(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014791
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】複合材料アセンブリのための共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料及び共硬化された耐UV/可視光雷電保護材料
(51)【国際特許分類】
B64C 1/00 20060101AFI20240125BHJP
B64F 5/10 20170101ALI20240125BHJP
B64G 1/54 20060101ALI20240125BHJP
B64U 20/65 20230101ALI20240125BHJP
B64G 1/22 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B64C1/00 A
B64F5/10
B64G1/54
B64U20/65
B64G1/22 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】39
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116482
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】17/870,041
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, メリンダ ディー
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン, パトリス ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ボールズ, ジェーソン エー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】雷電を含む電磁効果に曝露される航空機、ビークル、及び物体のための外部のアセンブリ及びサブアセンブリを含む複合材料アセンブリ及びサブアセンブリの製造を促進し合理化することが可能な、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を含む共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ及び共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリが開示される。
【解決手段】共硬化性の複合材料アセンブリ(20a)であって、共硬化性の複合材料基板(22a)と、共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層(23a)と、を含み、前記共硬化性の複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる、共硬化性の複合材料アセンブリ(20a)。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共硬化性の複合材料アセンブリ(20a)であって、
共硬化性の複合材料基板(22a)と、
共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層(23a)と、
を含み、
前記共硬化性の複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる、共硬化性の複合材料アセンブリ(20a)。
【請求項2】
前記共硬化性の複合材料基板が炭素繊維強化ポリマーを含む、請求項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項3】
前記共硬化性の複合材料基板がエポキシ樹脂ベースの化合物を含み、前記共硬化性の複合材料基板が、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項4】
前記共硬化性の複合材料基板が、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む、請求項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項5】
前記共硬化性の複合材料基板が、前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と直接的に接触して当該層の直ぐ近くに位置する、請求項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項6】
別個の層として、第2の共硬化性の耐UV/可視光層(24a)をさらに含み、前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層と、前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との両方が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、前記共硬化性の複合材料基板と共硬化しうる、請求項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項7】
前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、前記共硬化性の複合材料基板の直ぐ近くに位置しており、前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、前記共硬化性の複合材料基板と前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に位置するようさらに構成される、請求項6に記載の共硬化性複合材料アセンブリ(30a)。
【請求項8】
前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、前記共硬化性の複合材料アセンブリ内の別個の層である、請求項6に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項9】
前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層の少なくとも一方が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、石英、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項10】
前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層の少なくとも一方が、共硬化性の耐UV/可視光ガラス繊維含有層である、請求項6に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【請求項11】
共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(40b)(50a)(50b)(60b)(70)(80)であって、
共硬化された複合材料基板(22b)と、
共硬化された耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層(23b)と、
を含み、
前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層は、当該共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が約2ミルから約6ミルまでの範囲の平均厚さを有するときには、UV/可視光の透過率値が、約200nmから約800nmの範囲のUV/可視光の波長について、約0%から約20%の範囲のUV/可視光の透過となり、
前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、2×107シーメンス/メートルから6.4×107シーメンス/メートルの範囲の導電率を有する、共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(40b)(50a)(50b)(60b)(70)(80)。
【請求項12】
前記共硬化された複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と共硬化されている、請求項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【請求項13】
前記共硬化された複合材料基板が炭素繊維強化ポリマーを含む、請求項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【請求項14】
前記共硬化された複合材料基板がエポキシ樹脂ベースの化合物を含み、前記共硬化された複合材料基板が、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【請求項15】
前記共硬化された複合材料基板が、前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と直接的に接触して当該層の直ぐ近くに位置する、請求項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(50a)(60b)(70)(80)。
【請求項16】
アセンブリ下塗り層(34)をさらに含み、前記共硬化された複合材料アセンブリが、前記アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層(36)をさらに含む、請求項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40a)(40b)(50a)(50b)(70)(80)。
【請求項17】
前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と前記アセンブリ下塗り層との間に配置された精細下塗り層(32)をさらに含む、請求項16に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40a)(40b)(70)。
【請求項18】
第2の共硬化された耐UV/可視光層(24b)をさらに含み、前記第2の共硬化された耐UV/可視光層と前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の両方が、前記共硬化された複合材料基板と共硬化されている、請求項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【請求項19】
前記第2の共硬化された耐UV/可視光層が、前記共硬化された複合材料基板と前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層との間に位置する、請求項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(30b)(40b)(50b)。
【請求項20】
前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の上に配置されたアセンブリ下塗り層をさらに含み、前記共硬化された複合材料アセンブリが、前記アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含む、請求項19に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40b)(50b)。
【請求項21】
前記アセンブリ下塗り層と前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層との間に配置された精細下塗り層をさらに含む、請求項20に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40b)。
【請求項22】
前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、前記共硬化された複合材料基板と前記第2の共硬化された耐UV/可視光層との間に位置する、請求項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(50a)。
【請求項23】
前記第2の共硬化された耐UV/可視光層の上に配置されたアセンブリ下塗り層をさらに含み、前記共硬化された複合材料アセンブリが、前記アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含む、請求項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(50a)。
【請求項24】
前記第2の共硬化された耐UV/可視光層の上に配置された精細下塗り層をさらに含む、請求項20に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40a)。
【請求項25】
前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層、及び前記第2の共硬化された耐UV/可視光層の少なくとも一方が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、石英、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【請求項26】
前記共硬化された耐UV/可視光雷電保護層、及び前記第2の共硬化された耐UV/可視光層の少なくとも一方が、共硬化された耐UV/可視光ガラス繊維含層を含む、請求項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【請求項27】
請求項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリを備えるビークルであって、前記ビークルが、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ビークル。
【請求項28】
請求項15に記載の共硬化複合材料アセンブリを備えるビークルであって、前記ビークルが、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ビークル。
【請求項29】
請求項19に記載の共硬化複合材料アセンブリを備えるビークルであって、前記ビークルが、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ビークル。
【請求項30】
共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法(900a)であって、
共硬化性の複合材料基板を設けることと、
前記共硬化性の複合材料基板に共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層を配置して、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを形成することと、
を含み、
前記共硬化性の複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる、方法(900a)。
【請求項31】
前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、前記共硬化性の複合材料基板の直ぐ近くに配置することをさらに含む、請求項30に記載の方法(900a)。
【請求項32】
前記共硬化性の複合材料アセンブリに第2の共硬化性の耐UV/可視光層を設けることをさらに含む、請求項30に記載の方法(900a)(900b)。
【請求項33】
前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層を、前記共硬化性の複合材料基板と前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に配置することをさらに含む、請求項32に記載の方法(900b)。
【請求項34】
前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、前記共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリ内の、前記共硬化性の複合材料基板と前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層との間に配置することをさらに含む、請求項32に記載の方法(900a)。
【請求項35】
共硬化された複合材料アセンブリを作製する方法(1000a)(1000b)であって、
共硬化性の複合材料基板を設けることと、
前記共硬化性の複合材料基板に共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層を配置して、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを形成することと、
約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、前記共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを共硬化させて、共硬化された複合材料アセンブリを形成することと、
を含み、
共硬化された前記耐UV/可視光雷電保護層が、2×107シーメンス/メートルから6.4×107シーメンス/メートルの範囲の導電率を有する、
方法(1000a)(1000b)。
【請求項36】
前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、前記共硬化性の複合材料基板の直ぐ近くに配置することをさらに含む、請求項35に記載の方法(1000a)。
【請求項37】
共硬化する前に、前記共硬化性の複合材料落雷保護アセンブリに第2の共硬化性の耐UV/可視光層を設けることをさらに含む、請求項35に記載の方法(1000b)。
【請求項38】
前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層を、前記共硬化性の複合材料基板と前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に配置することをさらに含む、請求項37に記載の方法(1000b)。
【請求項39】
前記共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、前記共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリ内の、前記共硬化性の複合材料基板と前記第2の共硬化性の耐UV/可視光層との間に配置することをさらに含む、請求項37に記載の方法(1000a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、大型の構造部品を製造するために使用される複合材料及び複合材料アセンブリに関する。より詳細には、本開示は、航空機を含むビークルの構造用材料として使用される複合材料及び複合材料アセンブリの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な構造用構成部品の製造の際に複合材料の使用が増え続いている。少なくとも強度重量比に起因して、複合材料は、例えば金属、金属合金などといった高密度物質と置き換えられるという利点をもたらし、ここで、完成した構造の総重量(又は、完成した構造の構成部品の重量)は、このような完成した構造の製造時又は完成した構造の部品の製造時に使用される材料の選択において重要な検討事項となる。
【0003】
複合材料に対して施されるコーティング層は、当該コーティング層が施される複合材料と同等の耐久性がなく又は同等の寿命を有さないことが多い。複合材料アセンブリは、それ以外の点では、例えば、保護コーティング又は他のコーティング層を含むことが可能な外部又は内部の層を含みうる。例えば、複合材料が、例えば航空機を含むビークルの製造時に使用されるときには、航空機の「塗装(livery)」と称される外装コーティングが、ビークルの耐用年数にわたってロゴ、デザイン、カラースキーム等の修正、再加工、変更を必要とする可能性がある。このような塗装の修正には、例えば、複合材料に施された1つ以上の装飾的なコーティング層の除去が含まれ得、上記1つ以上の装飾的なコーティング層は、例えば、1つ以上の塗装層を含む。しかしながら、複合材料上に積層された材料から1つの層又は1つの層タイプ(塗装層、下塗り層、接着促進層、接着層等)の除去は、追加的な層又は層タイプの除去を必要とする可能性があり、上記の追加的な層又は層タイプは、その後、作り直す又は再構築する必要がある。加えて、塗装除去技術を使用した塗装除去を要する塗装(livery)の修正又は他の再加工は、下にある層又は複合材料にさえも損傷を与える可能性がある(例えば、複合材料に、過剰な機械的塗装除去技術が施された場合など)。
【0004】
さらに、大型の構造(例えば、航空機等)の製造時に使用される複合材料から作製される複合材部品は、稼働中に電磁効果(EME)に晒される可能性があり、当該電磁効果(EME)は、例えば、限定するものではないが、雷電、静電気形成などを含む。このような構造がEMEに曝されると、当該構造に伝わった電流が、当該構造中を通って誘電材料(例えば、絶縁材料)に損傷を与える可能性があり、上記の誘電材料は、例えば、複合材基板構造材料、及び複合材基板構造材料上の絶縁コーティングを含む。
【0005】
従来技術であると明記されていない限り、本明細書の記載は、技術分野及び/又は背景技術の段落に含まれているというだけで、従来技術であるとは認められない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の態様は、共硬化性の耐UV(紫外線)/可視光雷電保護層を含む共硬化性の複合材料アセンブリを形成するための、UV/可視光雷電保護材料層の共硬化性の層を含む共硬化性の複合材料及び共硬化された複合材料、又は共硬化された耐UV/可視光雷電保護層を含む共硬化された複合材料アセンブリを形成するための、耐UV/可視光雷電保護材料層の共硬化された層を含む共硬化された複合材料に関する。本開示の態様は、第2の共硬化性の耐UV/可視光材料を、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を含む共硬化性の複合材料アセンブリに組み込むことをさらに含む。共硬化性の複合材構造材料基板に共硬化性の耐UV/可視光層、及び共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層を組み込み、又は共硬化された複合材構造材料基板に、共硬化された耐UV/可視光層、及び共硬化された耐UV/可視光雷電保護材料層を組み込むことは、少なくとも、例えば、例えば航空機を含むビークルの内表面及び外表面を含む、大型の部品のための構造的アセンブリにおいて使用される複合材料システムを準備する際などに、複合材料基板に以前は施された別個の耐UV/可視光コーティング、塗装、下塗り等を含める必要性をなくすことによって、例えば、複合材料の製造に大きな影響を与え、性能を改善し、構造用複合材料の重量を低減することが可能である。
【0007】
本開示の態様によれば、共硬化性の複合材料アセンブリであって、共硬化性の複合材料基板と、共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層と、を含み、共硬化性の複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる、共硬化性の複合材料アセンブリが開示される。
【0008】
他の態様において、共硬性の複合材料基板が炭素繊維強化ポリマー含む。
【0009】
他の態様において、共硬化性の複合材料基板がエポキシ樹脂ベースの化合物を含み、共硬化性の複合材料基板が、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む。
【0010】
他の態様において、共硬化性の複合材料基板が、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む。
【0011】
さらなる態様において、共硬化性の複合材料基板が、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と直接的に接触して当該層の直ぐ近くに位置する。
【0012】
他の態様において、共硬化性の複合材料アセンブリが、共硬化性の複合材料アセンブリ内の別個の層として、第2の共硬化性の耐UV/可視光層を含む。
【0013】
さらなる態様において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化性の耐UV/可視光層の少なくとも一方が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、石英、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0014】
他の態様において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化性の耐UV/可視光層の少なくとも一方が、共硬化性の耐UV/可視光ガラス繊維含有層である。
【0015】
他の態様において、共硬化性の複合材料アセンブリが、別個の層として、共硬化性の耐UV/可視光層を含み、共硬化性の耐UV/可視光層が、単一の材料層において、第2の共硬化性の耐UV/可視光層と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との両方を含み、共硬化性の複合材料アセンブリが、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で共硬化しうる。
【0016】
他の態様において、第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、共硬化性の材料基板の直ぐ近くに位置しており、第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に位置するようさらに構成される。
【0017】
他の態様において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層が、単一のプライとして共硬化性の複合材料基板に施される。
【0018】
他の態様において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層が、単一のプライとして、第2の共硬化性の耐UV/可視光層に施される。
【0019】
他の態様において、第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、単一のプライとして共硬化性の複合材料基板に施される。
【0020】
本開示のさらなる態様が、共硬化された複合材料アセンブリであって、共硬化された複合材料基板と、共硬化された耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層と、を備え、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層は、当該共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が約2ミルから約6ミルまでの範囲の平均厚さを有するときには、UV/可視光の透過率値が、約200nmから約800nmの範囲のUV/可視光の波長について、約0%から約20%の範囲のUV/可視光の透過となる。共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、2×107シーメンス/メートルから6.4×107シーメンス/メートルの範囲の導電率を有する、共硬化された複合材料アセンブリに関する。
【0021】
他の態様において、共硬化された複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる。
【0022】
さらなる態様において、共硬化された複合材料基板が炭素繊維強化ポリマーを含む。
【0023】
他の態様において、共硬化された複合材料基板が、エポキシ樹脂ベースの化合物を含み、共硬化された複合材料基板が、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む。
【0024】
他の態様において、共硬化された複合材料基板が、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と直接的に接触して当該層の直ぐ近くに位置する。
【0025】
さらなる態様において、アセンブリ下塗り層が、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の上に配置され、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含む。
【0026】
他の態様において、精細下塗り層が、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と下塗り層との間に配置されている。
【0027】
さらなる態様において、共硬化された複合材料アセンブリが、第2の共硬化された耐UV/可視光層をさらに含み、第2の共硬化された耐UV/可視光層と共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の両方が、共硬化された複合材料基板と共硬化されている。
【0028】
他の態様において、第2の共硬化された耐UV/可視光層が、共硬化された複合材料基板と共硬化された耐UV/可視光雷電保護層との間に位置する。
【0029】
他の態様において、共硬化された複合材料アセンブリが、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の上に配置されたアセンブリ下塗り層をさらに含み、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含む。
【0030】
他の態様において、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層と共硬化された耐UV/可視光雷電保護層との間に配置された精細下塗り層をさらに含む。
【0031】
さらなる態様において、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、共硬化された複合材料基板と第2の共硬化された耐UV/可視光層との間に位置する。
【0032】
他の態様において、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、共硬化された複合材料基板と第2の共硬化された耐UV/可視光層との間に位置しており、共硬化された複合材料アセンブリが、第2の共硬化された耐UV/可視光雷電層の上に配置されたアセンブリ下塗り層をさらに含み、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含む。
【0033】
他の態様において、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、共硬化された複合材料基板と第2の共硬化された耐UV/可視光層との間に位置しており、共硬化された複合材料アセンブリが、第2の共硬化された耐UV/可視光層の上に配置された精細下塗り層をさらに含み、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含み、精細下塗り層が、任意選択的に、アセンブリ下塗り層と第2の共硬化耐UV/可視光層との間に配置される。
【0034】
他の態様において、第2の共硬化された耐UV/可視光層が、共硬化された複合材料アセンブリ内の別個の層である。
【0035】
さらなる態様において、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化された耐UV/可視光層の少なくとも一方が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、石英、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0036】
他の態様において、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層、及び共硬化された耐UV/可視光層の少なくとも一方が、共硬化された耐UV/可視光ガラス繊維含有層である。
【0037】
他の態様において、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、単一のプライとして共硬化された複合材料アセンブリに共硬化されている。
【0038】
他の態様において、第2の共硬化された耐UV/可視光層が、共硬化された複合材料アセンブリ内の単一のプライとして共硬化されている。
【0039】
本開示のさらなる態様によれば、ビークルが、共硬化された複合材料アセンブリを備え、上記ビークルは、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0040】
本開示のさらなる態様によれば、共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法であって、共硬化性の複合材料基板を設けることと、共硬化性の複合材料基板に共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層を配置して、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを形成することと、を含み、共硬化性の複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる、方法が開示される。
【0041】
他の態様において、方法が、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、共硬化性の複合材料基板の直ぐ近くに配置することをさらに含む。
【0042】
さらなる態様において、方法が、共硬化性の耐UV/可視光ガラス繊維含有層を、共硬化性の複合材料アセンブリに設けることをさらに含む。
【0043】
他の態様において、方法が、共硬化性の耐UV/可視光ガラス繊維含有層を、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に配置することをさらに含む。
【0044】
他の態様において、方法が、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリ内の共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光ガラス繊維含有層との間に配置することをさらに含む。
【0045】
さらなる態様において、方法は、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを共硬化させて、共硬化された複合材料アセンブリを形成することをさらに含み、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、2×107シーメンス/メートルから6.4×107シーメンス/メートルの範囲の導電率を有する。
【0046】
上述の特徴、機能、及び利点は、様々な態様において単独で実現することが可能であるか、又は更に別の態様において組み合わせることが可能であるが、これらの態様は、以下の明細書の記載及び添付の図面を参照することによって、更に詳細に理解することができる。
【0047】
本開示の変形例について概説してきたが、以下では添付の図面を参照する。図面は必ずしも正寸で描かれてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本開示の態様に係る航空機の形態によるビークルの図である。
【
図2A】本開示の態様に係る共硬化性の耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図2B】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図3A】本開示の態様に係る共硬化性の耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図3B】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図4A】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図4B】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図5A】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図5B】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図6A】本開示の態様に係る共硬化性の耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図6B】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図7】本開示の態様に係る共硬化された耐UV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図8】本開示の態様に係る共硬化されたUV/可視光複合材料構造の拡大断面図である。
【
図9A】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図9B】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図10A】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図10B】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図11A】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図11B】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図12A】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図12B】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図13】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【
図14】本態様に係る方法を概説するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本開示の態様によれば、複合材料アセンブリの特性を変更することを含みうる目的のために、共硬化性の材料層が、複合材料基板の表面に施され、例えばコーティング、施された層、施されたフィルム層等として当該表面と共硬化されうる。さらに、例えば塗装、上塗り等といった後続のコーティング層の接着を改善するために、下塗り又は他のコーティング層を複合材料に加えて複合材料表面とすることができ、この複合材料表面は、共硬化性の複合材料基板に施された1つ以上の他の共硬化性の層を既に有しうる。
【0050】
以前に行われた、複合材料表面へのコーティング材料の層形成では、人手がかかり、かつ時間がかかる上に、複数のコーティング層を有するこのような複合材料を含む大型の物体及び大型の構造に、かなりの重量を付加しうる。加えて、複合材料から様々な塗装コーティング層を除去する塗装除去プロセスはしばしば、保護表面層であって、複合材料に施すことができ、塗装コーティング層の下に施されており、かつ、一旦表面層から塗装層が剥がれるとかなりの表面再建(resurfacing)が必要となりうる保護表面層に対して、損傷を与える可能性がある。例えば、1つ以上の複合材料コーティング層はそれぞれ、別個の表面仕上げ(surfacing)準備ステップ及び手続きが必要となり得、その後、複合材料表面に1つ以上のコーティング層が続いて堆積される。幾つかの例では、さらなるコーティング層を加える前に、1つ以上の以前に堆積したコーティングの一部を除去し、又はそれでなければ再加工する必要がある。複合材料表面を処理する間の複合材料表面のこのような中間の再加工にも人手がかかり、時間がかかり、コストがかかる。
【0051】
例えば、エポキシ樹脂ベースの複合材料(例えば炭素繊維強化ポリマー材料等を含みうる)を含みうる複合材料部品の作製中には、複合材料表面が、製造中にさえも、周囲の紫外線(UV)/可視光放射への曝露により、当該複合材料表面において劣化し始める可能性がある。
少なくとも部分的にUV/可視光放射への複合材料の曝露によって引き起こされうる複合材料の表面特性の変化を防止するために、複合材料表面はしばしば、ポリマー被覆で保護され、又は、例えばスプレーがかけられた表面、下塗り層等など少なくとも1つの保護層でコーティングされ、ここで、保護層は、例えば、UV「カット(blocking)」剤を含有する。
【0052】
例えば、複合材料を再塗装及び/又は表面再建するために、複合材料は通常後処理され又は「再加工(rework)される」。例えば、大型構造の製造時に構成材料として複合材料を使用する間に、複合材料を紫外線(UV)/可視光放射に曝露することによって引き起こされうる劣化及び/又は変色から複合材料表面を保護するために、例えば、UV緩和剤、又はUV「カット」剤を含む下塗り及び塗装コーティングを複合材料表面に施すことができる。
【0053】
複合材表面にUV緩和剤又はUV「カット」剤が層状に施されると、このように施されたUVカット材料の被覆は通常、追加の複合材料アセンブリ処理が行われる前に、複合材料から除去され、又は化学的若しくは機械的に再活性化されるため、少なくとも、製造時間の増大、再加工時間の増大、総製造コストの増大等の形で、製造の複雑性が増すことが多い。加えて、下塗り層、及び表面仕上げフィルム層は、後続の塗装層又は上塗りを受け入れるために処理されることが多い。複合材料システム(本明細書では、「積層システム」、「アセンブリシステム」、又は「システム」とも同等に称される)に付加される個別の後続層(複合材料基板上の「積層体(stack)」となるよう配置された層でありうる)へのこのような処理もまた、製造時間の増大、再加工時間の増大、総製造コストの増大等につながる。
【0054】
さらに、航空機の製造中及び航空機の使用中に、複合材料をコーティングするために使用されるコーティング層及び/又は下層の複合材料に影響を与えるUV/可視光波長からのUV/可視光によるダメージによって、複合材料では材料の再加工が必要となりうる。UV/可視光放射への曝露によって、経時的に(例えば、部品の耐用年数などの間に)材料の特性が変化しうる。例えば、UV/可視光放射によって、コーティング層又は複合材料は、例えば、層又は複合材料に機械的塗装除去技術などが施されたときに、処理によるダメージに対して脆弱になりうる。UV/可視光によるダメージを含む環境被害に対して防護するための、大型構造のための材料層の選択によって、一連のコーティング層を施すことが必要となる可能性があり、このように各コーティング層を施すことによって、結果的に、かなりの時間、費用がかかり、例えば航空機を含む大型構造に追加の重量が加わることになる(重量の懸案事項はさらに、燃料の使用、貨物及び乗客の容量、航空機の航続距離等に影響を与えうる)。
【0055】
さらに、一部のコーティング(例えば、塗装及び下塗り等)は、電気的に絶縁性であることが多く(例えば、誘電材料を含み)、静電荷及び他の電荷の散逸を妨げうる。しかしながら、或る特定の構造では、構造の内表面及び/又は外表面に蓄積する電荷、及び例えば雷電等から生じた電荷を、静電荷を含めて、散逸させることが必要となる。航空機の製造では非金属材料の組み込みが続いているため、電荷の散逸に対する必要性が、航空機産業においてますます重要になっている。さらに、或る特定の航空機アセンブリでは、複合材、プラスチック等の、その表面にわたって電荷が予想通りに容易には散逸しない非金属材料が、電荷を伝導し予想通りに移動させる金属材料を含むアセンブリ及びサブアセンブリと接合され又は別様に接触している可能性がある。即ち、複合材と金属材料の両方を含む部品、アセンブリ及びサブアセンブリが、大型構造(例えば、航空機)の製造時に使用され、又は大型構造に組み込まれうる。
【0056】
こうした構造は、限定しないが例として落雷を含む電磁的影響(EME)に曝され得る。或る構造がEMEに曝されたときには、当該構造に伝わった電荷が、あらゆる導電性の経路を通って伝わる。これに対応して、絶縁材料(例えば、誘電材料)を含む構造が、発生したEMEのための導電性の経路とならない場合には、EMEからの電流が、例えば複合材料でありうる絶縁材料に対して相当な損傷を与える可能性がある。
【0057】
共硬化性の複合材料基板と共硬されて共硬化された耐UV/可視光雷電保護複合材料アセンブリを形成する、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を含む共硬化性の複合材料アセンブリ、及び、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層を含む共硬化された複合材料アセンブリを対象とする本開示の態様が開示される。共硬化された複合材料基板に、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層を組み込むことで、複合材料の製造プロセスに大きな影響を与え、共硬化された複合材料アセンブリ(及び共硬化された複合材料アセンブリを含む大型構造)の性能を改善し、複合材料アセンブリの重量を削減し、これらのことは少なくとも、複合材料アセンブリの形成の際に、例えば、複合材料の製造中と、複合材料アセンブリの使用中の両方においてUV/可視光による損傷から複合材料を保護するなどのために、及び、例えば航空機を含むビークルの内表面及び外表面を含む大型の部品のための構造用アセンブリにおいて使用される複合材料システムの準備の際に、以前は複合材料基板に施されていた別個の耐UVコーティングを含める必要性を無くすことによって、達成される。本明細書では、共硬化された耐UV/可視光複合材料「システム」と、共硬化された耐UV/可視光複合材料「アセンブリ」という用語は同等に使用される。
【0058】
本開示の態様によれば、通常は施されていた保護被覆、又は下塗りの層、又は例えばUV吸収塗装の別個の層が以前のように存在することなく、UV/可視光からの保護を改善し、複合材料基板表面のUV/可視光による劣化を低減する方法が、UV/可視光からの保護が改善された複合材料基板とともに開示される。UV/可視光による下層の複合材料基板表面の劣化を防止することに加えて、ここで開示される方法、システム、及び装置は、保護被覆、保護下塗り層、UV吸収塗装層に対する必要性を無くし、結果的に、複合材料システムの複雑性を下げ、複合材料システムの総重量を削減し、これによりさらに、複合材料の処理時間を短縮する。UV/可視光による複合材料の劣化を低減することで、(例えば、このようなUV/可視光による劣化によって以前では必要であった、計画された又は計画されていない)複合材料の再加工が必要となることがさらに減少する。
【0059】
本開示の態様によれば、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせを含みうる繊維マトリクスと組み合わせたエポキシ樹脂ベースの複合材料を含みうる共硬化性の複合材料基板が提供され、ここで、炭素繊維が複合材料基板として特に望ましく、かつ、炭素繊維強化ポリマーが複合材料基板として特に望ましい。
【0060】
ここで開示されるさらなる態様によれば、複合材料構造の製造時に使用される共硬化性の複合材料が、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層(共硬化性のUV/可視光抑制雷電保護層として同等に称される)をさらに含み、ここで、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層は、非導電材料と組み合わせた導電材料を含みうる層の形態によるものである)。導電材料は、例えば航空機を含む大型構造に組み込まれた雷電保護層において使用可能なタイプの金属材料が拡張された、編まれた、中実の、及び/又は織られた形態にありうる金属材料であってよく、そうでなればこれらの金属材料を含みうる。
【0061】
本開示の態様によれば、導電材料を共硬化性の耐UV/可視光材料と組み合わせて、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層を形成することができ、この共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層は、個別の層プライとして施されうる層において施され得、又は、複数のプライにおいて施されうる。さらに、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層は、フィルムとして施されうる。共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、及びこれらの組み合わせといった樹脂マトリクスによる繊維含有材料又は他の材料を含みうる。さらなる態様において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層は、樹脂マトリクスによる石英含有材料を含みうる。
【0062】
本開示の態様によれば、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層は、当該共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層が共硬化性の複合材料基板と密に接触するように、複合材料アセンブリ内に配置されている。他の態様において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層は、当該共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層が第2の共硬化性の耐UV/可視光材料層の上に配置されるように、第2の共硬化性耐UV/可視光材料層が、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料層との間の複合材料アセンブリ内に配置されるように、複合材料アセンブリ内に配置されている。さらに、第2の共硬化性の耐UV/可視光層がまた、フィルムとして施されうる。第2の共硬化性の耐UV/可視光層は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、及びこれらの組み合わせといった、樹脂マトリクスによる繊維含有材料又は他の材料を含みうる。さらなる態様において、第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、樹脂マトリクスによる石英含有材料を含みうる。
【0063】
本明細書では「共硬化性の基板ベース層」、又は「共硬化性の下層」、又は「共硬化性の複合材料基板層」とも同等に称される共硬化性の複合材料基板は、共硬化性の複合材料とすることができ、当該共硬化性の複合材料は、エポキシ樹脂ベースのマトリクスを有しうる繊維強化ポリマー複合材料を含むエポキシ樹脂ベースの材料とすることができ、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせを含むことができ、ここで、炭素繊維が共硬化性の複合材料基板として特に望ましく、かつ、炭素繊維強化ポリマーが複合材料基板として特に望ましい。
【0064】
本開示のさらなる態様において、共硬化性の複合材料基板は、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び、存在する場合には第2の共硬化性の耐UV/可視光材料層と共硬化しうる任意の適切な複合材料でありうる。
【0065】
本開示の他の態様において、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び、存在する場合は第2の共硬化性の耐UV/可視光材料層が、共硬化レジームにおいて共硬化されるよう構成され、共硬化レジームは、約250°Fから約370°Fまでの範囲の共硬化温度を含み、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化された耐UV/可視光層の1つ以上は、共硬化された耐UV/可視光ガラス繊維含有層が約2ミルから約6ミルまでの範囲の平均厚さを有するときには、UV/可視光の透過率値が、約200nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長について、約0%から約20%のUV透過となる。
【0066】
複合材料はしばしば、層状に重ねられて選択された数の複合材料層を有する積層体となり、「プリプレグ(prepreg)」としばしば称される。プリプレグは、エポキシ樹脂ベースの材料といったマトリクス材料が既に存在する「予備含浸させられた」複合繊維とすることができる。上記繊維は織物の形態によるものが多く、製造中にこれらをまとめて他の部品とするためにマトリクスが使用される。複合材マトリクス材料は、典型的に部分的に硬化され、容易な取り扱いが可能となる。このような複合材マトリクス材料は、さらなる部分的な硬化、又は完全な硬化を防止するための冷蔵ストレージ又は低温ストレージを必要とし得、このような複合材マトリクス材料はBステージ材料と称される。続いて、周囲の熱が完全な重合を加速させるため、Bステージプリプレグが冷蔵領域内で貯蔵される。プリプレグはまた、大量の繊維を含浸させ、後の硬化まで長時間にわたってプリプレグを冷蔵領域に貯蔵することを可能にする。プリプレグは通常、平坦な作業可能な表面の上で形成される。次いで、その上でプリプレグプライの積層体が形成され、望まれる場合には、成形又は形成ツール(マンドレルとも称する)を使用して所望の形状に成形されうる。本開示の態様は、限定するものではないが、複合材料プリプレグのレイアップされた層の利用を利用した、共硬化性の複合材料基板及び共硬化された複合材料基板の形成を企図する。
【0067】
本開示の態様によれば、「共硬化性の(co-curable)」材料は、他の材料と共硬化されうる材料として定義され、これにより、「共硬化された(co-cured)」組成物及び/又は共硬化された材料アセンブリを形成するための所定の硬化レジーム(所定の温度、圧力、上昇温度/レート、ドエル周期(dwell period)等)によって課せられうるものといった、共通の硬化条件に供されたときには、2つの共硬化性の材料が共硬化することになる。
【0068】
本開示の態様によれば、共硬化性の複合材料基板を、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層及び/又は第2の耐UV/可視光層(例えば、ガラス繊維含有層でありうる)と直接的に接触させる(このことが、共硬化の後で、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを形成する)ことによって、選択された度合による、UV/可視光への耐性及びUV/可視光に対する保護を、もっぱら複合材料基板に対して与えることが可能である。即ち、本開示の態様によれば、以前には必要であった耐UV/可視光下塗り、UVカット塗装等を無くすことができ、及び/又はこれらの存在を排除し及び/又は施す量を著しく低減することができる。なぜなら、耐UV/可視光複合材料内でのUV/可視光保護機能は、本明細書で開示される共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層(本明細書では「共硬化性のLSP層」と同等に称される)を、単独で又は第2の共硬化性の耐UV/可視光層と組み合わせて、追加し配置することによって、排他的に満たすことができるからであり、ここで、共硬化性のLSP層は、共硬化性の複合材料基板と直接接触して設けられており、又は、第2の共硬化性の耐UV/可視光層が共硬化性の複合材料基板と直接接触して配置されるときには、共硬化性LSP層が第2の共硬化性の耐UV/可視光層の上に配置されている。
【0069】
共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を共硬化性の複合材料基板と共硬化させることによって、利点が、本明細書で開示される共硬化された耐UV/可視光雷電保護層によって、少なくとも、下層の共硬化されたエポキシベースの複合材料基板、及び共硬化された複合材料アセンブリ全体に対して、並びに、共硬化された複合材料基板及び共硬化された複合材料アセンブリを組み込む任意の材料及び/又は構造に対して、与えられる。本開示の態様によれば、このように与えられる利点には、限定するものではないが、UV/可視光からのエポキシベースの複合材料の保護、及び、例えば、機械的な塗装除去技術の有害な影響等からの複合材料基板の保護が含まれる。
【0070】
加えて、本明細書で開示される、例えば共硬化性のエポキシベース複合材料基板上で共硬化され及び/又は当該エポキシベース複合材料基板と共硬化された共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層の堅牢性によって、後続の繰り返される修理プロトコルの間に必要となりうる後続の繰り返される熱処理に持ちこたえられる。即ち、一部の現在必要とされる修理プロトコルとは異なって、本明細書に記載の共硬化された耐UV/可視光雷電保護層は、再加工、塗装除去、再塗装、反復される熱処理等の間に交換、除去又は改めて施す必要がない。本開示の態様は、必要な場合には、本明細書で開示される共硬化された複合材料アセンブリの上にコーティングされた層のみ、例えば上塗り層、ベースコート(下塗り)層、仕上げ塗装(clearcoat)層、中間コーティング層などのみを除去、再コンディショニング、再加工すること等を企図する。
【0071】
共硬化された耐UV/可視光雷電保護層を形成するために共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層が組み込まれた、本明細書で開示される共硬化された複合材料アセンブリを使用することを通じて、複合材料基板を修理又は再加工する間に以前では必要であったかなりの数の手続きステップが削除され、結果として、例えば、UV/可視光による損傷を受けた層を交換するための材料コスト、個別層の敷設処理のために以前は必要であった人的資源時間(例えば、個別の層の前処理表面仕上げステップ、層の敷設ステップ、層後処理表面仕上げステップ(化学的適用、物理的表面仕上げ処理(研磨等、堆積層の検査等を含む)を含む)リソースの実質的な削減がもたらされる。
【0072】
図1は、本開示の態様に係る航空機の形態によるビークルの図である。
図1に示すように、航空機10は、胴体11、翼アセンブリ12、水平安定板アセンブリ14、及び垂直安定板アセンブリ16を、例えば
図1に示されるものを含む様々な航空機アセンブリを形成するよう構成された本明細書で開示される共硬化された複合材料アセンブリと共に備える。
【0073】
図2Aは、本開示の態様に係る、例えば航空機の外表面を含む航空機のための構造アセンブリとして使用可能なタイプの共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ20aの拡大代表断面図であり、ここで、共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ20aは、共硬化性の複合材料基板22aの直ぐ近くに配置され又は位置決めされた共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層23aを含む。
【0074】
図2Aにさらに示すように、共硬化性の複合材料アセンブリ20aは、第2の共硬化性の耐UV/可視光層24aをさらに含む。
図2Aに示すように、共硬化性の複合材料基板22aが、共硬化性の複合材料基板の第1の側面22a’と、共硬化性の複合材料基板の第2の側面22a”と、を有する。共硬化性耐のUV/可視光雷電保護層23aが、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層の第1の側面23a’と、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層の第2の側面23a”と、を有する。加えて、第2の共硬化性の耐UV/可視光層24aが、第2の共硬化性の耐UV/可視光層の第1の側面24a’と、第2の共硬化性の耐UV/可視光層の第2の側面24a”と、を有する。
図2Aに示すように、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層23aが、共硬化性の複合材料基板22aと、第2の共硬化性の耐UV/可視光層24aと、の間に配置されている。
【0075】
図2Bは、本開示の態様に係る、例えば航空機の外表面を含む航空機のための構造アセンブリとして使用可能な(かつ、
図2Aで未硬化の状態で示された)タイプの共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリ20bの拡大代表断面図であり、ここで、共硬化された耐UV/可視光複合材料20bは、複合材料基板22bの直ぐ近くに配置され又は位置決めされた共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bを含む。
【0076】
図2Bにさらに示されるように、共硬化された複合材料アセンブリ20bは、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bをさらに含む。
図2Bに示すように、共硬化された複合材料基板22bが、共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する。共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第1の側面23b’と、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第2の側面23b”と、を有する。さらに、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bが、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第1の側面24b’と、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第2の側面24b”と、を有する。
図2Bに示すように、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが、共硬化された複合材料基板22bと、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bと、の間に配置されている。
【0077】
図3Aは、本開示の態様に係る、例えば航空機の外表面を含む航空機のための構造アセンブリとして使用可能なタイプの共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ30aの拡大代表断面図であり、ここで、共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ30aは、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層23aと、第2の耐UV/可視光層24aとを含み、第2の耐UV/可視光層24aが、共硬化性の複合材料基板22aの直ぐ近くに配置され又は位置決めされている。
【0078】
図3Aに示すように、共硬化性の複合材料基板22a、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層23a、及び第2の共硬化性の耐UV/可視光層24aのそれぞれが、
図2Aで示され列挙されたような第1の側面及び第2の側面を有する。
図2Aと
図3Aの双方が、共硬化性の複合材料アセンブリ(20a、30a、例えば、共硬化レジームにおいて一緒に共硬化されるよう構成されたアセンブリ)を示しており、共硬化性の複合材料アセンブリ20a、30a間の違いは、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層23aの配置にある。
図2Aに示すように、共硬化性の複合材料アセンブリ20aでは、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層23aが共硬化性の複合材料基板22aの直ぐ近くに配置されているが、
図3Aに示すように、共硬化性の複合材料アセンブリ30aでは、共硬化性の複合材料基板22aの直ぐ近くに配置されているのは、第2の共硬化性の耐UV/可視光層24aである。
【0079】
図3Bは、本開示の態様に係る、例えば航空機の外表面を含む航空機のための構造アセンブリとして使用可能なタイプの共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリ30bの拡大代表断面図であり、ここで、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリ30bは、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bと、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bとを含み、第2の耐UV/可視光層24bが、共硬化された複合材料基板22aの直ぐ近くに配置され又は位置決めされている。
【0080】
図3Bに示すように、共硬化された複合材料基板22b、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23b、及び第2の共硬化された耐UV/可視光層24bのそれぞれが、
図2Bで示され列挙されたような第1の側面及び第2の側面を有する。
図2Bと
図3Bの双方が、共硬化された複合材料アセンブリ(20b、30b)を示しており、共硬化された複合材料アセンブリ20b、30b間の違いは、共硬化された複合材料アセンブリ内での共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bの配置にある。
図2Bに示すように、共硬化された複合材料アセンブリ20bでは、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが共硬化された複合材料基板22bの直ぐ近くに配置されているが、
図3Bに示すように、共硬化された複合材料アセンブリ30bでは、共硬化された複合材料基板22bの直ぐ近くに配置されているのは、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bである。
【0081】
共硬化の後に、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と第2の共硬化された耐UV/可視光層の双方は、追加のコーティング層を受け入れるよう構成することができ、当該追加のコーティング層は、例えば、精細下塗り層、アセンブリ下塗り層等を含むことができ、追加のコーティング層は、例えば最終的な上塗りを含む上塗りを受け入れるよう構成されている。
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図7、及び
図8は、本開示の態様に係る、共硬化された複合材料アセンブリの拡大代表断面図であり、本開示の態様に係る、追加の下塗りアセンブリコーティング層及び/又は精細下塗り層が複合材料アセンブリに組み込まれている状態を示している。
【0082】
本開示の態様によれば、共硬化された複合材料アセンブリによって、(例えば、雷電等からの)電流が複合材料アセンブリ及びシステムを通過することが促進され、ここで、電流は、例えば雷電又は他のEMEによる影響を受けている構造内の設けられた導電経路を辿る。これに対応して、本開示の態様は、(例えば雷電による影響から損傷を受ける可能性がある)共硬化された複合材料基板自体から離れた位置で、共硬化された複合材料アセンブリ内の共硬化された耐UV/可視光保護層を配向することを企図する。
【0083】
図4A及び
図4Bは、本開示の態様に係る、精細下塗り層の量が減らされており、必要であったさらなる追加の耐UV/可視光塗装層が存在していない共硬化された耐UV/可視光複合材料システムの拡大代表断面図であり、数多くの利点のうちの2つが、本明細書で開示される共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリによって生じる。
図4Aにおいて、本開示の態様に係る、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、複合材料アセンブリ内の共硬化された複合材料基板の直ぐ近くに配置され又は位置決めされた状態で示されている。
図4Bにおいて、本開示の態様に係る、第2の共硬化された耐UV/可視光層が、複合材料アセンブリ内の共硬化された複合材料基板の直ぐ近くに配置され又は位置決めされた状態で示されている。
【0084】
より具体的には、
図4Aは、(
図2Bにも示した)共硬化された複合材料アセンブリ20bをさらに含む層状のシステムを含む複合材料システム40aを示しており、ここで、共硬化された複合材料アセンブリ20bは、共硬化された複合材料基板22bを含み、共硬化された複合材料基板22bは、共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する。共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが、共硬化された複合材料アセンブリ基板22bの直ぐ近くに配置されており、ここで、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bは、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第1の側面23b’と、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第2の側面23b”と、を有する。加えて、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第1の側面24b’と、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第2の側面24b”とを有する第2の共硬化された耐UV/可視光層24bが、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bの直ぐ近くに配置された状態で示されている。
図4Aにさらに示すように、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが、共硬化された複合材料基板22bと、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bと、の間に配置されている。
図4Aは、仕上げ層でありうる層でコーティングされた共硬化された複合材料アセンブリ20bをさらに示しており、上記の仕上げ層は、第2の共硬化された耐UV/可視光層と接触し当該層を被覆する精細下塗り層32と、精細下塗り層32と接触し当該層を被覆するアセンブリ下塗り層34と、アセンブリ下塗り層34と接触し当該層を被覆する上塗り層36と、を含む
【0085】
図4Bは、(
図3Bにも示した)共硬化された複合材料アセンブリ30bをさらに含む層状のシステムを含む複合材料システム40bを示しており、ここで、共硬化された複合材料アセンブリ30bは、(共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する)共硬化された複合材料基板22bを含む。第2の共硬化された耐UV/可視光層24bは、共硬化された複合材料アセンブリ基板22bの直ぐ近くに配置されており、ここで、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bは、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第1の側面24b’と、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第2の側面24b”と、を有する。さらに、(共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第1の側面23b’と、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第2の側面23b”と、を有する)共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bの直ぐ近くに配置された状態で示されている。
図4Bにさらに示すように、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bが、共硬化された複合材料基板22bと、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bと、の間に(、かつこれらの直ぐ近くに)配置されている。
図4Bは、仕上げ層でありうる層でコーティングされた共硬化された複合材料アセンブリ20bをさらに示しており、上記の仕上げ層は、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bと接触し当該層を被覆する精細下塗り層32と、精細下塗り層32と接触し当該層を被覆するアセンブリ下塗り層34と、アセンブリ下塗り層34と接触し当該層を被覆する上塗り層36と、を含む。
【0086】
本開示のさらなる態様は、精細層を要しないであろう複合材料アセンブリであって、現在使用されている複合材料アセンブリ及びシステムと比較して、複合材構造用材料システム全体をさらに簡素化し、本明細書で開示される複合材料アセンブリ及びシステムの厚さ全体及び処理の複雑性を潜在的に低減する複合材料アセンブリを企図する。
図5A及び
図5Bは、
図4A及び
図4Bで示したものと類似しているが精細下塗り層が存在しない複合材料アセンブリを示す。
【0087】
より具体的には、
図5Aは、(
図2B及び
図4Aにも示した)共硬化された複合材料アセンブリ20bをさらに含む層状のシステムを含む複合材料システム50aを示しており、ここで、共硬化された複合材料アセンブリ20bは、共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する共硬化された複合材料基板22bを含む。共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bは、共硬化された複合材料アセンブリ基板22bの直ぐ近くに配置されており、ここで、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bは、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第1の側面23b’と、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第2の側面23b”と、を有する。さらに、(第2の共硬化された耐UV/可視光層の第1の側面24b’と、第2の共硬化された耐UV/可視光の第2の側面24b”とを有する)第2の共硬化された耐UV/可視光層24bが、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bの直ぐ近くに配置された状態で示されている。
【0088】
図5Aにさらに示すように、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが、共硬化性の複合材料基板22bと、第2の共硬化性の耐UV/可視光層24bと、の間に配置されている。
図5Aは、仕上げ層でありうる層でコーティングされた共硬化された複合材料アセンブリ20bをさらに示しており、上記の仕上げ層は、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bと接触し当該層を被覆するアセンブリ下塗り層34と、アセンブリ下塗り層34と接触し当該層を被覆する上塗り層36と、を含む。
【0089】
図5Bは、(
図3B及び
図4Bにも示した)共硬化された複合材料アセンブリ30bをさらに含む層状のシステムを含む複合材料システム50bを示しており、ここで、共硬化された複合材料アセンブリ30bは、(共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する)共硬化された複合材料基板22bを含む。第2の共硬化された耐UV/可視光層24bは、共硬化された複合材料アセンブリ基板22bの直ぐ近くに配置されており、ここで、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bは、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第1の側面24b’と、第2の共硬化された耐UV/可視光層の第2の側面24b”と、を有する。さらに、(共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第1の側面23b’と、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の第2の側面23b”と、を有する)共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bが、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bの直ぐ近くに配置された状態で示されている。
図5Bにさらに示すように、第2の共硬化された耐UV/可視光層24bが、共硬化された複合材料基板22bと、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bと、の間に(、かつこれらの直ぐ近くに)配置されている。
図5Bは、仕上げ層でありうる層でコーティングされた共硬化された複合材料アセンブリ20bをさらに示しており、上記の仕上げ層は、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層23bと接触し当該層を被覆するアセンブリ下塗り層34と、アセンブリ下塗り層34と接触し当該層を被覆する上塗り層36と、を含む。
【0090】
本開示の態様によれば、
図2A及び
図3Aに示すように、2つの共硬化性の耐UV/可視光層が、共硬化性の複合材料基板とともに(3つの層がまとまって)、共硬化性の複合材料アセンブリを含む。同様に、本開示の態様によれば、
図2B、
図3B、
図4A、
図4B、
図5A、及び
図5Bに示すように、2つの共硬化された耐UV/可視光層が、共硬化された複合材料基板とともに(3つの層がまとまって)、共硬化された複合材料アセンブリを含む。耐UV/可視光雷電保護層を含めることで、複合材料アセンブリへの導電特性に影響が与えられ、ここで、複合材料アセンブリは、本開示の態様によれば、約2×10
7シーメンス/メートルから6.4×10
7シーメンス/メートルまでの範囲の導電性を有する。
【0091】
本開示のさらなる態様によれば、本明細書で開示される共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と、共硬化性の第2の共硬化された耐UV/可視光層とを組み合わせて、単一の層(例えば、単一のプライ層)とすることができ、かつ、
本明細書で開示される共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と、共硬化された第2の共硬化された耐UV/可視光層とを組み合わせて、単一の層(例えば、単一のプライ層)とすることができる。
図6Aは、例えば航空機の外表面を含む航空機のための構造アセンブリとして使用可能なタイプの共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ60aの拡大代表断面図であり、ここで、共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ60aは、共硬化性の耐UV/可視光材料層25aを含み、共硬化性の耐UV/可視光材料層25aは、共硬化性の耐UV/可視光保護材料と、当該共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料中の共硬化性の材料成分とは異なりうる又は同じでありうるさらなる共硬化性の耐UV/可視光材料と、を含む(かつ、共硬化性の耐UV/可視光保護材料と、上記さらなる共硬化性の耐UV/可視光材料と、が組み合わされている)。
図6Aに示すように、本開示の態様によれば、共硬化性の耐UV/可視光材料層25aが、共硬化性の複合材料基板22aの上に配置されており、そうでなければ共硬化性の複合材料基板22aの直ぐ近くに配置されている。
図6Aに示すように、共硬化性の複合材料基板22aが、共硬化性の複合材料基板の第1の側面22a’と、共硬化性の複合材料基板の第2の側面22a”と、を有する。(共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料を含む)共硬化性の耐UV/可視光材料層25aが、共硬化性の耐UV/可視光材料層の第1の側面25a’と、共硬化性の耐UV/可視光材料層の第2の側面25a”と、を有する。
【0092】
図6Bは、例えば航空機の外表面を含む航空機のための構造アセンブリとして使用可能なタイプの共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリ60bの拡大代表断面図であり、ここで、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリ60bは、共硬化された耐UV/可視光材料層25bを含み、共硬化された耐UV/可視光材料層25bは、共硬化された耐UV/可視光雷電保護材料と、当該共硬化された耐UV/可視光雷電保護層中の材料成分とは異なりうる又は同じでありうるさらなる耐UV/可視光材料と、を含む(かつ、共硬化された耐UV/可視光雷電保護材料と、上記さらなる耐UV/可視光材料と、が組み合わされている)。
図6Bに示すように、本開示の態様によれば、共硬化された耐UV/可視光材料層25bが、共硬化された複合材料基板22bの上に配置されており、そうでなければ共硬化された複合材料基板22bの直ぐ近くに配置されている。
図6Bに示すように、共硬化された複合材料基板22bが、共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する。(共硬化された耐UV/可視光雷電保護材料を含む)共硬化された耐UV/可視光材料層25bが、共硬化された耐UV/可視光材料層の第1の側面25b’と、共硬化された耐UV/可視光材料層の第2の側面25b”と、を有する。
【0093】
図7は、本開示の態様に係る、複合材料システム70の拡大代表断面図である。
図7に示すように、複合材料システム70は、(
図6Bにも示した)共硬化された複合材料アセンブリ60bをさらに含む層状のシステムを含み、ここで、共硬化された複合材料アセンブリ60bは、共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する共硬化された複合材料基板22bを含む。(共硬化された耐UV/可視光雷電保護材料を含む)共硬化された耐UV/可視光材料層25bが、
図7では、共硬化された耐UV/可視光材料層の第1の側面25b’と、共硬化された耐UV/可視光材料層の第2の側面25b’とを有しており、かつ共硬化された複合材料基板22bの直ぐ近くの位置で共硬化されて、共硬化された複合材料アセンブリ60bを形成している様子が示されている。
図7は、仕上げ層でありうる層でコーティングされた共硬化された複合材料アセンブリ60bをさらに示しており、上記の仕上げ層は、共硬化された耐UV/可視光材料層25bと接触し当該層を被覆する精細下塗り層32と、精細下塗り層32と接触し当該層を被覆するアセンブリ下塗り層34と、アセンブリ下塗り層34と接触し当該層を被覆する上塗り層36(最終的な上塗り層でありうる)と、を含む。
【0094】
本開示の態様がさらに、精細下塗り層を含まないタイプの、
図7に示す複合材料アセンブリを企図する。これに対応して、
図8は、本開示の態様に係る、複合材料システム80の拡大代表断面図である。
図8に示すように、複合材料システム80は、(
図6Bにも示した)共硬化された複合材料アセンブリ60bをさらに含む層状のシステムを含み、ここで、共硬化された複合材料アセンブリ60bは、共硬化された複合材料基板の第1の側面22b’と、共硬化された複合材料基板の第2の側面22b”と、を有する共硬化された複合材料基板22bを含む。(共硬化された耐UV/可視光雷電保護材料を含む)共硬化された耐UV/可視光材料層25bが、
図8では、共硬化された耐UV/可視光材料層の第1の側面25b’と、共硬化された耐UV/可視光材料層の第2の側面25b”とを有しており、かつ共硬化された複合材料基板22bの直ぐ近くの位置で共硬化されて、共硬化された複合材料アセンブリ60bを形成している様子が示されている。
図8は、仕上げ層でありうる層でコーティングされた共硬化された複合材料アセンブリ60bをさらに示しており、上記の仕上げ層は、共硬化された耐UV/可視光材料層25bと接触し当該層を被覆する下塗り層34と、アセンブリ下塗り層34と接触し当該層を被覆する上塗り層(最終的な上塗り層となりうる)36と、を含む。
【0095】
本開示の態様によれば、組み合わせた共硬化性の耐UV/可視光材料層25a(
図6B、
図7、及び
図8に図示)が、単一のプライ層でありうる単一の層として複合材料基板に施され、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で複合材料基板と共硬化されて、共硬化された複合材料アセンブリ60bを形成することができる。さらに、組み合わされた共硬化性のUV/可視光材料層25a(
図6B、
図7、
図8)を含めることで、複合材料システム70、80への導電特性に影響が与えられ、ここで、複合材料アセンブリは、本開示の態様によれば、約2×10
7シーメンス/メートルから6.4×10
7シーメンス/メートルまでの範囲の導電性を有する。
【0096】
本開示の態様によって、本明細書で開示される共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリ及びシステムから精細下塗り層が排除され、そうでなければ無くされ、及び/又は当該精細下塗り層の量及び厚さが大幅に削減される。即ち、本開示の態様によれば、精細下塗り層の平均厚さが、既知の複合材料アセンブリのために以前は必要であった、精細下塗りの量及び層の厚さから大幅に下げられている。このような精細下塗りの削減及び/又は削除によって、例えば航空機を含む大型の構造アセンブリの規模に因り、複合材料準備の複雑さが大幅に削減され、大幅な重量削減、コスト削減、処理時間の短縮、再加工時間の短縮、人員削減/時間当たりの労働削減、及び必要とされる材料の削減がもたらされうる。
【0097】
本開示の態様に係る共硬化性の及び/又は共硬化された複合材料構造、アセンブリ、システムは、大型構造アセンブリの外表面(例えば、雷電保護(LSP:lightning strike protection)が産業規制などによって望ましい又は必要となりうる大型の構造表面を含む)の形成の際に使用することが可能である。例えば、本開示の態様によれば、本明細書に開示される共硬化性の複合材料アセンブリ及び共硬化された複合材料アセンブリは、例えば、翼アセンブリの外表面を含む航空機の翼アセンブリ、胴体アセンブリ、航空機燃料タンクアセンブリ、ナセル、選択された航空機アセンブリへの及び当該選択された航空機アセンブリを含む航空機への雷電保護を提供するための航空機エレクトロニクスの遮蔽構造など、のための構造用材料として使用されうる。
【0098】
本明細書に開示される共硬化性の複合材料基板は、共硬化性の炭素繊維強化ポリマー複合材料基板とすることができ、この共硬化性の炭素繊維強化ポリマー複合材料基板はさらに、耐UV/可視光雷電保護層と共硬化されて共硬化された複合材料アセンブリ及びシステムを形成する共硬化性のエポキシ樹脂ベースの複合材料基板でありうる。
【0099】
本開示のさらなる態様によれば、本明細書に開示される共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリ及びシステムは、第2の耐UV/可視光層及び耐UV/可視光雷電保護(LSP)層以外のあらゆる層で耐UV/可視光複合材料アセンブリ中にさらなる耐UV/可視光材料を含有する必要がなく、組み合わせにおいて又は個別に、第2の耐UV/可視光層及び耐UV/可視光雷電保護(LSP)層は、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層及び/又は第2の耐UV/可視光層が約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときには、UV/可視光の透過率値が、約200nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長について、約0%から約20%の範囲のUV/可視光透過となる。
【0100】
本明細書で開示された共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリは、例えば耐UV/可視光下塗り層又は耐UV/可視光塗装層の形態による、耐UV/可視光材料を含まない。言い換えれば、第2の耐UV/可視光層及び耐UV/可視光雷電保護(LSP)層は、耐UV/可視光複合材料アセンブリ及びシステムに影響するUV/可視光に対する耐性に影響を与えること(例えば、UV/可視光放射が、第2の耐UV/可視光層及び耐UV/可視光雷電保護(LSP)層を通過して複合材料基板に達するのを抑制すること)にのみ関与する。
【0101】
図9A、
図9B、
図10A、
図10B、
図11A、
図11B、
図12A、
図12B、
図13、及び
図14は、本明細書で開示された共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を含む本明細書で開示された共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリ、及び/又は本明細書で開示された共硬化された耐UV/可視光雷電保護層を含む本明細書で開示された共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを作製する方法を説明するフローチャートである。本開示のさらなる態様は、本明細書に記載の方法に従って作製された、共硬化性の複合材料、共硬化された複合材料、共硬化された複合材料を含むアセンブリ、共硬化された複合材料を含むサブアセンブリ、並びに、共硬化された耐UV/可視光複合材料を含むアセンブリ及び/又はサブアセンブリのうちの少なくとも一方を含む構造であって、例えば、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせを含む構造を企図する。
【0102】
図9Aは、共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法を示しており、方法900aは、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、共硬化性の複合材料基板層(共硬化性のエポキシ樹脂ベースの複合材料であってよく、さらに炭素繊維強化ポリマーであってよい)の上に配置及び/又は施すこと(902)を含む。方法900aは、第2の共硬化性の耐UV/可視光層を、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層の上に配置及び/又は施してして、共硬化性の複合材基板アセンブリ(共硬化性の複合材料システムと同等に別称される)を形成する(904)ことをさらに含む。共硬化性の複合材料基板層は、共硬化性のエポキシ樹脂ベースの複合材料基板とすることができ、さらに炭素繊維強化ポリマーとすることができる。
【0103】
耐UV/可視光雷電保護層及び/又は第2の共硬化性の耐UV/可視光層を含む共硬化性の複合材料アセンブリは、少なくとも
図2Aで示され説明されたタイプのものとすることができ、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層は、共硬化性の複合材料基板と直接的に接触しており、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層は、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の雷電保護層との間に配置されている(例えば、「挟まれている」)。共硬化性の複合材料は、少なくとも本明細書の
図2Aで示され説明されたタイプのものとすることができる。
【0104】
図9Bは、共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法を示しており、方法900bは、第2の共硬化性の耐UV/可視光層を共硬化性の複合材料基板の上に配置及び/又は施すこと(906)と、次いで、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、第2の共硬化性の耐UV/可視光層に配置及び/又は施して、共硬化性の複合材基板アセンブリ(共硬化性の複合材料システムとも同等に別称される)を形成すること(908)と、を含む。共硬化性の複合材料基板層は、共硬化性のエポキシ樹脂ベースの複合材料基板とすることができ、さらに炭素繊維強化ポリマーとすることができる。耐UV/可視光雷電保護層及び/又は第2の共硬化性の耐UV/可視光層を含む共硬化性の複合材料アセンブリは、少なくとも
図2Bで示され説明されたタイプのものとすることができ、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層は、共硬化性の複合材料基板と直接的に接触しておらず、第2の共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層が、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に配置されている(例えば、「挟まれている」)。共硬化性の複合材料は、少なくとも本明細書の
図3Aで示され説明されたタイプのものとすることができる。
【0105】
図9A、
図9Bでそれぞれ示された方法900a、900bにおいて説明された本開示の態様によれば、第2の共硬化性の耐UV/可視光層及び共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層の1つ以上がそれぞれ、単一のプライ層でありうる。本開示のさらなる態様によれば、第2の共硬化性の耐UV/可視光層及び共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層の1つ以上がそれぞれ、複数のプライであってよく、複数のプライ及び/又は単一のプライの1つ以上が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、石英、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0106】
図10Aは、本開示の態様に係る、
図9Aに示された共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法を示しており、方法1000aは、共硬化性の複合材料アセンブリを共硬化させて、少なくとも
図2Bで示され説明されたタイプの共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを形成すること(909)をさらに含む。
【0107】
図10Bは、本開示の態様に係る、
図9Bに示された共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法を示しており、方法1000bは、共硬化性の複合材料アセンブリを共硬化させて、少なくとも
図3Bで示され説明されたタイプの共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを形成すること(909)をさらに含む。
【0108】
図11Aは、
図10Aに示された共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法を示しており、方法1100aはさらに、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリに精細下塗り層を施すこと(1102)と、精細下塗り層にアセンブリ下塗り層を施すこと(1104)と、アセンブリ下塗り層に上塗り層を施すこと(1106)と、を含む。
【0109】
図11Bは、
図10Bに示された共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法を示しており、方法1100bはさらに、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリに精細下塗り層を施すこと(1102)と、精細下塗り層にアセンブリ下塗り層を施すこと(1104)と、アセンブリ下塗り層に上塗り層を施すこと(1106)と、を含む。
【0110】
図12Aは、
図10Aに示された共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法1200aを示しており、方法1200aはさらに、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリにアセンブリ下塗り層を施すこと(1105)と、アセンブリ下塗り層に上塗り層を施すこと(1106)と、含む。
【0111】
図12Bは、
図10Bに示された共硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法1200bを示しており、方法1200bはさらに、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリにアセンブリ下塗り層を施すこと(1105)と、アセンブリ下塗り層に上塗り層を施すこと(1106)と、含む。
【0112】
本明細書において、
図10A、
図10B、
図11A、
図11B、
図12A、
図12Bにそれぞれ示された方法1000a、100b、1100a、1100b、1200a、1200bに記載された「共硬化する」ステップ909は、約250°Fから約370°Fの範囲の温度で、共硬化性の複合材料基板、並びに共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層及び第2の共硬化性の耐UV/可視光層のために選択された材料によって決定された共硬化レジーム(必要に応じて、上述の温度の範囲内の特定の温度における、観察された上昇期間、冷却期間、及びドエル時間を含む)の範囲内で、実行することが可能である。
【0113】
本明細書では、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化性の耐UV/可視光層は、記載される共硬化性耐UV/可視光複合材料アセンブリを形成するための別個の層(別個の材料「層」のそれぞれにおいて単一のプライ又は複数のプライを有する)として提供することが可能であり、本開示のさらなる態様(本明書の
図6A、
図6B、
図7、及び
図8に関して記載されたものを含む)は、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料と第2の共硬化性の耐UV/可視光材料とを組み合わせて、組み合わされた材料の単一のプライ又は複合のプライを含むうる単一の層とすることと、次いで、組み合わされた材料層を共硬化性の複合材料基板に施して、記載された共硬化性の耐UV/可視光複合材料アセンブリを形成することと、を企図する。
【0114】
図13は、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを作製する方法1300を示しており、方法1300は、共硬化性の単一の材料層(共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料と、第2の共硬化性の耐UV/可視光材料と、を組み合わせた単一材料である)を、共硬化性の複合材料基板(共硬化性のエポキシ樹脂複合材料基板でありうる)に施すこと(903)を含む。方法1300は、共硬化性の複合材料アセンブリを共硬化させて、本開示の態様に係る、少なくとも
図6A、
図6B、
図7、及び
図8に示され説明されたタイプの共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを形成すること(909)をさらに含む。方法1300はさらに、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリに精細下塗り層を施すこと(1102)と、精細下塗り層にアセンブリ下塗り層を施すこと(1104)と、アセンブリ下塗り層に上塗り層を施すこと(1106)と、を含む。
【0115】
図14は、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを作製する方法1400を示しており、方法1400は、共硬化性の単一の材料層(共硬化性の耐UV/可視光雷電保護材料と、第2の共硬化性の耐UV/可視光材料と、を組み合わせた単一材料である)を、共硬化性の複合材料基板(共硬化性のエポキシ樹脂複合材料基板でありうる)に施すこと(903)を含む。方法1400は、共硬化性の複合材料アセンブリを共硬化させて、本開示の態様に係る、少なくとも
図6A、
図6B、
図7、及び
図8に示され説明されたタイプの共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリを形成すること(909)をさらに含む。方法1400はさらに、共硬化された耐UV/可視光複合材料アセンブリにアセンブリ下塗り層を施すこと(1105)と、アセンブリ下塗り層に上塗り層を施すこと(1106)と、を含む。
【0116】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。
【0117】
条項1.共硬化性の複合材料アセンブリ(20a)であって、
共硬化性の複合材料基板(22a)と、
共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層(23a)と、
を含み、
共硬化性の複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる、共硬化性の複合材料アセンブリ(20a)。
【0118】
条項2.共硬化性の複合材料基板が炭素繊維強化ポリマーを含む、条項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0119】
条項3.共硬化性の複合材料基板がエポキシ樹脂ベースの化合物を含み、共硬化性の複合材料基板が、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、条項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0120】
条項4.共硬化性の複合材料基板が、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む、条項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0121】
条項5.共硬化性の複合材料基板が、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と直接的に接触して当該層の直ぐ近くに位置する、条項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0122】
条項6.別個の層として、第2の共硬化性の耐UV/可視光層(24a)をさらに含み、第2の共硬化性の耐UV/可視光層と、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との両方が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の複合材料基板と共硬化しうる、条項1に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0123】
条項7.第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、共硬化性の複合材料基板の直ぐ近くに位置しており、第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に位置するようさらに構成される、条項6に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ(30a)。
【0124】
条項8.第2の共硬化性の耐UV/可視光層が、共硬化性の複合材料アセンブリ内の別個の層である、条項6に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0125】
条項9.共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化性の耐UV/可視光層の少なくとも一方が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、石英、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、条項6に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0126】
条項10.共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化性の耐UV/可視光層の少なくとも一方が、共硬化性の耐UV/可視光ガラス繊維含有層である、条項6に記載の共硬化性の複合材料アセンブリ。
【0127】
条項11.共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(40b)(50a)(50b)(60b)(70)(80)であって、
共硬化された複合材料基板(22b)と、
共硬化された耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層(23b)と、
を含み、
共硬化された耐UV/可視光雷電保護層は、
当該共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が約2ミルから約6ミルまでの範囲の平均厚さを有するときには、UV/可視光の透過率値が、約200nmから約800nmのUV/可視光の範囲の波長について、約0%から約20%の範囲のUV/可視光の透過となり、
共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、2×107シーメンス/メートルから6.4×107シーメンス/メートルの範囲の導電率を有する、共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(40b)(50a)(50b)(60b)(70)(80)。
【0128】
条項12.共硬化された複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と共硬化されている、条項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【0129】
条項13.共硬化された複合材料基板が炭素繊維強化ポリマーを含む、条項11に記載の共硬化複合材料アセンブリ。
【0130】
条項14.共硬化された複合材料基板がエポキシ樹脂ベースの化合物を含み、共硬化された複合材料基板が、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、条項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【0131】
条項15.共硬化された複合材料基板が、共硬化された耐UV/可視光雷電保護層と直接的に接触して当該層の直ぐ近くに位置する、条項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(50a)(60b)(70)(80)。
【0132】
条項16.アセンブリ下塗り層(34)をさらに含み、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層上に配置された上塗り層(36)をさらに含む、条項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40a)(40b)(50a)(50b)(70)(80)。
【0133】
条項17.共硬化された耐UV/可視光雷電保護層とアセンブリ下塗り層との間に配置された精細下塗り層(32)をさらに含む、条項16に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40a)(40b)(70)。
【0134】
条項18.第2の共硬化された耐UV/可視光層(24b)をさらに含み、第2の共硬化された耐UV/可視光層と共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の両方が、共硬化された複合材料基板と共硬化されている、条項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【0135】
条項19.第2の共硬化された耐UV/可視光層が、共硬化された複合材料基板と共硬化された耐UV/可視光雷電保護層との間に位置する、条項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(30b)(40b)(50b)。
【0136】
条項20.共硬化された耐UV/可視光雷電保護層の上に配置されたアセンブリ下塗り層をさらに含み、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含む、条項19に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40b)(50b)。
【0137】
条項21.アセンブリ下塗り層と共硬化された耐UV/可視光雷電保護層との間に配置された精細下塗り層をさらに含む、条項20に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40b)。
【0138】
条項22.共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、共硬化された複合材料基板と第2の共硬化された耐UV/可視光層との間に位置する、条項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(20b)(30b)(40a)(50a)。
【0139】
条項23.第2の共硬化された耐UV/可視光層の上に配置されたアセンブリ下塗り層をさらに含み、共硬化された複合材料アセンブリが、アセンブリ下塗り層の上に配置された上塗り層をさらに含む、条項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(50a)。
【0140】
条項24.第2の共硬化された耐UV/可視光層の上に配置された精細下塗り層をさらに含む、条項20に記載の共硬化された複合材料アセンブリ(40a)。
【0141】
条項25.共硬化された耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化された耐UV/可視光層の少なくとも一方が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、石英、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、条項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【0142】
条項26.共硬化された耐UV/可視光雷電保護層、及び第2の共硬化された耐UV/可視光層の少なくとも一方が、共硬化された耐UV/可視光ガラス繊維含有層を含む、条項18に記載の共硬化された複合材料アセンブリ。
【0143】
条項27.条項11に記載の共硬化された複合材料アセンブリを備えるビークルであって、ビークルが、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ビークル。
【0144】
条項28.条項15に記載の共硬化された複合材料アセンブリを備えるビークルであって、ビークルが、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ビークル。
【0145】
条項29.条項19に記載の共硬化された複合材料アセンブリを備えるビークルであって、ビークルが、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人陸上ビークル、無人陸上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、衛星、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ビークル。
【0146】
条項30.熱硬化性の複合材料アセンブリを作製する方法(900a)であって、
共硬化性の複合材料基板を設けることと、
共硬化性の複合材料基板に共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層を配置して、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを形成することと、
を含み、
共硬化性の複合材料基板が、約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層と共硬化しうる、方法(900a)。
【0147】
条項31.
共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、共硬化性の複合材料基板の直ぐ近くに配置することをさらに含む、条項30に記載の方法(900a)。
【0148】
条項32.共硬化性の複合材料アセンブリに第2の共硬化性の耐UV/可視光層を設けることをさらに含む、条項30に記載の方法(900a)(900b)。
【0149】
条項33.
第2の共硬化性の耐UV/可視光層を、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に配置することをさらに含む、条項32に記載の方法(900b)。
【0150】
条項34.
共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリ内の、共硬化性の複合材料基板と第2の共硬化性の耐UV/可視光層との間に配置することをさらに含む、条項32に記載の方法(900a)。
【0151】
条項35.共硬化された複合材料アセンブリを作製する方法(1000a)(1000b)であって、
共硬化性の複合材料基板を設けることと、
共硬化性の複合材料基板に共硬化性の耐紫外線(UV)/可視光雷電保護層を配置して、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを形成することと、
約250°Fから約370°Fまでの範囲の温度で、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリを共硬化させて、共硬化された複合材料アセンブリを形成することと、
を含み、
共硬化された耐UV/可視光雷電保護層が、2×107シーメンス/メートルから6.4×107シーメンス/メートルの範囲の導電率を有する、方法(1000a)(1000b)。
【0152】
条項36.
共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、共硬化性の複合材料基板の直ぐ近くに配置することをさらに含む、条項35に記載の方法(1000a)。
【0153】
条項37.共硬化する前に、共硬化性の複合材料落雷アセンブリに第2の共硬化性の耐UV/可視光層を設けることをさらに含む、条項35に記載の方法(1000b)。
【0154】
条項38.
第2の共硬化性の耐UV/可視光層を、共硬化性の複合材料基板と共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層との間に配置することをさらに含む、条項37に記載の方法(1000b)。
【0155】
条項39.
共硬化性の耐UV/可視光雷電保護層を、共硬化性の複合材料雷電保護アセンブリ内の、共硬化性の複合材料基板と第2の共硬化性の耐UV/可視光層との間に配置することをさらに含む、条項37に記載の方法(1000a)。
【0156】
本態様は、当然のことながら、本開示の基本的な特性から逸脱することなく、本明細書に具体的に記載されたものと別のやり方で実施することが可能である。本明細書の態様は、あらゆる点において例示的なものであって限定するものではないと見做され、添付の特許請求の範囲の意味及び均等性の範囲内に含まれるあらゆる変更が、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【外国語明細書】