(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147917
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】リフォーム支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241009BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060660
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 福郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】キッチンルームやリビングルームなどの住宅特定空間のリフォームを考えているユーザーに対して、リフォーム業者が適切なリフォーム提案を行うことを支援するリフォーム支援装置を提供する。
【解決手段】リフォーム支援装置は、住宅特定空間の3次元モデルデータである特定空間データを取得する特定空間データ取得部41と、特定空間データで示される住宅特定空間に適合するリフォーム事例を抽出するリフォーム事例抽出部43と、住宅特定空間とリフォーム事例とに基づいてリフォーム提案を作成するリフォーム提案作成部44と、リフォーム提案を報知するための報知データを生成する報知データ生成部45を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅特定空間に新規住宅設備を配備するリフォームを支援するリフォーム支援装置であって、
前記住宅特定空間の3次元モデルデータである特定空間データを取得する特定空間データ取得部と、
前記特定空間データで示される前記住宅特定空間に適合するリフォーム事例を抽出するリフォーム事例抽出部と、
前記住宅特定空間と前記リフォーム事例とに基づいてリフォーム提案を作成するリフォーム提案作成部と、
前記リフォーム提案を報知するための報知データを生成する報知データ生成部と、
を備えたリフォーム支援装置。
【請求項2】
前記特定空間データを補正する特定空間データ補正部が備えられ、前記特定空間データ補正部は、前記住宅特定空間に配備されている既設住宅設備のサイズ展開と前記3次元モデルデータの測定誤差とを考慮して、前記特定空間データを補正する請求項1に記載のリフォーム支援装置。
【請求項3】
前記リフォーム事例抽出部は、前記住宅特定空間とリフォームユーザーのユーザー情報とに基づいて、前記リフォーム事例を抽出する抽出条件を生成する請求項1に記載のリフォーム支援装置。
【請求項4】
前記新規住宅設備の候補、又は既設住宅設備の置き換え候補となる住宅設備の住宅設備データを格納する住宅設備データ格納部と、抽出された前記リフォーム事例と前記住宅特定空間とに基づいて前記住宅特定空間に配備される前記住宅設備を前記住宅設備データ格納部から選択する住宅設備選択部とが備えられている請求項1に記載のリフォーム支援装置。
【請求項5】
前記リフォーム提案作成部は、前記住宅特定空間に配備される前記新規住宅設備の価格と前記新規住宅設備の据え付け費用とを含む見積書を作成する見積作成機能を有する請求項1に記載のリフォーム支援装置。
【請求項6】
前記住宅特定空間がキッチンルームであり、前記新規住宅設備はキッチン設備である請求項1に記載のリフォーム支援装置。
【請求項7】
前記住宅特定空間のリフォーム対象空間の間口寸法、奥行き寸法、高さ寸法が前記3次元モデルデータから求められ、前記リフォーム事例抽出部は、前記間口寸法、前記奥行き寸法、前記高さ寸法に基づいて、前記リフォーム事例を抽出する請求項1から6のいずれか一項に記載のリフォーム支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅のリフォームのための立案や提示を効果的に支援するリフォーム支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1による情報処理装置は、受付部と、生成部と、提供部とを備える。受付部は、所定の施設内の空間を示す3次元の空間データに対し、ユーザーの希望する設備の選択及びドラッグ操作を受け付ける。生成部は、受付部が受け付けたドラッグ操作に応じて、施設内に設置する設備の情報を3次元モデル化した設備情報を予め決められた設置可能場所に設定し、3Dモデル情報を生成する。提供部は、生成部によって生成された3Dモデル情報をユーザーに提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ユーザーは、情報処理装置によって生成された3次元モデル情報を用いて、3次元モデルを示しているモニタ画面に対してドラッグ操作などを通じて、配置されている設備の除去や追加を行うことができる。しかしながら、住宅特定空間(キッチンルームやリビングルームなど)における住宅設備の新設や置き換えを含むリフォームでは、各ユーザーの住宅特定空間は多種多様であるため、特許文献1によるシステムは、リフォーム業者がそれぞれのリフォームに対する適切な提案を行うための支援装置としては適していない。
【0005】
本発明の目的は、キッチンルームやリビングルームなどの住宅特定空間のリフォームを考えているユーザーに対して、リフォーム業者が、適切なリフォーム提案を行うことを支援するリフォーム支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるリフォーム支援装置は、住宅特定空間に新規住宅設備を配備するリフォームを支援するリフォーム支援装置であって、前記住宅特定空間の3次元モデルデータである特定空間データを取得する特定空間データ取得部と、前記特定空間データで示される前記住宅特定空間に適合するリフォーム事例を抽出するリフォーム事例抽出部と、前記住宅特定空間と前記リフォーム事例とに基づいてリフォーム提案を作成するリフォーム提案作成部と、前記リフォーム提案を報知するための報知データを生成する報知データ生成部とを備える。
【0007】
住宅特定空間(キッチンルームやリビングルームなど)に新規の住宅設備(システムキッチンやソファなど)を配備するようなリフォーム計画があがった場合、リフォーム業者あるいはユーザーが、LiDARなどの3次元距離計測器を用いて住宅特定空間(キッチンやリビングルームなど)を計測することで得られた3次元モデルデータ(特定空間データ)を特定空間データ取得部に与える。本発明の構成によれば、特定空間データ取得部が取得した特定空間データで示される住宅特定空間に適合(類似)するリフォーム事例が、事例データベース等から抽出される。この抽出されたリフォーム事例と、ユーザー宅の住宅特定空間とに基づいて、リフォーム提案が作成される。作成されたリフォーム提案は、各種報知デバイス(モニタやプリンタなど)を通じて、ユーザーやリフォーム業者の担当者に報知される。このリフォーム提案は、各ユーザー宅の住宅特定空間(場合によっては既設住宅設備を含む)に類似するリフォーム事例を参照としているので、ユーザーの希望に叶う可能性が高く、リフォーム商談がスムーズとなる。なお、3次元モデルデータは、3次元距離計測器などによる計測結果に基づいて算出されるデータに限定されるわけではない。例えば、リフォーム業者あるいはユーザーがメジャー等を用いて人為的に測定して得られた測定データで代用することも可能である。
【0008】
住宅設備、例えば、ガスコンロやシンクなどからなるシステムキッチンは、一般に、同等なデザインでも種々のサイズ展開(所定のサイズ単位でサイズを変更することができる)で配備される。したがって、既設住宅設備を新規住宅設備で置き換えて住宅特定空間に配置する場合、既設住宅設備を含む住宅特定空間を示す3次元モデルデータをそのまま利用すると、既設住宅設備の実際の寸法データとは異なることがあり、新規住宅設備の置き換え作業が困難になる。また、いずれにしても測定データには誤差があるということも考慮するとよい。このことから、本発明の好適な実施形態では、前記特定空間データを補正する特定空間データ補正部が備えられ、前記特定空間データ補正部は、前記住宅特定空間に配備されている既設住宅設備のサイズ展開と前記3次元モデルデータの測定誤差とを考慮して、前記特定空間データを補正する。
【0009】
住宅特定空間のリフォームにおいて、リフォームの成功は、当該住宅特定空間を主に使用するユーザーの年齢や性別、価値観や嗜好に左右される。このため、リフォーム提案の作成にあたって参照されるリフォーム事例の抽出条件の生成には、そのようなユーザーの特徴、つまりユーザーのデモグラフィック情報やサイコグラフィック情報を含むユーザー情報が考慮されると好都合である。このことから、本発明の好適な実施形態では、前記リフォーム事例抽出部は、前記住宅特定空間とリフォームユーザーのユーザー情報とに基づいて、前記リフォーム事例を抽出する抽出条件を生成する。
【0010】
リフォーム業者は、住宅設備メーカーと提携しており、住宅設備データを所有している場合が多い。このため、リフォームの提案時に、リフォーム対象となっている住宅特定空間に新規に配備される住宅設備の斡旋が行えると好都合である。このことから、本発明の好適な実施形態では、前記新規住宅設備の候補、又は既設住宅設備の置き換え候補となる住宅設備の住宅設備データを格納する住宅設備データ格納部と、抽出された前記リフォーム事例と前記住宅特定空間とに基づいて前記住宅特定空間に配備される前記住宅設備を前記住宅設備データ格納部から選択する住宅設備選択部とが備えられている。
【0011】
リフォームの提案は、多くの場合、一案だけでなく複数案で行われる。その際、リフォーム費用の比較も重要となるので、リフォーム提案には、見積書を含めると好都合である。このことから、本発明の好適な実施形態では、前記リフォーム提案作成部は、前記住宅特定空間に配備される前記新規住宅設備の価格と前記新規住宅設備の据え付け費用とを含む見積書を作成する見積作成機能を有する。
【0012】
住宅における重要なリフォーム対象はキッチンルームである。また、キッチンルームのリフォームの費用は他の住宅特定空間のリフォームに比べて大きくなることから、そのリフォーム計画は慎重に行わなければならない。このことから、本発明の好適な実施形態では、前記住宅特定空間がキッチンルームであり、前記新規住宅設備はキッチン設備である。
【0013】
リフォームにおいて、住宅特定空間に新規住宅設備を配備する場合、当該住宅特定空間のリフォーム対象空間に、サイズ的かつ美観的に調和して新規住宅設備が配備されることが重要である。このことから、本発明の好適な実施形態では、前記住宅特定空間のリフォーム対象空間の間口寸法、奥行き寸法、高さ寸法が前記3次元モデルデータから求められ、前記リフォーム事例抽出部は、前記間口寸法、前記奥行き寸法、前記高さ寸法に基づいて、前記リフォーム事例を抽出する。
【0014】
本発明のその他の特徴、作用及び効果は、以下の図面を用いた本発明の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】リフォーム支援装置を用いたリフォーム提案の基本的な流れを示す流れ図である。
【
図2】リフォーム支援装置の全体構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】模式的に可視化した3次元モデルデータを示す点群データ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、
図1を用いて、本発明によるリフォーム支援装置を用いたリフォーム提案の基本的な流れを説明する。この例では、まず、リフォームを希望するユーザーが、リフォーム対象となっている住宅特定空間をそこに配備されている住宅設備も含めて3次元測定する(#01)。3次元測定で測定データを取得し(#02)、取得された測定データから3次元モデルデータが算出される(#03)。この処理は、LiDAR機能を有する携帯通信機器を用いて行われる。算出された3次元モデルデータは、リフォーム業者のコンピュータシステムに送信される(#04)。3次元モデルデータには、ユーザー情報もリンクされている。ユーザー情報には、ユーザーのデモグラフィック情報(ユーザー属性情報の一つ)やサイコグラフィック情報(ユーザー属性情報の一つ)が含まれている。デモグラフィック情報の代表的な項目は、家族構成(独身/配偶者有無、子供有無)、家族の性別及び年齢、(戸建/集合住宅)、住宅特定空間の面積、居住地、キッチンルームや浴室などの住宅特定空間の利用頻度(例えば、ガス消費量)などである。サイコグラフィック情報の代表的な項目は、ライフスタイル、価値観、嗜好、興味分野などである。
【0017】
リフォーム業者のコンピュータシステムが、3次元モデルデータを受信すると(#21)、この3次元モデルデータから算出される住宅特定空間、より詳しくは、その空間においてリフォームに実効的に利用可能なリフォーム対象空間(もちろん、住宅特定空間とリフォーム対象空間とが同サイズでもよい)の間口、高さ、奥行きなどの寸法データやユーザー情報に含まれているユーザーを特徴付けるユーザー属性情報に基づいて、当該ユーザーに適合するリフォーム事例を抽出するための抽出条件が作成される。なお、ユーザー属性情報を抽出条件に加える際には、優先順位を付けることができる。例えば、家族構成、住居属性、住宅特定空間の利用頻度などの優先順位を高くすることが好ましい。作成された抽出条件に基づいて、リフォーム事例を格納しているデータベース等から、適合リフォーム事例が抽出される(#22)。抽出された適合リフォーム事例と、ユーザー宅の住宅特定空間とに基づいて、リフォーム提案が作成される(#23)。作成されたリフォーム提案は、モニタ画面やプリントアウトを用いて、ユーザーやリフォーム業者の担当者に報知される(#24)。
【0018】
次に、
図2に示された機能ブロック図を用いて、リフォーム支援装置の全体構成の一例を説明する。この実施形態では、住宅特定空間はキッチンルームであり、住宅設備はシステムキッチンである。ユーザーは、ユーザー端末2として、3次元距離計測器21として機能するLiDARを装備した携帯通信機器(タブレットコンピュータなど)を保有している。このユーザー端末2は、3次元距離計測器21の計測データから3次元モデルデータを算出する3次元モデル算出部22をアプリとしてインストールしている。
【0019】
この3次元モデルデータを模式的に可視化したイメージが
図3に示されている。このイメージは、実際には点群データとして示されるが、
図3では、模式的に描画されている。3次元距離計測器21の測定対象となったキッチンルームにおけるキッチン設備(システムキッチンなど)のための空間寸法、つまり間口、高さ、奥行きも、3次元モデルデータに付加されている。さらに、3次元モデルデータには、ユーザー情報がリンクされている。
【0020】
リフォーム業者が保有するコンピュータであるリフォーム業者コンピュータ4は、データ入出力処理部40、特定空間データ取得部41、3次元モデルデータ補正部42、リフォーム事例抽出部43、リフォーム提案作成部44,報知データ生成部45、住宅設備データ格納部46、住宅設備選択部47を備えている。さらに、このリフォーム業者コンピュータ4は、リフォーム事例データベース50を備えている。
【0021】
データ入出力処理部40は、LANやインターネットや公衆回線などのデータ通信網を介して、外部の情報通信機器とデータ交換するための機能部である。
図2では、データ入出力処理部40は、ユーザー端末2や複数の住宅設備メーカーサーバ10とデータ交換可能に接続されており、ユーザー端末2から3次元モデルデータを、住宅設備メーカーサーバ10から住宅設備データ(システムキッチンデータ)を受け取り、必要なデータ形式で、リフォーム業者コンピュータ4に構築された各機能部に転送する。
【0022】
特定空間データ取得部41は、ユーザー端末2からデータ入出力処理部40を介して送られてきた、キッチンルーム(住宅特定空間)の3次元モデルデータ(特定空間データ)を取得する。
【0023】
特定空間データ補正部として機能する3次元モデルデータ補正部42は、3次元モデルデータないしは3次元モデルデータから求められる特定空間データ(例えば、キッチンルームにおけるシステムキッチンが配備される空間を示すデータであり、間口、高さ、奥行きなどの寸法データ)を補正する。この特定空間データの補正、つまり間口、高さ、奥行きの補正により、測定誤差や既設のシステムキッチンのサイズ展開を考慮して、新規のシステムキッチンが適切に配備される。そのような補正(丸め込み)の一例を以下に説明する。
(1)奥行き
奥行きの標準サイズが65cmで、一般的に5cm単位で調節されていると仮定すれば、次式、
Dr=65+ROUNDUP((Dm-65)/5 , 0)*5
で丸め込みが行われる。
Dr:丸め込みした奥行き寸法。
Dm:計測した奥行き寸法。
関数ROUNDUP(数値,桁数):数値を指定された桁数に切り上げる。
(2)高さ
高さの標準サイズが85cmで、一般的に5cm単位で調節されていると仮定すれば、次式、
Hr=85+ROUNDUP((Hm-85)/5 , 0)*5
で丸め込みが行われる。
Hr:丸め込みした奥行き寸法。
Hm:計測した奥行き寸法。
(3)間口(横幅)
間口の標準サイズは180cmで、一般的に15cm単位で調節されていると仮定すれば、次式、
Wr=180+ROUNDUP((Wm-180)/15 , 0)*15
で丸め込みが行われる。
Wr:丸め込みした奥行き寸法。
Wm:計測した奥行き寸法。
【0024】
リフォーム事例データベース50は、過去に行われたリフォーム作業情報に関する情報をリフォームユーザー情報とリンクさせた形式で格納管理している。このため、リフォーム事例データベース50には、ユーザー管理部51とリフォーム事例管理部52とが備えられている。ユーザー管理部51で管理されるユーザー情報には、ユーザー氏名や住所とともに、上述のデモグラフィック情報やサイコグラフィック情報に関する項目も含まれている。リフォーム事例管理部52で管理されるリフォーム事例には、各リフォームの注文者(ユーザー)、リフォーム対象となった住宅特定空間に関するデータ、既設住宅設備に関するデータ、新規住宅設備に関するデータ、リフォーム日時などのリフォーム作業データ、及びリフォーム事例の「Before」「After」の画像なども含まれる。
【0025】
リフォーム事例抽出部43は、補正された住宅特定空間の寸法データとリフォームユーザーのユーザー情報とに基づいて抽出条件を作成し、この抽出条件を用いてユーザーに適合するリフォーム事例を抽出する。なお、キッチンルームにおけるキッチン設備の空間寸法は、奥行き寸法、高さ寸法、間口寸法で表現されるが、間口寸法の変動幅(180cm~300cm)が大きいため、間口寸法を最優先とし、続いて、奥行き寸法、高さ寸法として、抽出条件に与えられる。
【0026】
なお、この実施形態では、3次元モデルデータに含まれているユーザー情報のユーザー属性(デモグラフィック情報やサイコグラフィック情報)も、抽出条件に加えられる。つまり、類似のユーザーが、同様なキッチンルームにおいて過去に行ったリフォーム事例が、リフォーム事例データベース50から優先的に抽出される。
【0027】
住宅設備データ格納部46は、各住宅設備メータが運営している住宅設備メーカーサーバ10からダウンロードされる住宅設備データをダウンロードして格納している。このような住宅設備データは、必要時にのみ、ダウンロードしてもよいし、今後利用すると思われる住宅設備データを予めダウンロードし、データベース化した住宅設備データ格納部46に格納しておいてもよい。
【0028】
リフォーム提案作成部44は、住宅特定空間と抽出されたリフォーム事例とに基づいてリフォーム提案を作成する。リフォーム提案は、住宅特定空間の寸法データ及びユーザーの好みに合わせて、そのリフォームに類似するリフォーム事例を参照して作成される。
図4にリフォーム提案の一例が示されている。このリフォーム提案には、リフォーム事例の「Before」「After」の画像と、その既設システムキッチン(既設住宅設備)の型番等のデータと新規システムキッチン(新規住宅設備)の型番等のデータとが載せられている。さらに、図示されていないが、今回のリフォームにおける「Before」「After」の仮想画像を生成して、載せることも可能である。
【0029】
この実施形態では、リフォーム提案作成部44は、キッチンルームである住宅特定空間に配備されるシステムキッチンなどの新規住宅設備の価格及びこれらの新規住宅設備の据え付け費用を含む見積書を作成する見積作成機能を有する。作成された見積書の内容は、リフォーム提案に組み込まれる。
【0030】
報知データ生成部45は、プリンタ72のための報知データ、モニタ71のための報知データ、ユーザー端末2に送信するための報知データを生成する。報知データの内容は、実質的には、リフォーム提案と同じであり、例えば、
図4に示したようなリフォーム提案が、モニタ71に表示可能であり、プリンタ72によってプリントアウト可能であり、さらには、データ通信網を利用して、ユーザー端末2に送信することも可能である。
【0031】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、住宅特定空間はキッチンルームであり、住宅設備はシステムキッチンであったが、住宅設備は、コンロ、シンク、レンジフード、収納ラックなどのキッチン設備の任意の組み合わせでもよい。さらに、住宅特定空間は、リビングルーム、浴室、トイレルームであってもよい。
【0032】
(2)
図2で示された機能ブロック図の機能部は主に説明目的で構成されており、各機能部はり他の機能部と統合されてもよいし、複数の機能部に分割されてもよい。また、リフォーム事例データベース50は、リフォーム業者コンピュータ4と社内LANやデータ通信網で接続されるサーバ等に構築されてもよい。さらには、リフォーム業者コンピュータ4を分散システムで構築し、中央コンピュータと、リフォーム業者の担当者が携帯する担当者端末とで、リフォーム業者コンピュータ4を構成してもよい。
【0033】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、住宅特定空間に新規住宅設備を配備するリフォームを支援する技術に適用できる。
【符号の説明】
【0035】
2 :ユーザー端末
4 :リフォーム業者コンピュータ
10 :住宅設備メーカーサーバ
21 :3次元距離計測器
22 :3次元モデル算出部
40 :データ入出力処理部
41 :特定空間データ取得部
42 :3次元モデルデータ補正部
43 :リフォーム事例抽出部
44 :リフォーム提案作成部
45 :報知データ生成部
46 :住宅設備データ格納部
47 :住宅設備選択部
50 :リフォーム事例データベース
51 :ユーザー管理部
71 :モニタ
72 :プリンタ