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特開2024-147860空間浄化システム、換気装置、及び空間浄化装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147860
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】空間浄化システム、換気装置、及び空間浄化装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20241009BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20241009BHJP
   F24F 8/24 20210101ALI20241009BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20241009BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20241009BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F6/00 D
F24F8/24
A61L9/01 F
C02F1/461 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060538
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】山崎 嵩朗
(72)【発明者】
【氏名】北浦 理
(72)【発明者】
【氏名】佐々井 真弓
【テーマコード(参考)】
3L055
3L056
4C180
4D061
【Fターム(参考)】
3L055AA07
3L055BA01
3L055DA12
3L055DA20
3L056BD01
3L056BE01
3L056BE06
4C180AA02
4C180AA07
4C180BB05
4C180BB06
4C180BB13
4C180CB01
4C180CB05
4C180EA58X
4C180HH03
4C180HH05
4C180KK01
4C180KK03
4C180KK05
4C180KK06
4C180LL06
4C180LL11
4D061DA02
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB02
4D061EB37
4D061ED13
4D061GA04
4D061GA06
4D061GC12
(57)【要約】
【課題】空間の次亜塩素酸濃度をより早く目標とする次亜塩素酸濃度にするための空間浄化技術を提供する。
【解決手段】本開示に係る空間浄化システム1000は、電解促進剤と水とを混合する電解槽と、電解槽にて混合された電解促進剤と水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、電極部により生成された次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部20と、運転モードを示す運転モード情報を送信する送信部30と、を含む空間浄化装置100と、空間浄化装置100から運転モード情報を受信する受信部50と、運転モードに基づいて空間の換気を制御する換気制御部40と、を含む換気装置200と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解促進剤と水とを混合する電解槽と、
前記電解槽にて混合された前記電解促進剤と前記水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、
前記電極部により生成された前記次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、
前記空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、
前記運転モードを示す運転モード情報を送信する送信部と、
を含む空間浄化装置と、
前記空間浄化装置から前記運転モード情報を受信する受信部と、
前記運転モードに基づいて前記空間の換気を制御する換気制御部と、
を含む換気装置と、
を備える、空間浄化システム。
【請求項2】
前記運転モードは、所定時間、前記空間を高濃度の次亜塩素酸水を用いて集中浄化する集中浄化モードを含み、
前記換気制御部は、前記集中浄化モードの開始及び終了の少なくとも1つに基づいて前記空間の換気を制御する、請求項1に記載の空間浄化システム。
【請求項3】
前記換気制御部は、前記集中浄化モードが開始した場合、換気を停止する、請求項2に記載の空間浄化システム。
【請求項4】
前記換気装置は、前記空間の二酸化炭素濃度を取得する取得部をさらに備え、
前記換気制御部は、前記集中浄化モードが開始した場合、取得された前記二酸化炭素濃度が閾値以下である場合には換気を停止し、取得された前記二酸化炭素濃度が前記閾値よりも大きい場合には換気を行う、請求項2に記載の空間浄化システム。
【請求項5】
前記換気装置は、前記集中浄化モードが終了した場合、前記換気装置の換気風量を前記集中浄化モードの終了前の前記換気風量よりも大きい所定の高換気風量に設定する、請求項2に記載の空間浄化システム。
【請求項6】
前記所定の高換気風量は、前記換気装置にて設定可能な換気風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい風量である、請求項5に記載の空間浄化システム。
【請求項7】
前記所定の高換気風量は、前記換気装置にて設定可能な換気風量のうち最も大きい風量である、請求項6に記載の空間浄化システム。
【請求項8】
前記換気制御部は、前記高換気風量を所定時間継続する、請求項5に記載の空間浄化システム。
【請求項9】
前記浄化制御部は、前記集中浄化モードを行う間、前記電極部による単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量を所定の高生成量とすることで前記高濃度の次亜塩素酸水を生成し、前記集中浄化モードの終了後、前記単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量を高生成量よりも小さい所定の低生成量とする、請求項2に記載の空間浄化システム。
【請求項10】
前記空間浄化装置は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作部を備え、
前記浄化制御部は、前記操作入力に基づいて前記単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量を設定可能であり、
前記所定の高生成量は、前記操作入力により設定可能な前記単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量よりも大きい、請求項9に記載の空間浄化システム。
【請求項11】
前記空間浄化装置は、吸込口と吹出口とを有する本体ケースを備え、
前記浄化部は、
記生成された前記次亜塩素酸水と空気とを接触させる気液接触部と、
前記吸込口と、前記気液接触部と、前記吹出口と、を順に連通する風路と、
前記風路に空気を導く送風部と、を備え、
前記浄化制御部は、前記集中浄化モードの間には前記送風部の送風量を所定の高送風量に設定する、請求項2に記載の空間浄化システム。
【請求項12】
前記所定の高送風量は、前記送風部において出力可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい送風量である、請求項11に記載の空間浄化システム。
【請求項13】
前記所定の高送風量は、前記送風部にて出力可能な送風量のうち最も大きい送風量である、請求項12に記載の空間浄化システム。
【請求項14】
電解促進剤と水とを混合する電解槽と、前記電解槽にて混合された前記電解促進剤と前記水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、前記電極部により生成された前記次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、前記空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、前記運転モードを示す運転モード情報を送信する送信部とを含む空間浄化装置から、運転モード情報を受信する受信部と、
前記運転モードに基づいて前記空間の換気を制御する換気制御部と、
を備える、換気装置。
【請求項15】
電解促進剤と水とを混合する電解槽と、
前記電解槽にて混合された前記電解促進剤と前記水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、
前記電極部により生成された前記次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、
前記空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、
前記運転モードを示す運転モード情報を、前記運転モードに基づいて前記空間の換気を制御する換気装置に送信する送信部と、
を備える、空間浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間浄化システム、換気装置、及び空間浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去を行うために、塩化物イオンを含む水を電気分解することにより次亜塩素酸水を生成して放出する電解水散布装置(空間浄化装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-24811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空間浄化装置による空間の浄化中、その空間の換気が行われると、空間の次亜塩素酸濃度が増加しにくくなるため、その空間の次亜塩素酸濃度が目標とする次亜塩素酸濃度に増加するまでに時間がかかり、空間の浄化効果が素早く発揮されにくくなる。一方、空間の浄化の完了した場合には、その空間に高濃度の次亜塩素酸が留まり続け、その空間の次亜塩素酸濃度が目標とする次亜塩素酸濃度に低下するまでに時間がかかる場合がある。その結果、高濃度の次亜塩素酸によるクロラミン臭等によりユーザが不快に感じるおそれがある。
【0005】
本開示は、上記従来の課題を解決するものであり、空間の次亜塩素酸濃度をより早く目標とする次亜塩素酸濃度にするための空間浄化技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の空間浄化システムは、電解促進剤と水とを混合する電解槽と、電解槽にて混合された電解促進剤と水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、電極部により生成された次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、運転モードを示す運転モード情報を送信する送信部と、を含む空間浄化装置と、空間浄化装置から運転モード情報を受信する受信部と、運転モードに基づいて空間の換気を制御する換気制御部と、を含む換気装置と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様の換気装置は、電解促進剤と水とを混合する電解槽と、電解槽にて混合された電解促進剤と前記水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、電極部により生成された次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、運転モードを示す運転モード情報を送信する送信部とを含む空間浄化装置から、運転モード情報を受信する受信部と、運転モードに基づいて空間の換気を制御する換気制御部と、を備える。
【0008】
本発明のさらに他の態様の空間浄化装置は、電解促進剤と水とを混合する電解槽と、電解槽にて混合された前記電解促進剤と前記水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、電極部により生成された前記次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、運転モードを示す運転モード情報を、運転モードに基づいて空間の換気を制御する換気装置に送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、空間の次亜塩素酸濃度をより早く目標とする次亜塩素酸濃度にするための空間浄化技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態に係る空間浄化システムの概略構成図である。
図2】本開示の実施の形態に係る空間浄化装置の斜視図である。
図3】本開示の実施の形態に係る空間浄化装置のパネルを開いた状態における斜視図である。
図4図3の空間浄化装置のA平面における断面図である。
図5図3の空間浄化装置のB平面における断面図である。
図6】本開示の実施の形態に係る空間浄化装置の処理を示すフローチャートである。
図7】本開示の実施の形態に係る換気装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本開示の技術思想を具体化するために例示するものであって、本開示は以下のものに特定しない。特に実施の形態に記載されている材質、形状、構成要素、構成要素の配置及び相対的配置等は一例であって、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る空間浄化システム1000について説明する。図1は、実施の形態に係る空間浄化システム1000の概略構成図である。実施の形態に係る空間浄化システム1000は、部屋などの所定の空間を浄化する空間浄化装置100と、所定の空間を換気する換気機能付きエアーコンディショナーや換気扇(給気扇、排気扇、給排気扇)などの換気装置200とを備える。空間浄化装置100及び換気装置200は、同じ空間内に設けられる。空間浄化装置100及び換気装置200は、有線又は無線で互いに通信可能に構成される。空間浄化装置100及び換気装置200との伝送路は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよいし、有線通信の伝送路であってもよいし、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。図1の空間浄化装置100の浄化制御部20、送信部30、並びに換気装置200の換気制御部40、受信部50及び取得部60については後述する。
【0013】
図2は、空間浄化装置100の斜視図である。図3は、図2のパネル3を開いた状態における空間浄化装置100の斜視図である。図2及び図3に示す通り、空間浄化装置100は、本体ケース1を備える。本体ケース1は、略箱形状の箱体であり、吸気口2と、吹出口6と、パネル3とを備える。
【0014】
吸気口2は、本体ケース1の両側面に設けられ、本体ケース1内に本体ケース1外の空気を取り入れる格子状の開口である。
【0015】
吹出口6は、本体ケース1の天面の背面側に設けられる。吹出口6は、吸気口2より本体ケース1内に取り入れられた空気を本体ケース1外に吹き出すための開閉式の開口である。図2、3では、吹出口6は閉じた状態である。
【0016】
パネル3は、本体ケース1の前面視において右側の側面である本体側面1Aに設けられる。パネル3は、開閉可能なカバーであり、主にプラスチック樹脂によって形成されている。パネル3における本体ケース1の前面側には2つの吸気口2のうちの1つを有している。パネル3の内側が本体ケース1内となる。
【0017】
また、空間浄化装置100は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作部27を備える。
【0018】
図4は、図3の空間浄化装置100のA平面における断面図で、空間浄化装置100を右側から見た図である。図4は、次亜塩素酸水生成に関する周辺構成などを示している。図3、4に示すように、本体ケース1内に次亜塩素酸水生成部5を備える。次亜塩素酸水生成部5は、電解槽14と、電極部17と、電解促進剤投入部25とを備える。
【0019】
電解槽14は、天面を開口した箱形状をしており、水供給部15から供給される水を貯水できる構造となっている。電解槽14は、本体ケース1の下部に配置され、本体ケース1に対して水平方向にスライドすることで本体ケース1に着脱可能となっている。電解槽14は、タンク保持部14aと、水位検知部18と、次亜塩素酸水センサ26とを備える。
【0020】
タンク保持部14aは、電解槽14の底面に設けられる。タンク保持部14aの上部には水供給部15が装着される。
【0021】
水位検知部18は、電解槽14の水位を検知する。例えば、内部に浮力を有するフロート付き磁石と、フロート付き磁石と対向する位置にあり磁石の磁力を検知する磁力検知部とで構成される。ただし、水位が検知できればこの構成でなくてもよい。
【0022】
次亜塩素酸水センサ26は、電解槽14の水または次亜塩素酸水に浸漬するように設置され、電解槽14の次亜塩素酸水濃度を検出する。次亜塩素酸水センサ26は例えば、センサ用電極と濃度検出回路を備えており、センサ用電極に通電した際の抵抗値の変化から濃度検出回路が次亜塩素酸水濃度を検出する。ただし、次亜塩素酸水センサ26は、次亜塩素酸水濃度を検出することができれば他の構成でもよい。
【0023】
電極部17は、電極部材を備えており、この電極部材が電解槽14の水に浸漬するように設置される。電極部17は、この電極部材に通電することにより、電解槽14の塩化物イオンを含む水を電気化学的に電気分解し、次亜塩素酸水を生成する。電極部17は、電気分解するために電極部材へ通電を行う通電時間と、通電停止後の時間、つまり通電を行っていない時間である非通電時間を一周期として、その一周期を複数回繰り返すことで、次亜塩素酸水を生成する。つまり、電極部材に対し非通電時間を設けることで、電極部材の寿命を延ばすことができる。なお、非通電時間に対して通電時間を長くすれば、一周期当たりにおいてより多くの量の次亜塩素酸が生成される。また通電時間に対して非通電時間を長くすれば、一周期当たりの次亜塩素酸の生成を抑えられる。さらに、通電時間における電力量を大きくすれば、より多くの次亜塩素酸が生成される。
【0024】
電解促進剤投入部25は、電解槽14に電解促進剤を投入する。電解促進剤投入部25は、錠剤投入ケース25aと、錠剤投入カバー25bとを備える。錠剤投入ケース25aは、電解槽14に投入するための電解促進剤が格納されるケースであり、本体ケース1内から取り出し可能である。錠剤投入カバー25bは、錠剤投入ケース25aの上部に着脱自在に設けられたカバーである。ユーザは、錠剤投入カバー25bを外すことで、錠剤投入ケース25a内に電解促進剤を格納できる。
【0025】
電解促進剤投入部25は、電解促進剤を電解槽14へ投入する場合に、錠剤投入ケース25a内に設けた錠剤投入部材を回動させる。錠剤投入部材が回動すると、電解促進剤が錠剤投入ケース25aの底面の落下開口より電解槽14に落下する。電解促進剤投入部25は、錠剤投入ケース25aから電解槽14に落下された電解促進錠剤の個数をカウントし、錠剤投入ケース25aから電解槽14に電解促進錠剤が一錠落下したと判断すると、錠剤投入部材の回転を停止する。そして、電解促進剤が電解槽14の水に溶け込むことにより、塩化物イオンを含む水が生成される。つまり、電解槽14は、電解促進剤と水とを混合する。そして、電極部17が電解槽14にて混合された電解促進剤と水とから次亜塩素酸水を生成する。電解促進剤の一例としては、塩化ナトリウムが挙げられる。
【0026】
また、本体ケース1内には水供給部15が備えられる。水供給部15は、電解槽14の上部に配置され、電解槽14に水を供給する。水供給部15は、電解槽14に着脱可能な構造となっており、本体ケース1内から取り出すことができる。水供給部15は、タンク15aと、蓋15bを備える。
【0027】
タンク15aは、中空の容器であり、水を貯水する。蓋15bは、タンク15aの下部に位置する開口に設けられる。蓋15bの中央には開閉部を有しており、開閉部が開くと、タンク15a内の水が、電解槽14へ供給される。具体的には、タンク15aの開口を下向きにして、水供給部15を電解槽14のタンク保持部14aに取り付けると、タンク保持部14aによって開閉部が開く。つまり、水供給部15に水を入れてタンク保持部14aに取り付けると、開閉部が開いて電解槽14に給水され、電解槽14内に水が溜まる。電解槽14内の水位が上昇して蓋15bの位置まで到達すると、水供給部15の開口が水封されるので給水が停止し、水供給部15の内部には水が残る。そして、電解槽14内の水位が下がった場合には都度、タンク15a内部の水が電解槽14に給水される。即ち、電解槽14内の水位は一定に保たれる。
【0028】
図5は、図3の空間浄化装置100のB平面における断面図で、空間浄化装置100を正面視した場合の右側、つまりパネル3側から見た図である。図5は、空間浄化装置100の風路構成などを示している。図5に示すように、本体ケース1は、浄化部19を備えている。
【0029】
浄化部19は、電解槽14の次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う。浄化部19は、送風部7と、風路8と、気液接触部16とを備える。
【0030】
送風部7は、風路8に空気を導く。送風部7は、本体ケース1の中央部に設けられ、モータ部9と、ファン部10と、ケーシング部11とを備えている。モータ部9は、例えばDCモータでありケーシング部11に固定される。ファン部10は、例えばシロッコファンであり、モータ部9の動力により回転する。ファン部10は、モータ部9から水平方向に延びた回転軸9aに固定される。モータ部9の回転軸9aは、本体ケース1内の前面側から背面側に延びている。ケーシング部11は、モータ部9とファン部10を囲んでおりスクロール形状である。ケーシング部11は、吸込口13と吐出口12とを備えている。吸込口13は、ケーシング部11の本体ケース1における背面側に設けられており、吸気口2から本体ケース1内に取り込まれた空気をケーシング部11内に取り入れる開口である。吐出口12は、ケーシング部11の本体ケース1における上面側に設けられており、吸込口13よりケーシング部11内に取り入れられた空気をケーシング部11外へ吐き出すための開口である。
【0031】
気液接触部16は、電解槽14に貯留された次亜塩素酸水と、送風部7によって本体ケース1内に流入した空間の空気とを接触させる円筒状の部材である。気液接触部16は、フィルター部16aを備えている。フィルター部16aは、気液接触部16の円周部分に配置され、空気が流通可能な孔が設けられている。
【0032】
気液接触部16は、その一端が電解槽14の次亜塩素酸水に浸漬され、保水されるように配置されている。気液接触部16は、フィルター部16aの中心軸を回転中心として駆動部により回転され、次亜塩素酸水と空気を連続的に接触させる構造となっている。
【0033】
風路8は、吸気口2と、気液接触部16と、吹出口6とを順に連通する。風路8は、吸気口2から下流側へ、気液接触部16、送風部7、吹出口6をこの順に備えている。浄化制御部20が制御するモータ部9によってファン部10が回転すると、吸気口2から吸い込まれ風路8内に入った外部の空気は、順に、フィルター部16a、送風部7、吹出口6を介して、空間浄化装置100の外部へ吹き出される。これにより、電解槽14にて生成された次亜塩素酸水が外部へ放出される。なお、空間浄化装置100は、必ずしも次亜塩素酸水そのものを撒くものでなくてもよく、結果的に生成した次亜塩素酸水由来(揮発を含む)の次亜塩素酸を放出するものであってもよい。
【0034】
図1に戻り、本開示の実施の形態1に係る空間浄化装置100及び換気装置200の各機能について説明する。空間浄化装置100は、浄化制御部20と、送信部30と、を備える。換気装置200は、換気制御部40と、受信部50と、取得部60と、を備える。図1に示す各機能ブロックは、ハードウェアとしては、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェアとしてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックである。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによって様々な形で実現することができる。
【0035】
まず、空間浄化装置100の機能及び処理について説明する。
【0036】
浄化制御部20は、空間浄化装置100の運転を制御する。浄化制御部20は、送風部7のモータ部9と、電極部17と、を制御することによって、単位時間当たりの送風量及び次亜塩素酸の生成量の少なくとも一方を調整することができる。例えば、浄化制御部20は、単位時間当たりの送風量及び次亜塩素酸の生成量を調整するために、送風部7のモータ部9の回転数と、電極部17に対する供給電圧、供給電流、供給電力、デューティー比等を制御する。浄化制御部20は、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する。浄化制御部20は、空間への次亜塩素酸の単位時間当たりの供給量を設定するための運転モードを制御する。浄化制御部20は、集中浄化モードと、通常浄化モードと、低浄化モードと、ユーザ設定モードとの間で運転モードを切り替え可能に構成される。浄化制御部20は、本体ケース4の上面に設けられた操作部27の操作入力に基づいて、集中浄化モードと通常浄化モードと低浄化モードとユーザ設定モードとを切り替えて、送風量と次亜塩素酸の生成量とを調整することができる。なお、浄化制御部20は、空間浄化装置100に設けられたタイマーによって所定時間を測定する。これにより、次亜塩素酸濃度を所定時間のみ集中浄化モードの目標とする次亜塩素酸濃度にすることができる。
【0037】
ユーザ設定モードは、ユーザによる操作部27の操作入力によって単位時間当たりの送風量及び次亜塩素酸の生成量の少なくとも一方を設定する運転モードである。本実施の形態では、ユーザ設定モードにおいてユーザが設定可能な単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量は、空間浄化装置100が出力可能な単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量の最大値よりも小さい。また、本実施の形態では、ユーザ設定モードにおいてユーザが設定可能な単位時間当たりの送風量は、空間浄化装置100が出力可能な単位時間当たりの送風量の最大値以下である。
【0038】
集中浄化モードは、室内の空気が通常より汚れている場合、一例としては、室内(空間内)で焼肉等を行った後に使用する運転モードである。焼肉等を行った後の空気の汚れには焼肉等により発生した臭いも含む。集中浄化モードは、浄化制御部20が、送風部7のモータ部9と、気液接触部16の駆動部と、電極部17と、を動作させ、単位時間当たりの送風部7の送風量を高送風量とし且つ電解槽14内の水中での単位時間あたりの次亜塩素酸の生成量を高生成量とする運転モードである。集中浄化モードは、空間を高濃度の次亜塩素酸水を用いて集中浄化する運転モードである。集中浄化モードは、その開始から所定時間行われる。集中浄化モードにおける所定の高生成量は、ユーザ設定モードにおいてユーザが設定可能な生成量よりも大きい生成量である。例えば、集中浄化モードにおける所定の高生成量は、空間浄化装置100が出力可能な単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量の最大値である。集中浄化モードにおける所定の高送風量は、送風部7において出力可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい送風量であり、好ましくは、送風部7にて出力可能な送風量のうち最も大きい送風量である。
【0039】
ここで、集中浄化モードにおける所定の高生成量をユーザ設定モードにおいてユーザが設定可能な生成量よりも大きい生成量にしている理由、つまりユーザが設定不可能な高生成量にしている理由について説明する。次亜塩素酸を空気に含ませることで次亜塩素酸と空気中のアンモニアが反応し、クロラミンが生成される。生成されたクロラミンの臭い(クロラミン臭)はユーザに不快感を与える可能性がある。一方で、集中浄化モードは、室内の空気の汚れの早期の浄化(室内の空気の臭いを早期に脱臭)等を優先した場合を想定しているため、ユーザ設定モードにおいてユーザが設定可能な生成量よりも大きい生成量にしている。もし、室内の空気の汚れの早期の浄化(室内の空気の臭いを早期に脱臭)等を優先した場合ではない通常時等に、ユーザによって所定の高生成量が設定可能であったとすると、ユーザにクロラミン臭による不快感を与える可能性がある。本実施の形態では、焼肉等により発生した汚れの浄化や臭いの脱臭等を早期に完了させることを優先しているため、集中浄化モードにおける単位時間あたりの次亜塩素酸の生成量を所定の高生成量としている。また、ユーザがこの所定の高生成量を設定できないようにすることにより、ユーザにクロラミン臭による不快感を与えることを抑制している。
【0040】
通常浄化モードは、室内の空気が通常の汚れ状態、つまり通常時に使用する運転モードである。通常浄化モードは、浄化制御部20が、電極部17を動作させ、電解槽14内の水中での単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量を高生成量より小さい通常生成量とする運転モードである。通常浄化モード時における単位時間当たりの送風部7の送風量は、ユーザにより設定された送風量であってもよい。また、空間浄化装置100は臭気センサを備え、臭気センサが測定した空間の臭いレベルが大きいほど単位時間当たりの送風部7の送風量が大きくなるようにしてもよい。言い換えると、臭気センサが測定した空間の臭いレベルが小さいほど単位時間当たりの送風部7の送風量が小さくなるようにしてもよい。また、空間浄化装置100が臭気センサを備える場合、通常浄化モードにおける単位時間あたりの次亜塩素酸の生成量は、高生成量よりも小さく、さらに臭気センサが測定した空間の臭いレベルが大きいほど単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量が大きくなるようにしてもよい。
【0041】
低浄化モードは、浄化制御部20が、電極部17を動作させるか、または停止させ、電解槽14内の水中での単位時間あたりの次亜塩素酸の生成量が通常生成量より小さい低生成量となる運転モードである。つまり、低浄化モードにおける単位時間あたりの次亜塩素酸の生成量は、通常浄化モードにおける単位時間あたりの次亜塩素酸の生成量よりも小さい。
【0042】
送信部30は、空間浄化装置100の運転モードを示す運転モード情報を換気装置200に送信する。
【0043】
図6は、本実施の形態に係る空間浄化装置100の処理S10を示すフローチャートである。
【0044】
まず、空間浄化装置100が通常浄化モードで運転しているとする。ステップS11で、浄化制御部20は、集中浄化モードを開始するか否かを判定する。例えば、浄化制御部20は、ユーザによる操作部27の操作入力に基づいて集中浄化モードが選択された場合に、集中浄化モードを開始すると判定する。集中浄化モードを開始すると判定された場合(ステップS11のYes)、処理S10はステップS12に進む。集中浄化モードを開始しないと判定された場合(ステップS11のNo)、通常浄化モードでの運転を継続し、処理S10はステップS11に戻る。
【0045】
ステップS12で、送信部30は、集中浄化モードの運転を開始することを示す集中浄化モード運転開始通知を換気装置200に送信する。本実施の形態の集中浄化モード運転開始通知は、運転モード情報の一例である。
【0046】
ステップS13で、浄化制御部20は、集中浄化モードでの運転を開始する。ステップS13は、ステップS12と同時に行われてもよいし、ステップS12の前に行われてもよい。
【0047】
ステップS14で、浄化制御部20は、集中浄化モードを終了するか否かを判定する。例えば、浄化制御部20は、ユーザによる操作部27の操作入力に基づいて集中浄化モードとは異なる他のモード(通常浄化モードやユーザ設定モード)が選択された場合や集中浄化モードの開始から所定時間が経過した場合に、集中浄化モードを終了すると判定する。集中浄化モードを終了すると判定された場合(ステップS14のYes)、処理S10はステップS15に進む。集中浄化モードを終了しないと判定された場合(ステップS14のNo)、処理S10はステップS14に戻る。
【0048】
ステップS15で、送信部30は、集中浄化モードの運転を終了することを示す集中浄化モード運転終了通知を換気装置200に送信する。本実施の形態の集中浄化モード運転終了通知は、運転モード情報の一例である。
【0049】
ステップS16で、浄化制御部20は、集中浄化モードの運転を終了する。ステップS16は、ステップS15と同時に行われてもよいし、ステップS15の前に行われてもよい。ステップS16の後、処理S10は終了する。
【0050】
次に、換気装置200の機能及び処理について説明する。
【0051】
換気制御部40は、空間の換気を制御する。本実施の形態の換気制御部40は、空間浄化装置100から受信した運転モード情報に基づいて、空間の換気を制御する。換気制御部40は、空間における換気の風量を制御する。換気制御部40は、換気の風量として、空間における排気の風量を制御してもよいし、給気の風量を制御してもよいし、給排気の風量を制御してもよい。本実施の形態の換気制御部40は、高換気モードと、通常換気モードと、低換気モードとの間で換気モードを切り替え可能に構成される。
【0052】
高換気モードは、室内の空気の換気風量を相対的に大きくする場合に使用する換気モードである。高換気モードは、換気装置200の換気風量を所定の高換気風量に設定する換気モードである。高換気風量は、集中浄化モードの終了前の換気風量よりも大きい風量である。高換気風量は、換気装置200にて設定可能な換気風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい風量であり、好ましくは、換気装置200にて設定可能な換気風量のうち最も大きい風量(最大値の換気風量)である。本実施の形態の高換気風量は、換気装置200にて設定可能な換気風量のうち最も大きい風量である。
【0053】
通常換気モードは、常時使用する換気モードである。通常換気モードは、換気装置200の換気風量を通常換気風量に設定する換気モードである。本実施の形態では一例として、通常換気風量は、換気装置200にて設定可能な換気風量のうち最小値と最大値との中間の値に相当する風量である。また、通常換気風量は、ユーザにより設定された換気風量であってもよい。通常換気風量は、空間内の二酸化炭素濃度に基づいて適宜変更される換気風量であってもよい。例えば、空間内の二酸化炭素濃度が高いほど大きい換気風量が設定されてもよい。空間内の二酸化炭素濃度は、後述する取得部60により取得されてもよい。
【0054】
低換気モードは、室内の空気の換気風量を相対的に小さくする場合に使用する換気モードである。低換気モードは、換気装置200の換気風量を所定の低換気風量に設定する換気モードである。低換気風量は、換気装置200にて設定可能な換気風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも小さい風量であり、好ましくは、換気装置200の換気を停止したときの風量(すなわち、換気風量は0)である。本実施の形態の低換気風量は、換気装置200の換気を停止したときの風量である。
【0055】
受信部50は、空間浄化装置100の送信部30から送信された集中浄化モード運転開始通知などの運転モード情報を受信する。
【0056】
取得部60は、換気装置200に設けられた二酸化炭素濃度測定センサ等から、所定の空間内の二酸化炭素濃度の測定値を取得する。また、取得部60は、例えば、換気対象の空間内のいずれかの場所や空間浄化装置100に設けられた二酸化炭素濃度測定センサから二酸化炭素濃度の測定値を取得してもよい。
【0057】
図7は、本実施の形態に係る換気装置200の処理S20を示すフローチャートである。
【0058】
換気装置200は通常換気モードで運転している。ステップS21で、換気制御部40は、受信部50を介して集中浄化モード運転開始通知を受信したか否かを判定する。集中浄化モード運転開始通知を受信したと判定された場合(ステップS21のYes)、処理S20はステップS22に進む。集中浄化モード運転開始通知を受信していないと判定された場合(ステップS21のNo)、通常換気モードでの運転を継続し、処理S20はステップS21の先頭に戻る。
【0059】
ステップS22で、取得部60は、二酸化炭素濃度の測定値を取得する。
【0060】
ステップS23で、換気制御部40は、取得した二酸化炭素濃度が閾値以下であるか否かを判定する。この閾値は、任意に設定可能であるが、例えば、1000[ppm]である。二酸化炭素濃度が閾値以下であると判定された場合(ステップS23のYes)、処理S20はステップS24に進む。二酸化炭素濃度が閾値以下ではないと判定された場合(ステップS23のNo)、処理S20はステップS28に進む。
【0061】
ステップS24で、換気制御部40は、低換気モードを実施する。これにより、所定の空間内の空気が外部に排出されにくくなるため、集中浄化モード中の所定の空間内の次亜塩素酸濃度を効率的に高めることができるため、空間の浄化機能(脱臭も含む)を効果的に作用させることができる。本実施の形態では、換気制御部40は、換気装置200の換気を停止することで、集中浄化モード中の所定の空間内の次亜塩素酸濃度を最も効率的に高めることができる。
【0062】
ステップS25で、換気制御部40は、受信部50を介して集中浄化モード運転終了通知を受信したか否かを判定する。集中浄化モード運転終了通知を受信したと判定された場合(ステップS25のYes)、処理S20はステップS26に進む。集中浄化モード運転終了通知を受信していないと判定された場合(ステップS25のNo)、処理S20はステップS22に戻る。
【0063】
ステップS26で、換気制御部40は、高換気モードを実施する。これにより、換気風量が高換気風量に設定されるため、集中浄化モードの運転により高い濃度となっている所定の空間内の次亜塩素酸濃度を素早く低減させることができる。本実施の形態では、換気制御部40は、換気装置200にて設定可能な換気風量のうち最も大きい風量に設定することで、集中浄化モードの運転により高い濃度となっている所定の空間内の次亜塩素酸濃度を最も素早く低減させることができる。また、高換気モードの運転の開始に応答して、換気装置200に設けられたタイマーがカウントを開始する。
【0064】
ステップS27で、換気制御部40は、換気装置200のタイマーのカウントに基づいて、高換気モードでの運転開始から所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過したと判定された場合(ステップS27のYes)、所定の空間中の次亜塩素酸濃度が通常の濃度まで低減したとみなし、処理S20はステップS28に進む。所定時間経過していないと判定された場合(ステップS27のNo)、処理S20はステップS27に戻る。
【0065】
ステップS28で、換気制御部40は、通常換気モードを実施する。これにより、換気風量が通常換気風量に設定される。また、通常換気モードの運転の開始に応答して、換気装置200のタイマーのカウントがリセットされる。高換気モードから通常換気モードに移行することで、所定の空間中の次亜塩素酸濃度を適切にすることができる。また、二酸化炭素濃度が閾値以下ではないと判定された場合には低換気モードにならないため、空間内の二酸化炭素濃度を改善できる。つまり、二酸化炭素濃度が高濃度の場合は空間内の浄化よりもユーザの人体への悪影響を避けることを優先した制御を行うことで、ユーザの人体への安全性を確保できる。
【0066】
ステップS28の後、処理S20は終了する。
【0067】
以下、変形例を説明する。
【0068】
浄化制御部20は、集中浄化モードの運転を終了して運転モードを集中浄化モードから通常浄化モードに切り替える場合に、集中浄化モードと通常浄化モードとの間に所定時間、低浄化モードを動作させてもよい。すなわち、浄化制御部20は、集中浄化モードを所定時間継続した後、運転モードを低浄化モードに切り替えて所定時間継続し、最後に通常浄化モードに切り替えてもよい。これにより、集中浄化モードの終了後に高濃度になった空間の次亜塩素酸濃度を、より早く通常浄化モードの目標とする次亜塩素酸濃度に減少することが可能となる。
【0069】
また、集中浄化モードから通常浄化モードに切り替える場合の低浄化モードにおける送風部7の単位時間当たりの送風量は、集中浄化モードにおける送風部7の単位時間当たりの送風量(所定の高送風量)または所定の高送風量以上でもあってもよい。また、集中浄化モードから通常浄化モードに切り替える場合の低浄化モードにおける送風部7の単位時間当たりの送風量は、送風部7にて出力可能な送風量のうち最も大きい送風量でもあってもよい。これにより、次亜塩素酸水を含んだフィルター部16aから気化される次亜塩素酸量が上がり、より素早くフィルター部16aに含まれる次亜塩素酸水の次亜塩素酸濃度を集中浄化モードの狙い値から通常浄化モードの狙い値に減少させることができるという効果が得られる。つまり、より素早く電解槽14の水の次亜塩素酸濃度を集中浄化モードの狙い値から通常浄化モードの狙い値に減少させることができるという効果が得られる。
【0070】
また、集中浄化モードから通常浄化モードに切り替える場合の低浄化モードにおける駆動部によるフィルター部16aの単位時間当たりの回転数は、集中浄化モードにおけるフィルター部16aの単位時間当たりの回転数より大きくしてもよい。これにより、次亜塩素酸水を含んだフィルター部16aから気化される次亜塩素酸量が上がり、より素早くフィルター部16aに含まれる次亜塩素酸水の次亜塩素酸濃度を集中浄化モードの狙い値から通常浄化モードの狙い値に減少させることができるという効果が得られる。つまり、より素早く電解槽14の水の次亜塩素酸濃度を集中浄化モードの狙い値から通常浄化モードの狙い値に減少させることができるという効果が得られる。
【0071】
また、実施の形態では、運転モード情報は、集中浄化モード開始通知及び集中浄化モード運転終了通知としたが、これに限定されず、切替後の運転モードを示すものであってもよい。例えば、集中浄化モードから通常浄化モードに切り替えらえる場合には、運転モード情報は、通常浄化モード開始通知を示すものであってもよい。
【0072】
また、実施の形態では、換気制御部40は、上記ステップS21、S24、S25、S26において、集中浄化モードの開始及び終了に基づいて空間の換気を制御したが、これに限定されず、集中浄化モードの開始及び終了の少なくとも1つに基づいて空間の換気を制御してもよい。また、換気制御部40は、集中浄化モードに限られず、通常浄化モード、低浄化モード、ユーザ設定モードの場合にも、これらの運転モードに基づいて空間の換気を制御してもよい。
【0073】
また、実施の形態では、浄化制御部20は、単位時間当たりの送風量及び次亜塩素酸の生成量を調整するものとしたが、これに限定されず、単位時間当たりの送風量及び次亜塩素酸の生成量の少なくとも一方を調整するものであってもよい。この場合、集中浄化モード、通常浄化モード、及び低浄化モードは単位時間当たりの送風部7の送風量及び単位時間あたりの次亜塩素酸の生成量の少なくとも1つを調整する運転モードであってもよい。
【0074】
また、実施の形態では、ユーザ設定モードにおいてユーザが設定可能な次亜塩素酸の生成量は、空間浄化装置100が出力可能な次亜塩素酸の生成量の最大値よりも小さいが、これに限定されず、空間浄化装置100が出力可能な単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量の最大値であってもよい。
【0075】
また、実施の形態では、空間浄化装置100は、電解槽14に貯留された次亜塩素酸水を浄化部19の気液接触部16に浸漬させる一槽式の構造としたが、これに限定されず、電解槽14に貯留された次亜塩素酸水が供給される別の槽を設け、この別の槽に貯留された次亜塩素酸水を浄化部19の気液接触部16に浸漬させる二槽式の構造としてもよい。
【0076】
以下、本開示の構成及びその効果について説明する。
【0077】
本開示に係る空間浄化システムは、電解促進剤と水とを混合する電解槽と、電解槽にて混合された電解促進剤と水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、電極部により生成された次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、運転モードを示す運転モード情報を送信する送信部と、を含む空間浄化装置と、空間浄化装置から運転モード情報を受信する受信部と、運転モードに基づいて空間の換気を制御する換気制御部と、を含む換気装置と、を備える。本構成によると、運転モードによって設定される次亜塩素酸の供給量に応じて、適切な換気を行うことができるため、空間の次亜塩素酸濃度を素早く目標とする次亜塩素酸濃度にすることができる。
【0078】
運転モードは、所定時間、空間を高濃度の次亜塩素酸水を用いて集中浄化する集中浄化モードを含み、換気制御部は、集中浄化モードの開始及び終了の少なくとも1つに基づいて空間の換気を制御する。本構成によると、集中浄化モードの開始及び終了の少なくとも1つに応じて、空間の次亜塩素酸濃度を素早く目標とする次亜塩素酸濃度にすることができる。
【0079】
換気制御部は、集中浄化モードが開始した場合、換気を停止する。本構成によると、集中浄化モードが開始後に、素早く空間の次亜塩素酸濃度を上昇させることができ、浄化効果(脱臭効果を含む)を効果的に発揮させることができる。空間の次亜塩素酸濃度を素早く集中浄化モードの目標とする次亜塩素酸濃度にすることができるため、集中浄化モードの浄化効果を効果的に発揮させることができる。
【0080】
換気装置は、空間の二酸化炭素濃度を取得する取得部をさらに備え、換気制御部は、集中浄化モードが開始した場合、取得された二酸化炭素濃度が閾値以下である場合には換気を停止し、取得された二酸化炭素濃度が閾値よりも大きい場合には換気を行う。空間の二酸化炭素濃度が高い濃度になると、その空間に存在する人の集中力が落ちたり体調を害するなどの人体に影響を与えるおそれがある。本構成によると、空間の二酸化炭素濃度の上昇により人体に影響を与える事態が生じることを抑制しつつ、空間の次亜塩素酸濃度を上昇させることができる。
【0081】
換気装置は、集中浄化モードが終了した場合、換気装置の換気風量を集中浄化モードの終了前の換気風量よりも大きい所定の高換気風量に設定する。本構成によると、高換気モードを実施する。これにより、換気風量が高換気風量に設定されるため、集中浄化モードの運転により高い濃度となっている所定の空間内の次亜塩素酸濃度を素早く低減させることができる。
【0082】
所定の高換気風量は、換気装置にて設定可能な換気風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい風量であり、より好ましくは、換気装置にて設定可能な換気風量のうち最も大きい風量である。本構成によると、集中浄化モードの運転により高い濃度となっている所定の空間内の次亜塩素酸濃度をより素早く低減させることができる。
【0083】
換気制御部は、集中浄化モードが終了した場合、高換気風量を所定時間継続する。本構成によると、集中浄化モードの運転により高い濃度となっている所定の空間内の次亜塩素酸濃度を適切に低減できる。
【0084】
浄化制御部は、集中浄化モードを行う間、電極部による単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量を所定の高生成量とすることで高濃度の次亜塩素酸水を生成し、集中浄化モードの終了後、単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量を高生成量よりも小さい所定の低生成量とする。本構成によると、集中浄化モードによって空間を効果的に浄化した後、集中浄化モードの運転により高い濃度となっている所定の空間内の次亜塩素酸濃度を適切に低減できる。
【0085】
空間浄化装置は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作部を備え、浄化制御部は、操作入力に基づいて単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量を設定可能であり、所定の高生成量は、操作入力により設定可能な単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量よりも大きい。本構成によると、集中浄化モードを、操作入力により設定可能な単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量よりも大きい高生成量で行うことにより、空間を集中的に浄化することが可能となる。なお、本構成によると、集中浄化モードを、操作入力により設定可能な単位時間当たりの次亜塩素酸の生成量よりも大きい高生成量で所定時間行うことにより、空間を所定時間集中的に浄化することが可能となる。また、集中浄化モード以外のモードにおいて、クロラミン臭が発生することを抑制することができ、ユーザの不快感を抑制できる。
【0086】
空間浄化装置は、吸込口と吹出口とを有する本体ケースを備え、浄化部は、生成された次亜塩素酸水と空気とを接触させる気液接触部と、吸込口と、気液接触部と、吹出口と、を順に連通する風路と、風路に空気を導く送風部と、を備え、浄化制御部は、集中浄化モードの間には送風部の送風量を所定の高送風量に設定する。本構成によると、空間への次亜塩素酸の供給量が増加するため、集中浄化モードによって空間を効果的に浄化することができる。
【0087】
換気装置は、電解促進剤と水とを混合する電解槽と、電解槽にて混合された電解促進剤と水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、電極部により生成された次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、運転モードを示す運転モード情報を送信する送信部とを含む空間浄化装置から、運転モード情報を受信する受信部と、運転モードに基づいて空間の換気を制御する換気制御部と、を備える。本構成によると、運転モードによって設定される次亜塩素酸の供給量に応じて、適切な換気を行うことができるため、空間の次亜塩素酸濃度を素早く目標とする次亜塩素酸濃度にすることができる。
【0088】
空間浄化装置は、電解促進剤と水とを混合する電解槽と、電解槽にて混合された電解促進剤と水とから次亜塩素酸水を生成する電極部と、電極部により生成された次亜塩素酸水を用いて空間の浄化を行う浄化部と、空間へ次亜塩素酸を供給するための運転モードを制御する浄化制御部と、運転モードを示す運転モード情報を、運転モードに基づいて空間の換気を制御する換気装置に送信する送信部と、を備える。本構成によると、空間の次亜塩素酸濃度を素早く目標とする次亜塩素酸濃度にするように、運転モードによって設定される次亜塩素酸の供給量に応じて換気装置に適切な換気を行わせることが可能となる。
【0089】
本開示には、空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去(不活性化を含む)を行う空間浄化装置として有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 本体ケース
1A 本体側面
2 吸気口
3 パネル
5 次亜塩素酸水生成部
6 吹出口
7 送風部
8 風路
9 モータ部
9a 回転軸
10 ファン部
11 ケーシング部
12 吐出口
13 吸込口
14 電解槽
14a タンク保持部
15 水供給部
15a タンク
15b 蓋
16 気液接触部
16a フィルター部
17 電極部
18 水位検知部
19 浄化部
20 浄化制御部
25 電解促進剤投入部
25a 錠剤投入ケース
25b 錠剤投入カバー
26 次亜塩素酸水センサ
30 送信部
40 換気制御部
50 受信部
60 取得部
100 空間浄化装置
200 換気装置
1000 空間浄化システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7