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特開2024-147828植物性タンパク質及びメタリン酸カリウムを含む食品組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147828
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】植物性タンパク質及びメタリン酸カリウムを含む食品組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 11/00 20210101AFI20241008BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20241008BHJP
   A23L 11/60 20210101ALN20241008BHJP
【FI】
A23L11/00 Z
A23L11/00 F
A23J3/14
A23L11/60
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024125052
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2020573106の分割
【原出願日】2019-07-03
(31)【優先権主張番号】18305869.2
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591169401
【氏名又は名称】ロケット フレール
【氏名又は名称原語表記】ROQUETTE FRERES
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】伊東 護一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マメ科植物タンパク質をベースとする、改善された官能特性を有し、特にザラザラした口当たりが低下した、飲料用の粉末混合物の食品組成物、前記組成物を得るためのプロセス、並びに特に食品加工分野及び最も特別には食品調製物の調製におけるそれらの使用を提供する。
【解決手段】植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質及びメタリン酸カリウムを含むことを特徴とする、乾燥食品組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質及びメタリン酸カリウムを含むことを特徴とする、乾燥食品組成物。
【請求項2】
前記組成物中のメタリン酸カリウムの量は、前記組成物の乾燥重量に基づいて、0.008重量%~33重量%、好ましくは0.01重量%~20重量%、より好ましくは0.025~8重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物がメタリン酸ナトリウムを更に含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物中のメタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムの総量は、前記組成物の前記乾燥重量に基づいて、0.01重量%~8重量%、好ましくは0.02重量%~6重量%、より好ましくは0.025重量%~5重量%であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物中のメタリン酸カリウム及びメタリン酸ナトリウムの前記総重量に基づくメタリン酸カリウムの重量%は、2%~80%、好ましくは5%~60%、一層より好ましくは10%~50%である、請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項6】
マメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質及びメタリン酸カリウムを混合するステップを含む乾燥食品組成物を調製するためのプロセス。
【請求項7】
前記プロセスは、植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質、及びメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせを混合するステップを含むことを特徴とする、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記植物性タンパク質及び前記メタリン酸カリウム又はメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの前記組み合わせを混合するステップによって得られる前記組成物は、固体組成物、特に乾燥粉末混合物である、請求項6又は7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記植物性タンパク質及び前記メタリン酸カリウム又はメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの前記組み合わせを混合するステップによって得られる前記組成物は、水性組成物、特に水溶液若しくは水性懸濁液である、請求項6又は7に記載のプロセス。
【請求項10】
前記水性組成物は、更に加熱滅菌及び乾燥させられる、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
請求項1~5の何れか一項に記載の組成物、又は食品組成物、飼料組成物若しくは医薬組成物の調製における、請求項6~10の何れか一項に記載のプロセスによって入手できる組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された官能特性を有する、特にザラザラした口当たりが減少した、マメ科植物タンパク質をベースとする食品組成物、特別には飲料用の粉末混合物、前記組成物を得るためのプロセス並びに特に食品加工分野及び最も特別には食品調製物の調製におけるそれらの使用に更に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質は、炭水化物及び脂質と共に、我々の食生活の重要な部分を構成する。タンパク質の一日所要量は、一般に食物摂取量の12%~20%の間である。
【0003】
一般に、摂取されるタンパク質は、例えば、肉、魚、卵及び乳製品等の動物起源(動物性タンパク質と呼ぶ)又は例えば穀物、油性植物及びマメ科植物等の植物起源(植物性タンパク質と呼ぶ)の何れかである。
【0004】
先進工業国では、タンパク質摂取は、主として動物性タンパク質の形態にある。しかしながら、多数の試験は、植物性タンパク質が不足しているのに対して動物性タンパク質の摂取が過剰であることが、癌及び心血管疾患が増加する原因の1つであることを証明している。
【0005】
更に、動物性タンパク質は、特に牛乳若しくは卵由来のタンパク質におけるそれらのアレルゲン性及び環境の影響、特に集約農業が及ぼす損傷効果の両方に関して数多くの欠点を有する。
【0006】
そこで代替策として、製造業者は、徐々に植物性タンパク質にシフトしてきた。実際に、食品中の動物性タンパク質の全部若しくは一部に置き換えるために植物性タンパク質を使用することは公知の実践である。
【0007】
そのような置き換えは、植物性タンパク質が動物性タンパク質とは異なる機能特性を有するために、必ずしも容易ではない。これらの機能特性は、工技術上の変革、貯蔵若しくは家庭内での調理調製中に生み出される食品組成物の官能的品質に影響を及ぼす、物理的若しくは物理化学的特性であり得る。
【0008】
植物性タンパク質の中でも、例えば、マメ科植物タンパク質を使用することが公知の実践である。乳タンパク質と比較して、マメ科植物タンパク質は強力な栄養上の利点を示すが、それらが高コストであることは、食品加工分野における大規模使用にとっての妨げとなる。従って、乳タンパク質をマメ科植物タンパク質と容易に取り換えることができない。
【0009】
所定の植物性タンパク質、特にマメ科植物タンパク質の1つの欠点は、それらが特にザラザラした感触をもたらすので、それらが特にテクスチャーに関して乳タンパク質と同様には挙動しないことにある。この欠点は、飲料用粉末混合物の調製物においては特に大きな課題である。
【0010】
粉末混合物のタンパク質をベースとする組成物は、冷水中に溶解させるのが困難であることが多く、更にザラザラした口当たりを示し得る。ザラザラした口当たりは人工的な感じがするので、消費者が野菜をベースとした高級な粉末飲料を受け入れる際の強度のブレーキとなる。
【0011】
この問題の1つの解決策は、その粒度分布を低下させるためにタンパク質粉末を粉砕することである。得られるタンパク質粉末はより良好に溶解し、ザラザラした口当たりは消費者に感知されなくなるであろう。しかし、補助的な粉砕作業装置は高額であり、管理が複雑である。
【0012】
第2の解決策は、粉末を温水中に溶解させることである。しかしながら、これは、再水和プロセスの長さを増加させる。粉末をベースとする飲料は、消費者によって再構成されることが多く、消費者はそれらの飲料を調製するための迅速で単純な方法を欲するので、この欠点を容認することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、食品加工産業において動物性タンパク質の植物性タンパク質との置き換えを促進するためには、テクスチャーを単純な方法で改善すること、特に植物性タンパク質をベースとする食品組成物、特にマメ科植物タンパク質をベースとする食品組成物、より特別にはエンドウタンパク質をベースとする食品組成物のザラザラした口当たりを減少させることを可能にする解決策に対する必要が依然として存在する。
【0014】
本出願人は、そこで自ら手掛けて、マメ科植物タンパク質を含む組成物を得ることを可能にするプロセスであって、前記組成物が先行技術の組成物と比較して、改善されたテクスチャーを有する、特にザラザラした口当たりが低下しているプロセスを開発した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の目的は、植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質及びメタリン酸カリウムを含む乾燥食品組成物である。
【0016】
一実施形態では、前記乾燥食品組成物は、メタリン酸ナトリウムを更に含む。
【0017】
本発明の乾燥食品組成物は、植物性タンパク質だけを含む組成物に比較して、改善された官能特性を示し、特にザラザラした口当たりが低下している。
【0018】
本発明の第2の目的は、本発明の乾燥食品組成物を調製するためのプロセスであって、植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質とメタリン酸カリウムとを混合するステップを含むプロセスである。
【0019】
一実施形態では、本プロセスの第1ステップは、植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質、及びメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせを含む水性若しくは固体組成物を調製するステップである。
【0020】
本発明は、本発明によるプロセスによって入手できる、マメ科植物タンパク質、より特別にはエンドウタンパク質をベースとする乾燥食品組成物に更に関する。
【0021】
最後に、本発明の別の目的は、食品加工産業における、より特別には食品調製物を調製するための前記乾燥食品組成物の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の乾燥食品組成物は、植物性タンパク質及びメタリン酸カリウムを含む。
【0023】
本発明のためには、「食品組成物」は、動物又は人間が摂取できる組成物を意味することが意図されている。食品組成物の例としては、ヒトが摂取するための食材、動物用飼料及び飲料が挙げられる。用語「乾燥食品組成物」は、摂取される前に、再水和できる、即ち水の添加によって元に戻せる固体食品組成物を意味することが意図されている。
【0024】
本発明のためには、「官能特性」は、ヒトが味覚、視覚、嗅覚及び触覚を含む官能によって経験する組成物の態様を意味することが意図されている。
【0025】
本発明の組成物中に導入される植物性タンパク質は、マメ科植物タンパク質、特にエンドウタンパク質であり得る。
【0026】
好ましい実施形態では、用語「植物性タンパク質」は、化学的及び/又は酵素的加水分解による改質処理を受けていない、天然植物性タンパク質であると理解すべきである。そのような化学的及び/又は酵素的加水分解は、植物性タンパク質の分子量を減少させる目的で実施される。それは、従来型のタンパク質抽出プロセスにおいて発生し得る些細な加水分解とは区別されなければならない。
【0027】
本発明のためには、用語「マメ科植物」は、ジャケツイバラ科(Caesalpiniaceae)、ネムノキ科(Mimosaceae)若しくはマメ科各種(Papilionaceae)に属する任意の植物、例えば、アルファルファ、クローバー、ルピナス、エンドウ、マメ、ソラマメ(broad bean)、ソラマメ(horse bean)若しくはレンズマメ及びより特別にはエンドウを意味することが意図されている。用語「マメ科植物タンパク質」は、例えば、抽出及び任意選択的に更なる改質による、マメ科植物に由来するタンパク質を意味することが意図されている。
【0028】
本明細書では、用語「エンドウ」は、一般に認められたその最も広い意味で考えられており、
そのために前記品種が一般に意図されている使用(ヒトが摂取するための食品、動物用飼料及び/又は他の使用)が何であっても、特に:
- あらゆる種類の「滑らかなエンドウ(smooth pea)」及び「しわのあるエンドウ(wrinkled pea)」、並びに
- あらゆる突然変異品種の「滑らかなエンドウ」及び「しわのあるエンドウ」を挙げることができる。
【0029】
本出願では、用語「エンドウ」としては、エンドウ属(Pisum genus)及びより特別にはエンドウマメ(Pisum sativum)に属するエンドウの品種が挙げられる。
【0030】
前記突然変異品種は、特に、「Developing novel pea starches」という表題のC-L HEYDLEY et al.による論文集であるProceedings of the Symposium of the Industrial Biochemistry and Biotechnology Group of the Biochemical Society,1996,pp.77-87に記載されている「r突然変異体」、「rb突然変異体」、「rug 3突然変異体」、「rug 4突然変異体」、「rug 5突然変異体”」及び「lam突然変異体」として公知の品種である。
【0031】
好ましい実施形態では、前記マメ科植物タンパク質は、滑らかなエンドウに由来する。
【0032】
エンドウは、動物用飼料のためのタンパク源としてだけではなく、更にヒトが摂取する
ための食品としても、欧州及びフランスにおいて1970年代以降に広く開発されてきた、タンパク質を豊富に含む種子を備えるマメ科植物である。
【0033】
全てのマメ科植物タンパク質と同様に、エンドウタンパク質は、3つの主要なクラスのタンパク質:グロブリン、アルブミン及び「不溶性」タンパク質から成る。
【0034】
エンドウタンパク質の価値は、それらの優れた乳化能力、アレルゲン性の欠如及び経済的な機能的原料にさせるそれらの低価格にある。
【0035】
更に、エンドウタンパク質は、好都合にも持続可能な開発に寄与し、それらの「カーボンインパクト」は、極めて見通しが明るい。これは、エンドウの栽培が環境に優しく、エンドウが大気中窒素を固定するので、窒素肥料を必要としないからである。
【0036】
本発明のためには、用語「ザラザラした口当たりが低下した組成物」は、エンドウタンパク質だけを含む組成物に比較して、ザラザラした口当たりが知覚されることが減少している、又は完全に遮蔽されている組成物を意味することが意図されている。
【0037】
本発明の乾燥食品組成物は、植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質及びメタリン酸カリウムを含む。
【0038】
特に、乾燥食品組成物は、乾燥粉末であり得る。前記乾燥粉末は、液体若しくは溶液、例えば水の添加によって飲料を再構成するための基剤として使用することができる。そのような飲料は:
- 食事療法の栄養を目的とする飲料、
- スポーツマン及びスポーツウーマンの栄養を目的とする飲料、
- 幼児栄養を目的とする飲料、
- 臨床栄養学及び/又は栄養不良に苦しむ個体を目的とする飲料、
- 高齢者の栄養を目的とする飲料、から成る群から選択することができる。
【0039】
本明細書で使用する用語「メタリン酸カリウム」は、メタリン酸(HPO)のカリウム塩、その二量体、三量体、四量体、六量体若しくは重合体及びそれらの混合物を指す。前記用語に更に含まれるのは、それらの水和形及び部分水和形である。メタリン酸カリウムは、更にポリメタリン酸カリウム、ポリリン酸カリウム及びコロール(Korrol)塩と呼ぶこともできる。メタリン酸カリウムは、CAS番号7790-53-6若しくは12764-57-7を付して言及することができる。一実施形態では、メタリン酸カリウムは、式(KPO)n(式中、nは、2~20,000であり、好ましくはnは、5,000~15,000であり、より好ましくはnは、8,000~12,000である)の化合物を指す。別の実施形態では、メタリン酸カリウムは、一般式Hn+23n+1(式中、nは、2~20,000であり、好ましくはnは、5,000~15,000であり、より好ましくはnは、8,000~12,000である)の直鎖縮合ポリリン酸のカリウム塩の不均一混合物を指す。
【0040】
1つの好ましい実施形態では、本組成物中のメタリン酸カリウムの量は、本組成物の乾燥重量に基づいて、0.008重量%~33重量%、好ましくは0.01重量%~20重量%、より好ましくは0.025重量%~8重量%であり得る。
【0041】
本発明の乾燥食品組成物は、メタリン酸ナトリウムを更に含み得る。
【0042】
本明細書で使用する用語「メタリン酸ナトリウム」は、メタリン酸(HPO)のナトリウム塩、その二量体、三量体、四量体、六量体若しくは重合体及びそれらの混合物を指
す。前記用語に更に含まれるのは、それらの水和形及び部分水和形である。メタリン酸ナトリウムは、更に、トリメタリン酸ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びグラハム(Graham)塩と言及することもできる。メタリン酸ナトリウムは、CAS番号68915-31-1、7785-84-4、10124-56-8、10361-03-2若しくは50813-16-6を付して言及することができる。一実施形態では、メタリン酸ナトリウムは、式(Na3n+1)(式中、nは、1~1,000であり、好ましくはnは、5~100であり、より好ましくはnは、10~50である)の化合物を指す。別の実施形態では、メタリン酸ナトリウムは、NaPO基を末端とする直鎖のメタリン酸単位(NaPO(式中、xは、1~1,000であり、好ましくはxは、5~100であり、より好ましくはxは、10~50である)から構成される数種の非晶質の水溶性ポリリン酸の混合物を指す。特に、NaO/P比は、テトラポリリン酸ナトリウム(x=4)についての約1.3から;一般にヘキサメタリン酸ナトリウム(x=13~18)と呼ばれるグラハム塩についての約1.1まで;及びより高分子量のポリリン酸ナトリウム(x=20~100以上)についての約1.0まで変動する可能性がある。別の実施形態では、メタリン酸ナトリウムは、一般式Hn+23n+1(式中、nは、2~1,000であり、好ましくはnは、5~100であり、より好ましくはnは、10~50である)の直鎖縮合ポリリン酸のナトリウム塩の不均一混合物を指す。
【0043】
本組成物中のメタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムの総量は、本組成物の乾燥重量に基づいて、0.01重量%~8重量%、好ましくは0.02重量%~6重量%、より好ましくは0.025重量%~5重量%であり得る。
【0044】
更に、本組成物中のメタリン酸カリウム及びメタリン酸ナトリウムの総量に基づくメタリン酸カリウムの重量%は、2重量%~80重量%、好ましくは5重量%~60重量%、一層より好ましくは10重量%~50重量%であり得る。
【0045】
本発明の乾燥食品組成物は、特に1分間未満の迅速な溶解時間を示し得る。溶解時間は、例えば、周囲温度、即ち20~25℃で、完全に溶解するまで水中の組成物を振とうすることによって視覚的に評価することができる。
【0046】
本発明の乾燥食品組成物は、植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質及びメタリン酸カリウムを混合するステップを含むプロセスを用いて得ることができる。
【0047】
本発明のプロセスによって植物性タンパク質及びメタリン酸カリウムを混合するステップによって得られる組成物は、固体組成物の形態、例えば、固体粉末混合物又は水性組成物、例えば水溶液若しくは水性懸濁液であってよい。
【0048】
1つの好ましい実施形態では、本プロセスは、植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質、及びメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせを含む組成物を調製するステップを含む。
【0049】
前記プロセスは、当業者の一般的実践に従って実施することができる。例えば、本プロセスは、一方ではマメ科植物タンパク質を含む水溶液若しくは水性懸濁液と、他方ではメタリン酸カリウム又はメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせを含む水溶液を混合するステップを含み得る。
【0050】
この場合には、溶液は、更に、均質化、加熱滅菌及び乾燥することができる。特に、均質化は、高圧で、例えば、3MPa~100MPa、特別には15MPa~50MPa及
び最も特別にはおよそ20MPaの圧力で実施することができる。
【0051】
均質化若しくは非均質化水溶液若しくは水性懸濁液には、加熱滅菌ステップを受けさせることができる。
【0052】
一般に、加熱滅菌は、例えば100℃超の温度で、酵素及び任意の形態の微生物、特に胞子形成細菌を阻害するために十分な時間に渡り組成物を加熱することによって実施することができる。滅菌は、高温、即ち135℃~150℃の温度で、通常は15秒間を超えない期間に渡り実施することができるが、これはUHT(超高温)滅菌に対応する。この技術には、滅菌生成物の栄養特性及び官能特性を保存するという利点がある。
【0053】
加熱滅菌ステップは、当業者には公知の器具及び技術によって実施することができる。マメ科植物タンパク質及びメタリン酸カリウム又はメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせを含む加熱殺菌水溶液若しくは水性懸濁液は、更に、スプレー乾燥のような周知の技術によって実施され得る乾燥にかけることができる。
【0054】
別の実施形態では、本プロセスは、乾燥マメ科植物タンパク質及び乾燥メタリン酸カリウム又は乾燥メタリン酸ナトリウムと乾燥メタリン酸ナトリウムとの組み合わせを直接的に混合するステップを含み得る。乾燥混合するステップは、当該技術分野の現状から周知の装置を使用して実施することができる。この場合、本発明の乾燥粉末組成物は、直接的に包装して販売することができる。
【0055】
混合するステップは、有利にも、本組成物の乾燥重量に基づいて、事前に規定された重量%のメタリン酸カリウム又はメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせを含む組成物を得られるような方法で実施することができる。
【0056】
本発明のプロセスにおいて導入されるマメ科植物タンパク質は、上記に定義した通りである。より好ましくは、前記マメ科植物タンパク質は、エンドウ、マメ、ソラマメ(broad bean)及びソラマメ(horse bean)並びにそれらの混合物から成る群から選択される。一層より好ましくは、前記マメ科植物タンパク質は、エンドウに由来する。
【0057】
1つの好ましい実施形態では、本発明のプロセスは、前記組成物への1種以上の添加剤の添加を更に含み得る。
【0058】
添加剤は、特に、ゲル化剤、可溶性植物繊維、糖、植物油、多糖類、塩化ナトリウム、乳化剤、食用色素、保存剤、甘味剤及び増粘剤から選択することができる。好ましくは、添加剤は、ゲル化剤、可溶性植物繊維、糖、植物油、多糖類、塩化ナトリウム及び乳化剤から選択される。
【0059】
好ましくは、ゲル化剤は、アルギン酸塩、寒天、カラギナン、アラビノガラクタン、ジェランガム、ゼラチン及びペクチンから選択される。好ましくは、ゲル化剤は、ジェランガムである。
【0060】
好ましくは、可溶性植物繊維は、フルクトオリゴ糖(FOS)及びイヌリンを含むフラクタン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、トランス-ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリン及び油脂若しくはタンパク質を産生する植物に由来する可溶性オリゴ糖を含む群から選択される。
【0061】
用語「可溶性繊維」は、水溶性繊維を意味することが意図されている。繊維は、様々なAOAC法に従って定量的に決定することができる。一例として、フラクタン、FOS及びイヌリンのためにはAOAC法997.08及び999.03、ポリデキストロースのためにはAOAC法2000.11、分枝状マルトデキストリン及び難消化性デキストリン中に含有される繊維を定量的に決定するためにはAOAC法2001.03又はGOS及び更に油脂若しくはタンパク質を産生する植物に由来する可溶性オリゴ糖のためにはAOAC法2001.02を挙げることができる。
【0062】
有利にも、可溶性植物繊維は、部分加水分解された小麦デンプン若しくはコーンスターチから得られ、全繊維の85%までを含有する。
【0063】
好ましくは、植物油は、ラッカセイ油、アボカド油、ルリヂサ油、カメリナ油、サフラワー油、アサ油、ナタネ油、小麦胚芽油、アマニ油、ニゲラ油、ヘーゼルナッツ油、クルミ油、オリーブ油、マツヨイグサ油、マローシード油、グレープシード油、エゴマ油、ゴマ油、ダイズ油及びヒマワリ油から選択される。好ましくは、植物油は、ヒマワリ油である。
【0064】
好ましくは、多糖は、アラビアガム、グアールガム、タラガム、微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースから選択される。より好ましくは、多糖は、グアールガムである。
【0065】
好ましくは、乳化剤は、レシチン、スクロースエステル、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド並びにソルビタンエステルから選択される。好ましくは、乳化剤は、脂肪酸モノグリセリドから選択される。
【0066】
本発明は、純粋に例示であることが意図されており、決して本発明の範囲を限定するものではない下記の実施例を読むことによって、より明確に理解されるであろう。
【実施例0067】
使用した成分のリスト:
- NUTRALYS(登録商標)S85F、Roquette Freres(Lestrem,France)
- NUTRALYS(登録商標)S85XF、Roquette Freres(Lestrem,France)
- NUTRALYS(登録商標)W、Roquette Freres(Lestrem,France)
- MPC480、乳タンパク質濃縮物、タンパク質含量:76.7%、Fonterra製
- Newfujipro、ダイズタンパク質単離体、タンパク質含量:約85%、不二製油製
- メタリン酸ナトリウム(Na3n+1)(式中、n>14及びMw>1,400)、太平化学産業株式会社製
- メタリン酸カリウム((KPO)(式中、Mw=1,000,000)、太平化学産業株式会社製
【0068】
実施例1a:先行技術-粒度分布がザラザラした口当たりに及ぼす影響
本実施例は、本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりにエンドウタンパク質単離体の粒度分布が及ぼす影響について記載する。
【0069】
エンドウタンパク質単離体を含む2種の組成物、つまりNUTRALYS(登録商標)
S85F(平均粒径:130ミクロン)若しくはNUTRALYS(登録商標)S85XF(平均粒径:40ミクロン)を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0070】
【表1】
【0071】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0072】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、次に官能評価のために専門家パネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0073】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- ネバネバ感:1=ネバネバ感が少なく、滑らか/5=ネバネバして粘つく
- 塩味:1=正常なスッキリした味/5=塩辛い味
- 苦味:1=正常なスッキリした味/5=苦い味、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0074】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0075】
【表2】
【0076】
結果は、標準的な粒度分布を備える市販のエンドウタンパク質単離体が、水道水中で再懸濁させると、ザラザラした口当たりを生じさせることを示している。粒度分布を低下させることによって、官能的テクスチャーは良好になるが、ザラザラ感は3より高いままである。
【0077】
実施例1b:先行技術-水温及び溶解時間が及ぼす影響
本実施例は、本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりに水温及び溶解時間が及ぼす影響について記載する。
【0078】
エンドウタンパク質単離体、つまりNUTRALYS(登録商標)S85Fを含む5種の組成物は、下記の:
- 3gのエンドウタンパク質単離体から成る乾燥混合物を調製するステップ、
- 50℃、70℃若しくは90℃の温度で、30秒間、10分間若しくは20分間中、およそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップを含むプロセスに従って調製した。
【0079】
飲料は、上述したように飲む直前に水で元に戻し、その後に官能検査のために専門家パネルに提供した。官能検査は、各組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0080】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- ネバネバ感:1=ネバネバ感が少ない、滑らか/5=ネバネバして粘つく
- 塩味:1=正常なスッキリした味/5=塩辛い味
- 苦味:1=正常なスッキリした味/5=苦い味、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0081】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0082】
【表3】
【0083】
結果は、市販のエンドウタンパク質単離体が優れた官能的テクスチャーを有する可能性があるが、高温水及び長い溶解時間を使用することが必須であることを示している。
【0084】
実施例2:ザラザラした口当たりに塩の添加が及ぼす影響
実施例1で使用したレシピ及びプロセスに基づいて、本実施例は、塩を添加することが本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりに及ぼす影響について記載することを目的とする。
【0085】
エンドウタンパク質単離体、つまりNUTRALYS(登録商標)S85F及び塩を含む19種の組成物を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0086】
【表4】
【0087】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0088】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、その後に官能検査の専門家パネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0089】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- ネバネバ感:1=ネバネバ感が少ない、滑らか/5=ネバネバして粘つく
- 塩味:1=正常なスッキリした味/5=塩辛い味
- 苦味:1=正常なスッキリした味/5=苦い味、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0090】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0091】
【表5】
【0092】
結果は、標準的な粒度分布を備える市販のエンドウタンパク質単離体へのメタリン酸ナトリウムの添加が、水道水中に再懸濁させた場合にザラザラした口当たりを低下させることを示している。実際に、ザラザラした口当たりは、実施例1aに従った低粒度分布を備えるエンドウタンパク質単離体(NUTRALYS(登録商標)S85XF)を用いて得られるザラザラした口当たりよりも低い。
【0093】
実施例3:リン酸塩のタイプが及ぼす影響
上記の実施例で使用したレシピ及びプロセスに基づいて、本実施例は、塩を添加することが本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりに及ぼす影響について記載することを目的とする。
【0094】
エンドウタンパク質単離体、つまりNUTRALYS(登録商標)S85F及び塩を含む11種の組成物を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0095】
【表6】
【0096】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0097】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、その後に官能検査の専門家パネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0098】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- 苦味:1=正常なスッキリした味/5=苦い味
- 溶けやすさ:1=溶けやすい。容易に溶ける/5=溶けにくい
- 酸味:1=正常なスッキリした味/5=酸っぱい味、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0099】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0100】
【表7】
【0101】
結果は、メタリン酸カリウムの添加が、標準的な粒度分布を備える市販のエンドウタンパク質単離体と共に使用すると、水道水中に再懸濁させた場合にザラザラした口当たりを僅かしか生じさせないので、最善の結果をもたらすことを明確に示している。実際に、ザラザラした口当たりは、実施例1aに従った低粒度分布(NUTRALYS(登録商標)S85XF)のエンドウタンパク質単離体を用いて得られたザラザラした口当たりより低い。
【0102】
実施例4:メタリン酸カリウムの量が及ぼす影響
上記の実施例で使用したレシピ及びプロセスに基づいて、本実施例は、メタリン酸カリウムの量が本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりに及ぼす影響について記載することを目的とする。
【0103】
エンドウタンパク質単離体、つまりNUTRALYS(登録商標)S85F及びメタリン酸カリウムを含む11種の組成物を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0104】
【表8】
【0105】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0106】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、その後に官能検査の専門家パネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0107】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- 苦味:1=正常なスッキリした味/5=苦い味
- 溶けやすさ:1=溶けやすい。容易に溶ける/5=溶けにくい、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0108】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0109】
【表9】
【0110】
実施例5:リン酸塩用量の相乗作用
上記の実施例で使用したレシピ及びプロセスに基づいて、本実施例は、メタリン酸カリウムと別のリン酸塩との組み合わせが本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりに及ぼす影響について記載することを目的とする。
【0111】
エンドウタンパク質単離体、つまりNUTRALYS(登録商標)S85F、メタリン酸カリウム及び別のリン酸塩を含む11種の組成物を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0112】
【表10】
【0113】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0114】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、その後に官能検査の専門家パネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0115】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- 苦味:1=正常なスッキリした味/5=苦い味
- 溶けやすさ:1=溶けやすい。容易に溶ける/5=溶けにくい
- 酸味:1=正常なスッキリした味/5=酸っぱい味、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0116】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0117】
【表11】
【0118】
結果は、メタリン酸カリウムとメタリン酸ナトリウムとの組み合わせの相乗作用を明確に示している。
【0119】
実施例6:メタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムの総量に基づくメタリン酸カリウムの量が及ぼす影響
上記の実施例で使用したレシピ及びプロセスに基づいて、本実施例は、メタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムの総重量に基づくメタリン酸カリウムの重量%が本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりに及ぼす影響について記載することを目的とする。
【0120】
エンドウタンパク質単離体、つまりNUTRALYS(登録商標)S85F、メタリン酸カリウム及びメタリン酸ナトリウムを含む組成物を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0121】
【表12】
【0122】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0123】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、その後に官能検査の専門家パネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0124】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- 粘り:1=流体テクスチャー。粘りテクスチャーなし/5=粘り、重いテクスチャー、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0125】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0126】
【表13】
【0127】
結果は、メタリン酸カリウムが本組成物中のメタリン酸カリウム及びメタリン酸ナトリウムの総重量に基づいて2~80重量%である場合に、テクスチャーが最高であることを明確に示している。
【0128】
実施例7:メタリン酸カリウム及びメタリン酸ナトリウム(重量比50/50)の量が及ぼす影響
上記の実施例で使用したレシピ及びプロセスに基づいて、本実施例は、本組成物(メタリン酸カリウム対メタリン酸ナトリウムの50/50の重量比を備える)の乾燥重量に基づくメタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムの重量%が、本組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりに及ぼす影響について記載することを目的とする。
【0129】
エンドウタンパク質単離体、つまりNUTRALYS(登録商標)S85F、メタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムを含む組成物を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0130】
【表14】
【0131】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0132】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、その後に官能検査の専門家パネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0133】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- ネバネバ感:1=ネバネバ感が少ない、滑らか/5=ネバネバして粘つく、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0134】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0135】
【表15】
【0136】
結果は、そのような混合物の量が本組成物の乾燥重量に基づいて、0.025%~5重量%を含み得ることを明確に示している。
【0137】
実施例8:メタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせが他の植物性タンパク質単離体に及ぼす影響
上記の実施例において使用したレシピ及びプロセスに基づいて、本実施例は、メタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの組み合わせが、他のタンパク質単離体を含む組成物の官能特性、特にザラザラした口当たりを改善するためにも使用できることを記載することを目的とする。
【0138】
タンパク質単離体、メタリン酸カリウム及びメタリン酸ナトリウムを含む組成物を調製した。各組成物の様々な成分(単位、g)の比率は、下記の表に提示した。
【0139】
【表16】
【0140】
本組成物は、下記の:
- エンドウタンパク質単離体の乾燥混合物を調製するステップ、
- 室温(およそ20℃)で、30秒間に渡りおよそ120rpmで緩徐に、全てのだまを溶かすためにスプーンを用いて前記粉末を50mLの水と混合するステップ、を含むプロセスに従って調製した。
【0141】
飲料は、飲む直前に上述したように水を加えて元に戻し、その後に官能検査の専門家パ
ネルに提供した。官能検査は、本組成物を対象に数種の因子を評価するために実施された。
【0142】
各因子に対して、下記のスケール:
- ザラザラ感:1=滑らか、ザラザラ感が少ない/5=ザラザラしている
- ネバネバ感:1=ネバネバ感が少ない、滑らか/5=ネバネバして粘つく
- 溶けやすさ:1=溶けやすい、容易に溶ける/5=溶けにくい、に従って1~5のグレードで格付けされた。
【0143】
官能検査の結果は、下記の表に要約した。
【0144】
【表17】
【0145】
結果は、メタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムの混合物が、ダイズ、コムギ若しくは乳タンパク質を含む組成物の官能特性を改善するために使用できることを明確に示している。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性タンパク質、好ましくはマメ科植物タンパク質、より好ましくはエンドウタンパク質及びメタリン酸カリウムを含むことを特徴とする、乾燥食品組成物。