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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147879
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/237 20180101AFI20241009BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20241009BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20241009BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20241009BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20241009BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20241009BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20241009BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20241009BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20241009BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241009BHJP
【ＦＩ】
F21S43/237
F21S43/14
F21S43/245
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:55
F21W103:20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023060584
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩二
(57)【要約】
【課題】光源から出射された光を導光体により導光させる際の光の利用効率を高めることを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】導光体３は、反射部５及び出射部６が設けられた第１の導光部３１と、入射部４から第１の導光部３１に向かって、入射部４と同じ断面形状を有する第２の導光部３２と、第２の導光部３２から第１の導光部３１に向かって、第２の導光部３２と同じ断面形状から第１の導光部３１と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有する第３の導光部３３とを含む。
【選択図】図２
【解決手段】導光体３は、反射部５及び出射部６が設けられた第１の導光部３１と、入射部４から第１の導光部３１に向かって、入射部４と同じ断面形状を有する第２の導光部３２と、第２の導光部３２から第１の導光部３１に向かって、第２の導光部３２と同じ断面形状から第１の導光部３１と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有する第３の導光部３３とを含む。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、棒状の導光体とを備え、前記光源から出射された光を前記導光体の基端側に設けられた入射部から前記導光体の内部へと入射し、前記導光体の先端側に向けて光を導光させると共に、前記導光体の背面側に設けられた反射部で反射された光を前記導光体の正面側に設けられた出射部から前記導光体の外部へと出射する車両用灯具であって、
前記導光体は、前記反射部及び前記出射部が設けられた第１の導光部と、
前記入射部から前記第１の導光部に向かって、前記入射部と同じ断面形状を有する第２の導光部と、
前記第２の導光部から前記第１の導光部に向かって、前記第２の導光部と同じ断面形状から前記第１の導光部と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有する第３の導光部とを含むことを特徴とする車両用灯具。
前記導光体は、前記反射部及び前記出射部が設けられた第１の導光部と、
前記入射部から前記第１の導光部に向かって、前記入射部と同じ断面形状を有する第２の導光部と、
前記第２の導光部から前記第１の導光部に向かって、前記第２の導光部と同じ断面形状から前記第１の導光部と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有する第３の導光部とを含むことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第２の導光部が延在する方向の寸法をａとし、前記第３の導光部が延在する方向の寸法をｂとしたときに、
ａ＜ｂ
の関係を満足することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
ａ＜ｂ
の関係を満足することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記導光体の前記入射部における直径をｃとしたときに、
１．０ｃ≦ａ≦３．０ｃ、
２．０ｃ≦ｂ≦６．０ｃ
の関係を満足することを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
１．０ｃ≦ａ≦３．０ｃ、
２．０ｃ≦ｂ≦６．０ｃ
の関係を満足することを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記入射部は、円形状の平面により構成される入射面を有し、
前記反射部は、前記第１の導光部の背面側の中央部に位置して、前記第１の導光部が延在する方向に並ぶ複数の反射カットと、前記第１の導光部の背面側の中央部を挟んだ両側に位置して、互いに逆向きに傾斜した一対の反射面とを有し、
前記出射部は、前記第１の導光部が延在する方向とは直交する方向において円弧状に湾曲した凸状の出射面を有することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
前記反射部は、前記第１の導光部の背面側の中央部に位置して、前記第１の導光部が延在する方向に並ぶ複数の反射カットと、前記第１の導光部の背面側の中央部を挟んだ両側に位置して、互いに逆向きに傾斜した一対の反射面とを有し、
前記出射部は、前記第１の導光部が延在する方向とは直交する方向において円弧状に湾曲した凸状の出射面を有することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記複数の反射カットは、前記第１の導光部の背面側の中央部から突出された突出部の先端に設けられていることを特徴とする請求項４に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード（ＬＥＤ）などの光源と、棒状の導光体（導光棒）とを組み合わせたものが知られている（例えば、下記特許文献１，２を参照。）。
【0003】
このような車両用灯具では、光源から出射された光を導光体の基端側に設けられた入射部から導光体の内部へと入射し、導光体の内部で反射を繰り返しながら、導光体の先端側に向けて光を導光させる。また、導光体の背面側に設けられた複数の反射カットで反射された光を導光体の正面側に設けられた出射部から導光体の外部へと出射する。これにより、導光体の正面側をライン状に発光させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平９－１２０００７号公報
【特許文献2】特開２０２０－３１０３２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した棒状の導光体には、複数の反射カット及び出射部が設けられた発光部と、入射部から入射した光を発光部に向けて導光させるための徐変部とが設けられている。
【0006】
徐変部は、入射部から発光部に向かって、入射部の断面形状から発光部の断面形状へと徐変された断面形状を有している。
【0007】
しかしながら、このような形状を有する従来の導光体では、徐変部の内部で導光される光の一部が発光部に向けて導光されずに、徐変部から導光体の外部へと漏れ出すことがあった。この場合、光源から出射された光を導光体により導光させる際の光の利用効率が低下することになる。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、光源から出射された光を導光体により導光させる際の光の利用効率を高めることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔１〕 光源と、棒状の導光体とを備え、前記光源から出射された光を前記導光体の基端側に設けられた入射部から前記導光体の内部へと入射し、前記導光体の先端側に向けて光を導光させると共に、前記導光体の背面側に設けられた反射部で反射された光を前記導光体の正面側に設けられた出射部から前記導光体の外部へと出射する車両用灯具であって、
前記導光体は、前記反射部及び前記出射部が設けられた第１の導光部と、
前記入射部から前記第１の導光部に向かって、前記入射部と同じ断面形状を有する第２の導光部と、
前記第２の導光部から前記第１の導光部に向かって、前記第２の導光部と同じ断面形状から前記第１の導光部と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有する第３の導光部とを含むことを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 前記第２の導光部が延在する方向の寸法をａとし、前記第３の導光部が延在する方向の寸法をｂとしたときに、
ａ＜ｂ
の関係を満足することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔３〕 前記導光体の前記入射部における直径をｃとしたときに、
１．０ｃ≦ａ≦３．０ｃ、
２．０ｃ≦ｂ≦６．０ｃ
の関係を満足することを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記入射部は、円形状の平面により構成される入射面を有し、
前記反射部は、前記第１の導光部の背面側の中央部に位置して、前記第１の導光部が延在する方向に並ぶ複数の反射カットと、前記第１の導光部の背面側の中央部を挟んだ両側に位置して、互いに逆向きに傾斜した一対の反射面とを有し、
前記出射部は、前記第１の導光部が延在する方向とは直交する方向において円弧状に湾曲した凸状の出射面を有することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔５〕
前記複数の反射カットは、前記第１の導光部の背面側の中央部から突出された突出部の先端に設けられていることを特徴とする前記〔４〕に記載の車両用灯具。
〔１〕 光源と、棒状の導光体とを備え、前記光源から出射された光を前記導光体の基端側に設けられた入射部から前記導光体の内部へと入射し、前記導光体の先端側に向けて光を導光させると共に、前記導光体の背面側に設けられた反射部で反射された光を前記導光体の正面側に設けられた出射部から前記導光体の外部へと出射する車両用灯具であって、
前記導光体は、前記反射部及び前記出射部が設けられた第１の導光部と、
前記入射部から前記第１の導光部に向かって、前記入射部と同じ断面形状を有する第２の導光部と、
前記第２の導光部から前記第１の導光部に向かって、前記第２の導光部と同じ断面形状から前記第１の導光部と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有する第３の導光部とを含むことを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 前記第２の導光部が延在する方向の寸法をａとし、前記第３の導光部が延在する方向の寸法をｂとしたときに、
ａ＜ｂ
の関係を満足することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔３〕 前記導光体の前記入射部における直径をｃとしたときに、
１．０ｃ≦ａ≦３．０ｃ、
２．０ｃ≦ｂ≦６．０ｃ
の関係を満足することを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記入射部は、円形状の平面により構成される入射面を有し、
前記反射部は、前記第１の導光部の背面側の中央部に位置して、前記第１の導光部が延在する方向に並ぶ複数の反射カットと、前記第１の導光部の背面側の中央部を挟んだ両側に位置して、互いに逆向きに傾斜した一対の反射面とを有し、
前記出射部は、前記第１の導光部が延在する方向とは直交する方向において円弧状に湾曲した凸状の出射面を有することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔５〕
前記複数の反射カットは、前記第１の導光部の背面側の中央部から突出された突出部の先端に設けられていることを特徴とする前記〔４〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、輝度ムラの発生を防ぐことによって、光源から出射された光を導光体により導光させる際の光の利用効率を高めることを可能とした車両用灯具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の構成を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0013】
本発明の一実施形態として、例えば図１～図７に示す車両用灯具１について説明する。
なお、図１は、車両用灯具１の構成を示す水平断面図である。図２は、車両用灯具１が備える導光体３の要部を拡大した斜視図である。図３は、導光体３の第１の導光部３１における断面形状を示す鉛直断面図である。図４は、導光体３の第２の導光部３２における断面形状を示す鉛直断面図である。図５は、導光体３の第３の導光部３３における断面形状を示す鉛直断面図である。図６は、導光体３の内部で導光される光Ｌの光路を示す断面図である。図７は、導光体３の第２の導光部３２を省略した場合の光Ｌの光路を示す断面図である。
なお、図１は、車両用灯具１の構成を示す水平断面図である。図２は、車両用灯具１が備える導光体３の要部を拡大した斜視図である。図３は、導光体３の第１の導光部３１における断面形状を示す鉛直断面図である。図４は、導光体３の第２の導光部３２における断面形状を示す鉛直断面図である。図５は、導光体３の第３の導光部３３における断面形状を示す鉛直断面図である。図６は、導光体３の内部で導光される光Ｌの光路を示す断面図である。図７は、導光体３の第２の導光部３２を省略した場合の光Ｌの光路を示す断面図である。
【0014】
また、以下に示す図面では、ＸＹＺ直交座標系を設定し、Ｘ軸方向を車両用灯具１の前後方向、Ｙ軸方向を車両用灯具１の左右方向、Ｚ軸方向を車両用灯具１の上下方向として、それぞれ示すものとする。
【0015】
本実施形態の車両用灯具１は、図１に示すように、光源２と、棒状の導光体３とを備え、光源２から出射された光Ｌを導光体３の基端側に設けられた入射部４から導光体３の内部へと入射し、導光体３の先端側に向けて光Ｌを導光させると共に、導光体３の背面側に設けられた反射部５で反射された光Ｌを導光体３の正面側に設けられた出射部６から導光体３の外部へと出射することによって、導光体３の正面側をライン状に発光させるものである。
【0016】
光源２は、例えばＬＥＤからなり、このＬＥＤを駆動する駆動回路が設けられた回路基板（図示せず。）の面上に実装されて、導光体３の基端側に向けて光Ｌを放射状に出射する。
【0017】
導光体３は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなる。導光体３は、車幅方向に延在し、且つ、車両の前端又は後端側のコーナー部に付与されるスラント形状に合わせて、車幅方向の内側よりも外側が後退する方向に向かって湾曲又は傾斜した長尺形状を有している。
【0018】
導光体３は、図１及び図２に示すように、反射部５及び出射部６が設けられた第１の導光部３１と、入射部４から第１の導光部３１に向かって、入射部４と同じ断面形状を有する第２の導光部３２と、第２の導光部３２から第１の導光部３１に向かって、第２の導光部３２と同じ断面形状から第１の導光部３１と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有する第３の導光部３３とを含む。
【0019】
このうち、第１の導光部３１は、導光体３の内部で導光される光Ｌにより発光する発光部を構成し、第２の導光部３２及び第３の導光部３３は、入射部４から入射した光Ｌを発光部へと効率良く導くため、導光体３の内部で導光される光Ｌにより発光しない非発光部を構成している。
【0020】
また、発光部を構成する第１の導光部３１は、上述した車幅方向に延在して設けられている。一方、非発光部を構成する第２の導光部３２及び第３の導光部３３は、入射部４と発光部との間で湾曲して設けられている。
【0021】
なお、非発光部において許容される湾曲の曲率半径は、６０ｍｍ以上である。また、発光部及び非発光部については、上述した形状に必ずしも限定されるものではなく、その延在する方向における形状を適宜変更することが可能である。
【0022】
入射部４は、第１の導光部３１（導光体３）の基端側に位置して、光源２と対向する入射面４ａを有している。入射面４ａは、円形状の平面により構成されている。入射部４では、この入射面４ａから光源２から出射された光Ｌを第２の導光部３２（導光体３）の内部へと入射する。
【0023】
また、入射面４ａ（入射部４）から導光体３の内部に入射した光Ｌは、導光体３の内部で反射を繰り返しながら、導光体３の先端側に向けて導光されることになる。
【0024】
反射部５は、第１の導光部３１の背面側の中央部に位置して、第１の導光部３１が延在する方向に並ぶ複数の反射カット５ａと、第１の導光部３１の背面側の中央部を挟んだ両側に位置して、互いに逆向きに傾斜した一対の反射面３ｂとを有している。
【0025】
また、複数の反射カット５ａは、第１の導光部３１の背面側の中央部から突出された突出部３１ａの先端に設けられている。
【0026】
複数の反射カット５ａは、第１の導光部３１の背面側に入射した光Ｌを第１の導光部３１の正面側から外部へと出射（透過）する角度で反射させるものであればよく、その形状や大きさ、数等について、特に限定されるものではない。
【0027】
本実施形態において、複数の反射カット５ａは、例えば、第１の導光部３１が延在する方向に連続する突出部３１ａの先端面を、第１の導光部３１が延在する方向とは直交する方向（本実施形態では上下方向）に切り欠く断面略三角形状の溝部により構成されている。
【0028】
また、複数の反射カット５ａは、第１の導光部３１が延在する方向において、発光部をより均一に発光させるため、第１の導光部３１の基端側から先端側に向かって、この反射カット５ａを形成する溝部の隣り合う間隔が漸次狭くなっていてもよく、若しくは、この反射カット５ａを形成する溝部の深さが漸次深くなっていてもよい。
【0029】
一対の反射面５ｂは、第１の導光部３１が延在する方向に連続しながら、第１の導光部３１が延在する方向とは直交する方向の断面（以下、「鉛直断面」という。）において、円弧状に湾曲した凹状の曲面により構成されている。
【0030】
なお、一対の反射面５ｂについては、上述した形状に必ずしも限定されるものではなく、例えば、第１の導光部３１の鉛直断面において、直線を描くように傾斜した平面により構成されていてもよい。
【0031】
反射部５では、第１の導光部３１の内部で導光される光Ｌのうち、複数の反射カット５ａ及び一対の反射面５ｂに入射した光Ｌを第１の導光部３１の正面側に向けて反射する。
【0032】
出射部６は、第１の導光部３１の正面側に位置して、第１の導光部３１が延在する方向に連続した出射面６ａを有している。出射面６ａは、第１の導光部の鉛直断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面により構成されている。出射部６では、この出射面６ａから光Ｌを第１の導光部３１（導光体３）の外部へと出射することにより発光する。
【0033】
なお、出射面６ａには、この出射面６ａから外部に向けて出射される光Ｌを拡散させるための複数の拡散カット（図示せず。）が設けられた構成であってもよい。拡散カットとしては、例えば、フルートカットや魚眼カットと呼ばれるレンズカットや、ローレット加工やシボ加工等を施すことによって形成された凹凸構造などを挙げることができる。また、この拡散カットの形状等を調整することによって、出射面６ａから出射される光Ｌの拡散度合いを制御することが可能である。
【0034】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具１では、図２～図５に示すように、上述した非発光部において、第２の導光部３２が入射面４ａ（入射部４）と同じ断面形状を有し、第３の導光部３３が第２の導光部３２と同じ断面形状から第１の導光部３１と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有している。
【0035】
ここで、第２の導光部３２が延在する方向の寸法をａとし、第３の導光部３３が延在する方向の寸法をｂとしたときに、下記式（１）の関係を満足することが好ましい。
ａ＜ｂ …（１）
ａ＜ｂ …（１）
【0036】
なお、ａ，ｂは、第２の導光部３２及び第３の導光部３３の中心軸における寸法を表している。
【0037】
また、導光体３の入射部４における直径をｃとしたときに、下記式（２），（３）の関係を満足することが好ましい。
１．０ｃ≦ａ≦３．０ｃ …（２）
２．０ｃ≦ｂ≦６．０ｃ …（３）
１．０ｃ≦ａ≦３．０ｃ …（２）
２．０ｃ≦ｂ≦６．０ｃ …（３）
【0038】
さらに、下記式（２）’，（３）’の関係を満足することがより好ましい。
１．４ｃ≦ａ …（２）’
４．２ｃ≦ｂ …（３）’
１．４ｃ≦ａ …（２）’
４．２ｃ≦ｂ …（３）’
【0039】
本実施形態では、導光体３の入射部４における直径ｃは、入射面４ａの直径に対応する。したがって、導光体３の第１の導光部３１における直径は、この導光体３の入射部４における直径ｃと同じである。
【0040】
一方、導光体３の入射部４における直径ｃは、導光体３の第３の導光部３３における直径Ｒと同じである（ｃ＝Ｒ）ことが好ましい。
【0041】
導光体３の入射部４における直径ｃが導光体３の第３の導光部３３における直径Ｒよりも小さい（ｃ＜Ｒ）と、光Ｌの入射効率が低くなる一方で、光Ｌの導光効率が高くなる。逆に、導光体３の入射部４における直径ｃが導光体３の第３の導光部３３における直径Ｒよりも大きい（ｃ＞Ｒ）と、光Ｌの入射効率が高くなる一方で、光Ｌの導光効率が低くなる。
【0042】
したがって、光Ｌの入射効率と導光効率のバランスから、導光体３の入射部４における直径ｃと導光体３の第３の導光部３３における直径Ｒとを同じとすることで、光源２から出射された光Ｌを導光体３により導光させる際の光の利用効率を最も高めることが可能である。
【0043】
なお、突出部３１ａについては、第３の導光部３３の中心から半径Ｒ／２よりも長い突出量となっているが、半径Ｒ／２よりも短い突出量としたり、半径Ｒ／２と同じ突出量としたりすることも可能である。また、突出部３１ａの先端面の幅は、少なくとも１ｍｍ以上であればよい。
【0044】
本実施形態の車両用灯具１では、図６に示すように、第２の導光部３２が入射面４ａ（入射部４）と同じ断面形状を有することで、入射面４ａ（入射部４）から第２の導光部３２の内部に入射した光Ｌのうち、光Ｌの光軸に対して比較的角度を持った光Ｌを第２の導光部３２の内部で全反射させることができる。これにより、第２の導光部３２の内部で最初に全反射させた光Ｌを２回目以降も全反射させながら、第３の導光部３３に向けて導光させることが可能である。
【0045】
また、本実施形態の車両用灯具１では、第３の導光部３３が第２の導光部３２と同じ断面形状から第１の導光部３１と同じ断面形状へと徐変された断面形状を有することで、第３の導光部３３の形状変化による影響を軽減しながら、第３の導光部３３から外部へと漏れ出す光を低減することが可能である。
【0046】
一方、図７に示すように、上記図６に示す導光体３の構成のうち、第２の導光部３２を省略した場合、入射面４ａ（入射部４）から第３の導光部３３の内部に入射した光Ｌが第３の導光部３３の形状変化の影響を受けてしまい、第３の導光部３３から外部へと漏れ出す光Ｌ’が発生してしまう。この場合、光源２から出射された光Ｌを導光体３により導光させる際の光Ｌの利用効率が低下することになる。
【0047】
【0048】
以上のように、本実施形態の車両用灯具１では、上述した導光体３の入射部４から第３の導光部３３（発光部）への形状変化に伴う影響を軽減しながら、光源２から出射された光Ｌを導光体３により導光させる際の光Ｌの利用効率を高めることが可能である。
【0049】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0050】
本発明が適用される車両用灯具については、特に限定されるものではなく、例えば、尾灯（テールランプ）や車幅灯（ポジションランプ）、ブレーキランプ、バックランプ、昼間点灯用ランプ（ＤＲＬ）、方向指示器（ウィンカーランプ）、サイドマーカーランプなど、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0051】
また、上記光源２については、光を放射状に出射するものであればよく、上述したＬＥＤ以外にも、例えばレーザーダイオード（ＬＤ）などの発光素子を用いることができる。また、光源２が発する光の色については、赤色光や白色光、橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【0052】
また、上記導光体３については、実際の車両のデザイン等に合わせて、その形状などを適宜変更することが可能である。
【0053】
なお、本発明は、上述した車両用灯具に好適に用いられるものの、例えば一般照明など車両用灯具以外の用途に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0054】
１…車両用灯具 ２…光源 ３…導光体 ４…入射部 ５…反射部 ６…出射部 ３１…第１の導光部 ３２…第２の導光部 ３３…第３の導光部 Ｌ…光
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】