(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147856
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】照明制御装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/04 20060101AFI20241009BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241009BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
F21V23/04 500
F21V23/00 130
H01Q1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060528
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 望
【テーマコード(参考)】
3K014
5J047
【Fターム(参考)】
3K014GA02
3K014GA03
5J047AA02
5J047AB07
5J047EF05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】伝送品質の劣化を抑制可能な照明制御装置を提供する。
【解決手段】照明制御装置100は、第1方向一方側X1から操作され、操作の検出のためのセンサ電極222を有する操作部2と、操作部2よりも第1方向他方側X2に位置し、電気絶縁性材料からなるケース部材5と、アンテナ51とを備える。ケース部材5は、アンテナ51をケース部材5に取り付ける部分である取付部52と、取付部52に取り付けられたアンテナ51をセンサ電極222から前記第1方向Xにおいて離隔する離隔部53とを有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向の一方側から操作され、前記操作の検出のための電極を有する操作部と、
前記操作部よりも前記第1方向の他方側に位置し、電気絶縁性材料からなるケースと、
アンテナと
を備え、
前記ケースは、
前記アンテナを前記ケースに取り付ける部分である取付部と、
前記取付部に取り付けられた前記アンテナを前記電極から前記第1方向において離隔する離隔部と
を有する、照明制御装置。
【請求項2】
前記ケースは、
前記第1方向の一方側を向いており、第1開口を有する第1面と、
前記第1開口から前記第1面よりも前記第1方向の他方側へ凹む凹部と
を有しており、
前記取付部は、少なくとも前記凹部の底面を含み、
前記離隔部は、前記凹部において前記底面から前記第1方向の一方側へと前記第1開口に延びる側面である、請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記第1方向の一方側を向く第1面を有し、
前記取付部は、少なくとも前記第1面の一部を含み、
前記離隔部は、前記第1面から前記アンテナよりも前記第1方向の一方側の位置まで突出する、請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記アンテナと前記第1方向に対向する位置に前記電極を有していない、請求項1から3のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項5】
前記操作部は、操作された位置を前記電極により検出するタッチパネルである、請求項1から請求項3のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項6】
前記照明制御装置は、照明空間を区画する壁に設置され、
前記照明制御装置が前記壁に設置された状態において、前記操作部は、前記照明空間に露出し、前記ケースは、前記壁内に収容される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項7】
前記アンテナは、パターンアンテナ、チップアンテナ及び同軸アンテナのいずれかである、請求項1から請求項3のいずれかに記載の照明制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明器具が記載されている。照明器具は、無線信号の送信機能又は受信機能を有する。照明器具は、照明光を出射する光源を有する器具本体と、第1筐体と、第1筐体の外部に配置された第2筐体とを備える。第1筐体は、光源に電力を供給する電源回路を覆い、第2筐体は、無線信号を送信又は受信するアンテナ部を覆う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具は、典型的には部屋の天井に取り付けられる。部屋の壁には、照明制御装置が取り付けられる。照明制御装置は、典型的にはタッチパネルに対するタッチ操作に応じて照明器具を制御する。
【0005】
近年、照明制御装置にもアンテナ及び無線通信モジュールを実装したいというニーズがある。しかし、照明制御装置におけるアンテナの取り付け位置によっては、タッチパネルに含まれる電極により伝送品質が劣化する。
【0006】
本発明は、伝送品質の劣化を抑制可能な照明制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する照明制御装置は、操作部と、ケースと、アンテナとを備える。前記操作部は、第1方向の一方側から操作され、前記操作の検出のための電極を有する。前記ケースは、前記操作部よりも前記第1方向の他方側に位置し、電気絶縁性材料からなる。前記ケースは、前記アンテナを前記ケースに取り付ける部分である取付部と、前記取付部に取り付けられた前記アンテナを前記電極から前記第1方向において離隔する離隔部とを有する。
【0008】
前記ケースは、好ましくは、前記第1方向の一方側を向いており、第1開口を有する第1面を有する。また、前記ケースは、前記第1開口から前記第1面よりも前記第1方向の他方側へ凹む凹部を有する。前記取付部は、少なくとも前記凹部の底面を含む。前記離隔部は、前記凹部において前記底面から前記第1方向の一方側に前記第1開口まで延びる側面である。
【0009】
前記ケースは、好ましくは、前記第1方向の一方側を向く第1面を有する。前記取付部は、少なくとも前記第1面の一部を含む。前記離隔部は、前記第1面において前記取付部の周囲から前記アンテナよりも前記第1方向の一方側の位置まで突出する。
【0010】
前記操作部は、好ましくは、前記アンテナと前記第1方向に対向する位置に前記電極を有していない。
【0011】
前記操作部は、好ましくは、前記ユーザにより操作された位置を前記電極により検出するタッチパネルである。
【0012】
前記照明制御装置は、好ましくは、照明空間を区画する壁に設置される。前記照明制御装置が前記壁に設置された状態において、前記操作部は、前記照明空間に露出し、前記ケースは、前記壁内に収容される。
【0013】
前記アンテナは、パターンアンテナ、チップアンテナ及び同軸アンテナのいずれかである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る照明制御装置によれば、伝送品質の劣化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る照明制御装置を備える照明システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1に示される照明制御装置の分解斜視図である。
【
図3】
図1に示される照明制御装置の正面図である。
【
図4】
図3に示される一点鎖線IV-IVに沿う照明制御装置の縦断面を示す図である。
【
図5】
図3に示される一点鎖線V-Vに沿う照明制御装置の要部の縦断面を示す図である。
【
図6】
図3に示される一点鎖線V-Vに沿う照明制御装置の変形例の要部の縦断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る照明制御装置を説明する。以下、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0017】
図1は、本発明の各実施形態に係る照明制御装置100を備える照明システム500の構成を示す図である。
図1に示されるように、照明システム500は、大略的には、照明制御装置100と、照明器具200と、情報処理装置300とを備える。照明制御装置100と、照明器具200とは、部屋501に設置される。照明制御装置100は、例えば部屋501の壁502においてドア503の近くに取り付けられる。照明制御装置100は、人600による操作に応じて照明器具200を制御する。制御としては、照明器具200の点灯、消灯、及び明るさの調整が例示される。照明器具200は、部屋501の天井504又は壁502に取り付けられ、照明制御装置100による制御下で照明光を部屋501に出射する。なお、照明器具200は、部屋の床505に設置されるタイプでもよい。
【0018】
情報処理装置300は、スマートフォン又はタブレット端末であり、人600により携帯されることで移動可能である。情報処理装置300は、IEEE802.11又はBluetooth(登録商標)等の各種無線通信規格をサポートする。情報処理装置300は、自身がサポートする無線通信規格に対応する無線通信インタフェース(図示せず)を備える。情報処理装置300は、自身が備える無線通信インタフェースを通じて照明制御装置100と無線通信を実行可能である。
【0019】
また、情報処理装置300は、照明制御装置100を通じて照明器具200を制御するためのアプリケーションプログラム(以下、単に「照明アプリ」と記載する場合がある。)を記憶する。即ち、情報処理装置300は、照明アプリを実行することで、無線通信インタフェースを通じて、照明制御装置100に対して、照明器具200を制御するためのコマンドを送信する。
【0020】
ここで、以下では、「無線通信インタフェース」のことを「無線通信IF」と記載する。また、「照明アプリ」という記載は、「照明アプリを実行する照明制御装置100」を意味する場合がある。
【0021】
本実施形態では、理解を容易にするために、互いに直交する第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zが定義される。典型的には、第1方向X及び第2方向Yは、水平方向を示し、第3方向Zは鉛直方向を示す。実施形態では、X軸方向は、照明制御装置100を壁502に直交する方向である。
【0022】
本実施形態では更に、適宜、第1方向一方側X1、第1方向他方側X2、第2方向一方側Y1、第2方向他方側Y2、第3方向一方側Z1、及び第3方向他方側Z2が定義される。第1方向一方側X1は、壁502に向かって後方である。第1方向一方側X1は、照明制御装置100を壁502に取り付けた場合に、操作部2の主面21a(
図2、
図3参照)が向く方向も示す。第2方向一方側Y1は、壁502に向かって左方である。第3方向一方側Z1は、鉛直上方向である。第1方向他方側X2、第2方向他方側Y2及び第3方向他方側Z2は、第1方向一方側X1、第2方向一方側Y1及び第3方向一方側Z1とは逆方向である。
【0023】
以下、特に断り書きが無い場合、照明制御装置100の説明は、壁502に取り付けられた状態の照明制御装置100の説明である。
【0024】
図2は、
図1に示される照明制御装置100の分解斜視図である。
図2に示されるように、照明制御装置100は、化粧プレート1と、操作部2と、プレート台3と、取付枠4と、ケース部材5と、制御基板6と、絶縁シート7と、電源基板8と、ケース部材9と、電源ケーブル10とを備える。
【0025】
化粧プレート1は、第1方向他方側X2の面が開放された浅い箱状の部材である。化粧プレート1の外形は、第1方向Xから見て略矩形である。化粧プレート1は、プレート本体1aと、貫通孔1bとを有する。貫通孔1bの形状は、第1方向Xから見て略矩形である。貫通孔1bは、プレート本体1aの中央部を第1方向Xに貫通する。詳細には、貫通孔1bは、第2方向Y及び第3方向Zの各々における中央部に位置する。従って、化粧プレート1及びプレート本体1aは、第1方向Xから見て略矩形の枠体である。
【0026】
操作部2は、例えば静電容量方式のタッチパネルである。操作部2は、第1方向一方側X1から操作され、操作の検出のためのセンサ電極222を有する。センサ電極222は、本発明における「電極」の一例である。操作部2は、人600(
図1参照)によるタッチ操作を検出する。
【0027】
詳細には、操作部2の外形は、第1方向Xから見て略矩形であり、化粧プレート1の貫通孔1bに嵌め込まれる。操作部2は、パネル21と、タッチセンサ基板22と、反射フィルム23と、タッチパネルケース24とを有する。
【0028】
パネル21は、第1方向Xに薄く且つ第2方向Y及び第3方向Zに拡がる平板である。パネル21の外形は、第1方向Xから見て略矩形である。パネル21は、第1方向Xに互いに離れた主面21a,21bを有する。主面21aは、主面21bよりも第1方向一方側X1にある。主面21aは、人600(
図1参照)により第1方向一方側X1からタッチ操作される。
【0029】
タッチセンサ基板22は、パネル21の第1方向他方側X2に位置する。詳細には、タッチセンサ基板22は、主面21bに貼着される。タッチセンサ基板22は、基板221と、基板221に実装されるセンサ電極222とを有する。基板221は、回路基板である。センサ電極222は、主面21aに対する人600(
図1参照)のタッチ操作を検出するための電極である。センサ電極222は、基板221上又は基板221内に形成される。タッチセンサ基板22は、タッチ操作の位置に応じたセンサ電極222と指との間の静電容量の変化を検出する。即ち、操作部2は、操作された位置をセンサ電極222により検出するタッチセンサである。よって、例えば操作部2が機械スイッチ等で構成される場合と比較して、塵埃及び水等に耐性がある照明制御装置100を提供できる。
【0030】
なお、基板221には、第1処理部及び第1コネクタ端子部(図示せず)も実装される。第1処理部は、プロセッサ等である。第1処理部は、タッチセンサ基板22により検出した静電容量の変化に応じたセンサ信号を生成する。換言すると、センサ信号は、パネル21において人600がタッチ操作した位置を示す信号である。生成したセンサ信号を、第1処理部は、第1コネクタ端子部から出力する。基板221には、発光素子223(
図4参照)が更に実装される。発光素子223については、後段で詳説される。
【0031】
反射フィルム23は、タッチセンサ基板22の第1方向他方側X2に位置する。反射フィルム23は、発光素子223から発生する光を反射する。
【0032】
タッチパネルケース24は、パネル21の第1方向他方側X2に位置する。タッチパネルケース24は、第1方向一方側X1に第1主面24aを有する。第1主面24aには、第1方向Xから見て略矩形形状を有する第1開口24bが形成される。タッチパネルケース24には、第1開口24bから第1方向他方側X2に向かって凹む凹部24cを有する。タッチセンサ基板22及び反射フィルム23は、凹部24cに収容される。なお、タッチセンサ基板22が有する第1コネクタ端子部の一部は、タッチパネルケース24を突き抜けてタッチパネルケース24から第1方向他方側X2に突出している。
【0033】
プレート台3は、化粧プレート1の第1方向他方側X2に位置する。プレート台3の外形は、第1方向Xから見て略矩形である。プレート台3は、台本体部3aと、貫通孔3bとを有する。貫通孔3bの形状は、第1方向Xから見て略矩形である。貫通孔3bは、台本体部3aの中央部を台本体部3aの第1方向一方側X1から第1方向他方側X2へと貫通する。従って、プレート台3及び台本体部3aは、第1方向Xから見て略矩形の枠体である。台本体部3aには、化粧プレート1のプレート本体1aが貼着される。
【0034】
取付枠4は、プレート台3の第1方向他方側X2に位置する。取付枠4の外形は、第1方向Xから見て略矩形である。取付枠4は、枠本体部4aと、貫通孔4bとを有する。貫通孔4bの形状は、第1方向Xから見て略矩形である。貫通孔4bは、枠本体部4aの中央部を枠本体部4aの第1方向一方側X1から第1方向他方側X2へと貫通する。従って、取付枠4及び枠本体部4aは、第1方向Xから見て略矩形の枠体である。枠本体部4aには、プレート台3の台本体部3aが、例えばビスB1及びビスB2により固定される。
【0035】
取付枠4は、例えば樹脂のような電気絶縁性材料で作製されることが好ましい。これにより、操作部2と制御基板6とがより確実に電気的に絶縁される。
【0036】
ケース部材5は、操作部2よりも第1方向他方側X2に位置する。ケース部材5は、例えば樹脂のような電気絶縁性材料からなり、第1方向他方側X2の面が開放された浅いトレイ形状を有する。ケース部材5は、本発明における「ケース」の一例である。ケース部材5の第1方向Xにおける深さは、化粧プレート1より深い。ケース部材5の外形は、第1方向Xから見て略矩形である。第1方向Xから見たケース部材5のサイズは、取付枠4の貫通孔4bと同じか、若干小さい。ケース部材5は、取付枠4の貫通孔4bに挿入されて、タッチパネルケース24に第1方向他方側X2から接触する。なお、ケース部材5は、操作部2の第1コネクタ端子部が挿入される貫通孔を有する。第1コネクタ端子部は、貫通孔を通過してケース部材5の内側に突出する。
【0037】
制御基板6は、ケース部材5に収容される。制御基板6は、基板61と、基板61に実装される処理部62及び第2コネクタ端子部(図示せず)とを有する。基板61は、回路基板である。処理部62は、プロセッサ等である。
【0038】
既に説明したように、操作部2の第1コネクタ端子部はケース部材5の内側に突出しており、第2コネクタ端子部は、操作部2の第1コネクタ端子部に接続する。この結果、タッチセンサ基板22と制御基板6とが電気的に接続されて、タッチセンサ基板22から基板61を介して処理部62にセンサ信号が入力される。処理部62は、操作部2からのセンサ信号に基づいて、照明器具200(
図1参照)を制御する制御信号を生成する。制御信号は、例えば、照明器具200を点灯させるコマンド、及び照明器具200を消灯させるコマンド、照明器具200の明るさを調整するコマンドを含む。
【0039】
制御基板6は、基板61に実装される無線通信IF63を更に有する。無線通信IF63は、同じ無線通信規格をサポートする情報処理装置300(
図1参照)と無線通信が可能である。無線通信IF63は、処理部62により生成された各種信号を、アンテナ51(
図5を参照)を通じて部屋501内に放射する。無線通信IF63は、照明アプリからのコマンドを、アンテナ51を通じて受信して処理部62に転送する。コマンドは、照明器具200の点灯、消灯、及び明るさの調整等の指示を示す。即ち、照明制御装置100は、操作部2に対するタッチ操作に基づくだけでなく、照明アプリからのコマンドに基づいて、照明器具200への制御信号を生成する処理も実行する。
【0040】
絶縁シート7は、電気絶縁性材料から作製され、シート状の部材である。絶縁シート7は、制御基板6よりも第1方向他方側X2に位置する。絶縁シート7は、制御基板6と電源基板8との間の絶縁性を確保する。
【0041】
電源基板8は、絶縁シート7よりも第1方向他方側X2に位置する。電源基板8は、照明制御装置100の駆動電力を生成する。以下、照明制御装置100の駆動電力を「第1駆動電力」と記載する場合がある。
【0042】
詳しくは、制御基板6の処理部62が電源基板8を制御して、電源基板8に第1駆動電力を生成させる。例えば、第1駆動電力は、操作部2の駆動電力、及び制御基板6の駆動電力を含む。操作部2の駆動電力は、第1処理部の駆動電力、センサ電極に通電するための電力、及び、発光素子223(
図4を参照)を発光させるための電力を含む。
【0043】
ケース部材9は、第1方向一方側X1に開放された開口を有する箱状の部材である。ケース部材9の第1方向Xにおける深さは、ケース部材5より深い。ケース部材9は、電源基板8を収容する。電源基板8は、例えばビスB3によってケース部材9に固定される。
【0044】
ケース部材9の外形は、第1方向Xから見て略矩形である。ケース部材9は、ケース部材5に連結される。例えば、ケース部材9は、ケース部材5の周壁から第1方向他方側X2に突出する爪部によってケース部材5に係止されてもよい。
【0045】
電源ケーブル10は、例えば商用電源のような外部電源と電気的に接続する第1電源ケーブルを含む。第1電源ケーブルは、電源基板8に接続される。電源基板8は、第1電源ケーブルから電源基板8に伝送された交流電圧に基づいて第1駆動電力を生成する。
【0046】
図3は、
図1に示される照明制御装置100の正面図である。
図3に示されるように、操作部2は、化粧プレート1の貫通孔1bに嵌合され、ビス等によってケース部材5(
図1参照)に固定されてもよい。
【0047】
本実施形態において、操作部2のパネル21は、表示部101~108と、マーク111,112とを有する。表示部101~107は、この記載順に従って第3方向Zに並ぶ。表示部104は、パネル21において第2方向Y及び第3方向Zの各々の略中央に位置する。表示部108は、表示部101よりも第2方向他方側Y2に位置する。
【0048】
表示部104の形状は、電源ボタンの記号を示す。表示部101,107の形状は、矢先の形状を示す。表示部102,103,105,106,108の形状は、丸形状である。
【0049】
マーク111,112は、表示部104よりも第2方向一方側Y1及び第2方向他方側Y2にそれぞれ位置する。マーク111,112の各々は、ライン状に形成される。マーク111,112の間に表示部104が位置する。マーク111,112により、人600(
図1参照)による表示部104(電源ボタン)の視認性を向上させることができる。
【0050】
図4は、
図3に示される一点鎖線IV-IVに沿う照明制御装置100の縦断面を示す図である。
図4に示されるように、照明制御装置100は、部屋501を区画する壁502に設置される。部屋501は、本発明における「照明空間」の一例である。操作部2は、照明制御装置100が壁502に設置された状態において、部屋501に露出する。
【0051】
詳細には、壁502には、貫通孔5023が形成されている。貫通孔5023は、壁502において第1方向一方側X1にある表面5021から第1方向他方側X2の裏面5022へと貫通する。貫通孔5023から第1方向他方側X2へとスイッチボックスSBが挿入される。スイッチボックスSBは壁502に固定される。スイッチボックスSBは、箱状であり、第1方向一方側X1に開放された開口を有する。
【0052】
照明制御装置100は、貫通孔5023を通じてスイッチボックスSBの内部空間SPに収容される。詳細には、照明制御装置100において、化粧プレート1、操作部2、プレート台3、取付枠4の一部、及びケース部材5の一部が壁502よりも第1方向一方側X1に位置する。詳細には、操作部2のパネル21が化粧プレート1の貫通孔1b(
図2参照)を通じて部屋501内に向かって露出する。取付枠4の残りの部分が貫通孔5023に嵌合する。ケース部材5の残りの部分、及び制御基板6は貫通孔5023内に位置する。即ち、ケース部材5は、壁502内に収容される。従って、部屋501内に露出する照明制御装置100の部分が限定される。よって、優れたデザイン性を有する照明制御装置100を提供できる。
【0053】
図4に示されるように、タッチセンサ基板22は、表示部101~108(
図3参照)の各々に対向する8個の発光素子223を更に有する。なお、
図4には、1つの発光素子223のみが示される。各発光素子223は、処理部62による発光制御により消灯及び点灯する。表示部101~108は主に、自身に対向する発光素子223からの出射光を透過する。これにより、人600が表示部101~108を視認し易くなる。その結果、人600は、表示部101~108を操作し易くなる。なお、各発光素子223からの出射光の波長は互いに同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0054】
図1~
図4に示されるように、タッチセンサ基板22において、第1処理部は、人600によりタッチ操作された位置を示すセンサ信号を処理部62に出力する。処理部62は、入力されたセンサ信号から、タッチ操作された位置が表示部104及びその周辺であると認識した場合、照明器具200を点灯又は消灯させるコマンドを含む制御信号を生成し照明器具200に出力する。詳細には、タッチ操作された位置が表示部104及びその周辺である場合、制御信号は、照明器具200を点灯又は消灯させるコマンドを含む。タッチ操作された位置が表示部103~101及びその周辺の場合、制御信号は、照明器具200の明るさの増加させるためのコマンドを含む。タッチ操作された位置が表示部105~107及びその周辺の場合、制御信号は、照明器具200の明るさの減少させるためのコマンドを含む。
【0055】
図5は、
図3に示される一点鎖線V-Vに沿う照明制御装置100の要部の縦断面を示す図である。
図5に示されるように、照明制御装置100は、ケース部材5にアンテナ51を更に備える。アンテナ51は、無線通信IFにより給電されることで機能する。詳細には、アンテナ51は、処理部62により生成された各種信号を部屋501内の空間に放射する。また、アンテナ51は、照明アプリからのコマンドを空間から受信し、処理部62に転送する。実施形態では、アンテナ51は、チップアンテナ51aである。
【0056】
ケース部材5は、取付部52と、離隔部53とを、機能部分として有する。取付部52は、チップアンテナ51aをケース部材5に取り付けるための部分である。離隔部53は、所謂スペーサであって、取付部52に取り付けられたチップアンテナ51aをセンサ電極222から第1方向他方側X2において離隔する。従って、照明制御装置100と情報処理装置300との間の伝送品質の劣化が抑制される。詳細には、チップアンテナ51aがセンサ電極222から離隔されるため、チップアンテナ51aとセンサ電極222との静電結合が抑制され、その結果、照明制御装置100と情報処理装置300との間のデータ伝送品質の劣化が抑制される。
【0057】
詳細には、ケース部材5は、樹脂等の誘電性材料から作製され、第1面54と、凹部55とを構造的に有する。第1面54は、第1方向一方側X1を向いており、第1開口54aを有する。実施形態では、第1面54の外形は、第1方向Xから見て略矩形である。第1開口54aは、第1面54において、第2方向他方側Y2及び第3方向他方側Z2の各端部に形成される。第1開口54aの形状は、第1方向Xから見て略矩形である(
図2、
図3参照)。より詳細には、第1開口54aは、第2方向Yに細く、第3方向Zに長い略矩形である。
【0058】
凹部55は、第1開口54aから第1面54よりも第1方向他方側X2へ凹む。凹部55は、底面55aと、4つの側面55bとを有する。底面55aは、第1開口54aと実質的に同じ外形であり、第1開口54aから第1方向他方側X2に所定距離だけ離れて位置する。底面55aには、チップアンテナ51aが取り付けられる。即ち、取付部52は、少なくとも凹部55の底面55aを含む。なお、チップアンテナ51aは、側面55bのみ、又は底面55a及び側面55bに取り付けられてもよい。
【0059】
4つの側面55bは、凹部55において底面55aから第1方向一方側X1に第1面54における第1開口54aの各周縁まで延びる側面である。従って、各側面55bの延出端(即ち、第1方向一方側X1の端部)は、チップアンテナ51aの第1方向一方側X1における端部より第1方向一方側X1に位置する。離隔部53は、各側面55bである。これにより、チップアンテナ51aがセンサ電極222から確実に離隔される。
【0060】
前述の通り、タッチセンサ基板22において、基板221には、センサ電極222が実装される。基板221において、センサ電極222は、チップアンテナ51aと第1方向Xにおいて対向する位置P11には設けられていない。即ち、操作部2は、チップアンテナ51aと第1方向Xに対向する位置P11にセンサ電極222を有していない。従って、チップアンテナ51aとセンサ電極222との静電結合が低減される。その結果、照明制御装置100と、情報処理装置300との間でやりとりされるデータの伝送品質の劣化が抑制される。
【0061】
図6は、
図3に示される一点鎖線V-Vに沿う照明制御装置100の変形例の要部の縦断面を示す図である。
【0062】
図6に示されるように、ケース部材5は、
図5に示す構成と比較すると、第1面54が第1開口54aを有していない点と、凹部55の代わりに凸部56を構造的に有する点で相違する。
【0063】
第1面54には、チップアンテナ51aが取り付けられる。即ち、取付部52は、少なくとも第1面54を含む。
【0064】
凸部56は、第1面54からチップアンテナ51aよりも第1方向一方側X1に突出する。凸部56の先端(即ち、第1方向一方側X1における端部)は、チップアンテナ51aの第1方向一方側X1における端部より第1方向一方側X1に位置する。離隔部53は、凸部56である。これにより、チップアンテナ51aがセンサ電極222から確実に離隔される。
【0065】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0066】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0067】
実施形態では、アンテナ51は、チップアンテナ51aであった。しかし、これに限らず、アンテナ51は、パターンアンテナ(平面アンテナ)、又は同軸アンテナ(ダイポールアンテナ)であってもよい。また、アンテナ51は、センサ電極222から離隔されていれば、化粧プレート1、プレート台3、取付枠4等に取り付けられてもよい。
【0068】
実施形態では、操作部2は、タッチセンサであった。しかし、これに限らず、操作部2は、タッチスイッチであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、照明制御装置であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0070】
500:照明システム
100:照明制御装置
200:照明器具
300:情報処理装置
2 :操作部
21 :パネル
22 :タッチセンサ基板
221:基板
222:センサ電極
223:発光素子
24 :タッチパネルケース
24c:凹部
5 :ケース部材
51 :アンテナ
51a:パターンアンテナ
52 :取付部
53 :離隔部
54 :第1面
54a:第1開口
55 :凹部
55a:底面
55b:側面
56 :凸部
6 :制御基板
61 :基板
62 :処理部
63 :無線通信インタフェース