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特開2024-14788シールドコンタクト要素、およびそのようなシールドコンタクト要素を製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014788
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】シールドコンタクト要素、およびそのようなシールドコンタクト要素を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6582 20110101AFI20240125BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20240125BHJP
   H01R 43/16 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H01R13/6582
H01R43/00 B
H01R43/16
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116461
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】10 2022 118 309.2
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】グレゴール パーニッツ
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー シュターケ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ヴォルフ
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン ケイル
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ベーム
【テーマコード(参考)】
5E021
5E051
5E063
【Fターム(参考)】
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC21
5E021FC32
5E021LA10
5E021LA15
5E051BA06
5E051BB01
5E063GA01
5E063XA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シールド性を向上させつつ、設置スペースの最適な利用を図る。
【解決手段】プラグ接続部、例えば高電圧プラグ接続部をシールドするためのシールドコンタクト要素。シールドコンタクト要素100は、例えば高電圧プラグコネクタを受け入れるための、軸方向に延びる円筒形ハウジングシェルを備え、プラグコネクタは、プラグコンタクト要素に接続してプラグ接続部を形成する。さらに、シールドコンタクト要素は、プラグコンタクト要素をシールドするためのシールドとハウジングシェルとの間の電気的接続を形成するために、軸方向に延びる少なくとも1つのコンタクトラメラを備える。コンタクトラメラのコンタクト足部が、ハウジングシェルに形成されている凹部に配置され、ハウジングシェルを凹部においてシールドと電気的に接触させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ接続部をシールドするためのシールドコンタクト要素(100)であって、
前記シールドコンタクト要素(100)は、
- プラグコネクタを受け入れるための軸方向(114)に延びる円筒形ハウジングシェル(110)であって、前記プラグコネクタは、プラグコンタクト要素に接続して前記プラグ接続部を形成するためのものである、円筒形ハウジングシェル(110)と、
- 前記ハウジングシェル(110)と前記プラグコンタクト要素をシールドするためのシールド(210)との間の電気的接続を形成するために、前記軸方向(114)に延びる少なくとも1つのコンタクトラメラ(120)と、
を備え、
前記コンタクトラメラ(120)のコンタクト足部(122)が、前記ハウジングシェル(110)に形成されている凹部(130)に配されて、前記ハウジングシェル(110)を前記凹部(130)において前記シールド(210)と電気的に接触させる、
シールドコンタクト要素。
【請求項2】
前記凹部(130)は、前記軸方向(114)における前記円筒形ハウジングシェルの一方の軸方向端部(112)から前記ハウジングシェル(110)の他端部(116)へと延びる、請求項1に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項3】
前記コンタクトラメラ(120)の第2のコンタクト足部(124)が、前記ハウジングシェルから前記凹部(130)の方向(132)とは反対の方向に突出し、前記第2のコンタクト足部(124)は、前記シールド(210)を形状嵌合により接続するためのものである、請求項1または2に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項4】
前記コンタクトラメラ(120)は、第3のコンタクト足部(126)を備え、
前記第1のコンタクト足部(122)および前記第3のコンタクト足部(126)は、前記凹部(130)に配置され、
前記第2のコンタクト足部(124)は、前記シールド(210)を押圧するように適合され、
任意選択で、前記第2のコンタクト足部(124)は、軸方向において前記第1のコンタクト足部(122)と前記第3のコンタクト足部(126)との間に配置されている、
請求項3に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項5】
前記コンタクトラメラ(120)を前記ハウジングシェル(110)に固定し、電流経路を短縮するための2つの脚部(142、144)を有するU字形状コネクタ(140)をさらに備え、
任意選択で、前記第1のコンタクト足部(122)は、前記U字形状コネクタを屈曲することにより前記凹部(130)に配置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項6】
前記U字形状コネクタ(140)の脚部(142)および前記ハウジングシェル(110)は、前記凹部(130)を介して接続されている、請求項5に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項7】
前記U字形状コネクタ(140)の脚部(142)が、前記円筒形ハウジングシェル(110)の軸方向端部(112)に固定されている、請求項5または6に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項8】
オフセット片(150)をさらに備え、
前記オフセット片(150)は、前記U字形状コネクタ(140)を前記凹部(130)の前記方向(132)にオフセットするために脚部(142)と前記ハウジングシェル(100)との間に配され、
任意選択で、前記U字形状コネクタ、前記オフセット片、前記コンタクトラメラ(120)および前記ハウジングシェル(110)は、一体部品である、
請求項5から7のいずれか一項に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項9】
複数のコンタクトラメラ(120)を備え、
隣接するコンタクトラメラの間には間隔が設けられ、
任意選択で、前記コンタクトラメラは、前記コンタクトラメラの間の領域が削ぎ取られるように、スタンピングにより製造されている、
請求項1から8のいずれか一項に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項10】
前記ハウジングシェル(110)は、前記ハウジングシェル(110)から形成されている2つの反対側の留め突出部(160)を備え、
任意選択で、前記留め突出部(160)は、シールドコンタクトハウジング(300)を留め付けるために、前記ハウジングシェル(110)から外方に突出する、
請求項1から9のいずれか一項に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項11】
前記ハウジングシェル(110)は、前記ハウジングシェル(110)から形成されている留め要素(190)を備え、
任意選択で、前記留め要素(190)は、前記プラグ接続部のハウジング(400)をロックするために前記ハウジングシェル(110)から内方に突出する、
請求項1から10のいずれか一項に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシールドコンタクト要素(100)の内部に受け入れるための絶縁シールドコンタクトハウジング(300)を有するシールドコンタクトシステムであって、
前記シールドコンタクトハウジング(300)は、前記ハウジングシェル(110)に形成されている前記凹部(130)と共に、前記シールドコンタクトハウジング(300)における前記シールドコンタクト要素(100)の軸方向移動自由度を制限する止め部(310)を内側に有する、
シールドコンタクトシステム。
【請求項13】
プラグ接続部をシールドするためのシールドコンタクト要素を製造する方法であって、前記方法は、
金属薄板を提供するステップと、
前記金属薄板に少なくとも1つの凹部を形成するステップと、
前記金属薄板を、プラグコネクタを受け入れるための軸方向に延びる円筒形ハウジングシェルに曲げ加工するステップであって、前記プラグコネクタは、プラグコンタクト要素に接続して前記プラグ接続部を形成するためのものである、ステップと、
前記ハウジングシェルと前記プラグコンタクト要素をシールドするためのシールドとの間の電気的接続を形成するための、少なくとも1つの軸方向に延びるコンタクトラメラを提供するステップと、
を含み、
前記コンタクトラメラのコンタクト足部が、前記ハウジングシェルに形成されている前記凹部に配されて、前記ハウジングシェルを前記凹部において前記シールドと接触させる、
方法。
【請求項14】
前記提供された金属薄板から前記少なくとも1つのコンタクトラメラを打ち抜くことをさらに含み、
前記金属薄板を曲げ加工することにより、前記コンタクト足部が前記凹部に配置されるように、前記ハウジングシェルと前記コンタクトラメラとの間にU字形状コネクタが形成される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
以下の要素、すなわち、
- 前記凹部、
- 前記ハウジングシェルから形成されている2つの留め突出部であって、任意選択で、前記留め突出部は、シールドコンタクトハウジングに留め付けるために、曲げ加工の後に前記ハウジングシェルから外方に突出し、互いに対向する、留め突出部、および、
- 前記ハウジングシェルから形成されている留め要素であって、任意選択で、前記留め要素は、曲げ加工の後に前記ハウジングシェルから内方に突出し、前記留め要素は、前記プラグ接続部のハウジングをロックするためのものである、留め要素
のうちの少なくとも1つを前記金属薄板に形成するための深絞りステップ
をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドコンタクト要素、およびそのようなシールドコンタクト要素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術デバイスのシールドは、力場(fields)をデバイスから遠ざける機能を果たす。これらの力場は、特に比較的高い周波数で生じ、電界および/または磁界である。特に高電圧(HV)ケーブルの場合、ケーブルにより放出される力場から周囲を保護することが必要な場合がある。
【0003】
シールドコンタクト要素は、例えば電気自動車またはハイブリッド車用のHVケーブルにおいて用いられる。そのようなHVケーブルにおいては、低電圧範囲(例えば12または24ボルト)で動作する他の車載電子機器を、例えば約300ボルトから800ボルトまでの範囲で用いられるHV電圧に起因する干渉がない状態に保つために、シールドが必要となる場合がある。
【0004】
この目的で、プラグとプラグコンタクト要素、例えば顧客ユニットまたは顧客コンタクト要素とも称される顧客のソケット、ヘッダ、ケーブルまたは要素との間で効果的なシールドおよび/または接地が生じるように、ケーブルのシールドをプラグコネクタにも導く必要がある。この目的で、シールドコンタクト要素により、プラグ挿入プロセスによるプラグとプラグコンタクト要素との接続時に、このシールドをループスルーする(loop through)必要がある。ここで、接地とは特に、例えば障害物を少なくする、すなわち多数の接点を設けることにより、電流に最適な経路が提供され、これらの接点が低い抵抗を有するために全体的な抵抗の低下を可能とすることを意味する。特に、接地とは、例えばケーブルから顧客ユニットまでのコネクタシステム全体に沿って低い抵抗を有する多数の接点、すなわち並列接続を用いることにより、電流に最適な経路を提供して、全体的な抵抗の低下を可能とすることを意味する。これは、電流に最適な接地を提供する。
【0005】
例えば、図29に示すように、シールドコンタクト要素が、プラグコネクタを受け入れるための円筒体を形成するように、金属薄板から曲げ加工される。複数のコンタクトラメラ1120が、シールドコンタクト要素を不図示のHVケーブルのシールドに接触させるために用いられる。シールドコンタクト要素において、複数のコンタクトラメラは、図30に示す薄板をスタンピングすることにより、隣接するコンタクトラメラ間に間隙を空けて形成される。
【0006】
しかしながら、この既知のシールドコンタクト要素では、コンタクトラメラ間の間隙に起因して、コンタクトラメラ間の間隙はシールドを行うことができないためにシールドが十分でないというリスクが存在する。しかしながら、間隙をなくすことはできず、そうでなければ少なくとも可撓性を確保することができない。また、間隙がないように製造することは難しい。例えば、コンタクトラメラを間隙なく配置すると摩耗が生じ、それによりプラグコネクタが汚損する。
【0007】
さらに、別のシールドコンタクト要素は、図31に示すように2つの部品で構成される必要があるという課題を有する。これにより、組み立てが複雑になる。
【0008】
さらに、別のシールドコンタクト要素は、図32に示すように曲げ加工されたコンタクトラメラ2120を有し、それらがハウジングシェルから突出するという問題がある。よって、コンタクトラメラに施される不図示のシールドを、ハウジングシェルから距離を空けて設けることしかできない。これは、シールド性に大きな影響を及ぼす間隙を形成する。一般に、間隙によるシールド損失の影響を補償するためには、間隙と軸方向の重なりとの比を通常1対5にする必要がある。換言すると、十分なシールド性をもたらすためには、1mmの間隙には5mmの長さの重なりが必要となる。しかしながら、そのような軸方向に長いシールドは、限られた設置スペースに関して課題となり得る。
【0009】
図32に示す解決策に伴う別の課題は、接地経路が、U字形状に曲げ加工されたコンタクトラメラを経由するように延長されることであり、特に、U字形状の、すなわち軸方向前方および後方への伝導経路が形成されることである。これにより渦電流が生じ、それによりシールド性が劣化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記の難点を克服することである。本発明の1つの目的は、シールド性を向上させつつ、設置スペースの最適な利用を図ることである。別の目的は、組み立てを簡略化することである。さらなる目的は、シールドコンタクトの製造を簡略化することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、独立特許請求項の主題により解決される。有利なさらなる発展例が、従属特許請求項の対象となっている。
【0012】
特に、当該目的は、コンタクトラメラのコンタクト足部により解決され、コンタクト足部は、ハウジングシェルに形成される凹部に配置される。よって、コンタクト足部は、凹部を介してハウジングシェルをシールドに電気的に接触させることができる。
【0013】
換言すると、凹部におけるこのコンタクトラメラとのこの接触により、電流経路を短縮することが可能となる。加えて、この配置により、例えばコンタクトラメラのUターンを経由する電流経路の延長を防止することが可能となる。
【0014】
本明細書で用いる場合、凹部は、一方側が開いている中空体を意味する。凹部は、例えば薄板を深絞り加工することにより得ることができる。次いで、薄板は、円筒形ハウジングシェルを形成するように曲げ加工される。凹部により、ハウジングシェルが、コンタクトラメラの領域における連続的なシールドを形成する。よって、図29に示すようなコンタクトラメラ間の孔がなくなるので、シールド能力が向上する。さらに、凹部により、図32に関して上記で論じたような、ハウジングシェルとシールドとの間の間隙を減少させることが可能となる。これにより、シールド機能がさらに向上する。
【0015】
本発明の他の利点について、下記で論じる。
【0016】
特に、プラグ接続部をシールドするためのシールドコンタクト要素は、軸方向に延びる円筒形ハウジングシェルを備える。
【0017】
ここで、円筒とは、2つの平行、平坦かつ合同な底面が、ここではハウジングシェルとも称されるシェルにより互いに接続されている幾何学体として理解される。底面は、例えば円形、楕円形または多角形、特に矩形である。
【0018】
そのようなハウジングシェルは、プラグコネクタ、例えば高電圧プラグコネクタを収容する機能を果たすことができる。プラグコネクタは例えば、プラグコネクタを介して、プラグコンタクト要素、例えばケーブル、顧客コンタクト要素の高電圧ケーブル、ヘッダまたはソケットにより、デバイス、例えばバッテリおよびモータを接続する機能を果たす。特に、シールドコンタクト要素は、そのようなプラグコネクタを備えてよい。
【0019】
この文脈において、プラグコネクタは、電線を分離および接続する機能を果たす要素として理解される。プラグ部の形状嵌合接続とも称される形状ロックにより、特に接続部が適切に位置合わせされる。少なくとも2つの接続相手部の噛み合いにより、形状ロック接続が形成される。結果として、力の伝達がないまたは遮られた場合であっても、接続相手部が外れることができなくなる。換言すると、形状ロック接続において、一方の接続相手部が他方に干渉する。
【0020】
さらに、シールドコンタクト要素は、軸方向に延びるコンタクトラメラを備える。よって、コンタクトラメラは、ハウジングシェルと同じ方向に延びる。
【0021】
本明細書で用いる場合、コンタクトラメラ(本明細書ではラメラとも称される)は、好ましくは、同様に配置された、多くの場合平行な複数のラメラの構造で配される小板である。ラメラは、小さい平坦な物体である。したがって、コンタクトラメラは、ハウジングシェルよりも小さい。
【0022】
コンタクトラメラは、プラグをシールドするためのハウジングシェルと、プラグコンタクト要素、例えば高電圧ケーブルをシールドするためのシールドとの間の電気的接続を形成するために用いられる。換言すると、コンタクトラメラは、2つのシールド構成要素、例えば、シールド構成要素すなわちハウジングシェルと顧客ユニットとの間、またはシールド構成要素とケーブルシールドとの間の電気的接続を形成するために用いられる。本明細書で用いる場合、シールドとは、例えば電子技術機器を、特に比較的高い周波数で生じる電界および/または磁界から保護するものとして理解される。さらに、コンタクトラメラは、最適な接触により、不所望なシールド電流を可能な限り短い経路でグラウンドまで流すことを可能とするために用いられる。したがって、コンタクトラメラの数および接触抵抗の大きさは関連する。
【0023】
換言すると、シールドコンタクト要素の円筒形ハウジングシェルは、軸方向に延びる。ハウジングシェルは、2つの相手部を軸方向においてプラグ接続する、例えばデバイスをプラグコンタクト要素と接続することを可能とするプラグコネクタをシールドする。したがって、軸方向は嵌合方向である。
【0024】
さらに、シールドコンタクト要素は、ハウジングシェルが、軸方向において、プラグをシールドするためのプラグコンタクト要素例えばHVケーブルのシールドに接続されることを可能とするコンタクトラメラを備える。よって、シールドに必要な、プラグコンタクト要素例えばHVケーブルのシールドからハウジングシェルへの電気的接続を形成することができる。本明細書において、コネクタは、例えばプラグまたはヘッダであってよい。プラグコンタクト要素は、例えばプラグまたはヘッダの対応部であってよい。さらに、プラグコンタクト要素は、ケーブルまたは顧客ユニットであってもよい。よって、プラグは、プラグコンタクト要素に接続されてよい。このステップにおいて、プラグのシールドも、プラグコンタクト要素のシールドに接続される。
【0025】
換言すると、プラグコンタクト要素、例えばHVケーブルのシールドは、プラグのシールドとも称されるプラグのシールドに接続される。さらに、シールドは、ソケットとも称されるヘッダのシールドに接続されてよい。ヘッダのシールドは、顧客ユニットに接続される。よって、ケーブルから顧客ユニットへの電流経路がシールドに形成される。よって、低い抵抗を有する多数のコンタクトが、構成要素間に必要となる。これらのコンタクトは、コネクタシステムの最適な接地のために用いられる。シールド電流が迅速に流れ出ることができるので、上記のコンタクトラメラは、放射(radiation)をわずかに減少させた。特に、コンタクトラメラは、コンタクト足部を含む。第1のコンタクト足部が、コンタクトラメラとハウジングシェルとの間の接触を形成するために用いられ、第2のコンタクト足部が、コンタクトラメラとHVケーブルのシールドとの間の接触を形成するために用いられる。
【0026】
さらに、シールドコンタクト要素は、ハウジングシェルに形成される凹部を含む。上述のように、凹部は、一方側が開いている中空体である。換言すると、凹部は、軸方向に垂直に形成される。よって、凹部は、ハウジングシェルにより嵌合方向に垂直に形成される突起または窪みのいずれかであってよい。よって、凹部、すなわち一方側が開いている中空体は、特に、プラグコネクタを収容するためのハウジングシェルにより形成される内部空間に対して開き、ハウジングシェルによりシールドされるべき周囲に対するコンタクトラメラの領域における閉じた表面をハウジングシェルと共に形成する。
【0027】
代替的に、凹部は、周囲に対して開いていてもよい。
【0028】
さらに、凹部は、凹部におけるコンタクト足部がハウジングシェルとシールドとの間の電気的接触を形成することを可能とする機能を果たす。凹部がハウジングシェルから形成されるので、凹部を有するハウジングシェルは、コンタクトラメラ間の間隙を補償する。特に、ハウジングシェルおよび凹部は、例えば深絞りにより、薄板から一体に形成される。
【0029】
凹部が嵌合方向に垂直な突起または窪みである、すなわち径方向に形成されることにより、シールドとシールドコンタクト要素との間の間隙が減少する。これにより、設置スペースの節減および/またはシールド性の向上を図ることができる。凹部を有しない類似の解決策と比較して、直径で同じ径方向設置スペースの場合、ラメラの後方の重なりにより、シールド効果の損失なく、これを軸方向により長く設計することが可能となる。同時に、シールドの軸方向長さを実質的に同じに維持することができる。これは、特に180°屈曲したコンタクトラメラに当てはまる。例えば180°屈曲したコンタクトラメラの場合の、凹部を有しない類似の解決策では、ラメラの長さは、常にシールドの長さの一部でもある。したがって、例えば180°屈曲したコンタクトラメラの場合の、凹部を有しない類似の解決策では、より大きな設置スペースが必要となる。
【0030】
通常、ハウジングシェルは、約10mm~50mmの直径を有する。同時にまたは代替的に、凹部は、嵌合方向に垂直に0.5mm~2mm突出する。
【0031】
さらに、凹部は、軸方向における円筒形ハウジングシェルの一方の軸方向端部からハウジングシェルの他端部へと延びていてよい。円筒形ハウジングシェルは、2つの端部、すなわち円筒の底面とシェルとの間の縁部を有する。凹部を一端部に配置することにより、設置スペースの利用が最適になり、プラグ挿入のための取り扱いが容易になる。特に、凹部は、ハウジングシェルの中央領域までのみ延びるものであってよい。
【0032】
さらに、コンタクトラメラは、第2のコンタクト足部を含んでよく、第2のコンタクト足部は、ハウジングシェルから凹部の方向とは反対に突出する。
【0033】
上記で論じたように、凹部は、軸方向すなわち嵌合方向に垂直に開いている。凹部が内部空間に開いている場合、第2のコンタクト足部は、内部空間へと突出する。凹部が周囲に開いている場合、第2のコンタクト足部は、ハウジングシェルから外方に突出する。
【0034】
そのような設計により、第2のコンタクト足部をシールドに形状接続することが可能となる。プラグコネクタをプラグ挿入することにより、第2のコンタクト足部が第1のコンタクト足部の方向に押圧され、シールドとハウジングシェルとの機械的かつ電気的な接続が生じる。換言すると、コンタクトラメラはばね要素であり、例えば、コンタクト足部のうちの1つがハウジングシェルに直接または間接的に接続される。
【0035】
ばねは、実用において十分に弾性変形可能な、通常は金属製の技術的構成要素である。ばねの弾性変形は通常、屈曲またはねじれである。よって、コンタクトラメラにより、形状ロック接続および/または力ロック接続(force locking connection)が可能となる。
【0036】
接続部の一例によれば、コンタクトラメラは、第3のコンタクト足部を含んでよい。よって、コンタクトラメラは、2つの点でシールドまたはハウジングシェルのいずれかに載る。第1のコンタクト足部および第3のコンタクト足部が凹部に配置され、第2のコンタクト足部がシールドを押圧するように適合される場合、特に有利である。他の例において、第2のコンタクト足部は、第1のコンタクト足部と第3のコンタクト足部との間に配されてよい。よって、コンタクトラメラの端部が、凹部において保護される。よって、嵌合中において、コンタクトラメラの基部における間隙が閉じ、それにより、これが屈曲ビームの両脚部に対する力の三角形を形成するため、法線力が増大する。よって、第3のコンタクト足部の点により、より大きい法線力および第2の電流経路が可能となり、その両方が接触抵抗を低下させる。
【0037】
さらに、シールドコンタクト要素は、コンタクトラメラをハウジングシェルに固定するための2つの脚部を有するU字形状コネクタを含んでよい。
【0038】
換言すると、コンタクトラメラは、ハウジングシェルに一体に形成される。これは、両方の部品が、例えば一体品または分離不可能な部品から作製されることを意味する。そのような一体設計により、シールド要素の取り扱いが簡略化する。
【0039】
そのようなシールド要素は、U字形状コネクタを屈曲することにより第1のコンタクト足部が凹部に配置される場合、特に容易に作製することができる。
【0040】
特に、U字形状コネクタの1つの脚部およびハウジングシェルは、凹部を介して接続されてよい。換言すると、U字形状コネクタおよびハウジングシェルは、基部の同じ領域において係合する。これにより、コンタクト足部が凹部に配されることを可能とするように、U字形状コネクタを一方向にのみ屈曲させることが可能となり、製造が簡略化する。
【0041】
特に、U字形状コネクタの脚部は、円筒形ハウジングシェルの軸方向端部に固定されてよい。例えば、上記で論じたように、凹部が軸方向端部から延びる場合、U字形状コネクタも、その軸方向端部から延びていてよい。これにより、特にコンパクトな設計が可能となる。
【0042】
さらに、シールドコンタクト要素は、オフセット片を備えてよい。オフセット片は、U字形状コネクタの脚部とハウジングシェルとの間に配置される。これにより、U字形状コネクタを凹部の方向にオフセットすることが可能となる。そのようなオフセット片により、屈曲半径を最適化することが可能となり、必要な設置スペースが特に小さくなる。
【0043】
U字形状コネクタ、オフセット片、コンタクトラメラおよびハウジングシェルが全て一体である場合、特に有利である。
【0044】
さらに、シールドコンタクト要素は、複数のコンタクトラメラを備えてよい。複数のコンタクトラメラの各々の説明については、上記の説明を参照されたい。
【0045】
特に、2つの隣接するコンタクトラメラは、それらの間に距離を空けて配置される。これにより、コンタクトラメラを特に容易に製造することが可能となり、例えば、コンタクトラメラ間の領域が削ぎ取られるようにコンタクトラメラを打ち抜くことができる。
【0046】
さらに、隣接するコンタクトラメラの間の間隔により、隣接するコンタクトラメラが摩擦面を有しなくなり、それにより、粒子による摩耗がなくなるため、清浄性が高まる。複数のコンタクトラメラは、相互接続特性およびシールド性に有利である。
【0047】
加えて、多数のコンタクトラメラは、機械的および電気的な接続特性、すなわち電流経路、およびシールド性に有利である。複数のコンタクトラメラにより、コンタクト相手部に対するラメラの摺動摩擦に起因する法線力の大きさを調整することが可能となる。最適な電流経路のために低くすべき接触伝達抵抗は、電気的な材料特性および(機械的な)法線力に依存する。さらに、嵌合力は、例えば、手作業による組み立てに好適でなければならない、または表面の摩耗を防止するような大きさでなければならないということにより、制限される場合がある。
【0048】
さらに、シールドコンタクト要素のハウジングシェルは、2つの反対側の留め突出部(two opposing fastening protrusions)を含んでよい。これらの留め突出部は、ハウジングシェルから形成される。上述の凹部と同様に、留め突出部は、一方側が開いている中空体である。換言すると、留め突出部は、軸方向に垂直に形成される。これらは、シールドに間隙を生じさせないので、シールド性に及ぼす効果が小さい、またはない。換言すると、留め突出部が開口しないことが目標である。これらは、間隙がないように深絞り加工され、または間隙がないように一方側においてハウジングシェルから破り開けられる。これにより、シールドジャケットにおける間隙がなくなる。ただし、シールド性の要件によっては、一定の間隙または開口部が許容される場合もある。
【0049】
留め突出部は、シールドコンタクト要素を留めるための絶縁シールドコンタクトハウジングを留め付けるために、ハウジングシェルから外方に突出する。よって、シールドコンタクトハウジングは、両側の留め突出部を押圧し、シールドコンタクトハウジングおよびシールドコンタクト要素を互いに対して所定位置に固定する。
【0050】
さらに、シールドコンタクト要素のハウジングシェルは、ハウジングシェルから形成される留め要素(fastening element)を含んでよい。上述の凹部と同様に、留め要素は、一方側が開いている中空体である。換言すると、留め要素は、軸方向に垂直に形成される。これは、シールドにいかなる間隙も生じさせないので、シールド性に影響しない、またはわずかにのみ影響する。換言すると、留め要素が開口しないことが目標である。これらは、間隙材料がないように深絞り加工され、または間隙がないように一方側においてハウジングシェルから破り開けられる。これにより、シールド被覆における間隙がなくなる。ただし、シールド性の要件によっては、一定の間隙または開口部が許容される場合もある。
【0051】
留め部(fastener)は、プラグ接続部の絶縁ハウジングをロックするために、ハウジングシェルから内方に突出する。例えば、プラグ接続部のハウジングは、留め要素と協働してバヨネットロックを形成する溝を含む。バヨネットロックは、迅速に形成および解放することが可能な、長手軸すなわち嵌合方向における2つの円筒形部品の機械的接続部である。これらの部品は、それらを互いに挿入し反対方向に回すことにより接続され、また再びこのようにすることにより分離される。
【0052】
勿論、1つの外方に突出する留め部および2つの反対側の内方に突出する留め部返し(fastener returns)が設けられてもよい。これらの部分の説明については、上記の説明を参照されたい。
【0053】
さらに、本発明は、上述のような、シールドコンタクト要素を内側に受け入れるための絶縁シールドコンタクトハウジングを有するシールドコンタクトシステムを備える。シールドコンタクトハウジングは、内側に止め部を有する。この止め部は、シェルハウジングに形成された凹部と共に、シールドコンタクトハウジングにおけるシールドコンタクト要素の軸方向移動自由度を制限する。
【0054】
シールドコンタクトハウジングのさらなる特徴については、上記の説明を参照されたい。
【0055】
さらに、シールドコンタクトシステムは、プラグ接続部のハウジングをさらに備えてよい。プラグ接続部のハウジングのさらなる特徴については、上記の説明を参照されたい。
【0056】
さらに、本発明は、プラグ接続部をシールドするためのシールドコンタクト要素を製造するための方法に関する。特に、当該方法は、上述のようなシールドコンタクト要素を製造する働きを果たす。
【0057】
当該手順は、
金属薄板を提供するステップと、
薄板に少なくとも1つの凹部を形成するステップと、
金属薄板を、プラグコネクタを受け入れるための軸方向に延びる円筒形ハウジングシェルに曲げ加工するステップであって、プラグコネクタは、プラグコンタクト要素に接続してプラグ接続部を形成するためのものであり、特に、ハウジングシェルは、一方側において顧客ユニット(customer unit)に接触し、他方側においてプラグコネクタ例えば高電圧プラグコネクタを受け入れるために用いられる、ステップと、
ハウジングシェルとプラグコンタクト要素をシールドするためのシールドとの間の電気的接続を形成するための、少なくとも1つのイオン軸方向に延びるコンタクトラメラを提供するステップと
を含み、
コンタクトラメラのコンタクト足部が、ハウジングシェルに形成されている凹部に配されて、ハウジングシェルを凹部においてシールドと接触させる。
【0058】
特に、薄板は、薄板として供給され、幅および長さが厚さよりも大幅に大きい圧延金属製品である。シールドに用いられる任意の材料、特に金属は、本明細書においては薄板として理解されてよい。
【0059】
よって、例えば上述したシールドコンタクト要素は、特に容易に作製することができる。さらなる特徴については、上記の説明を参照されたい。
【0060】
当該方法は、
提供された金属薄板から少なくとも1つのコンタクトラメラを打ち抜くステップをさらに含んでよく、
薄板を曲げ加工することにより、コンタクト足部が凹部に配置されるように、ハウジングシェルとコンタクトラメラとの間にU字形状コネクタが形成される。
【0061】
よって、上記で既に説明したように、一体のシールドコンタクト要素を特に容易に作製することができる。
【0062】
当該方法は、追加的にまたは代替的に、深絞りのステップを含んでもよい。深絞りステップは、以下の要素、すなわち、
凹部、
ハウジングシェルから形成されている2つの留め突出部であって、留め突出部は、特にシールドコンタクトハウジングを留め付けるために、曲げ加工の後にハウジングシェルから特に外方に突出し、互いに対向する、留め突出部、および、
ハウジングシェルから形成されている留め要素であって、留め要素は、特にプラグ接続部のハウジングをロックするために、曲げ加工の後にハウジングシェルから特に内方に突出する、留め要素
のうちの少なくとも1つを薄板に形成してよい。
【0063】
当該方法は、シールドコンタクトハウジングおよびプラグ接続部のハウジングのうちの少なくとも1つと組み付けて、シールドコンタクトシステムを形成するステップをさらに含んでよい。
【0064】
本発明をよりよく理解するために、以下の図面に示す実施形態の例に関して、本発明をより詳細に説明する。これに関して、同一の部分には、同一の参照符号および同一の構成要素名を付している。さらに、図示および説明されている様々な実施形態における一部の特徴または特徴の組み合わせが、独立した発明的な解決策または本発明に係る解決策に相当してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】シールドコンタクトシステムの一例である。
図2】シールドコンタクト要素の一例である。
図3図2に係るシールドコンタクト要素の上面図である。
図4図2におけるシールドコンタクト要素の要素IVの詳細図である。
図5図4の断面図およびさらなる詳細である。
図6図2におけるシールドコンタクト要素の要素VIの詳細図である。
図7図6の断面図である。
図8図2に係るシールドコンタクト要素の上面図および詳細である。
図9図2におけるシールドコンタクト要素の要素IXの詳細図である。
図10図9の断面図である。
図11図2に係るシールドコンタクト要素の上面図および詳細である。
図12】組み立て前のシールドコンタクトシステムの別の例である。
図13】組み立て後の図12におけるシールドコンタクトシステムの断面図である。
図14図13におけるシールドコンタクトシステムの要素XIVの詳細図である。
図15図13におけるシールドコンタクトシステムの要素XVの詳細図である。
図16】組み立て前のシールドコンタクトシステムの別の例である。
図17図16におけるシールドコンタクトシステムの上面図である。
図18図16におけるシールドコンタクトシステムの断面図である。
図19】シールドコンタクト要素の別の例である。
図20図19におけるシールドコンタクト要素の要素XXの詳細図である。
図21図19におけるシールドコンタクト要素の要素XXIの詳細図である。
図22図19におけるシールドコンタクト要素の要素XXIIの詳細図である。
図23】組み立て前の別のシールドコンタクトシステムの別の例である。
図24図23におけるシールドコンタクトシステムの組み立て中における別の図である。
図25図23におけるシールドコンタクトシステムの組み立て中における別の図である。
図26図25におけるシールドコンタクトシステムを組み立てた後の断面図である。
図27図26におけるシールドコンタクトシステムの要素XXVIIの詳細図である。
図28】シールドコンタクト要素の別の例である。
図29】間隙を有するシールドコンタクト要素である。
図30図28に係るシールドコンタクト要素のための薄板である。
図31】二部品式のシールドコンタクト要素である。
図32】間隙を有するシールドコンタクト要素である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
ここで、図面を一助として、本発明について説明する。図1は、ソケットのシールドコンタクトシステム10の一例を示す。よって、例えば対応部と接触し得るソケットのシールドコンタクトシステム10を備える、不図示のシステムの半分が示されている。シールドコンタクトシステムは、不図示のプラグをシールドするためのシールドコンタクト要素100と、シールドコンタクト要素を保持するためのシールドコンタクトハウジング300とを含む。プラグコネクタのハウジング400は、プラグを保持する。シールドコンタクト要素100は、導電材料、特に金属を含むまたは備えるものであってよい。シールドコンタクトハウジング300およびハウジング400は、絶縁材料、特にプラスチックを含有するまたはそれからなるものであってよい。
【0067】
図2は、シールドコンタクト要素100の一例を示す。シールドコンタクト要素100は、不図示のプラグコネクタを受け入れるための、軸方向114に延びる円筒形ハウジングシェル110を備える。よって、軸方向114は、プラグコネクタの嵌合方向に対応する。プラグ挿入により、不図示のプラグコンタクト要素が接続されて、プラグ接続が実現する。軸方向において、ハウジングシェル110は、第1の端部112およびその反対側の第2の異なる端部116を有する。例えば、プラグコンタクト要素は、シールドが送られるまたは進められる、高電圧ケーブル、または顧客コンタクト要素、例えば金属製の制御装置または顧客ユニットにおける凹部を取り付けるために用いられる。
【0068】
さらに、シールドコンタクト要素100は、軸方向114に延びる、合計で複数のコンタクトラメラ、この場合には例えば13個のコンタクトラメラを備える。図2のシールドコンタクト要素の上面図を示す図3は、複数のコンタクトラメラが均等に分散していることを示す。ハウジングシェル110と、プラグコンタクト要素をシールドするための不図示のシールドとの間の電気的接続を形成するには、1つのコンタクトラメラで十分であることを理解されたい。よって、その結果、ハウジングシェルおよびシールドは、コネクタシステム、すなわちプラグコネクタおよびヘッダ/ソケットをシールドする、またはアセンブリ、すなわちコネクタシステムおよびケーブルをシールドする機能を果たす。
【0069】
隣接するコンタクトラメラの間には、空間が設けられる。例えば、複数のコンタクトラメラは、コンタクトラメラ間の領域を削ぎ取ることにより、打ち抜きによって製造される。
【0070】
さらに、図2および図3は特に、コンタクトラメラの第1のコンタクト足部122が、ハウジングシェル110に形成された凹部(recess)130に配されることを示す。ここで、上述のように、凹部130は、軸114に垂直に形成される隆起部(bulge)である。よって、凹部130において、コンタクトラメラの第1のコンタクト足部122は、ハウジングシェル110に電気的に接触することができる。このとき、コンタクトラメラを介して、不図示のシールドと接触することができる。非接触状態においては、第1のコンタクト足部122が必ずしもハウジングシェルと接していなくてもよいことを考慮すべきである。第1のコンタクト足部122が、ハウジングシェルに恒久的に取り外し可能にまたは取り外し不可能に接続されることが定められてよい。
【0071】
コンタクトラメラのさらなる詳細を、図2のシールドコンタクト要素100の凹部130およびコンタクトラメラ120の詳細図である図4、および、さらなる詳細を示す図4の断面図である図5において見ることができる。
【0072】
例えば、図5に示すように、凹部130がハウジングシェル110に形成される。特に、その結果、凹部130は、ハウジングシェル110が延びる軸方向114に垂直な方向132において形成される。
【0073】
例えば、図5に示すように、凹部130は、軸方向114における円筒形ハウジングシェルの一方の軸方向端部112からハウジングシェル110の他端部(図2における参照番号116)に向かって延びる。特に、凹部は、第1の軸方向端部134および第2の軸方向端部136を有し、第2の軸方向端部は、ハウジングシェル110の軸方向端部114、116の間に配される。
【0074】
円筒形ハウジングシェル110の軸方向端部112には、コンタクトラメラ120のコンタクト足部122をハウジングシェル110に固定するための要素がさらに設けられる。代替的に、不図示の一例によれば、コンタクト足部122およびハウジングシェル110は二部品設計であってもよく、または、コンタクト足部122がハウジングシェル110の任意の部分に固定されてもよい。
【0075】
ここで、要素は、軸方向端部112に配されるオフセット部品150を含んでよい。さらに、要素は、U字形状コネクタ140を備えてよい。特に、U字形状コネクタ140は、オフセット片150を介してコンタクトラメラ120をハウジングシェル110に固定するための2つの脚部142、144を備える。特に、オフセット部品150は、U字形状コネクタ140を凹部130の方向132にオフセットするために設けられる。これにより、設置スペースを節減するために、U字形状コネクタの屈曲半径を最適化することが可能となる。ここで、U字形状コネクタは、特に、コンタクトラメラ120およびハウジングシェルを単一部品として設計することができるように用いられる。
【0076】
さらに、設置スペースを節減するために、オフセット片150がハウジングシェルの軸方向端部112において凹部130に接続されることが定められる。換言すると、脚部142はここで、オフセット片150を介して凹部130の軸方向端部134に接続される。
【0077】
U字形状コネクタ140の第2の脚部144は、コンタクトラメラ120を保持する。特に、U字形状コネクタ140は、金属の薄板を曲げ加工することにより形成されてよい。脚部142、144は、互いに反対側にある。中間部分、例えば屈曲部分は、反対側の脚部どうしを接続する。
【0078】
さらに、図5から、コンタクトラメラ120がU字形状コネクタに取り付けられてよく、コンタクトラメラ120が、第1のコンタクト足部122、第2のコンタクト足部124および第3のコンタクト足部126を備えてよいことがわかる。ここで第1のコンタクト足部と第3のコンタクト足部との間に配される第2のコンタクト足部124は、ハウジングシェル110から凹部130の方向132とは反対側に突出する。よって、第2のコンタクト足部124は、シールド210への形状接続の機能を果たす。ここで示す実施形態は、嵌合中に第1のコンタクト足部122が保護されるという利点を有する。ただし、不図示の一例によれば、第2のコンタクト足部がコンタクトラメラの軸方向端部に配されてもよい。
【0079】
図5に示すように、第3のコンタクト足部126は、例えば軸方向端部において、凹部130に配置されてよい。これにより、第2のコンタクト足部をシールドに対して特に効率的に押し付けることが可能となる。
【0080】
図5における破線11は、伝導経路とも称される電流経路がシールド210とハウジングシェル110との間で延びる様子を示す。特に、第1のコンタクト足部122を凹部に配置することにより、電流経路を乱れのないものとすることが可能となる。換言すると、例えばシールドを接地するための伝導経路は、シールド210をハウジングシェル110と接触させるために要素140、150を経由する必要がない。よって、全体的な抵抗が低下し、シールド特性が向上する。
【0081】
さらに、図2は、ハウジングシェル110が留め突出部160を含んでよいことを示す。留め突出部160について、図6図8において説明する。図6は、留め突出部160がハウジングシェル110から外方に突出することを示す。よって、これをシールドコンタクトハウジングと留め付けることができる。図7は、留め突出部の断面図を示す。
【0082】
図8は、2つの反対側の留め突出部160が設けられ得ることを示す。ここで、例えば、留め突出部の間の角度は170°である。よって、留め突出部160を、特に良好にシールドコンタクトハウジングと留め付けることができる。
【0083】
さらに、図2は、ハウジングシェル110が留め要素190を含んでよいことを示す。留め要素190について、図9図11において説明する。図9は、留め要素190がハウジングシェル110から内方に突出することを示す。よって、これによりプラグ接続部のハウジングをロックすることができる。図10は、留め要素の断面図を示す。
【0084】
図9は、2つの反対側の留め要素190が設けられ得ることを示す。ここで、例えば、留め要素の間の角度は180°である。
【0085】
図12は、組み立て前のシールドコンタクトシステム10の一例を示す。シールドコンタクトシステム10は、シールドコンタクトハウジング300に受け入れられるシールドコンタクト要素100を含む。シールドコンタクト要素100およびシールドコンタクトハウジング300の説明については、上記の説明を参照されたい。
【0086】
図13は、組み立て後の図12のシールドコンタクトシステムの断面を示す。特に、シールドコンタクトハウジング300は、上述の凹部をシールドコンタクト要素100の一端部のみに設けることを可能とする。端部116においては、例えばシールドコンタクト要素100が不図示のデバイスへと突出し、それにより、デバイスハウジングが必要なシールドを提供するので、上述の凹部を省くことができる。
【0087】
図14は、図13におけるシールドコンタクトシステムの要素XIVの詳細図を示す。特に、シールドコンタクトハウジングは、内側に止め部310を有する。よって、止め部310は、嵌合方向に垂直に突出する。よって、止め部310は、シールドコンタクトハウジング300におけるシールドコンタクト要素100の軸方向移動自由度が制限されるように、ハウジングシェルに形成された凹部130と協働することができる。
【0088】
図15は、図13におけるシールドコンタクトシステムの要素XVの詳細図を示す。よって、留め突出部は、シールドコンタクト要素をシールドコンタクトハウジングに留め付けることができる。さらに、不図示の開口部が、シールドコンタクトハウジングに設けられてよい。このとき、不図示のプラグ接続部のハウジングを挿入することで、留め突出部が開口部にロックされる。
【0089】
図16は、組み立て前のシールドコンタクトシステムの別の例である。シールドコンタクトシステム10は、シールドコンタクトハウジング300に受け入れられるシールドコンタクト要素100を含む。さらに、シールドコンタクトシステムは、プラグ接続部のハウジング400を含む。
【0090】
シールドコンタクト要素100およびシールドコンタクトハウジング300の説明については、上記の説明を参照されたい。ここでは示していないが、シールドコンタクトシステムは、シールドコンタクト要素100およびプラグ接続部のハウジング400のみを備えてよい。
【0091】
特に、プラグ接続部のハウジング400は、ハウジング400の軸方向端部から軸方向に延び、ハウジングの中央部分において軸方向に垂直に延びる、ハウジングの外側における溝10を含む。さらに、図17は、図16のシールドコンタクトシステムの上面図を示し、矢印は、ハウジング400をシールドコンタクト要素にロックするための回転方向を示す。図18は、図16の組み立て済みのシールドコンタクトシステムの断面図である。
【0092】
シールドコンタクト要素100’の別の例を、図19に示す。シールドコンタクト要素100’は、円筒形ハウジングシェル110’の底面が矩形であり、図1図18のように円形でない点において、シールドコンタクト要素100とは異なる。
【0093】
コンタクトラメラ120およびコンタクトラメラ120をハウジングシェル110’に接続するための要素は、同じまたは同様である。説明については、上記の図、特に図5を参照されたい。図19から、図1図18における凹部は内側に開いているのに対し、ここでは凹部が外側に開いていることがわかる。凹部の代替的方向は、図には示していない一例である。
【0094】
さらに、図19は、ハウジングシェル110’が、端部112’から軸方向に延びる開口部を有することを示す。この開口部は、外部の要求条件により設けられる場合がある。不図示のさらなる部分により、シールドが行われてよい。
【0095】
図20は、図19におけるシールドコンタクト要素の要素XXの詳細図を示す。これは、図6で既に説明した留め特徴部(fastening highlighting)のさらなる実施形態である。ここで、形状は例えば楕円形である。
【0096】
図21は、図19のシールドコンタクト要素の要素XXIの詳細図を示す。これは、図9において説明したような留め要素のさらなる実施形態を示す。図9とは異なり、図22の留め要素190’は、図25に示すハウジング400’を弾性変形させることによらずロックする。
【0097】
図22は、図2および図19のシールドコンタクト要素の要素XXIIの詳細図である。これは、例えば図13に関して上記で論じたような、シールドコンタクト要素100、110’をハウジングに固定するためのコンタクト部の一例である。特に、ハウジングが必要なシールドを提供するので、ここでは間隙が設けられてよい。
【0098】
図23は、組み立て前のシールドコンタクトシステム10の’別の例を示す。シールドコンタクトシステム10’は、シールドコンタクトハウジング300’に受け入れられるシールドコンタクト要素100’を含む。シールドコンタクト要素100’の説明については、上記の説明を参照されたい。シールドコンタクトハウジング300’の説明については、シールドコンタクトハウジング300の上記の説明を参照されたい。
【0099】
図24は、図23のシールドコンタクトシステム10’の組み立て中における別の図を示す。
【0100】
図25は、組み立て前のシールドコンタクトシステム10’の別の例である。シールドコンタクトシステム10’は、シールドコンタクトハウジング300’に受け入れられるシールドコンタクト要素100’を含む。さらに、シールドコンタクトシステムは、プラグ接続部のハウジング400’を含む。
【0101】
シールドコンタクト要素100’およびシールドコンタクトハウジング300’の説明については、上記の説明を参照されたい。ここでは示していないが、シールドコンタクトシステムは、シールドコンタクト要素100’およびプラグ接続部のハウジング400’のみを備えてよい。
【0102】
特に、ハウジング400’は、矩形の底面を有する筒形であり、シールドコンタクトハウジング300’は、矩形の底面を有する筒形開口部を有する。よって、そのような非回転対称なジオメトリにより、各部の旋回が不可能である。
【0103】
図26は、図25のシールドコンタクトシステムを組み立てた後の断面図である。
【0104】
図27は、図26におけるシールドコンタクトシステムの要素XXVIIの詳細図である。特に、図27は、ハウジング400’が留め要素190’の領域において弾性変形しないことを示す。よって、ハウジング400’およびシールドコンタクト要素100’は、分離不可能に接続される。
【0105】
別の例によれば、図28に示すように、配向突出部(orientation protrusion)180がハウジングシェルの軸方向端部に設けられてよい。配向突出部は、上述の留め突出部と同様の形状である。差異は、複数の配向突出部が軸方向に沿って設けられる点である。これらは、留め部材と同様に形成され、上記の説明を参照されたい。不図示であるが、配向突出部は、軸方向に延びる要素により形成されてよい。
【0106】
図には示していないが、ハウジングシェル110、110’は、金属の薄板を、プラグコネクタを受け入れるための軸方向に延びる円筒形ハウジングシェルに曲げ加工することにより形成されてよい。
【0107】
図には示していない場合であっても、少なくとも1つのコンタクトラメラまたは全てのコンタクトラメラは、スタンピングにより作製されてよい。
【0108】
図には示していないが、少なくとも凹部、留め突出部、留め要素または配向突出部は、深絞りにより形成されてよい。換言すると、ハウジングシェルは、これらの領域において連続的である。
【符号の説明】
【0109】

10、10’ シールドコンタクトシステム
11 電流経路
100 シールドコンタクト要素
110、110’ ハウジングシェル
112、112 第1の端部
114 軸方向
116 第2の端部
120、1120 コンタクトラメラ
122 第1のコンタクト足部
124 第2のコンタクト足部
126 第3のコンタクト足部
130 凹部
132 凹部130の方向
134、136 凹部130の軸方向端部
140 U字形状コネクタ
142、144 脚部
150 オフセット片
160 留め突出部
180 配向特徴部
190、190’ 留め部
210 シールド
300 シールドコンタクトハウジング
310 止め部
400、400’ ハウジング
410 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ接続部をシールドするためのシールドコンタクト要素(100)であって、
前記シールドコンタクト要素(100)は、
- プラグコネクタを受け入れるための軸方向(114)に延びる円筒形ハウジングシェル(110)であって、前記プラグコネクタは、プラグコンタクト要素に接続して前記プラグ接続部を形成するためのものである、円筒形ハウジングシェル(110)と、
- 前記ハウジングシェル(110)と前記プラグコンタクト要素をシールドするためのシールド(210)との間の電気的接続を形成するために、前記軸方向(114)に延びる少なくとも1つのコンタクトラメラ(120)と、
を備え、
前記コンタクトラメラ(120)の第1のコンタクト足部(122)が、前記ハウジングシェル(110)に形成されている凹部(130)に配されて、前記ハウジングシェル(110)を前記凹部(130)において前記シールド(210)と電気的に接触させる、
シールドコンタクト要素。
【請求項2】
前記凹部(130)は、前記軸方向(114)における前記円筒形ハウジングシェルの一方の軸方向端部(112)から前記ハウジングシェル(110)の他端部(116)へと延びる、請求項1に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項3】
前記コンタクトラメラ(120)の第2のコンタクト足部(124)が、前記ハウジングシェル(110)から前記凹部(130)の方向(132)とは反対の方向に突出し、前記第2のコンタクト足部(124)は、前記シールド(210)を形状嵌合により接続するためのものである、請求項1に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項4】
前記コンタクトラメラ(120)は、第3のコンタクト足部(126)を備え、
前記第1のコンタクト足部(122)および前記第3のコンタクト足部(126)は、前記凹部(130)に配置され、
前記第2のコンタクト足部(124)は、前記シールド(210)を押圧するように適合され、
任意選択で、前記第2のコンタクト足部(124)は、軸方向において前記第1のコンタクト足部(122)と前記第3のコンタクト足部(126)との間に配置されている、
請求項3に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項5】
前記コンタクトラメラ(120)を前記ハウジングシェル(110)に固定し、電流経路を短縮するための2つの脚部(142、144)を有するU字形状コネクタ(140)をさらに備え、
任意選択で、前記第1のコンタクト足部(122)は、前記U字形状コネクタを屈曲することにより前記凹部(130)に配置されている、
請求項1に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項6】
前記U字形状コネクタ(140)の脚部(142)および前記ハウジングシェル(110)は、前記凹部(130)を介して接続されている、請求項5に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項7】
前記U字形状コネクタ(140)の脚部(142)が、前記円筒形ハウジングシェル(110)の軸方向端部(112)に固定されている、請求項5に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項8】
オフセット片(150)をさらに備え、
前記オフセット片(150)は、前記U字形状コネクタ(140)を前記凹部(130)の前記方向(132)にオフセットするために脚部(142)と前記ハウジングシェル(110)との間に配され、
任意選択で、前記U字形状コネクタ、前記オフセット片、前記コンタクトラメラ(120)および前記ハウジングシェル(110)は、一体部品である、
請求項5に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項9】
複数の前記コンタクトラメラ(120)を備え、
隣接する前記複数のコンタクトラメラの間には間隔が設けられ、
任意選択で、前記複数のコンタクトラメラは、前記複数のコンタクトラメラの間の領域が削ぎ取られるように、スタンピングにより製造されている、
請求項1に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項10】
前記ハウジングシェル(110)は、前記ハウジングシェル(110)から形成されている2つの反対側の留め突出部(160)を備え、
任意選択で、前記留め突出部(160)は、シールドコンタクトハウジング(300)を留め付けるために、前記ハウジングシェル(110)から外方に突出する、
請求項1に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項11】
前記ハウジングシェル(110)は、前記ハウジングシェル(110)から形成されている留め要素(190)を備え、
任意選択で、前記留め要素(190)は、前記プラグ接続部のハウジング(400)をロックするために前記ハウジングシェル(110)から内方に突出する、
請求項1に記載のシールドコンタクト要素。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシールドコンタクト要素(100)内部に受け入れるための絶縁シールドコンタクトハウジング(300)を有するシールドコンタクトシステムであって、
前記絶縁シールドコンタクトハウジング(300)は、前記ハウジングシェル(110)に形成されている前記凹部(130)と共に、前記絶縁シールドコンタクトハウジング(300)における前記シールドコンタクト要素(100)の軸方向移動自由度を制限する止め部(310)を内側に有する、
シールドコンタクトシステム。
【請求項13】
プラグ接続部をシールドするためのシールドコンタクト要素を製造する方法であって、前記方法は、
金属薄板を提供するステップと、
前記金属薄板に少なくとも1つの凹部を形成するステップと、
前記金属薄板を、プラグコネクタを受け入れるための軸方向に延びる円筒形ハウジングシェルに曲げ加工するステップであって、前記プラグコネクタは、プラグコンタクト要素に接続して前記プラグ接続部を形成するためのものである、ステップと、
前記ハウジングシェルと前記プラグコンタクト要素をシールドするためのシールドとの間の電気的接続を形成するための、少なくとも1つの軸方向に延びるコンタクトラメラを提供するステップと、
を含み、
前記コンタクトラメラのコンタクト足部が、前記ハウジングシェルに形成されている前記凹部に配されて、前記ハウジングシェルを前記凹部において前記シールドと接触させる、
方法。
【請求項14】
前記提供された金属薄板から前記少なくとも1つのコンタクトラメラを打ち抜くことをさらに含み、
前記金属薄板を曲げ加工することにより、前記コンタクト足部が前記凹部に配置されるように、前記ハウジングシェルと前記コンタクトラメラとの間にU字形状コネクタが形成される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
以下の要素、すなわち、
- 前記凹部、
- 前記ハウジングシェルから形成されている2つの留め突出部であって、任意選択で、前記留め突出部は、シールドコンタクトハウジングに留め付けるために、曲げ加工の後に前記ハウジングシェルから外方に突出し、互いに対向する、留め突出部、および、
- 前記ハウジングシェルから形成されている留め要素であって、任意選択で、前記留め要素は、曲げ加工の後に前記ハウジングシェルから内方に突出し、前記留め要素は、前記プラグ接続部のハウジングをロックするためのものである、留め要素
のうちの少なくとも1つを前記金属薄板に形成するための深絞りステップ
をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【外国語明細書】