たすことができる。連通孔1161の数は、複数であってもよく、例えば、複数の連通孔1161は、接続部材115を中心として間隔をあけて設置され、また例えば、連通孔1161の囲み部材116における開孔率は、第1の端壁1113によって発生した音漏れがより多く伝播されて第2の端壁1114によって発生した音漏れと遠方界において逆位相で相殺するように、30%以上である。前述の開孔率は、単一の連通孔1161の面積と連通孔1161の数との積を囲み部材116の面積で除したものであってもよい。さらに、装着状態において、複数の連通孔1161のうちの少なくとも一部は、第1の端壁1113によって発生した音漏れが連通孔1161を介して伝播されるように、ユーザの皮膚に接触しない。したがって、
図3に示すように、連通孔1161は、囲み部材116の側面に形成されてもよく、
図27又は
図32に示すように、連通孔1161は、接続部1162に形成されてもよく、第1の外筒壁1115には、連通孔1162に対応する逃げ孔が設置され、連通孔1161は、位置制限部1164のユーザの皮膚と接触しない部分に形成されてもよく、
図52に示すように、連通孔1161は、囲み部材116のユーザの皮膚に接触しない部分に形成されてもよい。これに加えて、キャビティ400と連通孔1161とは、同様にヘルムホルツ共振キャビティを形成することができるため、連通孔1161の囲み部材116における開孔率を大きくすることは、キャビティ400が共振する時の共振ピークが周波数の高い周波数帯域にオフセットすることに有利であり、ユーザが感じる音漏れを少なくすることができる。なお、装着状態において、そのうちの少なくとも1つの連通孔1161の開口方向は、ユーザの頭頂から離れてもよく、例えば、該連通孔1161の開口方向とユーザの垂直軸との間の夾角は、ユーザの汗などの液体も連通孔1161を介して流出することができ、つまり、汗などがコアモジュール11内に滞留することを回避するように、0~10°である。当然のことながら、第1の端壁1113によって発生した音漏れは、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向における囲み部材116と振動パネル114とのギャップを介して伝送され、さらに第2の端壁1114によって発生した音漏れと遠方界において逆位相で相殺してもよく、後に例示的に説明する。
【0447】
例示的には、500Hz~4kHzの周波数範囲内に、少なくとも1/3オクターブの区間長さを有する目標周波数範囲が存在する。これに基づいて、前述の目標周波数範囲内に、連通孔1161が開状態にあるときにイヤホン10が装着状態において発生する音漏れは、連通孔1161が閉状態にあるときにイヤホン10が装着状態において発生する音漏れよりも弱い。前述の目標周波数範囲は、1kHz~2kHzであってもよい。なお、前述の連通孔1161が閉状態にあるのは、連通孔1161を塞ぐことであってもよい。
【0448】
さらに、囲み部材116における1平方ミリメートル当たりの単位面積には、囲み部材116における連通孔1161の数が十分に多いように、少なくとも1つの連通孔1161があってもよいが、単一の連通孔1161の面積が特に大きくなく、囲み部材116の構造強度の確保に有利である。当然のことながら、囲み部材116の構造強度が十分であるなどの他のいくつかの実施形態において、単一の連通孔1161の面積は、相対的に大きくてもよい。
【0449】
いくつかの実施形態において、囲み部材116は、プラスチック部品であってもよく、肉厚が0.2mm~1mmであってもよい。囲み部材116の肉厚が小さすぎると、構造強度の不十分を引き起こしやすく、囲み部材116の肉厚が大きすぎると、囲み部材116が振動パネル114よりも先にユーザの皮膚に接触しやすくなり、振動パネル114がユーザの皮膚に接触しにくくなる。当然のことながら、振動パネル114がユーザの皮膚に接触可能であることを確保する場合、囲み部材116のユーザの皮膚に接触する部分は、他の部分よりも厚くてもよく、例えば、囲み部材116のユーザの皮膚に接触する部分の肉厚は、囲み部材116が装着状態において押し潰されることを回避するように、1mmよりも大きい。さらに、囲み部材116がプラスチック部品である場合、前述のプラスチック部品は、射出成形プロセスにより金属フレームに成形され、囲み部材116に対して構造上の補強を行うことができる。
【0450】
いくつかの実施形態において、囲み部材116は、連通孔1161の囲み部材116における開孔率が60%以上であることを許容するように、金属部品であってもよく、これは、主に金属部品の構造強度がプラスチック部品よりも高いからである。例えば、囲み部材116は、メッシュ数(すなわち、1インチ当たりのメッシュ孔数)が5~508であるスチールメッシュである。
【0451】
いくつかの実施形態において、コアハウジング111は、第1のプラスチック部品であってもよく、囲み部材116は、第2のプラスチック部品を介してコアハウジング111に接続されてもよく、第2のプラスチック部品は、射出成形プロセスによって金属部品と一体的に成形され、連通孔1161は、前述の金属部品に形成されてもよい。
【0452】
図43又は
図44に示すように、囲み部材116は、装着状態においてユーザの皮膚に向かう側の外面に凹凸領域を有することにより、囲み部材116がユーザの皮膚に接触するときに完全に密着せず、すなわち、囲み部材116とユーザの皮膚との間にギャップが残り、さらにキャビティ400とコアモジュール11の外部との連通を許容する。このように、コアハウジング111の背向する両側(例えば、第1の端壁1113と第2の端壁1114)によって発生した音漏れは、同様に遠方界において逆位相で相殺され、イヤホン10の音漏れ低減に対するニーズを満たすことができる。キャビティ400とコアモジュール11の外部とが十分な連通ギャップを有するように、前述の凹凸領域の高さの差は、0.5mm~5mmであってもよい。
【0453】
いくつかの実施形態において、
図43に示すように、囲み部材116の外面には、凹溝1165が設置されてもよく、装着状態において、キャビティ400は、凹溝1165を介してコアモジュール11の外部と連通する。凹溝1165の数、深さなどのパラメータは、キャビティ400とコアモジュール11の外部との連通面積に影響を与える。例えば、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な基準平面への囲み部材116の投影は、互いに直交する長軸方向及び短軸方向を有し、囲み部材116の長軸方向における寸法は、囲み部材116の短軸方向における寸法よりも大きく、凹溝1165の数は、複数であってもよく、複数の凹溝1165は、4組に分けられてもよく、2組の凹溝1165は、それぞれ長軸方向に沿って間隔をあけて設置され、他の2組の凹溝1165は、それぞれ短軸方向に沿って間隔をあけて設置され、長軸方向に沿って間隔をあけて設置された各組の凹溝1165の数は、短軸方向に沿って間隔をあけて設置された各組の凹溝1165の数よりも大きくてもよい。区別及び説明を容易にするために、
図43における凹溝1165が位置する領域は、格子で充填され、すなわち、1つの格子が位置する領域は、簡単に1つの凹溝1165と見なすことができる。また例えば、凹溝1165の深さは、0.5mm~5mmであってもよい。
【0454】
いくつかの実施形態において、
図44に示すように、囲み部材116の外面には、突起1166が設置されてもよく、突起1166により、囲み部材116は、装着状態においてユーザの皮膚との間にギャップを形成し、キャビティ400は、前述のギャップを介してコアモジュール11の外部と連通する。突起1166の数、高さなどのパラメータは、同様に、キャビティ400とコアモジュール11の外部との連通面積に影響を与える。例えば、突起1166の数は、複数であり、複数の突起1166は、前述のギャップを格子状にする。区別及び説明を容易にするために、
図44における突起1166が位置する領域は、格子で充填され、すなわち、1つの格子が位置する領域は、簡単に1つの突起1166と見なすことができる。また例えば、突起1166の高さは、0.5mm~5mmであってもよい。
【0455】
同様に、500Hz~4kHzの周波数範囲内に、少なくとも1/3オクターブの区間長さを有する目標周波数範囲が存在する。これに基づいて、前述の目標周波数範囲内に、囲み部材116の外面に凹凸領域がある場合、イヤホン10が装着状態において発生する音漏れは、囲み部材116の外面に凹凸領域がない場合、イヤホン10が装着状態において発生する音漏れよりも弱い。前述の目標周波数範囲は、1kHz~2kHzである。なお、前述の囲み部材116の外面に凹凸領域がないことは、囲み部材116の外面における凹凸領域を埋めることであってもよい。例えば、凹溝1165内又は複数の突起1166の間に接着剤を充填し、接着剤が硬化した後、簡単に囲み部材116の外面に凹凸領域がないと見なすことができる。
【0456】
図45に示すように、囲み部材116は、装着状態においてユーザの皮膚に向かう側に多孔質構造1167が設置され、それにより装着状態において、多孔質構造1167の少なくとも一部は、振動パネル114とともにユーザの皮膚に接触し、キャビティ400とコアモジュール11の外部との連通を許容する。このように、コアハウジング111の背向する両側(例えば、第1の端壁1113と第2の端壁1114)によって発生した音漏れは、同様に遠方界において逆位相で相殺され、イヤホン10の音漏れ低減に対するニーズを満たすことができる。
【0457】
さらに、多孔質構造1167は、固定層と、固定層に接続された多孔質本体層と、を含んでもよく、多孔質構造1167は、固定層を介して囲み部材116に接続され、多孔質構造1167は、多孔質本体層を介してキャビティ400とコアモジュール11の外部とを連通する。前述の多孔質本体層の空隙率は、60%以上であってもよく、例えば、前述の多孔質本体層は、スポンジ又はフォームである。
【0458】
いくつかの実施形態において、多孔質構造1167の固定層と囲み部材116とは、取り外し可能に接続されるように構成されてもよく、両者の間の接続方式は、磁気吸着型、バックル型、接着型のうちのいずれか1種であってもよい。前述の接着型は、面ファスナー、片面テープ及び両面テープのうちのいずれか1種によって実現することができる。
【0459】
いくつかの実施形態において、多孔質構造1167の固定層は、硬化後の接着剤であってもよく、すなわち、多孔質構造1167は、接着剤によって囲み部材116に固定される。この場合、多孔質構造1167を交換しやすくないため、多孔質構造1167の耐用年数を延長するために、多孔質構造1167は、多孔質構造1167の多孔質本体層を覆う保護層を含んでもよく、多孔質構造1167は、前述の保護層を介してユーザの皮膚に接触する。前述の保護層は、織物又はスチールメッシュであってもよい。
【0460】
同様に、500Hz~4kHzの周波数範囲内に、少なくとも1/3オクターブの区間長さを有する目標周波数範囲が存在する。これに基づいて、前述の目標周波数範囲内に、コアモジュール11が多孔質構造1167を有する場合にイヤホン10が装着状態において発生する音漏れは、コアモジュール11が多孔質構造1167を有さない場合にイヤホン10が装着状態において発生する音漏れよりも弱い。前述の目標周波数範囲は、1kHz~2kHzである。なお、前述のコアモジュール11が多孔質構造1167を有さないことは、多孔質構造1167を囲み部材116から取り外すことであってもよい。例えば、多孔質構造1167が囲み部材116に取り外し可能に接続される場合、多孔質構造1167を取り外せばよく、多孔質構造1167が接着剤によって囲み部材116に固定される場合、カッターで多孔質構造1167を削り取ればよい。
【0461】
なお、囲み部材116には、凹溝1165、突起1166及び多孔質構造1167が設置されるなどの実施形態において、囲み部材116には、同様に、キャビティ400とコアモジュール11の外部とを連通する連通孔1161が設置されてもよく、それにより装着状態において、キャビティ400は、さらに連通孔1161を介してコアモジュール11の外部と連通する。連通孔1161の数は、複数であってもよく、連通孔1161の囲み部材116における開孔率は、30%以上であってもよい。
【0462】
図4に示すように、振動パネル114と第1の端壁1113との間には、ガスケット117がさらに設置されてもよく、ガスケット117のロックウェル硬度は、第1の振動伝達シート113のロックウェル硬度よりも小さい。換言すれば、ガスケット117は、第1の振動伝達シート113と比較して軟質ガスケットと呼ばれてもよい。このように、エネルギー変換装置112で発生した機械的振動がガスケット117を介してコアハウジング111に伝達されることを回避し、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。ガスケット117は、振動パネル114と第1の端壁1113とを接続するように、接着性を有してもよく、例えば、フォーム接着剤であり、同様に振動パネル114の脱落を回避することができる。
【0463】
なお、本願の発明者らは、長期にわたる研究から以下を発見した。コアモジュール11に囲み部材116を増設することは、音漏れの中高周波数帯域へのオフセットに有利であり、コアモジュール11にガスケット117を増設することは、音漏れの中低周波数帯域へのオフセットに有利であり、いずれも音漏れの改善に有利である。さらに、本願では、低周波数帯域に対応する周波数範囲は、20~150Hzであり、中周波数帯域に対応する周波数範囲は、150~5kHzであり、高周波数帯域に対応する周波数範囲は、5k~20kHzであってもよい。中低周波数帯域に対応する周波数範囲は、150~500Hzであり、中高周波数帯域に対応する周波数範囲は、500~5kHzであってもよい。
【0464】
図5~
図7に示すように、振動パネル114のエネルギー変換装置112から離れた側は、ユーザの皮膚に接触する皮膚接触領域1141と、少なくとも一部がユーザの皮膚に接触しない空気伝導増強領域1142と、を含んでもよく、振動パネル114は、空気伝導増強領域1142によってイヤホン10の外部の空気を振動させて音波を形成してもよい。換言すれば、コアモジュール11は、振動パネル114を介して骨伝導音を発生させるとともに、空気伝導音を発生させ、かつ両者の位相が同じであることにより、空気伝導音が骨伝導音を増強することを許容し、さらにイヤホン10の音質を改善する。空気伝導増強領域1142は、少なくとも一部が皮膚接触領域1141に対して傾斜し、エネルギー変換装置112に向かって延伸し、皮膚接触領域1141に対する傾斜角(例えば、
図5及び
図6のθに示す)は、0~75°であり、好ましくは、0~60°であってもよく、及び/又は、空気伝導増強領域1142のエネルギー変換装置112の振動方向に沿った正投影の幅(例えば、
図5~
図7のWに示す)は、1mm以上であり、好ましくは、2mm以上であってもよい。このように、空気伝導増強領域1142の大きさを増加させ、さらに空気伝導音の骨伝導音に対する増強効果を高める。さらに、空気伝導増強領域1142は、曲面(例えば、
図5に示す)に構成され、平面(例えば、
図6に示す)に構成されてもよい。
【0465】
いくつかの実施例において、例えば、
図5に示すように、空気伝導増強領域1142は、全て皮膚接触領域1141に対して傾斜し、エネルギー変換装置112に向かって延伸してもよい。
【0466】
他のいくつかの実施例において、例えば、
図6に示すように、空気伝導増強領域1142は、一部が皮膚接触領域1141に対して傾斜し(すなわち、θ≠0)、エネルギー変換装置112に向かって延伸し、他の一部がエネルギー変換装置112の振動方向において皮膚接触領域1141と間隔をあけて設置され、例えば、皮膚接触領域1141と平行である(すなわち、θ=0)。さらに、
図27に示すように、コアハウジング111には囲み部材116が設置される場合、エネルギー変換装置112の振動方向から見て、囲み部材116は、エネルギー変換装置112の振動方向において振動パネル114を止めることを許容するように、空気伝導増強領域1142と部分的に重なり、皮膚接触領域1141とずれてもよい。
【0467】
他のいくつかの実施例において、例えば、
図7に示すように、装着状態において、空気伝導増強領域1142は、少なくとも一部がユーザの耳部の外耳道入口に指向することにより、振動パネル114によって発生した音波が外耳道入口に指向することを許容し、さらに空気伝導音の骨伝導音に対する増強効果を高める。例示的には、振動パネル114は、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直であり、かつ互いに直交する長軸方向及び短軸方向を有し、振動パネル114の前述の長軸方向における寸法は、振動パネル114の前述の短軸方向における寸法よりも大きく、例えば、振動方向から見て、振動パネル114は、楕円形、角丸矩形又はレーストラック形に設置される。装着状態において、前述の長軸方向は、ユーザの頭頂に指向し、前述の短軸方向は、ユーザの耳部の外耳道入口に指向する。このように、コアモジュール11は、装着状態において全体的に外耳道により近接することができ、コアモジュール11は、骨伝導によりエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を伝達するとともに、外耳道内のより多くの空気をそれに伴って振動させることができ(すなわち、空気伝導音を発生させる)、さらにユーザに聞こえる音の音量を増加させることができる。
【0468】
図8~
図10に示すように、コアモジュール11には、収容キャビティ100と連通する音響キャビティが設置されてもよく、音響キャビティは、収容キャビティ100内の空気がエネルギー変換装置112の振動に伴って発生した音波の音響エネルギーを吸収する。前述の音波は、取付孔1111を介してイヤホン10の外部に出力されて空気伝導音を形成することができる。
【0469】
いくつかの実施例において、例えば、
図8に示すように、上記音波の周波数応答曲線は、共振ピークを有し、上記音響キャビティは、ヘルムホルツ共振キャビティ200であってもよく、それにより前述の共振ピークの強度(具体的には、ピーク共振強度であってもよい)を弱め、すなわち、ピーク共振強度の急増を抑制し、イヤホン10の音質をよりバランスさせる。前述の共振ピークのピーク共振周波数は、500Hz~4kHzであり、好ましくは、1kHz~2kHzであってもよい。例示的には、ヘルムホルツ共振キャビティ200は、コアハウジング111、例えば、第2の端壁1114のエネルギー変換装置112から離れた側に設置されてもよく、及び/又は、ヘルムホルツ共振キャビティ200は、エネルギー変換装置112(例えば、その磁気回路システム)に設置されてもよい。当然のことながら、ある周波数点又は周波数帯域を強調するなどの他のいくつかの実施例において、ヘルムホルツ共振キャビティ200は、前述の空気伝導音の周波数応答曲線の所定の周波数帯域内における振動強度を弱めるように構成されてもよく、該所定の周波数帯域は、前述の共振ピークをカバーしなくてもよい。ヘルムホルツ共振キャビティ200と収容キャビティ100とを連通する開口が開状態にあるときの前述の共振ピークの強度と、ヘルムホルツ共振キャビティ200と収容キャビティ100とを連通する開口が閉状態にあるときの前述の共振ピークの強度との差は、3dB以上であってもよく、対応する周波数応答曲線は、励起電圧が1Vである条件で測定されてもよい。
【0470】
他のいくつかの実施例において、例えば、
図9及び
図10に示すように、上記音響キャビティは、音響フィルタ300であってもよく、音響フィルタ300のカットオフ周波数は、周波数が前述のカットオフ周波数よりも大きい周波数帯域の音響エネルギーを弱めるように、5kHz以下であり、好ましくは、4kHz以下であってもよい。例示的には、
図9に示すように、音響フィルタ300は、エネルギー変換装置112の振動パネル114から離れた側に位置してもよく、すなわち、リア音響フィルタである。
図10に示すように、音響フィルタ300は、エネルギー変換装置112の振動パネル114に向かう側に位置してもよく、すなわち、フロント音響フィルタである。例えば、第1の端壁1113は、エネルギー変換装置112の振動方向に間隔をあけて設置された第1のサブ端壁11131及び第2のサブ端壁11132を含んでもよく、取付孔1111は、エネルギー変換装置112の振動方向に沿って第1のサブ端壁11131及び第2のサブ端壁11132を貫通し、第1のサブ端壁11131及び第2のサブ端壁11132は、内筒壁1112と協働して音響フィルタ300を形成する。第1のサブ端壁11131と第2のサブ端壁11132とのエネルギー変換装置112の振動方向におけるギャップは、0.5mm~5mmであり、好ましくは、1mm~3mmであってもよい。
【0471】
図11に示すように、エネルギー変換装置112は、ブラケット1121、第2の振動伝達シート1122、磁気回路システム及びコイル1123を含んでもよく、ブラケット1121は、第1の振動伝達シート113を介してコアハウジング111に接続され、第2の振動伝達シート1122は、磁気回路システムが収容キャビティ100内にサスペンションされるように、ブラケット1121及び磁気回路システムを接続し、コイル1123は、ブラケット1121に接続され、かつエネルギー変換装置112の振動方向に沿って磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入される。この場合、振動パネル114は、接続部材115を介してブラケット1121に接続されてもよい。例示的には、第1の振動伝達シート113は、周辺領域がコアハウジング111に接続され、中心領域がブラケット1121に接続されてもよく、第2の振動伝達シート1122は、周辺領域がブラケット1121に接続され、中心領域が磁気回路システムに接続されてもよい。当然のことながら、他のいくつかの実施例において、第2の振動伝達シート1122は、周辺領域が磁気回路システムに接続され、中心領域がブラケット1121に接続されてもよい。この場合、磁気回路システムは、筒状接続部材を介して第2の振動伝達シート1122の周辺領域に接続されてもよい。前述の磁気回路システムは、透磁カバー1124と、透磁カバー1124の底部に接続された磁石1125と、を含んでもよく、磁石1125の数は、必要に応じて1つ又は少なくとも2つ設置されてもよく、磁石1125は、第2の振動伝達シート1122の中心領域に接続され、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向において透磁カバー1124と間隔をあけて設置されて前述の磁気ギャップを形成してもよく、コイル1123は、磁石1125と透磁カバー1124との間に挿入される。なお、透磁カバー1124の内側には磁石1125を囲む環状磁石が設置されるなどのいくつかの実施例において、磁気ギャップは、具体的に環状磁石と磁石1125との間に形成されるが、磁気ギャップは、依然として透磁カバー1124と磁石1125との間に位置するため、依然として磁石1125と透磁カバー1124とがエネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向において間隔をあけて設置されて形成されると見なすことができる。
【0472】
いくつかの実施形態において、
図27及び
図28に示すように、第1の振動伝達シート113は、中心領域がブラケット1121に嵌め込まれ、周辺領域が第1の端壁1113によって内筒壁1112に押し当てられてもよく、第2の振動伝達シート1122は、中心領域がブラケット1121に嵌め込まれ、第1の振動伝達シート113よりも振動パネル114から離れ、周辺領域が筒状接続部材に固定されてもよく、磁気回路システムの透磁カバー1124の側壁は、磁気回路システムが第2の振動伝達シート1122を介してブラケット1121に接続されるように、前述の筒状接続部材に接続されてもよく、コイル1123は、ブラケット1121の第1の振動伝達シート113及び第2の振動伝達シート1122から離れた側に接続され、透磁カバー1124と磁石1125との間の磁気ギャップ内に挿入される。この場合、透磁カバー1124の側壁が筒状接続部材を介して第2の振動伝達シート1122に接続されるため、エネルギー変換装置112の内部にはキャビティが形成され、他の構造改良をしない前提で、該キャビティが第2の振動伝達シート1122における透かし彫り領域のみを介して収容キャビティ100と連通し、それによりエネルギー変換装置112が振動過程において深刻なキャビティ音効果を発生させ、さらに大きな音漏れを発生させる。
【0473】
いくつかの実施形態において、
図46及び
図11に示すように、ブラケット1121は、第1の振動伝達シート113を介してコアハウジング111に接続され、第2の振動伝達シート1122は、ブラケット1121を介して第1の振動伝達シート113に接続され、磁気回路システムは、磁気回路システムが収容キャビティ内にサスペンションされるように、第2の振動伝達シート1122の中心領域に接続されてもよく、コイル1123は、エネルギー変換装置112の振動方向に沿って磁気回路システムの磁気ギャップ内に挿入される。前述の磁気ギャップは、磁気回路システムが第2の振動伝達シート1122に接続される位置を囲む。このように、磁気回路システムが第2の振動伝達シート1122の中心領域に接続されるため、磁気回路システムには第2の振動伝達シート1122の周辺領域に接続された筒状接続部材が設置される必要がなく、すなわち、上記筒状接続部材がキャンセルされて、エネルギー変換装置112の内外がより大きい連通面積を有することを許容し、このように、上記キャビティ音効果を抑制し、さらにイヤホン10の音漏れを改善することに有利である。例えば、磁気回路システムの磁石1125が第2の振動伝達シート1122の中心領域に接続されるため、透磁カバー1124の側壁は、エネルギー変換装置112の振動方向において第2の振動伝達シート1122と間隔をあけて設置されて、前述の磁気ギャップと磁気回路システムの外部とを連通する通路を形成し、さらにエネルギー変換装置112の内外が連通する面積を増大させることができる。
【0474】
例示的には、
図47及び
図46に示すように、ブラケット1121は、第1のブラケット11212及び第2のブラケット11213を含んでもよく、第1のブラケット11212は、第1の振動伝達シート113の中心領域に接続され、第2のブラケット11213は、第2の振動伝達シート1122の周辺領域に接続されてもよい。それに応じて、第2のブラケット11213と振動パネル114は、それぞれ第1のブラケット11212に接続されてもよく、コイル1123は、第2のブラケット11213に接続されてもよい。この場合、コイル1123と第2のブラケット11213との接続位置は、第2の振動伝達シート1122の周辺領域に対応するため、上記磁気ギャップは、磁気回路システムが第2の振動伝達シート1122に接続された中心領域を囲むことができる。第1のブラケット11212及び第1の振動伝達シート113は、金属インサート射出成形プロセスによって一体的に成形され、第2のブラケット11213及び第2の振動伝達シート1122は、同様に金属インサート射出成形プロセスによって一体的に成形されてもよい。それに応じて、第1のブラケット11212と第2のブラケット11213のうちの一方には、挿着孔が設置されてもよく、他方には、挿着孔に嵌め込まれた挿着柱が設置されてもよく、挿着柱は、第1のブラケット11212と第2のブラケット11213が接続されるように、挿着孔内に挿入される。本実施例において、第1のブラケット11212及び第2のブラケット11213には、それぞれ挿着孔11215と挿着柱11216が設置されることを例として例示的に説明する。
【0475】
さらに、エネルギー変換装置112は、サスペンション11214を含んでもよく、サスペンション11214は、第2の振動伝達シート1122の中心領域に接続され、第2のブラケット11213は、サスペンション11214の外周に位置し、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向においてサスペンション11214と間隔をあけて設置され、磁気回路システムの磁石1125は、サスペンション11214に接続されてもよい。このように、透磁カバー1124と磁石1125との間の磁気ギャップは、磁石1125が第2の振動伝達シート1122に接続された中心領域を囲む。
【0476】
さらに、磁石1125は、永久磁石であってもよく、エネルギー変換装置112の振動方向に沿って積層して設置された第1の磁性部材11251、透磁部材11252及び第2の磁性部材11253を含んでもよく、第2の磁性部材11253は、第1の磁性部材11251よりも第2の振動伝達シート1122に近接し、例えば、第1の磁性部材11251は、透磁カバー1124の底部に接続される。第1の磁性部材11251と第2の磁性部材11253の磁化方向は、異なり、例えば、両者の磁化方向は、互いに逆方向である。さらに、透磁カバー1124の側壁は、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向に沿って磁石1125の外周面に正投影したとき、少なくとも透磁部材11252と重なることにより、磁石1125によって形成された磁界を前述の磁気ギャップ内により多く集中させ、音漏れを低減することができる。好ましくは、コイル1123は、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向に沿って磁石1125の外周面に正投影したとき、少なくとも透磁部材11252と重なることにより、磁石1125により形成された磁界がコイル1123をより多く通過させて、磁界の利用率を増加させることができる。
【0477】
さらに、透磁カバー1124には、エネルギー変換装置112の内外が連通する面積を増大させ、さらにキャビティ音効果を弱めるように、前述の磁気ギャップと磁気回路システムの外部空間とを連通する連通孔11241が設置されてもよい。当然のことながら、ブラケット1121には、エネルギー変換装置112の振動方向に沿って延伸する連通孔11211が設置されてもよく、上記筒状接続部材には、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向に沿って延伸する貫通孔が設置されてもよく、それによりエネルギー変換装置112の内外が連通する面積を増大させ、さらにキャビティ音効果を弱める。これは、エネルギー変換装置112が機械的振動を発生させる過程において、その振動方向において背向する両側の空気を圧縮又は膨張させ、すなわち、正負音圧を形成し、前述の連通孔がエネルギー変換装置112の背向する両側の空気を連通し、さらに逆位相で相殺させることができるからである。
【0478】
いくつかの実施例において、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、80Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に共振ディップ、第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有し、共振ディップ、第1の共振ピーク及び第2の共振ピークのピーク値周波数は、順にf0、f1及びf2と定義され、関係式f0<f1<f2を満たす。80Hz≦f0≦400Hzであり、80Hz≦f1≦400Hzであり、100Hz≦f2≦2kHzである。
【0479】
いくつかの実施例において、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、80Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に1つの共振ピークのみを有する。前述の共振ピークのピーク値周波数は、100Hz~2kHzである。
【0480】
いくつかの実施例において、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、80Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有し、共振ディップがない。第1の共振ピークのピーク値周波数は、80Hz~400Hzであり、第2の共振ピークのピーク値周波数は、100Hz~2kHzである。
【0481】
いくつかの実施例において、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、80Hz~200Hzの周波数帯域範囲内に共振ディップ、第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有し、共振ディップ、第1の共振ピーク及び第2の共振ピークのピーク値周波数は、順にf0、f1及びf2と定義され、関係式f0<f2、f1<f2を満たす。
【0482】
いくつかの実施例において、コアハウジング111の質量は、1.2g以上であり、好ましくは、1.5g以上であり、及び/又は、第1の振動伝達シート113の剛性は、2500N/m以下である。さらに、磁気回路システムの質量は、3g以上であり、好ましくは、5g以上であり、及び/又は、第2の振動伝達シート1122の剛性は、3000N/m以上、好ましくは、5000N/m以上である。
【0483】
いくつかの実施例において、コアハウジング111の質量は、0.5g以下であり、好ましくは、0.3g以下であり、及び/又は、第1の振動伝達シート113の剛性は、2000N/m以上であり、好ましくは、5000N/m以上である。
【0484】
いくつかの実施例において、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、共振ピークを有し、共振ピークは、ブラケット1121の剛性に強い相関があり、共振ピークのピーク値周波数は、4kHz以上であり、好ましくは、5kHz以上である。ブラケット1121の剛性は、105N/m以上であり、好ましくは、5×105N/m以上である。
【0485】
図12に示すように、イヤホン10は、コアモジュール11に接続されたヘッドビームアセンブリ12をさらに含んでもよく、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂を迂回し、コアモジュール11全体をユーザの耳部の前側に位置させてもよい。当然のことながら、コアモジュール11は、全体がユーザの耳部の後側又は他の位置に位置してもよく、一部がユーザの耳部の前側又は後側に位置してもよい。いくつかの実施例において、例えば、
図34に示すように、コアモジュール11は、コアハウジング111(具体的には、第1の端壁1113であってもよい)を介してユーザの頬に接触してもよく、すなわち、コアハウジング111のアダプタハウジング13から離れた側は、ユーザの皮膚に接触する接触面を形成する。他のいくつかの実施例において、例えば、
図1に示すように、コアモジュール11は、振動パネル114を介してユーザの頬に接触してもよい。他のいくつかの実施例において、例えば、
図3に示すように、コアモジュール11は、振動パネル114及び囲み部材116を介してユーザの頬に接触してもよく、また例えば、
図45に示すように、コアモジュール11は、振動パネル114及び囲み部材116における多孔質構造1167を介してユーザの頬に接触してもよい。
【0486】
なお、
図12に示すヘッドビームアセンブリ12に加えて、コアモジュール11は、他のタイプの支持アセンブリに接続されてもよく、前述の支持アセンブリは、コアモジュール11を装着位置に装着するように支持し、同様にユーザがイヤホン10を装着することを許容する。例えば、前述の支持アセンブリは、後掛け構造と、後掛け構造の両端にそれぞれ接続された耳掛け構造と、を含み、後掛け構造は、装着状態においてユーザの脳部の後側を迂回し、2つの耳掛け構造は、それぞれ、装着状態においてユーザの左、右の耳部に掛けられる。さらに、前述の装着位置は、ユーザの頬の耳部に近接する位置又はユーザの耳部の頭部から離れた前側であってもよい。
【0487】
例示的には、装着状態において、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂と第1の接触点(例えば、
図13~
図17のCP1に示す)を形成してもよく、コアモジュール11は、ユーザの頬と第2の接触点(例えば、
図13~
図17のCP2に示す)を形成し、第2の接触点と第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔(例えば、
図13~
図17のWに示す)は、20mm~30mmであり、好ましくは、22mm~28mmであってもよく、さらに、第2の接触点と第1の接触点との人体の矢状軸が位置する方向における間隔は、好ましくは、25mmであり、該間隔を確保する場合、コアモジュール11は、ユーザの頬の耳部に近接する装着位置に自然に装着することができ、コアモジュール11は、前述の装着位置で振動して音波を発生させ、最短経路で該音波をユーザの中枢神経に伝達することができ、それにより該音波の伝達効率がより高く、音損がより少ない。人体の冠状軸が位置する方向から見て、第1の接触点は、ユーザの耳部の真上に位置し、第2の接触点は、ユーザの耳部の真正面に位置してもよい。さらに、ヘッドビームアセンブリ12は、弧状ヘッドビーム部材121及びアダプタ部材122を含んでもよく、弧状ヘッドビーム部材121は、ユーザの頭頂を迂回し、アダプタ部材122の両端は、それぞれ弧状ヘッドビーム部材121とコアモジュール11とに接続される。弧状ヘッドビーム部材121は、ユーザの耳部の上方に位置し、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成してもよい。例示的には、弧状ヘッドビーム部材121の材質は、プラスチックであってもよく、アダプタ部材122の材質は、金属であってもよく、当然のことながら、両者の材質は、共にプラスチック又は金属であってもよい。コアモジュール11がヘッドビームアセンブリ12の延伸方向において弧状ヘッドビーム部材121に対して近接するか又は離れるように構成される場合、例えば、アダプタ部材122のコアモジュール11から離れた一端(具体的には、後述する第1の接続部分1221であってもよい)は、弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みすることができ、弧状ヘッドビーム部材121のアダプタ部材122と係合する部分は、両者の耐摩耗性を部分的に補強するように、金属部材に構成されてもよい。
【0488】
なお、
図13~
図17は、イヤホン10とユーザの頭部との片側に形成された接触点のみを示しているが、イヤホン10は、一般的に、左右対称構造に構成され、例えば、
図12に示すヘッドビームアセンブリ12の両端がそれぞれ1つのコアモジュール11に接続されることにより、各コアモジュール11がそれぞれユーザの頬と第2の接触点を形成し、すなわち、イヤホン10とユーザの頭部とが実際に1つの第1の接触点及び2つの第2の接触点を形成することができ、「3点型装着」と略称される。
【0489】
図48及び
図16に示すように、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、振動パネル114の上記装着位置に向かう側の中心(例えば、
図48のCP2に示す)は、人体の矢状軸が位置する方向において、コアハウジング111の前述の装着位置に向かう側の中心(例えば、
図48のCP0に示す)よりもユーザの耳部の外耳道に近接する。換言すれば、上記支持アセンブリとコアモジュール11の構造が一定である場合、振動パネル114は、コアハウジング111に対してオフセットするように構成され、それによりコアモジュール11が前述の装着位置で振動して音波を発生させる場合、最短経路で該音波をユーザの中枢神経に伝達することができ、それにより該音波の伝達効率がより高く、音損がより少ない。これに加えて、振動パネル114は、装着状態において外耳道により近接するため、コアモジュール11は、骨伝導によりエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を伝達するとともに、外耳道内のより多くの空気をそれに伴って振動させることができ(すなわち、空気伝導音を発生させる)、さらにユーザに聞こえる音の音量を増加させることができる。なお、コアモジュール11が囲み部材116を含む実施形態において、振動パネル114は、囲み部材116に対してオフセットされ、すなわち、両者の装着位置に向かう側の中心は、重ならない。
【0490】
いくつかの実施形態において、振動パネル114のエネルギー変換装置112の振動方向に沿ってコアハウジング111に正投影された中心は、エネルギー変換装置112の前述の振動方向に沿ってコアハウジング111に正投影された中心と重なり、すなわち、振動パネル114は、エネルギー変換装置112に対してオフセットせず、例えば、ブラケット1121の振動パネル114に接続された位置は、振動パネル114の中心にあり、エネルギー変換装置112の前述の振動方向に沿ってコアハウジング111に正投影された中心は、コアハウジング111の前述の振動方向においてエネルギー変換装置112に向かう側の中心と重ならず、すなわち、エネルギー変換装置112は、全体としてコアハウジング111に対してオフセットする。
【0491】
他のいくつかの実施形態において、エネルギー変換装置112のその振動方向に沿ってコアハウジング111に正投影された中心は、コアハウジング111の前述の振動方向においてエネルギー変換装置112に向かう側の中心と重なり、すなわち、エネルギー変換装置112は、全体としてコアハウジング111に対してオフセットしない。振動パネル114の前述の振動方向に沿ってコアハウジング111に正投影された中心は、エネルギー変換装置112の前述の振動方向に沿ってコアハウジング111に正投影された中心と重ならず、すなわち、振動パネル114は、エネルギー変換装置112に対してオフセットし、例えば、ブラケット1121の振動パネル114に接続された位置は、振動パネル114の中心にないことにより、振動パネル114は、コアハウジング111に対してオフセットする。
【0492】
さらに、イヤホン10は、コアハウジング111及び上記支持アセンブリ(例えば、ヘッドビームアセンブリ12)を接続するアダプタハウジング13を含んでもよい。
図20、
図27及び
図28に示すように、アダプタハウジング13は、コアハウジング111の外周に位置する筒状側壁134を含み、筒状側壁134は、ヘッドビームアセンブリ12に接続されてもよい。これに基づいて、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な基準平面へのコアハウジング111と筒状側壁134の正投影は、それぞれ第1の中心と第2の中心を有する。装着状態において、第1の中心は、第2の中心よりもユーザの耳部の外耳道に近接してもよい。換言すれば、
図46及び
図28に示すように、支持アセンブリとコアモジュール11の構造が一定である場合、コアハウジング111は、アダプタハウジング13に対してオフセットするように構成され、それによりコアモジュール11が前述の装着位置で振動して音波を発生させる場合、最短経路で該音波をユーザの中枢神経に伝達することができ、それにより該音波の伝達効率がより高く、音損がより少ない。
【0493】
例示的には、
図48及び
図46に示すように、コアハウジング111は、コアモジュール11が装着位置によりよく密着するように、アダプタハウジング13に対して第1の軸線(例えば、
図48のA1に示す)を中心として回転するように構成されてもよい。上記第1の中心と第2の中心とは、前述の第1の軸線が位置する方向に沿って間隔をあけて設置されている。換言すれば、前述の第1の軸線が位置する方向において、コアハウジング111の一側が筒状側壁134により近接すると、コアハウジング111の他側が筒状側壁134からより離れてもよく、すなわち、コアハウジング111と筒状側壁134との間のギャップは、前述の第1の軸線が位置する方向において等しくなくてもよい。さらに、上記第1の中心と第2の中心は、前述の第1の軸線上に位置してもよく、すなわち、コアモジュール11は、前述の第1の軸線に沿ってある距離だけ平行移動する。
【0494】
いくつかの実施例において、
図13~
図16に示すように、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、ヘッドビームアセンブリ12は、第1の接触点及び第2の接触点を形成するように、少なくとも一部が人体の垂直軸に対して傾斜し、例えば、ユーザの真正面に向かって傾斜して延伸する。この場合、アダプタ部材122は、ロッド状又はシート状に設定されてもよい。例えば、
図13に示すように、人体の冠状軸が位置する方向から見て、弧状ヘッドビーム部材121は、人体の垂直軸に対して傾斜し、アダプタ部材122は、人体の垂直軸と平行である。この場合、アダプタ部材122は、コアモジュール11のユーザの頭頂に向かう側に接続されてもよい。また例えば、
図14に示すように、人体の冠状軸が位置する方向から見て、弧状ヘッドビーム部材121は、人体の垂直軸に対して傾斜し、アダプタ部材122も人体の垂直軸に対して傾斜し、両者の人体の垂直軸に対する傾斜角は、同じである。この場合、アダプタ部材122は、コアモジュール11のユーザの頬から離れた側に接続されてもよい。また例えば、
図15に示すように、人体の冠状軸が位置する方向から見て、弧状ヘッドビーム部材121は、人体の垂直軸に対して傾斜し、アダプタ部材122は、一部が人体の垂直軸に対して傾斜し、他の一部が人体の垂直軸と平行である。この場合、アダプタ部材122は、コアモジュール11のユーザの耳部から離れた側に接続されてもよい。また例えば、
図16に示すように、人体の冠状軸が位置する方向から見て、弧状ヘッドビーム部材121は、人体の垂直軸と平行であり、アダプタ部材122は、一部が人体の垂直軸に対して傾斜し、他の一部が人体の垂直軸と平行である。この場合、アダプタ部材122は、コアモジュール11のユーザの頭頂に向かう側に接続されてもよい。
【0495】
他のいくつかの実施例において、
図17に示すように、アダプタ部材122は、環状に設置されてもよい。この場合、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、弧状ヘッドビーム部材121は、人体の垂直軸と平行であり、アダプタ部材122は、ユーザの耳部の外周に外嵌されてもよく、同様に第1の接触点及び第2の接触点を形成することができる。アダプタ部材122は、連続した密閉した環状であってもよく、不連続な環状(例えば、C字型又はU字型)であってもよい。
【0496】
なお、医学、解剖学などの分野において、人体の矢状面(Sagittal Plane)、冠状面(Coronal Plane)及び水平面(Horizontal Plane)の3つの基本的な切断面と、矢状軸(Sagittal Axis)、冠状軸(Coronal Axis)及び垂直軸(Vertical Axis)の3つの基本的な軸を定義することができる。矢状面は、身体の前後方向に沿って切った地面に垂直な切断面であり、人体を左右の2つの部分に分け、冠状面は、身体の左右方向に沿って切った地面に垂直な切断面であり、人体を前後の2つの部分に分け、水平面は、人体の上下方向に沿って切った地面に平行な切断面であり、人体を上下の2つの部分に分ける。それに応じて、矢状軸は、身体の前後方向に沿って冠状面を垂直に通過する軸であり、冠状軸は、身体の左右方向に沿って矢状面を垂直に通過する軸であり、垂直軸は、身体の上下方向に沿って水平面を垂直に通過する軸である。
【0497】
例示的には、
図12、
図16及び
図20に示すように、アダプタ部材122は、第1の接続部分1221、中間遷移部分1222及び第2の接続部分1223を含んでもよく、中間遷移部分1222は、第1の接続部分1221及び第2の接続部分1223を接続する。第1の接続部分1221と第2の接続部分1223は、それぞれ中間遷移部分1222に対して折り曲げられて逆方向に延伸する。この場合、第1の接続部分1221は、弧状ヘッドビーム部材121に接続され、第2の接続部分1223は、コアモジュール11に接続されてもよい。人体の冠状軸が位置する方向から見て、中間遷移部分1222は、第1の接触点及び第2の接触点を形成するように、人体の垂直軸に対して傾斜する。
【0498】
さらに、第1の接続部分1221の中間遷移部分1222に対する折り曲げ角度(例えば、
図16のθ1に示す)は、90°以上、かつ180°よりも小さくてもよく、及び/又は、第2の接続部分1223の中間遷移部分1222に対する折り曲げ角度(例えば、
図16のθ2に示す)は、90°以上、かつ180°よりも小さくてもよい。このように、アダプタ部材122が弧状ヘッドビーム部材121及びコアモジュール11をよりスムーズに遷移接続する。装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、第1の接続部分1221は、第2の接続部分1223と平行であってもよい。この場合、第1の接続部分1221と第2の接続部分1223との間の間隔(例えば、
図16のWに示す)は、20mm~30mmであり、好ましくは、22mm~28mmであってもよい。
【0499】
なお、
図19に示すように、アダプタ部材122は、他の視角(例えば、人体の矢状軸が位置する方向から見て)において湾曲弧度を有してもよく、例えば、弧状ヘッドビーム部材121の両端のアダプタ部材122は、イヤホン10がユーザの頭部によりよく接触し、また、ヘッドビームアセンブリ12がコアモジュール11に押圧力を提供するように、互いに同方向に近づいて延伸してもよい。
【0500】
さらに、
図20に示すように、第1の接続部分1221と第2の接続部分1223には、それぞれ配線キャビティが設置されてもよく、例えば、両者は、それぞれ中空管状に設置され、中間遷移部分1222には、スロット1224が形成されてもよく、スロット1224は、イヤホン10の配線がコアモジュール11からアダプタ部材122を介して弧状ヘッドビーム部材121に延伸することを許容するように、第1の接続部分1221と第2の接続部分1223の配線キャビティを連通する。イヤホン10の配線は、導線、フレキシブル基板などであってもよい。それに応じて、ヘッドビームアセンブリ12は、スロット1224に嵌め込まれた密封部材をさらに含んでもよく、密封部材は、配線を覆うことにより、イヤホン10の防水・防塵を改善し、イヤホン10の外観の改善にも有利である。密封部材は、硬化後のコロイドであってもよく、蓋板であってもよい。当然のことながら、他のいくつかの実施例において、イヤホン10の配線は、アダプタ部材122から露出してもよく、それに応じて、アダプタ部材122は、中実構造として構成されてもよい。
【0501】
本願の発明者らは、長期にわたる研究から以下を発見した。ヘッドビームアセンブリ12が0.4N~0.8Nである押圧力を印加してコアモジュール11をユーザの頬に押し当てる時、すなわち、装着状態において、コアモジュール11のユーザの頬に対する押圧力は、0.4N~0.8Nであり、好ましくは、0.5N~0.6Nであってもよく、ユーザは、優れた装着安定性、快適さ及び良好な音質を得ることができる。押圧力は、クランプ試験機(FL-86161A、博文機器)により測定することができる。具体的には、測定時に、イヤホン10をクランプ試験機の平行板の両側に挟み、クランプ試験機の中間フォークに支持させ、その後、クランプ試験機の平行板は、2つのコアモジュール11を互いに離反させ、かつテスト間隔(例えば、人の頭の幅の平均値145mm)を有させ、ユーザがイヤホン10を装着することをシミュレーションする。この場合、クランプ試験機に表示された数値を読み取ると、対応する押圧力を測定することができる。異なるユーザにとって、その頭の大きさは、異なる(例えば、「頭が大きい」と「頭が小さい」)。したがって、ヘッドビームアセンブリ12は、異なるユーザのイヤホン10に対する装着ニーズを満たすように、弧長が調整可能に構成されてもよい。さらに、本願は、異なるユーザがイヤホン10を装着する場合、いずれも一致した押圧力を得ることを望む。
【0502】
例示的には、第1の接続部分1221は、外力により弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みすることができ、それによりコアモジュール11がヘッドビームアセンブリ12の延伸方向において弧状ヘッドビーム部材121に対して近接するか又は離れることを許容し、さらにヘッドビームアセンブリ12の弧長を調整する。当然のことながら、第2の接続部分1223は、外力によりコアモジュール11に対して繰り出し繰り込みすることができ、同様に、ヘッドビームアセンブリ12の弧長を調整することができる。
【0503】
さらに、
図12に示すように、弧状ヘッドビーム部材121の両端には、いずれもアダプタ部材122及びコアモジュール11が設置されてもよい。ヘッドビームアセンブリ12は、第1の使用状態において、コアモジュール11に第1の押圧力を提供し、第2の使用状態において、コアモジュール11に第2の押圧力を提供し、第2の押圧力と第1の押圧力との差の絶対値は、0~0.1Nであり、好ましくは、0~0.05Nであってもよい。このように、異なるユーザがイヤホン10を装着しており、すなわち、ヘッドビームアセンブリ12が異なる弧長を有し、2つのコアモジュール11が異なる間隔を有する場合、ヘッドビームアセンブリ12は、コアモジュール11がユーザの頬に印加した押圧力の差が大きくないようにし、さらにイヤホン10の異なるユーザへの適応度を高める。
【0504】
なお、第1の使用状態は、各アダプタ部材122が弧状ヘッドビーム部材121に対して第1の繰り出し量を有し、かつ2つのコアモジュール11の間に第1の間隔を有する使用状態として定義されてもよく、第2の使用状態は、各アダプタ部材122が弧状ヘッドビーム部材121に対して第2の繰り出し量を有し、かつ2つのコアモジュール11の間に第2の間隔を有する使用状態として定義されてもよい。第2の繰り出し量は、第1の繰り出し量よりも大きく、第2の間隔は、第1の間隔よりも大きい。要するに、第1の使用状態は、イヤホン10を頭が小さいユーザが装着する傾向があり、第2の使用状態は、イヤホン10を頭が大きいユーザが装着する傾向があってもよい。したがって、コアモジュール11が弧状ヘッドビーム部材121に最も近接する場合、第1の繰り出し量は、最小値を取ることができ、コアモジュール11が弧状ヘッドビーム部材121から最も離れる場合、第2の繰り出し量は、最大値を取ることができる。
【0505】
本願の発明者らは、長期にわたる研究から以下を発見した。同じ条件で、弧状ヘッドビーム部材121とアダプタ部材122の剛性及び湾曲程度などのパラメータは、ヘッドビームアセンブリ12が提供できる押圧力に対して一定の影響を与え、現在、これに対して定性的な分析を行う。
【0506】
片持ちビームについては、
図18に示すように、片持ちビームは、集中力や分布荷重などの荷重によって湾曲して変形し、最大たわみw
maxが片持ちビームの自由端で発生する。
【0507】
等断面片持ちビームについては、
図18の(a)に示すように、材料力学に基づいて、自由端のたわみは、以下の関係式(1)を満たす。
【0508】
【0509】
式中、EIは、断面曲げ剛性であり、M(x)は、断面曲げモーメントである。Eは、材料のヤング率であり、Iは、断面慣性モーメントである。
【0510】
可変断面片持ちビームについては、
図18の(b)に示すように、可変断面ビームの断面の特性が変化するため、その自由端の変位を分析する際に、段階的剛性計算方法を用いることができる。すなわち、可変断面片持ちビームを複数の等断面片持ちビームからなるものと見なし、変形を計算する際に研究された片持ちビーム部分以外の残りの片持ちビーム部分を剛体と見なすことができ、最後に、同じ荷重状況での変位変形を重ね合わせ、このような方法は、一般的にアウトリガー片持ちビーム又は可変断面片持ちビームに用いられる。それに応じて、自由端のたわみは、以下の関係式(2)を満たす。
【0511】
【0512】
図12に示すようなヘッドホンについては、イヤホン10の左右両側は、対称構造に単純化することができるため、その片側に対して受けた力を分析してもよい。イヤホン10が第1の使用状態(例えば、繰り込み状態)にあるか第2の使用状態(例えば、繰り出し状態)にあるかにかかわらず、いずれもモーメントバランス方程式を満たし、すなわち、以下の関係式(3)を満たす。
【0513】
【0514】
式中、Mは、イヤホン10の頭頂支点(例えば、第1の接触点CP1)における曲げモーメント値であり、Fは、ヘッドビームアセンブリ12がある使用状態にあるときにコアモジュール11に提供された押圧力であり、Lは、コアモジュール11の等価集中作用点(例えば、第2の接触点CP2)から頭頂支点までのモーメントアームである。
図19に示すように、完全に繰り込みした(例えば、アダプタ部材122の弧状ヘッドビーム部材121に対する繰り出し量が最小である)状況を参考にして、等価集中作用点のコアモジュール11における位置がヘッドビームアセンブリ12の繰り出し繰り込み調整によって変化しないと仮定すると、完全に繰り出しした(例えば、アダプタ部材122の弧状ヘッドビーム部材121に対する繰り出し量が最大である)状況において、モーメントアームLが増加する。これに基づいて、上記モーメントバランス方程式(2)を組み合わせて、曲げモーメントMの変化規律を研究すれば、押圧力Fの変化規律を得ることができる。
【0515】
図19に示すように、完全に繰り込みした(例えば、
図19の「繰り込み状態」に示す)場合と完全に繰り出しした(例えば、
図19の「繰り出し状態」に示す)場合の2つの異なる状況において、イヤホン10を初期自由状態から対応する間隔(例えば、人の頭の幅の平均値145mm)を持つ最終状態までそれぞれ開き、臨界状態において、両者の押圧力が同じであると仮定すると、繰り込み状態であるか繰り出し状態であるかにかかわらず、ヘッドビームアセンブリ12は、いずれもコアモジュール11に同じ又は近い押圧力を提供することができる。
【0516】
完全に繰り込みした状況については、ヘッドビームアセンブリ12は、簡単に等断面片持ちビーム(すなわち、弧状ヘッドビーム部材121が位置する弧線部分S1)と見なすことができ、その自由端のたわみ、すなわち、式(1)から、弧線部分S1に沿って積分して以下の関係式(4)を得る。
【0517】
【0518】
式中、E1I1は、弧線部分S1の断面曲げ剛性であり、L1(s)は、弧線部分S1断面における集中力Fのモーメントアーム関数である。
【0519】
完全に繰り出しした状況については、ヘッドビームアセンブリ12は、簡単に可変断面片持ちビーム(すなわち、弧状ヘッドビーム部材121が位置する弧線部分S1とアダプタ部材122が位置する弧線部分S2)と見なすことができ、その自由端のたわみ、すなわち、式(2)から、弧線部分S1と弧線部分S2に沿ってそれぞれ積分して加算して以下の関係式(5)を得る。
【0520】
【0521】
式中、E2I2は、弧線部分S2の断面曲げ剛性であり、L2(s)は、弧線部分S2断面における集中力Fのモーメントアーム関数である。式の右端の前の2つの項は、弧線部分S1の変形量であり、第3の項は、弧線部分S2の変形量であり、lは、弧線部分S2の垂直方向における成分である。
【0522】
さらに、
図19に示すように、上記2つの状況は、以下の関係式(6)を満たす。
【0523】
【0524】
式中、hは、弧線部分S2の水平方向における成分であり、関係式(4)、(5)を関係式(6)に代入し、上記2つの状況における押圧力が同じである臨界状態のhをhcrとすると、関係式(7)が得られる。
【0525】
【0526】
関係式(7)は、実際に、同じ頭の幅である場合のイヤホン10の繰り出し状態又は繰り込み状態での押圧力の変化法則を示す。それに応じて、弧線部分S2の水平方向における実際設計値hは、以下の関係式(8)を満たす。
【0527】
【0528】
関係式(7)と(8)から分かるように、弧線部分S1の断面曲げ剛性E1I1、弧線部分S2の垂直方向における成分lが変わらないと仮定すると、
1)弧線部分S2は、断面曲げ剛性の曲げ剛性E2I2が小さく設計するほど(すなわち、hcrが大きいほど)、繰り出し後の押圧力が小さくなり、
2)弧線部分S2が内側に湾曲するラジアンが小さく設計するほど(例えば、hが小さいほど)、繰り出し後の押圧力が小さくなる。
【0529】
上記詳細な分析に基づいて、定量的な説明を行う。例示的には、非装着状態において、各コアモジュール11がいずれも弧状ヘッドビーム部材121に対して最も近接するか又は最も離れる場合、弧状ヘッドビーム部材121の両端のアダプタ部材122は、第1の基準平面(例えば、
図19のRP1に示す)に対して対称に設置され、第2の基準平面(例えば、紙面が位置する平面)は、弧状ヘッドビーム部材121の両端を結ぶ線(例えば、
図19のRP2に示す)を通過し、第1の基準平面と垂直に交差する。装着状態において、第1の基準平面は、人体の矢状面と平行であり、第2の基準平面は、人体の冠状面と平行であってもよい。さらに、
図19に示すように、弧状ヘッドビーム部材121が自然状態にあり、弧状ヘッドビーム部材121及びアダプタ部材122を第2の基準平面に投影し、コアモジュール11が弧状ヘッドビーム部材121に最も近接する(例えば、
図19の「繰り込み状態」に示す)場合、アダプタ部材122のコアモジュール11に接続された自由端(例えば、第2の接続部分1223)は、第1の位置(例えば、
図19のL1に示す)を有し、コアモジュール11が弧状ヘッドビーム部材121から最も離れる(例えば、
図19の「繰り出し状態」に示す)場合、上記自由端は、第2の位置(例えば、
図19のL2に示す)を有する。第1の位置と第2の位置とを結ぶ線は、弧状ヘッドビーム部材121の両端を結ぶ線に平行な第1の基準方向において第1の投影成分(例えば、
図19のhに示す)を有し、弧状ヘッドビーム部材121の両端を結ぶ線に垂直な第2の基準方向において第2の投影成分(例えば、
図19のlに示す)を有し、第2の投影成分と第1の投影成分との比は、2以上である。さらに、アダプタ部材122の断面曲げ剛性と弧状ヘッドビーム部材121の断面曲げ剛性との比は、0.9以下であってもよい。換言すれば、アダプタ部材122を柔軟、平坦に設計すると、2つのコアモジュール11の間隔が同じであるときの繰り込み状態における押圧力が繰り出し状態における押圧力よりも大きいことを確保することができる。さらに、頭の幅が大きいほど、押圧力が大きくなるという事実を考慮して、さらに、2つのコアモジュール11の間隔が小さく、繰り込み状態にある(すなわち、「頭が小さい」のユーザがイヤホン10を装着している)ときの押圧力と、2つのコアモジュール11の間隔が大きく、繰り出し状態にある(すなわち、「頭が大きい」のユーザがイヤホン10を装着している)ときの押圧力とが同じ又は近いことを実現することができる。
【0530】
本願の発明者らは、長期にわたる研究から以下を発見した。同等の条件下で、イヤホン10が装着状態においてユーザの頭部と形成する接触点の数及びそれらの分布は、装着の安定に大きな影響を与える。例えば、頭が下がった状態において、イヤホン10の重力の影響を受けて、イヤホン10が落下するか又はコアモジュール11を回転軸としてユーザの頭部に対して回転するリスクがあるため、イヤホン10の装着信頼性に影響を与える。
【0531】
例示的には、例えば、
図13~
図17に示すように、装着状態において、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、コアモジュール11は、ユーザの頬と第2の接触点を形成することができる。ユーザが自分の頭部の大きさに応じてイヤホン10を装着した後、ヘッドビームアセンブリ12がコアモジュール11に提供する押圧力により、イヤホン10は、それぞれ第1の接触点と第2の接触点でユーザの頭部に指向する押圧力を印加することができる。これに基づいて、頭が下がった状態において、コアモジュール11は、ユーザの頬に接触するため、摩擦力により抵抗モーメントを発生させ、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂に接触するため、摩擦力により別の抵抗モーメントを発生させ、前述の2つの抵抗モーメントの合モーメントは、イヤホン10の重力のコアモジュール11に対する重力モーメント以上であってもよく、すなわち、頭が下がった状態において、イヤホン10の重力モーメントを克服することにより、イヤホン10が落下するか又はコアモジュール11を回転軸としてユーザの頭部に対して回転することを回避することに有利である。
【0532】
さらに、装着状態において、ヘッドビームアセンブリ12がユーザの頭頂と第1の接触点を形成し、コアモジュールがユーザの頬と第2の接触点を形成する以外に、ヘッドビームアセンブリ12は、さらにユーザの頭部と第3の接触点(例えば、
図49のCP3示す)を形成してもよく、第3の接触点は、人体の垂直軸が位置する方向において前述の第1の接触点と前述の第2の接触点との間に位置する。ユーザが自分の頭部の大きさに応じてイヤホン10を装着した後、ヘッドビームアセンブリ12がコアモジュール11に提供する押圧力により、イヤホン10は、それぞれ第1の接触点、第2の接触点及び第3の接触点でユーザの頭部に指向する押圧力を印加することができる。これに基づいて、頭が下がった状態において、コアモジュール11は、ユーザの頬に接触するため、摩擦力により抵抗モーメントを発生させ、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂に接触するため、摩擦力により別の抵抗モーメントを発生させ、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂以外の部分に接触するため、摩擦力によりさらなる抵抗モーメントを発生させ、前述の3つの抵抗モーメントの合モーメントは、上記2つの抵抗モーメントの合モーメントよりも大きくてもよく、それにより頭が下がった状態において、イヤホン10の重力モーメントを克服し、イヤホン10の装着信頼性を改善する。
【0533】
なお、
図12に示すように、ヘッドビームアセンブリ12の両端は、それぞれ1つのコアモジュール11に接続され、各コアモジュール11は、それぞれユーザの頬と第2の接触点を形成することができ、それに応じて、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭部の両側とそれぞれ第3の接触点を形成することもできる。換言すれば、イヤホン10は、実際にユーザの頭部と、1つの第1の接触点、2つの第2の接触点及び2つの第3の接触点を形成することができ、「5点型装着」と略称される。ユーザの頭部側の第3の接触点については、ヘッドビームアセンブリ12の長さが長いか又はユーザの頭部が人によって異なるため、第3の接触点の数は、複数であってもよい。さらに、ヘッドビームアセンブリ12がユーザの頭部と第3の接触点を形成する場合、ヘッドビームアセンブリ12は、コアモジュール11における押圧力の大きさが大きく変化しないことを維持するように、第1の接触点と第2の接触点との間に、少なくとも一部がユーザの頭部に接触せず、すなわち、全てがユーザの頭部に接触して対応する押圧力を形成することでない。
【0534】
図49に示すように、上記3点型装着及び5点型装着の受けた力の解析について例示的に説明する。
図49の(a)は、3点型装着の場合にユーザが頭を下げないときに人体の矢状軸が位置する方向にから見た力学モデルの概略図であり、
図49の(b)は、3点型装着の場合にユーザが頭を下げたときに人体の冠状軸が位置する方向から見た力学モデルの概略図であり、
図49の(c)は、5点型装着の場合にユーザが頭を下げないときに人体の矢状軸が位置する方向から見た力学モデルの概略図であり、
図49の(d)は、5点型装着の場合にユーザが頭を下げたときに人体の冠状軸が位置する方向から見た力学モデルの概略図である。
【0535】
上記3点型装着及び5点型装着の場合、以下を仮定する。ユーザの頭部の大きさが不変であり、イヤホン10の装着状態が不変であるため、第1の接触点の2つのコアモジュール11を結ぶ基準線に対する距離Hが不変であり、ヘッドビームアセンブリ12がユーザの頭頂に印加した押圧力F1が不変であり、イヤホン10の重量G及びその等価重心と前述の基準線との間の距離Lが不変であり、コアモジュール11のユーザの頬に接触する面積が不変であるため、コアモジュール11がユーザの頬に作用する時の等価モーメントアームrが不変であり、コアモジュール11とユーザの頬との間の摩擦係数μ1及びヘッドビームアセンブリ12とユーザの頭部との間の摩擦係数μ2は、不変である。上記5点型装着に対して、第3の接触点の前述の基準線に対する距離は、hであり、h<Hである。
【0536】
ヘッドビームアセンブリ12が2種の状況において提供した押圧力F2が不変であるとさらに仮定すると、上記3点型装着に対して、ヘッドビームアセンブリ12が提供した押圧力は、主に第2の接触点に作用することにより、コアモジュール11のユーザの頬に対する押圧力がF2であり、上記5点型装着に対して、ヘッドビームアセンブリ12が提供した押圧力が第2の接触点だけでなく、第3の接触点に作用することにより、コアモジュール11のユーザの頬に対する押圧力がF2よりも小さく、ヘッドビームアセンブリ12の第3の接触点でのユーザの頭部に対する押圧力がF3であると仮定すると、コアモジュール11のユーザの頬に対する押圧力は、(F2-F3)である。
【0537】
上記3点型装着については、頭が下がった状態において、例えば、ユーザの頭部が角度βだけ前向きに傾斜し、コアモジュール11は、ユーザの頬に接触するため、摩擦力により抵抗モーメントを発生させ、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂に接触するため、摩擦力により別の抵抗モーメントを発生させ、前述の2つの抵抗モーメントの合モーメントは、M1であってもよく、上記5点型装着に対して、頭が下がった状態において、例えば、ユーザの頭部が同様に、角度βだけ前向きに傾斜し、コアモジュール11は、ユーザの頬に接触するため、摩擦力により抵抗モーメントを発生させ、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂に接触するため、摩擦力により別の抵抗モーメントを発生させ、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭頂以外の部分(例えば、第3の接触点)に接触するため、摩擦力によりさらなる抵抗モーメントを発生させ、前述の3つの抵抗モーメントの合モーメントは、M2であり、上記2つの抵抗モーメントの合モーメントM1よりも大きくてもよい。合モーメントM1、合モーメントM2及び重力モーメントG・L・sinβの間は、以下の関係式を満たす。
【0538】
【0539】
式中、距離hが等価モーメントアームrよりもはるかに大きく、摩擦係数μ1、μ2の間の差が距離hと等価モーメントアームrの間の差よりも小さく、すなわち、h/r>μ1/μ2又はμ2・h-μ1・r>0であるため、M2-M1>0である。換言すれば、同等の条件において、3点型装着よりも5点型装着の方が、頭が下がった状態においてイヤホン10の装着状態を維持するのに有利である。
【0540】
本願の発明者らは、長期にわたる研究から以下を発見した。上記5点型装着については、ユーザが良好な装着安定性及び快適さを取得し、イヤホン10が良好な音質を示すように、第2の接触点での押圧力が0.2N~2Nであり、第3の接触点での押圧力が0.3N~2Nであってもよい。第2の接触点の押圧力が小さすぎると、コアモジュール11がユーザに伝達する機械的振動が少なくなりやすく、さらにイヤホン10のリスニング効果に影響を与え、第2の接触点の押圧力が大きすぎると、ユーザに装着不快感を与えやすい。さらに、第3の接触点の押圧力が小さすぎると、イヤホン10の装着信頼性の改善に不利であり、第3の接触点の押圧力が大きすぎると、第2の接触点での押圧力が不十分であることを引き起こしやすい。
【0541】
図50~
図52に示すように、ヘッドビームアセンブリ12は、弧状ヘッドビーム部材121に接続された補助部材125を含んでもよく、例えば、補助部材125は、後述する内側蓋体1214に接続されて、装着状態において、2つの補助部材125は、ユーザの頭部の両側とそれぞれ第3の接触点を形成する。補助部材125は、一端が弧状ヘッドビーム部材121に接続され、他端が弧状ヘッドビーム部材121に接続されず、すなわち、片持ちビーム構造を形成してもよく、補助部材125は、両端がそれぞれ弧状ヘッドビーム部材121に接続され、両端の間の中間部分が突起してもよい。説明の便宜上、本願は、各補助部材125が弧状ヘッドビーム部材121に対して片持ちに設置されることを例として例示的に説明する。当然のことながら、他のいくつかの実施形態において、第3の接触点は、弧状ヘッドビーム部材121がユーザの頭部に接触するときに形成されてもよく、例えば、第3の接触点を形成するように弧状ヘッドビーム部材121が部分的に突起し、すなわち、ヘッドビームアセンブリ12は、補助部材125を含まない。それに応じて、弧状ヘッドビーム部材121は、ユーザの頭頂と第1の接触点を形成することができる。
【0542】
上記詳細な説明に基づいて、頭が下がった状態において、第1の接触点での押圧力は、第2の接触点に対して第1の抵抗モーメントを形成し、第3の接触点での押圧力は、第2の接触点に対して第2の抵抗モーメントを形成し、第2の接触点での押圧力は、コアモジュール11のユーザの頬に接触する接触面に対して、ヘッドビームアセンブリ12が補助部材125を含む場合に第3の抵抗モーメントを形成し、第2の接触点での押圧力は、コアモジュール11のユーザの頬に接触する接触面に対して、ヘッドビームアセンブリ12が補助部材125を含まない場合に第4の抵抗モーメントを形成する。第1の抵抗モーメント、第2の抵抗モーメント及び第3の抵抗モーメントによって形成された合モーメントは、第1の抵抗モーメント及び第4の抵抗モーメントによって形成された合モーメントよりも大きい。要するに、ヘッドビームアセンブリ12には、別の抵抗モーメントを導入するように、補助部材125が設置され、頭が下がった状態において、イヤホン10の重力モーメントを克服することに有利であり、それによりイヤホン10の装着信頼性を改善する。
【0543】
さらに、補助部材125は、弾性を有するように構成され、イヤホン10が異なる大きさの頭部のユーザに装着される場合、補助部材125は、異なる程度の弾性変形が発生することにより、第2の接触点での押圧力の変化量が0.2N以下になる。このように、異なるユーザがイヤホン10を使用する場合、補助部材125がユーザの頭部に押圧力を印加して、イヤホン10の装着安定性、特に頭が下がった状態における安定性を改善することができ、コアモジュール11のユーザの頬に対する押圧力が大きく変化しないようにし、イヤホン10の音響表現力を維持することもできる。これに基づいて、ヘッドビームアセンブリ12がアダプタ部材122を有してヘッドビームアセンブリ12の弧長を調整して異なるユーザによりよく適合する場合、補助部材125は、同様に、上記第2の押圧力と上記第1の押圧力との差の絶対値が0~0.1Nであり、それによりコアモジュール11のユーザの頬に対する押圧力が大きく変化しないように構成される。前述の第1の押圧力と第2の押圧力は、それぞれ0.4N~0.8Nであってもよい。
【0544】
図50及び
図51に示すように、自然状態において、ヘッドビームアセンブリ12は、互いに直交する第1の基準平面及び第2の基準平面を有し、2つの補助部材125は、第1の基準平面(例えば、
図50及び
図51のRP1に示す)に対して対称に設置され、第2の基準平面(例えば、紙面が位置する平面)は、弧状ヘッドビーム部材121の最高点及び2つの端点を通過する。弧状ヘッドビーム部材121及び補助部材125を第2の基準平面に投影し、第2の基準平面内において、補助部材125の固定端と自由端とを結ぶ線は、弧状ヘッドビーム部材121の2つの端点を結ぶ線に平行な第1の基準方向において、第1の投影成分(例えば、
図50及び
図51のx1に示す)を有し、弧状ヘッドビーム部材121の2つの端点を結ぶ線に垂直な第2の基準方向において第2の投影成分(例えば、
図50及び
図51のy1に示す)を有する。これに基づいて、前述の第2の投影成分と第1の投影成分との比(例えば、y1/x1)は、1~5であってもよく、及び/又は、補助部材125の等価弾性係数は、100N/m~180N/mであってもよい。前述の比が小さすぎると、第3の接触点の押圧力が小さすぎることを引き起こしやすく、イヤホン10の装着信頼性の改善に不利であり、前述の比が大きすぎると、第3の接触点の押圧力が大きすぎることを引き起こしやすく、さらに第2の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、コアモジュール11が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こす。同様に、補助部材125の等価弾性係数が小さすぎると、第3の接触点の押圧力が小さすぎることを引き起こしやすく、イヤホン10の装着信頼性の改善に不利であり、補助部材125の等価弾性係数が大きすぎると、第3の接触点の押圧力が大きすぎることを引き起こしやすく、さらに第2の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、コアモジュール11が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こす。
【0545】
いくつかの実施形態において、自然状態において、弧状ヘッドビーム部材121を上記第2の基準平面に投影し、第2の基準平面内に直交座標系を確立し、前述の直交座標系は、弧状ヘッドビーム部材121の最高点を座標原点とし、前述の座標原点を通過し、かつ弧状ヘッドビーム部材121の2つの端点を結ぶ線に平行な直線をx軸とし、前述の座標原点を通過し、かつ前述のx軸に垂直な直線をy軸とし、弧状ヘッドビーム部材121のいずれかの端点から最高点までの曲線は、以下の関係式を満たし、
【0546】
【0547】
これに基づいて、補助部材125の厚さは、イヤホン10が頭部の大きいユーザに装着されるときに補助部材125が対応する押圧力を提供できるように、4mm以下であってもよく、補助部材125と弧状ヘッドビーム部材121との間のギャップは、イヤホン10が頭部の小さいユーザに装着されるときに補助部材125が対応する押圧力を提供できるように、10mm以上であってもよい。補助部材125の厚さが大きすぎると、イヤホン10が頭部の大きいユーザに装着されるときに、補助部材125が直接に弧状ヘッドビーム部材121に当接しやすく、第2の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、コアモジュール11が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こすし、補助部材125と弧状ヘッドビーム部材121との間のギャップが小さすぎると、イヤホン10が頭部の小さいユーザに装着されるときに、補助部材125がユーザの頭部に当接しにくくなり、第3の接触点での押圧力が小さすぎることを引き起こす。
【0548】
いくつかの実施形態において、各補助部材125は、それぞれ弧状ヘッドビーム部材121の端部に固定されてもよく、弧状ヘッドビーム部材121のいずれかの端点と最高点とを結ぶ線は、2つの端点を結ぶ線に平行な第1の基準方向において、第3の投影成分(例えば、
図50及び
図51のx2に示す)を有し、弧状ヘッドビーム部材121の2つの端点を結ぶ線に垂直な第2の基準方向において第4の投影成分(例えば、
図50及び
図51のy2に示す)を有する。これに基づいて、上記第2の投影成分と前述の第4の投影成分との比(例えば、y1/y2)は、0.1~0.5であってもよい。前述の比が小さすぎると、第3の接触点の押圧力が小さすぎることを引き起こしやすく、イヤホン10の装着信頼性の改善に不利であり、前述の比が大きすぎると、第2の接触点の押圧力が不十分であり、例えば、コアモジュール11及び弧状ヘッドビーム部材121が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こしやすく、同様に、イヤホン10の装着信頼性を改善することに不利である。
【0549】
補助部材125が弧状ヘッドビーム部材121の端部に固定される必要がないなどのいくつかの実施形態において、補助部材125の弧状ヘッドビーム部材121に接続された固定端から補助部材125に隣接するコアモジュール11までの距離の、弧状ヘッドビーム部材121の2つの端点を結ぶ線に垂直な第2の基準方向への投影成分は、40mm~120mmであってもよい。前述の距離が小さすぎると、第2の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、コアモジュール11が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こしやすく、前述の距離が大きすぎると、第1の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、弧状ヘッドビーム部材121が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こしやすい。
【0550】
例示的には、
図50に示すように、補助部材125は、弧状ヘッドビーム部材121の中間領域に向かって延伸してもよい。第2の基準平面内において、補助部材125の弧状ヘッドビーム部材121に接続された固定端は、弧状ヘッドビーム部材121の2つの端点を結ぶ線に垂直な基準方向において、弧状ヘッドビーム部材121の最高点との間に第1の距離(例えば、
図50のy3に示す)を有し、コアモジュール11のヘッドビームアセンブリ12に接続された位置は、前述の基準方向において前述の最高点との間に第2の距離(例えば、
図50のy4に示す)を有する。これに基づいて、前述の第1の距離と第2の距離との比(例えば、y3/y4)は、1/3~1/2であってもよい。前述の比が小さすぎると、第1の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、弧状ヘッドビーム部材121が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こしやすく、前述の比が大きすぎると、第2の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、コアモジュール11が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こしやすい。
【0551】
例示的には、
図51に示すように、補助部材125は、弧状ヘッドビーム部材121の端部に向かって延伸してもよい。第2の基準平面内において、補助部材125の弧状ヘッドビーム部材121に接続された固定端は、弧状ヘッドビーム部材121の2つの端点を結ぶ線に垂直な基準方向において、弧状ヘッドビーム部材121の最高点との間に第3の距離(例えば、
図51のy3に示す)を有し、コアモジュール11のヘッドビームアセンブリ12に接続された位置は、前述の基準方向において前述の最高点との間に第4の距離(例えば、
図51のy4に示す)を有する。これに基づいて、前述の第3の距離と第4の距離との比(例えば、y3/y4)は、1/5~1/3であってもよい。前述の比が小さすぎると、第1の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、弧状ヘッドビーム部材121が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こしやすく、前述の比が大きすぎると、第2の接触点での押圧力が不十分であり、例えば、コアモジュール11が補助部材125によって持ち上げられることを引き起こしやすい。
【0552】
例示的には、
図52に示すように、補助部材125は、固定部1251、固定部1251に接続された第1の延伸部1252及び第1の延伸部1252に接続された第2の延伸部1253を含んでもよく、固定部1251は、弧状ヘッドビーム部材121に接続されてもよい。第1の延伸部1252及び第2の延伸部1253は、装着状態において、弧状ヘッドビーム部材121のユーザの頭部に向かう側に位置し、自然状態において、補助部材125がユーザの頭部と第3の接触点を形成するように、弧状ヘッドビーム部材121と間隔をあけて設置される。これに基づいて、第2の延伸部1253の幅は、第1の延伸部1252の幅よりも大きくてもよく、第2の延伸部1253は、装着状態において、ユーザの頭部と第3の接触点を形成する。換言すれば、補助部材125は、概してT字形構造に設置され、比較的細長い第1の延伸部1252は、補助部材125の変形に有利であり、比較的短く広い第2の延伸部1253は、補助部材125がユーザの頭部によりよく接触することに有利である。例えば、装着状態において、人体の垂直軸が位置する方向から見て、2つの補助部材125の第2の延伸部1253は、ユーザの頭部の後側に向かって互いに近接することにより、ユーザの頭部の後側に頭部を引っ掛けることができ、イヤホン10の装着信頼性、特に頭が下がった状態における装着信頼性を改善することに有利である。
【0553】
さらに、自然状態において、ヘッドビームアセンブリ12は、互いに直交する第1の基準平面及び第2の基準平面を有し、2つの補助部材125は、第1の基準平面に対して対称に設置され、第2の基準平面は、弧状ヘッドビーム部材121の最高点及び2つの端点を通過する。装着状態において、前述の第1の基準平面は、人体の矢状面と平行であり、前述の第2の基準平面は、人体の冠状面と平行であってもよい。これに基づいて、各補助部材125の第2の延伸部1253の平均法線と前述の第2の基準平面との間の夾角は、5度~10度であってもよい。第2の延伸部1253は、ユーザの頭部によりよく密着する倣い構造、例えば、弧面構造に設置される可能性があることを考慮して、その法線をさらに平均法線と定義する。前述の平均法線の計算式は、以下のとおりである。
【0554】
【0555】
式中、
【数13】
は、上記平均法線であり、
【数14】
は、表面上のいずれかの点の法線であり、dsは、ビンである。
【0556】
さらに、第2の延伸部1253のユーザの頭部に接触する面積は、2cm2~8cm2であってもよい。前述の面積が小さすぎると、装着感が悪くなりやすく、前述の面積が大きすぎると、イヤホン10全体としての見栄えが悪くなりやすい。これに加えて、前述の面積が小さすぎると、補助部材125が十分な抵抗モーメントを発生させることにも不利である。
【0557】
さらに、第2の延伸部1253の摩擦係数は、補助部材125が主に第2の延伸部1253によって対応する抵抗モーメントを形成するように、第1の延伸部1252の摩擦係数よりも大きくてもよい。
【0558】
さらに、補助部材125と弧状ヘッドビーム部材121とは、補助部材125を交換するか又はユーザが実際のニーズに応じて補助部材125を使用するか否かを選択するように、取り外し可能に接続されてもよい。
【0559】
上記の詳細な説明に基づいて、ヘッドビームアセンブリ12の長さが長いか又はユーザの頭部が人によって異なるため、ヘッドビームアセンブリ12は、装着状態において、ユーザの頭頂と接触点を形成し、対応する押圧力を発生させることがない可能性がある。これに基づいて、装着状態において、コアモジュール11は、ユーザの頬と第1の接触点を形成し、ユーザの頭部に第1の押圧力を印加することができ、ヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭部と第2の接触点を形成し、ユーザの頭部に第2の押圧力を印加することができる。前述の第2の接触点は、人体の垂直軸が位置する方向において、前述の第1の接触点よりもユーザの頭頂に近接する。換言すれば、イヤホン10は、ユーザの頭部と、実際に、2つの第1の接触点及び2つの第2の接触点を形成することができ、「4点型装着」と略称される。ユーザの頭部側の第2の接触点については、ヘッドビームアセンブリ12の長さが長いか又はユーザの頭部が人によって異なるため、第2の接触点の数は、複数であってもよい。さらに、ヘッドビームアセンブリ12がユーザの頭部と第2の接触点を形成する場合、ヘッドビームアセンブリ12は、コアモジュール11における押圧力の大きさが大きく変化しないことを維持するように、第2の接触点とユーザの頭頂との間に、少なくとも一部がユーザの頭部に接触せず、すなわち、全てがユーザの頭部に接触して対応する押圧力を形成することでない。
【0560】
同様に、前述の4点型装着については、頭が下がった状態において、第2の押圧力は、第1の接触点に対して第1の抵抗モーメントを形成し、第1の接触点での押圧力は、コアモジュール11のユーザの頬に接触する接触面に対して、ヘッドビームアセンブリ12が補助部材125を含む場合に第2の抵抗モーメントを形成し、第1の接触点での押圧力は、コアモジュール11のユーザの頬に接触する接触面に対して、ヘッドビームアセンブリ12が補助部材125を含まない場合に第3の抵抗モーメントを形成する。第1の抵抗モーメント及び第2の抵抗モーメントによって形成された合モーメントは、第3の抵抗モーメントよりも大きい。要するに、ヘッドビームアセンブリ12には、別の抵抗モーメントを導入するように、補助部材125が設置され、頭が下がった状態において、イヤホン10の重力モーメントを克服することに有利であり、それによりイヤホン10の装着信頼性を改善する。
【0561】
同様に、前述の4点型装着については、ユーザが良好な装着安定性及び快適さを取得し、イヤホン10が良好な音質を示すように、第1の接触点での押圧力が0.2N~2Nであり、第2の接触点での押圧力が0.3N~2Nであってもよい。
【0562】
同様に、前述の4点型装着については、装着状態において、弧状ヘッドビーム部材121に接続された2つの補助部材125とユーザの頭部の両側とは、それぞれ第2の接触点を形成し、補助部材125は、弾性を有するように構成され、イヤホン10が異なる大きさの頭部のユーザに装着される場合、補助部材125は、異なる程度の弾性変形が発生することにより、前述の第1の押圧力の変化量が0.2N以下になる。このように、異なるユーザがイヤホン10を使用する場合、補助部材125がユーザの頭部に押圧力を印加して、イヤホン10の装着安定性、特に頭が下がった状態における安定性を改善することができ、コアモジュール11のユーザの頬に対する押圧力が大きく変化しないようにし、イヤホン10の音響表現力を維持することもできる。
【0563】
図53及び
図54に示すように、弧状ヘッドビーム部材121は、内側チャンバ形成体1211と、内側チャンバ形成体1211に接続された外側蓋体1212とを含んでもよく、内側チャンバ形成体1211は、ユーザの頭部に接触し、例えば、上記第1の接触点及び第3の接触点のうちの少なくとも1つを形成する。内側チャンバ形成体1211は、一定の深さを有する溝状構造であり、外側蓋体1212は、一定の厚さを有する長尺構造であってもよく、両者は、イヤホン10の左右両側の電子部品が対応する導線1271を介して電気的に接続されるように、協働して配線通路を形成してもよい。さらに、外側蓋体1212の構造強度は、ヘッドビームアセンブリ12がコアモジュール11に必要な押圧力を提供するように、内側チャンバ形成体1211よりも大きくてもよく、内側チャンバ形成体1211の材質は、ヘッドビームアセンブリ12がユーザの頭部によりよく密着し、装着安定性を向上させるように、外側蓋体1212よりも柔軟であってもよい。内側チャンバ形成体1211と外側蓋体1212とは、構造強度、材質などの方面に一定の差異があるため、組み立てやすいために、弧状ヘッドビーム部材121は、内側チャンバ形成体1211に接続された補強体1213を含んでもよく、内側チャンバ形成体1211は、補強体1213を介して外側蓋体1212に接続される。例示的には、補強体1213の材質は、外側蓋体1212と同じであるか又は類似であってもよく、補強体1213と内側チャンバ形成体1211とは、射出成形プロセスによって一体的に成形されてもよく、補強体1213と外側蓋体1212とは、係止方式によって取り外し可能に接続されてもよい。
【0564】
図55、
図53及び
図52に示すように、弧状ヘッドビーム部材121は、内側蓋体1214を含んでもよく、内側蓋体1214と内側チャンバ形成体1211は、それぞれ外側蓋体1212の同一側に接続される。内側チャンバ形成体1211の端部が内側蓋体1214と外側蓋体1212との間に挿入され、ユーザがイヤホン10を装着する場合にヘッドビームアセンブリ12の両端がユーザの頭部によって押し広げられることに相当する、ヘッドビームアセンブリ12の両端が互いに離れた方向に沿って徐々に引き離される過程において、内側チャンバ形成体1211が内側蓋体1214と外側蓋体1212との間から部分的に退出することができる。このように、関連技術における内側チャンバ形成体1211の端部が内側蓋体1214(及び外側蓋体1212)に固定接続されることに比べて、本実施例における内側チャンバ形成体1211と内側蓋体1214とは相対移動可能に構成され、ヘッドビームアセンブリ12が押し広げられる過程における内側チャンバ形成体1211の応力、特に内側チャンバ形成体1211の端部の応力を解放することに有利であり、それにより変形が大きすぎるため、内側チャンバ形成体1211が引き裂かれることを回避する。
図56の(a)に示すように、ヘッドビームアセンブリ12の両端が互いに離れた方向に沿って引き離される前に、内側チャンバ形成体1211の端部は、内側蓋体1214と外側蓋体1212との間に挿入され、
図56の(b)に示すように、ヘッドビームアセンブリ12の両端が互いに離れた方向に沿って一定の距離だけ引き離された後、内側チャンバ形成体1211の端部は、内側蓋体1214と外側蓋体1212との間から部分的に退出する。
【0565】
いくつかの実施形態において、内側蓋体1214及び外側蓋体1212は、2つの独立した構造部材であってもよい。この場合、内側チャンバ形成体1211の端部には、貫通孔12111が設置され、内側蓋体1214の外側蓋体1212に向かう側には、貫通孔12111に挿入されたポスト12141が設置されてもよく、ポスト12141の径方向寸法は、貫通孔12111の径方向寸法よりも小さく、それによりヘッドビームアセンブリ12の両端が互いに離れた方向に沿って徐々に引き離される過程において、内側チャンバ形成体1211は、内側蓋体1214と外側蓋体1212との間から部分的に退出するだけでなく、ポスト12141により止められて、内側チャンバ形成体1211の端部が内側蓋体1214と外側蓋体1212との間から完全に退出することを回避し、すなわち、内側チャンバ形成体1211は、ヘッドビームアセンブリ12が復元する過程において内側蓋体1214と外側蓋体1212との間によりよく挿入されるように、常に部分的に内側蓋体1214と外側蓋体1212との間に位置する。貫通孔12111は、内側チャンバ形成体1211に内側蓋体1214に対して移動するストローク空間を提供するように、長さ方向が弧状ヘッドビーム部材121の延伸方向に沿って設置された長円状の孔であってもよい。さらに、貫通孔12111とポスト12141の数は、いずれも2つであってもよく、2つの貫通孔12111は、ヘッドビームアセンブリ12の延伸方向に垂直な方向に間隔をあけて設置され、2つのポスト12141は、それぞれ1つの貫通孔12111内に挿入されてもよい。
【0566】
いくつかの実施形態において、内側蓋体1214と外側蓋体1212とは、一体的に成形された構造部材であってもよい。この場合、内側チャンバ形成体1211の端部は、内側蓋体1214と外側蓋体1212との間に挿入されればよい。内側チャンバ形成体1211の挿入深さは、内側チャンバ形成体1211のヘッドビームアセンブリ12が押し広げられる過程における最大退出距離よりも大きくてもよく、すなわち、内側チャンバ形成体1211は、ヘッドビームアセンブリ12が復元する過程において内側チャンバ形成体1211が内側蓋体1214と外側蓋体1212との間によりよく挿入されるように、常に部分的に内側蓋体1214と外側蓋体1212との間に位置してもよい。
【0567】
さらに、ヘッドビームアセンブリ12がアダプタ部材122を含み、アダプタ部材122が外力により弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みすることができる実施形態において、内側蓋体1214の構造強度は、内側蓋体1214が外側蓋体1212とともにアダプタ部材122を挟持するように、内側チャンバ形成体1211よりも大きくてもよい。この場合、内側蓋体1214と外側蓋体1212は、アダプタ部材122を組み立てるように、2つの独立した構造部材であってもよい。ヘッドビームアセンブリ12がアダプタ部材122を含まず、又はヘッドビームアセンブリ12がアダプタ部材122を含むがアダプタ部材122が外力により弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みすることができない実施形態において、内側蓋体1214の構造強度は、内側蓋体1214と外側蓋体1212とが内側チャンバ形成体1211の端部を収容する空間を形成するように、内側チャンバ形成体1211よりも大きくてもよい。この場合、内側蓋体1214及び外側蓋体1212は、一体的に成形された構造部材であってもよく、又は内側蓋体1214、外側蓋体1212及びアダプタ部材122は、一体的に成形された構造部材であってもよい。
【0568】
いくつかの実施形態において、弧状ヘッドビーム部材121は、中間部分と、中間部分の両端にそれぞれ接続された最終部分とに分けられてもよく、最終部分の弧長は、中間部分の弧長よりも小さい。ヘッドビームアセンブリ12の両端が互いに離れた方向に沿って徐々に引き離される過程において、2つの最終部分は、中間部分に対して互いに離れた方向に沿って偏向し、中間部分の最終部分に近接する端部の応力を解放することに有利である。例示的には、前述の中間部分は、内側チャンバ形成体1211を含み、前述の最終部分は、内側蓋体1214を含み、両者は、回転軸により枢着されてもよい。内側チャンバ形成体1211及び内側蓋体1214の同一側には、支持の作用を果たすように外側蓋体1212が設置される。
図56の(a)に示すように、ヘッドビームアセンブリ12の両端が互いに離れた方向に沿って引き離される前に、内側チャンバ形成体1211の端部は、内側蓋体1214と外側蓋体1212との間に挿入され、内側チャンバ形成体1211と内側蓋体1214とは、基本的に滑らかな曲線を構成し、両者の間の夾角は、約0°であり、
図56の(b)に示すように、ヘッドビームアセンブリ12の両端が互いに離れた方向に沿って一定の距離だけ引き離された後、内側チャンバ形成体1211と内側蓋体1214との間の夾角は、0°よりも大きく、内側チャンバ形成体1211の端部が内側蓋体1214と外側蓋体1212との間から部分的に退出することに相当する。
【0569】
上記関連説明に基づいて、ヘッドビームアセンブリ12が弧状ヘッドビーム部材121及びアダプタ部材122を含む実施形態において、アダプタ部材122は、ヘッドビームアセンブリ12の弧長を調整するように、外力により弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みすることができる。これに基づいて、
図55に示すように、ヘッドビームアセンブリ12は、ダンパー126を含んでもよく、ダンパー126は、ユーザがヘッドビームアセンブリ12の弧長を調整する過程においてダンパ感を提供し、ユーザがヘッドビームアセンブリ12の弧長を所望の弧長に調整した後、アダプタ部材122と弧状ヘッドビーム部材121との相対位置を維持し、すなわち、ヘッドビームアセンブリ12の弧長を維持する。
【0570】
例示的には、
図55に示すように、外側蓋体1212には、アダプタ部材122をガイドして外側蓋体1212に対して移動させる第1のガイド溝12121が設置されてもよく、それによりアダプタ部材122が第1のガイド溝12121にガイドされて弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みする。さらに、ダンパー126は、アダプタ部材122の内側蓋体1214に向かう側に設置され、第1のガイド溝12121から突出してもよく、ダンパー126は、さらに内側蓋体1214に当接して、アダプタ部材122が弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みする過程において抵抗力を提供し、簡単で確実である。
【0571】
アダプタ部材122の内側チャンバ形成体1211に近接する一端には、収容溝が設置されてもよく、例えば、収容溝は、第1の接続部分1221の第2の接続部分1223から離れた端部に形成され、ダンパー126は、内側蓋体1214に当接し、さらに対応する抵抗力を提供するように、アダプタ部材122の収容溝内に設置され、アダプタ部材122から部分的に突出してもよい。これにより、ダンパー126とアダプタ部材122との間の相対位置を維持することに有利である。
【0572】
アダプタ部材122の内側チャンバ形成体1211に近接する一端には、スライダ1227が設置され、例えば、スライダ1227は、第1の接続部分1221の第2の接続部分1223から離れた一端に設置されてもよく、上記収容溝は、スライダ1227に設置されてもよい。アダプタ部材122の繰り出し繰り込み方向に垂直な方向において、スライダ1227の幅は、第1の接続部分1221の幅よりも大きくてもよく、それに応じて、外側蓋体1212における第1のガイド溝12121の内側チャンバ形成体1211から離れた一端には、スライダ1227を止めるストッパ12122が設置されて、アダプタ部材122が「抜き過ぎ」によって弧状ヘッドビーム部材121から外れることを回避する。
【0573】
内側蓋体1214には、アダプタ部材122が弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みする過程においてダンパー126をガイドする第2のガイド溝12142が設置され、第2のガイド溝12142は、第1のガイド溝12121とともにアダプタ部材122をガイドし、それをより確実にする。それに応じて、ダンパー126は、第2のガイド溝12142の底部に当接してもよい。
【0574】
本願の関連説明に基づいて、ヘッドビームアセンブリ12の両端は、それぞれコアモジュール11に接続されてもよく、イヤホン10の左右両側には、それぞれ電池14、マザーボード15、スティックマイクアセンブリ16及び機能アセンブリ17などの電子部品が設置されてもよく、それらは、対応する導線、フレキシブル基板などによって電気的に接続される必要があり、例えば、少なくとも電池14及びマザーボード15を電気的に接続する導線1271は、露出しないように、ヘッドビームアセンブリ12内に穿設される。さらに、ヘッドビームアセンブリ12は、弧状ヘッドビーム部材121及びアダプタ部材122を含んでもよく、アダプタ部材122は、弧状ヘッドビーム部材121と、対応するコアモジュール11とを接続し、アダプタ部材122は、ヘッドビームアセンブリ12の弧長を調整するように、弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みすることができるように構成されて、異なる大きさの頭部のユーザがイヤホン10を装着しやすい。そのため、ヘッドビームアセンブリ12内に穿設された導線1271には、一定の余裕を持たせる必要があり、例えば、導線1271の少なくとも一部は、ヘッドビームアセンブリ12の繰り出しに伴って展開するように、ヘッドビームアセンブリ12内に折り畳まれ、さらに、ユーザがヘッドビームアセンブリ12の弧長を長くするときに導線が引きちぎられることを回避する。これに加えて、ユーザがヘッドビームアセンブリ12の弧長を短くするとき、導線1271は、次回にヘッドビームアセンブリ12の繰り出しに伴って再び展開するように、可能な限り元の形態に復帰すべきであり、例えば、折り畳まれる。
【0575】
例示的には、
図57及び
図53に示すように、接続線アセンブリ127は、導電用の導線1271と、導線1271に接続された補助線1272と、を含んでもよく、導線1271は、外力に引っ張られて変形すると、補助線1272をそれに伴って弾性変形させ、補助線1272は、外力が解放された後、導線1271を変形前の形態に復帰させる弾性復帰力を提供する。このように、導線1271と協働する補助線1272を設置することにより、導線1271及び補助線1272が伸長した後、補助線1272は、補助的に導線1271を伸長前の形態に復帰させて、導線1271を再び伸長させることができる。これに基づいて、接続線アセンブリ127は、ヘッドビームアセンブリ12内に設置されてもよく、例えば、導線1271及び補助線1272は、内側チャンバ形成体1211と外側蓋体1212との間に位置し、導線1271は、弧状ヘッドビーム部材121に沿って延伸し、アダプタ部材122の繰り出しに伴って伸長するか又はアダプタ部材122の繰り込みに伴って復元するように、さらにアダプタ部材122内に穿設され、コアモジュール11、電池14及びマザーボード15などの電子部品は、導線1271を介して電気的に接続されてもよい。この場合、ユーザがヘッドビームアセンブリ12の弧長を長くするとき、接続線アセンブリ127は、導線1271が補助線1272とともに変形するように、アダプタ部材122の繰り出しに伴って伸長し、ユーザがヘッドビームアセンブリ12の弧長を短くするとき、接続線アセンブリ127は、補助線1272が導線1271とともに初期の形態に復帰するように、アダプタ部材122の繰り込みに伴って復元する。
【0576】
いくつかの実施形態において、導線1271は、伸縮部分12711と、伸縮部分12711の両端に位置する自然部分12712とに分けられ、伸縮部分12711の弾性係数は、自然部分12712の弾性係数と補助線1272の弾性係数との間にあり、例えば、伸縮部分12711は、導線1271が少なくとも一部の補助線1272を中心として螺旋状に延伸する部分であり、また例えば、伸縮部分12711は、導線1271が少なくとも一部の補助線1272に沿って折り畳み状に延伸する部分である。このように、導線1271は、伸縮部分12711において一定の弾性を有し、ヘッドビームアセンブリ12の繰り出しに伴って伸長する余裕を有する。これに基づいて、自然状態において、すなわち、導線1271に外力が印加されていないか又は伸縮部分12711が変形していない場合、伸縮部分12711の長さと導線1271の長さとの比は、0.1~0.5であってもよい。前述の比が小さすぎると、導線1271がヘッドビームアセンブリ12の繰り出しに伴って伸長する余裕が小さくなることを引き起こしやすく、前述の比が大きすぎると、導線1271が完全に引き延ばされた後の長さが大きすぎることを引き起こしやすく、接続線アセンブリ127のコストの低減に不利である。
【0577】
いくつかの実施形態において、導線1271は、伸縮部分12711と、伸縮部分12711の両端に位置する自然部分12712とに分けられてもよく、伸縮部分12711の長さは、補助線1272の長さよりも大きく、それにより導線1271は、同様に、ヘッドビームアセンブリ12の繰り出しに伴って伸長する余裕を有する。この場合、伸縮部分12711は、螺旋状に設置されていなくてもよく、折り畳み状に設置されていなくてもよい。
【0578】
例示的には、
図57に示すように、補助線1272は、弾性本体12721と、弾性本体12721の両端に位置するカラー12722とを含んでもよく、各カラー12722は、それぞれ対応する自然部分12712に外嵌され、伸縮部分12711の復元方向において自然部分12712における位置制限構造12713により止められ、これにより、補助線1272が導線1271を持って初期の形態に復帰することができる。伸縮部分12711が、導線1271が少なくとも一部の補助線1272を中心として螺旋状に延伸する部分である実施形態において、弾性本体12721は、螺旋状に延伸する伸縮部分12711内に穿設してもよい。さらに、位置制限構造12713は、導線1271の絶縁層に一体的に接続された突起、又は自然部分12712を結んで形成されたこぶであってもよい。
【0579】
なお、伸縮部分12711が導線1271の螺旋状に延伸する部分であり、すなわち、伸縮部分12711がバネと同様の螺旋状構造を呈している実施形態において、伸縮部分12711の弾性係数は、導線1271がヘッドビームアセンブリ12の繰り出しに伴って伸長した後、それを元の形態に復帰させることができれば、補助線1272を設置しなくてもよい。換言すれば、ヘッドビームアセンブリ12は、弧状ヘッドビーム部材121、アダプタ部材122及び導線1271を含んでもよく、弧状ヘッドビーム部材121は、ユーザの頭頂を迂回し、アダプタ部材122は、弧状ヘッドビーム部材121に接続され、外力により弧状ヘッドビーム部材121に対して繰り出し繰り込みすることができ、導線1271は、ヘッドビームアセンブリ12内に設置され、一部が螺旋状構造に設置され、端部がアダプタ部材122に接続されて、アダプタ部材122の繰り出しに伴って伸長し、導線1271の螺旋状構造は、導線1271がアダプタ部材122の繰り込みに伴って復元することを許容する。
【0580】
上記関連説明に基づいて、接続線アセンブリ127がヘッドビームアセンブリ12に適用される場合、自然部分12712は、導線1271がアダプタ部材122の繰り出しに伴って伸長するか又はアダプタ部材122の繰り込みに伴って復元することを許容するように、アダプタ部材122に接続されてもよい。さらに、弧状ヘッドビーム部材121の両端は、それぞれアダプタ部材122に接続されてもよいため、接続線アセンブリ127は、2つに分割されてもよく、例えば、伸縮部分12711の中間領域は、弧状ヘッドビーム部材121に固定されて、ユーザがアダプタ部材122をそれぞれ繰り出し繰り込みさせるとき、伸縮部分12711の2つの部分は、互いに影響を受けない。
【0581】
例示的には、
図53、
図57及び
図54に示すように、導線1271は、位置固定部分12714と、位置固定部分12714の両端に位置する自然部分12712とに分けられてもよく、位置固定部分12714は、弧状ヘッドビーム部材121に固定され、自然部分12712は、アダプタ部材122に接続され、導線1271は、アダプタ部材122の繰り出しに伴って伸長するか又はアダプタ部材122の繰り込みに伴って復元するように構成される。このように、ユーザが弧状ヘッドビーム部材121の両端のアダプタ部材122をそれぞれ繰り出し繰り込みさせる際に、位置固定部分12714の両側の導線1271が互いに影響を受けない。
【0582】
さらに、ヘッドビームアセンブリ12は、弧状ヘッドビーム部材121に係止された押当部材128を含んでもよく、押当部材128は、位置固定部分12714を弧状ヘッドビーム部材121に押し当てる。押当部材128は、押当部1281と、押当部1281の両端に位置する係止部1282と、を含んでもよく、各係止部1282は、それぞれ押当部1281に対して折り曲げられ、2つの係止部1282の押当部1281に向かう側は、同方向に延伸し、外力により互いに近接することができ、押当部1281は、位置固定部分12714を押し当て、係止部1282は、弧状ヘッドビーム部材121と係止される。例えば、押当部材128の押当部1281は、導線1271の位置固定部分12714を弧状ヘッドビーム部材121の外側蓋体1212に押し当て、押当部材128の係止部1282は、外側蓋体1212に係止される。当然のことながら、他のいくつかの実施形態において、導線1271の位置固定部分12714は、接着剤によって弧状ヘッドビーム部材121の外側蓋体1212に直接的に接着されてもよい。
【0583】
さらに、導線1271は、位置固定部分12714と自然部分12712との間に、螺旋状又は折り畳み状に延伸する伸縮部分12711が設置されてもよく、又は導線1271は、位置固定部分12714と自然部分12712との間に、螺旋状又は折り畳み状に延伸する伸縮部分12711が設置されていないが、導線1271の位置固定部分12714と自然部分12712との間の長さは、アダプタ部材122の繰り出し繰り込み量以上である。導線1271は、位置固定部分12714と自然部分12712との間に位置する伸縮部分12711にさらに分けられる場合、伸縮部分12711の弾性係数は、位置固定部分12714及び自然部分12712のいずれか一方の弾性係数よりも大きい。同様に、導線1271は、補助線1272により変形することができ、すなわち、補助線1272は、導線1271が引っ張られた時に弾性復帰力を提供する。
【0584】
図20及び
図21に示すように、イヤホン10は、コアモジュール11及びヘッドビームアセンブリ12を接続するアダプタハウジング13をさらに含んでもよい。コアハウジング111は、アダプタハウジング13に対して第1の軸線(例えば、
図20の破線A1に示す)を中心として回転することができ、アダプタハウジング13は、ヘッドビームアセンブリ12に対して第2の軸線(例えば、
図20の破線A2に示す)を中心として回転することができ、コアモジュール11のヘッドビームアセンブリ12に対する3次元空間における自由度を増加させる。このように、コアモジュール11及びヘッドビームアセンブリ12は、ユーザの頭部の輪郭によりよく適応し、さらにイヤホン10の装着安定性及び快適さを向上させることができ、コアモジュール11もユーザの皮膚によりよく密着することができる。例示的には、コアハウジング111がアダプタハウジング13に対して回転する第1の軸線と、アダプタハウジング13がヘッドビームアセンブリ12に対して回転する第2の軸線とは、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な基準平面において交差する。第1の軸線と第2の軸線とは、互いに直交していてもよい。例えば、装着状態において、第1の軸線は、人体の矢状軸と平行であり、及び/又は第2の軸線は、人体の垂直軸と平行である。第1の軸線と第2の軸線とは、3次元空間において面一であってもよく、面一でなくてもよい。
【0585】
例示的には、アダプタハウジング13は、アダプタ部材122の弧状ヘッドビーム部材121から離れた一端(例えば、第2の接続部分1223)に回転可能に接続されてもよい。それに応じて、第2の接続部分1223は、第2の軸線が位置する方向に沿って延伸してもよい。
【0586】
図20及び
図27に示すように、アダプタハウジング13には、回転軸キャビティ131が設置され、アダプタ部材122は、回転軸キャビティ131の軸方向(例えば、第2の軸線が位置する方向)に沿って回転軸キャビティ131に挿入される。さらに、ヘッドビームアセンブリ12は、ロック部材123をさらに含んでもよく、ロック部材123は、アダプタ部材122が回転軸キャビティ131内に保持されるように、回転軸キャビティ131の軸方向に沿ってアダプタ部材122を位置制限する。例えば、
図20、
図22及び
図27に示すように、アダプタ部材122の自由端(例えば、第2の接続部分1223)には、係止溝1225が設置され、アダプタ部材122が回転軸キャビティ131の一端から回転軸キャビティ131に挿入された後、係止溝1225は、回転軸キャビティ131の他端から露出し、ロック部材123は、係止溝1225内に係止され、アダプタ部材122が回転軸キャビティ131に挿入される挿着方向と逆方向にロックするように、径方向寸法が回転軸キャビティ131の径方向寸法よりも大きい。さらに、アダプタ部材122(例えば、第2の接続部分1223)の外周壁には、位置制限溝1226が形成され、回転軸キャビティ131の内周壁には、位置制限ブロック132が設置され、位置制限ブロック132は、アダプタ部材122の回転軸キャビティ131に対する回転角度を制限するように、位置制限溝1226内に嵌め込まれる。アダプタハウジング13がヘッドビームアセンブリ12に対して回転する回転角度は、5°~15°であってもよく、これにより、イヤホン10がユーザの頭部の輪郭に適応しやすく、ユーザが装着しやすい。
【0587】
図23及び
図24に示すように、イヤホン10は、コアモジュール11(具体的には、エネルギー変換装置112であってもよい)に結合された電池14及びマザーボード15をさらに含んでもよく、電池14は、マザーボード15に給電するように構成され、マザーボード15は、エネルギー変換装置112が電気信号を機械的振動に変換することを制御するように構成される。電池14の容量は、イヤホン10のバッテリー持続時間を向上させるように、200mAh以上であってもよい。さらに、アダプタハウジング13は、電池14又はマザーボード15を設置してもよく、例えば、電池14とマザーボード15は、それぞれイヤホン10の左側と右側のアダプタハウジング13内に位置する。換言すれば、電池14は、2つのコアモジュール11のうちの一方に接続され、マザーボード15は、2つのコアモジュール11のうちの他方に接続される。このように、コアモジュール11の総重量を軽減してイヤホン10の音質を改善するとともに、イヤホン10の左右両側の総重量を分担してイヤホン10の装着安定性及び快適さを改善することができる。
【0588】
例示的には、アダプタハウジング13は、アダプタ部材122に接続された中板133と、中板133を囲む筒状側壁134と、筒状側壁134に係合されたケース135と、を含んでもよく、それによりケース135が中板133に接続され、三者が収容空間を囲んで形成されてもよい。換言すれば、アダプタハウジング13は、電子部品を収容する収容空間を形成することができ、該電子部品は、電池14又はマザーボード15であってもよく、スイッチアセンブリ162及び/又は機能アセンブリ17であってもよく、さらにLEDなどの他の光源又はその導光柱であってもよい。電池14又はマザーボード15は、アダプタハウジング13によって支持固定され、アダプタハウジング13のエネルギー変換装置112に向かう側に位置してもよく、例えば、電池14又はマザーボード15は、ケース135と中板133との間に設置される。この場合、コアハウジング111とケース135は、それぞれ中板133の互いに背向する両側に位置してもよく、電池14又はマザーボード15は、エネルギー変換装置112の振動方向においてコアハウジング111と間隔をあけて設置されてもよく、すなわち、電池14又はマザーボード15は、コアモジュール11と内外に積み重ねられる。当然のことながら、アダプタハウジング13がケース135を含まないなどの他のいくつかの実施例において、電池14又はマザーボード15とコアハウジング111とは、中板133の同一側に位置してもよい。それに応じて、回転軸キャビティ131は、筒状側壁134及び中板133に設置されてもよく、アダプタ部材122も中板133に回転可能に接続されてもよく、コアハウジング111は、筒状側壁134に回転可能に接続されてもよい。
【0589】
本願の発明者らは、長期にわたる研究開発過程において、以下を発見した。
図23及び
図32に示すように、電池14とエネルギー変換装置112とがエネルギー変換装置112の振動方向において間隔をあけて設置される場合、電池14の容量と、コアハウジング111と電池14の重量との和との比は、11mAh/g~24.5mAh/gであってもよく、イヤホン10のバッテリー持続時間を延長しつつ、イヤホン10のコアモジュール11における重量を両立させることに有利である。さらに、イヤホン10がコアハウジング111に接続されたアダプタハウジング13を含む実施例において、アダプタハウジング13がコアハウジング111に剛性接続されるため、電池14は、これらの2つのハウジングを振動させる必要があり、より電力がかかるため、電池14は、より大きな容量を必要とする。これに基づいて、電池14は、アダプタハウジング13内に設置され、電池14の容量と、コアハウジング111とアダプタハウジング13の重量との和との比は、55mAh/g~220mAh/gであってもよく、イヤホン10のコアモジュール11における重量を両立させつつ、イヤホン10のバッテリー持続時間を延長することに有利である。電池14の容量は、200mAh以上であり、コアハウジング111と電池14の重量との和は、9g~20gであり、コアハウジング111とアダプタハウジング13の重量との和は、1g~4gであってもよい。さらに、エネルギー変換装置112は、主に振動パネル114を介して機械的振動をユーザに伝達するため、電池14の容量が一定である場合、振動パネル114のユーザの皮膚に接触する面積が大きいほど、振動パネル114の機械的振動を伝達する効率が高くなり、振動パネル114の重量も重くなり、振動パネル114のユーザの皮膚に接触する面積が小さいほど、振動パネル114の機械的振動を伝達する効率が低くなり、振動パネル114の重量も軽くなる。これに基づいて、電池14の容量と、振動パネル114のユーザの皮膚に接触する面積との比は、0.37mAh/mm
2~0.73mAh/mm
2であってもよい。振動パネル114のユーザの皮膚に接触する面積は、300mm
2~600mm
2であってもよい。
【0590】
さらに、
図34に示すように、エネルギー変換装置112は、コアハウジング111に剛性接続されてもよく、例えば、コイル1123は、コアハウジング111に剛性接続され、また例えば、コイル1123は、ブラケット1121に接続され、ブラケット1121は、コアハウジング111に剛性接続され、つまり、エネルギー変換装置112は、第1の振動伝達シート113を介してコアハウジング111に弾性的に接続されるものではない。この場合、コイル1123は、コアハウジング111を振動させ、すなわち、コアハウジング111は、エネルギー変換装置112に伴って振動し、さらにコアハウジング111を介してユーザの皮膚にエネルギー変換装置112で発生した機械的振動を伝達する。それに応じて、コアハウジング111は、アダプタハウジング13に弾性的に接続され、例えば、コアハウジング111は、弾性接続部材137を介して筒状側壁134に接続され、コアハウジング111又はアダプタハウジング13は、ヘッドビームアセンブリ12に接続されて、アダプタハウジング13のエネルギー変換装置112に伴う振動を低減し、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。アダプタハウジング13は、エネルギー変換装置112の振動方向に沿ってコアハウジング111と積層して設置され、コアハウジング111の振動パネル114から離れた側に位置し、アダプタハウジング13は、振動方向に垂直な基準平面において第1の投影面積、例えば、中板133の面積を有し、コアハウジング111は、前述の基準平面において第2の投影面積、例えば、第2の端壁1114の面積を有し、第1の投影面積と第2の投影面積との比は、0.2~1.5であり、好ましくは、0.2~1であり、より好ましくは、0.2~0.5であってもよく、バッフル効果を弱め、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。さらに、エネルギー変換装置112の振動方向に沿って、コアハウジング111とアダプタハウジング13との間のギャップは、1mm~10mmであり、好ましくは、2mm~8mmであってもよく、キャビティ音効果を弱め、さらにイヤホン10の音漏れを低減する。コアハウジング111及びアダプタハウジング13のうちのいずれか一方が不規則的な構造であり、例えば、コアハウジング111のアダプタハウジング13に向かう一側及びアダプタハウジング13のコアハウジング111に向かう一側のうちのいずれか一方が非平面構造であり、又はコアハウジング111のアダプタハウジング13に向かう一側及びアダプタハウジング13のコアハウジング111に向かう一側が平面構造であるが、両者が平行でない場合、コアハウジング111とアダプタハウジング13との間のギャップは、コアハウジング111とアダプタハウジング13との間の最小ギャップとして定義されてもよい。なお、バッフル効果は、アダプタハウジング13がコアハウジング111の振動パネル114から離れた側の音漏れの伝播方向を変化することであり、本願は、装着状態においてユーザの真正面に大きな音漏れを発生させることを望まず、キャビティ音効果は、アダプタハウジング13とコアハウジング111との間のギャップが音響キャビティを形成し、該音響キャビティの気導共振によって音漏れが発生することであり、本願は、それによって大きな音漏れが発生することを望まない。
【0591】
なお、コアモジュール11がヘッドビームアセンブリ12に対して回転しないか又はコアモジュール11が1つの軸線(例えば、第2の軸線A2)のみを中心として回転するなどの他のいくつかの実施例において、イヤホン10は、アダプタハウジング13を含まなくてもよく、例えば、アダプタ部材122は、コアハウジング111に固定接続されるか又は回転可能に接続される。さらに、
図25及び
図26に示すように、電池14又はマザーボード15は、コアモジュール11が位置する領域以外の他の位置に設置されてもよい。例えば、イヤホン10は、ヘッドビームアセンブリ12に接続された支持部材124をさらに含んでもよく、電池14又はマザーボード15は、支持部材124内に設置されてもよい。支持部材124は、ヘッドビームアセンブリ12の一部の構造とすることができ、当然のことながら、電池14又はマザーボード15は、ヘッドビームアセンブリ12(例えば、弧状ヘッドビーム部材121)内に直接的に設置されてもよい。
図25に示すように、装着状態において、支持部材124は、コアモジュール11と人体の矢状軸に沿って間隔をあけて設置され、すなわち、電池14又はマザーボード15は、コアモジュール11と前後に積み重ねられ、例えば、コアモジュール11は、支持部材124よりもユーザの頭部の前側に近接する。
図26に示すように、装着状態において、支持部材124は、コアモジュール11と人体の垂直軸に沿って間隔をあけて設置され、例えば、コアモジュール11は、支持部材124よりもユーザの頭頂から離れている。
【0592】
図27~
図28及び
図20~
図21に示すように、コアハウジング111は、アダプタハウジング13に対して第1の軸線A1を中心として回転可能であり、囲み部材116は、コアハウジング111のアダプタハウジング13から離れた一端に接続されてもよく、すなわち、囲み部材116は、コアハウジング111の振動パネル114に近接する一端に接続されてもよい。囲み部材116は、コアハウジング111に接続された接続部1162と、接続部1162に接続されたフランジ部1163とを含んでもよく、フランジ部1163は、少なくとも一部がエネルギー変換装置112の振動方向において、アダプタハウジング13(例えば、筒状側壁134)と間隔をあけて設置されて、コアモジュール11がアダプタハウジング13に対して回転することを許容する。フランジ部1163は、エネルギー変換装置112の振動方向から見て、コアハウジング111の外周に位置し、アダプタハウジング13(例えば、筒状側壁134)と重なる。このように、コアモジュール11のアダプタハウジング13に対する回転角度は、一定の角度範囲内に制限されてもよく、例えば、5°~15°であってもよく、これにより、イヤホン10がユーザの頭部の輪郭に適応しやすく、ユーザが装着しやすい。さらに、非装着状態において、コアハウジング111がアダプタハウジング13に対して回転する軸線(例えば、第1の軸線A1)を起点として、フランジ部1163とアダプタハウジング13とのエネルギー変換装置112振動方向におけるギャップ(例えば、
図27及び
図28のWに示す)は、前述の振動方向及び第1の軸線が位置する方向に垂直で、第1の軸線から離れた方向として定義される基準方向に沿って徐々に大きくなる。前述の基準方向は、第2の軸線方向A2と平行であってもよい。このように、コアモジュール11とアダプタハウジング13のエネルギー変換装置112の振動方向における総寸法を小さくすることに有利であり、それによりイヤホン10の構造をよりコンパクトにする。
【0593】
例示的には、フランジ部1163とアダプタハウジング13とのエネルギー変換装置112の振動方向における最大ギャップ(例えば、
図27のWに示す)は、2mm~5mmであり、好ましくは、2.5mm~4mmであってもよく、最小ギャップ(例えば、
図28のWに示す)は、ゼロ又はゼロに近くてもよく、コアハウジング111のアダプタハウジング13に対する回転を許容すればよい。
【0594】
さらに、コアハウジング111のアダプタハウジング13に対する回転軸線(例えば、第1の軸線A1)が位置する方向から見て、フランジ部11のアダプタハウジング13に向かう側は、イヤホン10の外観品質を向上させるように、弧状に設置されてもよい。フランジ部1163の湾曲程度が異常に大きくないように、フランジ部1163のアダプタハウジング13に向かう側の円弧半径は、50mm以上であり、すなわち、フランジ部1163は、相対的に滑らかに湾曲して延伸して、イヤホン10の外観品質を改善する。
【0595】
例示的には、コアハウジング111は、第1のコアハウジング111a、第2のコアハウジング111b及び囲み部材116を含んでもよく、第2のコアハウジング111bと囲み部材116は、それぞれ第1のコアハウジング111aに接続されてもよい。第1のコアハウジング111aは、内筒壁1112及び第1の外筒壁1115を含んでもよく、内筒壁1112は、エネルギー変換装置112の外周に位置し、第1の外筒壁1115は、内筒壁1112の外周に位置し、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向において内筒壁1112と間隔をあけて設置される。さらに、第2のコアハウジング111bは、内筒壁1112に接続され、囲み部材116は、第1の外筒壁1115に接続され、振動パネル114を囲む。この場合、取付孔1111は、第2のコアハウジング111bに形成されてもよい。このように、コアモジュール11の構造を簡略化し、組み立てを簡略化する。具体的には、まずエネルギー変換装置112及び第1の振動伝達シート113を内筒壁1112内に装着し、さらに第2のコアハウジング111bを内筒壁1112に接続し、次に接続部材115を介して振動パネル114をエネルギー変換装置112に接続し、最後に囲み部材116を第1の外筒壁1115に接続することができる。
【0596】
いくつかの実施例において、第2のコアハウジング111bは、第1の端壁1113と、第1の端壁1113に接続された筒状側壁1116と、を含んでもよく、筒状側壁1116は、内筒壁1112と第1の外筒壁1115との間に位置し、内筒壁1112に係止される。例えば、内筒壁1112及び筒状側壁1116のうちの一方には、バックル溝が設置され、他方には、バックル溝と係合するアンダーカットが設置されることにより、第2のコアハウジング111bと第1のコアハウジング111aとの係合係止が容易になる。他のいくつかの実施例において、第2のコアハウジング111bは、第1の端壁1113のみを含んでもよく、第1の端壁1113は、内筒壁1112の端面に覆設され、両者は、ホットメルト柱によって接続されてもよい。さらに、第2のコアハウジング111bが第1のコアハウジング111aに係合される時、さらに第1の振動伝達シート113の周辺領域を内筒壁1112の端面に押し当ててもよく、当然のことながら、第1の振動伝達シート113自体は、内筒壁1112に係止又は接着されてもよい。
【0597】
いくつかの実施例において、接続部1162と第1の外筒壁1115のうちの一方には、バックル溝が設置され、他方には、バックル溝と係合するアンダーカットが設置されることにより、囲み部材116と第1のコアハウジング111aとの係合係止が容易になる。接続部1162は、筒状に設置され、第1の外筒壁1115の外周に位置してもよく、フランジ部1163は、それに応じて第1の外筒壁1115の外周に位置する。
【0598】
さらに、振動パネル114のエネルギー変換装置112から離れた側は、皮膚接触領域1141に接続されたエッジ領域1143を含んでもよく、エッジ領域1143は、皮膚接触領域1141の外周に位置し、エネルギー変換装置112の振動方向において皮膚接触領域1141と間隔をあけて設置され、例えば、エッジ領域1143が位置する平面は、皮膚接触領域1141が位置する平面と平行である。それに応じて、囲み部材116は、接続部1162に接続された位置制限部1164をさらに含んでもよく、位置制限部1164は、振動パネル114のエネルギー変換装置112から離れた側に位置する。エネルギー変換装置112の振動方向から見て、位置制限部1164は、エッジ領域1143と重なり、皮膚接触領域114とずれている。このように、囲み部材116は、振動パネル114がエネルギー変換装置112に伴って振動することに影響を与えないだけでなく、振動パネル114の脱落を回避し、イヤホン10の信頼性を向上させることができる。それに応じて、非装着状態において、皮膚接触領域1141は、エネルギー変換装置112の振動方向において位置制限部1164のエネルギー変換装置112から離れた側から突出することができる。
【0599】
上記関連説明に基づいて、
図6に示すように、振動パネル114のエネルギー変換装置112から離れた側は、空気伝導増強領域1142をさらに含んでもよく、空気伝導増強領域1142は、皮膚接触領域1141とエッジ領域1143との間に接続されてもよい。エッジ領域1143がユーザの皮膚に接触しなくてもよいため、エッジ領域1143の少なくとも位置制限部1164によって遮蔽されていない部分を空気伝導増強領域1142として使用することができ、さらに空気伝導増強領域1142の大きさを増加させて、空気伝導音の骨伝導音に対する増強効果を改善する。
【0600】
例示的には、接続部材115は、エネルギー変換装置112に接続された第1の接続部材1151と、振動パネル114に接続された第2の接続部材1152と、を含んでもよく、例えば、第1の接続部材1151とブラケット1121とは、一体的に成形された構造部材であり、例えば、第2の接続部材1152と振動パネル114とは、一体的に成形された構造部材として接続される。第1の接続部材1151及び第2の接続部材1152のうちの一方は、筒状構造に設置されてもよく、他方は、ロッド状構造に設置されてもよく、ロッド状構造が筒状構造内に嵌め込まれることにより、接続部材115がエネルギー変換装置112と振動パネル114とを接続する。
【0601】
さらに、第1のコアハウジング111aは、第2の外筒壁1117をさらに含んでもよく、第2の外筒壁1117は、内筒壁1112の外周に位置し、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向において内筒壁1112と間隔をあけて設置される。第2の外筒壁1117と第1の外筒壁1115は、それぞれアダプタハウジング13と囲み部材116に接続されるように、逆方向に延伸し、第2の外筒壁1117は、フランジ部1163と筒状側壁134とがエネルギー変換装置112の振動方向において重なることを許容するように、フランジ部1163の内側に位置する。それに応じて、筒状側壁134は、第2の外筒壁1117の外周に位置してもよく、筒状側壁134及び第2の外筒壁1117のうちの一方には、軸孔が設置されてもよく、他方には、軸孔と係合する回転軸が設置されてもよく、回転軸が軸孔に嵌め込まれることで、コアハウジング111のアダプタハウジング13に対する回転を許容する。イヤホン10の外観品質及び筒状側壁134の肉厚を考慮すると、軸孔は、好ましくは、第2の外筒壁1117に形成され、回転軸は、それに応じて筒状側壁134に設置される。さらに、コアハウジング111とアダプタハウジング13との回転可能な接続の信頼性を向上させるために、第1のコアハウジング111aは、補強柱1118をさらに含んでもよく、補強柱1118は、第2の外筒壁1117と内筒壁1112とを接続し、さらに軸孔を形成するように、第2の外筒壁1117を部分的に補強する。例示的には、筒状側壁134には、回転軸136が設置され、補強柱1118には、軸孔が設置され、回転軸136は、補強柱1118の軸孔内に挿入される。
【0602】
上記関連説明に基づいて、
図8及び
図9に示すように、コアモジュール11には、収容キャビティ100と連通する音響キャビティが設置されてもよく、音響キャビティは、収容キャビティ100内の空気がエネルギー変換装置112の振動に伴って発生した音波の音響エネルギーを吸収し、該音波は、取付孔1111を介してイヤホン10の外部に出力されて空気伝導音を形成することができる。第2の外筒壁1117、内筒壁1112及び遷移壁1119は、前述の音響キャビティを囲んで形成する。これに基づいて、第1のコアハウジング111a自体は、例えば、ヘルムホルツ共振キャビティ200のような音響キャビティを囲んで形成され、第1のコアハウジング111aは、アダプタハウジング13とともに、例えば、音響フィルタ300のような音響キャビティを囲んで形成することができる。
【0603】
例示的には、第1のコアハウジング111aは、内筒壁1112と第2の外筒壁1117との間に接続された遷移壁1119及び蓋板1120をさらに含んでもよく、遷移壁1119及び蓋板1120は、内筒壁1112及び第2の外筒壁1117とともにヘルムホルツ共振キャビティ200を囲んで形成するように、エネルギー変換装置112の振動方向に間隔をあけて設置される。この場合、内筒壁1112には、ヘルムホルツ共振キャビティ200と収容キャビティ100とを連通する連通孔が設置されてもよい。遷移壁1119は、第1の外筒壁1115と内筒壁1112との間に接続されてもよく、すなわち、第2の外筒壁1117と第1の外筒壁1115は、それぞれ遷移壁1119の背向する両側に位置し、逆方向に延伸する。
【0604】
さらに、遷移壁1119と蓋板1120とは、エネルギー変換装置112の振動方向において互いに離れて、ヘルムホルツ共振キャビティ200の体積を増加させることができ、ヘルムホルツ共振キャビティ200がより広い周波数帯域内で音響エネルギーを吸収することに有利であり、すなわち、周波数応答曲線がより広い周波数帯域内でより平坦であり、イヤホン10の音質をよりバランスさせる。このため、蓋板1120は、エネルギー変換装置112の振動方向においてヘルムホルツ共振キャビティ200を大きくするように、第2の端壁1114と面一であってもよく、第2の外筒壁1117は、エネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向においてヘルムホルツ共振キャビティ200を大きくするように、第1の外筒壁1115の外周に位置してもよく、それによりコアモジュール11の構造をよりコンパクトにする。当然のことながら、ヘルムホルツ共振キャビティ200が対応する音響ニーズを満たす場合、第2の外筒壁1117は、第1の外筒壁1115の内側に位置し、又はエネルギー変換装置112の振動方向において第1の外筒壁1115と重なってもよい。さらに、
図32に示すように、遷移壁1119は、第1のサブ遷移壁11191及び第2のサブ遷移壁11192を含んでもよく、第1のサブ遷移壁11191は、内筒壁1112と第1の外筒壁1115とを接続し、第2のサブ遷移壁11192は、第1の外筒壁1115と第2の外筒壁1117とを接続する。第2のサブ遷移壁11192と第1のサブ遷移壁11191とは、エネルギー変換装置112の振動方向において間隔をあけて設置され、第2のサブ遷移壁11192は、第1のサブ遷移壁11191よりも中板133から離れており、すなわち、振動パネル114により近接し、それにより囲み部材116におけるフランジ部1163が位置する外周領域、囲み部材116及び第2のコアハウジング111bがそれぞれ第1のコアハウジング111aに係止された係合位置のエネルギー変換装置112の振動方向における高さの差を十分に利用し、さらにエネルギー変換装置112の振動方向においてヘルムホルツ共振キャビティ200をさらに大きくする。
【0605】
なお、コアハウジング111がアダプタハウジング13に対して回転しないなどの他のいくつかの実施例において、第1のコアハウジング111aは、蓋板1120を含まなくてもよく、ヘルムホルツ共振キャビティ200の第2の端壁1114に近接する一端は、中板133によって密封されてもよい。音響キャビティが音響フィルタ300として設置されるなどの他のいくつかの実施例において、
図32に示すように、収容キャビティ100内の空気がエネルギー変換装置112の振動に伴って発生した音波が、第2の外筒壁1117と筒状側壁134との間のギャップ又は他の経路を介してイヤホン10の外部に伝達されることを許容するために、第1のコアハウジング111aは、蓋板1120を含まなくてもよい(
図32の破線で示す経路)。換言すれば、本願に記載の音響フィルタ300は、第2の端壁1114、内筒壁1112、遷移壁1119、第2の外筒壁1117、中板133及び筒状側壁134によって囲まれて形成されてもよく、音波が音響フィルタ300により吸収された後、筒状側壁134と第2の外筒壁1117との間のギャップを介してイヤホン10の外部に伝達される。この場合、内筒壁1112には、音響フィルタ300と収容キャビティ100とを連通する連通孔が設置されてもよい。それに応じて、中板133と第2の端壁1114とのエネルギー変換装置112の振動方向におけるギャップは、筒状側壁134と第2の外筒壁1117とのエネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向におけるギャップよりも大きくてもよく、それにより収容キャビティ100内の空気がエネルギー変換装置112の振動に伴って発生した音波は、第2の外筒壁1117と筒状側壁134との間のギャップを介してイヤホン10の外部に伝達され、音響フィルタ300の体積を増加させて、より広い周波数帯域で音響エネルギーを吸収する。第2の外筒壁1117と内筒壁1112とのエネルギー変換装置112の振動方向に垂直な方向におけるギャップは、中板133と第2の端壁1114とのエネルギー変換装置112の振動方向におけるギャップよりも大きくてもよく、それにより内筒壁1112の外周の空間を利用して音響フィルタ300の体積を増加させる。さらに、コアモジュール11には音響キャビティが設置されていないか又はヘルムホルツ共振キャビティ200がエネルギー変換装置112に設置されるなどの他のいくつかの実施例において、第1のコアハウジング111aは、蓋板1120を含まず、遷移壁1119は、不連続構造であってもよく、第1の外筒壁1115、第2の外筒壁1117及び内筒壁1112の間の接続を満たせばよい。この場合、第2の外筒壁1117は、第1の外筒壁1115の内側に位置し、又はエネルギー変換装置112の振動方向において第1の外筒壁1115と重なってもよく、それによりコアモジュール11の構造をよりコンパクトにする。
【0606】
図24、
図27及び
図29に示すように、イヤホン10は、ハウジングに接続され、ハウジングに対して回転可能であるスティックマイクアセンブリ16をさらに含んでもよい。イヤホン10にはアダプタハウジング13が設置されていない場合、該ハウジングは、コアハウジング111であってもよく、イヤホン10にはアダプタハウジング13が設置される場合、該ハウジングは、コアハウジング111であってもよく、アダプタハウジング13であってもよい。本実施例において、該ハウジングがケース135であることを例として例示的に説明し、すなわち、スティックマイクアセンブリ16は、ケース135に接続され、相対的に回転可能である。さらに、スティックマイクアセンブリ16は、収音アセンブリ161及びスイッチアセンブリ162を含んでもよく、スイッチアセンブリ162は、イヤホン10の機能を拡張するように、収音アセンブリ161に設置されてもよい。
【0607】
例示的には、収音アセンブリ161は、枢動接続ブロック1611、接続ロッド1612及び収音器1613を含んでもよく、枢動接続ブロック1611は、ハウジング(例えば、ケース135)に枢着され、例えば、枢動接続ブロック1611は、部分的にケース135のピボット孔内に嵌め込まれ、接続ロッド1612の一端は、枢動接続ブロック1611に接続され、例えば、両者は、ロック部材1616によってロックされ、収音器1613は、接続ロッド1612の他端に設置される。収音器1613の数は、1つであってもよく、ユーザの音声を収集し、2つであってもよく、一方がユーザの音声を収集し、他方がノイズを低減する。さらに、枢動接続ブロック1611のハウジングから離れた側には、凹み領域が設置されてもよく、スイッチアセンブリ162は、イヤホン10の構造をよりコンパクトにするように、凹み領域内に設置されてもよい。スイッチアセンブリ162のハウジングから離れた側は、枢動接続ブロック1611と(略)面一であってもよい。さらに、収音アセンブリ161は、密封リング1614をさらに含んでもよく、密封リング1614は、ケース135のピボット孔の外周に位置し、枢動接続ブロック1611のケース135に向かう端面とケース135の枢動接続ブロック1611に向かう端面との間に設置されてもよく、それによりスティックマイクアセンブリ16がケース135に組み立てられて接続される時に、密封リング1614を押圧することができ、簡単で確実である。
【0608】
図29に示すように、凹み領域の底部には、ボス1615が設置され、ボス1615の外周壁と凹み領域の側壁との間には、環状凹溝が形成される。それに応じて、スイッチアセンブリ162は、スイッチ回路基板1621、弾性支持部材1622及びキー1623を含んでもよく、スイッチ回路基板1621は、マザーボード15に結合され、ボス1615の頂部に設置されてもよく、弾性支持部材1622は、枢動接続ブロック1611の凹み領域の側壁及び/又は底部に接続され、キー1623を支持し、キー1623は、所定の押圧方向においてスイッチ回路基板1621(例えば、その上のタクトスイッチ)に対向して設置されて、ユーザにより印加された押圧力を受け、弾性支持部材1622を介してスイッチ回路基板1621をトリガしてもよい。弾性支持部材1622は、環状固定部1624及び弾性支持部1625を含んでもよく、環状固定部1624は、環状凹溝内に固定され、弾性支持部1625は、環状固定部1624に接続され、ドーム状に設置されてもよく、それにより弾性支持部1625は、外力により環状固定部1624に対して変形し、スイッチ回路基板1621に近接して変位する。この場合、キー1623は、弾性支持部1625に設置されてもよい。キー1623は、キートップと、キートップに接続されたキーロッドとを含んでもよく、キートップは、弾性支持部1625に支持され、キーロッドは、弾性支持部1625の所定のブラインドビア内に嵌め込まれる。しかしながら、本願の発明者らは、長期にわたる研究開発過程において、以下を発見した。
図29に示す実施形態において、キー1623のキーロッドが高く、すなわち、キーロッドが弾性支持部1625内に深く嵌め込まれているため、ユーザがキー1623のキートップのエッジを押圧する際にレバーの作用によりキー1623と枢動接続ブロック1611の内壁とが係止するという技術的問題が発生しやすく、また、弾性支持部1625の厚さが厚いため、ユーザがキー1623を押圧した後の復元効果が低くなりやすい。このため、
図62に示すように、キー1623は、キートップ16231、キーロッド16232及び環状フランジ16233を含んでもよく、キーロッド16232及び環状フランジ16233は、キートップ16231の同一側に接続され、環状フランジ16233は、キーロッド16232を囲む。キーロッド16232と環状フランジ16233は、弾性支持部1625内に嵌め込され、例えば、それぞれ弾性支持部1625の所定のブラインドビア内に嵌め込まれ、ユーザがキー1623を押圧する時にスイッチ回路基板1621をトリガするように、キーロッド16232がキー1623の押圧方向に沿ってスイッチ回路基板1621に正投影されるときに、スイッチ回路基板1621において突起されたスイッチ素子と重なる。このように、環状フランジ16233の制限下で、キートップ16231のエッジのキーロッド16232に対するレバーの作用を弱めることにより、キー1623と枢動接続ブロック1611の内壁とが係止するという技術的問題を改善することに有利である。環状フランジ16233の突起した高さがキーロッド16232の突起した高さと同じであることにより、環状フランジ16233が低すぎて対応する作用を果たしにくくなることを回避する。さらに、キーロッド16232の突起した高さは、スイッチ回路基板1621におけるスイッチ素子の突起した高さ以下であり、このように、弾性支持部1625の厚さを小さくすることにより、ユーザがキー1623を押圧した後の復元効果を増加させることに有利である。
【0609】
環状固定部1624及び弾性支持部1625は、一体的に設置されてもよく、例えば、シリコーンゴム部材である。この場合、スイッチアセンブリ162は、補強リング1626をさらに含んでもよく、補強リング1626は、環状固定部1624の周方向に沿って環状固定部1624に裏打ちされ、枢動接続ブロック1611に固定接続される。例えば、補強リング1626は、環状固定部1624の外周に外嵌され、補強リング1626の外周壁は、凹み領域の側壁に固定接続(例えば、係止)される。このように、ユーザがスイッチアセンブリ162を押圧する時、弾性支持部1625の周囲が環状固定部1624に対して均一に変形し、さらにスイッチアセンブリ162の信頼性及び押圧触感を増加させることができる。補強リング1626は、金属部材であってもよく、硬質プラスチック部材であってもよい。これに加えて、枢動接続ブロック1611の凹み領域の容積が限られるため、環状凹溝の底部の面積もそれに伴って限られ、弾性支持部材1622は、補強リング1626を介して同時に横方向に枢動接続ブロック1611に接続され、両者の接続の信頼性を改善することに有利である。当然のことながら、枢動接続ブロック1611の凹み領域の容積が十分に大きいと、環状凹溝の底部の面積も十分に大きくなり、弾性支持部材1622は、補強リング1626を必要とせず、環状凹溝の底部に直接的に接続されてもよい。
【0610】
なお、イヤホン10にはスティックマイクアセンブリ16が設置されていないなどの他のいくつかの実施例において、スイッチアセンブリ162は、イヤホン10のハウジング(例えば、コアハウジング111又はケース135)に直接的に設置されてもよい。
【0611】
さらに、スイッチアセンブリ162は、弾性支持部材1622に接続された硬質ガスケット1627をさらに含んでもよく、例えば、硬質ガスケット1627は、PETなどの硬質プラスチック部材であり、弾性支持部1625に接続されることにより、弾性支持部材1622は、硬質ガスケット1627を介してタクトスイッチをトリガし、さらに、スイッチ回路基板1621上のタクトスイッチが弾性支持部材1622を刺通することを回避し、スイッチアセンブリ162の信頼性を向上させる。
【0612】
本願の発明者らは、長期にわたる研究開発過程において、以下を発見した。エネルギー変換装置112が機械的振動を発生させる過程において、ハウジング(例えば、コアハウジング111又はケース135)に接続された弾性支持部材1622を振動させ、さらに、それに接続されたキー1623及び硬質ガスケット1627などをそれに伴って振動させ、一般的に、上下振動、揺動振動などの様々な振動モードを含む。上下振動の場合、硬質ガスケット1627は、スイッチ回路基板1621上のタクトスイッチに直接的に衝突して雑音を発生させる可能性があり、揺動振動の場合、硬質ガスケット1627は、スイッチ回路基板1621上のタクトスイッチと相対的にスライド摩擦を発生させ、さらに上下振動を引き起こし、エネルギー変換装置112の振動周波数と整数倍の関係にある周波数の高調波音、すなわち、雑音を発生させる可能性がある。そのため、本願は、イヤホン10の雑音問題を改善するために、以下の実施例を提供する。
【0613】
いくつかの実施例において、
図30に示すように、非押圧状態において、硬質ガスケット1627とスイッチ回路基板1621上のタクトスイッチとの押圧方向におけるギャップ(例えば、
図30のWに示す)は、硬質ガスケット1627とタクトスイッチとの衝突によって発生した雑音を回避し、イヤホン10の信頼性を向上させるように、キーアセンブリがエネルギー変換装置112に伴って振動する振幅よりも大きくてもよい。本願に記載のキーアセンブリは、弾性支持部材1622と、それに接続された硬質ガスケット1627とを含んでもよく、それに接続されたキー1623をさらに含んでもよい。さらに、硬質ガスケット1627とタクトスイッチとの押圧方向におけるギャップは、0.1mm以上であってもよく、0.05mm~0.1mmであってもよい。
【0614】
他のいくつかの実施例において、
図31に示すように、非押圧状態において、キーアセンブリがエネルギー変換装置112に伴って振動する過程において、スイッチ回路基板1621上のタクトスイッチは、キーアセンブリに追従したままであり、すなわち、硬質ガスケット1627とタクトスイッチとは、相対的なスライド摩擦が発生しにくく、キーアセンブリの揺動振動によって発生した雑音を回避し、イヤホン10の信頼性を向上させる。スイッチ回路基板1621上のタクトスイッチは、硬質ガスケット1627とタクトスイッチとの相対的なスライド摩擦を阻害するように、硬質ガスケット1627の所定のブラインドビア内に部分的に挿入されてもよい。さらに、ブラインドビアの内面を粗面に設置してもよく、及び/又は、静止摩擦力又は動摩擦力を増加させるように、タクトスイッチのブラインドビアの内面に接触する外面を粗面に設置してもよく、同様に雑音を改善することができる。
【0615】
さらに、スイッチアセンブリ162の押圧方向から見て、キーアセンブリは、キーアセンブリがエネルギー変換装置112に伴って揺動振動することを回避するように、非円形構造に設置されてもよい。
【0616】
上記関連説明に基づいて、イヤホン10は、収音アセンブリ161を含んでもよく、収音アセンブリ161は、アダプタハウジング13(具体的には、ケース135であってもよい)又はコアハウジング111のようなハウジングに対して回転するように構成されてもよく、それにより装着状態において、ユーザの口などの生理的特徴に対する収音アセンブリ161の位置を調整し、収音アセンブリ161の収音効果の改善に有利である。これに基づいて、
図58に示すように、イヤホン10は、収音アセンブリ161と前述のハウジングとの間に設置されたダンパー163を含んでもよく、ダンパー163は、ユーザが収音アセンブリ161の位置を調整する過程においてダンパ感を提供し、ユーザが収音アセンブリ161の位置を所望の位置に調整した後、収音アセンブリ161と前述のハウジングとの間の相対位置を維持する。
【0617】
例示的には、
図58に示すように、収音アセンブリ161が前述のハウジングに対して回転するように、枢動接続ブロック1611及びハウジング(例えば、ケース135)のうちの一方には、ピボット孔が形成され、他方には、ピボット孔に挿入されたピボットが形成され、すなわち、両方が枢着される。例えば、前述のハウジングには、ピボット孔1354が形成され、枢動接続ブロック1611の前述のハウジングに向かう側には、ピボット孔1354に挿入されたピボット16111が形成される。これに基づいて、ダンパー163は、枢動接続ブロック1611と前述のハウジングとがピボット孔1354の軸方向において重なる領域内に位置してもよく、ダンパー163は、枢動接続ブロック1611及び前述のハウジングのうちの一方に接続され、枢動接続ブロック1611及び前述のハウジングのうちの他方に当接して、収音アセンブリ161が前述のハウジングに対して回転する過程において抵抗力を提供する。例えば、ダンパー163は、前述のハウジングの収容溝内に設置され、枢動接続ブロック1611に当接するように前述の収容溝から突出する。換言すれば、ダンパー163は、ピボット孔1354の軸方向において、前述のハウジングの枢動接続ブロック1611に向かう端面に位置してもよい。これに加えて、ダンパー163は、ピボット孔1354の周方向において、前述のハウジングのピボット軸16111に向かう側面に位置してもよい。
【0618】
いくつかの実施形態において、ピボット孔1354の軸方向から見て、ダンパー163は、弧状であってもよく、収音アセンブリ161の回転をより安定させるように、ピボット孔1354と同心に設置されてもよい。
【0619】
いくつかの実施形態において、ダンパー163の数は、複数であってもよく、複数のダンパー163は、ピボット孔1354を中心として間隔をあけて設置されることにより、ダンパー163が提供する抵抗力がより均一になり、収音アセンブリ161の回転がより安定になる。
【0620】
上記関連説明に基づいて、収音アセンブリ161の端部には、収音器1613が設置され、収音器1613は、導線164を介してマザーボード15などの回路基板に電気的に接続される必要があり、例えば、導線164は、露出しないように、延伸して枢動接続ブロック1611及び接続ロッド1612の内部を通過して収音器1613に電気的に接続される。これに加えて、収音アセンブリ161は、回転する必要があるため、導線164は、摩耗されるリスクがある程度存在する。
【0621】
例示的には、
図58~
図60に示すように、イヤホン10は、アダプタハウジング13(具体的には、ケース135であってもよい)又はコアハウジング111などのハウジング内に固定された仕切板165を含み、仕切板165は、枢動接続ブロック1611(具体的には、ピボット16111であってもよい)と導線164とを仕切ることにより、導線164が収音アセンブリ161の回転過程において摩耗されることを回避し、さらに導線164の信頼性を向上させる。例えば、仕切板165は、ピボット孔1354の周方向において枢動接続ブロック1611(具体的には、ピボット16111であってもよい)の一部を覆い、導線164とピボット16111とをよりよく仕切るように、ピボット孔1354内に部分的に挿入される。
【0622】
さらに、枢動接続ブロック1611は、収音アセンブリ161が上記ハウジングに対してある角度を回転した後に仕切板165によって止められるように構成されてもよい。前述の角度は、90°~180°であってもよい。例えば、
図12~
図17に示すように、収音アセンブリ161の初期位置及び終了位置のうちの一方は、接続ロッド1612がヘッドビームアセンブリ12と実質的に平行であることであり、他方は、収音器1613がユーザの口に指向することであってもよい。
【0623】
いくつかの実施形態において、枢動接続ブロック1611は、ピボット孔1354内に位置するピボット16111と、ピボット16111の両端にそれぞれ接続された返し部16112及び操作部16113と、を含んでもよく、返し部16112及び操作部16113は、ピボット孔1354の軸方向において枢動接続ブロック1611及び前述のハウジングをロックするように、上記ハウジングの背向する両側に位置する。それに応じて、接続ロッド1612は、操作部16113に接続される。
【0624】
いくつかの実施形態において、仕切板165は、上記ハウジングに接続された固定部1651と、固定部1651に接続された弧状延伸部1652と、を含んでもよく、固定部1651は、返し部16112の一部を覆い、ピボット孔1354の軸方向において返し部16112と間隔をあけて設置されてもよく、弧状延伸部1652は、枢動接続ブロック1611が前述のハウジング及びそれに接続された仕切板165に対して回転することを許容するように、ピボット16111に挿入され、ピボット孔1354の径方向においてピボット16111と間隔をあけて設置されてもよい。この場合、導線164は、ピボット孔1354を通過する際に、弧状延伸部1652及び固定部1651に架け渡されて、枢動接続ブロック1611から仕切られている。それに対応して、返し部16112は、収音アセンブリ161が前述のハウジングに対してある角度を回転した後に固定部1651によって止められてもよい。
【0625】
さらに、イヤホン10は、上記ハウジング内に固定された回路基板166を含んでもよく、収音器1613は、導線164を介して回路基板166に電気的に接続され、例えば、導線164の収音器1613から離れた一端が回路基板166に溶接されてもよく、回路基板166とマザーボード15とは、基板対基板接続により締結されてもよい。前述のハウジング(例えば、ケース135)には、ホットメルト柱1355が設置されてもよく、固定部1651及び回路基板166は、ホットメルト柱1355に外嵌され、簡単で確実である。
【0626】
なお、枢動接続ブロック1611のハウジングから離れた側に凹み領域が設置され、すなわち、前述の凹み領域は、操作部16113に設置され、イヤホン10は、前述の凹み領域内に設置されたスイッチアセンブリ162をさらに含んでもよく、ここでは、説明を省略する。さらに、イヤホン10がスイッチアセンブリ162を含む場合、スイッチアセンブリ162が収音アセンブリ161と一体に設置されてスティックマイクアセンブリ16を構成するため、スティックマイクアセンブリ16は、当然のことながら、他の電子部品を含んでもよく、それにより導線164は、スイッチアセンブリ162及び他の電子部品とマザーボード15との間の電気的接続を実現してもよく、同様に仕切板165によって仕切られてもよく、ここでも説明を省略する。
【0627】
図23、
図32及び
図33に示すように、イヤホン10は、ハウジングに接続された機能アセンブリ17をさらに含んでもよく、ユーザは、機能アセンブリ17を介してイヤホン10を制御することができる。イヤホン10にはアダプタハウジング13が設置されていない場合、該ハウジングは、コアハウジング111であってもよく、イヤホン10にはアダプタハウジング13が設置される場合、該ハウジングは、コアハウジング111であってもよく、アダプタハウジング13であってもよい。本実施例において、該ハウジングがケース135であることを例として例示的に説明し、機能アセンブリ17は、ケース135の凹溝領域内に装着されてもよい。
【0628】
例示的には、機能アセンブリ17は、第1の回路基板171、第2の回路基板172、エンコーダ173、タクトスイッチ174及び機能キー175を含んでもよく、第1の回路基板171と第2の回路基板172は、積層して設置され、それぞれマザーボード15に結合され、エンコーダ173は、第1の回路基板171に設置され、タクトスイッチ174は、第2の回路基板172に設置され、かつ第2の回路基板172の第1の回路基板171に向かう側に位置し、機能キー175は、キートップ1751と、キートップ1751に接続されたキーロッド1752と、を含んでもよく、キートップ1751は、第1の回路基板171の第2の回路基板172から離れた側に位置し、キーロッド1752のキートップ1751から離れた自由端は、タクトスイッチ174に正対して設置され、エンコーダ173は、キーロッド1752に外嵌される。ユーザがキートップ1751を介してキーロッド1752を回転させる時、キーロッド1752は、エンコーダ173を動かして第1の入力信号を生成し、ユーザがキートップ1751を介してキーロッド1752を押圧する時、キーロッド1752は、タクトスイッチ174をトリガして第2の入力信号を生成する。このように、ユーザは、1つの機能キーによって回転及び押圧の2種の操作を行い、イヤホン10に対して2種の制御を行うことで、イヤホン10の機能を拡張するだけでなく、イヤホン10の構造を簡略化することができる。さらに、第1の入力信号は、イヤホン10の音量のアップ/ダウンを制御し、及び/又は、第2の入力信号は、イヤホン10の再生/一時停止、次へ、デバイスのペアリング、電源オン/オフのうちのいずれか1種を制御する。
【0629】
図33に示すように、ハウジング(例えば、ケース135)は、第1の筒体1351を含んでもよく、第1の回路基板171と第2の回路基板172とは、第1の筒体1351の軸方向(機能キー175の所定の押圧方向と平行である)に沿って第1の筒体1351内に積層して設置される。キートップ1751のキーロッド1752から離れた側は、第1の筒体1351と(略)面一であってもよい。さらに、機能アセンブリ17は、第1の筒体1351の外周に外嵌されたアダプタリング176をさらに含んでもよく、アダプタリング176は、第1の筒体1351の軸方向に沿って位置制限され、第1の筒体1351の軸方向を中心として回転することができる。この場合、キートップ1751は、アダプタリング176に固定設置され、キーロッド1752は、第1の筒体1351の軸方向に沿って第1の筒体1351に挿入されてもよく、それにより機能キー175は、回転及び押圧の2種の操作を実現する。
【0630】
なお、第1の筒体1351の底部には、機能キー175の回転方向(すなわち、機能キー175を中心とする押圧方向)に沿って間隔をあけて設置された複数の位置制限柱が設置されてもよく、第1の回路基板171と第2の回路基板172とが順に間隔をあけて位置制限柱に外嵌されることにより、ユーザがキートップ1751を介してキーロッド1752を回転させてエンコーダ173を回転させる場合、さらに第1の回路基板171を回転させることを回避し、すなわち、第1の回路基板171の機能キー175の回転方向における相対的な静止を保持する。さらに、位置制限柱は、一体的に接続された第1の位置制限部分及び第2の位置制限部分を含んでもよく、第1の位置制限部分は、第2の位置制限部分よりも第1の筒体1351の底部から離れ、第1の位置制限部分の径方向寸法は、第2の位置制限部分の径方向寸法よりも小さく、それにより位置制限柱には載置面が形成され、第1の回路基板171は、該載置面に支持され、それによりユーザがキートップ1751を介してキーロッド1752を押圧する時に第1の回路基板171を第2の回路基板172に向かって移動させることを回避し、すなわち、第1の回路基板171の機能キー175の押圧方向における相対的な静止を保持し、さらに、第1の回路基板171と第2の回路基板172との機能キー175の押圧方向における間隔を維持する。
【0631】
さらに、第1の筒体1351の外周壁には、第1のバックル1352が設置され、アダプタリング176は、第2の筒体1761を含み、第2の筒体1761の内周壁には、第2のバックル1762が設置され、第1のバックル1352と第2のバックル1762とは、互いに係止して、キーロッド1752の第1の筒体1351に対する挿入方向の逆方向に沿ったアダプタリング176の移動を制限し、さらにアダプタリング176が第1の筒体1351から脱落することを回避し、イヤホン10の信頼性を向上させる。
【0632】
なお、第1の筒体1351及びその上の第1のバックル1352は、第1の筒体1351の周方向において不連続であり、
図32及び
図33の第1の筒体1351の一部には、断面線があり、他の一部及びそれに接続された第1のバックル1352には、断面線がないと表現され、それによりアダプタリング176がケース135と係止される時に、第1のバックル1352が第1の筒体1351の中心に向かって寄っており、第2のバックル1762と第1のバックル1352とが互いに乗り越え、さらに係止することを許容する。
【0633】
さらに、第1の筒体1351の外周壁には、第1のフランジ1353がさらに設置されてもよく、第2の筒体1761の外周壁には、第2のフランジ1763がさらに設置されてもよく、第1のフランジ1353は、第2のフランジ1763を支持し、アダプタリング176がキーロッド1752の第1の筒体1351に対する挿入方向に沿って移動することを制限し、すなわち、ユーザがキートップ1751を介してキーロッド1752を押圧するストロークを制御することにより、キーロッド1752がタクトスイッチ174を押し潰すことを回避し、イヤホン10の信頼性を向上させる。
【0634】
さらに、キートップ1751は、第3の筒体1753と、第3の筒体1753に接続された端板1754と、を含んでもよい。第3の筒体1753は、第2の筒体1761の外周に外嵌されてもよく、第3の筒体1753の一端は、キートップ1751とアダプタリング176との接続の信頼性を向上させるように、第2のフランジ1763の第1のフランジ1353から離れた側に支持される。この場合、端板1754は、第3の筒体1753の他端に設置され、キーロッド1752は、端板1754に設置される。
【0635】
イヤホン10の等価モデルに基づいて、
図36に示すように、イヤホン10の振動方程式は、以下のように表すことができる。
【0636】
【0637】
式中、mdは、コアハウジング111の質量を表し、m02は、コイル1123とブラケット1121の質量の和m0と振動パネル114の質量m2との和を表し、m1は、磁気回路システム(例えば、透磁カバー1124と、透磁カバー1124の底部に接続された磁石1125と、を含む)の質量を表し、r5は、支持アセンブリのダンピングを表し、rdは、第1の振動伝達シート113のダンピングを表し、r1は、第2の振動伝達シート1122のダンピングを表し、k5は、支持アセンブリ(例えば、ヘッドビームアセンブリ12)の剛性を表し、kdは、第1の振動伝達シート113の剛性を表し、k1は、第2の振動伝達シート1122の剛性を表し、xdは、コアハウジング111の変位を表し、x02は、コイル1123、ブラケット1121及び振動パネル114の全体の変位を表し、x1は、磁気回路システムの変位を表し、Fは、エネルギー変換装置112が発生する駆動力を示す。
【0638】
さらに、上記振動方程式に基づいて、イヤホン10の周波数応答曲線を得ることができ、イヤホン10における関連する構造パラメータなどを設計し、最適化して、イヤホン10の音響表現力を改善する。当然のことながら、実際の製品については、非装着状態において、レーザ三角測量法に基づいて振動パネル114の振動変位(すなわち、振幅)を測定してもよく、振動パネル114の振動変位は、振動パネル114の加速度に換算され、さらに振動パネル114の振動の大きさに換算されて、振動パネル114の振動の周波数応答曲線(例えば、
図37に示す)を得ることができる。したがって、振動パネル114の周波数応答曲線は、振動パネル114の振動の大きさと周波数との間の変化関係を表してもよい。
図37~
図41に示す実施形態において、上記周波数応答曲線の横軸は、周波数を表すことができ、その単位は、Hzであり、縦軸は、振動パネル114の振動の大きさを示すことができ、その単位は、dBである。さらに、ある周波数応答曲線について、周波数応答曲線における共振ピーク又は共振ディップに対応するピーク共振周波数、ピーク共振強度は、ある程度でイヤホン10の音響表現力に影響を与える。言語音のようなオーディオ信号は、一般的に、300Hz~3.4kHzの周波数帯域範囲において周波数応答曲線がより平坦になる傾向があり、音楽のようなオーディオ信号は、一般的に、イヤホン10が良好な音響表現力を有するように、20Hz~20kHzの周波数帯域範囲において周波数応答曲線がより平坦になる傾向がある。
【0639】
なお、本願に記載の非装着状態は、イヤホン10がユーザに装着されておらず、例えば、イヤホン10がユーザの頭部に装着されておらず、支持アセンブリが固定され、例えば、ヘッドビームアセンブリ12がレーザ振動計の固定台に固定され、コアモジュール11の支持アセンブリに対する固定点が片持ち状態にある状態として定義されてもよい。この場合、振動パネル114は、コアモジュール11自体の構造に接続するか又は接触する以外、他の媒体(例えば、ユーザの皮膚)に接触しない。前述の非装着状態において、本願は、レーザ三角測量法に基づいて振動パネル114の振動変位を測定し、さらに振動パネル114の振動の周波数応答曲線を得ることができる。例示的には、レーザ振動計は、振動パネル114における重心、幾何学的中心などのテスト点に第1のレーザ信号を送信することができ、第1のレーザ信号は、歪み分析装置によって生成された周波数範囲が20~20000Hzであるスイープ信号を含んでもよく、第1のレーザ信号は、第1の角度(例えば、90°)で前述のテスト点にフォーカスすることができ、レーザ振動計は、第2の角度で前述のテスト点に形成されたレーザスポットを結像することができ、すなわち、第1のレーザ信号が振動パネル114によって反射又は散乱された後に形成された第2のレーザ信号は、CCDなどのレーザ受信機によって収集されてもよい。非振動の自然状態に比べて、前述のテスト点の振動パネル114の振動過程における相対位置が変化し、すなわち、レーザスポットの相対位置が変化することにより、第2の角度がそれに伴って変化し、レーザスポットのレーザ受信機における結像位置がそれに伴って変化し、振動パネル114の異なる時刻での振動変位を計算し、さらに振動パネル114の振動の周波数応答曲線を得る。
【0640】
図36及び
図1に示すように、振動パネル114は、エネルギー変換装置112の駆動によって振動して、装着状態においてエネルギー変換装置112で発生した機械的振動をユーザに伝達することができる。
図37に示すように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、第1の振動伝達シート113と第2の振動伝達シート1122が共同で発生する少なくとも1つの共振ピーク、例えば、2つの共振ピークを有してもよい。この場合、説明の便宜上、2つの共振ピークは、第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2としてさらに定義されてもよく、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数よりも大きい。当然のことながら、他のいくつかの実施例において、コアモジュール11における各構造の質量、剛性などのパラメータを調整することにより、前述の周波数応答曲線は、第1の振動伝達シート113と第2の振動伝達シート1122が共同で発生する共振ピークを1つのみ有してもよい。
【0641】
さらに、ある周波数において、コアハウジング111が第1の振動伝達シート113と共振し、それにより、コアハウジング111に大振幅の振動を発生させ、振動パネル114がほとんど振動しないことを引き起こす。
図37に示すように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、200Hz~1kHzの周波数帯域範囲において、第1の振動伝達シート113によって発生した共振ディップV0(「中周波数ディップ」と呼ばれてもよい)が現れ、例えば、中周波数ディップが300Hz付近に現れる。この場合、振動パネル114は、中周波数ディップに対応する周波数ではほとんど振動せず(「中周波数の欠落」と呼ばれてもよい)、これは、イヤホン10の音響表現力にとって致命的であり、例えば、ユーザは、効果的に音を聞くことができない。言語音のようなオーディオ信号については、中周波数の欠落が通話品質に対してある程度で影響を与え、音楽のようなオーディオ信号については、中周波数の欠落が同様にある程度で再生品質に影響を与えるからである。したがって、本願は、イヤホン10の中周波数の欠落を改善することを目的とする。そのため、本願の発明構想は、以下の2つを含む。1つは、中周波数ディップを周波数がより低い又はより高い周波数帯域にオフセットさせ、中周波数ディップを特定の周波数帯域範囲内にないようにし、例えば、言語音のようなオーディオ信号の中周波数ディップを300Hz~3.4kHzの周波数帯域範囲内にないようにすることであり、もう1つは、中周波数ディップを弱め、例えば、中周波数ディップに対応する振幅(すなわち、ピーク共振強度)を小さくし、また例えば、中周波数ディップに対応する半値幅を小さくすることである。
【0642】
本願の発明者らは、長期にわたる研究開発過程において、以下を発見した。上記振動方程式に基づいて、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、第2の振動伝達シート1122の剛性に強い相関があり、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、第1の振動伝達シート113の剛性に強い相関があり、共振ディップV0のピーク共振周波数は、第1の振動伝達シート113の剛性及びコアハウジング111の質量に強い相関がある。本願に記載の強い相関があるとは、第1の振動伝達シート113の剛性が変化する場合、例えば、第1の振動伝達シート113がエネルギー変換装置112及びコアハウジング111に接続されることを満たす場合、第1の振動伝達シート113自体の局所構造を破壊又は破断し、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振周波数が顕著に大きくなるか又は小さくなること、第2の振動伝達シート1122の剛性が変化する場合、例えば、第2の振動伝達シート1122が磁気回路システム及びブラケット1121に接続されることを満たす場合、第2の振動伝達シート1122自体の局所構造を破壊又は破断し、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数が顕著に大きくなるか又は小さくなること、コアハウジング111の質量が変化する場合、例えば、コアハウジング111に接着剤を塗布して硬化し、共振ディップV0のピーク共振周波数が顕著に大きくなるか又は小さくなることを指してもよい。例えば、第1の振動伝達シート113の剛性が変化する場合、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数のオフセット量の絶対値は、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数のオフセット量の絶対値よりも大きく、第2の振動伝達シート1122の剛性が変化する場合、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数のオフセット量の絶対値は、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数のオフセット量の絶対値よりも大きい。しかしながら、これは、第1の共振ピークP1と第2の共振ピークP2のピーク共振周波数がそれぞれ第2の振動伝達シート1122と第1の振動伝達シート113の剛性のみに関係することを意味するものではなく、例えば、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、第1の振動伝達シート113の剛性、磁気回路システムの質量などのパラメータにも関係し、また例えば、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、第2の振動伝達シート1122の剛性、磁気回路システムの質量、コアハウジング111の質量などのパラメータにも関係する。
【0643】
図38に示すように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、異なる第1の振動伝達シート113の剛性で大きく異なる。符号K1-2、K1-1、K1_0、K1+1及びK1+2は、それぞれ第1の振動伝達シート113の剛性を表し、かつ数値が順に大きくなる。さらに、基準剛性(例えば、K1_0)に比べて、第1の振動伝達シート113の剛性が徐々に大きくなる(例えば、K1_0→K1+1→K1+2)につれて、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、基本的に変化せず、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振周波数は、顕著に大きくなり、すなわち、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0は、周波数の高い周波数帯域にオフセットし、第1の振動伝達シート113の剛性が徐々に小さくなる(例えば、K1_0→K1-1→K1-2)につれて、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、わずかに小さくなり、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振周波数は、顕著に小さくなり、すなわち、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0は、周波数の低い周波数帯域にオフセットする。要するに、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数に比べて、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振周波数は、第1の振動伝達シート113の剛性の変化に伴って顕著に変化する。
【0644】
これに加えて、基準剛性(例えば、K1_0)に比べて、第1の振動伝達シート113の剛性が徐々に大きくなる(例えば、K1_0→K1+1→K1+2)につれて、第1の共振ピークP1、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振強度は、基本的に変化せず、第1の振動伝達シート113の剛性が徐々に小さくなる(例えば、K1_0→K1-1→K1-2)につれて、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振強度は、顕著に小さくなり、第1の共振ピークP1のピーク共振強度は、まず基本的に変化せず、その後顕著に小さくなる。
【0645】
図39に示すように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、異なる第2の振動伝達シート1122の剛性で大きく異なる。符号K2-2、K2-1、K2_0、K2+1及びK2+2は、それぞれ第2の振動伝達シート1122の剛性を表し、かつ数値が順に大きくなる。さらに、基準剛性(例えば、K2_0)に比べて、第2の振動伝達シート1122の剛性が徐々に大きくなる(例えば、K2_0→K2+1→K2+2)につれて、共振ディップV0のピーク共振周波数は、基本的に変化せず、第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、顕著に大きくなり、すなわち、第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2は、周波数の高い周波数帯域にオフセットし、第2の振動伝達シート1122の剛性が徐々に小さくなる(例えば、K2_0→K2-1→K2-2)につれて、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、顕著に小さくなり、すなわち、第1の共振ピークP1は、周波数の低い周波数帯域にオフセットし、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振周波数は、基本的に変化しない。要するに、共振ディップV0のピーク共振周波数に比べて、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、第2の振動伝達シート1122の剛性の変化に伴って顕著に変化し、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数も第2の振動伝達シート1122の剛性の変化に伴って変化するが、変化量には限りがある。
【0646】
これに加えて、基準剛性(例えば、K2_0)に比べて、第2の振動伝達シート1122の剛性が徐々に大きくなる(例えば、K2_0→K2+1→K2+2)につれて、第1の共振ピークP1のピーク共振強度は、まず基本的に変化せず、その後顕著に小さくなり、第2の共振ピークP2のピーク共振強度は、わずかに大きくなり、共振ディップV0のピーク共振強度は、基本的に変化せず、第2の振動伝達シート1122の剛性が徐々に小さくなる(例えば、K2_0→K2-1→K2-2)につれて、第1の共振ピークP1、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振強度は、基本的に変化しない。
【0647】
図40に示すように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、異なるコアハウジング111の質量で大きく異なる。符号M1-2、M1-1、M1_0、M1+1及びM1+2は、それぞれコアハウジング111の質量を表し、かつ数値が順に大きくなる。さらに、基準質量(例えば、M1_0)に比べて、コアハウジング111の質量が徐々に大きくなる(例えば、M1_0→M1+1→M1+2)につれて、第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、わずかに小さくなり、共振ディップV0のピーク共振周波数は、顕著に小さくなり、すなわち、共振ディップV0は、周波数の低い周波数帯域にオフセットし、コアハウジング111の質量が徐々に小さくなる(例えば、M1_0→M1-1→M1-2)につれて、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、わずかに大きくなり、第2の共振ピークP2及び共振ディップV0のピーク共振周波数は、顕著に大きくなり、すなわち、共振ディップV0は、周波数の高い周波数帯域にオフセットする。要するに、第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2のピーク共振周波数に比べて、共振ディップV0のピーク共振周波数は、コアハウジング111の質量の変化に伴って顕著に変化する。
【0648】
これに加えて、基準質量(例えば、M1_0)に比べて、コアハウジング111の質量が徐々に大きくなる(例えば、M1_0→M1+1→M1+2)につれて、第1の共振ピークP1のピーク共振強度は、顕著に小さくなり、第2の共振ピークP2のピーク共振強度は、基本的に変化せず、共振ディップV0のピーク共振強度は、顕著に大きくなり、コアハウジング111の質量が徐々に小さくなる(例えば、M1_0→M1-1→M1-2)につれて、第1の共振ピークP1のピーク共振強度は、基本的に変化せず、第2の共振ピークP2のピーク共振強度は、まず基本的に変化せず、その後顕著に小さくなり、共振ディップV0のピーク共振強度は、顕著に小さくなる。
【0649】
さらに、
図1及び
図36に示すように、第1の振動伝達シート113は、エネルギー変換装置112、振動パネル114などの構造をコアハウジング111内にサスペンションする必要があり、第2の振動伝達シート1122は、エネルギー変換装置112の磁気回路システムなどの構造をコアハウジング111内にサスペンションする必要がある。明らかに、第1の振動伝達シート113が受ける総重量は、第2の振動伝達シート1122が受ける総重量よりも大きい。これに基づいて、第1の振動伝達シート113の剛性は、一般的に、第2の振動伝達シート1122の剛性よりも大きく、それによりそれぞれ対応するサスペンションニーズを満たす。換言すれば、受けようとする総重量がより大きい場合、当業者は、剛性がより大きい振動伝達シートを選択する傾向があり、受けようとする総重量がより小さい場合、当業者は、剛性がより小さい振動伝達シートを選択する傾向がある。これに対して、本願は、サスペンションニーズを満たす場合、第1の振動伝達シート113の剛性を小さくすることができ、第2の振動伝達シート1122の剛性を大きくすることもでき、それにより周波数応答曲線における共振ピーク又は共振ディップに対応するピーク共振周波数、ピーク共振強度を調整することにより、周波数応答曲線が人間の耳で可聴な周波数帯域範囲内にできるだけ平坦になるようにする。例示的には、第2の振動伝達シート1122の剛性は、第1の振動伝達シート113の剛性よりも大きくてもよい。
【0650】
図41に示すように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、異なる第1の振動伝達シート113の剛性及び第2の振動伝達シート1122の剛性で大きく異なる。基準剛性(K1_0&K2_0)に比べて、第1の振動伝達シート113の剛性及び/又は第2の振動伝達シート1122の剛性を連続的に最適化するにつれて、例えば、第1の振動伝達シート113の剛性が徐々に小さくなるが、第2の振動伝達シート1122の剛性が徐々に大きくなり、共振ディップV0のピーク共振周波数が徐々に小さくなることができ、すなわち、共振ディップV0が周波数の低い周波数帯域にオフセットすることができ、中周波数の欠落の改善に有利である。それだけでなく、共振ディップV0のピーク共振強度も徐々に小さくなることができ、中周波数ディップの除去に有利であり、周波数応答曲線をより平坦にし、イヤホン10の音響表現力の改善に有利である。なお、第1の振動伝達シート113と第2の振動伝達シート1122が共同で発生する共振ピーク及び第1の振動伝達シート113が発生する共振ディップは、
図37~
図40に示す周波数応答曲線において、ほとんどの場合、「ピーク-ディップ-ピーク」(すなわち、P1-V0-P2)の配列方式で表現され、共振ディップV0のピーク共振強度が大きく、
図41に示す周波数応答曲線において、「ディップ-ピーク-ディップ」(すなわち、V0-P1-P2)の配列方式で表現され、共振ディップV0のピーク共振強度が小さい。換言すれば、第1の振動伝達シート113の剛性及び第2の振動伝達シート1122の剛性のうちの一方を単独に変化することに比べて、第1の振動伝達シート113の剛性を小さくすると同時に、第2の振動伝達シート1122の剛性を大きくすることは、共振ディップV0の周波数の低い周波数帯域へのオフセットをより効率的にするだけでなく、共振ディップV0を弱めることに有利である。
【0651】
いくつかの実施例において、コアハウジング111の質量は、1g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、7000N/m以下であってもよく、それにより共振ディップV0のピーク共振周波数を小さくし、例えば、共振ディップV0のピーク共振周波数は、400Hz以下であり、それにより共振ディップV0が周波数の低い周波数帯域にオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。好ましくは、コアハウジング111の質量は、1g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、7000N/m以下であってもよく、より好ましくは、コアハウジング111の質量は、1.2g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、5000N/m以下であってもよく、それにより共振ディップV0のピーク共振周波数をより多く小さくし、例えば、共振ディップV0のピーク共振周波数は、200Hz以下であり、それにより共振ディップV0が周波数の低い周波数帯域により多くオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。これに加えて、共振ディップV0が周波数のより低い周波数帯域にオフセットすることにより、振動パネル114の低周波数帯域での振動を弱め、低周波数帯域での痒み感の軽減にも有利である。
【0652】
上記関連説明に基づいて、コアハウジング111の質量を大きくすること、及び第1の振動伝達シート113の剛性を小さくすることは、いずれも共振ディップV0のピーク共振周波数を小さくすることに有利であり、すなわち、共振ディップV0を周波数の低い周波数帯域にオフセットさせることに有利である。したがって、コアハウジング111の質量と第1の振動伝達シート113の剛性との比は、0.15s2以上であり、好ましくは、コアハウジング111の質量と第1の振動伝達シート113の剛性との比は、0.2s2以上であってもよい。このように、コアハウジング111の質量及び第1の振動伝達シート113の剛性のうちの一方が決定された場合、コアハウジング111の質量及び第1の振動伝達シート113の剛性のうちの他方を決定又は最適化することにより、共振ディップV0のピーク共振周波数をできるだけ周波数の低い周波数帯域にオフセットさせ、さらに中周波数の欠落を改善する。
【0653】
好ましくは、非装着状態において、共振ディップV0に加えて、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に、第1の振動伝達シート113及び第2の振動伝達シート1122によって共同で発生した少なくとも1つの共振ピーク、例えば、第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2をさらに有してもよい。第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、200Hz~400Hzであってもよく、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数よりも大きい。このように、イヤホン10は、少なくとも中低周波数帯域において高い感度を得ることができ、すなわち、中低周波数帯域の音量が低すぎないことで、イヤホン10の音響表現力を改善する。当然のことながら、他のいくつかの実施例において、周波数応答曲線は、200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に1つの共振ピーク、例えば、第2の共振ピークP2のみを有してもよい。
【0654】
好ましくは、第2の振動伝達シート1122の剛性は、1000N/m以上であってもよく、それにより第1の共振ピークP1のピーク共振強度を小さくし、さらに第1の共振ピークP1を弱め、周波数応答曲線を全体的により平坦にする。それと同時に、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数もわずかに大きくし、すなわち、第1の共振ピークP1は、周波数の高い周波数帯域にわずかにオフセットし、共振ディップV0がまた周波数の低い周波数帯域にオフセットすることにより、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、共振ディップV0のピーク共振周波数よりも大きくてもよい。このように、イヤホン10は、少なくとも中高周波数帯域において高い感度を得ることができ、すなわち、中高周波数帯域の音量が低すぎないことで、イヤホン10の音響表現力を改善する。
【0655】
いくつかの実施例において、コアハウジング111の質量は、0.5g以下であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、80000N/m以上であってもよく、それにより共振ディップV0のピーク共振周波数を大きくし、例えば、共振ディップV0のピーク共振周波数は、2kHz以上であり、それにより共振ディップV0が周波数の高い周波数帯域にオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。好ましくは、コアハウジング111の質量は、0.5g以下であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、160000N/m以上であってもよく、それにより共振ディップV0のピーク共振周波数をより多く大きくし、例えば、共振ディップV0のピーク共振周波数は、4kHz以上であり、それにより共振ディップV0が周波数の高い周波数帯域により多くオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。
【0656】
好ましくは、非装着状態において、共振ディップV0に加えて、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、第1の振動伝達シート113及び第2の振動伝達シート1122によって共同で発生した少なくとも1つの共振ピーク、例えば第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2をさらに有してもよい。第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、共振ディップV0のピーク共振周波数よりも小さく、例えば、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、200Hz~400Hzであり、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、共振ディップV0のピーク共振周波数よりも大きく、例えば、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、4kHz以上である。このように、イヤホン10は、少なくとも中低周波数帯域において高い感度を得ることができ、すなわち、中低周波数帯域の音量が低すぎず、周波数応答曲線を全体的により平坦にすることで、イヤホン10の音響表現力を改善する。
【0657】
いくつかの実施例において、コアモジュール11は、中周波数の欠落を改善するように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線が400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないように構成されてもよい。本願に記載の有効共振ディップは、前述の周波数応答曲線の横軸に平行な基準線分と前述の周波数応答曲線とは2つの交点を有することとして定義され、前述の基準線分に対応する強度から前述の有効共振ディップのピーク共振強度を引いた強度は、6dBであり、前述の基準線分の両端点に対応する周波数の差は、4オクターブ以下である。例えば、非装着状態において、レーザ三角測量法により振動パネル114の振動変位を測定し、次に周波数応答曲線における有効共振ディップに疑似する周波数応答点(一般的には、周波数応答曲線における凹みの位置)を選択して該周波数応答点のピーク共振強度を読み取り、該ピーク共振強度から6dBを引いて基準点を得て、さらに該基準点を通過して周波数応答曲線の横軸に平行な基準線を引き、該基準線と周波数応答曲線とが2つの交点を有する場合、さらに2つの交点の周波数の差が4つのオクターブ以下であるか否かを計算して判定し、該周波数の差が4つのオクターブ以下である場合、該周波数応答点は、本願で定義された有効共振ディップである。したがって、前述の有効共振ディップに比べて、周波数応答曲線がある周波数帯域内において局所的に微小な凸部(例えば、本願に記載の共振ピーク)又は凹み(例えば、本願に記載の共振ディップ)が現れ、対応する周波数応答曲線が平坦ではないように見える場合であっても、このような局所的に微小な凸部又は凹みがイヤホン10の音響表現力に実質的な悪影響を与えない限り、このような共振ピーク又は共振ディップの存在を許容して、コアモジュール11のコストを両立させる。要するに、本願に記載の共振ディップと有効共振ディップは、周波数応答曲線の平坦度を評価する2つの異なる基準であり、両者は、主に周波数応答曲線における凹みの位置を対象とし、有効共振ディップは、共振ディップの1種であるが、共振ディップは、必ずしも本願の有効共振ディップに対する定義を満たさない。
【0658】
上記関連説明に基づいて、有効共振ディップのピーク共振周波数は、第1の振動伝達シート113の剛性及びコアハウジング111の質量などのパラメータに関連する。例示的には、コアハウジング111の質量及び/又は第1の振動伝達シート113の剛性は、中周波数の欠落を改善するように、周波数応答曲線が400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないように構成されてもよい。周波数応答曲線が400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないとは、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たさないことを指してもよく、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たすが、そのピーク共振周波数が400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内にないことを指してもよい。
【0659】
さらに、非装着状態において、有効共振ディップに加えて、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に、第1の振動伝達シート113と第2の振動伝達シート1122が共同で発生する少なくとも1つの共振ピークを有してもよく、それにより中周波数帯域の音量が低すぎず、イヤホン10の音響表現力を改善する。いくつかの実施形態において、コアハウジング111の質量は、1g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、2500N/m以下であり、第2の振動伝達シート1122の剛性は、100000N/m以下であってもよい。他のいくつかの実施形態において、コアハウジング111の質量は、0.5g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、80000N/m以下であり、第2の振動伝達シート1122の剛性は、1000N/m~500000N/mであってもよい。
【0660】
好ましくは、コアハウジング111の質量及び/又は第1の振動伝達シート113の剛性は、より広い周波数帯域範囲内に中周波数の欠落を改善するように、周波数応答曲線が200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないように構成されてもよい。周波数応答曲線が200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないとは、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たさないことを指してもよく、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たすが、そのピーク共振周波数が200Hz~2kHzの周波数帯域範囲内にないことを指してもよい。いくつかの実施形態において、コアハウジング111の質量は、1g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、2500N/m以下であってもよく、それにより有効共振ディップのピーク共振周波数をより多く小さくし、例えば、有効共振ディップのピーク共振周波数は、200Hz以下であり、それにより有効共振ディップが周波数の低い周波数帯域により多くオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。他のいくつかの実施例において、コアハウジング111の質量は、0.5g以下であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、80000N/m以上であってもよく、それにより有効共振ディップのピーク共振周波数を大きくし、例えば、有効共振ディップのピーク共振周波数は、2kHz以上であり、それにより有効共振ディップが周波数の高い周波数帯域にオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。
【0661】
さらに、コアハウジング111の質量及び/又は第1の振動伝達シート113の剛性は、より広い周波数帯域範囲内に中周波数の欠落を改善するように、周波数応答曲線が200Hz~4kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないように構成されてもよい。周波数応答曲線が200Hz~4kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップがないとは、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たさないことを指してもよく、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たすが、そのピーク共振周波数が200Hz~4kHzの周波数帯域範囲内にないことを指してもよい。いくつかの実施形態において、コアハウジング111の質量は、1g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、2500N/m以下であってもよく、それにより有効共振ディップのピーク共振周波数をより多く小さくし、例えば、有効共振ディップのピーク共振周波数は、200Hz以下であり、それにより有効共振ディップが周波数の低い周波数帯域により多くオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。他のいくつかの実施例において、コアハウジング111の質量は、0.5g以下であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、160000N/m以上であってもよく、それにより有効共振ディップのピーク共振周波数を大きくし、例えば、有効共振ディップのピーク共振周波数は、4kHz以上であり、それにより有効共振ディップが周波数の高い周波数帯域にオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。
【0662】
好ましくは、コアハウジング111の質量及び/又は第1の振動伝達シート113の剛性は、周波数応答曲線が200Hz~400Hzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップを有するように構成されてもよく、有効共振ディップが中周波数帯域に現れることを回避し、さらに中周波数の欠落を改善することに有利する。例示的には、コアハウジング111の質量は、1g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、7000N/m以下であってもよく、それにより有効共振ディップのピーク共振周波数を小さくし、例えば、有効共振ディップのピーク共振周波数は、400Hz以下であり、それにより有効共振ディップが周波数の低い周波数帯域にオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。これに加えて、有効共振ディップが周波数のより低い周波数帯域にオフセットすることにより、振動パネル114の低周波数帯域での振動を弱め、低周波数帯域での痒み感の軽減にも有利である。さらに、非装着状態において、有効共振ディップに加えて、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、400Hz~2kHzの周波数帯域範囲内に、第1の振動伝達シート113と第2の振動伝達シート1122が共同で発生する2つの共振ピークを有してもよく、すなわち、2つの共振ピークのピーク共振周波数は、それぞれ有効共振ディップのピーク共振周波数よりも大きくてもよい。例示的には、第2の振動伝達シート1122の剛性は、1000N/m以上であってもよく、それにより第1の共振ピークのピーク共振強度を小さくし、さらに第1の共振ピークを弱め、周波数応答曲線を全体的により平坦にする。それと同時に、第1の共振ピークのピーク共振周波数もわずかに大きくし、すなわち、第1の共振ピークは、周波数の高い周波数帯域にわずかにオフセットし、有効共振ディップがまた周波数の低い周波数帯域にオフセットすることにより、第1の共振ピークのピーク共振周波数は、有効共振ディップのピーク共振周波数よりも大きくてもよい。このように、イヤホン10は、少なくとも中低周波数帯域において高い感度を得ることができ、すなわち、中低周波数帯域の音量が低すぎないことで、イヤホン10の音響表現力を改善する。
【0663】
好ましくは、コアハウジング111の質量及び/又は第1の振動伝達シート113の剛性は、周波数応答曲線が2kHz~20kHzの周波数帯域範囲内に有効共振ディップを有するように構成されてもよく、有効共振ディップが中周波数帯域に現れることを回避し、さらに中周波数の欠落を改善することに有利する。例示的には、コアハウジング111の質量は、0.5g以下であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、80000N/m以上であってもよく、それにより有効共振ディップのピーク共振周波数を大きくし、例えば、有効共振ディップのピーク共振周波数は、2kHz以上であり、それにより有効共振ディップが周波数の高い周波数帯域にオフセットし、中周波数の欠落の改善に有利である。
【0664】
いくつかの実施例において、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、第1の振動伝達シート113及び第2の振動伝達シート1122によって共同で発生した第1の共振ピーク及び第2の共振ピークを有してもよく、第1の共振ピークのピーク共振周波数は、第2の共振ピークのピーク共振周波数よりも小さく、第1の共振ピークと第2の共振ピークとの間に有効共振ディップがない。このように、周波数応答曲線の2つの共振ピークの間の平坦度を増加させることに有利であるだけでなく、周波数応答曲線が2つの共振ピークの間にある周波数点又は周波数帯域が欠落するという問題を回避することに有利である。第1の共振ピークと第2の共振ピークとの間に有効共振ディップがないとは、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たさないことを指してもよく、周波数応答曲線における共振ディップの凹み位置などが本願の有効共振ディップの定義を満たすが、そのピーク共振周波数が第1の共振ピークと第2の共振ピークとの間にないことを指してもよい。さらに、第1の共振ピークのピーク共振周波数は、80Hz~400Hzであり、第2の共振ピークのピーク共振周波数は、100Hz~2kHzであってもよい。好ましくは、第1の共振ピークのピーク共振周波数は、200Hz~400Hzであり、第2の共振ピークのピーク共振周波数は、400Hz~2kHzであってもよい。
【0665】
上記関連説明に基づいて、コアハウジング111の質量は、1g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、7000N/m以下であり、第2の振動伝達シート1122の剛性は、1000N/m以上であってもよい。好ましくは、コアハウジング111の質量は、1.2g以上であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、5000N/m以下であり、第2の振動伝達シート1122の剛性は、3000N/m以上であってもよい。
【0666】
いくつかの実施例において、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、第1の振動伝達シート113によって発生した共振ディップV0と、第1の振動伝達シート113及び第2の振動伝達シート1122によって共同で発生した第1の共振ピークP1及び第2の共振ピークP2とを有してもよく、共振ディップV0のピーク共振周波数は、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数よりも小さく、第1の共振ピークP1のピーク共振周波数は、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数よりも小さい。このように、周波数応答曲線が2つの共振ピークの間にある周波数点又は周波数帯域が欠落するという問題を回避することに有利であるだけでなく、周波数応答曲線の2つの共振ピークの間の平坦度を増加させることに有利である。いくつかの実施形態において、共振ディップV0のピーク共振周波数は、400Hz以上であってもよい。例示的には、コアハウジング111の質量は、1g以下であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、7000N/m以上であり、第2の振動伝達シート1122の剛性は、1000N/m以上であってもよい。他のいくつかの実施形態において、第2の共振ピークP2のピーク共振周波数は、1kHz以下であってもよい。例示的には、コアハウジング111の質量は、1g以下であり、第1の振動伝達シート113の剛性は、7000N/m以上であり、第2の振動伝達シート1122の剛性は、20000N/m~50000N/mであってもよい。
【0667】
いくつかの実施例において、
図37に示すように、非装着状態において、振動パネル114の振動の周波数応答曲線は、ブラケット1121の剛性に強い相関がある共振ピークを有してもよく、該共振ピークは、第3の共振ピークP3として定義されてもよい。ブラケット1121の剛性は、100000N/m以上であってもよく、それにより第3の共振ピークP3のピーク共振周波数が4kHz以上になり、さらに周波数応答曲線の中高周波数帯域及びそれ以上の周波数帯域ができるだけ平坦になり、イヤホン10の音響表現力の改善に有利である。いくつかの実施形態において、ブラケット1121の材質は、ポリカーボネート、ナイロン、プラスチックチタンなどの高分子材料のうちのいずれか1種であってもよく、それによりブラケット1121が十分な剛性を有し、さらに第3の共振ピークP3ができるだけ周波数の高い周波数帯域にオフセットする。他のいくつかの実施形態において、ブラケット1121は、基体及び補強体を含んでもよく、基体の材質は、ポリカーボネート、ナイロン、プラスチックチタンなどの高分子材料のうちのいずれか1種であり、補強体は、基体内にドープされたガラス繊維又は炭素繊維であってもよく、又は、補強体は、二次射出成形プロセスにより基体に成形されたアルミニウム合金又はステンレス鋼であってもよく、それによりブラケット1121の剛性をさらに増加させ、第3の共振ピークP3ができるだけ周波数の高い周波数帯域にオフセットする。さらに、ブラケット1121の平均厚さとブラケット1121の面積との比は、0.01mm
-1以上であってもよく、それによりブラケット1121の剛性を増加させ、第3の共振ピークP3ができるだけ周波数の高い周波数帯域にオフセットする。ブラケット1121の面積は、ブラケット1121のエネルギー変換装置112の振動方向に沿った正投影の面積として定義されてもよく、ブラケット1121の平均厚さは、ブラケット1121の体積をブラケット1121の面積で割ったものとして定義されてもよく、ブラケット1121の面積及び体積は、いずれも測定できるものである。
【0668】
なお、本願に記載の第1の振動伝達シート113の剛性は、以下のように測定することができる。まず、第1の振動伝達シート113のエッジをグラム力計などのテスターの固定台に固定し、さらに、グラム力計のプローブを第1の振動伝達シート113上の重心、幾何学的中心などのテスト点に合わせ、次に、グラム力計の制御パネルに複数の変位の数値を入力し、プローブの受力、変位などのパラメータ間の対応関係を記録して、変位-受力曲線(その横軸と縦軸は、それぞれ変位と力を表す)を描き、最後に、曲線における傾斜直線分の傾きを計算して、第1の振動伝達シート113の剛性を得る。各変位は、プローブが移動する距離を表し、プローブが移動することにより、第1の振動伝達シート113に変形量を発生させ、各変位による第1の振動伝達シート113の変形量は、第1の振動伝達シート113の最大変形量を超えなくてもよい。さらに、第1の振動伝達シート113の変形がプローブの移動に遅れているため、変位-応力曲線は、横軸にほぼ平行な曲線部分を有し、横軸に平行な曲線部分は、第1の振動伝達シート113の剛性を計算する際に考慮されなくてもよい。明らかに、第2の振動伝達シート1122、ブラケット1121などの構造の剛性は、同一又は類似の方式で測定することができ、ここでは説明を省略する。
【0669】
以上の説明は、本願の一部の実施例に過ぎず、本願の保護範囲を限定するためのものではなく、本願の明細書及び図面の内容に基づいて行った等価装置又は等価プロセス変換、又は他の関連する技術分野への直接又は間接的応用は、すべて同様に本願の特許保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0670】
10 イヤホン
11 コアモジュール
12 ヘッドビームアセンブリ
13 アダプタハウジング
14 電池
15 マザーボード
16 スティックマイクアセンブリ
17 機能アセンブリ
100 収容キャビティ
111 コアハウジング
112 エネルギー変換装置
113 第1の振動伝達シート
114 振動パネル
115 接続部材
116 囲み部材
117 ガスケット
118 密封膜
121 弧状ヘッドビーム部材
122 アダプタ部材
124 支持部材
125 補助部材
126 ダンパー
127 接続線アセンブリ
128 押当部材
1111 取付孔
1112 内筒壁
1113 第1の端壁
1114 第2の端壁
1115 第1の外筒壁
1121 ブラケット
11212 第1のブラケット
11213 第2のブラケット
11214 サスペンション
11215 挿着孔
11216 挿着柱
1122 第2の振動伝達シート
1123 コイル
1124 透磁カバー
1125 磁石
1141 皮膚接触領域
1142 空気伝導増強領域
1161 連通孔
1164 位置制限部
1167 多孔質構造
1211 内側チャンバ形成体
1212 外側蓋体
1213 補強体
1214 内側蓋体
300 音響フィルタ