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  • 特開-電動モータの駆動制御装置 図1
  • 特開-電動モータの駆動制御装置 図2
  • 特開-電動モータの駆動制御装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148001
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】電動モータの駆動制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 25/22 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
H02P25/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060847
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】服部 幸男
(72)【発明者】
【氏名】坂下 登美夫
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505AA16
5H505CC04
5H505DD06
5H505EE08
5H505EE41
5H505EE49
5H505HB01
5H505HB05
5H505LL22
5H505LL55
5H505MM12
5H505MM13
(57)【要約】
【課題】バックアップ系統を設けることによる回路やシステム規模の増大を抑制し、小型化と低コスト化が図れる、電動モータの駆動制御装置を提供する。
【解決手段】電動モータの駆動制御装置は、複数のメイン駆動系統11,12と、バックアップ回路部15と、切替回路14-1~14-6とを備える。複数のメイン駆動系統は、通電相巻線に駆動電流を供給する駆動回路部と、この駆動回路部を制御する制御回路部とをそれぞれが有する。バックアップ回路部は、駆動回路部の少なくとも一部をバックアップし、切替回路は、駆動回路部の少なくとも一部をバックアップ回路部に切り替えるものである。そして、駆動回路部の少なくとも一部をバックアップ回路部で置換したときに、このバックアップ回路部を、一部の置換が行われた駆動回路部に対応する制御回路部により制御する、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多相の通電相巻線を複数組有する電動モータを、前記通電相巻線に駆動電流を供給する駆動回路部と、この駆動回路部を制御する制御回路部とをそれぞれが有する複数のメイン駆動系統で駆動する駆動制御装置であって、
前記駆動回路部の少なくとも一部をバックアップするバックアップ回路部と、
前記駆動回路部の少なくとも一部を前記バックアップ回路部に切り替える切替回路とを設け、
前記駆動回路部の少なくとも一部を前記バックアップ回路部で置換したときに、このバックアップ回路部を、一部の置換が行われた前記駆動回路部に対応する前記制御回路部により制御する、ことを特徴とする電動モータの駆動制御装置。
【請求項2】
前記複数のメイン駆動系統の駆動回路部はそれぞれ、多相ブリッジ回路を備え、
前記バックアップ回路部は、ハーフブリッジ回路を備え、
前記切替回路は、前記多相ブリッジ回路の故障した通電相を、前記ハーフブリッジ回路に置換する切り替えを行う、ことを特徴とする請求項1に記載の電動モータの駆動制御装置。
【請求項3】
前記ハーフブリッジ回路の相数は、前記メイン駆動系統の多相ブリッジ回路におけるハーフブリッジ回路の相数よりも少ない、ことを特徴とする請求項2に記載の電動モータの駆動制御装置。
【請求項4】
前記バックアップ回路部は、ハーフブリッジ回路を備え、当該ハーフブリッジ回路は、前記切替回路を介して、前記複数のメイン駆動系統の多相ブリッジ回路の駆動信号の入力配線と通電相巻線に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電動モータの駆動制御装置。
【請求項5】
故障相を検出したとき、前記切替回路は、メイン駆動系統の多相ブリッジ回路の前記故障した通電相を切り離し、前記ハーフブリッジ回路を故障相に接続する、ことを特徴とする請求項2に記載の電動モータの駆動制御装置。
【請求項6】
前記メイン駆動系統に故障相がある場合に、当該メイン駆動系統の正常相は、前記ハーフブリッジ回路とともに動作を継続する、ことを特徴とする請求項2に記載の電動モータの駆動制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多相の通電相巻線を複数組有する電動モータを、複数のメイン駆動系統で駆動する、電動モータの駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メイン系統とバックアップ系統のモータ駆動回路を備えたモータ制御装置が記載されている。各モータ駆動回路は、ゲート駆動回路とインバータ回路とで構成される。そして、メイン系統に異常が発生した場合に、バックアップ系統のモータ駆動回路からモータ巻線にメイン系統と同様の通電パターン(UVW相)で通電し、電動モータの駆動を継続させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/129271号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両のステアリング操作を電動モータでアシストするEPS(Electric Power Steering)システムにおいては、自動運転機能の採用拡大に伴い、「急なアシスト喪失」を回避するために、モータ駆動回路を2系統化した駆動制御装置が開発され、普及し始めている。そして、自動運転レベル5の完全自動運転、SBWS(Steer-by-Wire System)への対応を見据えて、制御系統の2重化から3重化へのニーズが高まりつつある。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように単純に多重化すると、回路やシステムの規模の増大により実装部品数が増加し、ECU(Electronic Control Unit)の回路基板の大型化とコストの上昇を招く、という課題がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、バックアップ系統を設けることによる回路やシステム規模の増大を抑制し、小型化と低コスト化が図れる、電動モータの駆動制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、多相の通電相巻線を複数組有する電動モータを、前記通電相巻線に駆動電流を供給する駆動回路部と、この駆動回路部を制御する制御回路部とをそれぞれが有する複数のメイン駆動系統で駆動する駆動制御装置であって、前記駆動回路部の少なくとも一部をバックアップするバックアップ回路部と、前記駆動回路部の少なくとも一部を前記バックアップ回路部に切り替える切替回路とを設け、前記駆動回路部の少なくとも一部を前記バックアップ回路部で置換したときに、このバックアップ回路部を、一部の置換が行われた前記駆動回路部に対応する前記制御回路部により制御する、ことを特徴とする電動モータの駆動制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、バックアップ系統を制御するための制御回路部として、メイン駆動系統の少なくとも一部の置換が行われた駆動回路部に対応する制御回路部を利用する。これによって、バックアップ系統の制御回路部を省略して最小構成とすることができ、回路やシステム規模の増大を抑制できる。
従って、バックアップ系統を設けることによる回路やシステム規模の増大を抑制し、小型化と低コスト化が図れる、電動モータの駆動制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る電動モータの駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。
図2図1に示した電動モータの駆動制御装置において、第2メイン駆動系統の三相ブリッジ回路のV相に異常または故障が有る場合のバックアップ動作について説明するためのブロック図である。
図3図1に示した電動モータの駆動制御装置を、車両のEPSシステムに適用する場合のバックアップ動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動モータの駆動制御装置の概略構成を示している。駆動制御装置10は、電動モータMを駆動する第1、第2メイン駆動系統11,12と、一方のメイン駆動系統に異常が発生したときに、電動モータMの駆動を継続するためのバックアップ回路部15とを備えている。電動モータMは、2系統巻線モータであり、2つの系統の巻線配列が異なっている。バックアップ回路部15は、ハーフブリッジ回路13と切替回路14-1,14-2で構成される。これらメイン駆動系統11,12とハーフブリッジ回路13は、直流電源16から印加される電源電圧VBによって動作する。
【0011】
メイン駆動系統11は、電源IC(電源回路)21、マイクロコンピュータ(マイコン)22、プリドライバ23、三相ブリッジ回路(インバータ回路)24、及び切替回路14-3,14-4等を含んで構成される。電源IC21は、直流電源16から印加される電源電圧VBを降圧して、マイクロコンピュータ22とプリドライバ23の動作電源電圧を生成する。マイクロコンピュータ22は、電動モータMの第1系統の巻線組を駆動するために、プリドライバ23を介して三相ブリッジ回路24を駆動するための制御信号を生成する。この制御信号により電動モータMの第1系統の巻線組を、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御するようになっている。
【0012】
メイン駆動系統11において、三相ブリッジ回路24は通電相巻線に駆動電流を供給する駆動回路部であり、マイクロコンピュータ22とプリドライバ23は駆動回路部を制御する制御回路部である。
【0013】
切替回路14-3,14-4はそれぞれ、UVW各相の配線に接続されたリレーやスイッチ素子で構成される。ここでは、半導体スイッチ素子であるMOSFETを用いており、マイクロコンピュータ22によりオン/オフ制御される。
なお、通常動作時(故障や異常がない場合)には、これら切替回路14-3,14-4を構成するMOSFETは全てオンしている。
【0014】
メイン駆動系統12は、メイン駆動系統11と同様に、電源IC(電源回路)31、マイクロコンピュータ32、プリドライバ33、三相ブリッジ回路(インバータ回路)34、及び切替回路14-5,14-6等を含んで構成される。電源IC31は、直流電源16から印加される電源電圧VBを降圧して、マイクロコンピュータ32とプリドライバ33の動作電源電圧を生成する。マイクロコンピュータ32は、電動モータMの第2系統の巻線組を駆動するために、プリドライバ33を介して三相ブリッジ回路34を駆動するための制御信号を生成する。この制御信号により電動モータMの第2系統の巻線組を、例えばPWM制御するようになっている。
【0015】
メイン駆動系統12において、三相ブリッジ回路34は通電相巻線に駆動電流を供給する駆動回路部であり、マイクロコンピュータ32とプリドライバ33は駆動回路部を制御する制御回路部である。
【0016】
切替回路14-5,14-6はそれぞれ、UVW各相の配線に接続されたリレーやスイッチ素子で構成される。ここでは、半導体スイッチ素子であるMOSFETを用いており、マイクロコンピュータ32によりオン/オフ制御される。
なお、通常動作時には、これら切替回路14-5,14-6を構成するMOSFETは全てオンしている。
【0017】
切替回路14-1は、第1メイン駆動系統11側のスイッチ部14-1aと第2メイン駆動系統12側のスイッチ部14-1bとを有し、切替回路14-2は、第1メイン駆動系統11側のスイッチ部14-2aと第2メイン駆動系統12側のスイッチ部14-2bとを有している。スイッチ部14-1a,14-1b,14-2a,14-2bはそれぞれ、各相の配線に接続されたリレーやスイッチ素子で構成される。ここでは、半導体スイッチ素子であるMOSFETを用いており、例えばスイッチ部14-1a,14-2aを構成するMOSFETは、マイクロコンピュータ22によりオン/オフ制御される。また、スイッチ部14-1b,14-2bを構成するMOSFETは、マイクロコンピュータ32によりオン/オフ制御される。
【0018】
なお、通常動作時には、これら切替回路14-1,14-2を構成するMOSFETは全てオフしている。この結果、バックアップ用のハーフブリッジ回路13は、メイン駆動系統11,12から切り離されている。
【0019】
ハーフブリッジ回路13は、メイン駆動系統の駆動回路部としての三相ブリッジ回路24,34の一部を置換するバックアップ回路部として働くものである。このハーフブリッジ回路13は、三相ブリッジ回路24または34における1相分のハーフブリッジで構成される。メイン駆動系統11の三相ブリッジ回路24に故障相がある場合には、マイクロコンピュータ22からプリドライバ23、切替回路14-1のスイッチ部14-1aを介してハーフブリッジ回路13に制御信号が入力される。そして、切替回路14-2のスイッチ部14-2aを介して、メイン駆動系統11の故障相のモータ巻線にPWM信号を出力する。
【0020】
一方、メイン駆動系統12の三相ブリッジ回路34に故障相がある場合には、マイクロコンピュータ32からプリドライバ33、切替回路14-1のスイッチ部14-1bを介してハーフブリッジ回路13に制御信号が入力される。そして、切替回路14-2のスイッチ部14-2bを介して、メイン駆動系統12の故障相のモータ巻線にPWM信号を出力する。
【0021】
次に、上記のような構成において、メイン駆動系統に故障(または異常)が発生したときに、バックアップ系統に切り替えて駆動を継続する動作について図2により説明する。図2は、図1に示した電動モータの駆動制御装置において、第2メイン駆動系統12の三相ブリッジ回路34のV相に故障または異常が有る場合のバックアップ動作について説明するためのブロック図である。
【0022】
上述したように、通常動作状態(故障または異常がない状態)では、マイクロコンピュータ22により切替回路14-3,14-4を構成するMOSFETは全てオン状態に制御され、切替回路14-1のスイッチ部14-1aを構成するMOSFETは全てオフ状態、切替回路14-2のスイッチ部14-2aを構成するMOSFETは全てオフ状態に設定される。また、マイクロコンピュータ32により切替回路14-5,14-6を構成するMOSFETは全てオン状態に制御され、切替回路14-1のスイッチ部14-1bを構成するMOSFETは全てオフ状態、切替回路14-2のスイッチ部14-2bを構成するMOSFETは全てオフ状態に設定される。これによって、電動モータMが第1、第2メイン駆動系統11,12により、PWM制御で駆動される。
【0023】
これに対し、マイクロコンピュータ32が第2メイン駆動系統の三相ブリッジ回路34のV相の故障または異常(図2に×印で示す)を検出すると、このマイクロコンピュータ32により三相ブリッジ回路34のV相の配線に接続されたMOSFET14-5VとMOSFET14-6Vがオン状態からオフ状態に切り替えられる。また、切替回路14-1におけるスイッチ部14-1bのV相の配線に接続されたMOSFET14-1bVと、切替回路14-2におけるスイッチ部14-2bのV相の配線に接続されたMOSFET14-2bVがオフ状態からオン状態に切り替えられる。
【0024】
そして、マイクロコンピュータ32からハーフブリッジ回路13に、破線の矢印で示すように、三相ブリッジ回路34のV相に対応するPWM信号を供給して制御する。
これによって、バックアップ系統のハーフブリッジ回路13のX相を三相ブリッジ回路34において異常が発生したV相のインバータ回路に置き換えて、電動モータMの駆動を継続させることができる。
【0025】
図3は、図1に示した電動モータの駆動制御装置を、車両のEPSシステムに適用する場合のバックアップ動作のフローチャートである。ここでは、EPSシステムにおけるアシスト用の電動モータ(2系統巻線モータ)を第1、第2メイン駆動系統11,12で駆動し、一方の駆動系統に故障または異常が発生したときに、バックアップ回路部15に切り替えて駆動を継続する場合を例に取って説明する。
【0026】
まず、車両のイグニッションスイッチ(IGN SW)がオンされると(ステップS1)、各メイン駆動系統11,12の初期診断を実行する(ステップS2)。次のステップS3では、三相ブリッジ回路24,34が正常か否か判断し、正常であると判断すると、図示しない電源用のリレーをオンして制御を開始する(ステップS4)。
【0027】
続いて、指令を受信し(ステップS5)、車両の転舵角を検出する(ステップS6)。次に、メイン駆動系統11,12の故障検出(または異常検出)を実行する(ステップS7)。この故障検出結果に基づき、三相ブリッジ回路24,34が正常か否かを判断する(ステップS8)。
【0028】
ステップS8で正常であると判断されると、フィードバック処理を実行し(ステップS9)、電動モータMの各巻線組に供給する電流を算出する(ステップS10)。
次のステップS11ではアシスト用の電動モータMのベクトル制御のための演算を行い、ステップS12ではPWM信号を生成するためのデューティ(DUTY)演算を行う。そして、これらの演算結果に基づきPWM信号を出力する(ステップS13)。
【0029】
一方、ステップS3、あるいはステップS8で三相ブリッジ回路24または34が異常であると判断された場合には、故障している三相ブリッジ回路の故障相をバックアップ用のハーフブリッジ回路13に置換する(ステップS14)。続いて、故障している三相ブリッジ回路を駆動するマイクロコンピュータのPWM設定を行い(ステップS15)、PWM信号の入力切替を行う(ステップS16)。
【0030】
すなわち、故障相を切り離してハーフブリッジ回路に置換する。この置換は、上述したように切替回路を構成するMOSFETのオン/オフ制御により行われる。そして、三相ブリッジ回路の故障相に代えてバックアップ用のハーフブリッジ回路13に対する制御を行うことで、電動モータMに対する制御を継続する。
【0031】
その後、ステップS17でイグニッションスイッチ(IGN SW)がオフされたか判断し、オフされた場合には終了し、オフされていない場合にはステップS5に戻って、イグニッションスイッチがオフされるまで、ステップS5からステップS16の動作を繰り返す。
【0032】
上記のような構成の電動モータの駆動制御装置によれば、バックアップ系統のマイクロコンピュータやプリドライバをメイン駆動系統と共用して最小構成とすることができる。マイクロコンピュータやプリドライバ等の低電圧で作動する制御系回路部の故障は、偶発故障が主であり、故障する可能性は比較的低い。これに対し、三相ブリッジ回路(インバータ回路)を構成するMOSFET等のスイッチ素子は、大電流による熱負荷が大きいことから故障率が比較的高い。また、外乱等による上下アームの誤スイッチングにより上下アームショート故障が発生する可能性もある。
【0033】
従って、故障率の高い三相ブリッジ回路(インバータ回路)をバックアップ対象とし、バックアップ系統を設けることによる回路やシステム規模の増大を抑制しつつ、効率的なバックアップが可能となる。しかも、バックアップ系統にマイクロコンピュータやプリドライバを含まないため、小型化と低コスト化も図ることができる。
【0034】
更に、バックアップ用のハーフブリッジ回路の相数を、メイン駆動系統のハーフブリッジ回路の相数よりも少ない数にして相毎に置換することで、より小型化が可能となる。
【0035】
なお、上述した実施形態で説明された構成や方法等については、本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものに過ぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0036】
例えば、三相ブリッジ回路の1相分(上下アームハーフブリッジ回路)を、メイン駆動系統の故障相に置換する構成を例に取って説明したが、2相分設けても良い。この場合には、メイン駆動系統の異なる相であれば、2箇所または2回の故障(または異常)に対応できる。
【0037】
更に、メイン駆動系統の故障または異常が発生した駆動回路部の全部を、バックアップ回路部に切り替えるように構成しても構わない。
【符号の説明】
【0038】
10…駆動制御装置、11…第1メイン駆動系統、12…第2メイン駆動系統、13…ハーフブリッジ回路(バックアップ回路部)、14-1~14-6…切替回路、15…バックアップ回路部、16…直流電源、21,31…電源IC(電源回路)、22,32…マイクロコンピュータ、23,33…プリドライバ、24,34…三相ブリッジ回路(多相ブリッジ回路)、M…電動モータ
図1
図2
図3