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特開2024-147809毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147809
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20241008BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241008BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q5/12
A61K8/42
A61K8/39
A61K8/34
A61Q5/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024121945
(22)【出願日】2024-07-29
(62)【分割の表示】P 2021519594の分割
【原出願日】2019-10-28
(31)【優先権主張番号】62/752,103
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521143228
【氏名又は名称】アークサーダ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】リーイー,ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,ビクター
(72)【発明者】
【氏名】ペトコフ、ジョーダン・トドロフ
(72)【発明者】
【氏名】パンブー,イライアス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アニオン界面活性剤の使用を制限しても毛髪の洗浄とコンディショニングの両方に使用できる組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、a)0.01w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤;b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル;及びc)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つの脂肪族アルコールを含有する毛髪用クレンジングコンディショナー組成物を提供する。毛髪の洗浄法についても記載する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、
a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤;
b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル界面活性剤;及び
c)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つの脂肪族アルコール
を含有する毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項2】
カチオン界面活性剤が、第四アンモニウム化合物、アミドアミン化合物又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項3】
第四アンモニウム化合物が、セチルトリメチルアンモニウム化合物、ベヘニルトリメチルアンモニウム化合物、セチルピリジニウム化合物、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、オクチルトリメチルアンモニウム化合物、ドデシルトリメチルアンモニウム化合物、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム化合物、オクチルジメチルベンジルアンモニウム化合物、デシルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ジドデシルジメチルアンモニウム化合物、ジオクタデシルジメチルアンモニウム化合物、タロウトリメチルアンモニウム化合物、二水素化タロウジメチルアンモニウム化合物、ココトリメチルアンモニウム化合物、PEG-2-オレアンモニウムクロリド又はこれらの化合物の二つ以上の混合物を含み、上記化合物のそれぞれはハロゲン化物アニオン又はスルフェートアニオンを有する、請求項2に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項4】
アミドアミン化合物が、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピル-ジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピル-ジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド-アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、又はそれらの混合物を含む、請求項2に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項5】
ポリグリセリル脂肪酸エステルが、(a)平均的に2~12分子のグリセロールで構成されたポリグリセロール成分から誘導され、そして(b)脂肪酸が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、デカオレイン酸又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項6】
ポリグリセリル脂肪酸エステルが、ラウリン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル-3;ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10;オレイン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項7】
ポリグリセリルエステルが約12~約18のHLBを有する、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項8】
ポリグリセリルエステルが、組成物の全重量を基にして、0.01w/w%~10w/w
%の量で存在する、請求項6に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項9】
アニオン界面活性剤を本質的に含まない、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項10】
脂肪族アルコールが、約C~C36炭素原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項11】
脂肪族アルコールが、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、カプリンアルコール、カプリルアルコール、セリルアルコール、セチルアルコール、シス4-t-ブチルシクロヘキサノール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、エルシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ラウリルアルコール、リナロール(リナロオール)、リグノセリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ペラルゴンアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、又はウンデシルアルコールを含む、請求項10に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項12】
カチオン界面活性剤対脂肪族アルコールの重量比が約1:1~約1:10である、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項13】
0.1w/w%~20w/w%の少なくとも一つ又は複数の界面活性剤をさらに含み、前記少なくとも一つ又は複数の界面活性剤が両性界面活性剤又はアミンオキシドを含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項14】
さらに、コンディショニング剤、香料、染料、構成補助剤、充填剤、pH調整剤、キレート化剤、フケ防止剤、殺生剤、精油、結合剤、天然抽出物、植物抽出物、有機酸、アルコール、乳化剤、天然植物原料、必須脂肪酸、保存剤、抗酸化剤、保湿剤(moisturizing agent)、又は着色剤、真珠光沢剤、安定剤、保湿剤(humectant)、発泡調節剤、増粘剤、ビ
タミン又はそれらの混合物から選ばれる添加剤を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項15】
さらに、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、サリチル酸、クリンバゾール、コールタール、硫化セレン又はそれらの混合物から選ばれるフケ防止剤を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤、b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~15w/w%の、約C~約C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、a)0.001w/w%~15w/w%のカチオン界面活性剤;b)0.01w/w%~10w/w%のラウリン酸ポリグリセリル-10、及びc)0.01w/w%~10w/w%の、約C10~C28原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、a)0.001w/w%~15w/w%のセチルトリメチルアンモニウムクロリド;b)0.01w/w%~10w/w%のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~10w/w%の、約C14~C22原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【請求項19】
毛髪の洗浄及びコンディショニングのための法であって、前記方法は、請求項1による組成物の有効量を毛髪に適用し、毛髪中で該組成物を揉み、一定時間後に毛髪を濯ぐことを含む方法。
【請求項20】
前記組成物が、a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤、b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~15w/w%の、約C~約C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項19に記載の毛髪の洗浄及びコンディショニング法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0002]本願は、2018年10月29日に出願された米国仮特許出願第62/752,103号に基づく優先権を主張し、前記出願を引用によって本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
[0004]本開示は、毛髪をコンディショニングし洗浄もする毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
[0006]従来の毛髪洗浄剤は通常アニオン界面活性剤を含有しており、これが毛髪の汚れを落とす役割を果たす。アニオン界面活性剤は、皮脂やその他の汚れを毛髪表面及び頭皮から除去することができるように、よく所望され、典型的には必要なものである。しかしながら、アニオン界面活性剤を使用して毛髪を洗浄することは、洗浄過程で毛髪及び/又は頭皮から脂質及びタンパク質を除去することにもつながる。この結果、毛髪を蘇らせるために、毛髪が必要とする毛髪用栄養剤で洗髪後にトリートメントをする必要が生じる。これは毛髪を傷めることもある。毛髪の構造は、日々の洗髪だけでなく、環境の影響(強い日射など)、機械的ストレス(ヘアドライヤーの熱の下での粗雑な髪梳きなど)、及び物理的又は化学的処理(毛髪の染色、スタイリング(shaping)又はスムージングなど)に
よってもダメージを受ける。その結果、しばしば、枝毛、切れ毛及び/又は毛髪の光沢の喪失を招く。このようにして傷んだ毛髪は、スタイリングしにくいことが多く、絡まりやすく、絡まった場合、絡まりを解きにくいことがある。
【0004】
[0007]ヘアコンディショナー又はヘアコンディショニングトリートメントは、シャンプーによって毛髪から洗い流された油分を置き換えるため、毛髪の再生のために栄養剤を与えるため、及び毛髪の洗浄によって引き起こされた毛髪への何らかのダメージを修復するために毛髪に適用される。当該技術分野においては、毛髪から油分を除去することなく、同時に毛髪に栄養を与え、毛髪を清潔に、艶やかに、ダメージなく、扱いやすくする、より穏やかな毛髪洗浄剤の提供を求めるニーズがある。
【0005】
[0008]本開示は、上記欠点のない毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物を求めるニーズに対する答えを提供する。特に、本明細書中に記載されている毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は毛髪の洗浄を提供するが、それをアニオン(スルフェート)界面活性剤を本質的に何ら含まない組成物で行う。アニオン界面活性剤を含まなければ、組成物は特に穏やかな洗浄を提供及び保証する。同時に、あらゆるタイプの毛髪、特に、脆弱毛、傷んだ髪、艶のない髪、乾燥毛、薄毛及び/又は細毛に効果的に栄養補給できるので、当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物で処理した後は、より柔らかな手触りを持ち、ボリューム、弾力及び光沢の増した毛髪になる。
【発明の概要】
【0006】
[0010]本発明は、カチオン界面活性剤、ポリグリセリルエステル、及び少なくとも一つの脂肪族アルコールを含有する毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物を提供する。これらの成分の組合せは、アニオン界面活性剤の使用を制限しても毛髪の洗浄とコンディショニングの両方に使用できる組成物を提供することが見出された。
【0007】
[0011]一側面において、本発明は、a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤;b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル界面活性剤又は乳化剤;及びc)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つの脂肪族アルコ
ールを含有する毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物を提供する。
【0008】
[0012]一態様において、カチオン界面活性剤は第四アンモニウム化合物を含有する。ここで、少なくとも一つの第四アンモニウム化合物は、セチルトリメチルアンモニウム化合物、ベヘニルトリメチルアンモニウム化合物、セチルピリジニウム化合物、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、オクチルトリメチルアンモニウム化合物、ドデシルトリメチルアンモニウム化合物、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム化合物、オクチルジメチルベンジルアンモニウム化合物、デシルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ジドデシルジメチルアンモニウム化合物、ジオクタデシルジメチルアンモニウム化合物、タロウトリメチルアンモニウム化合物、二水素化タロウジメチルアンモニウム化合物、ココトリメチルアンモニウム化合物、又はPEG-2-オレアンモニウム化合物、又はこれらの化合物の二つ以上の混合物を含む。化合物のそれぞれはハロゲン化物アニオン又はスルフェートアニオンを有することができるが、ここで上記化合物のそれぞれはハロゲン化物アニオン又はスルフェートアニオンを有する。適切なハロゲン化物は、例えばクロリド及びブロミドなどである。適切なスルフェートは例えばメトスルフェートなどである。
【0009】
[0013]別の態様において、アミドアミンは、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピル-ジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピル-ジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド-アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン又はそれらの混合物でありうる。
【0010】
[0014]更なる態様において、ポリグリセリル脂肪酸エステルは、(a)平均的に2~12分子のグリセロールで構成されたポリグリセロール成分から誘導され、そして(b)脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、又はデカオレイン酸を含有する。
【0011】
[0015]別の側面において、ポリグリセリル脂肪酸エステルは、ラウリン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル-3;ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10;オレイン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、又はカプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10の一つ又は複数を含有する。
【0012】
[0016]一つの特別な態様において、少なくとも一つのポリグリセリルエステルは約12~18のHLBを有する。一つの特別なポリグリセリル脂肪酸エステルは、約15のHLBを有するラウリン酸ポリグリセリル-10である。
【0013】
[0017]更なる側面において、本発明は、アニオン界面活性剤を本質的に含まない毛髪用クレンジング組成物を提供する。
[0018]一態様において、脂肪族アルコールは、約C~C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含有する。
【0014】
[0019]一つの特別な態様において、脂肪族アルコールは、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、カプリンアルコール、カプリルアルコール、セリルアルコール、セチル
アルコール、シス4-t-ブチルシクロヘキサノール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、エルシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ラウリルアルコール、リナロール(リナロオール)、リグノセリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ペラルゴンアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、又はウンデシルアルコールを含有する。
【0015】
[0020]更なる態様において、カチオン界面活性剤対脂肪族アルコールの重量比は約1:1~1:10である。
[0021]さらに別の態様において、当該組成物はさらに、コンディショニング剤、香料、染料、構成補助剤(structuring aid)、充填剤、pH調整剤、キレート化剤、フケ防止剤
、殺生剤、精油、結合剤、天然抽出物、植物抽出物、有機酸、アルコール、乳化剤、天然植物原料、必須脂肪酸、保存剤、抗酸化剤、保湿剤(moisturizing agent)、又は着色剤、真珠光沢剤、安定剤、保湿剤(humectant)又は発泡調節剤、増粘剤、又はビタミンから選
ばれる一つ又は複数の添加剤を含有する。
【0016】
[0022]一つの特別な態様において、当該組成物は、a)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つのカチオン界面活性剤、b)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つ又は複数のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~15w/w%の約C8~C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含有し、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない。
【0017】
[0023]別の側面において、本発明は毛髪の洗浄法も提供し、前記方法は、請求項1による組成物の有効量を毛髪に加え、毛髪を揉み洗いし、反応時間後に毛髪を濯ぐことを含む。
【0018】
[0024]これら及びその他の側面は、本発明の詳細な説明を読めば明白になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0026]今回、驚くべきことに、カチオン界面活性剤、ポリグリセリルエステル、及び少なくとも一つの脂肪族アルコールを含有する毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物を調製できることが見出された。この毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は“クレンジングコンディショナー”とも呼ばれる。該組成物は、刺激の強いアニオン界面活性剤の必要なしに毛髪及び頭皮を洗浄できるという利点を有する。一態様において、当該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない。ポリグリセリルエステルを非イオン界面活性剤として添加することで、毛髪のトリートメントのためのコンディショニング特性を損なうことなく洗浄の改良が提供される。当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、毛髪中の天然油分を保持するために組成物で毛髪を処理することを可能にし、毛髪に艶、光沢及び健康を取り戻す。さらに、当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング剤は、他の毛髪用クレンジング及びコンディショニング剤と比べて、染色又は他の方法で着色された毛髪に対してより優しく;毛髪が適用色を保持することを可能にする。
【0020】
[0027]本明細書中で使用されている用語“本質的に含まない”は、本明細書においてはアニオン(スルフェート)界面活性剤の含量が1w/w%未満、より適切には最大約0.50w/w%、特に最大約0.10w/w%であり、そして最も特別にはアニオン界面活性剤を全く含まないことを指す。
【0021】
[0028]本開示の一側面において、a)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つのカチオン界面活性剤;b)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つ又は複数の非イオン界面活性剤(ここで、少なくとも一つの非イオン界面活性剤はポリグリセリ
ルエステルを含む);及びc)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つの脂肪族アルコールを含有する毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物を提供する。これらの成分の量は合計100%にならないが、組成物中には担体又は溶媒などのその他の成分が存在しうるので、残りが補填されて100%になる。下記のその他成分もクレンジングコンディショナー組成物中に存在することができる。例えば、本発明は、a)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つのカチオン界面活性剤(ここで、少なくとも一つのカチオン界面活性剤は を含む);b)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つ又は複数の非イオン界面活性剤(ここで、少なくとも一つの非イオン界面活性剤はポリグリセリルエステルを含む);c)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つの脂肪族アルコール、及びd)水性又は非水性溶媒(ここで、全組成物は100%に等しくなる)を含有する毛髪用クレンジング組成物について記載する。
【0022】
[0029]カチオン界面活性剤は、これらに限定されないが、第四アンモニウム化合物、エステル四級塩(esterquat)、アミドアミン、アミド結合を有するアミン、ポリオキシエチ
レンアルキル&脂環式アミン、4-n,n,n’,n’テトラキス置換エチレンジアミン;2-アルキル 1-ヒドロキシエチル 2-イミダゾリン、それらの組合せなどでありうる。さらに、第四アンモニウム化合物は、CTFA(米国化粧品工業界)名クオタニウム(Quaternium)-5、クオタニウム-31又はクオタニウム-18などを有する材料を含みうる。適切には、組成物は、第四アンモニウム化合物、アミドアミン化合物又はそれらの混合物を含有する。
【0023】
[0030]例示的な第四アンモニウム化合物は、第四級のセチルトリメチルアンモニウム化合物、ベヘニルトリメチルアンモニウム化合物、セチルピリジニウム化合物、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、オクチルトリメチルアンモニウム化合物、ドデシルトリメチルアンモニウム化合物、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム化合物、オクチルジメチルベンジルアンモニウム化合物、デシルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ジドデシルジメチルアンモニウム化合物、ジオクタデシルジメチルアンモニウム化合物、タロウトリメチルアンモニウム化合物、二水素化タロウジメチルアンモニウム化合物、ココトリメチルアンモニウム化合物、PEG-2-オレアンモニウム化合物又はこれらの化合物の二つ以上の混合物などである。化合物のそれぞれはハロゲン化物アニオン又はスルフェートアニオンを有することができるが、ここで上記化合物のそれぞれはハロゲン化物アニオン又はスルフェートアニオンを有する。適切なハロゲン化物は、例えばクロリド及びブロミドなどである。適切なスルフェートは例えばメトスルフェートなどである。
【0024】
[0031]典型的には、クロリド化合物がパーソナルケア剤に使用されている。クロリド第四アンモニウム化合物の例は、例えば、これらに限定されないが、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、及び/又はトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、二水素化タロウジメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG-2-オレアンモニウムクロリド又はそれらの混合物などである。
【0025】
[0032]適切には、第四アンモニウム化合物のセチルトリメチルアンモニウムクロリド(
例えばCarsoquat CT429として市販、Lonza社);ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(例えばGENAMIN KDMPとして市販、Clariant社);それらの組合せが、本開示の組成物においては特に興味深い。
【0026】
[0033]毛髪用クレンジング組成物は少なくとも一つのアミドアミンを含みうる。アミドアミンの例は、これらに限定されないが、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピル-ジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピル-ジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド-アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、又はそれらの混合物などである。
【0027】
[0034]アミドアミンの適切な例は、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、それらの混合物などである。
[0035]適切なエステル四級塩(esterquat)は、これらに限定されないが、脂肪酸とトリ
エタノールアミンとの四級化エステル塩、脂肪酸とジエタノールアルキルアミンとの四級化エステル塩、及び脂肪酸と1,2-ジヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの四級化エステル塩などである。エステル四級塩の例は、これらに限定されないが、商標Stepantex(登録商標)、Dehyquart(登録商標)及びArmocare(登録商標)などである。製品Armocare(登録商標)VGH-70、N,N-ビス(2-パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド、ならびにDehyquart(登録商標)F-75、Dehyquart(登録商標)C-4046、Dehyquart(登録商標)L80及びDehyquart(登録商標)AU-35がそのような四級塩の例である。
【0028】
[0036]典型的には、カチオン界面活性剤は、組成物全体の重量を基にして、0.01w/w%~20w/w%の量;適切には0.01w/w%~15w/w%の量;及び望ましくはより適切には0.1w/w%~10w/w%の量で存在しうる。
【0029】
[0037]クレンジング及びコンディショニング組成物はポリグリセリル脂肪酸エステルを含有する。毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物中のポリグリセリル脂肪酸エステルは、典型的には、毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物の全重量を基にして、約0.01w/w%~約20w/w%、より典型的には約0.10w/w%~約10w/w%、特に約0.50w/w%~約7.00w/w%の量で存在する。
【0030】
[0038]本発明に使用できるポリグリセリルエステルは、飽和、不飽和、天然又は合成脂肪酸などから形成できる。例えば、飽和脂肪酸は、これらに限定されないが、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、デカオレイン酸、それらの組合せ、それらの誘導体などである。
【0031】
[0039]さらに、ポリグリセリルエステルは、(a)平均的に2~12分子のグリセロールで構成されたポリグリセロール成分と、(b)カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、デカオレイン酸、それらの混合物などからなる群から選ばれる脂肪酸から誘導される。
【0032】
[0040]HLB値1~9又は10~16を有するポリグリセリルエステルの例は、これらに限定されないが、モノデカオレイン酸ポリグリセリル、例えばデカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノオレイン酸ポリグリセリル、例えばモノオレイン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-3、モノオレイン酸ポリグリセリル-4、モノオレイン酸ポリグリセリル-6、又はモノオレイン酸ポリグリセリル-10;ジオレイン酸ポリグリセリル、例えばジオレイン酸ポリグリセリル-2、ジオレイン酸ポリグリセリル-3、ジオレイン酸ポリグリセリル-5、ジオレイン酸ポリグリセリル-6又はジオレイン酸ポリグリセリル-10;トリオレイン酸ポリグリセリル、例えばトリオレイン酸ポリグリセリル-5又はトリオレイン酸ポリグリセリル-10;テトラオレイン酸ポリグリセリル、例えばテトラオレイン酸ポリグリセリル-2、テトラオレイン酸ポリグリセリル-6、又はテトラオレイン酸ポリグリセリル-10;ペンタオレイン酸ポリグリセリル、例えばペンタオレイン酸ポリグリセリル-4、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-6、又はペンタオレイン酸ポリグリセリル-10;ヘプタオレイン酸ポリグリセリル、例えばヘプタオレイン酸ポリグリセリル-6、ヘプタオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル、例えばモノステアリン酸ポリグリセリル-2、モノステアリン酸ポリグリセリル-3、モノステアリン酸ポリグリセリル-4、モノステアリン酸ポリグリセリル-5、モノステアリン酸ポリグリセリル-6又はモノステアリン酸ポリグリセリル-10;ジステアリン酸ポリグリセリル、例えばジステアリン酸ポリグリセリル-2、ジステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸ポリグリセリル-4、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、又はジステアリン酸ポリグリセリル-10;トリステアリン酸ポリグリセリル、例えばトリステアリン酸ポリグリセリル-4、トリステアリン酸ポリグリセリル-5、トリステアリン酸ポリグリセリル-6、又はトリステアリン酸ポリグリセリル-10;テトラステアリン酸ポリグリセリル、例えばテトラステアリン酸ポリグリセリル-2;ペンタステアリン酸ポリグリセリル、例えばペンタステアリン酸ポリグリセリル-4、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-6、又はペンタステアリン酸ポリグリセリル-10;ヘプタステアリン酸ポリグリセリル、例えばヘプタステアリン酸ポリグリセリル-10;イソステアリン酸ポリグリセリル、例えばイソステアリン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、イソステアリン酸ポリグリセリル-6、又はイソステアリン酸ポリグリセリル-10;ジイソステアリン酸ポリグリセリル、例えばジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-4、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-6、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、又はジイソステアリン酸ポリグリセリル-15;トリイソステアリン酸ポリグリセリル、例えばトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-3、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-5、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-10;テトライソステアリン酸ポリグリセリル、例えばテトライソステアリン酸ポリグリセリル-2;カプリル酸ポリグリセリル、例えばカプリル酸ポリグリセリル-2、カプリル酸ポリグリセリル-3、カプリル酸ポリグリセリル-4、カプリル酸ポリグリセリル-6、又はカプリル酸ポリグリセリル-10;ジカプリル酸ポリグリセリル、例えばジカプリル酸ポリグリセリル-5;セスキカプリル酸ポリグリセリル、例えばセスキカプリル酸ポリグリセリル-2;オクタカプリル酸ポリグリセリル、例えばオクタカプリル酸ポリグリセリル-6;カプリン酸ポリグリセリル、例えばカプリン酸ポリグリセリル-2、カプリン酸ポリグリセリル-3、カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリン酸ポリグリセリル-5、カプリン酸ポリグリセリル-6、カプリン酸ポリグリセリル-10;ジカプリン酸ポリグリセリル、例えばジカプリン酸ポリグリセリル-3又はジカプリン酸ポリグリセリル-6;カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル、例えばカプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-6、又はカプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10;パルミチン酸ポリグリセリル、例えばパルミチン酸ポリグリセリル-2、パルミチン酸ポリグリセリル-3、パルミチン酸ポリグリセリル-6又はパルミチン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル、例えばジパルミチン酸ポリグリセリル-6
又はジパルミチン酸ポリグリセリル-10;テトラベヘン酸ポリグリセリル、例えばテトラベヘン酸ポリグリセリル-6;ミリスチン酸ポリグリセリル、例えばミリスチン酸ポリグリセリル-6又はミリスチン酸ポリグリセリル-10;リシノール酸ポリグリセリル、例えばポリリシノール酸ポリグリセリル-6又はリシノール酸ポリグリセリル-10;それらのその他の誘導体、又はそれらの混合物などである。
【0033】
[0041]様々な形態の様々なポリグリセリルエステルが使用できる。具体的には、ラウリン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル-3;ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10;オレイン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10、又はそれらの混合物である。典型的には、クレンジング及びコンディショニング組成物は、ポリグリセリル脂肪酸エステル成分としてラウリン酸ポリグリセリル-10を含有するのが有益である。典型的には、組成物は、約12~18のHLBを有する少なくとも一つのポリグリセリルエステルを含む。
【0034】
[0042]ポリグリセリルエステルに加えて、他の非イオン(ノニオン)界面活性剤もポリグリセリルエステルと組み合わせて使用することができる。適切な非イオン界面活性剤の例は、これらに限定されないが、アルキル(オリゴ)グリコシド、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、ソルビタンエステル、エトキシ化エステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エトキシ化誘導体、ポリオキシエチレン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、それらの組合せなどである。
【0035】
[0043]アルキル(オリゴ)グリコシドの例は、これらに限定されないが、カプリリル/カプリルグリコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド及び/又はココグルコシド、それらの混合物などである。
【0036】
[0044]非イオン界面活性剤の割合は、ポリグリセリルエステルを含めて、典型的には、毛髪用クレンジングコンディショナーの全重量を基にして、約0.01w/w%~約20w/w%、さらに適切には約0.10w/w%~約10w/w%、特に望ましくは約0.50w/w%~約7.00w/w%の重量割合である。例えば、アミンオキシドのような追加の非イオン界面活性剤がポリグリセリルエステル界面活性剤と組み合わせて使用できる。アミンオキシドの例は、これらに限定されないが、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチル-アミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチル-アミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピル-ジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド-アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン又はそれらの組合せなどである。
【0037】
[0045]アミンオキシドの適切な例は、商品名LEXAMINE S-13(Inolex社製、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)及び商品名AMIDOAMINE MSP(Nikko社製、日本・東京)のステアラミドプロピルジメチルアミン;商品名AMIDOAMINE S(Nikko社製)のステアラミドエチルジエチルアミン;商品名INCROMINE BB(Croda社製、英国ノースハンバーサイド)のベヘンアミドプロピルジメチルアミン;及び商品名SCHERCODINEシリーズ(Scher社製、米国ニュージャージー州クリフトン)の各種アミドアミン、又はそれらの混合物などである。
【0038】
[0046]カチオン界面活性剤及びポリグリセリルエステル化合物及びその他の非イオン界面活性剤(存在する場合)に加えて、当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、さらに、約C~C36炭素原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含有する。典型的には、脂肪族アルコールは、約C10~C22炭素原子の炭素鎖長;又は望ましくは約C14~C22炭素原子の炭素鎖長を含む。
【0039】
[0047]脂肪族アルコールの例示的な例は、これらに限定されないが、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール(palmoleyl alcohol)、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイル
アルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール(petroselinyl alcohol)、リノイルアルコール(linoyl alcohol)、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール(elaeostearyl alcohol)、アラキルアルコール(arachyl alcohol)、ガドレイル
アルコール(gadoleyl alcohol)、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール(brassidyl alcohol)、又はそれらの混合物などである。エタノール、1,
2-プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ベンジルアルコール及び/又はフェノキシエタノール又はそれらの混合物などのような水溶性アルコールが好適である。
【0040】
[0048]適切には、脂肪族アルコールは、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、カプリンアルコール、カプリルアルコール、セリルアルコール、セチルアルコール、シス4-t-ブチルシクロヘキサノール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、エルシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ラウリルアルコール、リナロール(リナロオール)、リグノセリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ペラルゴンアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、ウンデシルアルコール、又はそれらの組合せから選ばれる。
【0041】
[0049]毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、該組成物の全重量を基にして0.01w/w%~15w/w%の量;適切には0.1w/w%~10w/w%の量;又は望ましくは該組成物の全重量を基にして0.25w/w%~7w/w%の量で存在する脂肪族アルコールを含む。
【0042】
[0050]さらに、毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、カチオン界面活性剤対脂肪族アルコールの重量比1:1~1:10の範囲;典型的にはカチオン界面活性剤対脂肪族アルコールの重量比1:1.5~1:8、さらに典型的には1:2~1:5で存在するカチオン界面活性剤と脂肪族アルコールを含有しうる。
【0043】
[0051]前述のように、毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、組成物中の成分として溶媒又は担体を含有しうる。溶媒又は担体の一例は水性溶媒などで、それらは、これらに限定されないが、水、水性アルコール、アンモニア水、酸溶液、塩溶液、水混和性有機溶媒、ポリヒドロキシアルコール(例えば、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、パンテノール及び糖);尿素、アルファ-ヒドロキシ酸及びその塩;ならびに分子量20,000未満の低分子量ポリエチレングリコール;水溶性又は水分散性ポリマー;又はそれらの混合物などである。
【0044】
[0052]本明細書において、用語“水性アルコール”は、C~C炭素原子と少なくとも一つのヒドロキシル基を有する飽和、不飽和、直鎖又は分枝炭化水素鎖を指し、ここで炭化水素鎖は任意に1個又は数個のヘテロ原子(例えば酸素又は硫黄)を含んでいてもよい。
【0045】
[0053]非水性溶媒の例は、これらに限定されないが、非水性アルコール、1価又は多価アルコール、アルカノールアミン、又はグリコールエーテル、水に非混和性の任意の物質、それらの混合物などである。
【0046】
[0054]あるいは、本組成物の別の側面において、毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、さらに、0.1w/w%~20w/w%の追加の界面活性剤、例えば両性界面活性剤、両性/双性イオン界面活性剤又はそれらの混合物を含有してもよい。一般に、当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、前述のように刺激の強いアニオン界面活性剤は含まない。
【0047】
[0055]例示的な両性/双性イオン界面活性剤の例は、これらに限定されないが、アンホ酢酸アルキル (alkyl amphoacetate)、アンホ二酢酸アルキル、スルタイン(sultaine)、
アンホスルホネート、ベタイン、アンホプロピオン酸アルキル、アンホ二プロピオン酸アルキル又はそれらの混合物などである。
【0048】
[0056]適切な両性界面活性剤は、これらに限定されないが、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ココベタイン、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、それらの混合物などである。
【0049】
[0057]様々な追加成分が毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物に含まれうる。これらの追加成分は、例えば、コンディショニング剤、香料、染料、構成補助剤(structuring aid)、充填剤、pH調整剤、キレート化剤、フケ防止剤、殺生剤、精油、結合
剤、天然抽出物、植物抽出物、有機酸、アルコール、乳化剤、天然植物原料、必須脂肪酸、保存剤、抗酸化剤、保湿剤(moisturizing agent)、又は着色剤、真珠光沢剤、安定剤、保湿剤(humectant)又は発泡調節剤、増粘剤、又はビタミンなどである。典型的には、任
意のバリエーションの追加成分が毛髪用クレンジング組成物中に約50w/w%までの量で存在しうる。
【0050】
[0058]フケ防止剤の例は、これらに限定されないが、スピクリスポール酸(spiculisporic acid)又はその塩;精油、天然抽出物、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン又は二硫化セレン、アセチルサリチル酸、ヒドロキシピリジノン又はその誘導体[例えば、2(1H)-ピリジノン、1-ヒドロキシ-6-(オクチルオキシ)-;2(1H)-ピリジノン、2-アミノエタノールとの1-ヒドロキシ-6-(オクチルオキシ)-化合物(1:1)];ヒドロキシピリミジノン誘導体、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、ピリチオン誘導体又はその塩(例えば、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、スズ及びジルコニウム塩);ビスピリチオン、オクテニジン又はその塩;アゾール化合物(例えば、クリンバゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、イソコナゾール及びミコナゾール);セレン又はその塩、サリチル酸又はその塩、又はティーツリーオイル;抗真菌性ポリマー(例えば、アムホテリシンB又はナイスタチン;エラグ酸、そのエーテル、エラグ酸塩及びそのエーテル塩(例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、特にナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウム塩));様々な形態の硫黄、硫化カドミウム、アラントイン、コールタール又は木タール及びそれらの誘導体;ウンデシレン酸、フマル酸、及びテルビナフィン(terbinafme)のようなアリルアミン;抗真菌性ペプチド(例えば、シリンゴマイシン、シリンゴスタチン、シリンゴトキシン、ニッコマイシン、エキノカンジン、ニューモカンジン(pneumocadins)、アクレアシン、ムルンドカンジン(mulundocadins)、セクロピン、α-
ディフェンシン、β-ディフェンシン、ノビスピリン、及びそれらの混合物);又はそれ
らの組合せなどである。
【0051】
[0059]本発明の一側面において、毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物はフケ防止剤を含有し、さらにピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、サリチル酸、クリンバゾール、コールタール、硫化セレン又はヒドロキシピリジノン又はそれらの誘導体を含む。
【0052】
[0060]保存剤の例は、これらに限定されないが、安息香酸又はその塩、ベンジルアルコール、ソルビン酸又はその塩、パラベン、デヒドロ酢酸、ブロノポール、トリクロサン、イミダゾリジニル尿素、ポリアミノプロピルビグアニド(PHMB)、フェノキシエタノール、ヒダントイン(すなわちDMDMH)、イソチアゾロン、クロルヘキシジン、ジアゾリジニル尿素、クロルフェネシン、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、塩化ベンゼトニウム、エチルヘキシルグリセロール、IPBC(ヨードプロピニルブチルカルバメート)、サリチル酸又はその塩、カリウム塩、天然酸などである。
【0053】
[0061]例えば、所望であれば、毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、a)0.001w/w%~20w/w%の少なくとも一つのカチオン界面活性剤、b)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つ又は複数のポリグリセリルエステル、c)0.01w/w%~15w/w%の、約C~C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコール;d)溶媒又は担体、及びe)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つのフケ防止剤を含有しうる。さらに、当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、本質的にアニオン界面活性剤を含まず、典型的にはアニオン界面活性剤を全く含まない。
【0054】
[0062]典型的には、毛髪用クレンジング組成物は、a)0.001w/w%~20w/w%の少なくとも一つのカチオン界面活性剤、b)0.01w/w%~20w/w%の少なくとも一つ又は複数のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~15w/w%の、約C~C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含みうる。ここで、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない。
【0055】
[0063]適切には、毛髪用クレンジング組成物は、a)0.001w/w%~15w/w%の少なくとも一つのカチオン界面活性剤;b)0.01w/w%~10w/w%の少なくとも一つ又は複数のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~10w/w%の、約C~C28原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含みうる。ここで、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない。
【0056】
[0064]別の側面において、本発明は、毛髪を洗浄及びコンディショニングするための方法を提供する。該方法は、有効量の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物を毛髪に加えることを含む。その後、毛髪を該組成物で揉み洗いし、一定時間後に毛髪を濯ぐ。典型的には、揉み洗い時間は5秒~5分間であり、濯ぎは過剰の組成物を毛髪から除去するために一定時間実施する。
【0057】
[0065]当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物は、穏やかに洗浄し、毛髪から汚れや皮脂を効果的に除去する一方、傷んだ、絡まった又は光沢のない毛髪のために毛髪及び頭皮の非常に効果的なケアを提供するのに有用である。本明細書中の例示的態様による毛髪用クレンジングコンディショナーは、従来方式の洗い流し型製品、例えば栄養シャンプー及び/又は起泡性の洗い流し型栄養コンディショナー(foaming, rinse-off nourishing conditioner)である。
【0058】
[0066]他の態様において、本明細書において想定している毛髪用クレンジングコンディ
ショナーは、クレンジングヘアフォーム(cleansing hair foams)として適用される。これによって、毛髪用クレンジングコンディショナーの特に良好な分配性と投与性(dosability)が保証される。その結果として、毛髪用クレンジングコンディショナーの特に良好な分配と投与が確保される。本明細書において想定している毛髪用クレンジングコンディショナーは、スルフェートアニオン界面活性剤に基づく従来型栄養シャンプーと比べて、改良された毛髪適合性(親和性)を有する。
【0059】
[0067]当該毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物の他の利点は、該配合物が染色毛又は着色毛に対して低刺激であることである。当該毛髪用クレンジングコンディショナーは、染毛からの脱色が起こりにくいことが見出されている。
【0060】
[0068]以下の実施例で本発明を制限なしに説明する。すべての部及びパーセンテージは、別段の指示がない限り重量による。
[0069]以下の実施例中に記載されている構成要素のそれぞれ、又は二つ以上の構成要素が一緒になったものも、上記のタイプとは異なる他のタイプの方法において有用な用途を見出しうることは理解されるであろう。更なる分析がなくても、前述の説明は本開示の主旨を十分に明らかにしているので、他者は、現在の知識を適用することにより、特徴、すなわち、先行技術の観点から、添付の特許請求の範囲に示されている本開示の一般的又は特定の側面の本質的特徴を適正に構成している特徴を省略することなく、それを様々な用途に容易に適応させることが可能である。
【実施例0061】
[0070]実施例1
表1に示されている成分を混合することにより、クレンジングコンディショナーを調製した。すべてのパーセンテージは重量パーセントである。
【0062】
【表1】
【0063】
[0071]配合物を2.5gの人毛ヘアピース(かもじ)(human hair switches)で試験し
た。毛髪の汚れをシミュレートするために各ヘアピースに適用された1gの5%皮脂溶液でヘアピースを処理した。各ヘアピースを梳かし、一晩乾燥させた。翌日、汚れたヘアピースを表1に示された組成物0.5gで処理した。各ヘアピースを30秒間洗浄し、水で30秒間濯いだ。水は毛髪に38℃、4リットル/分の速度で適用された。
【0064】
[0072]12人のパネリストの委員会で、どのヘアピースが他よりも視覚的にきれいに(清浄に)見えるかについて、6個のヘアピースを選ばせた。全パネリストが、実施例1の組成物で処理されたヘアピースを最も清浄に見えるとして選択した。次に、パネリストに、毛髪に触れてどの毛髪を最も清浄と感じたかを決定するように求めた。72人中71人が実施例1で処理された毛髪を対照組成物で処理された毛髪より清浄と感じたとして選択した。これはp<0.001で統計的に有意である。実施例1の組成物で処理された毛髪は、対照よりも視覚的に清浄で、感触的にも清浄なようであった。
【0065】
[0073]実施例2
表1に示されている同じ組成物を用いて毛束(かつら)(hair tresses)を処理した。処理された毛束を、湿潤状態での梳り(くしけずり)やすさを測定する梳り(コーミング)アタッチメント付きDiastron MTT175に入れた。櫛(コーム)を湿った毛束に通しながら、ロードセルでそうするのに要する力を測定する。この情報により、我々は湿った毛束を梳るためになされた仕事を計算することが可能となる。実施例1の組成物と対照配合物のどちらも、基本洗浄対照(base-wash control)と比較した場合、湿潤コー
ミングでなされた仕事の有意な減少を示し、表1に示された対照コンディショナーと同等の性能を示した。ポリグリセリルエステルを含有する配合物は対照例と全く同様に容易に梳ることができ、ポリグリセリルエステルが実施例1で処理された毛髪の湿潤状態での梳りやすさを低減していないことを示している。
【0066】
[0074]実施例3
表に示されている成分を混合することにより表2の組成物を調製した。実施例1の試験を繰り返したが、委員会なしで、処理されたヘアピースの観察だけを用いた。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例3-C1:対照コンディショナーベース、コンディショニング利益のみを示す
実施例3-:本発明による組成物、洗浄とコンディショニング両方の利益を示す
実施例3-C2:ベース+ココアミンオキシド、コンディショニング利益は示すが洗浄利益なし
実施例3-C3:ベース+ポリソルベート20、コンディショニングを喪失した洗浄利益
[0075]上記実施例は、ポリグリセリルエステルとカチオン界面活性剤の組合せを用いて得られた独自の特性の組合せを示している。同じ結果は、他の非イオン界面活性剤では得られない。
【0069】
[0076]実施例4
実施例1の組成物を、水、セテアリルアルコール、ベヘントリモニウムクロリド、ココ-ベタイン、変性バレイショデンプン、グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、トコフェロール、ココヤシ油(ココナツ)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェノキシル=エタノール(phenoxyr=ethanol)、エチルヘキシルメトキシシンナメート、トリデセス-6、ポリクオタニウム-7、ポリアマニ油、フマル酸、ベンジルアルコール、サリチル酸ベンジル、リナロール、ベンゾフェノン-4、アモジメチコン、イソプロピルアルコール、アルファ-イソメチルイオノン、ゲラニオール、セチルヒドロキシエチルセル
ロース、ブチルフェニルメチルプロピオナール、シトロネロール、セトリモニウムクロリド、クエン酸、BHT、ヘキシルシンナマル、グリセリン、香料を含有する市販の低シャンプー低刺激クレンジングクリームと比較する。実施例1の試験を繰り返した。パネリストは、58のうち45の選択で、実施例1を最も清浄な感触を有するとして選択した。
【0070】
[0077]実施例5
実施例1の配合物を、ロレアル(L’Oreal)社から染毛用の“カラープロテクトシャンプー”及び “カラープロテクトクレンジングコンディショナー”として販売されている市
販配合物と比較した。ヘアピースを脱色し、66/46 Vibrant赤色染料で着色した。毛髪の色(L、a及びb)を数回の洗浄にわたって測定し、実施例1と同じ方法で、何らかの処理が経時的に毛髪色の総体的変化(ΔE)を縮小したかどうか、すなわち色保護利益を提供できたかどうかを決定した。結果は、5~7回の洗浄後、ロレアルカラープロテクトシャンプーと比べた場合、1%の10-1-L Polyaldoを含有するクレンジングコンディショナーが著しく良好な色保護を提供することを示している。結果を表3に示す。実施例1の組成物は、3、5及び7回の洗浄後、市販製品より著しく良好である。
【0071】
【表3】
【0072】
[0078]以上本発明をその特定の態様を参照しながら説明してきたが、本明細書中に開示されている発明概念から逸脱することなく多くの変更、修正及び変形が可能であることは明白である。従って、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に入るすべてのそのような変更、修正、及び変形も本発明に包含されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、
a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤;
b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル界面活性剤;及び
c)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つの脂肪族アルコール
を含有する毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
[0078]以上本発明をその特定の態様を参照しながら説明してきたが、本明細書中に開示されている発明概念から逸脱することなく多くの変更、修正及び変形が可能であることは明白である。従って、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に入るすべてのそのような変更、修正、及び変形も本発明に包含されるものとする。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、
a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤;
b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル界面活性剤;及び
c)0.01w/w%~15w/w%の少なくとも一つの脂肪族アルコール
を含有する毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項2]
カチオン界面活性剤が、第四アンモニウム化合物、アミドアミン化合物又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項3]
第四アンモニウム化合物が、セチルトリメチルアンモニウム化合物、ベヘニルトリメチルアンモニウム化合物、セチルピリジニウム化合物、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、オクチルトリメチルアンモニウム化合物、ドデシルトリメチルアンモニウム化合物、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム化合物、オクチルジメチルベンジルアンモニウム化合物、デシルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム化合物、ジドデシルジメチルアンモニウム化合物、ジオクタデシルジメチルアンモニウム化合物、タロウトリメチルアンモニウム化合物、二水素化タロウジメチルアンモニウム化合物、ココトリメチルアンモニウム化合物、PEG-2-オレアンモニウムクロリド又はこれらの化合物の二つ以上の混合物を含み、上記化合物のそれぞれはハロゲン化物アニオン又はスルフェートアニオンを有する、請求項2に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項4]
アミドアミン化合物が、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピル-ジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピル-ジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド-アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、又はそれらの混合物を含む、請求項2に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項5]
ポリグリセリル脂肪酸エステルが、(a)平均的に2~12分子のグリセロールで構成されたポリグリセロール成分から誘導され、そして(b)脂肪酸が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、デカオレイン酸又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項6]
ポリグリセリル脂肪酸エステルが、ラウリン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル-3;ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10;オレイン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項7]
ポリグリセリルエステルが約12~約18のHLBを有する、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項8]
ポリグリセリルエステルが、組成物の全重量を基にして、0.01w/w%~10w/w%の量で存在する、請求項6に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成
物。
[請求項9]
アニオン界面活性剤を本質的に含まない、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項10]
脂肪族アルコールが、約C~C36炭素原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項11]
脂肪族アルコールが、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、カプリンアルコール、カプリルアルコール、セリルアルコール、セチルアルコール、シス4-t-ブチルシクロヘキサノール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、エルシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ラウリルアルコール、リナロール(リナロオール)、リグノセリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ペラルゴンアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、又はウンデシルアルコールを含む、請求項10に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項12]
カチオン界面活性剤対脂肪族アルコールの重量比が約1:1~約1:10である、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項13]
0.1w/w%~20w/w%の少なくとも一つ又は複数の界面活性剤をさらに含み、前記少なくとも一つ又は複数の界面活性剤が両性界面活性剤又はアミンオキシドを含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項14]
さらに、コンディショニング剤、香料、染料、構成補助剤、充填剤、pH調整剤、キレート化剤、フケ防止剤、殺生剤、精油、結合剤、天然抽出物、植物抽出物、有機酸、アルコール、乳化剤、天然植物原料、必須脂肪酸、保存剤、抗酸化剤、保湿剤(moisturizing agent)、又は着色剤、真珠光沢剤、安定剤、保湿剤(humectant)、発泡調節剤、増粘剤、
ビタミン又はそれらの混合物から選ばれる添加剤を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項15]
さらに、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、サリチル酸、クリンバゾール、コールタール、硫化セレン又はそれらの混合物から選ばれるフケ防止剤を含む、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項16]
請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤、b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~15w/w%の、約C~約C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項1に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項17]
請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、a)0.001w/w%~15w/w%のカチオン界面活性剤;b)0.01w/w%~10w/w%のラウリン酸ポリグリセリル-10、及びc)0.01w/w%~10w/w%の、約C10~C28原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項18]
請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物であって、a)0.001w/w%~15w/w%のセチルトリメチルアンモニウムクロリド;b)0.01w/w%~10w/w%のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~10w/w%の、約C14~C22原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項16に記載の毛髪用クレンジング及びコンディショニング組成物。
[請求項19]
毛髪の洗浄及びコンディショニングのための方法であって、前記方法は、請求項1による組成物の有効量を毛髪に適用し、毛髪中で該組成物を揉み、一定時間後に毛髪を濯ぐことを含む方法。
[請求項20]
前記組成物が、a)0.001w/w%~20w/w%のカチオン界面活性剤、b)0.01w/w%~20w/w%のポリグリセリルエステル、及びc)0.01w/w%~15w/w%の、約C~約C36原子の炭素鎖長を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコールを含み、該組成物は本質的にアニオン界面活性剤を含まない、請求項19に記載の毛髪の洗浄及びコンディショニングのための方法。
【外国語明細書】