(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147940
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】クレンジング化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9794 20170101AFI20241009BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20241009BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20241009BHJP
【FI】
A61K8/9794
A61Q1/14
A61K8/9789
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060699
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】595134504
【氏名又は名称】株式会社テクノーブル
(71)【出願人】
【識別番号】505427632
【氏名又は名称】株式会社ランクアップ
(72)【発明者】
【氏名】羽田 容介
(72)【発明者】
【氏名】岩野 英生
(72)【発明者】
【氏名】澤木 茂豊
(72)【発明者】
【氏名】日高 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 美絵
(72)【発明者】
【氏名】向井 亜矢子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA032
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC852
4C083AD332
4C083AD392
4C083AD432
4C083AD532
4C083AD632
4C083AD642
4C083CC23
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クレンジング化粧料に配合可能であって、天然物由来で生体安全性及び保湿効果にすぐれた新規有効成分を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ハトムギ種子の発酵物、アッケシソウ抽出物及びアスパラサスリネアリス抽出物の混合物を有効成分とするクレンジング化粧料である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハトムギ種子の発酵物、アッケシソウ抽出物及びアスパラサスリネアリス抽出物の混合物(固形分濃度比がハトムギ種子の発酵物:アッケシソウ抽出物:アスパラサスリネアリス抽出物=5.5~6.0:3.0~3.5:1)を有効成分とするクレンジング化粧料。
【請求項2】
前記有効成分が、前記混合物の乾燥物をグリセリンに溶解したものであることを特徴とする請求項1に記載のクレンジング化粧料。
【請求項3】
前記クレンジング化粧料の総量に対する前記有効成分の配合量が固形分換算で0.01~10重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクレンジング化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来の成分を有効成分として配合するクレンジング化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚に塗布した化粧料或いは皮膚の汚れや黒ずみ等を洗い流す目的で洗顔用クレンジング化粧料が広く普及している。従来、クレンジング化粧料には、洗浄時の使用感や、使用後の潤い感を改善する成分を含まれているものも提案されているが、安全性及び有効性の点で課題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、クレンジング化粧料に配合可能で、安全性が高く、かつ、皮膚の使用感及び潤い感を改善する効果を発揮する新たな有効成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、ハトムギ種子の発酵物、アッケシソウ抽出物及びアスパラサスリネアリス抽出物を有効成分として配合したクレンジング化粧料が、化粧料或いは皮膚の汚れや黒ずみ等の洗浄力を維持したまま、皮膚の潤い感を向上させる保湿効果を発揮することを見出した。
【0004】
従来、ハトムギ種子の発酵物、アッケシソウ抽出物及びアスパラサスリネアリス抽出物のそれぞれが、皮膚生理活性を有することは、例えば、特許文献1~3に開示されているが、これらの植物の発酵物及び抽出物の組み合わせをクレンジング化粧料の有効成分とすることについて知られていなかった。
【特許文献1】特開2005-145878号公報
【特許文献2】特開2010-138139号公報
【特許文献3】特開2009-249371号公報
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ハトムギ種子の発酵物、アッケシソウ抽出物及びアスパラサスリネアリス抽出物の混合物(固形分濃度比がハトムギ種子の発酵物:アッケシソウ抽出物:アスパラサスリネアリス抽出物=5.5~6.0:3.0~3.5:1)を含むクレンジング化粧料である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、ハトムギ種子の発酵物、アッケシソウ抽出物及びアスパラサスリネアリス抽出物の混合物を有効成分として含有することを特徴とし、当該有効成分が発揮する保湿効果により、使用感にすぐれ、かつ、潤い感を与えるクレンジング化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る有効成分の保湿効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、「ハトムギ」とは、イネ科ジュズダマ属の植物であって、いずれの種のものでも良い。発酵に使用する部位としては、種子が好ましく、殻付きのもの及び殻を除いたもののいずれもが使用可能であり、さらに粒のままでも、粉砕又は破砕して得た粉末、或いはハトムギ種子の粒、粉末の高温・高圧処理物等のいずれであっても良い。
【0009】
ハトムギの発酵に用いる菌としては酵母の使用が好ましい。酵母としては、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス バヨナス(Saccharomyces bayonus)等のサッカロミセス属の酵母が好ましい。
【0010】
本発明で用いるアッケシソウとは、アカザ科(Chenopodiaceae)アッケシソウ属(Salicornia)の植物であって、サンゴ草と呼ばれることもある。例えば、アッケシソウ、サリコルニア・ユーロパエア、サリコルニア・ビゲロヴィ、サリコルニア・ドリコスタキア・エスエスピー・ストリクティシマ等が挙げられる。また、抽出の使用部位としては、全草が好ましい。
【0011】
本発明で使用するアスパラサスリネアリス抽出物の素材として用いるアスパラサスリネアリスは、マメ科(Fabaceae)アスパラトゥス属(Aspalathus)に属する植物であって、非発酵で、緑色のもの(いわゆるグリーンルイボス)を使用するのが好ましい。また、抽出の使用部位としては、全草又は葉が好ましい。
【0012】
抽出物の調製は、まず、各植物の使用部位を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、抽出溶媒と接触させて抽出を行う。抽出は、浸漬法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることで行うことが可能である。
【0013】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類;n-ヘキサン、トルエン、クロロホルム等の炭化水素系溶媒等が挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
【0014】
上述の抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の混合物の有効性、さらには、皮膚刺激性の観点から、また、皮膚外用剤(化粧品、医薬部外品等)への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類等の親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3-ブチレングリコール)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3-ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3-ブチレングリコールの混合溶媒が特に好ましい。
【0015】
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば、水と1,3-ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1~20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:1~25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1~20:1の範囲とすることが好ましい。
【0016】
また、各植物の使用部位と抽出溶媒との重量比は、好ましくは1:1~1:50であり、より好ましくは、1:2~1:30である。
【0017】
抽出物溶液の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には3~9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸等の酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0018】
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水若しくは1,3-ブチレングリコール、又は水と1,3-ブチレングリコールとの混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は好ましくは0℃~80℃の範囲であり、より好ましく0℃~20℃の範囲であり、又抽出時間は好ましくは1~168時間(1時間~1週間)であり、より好ましくは1~120時間(1時間~5日間)の範囲である。
【0019】
本発明に係るハトムギ発酵物溶液の固形分濃度は発酵物溶液中、0.2重量%~5.0重量%が好ましく、より好ましくは、0.3重量%~1.5重量%である。また、本発明に係るアッケシソウ抽出物溶液の固形分濃度は、抽出物中、0.2~5.0重量%が好ましく、より好ましくは、1.0重量%~3.0重量%である。また、アスパラサスリネアリス抽出物溶液の固形分濃度は、抽出物中、0.2重量%~5.0重量%が好ましく、より好ましくは、0.8重量%~2.0重量%である。
【0020】
本発明においては、上述のように調製した発酵物溶液及び抽出物溶液を混合してクレンジング化粧料に配合する組成物(以下「本組成物」という)として調製する。本組成物の固形分濃度は、0.8重量%~3.0重量%が好ましく、より好ましくは、0.4重量%~2.0重量%である。また、本組成物中のハトムギ発酵物溶液、アッケシソウ抽出物溶液及びアスパラサスリネアリス抽出物溶液の固形分濃度の比は、以下の示す使用感、保湿効果の観点から、5.5~6.0:3.0~3.5:1が好ましい。
【0021】
以上のように調製した本組成物は、pHを3~8に調製した上で、これをそのままの状態でクレンジング化粧料の配合成分として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、本組成物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
【0022】
また、本組成物をゲル状のクレンジング化粧料に配合する場合は、組成物を乾燥後、乾燥物をグリセリンに溶解して、グリセリン溶液とすることでも良い。
【0023】
本組成物をクレンジング化粧料に配合する場合は、組成物の固形分濃度として、0.01~10重量%配合することが好ましい。
【0024】
本組成物をクレンジング化粧料に配合する際には、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、乳化剤又は乳化助剤、保湿剤、増粘剤、消炎剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、細胞賦活剤、抗アクネ剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、美白剤、抗シワ剤、色素、香料、その他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明に係る組成物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて皮膚外用剤に配合することも何ら差し支えない。
【0025】
ここで、油性成分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シア脂、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ベルガモット油、ラベンダー油、バラ油、ベルガモット油、ヘマトコッカス油、カミツレ油等の植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ビタミンA油;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis-11-エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、パントテニルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0026】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル(イソステアリン酸PG、ステアリン酸PG等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(イソステアリン酸PEG-8グリセリル、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-60グリセリル、ステアリン酸PEG-5グリセリル、ステアリン酸PEG-15グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル)、ポリエチレングリコールソルビタン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10)、ソルビタン脂肪酸エステル(イソステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタン等)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸PEG-6ソルビタン等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(ステアリン酸PEG-5グリセリル、ポリオキシエチレングリセリンカプリル酸エステル等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(PEG-20水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油等)、ジメチコン類、高級脂肪酸塩(ラウリル酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等)、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N、N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N、N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N、N、N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′、N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等が挙げられる。
【0027】
乳化剤及び/又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
【0028】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース、ラフィノース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸又はその塩若しくはその誘導体、ヒアルロン酸加水分解液、コンドロイチン又はその誘導体、ヘパリン又はその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル等が挙げられる。
【0029】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ペクチン、アロエ多糖体等の多糖類;トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;カルボシキビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸等が挙げられる。
【0030】
消炎剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ε-アミノカプロン酸、d-カンフル、dl-カンフル、酸化亜鉛、パンテノール、ピリドキシン塩酸塩、及びリボフラビン又はその誘導体等がある。
【0031】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ピリチオン亜鉛、塩化ベンザルコニウム、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、臭化アルキルイソキノリニウム、レゾルシン、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、トリクロロヒドロキシジフェノールエーテル、ヒノキチオール、1、2-ペンタンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、濃ベンザルコニウム塩化物液50、ハッカ油、ユーカリ油等の精油類等がある。
【0032】
細胞賦活剤としては、パントテニルアルコール、メントール、dl-メントール、及びγ-オリザノール等がある。
【0033】
抗アクネ剤としては、イオウ、サリチル酸又はその塩、感光素201号、ジカプリル酸ピリドキシン等がある。
【0034】
粉体成分しては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、アズキ等)のパウダー等がある。
【0035】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0036】
抗酸化剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスタキサンチン等のカロテノイド、ビタミンE及びその誘導体(例えば、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル)、ビタミンA又はその誘導体(パルミチン酸レチノール等)等がある。
【0037】
美白剤としてが、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、ニコチン酸誘導体、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)から選択される1以上のものが挙げられる。
【0038】
レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)、t-シクロアミノ酸誘導体、ソウハクヒ抽出物、カミツレ抽出物、米糠抽出物の加水分解物、ユキノシタ抽出物及び白芥子抽出物又はその加水分解物から選択される1以上のものが挙げられる。
【0039】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えば、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、L-アスコルビン酸-5-グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L-アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L-アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3-O-Dラクトース-L-アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)、ニコチン酸ベンジル等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0040】
また、抗シワ剤として、ビタミンA又はその誘導体、ナイアシンアミド、ビタミンE又はその誘導体(酢酸トコフェロール等)、ビタミンC又はその誘導体(アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等)、パントテニルアルコール、トラネキサム酸等が挙げられる。
【0041】
さらに、以下の植物又は微生物等の天然物由来の成分を併用することも可能である。例えば、コラーゲン又はその加水分解物、酵母抽出物又は加水分解物、乳酸菌培養物、イネ科植物、アブラナ科植物、ツバキ科植物、バラ科植物、ボタン科植物、ミカン科植物、ヒユ科植物、アマモ科植物、マメ科植物、キク科植物、マメ科植物、アオイ科植物、リンドウ科植物、シソ科植物、ハス科植物、ウリ科植物、ウコギ科植物、ナス科植物、ノウゼンカズラ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、アヤメ科植物、キキョウ科植物、モクセイ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、クロウメモドキ科植物、ラン科植物、ウルシ科植物、フクギ科植物、バレンシ科植物、ミカン科植物、フトモモ科植物、ユリ科植物、ベンケイソウ科植物、ヒノキ科植物、ヒルガオ科の植物及びキジカクシ科のいずれかから選択される1以上の植物の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、コンブ科、ミリン科及びアオサ科のいずれかから選択される1以上の海藻の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、クラゲ(ミズクラゲ、エチゼンクラゲ等の自己消化物)、ヒアルロン酸の加水分解物又は発酵物、及びローヤルゼリーの抽出物又はその加水分解物或いは発酵物挙げられる。
【0042】
次に、製造例、試験例及び処方例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
【0043】
製造例1.ハトムギ発酵物溶液の調製
殻を除いたハトムギ種子50gを粉砕し、精製水950gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌をした。この懸濁液にグルコアミラーゼ0.5g、パパイン0.5gを加えた得た後、酵母(サッカロミセス セレビシエ)を107個/mL接種し、37℃で3日間静置培養した。培養数量後、加熱殺菌し、室温まで冷却後、ろ過してハトムギ種子発酵物溶液500gを得た(固形分濃度1.0%)。
【0044】
製造例2.アッケシソウ抽出物溶液の調製
アッケシソウ(Salicornia herbacea)の全草の乾燥細切物20gに精製水200gを加え、40℃で1時間抽出した。得られた抽出液をろ過して、褐色透明の抽出物溶液155g(固形分含量:2.00%)を得た。
【0045】
製造例3.アスパラサスリネアリス抽出物溶液の調製
マメ科アスパラトゥス属の植物であるアスパラサスリネアリス(Aspalathus linearis)の非発酵ルイボスの全草の乾燥物に100gに精製水と1,3-ブチレングリコール(7:3)の混合溶媒1000gを加え、80℃で2時間抽出後、不溶物を濾過で取り除き、暗褐色のグリーンルイボス抽出物1025g(固形分濃度1.50%)を得た。なお、本発明においては、精製水と1,3-ブチレングリコール(7:3)の混合溶媒に代えて精製水とエタノール(8:2)の混合溶媒1000gを使用することでも良い。
【0046】
以上のように調製した製造例1の発酵物溶液、及び製造例2~3の抽出物溶液を、上述したように、最適な固形分濃度比、すなわち、ハトムギ発酵物溶液(製造例1):アッケシソウ抽出物溶液(製造例2):アスパラサスリネアリス抽出物溶液(製造例3)=5.5~6.0:3.0~3.5:1となるように混合調製し、当該混合物を本組成物とした。下記の試験例1及び試験例2では、本組成物を凍結乾燥し、グリセリン溶液に溶解したものを使用した。
【0047】
試験例1.洗浄評価試験
被験者3名により、市販のファンデーションタイプのBB(Blemish Balm)クリーム(SPF40,PA+++)を前腕内側部の2cm×10cmの試験区に均一に塗布した。15分乾燥後、表1に示す一般的な処方のクレンジング化粧料(比較例1)と、本組成物を含む組成のクレンジング化粧料(実施例1)を、それぞれ試験区内の異なる領域に適量(約0.5g)を塗布し、20秒間マッサージをしながら馴染ませた後、水で洗浄した。クレンジング力を評価した。
【0048】
表1に示すクレンジング化粧料のクレンジング力、使用感及び使用後の潤い感を以下の基準で評価した。
[評価基準]
4点:非常に良い
3点:良い
2点:少し悪い
1点:悪い
【0049】
3名の評点の平均点を求め、1.0~1.5:×、1.6~2.5:△、2.6~3.5:〇、3.6~4.0:◎として表した。
【0050】
【0051】
表1に示すように、本発明の組成物は、クレンジング化粧料に配合した際に、クレンジング力を維持し、かつ、すぐれた使用感及び潤い感を与えることが確認された。
【0052】
試験例2.角層水分量評価試験
試験例2の試料として、表1に示す実施例1のクレンジング化粧料と、比較例1のクレンジング化粧料を使用して、以下の通り、角層水分量の評価試験を実施した。
まず、被験者3名の前腕内側部を洗浄し、20℃、相対湿度(RH)50%の試験室で15分間馴化を行い、2箇所の被験部(15mm×15mm)を設定した。Skicon-200を用いて各被験部の角層水分量を5回測定し、その平均を各被験部の初期値とした。各初期値を測定後、試験区とコントロール区を設定し、実施例1のクレンジング化粧料と比較例1のクレンジング化粧料を適量塗布し、20秒間マッサージを行い、水で洗い流した。被験部を洗浄後、再度、20℃、相対湿度(RH)50%の試験室で15分間馴化を行い、Skicon-200を用いて各被験部の角層水分量の測定を行った。試験結果は、各被験部の初期値からの角層水分量の変化量を求め、さらにクレンジング化粧料塗布前の角層水分量を100とした相対値の平均値を算出した。試験結果を
図1に示す。
【0053】
図1に示す通り、本組成物は皮膚の角層水分量を向上させる顕著な効果を有することが確認された。このことから、本組成物を有効成分として含有することにより、保湿効果を発揮するクレンジング化粧料を提供することができる。
【0054】
以下、本発明に係る組成物を配合したクレンジング化粧料を示すが、本発明はそれらに限るものではない。
【0055】
処方例1.化粧料
[成分] 部
本発明の組成物 3.0
トリエチルヘキサノイン 10.0
オリーブ油 5.0
グリセリン 10.0
イソステアリン酸PEG-8グリセリル 10.0
ステアリン酸グリセリル 5.0
ナイアシンアミド 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
1,3-ブチレングリコール 1.0
水溶性コラーゲン 0.01
フェノキシエタノールール 0.3
クエン酸ナトリウム 適 量
精製水 全量が100部となる量
【0056】
処方例2.化粧料
[成分] 部
本発明の組成物 3.0
トリエチルヘキサノイン 10.0
オリーブ油 5.0
グリセリン 10.0
イソステアリン酸PEG-8グリセリル 10.0
ステアリン酸グリセリル 5.0
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.5
アスコルビン酸ナトリウムム 0.1
1,3-ブチレングリコール 1.0
水溶性コラーゲン 0.01
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
フェノキシエタノールール 0.3
水酸化カリウム 適 量
精製水 全量が100部となる量
【0057】
処方例3.化粧料
[成分] 部
本発明の組成物 3.0
トリエチルヘキサノイン 10.0
オリーブ油 5.0
グリセリン 10.0
イソステアリン酸PEG-8グリセリル 10.0
ステアリン酸グリセリル 5.0
アスコルビン酸グルコシド 2.0
アルブチン 3.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
水溶性コラーゲン 0.01
フェノキシエタノールール 0.3
水酸化カリウム 適 量
精製水 全量が100部となる量