(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147747
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】メダル配列装置及びメダルゲーム機
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A63F9/00 512Z
A63F9/00 508H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024115576
(22)【出願日】2024-07-19
(62)【分割の表示】P 2021207048の分割
【原出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】寒川 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】花俣 暁
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コストを軽減しつつ、小型化を実現できるとともに、メダルを安定的にかつ迅速に供給して積み上げられるメダル配列装置及びメダルゲーム機を提供する。
【解決手段】メダル配列装置5は、保持部と供給部30とを備え、供給部30は、メダルホッパ32と案内部33とを有し、メダル通路400は、第1メダル通路401と第2メダル通路402とを有し、案内部33は、第1メダル通路401の第1側壁面461側に設けられた上流当接部511及び下流当接部512を有する。上流当接部511及び下流当接部512は、一枚のメダルが所定位置Bに到達したとき、一枚のメダルを第2側壁面462に押し付けるように、それぞれの少なくとも一部が第1メダル通路401に位置し、かつ、一枚のメダルが所定位置Bを通過するとき、下流当接部512が第1メダル通路401の外部に退避するように設けられている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定配列で配置された複数のメダルによって構成された単層メダルセットを保持する保
持面を有する保持部と、
メダル通路を介してメダルを前記保持面に供給する供給部と、を備え、
前記供給部は、前記メダル通路にメダルを一枚ずつ射出するメダルホッパと、前記メダ
ル通路に射出されたメダルを案内する案内部と、を有し、
前記メダル通路は、前記保持面よりもメダルの移動方向の上流側に形成されかつ互いに
対向する第1側壁面及び第2側壁面を有する第1メダル通路と、前記第1メダル通路の下
流端部に連結され前記保持面上に形成された第2メダル通路と、を有し、
前記案内部は、前記第2側壁面に向けて付勢されるように前記第1メダル通路の前記第
1側壁面側に設けられた可動式の上流当接部及び下流当接部を有し、
前記上流当接部及び前記下流当接部は、前記メダルホッパから射出された一枚のメダル
が前記下流端部の所定位置に到達したとき、前記一枚のメダルを前記第2側壁面に押し付
けるように、それぞれの少なくとも一部が前記第1メダル通路に位置し、かつ、前記一枚
のメダルが前記所定位置を通過するとき、前記下流当接部が前記第1メダル通路の外部に
退避するように、設けられている、
メダル配列装置。
【請求項2】
前記下流当接部は、前記上流当接部の前記第1メダル通路の幅方向における移動に連動
する、請求項1に記載のメダル配列装置。
【請求項3】
前記案内部は、第1案内部を備え、
前記第1案内部は、レバー構造である第1当接部を有し、
前記第1当接部は、前記第1メダル通路の前記第1側壁面側に固定された支点部と、前
記下流端部側に設けられた下流自由端と、を有し、
前記上流当接部及び前記下流当接部は、前記第1当接部の前記下流自由端に設けられて
おり、
前記下流当接部は、前記上流当接部がメダルの側面に当接する位置の変更に伴い、前記
支点部を回転中心に、前記第1メダル通路に離れる方向又は近づく方向において回転する
ように設けられている、
請求項1又は2に記載のメダル配列装置。
【請求項4】
前記上流当接部及び前記下流当接部は、ローラによって構成されており、
前記上流当接部及び前記下流当接部の最短間隔は、メダルの直径よりも小さい、請求項
1乃至3のいずれか一項に記載のメダル配列装置。
【請求項5】
前記第2メダル通路は、前記保持面の周方向に沿って形成された環状通路であり、メダ
ルは、前記環状通路を充填しつつ前記保持面に配置される、請求項1乃至4のいずれか一
項に記載のメダル配列装置。
【請求項6】
前記案内部は、前記保持面の中央に前記保持面に対して交差するように設けられた、前
記環状通路におけるメダルの走行方向を規定するように、メダルを誘導する、第2案内部
をさらに有する、請求項5に記載のメダル配列装置。
【請求項7】
前記第2案内部は、前記環状通路において、前記第1メダル通路の前記下流端部に向か
うように設けられた突起部を有し、
前記突起部の先端と前記第1側壁面の最も下流側端との間の距離は、メダルの直径以上
であり、前記突起部の前記先端と前記第2側壁面の最も下流側端との間の距離は、メダル
の直径よりも小さい、請求項6に記載のメダル配列装置。
【請求項8】
前記案内部は、前記第2メダル通路の上方に、前記第2メダル通路の少なくとも一部を
覆うように設けられた、案内板を有する第3案内部をさらに有し、
前記案内板の前記保持面を向く側の面と前記保持面との間の距離は、1つのメダルの厚
みよりも大きく、2つのメダルの厚みよりも小さい、請求項1乃至7のいずれか一項に記
載のメダル配列装置。
【請求項9】
前記案内部は、前記第2メダル通路を覆う位置から、前記第2メダル通路を覆わない位
置までの範囲において、前記第3案内部を移動させる駆動部をさらに有する、請求項8に
記載のメダル配列装置。
【請求項10】
単層メダルセット及び複数層の単層メダルセットによって構成されたメダルタワーを載
置する載置面を有する載置部と、
前記載置面よりも上方の位置から、前記第1メダル通路よりも下方の位置までの範囲に
おいて、前記保持部を上昇及び下降させる搬送部と、
をさらに備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のメダル配列装置。
【請求項11】
メダルを投入するメダル投入機構と、
投入されたメダルを載置する載置台と、
前記載置台に載置されたメダルを移動させるプッシャテーブルと、
前記載置台から落下したメダルが入る入賞口と、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のメダル配列装置と、を備える、メダルゲーム
機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル配列装置及びメダルゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プレイヤがフィールド上へメダルを投入することにより、フィールド上を往復動
するプッシャによってメダルを押圧して落下させ、この落下させたメダルをプレイヤに払
い出すように構成されたメダルゲーム機が知られている。かかるメダルゲーム機に組み込
まれるメダル配列装置としては、ストッカにストックされたメダルを、回転板の取出孔を
介して一枚ずつ取り出し回転方向に移送させて所定位置でメダル孔の一つに供給し、この
ようなメダルの取出し及び移送を繰り返すことによりメダルMを全てのメダル孔に嵌め込
むことができるように構成したものが開示されている(特許文献1)。かかるメダル配列
装置を採用すると、メダルの嵌込み等を容易且つ迅速に行うことができる、とされている
。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された従来のメダル配列装置は、メダルを環状に配置するこ
とに一定の時間が必要とされているため、それほど迅速にメダルを積み上げることができ
るとは言えないものであった。また、メダルを搬送する構成及び搬送動作が複雑であるた
め、製造コストが高いのみならず、メダルを搬送するときにメダルが装置内に詰まる可能
性もある。さらに、従来のメダル配列装置では、メダルは、傾斜しているメダル通路を介
して、ストッカから回転板に滑り落ちる。よって、傾斜しているメダル通路を設置する空
間を確保するために装置全体が大型化されてしまう上に、メダルが自重により回転板に滑
り落ちるため、メダルの個体差により滑り落ちる方向、速度、及び姿勢等に大きなバラツ
キが生じる可能性があり、その結果メダルの供給が不安定になり、積上げにも大きな影響
を与えることがある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コストを軽減しつつ、小型化を実
現できるとともに、メダルを安定的にかつ迅速に供給して積み上げられるメダル配列装置
及びメダルゲーム機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係るメダル配列装置は、所定配列で配置された複数
のメダルによって構成された単層メダルセットを保持する保持面を有する保持部と、メダ
ル通路を介してメダルを保持面に供給する供給部と、を備え、供給部は、メダル通路にメ
ダルを一枚ずつ射出するメダルホッパと、メダル通路に射出されたメダルを案内する案内
部と、を有し、メダル通路は、保持面よりもメダルの移動方向の上流側に形成されかつ互
いに対向する第1側壁面及び第2側壁面を有する第1メダル通路と、第1メダル通路の下
流端部に連結され保持面上に形成された第2メダル通路と、を有し、案内部は、第2側壁
面に向けて付勢されるように第1メダル通路の第1側壁面側に設けられた可動式の上流当
接部及び下流当接部を有し、上流当接部及び下流当接部は、メダルホッパから射出された
一枚のメダルが下流端部の所定位置に到達したとき、一枚のメダルを第2側壁面に押し付
けるように、それぞれの少なくとも一部が第1メダル通路に位置し、かつ、一枚のメダル
が所定位置を通過するとき、下流当接部が第1メダル通路の外部に退避するように、設け
られているものである。
【0007】
かかる構成を採用すると、保持面よりも上流側にある所定位置において案内部の上流当
接部及び下流当接部がメダルを第2側壁面に押し付けてメダルの移動を若干抑制すること
で、メダルの移動状態の制御を実現させるとともに、保持面に供給されるメダルの枚数の
計測精度を向上させることができ、その後、メダルが所定位置を通過するときに下流当接
部が第1メダル通路の外部に退避することにより、メダルへの負荷を解除してメダルの移
動を許容することで、メダルの供給速度を維持することができる。その結果、メダルを安
定的にかつ迅速に供給して配置することができるメダル配列装置を得ることが可能になる
。
【0008】
また、メダル通路の一部を保持面上に配置する構成は、メダル通路の一部を保持面の周
囲に配置する構成と比較すると占有する面積が小さくなるため、装置の小型化及び簡易化
を実現できる。よって、コストを軽減しつつ、小型化の実現が可能なメダル配列装置を得
ることができる。
【0009】
本発明に係るメダル配列装置において、下流当接部は、上流当接部の第1メダル通路の
幅方向における移動に連動してもよい。
【0010】
かかる構成を採用すると、上流当接部及び下流当接部の動作を簡易に制御することがで
きる。
【0011】
本発明に係るメダル配列装置において、案内部は、第1案内部を備え、第1案内部は、
レバー構造である第1当接部を有し、第1当接部は、第1メダル通路の第1側壁面側に固
定された支点部と、下流端部側に設けられた自由端と、を有し、上流当接部及び下流当接
部は、第1当接部の自由端に設けられており、下流当接部は、上流当接部がメダルの側面
に当接する位置の変更に伴い、支点部を回転中心に、第1メダル通路に離れる方向又は近
づく方向において回転するように設けられてもよい。
【0012】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、下流当接部の動作を制御することがで
きる。
【0013】
本発明に係るメダル配列装置において、上流当接部及び下流当接部は、ローラによって
構成されており、上流当接部及び下流当接部の最短間隔は、メダルの直径よりも小さくさ
れてもよい。
【0014】
かかる構成を採用すると、上流当接部及び下流当接部がメダルに当接するときの摩擦力
を減少できるとともに、所定位置においてメダルの移動を確実に抑制することができる。
【0015】
本発明に係るメダル配列装置において、第2メダル通路は、保持面の周方向に沿って形
成された環状通路であり、メダルは、環状通路を充填しつつ保持面に配置されてもよい。
【0016】
かかる構成を採用すると、保持面はメダル通路の一部を構成できるため、メダル通路の
構成の簡易化を実現できる。
【0017】
本発明に係るメダル配列装置において、案内部は、保持面の中央に保持面に対して交差
するように設けられた、環状通路におけるメダルの走行方向を規定するように、メダルを
誘導する、第2案内部をさらに有してもよい。
【0018】
かかる構成を採用すると、第2案内部によって、環状通路における誘導メダルの走行方
向を規定する(例えば時計回りの方向に規定する)ことができるので、メダルが環状通路
において別々の方向に走行することを抑制することができる。従って、メダルを環状通路
に安定的に充填することができる。
【0019】
本発明に係るメダル配列装置において、第2案内部は、環状通路において、第1メダル
通路の下流端部に向かうように設けられた突起部を有し、突起部の先端と第1側壁面の最
も下流側端との間の距離は、メダルの直径以上であり、突起部の先端と第2側壁面の最も
下流側端との間の距離は、メダルの直径よりも小さくされてもよい。
【0020】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、メダルの環状通路における走行方向を
規定することができる。
【0021】
本発明に係るメダル配列装置において、案内部は、第2メダル通路の上方に、第2メダ
ル通路の少なくとも一部を覆うように設けられた、案内板を有する第3案内部をさらに有
し、案内板の保持面を向く側の面と保持面との間の距離は、1つのメダルの厚みよりも大
きく、2つのメダルの厚みよりも小さくされてもよい。
【0022】
かかる構成を採用すると、メダルの移動中における厚み方向の動きを規制することで、
第2メダル通路においてメダルの詰まりが発生することを抑制することができる。
【0023】
本発明に係るメダル配列装置において、案内部は、第2メダル通路を覆う位置から、第
2メダル通路を覆わない位置までの範囲において、第3案内部を移動させる駆動部をさら
に有してもよい。
【0024】
かかる構成を採用すると、必要に応じて第3案内部の第2メダル通路に対する位置を調
整することができ、第3案内部の使用自由度を向上させることができる。
【0025】
本発明に係るメダル配列装置において、単層メダルセット及び複数層の単層メダルセッ
トによって構成されたメダルタワーを載置する載置面を有する載置部と、載置面よりも上
方の位置から、前記第1メダル通路よりも下方の位置までの範囲において、保持部を上昇
及び下降させる搬送部と、をさらに備えてもよい。
【0026】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、メダルタワーの形成及び載置を行うこ
とができる。
【0027】
本発明に係るメダルゲーム機は、メダルを投入するメダル投入機構と、投入されたメダ
ルを載置する載置台と、載置台に載置されたメダルを移動させるプッシャテーブルと、載
置台から落下したメダルが入る入賞口と、上述したメダル配列装置と、を備えるものであ
る。
【0028】
かかる構成を採用すると、メダルを安定的にかつ迅速に供給して配置することができる
とともに、コストの軽減を実現できるメダルゲーム機を提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、コストを軽減しつつ、小型化を実現できるとともに、メダルを安定的
にかつ迅速に供給して積み上げられるメダル配列装置及びメダルゲーム機を提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本実施形態に係るメダルゲーム機の構成を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係るメダルゲーム機の機能的構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】本実施形態に係るメダル配列装置の全体斜視図である。
【
図5】本実施形態に係るメダル配列装置の分解斜視図である。
【
図6】本実施形態に係るメダル配列装置の平面図である。
【
図7】本実施形態に係るメダル配列装置の供給部の一部構成を示す斜視図である。
【
図8】本実施形態に係るメダル配列装置の供給部の一部構成を示す平面図である。
【
図9】本実施形態に係るメダル配列装置の供給部の構成及び第1状態を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るメダル配列装置の第1案内部の第4状態を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るメダル配列装置の第1案内部の第5状態を示す図である
【
図12】本実施形態に係るメダル配列装置において、メダルが第2メダル通路の上流端部に入る状態を示す図である。
【
図13】本実施形態に係るメダル配列装置の搬送部の構成を示す斜視図である。
【
図14】本実施形態に係るメダル配列装置の保持部及び搬送部の駆動構成の一部を示す斜視図である。
【
図15】本実施形態に係るメダル配列装置の搬送部の駆動構成の他の一部を示す斜視図である。
【
図16A】本実施形態に係るメダル配列装置の搬送部が第1位置における搬送状態を示す図である。
【
図16B】本実施形態に係るメダル配列装置の搬送部が第2位置における搬送状態を示す図である。
【
図16C】本実施形態に係るメダル配列装置の搬送部が第3位置における搬送状態を示す図である。
【
図18A】本実施形態に係るメダル配列装置の搬送部のセンサが搬送部の位置を測定できない状態を示す図である。
【
図18B】本実施形態に係るメダル配列装置の搬送部のセンサが搬送部の位置を測定できない状態を示す図である。
【
図19】本実施形態に係るメダルゲーム機の制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【
図20】本実施形態に係るメダルゲーム機の制御部によるメダルタワーの形成への制御を説明するためのフローチャートである。
【
図21】
図20のステップS100の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図22】
図20のステップS300に係る制御を説明するための図である。
【
図23】
図20のステップS400に係る制御を説明するための図である。
【
図24】
図20のステップS500に係る制御を説明するための図である。
【
図25】
図20のステップS600に係る制御を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、各図を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、図面の上下左右等の
位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の
寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施形態は、本発明
を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態のみに限定する趣旨ではない。また
さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0032】
<メダルゲーム機>
まず、
図1乃至
図3を参照しつつ、本実施形態に係るメダルゲーム機1の構成について
説明する。
図1は、メダルゲーム機1の斜視図である。
図2は、
図1のA部の拡大図であ
る。
図3は、メダルゲーム機1の機能的構成を説明するためのブロック図である。なお、
図2においては、メダル防護壁6の表示を省略している。
【0033】
本実施形態に係るメダルゲーム機1は、メダルゲームを行う装置の一例である。
図1に
示すように、メダルゲーム機1は、前後方向において、フロント側にある、プレイヤがメ
ダルMの投入操作等を行うための操作空間S1と、リア側にある、メダルタワーを作成す
るためのゲーム空間S2とを備える。
【0034】
また、メダルゲーム機1は、
図1に示すように、操作空間S1に配置されたメダル投入
機構2と、操作空間S1及びゲーム空間S2を仕切る仕切部3と、ゲーム空間S2に配置
された、メダルMを載置する載置台4と、メダルタワーを作成するメダル配列装置5と、
未完成メダルタワーの崩れを防止する透明なメダル防護壁6と、載置台4にあるメダルM
を移動させるプッシャテーブル7と、載置台4から落下したメダルMが入る入賞口8と、
落下したメダルMを払い出す払出口9と、を備える。
【0035】
また、メダルゲーム機1は、
図3に示すように、各種データを記憶するメモリ110と
、プッシャテーブル7を往復移動させる往復駆動部120と、メダル防護壁6を昇降させ
る昇降駆動部130と、入賞口8にメダルMが入ったことを検知する入賞センサ140と
、メダル配列装置5の動作を制御する制御手段150と、入賞センサ140及び制御手段
150からの情報に基づいて、各駆動部等の構成やゲームを制御するゲーム制御手段16
0と、を備える。
【0036】
メダル投入機構2は、メダル投入口2a、ハンドル2b、及びメダル射出口2cを有す
る。ゲーム時、プレイヤが、メダルMをメダル投入口2aに投入した後に、ハンドル2b
を回すことで、ばね等の付勢力によりメダル投入口2aにあるメダルMをメダル射出口2
cから載置台4に射出することができる。
【0037】
載置台4は、メダル射出口2cから射出されたメダルMを載置する載置面4aと、フロ
ント側にある側壁4bと、載置面4aに形成された孔部4cと、を有する。また、ゲーム
空間S2において、載置台4の側壁4bよりもフロント側には、落下口Pが設けられてい
る。
【0038】
メダル配列装置5は、載置台4のフロント側に設けられている。具体的には、
図2に示
すように、メダル配列装置5は、後述するメダル配列装置5の載置面111が載置面4a
の孔部4cから露出できるように、載置台4の内部に配置されている。なお、メダル配列
装置5の詳細は後述する。
【0039】
メダル防護壁6は、昇降駆動部130によって載置面4aに対して昇降できるように、
孔部4cにおいてメダル配列装置5の載置部10の周囲に設けられている。ゲーム時、メ
ダルタワーが未完成の場合、メダル防護壁6が載置面4aの上に上昇されるので、未完成
メダルタワーが移動中のメダルMの押付により崩壊するのを防止できる。メダルタワーが
完成した場合、メダル防護壁6が載置面4aの下に下降されるので、メダルタワーを崩せ
る状態にさせることができる。
【0040】
プッシャテーブル7は、載置面4aの上方かつメダル防護壁6よりもリア側に可動に設
けられている。また、プッシャテーブル7は、往復駆動部120の駆動によって、D0方
向にて往復移動する。プッシャテーブル7の往復幅は、変更することができる。
【0041】
入賞口8は、載置台4の側壁4bに設けられている。こうして、メダルMが載置台4の
載置面4aから落下口Pに落下したとき、一部のメダルMは、入賞口8に入ることができ
る。
【0042】
払出口9は、仕切部3の下部を前後方向に貫通するように設けられている。こうして、
落下口Pの底に落下したメダルMは、図示していないホッパ機構の駆動によって払出口9
から操作空間S1側に払い出されることができる。
【0043】
<メダル配列装置の概要>
次に、
図2、
図4乃至
図6を用いて、本実施形態に係るメダル配列装置5の概要につい
て説明する。
図4乃至
図6は、メダル配列装置5の構成を示す全体斜視図、分解斜視図、
及び平面図である。以下の説明では、
図4に示すメダル配列装置5の状態を「組立状態」
と呼び、メダル配列装置5が動作するときを「積上時」と呼ぶことがある。
【0044】
本実施形態に係るメダル配列装置5は、
図1に示すメダルゲーム機1に使用されるメダ
ルタワーを作成する装置の一例である。ここで、メダルタワーは、所定配列で配置された
複数のメダルによって構成された単層メダルセットが、複数層に重なることで構成された
ものである。本実施形態に係るメダルタワーMTは、
図2に示すように、複数層の単層メ
ダルセットMSが積み重ねることで構成された円筒状のものである。各単層メダルセット
MSは、6枚のメダルMが1つの円周上に環状に配置されて構成されている。各単層メダ
ルセットMSの外周の寸法は、後述する各単層メダルセットMSを搬送するための保持部
21の外径よりも大きい(
図6参照)。また、任意第n層の単層メダルセットMS(以下
「第n層MS」と呼ぶ)を構成する各メダルMは、第n+1層MS及び第n-1層MSを
構成する各メダルMに対して、円周上における配列方向が所定円心角(例えば、30°)
だけずれている。
【0045】
メダル配列装置5の概要の説明に戻る。メダル配列装置5は、
図4及び
図5に示すよう
に、単層メダルセットMS及びメダルタワーMTを載置する載置部10と、単層メダルセ
ットMSを載置部10に搬送する搬送部20と、単層メダルセットMSを形成する供給部
30と、特定の事象が発生したときに装置内に残っているメダルMを回収する回収部70
と、搬送部20、供給部30、及び回収部70の動作を制御する制御部80と、メダル配
列装置5の上記構成を保持する筐体部90と、を備える。
【0046】
組立状態において、
図4及び
図5に示すように、搬送部20の一部、供給部30、及び
制御部80は、筐体部90に直接取り付けられている。載置部10は、供給部30の上方
に固定されており、回収部70は、供給部30の下方に固定されている。また、載置部1
0、供給部30、及び回収部70には、三者の中央部分を上下方向に貫通する貫通空間が
形成されている。この貫通空間は、単層メダルセットMSを載置部10に搬送するための
搬送通路200(
図16A参照)を構成する。搬送部20の後述する保持部21は、搬送
通路200において上下移動かつ回転できるように設けられている。
【0047】
ここで、搬送通路200は、上下方向において、回収部70の内部にある、保持部21
が最も下方側に待機する第1位置P1から、載置部10よりも上方にある、単層メダルセ
ットMSの載置状態を調整するための第3位置P3までの範囲内で形成されている。また
、搬送通路200は、供給部30がメダルMを供給するための位置、すなわち、保持部2
1の後述する保持面211が第2メダル通路402の底部を構成するときの第2位置P2
を通過している。保持部21の保持面211は、第1位置P1、第2位置P2、及び第3
位置P3のそれぞれに停止できるように設けられている。
【0048】
こうして、積上時、制御部80の制御に基づいて、搬送部20の保持面211は第2位
置P2に移動すると、供給部30は、保持面211に6枚のメダルMを供給して、第1層
MSを構成する。続いて、保持面211は、第1層MSを保持しながら、第3位置P3に
上昇し、第1層MSの位置を載置部10の載置面111及び後述する第2案内部55の載
置面557(
図4及び
図6参照)の位置に対応させるように回転してから下降する。この
下降過程において、保持面211に保持されている第1層MSは、載置面111及び載置
面557に配置されて載置部10に載置される。その後、保持面211が第2位置P2に
戻り、上述した動作を繰り返すと、保持面211は、第2層MSから第n層MSを載置部
10に搬送して載置させることができる。このように、メダル配列装置5は、メダルタワ
ーMTを構成する。なお、メダル配列装置5によるメダルタワーMTの構成の詳細は、後
述する制御部80による制御に合わせて説明する。
【0049】
<メダル配列装置の詳細>
続いて、
図4乃至
図25を参照しつつ、メダル配列装置5の重要構成について詳細に説
明する。以下では、載置部10、供給部30、搬送部20、回収部70、制御部80の順
番で説明する。
【0050】
[載置部]
まず、
図2及び
図4乃至
図6を参照しつつ、載置部10の詳細について説明する。載置
部10は、
図4及び
図6に示すように、単層メダルセットMS及びメダルタワーMTを載
置する載置面部11と、載置面部11を支持する支持部12と、を有する。
【0051】
載置面部11は、リング状をなしている。
図4乃至
図6に示すように、載置面部11は
、単層メダルセットMSの各メダルMの主面の一部を載置するための6つの載置面111
と、隣り合う載置面111の間に設けられた6つの搬送面112と、を有する。
【0052】
支持部12は、円筒状をなしている。
図4乃至
図6に示すように、支持部12の内周面
121は、載置面部11の6つの搬送面112に対応するように形成された、6つの搬送
面122を有する。搬送面122は、上方になるに従ってその断面積が狭くなるように形
成されている。これにより、保持面211に配置されたメダルMは、上方に搬送されるに
従って、支持部12の中央側に寄せられて整列されることができる。
【0053】
[供給部]
次に、
図4乃至
図12を参照しつつ、供給部30の詳細について説明する。以下では、
供給部30の各構成の詳細を説明した上で、供給部30の動作について説明する。
図7及
び
図8は、供給部30の一部構成を示す斜視図及び平面図である。
図9は、供給部30の
構成及び第1状態を示す図である。
図10及び
図11は、第1案内部の第4状態及び第5
状態を示す図である。
図12は、メダルMが第2メダル通路402の上流端部404に入
る状態を示す図である。
【0054】
供給部30は、
図5及び
図9に示すように、後述するメダル通路400を構成する取付
部31と、メダル通路400にメダルMを一枚ずつ射出するメダルホッパ32と、射出さ
れたメダルMを案内する案内部33と、メダル通路400の所定位置BにおけるメダルM
の有無情報を取得するメダルセンサ34と、第2メダル通路402に流入するメダルMの
枚数情報を取得するレバーセンサ35と、を有する。
【0055】
(取付部)
取付部31は、
図5に示すように、板状をなしている。組立状態において、取付部31
は、筐体部90に取り付けられている。また、取付部31は、第1取付板41と、第1取
付板41上に設けられた第2取付板42と、を有する。
【0056】
第1取付板41は、
図5に示すように、厚み方向の両側にある第1主面411及び第2
主面412を有する。また、第1取付板41は、厚み方向に第1取付板41の中央部分を
貫通する孔部43と、その他の複数の取り付けのための孔及び溝と、を有する。孔部43
の平面視形状は、円状である。孔部43の直径は、保持部21の外形よりも大きい。
【0057】
第2取付板42は、
図5に示すように、厚み方向の両側にある第1主面421及び第2
主面422を有する。また、第2取付板42は、厚み方向に第2取付板42を貫通する、
孔部44と、切欠部46と、その他の複数の取り付けのための孔及び溝と、を有する。孔
部44は、組立状態において、第1取付板41の孔部43と同心に配置できる位置に設け
られており、切欠部46は、孔部44に連結するように設けられている。
【0058】
また、孔部44は、
図7に示すように、第1主面421と直交するように設けられた側
壁部440を有する。孔部44の平面視形状は、円状である。孔部44の直径は、第1取
付板41の孔部43の直径よりも大きい。切欠部46は、互いに対向する第1側壁面46
1及び第2側壁面462を有する。切欠部46の幅、すなわち第1側壁面461及び第2
側壁面462の間の距離は、メダルMの直径よりも大きい。また、孔部44の側壁部44
0と切欠部46の第2側壁面462との連結位置に、孔部44の中央側に向かって突起し
ている突起部48が設けられている。
【0059】
こうして、第2取付板42を第1取付板41の第1主面411に取り付けることで、メ
ダル通路400を構成する。具体的には、第1主面411と、第1側壁面461と、第2
側壁面462と、によって、メダル通路400の上流側にある第1メダル通路401を構
成している。第1主面411と、第2位置P2に位置する保持面211と、側壁部440
と、後述する第2案内部55の側面554(
図7及び
図8参照)と、によって、メダル通
路400の下流側にある第2メダル通路402を構成している。
【0060】
ここで、第2位置P2に位置する保持面211の高さは、
図7に示すように、第1主面
411の高さよりも若干低く(例えば、0.4mm低く)形成されることが好ましい。こ
れによって、メダルMは第2メダル通路402においてよりスムーズに移動することがで
きる。以下では、第2位置P2で、第2メダル通路402の底部を構成する保持面211
を「第2メダル通路402の保持面211」と呼ぶことがある。
【0061】
第1メダル通路401は、ほぼ直線状の通路である。第1メダル通路401の幅は、メ
ダルMの直径よりも大きい。また、第1メダル通路401は、上流端部403と、下流端
部405とを有する。上流端部403が所在する上流領域407は、直線状をなしており
、下流端部405は、上流領域407と後述する第2メダル通路402の上流端部404
とを連結するように湾曲している。こうして、下流端部405の案内によって、第1メダ
ル通路401において移動中のメダルMは、スムーズに第2メダル通路402へ流入する
ことができる。
【0062】
第2メダル通路402は、第2位置P2に位置する保持面211上に保持面211の周
方向に沿って形成された、環状通路であり、第1メダル通路401の下流端部405に連
結されている。第2メダル通路402の周長は、6枚のメダルMが配置できるように形成
されている。第2メダル通路402の幅は、メダルMの直径よりも大きい。また、第2メ
ダル通路402は、上流端部404と、下流端部406と、を有する。
【0063】
下流端部406の先端側には、第2メダル通路402の内側に向かって伸びている突起
部48が形成されている。このため、第2メダル通路402の、突起部48が存在する部
分の幅は、メダルMの直径よりも小さい。こうして、第2メダル通路402に移動するメ
ダルMは、突起部48によって停止されることになり、これにより第2メダル通路402
が6枚のメダルMによって充填され、6枚のメダルMが第2メダル通路402の保持面2
11に配置されることとなる。
【0064】
(メダルホッパ)
メダルホッパ32は、組立状態において、メダルMの射出口(図示せず)が第1メダル
通路401の上流端部403に接続されるように、筐体部90に取り付けられている。ま
た、メダルホッパ32の射出口の下方面の高さは、第1メダル通路401の底部である第
1主面411とほぼ同じである。このため、積上時、メダルMは、水平の状態でメダルホ
ッパ32から、第1メダル通路401に高速かつ安定的に射出することができる。メダル
ホッパ32としては、例えば、旭精工株式会社製の型番がFV-525であるコインホッ
パーを採用することができる。なお、メダルホッパ32は、ほかの物を採用してもよい。
【0065】
(案内部)
案内部33は、メダルMがメダル通路400において移動するときの移動状態を案内す
る3つの案内部を有する。具体的には、
図5及び
図9に示すように、案内部33は、第1
メダル通路401におけるメダルMの移動速度等を調整する第1案内部50と、第2メダ
ル通路402におけるメダルMの走行方向を規定する第2案内部55と、第2メダル通路
402におけるメダルMの厚み方向の動きを規制する第3案内部60と、を有する。また
、案内部33は、第3案内部60の動作を駆動する案内駆動部65を有する。
【0066】
第1案内部50は、第1メダル通路401側に設けられている。
図5及び
図9に示すよ
うに、第1案内部50は、第1メダル通路401の第1側壁面461側に設けられた第1
当接部51と、第1メダル通路401の第2側壁面462側に設けられた第2当接部52
と、第1当接部51及び第2当接部52を互いに向かって付勢するように連結する連結部
54と、第1当接部51、第2当接部52、及び連結部54を取り付けるための取付板5
3とを有する。第1当接部51及び第2当接部52は、可動式のものである。連結部54
は、ばね構造を有する。
【0067】
第1当接部51は、レバー構造である。
図9に示すように、第1当接部51は、レバー
本体510と、レバー本体510を回転可能に支持する支点部513と、を有する。支点
部513は、第1メダル通路401の第1側壁面461側に固定されている。レバー本体
510の支点部513によりも下流側に位置する部分は、レバー本体510の下流自由端
514を構成しており、レバー本体510の支点部513によりも上流側に位置する部分
は、レバー本体510の上流自由端516を構成している。下流自由端514及び上流自
由端516は、下流自由端514とメダルMとの接触によって、支点部513を回転中心
に回転するように設けられている。
【0068】
下流自由端514は、
図9に示すように、レバー本体510とメダルセンサ34の光軸
との干渉を回避するための逃げ部515を有する。また、下流自由端514には、上流当
接部511及び下流当接部512が設けられている。上流当接部511及び下流当接部5
12は、同じ大きさのローラによって構成されている。なお、上流当接部511及び下流
当接部512は、レバー本体510の一部に該当する突起、ばねによって支持された板、
又はレバー本体510に形成された凹部等であってもよい。上流当接部511及び下流当
接部512の最短間隔は、
図10に示すように、メダルMの直径よりも小さい。
【0069】
また、上流当接部511及び下流当接部512は、メダルMとの接触によって、第1メ
ダル通路401に対する位置が変わるように設けられている。メダルMが上流当接部51
1に至らないとき、連結部54によって、上流当接部511及び下流当接部512は、図
9に示すように、第2側壁面462に向けて付勢されるように設けられている。この場合
、上流当接部511及び下流当接部512のそれぞれの少なくとも一部は、第1メダル通
路401に位置する。
【0070】
一方、メダルMの移動によって、メダルMが上流当接部511に当接すると、上流当接
部511は、
図10乃至
図12に示すように、メダルMの押圧によって、第1メダル通路
401の幅方向において移動する。そのとき、下流当接部512は、上流当接部511が
メダルMの側面に当接する位置の変更に伴い、支点部513を回転中心に、第1メダル通
路401に離れる方向又は近づく方向において回転する。
【0071】
より詳細に説明すると、上流当接部511及び下流当接部512は、
図10に示すよう
に、一枚のメダルMが下流端部405の所定位置B(
図7及び
図10参照)に到達したと
き、該メダルMを第2側壁面462に押し付けるように、それぞれの少なくとも一部が第
1メダル通路401に位置するように設けられている。こうして、メダルMは、上流当接
部511、下流当接部512、及び第2側壁面462によって、僅かな時間で拘束されて
、移動が若干抑制されることができる。よって、メダルセンサ34は、所定位置Bにおけ
るメダルMの有無を正確に探知することができる。ここで、所定位置B(すなわち、第2
メダル通路402に入る直前の位置)は、メダルセンサ34(
図6及び
図7参照)の測定
時の光軸が照射する位置である。
【0072】
また、上流当接部511及び下流当接部512は、上述したメダルMが所定位置Bを通
過するとき、
図11及び
図12に示すように、下流当接部512が第1メダル通路401
の外部に退避するように設けられている。こうして、下流当接部512によるメダルMへ
の負荷を解除してメダルの移動を許容することできる。その結果、メダルMの供給速度を
維持することができる。
【0073】
上流自由端516は、
図9及び
図11に示すように、端部に形成された棒状の突起部5
18を有する。突起部518は、上流当接部511とメダルMとの接触によって、レバー
センサ35に対する位置が変わるように設けられている。メダルMが上流当接部511に
至らないとき、連結部54によって、突起部518は、
図9に示すように、レバーセンサ
35の直接上方に位置する。この場合、レバーセンサ35は、突起部518を検知できる
。以下では、レバーセンサ35が突起部518を検知できる場合の突起部518の位置を
「検知可位置」と呼び、レバーセンサ35が突起部518を検知できない場合の突起部5
18の位置を「検知不可位置」と呼ぶことがある。
【0074】
一方、メダルMの移動によって、メダルMが上流当接部511に当接すると、突起部5
18は、
図10乃至
図12に示すように、上流当接部511がメダルMの側面に当接する
位置の変更に伴い、支点部513を回転中心に、レバーセンサ35に離れる方向又は近づ
く方向において回転する。その結果、突起部518は、レバーセンサ35の検知可位置と
検知不可位置との間で移動することができる。
【0075】
より詳細に説明すると、第1メダル通路401の幅方向において、一枚のメダルMの直
径に対応する側面部分が上流当接部511に当接するとき、突起部518は、
図11に示
すように、レバーセンサ35の検知不可位置にある。これに対して、第1メダル通路40
1の幅方向において、一枚のメダルMの非直径に対応する他の側面部分が上流当接部51
1に当接するとき、突起部518は、
図10及び
図12に示すように、レバーセンサ35
の検知可位置にある。
【0076】
このように、一枚のメダルMが上流当接部511に当接し始めるときから、上流当接部
511との当接が解除されるとき(すなわち、所定位置Bを通過するとき)までの間に、
突起部518のレバーセンサ35に対する位置は、検知可位置から検知不可位置へと変化
してから、再び検知可位置に戻るように変化している。こうして、レバーセンサ35は、
上述した突起部518の位置変化を検知することで、一枚のメダルMが所定位置Bを通過
したことを検知することができる。また、レバーセンサ35は、突起部518の位置変化
回数を計算することで、第1メダル通路401の下流端部405にある、第2メダル通路
402に流入しようとするメダルMの枚数を正確に検知することができる。
【0077】
第2当接部52は、第1当接部51のサブ当接部として採用されている。また、第2当
接部52は、レバー構造であり、第1当接部51よりも小さく形成されている。
図9に示
すように、第2当接部52は、レバー本体520と、レバー本体520を回転可能に支持
する支点部523と、を有する。支点部523は、第1メダル通路401の第2側壁面4
62側に固定されている。
【0078】
レバー本体520の下流端部405側に位置する部分は、レバー本体520の自由端5
24を構成している。自由端524には、当接部521が設けられている。当接部521
は、上流当接部511と同様のローラによって構成されている。第1メダル通路401の
幅方向において、当接部521は、上流当接部511と対向するように設けられている。
すなわち、当接部521は、上流当接部511と同時にメダルMに接触するように設けら
れている。
【0079】
メダルMが当接部521と接触しないとき、連結部54によって、当接部521は、第
1側壁面461に向けて付勢されるように設けられている。この場合、当接部521の一
部は、第1メダル通路401に位置する。一方、メダルMが当接部521と接触すると、
当接部521は、当接部521がメダルMの側面に当接する位置の変更に伴い、支点部5
23を回転中心に第1メダル通路401に離れる方向又は近づく方向において回転する。
【0080】
第2案内部55は、棒状をなしている。組立状態において、第2案内部55は、保持部
21の中央を通過するように、筐体部90の中心軸に固定されている(
図13参照)。図
5、
図7、及び
図8に示すように、第2案内部55は、軸方向において、第2案内部55
を筐体部90の中心軸に取り付けるための第1部551と、第2メダル通路402の側壁
面を構成する第2部552と、搬送中のメダルMの姿勢を保持する第3部553と、を有
する。組立状態において、第2部552は、第2メダル通路402側に配置されており、
第3部553は、載置部10側に配置されている。
【0081】
第2部552は、
図7に示すように、第2メダル通路402の保持面211の中央に、
保持面211に対して垂直するように設けられている。また、第2部552は、円筒状の
側面554と、側面554に形成された突起部556と、を有する。側面554は、側壁
部440とともに、第2メダル通路402の側壁部を構成している。突起部556は、図
8に示すように、第1メダル通路401の下流端部405に向かうように設けられている
。
【0082】
また、
図8に示すように、突起部556の先端と第1側壁面461の最も下流側端との
間の距離、すなわち第2メダル通路402の上流端部404の幅寸法W1は、メダルMの
直径以上である。なお、メダルMをスムーズに第2メダル通路402に流入させ、かつ第
2メダル通路402の両側壁によるメダルMの移動方向への案内効果を維持するために、
上流端部404の幅寸法W1は、メダルMの直径よりも若干大きく形成されることが好ま
しい。一方、突起部556と第2側壁面462の最も下流側端との間の距離、すなわち第
2メダル通路402の下流端部406の幅寸法W2は、メダルMの直径よりも小さい。こ
うして、メダルMが第1メダル通路401から第2メダル通路402に流入するとき、突
起部556は、メダルMを第2メダル通路402の上流端部404から流入させるように
誘導することができる。
【0083】
第3部553は、
図5及び
図7に示すように、略六角柱体をなしている。具体的には、
第3部553は、
図7に示すように、略六角柱体の6つの側面555と、略六角柱体の上
方側の端面を構成する6つの載置面557と、を有する。
【0084】
各側面555は、メダルMの形状に合わせるように形成された曲面である。組立状態に
おいて、載置部10の支持部12の内周面121と同心に設けられている。よって、保持
面211が単層メダルセットMSを保持しながら、第2位置P2から第3位置P3に向か
って上昇するとき、第3部553の各側面555及び内周面121の各搬送面122は、
単層メダルセットMSの各メダルMを直径方向の両側からガイドすることができる。こう
して、搬送通路200において、搬送中の単層メダルセットMSの各メダルMの姿勢ずれ
を抑制することができる。
【0085】
各載置面557は、
図4に示すように、載置部10の各載置面111と同じ高さになる
ように設けられている。また、各載置面557は、
図6に示すように、各載置面111に
対応する位置に設けられている。こうして、単層メダルセットMSの各メダルMは、対応
する位置に設けられた1つの載置面557及び1つの載置面111によって、メダル主面
の直径方向の両側から支持されることができる。その結果、単層メダルセットMSは、安
定な状態で、載置面557及び載置面111に載置されることができる。
【0086】
第3案内部60は、リンク構造を有する。
図5及び
図9に示すように、第3案内部60
は、第1リンク部61と、第2リンク部62と、第1リンク部61及び第2リンク部62
を取り付けるための取付板63及び取付板64と、を有する。第1リンク部61及び第2
リンク部62は、取付板63によって、取付部31に取り付けられている。また、第1リ
ンク部61及び第2リンク部62は、対称な構成である。以下では、第1リンク部61の
構成を中心に説明し、第2リンク部62の説明を簡略化する。
【0087】
第1リンク部61は、
図9に示すように、第1リンク611と、第1リンク611を取
付板63に連結する第2リンク612と、第1リンク611を取付板64に連結する第3
リンク613と、を有する。第1リンク611は、案内板の一例であり、C字状をなして
いる。具体的には、第1リンク611は、第2メダル通路402の上方から、第2メダル
通路402の上流側半分を覆うことができるように形成されている。
【0088】
また、第1リンク611が第2メダル通路402を覆う場合、第1リンク611の、第
2メダル通路402の保持面211を向く側の面と、第2メダル通路402の保持面21
1との間の距離は、1つのメダルMの厚みよりも大きく、2つのメダルMの厚みよりも小
さい。こうして、第2メダル通路402の上流側の半分に移動するメダルMの移動中にお
けるメダルMの厚み方向の動き及び第2メダル通路402に通過できるメダルMの枚数を
同時に規制することができる。
【0089】
第2リンク部62は、
図9に示すように、第1リンク部61と同様の構成を有する。第
2リンク621の配置方向は、第1リンク611と逆である。すなわち、第2リンク62
1は、第2メダル通路402の上方から、第2メダル通路402の下流側半分を覆うこと
ができるように形成されている。
【0090】
第2リンク621が第2メダル通路402を覆う場合、第2リンク621の、第2メダ
ル通路402の保持面211を向く側の面と、第2メダル通路402の保持面211との
間の距離は、1つのメダルMの厚みよりも大きく、2つのメダルMの厚みよりも小さい。
こうして、第2メダル通路402の下流側半分に移動するメダルMの移動中におけるメダ
ルMの厚み方向の動き及び第2メダル通路402に通過できるメダルMの枚数を同時に規
制することができる。
【0091】
案内駆動部65は、第3案内部60の移動を駆動する構成である。
図4に示すように、
案内駆動部65は、取付部31の第2主面412側に取り付けている。また、案内駆動部
65は、制御部80に接続されている。積上時、案内駆動部65は、第1リンク611及
び第2リンク612を、第2メダル通路402を覆う位置に移動させる。こうして、第2
メダル通路402において移動するメダルMの厚み方向の動きを規制することができる。
一方、単層メダルセットMSが形成された後に、案内駆動部65は、第1リンク611及
び第2リンク612を、第2メダル通路を覆わない位置までに移動させる。こうして、第
2位置に位置する保持部21は、第3位置へ上昇し、単層メダルセットMSを載置部10
に搬送することができる。
【0092】
(メダルセンサ)
メダルセンサ34は、第1メダル通路401の所定位置B(
図7及び
図10参照)にお
けるメダルMの有無を検知するためのセンサである。
図5及び
図7に示すように、メダル
センサ34は、第1メダル通路401の所定位置Bに対向するように、取付部31に固定
されている。こうして、メダルセンサ34は、メダルMが第2メダル通路402に流入す
る直前の位置における、メダルMの有無を検知することができる。
【0093】
また、メダルセンサ34は、取得された所定位置BにおけるメダルMの有無情報を制御
部80に送信する。そして、制御部80は、そのメダルMの有無情報に基づいて、メダル
ホッパ32によるメダルMの供給を開始させたり、案内駆動部65を起動して、第1リン
ク611及び第2リンク612を、第2メダル通路402を覆わない位置又は覆う位置に
移動させたりすることができるとともに、メダルホッパ32及び案内駆動部65の故障の
有無を検知することができる。こうして、メダルセンサ34によって取得されたメダルM
の有無情報によって、メダルMは、安定な状態で供給されて第2メダル通路402に流入
することができる。
【0094】
(レバーセンサ)
レバーセンサ35は、第2メダル通路402に流入しようとするメダルMの枚数情報を
取得するためのセンサである。
図9に示すように、レバーセンサ35は、第1当接部51
の上流自由端516側に位置するように、取付部31に固定されている。レバーセンサ3
5は、上流自由端516の突起部518が検知可位置にあるか検知不可位置にあるかを検
知できるとともに、突起部518の検知可位置位置変化回数を測定することができる。そ
の結果、レバーセンサ35は、突起部518の位置変化回数に基づいて、第1メダル通路
401の下流端部405にある、第2メダル通路402に流入しようとするメダルMの枚
数を正確に検知することができる。
【0095】
ここで、一枚のメダルMが上流当接部511(若しくは、所定位置B)を通過する過程
において、レバーセンサ35は、突起部518の位置が検知可位置から検知不可位置に変
化してから、再び検知可位置に戻るように変化することを検知することができる。言い換
えれば、レバーセンサ35は、このような突起部518の位置変化を検知することで、所
定位置Bを通過したメダルMの数が一枚であることを検知することができる。また、レバ
ーセンサ35は、このような突起部518の位置変化の回数を測定すれば、所定位置Bを
通過し第2メダル通路402に流入しようとするメダルMの数を正確に検知することがで
きる。
【0096】
また、レバーセンサ35は、取得されたメダルMの枚数情報を制御部80に送信する。
そして、制御部80は、そのメダルMの枚数情報に基づいて、メダルホッパ32によるメ
ダルMの供給の開始、継続、停止、又は再開をさせることができる。また、制御部80は
、メダルMの枚数情報に基づいて、案内駆動部65の動作を制御することができる。こう
して、レバーセンサ35に取得されたメダルMの枚数情報によって、予め設定された枚数
のメダルMのみを、第2メダル通路402に流入させることができる。よって、第2メダ
ル通路402に流入するメダルMの枚数の不足によるメダルタワーMTの欠陥や、第2メ
ダル通路402に流入するメダルMの枚数の過剰によるメダル通路400の詰まり及びメ
ダルホッパ32の故障を抑制することができる。
【0097】
[供給部の動作]
続いて、
図9乃至
図11を参照しつつ、供給部30の動作について説明する。以下では
、説明の便宜のために、第1メダル通路401の幅方向において、第1メダル通路401
を通過するメダルMの直径に対応する側面部分を「メダルMの直径部」と呼び、メダルM
の直径部よりも下流側にある側面の半部を「メダルMの第1部」と呼び、メダルMの直径
部よりも上流側にある側面の半部を「メダルMの第2部」と呼ぶことがある。また、メダ
ルホッパ32から射出する順番に基づいて、n枚目のメダルMを「メダルMn」と呼ぶこ
とがある。なお、
図9乃至
図11は、第2メダル通路402の状態を見やすくさせるため
に、第3案内部60が第2メダル通路402を覆わないように表示しているが、実際では
、第3案内部60が第2メダル通路402を覆うように形成されている。
【0098】
制御部80の制御に基づいて、供給部30は作動し始める。まず、案内駆動部65の駆
動によって、第3案内部60の第1リンク611及び第2リンク612が、第2メダル通
路を覆う位置に移送される。次に、メダルホッパ32のモータ(図示せず)の駆動によっ
て、メダルMを一枚ずつ第1メダル通路401の上流端部403に射出される。メダルM
1が上流当接部511及び当接部521に至らない第1状態において、
図9に示すように
、上流当接部511及び下流当接部512は、連結部54の付勢によって、第2側壁面4
62に向けて付勢されるように設けられており、当接部521は、第1側壁面461に向
けて付勢されるように設けられている。この場合、上流当接部511、下流当接部512
、及び当接部521のそれぞれの少なくとも一部は、第1メダル通路401に位置する。
また、第1状態において、メダルセンサ34は、メダルM1を検知しない。レバーセンサ
35は、検知可位置にある突起部518を検知する。
【0099】
一方、メダルM1の移動によって、メダルM1が上流当接部511及び当接部521に
当接する当接状態において、上流当接部511及び当接部521は、メダルM1の押圧に
よって、第1メダル通路401の幅方向において移動する。そのとき、下流当接部512
は、上流当接部511の第1メダル通路401の幅方向における移動に連動する。
【0100】
具体的には、メダルM1の移動によって、上述した第1状態は、メダルM1の第1部が
上流当接部511及び当接部521に当接するときからメダルM1の直径部が上流当接部
511及び当接部521に当接するまでの間の第2状態に移行する。第2状態において、
下流当接部512は、上流当接部511とともに、支点部513を回転中心に、第1メダ
ル通路401から離れる方向において回転し続ける。こうして、メダルM1は上流当接部
511及び当接部521との接触によって、移動姿勢が安定になる。なお、この場合、当
接部521を採用しなくでもよい。また、第2状態において、メダルセンサ34は、メダ
ルM1を検知しない。レバーセンサ35は、
図11に示すように、メダルM1の直径部が
上流当接部511に当接するとき、検知不可位置にある突起部518を検知しない。
【0101】
次に、メダルM1が移動し続けることによって、上述した第2状態は、メダルM1の第
2部が上流当接部511及び当接部521に当接し、メダルM1の第1部が下流当接部5
12に当接しない第3状態に移行する。第3状態において、下流当接部512は、上流当
接部511とともに、支点部513を回転中心に、第1メダル通路401に近づく方向に
おいて回転し続ける。また、第3状態において、メダルセンサ34は、メダルM1を検知
する。レバーセンサ35は、検知不可位置から検知可位置に戻ってくる突起部518を検
知するようになっている。
【0102】
続いて、メダルM1がさらに移動すると、上述した第3状態は、メダルM1が上流当接
部511及び下流当接部512の中央の所定位置Bに到達し、メダルM1の第1部が下流
当接部512に当接しながら、メダルM1の第2部が上流当接部511に当接する第4状
態に移行する。なお、この場合、メダルM1は、当接部521と接触しない。第4状態に
おいて、上流当接部511及び下流当接部512は、
図10に示すように、メダルM1を
第2側壁面462に押し付けるように付勢している。この場合、メダルM1は僅かに移動
できる状態である。よって、メダルM1は、上流当接部511、下流当接部512、及び
第2側壁面462で僅かな時間において拘束されて、移動が若干抑制される。こうして、
第4状態において、メダルセンサ34は、所定位置Bを通過するメダルM1を検知するこ
とができ、レバーセンサ35は、検知可位置にある突起部518を検知する。また、第4
状態において、上流当接部511及び下流当接部512によってメダルM1の移動が若干
抑制されているため、レバーセンサ35は、突起部518を確実に検知でき、メダルM1
の枚数を正確に計算することができる。
【0103】
メダルM1が拘束される直後に、メダルM2の第1部が上流当接部511に当接し始め
る。こうして、上流当接部511及び下流当接部512は、上述したメダルM1の第2状
態と同様に、第1メダル通路401に離れる方向において回転し続ける。よって、下流当
接部512は、第1メダル通路401の外部に退避し、メダルM1と接触しない状態にな
る。それとともに、移動が若干抑制されたメダルM1は、移動中のメダルM2によって押
し付けられることで上流当接部511から離れる。つまり、
図11に示すように、この場
合、上流当接部511及び下流当接部512がともにメダルM1に接触しない第5状態に
なり、M1への負荷を解除している。このため、メダルM1の移動が許容されている。よ
って、メダルM1は、
図12に示すように、メダルM2から受けた力によって、第2メダ
ル通路402に向かって高速に移動することができる。また、第5状態において、メダル
センサ34は、メダルM1を検知しない。レバーセンサ35は、検知可位置にある突起部
518を検知する。
【0104】
また、メダルM1が第2メダル通路402に流入する際、第2案内部55の突起部55
6の案内によってメダルM1の移動方向が規制され、第2メダル通路402の上流端部4
04から第2メダル通路402の上流側へと流入することができる。さらに、第2メダル
通路402の上部に設けられた第3案内部60によって、第2メダル通路402で跳ねる
ことがなく、安定な状態で移動することができる。
【0105】
なお、メダルM2からメダルM6までは、上流当接部511及び下流当接部512は、
上述した第2状態乃至第5状態と同様に動作する。メダルM6が所定位置Bに到達すると
き、例えば、レバーセンサ35はメダル枚数情報を制御部80に送信する。そして、制御
部80の制御によって、メダルホッパ32が一旦停止される。メダルM1乃至メダルM6
によって構成された第1層MSが載置部10に搬送されて、保持面211が第2位置P2
に戻った後に、例えば、メダルセンサ34は所定位置BにメダルMが無いという情報を制
御部80に送信する。そして、制御部80の制御によって、メダルホッパ32の動作が再
開される。
【0106】
[搬送部]
続いて、
図13乃至18Bを参照しつつ、搬送部20の詳細について説明する。以下の
説明では、搬送部20の構成を説明した上で、搬送部20の動作を説明する。
図13は、
搬送部20の構成を示す斜視図である。
図14及び
図15は、保持部21及び搬送部20
の駆動構成を示す斜視図である。
図16A乃至
図18Bは、搬送部20の各搬送状態及び
位置センサ24の状態を示す図である。
【0107】
搬送部20は、
図5に示すように、単層メダルセットMを保持する保持部21と、保持
部21を移動及び回転させる、リフトテーブル22及びリフトクランク23と、保持面2
11の位置を検知するための位置センサ24と、を有する。
【0108】
ここで、リフトテーブル22とリフトクランク23とは、組み合わせることで保持部2
1の駆動部25(
図13参照)を構成する。駆動部25は、保持部21を上下方向に移動
させる昇降駆動部251と、保持部21を水平回転させる回転駆動部252と、を有する
。また、昇降駆動部251は、リフトテーブル22に設けられた第1昇降部2511と、
リフトクランク23に設けられた第2昇降部2512と、を有する。
【0109】
(保持部)
保持部21は、
図13及び
図14に示すように、単層メダルセットMを保持するための
保持面211と、円筒状の保持本体212と、保持面211及び保持本体212を回転駆
動部252に取り付けるための支持部213と、を有する。
【0110】
保持面211は、
図14に示すように、環状平面である。保持本体212の中央には、
第2案内部55を通過させるための孔部214が設けられている。こうして、保持部21
は、第2案内部55の周囲において、第2案内部55と干渉せずに上下移動することがで
きる。
【0111】
(リフトテーブル)
リフトテーブル22は、
図13及び
図14に示すように、回転駆動部252を構成する
回転部26と、第1昇降部2511を構成する位置決め板28と、回転部26及び位置決
め板28を取り付けるための取付部220と、を有する。
【0112】
取付部220は、筐体部90に固定されたリフトガイド222と、リフトガイド222
に対して上下移動可能なように、リフトガイド222に取り付けられたベース部223と
、を有する。ベース部223は、上面221と、上面221に設けられた孔部225と、
を有する。
【0113】
回転部26は、保持部21を回転させるための構成である。
図13に示すように、回転
部26は、保持部21の支持部213と連結されている。また、回転部26は、図示され
ていない固定部を介して、回転可能に筐体部90の中心軸に取り付けられている。また、
回転部26は、ベース部223の孔部225を通過するように設けられている。こうして
、回転部26は、ベース部223の上下移動との干渉を防ぐことができる。
【0114】
位置決め板28は、後述するリフトクランク23のカム部27の位置を決めるための構
成である。
図14に示すように、位置決め板28はベース部223の側面に取り付けられ
ている。また、位置決め板28は、板状をなしており、下方側に形成された第1溝281
と、上方側に形成された第2溝282と、を有する。第1溝281及び第2溝282は、
後述するリフトクランク23の第1リフトローラ271及び第2リフトローラ272と3
つのパータンで噛み合うことで、リフトテーブル22の上下移動を実現している。
【0115】
(リフトクランク)
リフトクランク23は、
図13及び
図15に示すように、第2昇降部2512を構成す
る、カム部27及びカム部27の回転を駆動する駆動部29と、カム部27と駆動部29
とを取り付けるための取付部230と、を有する。
【0116】
カム部27は、
図15に示すように、回転可能な円板部270と、円板部270に設け
られた第1リフトローラ271及び第2リフトローラ272と、を有する。また、円板部
270の周縁側には、検知孔275が設けられている。
【0117】
第1リフトローラ271及び第2リフトローラ272は、位置決め板28の第1溝28
1及び第2溝282と噛み合うことで、昇降駆動部251のカム構成を形成する。第1リ
フトローラ271及び第2リフトローラ272は、
図15に示すように、円板部270を
平面視するとき、円板部270の回転中心を通過する1つの直線上に設けられている。具
体的には、第1リフトローラ271は、円板部270の回転中心の一方側の周縁側に設け
られており、第2リフトローラ272は、円板部270の回転中心の他方側の周縁側であ
って回転中心寄りの位置に設けられている。こうして、第1リフトローラ271及び第2
リフトローラ272は、カムの長径方向の両端を構成する。
【0118】
(位置センサ)
位置センサ24は、取付部220の上面221及び円板部270の検知孔275のそれ
ぞれの位置の位置を検知することで、保持面211の位置を検知するための構成である。
図17A~
図17Cに示すように、位置センサ24は、取付部220の上面221の位置
を検知するための第1位置センサ241と、取付部220の上面221及び円板部270
の検知孔275のいずれか1つの位置を検知するための第2位置センサ242と、円板部
270の検知孔275の位置を検知するための第3位置センサ243と、を有する。
【0119】
第1位置センサ241、第2位置センサ242、及び第3位置センサ243は、ともに
、検知対象を検知した場合にオンになり、一方、検知しない場合にはオフになる。また、
第1位置センサ241、第2位置センサ242、及び第3位置センサ243のうちのいず
れか2つのセンサが取付部220の上面221及び円板部270の検知孔275の位置を
検知してオンになっていれば、保持面211の位置を検知することができる。
【0120】
組立状態において、第1位置センサ241は、
図13に示すように、取付部220の上
面221に取り付けられたブラケット227に固定されている。第2位置センサ242及
び第3位置センサ243は、
図15に示すように、カム部27の円板部270の水平直径
方向の両側に位置するように、取付部230に固定されている。
【0121】
[搬送部の動作]
続いて、
図16A乃至
図18Bを参照しつつ、搬送部20の動作について説明する。図
16A乃至
図18Bにおいては、リフトクランク23の一部構成の表示を省略している。
また、
図17A乃至
図18Bは、検知孔275及び上面221と位置センサ24の各セン
サのオンオフとの関係を明確に示すために、検知孔275及び上面221双方が実際の形
状と異なり、ベース部223及び円板部270から突起するように表示している。また、
第1位置センサ241は、実際の取付と異なり、上面221と分離されているように表示
している。
【0122】
本実施形態では、搬送部20が作動する前に、保持面211は第1位置P1に位置する
。なお、この場合、保持面211は第2位置P2又は第3位置P3に位置してもよい。保
持面211が第1位置P1に位置するとき、
図16A及び
図17Aに示すように、カム部
27の第2リフトローラ272は、位置決め板28の第2溝282に噛み合っているが、
カム部27の第1リフトローラ271は、位置決め板28の第1溝281に噛み合ってい
ない。このため、第3位置センサ243は検知孔275を検知してオンになっている。一
方、第1位置センサ241及び第2位置センサ242はオフになっている。こうして、制
御部80は、保持面211が第1位置P1に位置することを確認することができる。
【0123】
制御部80の制御に基づいて、搬送部20は作動し始める。まず、駆動部29の起動に
より、保持面211を第1位置P1から第2位置P2に上昇させるように、カム部27は
回転する。この場合、カム部27は、第1リフトローラ271を第1溝281と噛み合わ
せるように、第2溝282と噛み合っている第2リフトローラ272を回転中心に回転す
る。そして、
図16B及び
図17Bに示すように、第1位置センサ241は上面221を
検知してオンになり、第2位置センサ242は検知孔275を検知してオンになり、第3
位置センサ243はオフになっていれば、制御部80は、第1リフトローラ271が第1
溝281に噛み合いかつ第2リフトローラ272が第2溝282に噛み合って、保持面2
11は第2位置P2に到達したことが確認できる。この場合、制御部80の制御により、
駆動部29が停止される。こうして、リフトテーブル22の上昇が停止されて、保持面2
11が第2位置P2に位置する姿勢が維持できる。よって、供給部30は、安定な状態を
有する保持面211にメダルMを提供することができる。
【0124】
続いて、駆動部29の再起動により、保持面211を第2位置P2から第3位置P3に
上昇させるように、カム部27は回転する。この場合、カム部27は、第2リフトローラ
272と第2溝282との噛み合いを解消させるように、第2溝282と噛み合っている
第2リフトローラ272を回転中心に回転する。そして、
図16C及び
図17Cに示すよ
うに、第1位置センサ241は取付部220の上面221を検知してオンになり、第3位
置センサ243はカム部27の検知孔275を検知してオンになり、第2位置センサ24
2はオフになっていれば、制御部80は、第1リフトローラ271が第1溝281に噛み
合いかつ第2リフトローラ272と第2溝282との噛み合いが解消されて、保持面21
1は第3位置P3に到達したことが確認できる。この場合、制御部80の制御により、駆
動部29が停止される。こうして、リフトテーブル22の上昇が停止されて、保持面21
1が第3位置P3に位置する姿勢が維持できる。また、保持面211が第3位置P3に位
置するとき、回転部26は、保持面211を回転させる。よって、単層メダルセットMS
の載置面111への載置位置を調整することができる。
【0125】
その後、駆動部29の再起動により、保持面211を第3位置P3から第2位置P2に
下降させるように、カム部27は逆方向へ回転する。この場合、カム部27は、第2リフ
トローラ272を第2溝282と噛み合わせるように、第2リフトローラ272を回転中
心に回転する。そして、
図16B及び
図17Bに示すように、第1位置センサ241は上
面221を検知してオンになり、第2位置センサ242は検知孔275を検知してオンに
なり、第3位置センサ243はオフになっていれば、制御部80は、第1リフトローラ2
71が第1溝281に噛み合いかつ第2リフトローラ272が第2溝282に噛み合って
、保持面211は第2位置P2に下降したことが確認できる。この場合、制御部80の制
御により、駆動部29が停止される。こうして、リフトテーブル22の下降が停止されて
、保持面211が第2位置P2に位置する姿勢が維持できる。よって、保持部21は、下
降過程において単層メダルセットMSを載置面111に載置させることができ、また、保
持面211が第2位置P2に戻った後に、供給部30は、再び保持面211にメダルMを
提供して次の単層メダルセットMSを構成することができる。
【0126】
こうして、搬送部20は、上述した動作を繰り返せば、複数層の単層メダルセットMS
を載置部10に搬送して載置させることで、メダルタワーMTを構成することができる。
なお、
図18A及び
図18Bに示すように、第1位置センサ241及び第2位置センサ2
42のうちの1つのみオンになっている場合、又は、第1位置センサ241乃至第3位置
センサ243ともオフになっており場合、制御部80は、位置センサ24は、保持面21
1の位置を検知していないと判断する。検知この場合、制御部80の制御部80に基づい
て、カム部27は、正確な位置を見つけるようにさらに回転する。
【0127】
このように、搬送部20は、簡易なカム構成を採用することで、メダルタワーMTを構
成するために必要となる第1位置P1、第2位置P2、及び第3位置P3のそれぞれのみ
に停止することによって、メダルタワーMTの形成を実現している。このため、ウォーム
ギアを採用する場合に比較して、カム構成を採用する搬送部20は、搬送構造の簡易化及
び小型化を実現することで、搬送に係る制御の単純化及び製造コストの軽減を可能にして
いる。その結果、良好な耐久性及び生産性を有する搬送部20を得ることができる。
【0128】
[回収部]
図4及び
図5を参照しつつ、回収部70の詳細について説明する。回収部70は、特定
の事象(例えば、メダルの積み上げ動作中の停電等)が発生したときに装置内に残ってい
るメダルMを速やかに回収するための機構である。回収部70は、
図4及び
図5に示すよ
うに、特定の事象の発生時、保持面211に残されているメダルMを回収するための回収
機構71と、回収機構71によって回収されたメダルMをまとめて収納するための回収箱
72と、保持面211から落下したメダルMを回収箱72に収納されるように、メダルM
を案内する回収案内部73とを有する。回収機構71は、図示されていない、保持面21
1に残されているメダルMを突き落とすための構成を有する。回収案内部73は、回収機
構71によって突き落されたメダルMが回収箱72に滑り落ちるように、斜めに傾斜した
板部材を有する。回収箱72は、回収案内部73の下方に設けられている。また、回収箱
72は、取り外すことができる構成である。こうして、回収箱72に収納されるメダルM
を容易に回収することができる。
【0129】
[制御部]
次に、
図19乃至
図25を用いて、制御部80の詳細について説明する。以下では、制
御部80の構成を説明した上で、制御部80による制御を詳細に説明する。
図19は、制
御部80の構成を説明するためのブロック図である。
図20は、制御部80によるメダル
タワーMTの形成への制御を説明するためのフローチャートである。
図21乃至
図25の
それぞれは、
図20のステップS100の詳細、ステップS300に係る制御、ステップ
S400に係る制御、ステップS500に係る制御、及びステップ600に係る制御を説
明するための図である。以下の説明では、メダルタワーMTの形成処理を「メイン処理」
と呼ぶことがある。
【0130】
(制御部の構成)
まず、
図19を参照しつつ、制御部80の構成について説明する。制御部80は、メダ
ル配列装置5の全体の動作を制御するための構成である。制御部80は、
図19に示すよ
うに、各種データを記憶するメモリ100と、各種駆動装置の制御を行うための制御手段
150と、を有する。
【0131】
メモリ100は、タワー層数n、メダルタワーMTの最大層数N、メダルタワーMTの
各層における保持面211の回転角度R1~Rn等の各種情報を格納する。ここで、例え
ば、「R1=30」とは、積み重ねたメダルMを30°の円心角を用いて配列方向へ水平
回転させることを指す。また、回転角度R1~Rnの各値は、-30~+30までが設定
可能とされ、回転角度R1~Rnが正の値の場合は、保持部21が時計方向に水平回転し
、負の値の場合は、保持部21が反時計方向に水平回転する。
【0132】
なお、本実施形態では、回転角度R1~Rnを設定しているが、積み重ねたメダルMが
水平移動する距離及び方向を設定してもよい。なお、最大層数N、回転角度R1~Rn又
は水平移動する距離及び方向の値は、予めメモリ100内で決められている値でも良いし
、図示されていないディップスイッチ等によって設定してもよい。ディップスイッチ等に
よって設定する場合、制御手段150は、ディップスイッチの値を読み込み、それぞれの
値を決定する。
【0133】
(制御部による制御)
続いて、
図20乃至
図25を参照しつつ、制御部80による制御、すなわち、制御部8
0の制御手段150がメモリ100に記憶されたデータに基づいて行うメイン処理につい
て詳細に説明する。以下では、第1層MSの載置を例として説明する。第2層MS乃至第
N層MSの載置は、第1層MSの載置は同じであるため、説明を簡略する。
【0134】
(ステップS100)
まず、制御手段150は、初期化処理を行う。
【0135】
具体的には、
図21に示すように、制御手段150は、まず、メダルタワーの最大層数
Nを決定し、メモリ100に記憶する(ステップS110)。次に、制御手段150は、
メダルタワーMTの各段における保持面211の回転角度R1~Rnを設定し、メモリ1
00に記憶する(ステップS120)。続いて、制御手段150は、生成済みメダルタワ
ー層数nを1に初期化する(ステップS130)。その後、制御手段150は、第1位置
センサ241から送信された情報に基づいて、昇降駆動部251を駆動して、保持面21
1を第2位置P2へ移動させる(ステップS140)。保持面211が第2位置P2に到
達することで、第2メダル通路402が構成される。こうして、制御手段150は、初期
化処理を終了する。
【0136】
なお、本実施形態では、ステップS140において、保持面211を第2位置P2に移
動させることとして説明したが、必要に応じて、保持面211を第1位置P1又は第3位
置P3に移動させてもよい。
【0137】
(ステップS200)
次に、制御手段150は、単層メダルセットMSの構成処理を行う。
【0138】
具体的には、制御手段150は、供給部30、具体的には、案内駆動部65及びメダル
ホッパ32のモータ(図示せず)を駆動することで、第2メダル通路402の保持面21
1に、単層メダルセットMS(ここでは第1層MSに該当する)を構成する。なお、供給
部30の動作の詳細は、上述した供給部30の動作説明で説明した内容と同じであるため
、ここで省略する。
【0139】
(ステップS300)
続いて、制御手段150は、昇降駆動部251を駆動して、
図22に示すように、保持
面211を上昇させる。具体的には、制御手段150は、保持面211を第3位置P3(
図16C及び
図23に示す保持面211の位置を参照)に至るように上昇させる。
【0140】
(ステップS400)
次に、制御手段150は、回転駆動部252を駆動して、
図23に示すように、保持面
211を配列方向へR1だけ水平回転させる。これにより、保持面211に保持された第
1層MSは、載置部10の載置面111に対応する位置の上方に位置するように配置方向
が調整される。
【0141】
(ステップS500)
続いて、制御手段150は、昇降駆動部251を駆動して、保持面211を第2位置P
2に下降させる。これにより、保持面211に保持された第1層MSは、保持面211と
ともに下降する。また、載置面111を通過しようとするとき、第1層MSは、載置面1
11に引っ掛かれることで、載置面111上に残る。こうして、第1層MSは、載置部1
0の載置面111に載置される。この第1層MSは、未完成メダルタワーの最下層を構成
する。一方、保持部21は、載置面111と干渉することがなく、第2位置P2に向かっ
て下降し続けることができる。
【0142】
(ステップS600)
次に、制御手段150は、タワー層数nをインクリメントする。この例では、タワー層
数nは、「0」から「1」になる。
【0143】
(ステップS700)
その後、制御手段150は、タワー層数n(ここでは「1」)が最大層数Nに到達した
か否かを判断する。
【0144】
この例では、タワー層数nは「1」であるため、タワー層数nが最大層数Nに到達して
いない場合(ステップS700のYes)に該当する。そして、制御手段150は、処理
をステップS200へ戻り、最大層数Nに到達まで同様の処理を繰り返す。
【0145】
また、例えば、第2回目のステップS300において、保持面211は第2層MSを保
持しながら第3位置P3に上昇する。保持面211に保持された第2層MSは、載置部1
0に載置されている未完成メダルタワーの最下層の第1層MSの下面に位置する。また、
第1層MSは、保持面211に保持された第2層MSと同じ配列で所定の回転角度だけず
れているため、両者は重なり領域を有する。よって、保持面211に保持された第2層M
Sを上昇させることで、その重なり領域により、保持部21は、保持面211に保持され
た第2層MSと、載置部10に載置される未完成メダルタワーの第1層MSとを一緒に持
ち上がる。こうして、第2層MSが未完成メダルタワーの新しい最下層になり、タワー層
数nが「2」である新しい未完成メダルタワーが構成される。その他の処理は、上述した
内容と同じであるため、説明を省略する。
【0146】
一方、タワー層数nが最大層数Nに到達した場合(ステップS700のNo)、制御手
段150は、メイン処理を終了する。これにより、
図25に示すように、タワー層数Nの
メダルタワーMTであって、各段が配列方向へ水平移動したメダルタワーMTが完成する
。
【0147】
以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、上流当接部511及び下流
当接部512は、メダルホッパ32から射出された一枚のメダルMが下流端部405の所
定位置Bに到達したとき、一枚のメダルMを第2側壁面462に押し付けるように、それ
ぞれの少なくとも一部が第1メダル通路401に位置し、かつ、一枚のメダルが所定位置
Bを通過するとき、下流当接部512が第1メダル通路401の外部に退避するように、
設けられていることができる。その結果、保持面211よりも上流側にある所定位置Bに
おいて案内部33の上流当接部511及び下流当接部512がメダルMを第2側壁面46
2に押し付けてメダルMの移動を若干抑制することで、メダルMの移動状態の制御を実現
させるとともに、保持面211に供給されるメダルMの枚数の計測精度を向上させること
ができ、その後、メダルMが所定位置Bを通過するときに下流当接部512が第1メダル
通路401の外部に退避することにより、メダルMへの負荷を解除してメダルMの移動を
許容することで、メダルMの供給速度を維持することができる。その結果、メダルMを安
定的にかつ迅速に供給して配置することができるメダル配列装置5を得ることが可能にな
る。また、メダル通路400の第2メダル通路402を保持面211上に配置する構成は
、メダル通路400の第2メダル通路402を保持面211の周囲に配置する構成と比較
すると占有する面積が小さくなるため、メダル配列装置5の小型化及び簡易化を実現でき
る。よって、コストを軽減しつつ、小型化の実現が可能なメダル配列装置5を得ることが
できる。
【0148】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、下流当接部512は
、上流当接部511の第1メダル通路401の幅方向における移動に連動することができ
る。その結果、上流当接部511及び下流当接部512の動作を簡易に制御することがで
きる。
【0149】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、案内部33は、第1
案内部50を備え、第1案内部50は、レバー構造である第1当接部51を有し、第1当
接部51は、第1メダル通路401の第1側壁面461側に固定された支点部513と、
下流端部405側に設けられた下流自由端514と、を有し、上流当接部511及び下流
当接部512は、第1当接部51の下流自由端514に設けられており、下流当接部51
2は、上流当接部511がメダルMの側面に当接する位置の変更に伴い、支点部513を
回転中心に、第1メダル通路401に離れる方向又は近づく方向において回転するように
設けられていることができる。その結果、簡易な構成を用いて、下流当接部512の動作
を制御することができる。
【0150】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、上流当接部511及
び下流当接部512は、ローラによって構成されており、上流当接部511及び下流当接
部512の最短間隔は、メダルMの直径よりも小さくすることができる。その結果、上流
当接部511及び下流当接部512がメダルMに当接するときの摩擦力を減少できるとと
もに、所定位置BにおいてメダルMの移動を確実に抑制することができる。
【0151】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、第2メダル通路40
2は、保持面211の周方向に沿って形成された環状通路であり、メダルMは、第2メダ
ル通路402を充填しつつ保持面211に配置されることができる。その結果、保持面2
11はメダル通路400の一部を構成できるため、メダル通路400の構成の簡易化を実
現できる。
【0152】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、案内部33は、保持
面211の中央に保持面311に対して交差するように設けられた、第2メダル通路40
2におけるメダルMの走行方向を規定するように、メダルMを誘導することができる。そ
の結果、第2案内部55によって、環状通路である第2メダル通路402におけるメダル
Mの走行方向を規定する(例えば時計回りの方向に規定する)ことができるので、メダル
Mが第2メダル通路402において別々の方向に走行することを抑制することができる。
従って、メダルMを第2メダル通路402に安定的に充填することができる。
【0153】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、第2案内部55は、
第2メダル通路402において、第1メダル通路401の下流端部405に向かうように
設けられた突起部48を有し、突起部48の先端と第1側壁面461の最も下流側端との
間の距離は、メダルMの直径以上であり、突起部48の先端と第2側壁面462の最も下
流側端との間の距離は、メダルMの直径よりも小さくすることができる。その結果、簡易
な構成を用いて、メダルMの第2メダル通路402における走行方向を規定することがで
きる。
【0154】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、案内部33は、第2
メダル通路402の上方に、第2メダル通路402の少なくとも一部を覆うように設けら
れた、案内板の一例である第1リンク611及び第2リンク621を有する第3案内部6
0をさらに有し、第1リンク611及び第2リンク621の保持面211を向く側の面と
保持面211との間の距離は、1つのメダルMの厚みよりも大きく、2つのメダルMの厚
みよりも小さくすることができる。その結果、メダルMの移動中における厚み方向の動き
を規制することで、第2メダル通路402においてメダルMの詰まりが発生することを抑
制することができる。
【0155】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、案内部33は、第2
メダル通路402を覆う位置から、第2メダル通路402を覆わない位置までの範囲にお
いて、第3案内部60を移動させる案内駆動部65をさらに有することができる。その結
果、必要に応じて第3案内部60の第2メダル通路402に対する位置を調整することが
でき、第3案内部60の使用自由度を向上させることができる。
【0156】
また、以上説明した実施形態に係るメダル配列装置5においては、単層メダルセットM
S及び複数層の単層メダルセットMSによって構成されたメダルタワーMTを載置する載
置面111を有する載置部10と、載置面111よりも上方の第3位置P3から、第1メ
ダル通路401よりも下方の第1位置P1までの範囲において、保持部21を上昇及び下
降させる搬送部20と、をさらに備えることができる。その結果、簡易な構成を用いて、
メダルタワーMTの形成及び載置を行うことができる。
【0157】
以上説明した実施形態にメダルゲーム機1においては、メダルを投入するメダル投入機
構2と、投入されたメダルを載置する載置台4と、載置台4に載置されたメダルMを移動
させるプッシャテーブル7と、載置台4から落下したメダルMが入る入賞口8と、載置台
4に設けられた、上述したメダル配列装置5のいずれか一つと、を備えることができる。
その結果、メダルMを安定的にかつ迅速に供給して配置することができるとともに、コス
トの軽減を実現できるメダルゲーム機1を提供することが可能になる。
【0158】
本発明は、以上の各実施形態に限定されるものではなく、これら実施形態に当業者が適
宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される
。すなわち、前記各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等
は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記各実
施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これら
を組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0159】
1…メダルゲーム機
5…メダル配列装置
10…載置部
20…搬送部
21…保持部
22…リフトテーブル
23…リフトクランク
30…供給部
31…取付部
32…メダルホッパ
33…案内部
50…第1案内部
51…第1当接部
55…第2案内部
60…第3案内部
65…案内駆動部
70…回収部
80…制御部
90…筐体部
211…保持面
400…メダル通路
401…第1メダル通路
402…第2メダル通路
405…下流端部
461…第1側壁面
462…第2側壁面
511…上流当接部
512…下流当接部
M…メダル
MS…単層メダルセット
MT…メダルタワー
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定配列で配置された複数のメダルによって構成された単層メダルセットを保持する保持面を有する保持部と、
メダル通路を介してメダルを前記保持面に供給する供給部と、を備え、
前記供給部は、前記メダル通路にメダルを一枚ずつ射出するメダルホッパと、前記メダル通路に射出されたメダルを案内する案内部と、を有し、
前記メダル通路は、前記保持面よりもメダルの移動方向の上流側に形成されかつ互いに対向する第1側壁面及び第2側壁面を有する第1メダル通路と、前記第1メダル通路の下流端部に連結され前記保持面上に形成された第2メダル通路と、を有し、
前記案内部は、前記第2側壁面に向けて付勢されるように前記第1メダル通路の前記第1側壁面側に設けられた可動式の上流当接部及び下流当接部を有し、
前記上流当接部及び前記下流当接部は、前記メダルホッパから射出された一枚のメダルが前記下流端部の所定位置に到達したとき、前記一枚のメダルを前記第2側壁面に押し付けるように、それぞれの少なくとも一部が前記第1メダル通路に位置し、かつ、前記一枚のメダルが前記所定位置を通過するとき、前記下流当接部が前記第1メダル通路の外部に退避するように、設けられている、
メダル配列装置。