(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147941
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060701
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕行
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB08
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE15
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】合計のデータ容量の大きい、複数の画像データを中断することなく送信できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、読取部110と、送信部120と、取得部1411と、累計データ容量算出部1412と、指示部1414と、リセット部1415とを備える。読取部110は、複数の記録媒体Gの各々に形成された画像を読み取って、記録媒体G毎に画像データを生成する。送信部120は、複数の画像データを送信可能である。取得部1411は、画像データ毎のデータ容量を画像データから取得する。累計データ容量算出部1412は、データ容量の累計値を算出する。指示部1414は、累計値が初期値から所定値以上となるまでに生成された画像データの送信を送信部120に指示する。リセット部1415は、指示部1414が、送信の指示をする毎に累計値を初期値にリセットする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体の各々に形成された画像を読み取って、前記記録媒体毎に画像データを生成する読取部と、
複数の画像データを送信可能な送信部と、
前記画像データ毎のデータ容量を前記画像データから取得する取得部と、
前記データ容量の累計値を算出する累計データ容量算出部と、
前記読取部による、前記画像の読み取りが完了したか否かを判定する判定部と、
前記累計値が初期値から所定値以上となるまでに生成された画像データの送信、または、前記累計値が前記初期値から前記画像の読み取りが完了したと判定されるまでに生成された画像データの送信を前記送信部に指示する指示部と、
前記指示部が、前記送信の指示をする毎に前記累計値を前記初期値にリセットするリセット部とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記所定値は、前記送信部が一括で送信可能なデータ容量である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記指示部は、N番目(Nは、1以上の整数)までに生成された画像データにおける前記累計値が、前記所定値よりも大きい場合、N-1番目までに生成された画像データの送信を指示する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定値を設定する設定部をさらに備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記送信部による、前記画像データの送信が完了したときに送信完了信号を出力する出力部をさらに備え、
前記設定部は、前記出力部が前記送信完了信号を出力したときまでに、前記累計データ容量算出部により算出された複数の累計値のうちの最大値を前記所定値とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記累計値が前記所定値以上となった場合に前記指示部が送信を指示する第1モードと、前記画像の読み取りが完了したと前記判定部が判定した場合に前記指示部が送信を指示する第2モードとを切り替える切替部をさらに備え、
前記指示部は、前記第2モードにおいて、前記所定値以下のデータ容量の複数のグループに前記複数の画像データを分割して送信する指示を行う、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記指示部は、前記第2モードにおいて、各グループの間のデータ容量の差が最小となるように前記複数の画像データを分割する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記第2モードにおいて、前記送信部が前記画像データを送信できなかった場合に、送信エラー信号を出力し、
前記送信エラー信号が出力されたときに、前記画像データを分割して送信する指示を前記指示部にさせるか否かの操作を受け付ける受付部をさらに備える、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記受付部は、前記画像データを分割して送信する指示を前記指示部にさせる操作を受け付けた場合、前記所定値を設定する操作をさらに受け付ける、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記複数のグループのそれぞれの名称を決定する決定部をさらに備え、
前記指示部は、前記名称、および、前記名称に対応するグループの送信を指示する、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記名称は、前記グループの数、および、前記グループが送信される順位を含む、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記送信部が送信を完了した画像データのデータ容量に、前記送信部の送信する予定の画像データのデータ容量を加えた予定データ容量を算出する予定データ容量算出部をさらに備え、
前記名称は、前記画像の読み取りが完了したと前記判定部が判定したときの前記累計値、および、前記予定データ容量を含む、請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置は、ファイルをメールに添付して送信する。ところが、メールに添付したファイル(添付ファイル)のデータ容量が、送信装置等の制限よりも大きければ、添付ファイルを送信できない。特許文献1の画像形成装置では、添付ファイルのデータ容量にあらかじめ制限を設けている。添付ファイルのデータ容量が制限よりも大きければ、添付ファイルの容量が制限よりも大きい旨がユーザーに通知される。したがって、データ容量が制限よりも大きな添付ファイルをユーザーが送信するのを防止できる。
【0003】
特許文献2に記載の画像形成装置は、データを送信すると同時にデータを記憶装置に保存している。データの送信に失敗した場合、記憶装置に保存されたデータは、再び送信される。この結果、データの送信に一度失敗しても、送信に失敗したデータと同じデータを、ユーザーが準備する手間を省ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-154894号公報
【特許文献2】特開2008-109479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の画像形成装置は、送信するデータの容量が、送信装置等の送信できるデータ容量よりも大きい場合に、データを送信できない問題を解決していない。したがって、特許文献1および特許文献2に記載の画像形成装置では、データを送信できない状態が繰り返し生じる場合がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、合計のデータ容量が大きい、複数の画像データを中断することなく送信できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、画像形成装置は、読取部と、送信部と、取得部と、累計データ容量算出部と、判定部と、指示部と、リセット部とを備える。読取部は、複数の記録媒体の各々に形成された画像を読み取って、前記記録媒体毎に画像データを生成する。送信部は、複数の画像データを送信可能である。取得部は、前記画像データ毎のデータ容量を前記画像データから取得する。累計データ容量算出部は、前記データ容量の累計値を算出する。判定部は、前記読取部による、前記画像の読み取りが完了したか否かを判定する。指示部は、前記累計値が初期値から所定値以上となるまでに生成された画像データの送信、または、前記累計値が前記初期値から前記画像の読み取りが完了したと判定されるまでに生成された画像データの送信を前記送信部に指示する。リセット部は、前記指示部が、前記送信の指示をする毎に前記累計値を前記初期値にリセットする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、合計のデータ容量の大きい、複数の画像データを中断することなく送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る画像形成システムを示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【
図3】実施形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る画像形成装置の第1処理部の処理を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態2に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態3に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態3に係る画像形成装置の第1処理部の処理を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態4に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】各グループに付される名称の一例を示す図である。
【
図10】各グループに付される名称の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
[実施形態1]
図1を参照して、実施形態1に係る画像形成システム1を説明する。
図1は、実施形態1に係る画像形成システム1を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、通信装置300と、ネットワーク200と、画像形成装置100とを備える。
【0012】
通信装置300は、画像を示す画像データを受信する通信機能を備える。通信装置300は、例えば、カラー複合機、またはパーソナルコンピューターである。
【0013】
画像形成システム1は、通信装置300と、画像形成装置100とを、互いに通信可能に接続している。例えば、通信装置300と、画像形成装置100とは、インターネット、LAN(Local Area Network)、または、WAN(Wide Area Network)を介して通信可能に接続されている。なお、画像形成システム1は、複数台の通信装置300を備えていてもよい。また、画像形成システム1は、図示しないメールサーバーを備えてもよい。メールサーバーは、受信した画像データを通信端末に送信するサーバーという意味を含む。
【0014】
画像形成装置100は、送信先として指定された通信装置300に画像データを送信する。
【0015】
図2および
図3を参照して、実施形態1の画像形成装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示す概略図である。
図3は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0016】
画像形成装置100は、画像データを生成する機能を備える。画像データは、記録媒体Gに形成された画像が、画像形成装置100に読み取られることで生成される。具体的に、画像形成装置100は、スキャナーとしての機能を備える複合機である。
【0017】
図2に示すように、画像形成装置100は、読取部110と、送信部120と、操作部130と、制御部140とを備える。
【0018】
読取部110は、複数の記録媒体Gの各々に形成された画像を読み取って、記録媒体G毎に画像データを生成する。記録媒体Gには、例えば、シートがある。ここで、シートは、両面に画像が形成されている場合がある。シートの両面に画像が形成されていれば、読取部110は、シートの片面に形成された画像から1件の画像データを生成してもよいし、シートの両面の画像から1件の画像データを生成してもよい。記録媒体G毎に形成する画像データの数は、記録媒体Gの性質、または、画像の性質に応じて、ユーザーが適宜設定する。読取部110の一例は、CIS(Contact Image Sensor)方式またはCCD(Charge Coupled Devices)方式のスキャナーである。
【0019】
送信部120は、複数の画像データを送信可能である。ただし、送信部120の送信可能な画像データのデータ容量には、上限が存在する。具体的に、送信部120は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する電子機器との間で通信が可能である。送信部120は、ネットワーク200(
図1参照)を介して、通信装置300と通信する。送信部120は、後述する制御部140の指示に応じて、ユーザーから指定された送信先に画像データを送信する。送信部120は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0020】
操作部130は、ユーザーの指示を受け付ける。操作部130は、表示部131と、入力部132とを含む。
【0021】
表示部131は、ユーザーの選択できる操作を表示する。表示部131は、例えば、液晶ディスプレー、または有機EL(Electroluminescence)ディスプレーなどの画面である。
【0022】
入力部132は、表示部131に表示された操作の中から、所望する操作をユーザーが選択するための装置である。具体的に、入力部132は、例えば、キーボードを含む。
【0023】
なお、図示しないが、受付部1419は、表示部131と、入力部132とを一体化したタッチパネルでもよい。
【0024】
制御部140は、操作部130がユーザーから受け付けた指示に基づいて、読取部110、送信部120、および操作部130を制御する。
【0025】
制御部140は、
図3に示すように、第1処理部141と、記憶部142とを有する。第1処理部141は、例えば、プロセッサーである。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1処理部141は、記憶部142に記憶された制御プログラムを実行することによって、読取部110、送信部120、および操作部130を制御する。
【0026】
記憶部142は、読取部110で生成された画像データを含む各種データ、および制御プログラムを記憶する。記憶部142は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および/またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)によって構成される。記憶部142は、外部メモリーを含んでいてもよい。外部メモリーは、リムーバブルメディアである。記憶部142は、外部メモリーとして、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリー、および/またはSD(Secure Digital)カードを含んでもよい。
【0027】
第1処理部141の機能について、
図3を参照して説明する。
【0028】
第1処理部141は、取得部1411と、累計データ容量算出部1412と、判定部1413と、指示部1414と、リセット部1415と、設定部1416と、出力部1417とを含む。取得部1411と、累計データ容量算出部1412と、判定部1413と、指示部1414と、リセット部1415と、設定部1416と、出力部1417とに含まれる機能は、記憶部142に記憶された制御プログラムを第1処理部141が実行することで実現される。
【0029】
取得部1411は、画像データ毎のデータ容量を画像データから取得する。
【0030】
累計データ容量算出部1412は、データ容量の累計値を算出する。具体的には、累計データ容量算出部1412は、画像データが新たに1件生成される毎に、新たに生成された画像データのデータ容量を順次加えていく。
【0031】
判定部1413は、読取部110による、画像の読み取りが完了したか否かを判定する。画像の読み取りが完了したか否かは、例えば、画像データが生成された後に新たな画像データを生成されるまでの時間で判定できる。新たな画像が生成されるまでの時間が基準値未満であれば、画像の読み取りが継続していると判定できる。一方で、新たな画像データが生成されるまでの時間が基準値以上であれば、画像の読み取りが完了していると判定できる。画像の読み取りが完了したか否かを判定する基準値は、例えば、連続して複数の画像を読み込む場合に、読取部110が画像データを生成する間隔として想定される時間などがある。
【0032】
なお、画像の読み取りが完了したかの判定に用いる基準は、時間に限られない。例えば、ユーザーによる画像の読み取り完了の操作も、画像の読み取りが完了したか否かの基準となる。
【0033】
指示部1414は、累計値が初期値から所定値以上となるまでに生成された画像データの送信を送信部120に指示する。初期値は、後述するリセット部1415が累計値をリセットする値である。一方で、所定値は、送信部120が一括で送信可能なデータ容量以下の値である。
【0034】
指示部1414が送信の指示を行う画像データについて具体的に説明する。累計値が初期値のときに生成された画像データの順位を1番目とする。指示部1414は、N番目(Nは、1以上の整数)までに生成された画像データにおける累計値が、所定値よりも大きい場合、N-1番目までに生成された画像データの送信を指示する。指示部1414の指示により、送信部120は、1番目に生成された画像データからN-1番目までに生成された画像データを送信する。N番目に生成された画像データについては、指示部1414は、累計値が後述する初期値のときに生成されたデータであるとみなす。
【0035】
また、指示部1414は、累計値が初期値から画像の読み取りが完了したと判定されるまでに生成された画像データの送信を送信部120に指示する。具体的には、K(Kは、1以上の整数)番目の画像データが生成された後、画像の読み取りが完了したと判定部1413が判定した場合について説明する。この場合、指示部1414は、1番目に生成された画像データからK番目までに生成された画像データの送信を送信部120に指示する。指示部1414の指示により、送信部120は、1番目に生成された画像データからK番目までに生成された画像データを送信する。
【0036】
リセット部1415は、指示部1414が、送信の指示をする毎に累計値を初期値にリセットする。初期値は、指示部1414が送信部120に画像データを送信させる上で、送信するデータ容量の基準となる値である。具体的には、初期値は、例えば、「0」などの値が割り当てられる。なお、初期値の値は、「0」に限られず、画像形成装置100の使用される状況に応じて、ユーザー等が適宜定めてもよい。
【0037】
読取部110が画像の読み取りを開始してから完了するまでに生成される複数の画像データのデータ容量の合計が所定値の複数倍であれば、リセット部1415は、画像の読み取りが開始されてから、累計値を複数回リセットする。したがって、送信部120は、所定値以下のデータ容量の複数の画像データを複数回に分けて送信する。この結果、送信部120は、合計のデータ容量が大きい、複数の画像データを中断することなく送信できる。
【0038】
また、複数回に分けて画像データを送信する送信部120は、各回において、累計値が初期値のときに生成された1番目の画像データから、N-1番目までに生成された画像データを毎回送信する。よって、送信部120は、画像の読み取りが開始されてから、画像の読み取りが完了するまでの間に生成されるすべての画像データを漏れなく送信できる。
【0039】
加えて、送信部120が一括で送信可能なデータ容量を所定値とした場合、送信部120が画像データを送信する回数を最小にできる。
【0040】
設定部1416は、所定値を設定する。設定部1416は、所定値を設定する操作を操作部130によりユーザーから受け付ける。所望の値を設定値としてユーザーが入力部132に入力すれば、設定部1416は、指示部1414の所定値を設定値に変更する。この結果、画像の読み取りを行う状況に応じた所定値をユーザーが設定できる。
【0041】
出力部1417は、送信部120による、画像データの送信が完了したときに送信完了信号を出力する。出力部1417は、例えば、画像データの送信ができなかったことを示す信号を基準時間以内に送信部120から受信しなかった場合、基準時間経過後に送信完了信号を出力する。設定部1416は、出力部1417が送信完了信号を出力したときまでに、累計データ容量算出部1412により算出された複数の累計値のうちの最大値を所定値とする。したがって、送信部120が実際に送信できる最大のデータ容量が送信される。なお、出力部1417は、送信完了信号を出力できれば、どのような規則にしたがって、送信完了信号を出力してもよい。また、出力部1417は、送信部120以外からの信号に基づいて、送信完了信号を出力してもよい。
【0042】
図1から
図4を参照して、第1処理部141の処理について説明する。
図4は、実施形態1に係る画像形成装置100の第1処理部141の処理を示すフローチャートである。第1処理部141の処理は、ステップS101からステップS121を含む。
【0043】
ステップS101において、読取部110は、記録媒体Gに形成された画像を読み取る。読取部110は、読み取った画像を示す画像データを生成する。
【0044】
ステップS103において、読取部110によって生成された画像データは、記憶部142に記憶される。
【0045】
ステップS105において、取得部1411は、記憶部142に記憶された画像データのデータ容量を取得する。取得されたデータ容量は、記憶部142に記憶される。累計データ容量算出部1412は、取得したデータ容量を初期値である累計値に加える。
【0046】
ステップS107において、判定部1413は、読み取りが完了したか否かを判定する。否定判定(NO)の場合、処理は、ステップS121に進む。一方で、肯定判定(YES)の場合、処理は、ステップS109に進む。
【0047】
ステップS109において、読取部110は、新たな記録媒体Gの画像を読み取る。読取部110は、読み取った画像から画像データを生成する。画像データは、記憶部142に記憶される。
【0048】
ステップS111において、取得部1411は、ステップS109にて記憶部142に記憶された画像データのデータ容量を取得する。
【0049】
ステップS113において、累計データ容量算出部1412は、新たに記憶部142に記憶された画像データのデータ容量をそれまでの累計値に加える。
【0050】
ステップS115において、指示部1414は、累計値が所定値よりも大きいか否かを判定する。否定判定(NO)の場合、処理は、ステップS109に戻る。一方で、肯定判定(YES)の場合、処理は、ステップS117に進む。
【0051】
ステップS117において、指示部1414は、記憶部142に記憶された画像データを通信装置300に送信するように、送信部120に指示する。詳細には、累計値が初期値のときに生成された画像データを1番目に生成された画像データとし、ステップS115で肯定判定(YES)となったときに生成された画像データをN番目に生成された画像データとする。指示部1414は、1番目に生成された画像データからN-1番目までに生成された画像データを送信するように、送信部120に指示する。送信部120がN-1番目までの画像データを通信装置300に送信するとき、リセット部1415は、累計値を初期値にリセットする。
【0052】
ステップS119において、判定部1413は、画像の読み取りが完了したか否かを判定する。否定判定(NO)の場合、処理は、ステップS109に戻る。したがって、すべての記録媒体Gの画像の読み取りが完了するまで、読取部110は、画像データを繰り返し生成する。肯定判定(YES)の場合、処理は、ステップS121に進む。
【0053】
ステップS121において、指示部1414は、累計値が初期値から所定値以上となるまでに生成された画像データの送信を送信部120に指示する。指示部1414の指示により、送信部120は、累計値が初期値から所定値以上となるまでに生成された画像データを通信装置300に送信する。結果として、生成される画像データのデータ容量の合計が所定値よりも大きければ、送信部120は、生成される複数の画像データを複数回に分けて送信する。この後、処理は終了する。
【0054】
[実施形態2]
図5を参照して、実施形態2に係る画像形成装置100を説明する。
図5は、実施形態2に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0055】
実施形態2に係る画像形成装置100は、すべての画像データが生成された後に、生成された画像データを分割して送信するように、指示部1414が送信部120に指示する点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0056】
実施形態2の第1処理部141は、切替部1418をさらに備える。加えて、実施形態2の指示部1414の機能は、実施形態1の指示部1414の機能と異なる。
【0057】
指示部1414は、第1モードと、第2モードとを機能別に含む。切替部1418は、第1モードと、第2モードとの間で指示部1414の機能を切り替える。
【0058】
第1モードは、累計値が所定値以上となった場合に指示部1414が送信を指示するモードである。言い換えると、第1モードは、実施形態1において指示部1414が実現する機能である。
【0059】
第2モードは、制御部140が、画像の読み取りが完了したと判定部1413が判定した場合に指示部1414が送信を指示するモードである。
【0060】
第2モードにおいて、指示部1414は、所定値以下のデータ容量の複数のグループに複数の画像データを分割して送信する指示を送信部120に行う。これにより、送信部120は、各グループを個別に送信する。結果として、送信部120は、合計のデータ容量の大きい、複数の画像データを中断することなく通信装置300に送信できる。なお、読取部110に生成された、すべての画像データのデータ容量の合計が所定値以下の場合、指示部1414は、複数の画像データを分割せずに送信する指示を送信部120に行う。
【0061】
所定値は、設定部1416により設定される。したがって、第2モードにおいては、設定部1416が所定値として任意の値を設定することで、複数の画像データの分割数を変更できる。
【0062】
指示部1414は、第2モードにおいて、各グループの間のデータ容量の差が最小となるように複数の画像データを分割する。これにより、指示部1414は、ほぼ均等なデータ容量のグループを個別に送信するように、送信部120に指示する。したがって、送信部120は、ほぼ均等なデータ容量のグループを個別に送信する。結果、グループ間でデータ容量が極端に異なることを防止でき、送信部120の負荷を低減できる。
【0063】
[実施形態3]
図6を参照して、実施形態3に係る画像形成装置100を説明する。
図6は、実施形態3に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0064】
実施形態3に係る画像形成装置100は、第2モードにおいて、生成されたすべての画像データを一括で送信して、送信できなかった場合にユーザーの指示を求める点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態2と異なる点を主に説明する。
【0065】
第2モードにおける、実施形態3の指示部1414の機能は、実施形態2の指示部1414の機能と異なる。また、実施形態3の出力部1417は、実施形態2の出力部1417に、実施形態2とは別の機能が加わる。そして、実施形態3の第1処理部141は、受付部1419をさらに備える。
【0066】
指示部1414は、画像の読み取りが完了したと判定部1413が判定した場合、読取部110が生成した、すべての画像データを送信するように、送信部120に指示する。指示部1414の指示により、送信部120は、読取部110が生成したすべての画像データを送信する。
【0067】
出力部1417は、第2モードにおいて、送信部120が画像データを送信できなかった場合に、送信エラー信号を出力する。
【0068】
受付部1419は、送信エラー信号が出力部1417から出力されたときに、画像データを分割して送信する指示を指示部1414にさせるか否かの操作を受け付ける。受付部1419は、画像データを分割して送信するか否かをユーザーに選択させるアイコンを表示部131に表示させる。ユーザーは、入力部132を操作して、画像データを分割して送信する選択を行う。これにより、受付部1419は、複数の画像データを分割して送信する指示を受け付ける。
【0069】
画像データを分割して送信する指示を受付部1419がユーザーから受け付けた場合、指示部1414は、実施形態2と同様に、生成された画像データをデータ容量が所定値以下のグループに分割する。そして、送信部120は、各グループを個別に送信する。一方で、画像データを分割して送信する指示を受付部1419がユーザーから受け付けなかった場合、送信部120は、画像データを送信しない。結果として、ユーザーは、生成された画像データを分割して送信するか否かを選択できる。
【0070】
受付部1419は、画像データを分割して送信する指示を指示部1414にさせる操作を受け付けた場合、所定値を設定する操作をさらに受け付ける。したがって、ユーザーは、各グループのデータ容量を、画像データが生成される状況に合わせて設定できる。
【0071】
図1、
図2、
図6、および
図7を参照して、第1処理部141の処理について説明する。
図7は、実施形態3に係る画像形成装置100の第1処理部141の処理を示すフローチャートである。第1処理部141の処理は、ステップS201からステップS215を含む。
【0072】
ステップS201において、切替部1418は、第1モードから第2モードに指示部1414の機能を切り替える。
【0073】
ステップS203において、読取部110は、すべての記録媒体Gから画像を読み取り、記録媒体G毎に画像データを生成する。生成された複数の画像データは、記憶部142に記憶される。
【0074】
ステップS205において、指示部1414は、ステップS203にて記憶部142に記憶されたすべての画像データを送信するように、送信部120に指示する。送信部120は、ステップS203にて生成されたすべての画像データを通信装置300に送信する。送信部120が画像データを送信できなかった場合、出力部1417は、送信エラー信号を出力する。
【0075】
ステップS207において、受付部1419は、送信エラー信号が出力部1417より出力されたかを判定する。否定判定(NO)の場合、処理は、ステップS215に進む。一方で、肯定判定(YES)の場合、処理は、ステップS209に進む。
【0076】
ステップS209において、受付部1419は、画像データを分割して送信する操作を受け付けたかを判定する。否定判定(NO)の場合、処理は、終了する。一方で、肯定判定(YES)の場合、処理は、ステップS211に進む。
【0077】
ステップS211において、受付部1419は、所定値を設定する操作を受け付ける。受付部1419は、ユーザーによって入力部132に入力された値を所定値とする。また、ユーザーが所定値を設定する操作を行わなかった場合、設定部1416がユーザーの操作によらず所定値を設定する。
【0078】
ステップS213において、指示部1414は、生成された複数の画像データをデータ容量が所定値以下のグループに分割する。
【0079】
ステップS215において、指示部1414は、各グループを個別に送信するように、送信部120に指示する。送信部120は、各グループを個別に通信装置300に送信する。この後、処理は終了する。
【0080】
[実施形態4]
図8を参照して、実施形態4に係る画像形成装置100を説明する。
図8は、実施形態4に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0081】
実施形態4に係る画像形成装置100は、第2モードにおいて、分割された各グループに名称を付す点で、実施形態4は、実施形態2または実施形態3と主に異なる。以下、実施形態4が、実施形態2または実施形態3と異なる点を主に説明する。
【0082】
実施形態4の画像形成装置100は、制御部140が第2処理部143をさらに備える点で実施形態2または実施形態3の画像形成装置100と異なる。
【0083】
第2処理部143は、第1処理部141と同様に、プロセッサーである。第2処理部143は、記憶部142に記憶された制御プログラムを実行することによって、送信部120を制御する。
【0084】
第2処理部143は、決定部1431と、予定データ容量算出部1432とを有する。決定部1431と、予定データ容量算出部1432とに含まれる機能は、記憶部142に記憶された制御プログラムを第2処理部143が実行することで実現される。
【0085】
決定部1431は、指示部1414によって分割された、複数のグループのそれぞれの名称を決定する。指示部1414は、名称、および、名称に対応するグループの送信を送信部120に指示する。これにより、送信部120は、名称とともに、名称に対応するグループを送信する。複数の画像データのグループと、各グループに対応する名称が一緒に送信されることで、各グループを受信した通信装置300のユーザーは、各グループを区別できる。
【0086】
図8および
図9を参照して、決定部1431が、各グループに付す名称の一例について説明する。
図9は、各グループに付される名称の一例を示す図である。
【0087】
決定部1431が決定する名称は、グループの数、および、グループが送信される順位を含む。決定部1431は、グループの数、および、グループが送信される順位を指示部1414から取得する。各グループの名称が、グループの数、および、グループが送信される順位を含んでいることで、ユーザーは、各グループの名称から、生成された複数の画像データの分割数と、受信したグループの送信された順位を把握できる。この結果、ユーザーは、受信したすべてのグループの各名称を確認することで、生成されたすべての画像データを受信したか否かを把握できる。
【0088】
図9において、送信部120は、生成された複数の画像データを4つのグループに分割して送信する。各グループの名称には、複数の画像データが4つに分割されたことを示す「4」が含まれる。また、
図9は、紙面に向かって上側に配置された画像データのグループの送信される順位が早く、紙面に向かって下側に向かう程、送信される順位が遅くなる。
【0089】
紙面に向かって、最も上側に描かれている第1グループGR11の第1名称W11には、4分割されたグループのうち1番目に送信されたことを示す「1/4」が含まれる。したがって、第1名称W11を確認したユーザーは、送信されたグループが第1グループGR11であると把握できる。
【0090】
第1グループGR11が送信された後、第2グループGR12が送信される。第2グループGR12の第2名称W12には、「2/4」が含まれる。したがって、第2名称W12を確認したユーザーは、送信されたグループが第2グループGR12であると把握できる。以降は、第2グループGR12が送信された後、第3グループGR13が送信される。第3グループGR13の第3名称W13には、「3/4」が含まれる。第3グループGR13が送信された後、第4グループGR14が送信される。第4グループGR14の第4名称W14には、「4/4」が含まれる。
【0091】
図8および
図10を参照して、決定部1431が、予定データ容量算出部1432により各グループに付す名称の例について説明する。
図10は、画像データの名称の他の例を示す図である。
【0092】
図8に示す予定データ容量算出部1432は、送信部120が送信を完了した画像データのデータ容量に、送信部120の送信する予定の画像データのデータ容量を加えた予定データ容量を算出する。予定データ容量算出部1432は、送信部120が送信を完了した画像データのデータ容量、および、送信部120が送信する予定の画像データのデータ容量を、累計データ容量算出部1412の算出する累計値、および、指示部1414の指示をモニターすることによって取得する。
【0093】
決定部1431が決定する名称は、画像の読み取りが完了したと判定部1413が判定したときの累計値、および、予定データ容量を含む。これにより、ユーザーは、各グループの名称から、生成された複数の画像データのデータ容量の累計値と、受信したグループまでで受信したデータ容量を確認できる。この結果、ユーザーは、受信したグループの各名称を確認することで、受信した画像データのデータ容量の合計を把握できる。決定部1431は、累計値を累計データ容量算出部1412から取得する。また、決定部1431は、予定データ容量を予定データ容量算出部1432から取得する。
【0094】
図10において、送信部120は、生成された画像データを4つのグループに分割して送信する。各グループの名称には、すべての画像データのデータ容量の累計値を示す「10MB」が含まれる。また、
図10は、紙面に向かって上側に配置された画像データのグループの送信される順位が早く、紙面に向かって下側に向かう程、送信される順位が遅くなる。
【0095】
紙面に向かって、最も上側に描かれている第1グループGR21の第1名称W21には、10MB(メガバイト)のデータ容量のうち2.5MBまでのデータ容量が送信されたことを示す「2.5MB/10MB」が含まれる。したがって、第1名称W21を確認したユーザーは、合計が10MBのデータ容量の複数の画像データのうち、2.5MBのデータ容量の複数の画像データが送信されたことを把握できる。
【0096】
第1グループGR21が送信された後、第2グループGR22が送信される。第2グループGR22の第2名称W22には、「5.0/10MB」が含まれる。したがって、第2名称W22を確認したユーザーは、合計が10MBのデータ容量の複数の画像データのうち、5.0MBのデータ容量の複数の画像データが送信されたことを把握できる。以降は、第2グループGR22が送信された後、第3グループGR23が送信される。第3グループGR23の第3名称W23には、「7.5MB/10MB」が含まれる。第3グループGR23が送信された後、第4グループGR24が送信される。第4グループGR24の第4名称W24には、「10MB/10MB」が含まれる。
【0097】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、画像形成装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0099】
100 :画像形成装置
110 :読取部
120 :送信部
1411 :取得部
1412 :累計データ容量算出部
1413 :判定部
1414 :指示部
1415 :リセット部
1416 :設定部
1417 :出力部
1418 :切替部
1419 :受付部
1431 :予定データ容量算出部
1432 :決定部