(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147942
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】麺供給装置
(51)【国際特許分類】
A47J 27/14 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
A47J27/14 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060706
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大貫 正文
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 嘉将
【テーマコード(参考)】
4B054
【Fターム(参考)】
4B054AA17
4B054AB02
4B054AC13
4B054CA14
4B054CD10
4B054CE02
(57)【要約】
【課題】動作の簡易化を図ることができる麺供給装置を提供する。
【解決手段】麺供給装置4は、乾麺を収容する収容部41と、乾麺を把持又は解放する把持部43が設けられた昇降部42と、第2水平方向に沿って移動可能に設けられ、乾麺を保管するトレイ部48が上下揺動可能に支持された水平移動部47と、トレイ部48を押し上げて揺動させることが可能であるように昇降部42に設けられた押上部45と、を備える。水平移動部47が投入位置に移動した場合に、昇降部42を上昇させることにより、押上部45は、トレイ部48を押し上げて揺動させ、トレイ部48に保管された乾麺をテボTへ投入する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺を供給位置に載置されたテボへ供給する麺供給装置であって、
麺を収容する収容部と、
前記収容部の上方に位置するように昇降可能に設けられ、麺を把持又は解放する把持部が設けられた昇降部と、
所定水平方向に沿って移動可能に設けられ、搬送された麺を一時的に保管するトレイ部が上下揺動可能に支持された水平移動部と、
前記トレイ部を押し上げて揺動させることが可能であるように前記昇降部に設けられた押上部と、を備え、
前記水平移動部が前記把持部から離間する退避位置に移動した場合に、前記昇降部は、前記把持部が前記トレイ部の上方又は前記トレイ部の下方に位置するように昇降可能に構成され、
前記水平移動部が、前記トレイ部が前記把持部の真下に位置する載置位置に移動した場合に、前記把持部は、把持した麺を解放して前記トレイ部に載置させ、
前記水平移動部が、前記トレイ部が前記押上部の真上に位置する投入位置に移動した場合に、前記昇降部を上昇させることにより、前記押上部は、前記トレイ部を押し上げて揺動させ、一時的に前記トレイ部に保管された麺を前記テボへ投入する、
麺供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の麺供給装置であって、
前記把持部は、第1所定量の麺を把持する第1ポーショナーと、第2所定量の麺を把持する第2ポーショナーと、を有する、
麺供給装置。
【請求項3】
請求項2に記載の麺供給装置であって、
前記トレイ部は、第1所定量の麺を一時的に保管する第1トレイと、第2所定量の麺を一時的に保管する第2トレイと、を有し、
前記第1トレイと前記第2トレイとは、前記所定水平方向に沿って並列に設けられ、
前記第1ポーショナーと前記第2ポーショナーとは、前記所定水平方向に沿って並列に設けられ、
前記水平移動部が前記載置位置に移動した場合に、前記第1トレイ及び前記第2トレイは、それぞれ前記第1ポーショナーの真下及び前記第2ポーショナーの真下に位置する、
麺供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載の麺供給装置であって、
前記投入位置は、前記第1トレイが前記押上部の真上に位置する第1投入位置と、前記第2トレイが前記押上部の真上に位置する第2投入位置と、を有し、
前記水平移動部が前記第1投入位置に移動した場合に、前記昇降部を上昇させることにより、前記押上部は、前記第1トレイを押し上げて揺動させ、
前記水平移動部が前記第2投入位置に移動した場合に、前記昇降部を上昇させることにより、前記押上部は、前記第2トレイを押し上げて揺動させる、
麺供給装置。
【請求項5】
請求項1に記載の麺供給装置であって、
前記収容部は、前記所定水平方向と直交する他の水平方向に沿って配列される麺としての乾麺を収容し、
前記トレイ部は、前記所定水平方向に沿って延在する軸線周りに揺動可能に前記水平移動部に支持されている、
麺供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麺供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、容器に収容されている茹でる前の麺を搬送してテボ(笊)に投入するロボットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のロボットは、容器からテボへの麺の搬送(供給)を三次元の動作により行うため、その動作が複雑化してしまうという不都合があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、この問題点に着目してなされたものであり、動作の簡易化を図ることができる麺供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、麺を供給位置に載置されたテボへ供給する麺供給装置であって、麺を収容する収容部と、前記収容部の上方に位置するように昇降可能に設けられ、麺を把持又は解放する把持部が設けられた昇降部と、所定水平方向に沿って移動可能に設けられ、搬送された麺を一時的に保管するトレイ部が上下揺動可能に支持された水平移動部と、前記トレイ部を押し上げて揺動させることが可能であるように前記昇降部に設けられた押上部と、を備え、前記水平移動部が前記把持部から離間する退避位置に移動した場合に、前記昇降部は、前記把持部が前記トレイ部の上方又は前記トレイ部の下方に位置するように昇降可能に構成され、前記水平移動部が、前記トレイ部が前記把持部の真下に位置する載置位置に移動した場合に、前記把持部は、把持した麺を解放して前記トレイ部に載置させ、前記水平移動部が、前記トレイ部が前記押上部の真上に位置する投入位置に移動した場合に、前記昇降部を上昇させることにより、前記押上部は、前記トレイ部を押し上げて揺動させ、一時的に前記トレイ部に保管された麺を前記テボへ投入する麺供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
この態様によれば、麺を収容部からテボへ供給する麺供給装置の動作の簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る麺茹でシステムを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、茹でシステムを構成する麺供給装置を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、コントローラ及びコントローラに接続された要部構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、麺茹でシステムによる処理方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、テボが茹で機に載置された状態を示す状態説明図である。
【
図7】
図7は、テボが湯切機に載置された状態を示す状態説明図である。
【
図8】
図8は、テボがコンベアの回収位置に載置された状態を示す状態説明図である。
【
図9】
図9は、収容部から麺をテボへ供給する麺供給処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、水平移動部が押上部の真上に位置した状態を示す状態説明図である。
【
図11】
図11は、押上部がトレイ部を押し上げて揺動させた状態を示す状態説明図である。
【
図12】
図12は、水平移動部が退避位置に移動し、ポーショナーが水平移動部の下方に移動してから麺を把持した状態を示す状態説明図である。
【
図13】
図13は、麺を把持したポーショナーがトレイ部の上方に移動しつつ水平移動部が載置位置に移動した状態を示す状態説明図である。
【
図14】
図14は、ポーショナーにより把持された麺をトレイ部に載置させた状態を示す状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、単に本実施形態とも称する。)について説明する。なお、本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0010】
(麺茹でシステム)
まず、
図1及び
図2を参照しながら本実施形態に係る麺茹でシステム1について説明する。
【0011】
図1は、
図1は、本実施形態に係る麺茹でシステム1を示す斜視図である。
図2は、茹でシステム1を示す平面図である。なお、
図1及び
図2において、他の所定水平方向としての第1水平方向をX方向とし、第1水平方向と直交する所定水平方向としての第2水平方向をY方向とし、第1水平方向及び第2水平方向の両方と直交する上下方向をZ方向とする。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る麺茹でシステム1は、飲食店の厨房エリアに設けられ、麺としての例えば、パスタ等の乾麺(すなわち、茹でる前の麺)を自動的に搬送して茹でるシステムである。麺茹でシステム1は、作業台2、支持壁3、麺供給装置4、テボ搬送機構5、麺茹で機6、湯切機7、コンベア8及びコントローラ9を備える。なお、コントローラ9は、麺供給装置4、テボ搬送機構5、麺茹で機6、湯切機7及びコンベア8とは電気的に接続されている。
【0013】
作業台2は、長手方向が第1水平方向に沿って延在するとともに幅方向が第2水平方向に沿って延在するように設けられている。
【0014】
支持壁3は、作業台2とは第2水平方向に沿って配列されるように設けられている。すなわち、支持壁3は、作業台2の一方側(ここでは、右側)に位置するように設けられている。
【0015】
麺供給装置4は、後述する収容部41に収容された乾麺を供給位置に載置された笊としてのテボTへ供給する乾麺供給装置である。麺供給装置4は、作業台2の一端側(ここでは、手前側)に設けられている。なお、麺供給装置4の詳細については後述する。
【0016】
テボ搬送機構5は、乾麺が投入(供給)されたテボTを供給位置から麺茹で機6に搬送し、かつ、麺が茹でられたテボTを湯切機7に搬送する搬送機構である。テボ搬送機構5は、支持壁3に支持されている。なお、テボ搬送機構5の詳細については後述する。
【0017】
麺茹で機6は、テボTへ投入された乾麺を所定温度の熱湯により茹でる茹で機である。また、麺茹で機6は、熱湯が収容される茹で槽(図示しない)と、茹で槽の開口を覆う天板61と、を有する。天板61には、テボTを挿入可能な複数(ここでは、12個)の茹で孔62が形成されている。複数の茹で孔62は、平面視においてマトリックス状に配列されている。
【0018】
湯切機7は、麺が茹でられたテボTを湯切する。湯切機7は、作業台2の他端側(ここでは、奥側)に設けられている。また、湯切機7は、テボTが載置される湯切座71と、麺が茹でられたテボTの熱湯を吸引するように湯切座71の中央に形成された吸引孔72と、を有する。そして、麺茹で機6(具体的には、茹で槽)は、麺供給装置4と湯切機7との間に位置するように作業台2の略中央位置に埋め込まれている。
【0019】
なお、湯切機7は、湯切座71に載置されたテボTを検出する第1検出部73(
図4参照)をさらに有する。この場合に、第1検出部73は、例えば、位置検出センサ又は荷重センサから構成されている。湯切機7は、このような第1検出部73を有することにより、湯切座71に載置されたテボTを検出し、コントローラ9は、当該検出結果に基づいて吸引孔72による吸引を行うように湯切機7を制御することができる。この結果、湯切りの自動化を容易に実現することができる。
【0020】
コンベア8は、第1水平方向に沿って延在するように作業台2の他方側(ここでは、左側)に設けられている。また、コンベア8は、作業台2の他端側に位置する回収位置と、作業台2の一端側に位置する供給位置と、を有し、回収位置に載置された空のテボTを供給位置へ搬送する。なお、本実施形態では、回収位置及び供給位置は、それぞれコンベア8の他端及びコンベア8の一端に形成されているが、これに限定されるものではない。
【0021】
なお、コンベア8は、回収位置に載置されたテボTを検出する第2検出部81(
図4参照)をさらに有する。この場合に、第2検出部81は、例えば、位置検出センサ又は荷重センサから構成されている。コンベア8は、このような第2検出部81を有することにより、回収位置に載置されたテボTを検出し、コントローラ9は、当該検出結果に基づいてテボTを供給位置へ移動させるようにコンベア8を制御することができる。この結果、テボTの自動移動を容易に実現することができる。
【0022】
さらに、コンベア8は、テボTが供給位置に移動されたか否かを検出する第3検出部82(
図4参照)をさらに有する。この場合に、第3検出部82は、例えば、位置検出センサから構成されている。
【0023】
コントローラ9は、麺茹でシステム1全体を制御する制御部である。本実施形態では、コントローラ9は、例えば、作業台2内に収容されている。具体的には、コントローラ9は、麺供給装置4、テボ搬送機構5、麺茹で機6、湯切機7及びコンベア8の各処理を制御する。なお、コントローラ9の詳細については後述する。
【0024】
(麺供給装置)
次に、
図1から
図3を参照しながら麺供給装置4の詳細について説明する。
【0025】
【0026】
図1から
図3に示すように、麺供給装置4は、収容部41、昇降部42、把持部43、開閉機構44、押上部45、昇降機構46、水平移動部47、トレイ部48及び水平移動機構49を有する。なお、コントローラ9は、開閉機構44、昇降機構46及び水平移動機構49と電気的に接続されている。
【0027】
収容部41は、第1水平方向に沿って配列された乾麺を収容するボックスである。収容部41は、上端に開口するようにコンベア8の一端と対向して設けられている。すなわち、収容部41とコンベア8とは、第1水平方向に沿って配列されている。
【0028】
昇降部42は、収容部41の上方に位置するように上下方向に沿って昇降可能に昇降機構46に支持されている。昇降部42は、平面視において略L字型に形成されている。略L字型の昇降部42の一端側は、昇降機構46の後述する第1スライダ464と連結されている。また、略L字型の昇降部42の他端側には、把持部43、開閉機構44及び押上部45が設けられている。これにより、把持部43、開閉機構44及び押上部45は、昇降部42と一体になって上下方向に沿って昇降する。
【0029】
把持部43は、乾麺を把持又は解放する部材である。把持部43は、収容部41の真上に位置するように昇降部42の他端側の下方に設けられている。把持部43は、第2水平方向に沿って並列に設けられた複数のポーショナーとしての把持クリップ431を有する。本実施形態では、複数の把持クリップ431は、第1ポーショナーとしての第1把持クリップ431a及び第2ポーショナーとしての第2把持クリップ431bから構成されているが、これに限定されるものではない。
【0030】
第1把持クリップ431aと第2把持クリップ431bとは、大きさが異なるように構成されている。すなわち、第1把持クリップ431aと第2把持クリップ431bとは、把持可能な乾麺の量を異ならせるように構成されている。換言すれば、複数の把持クリップ431は、把持可能な乾麺の量が異なるように構成されている。具体的には、第1把持クリップ431a及び第2把持クリップ431bは、それぞれ並盛(小)の量(第1所定量)の乾麺及び大盛(大)の量(第2所定量)の乾麺を把持する。これにより、収容部41から量の異なる乾麺を容易にテボTへ供給することができる。
【0031】
開閉機構44は、把持部43の各把持クリップ431を個別に開閉する駆動機構である。すなわち、第1把持クリップ431a及び第2把持クリップ431bのうちのいずれの開閉動作は、開閉機構44により行われている。開閉機構44は、昇降部42の他端側の下方に設けられている。
【0032】
押上部45は、トレイ部48を押し上げて揺動させる部材である。押上部45は、昇降部42の上面から突出するように昇降部42の他端側の側面に設けられている。なお、押上部45がトレイ部48を押し上げて揺動させる動作については後述する。
【0033】
昇降機構46は、昇降部42を上下方向に沿って昇降させる駆動機構である。昇降機構46は、そのハウジングとしての第1ハウジング461が上下方向に沿って延在するようにフレームFを介して作業台2に設けられている。
【0034】
また、昇降機構46は、駆動軸(図示しない)の軸線が上下方向に沿って延在するように第1ハウジング461の下端に固定された第1駆動モータ462と、上下方向に沿って延在するように第1駆動モータ462の駆動軸と連結された送りねじ463と、第1スライダ464と係合するように送りねじ463と並列に設けられた直進ガイドレール(図示しない)と、送りねじ463と螺合しつつ直進ガイドレールにガイドされる第1スライダ464と、を有する。
【0035】
そして、第1駆動モータ462を駆動させることにより、送りねじ463と螺合された第1スライダ464を直進ガイドレールに沿って移動させることができる。この結果、第1スライダ464と連結された昇降部42を上下方向に沿って昇降させることができる。
【0036】
本実施形態では、昇降機構46は、送りねじ463を用いて構成されているが、これに限定されるものではなく、昇降機能を実現するものであれば足りる。
【0037】
昇降部42は、昇降機構46の駆動により把持部43が収容部41内に入り込む把持位置までに下降する。これにより、把持部43は、収容部41に収容された乾麺を把持することができる。換言すれば、昇降部42は、把持位置に下降可能に構成されている。そして、昇降部42が把持位置に移動した場合に、押上部45(具体的には、押上部45の上端)は、トレイ部48の下方に位置する。
【0038】
また、昇降部42は、昇降機構46の駆動により把持部43(具体的には、把持部43の下端)がトレイ部48の上方に位置する投下位置までに上昇する。これにより、把持部43は、把持した乾麺をトレイ部48に投下することができる。換言すれば、昇降部42は、投下位置に上昇可能に構成されている。
【0039】
水平移動部47は、収容部41の上方に位置するように第2水平方向に沿って移動可能に水平移動機構49に支持されている。水平移動部47は、トレイ部48を上下揺動可能に支持している。また、水平移動部47は、平面視において略h字型に形成され、第2水平方向に沿って延在する第1水平フレーム471と、第1水平フレーム471と並列に設けられた第2水平フレーム472と、一端が第1水平フレーム471と連結されるとともに他端が第2水平フレーム472と連結されるように第1水平方向に沿って延在する第3水平フレーム473(
図2参照)と、を有する。
【0040】
第1水平フレーム471は、水平移動機構49の後述する第2スライダ493と連結されている。また、第1水平フレーム471には、トレイ部48が載置可能な第1載置面が形成されている。第2水平フレーム472は、トレイ部48が第2水平方向に沿って延在する軸線周りに揺動可能にトレイ部48とヒンジ接続されている。また、第2水平フレーム472には、トレイ部48が載置可能な第2載置面が形成されている。
【0041】
そして、トレイ部48は、押上部45により押し上げられていない場合に第1水平フレーム471の第1載置面及び第2水平フレーム472の第2載置面の両方に載置(支持)されている。これにより、トレイ部48は、水平移動部47と一体になって第2水平方向に沿って移動する。また、第1水平フレーム471と第2水平フレーム472との間には、押上部45が通可能なクリアランスが形成されている。すなわち、第1水平フレーム471と第2水平フレーム472とは、平面視において押上部45と重ならないように設けられている。
【0042】
第3水平フレーム473は、平面視においてトレイ部48と重ならないように設けられている。これにより、押上部45によるトレイ部48への押し上げが第3水平フレーム473により阻害されることを回避することができる。
【0043】
トレイ部48は、搬送された乾麺を一時的に保管する保管部であって、上下揺動可能に水平移動部47に支持されている。トレイ部48は、第2水平方向に沿って並列に設けられた複数のトレイ481を有する。複数のトレイ481は、それぞれ複数の把持クリップ431と対応する。なお、本実施形態では、複数のトレイ481は、第1トレイ481a及び第2トレイ481bから構成されているが、これに限定されるものではない。
【0044】
第1トレイ481a及び第2トレイ481bは、水平状態に第1水平フレーム471及び第2水平フレーム472の両方に載置された状態において、第1水平方向に沿って延在するように設けられている。また、第1トレイ481a及び第2トレイ481bのテボTに臨む一端のいずれにも、開口が形成されている。これにより、第1トレイ481a又は第2トレイ481bが押上部45により押し上げられて揺動された場合に、一時的に第1トレイ481a又は第2トレイ481bに保管された乾麺を当該開口を通じて供給位置に載置されたテボTへ投入することができる。
【0045】
第1トレイ481a及び第2トレイ481bは、いずれも第2水平フレーム472とヒンジ接続されている。これにより、第1トレイ481a又は第2トレイ481bが押上部45により押し上げられた場合に、第1トレイ481a又は第2トレイ481bは、第1水平フレーム471の第1載置面から離間する。また、第1トレイ481aと第2トレイ481bとは、大きさが異なるように構成されている。すなわち、第1トレイ481aと第2トレイ481bとは、異なる量の乾麺を一時的に保管する保管部である。具体的には、第1トレイ481a及び第2トレイ481bは、それぞれ並盛(小)に対応する量の乾麺及び大盛(大)に対応する量の乾麺を一時的に保管する。
【0046】
水平移動機構49は、水平移動部47を第2水平方向に沿って移動させる駆動機構である。本実施形態では、水平移動機構49は、そのハウジングとしての第2ハウジング491が第2水平方向に沿って延在するように支持壁3に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、ブラケットを介して作業台2に設けられてもよい。
【0047】
また、水平移動機構49は、駆動軸(図示しない)の軸線が第1水平方向に沿って延在するように第2ハウジング491に固定された第2駆動モータ492と、第2駆動モータ492の駆動軸に連結されたピニオン(図示しない)と、ピニオンと歯合するように第2水平方向に沿って延在するラック(図示しない)と、ラックと連結された第2スライダ493と、を有する。
【0048】
そして、第2スライダ493と連結されたラックは、第2駆動モータ492の駆動軸及びピニオンの回転により第2水平方向に沿って移動可能にガイドされる。この結果、第2スライダ493と連結された水平移動部47を第2水平方向に沿って移動させることができる。
【0049】
本実施形態では、水平移動機構49は、ピニオン及びラックを用いて構成されているが、これに限定されるものではなく、水平移動機能を実現するものであれば足りる。
【0050】
水平移動部47は、水平移動機構49の駆動により把持部43から離間する退避位置に水平移動する。そして、水平移動部47が退避位置に移動した場合に、平面視において、昇降部42、把持部43、開閉機構44及び押上部45は、いずれも水平移動部47(トレイ部48)と重ならないように設けられている。これにより、昇降部42が昇降する際に、昇降部42、把持部43、開閉機構44及び押上部45のいずれが水平移動部47(トレイ部48)と干渉することを回避することができる。換言すれば、水平移動部47が退避位置に移動した場合に、昇降部42は、把持部43がトレイ部48の上方又はトレイ部48の下方に位置するように昇降可能に構成されている。
【0051】
また、水平移動部47は、水平移動機構49の駆動によりトレイ部48が把持部43の真下に位置する載置位置に水平移動する。そして、水平移動部47が載置位置に移動した場合に、把持部43は、開閉機構44の駆動により開放することで、把持した乾麺を解放してトレイ部48に載置させる。これにより、把持部43により把持された乾麺を容易にトレイ部48に搬送して一時的に保管させることができる。
【0052】
具体的には、水平移動部47が載置位置に移動した場合に、第1トレイ481a及び第2トレイ481bは、それぞれ第1把持クリップ431aの真下及び第2把持クリップ431bの真下に位置する。これにより、乾麺の量に関わらず、水平移動部47を載置位置に移動させて第1把持クリップ431a又は第2把持クリップ431bを開放するだけで、第1把持クリップ431a又は第2把持クリップ431bにより把持された乾麺を第1トレイ481a又は第2トレイ481bに載置させることができるため、水平移動部47を複数の載置位置に移動させて把持クリップ431により把持された乾麺を第1トレイ481a又は第2トレイ481bに投下させるものに比べ、麺供給装置4の制御の簡素化を図ることができる。
【0053】
上述した説明によれば、把持部43により把持された乾麺をトレイ部48に移動させる麺移動手段は、昇降部42、昇降機構46、水平移動部47及び水平移動機構49から構成されている。
【0054】
また、水平移動部47は、水平移動機構49の駆動によりトレイ部48が押上部45の真上に位置する投入位置に水平移動する。そして、水平移動部47が投入位置に移動した場合に、昇降部42を昇降機構46の駆動により上昇することにより、押上部45は、トレイ部48(具体的には、第1水平フレーム471と第2水平フレーム472との間に位置するトレイ部48の部分)を押し上げて揺動させ、一時的にトレイ部48に保管された乾麺を、供給位置に載置されたテボTへ投入する。
【0055】
なお、投入位置は、第1トレイ481aが押上部45の真上に位置する第1投入位置と、第2トレイ481bが押上部45の真上に位置する第2投入位置と、を有する。そして、水平移動部47が第1投入位置に移動した場合に、昇降部42を上昇させることにより、押上部45は、第1トレイ481aを押し上げて揺動させる。一方、水平移動部47が第2投入位置に移動した場合に、昇降部42を上昇させることにより、押上部45は、第2トレイ481bを押し上げて揺動させる。これにより、単一の押上部45を上昇させるだけでも、一時的に第1トレイ481a又は第2トレイ481bに保管された乾麺を確実にテボTへ投入することができる。
【0056】
上述した説明によれば、一時的にトレイ部48に保管された乾麺を供給位置に載置されたテボTへ投入する麺投入手段は、昇降部42、押上部45、昇降機構46、水平移動部47及び水平移動機構49から構成されている。
【0057】
このような麺供給装置4によれば、乾麺を収容部41からトレイ481へ搬送するための昇降部42の上昇を活用することで、昇降部42と一体的に上昇する押上部45は、トレイ481を揺動させることができるため、一時的にトレイ481に保管された乾麺を素早く供給位置に載置されたテボTへ供給することができる。また、収容部41からトレイ481への乾麺の搬送は、昇降部42を昇降させるほか、水平移動部47を水平移動させるだけで行われるため、把持部43により把持された乾麺を容易にトレイ481に搬送して一時的に保管させることができる。この結果、麺供給装置4の動作の簡易化を図ることができる。さらに、昇降部42の昇降及び水平移動部47の水平移動を活用するだけで、収容部41からトレイ481への乾麺の搬送とトレイ481からテボTへの乾麺の供給との両方を容易に実現することができるため、三次元的な搬送による乾麺の供給に比べ、麺供給装置4の構成の簡易化を図ることができる。
【0058】
(テボ搬送機構)
次に、
図1及び
図2を参照しながらテボ搬送機構5の詳細について説明する。
【0059】
図1及び
図2に示すように、テボ搬送機構5は、第1水平搬送部51、第1搬送アームとしての第2水平搬送部52、第2搬送アームとしての上下搬送部53及び搬送ハンド54と、を有する。なお、コントローラ9は、第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53とは電気的に接続されている。
【0060】
第1水平搬送部51は、第2水平搬送部52を第1水平方向に沿って搬送させる。第1水平搬送部51は、そのハウジングとしての第3ハウジング511が第1水平方向に沿って延在するように支持壁3の上端に設けられている。
【0061】
また、第1水平搬送部51は、駆動軸(図示しない)の軸線が第2水平方向に沿って延在するように第3ハウジング511の一端に固定された第3駆動モータ512と、第3駆動モータ512の駆動軸と連結された第1駆動ローラ513と、回転可能に第3ハウジング511の他端に設けられた第1従動ローラ514と、第1駆動ローラ513と第1従動ローラ514との間に掛け渡された第1循環ベルト515と、第1循環ベルト515に固定された第3スライダ516と、を有する。
【0062】
第3スライダ516は、第2水平搬送部52の一端と連結されている。そして、第3駆動モータ512を駆動させることにより、第1循環ベルト515に固定された第3スライダ516を第1水平方向に沿って移動させることができる。この結果、第3スライダ516と連結された第2水平搬送部52を第1水平方向に沿って移動させることができる。
【0063】
第2水平搬送部52は、上下搬送部53を第2水平方向に沿って搬送させる。第2水平搬送部52は、そのハウジングとしての第4ハウジング521が第2水平方向に沿って延在するとともに第1水平方向に沿って移動可能に第1水平搬送部51の第3スライダ516に支持されている。
【0064】
また、第2水平搬送部52は、駆動軸(図示しない)の軸線が上下方向に沿って延在するように第4ハウジング521の一端に固定された第4駆動モータ522と、第4駆動モータ522の駆動軸と連結された第2駆動ローラ(図示しない)と、回転可能に第4ハウジング521の他端に設けられた第2従動ローラ(図示しない)と、第2駆動ローラと第2従動ローラとの間に掛け渡された第2循環ベルト(図示しない)と、第2循環ベルトに固定された第4スライダ523と、を有する。
【0065】
第4スライダ523は、上下搬送部53(具体的には、上下搬送部55の中央)と連結されている。そして、第4駆動モータ522を駆動させることにより、第2循環ベルトに固定された第4スライダ523を第2水平方向に沿って移動させることができる。この結果、第4スライダ523と連結された上下搬送部53を第2水平方向に沿って移動させることができる。
【0066】
上下搬送部53は、搬送ハンド54を上下方向に沿って搬送させる。上下搬送部53は、そのハウジングとしての第5ハウジング531が上下方向に沿って延在するとともに第2水平方向に沿って移動可能に第2水平搬送部52の第4スライダ523に支持されている。
【0067】
また、上下搬送部53は、駆動軸(図示しない)の軸線が第2方向に沿って延在するように第5ハウジング531の一端(下端)に固定された第5駆動モータ532と、第5駆動モータ532の駆動軸と連結された第3駆動ローラ(図示しない)と、回転可能に第5ハウジング531の他端(上端)に設けられた第3従動ローラ(図示しない)と、第3駆動ローラと第3従動ローラとの間に掛け渡された第3循環ベルト(図示しない)と、第3循環ベルトに固定された第5スライダ533と、を有する。
【0068】
第5スライダ533は、搬送ハンド54と連結されている。そして、第5駆動モータ532を駆動させることにより、第3循環ベルトに固定された第5スライダ533を上下方向に沿って移動させることができる。この結果、第5スライダ533と連結された搬送ハンド54を上下方向に沿って移動させることができる。
【0069】
以上のことから、第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53を用いることにより、搬送ハンド54の三次元の搬送を容易に実現することができる。
【0070】
本実施形態では、第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53は、いずれも、駆動ローラ、従動ローラ及び循環ベルトを用いて構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、昇降機構46と同様に、送りねじを用いて構成されてもよいし、水平移動機構49と同様に、ピニオン及びラックを用いて構成されてもよい。換言すれば、第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53は、直線搬送(移動)機能を実現するものであれば足りる。
【0071】
搬送ハンド54は、上下方向に沿って昇降可能に上下搬送部53の第5スライダ533に支持され、テボTと係脱可能な部材である。また、搬送ハンド54は、第5スライダ533と連結された連結部541と、連結部541の下端に設けられた一対の搬送爪542と、を有する。
【0072】
一対の搬送爪542は、テボTの開口の外周側に形成されたフランジと係脱可能に設けられている。具体的には、第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53を用いることにより、搬送ハンド54の一対の搬送爪542をテボTのフランジの下方に潜り込ませ、テボTを一対の搬送爪542により持ち上げることができるため、搬送ハンド54とテボTとの係合を容易に実現することができる。一方、テボ搬送機構5により所定箇所に搬送されたテボTに対し、同様に第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53を用いることにより、一対の搬送爪542をテボTのフランジから離間するように下降させることができるため、搬送ハンド54とテボTとの離脱を容易に実現することができる。
【0073】
このように、第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53を用いるだけで、搬送ハンド54とテボTとの係脱を容易に実現することができるため、一対の搬送爪542を開閉させるための駆動部を別途設ける必要がなく、テボ搬送機構5全体の簡易化を図ることができる。
【0074】
(コントローラ)
次に、
図4を参照しながらコントローラ9の詳細について説明する。
【0075】
図4は、コントローラ9及びコントローラ9に接続された要部構成を示すブロック図である。
【0076】
図4に示すように、コントローラ9は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)901,902を備えたマイクロコンピュータで構成される。また、コントローラ9は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0077】
また、
図4に示すように、コントローラ9は、互いに電気的に接続された入力インタフェース901、出力インタフェース902、記憶部903、判定部904、タイマー905、把持クリップ選択部907、昇降機構制御部908、水平移動機構制御部909、開閉機構制御部910、テボ搬送機構制御部911、麺茹で機制御部912、湯切機制御部913及びコンベア制御部914を有する。
【0078】
入力インタフェース901は、注文受付部10からの注文結果及び第1検出部73、第2検出部81及び第3検出部82からの検出結果が入力されるものである。
【0079】
昇降機構制御部908、水平移動機構制御部909、開閉機構制御部910、テボ搬送機構制御部911、麺茹で機制御部912、湯切機制御部913及びコンベア制御部914によってそれぞれ生成された各制御信号は、出力インタフェース902を通じてそれぞれ、開閉機構44、昇降機構46、水平移動機構49、テボ搬送機構5、麺茹で機6、湯切機7及びコンベア8へ出力される。
【0080】
記憶部903は、コントローラ9において実行される処理プログラム及びアルゴリズムプログラムを記憶するメモリである。記憶部903は、所定麺茹で時間としての所定時間を記憶している。また、記憶部903は、注文受付部10からの注文結果及び第1検出部73、第2検出部81及び第3検出部82からの検出結果を一時的に記憶する。なお、本実施形態では、記憶部903は、コントローラ9に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、コントローラ9とは別体に設けられてもよい。
【0081】
判定部904は、各制御処理に必要な判定を行う。タイマー905は、時間をカウントする。麺量特定部906は、注文した麺(パスタ等)の量(サイズ)を特定する。把持クリップ選択部907は、注文された麺の量(サイズ)に応じて複数の把持クリップ431から一つの把持クリップ431を選択する。
【0082】
昇降機構制御部908、水平移動機構制御部909、開閉機構制御部910、テボ搬送機構制御部911、麺茹で機制御部912、湯切機制御部913及びコンベア制御部914は、それぞれ開閉機構44、昇降機構46、水平移動機構49、テボ搬送機構5、麺茹で機6、湯切機7及びコンベア8の動作を制御する。なお、これらの詳細については後述する。
【0083】
(麺茹でシステムによる処理方法)
次に、
図1から
図8を参照しながら麺茹でシステム1による処理方法について説明する。
【0084】
図5は、麺茹でシステム1による処理方法を示すフローチャートである。
図6は、テボTが茹で機6に載置された状態を示す状態説明図である。
図7は、テボTが湯切機7に載置された状態を示す状態説明図である。
図8は、テボTがコンベア8の回収位置に載置された状態を示す状態説明図である。
【0085】
パワースイッチがユーザとしての店員によってオフからオンへ切り替えられると、麺茹でシステム1の制御処理が開始される。
【0086】
図5に示すように、まず、ステップS1において、顧客が自ら注文可能なタッチパネル又は店員が操作可能なオーダーからなる注文受付部10は、注文を受け付けてその注文結果を入力インタフェース901を介してコントローラ9の記憶部903、判定部904及び麺量特定部906へ出力する。
【0087】
次に、ステップS2において、判定部904は、注文受付部10から出力された注文結果に基づいて、注文結果に麺類(例えば、パスタ等)が含まれるか否かを判定する。そして、注文結果にパスタが含まれた場合(Yesの場合)にステップS3に進む。一方、注文結果に麺類(例えば、パスタ等)が含まれていない場合(Noの場合)にステップS1に戻る。
【0088】
次に、ステップS3において、麺供給装置4は、収容部41から乾麺を供給位置に載置されたテボTへ供給し、ステップS4に進む。なお、麺供給装置4による乾麺の供給処理の詳細については後述する。
【0089】
次に、ステップS4において、テボ搬送機構5は、テボTへ乾麺が供給された結果に基づいて、供給位置に載置されたテボTを麺茹で機6へ搬送し、ステップS5に進む。
【0090】
具体的には、ステップS4において、テボ搬送機構制御部911は、テボTへ乾麺が供給された結果に基づいて、供給位置に載置されたテボTをテボ搬送機構5により持ち上げる(すなわち、テボ搬送機構5の搬送ハンド54をテボTに係合させる)ための搬送制御信号を生成する。そして、テボ搬送機構制御部911は、生成した搬送制御信号を出力インタフェース902を介してテボ搬送機構5へ出力する。そして、テボ搬送機構5(具体的には、第3駆動モータ512、第4駆動モータ522及び第5駆動モータ532)は、テボ搬送機構制御部911から出力された搬送制御信号に基づいて、供給位置に載置されたテボTが搬送ハンド54により持ち上げられるように第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53を適宜移動させる。
【0091】
続いて、テボ搬送機構制御部911は、搬送ハンド54により持ち上げられたテボTを麺茹で機6の複数の茹で孔62のうちの一つに搬送するための搬送制御信号を生成する。そして、テボ搬送機構制御部911は、生成した搬送制御信号を出力インタフェース902を介してテボ搬送機構5へ出力する。そして、テボ搬送機構5(具体的には、第3駆動モータ512、第4駆動モータ522及び第5駆動モータ532)は、テボ搬送機構制御部911から出力された搬送制御信号に基づいて、搬送ハンド54により持ち上げられたテボTが麺茹で機6の複数の茹で孔62のうちの一つに搬送されるように第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53を適宜移動させる(
図6参照)。そして、茹で孔62に搬送されたテボTの乾麺は、麺茹で機制御部912から出力された茹で制御信号に基づいて熱湯の温度が所定温度となるように制御された麺茹で機6により茹でられる。
【0092】
次に、ステップS5において、タイマー905は、テボTが茹で孔62に搬送された結果に基づいて、麺茹で時間としての時間をカウントする。そして、タイマー905は、カウントした時間を判定部904へ出力し、ステップS6に進む。
【0093】
次に、ステップS6において、判定部904は、タイマー905から出力された時間が所定麺茹で時間に達するか否かを判定する。そして、時間が所定麺茹で時間に達した場合(Yesの場合/すなわち、麺が茹で上がった場合)に、ステップS7に進む。一方、時間が所定茹で時間に達していない場合(Noの場合/すなわち、麺が茹で上がっていない場合)に、ステップS5に戻る。
【0094】
次に、ステップS7において、テボ搬送機構5は、麺が茹でられたテボTを麺茹で機6の茹で孔62から湯切機7に搬送し、ステップS8に進む。
【0095】
具体的には、ステップS7において、テボ搬送機構制御部911は、麺が茹で上がった結果に基づいて、麺が茹でられたテボTを麺茹で機6の茹で孔62から湯切機7に搬送するための搬送制御信号を生成する。そして、テボ搬送機構制御部911は、生成した搬送制御信号を出力インタフェース902を介してテボ搬送機構5へ出力する。そして、テボ搬送機構5(具体的には、第3駆動モータ512、第4駆動モータ522及び第5駆動モータ532)は、テボ搬送機構制御部911から出力された搬送制御信号に基づいて、搬送ハンド54により持ち上げられたテボTが麺茹で機6の茹で孔62から湯切機7に搬送されるように第1水平搬送部51、第2水平搬送部52及び上下搬送部53を適宜移動させる(
図7参照)。
【0096】
次に、ステップS8において、湯切機7は、テボ搬送機構5により搬送されたテボTを湯切りし、ステップS9に進む。
【0097】
具体的には、ステップS8において、第1検出部73は、テボTが湯切座71に載置されたことを検出する。そして、第1検出部73は、その検出結果を入力インタフェース901を介して記憶部903及び湯切機制御部913へ出力する。そして、湯切機制御部913は、第1検出部73から出力された検出結果に基づいて、湯切りを行うための湯切機制御信号を生成する。そして、湯切機制御部913は、生成した湯切機制御信号を出力インタフェース902を介して湯切機7へ出力する。そして、湯切機7は、湯切機制御部913から出力された湯切機制御信号に基づいて、吸引孔72による吸引を行う(
図7参照)。そして、湯切りされたテボT内の麺(パスタ等)をフライパン等に投入して調理する。
【0098】
次に、ステップS9において、コンベア8は、回収位置に載置されたテボTを供給位置に移動(搬送)させ、麺茹でシステム1の制御処理を終了させる。
【0099】
具体的には、ステップS9において、第2検出部81は、テボT(具体的には、麺がフライパンに投入されて空となったテボT)が回収位置に載置されたことを検出する。そして、第2検出部81は、その検出結果を入力インタフェース901を介して記憶部903及びコンベア制御部914へ出力する。そして、コンベア制御部914は、第2検出部81から出力された検出結果に基づいて、当該テボTを回収位置から供給位置へ移動させるためのコンベア制御信号を生成する。そして、コンベア制御部914は、生成したコンベア制御信号を出力インタフェース902を介してコンベア8へ出力する。そして、コンベア8は、コンベア制御部914から出力されたコンベア制御信号に基づいて、回収位置に載置されたテボTを供給位置に移動させる(
図8参照)。
【0100】
このように、乾麺が供給されたテボTがテボ搬送機構5によりコンベア8の供給位置から麺茹で機6の茹で孔62に自動搬送され、麺が茹でられたテボTがテボ搬送機構5により麺茹で機6の茹で孔62から湯切機7に自動的に搬送され、空となったテボTがコンベア8の回収位置に載置されると、コンベア8の供給位置に自動搬送されるため、テボ搬送機構5及びコンベア8によりテボTを順にコンベア8の供給位置、麺茹で機6の茹で孔62、湯切機7、コンベア8の回収位置、コンベア8の供給位置へ循環させて自動移動(搬送)させることができる。この結果、麺茹でシステム1全体の自動化を向上させることができる。
【0101】
(麺供給処理)
次に、
図1から
図3及び
図9から
図14を参照しながら麺供給処理(ステップS3)の詳細について説明する。なお、ここでは、麺供給処理とは、麺供給装置4の麺投入手段によるトレイ部48からテボTへの乾麺供給処理及び麺供給装置4の麺移動手段による収容部41からトレイ部48への乾麺移動(補充)処理を含む。
【0102】
図9は、収容部41から乾麺をテボTへ供給する麺供給処理を示すフローチャートである。
図10は、水平移動部47が押上部45の真上に移動した状態を示す状態説明図である。
図11は、押上部45がトレイ部48を押し上げて揺動させた状態を示す状態説明図である。
図12は、水平移動部47が退避位置に移動し、把持クリップ431が水平移動部47の下方に移動してから乾麺を把持した状態を示す状態説明図である。
図13は、乾麺を把持した把持クリップ431がトレイ部48の上方に移動しつつ水平移動部47が載置位置に移動した状態を示す状態説明図である。
図14は、把持クリップ431により把持された乾麺をトレイ部48に載置させた状態を示す状態説明図である。
【0103】
図9に示すように、まず、ステップS301において、麺量特定部906は、注文受付部10から出力された注文結果に含まれた麺類の量(サイズ)を特定し、ステップS302に進む。
【0104】
具体的には、ステップS301において、麺量特定部906は、注文受付部10から出力された注文結果に含まれた麺類の量(サイズ)を特定する。そして、麺量特定部906は、特定した麺の量(サイズ)が含まれた量(サイズ)情報を把持クリップ選択部907及び水平移動機構制御部909へ出力する。
【0105】
次に、ステップS302において、判定部904は、第3検出部82からの検出結果に基づいて、テボTが供給位置に載置されたか否かを検討する。そして、テボTが供給位置に載置された場合(Yesの場合)に、その旨を通知する通知信号を昇降機構制御部908及び水平移動機構制御部909に出力し、ステップS303に進む。一方、テボTが供給位置に載置されていない場合(Noの場合)にステップS302を繰り返す。
【0106】
ステップS303において、麺投入手段は、一時的にトレイ部48に保管された乾麺をテボTへ投入し、ステップS304に進む。すなわち、第1トレイ481a及び第2トレイ481bのいずれにも、あらかじめ乾麺が一時的に保管されている。
【0107】
具体的には、ステップS303において、水平移動機構制御部909は、判定部904から出力された通知信号に基づいて、水平移動部47を退避位置から投入位置(具体的には、第1トレイ481a又は第2トレイ481bと対応する第1投入位置又は第2投入位置)に移動させるための水平動機構制御信号を生成する。そして、水平移動機構制御部909は、生成した水平移動機構制御信号を出力インタフェース902を介して水平移動機構49へ出力する。そして、
図10の矢印で示すように、水平移動機構49は、水平移動機構制御部909から出力された水平移動機構制御信号に基づいて、水平移動部47を退避位置から投入位置に水平移動させる。そして、水平移動部47が投入位置に移動した場合に、トレイ部48が押上部45の真上に位置する。具体的には、例えば、水平移動部47が第1投入位置に移動した場合に、第1トレイ481aが押上部45の真上に位置するものの、第2トレイ482と押上部45とは、平面視において重ならない。
【0108】
続いて、昇降機構制御部908は、昇降部42を押上部45がトレイ部48(第1トレイ481a又は第2トレイ481b)を押し上げて揺動させるように上昇させるための昇降機構制御信号を生成する。そして、昇降機構制御部908は、生成した昇降機構制御信号を出力インタフェース902を介して昇降機構46へ出力する。昇降機構46は、昇降機構制御部908から出力された昇降機構制御信号に基づいて、昇降部42を押上部45がトレイ部48(第1トレイ481a又は第2トレイ481b)を押し上げて揺動させる(
図11の矢印参照)ように上昇させる。この場合に、一時的にトレイ部48(第1トレイ481a又は第2トレイ481b)に保管された乾麺が、トレイ部48から滑り落ちて供給位置に載置されたテボTへ投入される。
【0109】
このように、ステップS303において、コントローラ9は、昇降部42の動作(すなわち、昇降)及び水平移動部47の動作(すなわち、水平移動)を制御することにより、一時的にトレイ部48(第1トレイ481a又は第2トレイ481b)に保管された乾麺を素早く供給位置に載置されたテボTへ投入することができる。すなわち、麺供給装置4の麺投入手段によるトレイ部48からテボTへの乾麺供給処理は、ステップS303からなる。
【0110】
次に、ステップS304において、把持クリップ選択部907は、麺量特定部906から出力された量(サイズ)情報に含まれた麺の量(サイズ)に基づいて、複数の把持クリップ431から一つの把持クリップ431を選択し、ステップS305に進む。換言すれば、把持クリップ選択部907は、注文された麺の量(サイズ)に応じた把持クリップ431(第1把持クリップ431a又は第2把持クリップ431b)を複数の把持クリップ431から選択する。
【0111】
具体的には、ステップS304において、把持クリップ選択部907は、麺量特定部906から出力された量(サイズ)情報に含まれた麺の量(サイズ)に基づいて、複数の把持クリップ431から一つの把持クリップ431を選択するための選択信号を生成する。そして、把持クリップ選択部907は、生成した選択信号を開閉機構制御部910へ出力する。
【0112】
次に、ステップS305において、開閉機構44は、選択した把持クリップ431を開閉させることにより、注文した麺の量(サイズ)に応じた乾麺を収容部41から把持し、ステップS306に進む。
【0113】
具体的には、ステップS305において、開閉機構制御部910は、把持クリップ選択部907から出力された選択信号に基づいて、選択した把持クリップ431のみを開閉させるための開閉機構制御信号を生成する。そして、開閉機構制御部910は、生成した開閉機構制御信号を出力インタフェース902を介して開閉機構44へ出力する。そして、開閉機構44は、開閉機構制御部910から出力された開閉機構制御信号に基づいて、選択した把持クリップ431のみを開閉させることにより、注文した麺の量(サイズ)に応じた乾麺を把持する。例えば、開閉機構44は、把持クリップ431を開閉させることにより、麺(パスタ)の並盛に応じた乾麺を把持する。
【0114】
このように、ステップS305において、コントローラ9は、注文された麺の量(サイズ)に応じて複数の把持クリップ431から一つの把持クリップ431を選択し、選択した把持クリップ431を開閉機構44により開閉させることにより、注文された麺の量(サイズ)に応じた乾麺を収容部41から自動的に把持することができる。
【0115】
次に、ステップS306において、麺移動手段は、把持クリップ431により把持された乾麺をトレイ部48へ搬送(移動/補充)させ、ステップS307に進む。
【0116】
具体的には、ステップS306において、水平移動機構制御部909は、水平移動部47を退避位置に水平移動させるための水平移動機構制御信号を生成する。そして、水平移動機構制御部909は、生成した水平移動機構制御信号を出力インタフェース902を介して水平移動機構49へ出力する。そして、
図12の矢印で示すように、水平移動機構49は、水平移動機構制御部909から出力された水平移動機構制御信号に基づいて、水平移動部47を退避位置に水平移動させる。これにより、平面視において、昇降部42、把持部43、開閉機構44及び押上部45と、水平移動部47及びトレイ部48とが干渉することがないため、昇降部42を把持部43がトレイ部48の上方に位置するように上昇させることができる。
【0117】
続いて、昇降機構制御部908は、昇降部42を把持部43がトレイ部48の上方に位置するように上昇させるための昇降機構制御信号を生成する。そして、昇降機構制御部908は、生成した昇降機構制御信号を出力インタフェース902を介して昇降機構46へ出力する。そして、昇降機構46は、昇降機構制御部908から出力された昇降機構制御信号に基づいて、昇降部42を把持部43がトレイ部48の上方に位置するように上昇させる。
【0118】
続いて、水平移動機構制御部909は、水平移動部47を退避位置から載置位置に移動させるための水平動機構制御信号を生成する。そして、水平移動機構制御部909は、生成した水平移動機構制御信号を出力インタフェース902を介して水平移動機構49へ出力する。そして、
図13の矢印で示すように、水平移動機構49は、水平移動機構制御部909から出力された水平移動機構制御信号に基づいて、水平移動部47を退避位置から載置位置に水平移動させる。そして、水平移動部47が載置位置に移動した場合に、トレイ部48が把持部43の真下に位置する(具体的には、第1トレイ481a及び第2トレイ481bがそれぞれ第1把持クリップ431aの真下及び第2把持クリップ431bの真下に位置する)。
【0119】
続いて、開閉機構制御部910は、選択した把持クリップ431を開放させるための開閉機構制御信号を生成する。そして、開閉機構制御部910は、生成した開閉機構制御信号を出力インタフェース902を介して開閉機構44へ出力する。そして、開閉機構44は、開閉機構制御部910から出力された開閉機構制御信号に基づいて、選択した把持クリップ431を開放させる。これにより、開閉機構44は、選択した把持クリップ431(具体的には、第1把持クリップ431a又は第2把持クリップ431b)を開放させるだけで、第1把持クリップ431a又は第2把持クリップ431bにより把持された乾麺を容易に第1トレイ481a又は第2トレイ481bに載置(補充)させることができる(
図14参照)。
【0120】
このように、ステップS306において、コントローラ9は、昇降部42の動作(すなわち、昇降)及び水平移動部47の動作(すなわち、水平移動)を制御することにより、把持部43により把持された乾麺を容易にトレイ部48に搬送(補充)させて一時的に保管することができる。すなわち、麺供給装置4の麺移動手段による収容部41からトレイ部48への乾麺移動(補充)処理は、ステップS304及びステップS306からなる。
【0121】
次に、ステップ307において、水平移動機構49及び昇降機構46は、押上部45をトレイ部48の下方に移動させるように動作し、ステップS308に進む。
【0122】
具体的には、ステップS307において、水平移動機構制御部909は、水平移動部47を載置位置から退避位置に移動させるための水平動機構制御信号を生成する。そして、水平移動機構制御部909は、生成した水平移動機構制御信号を出力インタフェース902を介して水平移動機構49へ出力する。そして、水平移動機構49は、水平移動機構制御部909から出力された水平移動機構制御信号に基づいて、水平移動部47を載置位置から退避位置に水平移動させる。これにより、平面視において、昇降部42、把持部43、開閉機構44及び押上部45と、水平移動部47及びトレイ部48とが干渉することがないため、昇降部42を押上部45がトレイ部48の下方に位置するように下降させることができる。
【0123】
続いて、昇降機構制御部908は、昇降部42を押上部45がトレイ部48の下方に位置するように下降させるための昇降機構制御信号を生成する。そして、昇降機構制御部908は、生成した昇降機構制御信号を出力インタフェース902を介して昇降機構46へ出力する。昇降機構46は、昇降機構制御部908から出力された昇降機構制御信号に基づいて、昇降部42を押上部45がトレイ部48の下方に位置するように下降させる。
【0124】
次に、ステップS308において、判定部904は、注文受付部10から出力された注文結果に基づいて、注文結果に他の麺類(例えば、パスタ等)が含まれるか否かを判定する。そして、注文結果にパスタが含まれた場合(Yesの場合)にステップS301に戻る。一方、注文結果に麺類(例えば、パスタ等)が含まれていない場合(Noの場合)に麺茹でシステム1による処理に戻る。
【0125】
(作用効果)
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
【0126】
本実施形態に係る麺供給装置4は、乾麺を供給位置に載置されたテボTへ供給する麺供給装置4であって、乾麺を収容する収容部41と、収容部41の上方に位置するように昇降可能に設けられ、乾麺を把持又は解放する把持部43が設けられた昇降部42と、第2水平方向に沿って移動可能に設けられ、搬送された乾麺を一時的に保管するトレイ部48が上下揺動可能に支持された水平移動部47と、トレイ部48を押し上げて揺動させることが可能であるように昇降部42に設けられた押上部45と、を備え、水平移動部47が把持部43から離間する退避位置に移動した場合に、昇降部42は、把持部43がトレイ部48の上方又はトレイ部48の下方に位置するように昇降可能に構成され、水平移動部47が、トレイ部48が把持部43の真下に位置する載置位置に移動した場合に、把持部43は、把持した乾麺を解放してトレイ部48に載置させ、水平移動部47が、トレイ部48が押上部45の真上に位置する投入位置に移動した場合に、昇降部42を上昇させることにより、押上部45は、トレイ部48を押し上げて揺動させ、一時的にトレイ部48に保管された乾麺をテボTへ投入する。
【0127】
また、本実施形態では、収容部41は、第2水平方向と直交する第1水平方向に沿って配列される乾麺を収容し、トレイ部48は、第2水平方向に沿って延在する軸線周りに揺動可能に水平移動部47に支持されている。
【0128】
これらの構成によれば、収容部41からトレイ部48への乾麺の搬送は、昇降部42を昇降させるほか、水平移動部47を水平移動させるだけで行われるため、把持部43により把持された乾麺を容易にトレイ部48に搬送して一時的に保管させることができる。また、乾麺を収容部41からトレイ部48へ搬送するための昇降部42の上昇を活用することで、昇降部42と一体的に上昇する押上部45は、トレイ部48を揺動させることができるため、一時的にトレイ部48に保管された乾麺を供給位置に載置されたテボTへ供給することができる。この結果、麺供給装置4の動作の簡易化を図ることができる。さらに、昇降部42の昇降及び水平移動部47の水平移動を活用するだけで、収容部41からトレイ部48への乾麺の搬送とトレイ部48からテボTへの乾麺の供給との両方を容易に実現することができるため、三次元的な搬送による乾麺の供給に比べ、麺供給装置4の構成の簡易化を図ることができる。
【0129】
また、本実施形態では、把持部43は、第1所定量の麺を把持する第1把持クリップ431aと、第2所定量の麺を把持する第2把持クリップ431bと、を有する。
【0130】
この構成によれば、収容部41から量の異なる乾麺を容易にテボTへ供給することができる。
【0131】
また、本実施形態では、トレイ部48は、第1所定量の乾麺を一時的に保管する第1トレイ481aと、第2所定量の乾麺を一時的に保管する第2トレイ481bと、を有し、第1トレイ481aと第2トレイ481bとは、第2水平方向に沿って並列に設けられ、第1把持クリップ431aと第2把持クリップ431bとは、第2水平方向に沿って並列に設けられ、水平移動部47が載置位置に移動した場合に、第1トレイ481a及び第2トレイ481bは、それぞれ第1把持クリップ431aの真下及び前記第2把持クリップ431bの真下に位置する。
【0132】
この構成によれば、乾麺の量に関わらず、水平移動部47を載置位置に移動させて第1把持クリップ431a又は第2把持クリップ431bを開放するだけで、第1把持クリップ431a又は第2把持クリップ431bにより把持された乾麺を第1トレイ481a又は第2トレイ481bに載置(補充)させることができるため、水平移動部47を複数の載置位置に移動させて把持クリップ431により把持された乾麺を第1トレイ481a又は第2トレイ481bに投下させるものに比べ、麺供給装置4の制御の簡素化を図ることができる。
【0133】
また、本実施形態では、投入位置は、第1トレイ481aが押上部45の真上に位置する第1投入位置と、第2トレイ481bが押上部45の真上に位置する第2投入位置と、を有し、水平移動部47が第1投入位置に移動した場合に、昇降部42を上昇させることにより、押上部45は、第1トレイ481aを押し上げて揺動させ、水平移動部47が第2投入位置に移動した場合に、昇降部42を上昇させることにより、押上部45は、第2トレイ481bを押し上げて揺動させる。
【0134】
この構成によれば、単一の押上部45を上昇させるだけでも、一時的に第1トレイ481a又は第2トレイ481bに保管された乾麺を確実にテボTへ投入することができる。また、トレイ481を揺動させるだけで、一時的にトレイ481に保管された乾麺を素早く供給位置に載置されたテボTへ供給することができる。
【0135】
以上、本実施形態及び各変形例について説明したが、上述した実施形態及び各変形例は、本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述した実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0136】
4 麺供給装置
41 収容部
42 昇降部
43 把持部
45 押上部
47 水平移動部
48 トレイ部
431a 第1把持クリップ(第1ポーショナー)
431b 第2把持クリップ(第2ポーショナー)
481a 第1トレイ
481b 第2トレイ
T テボ(笊)