(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147749
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】鈍い先端及びコネクタを有し創部ドレーンカテーテルを組織を通して前進させるための屈曲可能なトロカール
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A61M27/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024115597
(22)【出願日】2024-07-19
(62)【分割の表示】P 2021547428の分割
【原出願日】2020-02-11
(31)【優先権主張番号】16/277,192
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レビーン・サージ
(72)【発明者】
【氏名】グオ・ジャンシン
(72)【発明者】
【氏名】マッカーリーン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サイビー・ジョナサン・アデオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】創部ドレーンカテーテルを組織を通して前進させるために使用されるトロカールを提供する。
【解決手段】トロカール100は、先端部分104と、後端部分112と、先端部分と後端部分との間に位置する小径の中央部分110と、シャフト102の長さに沿って延在する長手方向軸とを有するシャフトを含む。シャフトの先端部分は、鈍い先端108で終端するテーパ状領域106を有する。シャフトの後端部分は、シャフトの後端部に位置するコネクタ114を有する。シャフトの先端部分及び後端部分は第1の直径を有し、シャフトの小径の中央部分は、シャフトが小径の中央部分において曲がるのを可能にするために、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。第1の端部を有する可撓性創部ドレーンカテーテルは、シャフトの後端部分の後端部においてコネクタに固定され、シャフトの先端部分及び後端部分の第1の直径と一致する外径を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トロカールシステムであって、
シャフトであって、先端部分と、後端部分と、前記先端部分と前記後端部分との間に位置する小径の中央部分と、前記シャフトの前記先端部分の先端部から前記後端部分の後端部まで延在する長手方向軸と、を有し、
前記シャフトの前記先端部分は、直径が一定である基部と、前記基部よりも先端側に位置し、前記シャフトの前記先端部に位置する鈍い先端で終端するテーパ状領域を有し、
前記シャフトの前記後端部分は、前記シャフトの前記後端部に位置するコネクタを有し、
前記シャフトの前記先端部分の前記基部及び前記後端部分は、第1の直径を有し、前記シャフトの前記小径の中央部分は、前記シャフトが前記小径の中央部分において曲がるのを可能にするために前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、シャフトと、
前記コネクタに固定される第1の端部を含む延長部分、及び、前記延長部分よりも後側に位置する遷移部分を有する可撓性創部ドレーンカテーテルと、を含み、
前記コネクタが、
曲面を有する端部ノブと、
前記端部ノブと前記シャフトの前記後端部分の端面との間に位置する2つの環状隆起部と、を備え、
前記2つの環状隆起部は、後側の環状隆起部、及び、先側の環状隆起部からなり、
前記端部ノブ、前記後側の環状隆起部、及び、前記先側の環状隆起部が、後側から先側に向かって順に並んでおり、
前記端部ノブが端部ノブ外径を有し、前記後側の環状隆起部が、前記端部ノブ外径よりも大きい第1の環状隆起部外径を有し、前記先側の環状隆起部が、前記第1の環状隆起部外径よりも大きい第2の環状隆起部外径を有し、
前記可撓性創部ドレーンカテーテルの前記延長部分の前記第1の端部が前記コネクタから取り外された際に、前記可撓性創部ドレーンカテーテルの前記延長部分の前記第1の端部は前記可撓性創部ドレーンカテーテルを介して流体を引き込むための吸引装置に接続可能であり、
前記可撓性創部ドレーンカテーテルの前記延長部分は、前記延長部分の外壁の内側に壁体がない開放構造を有し、
前記前記可撓性創部ドレーンカテーテルの前記遷移部分は、前記遷移部分の外壁の内側に十字形の形状の壁体を有している、トロカールシステム。
【請求項2】
前記テーパ状領域が、先細になる傾斜面を含み、
前記鈍い先端は、外周を有する平坦な表面、及び、前記平坦な表面の外周を取り囲み、かつ前記平坦な表面の外周から前記テーパ状領域の前記傾斜面の最先端部まで延在する凸状の曲面を有し、
前記平坦な表面および前記凸状の曲面を合わせた形状における外径は、前記シャフトの前記小径の中央部分における前記第2の直径よりも小さく、
前記テーパ状領域の前記傾斜面と前記シャフトの前記長手方向軸とが3~5度の角度を規定する、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項3】
前記シャフトが円筒形状を有し、前記シャフトが、金属、生体適合性金属、医療グレード鋼、ステンレス鋼、303ステンレス鋼、及びポリマーからなる群から選択される材料で作製されている、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項4】
前記シャフトが、金属、生体適合性金属、医療グレード鋼、ステンレス鋼、303ステンレス鋼、及びポリマーからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項5】
前記シャフトの前記先端部分の前記基部及び前記後端部分が、前記シャフトの前記小径の中央部分よりも相対的に剛性であり、前記小径の中央部分が、前記先端部分の前記基部及び前記後端部分よりも可撓性である、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項6】
前記シャフトが、円筒形状を有する外面を含む、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項7】
前記鈍い先端の前記平坦な表面が、0.762~1.143mmの外径を有する、請求項2に記載のトロカールシステム。
【請求項8】
前記シャフトの前記先端部分の前記基部及び前記後端部分の前記第1の直径が3.175~6.35mmであり、前記小径の中央部分の前記第2の直径が2.2225~2.4765mmである、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項9】
前記シャフトが15.24cmの長さを有し、前記シャフトの前記先端部分が6.985cmの長さを有し、前記先端部分の前記テーパ状領域が18.8214mmの長さを有し、前記小径の中央部分が10.16~12.7mmの長さを有する、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項10】
前記小径の中央部分が、前記シャフトの前記先端部と前記後端部との中間に位置する、請求項1に記載のトロカールシステム。
【請求項11】
前記可撓性創部ドレーンカテーテルが、前記第1の端部と反対側の第2の端部を備え、
前記可撓性創部ドレーンカテーテルの前記第2の端部に固定されるドレーンと、を更に含む、請求項1に記載のトロカールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特許出願は、概して、創部を治療することに関し、より詳細には、流体を創部から安全かつ効果的に排出するために、組織を通して創部ドレーンカテーテルを組織を通して前進させるために使用されるトロカールに関する。
【背景技術】
【0002】
トロカールは、多くの場合、創部ドレーンカテーテルを外科的創部に隣接する排出部位に挿入するために使用される。典型的には、創部ドレーンカテーテルのチューブが患者の身体を通る経路に沿ってトロカールに追従するよう、トロカールには、創部ドレーンカテーテルがトロカールの端部に取り付けられている。
【0003】
患者の身体内に創部ドレーンカテーテルを挿入するために、いくつかの技術を用いることができる。例えば、外科医は、単に創部ドレーンカテーテルのドレーン及び小断面部を創部内に置き、切開部を閉じ、創部ドレーンカテーテルの周囲を縫合するだけであってもよい。この技術は、縫合によって創部ドレーンカテーテルの周囲の領域を完全に封止することは困難であり、したがって創部が感染される可能性があるため、やや不満足である。より満足できる技術は、創部ドレーンカテーテルの端部に予め取り付けられたトロカールを、創部内のある点で患者の身体に入り、皮膚に形成された開口部で身体から出ることによって、健康な組織に通すことである。外科医は、トロカールを使用して、ドレーンが創部内に位置する状態で創部ドレーンカテーテルが適切に配置されるまで、創部ドレーンカテーテルを組織を通して引っ張る。創部ドレーンカテーテルは、創部に隣接する点で身体を出るため、創部は縫合によって完全に閉鎖され、それによって感染のリスクを低減することができる。
【0004】
場合によっては、創部ドレーンカテーテルを創部部位に配置するときに、トロカールと創部ドレーンカテーテルとが分離し、創部ドレーンカテーテルの端部が患者の身体内に残される。そうなった場合、創部ドレーンカテーテルを除去しなければならず、手術を繰り返されなければならない。このような分離は、典型的には、トロカールを創部ドレーンカテーテルに取り付けることが困難であることが原因である。
【0005】
場合によっては、トロカールを操って患者の組織及び/又は皮膚を通すことを可能にするために、トロカールは、トロカールの鋭利な先端付近にわずかな屈曲部を有して製造される。創部ドレーンカテーテルは、創部ドレーンカテーテルのドレナージ端部が身体内の望ましい位置に位置し、かつ創部ドレーンカテーテルの延長部が患者の身体の外側に位置するまで、トロカールによって形成された経路に追従する。その段階で、トロカールは創部ドレーンカテーテルから分離されるとすぐに、創部ドレーンカテーテルの自由端部は、真空源に接続される。
【0006】
米国特許第4,398,910号は、上記の方法でのトロカールの使用について開示している。米国特許第4,359,053号は、同じ目的のためにプラスチックチューブをトロカールに締結することについて開示している。
【0007】
トロカールは、先を非常に細く尖らせてトロカールの鋭利な先端が身体組織及び皮膚を通過できるように、典型的には、非常に硬い外科用グレードのステンレス鋼又は他の材料で作製される。多くの例において、トロカールを骨などの固い構造体にぶつかることなく患者の身体に通すことが困難であるため、創部ドレナージチューブを適切に配置することは困難である。また、トロカールが患者の体内を通って前進する際に、器官及び敏感な組織を回避することが望ましい。
【0008】
米国特許第3,398,910号は、外科医がトロカールを操って患者の身体内を通し、所望する場所に創部ドレーンカテーテルを正しく配置できるように、約15度のわずかな屈曲を有するように製造されたトロカールについて開示している。
【0009】
Broadnax,Jr.に付与された米国特許第4,976,684号は、創部ドレナージチューブを患者の身体内に挿入するために使用されるトロカールについて開示している。トロカールは、鋭利な先端部と、外科医が所望する構成に屈曲させることが可能なシャフトとを有し、これにより、患者の身体内の所望の場所に創部ドレーンカテーテルをより容易かつより正確に挿入することが可能になる。トロカールは、鋭利な先端部の近くに位置する縮小断面領域を有し、これにより、外科医の手で生成される力でトロカールを曲げることができる。
【0010】
創部ドレーンカテーテルを患者に挿入するための鋭利な先端部を有するトロカールの使用は、トロカールの鋭利な先端部が患者の敏感な組織(例えば、血管及び神経)を傷つけないことを確実にするために、高度の注意を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、望ましくない組織損傷のリスクを低減する方法で患者に創部ドレーンカテーテルを挿入するために使用できるトロカールの必要性が残されている。敏感な組織及び器官を傷つけることなく患者を通り抜けるために容易に屈曲可能であるトロカールの必要性が残されている。加えて、組織損傷の可能性を最小限に抑える鈍い先端を有するトロカールの必要性が残されている。更に、トロカールの細長いシャフトの先端と後端との中間あたりに位置する小径の中央部分を有するトロカールの必要性が残されている。更に、留置中にトロカールと創部ドレーンカテーテルが配置中に互いに固定されたままであるように、創部ドレーンカテーテルとの確実な接続を維持するトロカールの必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、トロカールは、好ましくは、先端部分と、後端部分と、先端部分と後端部分との間に位置する小径の中央部分と、細長いシャフトの先端部分の先端部から後端部分の後端部まで延在する長手方向軸と、を有する細長いシャフトを含む。トロカールは、約Fr10~Fr24のフレンチサイズを有し得る。
【0013】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分は、細長いシャフトの先端部に位置する鈍い先端で終端するテーパ状領域を有する。一実施形態では、鈍い先端を有するトロカールは、組織の望ましくない穿刺のリスクを低減するのに役立ち得、また、医師、看護師、又は他のユーザーが使用する際の安全性も改善することができる。
【0014】
一実施形態では、細長いシャフトの後端部分は、細長いシャフトの後端部に位置するコネクタを有する。
【0015】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分及び後端部分は、第1の直径を有し、細長いシャフトの小径の中央部分は、細長いシャフトが小径の中央部分において曲がるのを可能にするために第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0016】
一実施形態では、細長いシャフトは、金属、生体適合性金属、医療グレード鋼、ステンレス鋼、303ステンレス鋼、及びポリマーを含むが、これらに限定されない、様々な材料で作製される。
【0017】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分及び後端部分は、細長いシャフトの小径の中央部分よりも相対的に剛性である。一実施形態では、小径の中央部分は、細長いシャフトの先端部分及び後端部分よりも高可撓性、高屈曲性、かつ/又は高可鍛性である。
【0018】
一実施形態では、細長いシャフトは、円筒形状を有する外面を含む。細長いシャフトは、円形の形状を有する断面を有してもよい。
【0019】
一実施形態では、テーパ状領域は、細長いシャフトの長手方向軸から離れる方向に先細になる傾斜面を含む。
【0020】
一実施形態では、鈍い先端は、外周を有する平坦な表面を含む。一実施形態では、鈍い先端は、平坦な表面の外周を取り囲み、かつ平坦な表面の外周からテーパ状領域の傾斜面まで延在する凸状の曲面を有する。
【0021】
一実施形態では、テーパ状領域の傾斜面と細長いシャフトの長手方向軸とは、約3~5度の角度を協働して規定する。一実施形態では、鈍い先端の平坦な表面は、約0.030~0.045インチの外径を有する。
【0022】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分及び後端部分の第1の直径は約0.125~0.250インチであり、小径の中央部分の第2の直径は約0.0875~0.0975インチである。
【0023】
一実施形態では、細長いシャフトは、約6インチの長さを有する。一実施形態では、細長いシャフトの先端部分は、約2.75インチの長さを有する。一実施形態では、先端部分のテーパ状領域は、約0.741インチの長さを有する。一実施形態では、小径の中央部分は、約0.400~0.500インチの長さを有する。
【0024】
一実施形態では、小径の中央部分は、細長いシャフトの先端部分と後端部分との中間に位置する。
【0025】
一実施形態では、コネクタは、曲面を有する端部ノブと、端部ノブと細長いシャフトの後端部分の後端部における端面との間に位置する1つ又は2つ以上の環状隆起部とを含む。
【0026】
一実施形態では、端部ノブは端部ノブ外径を有し、環状隆起部は、端部ノブ外径よりも大きいそれぞれの環状隆起部外径を有する。
【0027】
一実施形態では、創部ドレーンカテーテルは、トロカールの後端に固定されてもよい。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルは、シリコーンなどの生体適合性材料で作製された可撓性チューブである。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルは、第1の端部及び第2の端部を有する。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルの第1の端部は、コネクタに固定される。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルは、細長いシャフトの先端部分及び後端部分の第1の直径と一致する外径を有する。一実施形態では、ドレーンは、可撓性創部ドレーンカテーテルの第2の端部に固定される。
【0028】
一実施形態では、トロカールシステムは、好ましくは、先端部分と、後端部分と、先端部分と後端部分との間に位置する小径の中央部分と、細長いシャフトの先端部分の先端から後端部分の後端まで延在する長手方向軸と、を有する細長いシャフトを含む。一実施形態では、シャフトの先端部分は、その先端に位置する鈍い先端で終端するテーパ状領域を有し、シャフトの後端部分は、その後端に位置するコネクタを有する。
【0029】
一実施形態では、シャフトの先端部分及び後端部分は、第1の直径を有し、シャフトの小径の中央部分は、シャフトが小径の中央部分において曲がるのを可能にするために第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0030】
一実施形態では、可撓性創部ドレーンカテーテルの第1の端部は、シャフトの後端部分の後端においてコネクタに固定される。一実施形態では、可撓性創部ドレーンカテーテルは、シャフトの先端部分及び後端部分の第1の直径と一致する外径を有する。
【0031】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分のテーパ状領域は、好ましくは、細長いシャフトの長手方向軸から離れる方向に先細になる傾斜面を含む。
【0032】
一実施形態では、鈍い先端は、望ましくは平坦な表面を含む。一実施形態では、平坦な表面は、トロカールの細長いシャフトの長手方向軸に直交する。一実施形態では、鈍い先端の平坦な表面は、外周と、平坦な表面の外周を取り囲み、かつ平坦な表面の外周からテーパ状領域の傾斜面まで延在する凸状の曲面とを有する。
【0033】
一実施形態では、哺乳動物から流体を排出するための方法は、好ましくは、可撓性創部ドレナージカテーテルをトロカールに取り付けることを含む。一実施形態では、トロカールは、先端部分と、後端部分と、先端部分と後端部分との間に位置する小径の中央部分と、細長いシャフトの先端部分の先端から後端部分の後端まで延在する長手方向軸と、を含む細長いシャフトを有してもよい。
【0034】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分は、好ましくは、細長いシャフトの先端部に位置する鈍い先端で終端するテーパ状領域を有する。一実施形態では、細長いシャフトの後端部分は、好ましくは、細長いシャフトの後端に位置するコネクタを有する。
【0035】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分及び後端部分は、望ましくは、第1の直径を有し、細長いシャフトの小径の中央部分は、細長いシャフトが小径の中央部分において曲がるのを可能にするために第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0036】
一実施形態では、本方法は、好ましくは、トロカールを角度を持った構成に曲げることと、トロカールを曲げた後に、哺乳動物の皮膚にトロカールを通過させることと、を含み、トロカールは、哺乳動物の皮膚を通過している間、角度を持った形状を維持する。
【0037】
一実施形態では、本方法は、好ましくは、可撓性創部ドレーンカテーテルを哺乳動物内に維持しながら、トロカールを哺乳動物の皮膚から外に通過させることを含む。
【0038】
一実施形態では、本方法は、例えば、患者の身体の外側に延在する創部ドレーンカテーテルの端部に真空源を連結することなどによって、可撓性創部ドレーンカテーテルを介して哺乳動物から流体を排出することを含む。
【0039】
一実施形態では、創部ドレーンカテーテルを埋め込む方法は、体腔の内側から開始して組織を鈍的に切開して、皮膚層に向かう部分的経路を形成することと、創部ドレーンカテーテルを保持するトロカールの鈍い先端を部分的経路に挿入することと、鋭利な器具を使用して、トロカールの鈍い先端が出てくることになる場所において皮膚に小さな切開部を形成することと、トロカールを切開部を通して前進させることと、創部ドレーンカテーテルをトロカールから取り外すことと、を含み得る。
【0040】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分のテーパ状領域は、細長いシャフトの長手方向軸から離れる方向に先細になる傾斜面を含む。一実施形態では、鈍い先端は、好ましくは、外周を有する平坦な表面と、平坦な表面の外周を取り囲み、かつ平坦な表面の外周からテーパ状領域の傾斜面まで延在する凸状の曲面と、を含む。
【0041】
一実施形態では、細長いシャフトの先端部分及び後端部分の第1の直径は約0.125~0.250インチであり、小径の中央部分の第2の直径は約0.0875~0.0975インチである。
【0042】
一実施形態では、トロカールの細長いシャフトは、好ましくは約6インチの長さを有し、細長いシャフトの先端部分は約2.75インチの長さを有し、先端部分のテーパ状領域は約0.741インチの長さを有し、小径の中央部分は約0.400~0.500インチの長さを有する。
【0043】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本特許出願の一実施形態による、鈍い先端で終端するテーパ状領域を含む先端部分と、小径の中央部分と、コネクタを含む後端部分とを有するトロカールの斜視図である。
【
図2A】
図1に示されるトロカールの側面図である。
【
図2B】
図1に示されるトロカールの別の側面図である。
【
図3A】
図1に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の側面図である。
【
図3B】
図1に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の斜視図である。
【
図3C】
図1に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の端面図である。
【
図4A】
図1に示されるトロカールの小径の中央部分の側面図である。
【
図4B】
図1に示されるトロカールの小径の中央部分の斜視図である。
【
図5A】
図1に示されるトロカールの後端部分におけるコネクタの側面図である。
【
図5B】
図1に示されるトロカールの後端部分におけるコネクタの斜視図である。
【
図5C】
図1に示されるトロカールの後端部分におけるコネクタの端面図である。
【
図6】本特許出願の一実施形態による、鈍い先端で終端するテーパ状領域を含む先端部分と、小径の中央部分と、コネクタを含む後端部分とを有するトロカールの斜視図である。
【
図7A】
図6に示されるトロカールの側面図である。
【
図7B】
図6に示されるトロカールの別の側面図である。
【
図8A】
図6に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の側面図である。
【
図8B】
図6に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の斜視図である。
【
図8C】
図6に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の端面図である。
【
図9A】
図6に示されるトロカールの小径の中央部分の側面図である。
【
図9B】
図6に示されるトロカールの小径の中央部分の斜視図である。
【
図10A】
図6に示されるトロカールの後端部におけるコネクタの側面図である。
【
図10B】
図6に示されるトロカールの後端部におけるコネクタの斜視図である。
【
図10C】
図6に示されるトロカールの後端部におけるコネクタの端面図である。
【
図11】本特許出願の一実施形態による、鈍い先端で終端するテーパ状領域を含む先端部分と、小径の中央部分と、コネクタを含む後端部分とを有するトロカールの斜視図である。
【
図13A】
図11に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の側面図である。
【
図13B】
図11に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状領域及び鈍い先端の斜視図である。
【
図13C】
図11に示されるトロカールの先端部におけるテーパ状部分及び鈍い先端の端面図である。
【
図14A】
図11に示されるトロカールの小径の中央部分の側面図である。
【
図14B】
図11に示されるトロカールの小径の中央部分の斜視図である。
【
図15A】
図11に示されるトロカールの後端部におけるコネクタの側面図である。
【
図15B】
図11に示されるトロカールの後端部におけるコネクタの斜視図である。
【
図15C】
図11に示されるトロカールの後端部におけるコネクタの端面図である。
【
図16】本特許出願の更に別の実施形態による、鋭利な先端を有するテーパ状先端部分と、小径の中央部分と、コネクタを有する後端部分とを有するトロカールの側面図である。
【
図17】
図16に示されるトロカールの鋭利な先端を備えたテーパ状先端部分の側面図である。
【
図18】
図16に示されるトロカールの小径の中央部分の側面図である。
【
図19】
図16に示されるトロカールの後端部におけるコネクタの側面図である。
【
図20A】一直線形状にある
図11に示されるトロカールの側面図である。
【
図20B】本特許出願の一実施形態による、第1の屈曲形状にある
図20Aに示されるトロカールの側面図である。
【
図20C】本特許出願の一実施形態による、第2の屈曲形状にある
図20Aに示されるトロカールの側面図である。
【
図20D】本特許出願の一実施形態による、第3の屈曲形状にある
図20Aに示されるトロカールの側面図である。
【
図20E】本特許出願の一実施形態による、第4の屈曲形状にある
図20Aに示されるトロカールの側面図である。
【
図20F】本特許出願の一実施形態による、第5の屈曲形状にある
図20Aに示されるトロカールの側面図である。
【
図21A】本特許出願の一実施形態による、トロカールの後端部のコネクタに創部ドレーンカテーテルを固定するための方法の第1の工程である。
【
図21B】本特許出願の一実施形態による、トロカールの後端部のコネクタに創部ドレーンカテーテルを固定するための方法の第2の工程である。
【
図22】本特許出願の一実施形態による、フルート状部分と、遷移部分と、トロカールの後端部に固定された遠位端部を有する延長部分とを有する創部ドレーンカテーテルを含む、創部の液体を排出するためのシステムの斜視図である。
【
図23】
図22に示される創部ドレーンカテーテルのフルート状部分の断面図である。
【
図24】
図22に示される創部ドレーンカテーテルの遷移部分の断面図である。
【
図25】本特許出願の一実施形態による、創部ドレーンカテーテルに固定可能なドレーンの端部の斜視図である。
【
図26】本特許出願の一実施形態による、トロカール、創部ドレーンカテーテル、及びドレーンを含む、創部の液体を排出するためのシステムの斜視図である。
【
図27】本特許出願の一実施形態による、創部の液体を排出するために創部ドレーンカテーテルを使用する方法を示す。
【
図28】本特許出願の実施形態による、創部ドレーンカテーテルの端部に真空を適用するためのシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1を参照すると、一実施形態では、組織を通して創部ドレーンカテーテルを運ぶためのトロカール100は、好ましくは、細長いシャフト102を含み、細長いシャフト102は、その自由端部に鈍い先端108を含むテーパ状領域106を有する先端部分104と、小径の中央部分110と、環状隆起部116及び端部ノブ118を含むコネクタ114を有する後端部分112とを含む。一実施形態では、鈍い先端108は、細長いシャフトの最先端部にあることが望ましく、コネクタ114は細長いシャフトの最後端部にある。一実施形態では、トロカールの先端に鈍い先端108を設けることは、組織の望ましくない穿刺のリスクを低減するのに役立ち得、また、医師、看護師、又は他のユーザーが使用する際の安全性も改善することができる。一実施形態では、トロカール100は、金属又はポリマー材料で作製されてもよい。一実施形態では、トロカール100は、ステンレス鋼などの生体適合性金属で作製される。一実施形態では、トロカール100は、一般に303ステンレス鋼と呼ばれるステンレス鋼材料で作製されてもよい。
【0046】
図2A及び
図2Bを参照すると、一実施形態では、トロカール100の細長いシャフト102は、望ましくは、細長いシャフト102の長さに沿ってシャフトの後端部分112のコネクタ114からシャフト102の先端部分104の鈍い先端108まで延在する長手方向軸A
1を有することが望ましい。一実施形態では、トロカールの細長いシャフト102は、好ましくは、約4~8インチ、より好ましくは約6インチの長さL
1を有する。一実施形態では、細長いシャフト102の先端部分104は、約1~4インチ、より好ましくは約2.50インチの長さL
2を有する。
【0047】
一実施形態では、トロカール100のフレンチサイズ(Fr)は、Fr10~Fr24である。一実施形態では、細長いシャフト102は、円筒形状を有する外面119を含むことが望ましい。一実施形態では、細長いシャフト102の先端部分104及び後端部分112は、小径の中央部分110の第2の外径OD2より大きい第1の外径OD1を規定する。一実施形態では、より大きい第1の外径OD1は約0.125インチ(例えば、Fr10)であり、より小さい第2の外径OD2は約0.092インチである。本明細書でより詳細に記載されるように、小径の中央部分110は、細長いシャフト102の後端部分112と先端部分104とを相互に接続する。したがって、シャフト102の先端部分104がシャフト102の後端部分112に対して様々に異なる角度で曲げられ得るように、小径の中央部分110は、シャフトの先端部分及び後端部分よりも高屈曲性である。一実施形態では、トロカールの屈曲の全ては、トロカールの小径の中央部分110領域内で生じるのが望ましい。一実施形態では、先端部分104が後端部分112に対して角度を付けられるとき、先端部分及び後端部分は好ましくは一直線形状を維持する。
【0048】
図2Bを参照すると、一実施形態では、細長いシャフト102の後端部分112の後端に位置するコネクタ114は、望ましくは、創部ドレーンカテーテルをトロカール100の後端部分112に接続するために創部ドレーンカテーテルの内面と係合するように適合された環状隆起部116を含む。コネクタ114は、望ましくは、端部ノブ118を含み、この端部ノブ118は、創部ドレーンカテーテルの端部においてアクセス可能な開口部又は導管に挿入されて、トロカール100をドレーンカテーテルと接続するように適合されている。
【0049】
図3A~
図3Cを参照すると、一実施形態では、トロカールの先端部分104(
図1)は、好ましくは、鈍い先端108に向かって内向きに先細となるテーパ状領域106を含む。一実施形態では、鈍い先端108は、好ましくは、約0.035インチの外径OD
3を有する平坦な端部表面120を有する。鈍い先端108は、好ましくは、平坦な端部表面120の外周と、トロカール100の先端部分104のテーパ状領域106の傾斜する側壁との間に延在する、凸状の曲面などの曲面122を含む。一実施形態では、曲面122は、約0.010インチの半径R
1を有する。
【0050】
一実施形態では、先端部分104のテーパ状領域106は、鈍い先端108から外向きにテーパ状になっている。一実施形態では、トロカールの先端部分104のテーパ状領域106は、約0.741インチの長さL3を有する。一実施形態では、テーパ状領域106の傾斜した外面は、トロカール100の長手方向軸A1に対して3~5度、より好ましくは約3度(3°)の角度α1を規定する。
【0051】
図4A及び
図4Bを参照すると、一実施形態では、トロカール100の小径の中央部分110は、望ましくは、トロカール100の細長いシャフト102の先端部分104及び後端部分112のそれぞれの第1の外径OD
1よりも小さい、約0.092インチの第2の外径OD
2を規定する外側円筒状表面124を有する。小径の中央部分110の先端部は、好ましくは、トロカールの細長いシャフトの小径の中央部分124のより小さい第2の外径OD
2と、先端部分104のより大きい第1の外径OD
1との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第1の肩部126を有する。加えて、小径の中央部分110の後端部は、細長いシャフト102の小径の中央部分110のより小さい第2の外径OD
2と、後端部分112のより大きい第2の外径OD
1との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第2の肩部128を有する。一実施形態では、トロカール100の小径の中央部分110は、約0.40~0.50インチ、より好ましくは約0.440インチの長さL
4を有する。
【0052】
図5A~
図5Cを参照すると、一実施形態では、トロカール100の後端部分112(
図1)の後端部から突出するコネクタ114は、望ましくは、トロカール100の後端部分112の後端部において端面132と接続されたステム130から外向きに突出する環状隆起部116A、116Bを含む。一実施形態では、ステム130は、約0.060インチの外径OD
4を有する。一実施形態では、端部ノブ118は、端部ノブの最大直径部分を規定する基部134を有する。一実施形態では、基部134は、約0.085インチの外径OD
5を規定する。一実施形態では、第1の隆起部116Aは、約0.088インチの外径OD
6を規定する。一実施形態では、第2の隆起部116は、約0.092インチの外径OD
7を規定する。したがって、一実施形態では、端部ノブ118及び第1並びに第2の環状隆起部116A、116Bのそれぞれの外径は、端部ノブ118と第2の環状隆起部116Bとの間で順次わずかに増加する。例えば、第1の環状隆起部は、端部ノブよりも大きい外径を有し、第2の環状隆起部は、第1の環状隆起部よりも大きい外径を有する。一実施形態では、端部ノブ118は、好ましくは、湾曲した半球形状の表面136を有する。
【0053】
図6を参照すると、一実施形態では、組織を通して創部ドレーンカテーテルを運ぶためのトロカール200は、好ましくは、細長いシャフト202を含み、細長いシャフト202は、その自由端部に鈍い先端208を含むテーパ状領域206を有する先端部分204と、小径の中央部分210と、1つ又は2つ以上の環状隆起部216及び端部ノブ218を含むコネクタ214を有する後端部分212とを含む。一実施形態では、トロカールは、ステンレス鋼などの金属、より好ましくは303ステンレス鋼で作製されてもよい。
【0054】
図7A及び
図7Bを参照すると、一実施形態では、トロカール200の細長いシャフト202は、望ましくは、細長いシャフト202の長さに沿ってシャフトの後端部分212におけるコネクタ214から細長いシャフト202の先端部における鈍い先端208まで延在する長手方向軸A
2を有する。一実施形態では、トロカールの細長いシャフト202は、約5~7インチ、より好ましくは約6インチの長さL
5を有する。一実施形態では、細長いシャフト202の先端部分204は、約2~3インチ、より好ましくは約2.50インチの長さL
6を有する。
【0055】
一実施形態では、トロカール200は、Fr10~Fr24、より好ましくは約Fr15の寸法を有してもよい。一実施形態では、細長いシャフト202は、円筒形状を有する外面219を含むことが望ましい。一実施形態では、細長いシャフト202の先端部分204及び後端部分212は、小径の中央部分210の第2の外径OD9より大きい第1の外径OD8を規定する。一実施形態では、より大きい第1の外径OD8は約0.188インチであり、より小さい第2の外径OD9は約0.0925インチである。本明細書でより詳細に記載されるように、小径の中央部分210は、細長いシャフト202の後端部分212と先端部分204とを相互に接続する。シャフト202の先端部分204がシャフト202の後端部分212に対して様々に異なる角度で曲げられ得るように、小径の中央部分210は、シャフトの先端部分及び後端部分よりも高可撓性かつ/又は高屈曲性である。一実施形態では、トロカールの屈曲の全ては、小径の中央部分210領域内で生じるのが望ましい。一実施形態では、先端部分204が後端部分212に対して角度を付けられるとき、先端部分及び後端部分は好ましくは一直線形状を維持する。
【0056】
図7Bを参照すると、一実施形態では、細長いシャフト202の後端部分212に位置するコネクタ214は、創部ドレーンカテーテルをトロカール200の後端部分212に接続するために創部ドレーンカテーテルの内面と係合するように適合された1つ又は2つ以上の環状隆起部216を含むことが望ましい。コネクタ214は、望ましくは、端部ノブ218を含み、この端部ノブ218は、創部ドレーンカテーテルの端部においてアクセス可能な開口部又は導管に挿入されて、創部ドレーンカテーテルをトロカールの後端部分と接続する。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルの外径は、好ましくは、トロカールのフレンチサイズと一致する。
【0057】
図8A~
図8Cを参照すると、一実施形態では、トロカールの細長いシャフトの先端部分204(
図1)は、好ましくは、鈍い先端208に向かって内向きに先細となるテーパ状領域206を含む。一実施形態では、鈍い先端208は、好ましくは、約0.035インチの外径OD
10を有する平坦な端部表面220を有する。鈍い先端208は、好ましくは、平坦な端部表面220の外周と、トロカール200の先端部分204のテーパ状領域206の傾斜側壁との間に延在する、凸状の曲面などの曲面222を含む。一実施形態では、曲面222は、約0.010インチの半径R
2を有する。
【0058】
一実施形態では、先端部分204のテーパ状領域206は、鈍い先端208から外向きにテーパ状になっている。一実施形態では、トロカールの先端部分204のテーパ状領域206は、約0.741インチの長さL7を有する。一実施形態では、テーパ状領域206の傾斜した外面は、トロカール200の細長いシャフトの長手方向軸A2に対して3~5度、より好ましくは約4度(4°)の角度α2を規定する。
【0059】
図9A及び
図9Bを参照すると、一実施形態では、トロカール200の小径の中央部分210は、望ましくは、トロカール200の細長いシャフトの先端部分204及び後端部分212の約0.188インチであるそれぞれの第1の外径OD
8よりも小さい、約0.0925インチの第2の外径OD
9を規定する外側円筒状表面224を有する。小径の中央部分210の先端は、好ましくは、トロカールの細長いシャフトの小径の中央部分210の第2の外径OD
9と、先端部分204のより大きい第1の外径OD
8との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第1の肩部226を有する。一実施形態では、小径の中央部分210の後端部は、細長いシャフト202の小径の中央部分210のより小さい第2の外径OD
9と、後端部分212のより大きい第2の外径OD
8との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第2の肩部228を有する。一実施形態では、トロカール200の小径の中央部分210は、約0.40~0.50インチ、より好ましくは約0.440インチの長さL
8を有する。
【0060】
図10A~
図10Cを参照すると、一実施形態では、トロカールの後端部分212(
図6)におけるコネクタ214は、望ましくは、トロカール200の細長いシャフトの後端部分212の後端部において端面232と接続されたステム230から外向きに突出する環状隆起部216A、216Bを含む。一実施形態では、ステム230は、約0.100インチの外径OD
11(
図10A)を有する。一実施形態では、端部ノブ218は、端部ノブの最大直径部分を規定する基部234を有する。一実施形態では、基部234は、約0.142インチの外径OD
12(
図10A)を規定する。一実施形態では、第1の隆起部216Aは、約0.150インチの外径OD
13(
図10A)を規定する。一実施形態では、第2の隆起部216Bは、約0.159インチの外径OD
14(
図10A)を規定する。したがって、一実施形態では、端部ノブ218並びに第1及び第2の環状隆起部216A、216Bのそれぞれの外径は、端部ノブ218と第2の環状隆起部216Bとの間で順次増加する。例えば、第1の環状隆起部は、端部ノブよりも大きい直径を有し、第2の環状隆起部は、第1の環状隆起部よりも大きい直径を有する。一実施形態では、端部ノブ218は、好ましくは、約0.100インチの外径OD
15を有する曲面236及び平坦な端部表面237を有する。
【0061】
図11を参照すると、一実施形態では、組織を通して創部ドレーンカテーテルを運ぶためのトロカール300は、好ましくは、細長いシャフト302を含み、細長いシャフト302は、その自由端部に鈍い先端308を含むテーパ状領域306を有する先端部分304と、小径の中央部分310と、1つ又は2つ以上の環状隆起部316及び端部ノブ318を含むコネクタ314を有する後端部分312とを含む。一実施形態では、トロカールは、ステンレス鋼などの金属、より好ましくは303ステンレス鋼で作製されてもよい。
【0062】
図12A及び
図12Bを参照すると、一実施形態では、トロカール300の細長いシャフトは、望ましくは、細長いシャフト302の長さに沿ってシャフトの後端部分312におけるコネクタ314からシャフト302の先端部分304におけるテーパ状領域306まで延在する長手方向軸A
3を有する。一実施形態では、トロカールの細長いシャフト302は、約5~7インチ、より好ましくは約6インチの長さL
9を有する。一実施形態では、細長いシャフト302の先端部分304は、約2~3インチ、より好ましくは約2.50インチの長さL
10を有する。
【0063】
一実施形態では、トロカール300は、Fr10~Fr24、より好ましくは約Fr19のフレンチサイズを有する。一実施形態では、細長いシャフト302は、円筒形状を有する外面319を含む。一実施形態では、細長いシャフト302の先端部分304及び後端部分312は、小径の中央部分310の第2の外径OD17より大きい第1の外径OD16を規定する。一実施形態では、より大きい第1の外径OD16は約0.250インチであり、より小さい第2の外径OD17は約0.0925インチである。本明細書でより詳細に記載されるように、小径の中央部分310は、細長いシャフト302の後端部分312と先端部分304とを相互に接続する。小径の中央部分310は、シャフト302の先端部分304がシャフト302の後端部分312に対して様々に異なる角度で曲げられ得るように、シャフトの先端部分及び後端部分よりも高屈曲性である。一実施形態では、トロカールの屈曲の全ては、小径の中央部分310領域内で生じるのが望ましい。一実施形態では、先端部分304が後端部分312に対して角度を付けられるとき、先端部分及び後端部分は好ましくは一直線形状を維持する。
【0064】
図12Bを参照すると、一実施形態では、細長いシャフト302の後端部分312の後端部に位置するコネクタ314は、創部ドレーンカテーテルをトロカール300の後端部分312に接続するために創部ドレーンカテーテルの内面と係合するように適合された1つ又は2つ以上の環状隆起部316を含むことが望ましい。コネクタ314は、望ましくは、端部ノブ318を含み、この端部ノブ318は、創部ドレーンカテーテルの端部においてアクセス可能な開口部又は導管に挿入されて、創部ドレーンカテーテルをトロカールの後端部分と接続する。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルは、好ましくは、トロカールのフレンチサイズと一致する外径を有する。
【0065】
図13A~
図13Cを参照すると、一実施形態では、トロカールの細長いシャフトの先端部分304(
図11)は、好ましくは、鈍い先端308に向かって内向きに先細になるテーパ状領域306を含む。一実施形態では、鈍い先端308は、好ましくは、約0.040インチの外径OD
18を有する平坦な端部表面320を有する。鈍い先端308は、好ましくは、トロカール300の平坦な端部表面320の外周と、先端部分304のテーパ状領域306の傾斜側壁との間に延在する、凸状の曲面などの曲面322を含む。一実施形態では、曲面322は、約0.020インチの半径R
3を有する。
【0066】
一実施形態では、細長いシャフの先端部分304のテーパ状領域306は、鈍い先端308から外向きにテーパ状になっている。一実施形態では、トロカールの先端部分304のテーパ状領域306は、約0.741インチの長さL11を有する。一実施形態では、テーパ状領域306の傾斜した外面は、トロカール300の細長いシャフトの長手方向軸A3に対して3~5度、より好ましくは約4度(4°)の角度α3を規定する。
【0067】
図14A及び
図14Bを参照すると、一実施形態では、トロカール300の小径の中央部分310は、望ましくは、トロカール300の細長いシャフトの先端部分304及び後端部分312の約0.250インチであるそれぞれの第1の外径OD
16よりも小さい、約0.0925インチの第2の外径OD
17を規定する外側円筒表面324を有する。一実施形態では、小径の中央部分310の先端は、好ましくは、トロカールの細長いシャフトの小径の中央部分310の第2の外径OD
17と、先端部分304のより大きい第1の外径OD
16との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第1の肩部326を有する。一実施形態では、小径の中央部分310の後端部は、細長いシャフト302の小径の中央部分310のより小さい第2の外径OD
17と、後端部分312のより大きい第2の外径OD
16との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第2の肩部328を有する。一実施形態では、トロカール200の小径の中央部分310は、約0.40~0.50インチ、より好ましくは約0.440インチの長さL
12を有する。
【0068】
図15A~
図15Cを参照すると、一実施形態では、トロカールの後端部分312(
図11)の後端部におけるコネクタ314は、望ましくは、トロカール300の細長いシャフトの後端部分312の端面332(
図15B)と接続されたステム330から外向きに突出する環状隆起部316A、316Bを含む。一実施形態では、ステム330は、約0.100インチの外径OD
18(
図15A)を有する。一実施形態では、端部ノブ318は、端部ノブの最大直径部分を規定する基部334を有する。一実施形態では、基部334は、約0.170インチの外径OD
19(
図15A)を規定する。一実施形態では、第1の隆起部316Aは、約0.182インチの外径OD
20(
図15A)を規定する。一実施形態では、第2の隆起部316Bは、約0.190インチの外径OD
21(
図15A)を規定する。したがって、一実施形態では、端部ノブ318並びに第1及び第2の環状隆起部316A、316Bのそれぞれの外径は、端部ノブ318と第2の環状隆起部316Bとの間で順次増加する。例えば、一実施形態では、第1の環状隆起部は、端部ノブよりも大きな外径を有し、第2の環状隆起部は、第1の環状隆起部よりも大きい外径を有する。一実施形態では、端部ノブ318は、好ましくは、約0.100インチの外径OD
22を有する曲面336及び平坦な端部表面337を有する。
【0069】
図16を参照すると、一実施形態では、組織を通して創部ドレーンカテーテルを運ぶためのトロカール400は、好ましくは、細長いシャフト402を含み、細長いシャフト402は、その自由端部に鋭利な先端部408を含むテーパ状領域406を備えた先端部分404と、小径の中央部分410と、1つ又は2つ以上の環状隆起部416及び端部ノブ418を備えたコネクタ414を有する後端部分412とを含む。一実施形態では、トロカール400は、ステンレス鋼などの金属、より好ましくは303ステンレス鋼で作製されてもよい。
【0070】
一実施形態では、トロカール400の細長いシャフトは、望ましくは、シャフトの長さに沿ってシャフトの後端部分412におけるコネクタ414からシャフト402の先端部分404における鋭利な先端部408まで延在する長手方向軸A4を有する。一実施形態では、トロカールの細長いシャフト402は、約5~7インチ、より好ましくは約6インチの長さL13を有する。一実施形態では、細長いシャフト402の先端部分404は、約2~3インチ、より好ましくは約2.50インチの長さL14を有する。
【0071】
一実施形態では、トロカール400は、Fr10~Fr24、より好ましくはFr10、Fr15、又はFr19のフレンチサイズを有する。一実施形態では、細長いシャフト402は、好ましくは、円筒形状を有する外面419を含む。一実施形態では、細長いシャフト402の先端部分404及び後端部分412は、小径の中央部分410の第2の外径OD24より大きい第1の外径OD23を規定する。一実施形態では、より大きい第1の外径OD23は約0.125インチであり、より小さい第2の外径OD24は約0.0925インチである。本明細書でより詳細に記載されるように、小径の中央部分410は、細長いシャフト402の後端部分412と先端部分404とを相互に接続する。シャフト402の先端部分404がシャフト402の後端部分412に対して様々に異なる角度で曲げられ得るように、小径の中央部分410は、シャフトの先端部分及び後端部分よりも高可撓性かつ/又は高屈曲性である。一実施形態では、トロカールの曲げの屈曲は、小径の中央部分410領域内で生じるのが望ましい。一実施形態では、小径の中央部分410を曲げることによって先端部分404が後端部分412に対して角度を付けられるとき、先端部分及び後端部分は好ましくは一直線形状を維持する。
【0072】
一実施形態において、細長いシャフト402の後端部分412の後端部に位置するコネクタ414は、創部ドレーンカテーテルをトロカール400の後端部分412に接続するために創部ドレーンカテーテルの内面と係合するように適合された1つ又は2つ以上の環状隆起部416を含むことが望ましい。コネクタ414は、望ましくは、端部ノブ418を含み、この端部ノブ418は、創部ドレーンカテーテルの端部においてアクセス可能な開口部又は導管に挿入されて、創部ドレーンカテーテルをトロカールの後端部分と接続する。
【0073】
図17を参照すると、一実施形態では、トロカールの細長いシャフトの先端部分404(
図16)は、好ましくは、鋭利な先端部408に向かって内向きに先細になるテーパ状領域406を含む。一実施形態では、先端部分404のテーパ状領域406は、鋭利な先端部408から外向きにテーパ状になっている。一実施形態では、テーパ状領域406の傾斜した外面は、トロカール400の細長いシャフトの長手方向軸A
4に対して約8度(8°)の角度α
4を規定する。
【0074】
図18を参照すると、一実施形態では、トロカール400の細長いシャフト402の小径の中央部分410は、望ましくは、トロカール400の細長いシャフト402の先端部分404及び後端部分412の約0.125インチであるそれぞれの第1の外径OD
23よりも小さい、約0.0925インチの第2の外径OD
24を規定する外側円筒表面424を有する。小径の中央部分410の先端は、好ましくは、トロカールの細長いシャフトの小径の中央部分310の第2の外径OD
24と、先端部分404のより大きい第1の外径OD
23との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第1の肩部426を有する。加えて、小径の中間部分410の後端は、細長いシャフト402の小径の中間部分410のより小さい第2の外径OD
24と、後端部分412のより大きい第2の外径OD
23との間で外向きに傾斜する又はテーパ状になる第2の肩部428を有する。一実施形態では、トロカール400の小径の中間部分410は、約0.40~0.50インチ、より好ましくは約0.440インチの長さL
15を有する。
【0075】
図19を参照すると、一実施形態では、トロカール400の後端部分412(
図16)におけるコネクタ414は、望ましくは、トロカール400の細長いシャフトの後端部分412の端面432と接続されたステム430から外向きに突出する環状隆起部416A、416Bを含む。一実施形態では、ステム430は、約0.060インチの外径OD
25を有する。一実施形態では、端部ノブ418は、端部ノブの最大直径部分を規定する基部434を有する。一実施形態では、基部434は、約0.085インチの外径OD
26を規定する。一実施形態では、第1の隆起部416Aは、約0.088インチの外径OD
27を規定する。一実施形態では、第2の隆起部416Bは、約0.092インチの外径OD
28を規定する。したがって、一実施形態では、端部ノブ418並びに第1及び第2の環状隆起部416A、416Bのそれぞれの外径は、端部ノブ418と第2の環状隆起部416Bとの間で順次増加する。一実施形態では、端部ノブ418は、好ましくは、曲面436を有する。
【0076】
図20A~
図20Fは、
図11~
図15Cにおいて示しかつ上述した屈曲可能なトロカール300が、様々に異なる角度構成に曲げられているところを示す。
図20Aを参照すると、一実施形態では、トロカール300は、トロカールの先端部分304及び後端部分312が互いに対して角度をなすことを可能にする、小径の中央部分310を有する。
図20Aでは、トロカール300は、先端部分304、小径の中央部分310、及び後端部分312が全て共通軸A
3に沿って延在するように一直線形状にある。
【0077】
図20Bを参照すると、一実施形態では、トロカール300は、細長いシャフト302の先端部分304が軸A
5に沿って延在し、細長い軸の後端部分312が軸A
3に沿って延在して約30度の角度α
5を規定するように、小径の中央部分310で曲げられている。
【0078】
図20Cを参照すると、一実施形態では、トロカール300は、細長いシャフト302の先端部分304が軸A
6に沿って延在し、細長い軸の後端部分312が軸A
3に沿って延在して約45度の角度α
6を規定するように、小径の中央部分310で更に曲げられている。
【0079】
図20Dを参照すると、一実施形態では、トロカール300は、細長いシャフト302の先端部分304が軸A
7に沿って延在し、細長い軸の後端部分312が軸A
3に沿って延在して約90度の角度α
7を規定するように、小径の中央部分310で更に曲げられている。
【0080】
図20Eを参照すると、一実施形態では、トロカール300は、細長いシャフト302の先端部分304が軸A
8に沿って延在し、細長い軸の後端部分312が軸A
3に沿って延在して約120度の角度α
8を規定するように、小径の中央部分310で更に曲げられている。
【0081】
図20Fを参照すると、一実施形態では、トロカール300は、細長いシャフト302の先端部分304が軸A
9に沿って延在し、細長い軸の後端部分312が軸A
3に沿って延在して約135度の角度α
9を規定するように、小径の中央部分310でなお更に曲げられている。
【0082】
図21A及び
図21Bを参照すると、一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140は、トロカール100の後端部分112から延在するコネクタ114(
図1)に固定される。一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140は、好ましくは、カテーテルの内壁144によって囲まれた中央導管142を有し、内壁144は、それぞれの端部ノブ118及び環状隆起部116A、116Bの外径よりも小さい内径ID
1を規定する。一実施形態では、内径ID
1は0.085インチ未満である。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルは、トロカール100のフレンチサイズと一致する外径を有する。一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140は、好ましくは、カテーテル100の後端部分112の外径OD
1(
図2A)と実質的に同様である外径OD
29を規定する外表面146を有する。一実施形態では、創部ドレーンカテーテルの外径OD
29及びカテーテル100の細長いシャフト102の後端部分112の外径OD
1は、約0.125インチである。
【0083】
一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140をカテーテル100の後端部分112に取り付けるために、導管142によって規定されたカテーテル内の開口部は、カテーテルの端部が細長いシャフトの後端部分112の後端部の端面132に当接するまで、コネクタ114の端部ノブ118並びに第1の環状隆起部116A及び第2の環状隆起部116Bを越えて順番に通される。
図21Bに示されるように、トロカール100の後端部分112の後端部における創部ドレーンカテーテルとコネクタ114との間の確実な取り付けを形成するために、ノブ118及び環状隆起部116A、116Bは、創部ドレーンカテーテル140の内壁144によって規定される内径ID
1よりもわずかに大きいそれぞれの外径を有している。
【0084】
図22を参照すると、一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140(
図21A、
図21B)は、トロカール100に固定されてもよい。創部ドレーンカテーテル140は、好ましくは、フルート状部分148、遷移部分150、及び延長部分152を含む。遷移部分150の中点は、創部ドレーンカテーテルの遷移部分150の外面上に位置する黒ドットなどのしるし154によって規定されてもよい。一実施形態では、延長部分152の自由端部は、
図21A及び
図21Bにおいて示しかつ上述したように、トロカールの後端部においてコネクタに固定されてもよい。
【0085】
図23を参照すると、一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140の延長部分152は、好ましくは、流体が容易に通過できるようにするための開放構造を規定することが好ましい。
【0086】
図24を参照すると、一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140の遷移部分150は、好ましくは、創部ドレーンカテーテルの外壁に外力が加えられることに起因して創部ドレーンカテーテルの遷移部分の外壁が内側に潰れるのを防ぐ十字形の形状の壁体156を有する。
【0087】
図25を参照すると、一実施形態では、ドレーン160が創部ドレーンカテーテルと連結されてもよい。一実施形態では、ドレーン160は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Blakeらに付与された米国特許第4,398,910号に開示されている構造的特徴のうちの1つ以上を組み込むことができる。
【0088】
図26を参照すると、一実施形態では、創部の液体を排出するためのシステムは、創部ドレーンカテーテル140の先端部と連結されたトロカール100と、創部ドレーンカテーテル140の後端部と連結されたドレーン160とを含み得る。ドレーン160は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Blakeの’910特許に開示されている構造的特徴のうちの1つ以上を有してもよい。
【0089】
図27を参照すると、一実施形態では、トロカール100(
図22)は、望ましくは、創部の位置にドレーン160を配置するために、組織Tを通って前進させられる。トロカール(図示せず)は、組織T内の開口部Oにトロカールを通過させることによって身体から除去され得る。創部ドレーンカテーテルの延長部分152は、好ましくは、創部ドレーンカテーテル140を介して排出される創部からの流体を引き込む真空と連結されるために、身体の開口部の外に延出する。
【0090】
一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140は、創部ドレーンカテーテルの端部に予め接続されたドレーン160を含む。創部ドレーンカテーテルのドレーン160及びフルート状部分148(
図22)は、ドレーン160が創部Wと流体連通している状態で患者の身体内に置かれる。好ましくは、創部ドレーンカテーテルの延長部分152は、創部ドレーンカテーテル140を介して流体を引き込むための、封止され滅菌された吸引装置(
図28)に接続される。一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140の延長部分152は、創部Wに隣接して患者の組織T内に形成された開口部Oを通って患者の身体から出ることが好ましい。一実施形態では、創部ドレーンカテーテル140は、好ましくは、滑らかな外側表面を有して、開口部Oを取り囲む表面組織がカテーテル140の外部に対する封止を可能とし、結果として空気がその間を通過することを防ぐ。
図27に示される構成は、好ましくは、創部Wが縫合糸170によるように完全に閉鎖され、創被覆材(図示せず)で覆われて無菌バリアを形成し、それによって、創部を大気から封止することを可能にする。したがって、創部ドレーンカテーテル140は、滅菌吸引装置にのみ露出され、大気に曝されないため、感染のリスクが低減される。
【0091】
図27及び
図28を参照すると、一実施形態では、創部ドレーンカテーテルを介して創部から流体を連続的に引き込むために、吸引又は真空を生成するためのシステム180が、開口部O(
図27)から延在する創部ドレーンカテーテル140の延長部分152と連結されてもよい。一実施形態では、吸引システム180は、バルブ型吸引リザーバ182、J-VACドレーンアダプタ184、及びJ-VACリザーバ186を含んでもよい。一実施形態では、システムは、創部から流体を一定して除去することが可能なように真空を引き込むのに使用される、計量された容器を含み得る。
【0092】
一実施形態では、真空は実質的に一定の真空を引き込む可撓性の圧縮性リザーバを使用して生成され、創部ドレーンカテーテルを介して創部から流体を一定して除去することを可能とし得る。そのような外科用流体吸引器は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Blakeらに付与された米国特許第4,429,693号に開示されている。
【0093】
本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法は、限定するものではないが、上部胃腸管、下部胃腸管、心臓、循環系、胸部、乳房領域、関節、脊椎、心血管系、頭部、顔、耳、鼻、及び喉などの、ヒト又は哺乳動物の任意の部分における多種多様な創部ドレナージ用途に使用することができる。
【0094】
上記の説明は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態を本発明の基本的な範囲から逸脱することなく行うことが可能であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明では、本明細書で説明される又は本明細書に参照により組み込まれる任意の実施形態に示される任意の特徴は、本明細書で説明される又は本明細書に参照により組み込まれる任意の実施形態に示される任意の特徴と組み合わせてもよく、それでもなお本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0095】
〔実施の態様〕
(1) トロカールであって、
細長いシャフトであって、先端部分と、後端部分と、前記先端部分と前記後端部分との間に位置する小径の中央部分と、前記細長いシャフトの前記先端部分の先端部から前記後端部分の後端部まで延在する長手方向軸と、を有する細長いシャフトを備え、
前記細長いシャフトの前記先端部分は、前記細長いシャフトの前記先端部に位置する鈍い先端で終端するテーパ状領域を有し、
前記細長いシャフトの前記後端部分は、前記細長いシャフトの前記後端部に位置するコネクタを有し、
前記細長いシャフトの前記先端部分及び前記後端部分は、第1の直径を有し、前記細長いシャフトの前記小径の中央部分は、前記細長いシャフトが前記小径の中央部分において曲がるのを可能にするために前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、トロカール。
(2) 前記細長いシャフトが、金属、生体適合性金属、医療グレード鋼、ステンレス鋼、303ステンレス鋼、及びポリマーからなる群から選択される材料を含む、実施態様1に記載のトロカール。
(3) 前記細長いシャフトの前記先端部分及び前記後端部分が、前記細長いシャフトの前記小径の中央部分よりも相対的に剛性であり、前記小径の中央部分が、前記先端部分及び前記後端部分よりも可撓性である、実施態様1に記載のトロカール。
(4) 前記細長いシャフトが、円筒形状を有する外面を含む、実施態様1に記載のトロカール。
(5) 前記テーパ状領域が、前記細長いシャフトの前記長手方向軸から離れる方向に先細になる傾斜面を含む、実施態様1に記載のトロカール。
【0096】
(6) 前記鈍い先端が、
外周を有する平坦な表面と、
前記平坦な表面の前記外周を取り囲み、かつ前記平坦な表面の前記外周から前記テーパ状領域の前記傾斜面まで延在する凸状の曲面と、を含む、実施態様5に記載のトロカール。
(7) 前記テーパ状領域の前記傾斜面と前記細長いシャフトの前記長手方向軸とが約3~5度の角度を規定し、前記鈍い先端の前記平坦な表面が、約0.762~1.143mm(約0.030~0.045インチ)の外径を有する、実施態様6に記載のトロカール。
(8) 前記細長いシャフトの前記先端部分及び前記後端部分の前記第1の直径が約3.175~6.35mm(約0.125~0.250インチ)であり、前記小径の中央部分の前記第2の直径が約2.2225~2.4765mm(約0.0875~0.0975インチ)である、実施態様1に記載のトロカール。
(9) 前記細長いシャフトが約15.24cm(約6インチ)の長さを有し、前記細長いシャフトの前記先端部分が約6.985cm(約2.75インチ)の長さを有し、前記先端部分の前記テーパ状領域が約18.8214mm(約0.741インチ)の長さを有し、前記小径の中央部分が約10.16~12.7mm(約0.400~0.500インチ)の長さを有する、実施態様1に記載のトロカール。
(10) 前記小径の中央部分が、前記細長いシャフトの前記先端部と前記後端部との中間に位置する、実施態様1に記載のトロカール。
【0097】
(11) 前記コネクタが、
曲面を有する端部ノブと、
前記端部ノブと前記細長いシャフトの前記後端部分の端面との間に位置する1つ以上の環状隆起部と、を備える、実施態様1に記載のトロカール。
(12) 前記端部ノブが端部ノブ外径を有し、前記環状隆起部が、前記端部ノブ外径よりも大きいそれぞれの環状隆起部外径を有する、実施態様11に記載のトロカール。
(13) 第1の端部及び第2の端部を有する可撓性創部ドレーンカテーテルであって、
前記創部ドレーンカテーテルの前記第1の端部は前記コネクタに固定され、前記可撓性創部ドレーンカテーテルが、前記細長いシャフトの前記先端部分及び前記後端部分の前記第1の直径と一致する外径を有する、可撓性創部ドレーンカテーテルと、
前記可撓性創部ドレーンカテーテルの前記第2の端部に固定されるドレーンと、を更に含む、実施態様1に記載のトロカール。
(14) トロカールシステムであって、
シャフトであって、先端部分と、後端部分と、前記先端部分と前記後端部分との間に位置する小径の中央部分と、前記細長いシャフトの前記先端部分の先端部から前記後端部分の後端部まで延在する長手方向軸と、を有し、
前記シャフトの前記先端部分は、前記シャフトの前記先端部に位置する鈍い先端で終端するテーパ状領域を有し、
前記シャフトの前記後端部分は、前記シャフトの前記後端部に位置するコネクタを有し、
前記シャフトの前記先端部分及び前記後端部分は、第1の直径を有し、前記シャフトの前記小径の中央部分は、前記シャフトが前記小径の中央部分において曲がるのを可能にするために前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、シャフトと、
前記シャフトの前記後端部分の前記後端部において前記コネクタに固定される第1の端部を有する可撓性創部ドレーンカテーテルであって、前記シャフトの前記先端部分及び前記後端部分の前記第1の直径と一致する外径を有する、可撓性創部ドレーンカテーテルと、を含む、トロカールシステム。
(15) 前記シャフトが円筒形状を有し、前記シャフトが、金属、生体適合性金属、医療グレード鋼、ステンレス鋼、303ステンレス鋼、及びポリマーからなる群から選択される材料で作製されている、実施態様14に記載のトロカールシステム。
【0098】
(16) 前記細長いシャフトの前記長手方向軸から離れる方向に先細になる傾斜面を含む前記テーパ状領域と、
前記長手方向軸と直交し、かつ外周を有する平坦な表面と、前記平坦な表面の前記外周を取り囲み、かつ前記平坦な表面の前記外周から前記テーパ状領域の前記傾斜面まで延在する凸状の曲面と、を含む前記鈍い先端と、を更に含む、実施態様14に記載のトロカールシステム。
(17) 哺乳動物から流体を排出するための方法であって、
可撓性創部ドレナージカテーテルをトロカールに取り付けることであって、前記トロカールは、細長いシャフトであって、先端部分と、後端部分と、前記先端部分と前記後端部分との間に位置する小径の中央部分と、前記細長いシャフトの前記先端部分の先端部から前記後端部分の後端部まで延在する長手方向軸と、を有する細長いシャフトを含み、前記細長いシャフトの前記先端部分は、前記細長いシャフトの前記先端部に位置する鈍い先端で終端するテーパ状領域を有し、前記細長いシャフトの前記後端部分は、前記細長いシャフトの前記後端部に位置するコネクタを有し、前記細長いシャフトの前記先端部分及び前記後端部分は、第1の直径を有し、前記細長いシャフトの前記小径の中央部分は、前記細長いシャフトが前記小径の中央部分において曲がるのを可能にするために前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、ことと、
前記トロカールを角度を持った構成に曲げることと、
前記トロカールを曲げた後、前記トロカールを哺乳動物の皮膚に通過させることであって、前記哺乳動物の前記皮膚を通過している間、前記トロカールは前記角度を持った構成を維持する、ことと、
前記可撓性創部ドレーンカテーテルを前記哺乳動物内に維持しながら、前記トロカールを前記哺乳動物の前記皮膚から外に通過させることと、
前記可撓性創部ドレーンカテーテルを介して前記哺乳動物から流体を排出することと、を含む、方法。
(18) 前記細長いシャフトの前記先端部分の前記テーパ状領域は、前記細長いシャフトの前記長手方向軸から離れる方向に先細になる傾斜面を含み、前記鈍い先端は、外周を有する平坦な表面と、前記平坦な表面の前記外周を取り囲み、かつ前記平坦な表面の前記外周から前記テーパ状領域の前記傾斜面まで延在する凸状の曲面とを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記細長いシャフトの前記先端部分及び前記後端部分の前記第1の直径が約3.175~6.35mm(約0.125~0.250インチ)であり、前記小径の中央部分の前記第2の直径が約2.2225~2.4765mm(約0.0875~0.0975インチ)である、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記トロカールの前記細長いシャフトが約15.24cm(約6インチ)の長さを有し、前記細長いシャフトの前記先端部分が約6.985cm(約2.75インチ)の長さを有し、前記先端部分の前記テーパ状領域が約18.8214mm(約0.741インチ)の長さを有し、前記小径の中央部分が約10.16~12.7mm(約0.400~0.500インチ)の長さを有する、実施態様17に記載の方法。
【外国語明細書】