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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147957
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20241009BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
B65H7/14
G03G15/00 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060742
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 極
【テーマコード(参考)】
2H072
3F048
【Fターム(参考)】
2H072AA09
2H072AA16
2H072AA23
2H072AA29
2H072CA01
2H072JA02
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA05
3F048BA07
3F048BB09
3F048BB10
3F048BD07
3F048CC01
3F048DC02
3F048DC12
3F048EB22
(57)【要約】
【課題】アクチュエータの復帰不良による誤検知を防ぐことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、用紙の通過に応じて信号を出力するセンサ90と、搬送経路に配置され、用紙の通過を検知する第1アクチュエータ70と、搬送される用紙の幅方向Wに沿って延伸され、第1アクチュエータ70を回動自在に軸支する回動軸71と、回動軸71に固定され、センサ90に検知される被検知部73と、搬送経路に配置され、第1アクチュエータ70を付勢する第2アクチュエータ80とを備える。第1アクチュエータ70は、搬送経路を遮る第1突出位置と、搬送経路から退避した第1退避位置との間を回動する構成とされる。第2アクチュエータ80は、第1アクチュエータ70を付勢して、第1退避位置から第1突出位置へ復帰させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路を搬送される用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
用紙の通過に応じて信号を出力するセンサと、
前記搬送経路に配置され、用紙の通過を検知する第1アクチュエータと、
搬送される用紙の幅方向に沿って延伸され、前記第1アクチュエータを回動自在に軸支する回動軸と、
前記回動軸に固定され、前記センサに検知される被検知部と、
前記搬送経路に配置され、前記第1アクチュエータを付勢する第2アクチュエータとを備え、
前記第1アクチュエータは、前記搬送経路を遮る第1突出位置と、前記搬送経路から退避した第1退避位置との間を回動する構成とされ、
前記第2アクチュエータは、前記第1アクチュエータを付勢して、前記第1退避位置から前記第1突出位置へ復帰させること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記第2アクチュエータは、前記回動軸に取り付けられ、前記搬送経路を遮る第2突出位置と、前記搬送経路から退避した第2退避位置との間を回動する構成とされていること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記搬送経路を用紙が通過する際、前記第2アクチュエータは、前記第1アクチュエータよりも先に用紙に当接して、前記第2突出位置から前記第2退避位置へ回動し、用紙が通過した後、前記第1アクチュエータよりも後に用紙から離間して、前記第2退避位置から前記第2突出位置へ回動すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記第2アクチュエータが前記第2退避位置から前記第2突出位置へ回動する角速度は、前記第1アクチュエータが前記第1退避位置から前記第1突出位置へ回動する角速度よりも遅いこと
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記幅方向において、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとは、隣接して配置されていること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記幅方向において、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとは、離間して配置され、
前記第2アクチュエータは、前記回動軸から突出した被付勢部を介して前記第1アクチュエータを付勢すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記幅方向において、前記第1アクチュエータと前記被検知部とは、離間して配置されていること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータは、前記幅方向において、搬送される最小サイズの用紙の範囲内に設けられていること
を特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送経路を搬送される用紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、用紙の搬送経路が設定されており、センサ等を配置して、用紙の搬送状況を確認している。用紙の検知方法については、用紙に直に接触するのが確実であり、このような接触式のセンサでは、一般的に、アクチュエータと組み合わせられている。アクチュエータは、通過する用紙に押されて回動する構成とされているが、過度に大きく回動することがあるので、これを解消する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-160455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置は、シート材(用紙)を給紙ローラと押圧板とによって挟持し、給紙ローラを回転させて給紙しており、シート材が押圧板上にセットされた時にはシート材検知位置に回動し、シート材が押圧板上にセットされてない時には自重によりシート材非検知位置に回動するアクチュエータと、アクチュエータがシート材検知位置を越えた位置に配設され、アクチュエータが過回動した時に、アクチュエータをシート材非検知位置側に押し返す反発部材とを有する。
【0005】
上述したように、従来の画像形成装置では、アクチュエータが過回動した際にだけ、反発部材がアクチュエータに作用しており、過回動を解消する機会が限られている。また、アクチュエータにおいては、過回動に限らず、他の部材に引っ掛かるなどして、動作が停止する場合があるが、従来の画像形成装置では、このような事態が想定されていないため、対処できないという問題がある。
【0006】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、アクチュエータの復帰不良による誤検知を防ぐことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る画像形成装置は、搬送経路を搬送される用紙に画像を形成する画像形成装置であって、用紙の通過に応じて信号を出力するセンサと、前記搬送経路に配置され、用紙の通過を検知する第1アクチュエータと、搬送される用紙の幅方向に沿って延伸され、前記第1アクチュエータを回動自在に軸支する回動軸と、前記回動軸に固定され、前記センサに検知される被検知部と、前記搬送経路に配置され、前記第1アクチュエータを付勢する第2アクチュエータとを備え、前記第1アクチュエータは、前記搬送経路を遮る第1突出位置と、前記搬送経路から退避した第1退避位置との間を回動する構成とされ、前記第2アクチュエータは、前記第1アクチュエータを付勢して、前記第1退避位置から前記第1突出位置へ復帰させることを特徴とする。
【0008】
本開示に係る画像形成装置では、前記第2アクチュエータは、前記回動軸に取り付けられ、前記搬送経路を遮る第2突出位置と、前記搬送経路から退避した第2退避位置との間を回動する構成としてもよい。
【0009】
本開示に係る画像形成装置では、前記搬送経路を用紙が通過する際、前記第2アクチュエータは、前記第1アクチュエータよりも先に用紙に当接して、前記第2突出位置から前記第2退避位置へ回動し、用紙が通過した後、前記第1アクチュエータよりも後に用紙から離間して、前記第2退避位置から前記第2突出位置へ回動する構成としてもよい。
【0010】
本開示に係る画像形成装置では、前記第2アクチュエータが前記第2退避位置から前記第2突出位置へ回動する角速度は、前記第1アクチュエータが前記第1退避位置から前記第1突出位置へ回動する角速度よりも遅い構成としてもよい。
【0011】
本開示に係る画像形成装置では、前記幅方向において、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとは、隣接して配置されている構成としてもよい。
【0012】
本開示に係る画像形成装置では、前記幅方向において、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとは、離間して配置され、前記第2アクチュエータは、前記回動軸から突出した被付勢部を介して前記第1アクチュエータを付勢する構成としてもよい。
【0013】
本開示に係る画像形成装置では、前記幅方向において、前記第1アクチュエータと前記被検知部とは、離間して配置されている構成としてもよい。
【0014】
本開示に係る画像形成装置では、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータは、前記幅方向において、搬送される最小サイズの用紙の範囲内に設けられている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によると、第1アクチュエータが停止して、第1突出位置へ戻らなくなった際、第2アクチュエータが付勢することで、第1突出位置へ復帰させることができ、第1アクチュエータの復帰不良による誤検知を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置の概略側面図である。
図2】用紙検知装置の概略斜視図である。
図3】用紙検知装置の概略平面図である。
図4】用紙検知装置の第1回動部および第2回動部近傍を拡大して示す拡大斜視図である。
図5】用紙検知装置の第1回動部および第2回動部近傍を拡大して示す拡大正面図である。
図6】用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その1)である。
図7】用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その2)である。
図8】用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その3)である。
図9】用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その4)である。
図10】本開示の第2実施形態に係る画像形成装置において、用紙検知装置の概略斜視図である。
図11】本開示の第2実施形態に係る画像形成装置において、用紙検知装置の概略平面図である。
図12】第1回動部および第2回動部近傍を拡大して示す拡大斜視図である。
図13】第1回動部および第2回動部近傍を示す模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置の概略側面図である。
【0019】
本開示の第1実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成を行う本体部と、上部に設けられた原稿読取部44および原稿搬送部45と、下部に設けられた給紙装置50とを備える。給紙装置50は、装置本体52と、装置本体52に挿入される給紙カセット51とで構成されている。
【0020】
原稿読取部44は、原稿が載置される原稿載置台43が上面に設けられており、原稿載置台43上の原稿の画像を読み取り、画像データを作成して画像形成装置1に伝達する。原稿搬送部45は、原稿載置台43の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿搬送部45は、画像形成装置1に対して回動自在に取り付けられており、回動させて原稿載置台43の上を開放することで、原稿を手置きで載置することができる。
【0021】
画像形成装置1の本体部には、露光装置11、現像装置12、感光体ドラム13、クリーニング装置14、帯電器15、中間転写ベルト21、定着装置17、排紙トレイ39、および搬送経路R1が設けられており、外部や原稿読取部44から伝達された画像データに応じて、所定の用紙に対して多色および単色の画像を形成する。
【0022】
画像形成装置1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置12、感光体ドラム13、帯電器15、クリーニング装置14は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0023】
感光体ドラム13は、画像形成装置1の略中央に配置されている。帯電器15は、感光体ドラム13の表面(周面)を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置11は、感光体ドラム13の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置12は、感光体ドラム13の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。クリーニング装置14は、現像および画像転写の後に感光体ドラム13の表面の残留トナーを除去および回収する。
【0024】
中間転写ベルト21は、矢符Cの方向へ周回移動し、中間転写ベルトクリーニング装置25によって残留トナーを除去および回収され、各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト21の表面にカラーのトナー像が形成される。
【0025】
画像形成装置1は、転写ローラ26aを含む2次転写装置26をさらに備えている。転写ローラ26aは、中間転写ベルト21との間にニップ域が形成されており、用紙搬送経路Sを通じて搬送されて来た用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写される。
【0026】
画像形成装置1は、給紙カセット51に蓄積された用紙を用いて画像形成を行う。給紙装置50は、露光装置11の下側に設けられている。また、排紙トレイ39は、原稿読取部44の下方に設けられており、画像形成済みの用紙を載置するためのトレイである。
【0027】
用紙は、ピックアップローラ33により給紙カセット51から引き出されて、S字状の搬送経路R1に供給される。搬送経路R1に沿って、さらに、搬送ローラ35、レジストローラ34、2次転写装置26、定着装置17、用紙検知装置60、および排紙ローラ36が配置されている。
【0028】
レジストローラ34は、給紙カセット51から搬送されている用紙を一旦保持し、感光体ドラム13上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで用紙を転写ローラ26aに搬送する。搬送ローラ35は、用紙の搬送を促進補助するための小型のローラである。
【0029】
定着装置17は、未定着のトナー像が形成された用紙を受け取り、加熱ローラ31と加圧ローラ32との間に、用紙を挟み込んで加熱および加圧し、用紙上のトナー像を定着させる。定着後の用紙は、排紙ローラ36によって排紙トレイ39上に排出される。排紙ローラ36の近傍には、用紙検知装置60が設けられている。なお、用紙検知装置60については、後述する図2および図3を参照して説明する。
【0030】
また、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排紙ローラ36から反転経路Rrへと逆方向に搬送して、用紙の表裏を反転させ、用紙をレジストローラ34へと再度導き、表面と同様にして裏面に画像形成を行い、用紙を排紙トレイ39へと搬出する。
【0031】
図2は、用紙検知装置の概略斜視図であって、図3は、用紙検知装置の概略平面図である。なお、図2および図3では、用紙検知装置60の要部を抜き出して示しており、用紙検知装置60は、他の部材を備えていてもよい。
【0032】
用紙検知装置60は、第1アクチュエータ70、第2アクチュエータ80、およびセンサ90を備えている。
【0033】
第1アクチュエータ70は、回動軸71、第1回動部72、および被検知部73を一体にして形成されている。回動軸71は、搬送経路R1を搬送される用紙の幅方向Wに沿って延伸されており、第1アクチュエータ70を回動自在に軸支する。つまり、回動軸71が回転した際、第1回動部72および被検知部73は、回動軸71を支点にして回動する。第1回動部72は、回動軸71から延伸された突起であって、搬送経路R1を通過する用紙に当接する。なお、搬送経路R1を通過する用紙と、第1回動部72の動作との関係については、後述する図6ないし図9を参照して説明する。
【0034】
被検知部73は、センサ90に応じた位置に設けられており、センサ90に作用する部分とされている。センサ90は、例えば、光センサとされ、発光部から照射した光が受光部に入射するかどうかを、信号として出力する。被検知部73は、回動軸71の回転に応じて、センサ90の光を遮る位置と、遮らない位置との間を回動し、センサ90は、被検知部73の位置に応じて、出力する結果が変わる。画像形成装置1では、センサ90からの信号によって、第1アクチュエータ70が回動した結果、どの位置に存在しているかを把握することができる。
【0035】
第1アクチュエータ70と被検知部73とは、幅方向Wで互いに離間した位置に配置されている。具体的に、第1アクチュエータ70は、回動軸71の一方の端部(図3では、上端)寄りに配置されており、被検知部73は、回動軸71の他方の端部(図3では、下端)寄りに配置されている。このように、被検知部73を第1アクチュエータ70から離間させて配置することで、第1アクチュエータ70の周囲に部材が密集することを避けられる。また、センサ90の位置に拘わらず、用紙に応じた位置に第1アクチュエータ70を配置することができる。
【0036】
第2アクチュエータ80は、軸接続部81および第2回動部82を有している。軸接続部81は、回動軸71に対して、回動自在に取り付けられている。第2回動部82は、軸接続部81から延伸された突起であって、搬送経路R1を通過する用紙に当接する。第2回動部82は、回動軸71を支点にして回動するが、軸接続部81が回動軸71に固定されていないので、回動軸71が回転しても、第2回動部82が回動するわけではない。
【0037】
図4は、用紙検知装置の第1回動部および第2回動部近傍を拡大して示す拡大斜視図であって、図5は、用紙検知装置の第1回動部および第2回動部近傍を拡大して示す拡大正面図である。
【0038】
第1アクチュエータ70(特に、第1回動部72)と第2アクチュエータ80(特に、第2回動部82)とは、幅方向Wにおいて、隣接して配置されている。本実施の形態において、第2アクチュエータ80は、2つの第2回動部82を有しており、第1回動部72を互いの間に挟むように、2つの第2回動部82が設けられている。このように、隣接して配置された第1アクチュエータ70と第2アクチュエータ80とは、用紙の略同じ部分に当接するので、用紙のサイズに左右されず、様々なサイズの用紙に対応することができる。また、第1回動部72を間に挟むようにして、2つの第2回動部82が設けられているので、意図したとおりに動くように、第1回動部72を支えることができる。
【0039】
2つの第2回動部82の下部には、両者の間を繋ぐ付勢当接部83が設けられている。付勢当接部83は、第2回動部82の下部から幅方向Wに延伸されており、第1回動部72の下方に位置している。
【0040】
次に、搬送経路R1を用紙が通過する際の第1回動部72および第2回動部82の動作について、図5の矢符A-Aでの断面に対応する図6ないし図9を参照して説明する。
【0041】
図6は、用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その1)である。
【0042】
図6では、用紙Pの先端Pfが第1回動部72および第2回動部82に当接する前の状態を示している。図6に示す状態において、搬送経路R1は、左方から右方へ延びており、回動軸71は、搬送経路R1の下方に位置している。なお、搬送経路R1と回動軸71との位置関係は、図6に示す状態に限定されず、搬送経路R1の形状に応じて、回動軸71を設ける位置を適宜調整してもよい。
【0043】
第1回動部72および第2回動部82は、回動軸71から斜め右上方に向かって延びており、一部が搬送経路R1を遮るように突出している。図6に示すように、第1回動部72については、搬送経路R1を遮る位置を第1突出位置として設定されており、第2回動部82については、搬送経路R1を遮る位置を第2突出位置として設定されている。
【0044】
第1アクチュエータ70には、図示しない付勢部材(例えば、バネ等)が取り付けられており、付勢部材からの付勢力によって、第1回動部72が下方から押し上げられている。その結果、第1回動部72は、第1突出位置に位置する状態を維持するように付勢されている。第1アクチュエータ70が回動する範囲については、適宜調整すればよく、第1回動部72が第1突出位置で停止するように、第1回動部72を受け止める規制部を設けてもよいし、付勢部材が伸び切った状態で、第1回動部72が第1突出位置に位置するように、付勢力を調整してもよい。
【0045】
第2アクチュエータ80にも、第1アクチュエータ70と同様に、図示しない付勢部材(例えば、バネ等)が取り付けられており、付勢部材からの付勢力によって、第2回動部82が下方から押し上げられている。その結果、第2回動部82は、第2突出位置に位置する状態を維持するように付勢されている。第2アクチュエータ80が回動する範囲についても、第1アクチュエータ70と同様にして、適宜調整すればよい。
【0046】
第1回動部72では、回動軸71から延伸された突起の先端に第1後端当接部72bが設けられており、突起の中程に第1先端当接部72aが設けられている。第1後端当接部72bは、回動軸71から離間した位置に設けられており、第1突出位置においては、最も上方に存在している。第1先端当接部72aは、第1突出位置において、搬送経路R1を遮る位置に存在している。また、第1回動部72の下部では、付勢当接部83に面する部分に付勢受け部72cが設けられている。図6に示す状態において、付勢受け部72cと付勢当接部83とは離間している。
【0047】
第2回動部82では、軸接続部81(回動軸71)から延伸された突起の先端に第2後端当接部82bが設けられており、突起の中程に第2先端当接部82aが設けられている。第2後端当接部82bは、回動軸71から離間した位置に設けられており、第2突出位置においては、最も上方に存在している。第2先端当接部82aは、第2突出位置において、搬送経路R1を遮る位置に存在している。
【0048】
用紙Pの搬送方向Hにおいては、第2先端当接部82aが第1先端当接部72aよりも上流に位置しており、用紙Pが搬送される際、第2先端当接部82aは、第1先端当接部72aよりも先に用紙Pに当接する。
【0049】
図7は、用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その2)である。
【0050】
図7は、図6に示す状態から、用紙Pが搬送方向Hに搬送されており、用紙Pの先端Pfが第1回動部72および第2回動部82に当接している。第2回動部82は、第2先端当接部82aが、第1先端当接部72aよりも先に用紙Pに当接した結果、矢符Dのように、下方へ押し下げられているが、依然として、第2先端当接部82aが搬送経路R1を遮っている。
【0051】
図7に示すように、第1回動部72は、第1先端当接部72aが用紙Pに当接しているので、用紙Pがさらに搬送方向Hに搬送されると、矢符Dのように、下方へ押し下げられる。
【0052】
図8は、用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その3)である。
【0053】
図8は、図7に示す状態から、用紙Pがさらに搬送方向Hに搬送されており、用紙Pの後端Pr近傍が第1回動部72および第2回動部82に当接している。用紙Pが搬送されるにつれて、第1回動部72および第2回動部82は、徐々に押し下げられていき、搬送経路R1から退避する。図8に示すように、第1回動部72については、搬送経路R1から退避した位置を第1退避位置として設定されており、第2回動部82については、搬送経路R1から退避した位置を第2退避位置として設定されている。
【0054】
第1回動部72は、第1退避位置に位置する際、第1後端当接部72bが搬送経路R1に面した位置に存在しており、搬送経路R1を通過する用紙Pに当接している。同様に、第2回動部82は、第2退避位置に位置する際、第2後端当接部82bが搬送経路R1に面した位置に存在しており、搬送経路R1を通過する用紙Pに当接している。
【0055】
用紙Pの搬送方向Hにおいては、第1後端当接部72bが第2後端当接部82bよりも上流に位置しており、搬送される用紙Pの後端Prは、第2後端当接部82bよりも先に、第1後端当接部72bの上を通過する。用紙Pの後端Prが通過して離間すると、第1回動部72は、付勢部材からの付勢力によって、矢符Uで示すように、上方へ押し上げられ、第1突出位置へ復帰するように回動する。また、第2回動部82も同様にして、用紙Pの後端Prが通過して離間すると、上方へ押し上げられ、第2突出位置へ復帰するように回動する。
【0056】
ところで、第1アクチュエータ70では、第1回動部72と被検知部73とが離間して設けられており、回動軸71が長くなっている。回動軸71が長くなると、反りなどが発生し、自身の回転の抵抗になることがあった。また、第1アクチュエータ70を形成した際のバリなどが生じることがあり、これが他の部材に引っ掛かったりして、回転を妨げることがあった。第1アクチュエータ70は、付勢部材に付勢されているが、付勢力(荷重)が強くなると、用紙Pの搬送の妨げとなるため、軽い荷重とすることが好ましいが、荷重を軽くすると、上述した要因によって回転を妨げられることで、復帰不良となることがあった。これに対し、本実施の形態では、第2アクチュエータ80が第1アクチュエータ70を付勢することで、第1突出位置へ復帰させるようにしている。
【0057】
図9は、用紙が通過する際の第1回動部および第2回動部の位置を示す模式断面図(その4)である。
【0058】
図9は、図8に示す状態から、用紙Pがさらに搬送方向Hに搬送されており、用紙Pの後端Prが第1回動部72および第2回動部82を通過している。図9では、上述した要因によって、用紙Pが離間しても、第1回動部72が第1退避位置で停止した状態を示している。この際、第2回動部82は、用紙Pが離間すると、回動軸71の状態に拘わらず回動するので、付勢部材によって上方(矢符Uで示す方向)へ押し上げられる。第1回動部72が停止した状態で、第2回動部82が押し上げられると、付勢当接部83が付勢受け部72cに当接し、第2回動部82がさらに回動することで、第1回動部72を付勢する。第2回動部82からの付勢(衝撃)によって、第1回動部72が押し上げられ、第1突出位置へ復帰するように回動する。
【0059】
このように、第1アクチュエータ70が停止して、第1突出位置へ戻らなくなった際、第2アクチュエータ80が付勢することで、第1突出位置へ復帰させることができ、第1アクチュエータ70の復帰不良による誤検知を防ぐことができる。
【0060】
上述したように、搬送経路R1を用紙Pが通過する際、第2アクチュエータ80は、第1アクチュエータ70よりも先に用紙Pに当接して、第2突出位置から第2退避位置へ回動し、用紙Pが通過した後、第1アクチュエータ70よりも後に用紙Pから離間して、第2退避位置から第2突出位置へ回動する構成とされている。このように、第1アクチュエータ70と第2アクチュエータ80とで、搬送経路R1から退避するタイミングがずれているので、用紙Pが第1アクチュエータ70を押圧する際の負荷を軽減することができる。また、第1アクチュエータ70と第2アクチュエータ80とで、復帰するタイミングがずれているので、第1アクチュエータ70の復帰不良時に効率良く衝撃を与えることができる。
【0061】
本実施の形態において、第2アクチュエータ80は、回動軸71に取り付けられ、搬送経路R1を遮る第2突出位置と、搬送経路R1から退避した第2退避位置との間を回動する構成とされている。このように、第2アクチュエータ80を回動軸71に取り付けることで、第1アクチュエータ70に近づけた配置とすることができ、用紙Pが通過する際に回動するタイミングのズレを小さくすることができる。なお、これに限定されず、第2アクチュエータ80が回動軸71とは異なる部分に軸支された構成としてもよい。
【0062】
また、第1アクチュエータ70および第2アクチュエータ80では、自身の重さや付勢部材の荷重などを調整して、それぞれが回動する角速度を調整してもよい。具体的に、第2アクチュエータ80が第2退避位置から第2突出位置へ回動する角速度が、第1アクチュエータ70が第1退避位置から第1突出位置へ回動する角速度よりも遅く設定されていることが好ましい。このように、第2アクチュエータ80の角速度を遅くすることで、第1アクチュエータ70よりも遅れて復帰するようになり、第1アクチュエータ70に効率良く衝撃を与えることができる。
【0063】
さらに、第1アクチュエータ70および第2アクチュエータ80は、幅方向Wにおいて、搬送される最小サイズの用紙の範囲内に設けられていることが好ましい。このように、第1アクチュエータ70および第2アクチュエータ80の位置を調整することで、画像形成装置1で適用される最小サイズの用紙であっても、搬送経路R1を通過したことを検知できる。
【0064】
図2ないし図5では、2つの第2回動部82を有する第2アクチュエータ80を示したが、これに限定されず、第2回動部82が1つであってもよい。この際、付勢当接部83は、第2回動部82から第1回動部72の下方に位置するように延伸された突起とされていればよい。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0066】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、第1アクチュエータ70および第2アクチュエータ80の構造が異なっている。なお、第2実施形態は、図1ないし図9に示す第1実施形態と略同様の構成とされているので、説明を省略し、異なる点のみ説明する。
【0067】
図10は、本開示の第2実施形態に係る画像形成装置において、用紙検知装置の概略斜視図であって、図11は、本開示の第2実施形態に係る画像形成装置において、用紙検知装置の概略平面図であって、図12は、第1回動部および第2回動部近傍を拡大して示す拡大斜視図であって、図13は、第1回動部および第2回動部近傍を示す模式側面図である。なお、図10ないし図13では、用紙検知装置60の要部を抜き出して示しており、用紙検知装置60は、他の部材を備えていてもよい。
【0068】
第2実施形態は、第1実施形態に対し、第1回動部72および第2回動部82近傍の構造が異なっている。具体的に、幅方向Wにおいて、第1回動部72と第2回動部82とは、離間して配置されている。そして、第1アクチュエータ70には、回動軸71から突出した被付勢部74が設けられている。被付勢部74は、第2回動部82の近傍に設けられている。第2回動部82には、被付勢部74の下方に位置するように延伸された付勢当接部83が設けられている。第2アクチュエータ80は、付勢当接部83および被付勢部74を介して第1アクチュエータを付勢する構成とされている。
【0069】
上述したように、第1アクチュエータ70から離間させた位置に第2アクチュエータ80を配置することで、第1アクチュエータ70の周囲に部材が密集することを避けられ、簡素な構造とすることができる。
【0070】
第2実施形態では、先ず、用紙Pの先端Pfが第2先端当接部82aに当接して、第2回動部82が回動を開始する。そして、時間差を空けて、用紙Pの先端Pfが第1先端当接部72aに当接して、第1回動部72が回動を開始する。その後、用紙Pが第1後端当接部72bに到達する前に、被付勢部74と付勢当接部83とが接触し、第2回動部82は、用紙Pに当接していなくても、第1回動部72に押圧されて伴に回動するようになる。
【0071】
用紙Pの後端Prが第1後端当接部72bの上を通過すると、第1回動部72は、第1突出位置へ復帰するように回動(復元)し、第2回動部82は、第1回動部72よりも遅い角速度で復元を開始し、第2後端当接部82bが用紙Pに当接するまで復元する。さらに、用紙Pの後端Prが第2後端当接部82bの上を通過すると、第2回動部82は、復元を再開する。
【0072】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成装置
60 用紙検知装置
70 第1アクチュエータ
71 回動軸
72 第1回動部
73 被検知部
74 被付勢部
80 第2アクチュエータ
81 軸接続部
82 第2回動部
83 付勢当接部
90 センサ
R1 搬送経路
W 幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13