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特開2024-147759誘導コイル構造体及び誘導結合プラズマ発生装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147759
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】誘導コイル構造体及び誘導結合プラズマ発生装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20241008BHJP
   H05H 1/30 20060101ALI20241008BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241008BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H05H1/30
H01L21/302 101C
H01L21/31 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024116833
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2022204328の分割
【原出願日】2017-10-30
(31)【優先権主張番号】10-2016-0146058
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】517396331
【氏名又は名称】エンツーコア テクノロジー,インコーポレーテッド
【住所又は居所原語表記】(Jukdong)77 Jukdong-ro, Yuseong-gu Daejeon 34127 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(72)【発明者】
【氏名】オム セ フン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ユン ソン
(57)【要約】
【課題】誘導コイルの構造によって蓄電結合を減少させ、安定的に高効率の誘導結合プラズマ発生装置を提供する。
【解決手段】誘導結合プラズマ発生装置100は、長さ方向に延長される誘電体チューブ130と、前記誘電体チューブ130を包むように配置され、前記誘電体チューブ130内に誘導結合プラズマを生成する第1誘導コイル構造体110と、互いに逆位相の正の出力及び負の出力を提供し、前記第1誘導コイル構造体110の両端にRF電力140の正の出力及び負の出力をそれぞれ供給し、駆動周波数を変更するRF電源140と、前記RF電源140の正の出力端と前記第1誘導コイル構造体110の一端との間に配置された第1メイン蓄電器121と、前記RF電源140の負の出力端と前記第1誘導コイル構造体110の他端との間に配置された第2メイン蓄電器122と、を含む。
【選択図】図2A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成するための誘導コイル構造であって、前記誘導コイル構造は、
少なくとも第1円弧部、第2円弧部、及び前記第1円弧部の一端及び前記第2円弧部の一端を連結する第1連結部を備える第1誘導コイルであって、前記第1円弧部は、第1半径を有し、且つ前記第2円弧部より前記誘電体チューブの近くに配置され、前記第2円弧部は、前記第1半径より大きい第2半径を有し、且つ前記第1円弧部より前記誘電体チューブから遠くに配置され、前記第1円弧部及び前記第2円弧部は第1平面内に配置される、第1誘導コイルと、
前記第1誘導コイルからずらされ、且つ少なくとも第3半径を有する第3円弧部を備える第2誘導コイルであって、前記第3円弧部は第2平面内に配置される、第2誘導コイルと、
前記第1誘導コイルに及び前記第2誘導コイルに連結されるように構成された蓄電器であって、前記蓄電器は、第1連結線を介して前記第1円弧部の他端に連結されるように構成され、前記蓄電器は、第2連結線を介して前記第3円弧部の一端に連結されるようにも構成され、前記第1平面に対して垂直な方向から見られるときに、前記第1連結線は前記第1連結部と重なっている、蓄電器と、
を備え、
前記第1誘導コイル、前記第2誘導コイル、及び前記蓄電器は、電気的に直列に連結される、誘導コイル構造。
【請求項2】
前記第3半径は前記第1半径より大きい、請求項1に記載の誘導コイル構造。
【請求項3】
前記第1連結部は“U”字型である、請求項1に記載の誘導コイル構造。
【請求項4】
RF電圧が前記誘導コイル構造に印加されるときに、前記第1円弧部、前記第2円弧部、及び前記第3円弧部の全ての電流方向は同じである、請求項1に記載の誘導コイル構造。
【請求項5】
前記全ての電流方向は時計回り又は反時計回りである、請求項4に記載の誘導コイル構造。
【請求項6】
前記第2誘導コイルは、前記第3半径より小さい第4半径を有する第4円弧部をさらに備え、
前記第4円弧部は、前記第2平面内に、且つ前記第3円弧部より前記誘電体チューブの近くに配置される、
請求項1に記載の誘導コイル構造。
【請求項7】
前記第2誘導コイルは、前記第3円弧部の他端及び前記第4円弧部の一端を連結する第2連結部をさらに備える、請求項6に記載の誘導コイル構造。
【請求項8】
前記誘電体チューブの中心軸から前記第1連結部への第1方向は、前記誘電体チューブの中心軸から前記第2連結部への第2方向とは異なる、請求項6に記載の誘導コイル構造。
【請求項9】
前記第1方向と前記第2方向との間の角度は90度である、請求項8に記載の誘導コイル構造。
【請求項10】
前記誘導コイル構造は、前記第1誘導コイル及び前記第2誘導コイル以外の少なくとも1つの別途の誘導コイルをさらに備え、
前記少なくとも1つの別途の誘導コイルのそれぞれは、少なくとも内円弧部、外円弧部、及び前記内円弧部の一端及び前記外円弧部の一端を連結する連結部を備え、
前記少なくとも1つの別途の誘導コイルのうち1つは、前記蓄電器を介して前記第2誘導コイルに連結される、
請求項1に記載の誘導コイル構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導結合プラズマ発生装置に関するものとして、より詳細には、複数のアンテナの間に蓄電器を挿入して、電圧分配構造を有する誘導結合プラズマ発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、従来に半導体用ウェハのような基板のエッチング工程又は蒸着工程に使用される。また、プラズマは、新素材合成、表面処理、環境浄化などに使用されている。一方、大気圧プラズマは、プラズマスクラバ、洗浄、殺菌、皮膚美容などに使用されている。
【0003】
通常の誘導結合プラズマは、誘電体放電管に誘導コイルを巻いて使用する。しかし、通常の誘導コイル構造は、低い放電安定性及び低いプラズマ密度を有する。
【0004】
本発明は、大気圧又は数トル以上の高圧力で安定的に誘導結合プラズマを生成できる新しい誘導コイル構造を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決しようとする一技術的課題は、蓄電結合成分を抑制して放電安定性及び効率を向上させる誘導結合プラズマ発生用誘導コイルを提供することにある。
【0006】
本発明の解決しようとする一技術的課題は、誘導コイルの巻数の増加による電圧上昇を抑制する誘導コイル及びプラズマ発生装置を提供することにある。
【0007】
本発明の解決しようとする一技術的課題は、単位長さ当たりの巻数を極大化し、蓄電結合を抑制する誘導コイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例による誘導結合プラズマ発生装置は、長さ方向に延長される誘電体チューブと、前記誘電体チューブを包むように配置され、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する第1誘導コイル構造体と、互いに逆位相の正の出力及び負の出力を提供し、前記第1誘導コイル構造体の両端にRF電力の正の出力及び負の出力をそれぞれ供給し、駆動周波数を変更するRF電源と、前記RF電源の正の出力端と前記第1誘導コイル構造体の一端との間に配置された第1メイン蓄電器と、前記RF電源の負の出力端と前記第1誘導コイル構造体の他端との間に配置された第2メイン蓄電器と、を含む。前記第1誘導コイル構造体は、互いに直列連結され、互いに異なる層にそれぞれ配置され、各層で少なくとも1ターン(one turn)以上を備えた誘導コイルと、互いに隣接した誘導コイルの間にそれぞれ配置されて、前記誘導コイルに印加される電圧を分配する補助蓄電器と、を含む。
【0009】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルそれぞれは、同一の第1インダクタンスL1を有し、前記補助蓄電器それぞれは、同一の第1静電容量C1を有し、前記RF電源の駆動周波数は、直列連結された前記第1インダクタンスL1と前記第1静電容量C1による共鳴周波数と一致するように制御される。
【0010】
本発明の一実施例において、前記第1メイン蓄電器及び前記第2メイン蓄電器は、それぞれ同一の第2静電容量C2を有し、前記第2静電容量C2は、前記第1静電容量C1の2倍である。
【0011】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルそれぞれは、2ターンないし4ターンアンテナである。
【0012】
本発明の一実施例において、前記誘電体チューブを包むように配置され、前記第1誘導コイル構造体と離隔して配置され、前記第1誘導コイル構造体と同一の構造を有して前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する第2誘導コイル構造体をさらに含む。前記第2誘導コイル構造体の一端は、前記第1誘導コイル構造体の一端と連結され、前記第2誘導コイル構造体の他端は、前記第1誘導コイル構造体の他端と連結され、前記第1誘導コイル構造体と前記第2誘導コイル構造体は、前記第1メイン蓄電器と前記第2メイン蓄電器との間で互いに並列連結される。
【0013】
本発明の一実施例において、前記第1誘導コイル構造体と前記第2誘導コイル構造体を構成する前記誘導コイルそれぞれは、同一の第1インダクタンスL1を有し、前記第1誘導コイル構造体と前記第2誘導コイル構造体を構成する前記補助蓄電器それぞれは、同一の第1静電容量C1を有し、前記RF電源の駆動周波数は、直列連結された前記第1インダクタンスL1と前記第1静電容量C1による共鳴周波数と一致するように制御される。
【0014】
本発明の一実施例において、前記第1メイン蓄電器及び前記第2メイン蓄電器は、それぞれ同一の第2静電容量C2を有し、前記第2静電容量C2は、前記第1静電容量C1の4倍である。
【0015】
本発明の一実施例において、前記第1誘導コイル構造体の一端と前記第2誘導コイル構造体の一端は、互いに隣接して配置され、前記第1誘導コイル構造体の一端と前記第2誘導コイル構造体の一端は、互いに連結されて前記第1メイン蓄電器に連結される。
【0016】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルそれぞれは、直角座標系で第1方向に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部と、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の一端に連結され、前記第1方向に延長される第1連結部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の他端と前記第2円弧部の一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部と、を含む。
【0017】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルそれぞれは、直角座標系で第1方向に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部と、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部と、前記第2中心角以下の第3中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第2半径より大きな第3半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第3円弧部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の一端に連結され、前記第1方向に延長される第1連結部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の他端と前記第2円弧部の一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端と前記第3円弧部の一端を連結する“U”字型の第2円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第3円弧部の他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部と、を含む。
【0018】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルそれぞれは、直角座標系で第1方向に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部と、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部と、前記第2中心角以下の第3中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第2半径より大きな第3半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第3円弧部と、前記第3中心角以下の第4中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第3半径より大きな第4半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第4円弧部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の一端に連結され、前記第1方向に延長される第1連結部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の他端と前記第2円弧部の一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端と前記第3円弧部の一端を連結する“U”字型の第2円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第3円弧部の他端と前記第4円弧部の一端を連結する“U”字型の第3円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第4円弧部の他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部と、を含む。
【0019】
本発明の一実施例において、前記第1誘導コイル構造体と前記第2誘導コイル構造体は、前記誘電体放電チューブの一地点を基準として上/下に鏡面対称して配置され、電流は、中央から上/下に分散されて、再び両端で集まる。
【0020】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルの電力入力端は、互いに方位角方向に一定の角度を維持するように配置される。
【0021】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルの少なくとも一部は、セラミック・モールドで固定される。
【0022】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルの間に配置されて、電気的に絶縁させるワッシャの形の絶縁スペーサをさらに含む。
【0023】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルは、順に積層された第1誘導コイル及び第4誘導コイルを含み、前記補助蓄電器は、第1ないし第3補助蓄電器を含み、前記第2誘導コイルは、前記第1誘導コイルが配置される場合に備えて、反時計回りに90度回転して、前記第1誘導コイルの下部に整列して配置され、前記第3誘導コイルは、前記第2誘導コイルが配置される場合に備えて、反時計回りに90度回転して、前記第2誘導コイルの下部に整列して配置され、前記第4誘導コイルは、前記第3誘導コイルが配置される場合に備えて、反時計回りに90度回転して、前記第3誘導コイルの下部に整列して配置され、前記第1誘導コイルの一端は、前記第1メイン蓄電器を通じて前記RF電源の正の出力端に連結され、前記第1誘導コイルの他端は、前記第1補助蓄電器を通じて前記第2誘導コイルの一端に連結され、前記第2誘導コイルの他端は、前記第2補助蓄電器を通じて前記第3誘導コイルの一端に連結され、前記第3誘導コイルの他端は、前記第3補助蓄電器を通じて前記第4誘導コイルの一端に連結され、前記第4誘導コイルの他端は、前記第2メイン蓄電器を通じて前記RF電源の負の出力端に連結される。
【0024】
本発明の一実施例による基板処理装置は、半導体基板を処理する工程チャンバと、前記工程チャンバにプラズマによって活性種を提供する誘導結合プラズマ発生装置を含む。前記誘導結合プラズマ発生装置は、長さ方向に延長される誘電体チューブと、前記誘電体チューブを包むように配置され、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する第1誘導コイル構造体と、互いに逆位相の正の出力及び負の出力を提供し、前記第1誘導コイル構造体の両端にRF電力の正の出力及び負の出力をそれぞれ供給し、駆動周波数を変更するRF電源と、前記RF電源の正の出力端と前記第1誘導コイル構造体の一端との間に配置された第1メイン蓄電器と、前記RF電源の負の出力端と前記第1誘導コイル構造体の他端との間に配置された第2メイン蓄電器と、を含む。前記第1誘導コイル構造体は、互いに直列連結され、互いに異なる層にそれぞれ配置され、各層で少なくとも1ターン(one turn)以上を備えた誘導コイルと、互いに隣接した誘導コイルの間にそれぞれ配置されて、前記誘導コイルに印加される電圧を分配する補助蓄電器と、を含む。
【0025】
本発明の一実施例による誘導コイル構造体は、誘電体チューブを包むように配置され、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する。前記誘導コイル構造体は、互いに直列連結され、互いに異なる層にそれぞれ配置され、各層で少なくとも1ターン(one turn)以上を備え、同一の構造の誘導コイルと、互いに隣接した誘導コイルの間にそれぞれ配置されて、前記誘導コイルに印加される電圧を分配する補助蓄電器と、を含む。
【0026】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルそれぞれは、直角座標系で第1方向に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部と、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部と、前記第2中心角以下の第3中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第2半径より大きな第3半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第3円弧部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の一端に連結され、前記第1方向に延長される第1連結部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の他端と前記第2円弧部の一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端と前記第3円弧部の一端を連結する“U”字型の第2円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第3円弧部の他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部と、を含む。
【0027】
本発明の一実施例において、 前記誘導コイルそれぞれは、直角座標系で第1方向に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部と、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部と、前記第2中心角以下の第3中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第2半径より大きな第3半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第3円弧部と、前記第3中心角以下の第4中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第3半径より大きな第4半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第4円弧部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の一端に連結され、前記第1方向に延長される第1連結部と、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の他端と前記第2円弧部の一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端と前記第3円弧部の一端を連結する“U”字型の第2円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第3円弧部の他端と前記第4円弧部の一端を連結する“U”字型の第3円弧連結部と、前記配置平面に配置され、前記第4円弧部の他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部と、を含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、誘導コイルの構造によって蓄電結合を減少させ、安定的に高効率の誘導結合プラズマを提供する。
【0029】
本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、誘導コイル構造体を構成する誘導コイルの間に直列連結された補助蓄電器を通じて電圧を分配して、全体的に印加される最大電圧を減少させる。
【0030】
発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、誘導コイル構造体を構成する個々の誘導コイルが誘電体・チューブと接触する地点で同一の電位を有するに従って、寄生蓄電器の発生を抑制し、放電安定性を向上させ、局部的なイオンスパッタリングを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例による半導体基板処理装置を説明する概念図である。
図2A】本発明の一実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
図2B図2Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する回路図である。
図2C図2Aの誘導結合プラズマ発生装置の電圧分配を説明する図面である。
図2D図2Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する平面図である。
図2E図2Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイルを説明する平面図である。
図3A】本発明の他の実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
図3B図3Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する回路図である。
図3C図3Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイル構造体の電圧分配を説明する図面である。
図4A】本発明のまた他の実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
図4B図4Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する回路図である。
図4C図4Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイル構造体の電圧分配を説明する図面である。
図4D図4Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイルを説明する平面図である。
図5A】本発明のまた他の実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
図5B図5Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイルを説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
誘電体放電チューブを包むように配置されたアンテナで、前記誘電体放電チューブ内で低い圧力(数十Torr以下の流体効果がない圧力範囲)条件で高い電位(3 kV以上)が印加される。この場合、前記誘電体放電チューブ内にはプラズマが発生される。前記誘電体放電チューブの表面は、イオンの衝突によって加熱される。これによって、前記誘電体放電チューブは、摂氏1000度以上に加熱される。高い熱は、前記誘電体放電チューブの表面を変性させるか、又は前記誘電体放電チューブに穿孔を発生させる。
【0033】
アンテナに印加される高い電位は、前記アンテナのインダクタンス、周波数、そして電流に影響を受ける。高い電力条件で、前記アンテナに印加される高い電位は必ず現れる。したがって、前記アンテナに発生する高い電位を下げる必要がある。
【0034】
本発明は、このような数キロワット以上の高電力が印加された場合、印加された高い電圧を減少させて、イオン衝突による加熱を最小化できる方法を提案する。
【0035】
誘導結合プラズマ装置は、半導体工程装置、誘導結合分光分析装置、イオンビーム生成装置、蒸着チャンバ内の洗浄装置、蒸着チャンバの排気口洗浄装置、半導体工程装置の廃ガス除去のためのプラズマスクラバ、化学気相蒸着装置の工程チャンバを洗浄する洗浄装置などに使用される。
【0036】
本発明の一実施例によると、誘導結合プラズマ発生装置は、半導体工程チャンバに活性種を提供する遠隔プラズマソースとして使用される。
【0037】
誘導結合プラズマを発生させる誘導コイルとプラズマは、変圧器回路によってモデリングされる。これによって、誘導結合プラズマは、変圧器結合プラズマ(Transformer Coupled plasma)と呼ばれる。誘導コイルは変圧器回路の1次コイルによって動作し、プラズマは変圧器回路の2次コイルによって動作する。誘導コイルとプラズマとの間の磁気結合を増加させるために磁性体のような磁束拘束物質を使用する。しかし、磁束拘束物質は、円筒型構造の誘電体放電容器には適用し難い。誘導コイルとプラズマ上の磁気結合増加させる他の方法は、誘導コイルはインダクタンス又は巻数を増加させることである。しかし、誘導コイルのインダクタンスの増加は、インピーダンスを増加させて、効率的な電力伝達を難しくする。また、誘導コイルのインダクタンスの増加は、誘導コイルに印加される電圧を増加させて寄生アーク放電を誘発する。また、誘導コイルに印加される高い電圧は、蓄電結合放電を誘発し、誘電体放電容器のイオン衝撃による損傷及び熱損傷を誘発する。
【0038】
本発明の一実施例によると、前記誘導コイルに印加される電圧を減少させるために、直列連結された誘導コイルの間に蓄電器を配置し、これに従って全体電圧は誘導コイルと蓄電器との間に電圧分配される。具体的に、前記誘導コイルを分割して、分割された誘導コイルの間に補助蓄電器を配置し、前記誘導コイルの両端にメイン蓄電器がそれぞれ配置される。これによって、スクリーニング効果(screening effect)による静電場が減少し、電圧分配モデルによって前記誘導コイルに印加される電圧が減少される。分割された誘導コイル及び補助蓄電器は直列共振回路を構成し、前記共振回路の共振周波数は交流電源の駆動周波数と同一である。これによって、前記誘導コイルに低い電圧が印加された状態で、安定的なインピーダンスマッチングが行われる。
【0039】
誘導結合プラズマは、通常に数百ミリトル(mTorr)の圧力で数MHzの駆動周波数を使用して形成される。しかし、このような誘導結合プラズマは、誘導電場の強さが小さくて、大気圧放電又は数トル以上で放電を行うことは難しい。したがって、十分な誘導電場の強さが要求され、初期放電のための別途の手段が要求される。
【0040】
誘電体チューブを包む誘導コイルにRF電力を印加して誘導結合プラズマ放電を行う場合、誘導結合プラズマは前記誘電体チューブを加熱し、前記誘電体チューブは加熱されて破損される。したがって、数十kWatt以上の高出力の誘導結合プラズマは構造的な限界がある。
【0041】
本発明の一実施例によると、従来の誘導結合プラズマの効率又は安定性を向上させるために、1)誘導電場の強さを増加させる積層構造のアンテナ(コイル構造)、2)誘導コイルを分割し、分割された誘導コイルの間にインピーダンス減少のための蓄電器連結構造、3)全体的な共振条件を満足させるための誘導コイルの両端にメイン蓄電器を連結する構造、4)誘導コイルのプラズマの安定性を向上させ、周波数可変交流電源部などが適用される。これに従って、従来の誘導結合プラズマ装置が遂行できなかった1分当たり数十~数百リットル(liter)の流量を数トル以上の高圧で安定的に処理することができる。また、別途の初期放電のための電極を必要とせず、前記交流電源部の駆動周波数を共振条件から外れた状態で初期放電する。共振条件から外れた場合、誘導コイルに高電圧が印加されて、初期放電を行う。その次に、前記交流電源の駆動周波数を共振条件に変更してメイン放電を行う。
【0042】
誘導コイルとアンテナは、同一の意味として、以下で混用して使用する。誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma;ICP)アンテナの場合、プラズマに伝達される誘導電場の強さは誘導コイルの電流及び周波数に比例し、巻き数(巻数)の二乗に比例する。したがって、誘導コイル(又はアンテナ)の巻き数を増やすほど、プラズマに高い電場を印加することができる。しかし、ソレノイドコイルの巻数が増加するにつれて、空間的な制約によって誘電体放電チューブの長さ方向にエネルギが分散される。また、誘導コイルの高いインダクタンス(インピーダンス)は、RF電源(RF generator)から誘導コイル(アンテナ)への電力伝達を難しくする。
【0043】
プラズマの周辺に形成される電場の密度を高めなければならないので、前記誘電体放電チューブの長さ方向に対して単位長さ当たりの巻数を最大化しなければならない。誘導コイルに高い電圧が印加された場合、誘導コイルは蓄電結合プラズマを形成して放電安定性を減少させる。前記蓄電結合プラズマは初期放電には有利であるが、蓄電結合によるイオン加速によって誘電体チューブ又は誘導電場を透過させる誘電体窓の損傷を誘発する。
【0044】
本発明の一実施例によると、アンテナにかかった高電圧による誘電体放電チューブの破損問題を解決するために、各層に配置されたユニットアンテナの間に蓄電器を挿入した。これに従い、さらに多くの電力が前記アンテナに印加された場合にも、誘電体放電チューブは破損されなかった。前記ユニットアンテナの間に蓄電器を使用し、前記アンテナに印加される電圧を減少させる。また、アンテナと電力入力端と電力出力端との間の高電圧による寄生放電を抑制する。
【0045】
アンテナに高電圧が印加されると、高電圧によってイオンが表面に加速及び衝突して高温発熱及び損傷を誘発する。このような問題点として高い電力条件を誘導結合プラズマで適用し難く、インダクタンスを減らすか、又はアンテナをチューブから離すような対処を行う。
【0046】
本発明の一実施例によると、アンテナを構成するユニットアンテナの間に適当に電圧を相殺する蓄電器を直列に位置する場合、最大の電位がアンテナを分割する回数に反比例して減少し、高い電力でも誘電体チューブの破損が軽減される。
【0047】
本発明の比較例によると、同一のインダクタンスを備えたアンテナに蓄電器を適用しない場合と、アンテナを構成するユニットアンテナの間に直列に蓄電器を備えた場合に対して実験した。従来のアンテナは、2kWを提供する場合にも誘電体放電チューブが破損された。しかし、本発明による場合には、8 kWの電力適用後にも誘電体放電チューブは損傷されなかった。また、損傷されなかっただけでなく、放電も改善された。具体的に、従来のアンテナから4 kW以下の電力で投入できなかったN2ガスを、改善後1.5 kWの電力から投入が可能であった 。
【0048】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例をさらに詳細に説明する。しかし、本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形で具体化される。むしろ、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底し、完全になるように、そして、当業者に本発明の思想が十分に伝えられるように提供される。図面において、構成要素は、明確性を期するため誇張される。明細書全体に渡って、同一の参照番号で表示された部分は、同一の構成要素を示す。
【0049】
図1は、本発明の一実施例による半導体基板処理装置を説明する概念図である。
【0050】
図1に示すように、前記半導体基板処理装置2は、基板を処理する工程チャンバ92と、前記工程チャンバに誘導結合プラズマによって形成された活性種を提供する誘導結合プラズマ発生装置100と、を含む。
【0051】
前記工程チャンバ92は、薄膜(例えば、タングステン薄膜)を前記基板94に蒸着する。前記工程チャンバ92は、WF6のような第1工程ガスの提供を受け、前記誘導結合プラズマ発生装置100から活性種(例えば、水素活性種)が提供される。前記活性種は、水素(H2)プラズマで生成される。前記工程チャンバ92は、ガス分配部91を含む。前記ガス分配部91は、工程ガス供給部96から第1工程ガスの提供を受け、前記誘導結合プラズマ装置91から活性種が提供される。前記ガス分配部91は、前記基板に均一な薄膜を蒸着させるために提供されたガスを空間的に分配する。
【0052】
前記誘導結合プラズマ発生装置100は、遠隔プラズマソースである。前記誘導結合プラズマ発生装置100は、数トル水準の高い圧力で高効率の水素プラズマを生成する。前記誘導結合プラズマ発生装置100は、誘導放電モジュール191及び前記誘導放電モジュール101に電力を供給するRF電源140を含む。前記誘導結合プラズマ発生装置100は、第2工程ガスの提供を受けて、誘導結合プラズマを用いて活性種を発生させて、前記工程チャンバ92に提供する。
【0053】
前記工程チャンバ92には、前記ガス分配部91と対向して並行に配置された基板ホルダ93及び基板ホルダ93上に配置された基板94を含む。前記基板ホルダ93は、化学気相蒸着のために加熱される。前記基板は、半導体基板である。さらに具体的に、前記基板は、シリコン半導体基板である。前記工程チャンバ92は、真空ポンプ95によって排気される。
【0054】
本発明の変形した実施例によると、前記活性種は、前記ガス分配部91を通せず、直接前記工程チャンバに提供される。
【0055】
本発明の変形した実施例によると、前記基板処理装置は、化学気相蒸着工程を行うことに限らず、様々な工程を行う。
【0056】
本発明の変形した実施例によると、前記誘導結合プラズマ装置100は、化学気相蒸着工程に使用されることに限らず、前記工程チャンバの洗浄工程に使用される。例えば、前記基板処理装置2は別途の遠隔プラズマソースを備え、別途の遠隔プラズマソースはNF3を放電して前記工程チャンバ92に提供して洗浄工程を行う。この場合、前記工程チャンバの工程環境はフッ素によって変わるので、本発明の誘導結合プラズマ装置100は水素活性種を前記工程チャンバ92に提供する。これによって、前記工程チャンバ92の内壁に吸着されたフッ素は、水素活性種と反応して除去される。
【0057】
図2Aは、本発明の一実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
【0058】
図2Bは、図2Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する回路図である。
【0059】
図2Cは、図2Aの誘導結合プラズマ発生装置の電圧分配を説明する図面である。
【0060】
図2Dは、図2Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する平面図である。
【0061】
図2Eは、図2Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイルを説明する平面図である。
【0062】
図2Aないし図2Eに示すように、前記誘導結合プラズマ発生装置100は、長さ方向に延長される誘電体チューブ130と、前記誘電体チューブを包むように配置され、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する第1誘導コイル構造体110と、互いに逆位相の正の出力及び負の出力を提供し、前記第1誘導コイル構造体の両端にRF電力の正の出力及び負の出力をそれぞれ供給し、駆動周波数を変更するRF電源140と、前記RF電源の正の出力端と前記第1誘導コイル構造体の一端との間に配置された第1メイン蓄電器121と、前記RF電源の負の出力端と前記第1誘導コイル構造体の他端との間に配置された第2メイン蓄電器122と、を含む
【0063】
前記第1誘導コイル構造体110は、互いに直列連結され、互いに異なる層にそれぞれ配置され、各層で少なくとも1ターン(one turn)以上を備えた誘導コイル112、114、116、118と、互いに隣接した誘導コイルの間にそれぞれ配置されて、前記誘導コイルに印加される電圧を分配する補助蓄電器113、115、117と、を含む。
【0064】
前記RF電源140の駆動周波数は、数百kHzないし数MHzである。前記RF電源140の出力電力は、数百ワットないし数十キロワットである。前記RF電源140は、第1誘導コイル構造体を通じて時変負荷(誘導結合プラズマ)に電力を供給する。前記第1誘導コイル構造体110の誘導コイルは、誘導結合プラズマと電磁気的に結合する。したがって、前記RF電源140と前記第1誘導コイル構造体110との間にインピーダンスをマッチングすることができる装置が求められる。前記RF電源140は、逆位相の第1出力と第2出力を有する。特定の時間に、前記第1出力と前記第2出力は、接地を基準として互いに逆位相を有する。
【0065】
通常のインピーダンスマッチングネットワークは、2つの可変リアクタンス素子(例えば、真空可変蓄電器)又は変圧器を使用してインピーダンスマッチングを行う。この場合、前記第1誘導コイル構造体110は、前記駆動周波数と安定的な共鳴条件を満たすことが困難である。したがって、前記第1誘導コイル構造体で隣り合う一対の誘導コイルと補助蓄電器が直列共鳴条件を満たすように可変駆動周波数を有するRF電源が使用される。
【0066】
前記誘電体チューブ130は、円筒形状であり、長さ方向に延長される。前記誘電体チューブ130の材質は、高温で耐えられるガラス、クォーツ、セラミック、アルミナ、又はサファイア材質である。前記誘電体チューブ130の内径は、数十ミリメートルである。前記誘電体チューブ130の長さは、数十センチメートルである。
円筒形誘導結合プラズマ装置は、円筒型誘電体放電チューブ及び前記放電チューブを包むアンテナを含む。円筒形誘導結合プラズマで、誘導電場が前記誘電体放電のチューブに垂直入射しないため、イオン衝撃による損傷が少ない。 前記円筒形誘導結合プラズマは、円筒形状の誘電体放電チューブの中心軸方向の誘導電場を生成する。しかし、前記アンテナに高電圧が印加されれば、前記アンテナは蓄電結合プラズマを生成し、前記誘電体チューブを加熱する。したがって、前記アンテナに高電圧が印加されないように新しい誘導コイル構造が求められる。
【0067】
前記第1誘導コイル構造体110で誘導電場は、駆動周波数と電流(又は単位長さ当たりのターン数)に依存する。また、前記第1誘導コイル構造体110に印加される最大電圧は、前記第1誘導コイル構造体110の総インピーダンスと電流に依存する。前記第1誘導コイル構造体110のインピーダンスは第1誘導コイル構造体のインダクタンスと駆動周波数に依存する。したがって、第1誘導コイル構造体に印加される最大電圧を減少させるために、第1誘導コイル構造体のインダクタンスを増加させると、誘導電場の強さは増加するが、高い最大電圧によって蓄電結合効果が増加する。したがって、前記第1誘導コイル構造体のインピーダンスを減少させるために、前記第1誘導コイル構造体10は、複数の誘導コイル112、114、116、118と隣り合う誘導コイルとの間に挿入された補助蓄電器113、115、117を含む。また、前記誘導コイルと隣り合う補助蓄電器は、互いに直列共振回路を構成する。前記誘導コイルと前記補助蓄電器は、電気的に交番して配置され、互いに直列連結される。これによって、前記第1誘導コイル構造体は、全体的に低いインピーダンスを提供する。前記補助蓄電器の数は、前記誘導コイルの数より1つ少ない。
【0068】
また、前記第1誘導コイル構造体110は、全体的に完全な共振回路を構成する。このために、第1メイン蓄電器121は、前記第1誘導コイル構造体110の一端に連結され、第2メイン蓄電器122は、前記第1誘導コイル構造体110の他端に連結される。一方、完璧な共振回路を構成するために、前記第1メイン蓄電器121の静電容量C2は、前記補助蓄電器の静電容量C1の2倍2C1である。
【0069】
このような共振回路を構成した場合、前記第1誘導コイル構造体110に印加される最大電圧は、それぞれの誘導コイルに分割した倍数に逆比例する。
【0070】
前記第1誘導コイル構造体110は、互いに直列連結され、互いに異なる層にそれぞれ配置され、各層で少なくとも1ターン(one turn)以上を備えた誘導コイル112、114、116、118と、互いに隣接した誘導コイルの間にそれぞれ配置されて、前記誘導コイルに印加される電圧を分配する補助蓄電器113,115と、を含む。
【0071】
誘導コイルは、第1ないし第4誘導コイル112、114、116、118を含む。前記補助蓄電器は、第1ないし第3補助蓄電器113、115、117を含む。前記第1ないし第4誘導コイル112、114、116、118それぞれのインダクタンスは、同一であり、L1である。また、前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれの静電容量は、同一であり、C1である。前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれは、2C1を有し、直列連結された一対の仮想蓄電器として表示される。これによって、第1メイン蓄電器121、第1誘導コイル112、及び前記仮想蓄電器は、共振回路を構成して全体的に電圧を減少させる。
【0072】
前記補助蓄電器113、115、117を連結しない場合に比較すると、前記補助蓄電器を連結することによって、電圧は誘導コイルの個数に反比例して減少する。それにもかかわらず、全体的な誘電体チューブ単位長さ当たりのターン数は維持される。このような共振条件を満足するために、前記駆動周波数は、前記共振周波数に一致するように制御される。
【0073】
また、誘電体チューブ単位長さ当たりのターン数をさらに増加させて誘導電場の強さを増加させるために、前記誘導コイル112、114、116、118それぞれは3ターンコイル又は4ターンコイルである。前記誘導コイル112、114、116、118は、互いに十分に稠密垂直に積層され、電気的な連結のための空間を求める。これを満足するために、各誘導コイルは配置平面をジャンピングする部位を有しなく、各誘導コイルの入力端と出力端は互いに積層される部位に配置されてはならない。この目的のために、次のような誘導コイルが提案される。
【0074】
前記誘導コイル112、114、116、118は、順に積層された第1ないし第4誘導コイル112、114、116、118を含む。前記補助蓄電器113、115、117は、第1ないし第3補助蓄電器113、115、117を含む。
【0075】
各誘導コイルの間の補助蓄電器は、電位を反対に逆転させる。すなわち、同一の配置平面で誘電体チューブに近いターン(又は第1円弧部)と最も遠いターン(第4円弧部)は、互いに反対電位になるように誘導される。前記誘電体チューブの内側では、前記誘導コイルの電位が相殺されて、前記誘電体チューブの方への蓄電結合による静電電場が現れない。このような静電電場の減少は、蓄電結合効果を減少させる。
【0076】
一般のアンテナはインダクタンスによって両端に大きな電位差が発生し、大きな電位差はイオンを加速させてエネルギ損失を誘発し、誘電体チューブを加熱して損傷させる。しかし、誘導コイルの間に置かれた補助蓄電器は、電位差を減らし、各誘導コイルの内側と外側の電位を互いに反対に設定する。これによって、互いに反対符号の電位は、誘電体チューブ内で双極子フィールドによって動作して静電電場を減少させる。前記誘導コイル112、114、116、118それぞれは、同一平面で内側から外側に巻かれる複数の巻線を備える。
【0077】
前記第1誘導コイル112は、前記誘電体チューブを包むように配置される。前記第2誘導コイル114は、前記第1誘導コイル112が配置される場合に備えて、反時計回りに90度回転して、前記第1誘導コイル112の下部に整列して配置される。前記第3誘導コイル116は、前記第2誘導コイル114が配置される場合に備えて、反時計回りに90度回転して、前記第2誘導コイル114の下部に整列して配置される。前記第4誘導コイル118は、前記第3誘導コイル116が配置される場合に備えて、反時計回りに90度回転して、前記第3誘導コイル116の下部に整列して配置される。前記第1誘導コイル112の一端は、前記第1メイン蓄電器121を通じて前記RF電源140の正の出力端に連結される。前記第1誘導コイル112の他端は、前記第1補助蓄電器113を通じて前記第2誘導コイル114の一端に連結される。前記第2誘導コイル114の他端は、前記第2補助蓄電器115を通じて前記第3誘導コイル116の一端に連結される。前記第3誘導コイル116の他端は、前記第3の補助蓄電器117を通じて前記第4誘導コイル118の一端に連結される。前記第4誘導コイル118の他端は、前記第2メイン蓄電器122を通じて前記RF電源140の負の出力端に連結される。前記第1ないし第4誘導コイルは、全体的に方位角対称性を維持するために90度ずつ回転して順に積層される。
【0078】
誘導コイルそれぞれの最も内側巻線の電圧(例えば、2V)は、最も外側巻線の電圧(例えば、-2V)と反対位相を有する。また、全ての誘導コイルの最も内側巻線の電圧は同一である。これによって、隣り合う誘導コイルの間の寄生静電容量が最小化され、放電特性が改善される。また、前記誘電体チューブ内部のプラズマは、前記内部巻線による同一の電圧を示すので、局部的なイオンスパッタリングが減少される。
【0079】
誘導コイルを分割して、その分割された誘導コイルの間に補助蓄電器を挿入して、最大電圧を減少させる。しかし、十分な誘導電場を提供するために、単位長さ当たりのターン数を増加させる必要がある。単位長さ当たりのターン数を増加させるために、各誘導コイル112、114、116、118のターン数を増加させる。しかし、各誘導コイルは、同一の配置平面に配置される必要がある。もし、各誘導コイルが配置平面を外す配線を有する場合、隣り合う層に配置された誘導コイルの稠密な積層を妨害する。各誘導コイルは、同一の配置平面で3ターン又は4ターンを有する。
【0080】
本発明の変形した実施例によると、各誘導コイルの巻数は5ターン以上に変形される。
【0081】
前記誘導コイル112、114、116、118それぞれは、直角座標系で第1方向(x軸方向)に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部22aと、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部22aの中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部22bと、前記第2中心角以下の第3中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第2半径より大きな第3半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第3円弧部22cと、前記第3中心角以下の第4中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第3半径より大きな第4半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第4円弧部22dと、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部22aの一端に連結され、前記第1方向(x軸方向)に延長される第1連結部23aと、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部22aの他端と前記第2円弧部22bの一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部24aと、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端と前記第3円弧部の一端を連結する“U”字型の第2円弧連結部24bと、前記配置平面に配置され、前記第3円弧部の他端と前記第4円弧部の一端を連結する“U”字型の第3円弧連結部24cと、前記配置平面に配置され、前記第4円弧部22dの他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部23bと、を含む。前記第4中心角は、270度以上である。第1円弧連結部24a、前記第2円弧連結部24b、及び前記第3円弧連結部24cは、互いに重ならないようい配置される。第1円弧連結部24aは、前記第2円弧連結部24bによって定義された領域内に配置される。
【0082】
前記誘導コイル112、114、116、118のそれぞれにおいて、巻線(例えば、第1円弧部ないし第4円弧部)間の間隔は一定である。例えば、前記間隔は、1mmないし3 mmである。前記誘導コイルが十分な方位角対称性を提供するために、第1ないし第4中心角は270度以上である。一方、前記第1円弧部ないし第4円弧部は、電圧差による大気圧でアーク放電を抑制するために数ミリメートル以上の十分な間隔を維持する。
【0083】
隣り合う層に配置された誘導コイルは、絶縁スペーサ150によって電気的に絶縁される。前記絶縁スペーサ150は、ワッシャの形で前記誘電体チューブ130の外側面に挿入され、中心に貫通ホールを有する薄い円板状である。前記絶縁スペーサ150は、ガラス、プラスチック又はテフロンである。前記絶縁スペーサ150の厚さは、ミリメートル水準である。前記絶縁スペーサ150の内半径は、前記誘電体チューブ130の外半径と実質的に同一であり、前記絶縁スペーサ150の外半径は、前記誘導コイルの最外殼半径と実質的に同一である。前記絶縁スペーサ150の内半径と外半径との間の幅は、数センチメートルないし数十センチメートルである。
【0084】
一方、前記誘導コイル112、114、116、118の少なくとも一部は、セラミックペーストによってモールディングされる。前記誘導コイルの少なくとも一部を包むセラミックモールド152は、前記誘電体チューブ130と熱的に接触する。これによって、前記誘導コイル112、114、116、118内に冷媒が流れる場合、前記冷却された誘導コイルは前記セラミックモールド152を冷却し、前記セラミックモールド152は前記誘電体チューブ130を間接的に冷却する。
【0085】
前記誘導コイル112、114、116、118それぞれは、各層に前記誘電体チューブから外方向に4重巻きの形である。隣り合う層の一対の誘導コイルは、その間に直列連結された補助蓄電器を通じて直列連結される。これによって、前記補助蓄電器の静電容量は、前記誘導コイルのインダクタンスを相殺する。4つの誘導コイルは、一つのグループを形成する。4つの誘導コイルは、反時計回りに90度間隔で回して配置される。
【0086】
前記誘電体チューブの両端は、フランジによってシーリングされる。上部フランジ132は、前記誘電体チューブの一端を固定し、水素と窒素の混合ガスを提供するノズル131を含む。前記誘電体チューブの中心部位を包んでいる誘導コイル112、114、116、118は、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する。下部フランジ134は、前記誘電体チューブの他端を固定し、前記誘電体チューブの他端には、前記誘導結合プラズマによって追加的に分解されるガスが提供される。
【0087】
図3Aは、本発明の他の実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
【0088】
図3Bは、図3Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する回路図である。
【0089】
図3Cは、図3Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイル構造体の電圧分配を説明する図面である。
【0090】
図3Aないし図3Cに示すように、前記誘導結合プラズマ発生装置200は、 長さ方向に延長される誘電体チューブ130と、前記誘電体チューブを包むように配置され、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する第1誘導コイル構造体110と、互いに逆位相の正の出力及び負の出力を提供し、前記第1誘導コイル構造体の両端にRF電力の正の出力及び負の出力をそれぞれ供給し、駆動周波数を変更するRF電源140と、前記RF電源の正の出力端と前記第1誘導コイル構造体の一端との間に配置された第1メイン蓄電器121と、前記RF電源の負の出力端と前記第1誘導コイル構造体の他端との間に配置された第2メイン蓄電器122と、を含む。
【0091】
第2誘導コイル構造体210は、前記誘電体チューブ130を包むように配置され、前記第1誘導コイル構造体110と長さ方向に離隔して配置され、前記第1誘導コイル構造体110と同一の構造を有し、前記誘電体チューブ130内に誘導結合プラズマを生成する。
【0092】
前記第2誘導コイル構造体210の一端は、前記第1誘導コイル構造体110の一端と連結され、前記第2誘導コイル構造体210の他端は、前記第1誘導コイル構造体110の他端と連結される。前記第1誘導コイル構造体110と前記第2誘導コイル構造体210は、前記第1メイン蓄電器121と前記第2メイン蓄電器122との間で互いに並列連結される。
【0093】
前記第1誘導コイル構造体110と前記第2誘導コイル構造体210を構成する前記誘導コイル112、114、116、118それぞれは、同一の第1インダクタンスL1を有する。前記第1誘導コイル構造体110と前記第2誘導コイル構造体210を構成する前記補助蓄電器113、115、117それぞれは、同一の第1静電容量C1を有する。前記RF電源140の駆動周波数は、直列連結された前記第1インダクタンスL1と前記第1静電容量C1による共鳴周波数と一致するように制御される。
【0094】
前記第1メイン蓄電器及び前記第2メイン蓄電器は、それぞれ同一の第2静電容量C2を有し、前記第2静電容量C2は、前記第1静電容量C1の4倍である。
【0095】
前記第1誘導コイル構造体110の一端と前記第2誘導コイル構造体210の一端は、互いに隣接して配置される。前記第1誘導コイル構造体の一端と前記第2誘導コイル構造体の一端は、互いに連結されて前記第1メイン蓄電器121に連結される。前記第1誘導コイル構造体110の他端と前記第2誘導コイル構造体210の他端は、互いに連結されて前記第2メイン蓄電器に連結される。
【0096】
前記第1誘導コイル構造体110と前記第2誘導コイル構造体210は、前記誘電体放電チューブ130の一地点を基準として上/下に鏡面対称して配置される。電流は、中央から上/下に分散されて、再び両端で集まる。
【0097】
また、前記第1誘導コイル構造体110及び第2誘導コイル構造体210は、全体的に完全な共振回路を構成する。これを達成するために、第1メイン蓄電器121は、前記第1誘導コイル構造体110の一端及び前記第1誘導コイル構造体210の一端に連結される。第2メイン蓄電器122は、前記第1誘導コイル構造体110の他端と前記第2誘導コイル構造体の他端に連結される。一方、完璧な共振回路を構成するために、前記第1メイン蓄電器121の静電容量C2は、前記補助蓄電器の静電容量C1の4倍4C1である。前記第1メイン蓄電器は、2C1を有する互いに並列連結された蓄電器として表示される。
【0098】
誘導コイルは、第1ないし第4誘導コイル112、114、116、118を含む。前記補助蓄電器は、第1ないし第3補助蓄電器113、115、117を含む。前記第1ないし第4誘導コイル112、114、116、118それぞれのインダクタンスは、同一であり、L1である。また、前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれの静電容量は、同一であり、C1である。前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれは、2C1を有し、直列連結された一対の仮想蓄電器として表示される。これによって、第1メイン蓄電器121の一部2C1、第1誘導コイル112、及び前記仮想蓄電器2C1は、共振回路を構成して全体的に電圧を減少させる。
【0099】
第1誘導コイル構造体110と第2誘導コイル構造体210は、互いに並列に連結されて全体8つの誘導コイルを含む。前記第1誘導コイル構造体の誘導コイルは、順に反時計回りに90度間隔で回して配置される。前記第2誘導コイル構造体の誘導コイルは、順に時計回りに90度間隔で回して配置される。
【0100】
誘導コイルの間にインピーダンスの虚数部を相殺するための補助蓄電器が配置される。4つずつ直列連結された2つのグループの第1誘導コイル構造体と第2誘導コイル構造体は、両端が互いに並列連結された後に外部端子に電気的に連結される。
【0101】
各誘導コイル間の補助蓄電器は、電位を反対に逆転させる。すなわち、同一の配置平面で誘電体チューブに最も内側のターン(又は第1円弧部)と最も外側のターン(第4円弧部)は、互いに反対電位になるように誘導される。前記誘電体チューブの内側では、前記誘導コイルの電位が相殺されて、前記誘電体チューブの方への蓄電結合による静電電場が現れない。このような静電電場の減少は、蓄電結合効果を減少させる。
【0102】
一般のアンテナはインダクタンスによって両端に大きな電位差が発生し、大きな電位差はイオンを加速させてエネルギ損失を誘発し、誘電体チューブを加熱して損傷させる。しかし、誘導コイルの間に置かれた補助蓄電器は、電位差を減らし、各誘導コイルの内側と外側の電位を互いに反対に設定する。これによって、互いに反対符号の電位は、誘電体チューブ内で双極子フィールドによって動作して静電電場を減少させる。
【0103】
図4Aは、本発明のまた他の実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
【0104】
図4Bは、図4Aの誘導結合プラズマ発生装置を説明する回路図である。
【0105】
図4Cは、図4Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイル構造体の電圧分配を説明する図面である。
【0106】
図4Dは、図4Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイルを説明する平面図である。
【0107】
図4Aないし図4Dに示すように、前記誘導結合プラズマ発生装置300は、長さ方向に延長される誘電体チューブ130と、前記誘電体チューブを包むように配置され、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する第1誘導コイル構造体310と、互いに逆位相の正の出力及び負の出力を提供し、前記第1誘導コイル構造体の両端にRF電力の正の出力及び負の出力をそれぞれ供給し、駆動周波数を変更するRF電源140と、前記RF電源の正の出力端と前記第1誘導コイル構造体の一端との間に配置された第1メイン蓄電器121と、前記RF電源の負の出力端と前記第1誘導コイル構造体の他端との間に配置された第2メイン蓄電器122と、を含む。
【0108】
前記第1メイン蓄電器121及び前記第2メイン蓄電器122は、それぞれ同一の第2静電容量C2を有し、前記第2静電容量C2は、前記補助蓄電器の前記第1静電容量C1の2倍である。
【0109】
誘導コイルは、第1ないし第4誘導コイル312、314、316、318を含む。前記補助蓄電器は、第1ないし第3補助蓄電器113、115、117を含む。前記第1ないし第4誘導コイル312、314、316、318それぞれのインダクタンスは、同一であり、L1である。また、前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれの静電容量は、同一であり、C1である。前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれは2C1を有し、直列連結された一対の仮想蓄電器として表示される。これによって、第1メイン蓄電器121の一部2C1、第1誘導コイル312、及び前記仮想蓄電器2C1は、共振回路を構成して全体的に電圧を減少させる。
【0110】
前記誘導コイル312、314、316、318それぞれは、直角座標系で第1方向に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部32aと、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部32bと、前記第2中心角以下の第3中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第2半径より大きな第3半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第3円弧部32cと、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の一端に連結され、前記第1方向に延長される第1連結部33aと、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の他端と前記第2円弧部の一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部34aと、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端と前記第3円弧部の一端を連結する“U”字型の第2円弧連結部34bと、前記配置平面に配置され、前記第3円弧部の他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部33bと、を含む。前記第3中心角は、270度以上である。
【0111】
図5Aは、本発明のまた他の実施例による誘導結合プラズマ発生装置を説明する概念図である。
【0112】
図5Bは、図5Aの誘導結合プラズマ発生装置の誘導コイルを説明する平面図である。
【0113】
図5Aないし図5Bに示すように、前記誘導結合プラズマ発生装置400は、長さ方向に延長される誘電体チューブ130と、前記誘電体チューブを包むように配置され、前記誘電体チューブ内に誘導結合プラズマを生成する第1誘導コイル構造体410と、互いに逆位相の正の出力及び負の出力を提供し、前記第1誘導コイル構造体の両端にRF電力の正の出力及び負の出力をそれぞれ供給し、駆動周波数を変更するRF電源140と、前記RF電源の正の出力端と前記第1誘導コイル構造体の一端との間に配置された第1メイン蓄電器121と、前記RF電源の負の出力端と前記第1誘導コイル構造体の他端との間に配置された第2メイン蓄電器122と、を含む。
【0114】
前記第1メイン蓄電器121及び前記第2メイン蓄電器122はそれぞれ同一の第2静電容量C2を有し、前記第2静電容量C2は前記補助蓄電器の前記第1静電容量C1の2倍である。
誘導コイルは、第1ないし第4誘導コイル412、414、416、418を含む。前記補助蓄電器は、第1ないし第3補助蓄電器113、115、117を含む。前記第1ないし第4誘導コイル412、414、416、418それぞれのインダクタンスは、同一であり、L1である。また、前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれの静電容量は、同一であり、C1である。前記第1ないし第3補助蓄電器113、115、117それぞれは、2C1を有し、直列連結された一対の仮想蓄電器として表示される。これによって、第1メイン蓄電器121の一部2C1、第1誘導コイル412、及び前記仮想蓄電器2C1は、共振回路を構成して全体的に電圧を減少させる。
【0115】
前記誘導コイル412、414、416、418それぞれは、直角座標系で第1方向に開放された部位を有し、第1中心角を有し、配置平面に配置され、一定の第1半径を有する第1円弧部42aと、前記第1中心角以下の第2中心角を有し、前記配置平面に配置され、前記第1半径より大きな第2半径を有し、前記第1円弧部の中心軸と同一の中心軸を有するように配置された第2円弧部42bと、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の一端に連結され、前記第1方向に延長される第1連結部43aと、前記配置平面に配置され、前記第1円弧部の他端と前記第2円弧部の一端を連結する“U”字型の第1円弧連結部44aと、前記配置平面に配置され、前記第2円弧部の他端に連結され、前記第1方向に延長される第2連結部43bと、を含む。前記第2中心角は、270度以上である。
【0116】
上記のように、本発明を特定の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明はこのような実施例に限られず、当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が特許請求の範囲で請求する本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で行うことができる多様な形態の実施例を全て含む。
【符号の説明】
【0117】
110 第1誘導コイル構造体
112、114、116、118 誘導コイル
113、115、117 補助蓄電器
121 第1メイン蓄電器
122 第2メイン蓄電器

図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B