(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147775
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】長期色安定性の超吸収性ポリマー粒子を製造する方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/12 20060101AFI20241008BHJP
C08J 3/24 20060101ALI20241008BHJP
C08F 8/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C08J3/12 A CEY
C08J3/24 Z
C08F8/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024118485
(22)【出願日】2024-07-24
(62)【分割の表示】P 2021523270の分割
【原出願日】2019-10-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/112364
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521037411
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】バウマン,カトリン
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハーファート,ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ボードウィン,クリストフ
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、改善された長期色安定性を有する超吸収性ポリマー粒子を製造する方法を提供することであった。
【解決手段】
本発明は、長期色安定性の超吸収性ポリマー粒子を製造する方法であって、モノマー溶液を重合させるステップ、得られたポリマーゲルを乾燥させるステップ、場合により、得られた乾燥ポリマーゲルを粉砕及び分級するステップ、並びに得られたポリマー粒子を熱的に表面後架橋し、冷却するステップを含み、熱的表面後架橋剤及び過酸化水素が、熱的表面後架橋の前にポリマー粒子に加えられる、方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期色安定性の超吸収性ポリマー粒子を製造する方法であって、
a)部分的に中和されたアクリル酸、
b)場合により、少なくとも1種の架橋剤、及び
c)少なくとも1種の開始剤
を含むモノマー溶液を重合させるステップ、得られたポリマーゲルを乾燥させるステップ、場合により得られた乾燥ポリマーゲルを粉砕及び分級するステップ、並びに得られたポリマー粒子を熱的に後架橋し、冷却するステップを含み、
熱的後架橋剤、及びポリマー粒子を基準として0.014~0.095重量%の過酸化水素が、熱的後架橋の前にポリマー粒子に加えられる、方法。
【請求項2】
ポリマー粒子を基準として0.005~5重量%の熱的後架橋剤が、後架橋の前にポリマー粒子に加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリマー粒子を基準として0.02~0.05重量%の過酸化物が、後架橋の前にポリマー粒子に加えられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
後架橋の温度が130~190℃である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
後架橋の滞留時間が20~60分である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
モノマー溶液が重合防止剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
モノマー溶液が、アクリル酸を基準として0.004~0.010重量%の重合防止剤を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
重合防止剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルを用いる、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種のキレート剤が、冷却中又は冷却後に、ポリマー粒子に加えられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ポリマー粒子を基準として0.005~1重量%の少なくとも1種のキレート剤が、冷却中又は冷却後に、ポリマー粒子に加えられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸及び/又はその塩が、キレート剤として用いられる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
後架橋が、活性エネルギー線の照射を実質的に含まない、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法によって得られる超吸収性ポリマー粒子であって、少なくとも40g/gの遠心分離保持容量、及び少なくとも20g/gの高荷重下吸収力を有する、超吸収性ポリマー粒子。
【請求項14】
70℃、80%の相対湿度における14日間のエージング後に54以下の黄色度指数を有する、請求項13に記載の超吸収性ポリマー粒子。
【請求項15】
70℃、80%の相対湿度における14日間のエージング後に50以下の黄色度指数を有する、請求項13又は14に記載の超吸収性ポリマー粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期色安定性の超吸収性ポリマー粒子を製造する方法であって、モノマー溶液を重合させるステップ、得られたポリマーゲルを乾燥させるステップ、場合により得られた乾燥ポリマーゲルを粉砕及び分級するステップ、並びに得られたポリマー粒子を熱的に表面後架橋し、冷却するステップを含み、熱的表面後架橋剤(thermal surface post-crosslinker)及び過酸化水素が、熱的表面後架橋の前にポリマー粒子に加えられる、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超吸収性ポリマー粒子は、おむつ、タンポン、生理用ナプキン、及び他の衛生物品、並びに市場園芸における保水剤を製造するためにも用いられる。超吸収性ポリマー粒子は、「吸収性樹脂」、「超吸収体」、「超吸収性ポリマー」、「吸収性ポリマー」、「吸収性ゲル化材料」、「親水性ポリマー」、又は「ヒドロゲル」と呼ばれることも多い。
【0003】
超吸収性ポリマー粒子の製造は、モノグラフ"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L. Buchholz and A.T. Graham, Wiley-VCH, 1998, pages 71 to 103に記載されている。
【0004】
超吸収性ポリマー粒子の特性は、例えば用いる架橋剤の量によって、調整することができる。架橋剤の量の増加に伴って、遠心分離保持容量(CRC)は低下し、21.0g/cm2(AUL)の圧力下での吸収性は、最大値を通過する。
【0005】
応用特性、例えば、おむつにおける膨潤ゲル床(SFC)の透過性、及び49.2g/cm2(AUHL)の圧力下での吸収性を改善するため、超吸収性ポリマー粒子は一般に、表面後架橋される。これによって、粒子表面の架橋度が上昇し、これにより49.2g/cm2(AUHL)の圧力下吸収性、及び遠心分離保持容量(CRC)を、少なくとも部分的に切り離すことができる。この表面後架橋は、水性ゲル相において実行することができる。しかしながら、好ましくは、乾燥させ、粉砕し、ふるい分けされたポリマー粒子(ベースポリマー)を、表面後架橋剤によって表面コーティングし、熱的に表面後架橋し、乾燥させる。この目的に適した架橋剤は、超吸収性ポリマー粒子の少なくとも2つのカルボキシレート基と共有結合を形成することができる化合物である。
【0006】
超吸収性ポリマー粒子においてしばしば発生する問題は、高温又は高い空気湿度における保存過程で起こる、変色の問題である。このような条件は、熱帯又は亜熱帯の国において保存過程で発生することが多い。これらの条件下では、超吸収性ポリマー粒子は黄変する傾向があり、これらは更に、褐色又はほとんど黒色さえ帯びる場合がある。実際には無色の超吸収性ポリマー粒子のこの変色は、とりわけ、所望される薄い衛生製品においては目に見えるため、不体裁であり、望ましくなく、消費者は不体裁な衛生製品を拒否する。変色の原因は完全には明らかになっていないが、反応性化合物、例えば、重合で残留したモノマー、いくつかの開始剤の使用、モノマー中若しくは中和剤中の不純物、表面後架橋剤、又は用いたモノマー中の安定剤が一因となっているようである。
【0007】
EP1770113A1は、残留モノマーの低減のための過酸化物の存在下における、表面後架橋を開示している。
【0008】
WO2006/062258A2は、水溶性重合開始剤を加えること、及び活性エネルギー線(active energy rays)を混合物に照射することによる、表面後架橋の方法を開示している。この方法は、加熱を必要としない。
【0009】
WO2010/096595A2は、抗菌特性を有する超吸収性ポリマーを開示している。超吸収性ポリマーは、0.5~20重量%の過酸化水素によってコーティングし、乾燥させる。
【0010】
EP2915548A1は、重合後の過酸化物の添加を含む、超吸収性粒子の製造の方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP1770113A1
【特許文献2】WO2006/062258A2
【特許文献3】WO2010/096595A2
【特許文献4】EP2915548A1
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L. Buchholz and A.T. Graham, Wiley-VCH, 1998, pages 71 to 103
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、改善された長期色安定性を有する超吸収性ポリマー粒子を製造する方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、長期色安定性の超吸収性ポリマー粒子を製造する方法であって、
a)部分的に中和されたアクリル酸、
b)場合により、少なくとも1種の架橋剤、及び
c)少なくとも1種の開始剤
を含むモノマー溶液を重合させるステップ、得られたポリマーゲルを乾燥させるステップ、場合により得られた乾燥ポリマーゲルを粉砕及び分級するステップ、並びに得られたポリマー粒子を熱的に表面後架橋し、冷却するステップを含み、熱的表面後架橋剤、及びポリマー粒子を基準として0.014~0.095重量%の過酸化水素が、熱的表面後架橋の前にポリマー粒子に加えられる、方法によって達成された。
【0015】
熱的表面後架橋剤は、ポリマー粒子を基準として、好ましくは0.005~5重量%、より好ましくは0.010~2重量%、最も好ましくは0.015~1重量%の量において、熱的表面後架橋の前にポリマー粒子に加えられる。
【0016】
好適な表面後架橋剤は、例えば、多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド、二官能性又は多官能性アルコール、β-ヒドロキシアルキルアミド、環式カーボネート、2-オキサゾリノン及びその誘導体、ビス-及びポリ-2-オキサゾリノン、2-オキソテトラ-ヒドロ-1,3-オキサジン及びその誘導体、環式尿素、二環式アミドアセタール、オキセタン、環式尿素、並びにモルホリン-2,3-ジオン及びその誘導体である。
【0017】
過酸化水素は、ポリマー粒子を基準として、好ましくは0.016~0.080重量%、より好ましくは0.018~0.065重量%、最も好ましくは0.020~0.050重量%の量で、熱的表面後架橋の前にポリマー粒子に加えられる。
【0018】
熱的表面後架橋中のポリマー粒子の温度は、好ましくは110~220℃、より好ましくは120~200℃、最も好ましくは130~190℃である。ポリマー粒子の昇温中は、より低い温度が可能であり得る。
【0019】
熱的表面後架橋中のポリマー粒子の滞留時間は、好ましくは10~120分、より好ましくは15~90分、最も好ましくは20~60分である。この滞留時間は、熱的表面後架橋に用いる装置中のポリマー粒子の滞留時間である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、モノマー溶液は、中和前のアクリル酸を基準として、好ましくは0.001~0.020重量%、より好ましくは0.002~0.015重量%、最も好ましくは0.004~0.010重量%の量の重合防止剤を含む。
【0021】
好適な重合防止剤は、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及びアルファ-トコフェロール(ビタミンE)である。ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)が好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、キレート剤は、ポリマー粒子を基準として、好ましくは0.005~1.0重量%、より好ましくは0.010~0.7重量%、最も好ましくは0.015~0.5重量%の量で、冷却中又は冷却後に、ポリマー粒子に加えられる。
【0023】
好適なキレート剤は、例えば、クエン酸、酒石酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン五酢酸、及び1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、並びにこれらの塩である。1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸及び/又はその塩が好ましい。
【0024】
表面後架橋は、加熱によって実行する。活性エネルギー線(active energy ray)の照射は必要ない。
【0025】
本発明は、熱的後架橋の前に過酸化水素により処理することによって、超吸収性ポリマーの長期色安定性を上昇させることができるという発見に基づく。多すぎる量の過酸化水素は、高荷重下吸収力(AUHL)に対する悪影響を有する。
【0026】
熱的後架橋後の過酸化水素の添加、又は他の過酸化物を用いることは、有効性が比較的に低い。
【0027】
本発明は更に、本発明による方法によって得られる超吸収性ポリマー粒子を提供する。
【0028】
本発明による方法によって製造される超吸収性ポリマー粒子は、好ましくは少なくとも40g/g、より好ましくは少なくとも41g/g、最も好ましくは少なくとも42g/gの遠心分離保持容量(CRC)を有する。超吸収性ポリマー粒子の遠心分離保持容量(CRC)は、典型的には60g/g未満である。
【0029】
本発明による方法によって製造される超吸収性ポリマー粒子は、好ましくは少なくとも20g/g、より好ましくは少なくとも22g/g、最も好ましくは少なくとも24g/gの高荷重下吸収力(AUHL)を有する。超吸収性ポリマー粒子の高荷重下吸収力(AUHL)は、典型的には50g/g未満である。
【0030】
本発明による方法によって製造される超吸収性ポリマー粒子は、70℃、80%相対湿度における14日間のエージング後、好ましくは54以下、より好ましくは52以下、最も好ましくは50以下のYI D1925の黄色度指数(YI)(2/C)を有する。
【0031】
超吸収体の製造を、以下に詳細に記載する。
【0032】
超吸収体は、モノマー溶液を重合させることによって製造され、典型的には非水溶性である。
【0033】
好適な架橋剤b)は、架橋に好適な少なくとも2つの基を有する化合物である。このような基は、例えば、フリーラジカルによってポリマー鎖に重合することができるエチレン性不飽和基、及びアクリル酸の酸基と共有結合を形成することができる官能基である。加えて、少なくとも2つのアクリル酸の酸基と配位結合を形成することができる多価金属塩も、架橋剤b)として好適である。
【0034】
架橋剤b)は、好ましくは、フリーラジカルによってポリマーネットワークに重合することができる、少なくとも2つの重合性基を有する化合物である。好適な架橋剤b)は、例えば、EP0530438A1に記載されているエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン、EP0547847A1、EP0559476A1、EP0632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1、及びDE10331450A1に記載されている、ジ-及びトリアクリレート、DE10331456A1及びDE10355401A1に記載されている、アクリレート基とともに更なるエチレン性不飽和基を含む混合アクリレート、又は例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1、及びWO2002/032962A2に記載されている、架橋剤の混合物である。
【0035】
好ましい架橋剤b)は、ペンタエリスリチルトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、メチレンビスメタクリルアミド、15回(tuply)のエトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、及びトリアリルアミンである。
【0036】
非常に特に好ましい架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されている、アクリル酸又はメタクリル酸でエステル化されて、ジ-又はトリアクリレートを与えるポリエトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセロールである。3~10回エトキシ化されたグリセロールのジ-及び/又はトリアクリレートが、特に有利である。1~5回エトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセロールのジ-又はトリアクリレートは、非常に特に好ましい。最も好ましいものは、3~5回エトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセロールのトリアクリレート、とりわけ3回エトキシ化されたグリセロールのトリアクリレートである。
【0037】
架橋剤b)の量は、各場合における中和前のアクリル酸を基準として、好ましくは0.05~1.5重量%、より好ましくは0.1~1重量%、最も好ましくは0.3~0.6重量%である。架橋剤の含有量の上昇に伴って、遠心分離保持容量(CRC)は低下し、21.0g/cm2の圧力下吸収性は、最大値を通過する。
【0038】
用いる開始剤c)は、重合条件下でフリーラジカルを発生させるすべての化合物、例えば、熱開始剤、レドックス開始剤、光開始剤であってよい。好適なレドックス開始剤は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、過酸化水素/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/重亜硫酸ナトリウム、及び過酸化水素/重亜硫酸ナトリウムである。熱開始剤とレドックス開始剤との混合物、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウム/過酸化水素/アスコルビン酸を用いることが好ましい。しかしながら、用いる還元成分は、好ましくは、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸二ナトリウム、又は、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸(sulfinatoacetate)二ナトリウム、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸二ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウムの混合物である。このような混合物は、Brueggolite(登録商標)FF6及びBrueggolite(登録商標)FF7(Brueggemann Chemicals (Heilbronn;ドイツ))として入手可能である。
【0039】
典型的には、水性モノマー溶液を用いる。モノマー溶液の含水率は、好ましくは40~75重量%、より好ましくは45~70重量%、最も好ましくは50~65重量%である。モノマー懸濁液、すなわち過剰なアクリル酸ナトリウムを含むモノマー溶液を用いることもできる。含水率の上昇に伴って後続の乾燥におけるエネルギー要求が増加し、含水率の低下に伴って、重合の熱が不十分にしか除去されない場合がある。
【0040】
最適な作用のためには、好ましい重合防止剤は溶存酸素を必要とする。そのため、モノマー溶液は、不活性化(inertization)によって、すなわち、不活性ガス、好ましくは窒素又は二酸化炭素を流すことによって、重合の前には溶存酸素が除去されている場合がある。モノマー溶液の酸素含有量は、好ましくは、1重量ppm未満まで、より好ましくは0.5重量ppm未満まで、最も好ましくは0.1重量ppm未満まで、重合前に低下させる。
【0041】
重合反応をより良好に制御するため、場合により、すべての公知のキレート剤を、モノマー溶液若しくは懸濁液、又はその原材料に加えることができる。好適なキレート剤は、例えば、リン酸、二リン酸、三リン酸、ポリリン酸、クエン酸、酒石酸、又はこれらの塩である。
【0042】
更なる好適な例は、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、及びtrans-1,2-ジアミノシクロヘキサン四酢酸、並びにこれらの塩である。用いる量は、モノマーa)を基準として、典型的には1~30000ppm、好ましくは10~1000ppm、優先的には20~600ppm、より好ましくは50~400ppm、最も好ましくは100~300ppmである。
【0043】
モノマー溶液を重合させる。好適な反応器は、例えば、混練反応器又はベルト反応器である。混練機では、水性モノマー溶液又は懸濁液の重合において形成されたポリマーゲルは、例えば、WO2001/038402A1に記載されているように、反転撹拌シャフトによって、連続的に粉砕される。ベルト上での重合は、例えばDE3825366A1及び米国特許第6,241,928号に記載されている。ベルト反応器における重合はポリマーゲルを形成し、これは、更なるプロセスステップにおいて、例えば押出機又は混練機中で、粉砕しなければならない。
【0044】
乾燥特性を改善するため、混練機によって得られた粉砕ポリマーゲルを、追加で押出すことができる。
【0045】
得られたポリマーゲルの酸基は、典型的には、部分的に中和されている。中和は、好ましくは、モノマー段階で行われる。これは、典型的には、水溶液として、又は好ましくは固体としても、中和剤中で混合することによって達成される。中和度は、好ましくは50~85mol%、より好ましくは60~80mol%、最も好ましくは65~75mol%であり、中和のため、通例の中和剤、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属炭酸水素塩、及びこれらの混合物も用いることができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を用いることもできる。特に好ましいアルカリ金属は、ナトリウム及びカリウムであるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びまたこれらの混合物は、非常に特に好ましい。
【0046】
得られるポリマーゲルを、乾燥させる。乾燥機は、いずれの制限も受けない。しかしながら、ポリマーゲルの乾燥は、残留水分含有率が、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~7重量%、最も好ましくは2~5重量%になるまで、好ましくはベルト乾燥機によって実行し、残留水分含有率は、EDANA推奨試験法No.WSP230.2(05)「Mass Loss Upon Heating」によって決定される。残留水分含有率が高すぎる場合、乾燥ポリマーゲルは低すぎるガラス転移温度Tgを有し、更に処理をしてもよいが、困難なばかりである。残留水分含有率が低すぎる場合、乾燥ポリマーゲルはあまりにもろく、後続の粉砕ステップにおいて、望ましくないことに、過度に小さな粒子サイズを有するポリマー粒子(微粉)を大量に得る。乾燥前のゲルの固体含有率は、好ましくは25~90重量%、より好ましくは35~70重量%、最も好ましくは40~60重量%である。しかしながら、流動床乾燥機又はパドル式乾燥機も、場合により、乾燥目的で用いてよい。
【0047】
続いて、乾燥ポリマーゲルを粉砕及び分級する。粉砕に用いる装置は、典型的には、単段若しくは多段ロールミル、好ましくは2段若しくは3段ロールミル、ピンミル、ハンマーミル、又は振動ミルであってよい。
【0048】
生成物画分として取り出されるポリマー粒子の平均粒子サイズは、好ましくは少なくとも200μm、より好ましくは250~600μm、非常に特定的には300~500μmである。生成物画分の平均粒子サイズは、EDANA推奨試験法No.WSP220.2(05)「Particle Size Distribution」によって決定されうるが、ふるい分け画分の質量による割合を累積形式でプロットし、図によって平均粒子サイズを決定した。ここでの平均粒子サイズは、累積50重量%を生じさせるメッシュサイズの値である。
【0049】
少なくとも150μmの粒子サイズを有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%である。
【0050】
小さすぎる粒子サイズを有するポリマー粒子は、生理食塩水流れ誘導性(saline flow conductivity)(SFC)を低下させる。そのため、過度に小さなポリマー粒子(「微粉」)の割合は、少なくするべきである。
【0051】
そのため、過度に小さなポリマー粒子は、典型的には、取り出し、プロセスに再利用する。これは、好ましくは、重合の前、その間、又はその直後、すなわち、ポリマーゲルの乾燥の前に行う。過度に小さなポリマー粒子は、再利用の前又はその間に、水及び/又は水性界面活性剤によって潤すことができる。
【0052】
後のプロセスステップにおいて、例えば、表面後架橋又は別のコーティングステップの後で、過度に小さなポリマー粒子を取り出すこともできる。この場合、再利用される過度に小さなポリマー粒子は、別の方法、例えばヒュームドシリカ又は沈降シリカによって、表面後架橋又はコーティングする。
【0053】
重合に混練反応器を用いる場合、過度に小さなポリマー粒子は、好ましくは、重合の最後の1/3に加える。
【0054】
過度に小さなポリマー粒子を、非常に早期の段階で、例えば、実際にモノマー溶液に加える場合、これによって得られる超吸収体の遠心分離保持容量(CRC)が低下する。しかしながら、これは、例えば用いる架橋剤b)の量を調整することによって、埋め合わせることができる。
【0055】
過度に小さなポリマー粒子を、非常に遅い段階で加える場合、例えば、重合反応器の下流に接続した装置、例えば押出機まで加えない場合、過度に小さなポリマー粒子は、得られたポリマーゲルに組み込まれうるが、困難なばかりである。しかしながら、不十分に組み込まれた過度に小さなポリマー粒子は、粉砕中に乾燥ポリマーゲルから再び外れ、そのため、分級の過程で再び取り出され、再利用する過度に小さなポリマー粒子の量が増加する。
【0056】
最大850μmの粒子サイズを有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%である。
【0057】
最大600μmの粒子サイズを有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%である。
【0058】
過度に大きな粒子サイズのポリマー粒子は、自由膨潤速度(FSR)を低下させる。そのため、過度に大きなポリマー粒子の割合は、同じく少なくするべきである。
【0059】
そのため、過度に大きなポリマー粒子は、典型的には、取り出して乾燥ポリマーゲルの粉砕に再利用する。
【0060】
しかしながら、水性モノマー溶液を液滴化すること、及び得られた液滴を加熱したキャリアガスストリーム中で重合することもできる。ここで、WO2008/052971A1及びWO2011/026876A1に記載されているように、重合及び乾燥のプロセスステップを組み合わせることができる。
【0061】
この目的のため、モノマー溶液は、液滴を形成するための少なくとも1個の孔によって、反応室に計量供給される。孔は、例えば、液滴化プレートにあってもよい。
【0062】
液滴化プレートは、少なくとも1個の孔を有するプレートであり、液体が上から孔を通過する。液滴化プレート又は液体を振動させることができ、これによって、液滴化プレートの下面において、各孔に、理想的には単分散液滴の鎖が発生する。好ましい実施形態では、液滴化プレートを揺り動かさない。
【0063】
孔の数及びサイズは、所望の能力及び液滴サイズによって選択される。液滴の直径は、典型的には孔の直径の1.9倍である。ここで重要なことは、液滴化する液体が孔を通過するのが速すぎないこと、及び孔の両端での圧力損失が大きすぎないことである。そうでなければ、液体が液滴化せず、むしろ高い運動エネルギーのために、液体のジェットが分解(噴霧)される。孔1個当たりのスループット及び孔の直径に基づくレイノルズ数は、好ましくは2000未満、より好ましくは1600未満、とりわけ好ましくは1400未満、最も好ましくは1200未満である。
【0064】
液滴化プレートは、好ましくは少なくとも5個、より好ましくは少なくとも25個、最も好ましくは少なくとも50個の孔、好ましくは最大750個、より好ましくは最大500個、最も好ましくは最大250個の孔を有する。孔の直径は、所望の液滴サイズによって選択される。
【0065】
孔の直径は、好ましくは50~500μm、より好ましくは100~300μm、最も好ましくは150~250μmである。
【0066】
孔を通過する際のモノマー溶液の温度は、好ましくは5~80℃、より好ましくは10~70℃、最も好ましくは30~60℃である。
【0067】
孔同士の間の距離は、好ましくは10~50mm、より好ましくは12~40mm、最も好ましくは15~30mmである。過度に短い距離は、凝集の形成を生じる。
【0068】
キャリアガスは、重合反応器を通って流れる。このキャリアガスは、自由落下するモノマー溶液の液滴に対して、並流又は向流において、好ましくは並流において、すなわち底部から上向きに、反応室を通して誘導することができる。1回通過した後、キャリアガスは好ましくは、少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも50%の範囲で、より好ましくは少なくとも75%の範囲で、サイクルガスとして反応室に再利用される。典型的には、キャリアガスの一部分、好ましくは最大10%、より好ましくは最大3%、最も好ましくは最大1%が、各通過の後に排出される。
【0069】
キャリアガスの酸素含有量は、好ましくは0.5~15体積%、より好ましくは1~10体積%、最も好ましくは2~7重量%である。
【0070】
酸素に加えて、キャリアガスは、好ましくは窒素を含む。キャリアガスの窒素含有量は、好ましくは少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも90体積%、最も好ましくは少なくとも95体積%である。更に好適なキャリアガスは、二酸化炭素、アルゴン、キセノン、クリプトン、ネオン、及びヘリウムである。ガス混合物を用いることもできる。キャリアガスはまた、蒸気及び/又はアクリル酸蒸気とともに負荷されてもよい。
【0071】
ガス速度は、好ましくは、重合反応器内の流れが導かれ、例えば、全体的な流れ方向に対向する対流が存在しないように設定され、典型的には0.1~2.5m/秒、好ましくは0.3~1.5m/秒、より好ましくは0.5~1.2m/秒、とりわけ好ましくは0.6~1.0m/秒、最も好ましくは0.7~0.9m/秒である。
【0072】
反応器を通って流れるキャリアガスは、反応器の上流で、反応温度まで適当に予備加熱される。
【0073】
有利には、ガス出口温度、すなわちキャリアガスが反応室を出る温度が、典型的には90~150℃、好ましくは100~140℃、より好ましくは105~135℃、とりわけ好ましくは110~130℃、最も好ましくは115~125℃であるように、ガス入口温度が調節される。
【0074】
反応は、高圧下又は減圧下で実行することができ、周囲圧力に対して100mbarまでの減圧が好ましい。
【0075】
反応オフガス、すなわち反応室を出るガスは、例えば、熱交換器において冷却することができる。これによって、水及び未変換モノマーa)が凝縮される。その後、反応オフガスを少なくとも部分的に再加熱し、サイクルガスとして反応器に再利用することができる。反応オフガスの一部分を排出して、新しいキャリアガスによって置き換えることができ、この場合、反応オフガス中に存在する水及び未変換モノマーa)を取り出し、再利用することができる。
【0076】
特に好ましいのは統合加熱システムであり、これは、オフガスの冷却における排熱のいくらかがサイクルガスを加熱するために用いられることを意味する。
【0077】
反応器は、トレース加熱されてもよい。トレース加熱は、壁温度が内部反応器温度を少なくとも5℃上回り、反応器壁における凝縮が確実に防止されるように調整される。
【0078】
反応生成物は続いて、熱的に後処理され、場合により、所望の含水率まで乾燥させる。
【0079】
特性を改善するため、ポリマー粒子(ベースポリマー)を続いて、熱的に表面後架橋する。好適な表面後架橋剤は、ポリマー粒子の少なくとも2つの酸基と共有結合を形成することができる基を含む化合物である。好適な化合物は、例えば、EP0083022A2、EP0543303A1、及びEP0937736A2に記載されている、多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド、DE3314019A1、DE3523617A1、及びEP0450922A2に記載されている二官能性若しくは多官能性アルコール、又はDE10204938A1及び米国特許第6,239,230号に記載されているβ-ヒドロキシアルキルアミドである。
【0080】
DE4020780C1における環式カーボネート、DE19807502A1における2-オキサゾリジノン及びその誘導体、例えば2-ヒドロキシエチル-2-オキサゾリジノン、DE19807992C1におけるビス-及びポリ-2-オキサゾリジノン、DE19854573A1における2-オキソテトラヒドロ-1,3-オキサジン及びその誘導体、DE19854574A1におけるN-アシル-2-オキサゾリジノン、DE10204937A1における環式尿素、DE10334584A1における二環式アミドアセタール、EP1199327A2におけるオキセタン及び環式尿素、並びにWO2003/031482A1におけるモルホリン-2,3-ジオン及びその誘導体が、好適な表面後架橋剤として加えて記載される。
【0081】
好ましい表面後架橋剤は、炭酸エチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドとエピクロロヒドリンとの反応生成物、及びプロピレングリコールと1,4-ブタンジオールとの混合物である。
【0082】
非常に特に好ましい表面後架橋剤は、2-ヒドロキシエチルオキサゾリジン-2-オン、オキサゾリジン-2-オン、及び1,3-プロパンジオールである。
【0083】
加えて、DE3713601A1に記載されている、追加の重合性エチレン性不飽和基を含む表面後架橋剤を用いることもできる。
【0084】
表面後架橋剤の量は、各場合におけるポリマー粒子を基準として、好ましくは0.005~5重量%、より好ましくは0.01~2重量%、最も好ましくは0.015~1重量%である。
【0085】
本発明の好ましい実施形態では、多価カチオンは、表面後架橋剤に加えて、表面後架橋の前、その間、又はその後で、粒子表面に施与される。
【0086】
本発明による方法に用いることができる多価カチオンは、例えば、二価カチオン、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄、及びストロンチウムのカチオン、三価カチオン、例えば、アルミニウム、鉄、クロム、希土類、及びマンガンのカチオン、四価カチオン、例えば、チタン及びジルコニウムのカチオンである。可能な対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫化水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、並びにカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオンである。硫酸アルミニウム及び乳酸アルミニウムが好ましい。金属塩以外に、多価カチオンとして多価アミンを用いることもできる。
【0087】
用いる多価カチオンの量は、ポリマー粒子を基準として、例えば、0.001~1.5重量%、好ましくは0.005~1重量%、より好ましくは0.02~0.8重量%である。
【0088】
表面後架橋は、典型的には、表面後架橋剤の溶液が乾燥ポリマー粒子に噴霧される方法で行われる。噴霧施与の後、表面後架橋剤でコーティングされたポリマー粒子を、熱によって乾燥させるが、表面後架橋反応は、乾燥の前又はその間のいずれかに起こりうる。
【0089】
表面後架橋剤の溶液の噴霧施与は、好ましくは、可動混合用具を有する混合機、例えばスクリュー式混合機、ディスク式混合機、及びパドル式混合機で実行する。水平型混合機、例えばパドル式混合機は特に好ましく、垂直型混合機は非常に特に好ましい。水平型混合機と垂直型混合機との区別は、混合シャフトの位置によってなされ、すなわち、水平型混合機は水平に取り付けられた混合シャフトを有し、垂直型混合機は垂直に取り付けられた混合シャフトを有する。好適な混合機は、例えば、水平型Pflugschar(登録商標)プラウシェア混合機(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH;パーダーボルン;ドイツ)、Vrieco-Nauta連続混合機(Hosokawa Micron BV;ドゥーティンヘム;オランダ)、Processall Mixmill混合機(Processall Incorporated;シンシナティ;USA)、及びSchugi Flexomix(登録商標)(Hosokawa Micron BV;ドゥーティンヘム;オランダ)である。しかしながら、流動床において表面後架橋剤溶液の噴霧を行うこともできる。
【0090】
表面後架橋剤は、典型的には、水溶液の形態で用いられる。表面後架橋剤のポリマー粒子への浸透深度は、非水性溶媒の含有率及び溶媒の総量によって、調整することができる。
【0091】
溶媒として過剰に水を用いた場合、有利には界面活性剤を加える。これによって、湿潤化挙動が改善され、塊を形成する傾向が低下する。しかしながら、溶媒混合物、例えば、イソプロパノール/水、1,3-プロパンジオール/水、及びプロピレングリコール/水を用いることが好ましく、質量による混合比は、好ましくは20:80~40:60である。
【0092】
熱による表面後架橋は、好ましくは、接触式乾燥機、より好ましくはパドル式乾燥機、最も好ましくはディスク式乾燥機で実行する。好適な乾燥機は、例えば、Hosokawa Bepex(登録商標)Horizontal Paddle Dryer(Hosokawa Micron GmbH;ラインガルテン;ドイツ)、Hosokawa Bepex(登録商標)Disc Dryer(Hosokawa Micron GmbH;ラインガルテン;ドイツ)、及びNara Paddle Dryer(NARA Machinery Europe;フレッヒェン;ドイツ)である。更に、流動床乾燥機も用いてもよい。
【0093】
熱による表面後架橋は、ジャケットの加熱又は温かい空気中の吹き込みによって、混合機自体の中でも行うことができる。下降流型乾燥機、例えば棚段乾燥機、回転式管状炉、または加熱可能なスクリューは、同様に好適である。流動床乾燥機で混合及び乾燥を行うことは、特に有利である。
【0094】
表面後架橋温度は、好ましくは110~220℃、より好ましくは120~200℃、最も好ましくは130~190℃の範囲内である。熱的表面後架橋中のポリマー粒子の滞留時間は、好ましくは10~120分、より好ましくは15~90分、最も好ましくは20~60分である。
【0095】
続いて、表面後架橋されたポリマー粒子を、再び分級することができ、過度に小さな及び/又は過度に大きなポリマー粒子は取り出され、プロセスに再利用される。
【0096】
特性を更に改善するため、表面後架橋されたポリマー粒子を、コーティング又は再加湿することができる。
【0097】
再加湿は、好ましくは30~80℃において、より好ましくは35~70℃において、最も好ましくは40~60℃において実行する。過度に低い温度では、超吸収体が塊を形成する傾向があり、高温では、目に見えるほど水が既に蒸発している。再加湿に用いる水の量は、ポリマー粒子を基準として、好ましくは1~15重量%、より好ましくは2~10重量%、最も好ましくは3~5重量%である。再加湿によって、ポリマー粒子の機械的安定性が上昇し、静電気を帯びる傾向が低下する。
【0098】
自由膨潤速度及び生理食塩水流れ誘導性(SFC)を改善するために好適なコーティングは、例えば、無機不活性物質、例えば、非水溶性金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー、及び二価又は多価金属カチオンである。ダストの結合に好適なコーティングは、例えばポリオールである。ポリマー粒子の望ましくないケーキング傾向を抑制するために好適なコーティングは、例えば、ヒュームドシリカ、例えばAerosil(登録商標)200、又は沈降シリカ、例えばSipernat(登録商標)D17、及び界面活性剤、例えばSpan(登録商標)20である。
【0099】
方法
測定は、別段の指定がない限り、23±2℃の周囲温度、及び50±10%の相対大気湿度において行うものとする。超吸収性ポリマーは、測定の前に徹底的に混合する。
【0100】
残留モノマー(RAA)
超吸収性ポリマー粒子中の残留モノマーは、EDANA推奨試験法No.WSP210.2(04)「Determination of the Amount of Residual Monomers in Superabsorbent Materials」によって決定する。
【0101】
粒子サイズ分布
超吸収性ポリマー粒子の粒子サイズ分布は、EDANA推奨試験法No.WSP220.2(05)「Determination of Polyacrylate Superabsorbent Powders and Particle Size Distribution - Sieve Fractionation」によって決定する。
【0102】
真円度
真円度は、PartAn(登録商標)3001 L Particle Analysator(Microtrac Europe GmbH;メーアブッシュ;ドイツ)によって決定する。真円度は、
【0103】
【数1】
[式中、Aはポリマー粒子の断面積であり、Uはポリマー粒子の断面円周である]
として定義する。真円度は、体積平均真円度である。
【0104】
測定のため、超吸収性ポリマー粒子を漏斗を通じて導入し、計測チャネルを有する落下シャフトへ移送する。粒子が照明壁を通過して落下する間に、粒子をカメラによって選択的に記録する。記録した画像を、選択したパラメータに応じて、ソフトウェアによって評価する。
【0105】
水分含有率(MC)
超吸収性ポリマー粒子の水分含有率は、EDANA推奨試験法No.WSP230.2(05)「Moisture Content - Weight Loss Upon Heating」によって決定する。
【0106】
遠心分離保持容量(CRC)
超吸収性ポリマー粒子の遠心分離保持容量は、EDANA推奨試験法No.WSP241.2(05)「Gravimetric Determination of Fluid Retention Capacity in Saline Solution After Centrifugation」によって決定するが、値が大きな遠心分離保持容量については、大きなティーバッグを用いなければならない。
【0107】
荷重下吸収力(AUL)
超吸収性ポリマー粒子の荷重下吸収力は、EDANA推奨試験法No.WSP242.2(05)「Gravimetric Determination of Absorption Under Pressure」によって決定する。
【0108】
高荷重下吸収力(AUHL)
超吸収性ポリマー粒子の高荷重下吸収力は、21.0g/cm2の重量の代わりに49.2g/cm2の重量を用いることを除いて、EDANA推奨試験法No.WSP242.2(05)「Gravimetric Determination of Absorption Under Pressure」と同様に決定する。
【0109】
流量
超吸収性ポリマー粒子の流量は、EDANA推奨試験法No.WSP250.2(05)「Gravimetric Determination of Flowrate」によって決定する。
【0110】
バルク密度
超吸収性ポリマー粒子のバルク密度は、EDANA推奨試験法No.WSP260.2(05)「Gravimetric Determination of Density」によって決定する。
【0111】
抽出可能物(Ext.16h)
超吸収性ポリマー粒子中の抽出性構成要素の含有量は、EDANA推奨試験法No.WSP270.2(05)「Determination of Extractable Polymer Content by Potentiometric Titration」によって決定する。
【0112】
ケーキング(40℃/80%相対湿度/1時間)
5gの超吸収性ポリマー粒子をアルミニウム秤量皿(57mm×15mm)に載置し、40℃、80%相対湿度において1時間保存する。サンプルを周囲温度まで冷却し、秤量する。1.68mm孔径のふるい(ASTM No.12、57mm超かつ100mm未満のふるいの直径)によってふるい分けした後、ふるいを通過した量を秤量して、非ケーキングポリマー粒子の質量を決定する。ふるい分けプロセスは、以下に記載する通りである。
【0113】
水和ポリマーを含有するアルミニウム皿を注意深く取り、片手で垂直に保持する。皿の上のふるいパンアセンブリを逆さにし、1つの連続動作でふるいと、パンと、ポリマーを含有する秤量皿とを穏やかに逆さにして、皿がふるい網の上に逆さになるようにする。アルミニウム秤量皿を含むふるい網に蓋を載せ、アセンブリをふるい振とう機に載置する。Retsch(登録商標)Vibratory Sieve Shaker AS 200制御によって、0.20mmの振幅で、ふるいアセンブリを1分間振動させる。
【0114】
次いで、非ケーキング粒子の百分率を、次の式
【0115】
【数2】
[式中、W
dはアルミニウム皿の重量であり、W
HYDはふるい分け前の水和ポリマー+アルミニウム皿の重量であり、W
PANは収集パンの重量であり、W
UNCは収集パンと水和ポリマーとの重量である]
によって決定する。
【0116】
色値(CIE色数[L,a,b])
色値の測定は、CIELAB手順(Hunterlab、第8巻、1996、第7号、1~4頁)に従って、比色計モデル「LabScan XE Spectrometer」(HunterLab;Reston;U.S.A.)によって行う。色は、3次元系の座標L、a、及びbによって記載される。Lは明度を記述し、L=0は黒であり、L=100は白である。a及びbの値は、それぞれ赤/緑、黄/青の色軸における色の位置を記載し、正のa値は赤色を表し、負のa値は緑色を表し、正のb値は黄色を表し、負のb値は青色を表す。
【0117】
YI D1925の黄色度指数(YI)(2/C)は、ASTM D-1925、2度/lll.℃に準拠して測定する。値が大きいほど、その色は暗く、より黄色である。
【0118】
組織培養皿(35mmの直径、及び10mmの高さ)及び0.5インチのポートプレート開口を用いて、試験を行った。
【0119】
色値の測定は、DIN 5033-6による三刺激法に従う。
【実施例0120】
例1(ベースポリマー)
この例は、WO2016/134905A1の例1と同様に行った。
【0121】
この方法は、WO2016/134905A1の
図1に示される、統合流動床(27)を有する同時噴霧乾燥プラントにおいて実行した。反応帯域(5)は、22mの高さ及び3.4mの直径を有した。内部流動床(IFB)は、3mの直径及び0.25mの堰高さを有した。
【0122】
乾燥ガスを、噴霧乾燥機の上部のガス分配器(3)を通じて供給した。乾燥ガスは、ダスト分離ユニット(9)としてのサイクロンと凝縮塔(12)とを経由して、部分的に再利用した(乾燥ガスループ)。乾燥ガスは、1体積%~4体積%の残留酸素を含む窒素であった。重合を開始する前に、残留酸素が4体積%を下回るまで、乾燥ガスループに窒素を充填した。反応帯域(5)における乾燥ガスのガス速度は、0.79m/秒であった。噴霧乾燥機の内部の圧力は、周囲圧力を4mbar下回った。
【0123】
反応帯域(5)を出るガスの温度を、WO2016/134905A1の
図3に示される、噴霧乾燥機の円筒部分の末端の円周周辺の3点で測定した。3つの個別の測定(43)を用いて、平均温度(噴霧乾燥機出口温度)を計算した。乾燥ガスループは加熱されており、モノマー溶液の添加が開始される。この時点から、熱交換器(20)を通じてガス入口温度を調整することによって、噴霧乾燥機出口温度を114℃に制御した。ガス入口温度は167℃であった。
【0124】
内部流動床(27)に堆積した生成物は、堰高さまで達した。105℃の温度を有する、調整済内部流動床ガスを、ライン(25)を通じて内部流動床(27)に供給した。内部流動床(27)における内部流動床ガスのガス速度は、0.65m/秒であった。生成物の滞留時間は、150分であった。内部流動床(27)における超吸収性ポリマー粒子の温度は、71℃であった。
【0125】
噴霧乾燥機排ガスを、ダスト分離ユニット(9)としてのサイクロンで濾過し、クエンチ/冷却のために凝縮塔(12)に送った。凝縮塔(12)内を(一定の)充填レベルに制御することによって、過剰な水を凝縮塔(12)からポンプで搬出した。凝縮塔(12)内の水を、熱交換器(13)によって冷却し、ガスに対して向流でポンプ輸送した。アクリル酸蒸気を洗い流すため、水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、凝縮塔(12)内の水をアルカリ性pHにした。
【0126】
凝縮塔(12)を出るガスを、乾燥ガス入口パイプ(1)、及び調整済内部流動床ガス(25)に分割した。ガス温度を、熱交換器(20)及び(22)によって制御した。高温の乾燥ガスを、ガス分配器(3)を通じて、同時噴霧乾燥機に供給した。ガス分配器(3)は、一連のプレートからなり、乾燥ガスの量に応じて、2~4mbarの圧力低下をもたらす。
【0127】
生成物を、内部流動床(27)から回転バルブ(28)を経由して、ふるい(29)に排出した。ふるい(29)は、800μm超の粒子直径を有する篩上物(overs)/塊を、ふるい分けるために用いた。
【0128】
最初にアクリル酸を3回エトキシ化されたグリセロールトリアクリレート(内部架橋剤)と、2番目に37.3重量%のアクリル酸ナトリウム溶液と、3番目に1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(HDPA)の二ナトリウム塩の水溶液と混合することによって、モノマー溶液を調製した。得られるモノマー溶液の温度を、熱交換器を用いること及びループ内でポンプ輸送することによって、10℃に制御した。ポンプ後のループ内で、250μmのメッシュサイズを有するフィルタユニットを用いた。WO2016/134905A1の
図1に示される、静止型混合機(31)及び(32)によって、ライン(33)及び(34)を経由して、開始剤を、液滴化装置上流のモノマー溶液に計量供給した。20℃の温度を有するペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液をライン(33)によって加え、一緒に、[2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド溶液をライン(34)によって加えた。各開始剤をループ内にポンプ輸送し、各液滴化ユニットに制御バルブを経由して添加した。静止型混合機(32)の後、140μmのメッシュサイズを有する第2のフィルタユニットを用いた。モノマー溶液を噴霧乾燥機の上部に添加するため、WO2016/134905A1の
図4に示されるように、3つの液滴化ユニットを用いた。
【0129】
WO2016/134905A1の
図5に示されるように、液滴化ユニットは、液滴化カセット(49)への開口を有する外側パイプ(47)からなるものであった。液滴化カセット(49)は、内側パイプ(48)と接続されていた。シーリングとしてPTFEブロック(50)を末端に有する内側パイプ(48)は、保守目的のため、プロセスの運転中に、外側パイプ(47)に押し込み及び押出すことができる。
【0130】
液滴化カセット(49)は、170μmの直径及び15mmの穿孔間隔を有する、256個の穿孔を有した。液滴化カセット(49)は、予備混合したモノマー及び開始剤の溶液を均一に分配するために不可欠な、停滞体積を有しない流路(56)、及び1つの液滴プレート(53)からなるものであった。液滴プレート(53)は、3°の角度を有する傾斜構成を有していた。液滴プレート(53)は、ステンレス鋼から作製され、630mmの長さ、128mmの幅、及び1mmの厚さを有していた。
【0131】
噴霧乾燥機への供給は、10.45重量%のアクリル酸、33.40重量%のアクリル酸ナトリウム、0.018重量%の3回エトキシ化されたグリセロールトリアクリレート、0.108重量%の1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(HDPA)の二ナトリウム塩、0.072重量%の[2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド、0.072重量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液(水中、15重量%)、及び水からなるものであった。中和度は71%であった。穿孔当たりの供給は、1.4kg/時であった。
【0132】
得られた超吸収性ポリマー粒子を分析した。条件及び結果を表1~3にまとめる。
【0133】
例2(本発明ではない)
例1において調製した1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマー)を、実験室用プラウシェア混合機(モデルMR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH製、パーダーボルン、ドイツ)に入れた。表4に記載するように、30gの炭酸エチレン、1.2gの硫酸アルミニウム、及び60gの脱イオン水を混合することによって、ビーカー中に表面後架橋剤溶液を調製した。200rpmの混合機速度において、1分以内にスプレーノズルによって、水溶液をポリマー粒子に噴霧した。追加で5分間、混合を継続した。生成物を取り出し、事前に150℃に加熱した別のプラウシェア混合機(モデルMR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH製、パーダーボルン、ドイツ)に移した。150℃において更に40分間混合した後、生成物を混合機から取り出し、850μmふるいを通じてふるい分けした。
【0134】
表8に記載するように、3gの乳酸アルミニウム、25mgのソルビタンモノドデカノエート(Span(登録商標)20)、及び80gの脱イオン水を混合することによって、ビーカー中に再加湿溶液を調製した。1000gのこの生成物を、事前に80℃に加熱した別のプラウシェア混合機(モデルMR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH製、パーダーボルン、ドイツ)に移した。80℃の最終温度に達した後、プラウシェア混合機の加熱をオフにし、200rpmの混合機速度において、2分以内にスプレーノズルによって、水性再加湿溶液をポリマー粒子に噴霧した。追加で13分間、混合を継続した。生成物を取り出し、850μmふるいを通じてふるい分けした。
【0135】
サンプルを分析した。配合、条件及び結果を表4及び5にまとめる。
【0136】
例3(本発明)
この例は、追加で0.18gの過酸化水素を表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0137】
例4(本発明)
この例は、追加で0.36gの過酸化水素を表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0138】
例5(本発明)
この例は、追加で0.72gの過酸化水素を表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0139】
例6(本発明)
この例は、追加で1.08gの過酸化水素を表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0140】
例7(本発明ではない)
この例は、追加で1.80gの過酸化水素を表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0141】
例8(本発明ではない)
この例は、追加で3.60gの過酸化水素を表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0142】
例9(本発明ではない)
この例は、例2に対して、追加で0.18gの過硫酸ナトリウムを表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0143】
例10(本発明ではない)
この例は、例2に対して、追加で0.36gの過硫酸ナトリウムを表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0144】
例11(本発明ではない)
この例は、例2に対して、追加で0.72gの過硫酸ナトリウムを表面後架橋剤溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0145】
例12(本発明ではない)
この例は、例2に対して、追加で0.15gの過酸化水素を再加湿溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0146】
例13(本発明ではない)
この例は、例2に対して、追加で0.30gの過酸化水素を再加湿溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0147】
例14(本発明ではない)
この例は、例2に対して、追加で0.60gの過酸化水素を再加湿溶液に加えたことを除いて、例2と同様に実行した。
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
図1は、表面後架橋剤溶液中の過酸化水素含有量に依存する、14日間、耐候性試験キャビネット中、70℃、80%相対湿度において保存した後の黄色度指数(YI D1925)を示す(例2~8)。
【0154】
図2は、表面後架橋剤溶液中の過酸化水素含有量に依存する、高荷重下吸収力(AUHL)を示す(例2~8)。