IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東電工株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-表面処理シートの製造方法 図1
  • 特開-表面処理シートの製造方法 図2A
  • 特開-表面処理シートの製造方法 図2B
  • 特開-表面処理シートの製造方法 図2C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147910
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】表面処理シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 3/00 20060101AFI20241009BHJP
   B05D 3/02 20060101ALI20241009BHJP
   B05D 7/04 20060101ALI20241009BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20241009BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20241009BHJP
   C09D 125/04 20060101ALI20241009BHJP
   C08J 7/04 20200101ALI20241009BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05D3/02 Z
B05D7/04
B05D7/00 A
C09D201/00
C09D125/04
C08J7/04 A CEP
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060647
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】森本 有
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 寛也
(72)【発明者】
【氏名】重田 眞孝
【テーマコード(参考)】
4D075
4F006
4J038
【Fターム(参考)】
4D075AC02
4D075AC80
4D075AC88
4D075BB16X
4D075BB23X
4D075BB24Z
4D075BB42Z
4D075BB46Z
4D075BB91Z
4D075BB93Z
4D075BB95Z
4D075CA13
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA04
4D075DB33
4D075DB48
4D075DC24
4D075EA05
4D075EB13
4D075EB22
4D075EB38
4D075EC01
4D075EC07
4D075EC30
4D075EC33
4D075EC35
4D075EC37
4D075EC51
4D075EC53
4D075EC54
4F006AA02
4F006AB37
4F006AB43
4F006AB56
4F006BA14
4F006EA03
4J038CC021
4J038FA201
4J038FA281
4J038KA06
4J038KA08
4J038KA20
4J038MA14
4J038NA12
4J038PA17
4J038PA19
4J038PB08
4J038PC08
(57)【要約】
【課題】 基材として用いるトリアセチルセルロースフィルムが、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有しても、表面部分の密着耐久性及び外観の両方が良好な表面処理シートを製造できる表面処理シートの製造方法を提供することを課題としている。
【解決手段】 少なくとも溶媒と増粘剤とを含む塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに塗工する工程と、前記塗工液から前記溶媒を揮発させる工程と、を備え、前記トリアセチルセルロースフィルムは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有し、前記溶媒は、少なくともトルエンと酢酸エチルとを含有し、前記溶媒における前記酢酸エチルの含有率が7質量%以上11質量%以下であり、前記溶媒を揮発させる工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で前記溶媒を揮発させる、表面処理シートの製造方法を提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも溶媒と増粘剤とを含む塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに塗工する工程と、
前記塗工液から前記溶媒を揮発させる工程と、を備え、
前記トリアセチルセルロースフィルムは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有し、
前記溶媒は、少なくともトルエンと酢酸エチルとを含有し、前記溶媒における前記酢酸エチルの含有率が7質量%以上11質量%以下であり、
前記溶媒を揮発させる工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で前記溶媒を揮発させる、表面処理シートの製造方法。
【請求項2】
前記トリアセチルセルロースフィルムにおける前記ポリエステル成分の含有率が10質量%以下である、請求項1に記載の表面処理シートの製造方法。
【請求項3】
前記塗工液は、前記増粘剤を0.3質量%以上3.0質量%以下含む、請求項1又は2に記載の表面処理シートの製造方法。
【請求項4】
前記塗工液は、平均粒子径が1μm以上5μm以下のポリスチレン粒子を1.0質量%以上10.0質量%以下含む、請求項1又は2に記載の表面処理シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば画像表示装置の部材として使用され得る表面処理シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材フィルムの一方の表面に対して表面処理を施して表面処理シートを製造する、表面処理シートの製造方法が知られている。この種の製造方法で得られた表面処理シートは、例えば、画像表示装置の部材として使用される。
【0003】
上記のごとき表面処理シートの製造方法としては、例えば、トリアセチルセルロースフィルム等の基材フィルムの一方の面に、特定の複数種の成分と溶媒とを含む塗工液を塗布する工程と、斯かる工程の後に溶媒を揮発させる工程と、を備える方法が知られている。
なお、基材フィルムとしてのトリアセチルセルロースフィルムは、製造されるときの歩留まりを向上させるため、製造コストを抑えるため、又は、製造中における地球環境への負荷を抑えるために、製造工程中のプロセスが変更されることで、改良されてきた。製造におけるプロセスの改良に伴い、トリアセチルセルロースフィルムとしては、副成分が含有される製品もある。
【0004】
具体的には、表面処理シートの製造方法としては、基材フィルムとしてのトリアセチルセルロースフィルムに、低屈折粒子とバインダーマトリックスと機能性化合物と特定の溶媒とを含む塗工液を塗工し、塗工液中の溶媒を揮発させ、その後、溶媒が揮発した後の塗膜を硬化させることにより、表面処理シートとしての反射防止フィルムを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1に記載の製造方法では、例えば、溶媒を揮発させるときに、まず20℃以上30℃以下に設定し、その後50℃以上150℃以下でさらに溶媒を揮発させる。特許文献1に記載された製造方法で得られた反射防止フィルムは、良好な硬度を有し得る。また、特許文献1に記載された製造方法によれば、塗工液の溶媒が基材フィルムの一部を溶解又は膨潤させるため、上記のバインダーマトリックス及び溶媒が基材フィルム側へ浸透して混合層を形成する。従って、1回の塗工によって、低屈折粒子を含有する低屈折層と、上記混合層が硬化したハードコート層とを有する複層構造が表面部分に形成された反射防止フィルムを製造できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-205644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、塗工液に含まれる粒子状成分の沈降をできるだけ抑制すべく、増粘剤の配合によって適度に増粘された塗工液を用いて表面処理フィルムを製造する場合がある。
【0008】
しかしながら、増粘剤と溶媒とを含む塗工液を、トリアセチルセルロースフィルムに単に塗工すると、増粘剤の凝集物が原因となって表面部分の外観が不良な表面処理フィルムが製造され得る。また、塗工液の溶媒によってトリアセチルセルロースフィルムの一部があまり溶解されず、混合層が十分に形成されない結果、表面部分の密着耐久性が悪くなって表面部分でハガレが生じやすくなり得る。このような方法で製造された表面処理フィルムは、製品としての信頼性が低下し得ることとなる。
【0009】
また、トリアセチルセルロースフィルムに含まれ得る上述したような副成分としては、例えば、特定のポリエステル成分があり、この種の特定のポリエステル成分によっても、トリアセチルセルロースフィルムの表面部分における密着耐久性が悪くなるという問題が生じ得る。
【0010】
上記のような問題を防ぐべく、表面部分の密着耐久性及び外観が良好となるように製造方法を設計することが考えられる。
しかしながら、上記のごとき特定のポリエステル成分を含有するトリアセチルセルロースフィルムを基材として用いつつ、表面部分の密着耐久性及び外観が良好な表面処理シートを製造できる表面処理シートの製造方法については、未だ十分に検討されているとはいえない。
【0011】
そこで、本発明は、特定のポリエステル成分を含有するトリアセチルセルロースフィルムを基材として用いても、表面部分の密着耐久性及び外観が良好な表面処理シートを製造できる表面処理シートの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決すべく、本発明に係る表面処理シートの製造方法は、
少なくとも溶媒と増粘剤とを含む塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに塗工する工程と、
前記塗工液から前記溶媒を揮発させる工程と、を備え、
前記トリアセチルセルロースフィルムは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有し、
前記溶媒は、少なくともトルエンと酢酸エチルとを含有し、前記溶媒における前記酢酸エチルの含有率が7質量%以上11質量%以下であり、
前記溶媒を揮発させる工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で前記溶媒を揮発させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る表面処理シートの製造方法によれば、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有するトリアセチルセルロースフィルムを基材として用いても、表面部分の密着耐久性及び外観が良好な表面処理シートを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】表面処理シートの製造方法の一例を実施する様子を表した模式図。
図2A】本実施形態の製造方法における塗工工程を実施する前の様子を模式的に表す断面図。
図2B】本実施形態の製造方法における塗工工程を実施した直後の様子を模式的に表す断面図。
図2C】本実施形態の製造方法における揮発工程を実施した後の様子を模式的に表す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る表面処理シートの製造方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面における各図は模式図であり、実物における縦横の長さ比と必ずしも同じではない。
【0016】
本実施形態の表面処理シート10の製造方法は、少なくとも溶媒と増粘剤とを含む塗工液YをトリアセチルセルロースフィルムX(以下、単にTACフィルムと称する場合がある)に塗工する工程(以下、塗工工程と称する)と、
塗工液Yから前記溶媒を揮発させる工程(以下、揮発工程と称する)と、を備える。
前記トリアセチルセルロースフィルムXは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有する。前記溶媒は、少なくともトルエンと酢酸エチルとを含有し、前記溶媒における前記酢酸エチルの含有率が7質量%以上11質量%以下である。
前記揮発工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で前記溶媒を揮発させる。
【0017】
好ましくは、上記の塗工液Yは、硬化性成分及び重合開始剤などをさらに含み、本実施形態の表面処理シート10の製造方法は、上記の塗工工程と、上記の揮発工程と、上記の硬化性成分を硬化させる工程(以下、硬化処理工程と称す)とを備える。
【0018】
例えば図1に示すように、本実施形態の表面処理シート10の製造方法は、上記の塗工工程を実施するための塗工部2と、上記の揮発工程を実施すべく加熱手段を有する加熱部3と、上記の硬化処理工程を実施するための硬化処理部4とを備えた製造装置100を用いて実施できる。
本実施形態の表面処理シート10の製造方法は、必要に応じて、TACフィルムXをプレアニール加工するための前処理部1をさらに備えてもよい。前処理部1では、例えばTACフィルムXのシワを十分に減らすため、又は、TACフィルムXの表面に付着した異物を十分に減らすために、前処理部1においてプレアニール加工を実施してもよい。
本実施形態の表面処理シート10の製造方法では、長尺帯状のTACフィルムXを連続的に塗工部2へ供給しつつ、加熱部3及び硬化処理部4等を経て得られた表面処理シート10を連続的に生産する。
【0019】
上記のトリアセチルセルロースフィルムX(TACフィルム)は、セルロースを構成する単糖単位中の3つの水酸基がアセチル化されたトリアセチルセルロースを主成分として含有する。また、上記のTACフィルムXは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を微量成分として含有する。
TACフィルムXにおける上記ポリエステル成分の含有率は、通常、1質量%以上10質量%以下である。
【0020】
分子末端に芳香環を有するポリエステル成分は、TACフィルムXを作製する過程でTACフィルム中に混入する。
上記ポリエステル成分は、例えば、テレフタル酸及びアジピン酸と、プロピレングリコールとのエステル化反応生成物である。
【0021】
TACフィルムXとしては、市販されている製品を用いることができる。市販されているTACフィルムの製品は、例えばコニカミノルタ社などから入手できる。
【0022】
本実施形態の製造方法で用いる上記の塗工液Yは、溶媒として少なくともトルエン及び酢酸エチルを含み、さらに増粘剤、硬化性成分、及び重合開始剤を含む。上記の塗工液Yは、必要に応じて、粒子状の添加剤、又はレベリング剤などをさらに含んでもよい。
【0023】
上記の塗工液Yにおいて、溶媒における酢酸エチルの含有率が8質量%以上であることが好ましく、9質量%以上であることがより好ましく、9質量%を超えることがさらに好ましい。なお、斯かる含有率は、溶媒の総量に占める質量割合である。
また、上記の塗工液Yにおいて、酢酸エチルに対するトルエンの質量比は、8以上であることが好ましい。また、斯かる質量比は、13以下であることが好ましく、11以下であることがより好ましい。
【0024】
上記の塗工液Yは、トルエン及び酢酸エチル以外の溶媒を含んでもよい。斯かる溶媒としては、例えば、シクロペンタノン又はメトキシプロパノールなどが挙げられる。
ただし、塗工液Yにおいて、硬化性成分(例えば樹脂など)がより溶解しやすくなるという点、又は、増粘剤をより十分に分散できるという点で、溶媒の総量に占めるトルエン及び酢酸エチルの割合は、95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
【0025】
本実施形態で用いる上記の塗工液Yの増粘剤としては、例えば、粒子状の粘土鉱物などが挙げられる。斯かる粘土鉱物としては、例えば、スメクタイト、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト、又はカオリナイト等が挙げられる。粘土鉱物は、有機変性粘土鉱物(有機粘土)であることが好ましい。
粒子状の粘土鉱物としては、市販されている製品を用いることができる。市販されている製品としては、例えば、コープケミカル社製の「ルーセンタイトシリーズ」、ホージュン社製の「エスベンシリーズ」、又は、クニミネ工業社製の「スメクトンシリーズ」などが挙げられる。
【0026】
上記の塗工液Yは、増粘剤(不揮発分)を0.3質量%以上含んでもよく、0.5質量%以上含んでもよい。また、上記の塗工液Yは、増粘剤(不揮発分)を3.0質量%以下含んでもよく、1.0質量%以下含んでもよい。
上記の塗工液Yにおいて、溶媒以外の不揮発分に占める増粘剤の割合は、0.5質量%以上であってもよく、1.0質量%以上であってもよく、1.5質量%以上であってもよい。また、溶媒以外の不揮発分に占める増粘剤の割合は、5.0質量%以下であってもよく、3.0質量%以下であってもよい。なお、上記の不揮発分は、表面処理シートの一部を構成することとなる溶媒以外の成分である。
【0027】
上記の塗工液Yの硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」との表記は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する。
【0028】
(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、多官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマー由来のオリゴマー、多官能(メタ)アクリレートモノマー由来のプレポリマーなどが挙げられる。
【0029】
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパントテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
【0030】
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、ウレタン(メタ)アクリレート、又は、ウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーを含んでもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、-OH基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートと、ジイソシアネートと、ポリオールとのウレタン化反応生成物である。
【0031】
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、トリシクロデカンジメチロール、1,4-シクロヘキサンジオール、スピログリコール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類等が挙げられる。
【0032】
上記の(メタ)アクリレートモノマーは、1種が単独で用いられてもよく、複数種が組み合わされて用いられてもよい。上述した(メタ)アクリレートモノマーなどの硬化性成分としては、市販されている製品を用いることができる。
【0033】
上記の塗工液Yは、上記の硬化性成分を十分に硬化させるために、光重合開始剤又は熱重合開始剤などを含んでもよい。光重合開始剤又は熱重合開始剤としては、市販されている製品を用いることができる。
【0034】
上記の塗工液Yにおいて、溶媒以外の不揮発分に占める硬化性成分の割合は、70.0質量%以上90.0質量%以下であってもよい。また、上記の塗工液Yにおいて、溶媒以外の不揮発分に占める重合開始剤の割合は、1.0質量%以上10.0質量%以下であってもよい。
【0035】
上記の塗工液Yの粒子状の添加剤としては、例えば、ポリマー粒子、又は無機粒子などが挙げられる。
ポリマー粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート粒子(PMMA粒子)、シリコーンポリマー粒子、ポリスチレン粒子、ポリカーボネート粒子、アクリルスチレン粒子、ベンゾグアナミン粒子、メラミン樹脂粒子、ポリオレフィン粒子、ポリエステル粒子、ポリアミド粒子、ポリイミド粒子、ポリフッ化エチレン粒子等が挙げられる。粒子中のポリマーは、架橋された状態であってもよい。
無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク粒子、カオリン粒子、硫酸カルシウム粒子等が挙げられる。
上記の粒子は、1種が単独で用いられてもよく、複数種が組み合わされて用いられてもよい。上記の粒子としては、市販されている製品を用いることができる。
【0036】
粒子状の添加剤の平均粒子径は、例えば1μm以上10μm以下である。平均粒子径は、フロー式画像解析装置を用いて50000個の粒子状の添加剤(例えばポリスチレン粒子)の直径を測定し、測定値を算術平均することによって求められる。なお、測定時の画像において粒子が真円状でなく楕円状等である場合、各粒子の長径を測定する。
【0037】
上記の塗工液Yは、粒子状の添加剤(固形)を1.0質量%以上含んでもよく、2.0質量%以上含んでもよい。また、上記の塗工液Yは、増粘剤(不揮発分)を10.0質量%以下含んでもよく、5.0質量%以下含んでもよい。
上記の塗工液Yにおいて、溶媒以外の不揮発分に占める粒子状の添加剤の割合は、5.0質量%以上であってもよい。斯かる割合は、20.0質量%以下であってもよく、15.0質量%以下であってもよい。
【0038】
上記の塗工液Yは、平均粒子径が1μm以上5μm以下のポリスチレン粒子を10質量%以上20質量%以下含むことが好ましい。これにより、製造された表面処理シートがより良好な防眩性を有することができる。
【0039】
上記の塗工工程では、塗工部2によってTACフィルムXの一方の面に塗工液Yを塗工する。
塗工工程では、一般的な塗工方法を採用できる。塗工方法としては、例えば、ダイコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、又は、コンマコート法などが挙げられる。
【0040】
塗工工程における塗工終了から揮発工程の加熱開始までの間は、10秒間以上30秒間以下であることが好ましい。
【0041】
上記の揮発工程では、塗工液Yが塗工された状態のトリアセチルセルロースフィルムXを所定の温度で所定時間加熱処理する。加熱処理における最低温度は、例えば45℃であり、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で、塗工後の塗工液Yを加熱することにより、塗工液Y中の溶媒を揮発させる。
【0042】
揮発工程における加熱処理時の最高温度の設定は、75℃以上であってもよく、80℃以上であってもよく、85℃以上であってもよく、90℃以上であってもよい。加熱温度がより高くなることにより、上述したポリエステル成分がTACフィルムから溶出するために必要な時間が短くなる。上記のポリエステル成分の溶出量が少なくなる分、製造された表面処理シートの表面部分における密着耐久性がより向上し得る。なお、加熱処理時の最高温度の設定は、95℃以下であってもよい。
また、上記のごとく設定した最高温度の持続時間は、5秒間以上であってもよく、10秒間以上であってもよい。上記のごとく設定した最高温度の持続時間は、30秒間以下であってもよく、20秒間以下であってもよい。
【0043】
揮発工程における加熱処理時間(加熱処理を持続させる総時間)は、60秒間以上であることが好ましく、80秒間以上であることがより好ましい。加熱処理時間がより長くなることにより、塗工液Yから溶媒をより十分に揮発させることができる。
また、加熱処理時間は、120秒間以下であることが好ましく、100秒間以下であることがより好ましい。加熱処理時間がより短くなることにより、揮発工程をより短時間で終了できる。
なお、加熱処理において設定する最低温度は、45℃であることが好ましく、50℃であることがより好ましい。
【0044】
揮発工程における加熱処理時間は、例えば、TACフィルムXが加熱部3を通り抜ける速度を速くしたり遅くしたりすることによって調整できる。
揮発工程では、加熱処理における最高温度を上記のごとく設定し、斯かる最高温度での加熱処理を10秒間以上20秒間以下続けることが好ましい。
【0045】
本実施形態の製造方法では、上記の硬化処理部4で硬化処理工程を実施する。硬化処理部4では、溶媒が揮発した後に残った硬化性成分を硬化させるために硬化処理工程を実施する。
【0046】
硬化処理部4は、例えば紫外線などの光を照射できる光照射装置などを有する。光照射によって硬化できる硬化性成分を塗工液Yが含む場合、光照射装置からの光照射によって硬化性成分を硬化させることができる。また、加熱処理によって硬化できる硬化性成分を塗工液Yが含む場合、加熱処理によって硬化性成分を硬化させることができる。
【0047】
硬化処理工程の光照射では、例えば、溶媒が揮発した後の乾燥塗膜に、紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって乾燥塗膜を硬化させる。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光線、若しくは赤外線といった光が採用される。なお、活性エネルギー線としては、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、若しくはX線といった放射線等が採用され得る。人体への安全性が比較的高く且つエネルギー量が比較的大きいという点で、紫外線を含む光を照射することが好ましい。
【0048】
硬化処理工程を経ることによって製造された表面処理シート10は、例えば巻き取られて保管される。
【0049】
本実施形態の製造方法において、塗工工程では、TACフィルムX(図2A参照)の一方の面に、塗工液Yが塗工される(図2B参照)。また、揮発工程では、TACフィルムX上に塗工された塗工液Yが加熱されることによって、塗工液Y中の溶媒が揮発する。図2Cに示すように、製造された表面処理シート10は、例えば表面層13と、表面層13よりも内側にある基材層11と、表面層13及び基材層11の間にあり且つ表面層13を構成する成分の一部と基材層11を構成する成分の一部とが相溶している混合層12(相溶層ともいう)とを有する。即ち、製造された表面処理シート10は、複数の層が積層した構成を表面部分に有する複層シートでもある。
【0050】
塗工工程で用いる塗工液Yは、少なくとも酢酸エチルとトルエンとを溶媒として含み、溶媒は、酢酸エチル及びトルエンをそれぞれ所定の含有率で含有する。
酢酸エチルはTACフィルム中のTACを溶解させやすいため、基材層11の主成分であるTACの一部が溶解して上記の混合層12に移行し、TACを含む混合層を確実に形成できる。従って、表面層13と基材層11との間に混合層が存在することにより、密着耐久性が良好になり得る。しかしながら、溶媒における酢酸エチルの含有率が多すぎると、塗工液Yの溶媒に増粘剤が分散しにくくなるため、表面層13又は混合層12において増粘剤の凝集物が発生しやすくなり、表面処理シート10の表面部分における外観が不良となり得る。
一方、トルエンは増粘剤を十分に分散させることができるため、増粘剤が凝集することを抑制できる。そのため、表面処理シート10の外観を良好にさせ得る。しかしながら、溶媒におけるトルエンの含有率が多すぎると、TACが溶媒に溶解しにくくなるため、TACを含む混合層12の形成が不十分になり得る。そのため、表面層13と基材層11との間の密着耐久性が不良となり得る。
【0051】
また、揮発工程における加熱処理温度(特に最高温度)は、上記のごとく所定範囲である。
溶媒を揮発させるときの加熱処理温度が高すぎると、塗工液YがTACフィルム上に塗工された後、溶媒がTACを十分に溶解する前(混合層12でTACが十分に溶解する前)に、溶媒のほとんどが揮発してしまう。そのため、表面層13と基材層11との間の密着耐久性が不良となり得る。
一方、溶媒を揮発させるときの加熱処理温度(特に最高温度)が低すぎると、揮発するまでに比較的長い時間がかかり、溶媒がTACを十分に溶解することはできるものの、溶媒のすべてが揮発するまで長時間を要するため、生産効率が悪くなり得る。
なお、TACフィルムが、上述したポリエステル成分を比較的多く含む場合、塗工液Yの溶媒が揮発するまでの時間が長くなり過ぎると、斯かるポリエステル成分がTACフィルムから溶出して、基材層11と混合層12との間に偏析し得る。偏析した上記ポリエステル成分は、基材層11と混合層12との間の密着性を悪化させ得る。そのため、表面層13と基材層11との間の密着耐久性が不良になる原因となる。
【0052】
本実施形態の製造方法では、塗工液Yが酢酸エチル及びトルエンを有機溶媒中でそれぞれ所定の含有率で含有し、しかも、所定の加熱温度で塗工液Yの有機溶媒を揮発させるため、上記の表面層13と基材層11との間の密着耐久性の不良、及び、増粘剤の凝集の両方を抑制できる。そのため、表面部分の密着耐久性及び外観の両方が良好な表面処理シート10を製造できる。
【0053】
本実施形態の表面処理シートの製造方法は上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の表面処理シートの製造方法に限定されない。
即ち、一般的な表面処理シートの製造方法において用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
【0054】
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
少なくとも溶媒と増粘剤とを含む塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに塗工する工程と、
前記塗工液から前記溶媒を揮発させる工程と、を備え、
前記トリアセチルセルロースフィルムは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有し、
前記溶媒は、少なくともトルエンと酢酸エチルとを含有し、前記溶媒における前記酢酸エチルの含有率が7質量%以上11質量%以下であり、
前記溶媒を揮発させる工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件で前記溶媒を揮発させる、表面処理シートの製造方法。
(2)
前記トリアセチルセルロースフィルムにおける前記ポリエステル成分の含有率が10質量%以下である、上記(1)に記載の表面処理シートの製造方法。
(3)
前記塗工液は、前記増粘剤(不揮発分)を0.3質量%以上3.0質量%以下含む、上記(1)又は(2)に記載の表面処理シートの製造方法。
(4)
前記塗工液は、平均粒子径が1μm以上5μm以下のポリスチレン粒子を1.0質量%以上10.0質量%以下含む、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表面処理シートの製造方法。
(5)
前記塗工液は、硬化性成分をさらに含み、前記硬化性成分として多官能(メタ)アクリレートモノマーを含む、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の表面処理シートの製造方法。
(6)
前記増粘剤が、粒子状の粘土鉱物を含む、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の表面処理シートの製造方法。
(7)
前記溶媒を揮発させる工程では、最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件を10秒間以上20秒間以下続けることによって前記溶媒を揮発させる、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の表面処理シートの製造方法。
(8)
前記溶媒を揮発させる工程では、45℃以上の温度条件を60秒間以上120秒間以下維持する加熱処理において、前記最高温度が70℃以上100℃以下となる温度条件を10秒間以上20秒間以下続けることによって前記溶媒を揮発させる、上記(7)に記載の表面処理シートの製造方法。
【実施例0055】
次に、実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0056】
図1に示すような製造装置を用いて、以下のようにして表面処理シートの製造方法を実施した。
【0057】
<表面処理シートの原材料>
(トリアセチルセルロースフィルム)
(分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を約8質量%含有する)
製品名「KC4UA」(コニカミノルタ社製)厚さ40μm
(塗工液)
・有機溶媒:酢酸エチル(表1に示す溶媒中濃度)及びトルエン(溶媒中残部)
・増粘剤:粘土鉱物(モンモリロナイトが主成分の有機化スメクタイト)
製品名「スメクトンSAN」(クニミネ工業社製)
あらかじめ調製した増粘原液(粘土鉱物を4.6質量%含有)を使用
・光重合開始剤:製品名「OMNIRAD907」(BASF社製)
・粒子状の添加剤:平均粒子径が3.5μmの架橋ポリスチレン粒子
製品名「SX-350H」(綜研化学社製)
・硬化性成分:紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂溶液
製品名「LUXYDIR 17-806」(DIC社製)(不揮発分80質量%)
・レベリング剤:フッ素系界面活性剤
製品名「メガファックF-556」(DIC社製)(不揮発分40質量%)
【0058】
<塗工液の調製(各原材料の配合量)>
・上記増粘剤を含む増粘原液(不揮発分4.6質量%含有):2.5質量部
・架橋ポリスチレン粒子:14質量部
・光重合開始剤:5質量部
上記の原料をディスパーで15分間撹拌して混合した後、ホモミキサーで20分間(回転数2500rpm)さらに撹拌して、中間混合液を調製した。
さらに、中間混合液に下記原料を加えて、ディスパーで15分間撹拌して混合した後、ホモミキサーで20分間(回転数2500rpm)さらに撹拌して、塗工液を調製した。
・有機溶媒:塗工液中の不揮発分が32質量%となる配合量
・紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂溶液(不揮発分80質量%):100質量部
・レベリング剤(不揮発分40質量%):0.5質量部
【0059】
<表面処理シートの製造条件>
(前処理工程)
前処理部において15秒間のプレアニール加工を実施
(塗工工程)
・塗工部:ダイコート装置を備える
硬化処理前の塗膜の厚さが6μmとなるように、トリアセチルセルロースフィルムの一方の面に塗工液を塗工した。
(揮発工程)
・揮発部:内部空間を通る加熱対象物を所定の設定温度で加熱できるヒータを備える(ヒータによって加熱処理を実施する部分の長さ:30m)
塗工液に含まれていた溶媒を加熱によって揮発させて、6μm厚さの乾燥塗膜を形成した。
なお、加熱処理時間の詳細については、以下の通りである。
加熱処理の総時間:80~120秒間(加熱処理の設定最低温度50℃)、
最高温度の持続時間:15秒間(加熱処理の設定最高温度は表1に示す通り)
(硬化処理工程)
・硬化処理部:高圧水銀ランプを備える
溶媒が揮発した後の乾燥塗膜に、積算光量が245mJ/cmとなるように波長365nmの紫外線を照射した。
【0060】
各実施例及び各比較例における製造条件を表1に示す。特に示されていない限り、各実施例及び各比較例における製造条件は同じである。
【0061】
【表1】
【0062】
<製造された表面処理フィルムの性能評価>
(表面部分の密着耐久性(耐久ハガレ抑制性能))
上記のごとく製造した各表面処理シートの試験片に対して、以下のようにして長時間にわたって紫外線を照射したあと、表面部分の密着性を評価した。
・長時間にわたる光照射条件及び密着性の評価
試験用サンプルの表面層側から、紫外線ロングライフフェードメーター(スガ試験機社製、型式:U48HB)を用いて光を照射した。
温度:40℃
湿度:20%RH
ランプ:(波長)300nm~700nm、(照度)500W/m
連続光照射時間:144時間、192時間
上記のごとく紫外線照射を実施した後に、表面処理シートの表面部分における密着性を評価した。詳しくは、紫外線照射開始から144時間後の試験片、及び、192時間後(参考実験)の試験片を下記碁盤目剥離試験に供した。碁盤目試験では、各試験片の表面層に、カッターナイフを用いて、碁盤目状に1mm四方の小区画(マス)を100個(10×10)形成した。次に、表面層に、粘着テープ(積水化学工業社製、商品名「セロテープ(登録商標)No.252」)を貼り付けた後に、粘着テープをはく離した。この操作を2回繰り返し、粘着テープと共にはく離した小区画の個数を計測した。
0(ゼロ):(優良)表面部分における小区画のはく離(ハガレ)が1つも観察されない
△:(良)小区画の一部のみがはく離した(部分的にハガレた)現象あり
×:(不良)小区画の1つ以上が完全にはく離(全面的にハガレた小区画が1つ以上)
(外観:目視確認)
暗室において、表面処理フィルム(150mm×100mmの矩形状)の塗工面に対して三波長蛍光灯からの光を照射して光を反射させた状態で、塗工面に凝集物等があるか否かを目視で確認した。凝集物が無い場合を良(○)と判定し、凝集物が有る場合を不良(×)と判定した。
【0063】
表1から把握されるように、実施例の製造方法で製造された表面処理シートでは、分子末端に芳香環を有するポリエステル成分を含有するトリアセチルセルロースフィルムを基材として用いても、表面部分(表面層)の密着耐久性及び外観の両方が良好であった。一方、比較例の製造方法で製造された表面処理シートでは、表面部分(表面層)の密着耐久性及び外観のうちいずれか良好ではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の表面処理シートの製造方法は、例えば、画像表示装置の部材を製造するために好適に使用される。斯かる部材は、例えば光学シートであり、具体的には、反射防止シート、防眩用シート、映り込み防止保護シート、又は、指紋防止シートなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0065】
10:表面処理シート、
11:基材層、 12:混合層、 13:表面層、
X:トリアセチルセルロースフィルム、 Y:塗工液、
100:製造装置、
1:前処理部、 2:塗工部、 3:加熱部、 4:硬化処理部。
図1
図2A
図2B
図2C